説明

反射屈折光学系及びそれを有する撮像装置

【課題】 広い波長域に渡って諸収差を良好に補正し、かつ広い観察領域において高い光学性能を有する反射屈折光学系を得ること。
【解決手段】 物体からの光束を集光する反射屈折部を含む第1結像光学系と、第1結像光学系からの光束を受けて中間像を形成するとともに、中間像を像面に結像させる屈折部を含む第2結像光学系とを有する反射屈折光学系であって、第1結像光学系は、裏面反射を利用した第1、第2の光学素子を有し、第2結像光学系は、正の屈折力の第21レンズ群、開口絞り、正の屈折力の第22レンズ群を有しており、第1の光学素子と第2の光学素子と第22レンズの構成を適切に設定したこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は試料(物体)を拡大し、観察する際に好適な反射屈折光学系及びそれを有する撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在の病理検査では、光学顕微鏡を用いて病理標本(試料)を直接、人の目で観察している。近年、病理標本を画像データとして取り込み、ディスプレイ上で観察するバーチャル顕微鏡と呼ばれるものが利用されている。バーチャル顕微鏡では病理標本の画像データをディスプレイ上で観察できるため、複数人で同時に観察することができる。またこのバーチャル顕微鏡を用いると画像データを遠方の病理医と共有して診断を仰ぐこともできるなど多くの利点がある。しかし、この方法は病理標本を撮像して画像データとして取り込むためには時間がかかるという問題があった。
【0003】
時間がかかる原因の1つとして、大きな撮像範囲の病理標本を顕微鏡の狭い撮像領域を用いて画像データとして取り込まねばならないことが挙げられる。顕微鏡の撮像領域が狭い場合、複数回撮像して、もしくはスキャンしながら撮像してそれらを繋げることで一枚の画像とする必要がある。従来より撮像回数を少なくして画像データを取り込む時間を短縮するために、広い撮像領域を持った光学系(撮像光学系)が求められている。この他、病理標本を観察する上で、広い撮像領域が求められていると同時に可視領域(広い波長域)での高い解像力を持った光学系が要望されている。
【0004】
屈折光学系より成り可視光全域に渡って収差を良好に低減した生体細胞などの観察に好適な顕微鏡対物レンズが知られている(特許文献1)。また集積回路やフォトマスクに存在する欠陥を検査するため反射屈折光学系を用いて紫外の広波長帯域に渡って高い解像力を有した超広帯域紫外顕微鏡映像システムが知られている(特許文献2)。また、広い領域に微細なパターンを露光して半導体素子を製造するのに好適な反射屈折光学系が知られている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公昭60-034737
【特許文献2】特表2007−514179
【特許文献3】特WO00/039623
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、バーチャル顕微鏡用の撮像光学系では広い視野領域にわたり、色収差、球面収差、コマ収差、非点収差等の諸収差が良好に補正され高い光学性能を有することが求められている。
【0007】
特許文献1に開示されている顕微鏡対物レンズは、可視光全域に渡って諸収差を良好に低減しているが、観察領域の大きさが必ずしも十分でない。また、特許文献2に開示されている広帯域顕微鏡カタディオプトリック結像系は広波長帯域に渡って収差を良好に低減し、高い解像力を持っているものの視野領域の大きさが必ずしも十分でない。また、特許文献3に開示されている反射屈折結像光学系は広い領域に渡って、高い解像力を持っているが収差が良好に補正されている波長域の広さが必ずしも十分でない。
【0008】
試料を拡大して観察するため、観察領域が大きく、かつ広い波長範囲にわたり高い光学性能を得るには使用する光学材料を適切に選択しつつ非球面形状の光学面を用いるのが有効である。しかしながら単に光学材料を選択しつつ非球面形状の光学面を用いても、広い波長域に渡って諸収差を良好に補正し、かつ広い観察領域に渡って高い光学性能を得るのは難しい。特に反射屈折光学系において、広い波長域で、かつ広い観察領域において高い光学性能を得るには反射屈折をする光学材料を適切に選択しつつ非球面形状の光学面を光学系中の適切なる位置に設けることが重要である。
【0009】
本発明は、広い波長域に渡って諸収差を良好に補正し、かつ広い観察領域において高い光学性能を有する反射屈折光学系及びそれを有する撮像装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の反射屈折光学系は、 物体からの光束を集光する反射屈折部を含む第1結像光学系と、前記第1結像光学系からの光束を受けて中間像を形成するとともに、前記中間像を像面に結像させる屈折部を含む第2結像光学系とを有する反射屈折光学系であって、
前記第1結像光学系は、光軸周辺を光透過部とし、前記光透過部よりも外周側の部分のうち物体側の面に反射部を設け裏面反射部とした第1の光学素子と、光軸周辺を光透過部とし、前記光透過部よりも外周側の部分のうち像側の面に反射部を設け裏面反射部とした第2の光学素子とを有し、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子とは互いの裏面反射部が対向するように配置されており、
前記第2結像光学系は物体側から像面側へ順に、正の屈折力の第21レンズ群、開口絞り、正の屈折力の第22レンズ群を有しており、
前記物体からの光束は、順に前記第1の光学素子の光透過部、前記第2の光学素子の裏面反射部、前記第1の光学素子の裏面反射部、前記第2の光学素子の光透過部を介して前記第2結像光学系に出射しており、
前記第1の光学素子の裏面反射部と前記第2の光学素子の裏面反射部とは非球面形状であり、
前記第1の光学素子と前記第2の光学素子の材料は同じであり、該材料のアッベ数と屈折率を各々νdM、NdM、前記第22レンズ群に含まれる焦点距離が最も短い正レンズの材料のアッベ数と屈折率を各々νd22p、Nd22p、前記第22レンズ群に含まれる焦点距離が最も短い負レンズの材料のアッベ数と屈折率を各々νd22n、Nd22nとするとき、
νd22n<νd22p<νdM
NdM<Nd22p
NdM<Nd22n
なる条件式を満足することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、広い波長域に渡って諸収差を良好に補正し、かつ広い観察領域において高い光学性能を有する反射屈折光学系が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施例の撮像装置の構成を示す概略断面図である。
【図2】実施例1の反射屈折光学系の要部概略図である。
【図3】実施例1の反射屈折光学系の横収差図である。
【図4】実施例2の反射屈折光学系の要部概略図である。
【図5】実施例2の反射屈折光学系の横収差図である。
【図6】実施例3の反射屈折光学系の要部概略図である。
【図7】実施例3の反射屈折光学系の横収差図である。
