説明

双方向スイッチのゲート駆動回路およびそれを用いたインバータあるいはマトリックスコンバータ

【課題】ダブルゲートを有したGaN双方向スイッチに使用されるゲート駆動回路において、何れか一方向にのみ通電可能な逆阻止モード(第一モードおよび第二モード)への移行の高速化を図ることを目的とする。
【解決手段】第一ソース端子4あるいは第二ソース端子5の少なくとも何れか一方と第一ゲート抵抗18A、18B、第二ゲート抵抗19A、19Bを各直列に接続し、第一ゲート抵抗18A、18Bと第二ゲート抵抗19A、19Bの接続点20A、20Bとの間にソース電位の変動が発生した際に、接続点20A、20Bへ電流を流すことのできるバイパス手段としてのダイオード21A、21Bを設ける構成にしたことにより、第一ソース端子4あるいは第二ソース端子5の何れかの電位が上昇した際にダイオード21A、21Bを介してゲート電流を流し、高速に逆阻止モードでの導通を可能としたゲート駆動回路を得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ駆動装置の半導体として使用される双方向スイッチのゲート駆動回路およびそれを用いたインバータあるいはマトリックスコンバータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のゲート駆動回路ではないが、双方向スイッチ用のスパイク電圧抑制回路としてツェナーダイオードの逆直列回路を接続されたものが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、そのスパイク電圧抑制回路について図11を参照しながら説明する。
【0004】
図11に示すように、トランジスタ101Aとトランジスタ101Bを逆直列に接続した半導体双方向スイッチ102の各トランジスタ101A、101Bの各ゲート103A、103Bと各コレクタ104A、104Bの間にツェナーダイオード105A、105Bと、ダイオード106A、106Bの逆直列回路を接続している。この半導体双方向スイッチ102をコレクタ104Aあるいは104Bの何れかが誘導性負荷等に接続された場合、コレクタ104A、あるいは104Bにスパイク電圧が発生することとなるが、コレクタ104Aあるいは104Bの端子電圧が上昇を開始すると同時に、ツェナーダイオード105Aあるいは105Bの電圧も上昇する。さらに半導体双方向スイッチ102の端子電圧も上昇を続けることとなる。その後、ツェナーダイオード105Aあるいは105Bの電圧が、ツェナー電圧に達すると、ツェナーダイオード105Aあるいは105Bが導通し、トランジスタ101Aあるいは101Bのゲート103Aあるいは103Bに電流が流れる。これによりトランジスタ101Aあるいは101Bは活性状態で再びオンすることとなる。以上により、トランジスタ101Aあるいは101Bの電圧は、ツェナーダイオード105A、あるいは105Bのツェナー電圧でクランプされることからスパイク電圧を抑制することができる。
【0005】
また、この種のゲート駆動回路は、CMOSドライバからゲート抵抗を介して半導体スイッチに接続されたものもある。(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
以下、そのゲート駆動回路について図12を参照しながら説明する。
【0007】
図12に示すように、逆阻止IGBT107A、107Bを互いに逆並列に接続した双方向スイッチ108をスイッチング素子とする電力変換装置は、逆阻止IGBT107A、107Bのゲート端子109A、109Bの電流検出手段110A、110Bと、検出された電流値を比較する比較手段111とを設けており、逆電圧が印加されている逆阻止IGBT107Aあるいは107Bを検出して、そのゲート端子109A、あるいは109Bをオンとするような構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−111398号公報
【特許文献2】特開2006−166582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような特許文献1における従来のスパイク電圧抑制回路においては、ツェナー電圧に到達すると、ツェナーダイオードを介してゲート端子に電流が流れ、トランジスタの導通を開始することができるが、ツェナー電圧に到達するまでの時間は、トランジスタがオフ状態を保持することとなり、トランジスタの導通開始までの時間は、より長くなることとなる。近年、SiCやGaNなど高速スイッチングデバイスが普及し始めている中、そのポテンシャルを最大限に引き出すためには、このツェナーダイオードを介してゲート電流を流すまでの時間を短縮する必要がある。この状態では、例えば、負荷として誘導負荷が接続され、トランジスタのターンオンまでの時間が長い場合、誘導負荷からの還流電流が流れる経路を確保できず、トランジスタのエミッタ端子あるいはコレクタ端子の電位が急激に上昇し、信頼性が低下する可能性が発生することとなるという課題を有していた。
【0010】
また、特許文献2における従来のゲート駆動回路では、同様に誘導負荷が接続された場合、ゲート端子に電流が流れ、逆阻止IGBTがオンする状態とする場合には、アクティブにゲート端子の駆動を行なう複雑、かつ高速なシーケンスを構成するか、あるいはCMOS、ゲート抵抗を介してゲート端子に電流を流す経路を確保する必要がある。この時、CMOS内部の寄生ダイオード、ゲート抵抗を経由して流す、すなわち寄生ダイオードを積極的に使用する必要があり、この種のゲート駆動回路では、装置の信頼性を悪化させるという課題を有していた。また、唯一のゲート抵抗、あるいは直列に接続されていた場合は、複数本のゲート抵抗を経由してゲート端子に電流を通電することから、ゲート駆動のための電流値に基づいた電流までしか通電できず、応答性を悪化させるという課題を有していた。
【0011】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、第一ソース端子あるいは第二ソース端子の少なくとも何れか一方と第一ゲート抵抗、第二ゲート抵抗を直列に接続し、第一ゲート抵抗と第二ゲート抵抗の直列接続した中点との間にソース電位の変動が発生した際に第一ゲート抵抗と第二ゲート抵抗の接続点側へ電流を流すことのできるバイパス手段を設ける構成とすることで、通常のゲート駆動のためのゲート電流の通電経路と異なる低インピーダンス回路を形成することができ、ターンオンまでの時間を短く、すなわち双方向スイッチの損失の増加防止、信頼性確保、また高速スイッチングデバイスのポテンシャルを最大限引き出すことができる双方向スイッチのゲート駆動回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そして、この目的を達成するために、本発明は、基板の上に形成されたチャネルを有する半導体層積層体と、前記半導体層積層体の上に互いに間隔をおいて形成された第1のオーミック電極及び第2のオーミック電極と、前記第1のオーミック電極と前記第2のオーミック電極との間に、前記第1のオーミック電極側から順に形成された、第1のゲート電極及び第2のゲート電極と、前記半導体層積層体と第1のゲート電極との間に形成された第1のp型半導体層と、前記半導体層積層体と第2のゲート電極との間に形成された第2のp型半導体とを有し、前記第1のオーミック電極と前記第1のゲート電極との間にゲート駆動信号を入力する第一ゲート端子と、前記第2のオーミック電極と前記第2のゲート電極との間にゲート駆動信号を入力する第二ゲート端子と、前記第1のオーミック電極に接続された第一ソース端子と、前記第2のオーミック電極に接続された第二ソース端子を備え、前記第一ゲート端子のみをオンすると、前記第一ソース端子から前記第二ソース端子間に向けてオン状態の双方向デバイスと逆方向ダイオードが直列接続された半導体として動作する第一モード、前記第二ゲート端子のみをオンすると、前記第一ソース端子から前記第二ソース端子間に向けて順方向ダイオードとオン状態の双方向デバイスが直列接続された半導体として動作する第二モード、前記第一ゲート端子および前記第二ゲート端子をオンすると、前記第一ソース端子から前記第二ソース端子間にダイオードを介さない双方向に導通するように動作する第三モード、前記第一ゲート端子および前記第二ゲート端子をオフすると順逆双方向に電流を遮断する第四モードを有した双方向スイッチに適用するゲート駆動回路であって、前記第一ソース端子あるいは第二ソース端子の少なくとも何れか一方と第一ゲート抵抗、第二ゲート抵抗を直列に接続し、前記第一ゲート抵抗と第二ゲート抵抗の直列接続した中点との間にソース電位の変動が発生した際に前記第一ゲート抵抗と第二ゲート抵抗の接続点側へ電流を流すことのできるバイパス手段を設ける構成としたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、基板の上に形成されたチャネルを有する半導体層積層体と、前記半導体層積層体の上に互いに間隔をおいて形成された第1のオーミック電極及び第2のオーミック電極と、前記第1のオーミック電極と前記第2のオーミック電極との間に、前記第1のオーミック電極側から順に形成された、第1のゲート電極及び第2のゲート電極と、前記半導体層積層体と第1のゲート電極との間に形成された第1のp型半導体層と、前記半導体層積層体と第2のゲート電極との間に形成された第2のp型半導体とを有し、前記第1のオーミック電極と前記第1のゲート電極との間にゲート駆動信号を入力する第一ゲート端子と、前記第2のオーミック電極と前記第2のゲート電極との間にゲート駆動信号を入力する第二ゲート端子と、前記第1のオーミック電極に接続された第一ソース端子と、前記第2のオーミック電極に接続された第二ソース端子を備え、前記第一ゲート端子のみをオンすると、前記第一ソース端子から前記第二ソース端子間に向けてオン状態の双方向デバイスと逆方向ダイオードが直列接続された半導体として動作する第一モード、前記第二ゲート端子のみをオンすると、前記第一ソース端子から前記第二ソース端子間に向けて順方向ダイオードとオン状態の双方向デバイスが直列接続された半導体として動作する第二モード、前記第一ゲート端子および前記第二ゲート端子をオンすると、前記第一ソース端子から前記第二ソース端子間にダイオードを介さない双方向に導通するように動作する第三モード、前記第一ゲート端子および前記第二ゲート端子をオフすると順逆双方向に電流を遮断する第四モードを有した双方向スイッチに適用するゲート駆動回路であって、前記第一ソース端子あるいは第二ソース端子の少なくとも何れか一方と第一ゲート抵抗、第二ゲート抵抗を直列に接続し、前記第一ゲート抵抗と第二ゲート抵抗の直列接続した中点との間にソース電位の変動が発生した際に前記第一ゲート抵抗と第二ゲート抵抗の接続点側へ電流を流すことのできるバイパス手段を設ける構成にしたことにより、誘導負荷が接続され、誘導負荷からの還流電流を双方向スイッチの第一モードあるいは第二モードの状態にて通電する場合であっても、第一ゲート端子あるいは第二ゲート端子のオフしている何れか一方のゲート端子に対して微小な電流を流し、ゲート端子とソース端子と間の寄生容量への充電を行い、ゲート端子とソース端子間の電圧をより高速に上昇させることでゲートが開くまでの時間を短くし、還流電流をより高速に通電できるため、第一ソース端子と第二ソース端子間に対して並列に特別な電流を通電する経路を設ける必要がなく、簡単な構成でより安価なゲート駆動回路を形成することができるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1の双方向スイッチの構成を示す図
【図2】同双方向スイッチの等価回路図((a)第1、第2のトランジスタで構成する等価回路図、(b)第2のトランジスタの等価回路図、(c)第2のトランジスタをダイオードとみなした場合の等価回路図)
【図3】同双方向スイッチの電圧・電流の相関図((a)Vg1とVg2とを同時に変化させた場合を示す図、(b)Vg2を第2の閾値電圧以下の0VとしVg1を変化させた場合を示す図、(c)Vg1を第1の閾値電圧以下の0VとしてVg2を変化させた場合を示す図)
【図4】同双方向スイッチの動作モードを示す図
【図5】同ゲート駆動回路の構成図
【図6】本発明の実施の形態2のゲート駆動回路の構成図
【図7】本発明の実施の形態3のゲート駆動回路の構成図
【図8】本発明の実施の形態4のゲート駆動回路の構成図
【図9】本発明の実施の形態5のバイパス手段を備えたゲート駆動回路を用いたインバータの構成図
【図10】本発明の実施の形態6のバイパス手段を備えたゲート駆動回路を用いたマトリックスコンバータの構成図
【図11】従来の特許文献1におけるスパイク電圧抑制(ゲート駆動)回路を示す図
【図12】従来の特許文献2におけるゲート駆動回路を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の請求項1記載の双方向スイッチのゲート駆動回路は、基板の上に形成されたチャネルを有する半導体層積層体と、前記半導体層積層体の上に互いに間隔をおいて形成された第1のオーミック電極及び第2のオーミック電極と、前記第1のオーミック電極と前記第2のオーミック電極との間に、前記第1のオーミック電極側から順に形成された、第1のゲート電極及び第2のゲート電極と、前記半導体層積層体と第1のゲート電極との間に形成された第1のp型半導体層と、前記半導体層積層体と第2のゲート電極との間に形成された第2のp型半導体とを有し、前記第1のオーミック電極と前記第1のゲート電極との間にゲート駆動信号を入力する第一ゲート端子と、前記第2のオーミック電極と前記第2のゲート電極との間にゲート駆動信号を入力する第二ゲート端子と、前記第1のオーミック電極に接続された第一ソース端子と、前記第2のオーミック電極に接続された第二ソース端子を備え、前記第一ゲート端子のみをオンすると、前記第一ソース端子から前記第二ソース端子間に向けてオン状態の双方向デバイスと逆方向ダイオードが直列接続された半導体として動作する第一モード、前記第二ゲート端子のみをオンすると、前記第一ソース端子から前記第二ソース端子間に向けて順方向ダイオードとオン状態の双方向デバイスが直列接続された半導体として動作する第二モード、前記第一ゲート端子および前記第二ゲート端子をオンすると、前記第一ソース端子から前記第二ソース端子間にダイオードを介さない双方向に導通するように動作する第三モード、前記第一ゲート端子および前記第二ゲート端子をオフすると順逆双方向に電流を遮断する第四モードを有した双方向スイッチに適用するゲート駆動回路であって、前記第一ソース端子あるいは第二ソース端子の少なくとも何れか一方と第一ゲート抵抗、第二ゲート抵抗を直列に接続し、前記第一ゲート抵抗と第二ゲート抵抗の直列接続した中点との間にソース電位の変動が発生した際に前記第一ゲート抵抗と第二ゲート抵抗の接続点側へ電流を流すことのできるバイパス手段を設ける構成を有する。これにより、双方向スイッチが第一モードあるいは第二モード、すなわち第一ゲート端子あるいは第二ゲート端子の何れか一方がオフ状態であり、オフ状態である第一ゲート端子あるいは第二ゲート端子に対応する第一ソース端子あるいは第二ソース端子側の電位が上昇した際に、電位の上昇に応じてバイパス手段を通じて第一ゲート抵抗と第二ゲート抵抗の接続点側へ電流を流すことができることとなるので、第一ゲート端子と第一ソース端子間の寄生容量、あるいは第二ゲート端子と第二ソース端子間の寄生容量に対してより高速に充電することができ、双方向スイッチが第一モードあるいは第二モードであっても第三モードと同等の導通速度を確保することができるという効果を奏する。
