説明

反射型発光ダイオード

【課題】比較的遠い前方に向けて狭い指向性を持って光線を正確に放射できる反射型発光ダイオードを提供する。
【解決手段】発光ダイオード素子15は素子マウント側リード17上に取り付けられ、素子マウント側リード17は側壁11bの溝に嵌合されて固定され、側壁の上部は溝に嵌合されて固定されている素子マウント側リード17およびワイヤ接続側リード21よりも上方に延出し、この上方に延出した側壁の上部に支持体11の開口部を覆うように透明ガラス板51が取り付けられ、この透明ガラス板51と素子マウント側リード17およびワイヤ接続側リード21との間には隙間が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード素子から凹面状の反射面に向けて光を出射し、反射面から反射される光線を前方に向けて狭い指向性を持って放射する反射型発光ダイオードに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術においては、凹面状の反射面の焦点位置に配設される発光素子を透明ガラス基板の下面に取り付けるとともに、この透明ガラス基板の下面に発光素子への電気的配線である回路パターンを形成し、発光素子が反射面の焦点位置に位置するように発光素子および回路パターンの形成された透明ガラス基板の下面を反射面に対向させるように取り付けている(例えば、特許文献1および2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1―143366号公報
【特許文献2】特開平1−230274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、透明ガラス基板に発光素子を取り付け、この発光素子を凹面状の反射面の焦点位置に位置するように透明ガラス基板を反射面に対向して取り付ける従来技術において、透明ガラス基板は、反射面を形成している反射部材に接着剤により固着されているが、接着剤が均等に塗布されない場合には、透明ガラス基板が傾く恐れがあり、透明ガラス基板が傾くと、この透明ガラス基板に取り付けられている発光素子が反射面の焦点位置から傾斜したりずれてしまい、発光素子からの光が反射面に向かって所定の光路で出射されず、反射面からの反射光の放射方向がずれ、正確に所定の前方に放射できないという問題がある。
【0005】
反射面からの反射光の前方放射を例えば侵入検知に使用する場合には、反射面からの前方放射で例えば500m〜1kmのように遠い前方にあるホトダイオードなどの光検知部を反射光で照射することが要望されているが、上述した従来技術のように、透明ガラス基板に取り付けられた発光素子が反射面の焦点位置から僅かでもずれてしまうと、500m〜1kmなどのように遠い前方の光検知部に光を正確に照射することは困難となる。
【0006】
上述した従来技術のように、発光素子の取り付けられた透明ガラス基板を接着剤により固着し、発光素子を反射面の焦点位置にずれることなく正確に設定するには、接着剤を均等に塗布することが必要であるが、接着剤を均等に塗布することは比較的困難であり、発光素子が所定位置からずれたり傾斜しやすいという問題がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、比較的遠い前方に向けて狭い指向性を持って光線を正確に放射できる反射型発光ダイオードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するため、請求項1記載の反射型発光ダイオードは、底部に凹面状の反射面が形成され、この反射面に対向する上部が開口した開口部に連続して側壁が形成される支持体と、この支持体の反射面の上方の焦点位置を横切って水平に延び、前記側壁に形成された溝に嵌合して固定される素子マウント側リードと、この素子マウント側リードに隣接して前記支持体の反射面の上方において水平に延び、前記側壁に形成された溝に嵌合して固定されるワイヤ接続側リードと、前記反射面の焦点位置の前記素子マウント側リード上に搭載された発光ダイオード素子とを備え、前記支持体の開口部を前記素子マウント側リードおよびワイヤ接続側リードとの間に空隙を設けて封止する光学的に透明な板状封止体を設けたことを要旨とする。
【0009】
