説明

反応テーブル、分析装置および攪拌方法

【課題】反応過程の磁性粒子を簡易な手段により攪拌することで、より正確な分析結果を取得できる反応テーブル、分析装置および攪拌方法を提供すること。
【解決手段】本発明の反応テーブルは、反応容器収容部が形成された回転テーブル244と、反応容器収容部242aに収容される少なくとも検体と磁性粒子試薬とが分注された反応容器10と、反応容器10を保持する回転テーブル244を、回転テーブル244の中心軸まわりに回動させるモータ243と、回動する反応容器10が通過する前記中心軸まわりに形成された円周溝246a、246bおよび反応容器10に対して磁力を発生する複数の永久磁石241を円周溝246a、246bの側壁に収容する複数の磁力収容部247を有し、反応容器10を恒温化する反応槽242と、を備え、各永久磁石241は、円周溝246a、246bの両側壁の円周方向に対してジグザグ配置され、反応容器10内に収容される磁性粒子が凝集しない大きさの磁力を発生することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体中の分析対象と特異的に結合する反応物質を固相した磁性粒子を含む磁性粒子試薬を使用する分析装置の反応テーブル、これを使用する分析装置、および攪拌方法に関する。
【背景技術】
【0002】
分析装置は、多数の検体に対する分析処理を同時に行ない、さらに、多成分を迅速に、かつ、高精度で分析できるため、免疫学検査、生化学検査、輸血検査などさまざまな分野での検査に用いられている。このうち、免疫学検査を行う分析装置においては、分析対象である抗原または抗体と、前記分析対象と特異的に結合する反応物質を固相した磁性粒子が結合した生成物を生成し、その後、標識分子と生成物との反応および基質との酵素反応を経て分析対象を測光により分析を行っている。各反応前には、試薬等の分散および反応促進を目的として攪拌子等を用いて攪拌を行っているが、反応容器が一旦反応テーブルに移送された後、反応に要する6〜8分は一切攪拌が行われていなかった。
【0003】
一方、免疫分析装置では、前記各反応後、未反応物質を分離除去するBF(bound−free)洗浄を行っているが、前記BF洗浄では、強力な磁力を有する集磁機構を用いて検体中の分析対象と、反応物質を固相した磁性粒子とが特異的に反応した免疫複合体を反応容器壁面に集磁、凝集することにより、集磁されない検体中の未反応物質等を除去している(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
また、磁性粒子を強度が低い磁化に付すことにより糸状体とし、磁性粒子を再分散等する方法(たとえば、特許文献2参照)や、回転磁場を利用した反応促進法(たとえば、特許文献3参照)なども提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−227838号公報
【特許文献2】特表2004−534243号公報
【特許文献3】特開2006−247535号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、磁石等は用いられているものの強度が高いものであって磁性粒子の分散を図るものではなく、いずれの反応過程においても攪拌が行われないため、磁性粒子の沈降や分析装置の微妙な振動変化が反応過程の検体に影響を与えることとなり、分析感度の低下およびデータの安定性を阻害する要因となっていた。
【0007】
また、特許文献2に記載された技術は磁性粒子に低強度の磁気を付すものではあるが、BF洗浄において高強度磁場に付された磁性粒子クラスターの再懸濁を目的とするものであって、反応過程の磁性粒子の攪拌により分析精度の向上を図るものではない。さらに特許文献3に開示された技術は、マイクロリアクターにおいて回転磁場を利用して磁性粒子を攪拌しうるものの、回転磁場を使用するため装置が大掛かりになるだけでなく、反応容器が1つのみのフロー法を基本とするものであるから、多成分の分析を行う連続バッチ式の自動分析装置には採用しにくい技術であった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、攪拌子等を用いず、反応過程の磁性粒子を一層簡易な方法によって攪拌することで、正確な分析結果を取得できる反応テーブル、分析装置および攪拌方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる反応テーブルは、検体中の分析対象と特異的に結合する反応物質を固相した磁性粒子を含む磁性粒子試薬を少なくとも用いた分析装置の反応テーブルであって、反応容器収容部が形成された回転テーブルと、前記反応容器収容部に収容される少なくとも検体と磁性粒子試薬とが分注された反応容器と、前記反応容器を保持する回転テーブルを、該回転テーブルの中心軸まわりに回動させる駆動機構と、回動する反応容器が通過する前記中心軸まわりに形成された円周溝および該反応容器に対して磁力を発生する複数の磁力発生部を前記円周溝の側壁に収容する複数の磁力収容部を有し、前記反応容器を恒温化する恒温反応槽と、を備え、各磁力発生部は、前記円周溝の両側壁の円周方向に対してジグザグ配置され、前記反応容器内に収容される磁性粒子が凝集しない大きさの磁力を発生することを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる反応テーブルは、上記発明において、前規格磁力発生部の配置間隔は、回転テーブルの停止間隔とすることを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる反応テーブルは、上記発明において、前記回転テーブルを、前記各磁力発生部前に停止させるよう回転を制御する回転制御部を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる反応テーブルは、上記発明において、前記反応容器収容部に、検体、磁性粒子、標識物質および基質溶液とが分注され、酵素反応を行なわせることを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる反応テーブルは、上記発明において、前記円周溝は、前記中心軸まわりに複数形成されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる反応テーブルは、上記発明において、複数の前記円周溝は、同一の側壁を共用して隣接配置され、該同一の側壁に配置される核磁力発生部を共用することを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる反応テーブルは、上記発明において、前記磁力発生部は、永久磁石であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかる分析装置は、上記に記載の1以上の反応テーブルを用いて免疫反応または酵素反応の光学分析を行うことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の磁性粒子試薬の攪拌方法は、検体中の分析対象と特異的に結合する反応物質を固相した磁性粒子を含む磁性粒子試薬を少なくとも反応容器に分注し、分注された液体を収容する反応容器を反応テーブルに配置して該液体内の磁性粒子を攪拌する磁性粒子試薬の攪拌方法であって、前記反応テーブルを回転させ、前記反応容器が通過する円周溝の両側壁に円周方向に沿い回転テーブルの停止間隔毎にジグザグ配置された磁力発生部の近傍に前記反応容器を停止させて、前記反応容器内の磁性粒子が凝集しない大きさの磁力を与える攪拌ステップを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、検体中の分析対象と特異的に結合する反応物質を固相した磁性粒子を含む磁性粒子試薬を少なくとも用いた分析装置の反応テーブルであって、反応容器収容部が形成された回転テーブルと、前記反応容器収容部に収容される少なくとも検体と磁性粒子試薬とが分注された反応容器と、前記反応容器を保持する回転テーブルを、該回転テーブルの中心軸まわりに回動させる駆動機構と、回動する反応容器が通過する前記中心軸まわりに形成された円周溝および該反応容器に対して磁力を発生する複数の磁力発生部を前記円周溝の側壁に収容する複数の磁力収容部を有し、前記反応容器を恒温化する恒温反応槽と、を備え、各磁力発生部は、前記円周溝の両側壁の円周方向に対してジグザグ配置され、前記反応容器内に収容される磁性粒子が凝集しない大きさの磁力を発生することにより、磁力線の方向を変化させ磁性粒子の拡散を促すことを可能とするものであり、攪拌子等を用いず、反応過程の磁性粒子を一層簡易な方法によって攪拌することで、正確な分析結果を取得できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明にかかる反応テーブル、分析装置および攪拌方法の好適な実施の形態について、サンドイッチ法により免疫学検査を行なう分析装置を例に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1にかかる免疫反応テーブルおよび酵素反応テーブルを用いた分析装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、分析装置1は、検体と試薬との間の反応物の作用による発光基質の発光量を測定する測定機構2と、測定機構2を含む分析装置1全体の制御を行なうとともに、測定機構2における測定結果の分析を行なう制御機構4とを備える。分析装置1は、これらの二つの機構が連携することによって複数の検体の免疫学的な分析を自動的に行なう。
【0021】
まず、測定機構2について説明する。測定機構2は、大別して検体移送部21、チップ格納部22、検体分注部23、免疫反応テーブル24、BFテーブル25、第1試薬庫26、第2試薬庫27、第1試薬分注部28、第2試薬分注部29、酵素反応テーブル30、測光部31、第1反応容器移送部32および第2反応容器移送部33を備える。測定機構2の各構成部位は、所定の動作処理を行なう単数または複数のユニットを備える。
【0022】
検体移送部21は、検体を収容した複数の検体容器21aを保持し、図中の矢印方向に順次移送される複数の検体ラック21bを備える。検体容器21aに収容された検体は、検体の提供者から採取した血液または尿などである。
【0023】
チップ格納部22は、複数のチップを整列したチップケースを設置しており、該ケースからチップが供給される。該チップは、感染症項目測定時のキャリーオーバー防止のため、検体分注部23のノズル先端に装着され、検体分注ごとに交換されるディスポーザブルのサンプルチップである。
【0024】
検体分注部23は、検体の吸引および吐出を行なうチップが先端部に取り付けられ鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアームを備える。検体分注部23は、検体移送部21によって所定位置に移動された検体容器21a内の検体をチップによって吸引し、アームを旋回させ、BFテーブル25によって所定位置に搬送された反応容器10に分注して検体を所定タイミングでBFテーブル25上の反応容器10内に移送する。
【0025】