【図8】実施例4の反射屈折光学系の要部概略図である。
【図9】実施例4の反射屈折光学系の横収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の反射屈折光学系及びそれを有する撮像装置について説明する。本発明の撮像装置1000は、光源手段101と、光源手段101からの光束で物体103を照明する照明光学系102と、物体103を結像する反射屈折光学系104を有している。更に反射屈折光学系104によって結像された物体像を光電変換する撮像素子105と、撮像素子105からのデータより画像情報を生成する画像処理系106と画像処理系106で生成した画像データを表示する表示手段107とを有する。この他、画像処理系106で処理された画像情報を記憶する記憶手段110を有する。
【0014】
本発明の反射屈折光学系104は、物体からの光束を集光する反射屈折部を含む第1結像光学系G1と、第1結像光学系G1からの光束を受けて中間像IMを形成するとともに、中間像IMを像面に結像させる屈折部を含む第2結像光学系G2を有する。また、本発明の反射屈折光学系104は物体103面上で直径3mm以上の視野領域を撮像する。
【0015】
図1は本発明の撮像装置の要部概略図である。図2は本発明の反射屈折光学系の実施例1の要部概略図である。図3は本発明の実施例1の反射屈折光学系の横収差図である。図4、図5は本発明の反射屈折光学系の実施例2の要部概略図と横収差図である。図6、図7は本発明の反射屈折光学系の実施例3の要部概略図と横収差図である。図8、図9は本発明の反射屈折光学系の実施例4の要部概略図と横収差図である。
【0016】
以下、図1を参照して、本発明の反射屈折光学系104を有する撮像装置1000の構成について説明する。撮像装置1000は、光源手段101からの光を照明光学系102によって集光して試料としての物体103を均一に照明する。このとき使用する光は可視光(例えば、波長400nm〜波長700nmであり、少なくとも波長486nm〜波長656nmの領域の光を含む)が用いられる。結像光学系は物体103の像を撮像素子105上に結像する反射部と屈折部を有する反射屈折光学系104より成っている。
【0017】
撮像素子105で取得したデータ(画像情報)は、画像処理系106によって画像データを生成し、生成した画像データを表示手段107などに表示する。この他、記憶手段110に記憶している。画像処理系106では反射屈折光学系104で補正しきれなかった収差を補正したり、または、撮像位置の異なった画像データを繋げて一枚の画像データに合成したりするなど用途に応じた処理が行われる。
【0018】
図2、図4、図6、図8のレンズ断面図を用いて本発明の反射屈折光学系104の構成について説明する。図2、図4、図6、図8において、104は反射屈折光学系、103は試料としての物体面である。105は撮像素子であり、像面に配置されている。ASは開口絞り、IMは中間像である。AXは反射屈折光学系104の光軸である。
【0019】
反射屈折光学系104は物体103からの光束を集束光に変換する反射面を含む第1結像光学系G1を有する。更に第1結像光学系G1からの集束光を受けて、所定面に中間像IMを形成し、その中間像IMを撮像素子105に結像する屈折面と開口絞りASと遮光部SHを含む第2結像光学系G2を有する。
【0020】
第1結像光学系G1は、物体側から順に第1の光学素子(マンジャンミラー)M1、第2の光学素子(マンジャンミラー)M2を有している。第2結像光学系G2は、物体側から順に第21レンズ群G21、開口絞りAS、第22レンズ群G22を有している。
【0021】
ここで開口絞りASを第1結像光学系G1側に設けても良い。レンズ断面図では物体面103から像面105に至る軸上光束と軸外光束が模式的に示されている。第1結像光学系G1の第1の光学素子M1は、物体103側の面が凸形状で、光軸周辺が正の屈折力の光透過部M1T、周辺部(外周側)のうち物体側の面M1aに反射膜を施し、裏面反射部としている。第2の光学素子M2は物体側に凹面を向けたメニスカス形状である。
【0022】
そして光軸周辺が負の屈折力の光透過部M2T、周辺部のうち像側の面M2bに反射膜を施し、裏面反射部としている。第1の光学素子M1と第2の光学素子M2は互いに裏面反射部M1a、M2bが対向するように配置されている。第2結像光学系G2は物体103からの光束のうち光軸近傍の光束を遮光し、撮像素子105に入射するのを防止する遮光板SHが開口絞りAS又はその近傍に配置されている。
【0023】
反射屈折光学系104では、照明光学系102からの光束で照明され、物体103から出射した光束は第1の光学素子M1の中央透過部M1Tを通過する。その後、第2の光学素子M2の屈折面M2aに入射し、その後裏面反射部M2bで反射し、屈折面M2aを通過して第1の光学素子M1の屈折面M1bに入射する。その後、第1の光学素子M1の裏面反射部M1aで反射する。
【0024】
そして屈折面M1bを通過し、第2の光学素子M2の中央透過部M2Tを通過し、第2結像光学系G2側へ出射している。また、第1結像光学系G1の第1、第2の光学素子M1、M2の光学材料に、同一の光学材料を用いることによって、第1結像光学系G1で発生する2次スペクトルを低減し、色収差を良好に補正している。
【0025】
ここで、第1結像光学系G1に含まれる第1の光学素子M1の裏面反射部M1aと第2の光学素子M2の裏面反射部M2bはいずれも非球面形状より成っている。これにより、色収差の発生を抑えつつ、球面収差やコマ収差等を良好に補正している。また高NA(口径比)でも、可視の広波長帯域に渡って諸収差を良好に低減している。尚、非球面形状は裏面反射面M1a、M2bのいずれか一方の面であっても良い。
【0026】
また、第1の光学素子M1の裏面反射部M1aと第2の光学素子M2の裏面反射部M2bは、いずれも正の屈折力の反射面としている。これにより、第2結像光学系G2のレンズの正の屈折力を強くして光学系全長を短くしたときのペッツバール和の増大を軽減している。これはペッツバール和への効き方が反射面と屈折面で反対となるためである。第2結像光学系G2は、第1結像光学系G1からの集束光を受けて所定面上に中間像を形成する。そして、中間像IMからの光を集光する正の屈折力の第21レンズ群(レンズ群)G21と、開口絞りASと正の屈折力の第22レンズ群(レンズ群)G22を有する。
【0027】
そして、撮像素子105上に物体103を拡大結像している。遮光部SHは、物体103からの光が、第1の光学素子M1、及び、第2の光学素子M2で反射されることなく、第1、第2の光学素子M1、M2の中心透過部M1T、M2Tを通過して直接、撮像素子105に到達することを防いでいる。
【0028】
第22レンズ群G22はレンズ(レンズ成分)L1乃至レンズ(レンズ成分)L8より又はレンズL1乃至レンズL9より構成されている。
【0029】
本実施例において、第1の光学素子M1と第2の光学素子M2の材料は同じであり、材料のアッベ数と屈折率を各々νdM、NdMとする。第22レンズ群G22に含まれる焦点距離が最も短い正レンズ(レンズA)の材料のアッベ数と屈折率を各々νd22p、Nd22pとする。第22レンズ群G22に含まれる焦点距離が最も短い負レンズ(レンズB)の材料のアッベ数と屈折率を各々νd22n、Nd22nとする。このとき、