【0016】
また、請求項2記載の双方向スイッチのゲート駆動回路は、バイパス手段は、第一ゲート抵抗と第二ゲート抵抗の接続点側からソース端子側に対する電流を流すこともできるような構成を有する。これにより、誘導負荷が接続されて、インダクタンス成分により連続的に引かれることでソース端子側の電位が低下した場合にゲート端子側からソース端子側へ電流を流すことができることとなるので、より安定したゲート駆動を行なうことができるという効果を奏する。
【0017】
また、請求項3記載の双方向スイッチのゲート駆動回路は、バイパス手段は、ダイオードによる構成を有する。これにより、ゲート端子からソース端子側への電流を阻止しつつ、ソース端子側の電位が上昇した際にはダイオードを介して電流を流すことができることとなるので、簡単な構成でバイパスすることができ、より簡単かつ低コストな回路構成で実現することができるという効果を奏する。
【0018】
また、請求項4記載の双方向スイッチのゲート駆動回路は、バイパス手段は、定電流ダイオードによる構成を有する。これにより、ゲート端子からソース端子側への電流を阻止しつつ、ソース端子側の電位が上昇した際には定電流ダイオードを介して電流を流すことができることとなるので、ゲート端子側への電流制限をしつつ、簡単な構成でバイパスすることができ、より安定したゲート駆動、および簡単かつ低コストな回路構成で実現することができるという効果を奏する。
【0019】
また、請求項5記載の双方向スイッチのゲート駆動回路は、バイパス手段は、定電圧ダイオードによる構成を有する。これにより、ゲート端子からソース端子側への電流は、ツェナー電圧を超えた場合にのみ流れ、また、ソース端子からゲート端子側への電流は、ソース端子の電位の上昇に応じて電流を流すことができることとなるので、ゲート端子側へ印加される電圧を制限しつつ、第一ゲート端子と第一ソース端子間の寄生容量、あるいは第二ゲート端子と第二ソース端子間の寄生容量に対してより高速に充電することができ、双方向スイッチが第一モードあるいは第二モードであっても第三モードと同等の導通速度を確保することができるという効果を奏する。
【0020】
また、請求項6記載の双方向スイッチのゲート駆動回路は、バイパス手段は、低電位側の第一ソース端子あるいは第二ソース端子に対応する第一ゲート端子あるいは第二ゲート端子にのみ接続する構成を有する。これにより、インバータ等のように入力電圧の正負が逆転せず極性が固定であった場合に、部品が不要となるので、より安価な回路構成で実現することができるという効果を奏する。
【0021】
また、請求項7記載の双方向スイッチのゲート駆動回路は、バイパス手段は、第一ゲート端子および第二ゲート端子の双方に接続する構成を有する。これにより、マトリックスコンバータ等のように入力電圧の正負が逆転して極性が反転することで、交互に第一ソース端子あるいは第二ソース端子側の電位が上昇した際に、電位の上昇に応じてバイパス手段を通じて第一ゲート抵抗と第二ゲート抵抗の接続点側へ電流を流すことができることとなるので、第一ゲート端子と第一ソース端子間の寄生容量、あるいは第二ゲート端子と第二ソース端子間の寄生容量に対してより高速に充電することができ、双方向スイッチが第一モードあるいは第二モードであっても第三モードと同等の導通速度を確保することができるという効果を奏する。
【0022】
また、請求項8記載の双方向スイッチのゲート駆動回路は、バイパス手段は、ゲート駆動電源電圧を所望の電圧とする定電圧ダイオードと共用する構成を有する。これにより、定電圧ダイオードによりゲート駆動電源電圧を制限することと、第一ソース端子あるいは第二ソース端子側の電位が上昇した際に、電位の上昇に応じてバイパス手段を通じて第一ゲート抵抗と第二ゲート抵抗の接続点側へ電流を流すことができることとなるので、第一ゲート端子と第一ソース端子間の寄生容量、あるいは第二ゲート端子と第二ソース端子間の寄生容量に対してより高速に充電することができ、双方向スイッチが第一モードあるいは第二モードであっても第三モードと同等の導通速度を確保することができると同時により安価な回路構成で実現することができるという効果を奏する。
【0023】
また、請求項9記載の双方向スイッチのゲート駆動回路は、ソース端子側に接続した第一ゲート抵抗は、双方向スイッチのリードのインダクタンスと寄生容量による発振周波数を変更する抵抗と共用する構成を有する。これにより、第一ゲート抵抗でゲート電流を制限することと、双方向スイッチのリードのインダクタンスと寄生容量による発振周波数を変更することに2つの目的で共用することとなるので、より安価な回路構成で実現することができるという効果を奏する。
【0024】
また、請求項10記載の双方向スイッチのゲート駆動回路は、第二ゲート抵抗と並列にターンオフ速度を向上するスピードアップ回路を備える構成を有する。これにより、ターンオフ時間を短縮することとなるので、通常スイッチング時間の短いターンオン時間とのバランスがとれ、より安定したシステムとすることができるという効果を奏する。
【0025】
また、請求項11記載の双方向スイッチのゲート駆動回路は、スピードアップ回路は、第三ゲート抵抗とダイオードの直列回路とする構成を有する。これにより、簡単な構成でスピードアップ回路を構成することができることとなるので、より安価な構成で実現することができるという効果を奏する。
【0026】
また、請求項12記載の双方向スイッチのゲート駆動回路を用いたインバータは、バイパス手段を備えた双方向スイッチのゲート駆動回路を用いた構成を有する。これにより、インバータの各双方向スイッチのゲート駆動をより高速化を図ることとなるので、低損失かつ、低損失化による小型化を実現することができるという効果を奏する。
【0027】
また、請求項13記載の双方向スイッチのゲート駆動回路を用いたマトリックスコンバータは、バイパス手段を備えた双方向スイッチのゲート駆動回路を用いた構成を有する。これにより、マトリックスコンバータの各双方向スイッチのゲート駆動をより高速化を図ることとなるので、低損失かつ、低損失化による小型化、また、誘導負荷が接続された時、短絡防止のために設けたデッドタイムによる誘導負荷端電圧の上昇を防止するクランプ回路内部のコンデンサ容量低減による小型化を実現することができるという効果を奏する。