免疫反応テーブル24は、反応容器10内で検体と所定の試薬とを反応させるための反応ラインを有し、検体と磁性粒子試薬との第一反応用の外周ライン24aと、検体と標識試薬との第二反応用の内周ライン24bの2つの反応ラインを有する。各反応ラインには、反応容器10を収容する反応容器収容部242aが複数形成される。免疫反応テーブル24は、免疫反応テーブル24の中心を通る鉛直線を回転軸として図1の矢印の方向に回動自在であり、免疫反応テーブル24の反応容器収容部242aに収容された反応容器10を所定タイミングで所定位置に移送する。
【0026】
BFテーブル25は、所定の洗浄液を吸引吐出して検体または試薬における未反応物質を分離するBF(bound−free)分離を実施するBF洗浄処理を行なう。BFテーブル25は、BFテーブル25の中心を通る鉛直線を回転軸として図1の矢印の方向に回動自在であり、BFテーブル25に配置された反応容器10を所定タイミングで所定位置に移送する。BFテーブル25は、BF分離に必要な磁性粒子を集磁する集磁機構と、BF液を反応容器内に吐出・吸引してBF分離を実施するBF洗浄プローブを有するBF洗浄部251と、集磁された磁性粒子を分散させる攪拌機構とを有する。このBFテーブル25におけるBF洗浄処理として、第1BF洗浄処理および第2BF洗浄処理が行われる。なお、BF洗浄部251は、複数のBF液吐出プローブと、各BF液吐出プローブに対応する複数のBF液吸引プローブとを有する。
【0027】
第1試薬庫26は、BFテーブル25に配置された反応容器10内に分注される第1試薬が収容された第1試薬容器26aを複数収納できる。第2試薬庫27は、BFテーブル25に配置された反応容器10内に分注される第2試薬が収容された第2試薬容器27aを複数収納できる。第1試薬庫26および第2試薬庫27は、駆動機構が駆動することによって、図1の矢印の方向に回動自在であり、所望の試薬容器を第1試薬分注部28または第2試薬分注部29による試薬吸引位置まで移送する。第1試薬は、分析対象である検体内の抗原または抗体と特異的に結合する反応物質を固相した磁性粒子を含む試薬である。第2試薬は、磁性粒子と結合した抗原または抗体と特異的に結合する標識物質(たとえば酵素)を含む試薬である。また、第2試薬庫27は、標識物質との酵素反応によって発光する基質を含む基質液が収容された基質液容器27bを収納し、図1の矢印の方向に回動して所定の基質液容器27bを第1試薬分注部28による基質液吸引位置まで搬送する。
【0028】
第1試薬分注部28は、第1試薬の吸引および吐出を行なうプローブが先端部に取り付けられ鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアームを備える。第1試薬分注部28は、第1試薬庫26によって所定位置に移動された第1試薬容器26a内の試薬をプローブによって吸引し、アームを旋回させ、BFテーブル25によって第1試薬吐出位置に搬送された反応容器10に分注する。また、第1試薬分注部28は、第2試薬庫27によって所定位置に移動された基質液容器27b内の基質液をプローブによって吸引し、アームを旋回させ、BFテーブル25によって基質液吐出位置に搬送された反応容器10に分注する。
【0029】
第2試薬分注部29は、第1試薬分注部と同様の構成を有し、第2試薬庫27によって所定位置に移動された第2試薬容器27a内の試薬をプローブによって吸引し、アームを旋回させ、BFテーブル25によって第2試薬吐出位置に搬送された反応容器10に分注する。
【0030】
酵素反応テーブル30は、反応容器10内に注入された基質液内の基質が発光可能となる酵素反応処理を行なうための反応ラインである。酵素反応テーブル30には、周方向に反応容器10を収容する反応容器収容部が形成される。酵素反応テーブル30は、酵素反応テーブル30の中心を通る鉛直線を回転軸として図1の矢印の方向に回動自在であり、酵素反応テーブル30に配置された反応容器10を所定タイミングで所定位置に移送する。
【0031】
測光部31は、反応容器10内の反応液内の基質から発する発光を測定する。測光部31は、たとえば、化学発光で生じた微弱な発光を検出する光電子倍増管を有し、カウント法を用いて発光量を測定する。また、測光部31は、光学フィルターを保持し、発光強度に応じて光学フィルターにより減光された測定値によって真の発光強度を算出する。
【0032】
第1反応容器移送部32は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行ない、検体および所定の試薬を収容した反応容器10を所定タイミングで、免疫反応テーブル24、BFテーブル25、酵素反応テーブル30、図示しない反応容器供給部の所定位置に移送するアームを備える。また、第2反応容器移送部33は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行ない、検体ならびに所定の試薬および基質を収容した反応容器10を所定タイミングで、酵素反応テーブル30、測光部31、図示しない反応容器廃棄部の所定位置に移送するアームを備える。
【0033】
つぎに、制御機構4について説明する。制御機構4は、制御部41、入力部42、分析部43、記憶部44、出力部45および送受信部47を備える。測定機構2および制御機構4が備えるこれらの各部は、制御部41に電気的に接続されている。制御機構4は、一または複数のコンピュータシステムを用いて実現され、測定機構2に接続する。制御機構4は、分析装置1の各処理にかかわる各種プログラムを用いて、測定機構2の動作処理の制御を行なうとともに測定機構2における測定結果の分析を行なう。
【0034】
