説明

反射板用白色積層ポリエステルフィルム

【課題】高い反射率・高い隠蔽性を有しながら、積層間の剥離がなく、かつフィルム破れが発生しにくく生産性の高い反射板用白色積層ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】少なくともポリエステル層(A)と空洞を含有するポリエステル層(B)が共押出し法により積層された2軸延伸積層フィルムであって、(1)〜(4)を満たす反射板用白色積層フィルム。(1)A層が、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートを基本構成とし、少なくとも1種類以上の共重合成分を含有する。(2)B層が、ポリエチレンテレフタレートを基本構成とし、 (i)A層に含まれる少なくとも1種類以上の共重合成分、 (ii)ポリエステルに非相溶な樹脂および/又は無機粒子を含有する。(3)A層、B層の融点が特定の範囲にある。(4)少なくとも片側表面の波長400〜700nmの平均反射率が95.0%以上、全光線透過率が5.0%以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射板用白色積層ポリエステルフィルムに関するものである。さらに詳しくは、本発明は積層構造を有し、反射特性、積層間の剥離防止性に優れ、かつ生産性の良いポリエステルフィルムに関するもので、特に画像表示用のバックライト装置およびランプリフレクターの反射板に好適に使用することができる白色積層ポリエステルフィルムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ等に用いられる平面型画像表示方式における、面光源装置の反射板および反射シートとして、白色ポリエステルフィルムが、均一で高い反射率、寸法安定性、安価である等の特性から広く用いられている。高い反射性能を発現する方法として、ポリエステルフィルム中に例えば酸化チタンや硫酸バリウムなどの無機粒子を多数含有し、ポリエステル樹脂と粒子の界面および、粒子を核として生成する微細な空洞の空洞界面での光反射を利用する方法(参考文献1および参考文献2参照)、ポリエステルと非相溶な樹脂を混合することにより、非相溶な樹脂を核として生成する微細な空洞の空洞界面での光反射を利用する方法(参考文献3参照)、圧力容器中で不活性ガスをポリエステルフィルムに含浸させることで、内部に生成した空洞の界面での光反射を利用する方法(参考文献4参照)等、ポリエステルフィルム中に含有された無機粒子とポリエステル樹脂の屈折率差および微細な空洞とポリエステル樹脂の屈折率差を利用した方法が広く用いられている。
【0003】
近年、液晶ディスプレイを利用した用途の拡大はめざましく、従来のノートパソコン、モニター、携帯端末に加えて、液晶テレビ用等にも広く採用されてきており、これに応じて、画面の高輝度化、高精細化が求められてきている。特に液晶テレビ用途においては、光源ランプ数の増加や高出力化や、反射シートの立体加工などにより高輝度化が行われてきており、バックライト装置の背面に位置させる反射板においては、表面の耐光性や立体加工時の積層間フィルム劈開防止、寸法安定性などが求められている。
【0004】
画面の高輝度化に応じて、反射シートにはより高反射率、高隠蔽性が要求されてきている。それに応じて、ポリエステルフィルム中の無機粒子の量を増量したり、ポリエステルと非相溶な樹脂の量を増量させる等、ポリエステルフィルム中の反射界面の数を増やすことが必要となってくるが、無機粒子やポリエステルに非相溶な樹脂量を増量させることで、二軸延伸する際にフィルム破れが多発し、生産性に劣る問題があり、高反射率・高隠蔽性とフィルムの生産性を両立させることが困難である。また、ポリエステルフィルム中の無機粒子の量を増量したり、ポリエステルと非相溶な樹脂の量を増量させた場合、積層フィルムの界面の剥離強度が弱くなる問題もある。特にエッジライト型の冷陰極管周辺に用いられるランプリフレクター用の反射シートや、立体加工を行う直下型背面反射シートにおいては、成型・折り曲げ加工時に積層フィルムの層間でフィルムの劈開が発生しやすくなり、加工時の生産性が劣る問題がある。
【特許文献1】特開2002−138150号公報
【特許文献2】特開2004−330727号公報
【特許文献3】特開平04−239540号公報
【特許文献4】国際公開第97/01117号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、高い反射率・高い隠蔽性を有しながら、積層間の剥離がなく、かつフィルム破れが発生しにくく生産性の高い反射板用白色積層ポリエステルフィルムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を対用するものである。すなわち、本発明の反射板用白色積層ポリエステフィルムは、少なくともポリエステル層(A)と空洞を含有するポリエステル層(B)が共押出し法により積層された積層構造を有する2軸延伸積層ポリエステルフィルムであって、該積層ポリエステルフィルムが、下記の(1)〜(4)の要件をすべて満たすことを特徴とする反射板用白色積層ポリエステルフィルム。
(1)ポリエステル層(A)が、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートを基本構成とし、少なくとも1種類以上の共重合成分を含有するポリエステルからなること。
(2)ポリエステル層(B)が、ポリエチレンテレフタレートを基本構成とし以下を含有すること。
(i)ポリエステル層(A)に含まれる少なくとも1種類以上の共重合成分
(ii) ポリエステル層(B)に対して、ポリエステルに非相溶な樹脂を12〜30重量%および/又は無機粒子を30〜55重量%
(3)ポリエステル層(A)の融点(TmA(℃))が230℃〜270℃、ポリエステル層(B)の融点(TmB(℃))が205〜245℃であり、かつTmAがTmBより5〜50℃高いこと。
(4)少なくとも片側表面の波長400〜700nmの平均反射率が95.0%以上かつ、積層フィルムの全光線透過率が5.0%以下であること。
【0007】
また、本発明の空洞含有積層白色ポリエステフィルムは、以下の(a)〜(h)の好ましい様態を有するものである。
(a)ポリエステル層(B)がポリエステルに非相溶な樹脂12〜30重量%、無機粒子1〜10重量%とを共に含有していること。
(b)ポリエステル層(A)およびポリエステル層(B)に含まれる共重合成分がイソフタル酸であること。
(c)ポリエステル層(B)中にポリエステルに非相溶な樹脂としてポリメチルペンテンを含有すること。
(d)ポリエステル層(B)中に含有される無機粒子が炭酸カルシウム、硫酸バリウムのいずれかであること。
(e)少なくともポリエステル層(A)を構成するポリエステルの重合触媒として、チタン化合物を使用していること。
(f)2軸延伸が同時2軸延伸であること。
(g)少なくとも光を反射させる側の面に位置するポリエステル層表面に紫外線吸収能を有する塗布層が設けられてなること。
(h)少なくともいずれかのポリエステル層中に耐光剤を、該ポリエステル層に対して0.05〜10重量%含有すること。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高い反射率・高い隠蔽性を有しながら、積層間の剥離がなく、かつフィルム破れが発生しにくく、生産性の高い反射板用白色積層ポリエステルフィルムを低コストで得ることができる。また、本発明の白色積層ポリエステルフィルムは、特に高い反射率・隠蔽性を有しながら、打ち抜きや折り曲げなどの加工時における積層間の劈開性にも優れており、画像表示用バックライト装置の反射シートや冷陰極管周辺のランプリフレクター用反射シートとして好適に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明者らは、前記課題の解決、すなわち高い反射率・高い隠蔽性を有しながら、積層間の剥離がなく、かつフィルム破れが発生しにくく生産性の高い反射板用白色積層ポリエステルフィルムについて鋭意検討した結果、特定の構成を有するポリエステルフィルムが、かかる課題を一挙に解決する事ができることを見出し究明したものである。
【0010】
本発明の反射板用白色積層ポリエステルフィルムは、少なくともポリエステル層(A)と微細な空洞を多数含有するポリエステル層(B)を含む、共押出しにより積層された2層以上の層構造を有する積層ポリエステルフィルムである。無機粒子および/又はポリエステルに非相溶な樹脂に由来する微細な空洞を多数含有し、光反射機能に加えクッション性や柔軟性の機能を発現するポリエステル層(B)と、反射表面の光分散性を制御し、かつフィルムの剛性を保持し、製膜性やフィルムの強度を発現するポリエステル層(A)を分割し、それぞれの機能に特化させることにより、単層構造では達成不可能であった、高反射率と生産性を併せ持つフィルムとすることが可能となる。また、ポリエステル層(A)とポリエステル層(B)は共押出し法により製膜ライン中で一挙に積層される。コーティング法では、十分な剛性を発現するために必要な膜厚を安定して付与することが困難である。
【0011】
本発明の反射板用白色積層ポリエステルフィルムの積層構成としては、ポリエステル層(A)とポリエステル層(B)とを、例えば、A/Bの2層やA/B/Aの3層とする構成が好ましい例として挙げられるが、例えば、ポリエステル層(A)やポリエステル層(B)以外のポリエステル層(C)を積層したA/B/Cの3層構成や、それ以上の積層構造としてもよい。
【0012】