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0029】
(実施の形態1)
はじめに、双方向スイッチ1について、図1を参照しながら構成について説明する。図1に示すように、双方向スイッチ1は、第一ゲート端子2と第二ゲート端子3と第一ソース端子4と第二ソース端子5により構成されている。双方向スイッチ1は、シリコン(Si)からなる基板6の上に厚さが10nm窒化アルミニウム(AlN)と厚さが10nmの窒化ガリウム(GaN)とが交互に積層されてなる厚さが1μmのバッファ層7が形成され、その上に半導体層積層体8が形成されている。半導体層積層体8は、第1の半導体層とこの第1の半導体層と比べてバンドギャップが大きい第2の半導体層とが基板側から順次積層されている。第1の半導体層は、厚さが2μmのGaN(アンドープの窒化ガリウム)層9であり、第2の半導体層は、厚さが20nmのn型のAlGaN(窒化アルミニウムガリウム)層10である。GaN層9のAlGaN層10とのヘテロ界面近傍には、自発分極及びピエゾ分極による電荷が生じる。これにより、シートキャリア濃度が1×1013cm―2以上で且つ移動度が1000cm2V/sec以上の2次元電子ガス(2DEG)層であるチャネル領域が生成されている。つまり、半導体層積層体8は、2次元電子ガス(2DEG)層であるチャネル領域を有し、基板の上に形成されている。半導体層積層体8の上には、互いに間隔をおいて第1のオーミック電極11Aと第2のオーミック電極11Bとが形成されている。第1のオーミック電極11A及び第2のオーミック電極11Bは、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)とが積層されており、チャネル領域とオーミック接合を形成している。また、コンタクト抵抗を低減するために、AlGaN層10の一部を除去すると共にGaN層9を40nm程度掘り下げて、第1のオーミック電極11A及び第2のオーミック電極11BがAlGaN層10とGaN層9との界面に接するように形成した例を示している。なお、第1のオーミック電極11A及び第2のオーミック電極11Bは、AlGaN層10の上に形成してもよい。n型のAlGaN層10の上における第1のオーミック電極11Aと第2のオーミック電極11Bとの間の領域には、第1のp型半導体層12A及び第2のp型半導体層12Bが互いに間隔をおいて選択的に形成されている。第1のp型半導体層12Aの上には第1のゲート電極13Aが形成され、第2のp型半導体層12Bの上には第2のゲート電極13Bが形成されている。第1のゲート電極13A及び第2のゲート電極13Bは、それぞれパラジウム(Pd)と金(Au)とが積層されており、第1のp型半導体層12A及び第2のp型半導体層12Bとオーミック接触している。AlGaN層10及び第1のp型半導体層12A及び第2のp型半導体層12Bを覆うように窒化シリコン(SiN)からなる保護膜14が形成されている。保護膜14を形成することで、いわゆる電流コラプスの原因となる欠陥を保障し、電流コラプスを改善することが可能となる。第1のp型半導体層12A及び第2のp型半導体層12Bは、それぞれ厚さが300nmで、マグネシウム(Mg)がドープされたp型のGaNからなる。第1のp型半導体層12A及び第2のp型半導体層12Bと、AlGaN層10とによりPN接合がそれぞれ形成される。これにより、第1のオーミック電極11Aと第1のゲート電極13Aとの間の電圧が例えば0Vでは、第1のp型GaN層からチャネル領域中に空乏層が広がるため、チャネルに流れる電流を遮断することができ、同様に、第2のオーミック電極11Bと第2のゲート電極13Bとの間の電圧が例えば0V以下のときには、第2のp型GaN層からチャネル領域中に空乏層が広がるため、チャネルに流れる電流を遮断することができ、いわゆるノーマリーオフ動作をする半導体素子を実現している。第1のオーミック電極11Aの電位をV1、第1のゲート電極13Aの電位をV2、第2のゲート電極13Bの電位をV3、第2のオーミック電極11Bの電位をV4とする。この場合において、V2がV1より1.5V以上高ければ、第1のp型半導体層12Aからチャネル領域中に広がる空乏層が縮小するため、チャネル領域に電流を流すことができる。同様にV3がV4より1.5V以上高ければ、第2のp型半導体層12Bからチャネル領域中に広がる空乏層が縮小し、チャネル領域に電流を流すことができる。つまり、第1のゲート電極13Aのいわゆる閾値電圧及び第2のゲート電極13Bのいわゆる閾値電圧は共に1.5Vである。以下においては、第1のゲート電極13Aの下側においてチャネル領域中に広がる空乏層が縮小し、チャネル領域に電流を流すことができるようになる第1のゲート電極13Aの閾値電圧を第1の閾値電圧とし、第2のゲート電極13Bの下側においてチャネル領域中に広がる空乏層が縮小し、チャネル領域に電流を流すことができるようになる第2のゲート電極13Bの閾値電圧を第2の閾値電圧とする。また、第1のp型半導体層12Aと第2のp型半導体層12Bとの間の距離は、第1のオーミック電極11A及び第2のオーミック電極11Bに印加される最大電圧に耐えられるように構成する。
【0030】
つまり、双方向スイッチ1は、チャネル領域を有する半導体層積層体8と、この半導体層積層体8の上に互いに間隔をおいて形成した第1のオーミック電極11A及び第2のオーミック電極11Bと、第1のオーミック電極11Aと前記第2のオーミック電極11Bとの間に前記第1のオーミック電極11A側から順に形成した第1のp型半導体層12A及び第2のp型半導体層12Bと、第1のp型半導体層12Aの上に形成した第1のゲート電極13Aと、第2のp型半導体層12Bの上に形成した第2のゲート電極13Bとを備えた基板と、前記第1のオーミック電極11Aに接続した第一ソース端子4と、前記第2のオーミック電極11Bに接続した第二ソース端子5と、前記第1のゲート電極13Aに接続した第一ゲート端子2と、前記第2のゲート電極13Bに接続した第二ゲート端子3とで構成される。
【0031】
次に、双方向スイッチ1の動作について説明する。説明のため、第1のオーミック電極11Aの電位を0Vとし、第一ゲート端子2に印加する電圧をVg1、第二ゲート端子3に印加する電圧をVg2、第2のオーミック電極11Bと第1のオーミック電極11Aとの間の電圧をVs2s1、第2のオーミック電極11Bと第1のオーミック電極11Aとの間に流れる電流をIs2s1とする。
【0032】
V4がV1よりも高い場合、例えば、V4が+100Vで、V1が0Vの場合において、第一ゲート端子2と第二ゲート端子3の入力電圧であるVg1及びVg2をそれぞれ第1の閾値電圧及び第2の閾値電圧以下の電圧、例えば0Vとする。これにより、第1のp型半導体層12Aから広がる空乏層が、チャネル領域中を第2のp型GaN層の方向へ向けて広がるため、チャネルに流れる電流を遮断することができる。従って、V4が正の高電圧であっても、第2のオーミック電極11Bから第1のオーミック電極11Aへ流れる電流を遮断する遮断状態を実現できる。一方、V4がV1よりも低い場合、例えばV4が−100Vで、V1が0Vの場合においても、第2のp型半導体層12Bから広がる空乏層が、チャネル領域中を第1のp型半導体層12Aの方向へ向けて広がり、チャネルに流れる電流を遮断することができる。このため、第2のオーミック電極11Bに負の高電圧が印加されている場合においても、第1のオーミック電極11Aから第2のオーミック電極11Bへ流れる電流を遮断することができる。すなわち、双方向スイッチ1の双方向の電流を遮断することが可能となる。