νd22n<νd22p<νdM ・・・(1)
NdM<Nd22p ・・・(2)
NdM<Nd22n ・・・(3)
なる条件式を満足している。
【0030】
条件式(1)は主に軸上色収差を補正するためのものである。条件式(1)の左の不等号が成り立たない場合には、軸上色収差が残存し良好な光学性能を得るのが難しくなる。右の不等号が成り立たない場合には、第1結像光学系G1で発生する2次スペクトルが大きくなるため、それを第2結像光学系G2で良好に補正するのが難しくなる。
【0031】
条件式(2)と条件式(3)は主に第2結像光学系のレンズAとレンズBでの球面収差の発生量を小さくするための条件である。条件式(2)、(3)が成り立たないと、球面収差の補正が難しくなるとともに、像面湾曲の補正も難しくなる。
【0032】
各実施例ではレンズAよりもレンズBの方が像側に配置されている。これにより、正レンズAで光束を絞ったあとに負レンズBを配置するので負レンズBの有効径を小さくでき、負レンズBのパワーの絶対値を大きくすることができる。それによって負レンズBで軸外光束を大きく発散させることができ、観察視野を拡大するのが容易となる。
【0033】
第2結像光学系G2は、レンズ中心からレンズ周辺にいくに従って曲率半径の絶対値が小さくなる非球面形状の凹面を含む負の屈折力の非球面レンズ(光学素子)(負レンズB)を有する。
【0034】
各実施例において第4レンズL4の像側の面が非球面形状である。また第4レンズL4は負レンズBに相当している。第2結像光学系G2に、光軸からの距離が大きくなるにつれて曲率半径の絶対値が小さくなるような凹面形状の非球面を含むことにより、軸外光線を光軸から離れる方向に大きく変位させることが容易になり、観察視野の拡大を容易にしている。
【0035】
また、凹面形状の非球面レンズが開口絞りASよりも像側の第22レンズ群G22の中に少なくとも1つあるように構成している。これによって、軸外光線を光軸から離れる方向に大きく変位させることが容易となり、観察視野の拡大を容易にしている。またこれにより、レンズ外形やレンズ全長のコンパクト化を容易にしている。
【0036】
各実施例において、第1の光学素子M1と第2の光学素子M2の材料の屈折率とアッベ数を各々νdM、NdMとする。このとき、
−0.001<(NdM−1.5)/νdM<0.002 ・・・(4)
なる条件式を満足している。
【0037】
条件式(4)は、第1結像光学系G1で発生する色収差を軽減するためのものである。条件式(4)の下限値を下回ると、適切なる光学材料が少なくなる。また条件式(4)の上限値を上回ると残存する色収差が大きくなるので、好ましくない。
【0038】
各実施例の反射屈折光学系では、第1結像光学系G1を構成する2つの光学素子M1、M2の光学材料に、同一の光学材料を用いている。このことによって、第1結像光学系G1で発生する2次スペクトルの値を低減し、色収差を良好に補正するのを容易にしている。
【0039】
各実施例において、更に好ましくは次の諸条件のうち1以上を満足するのが良い。第2の光学素子M2の材料の部分分散比をθgFM2とする。第22レンズ群G22に含まれる焦点距離が最も短い正レンズ(レンズA)の材料の部分分散比をθgF22とする。第1結像光学系G1と第2結像光学系G2の焦点距離を各々f1、f2とする。第21レンズ群G21と第22レンズ群G22の焦点距離を各々fG21、fG22とする。このとき、以下の諸条件のうち1以上を満足するのが良い。
【0040】
|θgF22−θgFM2|≦0.03 ・・・(5)
0.005<|f1/f2|<0.800 ・・・(6)
0.005<|fG21/f2|<0.500 ・・・(7)
0.01<|fG22/f2|<1.80 ・・・(8)
0.1<fG21/fG22<0.8 ・・・(9)
ここで、本実施例で用いている光学素子(レンズ)の材料の部分分散比とアッベ数は次のとおりである。フラウンフォーファ線のg線(435.8nm)、F線(486.1nm)、d線(587.6nm)、C線(656.3nm)に対する屈折率をそれぞれNg、NF、Nd、NCとする。アッベ数νd、g線とF線に関する部分分散比θgFは次のとおりである。
【0041】
νd=(Nd−1)/(NF−NC)
θgF=(Ng−NF)/(NF−NC)
条件式(5)は波長486nm〜656nmの範囲をカバーする可視領域全域に亘って、第1結像光学系G1で発生する色収差を第2結像光学系G2で補正するためのものである。条件式(5)を満足することによって、可視領域全体に亘って、分解能を損なうことなく物体の色情報を得るのを容易にしている。条件式(5)の範囲を逸脱すると色収差の2次スペクトルが大きくなるため、好ましくない。
【0042】
各実施例の反射屈折光学系は、物体103上の観察視野領域をφ3mm以上としている。視野領域がこれ以下であると、試料全体を分割撮像する場合の撮像回数が増えて、撮像全体に掛かる時間が長くなるため好ましくない。視野領域をφ3mm以上とすることにより、分割撮像の分割数が少なくなるので撮像時間の短縮が容易となる。更に、視野領域がφ10mm以上であれば更に好ましく、試料の一括撮像が可能になるので、撮像時間の大幅な短縮が容易になる。
【0043】
条件式(6)は第1結像光学系G1と第2結像光学系G2の焦点距離の比に関する。条件式(6)の上限値を超えて第1結像光学系G1の焦点距離が長くなりすぎると瞳の中抜けが増大し像の劣化をまねくか、又はG1のサイズが大きくなりすぎるため好ましくない。また、条件式(6)の下限値を超えて第1結像光学系G1の焦点距離の絶対値が小さくなりすぎると色収差と像面湾曲の補正が困難になるため好ましくない。
【0044】
条件式(7)は第21レンズ群G21と第2結像光学系G2の焦点距離の比に関する。条件式(7)の上限値を超えて第21レンズ群G21の焦点距離が長くなりすぎると光学系の全長が長くなりすぎるため好ましくない。また、条件式(7)の下限値を超えて第21レンズ群G21の焦点距離の絶対値が小さくなりすぎると、第21レンズ群内のレンズ配置のスペースが狭くなりレンズが配置できない可能性があるため好ましくない。
【0045】
条件式(8)は第22レンズ群G22と第2結像光学系G2の焦点距離の比に関する。条件式(8)の上限値を超えて第22レンズ群G22の焦点距離が長くなりすぎると光学系の全長が長くなりすぎるため好ましくない。また、条件式(8)の下限値を超えて第22レンズ群G22の焦点距離の絶対値が小さくなりすぎると、第21レンズ群G21内のレンズ配置のスペースが狭くなりレンズが配置できない可能性があるため好ましくない。
【0046】
条件式(9)は第21レンズ群G21と第22レンズ群G22の焦点距離の比に関する。 条件式(9)の上限値を超えて第21レンズ群G21の焦点距離が第22レンズ群G22の焦点距離に比べて長くなりすぎると、光学系の倍率が小さくなりすぎ、所望の倍率(例えば4〜12倍)に納めることが難しくなる。条件式(9)の下限値を超えて第21レンズ群G21の焦点距離が第22レンズ群G22の焦点距離に比べて短くなりすぎると、光学系の倍率が大きくなりすぎ、所望の倍率(例えば4〜12倍)に納めることが難しくなる。