本発明の反射板用白色積層ポリエステルフィルムのポリエステル層(A)を構成するポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートを基本構成とし、少なくとも1種類の共重合成分を含有するものである。また、ポリエステル層(B)を構成するポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレートを基本構成とし、かつポリエステル層(A)と同種の共重合成分を少なくとも1種類以上含有するものである。ポリエステル層(B)に共重合成分を含有しない場合は、ポリエステル層(B)が多量の無機粒子および/又はポリエステルに非相溶な樹脂を含有するため、安定して2軸延伸フィルムを生産することが困難となる。また、ポリエステル層(A)にポリエステル層(B)に含有される共重合成分と同成分を含有しない場合は、ポリエステル層(A)とポリエステル層(B)間の層間密着力が不足する。ポリエステル層(A)とポリエステル層(B)に同種の共重合成分を含有させることで、積層界面での両層の親和性が増すため、層間密着力が向上する。
【0013】
本発明の反射板用白色積層ポリエステルフィルムのポリエステル層(A)の融点(TmA)は230℃〜270℃であり、好ましくは235〜265℃、さらに好ましくは240℃〜260℃である。TmAが230℃未満である場合は、破れの発生頻度が増し、生産安定性に劣ったり、ポリエステル層(A)の剛性度が不足するため、立体加工時に破断しやすいフィルムとなる。また、熱収縮率が大くなるため加工時に平面性が悪化する場合がある。TmAが270℃を越えると、生産安定性や製造コストに劣る。ポリエステル層(B)の融点(TmB)は205℃〜245℃であり、好ましくは210〜230℃である。TmBが205℃未満である場合は熱処理工程での破れにより生産性に劣ったり、また、熱収縮率が大きくなるため加工時に平面性が悪化する懸念がある。TmBが240℃を越えると、2軸延伸工程での破れが多発しやすく生産性に劣ったり、ポリエステル層間の接着性が悪化し劈開しやすいフィルムとなる。本発明においては、高い反射率と隠蔽性を達成するために、ポリエステル層(B)に多量の無機粒子および/又はポリエステルに非相溶な樹脂を添加するために、ポリエステル樹脂の結晶化が進みやすくなり延伸時の破れが発生しやすい。そこで、ポリエステルに共重合成分を加えることにより、分子配列の規則性を緩和し、それにより延伸時の配向結晶性を押さえることが出来るため、破れを防止することができる。また、融点が高いポリエステルの場合は、フィルム製造工程の熱処理段階において、延伸により水平面方向に配向された配向非晶分子鎖の規則性を緩和することができず、劈開性に劣るフィルムとなる。
【0014】
また、ポリエステル層(A)の融点(TmA)は、ポリエステル層(B)の融点(TmB)より5℃〜50℃高いことが必要であり、好ましくは10℃〜45℃、更に好ましくは20〜40℃高いことである。TmAとTmBの差が5℃未満である場合は、主に熱処理工程でのフィルム破れにより生産性が低下したり、また破れを防止するために、低い熱処理温度とした場合は、熱収縮率が大きくなるため加工時に平面性が悪化する場合がある。本発明では、TmAとTmBの差が大きい方が、主にポリエステル層(A)の寄与によるフィルムの剛性向上による生産安定性と主にポリエステル層(B)の寄与による多数の無機粒子および/又はポリエステルに非相溶な樹脂を含有できることによる反射率の向上を両立することが容易となるため好ましい態様であるが、TmAとTmBの差が50℃を超える場合は、ポリエステル層(A)とポリエステル層(B)間の剥離強度が損なわれたり、フィルムのカールが大きくなる問題がある。なお、本発明におけるポリエステル(A)層およびポリエステル(B)層の融点は、後述の方法で測定した値である。
【0015】
本発明の反射板用積層白色ポリエステルフィルムにおいて、ポリエステル層(A)およびポリエステル層(B)の融点を調整し、ポリエステル層(A)の接着機能を高め、またポリエステル層(A)とポリエステル層(B)間の剥離強度を上るためには、ポリエチレンテレフタレートおよび/又はポリエチレンナフタレートを基本骨格とするポリエステル樹脂に共重合成分を含有する必要がある。
【0016】
本発明で用いられるポリエステル樹脂を構成する共重合成分としては、ジカルボン酸成分やジオール成分が挙げられる。
【0017】
ジカルボン酸成分としては、例えば、芳香族ジカルボン酸では、2,6−ナフタレンジカルボン酸(PETを基本骨格とする場合)、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸、ジフェン酸およびそのエステル誘導体が挙げられ、また脂肪族ジカルボン酸では、アジピン酸、セバシン酸、ドデカジオン酸、エイコ酸、ダイマー酸およびそのエステル誘導体が、脂環族ジカルボン酸では、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸及びそのエステル誘導体が挙げられ、また多官能酸では、トリメリット酸、ピロメリット酸およびそのエステル誘導体が代表例として挙げられる。これらジカルボン酸成分においては、2,6−ナフタレンジカルボン酸(PETを基本骨格とする場合)、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が好ましいが、中でもイソフタル酸が耐劈開性の発現や製膜安定性が優れているため特に好ましい。ジオール成分としては、例えば、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、テトラメチレングリコールやポリエチレングリコール、およびポリテトラメチレングリコールのようなポリエーテルなどが代表例として挙げられる。また、これらの共重合成分は、1種類のみ使用しても良いし、複数種類を組み合わせて使用しても良い。これらジオール酸成分においては、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールを用いることが好ましい。
【0018】
共重合成分を導入する方法としては、原料であるポリエステルペレットの重合時に共重合成分を添加し、あらかじめ共重合成分が重合されたペレットとして用いても良いし、また、例えば、ポリブチレンテレフタレートのように単独で重合されたペレットとポリエチレンテレフタレートペレットの混合物を押出し機に供給し、溶融時にエステル交換反応によって共重合化する方法を用いても良い。これらの共重合成分の量は、特に限定されないが、各特性面より、ジカルボン酸成分およびジオール成分とも、それぞれの成分に対して好ましくは1〜50モル%であり、より好ましくは1〜20モル%である。また、劈開防止性や製膜安定性、製造コストの観点から、イソフタル酸を共重合成分として使用することが、特に好ましい。
【0019】
ポリエステル層(A)とポリエステル層(B)に共通に含有される共重合成分については、特に限定されないが、上述の共重合成分を好ましく使用することができる。また、劈開防止性や製膜安定性、製造コストの観点から、イソフタル酸を共重合成分として使用することが、特に好ましい。
【0020】
上記ポリエステル樹脂の重縮合反応に使用される触媒としては、例えば、アンチモン化合物、チタン化合物、ゲルマニウム化合物およびマンガン化合物などが好ましく挙げられる。これら触媒は単独で、あるいは組み合わせで用いることができる。これらの触媒のうち、金属触媒凝集物を生成しにくいという点で、チタン化合物やゲルマニウム化合物が好ましく、コストの観点からはチタン化合物が好ましい。チタン化合物としては、具体的には、チタンテトラブトキシドやチタンテトライソプロポキシド等のチタンアルコキシド、二酸化チタン二酸化ケイ素複合酸化物等の主たる金属元素がチタンおよびケイ素からなる複合酸化物やチタン錯体等を使用することかできる。また、アコーディス社製のチタン・ケイ素複合酸化物(商品名:C−94)等の超微粒子酸化チタンを使用することもできる。
【0021】
本発明の反射板用白色積層ポリエステルフィルムにおいては、波長400〜700nmの平均反射率が95.0%以上であり、好ましくは97.0%以上、より好ましくは98.0%以上、特に好ましくは99.0%以上である。また、本発明の反射板用白色積層ポリエステルフィルムの全光線透過率は5.0%以下であり、好ましくは3.0%以下である。平均反射率が95.0%未満である場合は、反射される光量が少なくなるため、画面が暗くなる。また全光線透過率が5.0%を越える場合は、光源ランプより放たれる光がフィルムを透過し背面に逃げてしまうため、画面が暗くなる。なお、平均反射率と全光線透過率の和が100.0%を越えるが、それは平均反射率は絶対反射率ではなく、比較標準試料との相対反射率であるためである。絶対反射率の厳密な測定は困難であるため、通常比較標準試料との相対反射率を使用する。本発明においては、比較標準試料として硫酸バリウムを使用している。
【0022】
なお、本発明における平均反射率は、後述の方法で測定した値である。また、本発明における全光線透過率も、後述の方法で測定した値である。
【0023】
高い反射率と低い全光線透過率を有するフィルムを製造する方法は、特には限定されないが、例えば、後述するポリエステルに非相溶な樹脂および/または無機粒子をフィルム中に含有させ、延伸する方法が挙げられる。これらポリエステルに非相溶な樹脂および/または無機粒子の含有量が多いほど、また2軸延伸の工程において延伸倍率が高いほど、ポリエステル内部に光を反射する界面が生成されるため、高い反射率と低い全光線透過率を発現することが可能である。
【0024】
ポリエステル層(B)中に微細な空洞を含有せしめ、反射率や全光線透過率を所定の範囲に制御する方法としては、(1)ポリエステルに発泡剤を含有せしめ、押出や製膜時の加熱により発泡、あるいは化学的分解により発泡させて空洞を形成する方法、(2)ポリエステルの押出時にガスまたは気化可能物質を添加する方法、(3)ポリエステルに該ポリエステルと非相溶の熱可塑性樹脂(非相溶樹脂)を添加し、それを一軸または二軸延伸することにより微細な空洞を発生させる方法、(4)前記の非相溶樹脂の代わりに気泡形成性の無機系微粒子を多量添加する方法等が挙げられるが、本発明においては、製膜性、内部に含有せしめる空洞の量の調整し易さ、より微細で均一な大きさの空洞の形成し易さ、さらに軽量性などの総合的な点から、上記の(3)の非相溶樹脂の使用および(4)の無機系微粒子を使用する方法を用いる必要がある。