【0033】
以上のような構造及び動作において、耐圧を確保するためのチャネル領域を第1のゲート電極13Aと第2のゲート電極13Bとが共有する。この素子は、1素子分のチャネル領域の面積で双方向スイッチ1が実現可能であり、双方向スイッチ1全体を考えると、2つのダイオードと2つのノーマリーオフ型のAlGaN/GaN−HFETとを用いた場合と比べてチップ面積をより少なくすることができ、双方向スイッチ1の低コスト化及び小型化が可能となる。
【0034】
次に、第一ゲート端子2、第二ゲート端子3の入力電圧であるVg1及びVg2が、それぞれ第1の閾値電圧及び第2の閾値電圧よりも高い電圧、例えば5Vの場合には、第1のゲート電極13A及び第2のゲート電極13Bに印加される電圧は、共に閾値電圧よりも高くなる。従って、第1のp型半導体層12A及び第2のp型半導体層12Bからチャネル領域に空乏層が広がらないため、チャネル領域は第1のゲート電極13Aの下側においても、第2のゲート電極13Bの下側においてもピンチオフされない。その結果、第1のオーミック電極11Aと第2のオーミック電極11Bとの間に双方向に電流が流れる導通状態を実現できる。
【0035】
次に、Vg1を第1の閾値電圧よりも高い電圧とし、Vg2を第2の閾値電圧以下とした場合の動作について説明する。第一ゲート端子2、第二ゲート端子3を備えた双方向スイッチ1を等価回路で表すと図2(a)に示すように第1のトランジスタ15と第2のトランジスタ16とが直列に接続された回路とみなすことができる。この場合、第1のトランジスタ15のソース(S)が第1のオーミック電極11A、第1のトランジスタ15のゲート(G)が第1のゲート電極13Aに対応し、第2のトランジスタ16のソース(S)が第2のオーミック電極11B、第2のトランジスタ16のゲート(G)が第2のゲート電極13Bに対応する。このような回路において、例えば、Vg1を5V、Vg2を0Vとした場合、Vg2が0Vであるということは第2のトランジスタ16のゲートとソースが短絡されている状態と等しいため、双方向スイッチ1は図2(b)に示すような回路とみなすことができる。
【0036】
さらに、図2(b)に示す第2のトランジスタ16のソース(S)をA端子、ドレイン(D)をB端子、ゲート(G)をC端子として説明を行う。図に示すB端子の電位がA端子の電位よりも高い場合には、A端子がソースでB端子がドレインであるトランジスタとみなすことができ、このような場合、C端子(ゲート)とA端子(ソース)との間の電圧は0Vであり、閾値電圧以下のため、B端子(ドレイン)からA端子(ソース)に電流は流れない。一方、A端子の電位がB端子の電位よりも高い場合には、B端子がソースでA端子がドレインのトランジスタとみなすことができる。このような場合、C端子(ゲート)とA端子(ドレイン)との電位が同じであるため、A端子の電位がB端子を基準として閾値電圧以下の場合にはA端子(ドレイン)からB端子(ソース)へ電流を通電しない。A端子の電位がB端子を基準として閾値電圧以上となると、ゲートにB端子(ソース)を基準として閾値電圧以上の電圧が印加され、A端子(ドレイン)からB端子(ソース)へ電流を流すことができる。つまり、トランジスタのゲートとソースとを短絡させた場合、ドレインがカソードでソースがアノードのダイオードとして機能し、その順方向立上り電圧はトランジスタの閾値電圧となる。そのため、図2(a)に示す第2のトランジスタ16の部分は、ダイオードとみなすことができ、図2(c)に示すような等価回路となる。図2(c)に示す等価回路において、双方向スイッチ1の第一ソース端子4の電位が第二ソース端子5の電位よりも高い場合、第1のトランジスタ15の第一ゲート端子2に5Vが印加されている場合には、第1のトランジスタ15はオン状態であり、S2からS1へ電流を流すことが可能となる。ただし、ダイオードの順方向立上り電圧によるオン電圧が発生する。また、双方向スイッチ1のS1の電位がS2の電位よりも高い場合、その電圧は第2のトランジスタ16からなるダイオードが担い、双方向スイッチ1のS1からS2へ流れる電流を阻止する。つまり、第一ゲート端子2に閾値電圧以上の電圧を与え、第二ゲート端子3に閾値電圧以下の電圧を与えることにより、いわゆる双方向素子をオンした状態とドレイン側(第一ソース側)にダイオードのカソード側を直列接続した動作が可能なスイッチが実現できる。
【0037】
図3は、双方向スイッチ1のVs2s1とIs2s1との関係であり、(a)は、Vg1とVg2とを同時に変化させた場合を示し、(b)はVg2を第2の閾値電圧以下の0Vとし、Vg1を変化させた場合を示し、(c)はVg1を第1の閾値電圧以下の0VとしてVg2を変化させた場合を示している。なお、図3において横軸であるS2−S1間電圧(Vs2s1)は、第1のオーミック電極11Aを基準とした電圧であり、縦軸であるS2−S1間電流(Is2s1)は第2のオーミック電極11Bから第1のオーミック電極11Aへ流れる電流を正としている。図3(a)に示すように、Vg1及びVg2が0Vの場合及び1Vの場合には、Vs2s1が正の場合にも負の場合にもIs2s1は流れず、双方向スイッチ1は遮断状態となる。また、Vg1とVg2とが共に閾値電圧よりも高くなると、Vs2s1に応じてIs2s1が双方向に流れる導通状態となる。一方、図3(b)に示すように、Vg2を第2の閾値電圧以下の0Vとし、Vg1を第1の閾値電圧以下の0Vとした場合には、Is2s1は双方向に遮断される。しかし、Vg1を第1の閾値電圧以上の2V〜5Vとした場合には、Vs2s1が1.5V未満の場合にはIs2s1が流れないが、Vs2s1が1.5V以上になるとIs2s1が流れる。つまり、第2のオーミック電極11Bから第1のオーミック電極11Aにのみに電流が流れ、第1のオーミック電極11Aから第2のオーミック電極11Bには電流が流れない逆阻止状態となる。また、Vg1を0Vとし、Vg2を変化させた場合には図3(c)に示すように、第1のオーミック電極11Aから第2のオーミック電極11Bにのみに電流が流れ、第2のオーミック電極11Bから第1のオーミック電極11Aには電流が流れない逆阻止状態となる。
【0038】
以上より、双方向スイッチ1は、そのゲートバイアス条件により、双方向の電流を遮断・通電する機能を有すると共に、ダイオード動作も可能であり、そのダイオードの電流が通電する方向も切り換えることができる。
【0039】