制御部41は、制御機能を有するCPU等を用いて構成され、分析装置1の各構成部位の処理および動作を制御する。制御部41は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行ない、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行なう。制御部41は、記憶部44が記憶するプログラムをメモリから読み出すことにより分析装置1の制御を実行する。また、制御部41は、回転制御部41aを備え、該回転制御部41aは、免疫反応テーブル24および酵素反応テーブル30内の回転テーブル(図2参照)の回転を制御する。
【0035】
入力部42は、種々の情報を入力するためのキーボード、出力部45を構成するディスプレイの表示画面上における任意の位置を指定するためのマウス等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する。なお、入力部42の情報入力は、タッチパネルによって実現するようにしてもよい。分析部43は、測定機構2から取得した測定結果に基づいて検体に対する分析処理等を行なう。
【0036】
記憶部44は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、分析装置1が処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成され、検体の分析結果等を含む諸情報を記憶する。記憶部44は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。
【0037】
出力部45は、プリンタ、スピーカー等を用いて構成され、制御部41の制御のもと、分析に関する諸情報を出力する。出力部45は、ディスプレイ等を用いて構成された表示部46を備え、表示部46はタッチパネルによって実現するようにしてもよい。送受信部47は、図示しない通信ネットワークを介して所定の形式にしたがった情報の送受信を行なうインターフェースとしての機能を有する。
【0038】
この免疫検査を行なう分析装置においては、第1試薬分注処理、検体分注処理、第1BF洗浄処理、第2試薬分注処理、第2BF洗浄処理、基質液分注処理、測定処理および分析処理が行われる。
【0039】
つぎに図1に示す免疫反応テーブル24について詳細に説明する。図2に免疫反応テーブル24の断面図を示す。免疫反応テーブル24は、上部が開口した円筒形状の本体部249と、この開口を塞ぎ、反応槽242の温度変化を抑制する開閉自在の蓋部248とを有する。本体部249は、免疫反応テーブル24の底面および側面を形成し、その内部に免疫反応を行わせる反応槽242を有する。反応槽242上部には回転テーブル244が設けられ、前記回転テーブル244は、駆動装置であるモータ243に連結されて、前記モータ243の駆動により前記回転テーブル244の中心を通る鉛直線を回転軸として時計回りまたは反時計回りに回動される。前記モータ243の駆動は、回転制御部41aにより制御される。前記回転テーブル244には、反応容器10を収容する反応容器収容部242aが形成されており、前記反応容器収容部242aは、検体と磁性粒子試薬とが反応するための外周ライン24aと、検体および磁性粒子の反応物と、標識試薬とが反応するための内周ライン24bの二重に形成される。前記反応容器収容部242aは、各ラインに同数個、等間隔に配置される。検体および磁性粒子等が分注された反応容器10は、前記反応容器収容部242aに収容されて、回転テーブル244に連結されたモータ243の駆動により、回転テーブル244とともに反応槽242中を回動し、回動中に各反応が進行する。
【0040】
回転テーブル244下部の反応槽242は、外周がラバーヒーター245で取り巻かれ、該ラバーヒーター245により免疫反応が行われる温度である体温近辺に加温される。反応槽242には、反応容器10が回動するための回動用溝246aおよび246bが形成される。溝246aは、検体と磁性粒子試薬とが反応するための外周ライン24aに反応容器10が収容される際の回動用の円周溝であり、溝246bは、検体および磁性粒子の反応物と標識試薬とが反応するための内周ライン24bに反応容器10が収容される際の回動用の円周溝である。
【0041】
図3に反応槽242の平面図を示す。図3に示すように、前記円周溝246aおよび246bの左右両側に、磁力発生部として採用される永久磁石241を収容する磁力収容部247が複数形成される。回転テーブル244により回転する反応容器10の停止時に反応容器10に永久磁石241の発する磁力を付すために、永久磁石241および磁力収容部247は反応容器10の停止間隔毎に、回転テーブル244に収容される反応容器10と同数配置される。磁力収容部247は、円周溝246aおよび246bに、同数個、等間隔に形成され、各ライン毎、左右交互、すなわちジグザグな形状をとる。磁力収容部247に収容される永久磁石241は、磁性粒子が凝集しないレベルの微力な磁力を有するものであり、永久磁石241の隣に、検体と磁性粒子等を含む反応容器10が回動後停止すると、反応容器10中の未反応の磁性粒子、検体と磁性粒子に固相された反応物質とが反応した反応物、または前記反応物と標識物質が反応した免疫複合体は、該永久磁石241の微力な磁力線にさらされ、凝集することなく反応容器10中を移動する。反応容器10は一定時間毎に、モータ243の駆動により回転テーブル244とともに円周溝246aまたは246b中を回動し、停止すると、前回停止時とは反対側に形成された磁力発生機構収容部247に収容される永久磁石241の微力な磁力線にさらされる。実施の形態1では、図3に示すように、反応容器10の回動は反応容器1個(PT1〜PT2)/1ピッチ(P)とし、反応容器10の1ピッチ分の回動により反応容器10に対する永久磁石241の設置場所が反対となることから、磁束線の向きも反対となり、反応容器10中の未反応の磁性粒子、検体と磁性粒子に固相された反応物質とが反応した反応物、または前記反応物と標識物質が反応した免疫複合体は、反応容器10中を先ほどとは反対方向に移動する。本発明の免疫反応テーブルでは、これを連続することにより、反応容器10中の未反応の磁性粒子、検体と磁性粒子に固相された反応物質とが反応した反応物、または前記反応物と標識物質が反応した免疫複合体は、反応容器10中で充分に拡散されるので、反応が促進され、分析精度の向上を図れるものである。