【0025】
ここで言う非相溶樹脂とは、ポリエステル以外の熱可塑性樹脂であって、かつポリエステルに対して非相溶性を示す熱可塑性樹脂であり、ポリエステル中では粒子状に分散し、延伸によりフィルム中に空洞を形成せしめる効果が大きい樹脂が好ましい。より具体的に述べれば、非相溶樹脂とは、ポリエステルと上記非相溶樹脂とを溶融した系を、公知の方法、好ましくは、示差走査熱量計(DSC)、動的粘弾性測定等で測定した場合に、ポリエステルに相当するガラス転移温度(以降、Tgと省略する)以外に該非相溶樹脂に相当するTgが観察される樹脂である。
【0026】
このような非相溶樹脂の融点は、ポリエステルの融点と同等もしくはやや低温であって、かつ製膜時にフィルムを熱固定して結晶化させる際の温度(熱処理温度)よりも高温であることが特に好ましい。かかる点から該非相溶樹脂の中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテンのようなポリオレフィン樹脂、シクロオレフィン共重合体系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂およびフッ素系樹脂などが好ましく用いられる。これらの非相溶樹脂は、単独重合体であっても共重合体であってもよく、さらには2種以上の非相溶樹脂を併用してもよい。これらの中でも、表面張力の小さなポリプロピレンやポリメチルペンテンのようなポリオレフィン樹脂が好ましく、さらにはポリメチルペンテンが最も好ましい。該ポリメチルペンテンは相対的にポリエステルとの表面張力差が大きく、かつ融点が高いため、添加量当たりの空洞形成の効果が大きいという特徴があり、非相溶樹脂として特に好ましいものである。
【0027】
本発明におけるポリエステル層(B)中に非相溶樹脂を含有する場合は、その量は、ポリエステル層(B)全体に対して12〜30重量%であり、好ましくは15〜20重量%の範囲である。含有量が上記範囲より少ない場合には、反射率や全光線透過率が劣ったフィルムとなり、逆に含有量が上記範囲より多い場合には、フィルム全体の見かけ密度が下がりすぎるために、延伸時にフィルム破れ等が生じやすく、生産性が低下する場合がある。
【0028】
本発明における微細な空洞は、空洞により反射率を向上せしめることに寄与できるものであり、ポリエステル中に含有させた該非相溶樹脂を核として生成されたものであることが最も好ましい。本発明における微細な空洞は、ポリエステル層(B)の断面(厚さ方向)の走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)などにより観察することができる。
【0029】
本発明において、ポリエステル層(B)に非相溶樹脂を含有する場合、該非相溶樹脂を核として生成される空洞は互いに独立していることが好ましく、空洞の大きさについては、フィルムの長手方向および幅方向に沿って切り出された断面において観察される空洞の幅の平均サイズ(数平均)が、3〜25μmであることが好ましく、更に好ましくは5〜20μmであり、また、空洞の厚みの平均サイズ(数平均)は、好ましくは0.1〜10μmであり、更に好ましくは0.1〜5μmであることが望ましい。空洞の幅の平均サイズ(数平均)が25μmより大きくなったり、空洞の厚みの平均サイズ(数平均)が10μmより大きくなると、積層フィルム表面のクッション性の差が部分的に大きくなることで、反射率がムラとなったり、フィルム製膜時に破れが発生し易くなる。また、空洞の幅の平均サイズ(数平均)が3μm未満であったり、空洞の厚みの平均サイズ(数平均)が0.1μm未満であると、十分な反射率が得られないことがある。なお、ここで言う長手方向とはフィルム製造時の工程においてフィルムが流れる方向であり、長手方向に対して直交する方向を幅方向とする。また、ここで記載の空洞の厚み、幅の平均サイズ(数平均)は、後述の方法で測定した値である。
【0030】
本発明で用いられるポリエステル層(B)の非相溶樹脂の幅の平均サイズ(数平均)は、好ましくは0.5〜7μmであり、更に好ましくは0.5〜5μmである。非相溶樹脂の幅の平均サイズ(数平均)が7μmを超えると、反射率が低下したり、製膜時フィルムが破断しやすくなることがある。なお、非相溶樹脂の幅の平均サイズ(数平均)は、後述の方法で測定した値である。
【0031】
非相溶樹脂の平均サイズを上記の好ましい範囲内に制御する方法としては、特に限定はされないが、例えば、前述したポリエステルと非相溶樹脂の他に、さらに分散剤を添加することが好ましい方法として挙げられる。分散剤を添加することにより、非相溶樹脂の分散径が小さくなることで延伸により発生する空洞をより微細化でき、結果的にフィルムの反射率や全光線透過率、製膜安定性を向上させることができる。上記の効果を示す分散剤としては、カルボキシル基やエポキシ基等の極性基やポリエステルと反応性のある官能基をもったオレフィン系の重合体または共重合体、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、界面活性剤および熱接着性樹脂等を用いることができる。もちろん、これらは単独でも2種以上を併用してもよい。かかる分散剤は、あらかじめ重合反応において分散剤を共重合化したポリエステルとして使用しても、直接そのまま使用してもよい。
【0032】
本発明で用いられる分散剤の添加量は分散剤が含有されているポリエステル層(B)全体に対して、0.05〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜7重量%であり、さらにより好ましくは0.2〜5重量%である。添加量が0.05重量%より少ない場合、気泡を微細化する効果が小さくなることがある。また、添加量が10重量%より多い場合には、逆に、非相溶樹脂を添加する効果が小さくなり、生産安定性の低下やコスト上昇などの問題が発生しやすい。
【0033】
本発明において、ポリエステル層(B)に多量の無機粒子を含有する場合、無機粒子を核として生成される空洞は互いに独立していることが好ましく、空洞の大きさについては、フィルムの長手方向および幅方向に沿って切り出された断面において観察される空洞の幅の平均サイズ(数平均)が、1〜25μmであることが好ましく、更に好ましくは2〜20μmであり、また、空洞の厚みの平均サイズ(数平均)は、好ましくは0.1〜10μmであり、更に好ましくは0.1〜5μmであることが望ましい。無機粒子を使用した場合は、非相溶樹脂と比較し、押し出し後に再凝集しにくいことや、製膜工程での熱処理時に核が熱変形し、空洞率が下がることがないため、平均サイズ(数平均)が小さい空洞を多数含有する事ができる点で好ましいが、逆に無機粒子を用いた場合、ポリエステル樹脂間に空洞ができにくいために、高反射・高隠蔽を達成するためには、多量の無機粒子を含有させる必要がある。空洞の幅の平均サイズ(数平均)が25μmより大きくなったり、空洞の厚みの平均サイズ(数平均)が10μmより大きくなると、積層フィルム表面のクッション性の差が部分的に大きくなることで、外観に斑が生じたり、フィルム製膜時に破れが発生し易くなる。また、空洞の幅の平均サイズ(数平均)が1μm未満であったり、空洞の厚みの平均サイズ(数平均)が0.1μm未満であると、十分な反射率が得られないことがある。なお、ここで言う長手方向とはフィルム製造時の工程においてフィルムが流れる方向であり、長手方向に対して直交する方向を幅方向とする。
【0034】
また、ここで、本発明における空洞のサイズ、非相溶樹脂の平均サイズについては、上記断面の走査型電子顕微鏡による観察写真より、それらの幅および厚さを計測し、拡大倍率から逆算して各サイズを求める。空洞および非相溶樹脂の各サイズの数平均値は、長手方向に切り出した切断面の断面写真から50ヶ、幅方向に沿って切り出した切断面の断面写真から50ヶ、合計100ヶの空洞および非相溶樹脂について計測、換算し、その平均値とした。なお、長手方向、幅方向が不明な場合は、試料を任意の直交する2つの面で断面を切り出して測定を行っても良い。空洞サイズ、非相溶樹脂のサイズについては、図1に示されるサイズを測定した。なお、図2のように空洞中に非相溶樹脂が見られないものについては除外した。
【0035】
本発明のポリエステル層(B)中に、好適に使用される無機粒子としては、例えば、湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、炭酸カルシウム、珪酸アルミ、リン酸カルシウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化ランタン、酸化マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛(鉛白)、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛、硫化亜鉛、マイカ、雲母チタン、タルク、クレー、カオリン、フッ化リチウムおよびフッ化カルシウム等を使用することができるが、特に二酸化チタン、硫酸バリウムが好ましい。
【0036】