請求項1記載の反射型発光ダイオードでは、発光ダイオード素子は素子マウント側リード上に取り付けられ、素子マウント側リードは側壁の溝に嵌合されて固定され、側壁の上部は溝に嵌合されて固定されている素子マウント側リードおよびワイヤ接続側リードよりも上方に延出し、この上方に延出した側壁の上部に支持体の開口部を覆うように板状封止体が取り付けられ、この板状封止体と前記素子マウント側リードおよびワイヤ接続側リードとの間には空隙が形成されているため、素子マウント側リードに取り付けられた発光ダイオード素子は板状封止体などの取り付けの影響を受けることなく、確実に固定され、傾斜したり振動することがなく、発光ダイオード素子から放射され、反射面で反射されて前方に放射される光は、遠い前方の目標位置に正確に達することが可能となる。
【0010】
また反射型発光ダイオードは、前記反射面と板状封止体との間の空間は、不活性ガスまたは空気が充填されている。これにより、反射面と板状封止体、例えば透明ガラス板との間の空間が不活性ガスまたは空気が充填されているため、指向特性、放射強度、32角赤色光度、32角940nm放射強度などの各種特性が優れ、狭い指向特性、強い放射強度をもって遠くの前方まで光を放射することができる。
【0011】
請求項2記載の反射型発光ダイオードは、前記それぞれのリードは支持体の一方の壁面から他方の壁面に向かって前記開口部を横切るように形成されていることを要旨とする。
【0012】
請求項3記載の反射型発光ダイオードは、前記発光ダイオード素子はそれぞれのリード間に跨って固定されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、発光ダイオード素子は素子マウント側リード上に取り付けられ、素子マウント側リードは側壁の溝に嵌合されて固定され、側壁の上部は溝に嵌合されて固定されている素子マウント側リードおよびワイヤ接続側リードよりも上方に延出し、この上方に延出した側壁の上部に支持体の開口部を覆うように板状封止体が取り付けられ、この板状封止体と前記素子マウント側リードおよびワイヤ接続側リードとの間には空隙が形成されているので、素子マウント側リードに取り付けられた発光ダイオード素子は板状封止体などの取り付けの影響を受けることなく、確実に固定され、傾斜したり振動することがなく、発光ダイオード素子から放射され、反射面で反射されて前方に放射される光は、より遠い前方の目標位置に正確に達することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係わる反射型発光ダイオードを示す断面図である。
【図2】図1に示す反射型発光ダイオードと特性比較を行うために参考として図示される反射型発光ダイオードを示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係わる反射型発光ダイオードを示す平面図である。
【図4】図3に示す反射型発光ダイオードの斜視図である。
【図5】図1に示す反射型発光ダイオードの指向特性を示すグラフである。
【図6】図2に示す反射型発光ダイオードの指向特性を示すグラフである。
【図7】図1に示す反射型発光ダイオードの放射強度特性を示すグラフである。
【図8】図2に示す反射型発光ダイオードの放射強度特性を示すグラフである。
【図9】図1に示す反射型発光ダイオードの32角赤色光度特性を実線で示し、図2に示す反射型発光ダイオードの32角赤色光度特性を一点鎖線で示すグラフである。
【図10】図1に示す反射型発光ダイオードの32角940nm放射強度特性を実線で示し、図2に示す反射型発光ダイオードの32角940nm放射強度特性を一点鎖線で示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を用いて、本発明を実施するための形態(以下、実施形態と称する)を説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係わる反射型発光ダイオードを示す断面図である。同図に示す反射型発光ダイオード1は、支持体11の底部に凹面状の反射面13が形成され、この反射面13の焦点位置となる上方中央部において発光ダイオード素子15が素子マウント側リード17の先端部、すなわち素子マウント側リード17の中心側先端部の下側に取り付けられ、この発光ダイオード素子15の光出射面15aは、反射面13に対向するように下方を向いている。従って、発光ダイオード素子15の光出射面15aから出射された光は、下方の反射面13に当たって反射され、ほぼ平行で指向性のある光線として支持体11の開口部に取り付けられた板状封止体としての透明ガラス板51を通って外部に放射される。すなわち、支持体11の底部に形成された凹面状の反射面に対向する上部は開口し、この開口部に透明ガラス板51が取り付けられている。