【0047】
第2結像光学系は、レンズ中心からレンズ周辺にいくに従って曲率半径の絶対値が小さくなる非球面形状の凹面を含む負の屈折力の非球面レンズを有する非球面レンズの焦点距離をfL4、非球面レンズの物体側と像側の面の近軸曲率半径を各々RL41、RL42、第22レンズ群G22の焦点距離をfG22とする。このとき、
RL41/RL42<−1.0 ・・・(10)
−1.0<fL4/fG22<−0.1 ・・・(11)
なる条件式を満足している。
【0048】
条件式(10)は非球面レンズのレンズ形状を規定する。条件式(10)を満足することにより非球面レンズの物体側(第一面側)の面の曲率半径よりも像側(第二面側)の面の曲率半径を小さくしている。これにより非球面レンズの像側の屈折面から射出する軸外光線を大きくはねあげることができ、観察視野の拡大を図っている。
【0049】
条件式(11)は非球面レンズのパワー(屈折力)を規定する。条件式(11)を満足することにより、非球面レンズのパワーを大きくすることが容易となり、非球面レンズから射出する軸外光線を大きくはねあげることができ、観察視野の拡大を図っている。条件式(11)の下限値を下回ると非球面レンズのパワーが小さすぎて観察視野の拡大が難しくなる。また、条件式(11)の上限値を上回ると非球面レンズのパワーが大きすぎて収差補正が難しくなる。更に好ましくは条件式(10)、(11)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
【0050】
−10.00<RL41/RL42<−1.05 ・・・(10a)
−0.8<fL4/fG22<−0.2 ・・・(11a)
以上のように各実施例によれば、高NAで可視光全域に亘って収差を低減した、広い視野領域を有する反射屈折光学系が得られる。
【0051】
次に各実施例の反射屈折光学系について説明する。
[実施例1]
実施例1において第1結像光学系G1は、第1の光学素子(マンジャンミラー)M1及び第2の光学素子(マンジャンミラー)M2を有している。第2結像光学系G2は、第21レンズ群G21、第22レンズ群G22、及び、開口絞りASを有している。第22レンズ群G22は、レンズ(光学素子)L1乃至L8を有している。第2結像光学系G2には3種類以上の光学材料よりなるレンズを使用している。
【0052】
開口絞りASよりも像側にある第22レンズ群G22の物体側から数えて第4番目の第4レンズL4には非球面が用いられている。この第4レンズL4は、両凹形状の負レンズ(レンズB)であり、像側の凹面(表1の第30面)が非球面形状となっている。この非球面は、光軸を含む断面内で光軸からの距離が大きくなるにつれて曲率半径の絶対値が小さくなるような形状をしている。この非球面によって、軸外の光束を光軸から離れる方向に変位させることが容易となり、観察視野の拡大を容易にしている。
【0053】
これは、レンズ全長の短縮化や、この非球面よりも物体側のレンズ径のコンパクト化にも寄与している。更に第4レンズL4が両凹形状であることや、その前後のレンズに比べて光線有効径の小さな場所に配置されていることも、軸外の光束を光軸から離れる方向に変位させることを一層容易にし、観察視野の拡大を容易にしている。
【0054】
本実施例の第4レンズL4の像側の非球面は、近軸曲率半径の球面に対する非球面のサグ量は有効径端で1.2mmである。
【0055】
本実施例において、第4レンズL4の両面の近軸曲率半径の比はRL41/RL42=−2.128となり、条件式(10)を満たしている。また、第4レンズL4の焦点距離をfL4、第22レンズ群G22の焦点距離fG22の比はfL4/fG22=−0.522となり条件式(11)を満たす。本実施例において、開口絞りASより像側にある正レンズのうち最も焦点距離の短い正レンズAは両凸形状の第2レンズL2である。第2レンズL2の材料の部分分散比θgF22は0.548である。
【0056】
一方、第2の光学素子M2の材料の部分分散比θgFM2は0.530である。そのため|θgF22−θgFM2|=0.018となり、条件式(5)を満たす。このため、2次スペクトルを小さくすることが容易である。
【0057】
実施例1の反射屈折光学系104において、物体側の開口数は0.7であって、倍率は4倍、物体103での物体高Yは10.6mm、観察視野領域はφ(直径)21.2mmである。観察視野領域はφ3mm以上を満たしており、且つφ10mm以上も満たしている。一方、像面105での像高Y’は42.4mm、像面サイズは直径φ84.8mmである。物体側、像側とも、ほぼテレセントリックであり、瞳の中抜けの割合が面積比で2割以下と抑えられている。また、可視域の波長486nm〜656nmの範囲をカバーする白色光での波面収差が50mλrms以下に抑えられている。
【0058】
図3は実施例1の像面(撮像素子面)における横収差を示しており、軸上、軸外とも、可視域の広い波長帯域で収差が良好に補正されている。また、第1、第2の光学素子M1、M2の光学材料に関する条件式(4)の値は、−0.0002であり、条件式(4)の範囲内である。
【0059】
[実施例2]
実施例2の反射屈折光学系について説明する。特に述べない部分については実施例1と同様である。
【0060】
反射屈折光学系104を構成する第1、第2結像光学系G1、G2、第2結像光学系G2を構成する第21レンズ群G21、第22レンズ群G22の構成及び光学作用は実施例1と略同じである。開口絞りASよりも像側にある第22レンズ群G22の第4レンズL4には非球面が用いられている。この第4レンズL4は、両凹形状の負レンズ(レンズB)であり、像側の凹面(数値実施例2の第31面)が非球面形状となっている。
【0061】
この非球面は、光軸を含む断面内で光軸からの距離が大きくなるにつれて曲率半径の絶対値が小さくなるような形状をしている。第4レンズL4はその前後のレンズに比べて光線有効径の小さな場所に配置されている。
【0062】
本実施例の第4レンズL4の像側の非球面は、近軸曲率半径の球面に対する非球面のサグ量は有効径端で0.11mmである。本実施例において、条件式(10)の値はRL41/RL42=−8.081となるため条件式(10)を満たす。また、条件式(11)のfL4/fG22の値は−0.402となるため条件式(11)を満たす。
【0063】
本実施例において、第22レンズ群G22の中で最も焦点距離の短い正レンズAは両凸形状の第3レンズL3である。第3レンズL3の材料の部分分散比θgF22は0.546であり、一方、第2の光学素子M2の材料の部分分散比θgFM2も0.546である。そのため|θgF22−θgFM2|=0.000となり、条件式(5)を満たす。
【0064】