かかる無機粒子は、ポリエステル中での数平均粒子径が、好ましくは0.05〜10μmのものであり、より好ましくは0.1〜3μmのものである。数平均粒子径が10μmを越える場合は、延伸時のフィルム破れが発生したり、フィルタ詰まりが発生する等生産性が落ちるため好ましくない。また数平均粒子径が0.05μm以下である場合は、とくに高波長側の反射率が低下するため好ましくない。ここで、本発明における粒子径については、上記断面の走査型電子顕微鏡による観察写真よりそれらの粒子径を計測し、拡大倍率から逆算して各サイズを求める。粒子径の数平均値は、長手方向に切り出した切断面の断面写真から50ヶ、幅方向に沿って切り出した切断面の断面写真から50ヶ、合計100ヶの粒子について計測、換算し、その平均値とした。なお、長手方向、幅方向が不明な場合は、試料を任意の直交する2つの面で断面を切り出して測定を行っても良い。無機粒子の含有量は、ポリエステル層(B)に対して30〜55重量%であり、好ましくは40〜50重量%である。含有量が上記範囲より少ない場合には、反射率や全光線透過率が劣ったフィルムとなり、逆に含有量が上記範囲より多い場合には、延伸時にフィルム破れ等が生じやすくなって、生産性が低下する場合がある。
【0037】
無機粒子は、ポリエステル層(A)中にも含有させることが好ましい。無機粒子をポリエステル層(A)中にも含有させることにより、ポリエステルフィルムの反射率が向上するため好ましい。
【0038】
本発明においては、ポリエステル層(B)中に、上述の無機粒子とポリエステルに無機粒子と非相溶樹脂の両方を含有することが好ましい。非相溶樹脂を核剤とした場合は扁平で大きな空洞を生成しやすく、広い範囲の波長に渡って光を反射することが可能であるが、空洞のサイズそのものが大きいため、空洞の数が少なくなる傾向があり、また非相溶樹脂の含有量を増やすと、非相溶樹脂分散サイズが大きくなるため製造工程での破れが発生する等の問題が生じ、より一層の高反射率を求める場合、反射率を向上しにくい問題がある。また硫酸バリウム等の無機粒子を使用した場合、ポリエステルフィルム中への含有率を非相溶樹脂と比較し多くすることができるため、サイズの小さな空洞を多数形成することができ、低波長側の反射率が高い点が優れているが、大きなサイズの空洞を形成しにくいために、長波長側の反射率に劣る。このため、非相溶樹脂による大きな空洞と無機粒子による小さな空洞を組み合わせることにより、生産性に優れ、かつ広範囲な波長に渡って良好な反射率を有することが可能となる。ポリエステル層(B)中に、無機粒子とポリエステルに無機粒子と非相溶樹脂の両方を含有する場合、ポリエステル層(B)に対してポリエステルに非相溶な樹脂を12〜30重量%含有し、かつ1〜10重量%の無機粒子を含有することが、反射率・透過率の性能と生産性を両立しやすく好ましい。
【0039】
また、本発明におけるポリエステル層(B)の空隙率は10〜70%であることが好ましく、更に好ましくは30〜60%である。ポリエステル層(B)の空隙率が10%未満になると、反射率が落ちることがあり、空隙率が70%を超えると、製膜時にフィルム破れが発生しやすい傾向がある。なお、本発明における空隙率は、後述の方法で測定した値である。
【0040】
本発明の反射板用積層白色ポリエステルフィルムにおいては、ポリエステル層(B)は微細な空洞を多数含有しており、またフィルム全体の見かけ密度は0.5〜1.3g/cmが好ましく、さらに好ましくは0.6〜1.3g/cmであり、特に好ましくは0.7〜1.3g/cmである。空洞含有積層白色ポリエステルフィルムの見かけ密度は、ポリエステル層(B)に含有される微細な空洞により低減され、好ましい範囲に調整される。見かけ密度が0.5未満であると、フィルムの強度が劣り破断を生じたり、立体加工時にシワを生じたり、また、フィルム製造工程において破断が多発し生産性が劣るなどの問題が生じるため好ましくない。また、見かけ密度が1.3g/cmを超えると、ポリエステルフィルム中に存在する空洞量が不足するため、反射率が悪化する。なお、本発明における見かけ密度は、フィルムを100mm×100mmの大きさにカットし、ダイアルゲージに、直径10mmの測定子を取り付けたものにて10点の厚みを測定し、厚みの平均値d(μm)を計算した後、フィルムを直示天秤にて秤量し、重さw(g)を10−4gの単位まで読みとり、算出した値である。
【0041】
また、本発明においては、ポリエステル層(B)に酸化防止剤を、ポリエステル層(B)に対して好ましくは0.05〜1.0重量%、より好ましくは0.1〜0.5重量%含有せしめることにより、一層安定したポリマー押出と製膜を行うことが可能となる。酸化防止剤としては、分散性の点から、特にヒンダードフェノール系の酸化防止剤が好ましい。
【0042】
また、本発明において、使用される粒子としては有機粒子も用いることができる。有機粒子としては、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム、アクリル粒子およびイミド粒子などを挙げることができる。
【0043】
さらに、白色顔料を含有するポリエステルフィルムに、より鮮明で青味のある白色性を与え、高級なイメージを持たせるためには、少なくともポリエステル層(A)に蛍光増白剤を含有せしめることが好ましい。ここで含有させる蛍光増白剤は、太陽光中や人工光中の紫外線を吸収し、これを紫色〜青色の可視光線に変え輻射する機能を保持し、その蛍光作用により高分子物質の明度を低下させることなく白色度、青味を助長させる化合物である。蛍光増白剤としては、商品名“ユビテック” (登録商標)(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)、“OB−1”(イーストマン社製)、“TBO”(住友精化(株)製)、“ケイコール” (登録商標)(日本曹達(株)製)、“カヤライト” (登録商標)(日本化薬(株)製)、“リューコプア” (登録商標)EGM(クライアントジャパン(株)製)等を用いることができる。蛍光増白剤は、特に限定されるものではなく、単独使用でも、場合によっては2種以上の併用であってもよいが、本発明では、特に耐熱性に優れ、前述のポリエステルとの相溶性がよく均一分散できると共に、着色が少なく、樹脂に悪影響を及ぼさない蛍光増白剤を選択することが望ましい。
【0044】
ポリエステル層中における蛍光増白剤の含有量は、各ポリエステル層に対して0.005〜1重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜0.5重量%の範囲である。含有量が上記範囲より少ないと十分な増白効果が得にくく、上記範囲を超えるものは均一分散性の低下や、いわゆる「濃度消光」と呼ばれる増白効果の低下あるいは着色による白色度の低下等を招き易い。蛍光増白剤は光反射面として使用する層中に含有することが好ましい。
【0045】
本発明の反射板用白色積層ポリエステルフィルムにおいて、光を反射させる側の面に位置するポリエステル層表面に紫外線吸収能を有する塗布層が設けられていること、もしくは、少なくともいずれかのポリエステル層中に耐光剤を含有していていることが、長期使用時のフィルムの黄変を防止できるため好ましい。
【0046】
ポリエステル層中に耐光剤を含有させる場合には、光反射面として使用する層中に含有していることが好ましい態様である。耐光剤を含有することで、フィルムの紫外線による色調変化が防止される。本発明において好ましく使用される耐光剤としては、他の特性が損なわれない範囲であれば特に限定されないが、耐熱性に優れ、ポリエステル樹脂との相性が良く均一分散できると共に、着色が少なく樹脂およびフィルムの反射特性に悪影響を及ぼさない耐光剤を選択することが望ましい。このような耐光剤としては、例えば、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、二酸化チタン等の紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系等の紫外線安定剤などが挙げられる。具体的には、例えば、サリチル酸系のp−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、ベンゾフェノン系の2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン、ベンゾトリアゾール系の2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、シアノアクリレート系のエチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート)、その他として、および2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールなどが挙げられる。
【0047】
また、紫外線安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系のビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、それ他として、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、および2,4−ジ・t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ・t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。これら耐光剤の中でも、ポリエステルとの相溶性に優れる、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、および2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールの適用が好ましい。上記耐光剤は、単独でも2種類以上の併用であってもよい。
【0048】
本発明の反射板用白色積層ポリエステルフィルムにおける耐光剤の含有量は、耐光剤を含有する層に対して0.05〜10重量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%であり、さらに好ましくは0.15〜3重量%である。耐光剤の含有量が0.05重量%未満の場合には、耐光性が不十分で、長期保管時の色調変化が大きくなり、また、耐光剤の含有量が10重量%を超える場合には、耐光剤による着色により、フィルムの色目が変わることがある。