【0042】
永久磁石241の磁力は、磁性粒子が凝集しない程度の磁力であり、磁力発生機構は微力な磁力を発生させるものであればよく、電磁石であってもよい。また、上記で説明した反応槽242中の永久磁石241の配置は、反応容器10の回動方向に対し左右のいずれか1面に、全体として各回動ラインに対しジグザグとなるような配置をとるが、反応容器10の回動により磁束線の向きが変化すれば本発明の目的は達成されるから、本発明の実施の形態1の変形例として、永久磁石241を、反応容器10の上下いずれか1面に交互に、たとえば、免疫反応槽の蓋部248内側の外周ライン24aおよび内周ライン24bの上部と、円周溝246aおよび246b底部に交互に配置することも可能である。
【0043】
つぎに図1に示す酵素反応テーブル30について詳細に説明する。図4に酵素反応テーブル30の断面図を示す。酵素反応テーブル30は、上部が開口した円筒形状の本体部309と、この開口を塞ぎ、酵素反応槽302の温度変化を抑制する開閉自在の蓋部308とを有する。本体部309は、酵素反応テーブル30の底面および側面を形成し、その内部に酵素反応を行わせる反応槽302を有する。反応槽302上部には回転テーブル304が設けられ、前記回転テーブル304は、駆動装置であるモータ303に連結されて、前記モータ303の駆動により前記回転テーブル304の中心を通る鉛直線を回転軸として時計回りまたは反時計回りに回動される。前記モータ243の駆動は、回転制御部41aにより制御される。前記回転テーブル304には、反応容器10を収容する反応容器収容部302aが複数形成されている。検体、磁性粒子および標識物質が結合した免疫複合体と基質溶液が分注された反応容器10は、前記反応容器収容部302aに収容されて、回転テーブル304に連結されたモータ303の駆動により、回転テーブル304とともに反応槽302中を回動し、回動中に反応が進行する。
【0044】
回転テーブル304下部の反応槽302は、外周がラバーヒーター305で取り巻かれ、該ラバーヒーター305により酵素反応が行われる温度である体温近辺に加温される。反応槽302には、反応容器10が回動するための円周溝306が形成される。円周溝306は、免疫複合体と基質溶液とが反応するための酵素反応ラインに反応容器10が収容される際の回動用の円周溝である。
【0045】
図5に反応槽302の平面図を示す。図5に示すように、前記円周溝306の左右両側に、磁力発生機構として採用される永久磁石301を収容する磁力収容部307が複数形成される。回転テーブル304により回転する反応容器10の停止時に反応容器10に永久磁石301の発する磁力を付すために、永久磁石301および磁力収容部307は反応容器10の停止間隔毎に、回転テーブル304に収容される反応容器10と同数配置される。磁力収容部307は、円周溝306に、左右交互で等間隔に形成され、全体としてジグザグな形状をとる。磁力収容部307に収容される永久磁石301は、磁性粒子が凝集しないレベルの微力な磁力を有するものであり、永久磁石301の隣に、免疫複合体と基質溶液を含む反応容器10が回動後停止すると、反応容器10中の未反応の磁性粒子、および磁性粒子反応物と標識物質が反応した免疫複合体は、永久磁石301の微力な磁力線にさらされ、凝集することなく反応容器10中を移動する。反応容器10は一定時間毎に、モータ303の駆動により回転テーブル304とともに円周溝306中を回動し、停止すると、前回停止時とは反対側に形成された磁力収容部307に収容される永久磁石301の微力な磁力線にさらされる。実施の形態1では、図5に示すように、反応容器10の回動は反応容器1個(PT1〜PT2)/1ピッチ(P)とし、反応容器10の1ピッチ分の回動により反応容器10に対する永久磁石301の設置場所が反対となることから、磁束線の向きも反対となり、反応容器10中の未反応の磁性粒子、および磁性粒子反応物と標識物質が反応した免疫複合体は、反応容器10中を先ほどとは反対方向に移動する。本発明の酵素反応テーブルではこれを連続することにより、反応容器10中の未反応の磁性粒子、および磁性粒子反応物と標識物質が反応した免疫複合体は、反応容器10中で充分に拡散されるので、反応が促進され、分析精度の向上を図れるものである。
【0046】
前記永久磁石301の磁力は、磁性粒子が凝集しない程度の磁力であり、磁力発生機構は微力な磁力を発生させるものであればよく、電磁石であってもよい。また、上記で説明した反応槽302中の永久磁石301の配置は、反応容器の回動方向に対し左右のいずれか1面に、全体として回動ラインに対しジグザグとなるような配置であるが、反応容器10の回動により磁束線の向きが変化すれば本発明の目的は達成されるから、本発明の実施の形態1の変形例として、永久磁石301を、反応容器10の上下いずれか1面に交互に、たとえば、酵素反応槽の蓋部308内側の反応ライン上部と、円周溝306底部に交互に配置することも可能である。さらに、反応容器10の1ピッチ分の回動を反応容器3個、5個・・・(奇数個)としても、反応容器10の1ピッチ分の回動により反応容器10が受ける磁束線の向きを変更できるので、反応容器10中の反応液の攪拌を効率的に行なうことが可能である。