以上、説明したように双方向スイッチ1の第一ゲート端子2と第二ゲート端子3のオンあるいはオフ条件に応じて、図4に示す4つの動作モードで動作することができる。つまり、双方向スイッチ1は、前記第一ゲート端子2と第一ソース端子4間のみにゲート駆動信号を入力する(簡略化して言うと、第一ゲート端子2のみをオンする)と、前記第一ソース端子4から前記第二ソース端子5間に向けてオン状態の双方向デバイスと逆方向ダイオードが直列接続された半導体として動作する第一モードと、前記第二ゲート端子3と前記第二ソース端子5間のみにゲート駆動信号を入力する(簡略化して言うと、第二ゲート端子3のみをオンする)と、前記第一ソース端子4から前記第二ソース端子5間に向けて順方向ダイオードとオン状態の双方向デバイスが直列接続された半導体として動作する第二モードと、前記第一ゲート端子2と第一ソース端子4間および前記第二ゲート端子3と前記第二ソース端子5間にゲート駆動信号を入力(簡略化して言うと、第一ゲート端子2および前記第二ゲート端子3をオンする信号を入力)して前記第一ソース端子4から前記第二ソース端子5間に順方向ダイオードおよび逆方向ダイオードのいずれも介さない双方向に導通する動作する第三モードと、前記第一ゲート端子2と第一ソース端子4間および前記第二ゲート端子3と前記第二ソース端子5間のいずれにもゲート駆動信号を加えないで(簡略化して言うと、第一ゲート端子2および前記第二ゲート端子3をオフして)順逆双方向の電流を遮断する第四モードとを有するものである。
【0040】
本構造はJFETに類似しているが、キャリア注入を意図的に行うという点で、ゲート電界によりチャネル領域内のキャリア変調を行うJFETとは全く異なった動作原理により動作する。具体的には、ゲート電圧が3VまではJFETとして動作するが、pn接合のビルトインポテンシャルを超える3V以上のゲート電圧が印加された場合には、ゲートに正孔が注入され、前述したメカニズムにより電流が増加し、大電流且つ低オン抵抗の動作が可能となる。
【0041】
また、双方向スイッチ1は、第1のゲート電極13Aがp型の導電性を有する第1のp型半導体層12Aの上に形成され、第2のゲート電極13Bがp型の導電性を有する第2のp型半導体層12Bの上に形成されている。このため、第1の半導体層と第2の半導体層との界面領域に生成されるチャネル領域に対して、第1のゲート電極13A及び第2のゲート電極13Bから順方向のバイアスを印加することにより、チャネル領域内に正孔を注入することができる。窒化物半導体においては正孔の移動度は、電子の移動度よりもはるかに低いため、チャネル領域に注入された正孔は電流を流す担体としてほとんど寄与しない。このため、第1のゲート電極13A及び第2のゲート電極13Bから注入された正孔は同量の電子をチャネル領域内に発生させるので、チャネル領域内に電子を発生させる効果が高くなり、ドナーイオンのような機能を発揮する。つまり、チャネル領域内においてキャリア濃度の変調を行うことが可能となるため、動作電流が大きいノーマリーオフ型の窒化物半導体層双方向スイッチを実現することが可能となる。
【0042】
次に、双方向スイッチ1を駆動するためのゲート駆動回路17について、図5を参照しながら説明する。図5に示すように、ゲート駆動回路17は、第二ゲート端子3と第一ゲート抵抗18A、第二ゲート抵抗19Aを直列に接続し、第一ゲート抵抗18Aと第二ゲート抵抗19Aの直列接続した接続点20Aとの間に第二ゲート端子3から接続点20Aへ電流を流すことのできるバイパス手段としてのダイオード21Aと、第一ソース端子4と第一ゲート抵抗18B、第二ゲート抵抗19Bを直列に接続し、第一ゲート抵抗18Bと第二ゲート抵抗19Bの直列接続した接続点20Bとの間に第一ソース端子4から接続点20Bへ電流を流すことのできるバイパス手段としてのダイオード21Bを備えている。このダイオード21Bは、双方向スイッチ1が逆阻止状態でオフしている、すなわち、第一ゲート端子2と第一ソース端子4の間の寄生容量に対して充電されていない際に、第一ソース端子4の電位が上昇した場合、第一ソース端子4からダイオード21B、第一ゲート抵抗18Bを介して第一ゲート端子2へ電流を流すことができ、第一ゲート端子2と第一ソース端子4の間の寄生容量に対して充電することができることとなる。また、第一ゲート抵抗18A、18Bは、双方向スイッチ1のリードのインダクタンスと寄生容量による発振周波数を変更する抵抗と共用する構成となっており、また、第二ゲート抵抗19A、19Bと並列にターンオフ速度を向上するスピードアップ回路としての第三ゲート抵抗22A、22Bとダイオード23A、23Bのそれぞれ直列回路となっている。
【0043】
上記構成において、図示したフォトカプラよりゲート入力信号は、オフからオンに切換る際、第二ゲート抵抗19A、19B、第一ゲート抵抗18A、18Bを介してターンオンすることができる。また、オフ信号が入力された際には、第一ゲート端子2と第一ソース端子4間、あるいは第二ゲート端子3と第二ソース端子5間に蓄積された電荷を第一ゲート抵抗18A、18B、第三ゲート抵抗22A、22B、ダイオード23A、23Bを介して引き抜くこと、すなわちターンオフすることができる。また、第二ソース端子5の電位が上昇した際に、ダイオード21B、第一ゲート抵抗18Bを介して、第一ゲート端子2と第二ゲート端子3の間の寄生容量、および第一ゲート端子2と第一ソース端子4の間の寄生容量へ第二ゲート抵抗19A、19Bを介さずに、高速に充電することができる。
【0044】
(実施の形態2)
図6において、図1〜図5と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0045】
図6は、本実施の形態におけるゲート駆動回路17Bは、接続点20A、20Bから第一ソース端子4、第二ソース端子5へ電流を流すことができるように、バイパス手段としての定電圧ダイオード24A、24Bを有している。定電圧ダイオード24A、24Bはゲート駆動電源電圧を所望の電圧(例えば5V)とする手段と共用する構成となっている。定電圧ダイオード24A、24Bは、第一ソース端子4、第二ソース端子5の何れかの電位が上昇した際には順方向に電流が流れ、第一ゲート端子2、あるいは第二ゲート端子3へ電流が流れる。また、第一ソース端子4、第二ソース端子5の何れかの電位が低下してツェナー電圧を上回った時、逆方向に電流が流れ、誤点弧を防止、あるいは第一ゲート端子2、あるいは第二ゲート端子3の保護を行なう。さらに、定電圧ダイオード24A、24Bは、ゲート信号がHiとなった際に、駆動電源電圧を所望の電圧(ツェナー電圧)にクランプすることとなる。
【0046】
上記構成において、ゲート入力信号がオフからオンに切換る際、第二ゲート抵抗19A、19B、第一ゲート抵抗18A、18Bを介してターンオンすることができ、また、オフ信号が入力された際には、第一ゲート端子2と第一ソース端子4間、あるいは第二ゲート端子3と第二ソース端子5間に蓄積された電荷を第一ゲート抵抗18A、18B、第三ゲート抵抗22A、22B、ダイオード23A、23Bを介して引き抜くこと、すなわちターンオフすることができる。また、第二ソース端子5の電位が上昇した際に、定電圧ダイオード24B、第一ゲート抵抗18Bを介して、第一ゲート端子2と第二ゲート端子3の間の寄生容量、および第一ゲート端子2と第一ソース端子4の間の寄生容量へ第二ゲート抵抗19A、19Bを介さずに、高速に充電することができ、さらに、第一ソース端子4、第二ソース端子5の何れかの電位が低下してツェナー電圧を上回った時、逆方向に電流が流れ、誤点弧を防止することができる。
【0047】
(実施の形態3)
図7において、図1〜図6と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0048】