【0049】
また、光を反射させる側の面に位置するポリエステル層表面に紫外線吸収能を有する塗布層が設けられている場合には、該紫外線吸収層は単層であっても複数の層であってもよいが、複数の層の場合には、そのいずれかの層が紫外線吸収剤を含有する層であり、好ましくは2層以上が紫外線吸収剤を含有する層であることが、耐光性保持の点で望ましい。該紫外線吸収層は、熱可塑性、熱硬化性、活性性硬化型樹脂などの樹脂成分中に紫外線吸収剤、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、シアノアクリレート系、サリチル酸エステル系、ベンゾエート系あるいは無機系の紫外線遮蔽剤等を樹脂中に含有あるいは共重合させたものを積層することによって得ることが出来る。中でもベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤がより好ましい。
【0050】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収モノマーとしては、基本骨格にベンゾトリアゾールを有し、かつ不飽和二重結合を有するモノマーであればよく、特に限定されないが、好ましいモノマーとしては2−(2’−ヒドロキシ−5’−アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−アクリロイルオキシエチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾールが好ましい。これらのモノマーと共重合されるアクリルモノマーおよび/またはオリゴマーとしては、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、および架橋性官能基を有するモノマー、例えば、カルボキシル基、メチロール基、酸無水物基、スルホン酸基、アミド基、アミノ基、水酸基、エポキシ基などを有するモノマーを例示することができる。
【0051】
本発明における紫外線吸収能を有する塗布層において、上記アクリル系モノマーおよび/またはオリゴマーの1種あるいは2種以上を任意の比率で共重合させてもよいが、好ましくは、メチルメタクリレートあるいは、スチレンがアクリルモノマーの20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上重合されていることが、積層膜の硬さの点で好ましい。ベンゾトリアゾール系モノマーとアクリル系モノマーとの共重合比は、ベンゾトリアゾール系モノマーの比率が10重量%以上70重量%以下、好ましくは20重量%以上65重量%以下、さらに好ましくは25重量%以上60重量%以下であることが、耐久性や基材フィルムとの密着性の点で好ましい。該共重合ポリマーへの分子量は特に限定されないが、好ましくは5000以上、さらに好ましくは10000以上であることが、塗布層の耐久性の観点で好ましい。該共重合体の作成は、例えばラジカル重合などの方法によって得ることが出来、特に限定されるものではない。上記共重合体は、有機溶剤あるいは水分散体として基材フィルムの上に積層されるが、その厚みは、通常0.5〜15μmであり、好ましくは1〜10μm、さらに好ましくは1〜5μmの範囲内であることが、耐光性の点で特に好ましい。
【0052】
本発明における紫外線吸収能を有する塗布層において、表面の光沢度を調整する等の目的で、塗布層中に有機および/または無機粒子を添加しても良い。無機粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ゼオライト、カオリン、タルクなどを用いることができ、有機粒子としては、シリコーン系化合物、架橋スチレン、架橋アクリル、架橋メラミンなどを用いることが出来る。有機および/または無機粒子の数平均粒径は0.05〜15μmが好ましく、0.1〜10μmであることが好ましい。また含有量としては、紫外線吸収能を有する塗布層の乾燥重量に対して5〜50重量%が好ましく、より好ましくは6〜30重量%、更に好ましくは7〜20重量%である。含有する粒子の粒径を上記の範囲とすることで、粒子の脱落を防止し、かつ表面の光沢度を調整できるため好ましい。
【0053】
また、本発明の白色積層ポリエステルフィルムの光を反射する側の面における光沢度(60°)は10〜130%であることが好ましく、より好ましくは15〜100%である。光沢度が130%を越えると、ユニットの構成により液晶ディスプレイ中の明るさにムラが生じることがある。また10%未満の場合は、多量の粒子を含有する必要があり、生産性に劣る。
【0054】
本発明における紫外線吸収能を有する塗布層中に、本発明の効果を阻害しない範囲内で各種の添加剤を添加することが出来る。添加剤としては、例えば、蛍光増白剤、架橋剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、カップリング剤などを用いることができる。
【0055】
また、紫外線吸収能を有する塗布層は、任意の方法で塗布することができる。例えばグラビアコート、ロールコート、スピンコート、リバースコート、バーコート、スクリーンコート、ブレードコート、エアーナイフイコート、ディッピング、押し出しラミネートなどを方法を用いることが出来るが、特にマイクログラビアロールを用いたキスコートで塗布する方法が、塗布外観や光沢度の均一性に優れており好ましい。また、塗布後に塗布層を硬化する場合、その硬化方法は公知の方法を用いることができる。例えば、熱硬化、あるいは紫外線、電子線、放射線などの活性線を用いる方法、さらにはこれらの組み合わせによる方法が適用できる。本発明においては、熱風オーブンによる熱硬化方法あるいは紫外線照射による紫外線硬化法が好ましい。また、塗布層を設ける方法としては、基材フィルムの製造時に同時に塗布する方法(インラインコーティング)でもよいし、結晶配向完了後の基材フィルム上に塗布(オフラインコートティング)してもよい。
【0056】
本発明において、紫外線吸収能を有する塗布層側表面における、波長400〜700nmにおける平均反射率が95.0%以上、好ましくは97.0%以上、より好ましくは98.0%以上、特に好ましくは99.0%以上である。平均反射率が95.0%未満である場合には、反射される光量が少なくなるため画面が暗くなる。また、波長300〜360nmにおける平均反射率は20.0%以下であることが好ましく、より好ましくは15.0%以下、さらに好ましくは10.0%以下である。平均反射率が20.0%を越えると、紫外線による黄変が起こりやすく好ましくない。通常、紫外線吸収能は透過測定を行うが、本発明の場合透過率が低く測定が困難であるため、反射率による測定を行った。なお、例えば、塗布層の厚みを上げて紫外線吸収能力を高めていっても、表面反射分が一定の割合で残るため、0%にはならない。
【0057】
本発明の反射板用白色積層ポリエステルフィルムにおいて、その80℃30分での加熱収縮率は長手方向、幅方向共に0.5%以下が好ましく、より好ましくは0.0〜0.3%、さらに好ましくは0.0〜0.1%以下である。加熱収縮率が0.5%を越える場合、反射用フィルムの寸法変化が大きくなり、フィルムの平面性が悪化するため輝度斑がおこることがあり好ましくない。また、加熱収縮率は0%より大きい方が好ましい。0.0%未満である場合、すなわち加熱時にフィルムが伸びる方向である場合は、バックライトユニットに組み込んだ後、冷陰極管の熱などでフィルムが伸びるため、たわみや波打ちが発生しやすくなる。加熱収縮率を0.5%未満とする方法は特には限定されないが、通常、2軸延伸フィルムを製造時の延伸倍率を下げる、熱処理温度を上げる、熱処理と同時に幅方向および/または長手方向に緩和処理を施すなどの手法が挙げられる。長手方向、幅方向ともに、所定の加熱収縮率を得るためには、長手方向にも緩和処理をすることが好ましい。この緩和処理については、2軸延伸ポリエステルフィルムの製造中に行う方法(インライン処理)が、製造コストの観点で好ましいが、一度製膜したフィルムを再びオーブン中に通し、緩和処理を行う方法(オフライン処理)を行っても良い。
【0058】
本発明の反射板用白色積層ポリエステルフィルムにおいては、ポリエステル層(A)の厚みが5〜50μmであることが好ましく、さらに好ましくは10〜20μmである。ポリエステル層(A)の積層厚さが薄すぎると生産安定性が低下する。また、一方ポリエステル層(A)の積層厚みが厚すぎると、反射率が劣る傾向が見られる。また、白色積層ポリエステルフィルム全体の厚みは特に規定されないが、反射特性や折り曲げ等の加工性の点から、50〜500μmであることが好ましく、より好ましくは75〜300μmである。
【0059】
次に、本発明の反射板用白色積層ポリエステルフィルムの製造方法について、その一例を説明するが、本発明は、かかる例のみに限定されるものではない。
【0060】
押出機(A)と押出機(B)を有する複合製膜装置において、まず、ポリエステル層(A)を形成するため、共重合成分を含有した、融点230〜280℃のポリエステルペレットおよび無機系微粒子のマスターペレットを、無機系微粒子が1〜35重量%となるよう混合し、十分に真空乾燥する。この乾燥原料には、必要に応じて蛍光増白剤を0.01〜1.5重量%添加せしめてもよい。次に、この乾燥原料を、240〜300℃の温度に加熱された押出機(A)に供給し、溶融押出後10〜50μmカットのフィルターにて濾過した後に、Tダイ複合口金内に導入する。一方、ポリエステル層(B)を形成するため、真空乾燥したポリエステル層(A)と同じ共重合成分を含有するポリエステルペレットと必要に応じて真空乾燥したポリエステルに非相溶樹脂のペレットとを、非相溶樹脂を12〜30重量%および/または無機粒子を30〜60重量%となるように混合し、これを260〜300℃の温度に加熱された押出機(B)に供給し、ポリエステル(A)層の場合と同様に溶融し、濾過してTダイ複合口金内に導入する。なお、この原料には、必要に応じて分散剤を0.05〜10重量%添加してもよい。また、非相溶樹脂の添加は、予めマスターチップとしたものを真空乾燥して使用してもよい。Tダイ複合口金内では押出機(B)のポリマーが中央部に押出機(A)のポリマーが量表面側にA/B/Aとなるように積層してシート状に共押出成形し、溶融積層シートを得る。