この実施例2の反射屈折光学系104において、物体側の開口数は0.7であって、倍率は4倍、物体103での物体高Yは10.6mm、観察視野領域はφ21.2mmである。観察視野領域はφ3mm以上を満たしており、且つφ10mm以上も満たしている。一方、像面105での像高Y’は42.4mm、像面サイズはφ84.8mmである。物体側、像側とも、ほぼテレセントリックであり、瞳の中抜けの割合が面積比で2割以下と抑えられている。また、可視域の波長486nm〜656nmの範囲をカバーする白色光での波面収差が60mλrms以下に抑えられている。
【0065】
図5は実施例2の像面(撮像素子面)における横収差を示しており、軸上、軸外とも、可視域の広い波長帯域で収差が良好に補正されている。また、第1、第2の光学素子M1、M2の光学材料に関する条件式(4)の値は、+0.0003であり、条件式(4)の範囲内である。
【0066】
[実施例3]
実施例3の反射屈折光学系について説明する。特に述べない部分については実施例1と同様である。
【0067】
反射屈折光学系104を構成する第1、第2結像光学系G1、G2、第2結像光学系G2を構成する第21レンズ群G21、第22レンズ群G22の構成及び光学作用は実施例1と略同じである。開口絞りASよりも像側にある第22レンズ群G22の第4レンズL4には非球面が用いられている。この第4レンズL4は、両凹形状の負レンズ(レンズB)であり、像側の凹面(数値実施例3の第31面)が非球面形状となっている。
【0068】
この非球面は、光軸を含む断面内で光軸からの距離が大きくなるにつれて曲率半径の絶対値が小さくなるような形状をしている。第4レンズL4はその前後のレンズに比べて光線有効径の小さな場所に配置されている。
【0069】
本実施例の第4レンズL4の像側の非球面は、近軸曲率半径の球面に対する非球面のサグ量は有効径端で0.87mmである。本実施例において、条件式(10)の値はRL41/RL42=−4.402となるため条件式(10)を満たす。また、条件式(11)のfL4/fG22の値は−0.387となるため条件式(11)を満たす。
【0070】
本実施例において、第22レンズ群G22の中で最も焦点距離の短い正レンズAは両凸形状の第3レンズL3である。第3レンズL3の材料の部分分散比θgF22は0.546であり、一方、第2の光学素子M2の材料の部分分散比θgFM2も0.546である。そのため|θgF22−θgFM2|=0.000となり、条件式(5)を満たす。
【0071】
この実施例3の反射屈折光学系104において、物体側の開口数は0.7であって、倍率は5.9倍、物体103での物体高Yは10.6mm、観察視野領域はφ21.2mmである。観察視野領域はφ3mm以上を満たしており、且つφ10mm以上も満たしている。一方、像面105での像高Y’は62.5mm、像面サイズは直径φ125mmである。物体側、像側とも、ほぼテレセントリックであり、瞳の中抜けの割合が面積比で2割以下と抑えられている。また、可視域の波長486nm〜656nmの範囲をカバーする白色光での波面収差が60mλrms以下に抑えられている。
【0072】
図7は実施例3の像面(撮像素子面)における横収差を示しており、軸上、軸外とも、可視域の広い波長帯域で収差が良好に補正されている。また、第1、第2の光学素子M1、M2の光学材料に関する条件式(4)の値は、+0.0003であり、条件式(4)の範囲内である。
【0073】
[実施例4]
実施例4の反射屈折光学系104について説明する。特に述べない部分については実施例1と同様である。
【0074】
反射屈折光学系104を構成する第1、第2結像光学系G1、G2、第2結像光学系G2を構成する第21レンズ群G21、第22レンズ群G22の構成及び光学作用は実施例1と略同じである。本実施例において第22レンズ群G22は、レンズL1乃至L9で構成されている点が異なっている。
【0075】
開口絞りASよりも像側にある第22レンズ群G22の第4レンズL4には非球面が用いられている。この第4レンズL4は、両凹形状の負レンズ(レンズB)であり、像側の凹面(数値実施例4の第33面)が非球面形状となっている。この非球面は、光軸を含む断面内で光軸からの距離が大きくなるにつれて曲率半径の絶対値が小さくなるような形状をしている。第4レンズL4はその前後のレンズに比べて光線有効径の小さな場所に配置されている。本実施例の第4レンズL4の像側の非球面は、近軸曲率半径の球面に対する非球面のサグ量は有効径端で2.06mmである。
【0076】
本実施例において、条件式(10)の値はRL41/RL42=−1.175となるため条件式(10)を満たす。また、条件式(11)のfL4/fG22の値は−0.463となるため条件式(11)を満たす。本実施例において、第22レンズ群G22の中で最も焦点距離の短い正レンズAは両凸形状の正レンズL3である。第3レンズL3の材料の部分分散比θgF22は0.560であり、一方、第2の光学素子M2の材料の部分分散比θgFM2は0.546である。そのため|θgF22−θgFM2|=0.014となり、条件式(5)を満たす。
【0077】
この実施例4の反射屈折光学系104において、物体側の開口数は0.7であって、倍率は11.9倍、物体103での物体高Yは10.6mm、観察視野領域はφ21.2mmである。観察視野領域はφ3mm以上を満たしており、且つφ10mm以上も満たしている。一方、像面105での像高Y’は126mm、像面サイズは直径φ252mmである。物体側、像側とも、ほぼテレセントリックであり、瞳の中抜けの割合が面積比で2割以下と抑えられている。また、可視域の波長486nm〜656nmの範囲をカバーする白色光での波面収差が40mλrms以下に抑えられている。
【0078】
図9は実施例4の像面(撮像素子面)における横収差を示しており、軸上、軸外とも、可視域の広い波長帯域で収差が良好に補正されている。また、第1、第2の光学素子M1、M2の光学材料に関する条件式(4)の値は、+0.0003であり、条件式(4)の範囲内である。
【0079】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、本発明を開口絞りASが第1、第2の光学素子M1、M2の間に配置された反射屈折光学系に適用してもよい。
【0080】
また、例えば第2結像光学系に実際の開口絞りが配置されていない光学系であっても、主光線が第2結像光学系内で光軸を横切るような構成の光学系であれば、主光線と光軸との交点を開口絞り位置とみなして本発明を適用することができる。また、本発明は大画面をスキャンする撮像装置にもスキャンしない撮像装置にも適用可能である。
【0081】
以下、各実施例の数値実施例を示す。面番号は物体面(試料面)から像面まで数えた光学面の順である。rは第i番目の光学面の曲率半径である。dは第i番目と第i+1番目の間隔である(符号は物体側から像面側へ測ったときを(光が進行するときを)正、逆方向を負としている)。Nd、νdは波長587.6nmに対する材料の屈折率とアッベ数をそれぞれ示している。
【0082】
非球面の形状は、以下の式に示す一般的な非球面の式で表される。以下の式において、Zは光軸方向の座標、cは曲率(曲率半径rの逆数)、hは光軸からの高さ、kは円錐係数、A、B、C、D、E、F、G、H、J・・・は各々、4次、6次、8次、10次、12次、14次、16次、18次、20次、・・・の非球面係数である。
【0083】
【数1】