【0047】
次に図6を用いて、本発明の分析装置における検体に対する分析処理を説明する。まず、図6(1)に示すように、反応容器供給部よりBFテーブル25の所定位置に第1反応容器移送部32によって反応容器10が移送され、この反応容器10内に、第1試薬容器26aに収容された検体中の分析対象である抗原と特異的に結合する抗体を固相した磁性粒子61を含む第1試薬が、第1試薬分注部28から分注される第1試薬分注処理が行われる。その後、図6(2)に示すように、検体移送部21によって所定位置に移送された検体容器21a内から、チップ格納部22から供給されたチップを装着した検体分注部23によって、BFテーブル25上の当該反応容器10内に、抗原62およびその他の未反応物63を含む検体が分注される検体分注処理が行われる。そして、当該反応容器10は、BFテーブル25の攪拌機構によって攪拌された後、第1反応容器移送部32によって、免疫反応テーブル24の外周ライン24aに移送され、当該反応容器10は、回転テーブル244に形成された反応容器収容部242aに収容される。
【0048】
つぎに、図6(3)に示すように、免疫反応テーブルの外周ライン24aでは、反応容器収容部242aに収容された反応容器10の下部は、反応槽242に形成された円周溝246aに収容される。反応容器10中では、検体中の抗原62と抗体固相磁性粒子61との反応の進行により第1反応物64が生成するが、第1反応物64および未反応の磁性粒子61は、反応槽242に形成された磁力発生機構収容部247に収容された微力な磁力を有する永久磁石241の磁力にさらされる。反応容器10は、当該反応容器10を保持する回転テーブル244とともに、回転制御部41aの制御のもとにモータ243の駆動により外周ライン24a上(反応容器下部は反応槽242の円周溝246a内)を一定時間毎に回動し、永久磁石241の近傍に停止される。反応槽242の円周溝246aには、永久磁石241がジグザグに配置されているため、反応容器10の一定時間毎の回動により磁束線の向きが連続して反転することとなり、免疫反応テーブルの外周ライン24a上で図6(3)および(4)の状態を繰り返す。(3)および(4)の状態を繰り返すことにより、磁性粒子は一定時間毎に方向が変化する微弱な磁束線にさらされ、磁性粒子は効果的に拡散するため、検体中の抗原62と抗体固相磁性粒子61との反応進行による第1反応物64の生成を促進することができる。
【0049】
そして、反応容器10は第1反応容器移送部32によってBFテーブル25に移送され、図6(5)に示すように、1回目のBF洗浄処理が行われる。第1BF洗浄処理においては、BFテーブル25の集磁機構25bを用いて第1反応物64および未反応の磁性粒子61を集磁させた状態で、BF液吸引プローブ251bによるBF液の吸引およびBF液吐出プローブ251aによるBF液の注入が行なわれる第1BF分離が実施される。この結果、図6(5)に示すように、反応容器10内の未反応物質63が除去され、反応容器10内には、未反応の磁性粒子61と第1反応物64が残存する。
【0050】
そして、図6(6)に示すように、BF分離後の反応容器10内に酵素標識抗体65を含む試薬が第2試薬として第2試薬分注部29から分注され、攪拌機構によって攪拌される第2試薬分注処理が行われる。この結果、第1反応物64と標識抗体65とが結合した免疫複合体67が生成される。その後、この反応容器10は、第1反応容器移送部32によって免疫反応テーブル24の内周ライン24bに移送される。
【0051】
図6(7)に示すように、免疫反応テーブルの内周ライン24bでは、反応容器収容部242aに収容された反応容器10の下部は、反応槽242に形成された円周溝246bに収容される。反応容器10中では、第1反応物64と標識抗体65との反応の進行により免疫複合体67が生成するが、免疫複合体67および未反応の磁性粒子61は、反応槽242に形成された磁力収容部247に収容された微力な磁力を有する永久磁石241の磁力にさらされる。反応容器10は、当該反応容器10を保持する回転テーブル244とともに、回転制御部41aの制御のもとにモータ243の駆動により内周ライン24b上(反応容器下部は反応槽242の円周溝246b内)を一定時間毎に回動し、永久磁石241の近傍に停止される。反応槽242の円周溝246bには、永久磁石241がジグザグに配置されているため、反応容器10の一定時間毎の回動により磁束線の向きが連続して反転することとなり、免疫反応テーブルの内周ライン24b上で図6(7)および(8)の状態を繰り返す。(7)および(8)の状態を繰り返すことにより、磁性粒子は一定時間毎に方向が変化する微弱な磁束線にさらされ、磁性粒子は効果的に拡散するため、第1反応物64と標識抗体65との反応進行による免疫複合体67の生成を促進することができる。一定の反応時間が経過した後、反応容器10は第1反応容器移送部32によりBFテーブル25に移送される。
【0052】
そして、図6(9)に示すように、反応容器10に対して、2回目の第2BF洗浄処理が行われる。第2BF洗浄処理においては、BFテーブル25の集磁機構25bを用いて免疫複合体67および未反応の磁性粒子61を集磁させた状態で、BF液吸引プローブ251bによるBF液の吸引およびBF液吐出プローブ251aによるBF液の注入が行なわれる第2BF分離が実施される。この結果、図6(9)に示すように、反応容器10から第1反応物64と結合していない標識抗体65が除去され、反応容器10内には、未反応の磁性粒子61と免疫複合体67が残存する。
【0053】
そして、図6(10)に示すように、反応容器10には、基質66を含む基質液が分注され再度攪拌される基質液分注処理が行われる。つぎに、反応容器10は、第1反応容器移送部32によって酵素反応テーブル30に移送される。酵素反応テーブル30で、複合体67と基質66とが作用する。