【0017】
素子マウント側リード17は、反射面13の焦点位置となる上方中央部から支持体11の一方の側壁11bに向けて水平に直線状に延びているが、このように延びた素子マウント側リード17は、その途中が支持体11の一方の側壁11bに形成された溝に嵌合されて確実に固定されてから、側壁11bに沿って下方に延び、更に支持体11の下面に沿うように折曲している。
【0018】
また、支持体11の反射面13の上方中央部寄りの部分、すなわち素子マウント側リード17の先端部に隣接した近い部分から支持体11の他方の側壁11cに向けて水平に延びるワイヤ接続側リード21も同様に、その途中が支持体11の他方の側壁11cに形成された溝に嵌合されて確実に固定されてから、側壁11cに沿って下方に延び、更に支持体11の下面に沿うように折曲している。なお、素子マウント側リード17の先端部の下側に取り付けられた発光ダイオード素子15とワイヤ接続側リード21の中心側先端部との間は、ワイヤ61でボンディングされている。
【0019】
なお、支持体11の側壁11b、11cは、内壁面が反射面13の周縁部から透明ガラス板51の取り付けられた開口部の周縁部に向かって真っすぐ立ち上がるように形成されている。側壁11b、11cの上部は、当該側壁の前記溝に嵌合されて固定されている素子マウント側リード17およびワイヤ接続側リード21よりも上方に延出し、この上方に延出した側壁11b、11cの上部に支持体11の開口部を覆うように透明ガラス板51が取り付けられ、この透明ガラス板51と素子マウント側リード17およびワイヤ接続側リード21との間には隙間が形成されている。なお、反射面13と透明ガラス板51との間の空間は、不活性ガスまたは空気が充填されている。
【0020】
図2に示す反射型発光ダイオード100は、図1に示す本実施形態の反射型発光ダイオード1と特性比較を行うために参考として図示するものである。この参考となる反射型発光ダイオード100は、図1に示す反射型発光ダイオード1において透明ガラス板51を取り除くとともに、反射面13とその開口部11aとの間に樹脂を充填した点が異なるものであり、その他の構造は図1の反射型発光ダイオード1と同じであり、同じ構成要素には同じ符号を付している。
【0021】
図3および図4は、本発明の他の実施形態に係わる反射型発光ダイオードを示す平面図および斜視図である。両図に示す反射型発光ダイオードは、素子マウント側リード71およびワイヤ接続側リード73の形状が図1に示す反射型発光ダイオード1の素子マウント側リード17およびワイヤ接続側リード21と異なり、この素子マウント側リード71およびワイヤ接続側リード73は、反射面13の上方中央部の反射面13の焦点位置に位置する発光ダイオード素子75が取り付けられている中央部から上下の両方向に延出し、この上下両方向に延出したそれぞれ2本の延出部が支持体11の上下の側壁11d、11eに形成された溝に嵌合されて確実に固定されてから、各側壁に沿って下方に延び、更に支持体11の下面に沿うように折曲している。
【0022】
このように素子マウント側リード71およびワイヤ接続側リード73のそれぞれの上下両方向に延出したそれぞれ2本の延出部が上下の側壁11d、11eに形成された溝に嵌合されて固定されることにより、素子マウント側リード71およびワイヤ接続側リード73が確実に固定されるので、この素子マウント側リード71およびワイヤ接続側リード73の中央部に取り付けられた発光ダイオード素子75が傾いたり揺るぐことがなく、反射面13の焦点位置に正確かつ確実に取り付けられることになる。このように発光ダイオード素子75が正確かつ確実に取り付けられることにより、反射型発光ダイオードから前方に放射される光は、遠い前方の目標位置に正確に達することが可能となる。
【0023】
なお、図3および図4では、省略されているが、支持体11の底部に形成された凹面状の反射面に対向する開口部には透明ガラス板が取り付けられていることは、図1の反射型発光ダイオード1と同じであるが、図の簡単化のため、省略されている。また、各側壁の上部は、当該側壁の溝に嵌合されて固定されている素子マウント側リード71およびワイヤ接続側リード73よりも上方に延出し、この上方に延出した側壁の上部に支持体11の開口部を覆うように取り付けられた透明ガラス板と素子マウント側リード71およびワイヤ接続側リード73との間には隙間が形成されていることも図1と同じである。更に、反射面13と透明ガラス板との間の空間は、不活性ガスまたは空気が充填されているものである。
【0024】