図7は、本実施の形態におけるゲート駆動回路17Cは、第一ソース端子4、第二ソース端子5から接続点20A、20Bへ電流を流す際の電流を定電流とすることができるように、バイパス手段としての定電流ダイオード25A、25Bを有している。定電流ダイオード25A、25Bは、第一ソース端子4あるいは第二ソース端子5の電位が上昇した際に第一ゲート端子2、あるいは第二ゲート端子3へ流れようとする電流を制限することとなる。
【0049】
上記構成において、ゲート入力信号がオフからオンに切換る際、第二ゲート抵抗19A、19B、第一ゲート抵抗18A、18Bを介してターンオンすることができ、また、オフ信号が入力された際には、第一ゲート端子2と第一ソース端子4間、あるいは第二ゲート端子3と第二ソース端子5間に蓄積された電荷を第一ゲート抵抗18A、18B、第三ゲート抵抗22A、22B、ダイオード23A、23Bを介して引き抜くこと、すなわちターンオフすることができる。また、第二ソース端子5の電位が上昇した際に、定電流ダイオード25B、第一ゲート抵抗18Bを介して、第一ゲート端子2と第二ゲート端子3の間の寄生容量、および第一ゲート端子2と第一ソース端子4の間の寄生容量へ第二ゲート抵抗19A、19Bを介さずに、高速に充電することができ、さらに、定電流ダイオード25A、25Bにより、第一ゲート端子2、第二ゲート端子3への電流を制限することができ、第一ゲート端子2、第二ゲート端子3を保護することができる。
【0050】
(実施の形態4)
図8において、図1〜図7と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0051】
図8は、本実施の形態におけるゲート駆動回路17Dは、低電位側を第二ソース端子5として説明する。第二ソース端子5から接続点20Bへ電流を流すバイパス手段としてのダイオード21Bを備えており、双方向スイッチ1がインバータ回路の上アームとし、また、誘導負荷が接続されていた場合、対向する下アームがターンオフした際、誘導負荷からの還流電流により第二ソース端子5の電位が上昇することとなる。ここで、双方向スイッチ1は、上下アーム短絡を防止しつつ、上アームに還流電流を流すことができる状態とするため、第一モードとなっている。その時、第二ゲート端子3と第一ゲート端子2間の寄生容量と、第一ゲート端子2と第一ソース端子4間の寄生容量に対して、ダイオード21B、第一ゲート抵抗18Bを介して充電することができることとなる。また、低電位側を第二ソース端子5として説明したが、低電位側が第一ソース端子4の場合も、双方向スイッチ1は双方向に電流を制御することができるため、同様の動作となるため、詳細な説明は省略する。
【0052】
上記構成において、ゲート入力信号がオフからオンに切換る際、第二ゲート抵抗19A、19B、第一ゲート抵抗18A、18Bを介してターンオンすることができる。また、オフ信号が入力された際には、第一ゲート端子2と第一ソース端子4間、あるいは第二ゲート端子3と第二ソース端子5間に蓄積された電荷を第一ゲート抵抗18A、18B、第三ゲート抵抗22A、22B、ダイオード23A、23Bを介して引き抜くこと、すなわちターンオフすることができる。また、インバータなどを構成した際に、低電位側に接続した例えば第二ソース端子5の電位が上昇した際に、ダイオード21B、第一ゲート抵抗18Bを介して、第一ゲート端子2と第二ゲート端子3の間の寄生容量、および第一ゲート端子2と第一ソース端子4の間の寄生容量へ第二ゲート抵抗19A、19Bを介さずに、高速に充電することができ、誘導負荷等が負荷として接続された際に電位が上昇する低電位側の第二ソース端子5にのみバイパス手段としてのダイオード21Bを追加したため、低コスト化を図ることができる。
【0053】
(実施の形態5)
図9において、図1〜図8と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0054】
本実施の形態におけるインバータ26は、バイパス手段として低電位側の第二ソース端子に対応する第二ゲート端子にダイオード21A〜21Fを備えたゲート駆動回路17A〜17Fを実施の形態1で説明した双方向スイッチ1をインバータ26の各アームに配置した双方向スイッチ1a〜1fに接続しており、負荷としてブラシレスDCモータ27が接続されている。ブラシレスDCモータ27は、例えば各相の下アームがターンオフした際であっても、相電流は連続して流れようとするため、ダイオード21A〜21Fを備えたゲート駆動回路17A〜17Fにより、導通速度を高め、双方向スイッチ1a〜1fが第一モードあるいは第二モードで通電を開始するまでの時間を短縮することができる。
【0055】
上記構成において、ゲート入力信号がオフからオンに切換る際、第二ゲート抵抗19A〜19L、第一ゲート抵抗18A〜18Lを介してターンオンすることができる。また、オフ信号が入力された際には、第一ゲート端子2と第一ソース端子4間、あるいは第二ゲート端子3と第二ソース端子5間に蓄積された電荷を第一ゲート抵抗18A〜18L、第三ゲート抵抗22A〜22L、ダイオード23A〜23Lを介して引き抜くこと、すなわちターンオフすることができる。また、ブラシレスDCモータ27からの還流電流により、低電位側に接続した第二ソース端子5の電位が上昇した際に、ダイオード21A〜21F、第一ゲート抵抗18G〜18Lを介して、第一ゲート端子2と第二ゲート端子3の間の寄生容量、および第一ゲート端子2と第一ソース端子4の間の寄生容量へ第二ゲート抵抗19G〜19Lを介さずに、高速に充電することができ、双方向スイッチ1は高速に導通を開始することができるため、ブラシレスDCモータ27の相電流の落ち込みを抑制することができると同時に各相電圧の過渡的な上昇を防止することができる。
【0056】
(実施の形態6)
図10において、図1〜図9と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0057】
本実施の形態におけるマトリックスコンバータ28は、バイパス手段として第一ゲート端子および第二ゲート端子の双方に接続したダイオード21A〜21Lを備えたゲート駆動回路17A〜17Fを実施の形態1で説明した双方向スイッチ1をマトリックスコンバータ28の各アームに配置した双方向スイッチ1a〜1fに接続しており、負荷としてブラシレスDCモータ27が接続されている。ブラシレスDCモータ27は、例えば各相の何れか低電位側のアームがターンオフした際であっても、相電流は連続して流れようとするため、ダイオード21A〜21Lを備えたゲート駆動回路17A〜17Fにより、導通速度を高め、双方向スイッチ1a〜1fが第一モードあるいは第二モードで通電を開始するまでの時間を短縮することができる。
【0058】