【0054】
図6(11)に示すように、酵素反応テーブル30の反応ラインでは、反応容器収容部302aに収容された反応容器10の下部は、反応槽302に形成された円周溝306に収容される。反応容器10中の免疫複合体67と未反応の磁性粒子61は、反応槽302に形成された磁力収容部307に収容された微力な磁力を有する永久磁石301の磁力にさらされる。反応容器10は、反応容器10を保持する回転テーブル304とともに、回転制御部41aの制御のもとにモータ303の駆動により反応ライン上(反応容器下部は反応槽302の円周溝306内)を一定時間毎に回動し、永久磁石301の近傍に停止される。反応槽302の円周溝306には、永久磁石301がジグザグに配置されているため、反応容器10の一定時間毎の回動により磁束線の向きが連続して反転することとなり、酵素反応テーブルの反応ライン上で図6(11)および(12)の状態を繰り返す。(11)および(12)の状態を繰り返すことにより、磁性粒子が一定時間毎に絶えず方向が変化する微弱な磁力線にさらされ、磁性粒子が効果的に拡散するため、免疫複合体67中の酵素と基質66の反応進行を促進することができる。
【0055】
反応容器10は、第2反応容器移送部33によって測光部31に移送される。酵素反応を経た基質66は、図6(13)に示すように光L1を発する。この状態で、測光部31によって基質66から発せられる光L1が測定される測定処理が行われる。そして、分析部43は、測定された光量をもとに検出対象の抗原量を求める分析処理を行なう。
【0056】
(実施の形態2)
つぎに実施の形態2について説明する。本形態では、免疫反応テーブル24A内の回転テーブル244は、実施の形態1と同様に、検体と固相担体磁性粒子との反応用の外周ライン24a、および検体と磁性粒子の反応物と標識試薬との反応用の内周ライン24bを有する2重の反応ラインを形成するが、反応容器が回動する円周溝が1つであり、外周ライン24aの内側に配置される磁力発生部と、内周ライン24bの外側に配置される磁力発生部を共用する点で実施の形態1と異なる。
【0057】
本形態の免疫反応テーブル24Aの断面図および反応槽242Aの平面図を図7および8に示す。本形態の回転テーブル244では、実施の形態1の回転テーブル244と略同様に反応容器収容部242aが形成されるが、反応槽242Aの円周溝246Aは、外周ライン24aおよび内周ライン24bを回動する各反応容器が一緒に収容される1つの円周溝246Aとして形成される。円周溝246Aの半径方向の中間地点には、微弱な磁力を発生する磁力発生機構として永久磁石241が等間隔で配置される。円周溝246Aの半径方向の中間地点に配置される永久磁石241は、外周ライン24aの半径方向中心(内)側に配置される磁力発生部と、内周ライン24bの半径方向円周(外)側に配置される磁力発生機構を兼ねる。また、円周溝246Aの外周側に、外周ライン24aを回動する反応容器用の永久磁石241が、中央に配置された永久磁石241にとともに回動ラインに対してジグザグとなるように磁力収容部247内に配置される。また、円周溝246Aの内周側に、内周ライン24bを回動する反応容器用の永久磁石241が、中央に配置された永久磁石241にとともに回動ラインに対してジグザグとなるように磁力収容部247内に配置される。
【0058】
本形態では、外周ライン24aを回動する未反応の磁性粒子、および検体と磁性粒子に固相された反応物質とが反応した反応物を含む反応容器10は、円周溝246Aの外周側に形成された磁力収容部247に収容された永久磁石241と、円周溝246Aの中央に設置された永久磁石241が各々発する磁束線を交互に受けることになる。また、内周ライン24bを回動する未反応の磁性粒子、および磁性粒子反応物質と標識物質とが反応した反応物を含む反応容器10は、円周溝246Aの中央に設置された永久磁石241と、反応容器回動溝246Aの内周側に形成された磁力収容部247に収容された永久磁石241が各々発する磁束線を交互に受けることになる。
【0059】
本形態においても、実施の態様1と同様に、微弱な磁力を発生する永久磁石241が反応容器10の各回動ラインに対しジグザグに配置されるため、反応容器10の一定時間毎の回動により、磁性粒子は一定時間毎に方向が変化する微弱な磁束線にさらされ、磁性粒子は効果的に拡散し、反応が促進される。本形態では外周ライン24aの内側分と内周ライン24bの外側分を共用するので、設置する永久磁石241の個数を減らすことができる。
【0060】
上記実施の形態で説明した分析装置は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。このコンピュータシステムは、所定の記録媒体に記録されたプログラムを読み出して実行することで分析装置の処理動作を実現する。ここで、所定の記録媒体とは、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」の他に、コンピュータシステムの内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などのように、プログラムの送信に際して短期にプログラムを保持する「通信媒体」など、コンピュータシステムによって読み取り可能なプログラムを記録する、あらゆる記録媒体を含むものである。また、このコンピュータシステムは、ネットワークを介して接続した他のコンピュータシステムからプログラムを取得し、取得したプログラムを実行することで分析装置の処理動作を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる反応テーブルを用いた分析装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】図1に示した免疫反応テーブルの構成を示す断面図である。