次に、図1に示した反射型発光ダイオード1について更に説明する。図1において、発光ダイオード素子15の光出射面15aから出射された光は、下方の反射面13に当たって反射され、ほぼ平行で指向性のある光線として支持体11の開口部に取り付けられた透明ガラス板51を通過して前方に放射されるが、この反射型発光ダイオード1からの光線は、狭い指向性をもって前方に放射されるため、例えば前方の500m〜1km先の所にあるホトダイオードなどの光検知部に対してもずれることなく、当たることができ、侵入検知システムに最適なものである。
【0025】
このように狭い指向性をもって前方に光を放射する反射型発光ダイオード1において、発光ダイオード素子15は、凹面状の反射面13の焦点位置に正確に取り付けることが重要であるが、本実施形態の反射型発光ダイオード1においては、発光ダイオード素子15は、素子マウント側リード17の先端部に取り付けられ、この素子マウント側リード17は、その途中が支持体11の一方の側壁11bに形成された溝に嵌合されて確実に固定されるということにより常に同じ状態で堅固に固定されることに加えて、更に側壁に沿って下方に延び、更に支持体11の下面に沿うように折曲するというように、素子マウント側リード17は、支持体11の周囲に沿って確実に固定されるものであり、このような固定方法により発光ダイオード素子15が反射面13の焦点位置からずれたり揺らぐことがない。
【0026】
なお、反射面13の対向する開口部11aの上に透明ガラス板51を取り付けるとともに、この透明ガラス板51と反射面13との間の空間に不活性ガスまたは空気を充填することにより、反射型発光ダイオード1の指向特性、放射強度、32角赤色光度、32角940nm放射強度などの各種特性が著しく向上するものであり、この各特性については、図2に示した反射型発光ダイオード100と比較しながら、次に示す図5〜図12を参照して説明するが、このように各種特性を向上する本実施形態の反射型発光ダイオードの透明ガラス板51は、本実施形態の反射型発光ダイオード1では開口部11aの上端に素子マウント側リード17およびワイヤ接続側リード21から隙間をあけて取り付けられ、この透明ガラス板51の取り付けにより反射面13の焦点位置に取り付けられる発光ダイオード素子15の位置がずれることはない。
【0027】
次に、図5以降を参照して、本実施形態の反射型発光ダイオード1の各種特性について図2に示す反射型発光ダイオード100と比較しながら説明する。
【0028】
図5は、本実施形態の反射型発光ダイオード1の指向特性を示すグラフである。この反射型発光ダイオード1の指向特性は、32mm角の透明ガラス板51、850nm、42milのサイズの発光ダイオード素子15を使用した反射型発光ダイオード1について測定したものであるが、同グラフから分かるように、本実施形態の反射型発光ダイオード1の指向特性は、±3.3゜とかなり狭く、遠方まで狭い指向性をもって光を放射することができる。
【0029】
図6は、図5に示す本実施形態の反射型発光ダイオード1の特性と比較するために示す、図2に示す反射型発光ダイオード100の指向特性を示すグラフである。この反射型発光ダイオード100の指向特性は、図5の場合と同じ条件で測定したものであるが、同グラフから反射型発光ダイオード100の指向特性は、±4.5゜となり、図5に示した本実施形態の反射型発光ダイオード1に比較して、約±1.2゜広いものであった。すなわち、本実施形態の反射型発光ダイオード1は、図2に示す反射型発光ダイオード100に比較して、指向特性が約±1.2゜狭く、優れていることが分かった。
【0030】
図7は、本実施形態の反射型発光ダイオード1の放射強度特性を示すグラフである。この反射型発光ダイオード1の放射強度特性は、32mm角の透明ガラス板51、850nm、42milのサイズの発光ダイオード素子15を使用した反射型発光ダイオード1について測定したものであるが、同グラフから分かるように、本実施形態の反射型発光ダイオード1の放射強度特性は、10543mw/srとかなり強く、強い放射強度の光を放射することができる。
【0031】
図8は、図7に示す本実施形態の反射型発光ダイオード1の特性と比較するために示す、図2に示す反射型発光ダイオード100の放射強度特性を示すグラフである。この反射型発光ダイオード100の放射強度特性は、図7の場合と同じ条件で測定したものであるが、同グラフから反射型発光ダイオード100の放射強度特性は、7661mw/srとなり、図7に示した本実施形態の反射型発光ダイオード1に比較して、約38%小さいものであった。すなわち、本実施形態の反射型発光ダイオード1は、図2に示す反射型発光ダイオード100に比較して、放射強度が約38%大きいことが分かった。