【0061】
この溶融積層シートを、表面温度10〜60℃に冷却されたドラム上で静電気により密着冷却固化し、未延伸積層フィルムを作製する。該未延伸積層フィルムを70〜120℃の温度に加熱されたロール群に導き、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に3〜5倍延伸し、20〜50℃の温度のロール群で冷却する。
【0062】
続いて、フィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、90〜150℃の温度に加熱された雰囲気中で、長手方向に直角な方向(幅方向)に3〜5倍に延伸する。
【0063】
延伸倍率は、長手方向と幅方向それぞれ3〜5倍とするが、その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は9〜20倍であることが好ましい。面積倍率が9倍未満であると、得られる2軸延伸積層フィルムの白色性やフィルム強度が不十分となり、逆に面積倍率が20倍を超えると延伸時に破れを生じ易くなる傾向がある。
【0064】
得られた2軸延伸積層フィルムの結晶配向を完了させて、平面性と寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内にて150〜240℃の温度で1〜30秒間の熱処理を行ない、均一に徐冷後、室温まで冷却し、その後必要に応じて、塗布層を形成していない面に他素材との密着性をさらに高めるためにコロナ放電処理などを行い、巻き取ることにより、本発明の空洞含有白色積層ポリエステルフィルムを得ることができる。上記熱処理工程中では、必要に応じて幅方向あるいは長手方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。
【0065】
また、2軸延伸は逐次延伸あるいは同時2軸延伸のいずれでもよいが、同時2軸延伸法を用いた場合は、製造工程のフィルム破れを防止できたり、ポリエステル層(A)が加熱ロールに粘着することによって生ずる転写欠点が発生しにくい。また2軸延伸後に長手方向、幅方向いずれかの方向に再延伸してもよい。
【0066】
このようにして得られた白色積層2軸延伸フィルムに、マイクログラビア版・キスコートにて紫外線吸収能を有する塗布層を設け、80〜140℃にて乾燥後、紫外線照射を行い、塗布層を硬化する。紫外線吸収能を有する層を塗布する前に、易接着層を設ける等の前処理を施しても良い。
【0067】
[特性の測定方法および評価方法]
本発明の特性値は、次の評価方法と評価基準により求められる。
【0068】
(1)フィルム内部の微細な空洞サイズ、非相溶樹脂のサイズおよびポリエステル層の厚み
フィルムを凍結処理した後、長手方向および幅方向に沿って断面を切り出し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)S−2100A形((株)日立製作所製)を用いて2000倍に拡大観察して撮影した断面写真より、微細な空洞の含有の有無を調べた。
【0069】
空洞サイズと非相溶樹脂のサイズについては、上記断面の走査型顕微鏡による観察写真より、それらの幅方向および厚さ方向の長さを計測し、拡大倍率から逆算して各空洞および各非相溶樹脂のサイズを求めた。空洞サイズ、非相溶樹脂のサイズの平均値は、長手方向に切り出した切断面の断面写真から50ヶ、幅方向に沿って切り出した切断面の断面写真から50ヶ、合計100ヶの空洞および非相溶樹脂について幅方向および厚さ方向のサイズを求め、その平均値とした。なお、長手方向、幅方向が不明な場合は、試料を任意の直交する2つの面で断面を切り出して測定を行っても良い。
【0070】
空洞サイズ、非相溶樹脂のサイズについては、図1に示されるサイズを測定した。なお、図2のように空洞中に非相溶樹脂が見られないものについては除外した。
【0071】
各ポリエステル層の厚みは、上記断面の走査型顕微鏡による観察写真より、例えば、図3、図4に示される各ポリエステル層の厚み方向の長さを計測し、拡大倍率から逆算して各層の厚みを求めた。なお、各ポリエステル層の厚みを求めるに当たっては、幅方向に沿って切り出した切断面において互いに異なる測定視野から任意に選んだ計5箇所の断面写真を使用し、その平均値として算出した。なお、長手方向、幅方向が不明な場合は、任意の方向の断面を測定しても良い。
【0072】
(2)各層の空隙率
上記(1)のように走査型電子顕微鏡で撮影した断面写真から、表層の空隙部分のみ透明なフィルム上にトレースし、イメージアナライザー(ニレコ株式会社製:“ルーゼックス”(登録商標)IID)を使用し、空隙の面積比率を求め、この値をそのまま体積%とした。
【0073】
(3)見かけ密度
フィルムを100mm×100mmの大きさにカットし、ダイアルゲージ(三豊製作所製No.2109−10)に、直径10mmの測定子(No.7002)を取り付けたものにて10点の厚みを測定し、厚みの平均値d(μm)を計算する。また、このフィルムを直示天秤にて秤量し、重さw(g)を10−4gの単位まで読みとる。下記の式で計算される値を、見かけ密度とする。
(見かけ密度)=w/d×100 (g/cm)。
【0074】
(4)ポリエステル層の融点
ポリエステルフィルムを顕微鏡下でA層とB層に分離し、試料をサンプリングした。各試料約10mgをそれぞれPERKIN−ELMER社製DSC7を用いて、温度30〜300℃、昇温速度20℃/分の条件下で測定を行い、融解熱量のピーク温度を各ポリエステル層の融点とした。ピークが複数ある場合には、最も高温側のピークを融点とした。
【0075】
(5)光沢度
ポリエステルフィルムを光沢計(スガ試験器(株)社製UGV−5D)を用い、JIS K7105(1981年)に従い60度鏡面光沢度を測定した。
【0076】
(6)平均反射率
分光光度計((株)島津製作所UV2450)に積分球付属装置((株)島津製作所製ISR2200)を取り付け、下記条件にて硫酸バリウムを標準板とし、標準板を100%とした相対反射率を測定した。
次に指定の波長範囲において、波長10nm毎の相対反射率の平均値を平均反射率とした。
【0077】
<測定条件>
スキャンスピード : 中速
スリット : 5.0nm
反射角度 : 8°。
【0078】
<標準板作製方法>
硫酸バリウム白色標準試薬(EASTMAN White Reflectance Standard Cat No.6091)34gを、直径50.8mm、深さ9.5mmの円柱形くぼみに入れ、ガラス板を用いて圧縮して、圧縮密度約2g/cmの硫酸バリウム白色標準板を作製した。
【0079】
(7)全光線透過率
ポリエステルフィルムをヘイズメーター(スガ試験器(株)社製HZ−2)を用い、JIS K7105(1981年)に従い全光線透過率を測定した。
【0080】
(8)加熱収縮率
ASTM D1204(1984年)に従い、80℃30分の熱収縮率を測定した。
【0081】
(9)製膜安定性
フィルム破れの発生回数で評価を行った。なお、評価は1日あたりの破れ回数に換算し、以下の基準で行った。なお、◎、○、△が合格である。
◎:極めて良好 (破れ回数が0.5回/日未満)
○:良好 (破れ回数が0.5回/日以上2回/日未満)
△:やや劣る (破れ回数が2回/日以上4回/日未満)
×:劣る (破れ回数が4回/日以上)。
【0082】
(10)層間剥離性
ポリエステル層(A)側にカッターにてクロスカットを100個入れた後、表面にセロテープ(登録商標)(ニチバン株式会社製CT24)を貼り付け、ゴムローラーを用いて加重19.6Nで3往復させ圧着させた。次に、該試料を両面テープで固定し、セロテープ(登録商標)を手で90°方向に強制的に剥離し、剥離度合いを目視で観察し、5回平均値を以下の基準で判断した。
なお、△と○と◎が合格である。
◎:極めて良好 (剥離面積5%未満)
○:良好 (剥離面積5%以上20%未満)
△:やや劣る (剥離面積20以上40%未満)
×:劣る (剥離面積40%以上)。
【実施例】
【0083】
本発明を以下の実施例を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0084】
<実施例1>
(ポリエチレンテレフタレートペレット(PET)の製造)
酸成分としてテレフタル酸を、グリコール成分としてエチレングリコールを用い、三酸化アンチモン(重合触媒)を得られるポリエステルペレットに対してアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、極限粘度0.63dl/g、カルボキシル末端基量40当量/トンのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)を得た。
【0085】
(ポリエチレンナフタレートペレット(PEN)の製造)
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル100重量部、およびエチレングリコール60重量部に、エステル交換触媒として酢酸マグネシウム4水塩を0.018重量部および酢酸カルシウム1水塩を0.003重量部添加し、170〜240℃、0.5kg/cmにてエステル交換反応させた後、トリメチルホスフェートを0.004重量部添加し、エステル交換反応を終了させた。さらに重合触媒として三酸化アンチモンを0.23重量部添加し、高温高真空下で重縮合反応を行い、極限粘度0.60dl/gのポリエチレンナフタレート(PEN)ペレットを得た。
【0086】
(イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートペレット(PET/I20)の製造)
酸成分としてテレフタル酸80モル%とイソフタル酸20モル%混合物を、グリコール成分としてエチレングリコールを用い、重合触媒として三酸化アンチモンを得られるポリエステルペレットに対してアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、極限粘度0.68dl/g、カルボキシル末端基量40当量/トンのイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(PET/I20)ペレットを得た。
【0087】
(2,6−ナフタレンジカルボン酸共重合ポリエチレンテレフタレートペレット(PET/N10)の製造)
酸成分としてテレフタル酸90モル%と2,6−ナフタレンジカルボン酸10モル%混合物を、グリコール成分としてエチレングリコールを用い、上記同様の製法により、極限粘度0.70dl/gの2,6−ナフタレンジカルボン酸共重合ポリエチレンテレフタレートペレット(PET/N10)ペレットを得た。
【0088】
押出機(a)と押出機(b)を有する複合製膜装置において、ポリエステル層(A)を形成するため、表1に示した原料の混合物を160℃の温度で5時間真空乾燥した後、押出機(a)側に供給し、280℃の温度で溶融押出後、30μmカットフィルターにより異物濾過を行った後に、Tダイ複合口金に導入した。
【0089】
なお、表1中の略称は以下の意味である。
・CaCO(50):平均粒子径1.0μmの炭酸カルシウム粒子を50重量%含有する炭酸カルシウム粒子含有PETペレット
・BaSO(60)−PET/I20: 平均粒径1μmの硫酸バリウム粒子を60重量%含有する硫酸バリウムマスターイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(PET/I20)ペレット
・BaSO(60)−PET/N10: 平均粒径1μmの硫酸バリウム粒子を60重量%含有する硫酸バリウムマスター2,6−ナフタレンジカルボン酸共重合ポリエチレンテレフタレート(PET/N10)ペレット
・OB1(5):蛍光増白剤“OB−1”(イーストマン・コダック社製)を5重量%含有する蛍光増白剤マスターPETペレット
・耐光剤(10):ベンゾフェノン系紫外線安定剤“アデカスタブ”LA−51(旭電化工業株式会社製)を10重量%含有する紫外線吸収剤マスターPETペレット
・PMP:ポリメチルペンテン(三井化学(株)製)TPX DX820
・PBT/PAG:ポリブチレンテレフタレート(PBT)とポリアルキレングリコール(PAG)のブロック共重合体である、“ハイトレル(R)”(登録商標)7277(東レ・デュポン株式会社製)。
【0090】
一方、ポリエステル層(B)を形成するため、表1に示した原料の混合物を180℃の温度で3時間真空乾燥した後に、押出機(b)側に供給し、280℃の温度で溶融押出後30μmカットフィルターにより異物濾過を行った後に、Tダイ複合口金に導入した。
【0091】
次いで、該Tダイ複合口金内で、ポリエステル層(A)がポリエステル層(B)の両表層に積層(A/B/A)されるよう合流せしめた後、シート状に共押出して溶融積層シートとし、該溶融積層シートを、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電荷法で密着冷却固化させて未延伸積層フィルムを得た。続いて、該未延伸積層フィルムを常法に従い85℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、90℃の温度の加熱ロールを用いて長手方向(縦方向)に3.3倍延伸を行い、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。
【0092】
得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の90℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に100℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(幅方向)に3.2倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで200℃の温度で10秒間の熱処理を施し、さらに180℃の温度で4%幅方向に弛緩処理を行った後、更に140℃の温度で1%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、均一に徐冷後、巻き取って、ポリエステル層(A)とポリエステル層(B)の厚みが13/224/13(μm)のA/B/A 3層複合構成とした厚さ250μmの白色積層ポリエステルフィルムを得た。使用原料を表1に示す。
【0093】
この得られたフィルムの片面に下記配合の(C)層を塗布後の厚みが2μmとなるようにマイクログラビアロールを用いたキスコートで塗布し、120℃で1分間乾燥した。さらにこの(C)層上に、下記配合の表面硬化層(D)層を硬化後の厚みが4μmになるようにマイクログラビアロールを用いたキスコートで塗布し、80℃の熱風乾燥機で溶媒を乾燥した後、コンベア式メタハライドランプ(アイグラフィック社製)で紫外線光量300mJ/cmを照射し硬化させ、片面に耐光性硬化層を有する白色積層ポリエステルフィルムを得た。
【0094】
(C)層の塗剤構成・2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(30wt%)共重合メチルメタクリレート :95重量部変性飽和ポリエステル樹脂“ニッカコート”(登録商標)FS−12(日本化工塗料(株)製) :4重量部
メチル化メラミン“サイメル”(登録商標)370(三井サイテック(株)製) :1重量部
トルエン/メチルエチルケトン=1/1 :400重量部。
【0095】
(D)層の塗剤構成
・2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール :20重量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート :68重量部
・アクリルオリゴマー“アロニックス”(登録商標)M−7100(共栄社化学(株)社製) :8重量部
・2−ヒドロキシプロピルアクリレート :4重量部
・“イルガキュアー”(登録商標)183(チバガイギー社製) :4重量部
・トルエン/メチルエチルケトン=1/1 :312重量部。
【0096】
また、該白色積層ポリエステルフィルムの断面を走査型顕微鏡(SEM)にて拡大観察することにより、ポリエステル層(B)の内部に微細な空洞を含有していることを確認した。この微細な空洞は、粒子状に分散せしめられたポリメチルペンテン(PMP)を核として、その周囲に形成されており、長径が延伸方向、短径がフィルム厚み方向の楕円形であって、その空洞サイズ、非相溶樹脂であるPMPのサイズは表3に示したとおりであった。
【0097】
かくして得られた空洞含有白色積層ポリエステルフィルムの特性は、表2、表3のとおりであって、高い反射率と低い透過率を有した、層間剥離しにくく、製膜安定性が良く、反射板用フィルムとして優れたものであった。
【0098】
使用原料を表1に示す。
【0099】
<実施例2>
表1に示された原料と条件を使用したこと以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する白色積層ポリエステルフィルムを得た。ただし、紫外線吸収層である(C)層を設けた後、120℃のオーブン中にて長手方向に0.5%の弛緩処理を行い、その後表面硬化層である(D)層を設けた。
【0100】
得られた白色積層ポリエステルフィルムは微細な空洞を含有しており、その特性は、表2、表3のとおりであって、層間剥離しにくく、特に高い反射率と低い透過率(高い隠蔽性)を有するものであった。また、熱により収縮が極めて少なく、高温雰囲気下での耐カール性に特に優れていた。
【0101】
<実施例3>
表1に示された原料と条件を使用したこと以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する白色積層ポリエステルフィルムを得た。
【0102】
得られた白色積層ポリエステルフィルムは微細な空洞を含有しており、その特性は、表2、表3のとおりであって、層間剥離性と製膜安定性に特に優れていた。また、反射率と透過率(隠蔽性)の特性はやや劣るものであったが、合格の範囲内であった。
【0103】
<実施例4>
表1に示された原料と条件を使用したこと、熱処理温度を185℃に変更した事以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する白色積層ポリエステルフィルムを得た。得られた白色積層ポリエステルフィルムは微細な空洞を含有しており、その特性は、表2、表3のとおりであって、優れた層間剥離性を有し、高い反射率と低い透過率(高隠蔽性)を有するものであった。製膜安定性はやや劣るが、合格の範囲内であった。
【0104】
<実施例5>
表1に示された原料と条件を使用したこと以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する白色積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた白色積層ポリエステルフィルムは微細な空洞を含有しており、その特性は、表2、表3のとおりであって、層間剥離性と製膜安定性に特に優れていた。また、反射率と透過率(隠蔽性)の特性はやや劣るものであったが、合格の範囲内であった。
【0105】
<実施例6>