【図3】図2に示した免疫反応テーブル内の反応槽の構成を示す平面図である。
【図4】図1に示した酵素反応テーブルの構成を示す断面図である。
【図5】図4に示した酵素反応テーブル内の反応槽の構成を示す平面図である。
【図6】図1に示した分析装置における検体に対する分析処理を説明する説明図である。
【図7】本発明の実施の形態2にかかる免疫反応テーブルの構成を示す断面図である。
【図8】図7に示した免疫反応テーブル内の反応槽の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 分析装置
2 測定機構
4 制御機構
10 反応容器
21 検体移送部
21a 検体容器
21b 検体ラック
22 チップ格納部
23 検体分注部
24、24A 免疫反応テーブル
24a 外周ライン
24b 内周ライン
25 BFテーブル
25b 集磁機構
26 第1試薬庫
26a 第1試薬容器
27 第2試薬庫
27a 第2試薬容器
27b 基質液容器
28 第1試薬分注部
29 第2試薬分注部
30 酵素反応テーブル
31 測光部
32 第1反応容器移送部
33 第2反応容器移送部
41 制御部
41a 回転制御部
42 入力部
43 分析部
44 記憶部
45 出力部
46 表示部
47 送受信部
61 抗体固相磁性粒子
62 抗原
63 未反応物質
64 第1反応物
65 酵素標識抗体
66 発光基質
67 免疫複合体
241、301 永久磁石
242、242A、302 反応槽
242a、302a 反応容器収容部
243、303 モータ
244、304 回転テーブル
245、305 ラバーヒーター
246a、246b、246A、306 円周溝
247、307 磁力収容部
248、308 蓋部
249、309 本体部
251 BF洗浄部
251a BF液吐出プローブ
251b BF液吸引プローブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体中の分析対象と特異的に結合する反応物質を固相した磁性粒子を含む磁性粒子試薬を少なくとも用いた分析装置の反応テーブルであって、
反応容器収容部が形成された回転テーブルと、
前記反応容器収容部に収容される少なくとも検体と磁性粒子試薬とが分注された反応容器と、
前記反応容器を保持する回転テーブルを、該回転テーブルの中心軸まわりに回動させる駆動機構と、
回動する反応容器が通過する前記中心軸まわりに形成された円周溝および該反応容器に対して磁力を発生する複数の磁力発生部を前記円周溝の側壁に収容する複数の磁力収容部を有し、前記反応容器を恒温化する恒温反応槽と、
を備え、
各磁力発生部は、前記円周溝の両側壁の円周方向に対してジグザグ配置され、前記反応容器内に収容される磁性粒子が凝集しない大きさの磁力を発生することを特徴とする反応テーブル。
【請求項2】
前記各磁力発生部の配置間隔は、回転テーブルの停止間隔とすることを特徴とする請求項1に記載の反応テーブル。
【請求項3】
前記回転テーブルを、前記各磁力発生部前に停止させるよう回転を制御する回転制御部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の反応テーブル。
【請求項4】
前記反応容器収容部に、検体、磁性粒子、標識物質および基質溶液とが分注され、酵素反応を行なわせることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の反応テーブル。
【請求項5】
前記円周溝は、前記中心軸まわりに複数形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の反応テーブル。
【請求項6】
複数の前記円周溝は、同一の側壁を共用して隣接配置され、該同一の側壁に配置される各磁力発生部を共用することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の反応テーブル。
【請求項7】
前記磁力発生部は、永久磁石であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つ記載の反応テーブル。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一つに記載の1以上の反応テーブルを用いて免疫反応または酵素反応の光学分析を行うことを特徴とする分析装置。
【請求項9】
検体中の分析対象と特異的に結合する反応物質を固相した磁性粒子を含む磁性粒子試薬を少なくとも反応容器に分注し、分注された液体を収容する反応容器を反応テーブルに配置して該液体内の磁性粒子を攪拌する磁性粒子試薬の攪拌方法であって、
前記反応テーブルを回転させ、前記反応容器が通過する円周溝の両側壁に円周方向に沿い回転テーブルの停止間隔毎にジグザグ配置された磁力発生部の近傍に前記反応容器を停止させて、前記反応容器内の磁性粒子が凝集しない大きさの磁性粒子磁力を与える攪拌ステップを含むことを特徴とする磁性粒子試薬の攪拌方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−32386(P2010−32386A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−195243(P2008−195243)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】