【0084】
「E−X」は「10-X」を意味する。前述した各条件式と数値実施例との関係を表1に示す。
【0085】

[数値実施例1]

面番号 r d Nd νd
物体面 ∞ 13.39
1 736.61 24.08 1.4875 70.2
2 -9661.75 97.67
3 -118.31 9.38 1.4875 70.2
4 -170.29 -9.38 1.4875 70.2 反射面
5 -118.31 -97.67
6 -9661.75 -24.08 1.4875 70.2
7 736.61 24.08 1.4875 70.2 反射面
8 -9661.75 97.67
9 -118.31 9.38 1.4875 70.2
10 -170.29 10.00
11 -458.41 5.89 1.6425 58.4
12 -119.83 3.29
13 -54.79 5.00 1.6477 33.8
14 -998.82 11.55 1.6204 60.3
15 -54.52 0.73
16 79.77 7.04 1.6204 60.3
17 483.74 34.05
18 59.02 11.53 1.7620 40.1
19 109.31 0.50
20 65.70 20.52 1.4875 70.4
21 -118.81 24.84
22 ∞ 20.00 開口絞り
23 -49.26 33.31 1.8052 25.4
24 -79.27 0.50
25 122.53 26.67 1.6385 55.4
26 -86.46 0.50
27 57.90 15.51 1.4875 70.4
28 78.67 17.39
29 -124.44 5.74 1.5673 42.9
30 58.49 15.64
31 -147.56 8.96 1.7570 47.8
32 -75.81 11.90
33 -59.72 8.10 1.6034 38.0
34 272.55 9.12
35 -178.62 19.27 1.7205 34.7
36 -68.40 0.50
37 1362.89 16.90 1.5111 60.5
38 -142.77 10.50

(非球面係数)
面番号
1,7 k= 0.00E+00 A= 6.72E-09 B= 6.14E-14 C= 2.27E-17 D=-9.74E-22
E= 1.18E-25 F=-5.31E-30 G= 2.75E-34 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
4,10 k= 0.00E+00 A= 5.58E-09 B= 2.43E-13 C= 9.28E-18 D= 1.61E-22
E= 2.65E-26 F=-9.34E-31 G= 5.28E-35 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
17 k= 0.00E+00 A= 6.69E-07 B=-6.19E-11 C= 3.77E-14 D=-1.71E-16
E= 1.20E-19 F= 0.00E+00 G= 0.00E+00 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
19 k= 0.00E+00 A= 9.53E-07 B= 2.89E-10 C= 2.54E-14 D=-5.14E-18
E= 5.40E-21 F= 0.00E+00 G= 0.00E+00 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
26 k= 0.00E+00 A= 4.94E-07 B= 1.25E-11 C= 2.56E-15 D=-9.15E-19
E= 1.58E-22 F= 0.00E+00 G= 0.00E+00 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
30 k= 0.00E+00 A= 1.32E-06 B= 1.83E-10 C=-1.01E-13 D=-2.77E-18
E=-2.19E-21 F= 0.00E+00 G= 0.00E+00 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
38 k= 0.00E+00 A=-6.34E-07 B= 9.02E-12 C=-3.52E-14 D= 9.31E-18
E=-1.34E-21 F= 0.00E+00 G= 0.00E+00 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00