【0032】
図9は、図1に示す反射型発光ダイオードの32角赤色光度特性を実線で示し、図2に示す反射型発光ダイオードの32角赤色光度特性を一点鎖線で示すグラフである。実線で示す本実施形態の反射型発光ダイオード1の32角赤色光度特性は、20milのサイズの発光ダイオード素子15を使用した反射型発光ダイオード1について測定したものであるが、同グラフから分かるように、本実施形態の反射型発光ダイオード1の32角赤色光度特性は、1190cdとかなり強く、強い32角赤色光度の光を放射することができる。
【0033】
これに対し、図9に示す一点鎖線は、本実施形態の反射型発光ダイオード1の特性と比較するために示す、図2に示す反射型発光ダイオード100の32角赤色光度特性を示すグラフである。この反射型発光ダイオード100の32角赤色光度特性は、図9に示す実線の場合と同じ条件で測定したものであるが、同グラフから反射型発光ダイオード100の32角赤色光度特性は、768cdとなり、図1に示した本実施形態の反射型発光ダイオード1に比較して、約55%低いものであった。すなわち、本実施形態の反射型発光ダイオード1は、図2に示す反射型発光ダイオード100に比較して、32角赤色光度が約55%高くなることが分かった。
【0034】
図10は、図1に示す反射型発光ダイオードの32角940nm放射強度特性を実線で示し、図2に示す反射型発光ダイオードの32角940nm放射強度特性を一点鎖線で示すグラフである。実線で示す本実施形態の反射型発光ダイオード1の32角940nm放射強度特性は、14milのサイズの発光ダイオード素子15を使用した反射型発光ダイオード1について測定したものであるが、同グラフから分かるように、本実施形態の反射型発光ダイオード1の32角940nm放射強度特性は、3333mw/srとかなり大きく、大きな32角940nm放射強度の光を放射することができる。
【0035】
これに対し、図10に示す一点鎖線は、本実施形態の反射型発光ダイオード1の特性と比較するために示す、図2に示す反射型発光ダイオード100の32角940nm放射強度特性を示すグラフである。この反射型発光ダイオード100の32角940nm放射強度特性は、図10に示す実線の場合と同じ条件で測定したものであるが、同グラフから反射型発光ダイオード100の32角940nm放射強度特性は、1704mw/srとなり、本実施形態の反射型発光ダイオード1に比較して、約49%低いものであった。すなわち、本実施形態の反射型発光ダイオード1は、図2に示す反射型発光ダイオード100に比較して、32角940nm放射強度が約49%高くなることが分かった。
【符号の説明】
【0036】
1 反射型発光ダイオード
11 支持体
11a 開口部
11b、11c、11d、11e 側壁
13 反射面
15、75 発光ダイオード素子
15a 光出射面
17、71 素子マウント側リード
21、73 ワイヤ接続側リード
51 透明ガラス板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部に凹面状の反射面が形成され、この反射面に対向する上部が開口した開口部に連続して側壁が形成される支持体と、
この支持体の反射面の上方の焦点位置を横切って水平に延び、前記側壁に形成された溝に嵌合して固定される素子マウント側リードと、
この素子マウント側リードに隣接して前記支持体の反射面の上方において水平に延び、前記側壁に形成された溝に嵌合して固定されるワイヤ接続側リードと、
前記反射面の焦点位置の前記素子マウント側リード上に搭載された発光ダイオード素子とを備え、
前記支持体の開口部を前記素子マウント側リードおよびワイヤ接続側リードとの間に空隙を設けて封止する光学的に透明な板状封止体を設けたことを特徴とする反射型発光ダイオード。
【請求項2】
前記それぞれのリードは支持体の一方の壁面から他方の壁面に向かって前記開口部を横切るように形成されていることを特徴とする請求項1記載の反射型発光ダイオード。
【請求項3】
前記発光ダイオード素子はそれぞれのリード間に跨って固定されていることを特徴とする請求項2記載の反射型発光ダイオード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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