上記構成において、ゲート入力信号がオフからオンに切換る際、第二ゲート抵抗19A〜19L、第一ゲート抵抗18A〜18Lを介してターンオンすることができる。また、オフ信号が入力された際には、第一ゲート端子2と第一ソース端子4間、あるいは第二ゲート端子3と第二ソース端子5間に蓄積された電荷を第一ゲート抵抗18A〜18L、第三ゲート抵抗22A〜22L、ダイオード23A〜23Lを介して引き抜くこと、すなわちターンオフすることができる。また、ブラシレスDCモータ27からの還流電流により、例えば、交流電源29の電源電圧の0〜πまでの周期の際に、双方向スイッチ1b、1d、あるいは1fがターンオフした際に双方向スイッチ1a、1c、あるいは1eの第二ソース端子5の電位が上昇するため、ダイオード21A〜21F、第一ゲート抵抗18A〜18Fを介して、第一ゲート端子2と第二ゲート端子3の間の寄生容量、および第一ゲート端子2と第一ソース端子4の間の寄生容量へ第二ゲート抵抗19A〜19Fを介さずに、高速に充電することができ、双方向スイッチ1は高速に導通を開始することができるため、ブラシレスDCモータ27の相電流の落ち込みを抑制することができると同時に各相電圧の過渡的な上昇を防止することができる。交流電源29の電源電圧のπ〜2πまでの周期の際には、同様に双方向スイッチ1a、1c、あるいは1eがターンオフした際に双方向スイッチ1b、1d、あるいは1fの第一ソース端子4の電位が上昇するため、ダイオード21G〜21L、第一ゲート抵抗18A〜18Fを介して、第一ゲート端子2と第二ゲート端子3の間の寄生容量、および第二ゲート端子3と第二ソース端子5の間の寄生容量へ第二ゲート抵抗19A〜19Fを介さずに、高速に充電することができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明にかかる発明は、モータ駆動装置の半導体として使用される双方向スイッチのゲート駆動回路についての発明であり、ダブルゲートを有したGaN双方向スイッチに使用されるゲート駆動回路において、何れか一方向にのみ通電可能な逆阻止モード(第一モードおよび第二モード)への移行の高速化を図るものであり、モータ駆動用のインバータあるいはマトリックスコンバータ装置に適用できる。
【符号の説明】
【0060】
1 双方向スイッチ
1a〜1f 双方向スイッチ
2 第一ゲート端子
3 第二ゲート端子
4 第一ソース端子
5 第二ソース端子
6 基板
7 バッファ層
8 半導体層積層体
9 GaN層
10 AlGaN層
11A 第1のオーミック電極
11B 第2のオーミック電極
12A 第1のp型半導体層
12B 第2のp型半導体層
13A 第1のゲート電極
13B 第2のゲート電極
14 保護膜
15 第1のトランジスタ
16 第2のトランジスタ
17 ゲート駆動回路
17A〜17F ゲート駆動回路
18A、18B 第一ゲート抵抗
18A〜18L 第一ゲート抵抗
19A、19B 第二ゲート抵抗
19A〜19L 第二ゲート抵抗
20A、20B 接続点
21A、21B ダイオード
21A〜21L ダイオード
22A、22B 第三ゲート抵抗
22A〜22L 第三ゲート抵抗
23A、23B ダイオード
23A〜23L ダイオード
24A、24B 定電圧ダイオード
25A、25B 定電流ダイオード
26 インバータ
27 ブラシレスDCモータ
28 マトリックスコンバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上に形成されたチャネルを有する半導体層積層体と、前記半導体層積層体の上に互いに間隔をおいて形成された第1のオーミック電極及び第2のオーミック電極と、前記第1のオーミック電極と前記第2のオーミック電極との間に、前記第1のオーミック電極側から順に形成された、第1のゲート電極及び第2のゲート電極と、前記半導体層積層体と第1のゲート電極との間に形成された第1のp型半導体層と、前記半導体層積層体と第2のゲート電極との間に形成された第2のp型半導体とを有し、前記第1のオーミック電極と前記第1のゲート電極との間にゲート駆動信号を入力する第一ゲート端子と、前記第2のオーミック電極と前記第2のゲート電極との間にゲート駆動信号を入力する第二ゲート端子と、前記第1のオーミック電極に接続された第一ソース端子と、前記第2のオーミック電極に接続された第二ソース端子を備え、前記第一ゲート端子のみをオンすると、前記第一ソース端子から前記第二ソース端子間に向けてオン状態の双方向デバイスと逆方向ダイオードが直列接続された半導体として動作する第一モード、前記第二ゲート端子のみをオンすると、前記第一ソース端子から前記第二ソース端子間に向けて順方向ダイオードとオン状態の双方向デバイスが直列接続された半導体として動作する第二モード、前記第一ゲート端子および前記第二ゲート端子をオンすると、前記第一ソース端子から前記第二ソース端子間にダイオードを介さない双方向に導通するように動作する第三モード、前記第一ゲート端子および前記第二ゲート端子をオフすると順逆双方向に電流を遮断する第四モードを有した双方向スイッチに適用するゲート駆動回路であって、前記第一ゲート端子あるいは第二ゲート端子の少なくとも何れか一方と第一ゲート抵抗、第二ゲート抵抗を直列に接続し、前記第一ソース端子あるいは第二ソース端子の電位変動が発生した際に、前記第一ソース端子あるいは第二ソース端子から前記第一ゲート抵抗と第二ゲート抵抗の接続点側へ電流を流すことのできるバイパス手段を設けたことを特徴とする双方向スイッチのゲート駆動回路。
【請求項2】
バイパス手段は、第一ゲート抵抗と第二ゲート抵抗の接続点側からソース端子側に対する電流を流すこともできるように構成したことを特徴とする請求項1記載の双方向スイッチのゲート駆動回路。
【請求項3】
バイパス手段は、ダイオードであることを特徴とする請求項1記載の双方向スイッチのゲート駆動回路。
【請求項4】
バイパス手段は、定電流ダイオードであることを特徴とする請求項1記載の双方向スイッチのゲート駆動回路。
【請求項5】
バイパス手段は、定電圧ダイオードであることを特徴とする請求項1あるいは2記載の双方向スイッチのゲート駆動回路。
【請求項6】
バイパス手段は、低電位側の第一ソース端子あるいは第二ソース端子に対応する第一ゲート端子あるいは第二ゲート端子にのみ接続したことを特徴とする請求項1から5何れかに記載の双方向スイッチのゲート駆動回路。
【請求項7】
バイパス手段は、第一ゲート端子および第二ゲート端子の双方に接続したことを特徴とする請求項1から5何れかに記載の双方向スイッチのゲート駆動回路。
【請求項8】
バイパス手段は、ゲート駆動電源電圧を所望の電圧とする定電圧ダイオードと共用することを特徴とする請求項5記載の双方向スイッチのゲート駆動回路。
【請求項9】
ゲート端子側に接続した第一ゲート抵抗は、双方向スイッチのリードのインダクタンスと寄生容量による発振周波数を変更する抵抗と共用することを特徴とする請求項1から8何れかに記載の双方向スイッチのゲート駆動回路。
【請求項10】
第二ゲート抵抗と並列にターンオフ速度を向上するスピードアップ回路を備えたことを特徴とする請求項1から9何れかに記載の双方向スイッチのゲート駆動回路。
【請求項11】
スピードアップ回路は、第三ゲート抵抗とダイオードの直列回路であることを特徴とする請求項1から10何れかに記載の双方向スイッチのゲート駆動回路。
【請求項12】
請求項1から11何れかに記載の双方向スイッチのゲート駆動回路を用いたインバータ。
【請求項13】
請求項1から5あるいは請求項7から11何れかに記載の双方向スイッチのゲート駆動回路を用いたマトリックスコンバータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−172425(P2011−172425A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35578(P2010−35578)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】