【0086】
[数値実施例2]
面番号 r d Nd νd
物体面 ∞ 13.39
1 914.69 10.00 1.5182 58.9
2 -3746.87 108.16
3 -119.33 10.30 1.5182 58.9
4 -171.61 -10.30 1.5182 58.9 反射面
5 -119.33 -108.16
6 -3746.87 -10.00 1.5182 58.9
7 914.69 10.00 1.5182 58.9 反射面
8 -3746.87 108.16
9 -119.33 10.30 1.5182 58.9
10 -171.61 10.50
11 -166.20 6.28 1.6031 60.6
12 -78.85 2.58
13 -59.36 5.00 1.6989 30.1
14 165.70 8.66 1.5831 59.4
15 -60.59 12.89
16 91.17 32.10 1.7440 44.8
17 32606.75 20.79
18 64.72 23.38 1.7440 44.8
19 -93.02 13.04 1.6989 30.1
20 924.91 8.49
21 -124.32 5.86 1.7200 50.2
22 -106.70 24.20
23 ∞ 38.00 開口絞り
24 286.56 12.00 1.7200 50.2
25 -348.88 0.50
26 482.47 15.14 1.7618 26.5
27 -133.69 4.39
28 69.00 21.22 1.6230 58.2
29 -674.14 3.68
30 -351.10 5.00 1.6989 30.1
31 43.45 52.65
32 -48.16 5.00 1.5174 52.4
33 122.81 2.31
34 138.39 17.97 1.7200 50.2
35 -156.35 0.50
36 149.52 8.70 1.7440 44.8
37 301.27 19.30
38 245.18 18.02 1.7440 44.8
39 -537.83 10.00

(非球面係数)
面番号
1,7 k= 0.00E+00 A= 7.23E-09 B= 2.58E-13 C= 4.55E-18 D=-3.30E-23
E= 1.43E-25 F=-1.32E-29 G= 6.00E-34 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
4,10 k= 0.00E+00 A= 4.67E-09 B= 2.22E-13 C= 9.16E-18 D= 2.18E-22
E= 1.80E-26 F=-1.31E-31 G= 2.63E-35 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
17 k= 0.00E+00 A= 4.59E-07 B= 5.81E-11 C= 4.24E-15 D= 5.46E-18
E=-2.20E-21 F= 0.00E+00 G= 0.00E+00 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
20 k= 0.00E+00 A= 1.16E-06 B= 2.27E-10 C= 7.60E-14 D=-1.40E-17
E= 1.70E-20 F= 0.00E+00 G= 0.00E+00 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
27 k= 0.00E+00 A= 2.36E-07 B=-7.77E-12 C=-6.93E-16 D= 3.97E-19
E=-1.99E-23 F= 0.00E+00 G= 0.00E+00 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
31 k= 0.00E+00 A=-1.17E-08 B= 2.80E-11 C= 1.26E-13 D=-8.64E-17
E= 9.63E-20 F= 0.00E+00 G= 0.00E+00 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
32 k= 0.00E+00 A= 9.61E-07 B= 3.85E-10 C= 2.59E-13 D=-4.59E-17
E= 7.72E-20 F= 0.00E+00 G= 0.00E+00 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00

【0087】
[数値実施例3]
面番号 r d Nd νd
物体面 ∞ 13.39
1 894.62 10.00 1.5182 58.9
2 -3308.82 107.32
3 -121.36 10.05 1.5182 58.9
4 -171.86 -10.05 1.5182 58.9 反射面
5 -121.36 -107.32
6 -3308.82 -10.00 1.5182 58.9
7 894.62 10.00 1.5182 58.9 反射面
8 -3308.82 107.32
9 -121.36 10.05 1.5182 58.9
10 -171.86 10.50
11 -149.75 6.17 1.6031 60.6
12 -72.32 2.52
13 -57.02 5.00 1.6989 30.1
14 221.17 8.36 1.5831 59.4
15 -61.63 7.69
16 84.63 23.57 1.7440 44.8
17 1668.62 20.73
18 63.81 22.15 1.7440 44.8
19 -82.25 14.70 1.6989 30.1
20 -10648.41 1.10
21 66.41 7.06 1.7200 50.2
22 66.75 28.00
23 ∞ 35.87 開口絞り
24 224.09 14.11 1.7200 50.2
25 -304.53 0.50
26 18489.00 28.22 1.7618 26.5
27 -137.85 9.00
28 78.13 23.03 1.6230 58.2
29 -431.72 7.18
30 -245.67 5.00 1.6989 30.1
31 55.81 54.58
32 -56.99 5.00 1.5174 52.4
33 157.80 5.26
34 216.64 15.80 1.7200 50.2
35 -256.66 30.52
36 203.73 26.28 1.7440 44.8
37 448.63 14.60
38 769.29 16.73 1.7440 44.8
39 -262.77 10.00

(非球面係数)
面番号
1,7 k= 0.00E+00 A= 6.23E-09 B= 1.93E-13 C= 1.31E-17 D=-1.14E-21
E= 2.38E-25 F=-1.87E-29 G= 7.29E-34 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
4,10 k= 0.00E+00 A= 4.61E-09 B= 2.16E-13 C= 9.13E-18 D= 1.60E-22
E= 2.52E-26 F=-6.70E-31 G= 4.31E-35 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
17 k= 0.00E+00 A= 6.04E-07 B= 7.98E-11 C=-4.25E-14 D= 2.72E-17
E=-2.20E-21 F= 0.00E+00 G= 0.00E+00 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
20 k= 0.00E+00 A= 1.22E-06 B= 2.94E-10 C= 9.95E-14 D=-2.62E-17
E= 2.70E-20 F= 0.00E+00 G= 0.00E+00 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
27 k= 0.00E+00 A= 1.45E-07 B= 1.45E-11 C=-2.48E-15 D= 4.29E-19
E=-1.62E-23 F= 0.00E+00 G= 0.00E+00 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
31 k= 0.00E+00 A= 4.76E-07 B= 7.53E-11 C= 7.80E-14 D=-1.11E-18
E= 2.06E-20 F= 0.00E+00 G= 0.00E+00 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
32 k= 0.00E+00 A= 6.64E-07 B= 2.24E-10 C= 7.37E-14 D= 1.27E-17
E= 8.86E-21 F= 0.00E+00 G= 0.00E+00 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00

【0088】
[数値実施例4]