表1に示された原料と条件とし、そして、ポリエステル層(A)のPETにおいて、重合触媒として三酸化アンチモンの替わりにクエン酸キレートチタン化合物のエチレングリコール溶液を得られるポリエステルに対してチタン元素が5ppmとなるように添加して重合したものを使用したこと以外は、実施例1と同様にして耐光性硬化層を有する白色積層ポリエステルフィルムを得た。
【0106】
得られた白色積層ポリエステルフィルムは微細な空洞を含有しており、その特性は、表2、表3のとおりであって、高い反射率と低い透過率(高隠蔽性)を有するものであった。層間剥離性と製膜安定性はやや劣る結果であったが、合格の範囲内であった。また、ポリエステル層(A)中の金属触媒由来の異物が少なく、耐光性コート層を設けた時の塗布抜け欠点が少なかった。
【0107】
<実施例7>
表1に示された原料と条件を使用したこと以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する白色積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた白色積層ポリエステルフィルムは微細な空洞を含有しており、その特性は、表2、表3のとおりであって、高い反射率と低い透過率を有した、層間剥離しにくく、製膜安定性が良いものであった。
【0108】
<実施例8>
表1に示された原料を使用し、耐光性硬化層を塗布しないこと以外は、実施例1と同様にして白色積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた白色積層ポリエステルフィルムは微細な空洞を含有しており、その特性は、表2、表3のとおりであった。低コストであるが、耐光性硬化層を塗布したものと同様に耐光性を確認できた。
【0109】
<実施例9>
表1に示された原料を使用し、A/Bの2層の条件としたこと、耐光性硬化層を塗布しないこと以外は、実施例1と同様にして白色積層ポリエステルフィルムを得た。
得られた白色積層ポリエステルフィルムは微細な空洞を含有しており、その特性は、表2、表3のとおりであって、製膜安定性は若干劣るものの、高い反射率と低い透過率を有したものであった。低光沢度面のB層を反射面とすることにより、バックライトユニットの構成によってもムラを生じにくくなった。
【0110】
<比較例1>
表1に示された原料と条件としたこと以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する白色積層ポリエステルフィルムを得た。
【0111】
得られた白色積層ポリエステルフィルムは微細な空洞を含有しており、その特性は、表2、表3のとおりであって、透過率が高く、隠蔽性に劣ったものであった。
【0112】
<比較例2>
表1に示された原料と条件としたこと以外は、実施例1と同様にして白色積層ポリエステルフィルムの作成を試みたが、フィルム破れが多発し、白色積層ポリエステルフィルムを得ることができなかった。
【0113】
<比較例3>
表1に示された原料と条件としたこと以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する空洞含有白色積層ポリエステルフィルムを得た。
【0114】
得られた空洞含有白色積層ポリエステルフィルムは微細な空洞を含有しており、その特性は、表2、表3のとおりであって、反射率と透過率に劣ったものであった。
【0115】
<比較例4>
表1に示された原料と条件としたこと、熱処理温度を185℃としたこと以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する空洞含有白色積層ポリエステルフィルムを得た。
【0116】
得られた空洞含有白色積層ポリエステルフィルムは微細な空洞を含有しており、その特性は、表2、表3のとおりであって、製膜安定性に劣ったものであり、層間剥離性にもやや劣るものであった。
【0117】
<比較例5>
表1に示された原料と条件としたこと以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する空洞含有白色積層ポリエステルフィルムを得た。
【0118】
得られた空洞含有白色積層ポリエステルフィルムは微細な空洞を含有しており、その特性は、表2、表3のとおりであって、層間剥離性に劣ったものであった。
【0119】
<比較例6>
表1に示された原料と条件としたこと以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する空洞含有白色積層ポリエステルフィルムを得た。
【0120】
得られた空洞含有白色積層ポリエステルフィルムは微細な空洞を含有しており、その特性は、表2、表3のとおりであって、層間接着性と製膜安定性に劣ったものであった。
【0121】
<比較例7>
表1に示された原料と条件としたこと以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する空洞含有白色積層ポリエステルフィルムを得た。
【0122】
得られた空洞含有白色積層ポリエステルフィルムは微細な空洞を含有しており、その特性は、表2、表3のとおりであって、製膜安定性に劣ったものであった。
【0123】
<比較例8>
表1に示された原料と条件としたこと以外は、実施例1と同様にして片面に耐光性硬化層を有する空洞含有白色積層ポリエステルフィルムを得た。
【0124】
得られた空洞含有白色積層ポリエステルフィルムは微細な空洞を含有しており、その特性は、表2、表3のとおりであって、層間剥離製に劣ったものであり、製膜もやや不安定であった。
【0125】
【表1】

【0126】
【表2】

【0127】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0128】
本発明は、反射板用白色積層ポリエステルフィルムに関するものである。さらに詳しくは、積層構造を有し、反射特性、積層間の剥離防止性に優れ、かつ生産性の良いポリエステルフィルムに関するもので、特に画像表示用のバックライト装置およびランプリフレクターの反射板用途に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】非相溶樹脂周辺に発生した空洞の断面図
【図2】非相溶樹脂が見られない空洞の断面図
【図3】本願ポリエステルフィルム(A/B/A)の断面図
【図4】本願ポリエステルフィルム(A/B)の断面図
【符号の説明】
【0130】
1 ポリエステルに非相溶な樹脂
2 空洞
3 空洞の幅
4 空洞の厚さ
5 非相溶樹脂の幅
6 非相溶樹脂の厚さ
7 ポリエステル層(A)の厚み
8 ポリエステル層(B)の厚み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともポリエステル層(A)と空洞を含有するポリエステル層(B)が共押出し法により積層された2軸延伸積層ポリエステルフィルムであって、
該積層ポリエステルフィルムが、下記の(1)〜(4)の要件を満たす反射板用白色積層ポリエステルフィルム。
(1)ポリエステル層(A)が、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートを基本構成とし、少なくとも1種類以上の共重合成分を含有するポリエステルからなる
(2)ポリエステル層(B)が、ポリエチレンテレフタレートを基本構成とし以下を含有する
(i)ポリエステル層(A)に含まれる少なくとも1種類以上の共重合成分
(ii) ポリエステル層(B)に対して、ポリエステルに非相溶な樹脂を12〜30重量%および/又は無機粒子を30〜55重量%
(3)ポリエステル層(A)の融点(TmA(℃))が230℃〜270℃、ポリエステル層(B)の融点(TmB(℃))が205〜245℃であり、かつTmAがTmBより5〜50℃高い
(4)少なくとも片側表面の波長400〜700nmの平均反射率が95.0%以上かつ、積層フィルムの全光線透過率が5.0%以下。
【請求項2】
ポリエステル層(B)中にポリエステルに非相溶な樹脂12〜30重量%、無機粒子1〜30重量%が共に含有されている請求項1に記載の反射板用白色積層ポリエステルフィルム。
【請求項3】
ポリエステル層(A)およびポリエステル層(B)に含まれる共重合成分がイソフタル酸である請求項1または2に記載の反射板用白色積層ポリエステルフィルム。
【請求項4】
前記ポリエステルに非相溶な樹脂がポリメチルペンテンである請求項1〜3のいずれかに記載の反射板用白色積層ポリエステルフィルム。
【請求項5】
前記無機粒子が炭酸カルシウム、硫酸バリウムのいずれかである請求項1〜4のいずれかに記載の反射板用白色積層ポリエステルフィルム。
【請求項6】
少なくともポリエステル層(A)を構成するポリエステルの重合触媒として、チタン化合物を使用していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の反射板用白色積層ポリエステルフィルム。
【請求項7】
2軸延伸が同時2軸延伸である請求項1〜6のいずれかに記載の反射板用白色積層ポリエステルフィルム。
【請求項8】
少なくとも光を反射させる側の面に位置するポリエステル層表面に紫外線吸収能を有する塗布層が設けられてなる請求項1〜7のいずれかに記載の反射板用白色積層ポリエステルフィルム。
【請求項9】
少なくともいずれかのポリエステル層中に耐光剤を、該ポリエステル層に対して0.05〜10重量%含有する請求項1〜7のいずれかに記載の反射板用白色積層ポリエステルフィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−261260(P2007−261260A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−40488(P2007−40488)
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】