面番号 r d Nd νd
物体面 ∞ 12.74
1 929.59 16.68 1.5182 58.9
2 -2124.78 105.79
3 -125.51 10.27 1.5182 58.9
4 -175.80 -10.27 1.5182 58.9 反射面
5 -125.51 -105.79
6 -2124.78 -16.68 1.5182 58.9
7 929.59 16.68 1.5182 58.9 反射面
8 -2124.78 105.79
9 -125.51 10.27 1.5182 58.9
10 -175.80 10.50
11 1132.81 6.49 1.6031 60.6
12 -93.83 2.23
13 -86.97 5.00 1.6989 30.1
14 116.48 14.08 1.5831 59.4
15 -94.65 0.50
16 76.10 6.68 1.7440 44.8
17 148.42 19.33
18 81.92 19.77 1.7440 44.8
19 -73.01 11.74 1.6989 30.1
20 286.30 0.50
21 65.24 6.10 1.7200 50.2
22 69.87 10.09
23 5605.17 13.63 1.7200 50.2
24 -105.76 28.00
25 ∞ 38.01 開口絞り
26 -113.02 21.78 1.7618 26.5
27 -100.45 0.50
28 153.22 40.00 1.5955 39.2
29 667.82 11.46
30 124.30 40.00 1.7000 48.1
31 -1047.78 23.04
32 -194.89 5.00 1.7552 27.5
33 165.93 98.96
34 -128.49 15.38 1.4875 70.2
35 181.46 3.72
36 203.94 40.00 1.6700 47.2
37 -262.34 55.81
38 -118.99 16.84 1.6364 35.4
39 -2492.75 26.40
40 -394.11 24.00 1.6935 50.8
41 -190.32 0.50
42 300.72 45.50 1.5145 54.7
43 -764.68 92.99

(非球面係数)
面番号
1,7 k= 0.00E+00 A= 3.08E-09 B= 1.51E-13 C= 7.83E-18 D= 2.63E-22
E=-2.42E-26 F= 3.68E-30 G=-8.49E-35 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
4,10 k= 0.00E+00 A= 3.40E-09 B= 1.53E-13 C= 6.19E-18 D= 6.03E-23
E= 2.34E-26 F=-1.01E-30 G= 4.55E-35 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
17 k= 0.00E+00 A= 4.12E-07 B= 3.61E-11 C=-3.90E-14 D= 1.45E-16
E=-1.06E-19 F= 0.00E+00 G= 0.00E+00 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
20 k= 0.00E+00 A= 1.15E-06 B= 1.65E-10 C= 2.22E-14 D=-6.04E-18
E= 6.59E-21 F= 0.00E+00 G= 0.00E+00 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
27 k= 0.00E+00 A=-2.21E-08 B=-3.09E-12 C= 2.81E-16 D=-5.93E-20
E= 1.77E-23 F= 0.00E+00 G= 0.00E+00 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
33 k= 0.00E+00 A= 6.23E-07 B= 3.54E-11 C= 3.83E-16 D= 1.41E-18
E=-3.34E-22 F= 0.00E+00 G= 0.00E+00 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00
34 k= 0.00E+00 A= 2.15E-07 B= 2.13E-11 C= 1.25E-15 D= 1.92E-20
E=-2.21E-23 F= 0.00E+00 G= 0.00E+00 H= 0.00E+00 J= 0.00E+00

【0089】
【表1】



【符号の説明】
【0090】
101 光源 102 照明光学系 103 試料 104 反射屈折光学系
105 撮像素子 AS 開口絞り G1 第1結像光学系
G2 第2結像光学系 G21、G22 レンズ群 L1〜L9 レンズ
M1 第1の光学素子 M2 第2の光学素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体からの光束を集光する反射屈折部を含む第1結像光学系と、前記第1結像光学系からの光束を受けて中間像を形成するとともに、前記中間像を像面に結像させる屈折部を含む第2結像光学系とを有する反射屈折光学系であって、
前記第1結像光学系は、光軸周辺を光透過部とし、前記光透過部よりも外周側の部分のうち物体側の面に反射部を設け裏面反射部とした第1の光学素子と、光軸周辺を光透過部とし、前記光透過部よりも外周側の部分のうち像側の面に反射部を設け裏面反射部とした第2の光学素子とを有し、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子とは互いの裏面反射部が対向するように配置されており、
前記第2結像光学系は物体側から像面側へ順に、正の屈折力の第21レンズ群、開口絞り、正の屈折力の第22レンズ群を有しており、
前記物体からの光束は、順に前記第1の光学素子の光透過部、前記第2の光学素子の裏面反射部、前記第1の光学素子の裏面反射部、前記第2の光学素子の光透過部を介して前記第2結像光学系に出射しており、
前記第1の光学素子の裏面反射部と前記第2の光学素子の裏面反射部とは非球面形状であり、
前記第1の光学素子と前記第2の光学素子の材料は同じであり、該材料のアッベ数と屈折率を各々νdM、NdM、前記第22レンズ群に含まれる焦点距離が最も短い正レンズの材料のアッベ数と屈折率を各々νd22p、Nd22p、前記第22レンズ群に含まれる焦点距離が最も短い負レンズの材料のアッベ数と屈折率を各々νd22n、Nd22nとするとき、
νd22n<νd22p<νdM
NdM<Nd22p
NdM<Nd22n
なる条件式を満足することを特徴とする反射屈折光学系。
【請求項2】
前記正レンズよりも前記負レンズの方が像側に配置されていることを特徴とする請求項1の反射屈折光学系。
【請求項3】
−0.001<(NdM−1.5)/νdM<0.002
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2の反射屈折光学系。
【請求項4】
前記第1結像光学系と前記第2結像光学系の焦点距離を各々f1、f2、前記第21レンズ群と前記第22レンズ群の焦点距離を各々fG21、fG22とするとき、
0.005<|f1/f2|<0.800
0.005<|fG21/f2|<0.500
0.01<|fG22/f2|<1.80
0.1<fG21/fG22<0.8
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項の反射屈折光学系。
【請求項5】
前記第1の光学素子は物体側の面が凸でメニスカス形状であり、前記第2の光学素子は物体側の面が凹でメニスカス形状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の反射屈折光学系。
【請求項6】
光源手段と、前記光源手段からの光束で物体を照明する照明光学系と、前記物体を結像する請求項1乃至5のいずれか1項の反射屈折光学系と該反射屈折光学系によって結像された物体像を光電変換する撮像素子と、該撮像素子からのデータより画像情報を生成する画像処理系とを有することを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−15718(P2013−15718A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149171(P2011−149171)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】