受け取られた光のスペクトル成分を検出するスペクトル検出装置
本発明は、受け取られた光のスペクトル成分を検出するスペクトル検出装置100であって、前記受け取られた光をフィルタリングする及び所定の波長範囲内の波長を有する光を出力するフィルタリング構造110と、フィルタリング構造110により出力された光を検出する光センサ120とを有するスペクトル検出装置100において、フィルタリング構造110は、時間とともに前記所定の波長範囲の変化を可能にするように可変である、スペクトル検出装置100に関する。この配置は、低い費用において、提供されることができる小型のスペクトル検出装置を可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受け取られた光の検出スペクトル成分を検出するスペクトル検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、分光計のような、スペクトル検出装置は、例えば、複数の発光体により生成される雰囲気を決定するために光の演色評価数及び色点を測定するように、及び/又は特定の発光体により発される光を監視するように、ますます光管理の用途において使用されている。
【0003】
分光計を使用している光管理用途の典型的な例は、室内の複数の発光体により生成される雰囲気をユーザが柔軟に決定することを可能にするアンビエントインテリジェント照明システムである。所望の雰囲気を達成するために、前記アンビエントインテリジェントシステムは、個々の発光体の輝度、色点及び演色評価数を測定する制御フィードバックシステムによって、前記個々の発光体の照明特性を測定して制御する。
【0004】
更に、分光計は、現在の(modern)発光体の光の色を監視するためにも使用されることができ、前記発光体内では、白色光が発光ダイオード(LED)により生成され、例えば、赤、緑及び青色(RGB)のLED(又はより多くの及び/又は異なるLED)により生成される。ここで、この光の色の監視が、重要である。個々のLEDからの光が他のLEDから到来する光と適切に組み合わせられている場合にのみ、前記LEDからの混合された光が、結果として白色光になるため、重要である。
【0005】
国際出願第2008/012715号は、画像及び動作を認識するための画像センサ・アレイと、前記画像センサ・アレイの少なくとも光感度が高い表面の一部を覆う受け取られた光のスペクトル成分を検出するためのファブリペロ共振器構造とを有する集積画像認識及びスペクトル検出装置を開示している。前記受け取られた光の複数のスペクトル成分を測定できるように、前記ファブリペロ共振器構造が、チェス盤のような構造に分割され、各セグメントは、異なるスペクトル成分を提供するために異なる厚さを有する。更に、この配置は、各スペクトル成分が前記画像センサ・アレイ内の異なるセンサにより検出されるようになっている。動作中、前記画像センサ・アレイは、前記入射光線に含まれるスペクトル成分を連続的に検出し、対応する信号を制御手段に送信する。次いで、前記制御手段は、所望の色点を達成するために、検出されたスペクトル成分及び色設定制御アルゴリズムに基づいて、前記LEDのための電流を別個に調整することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、国際出願第2008/012715号に開示されているスペクトル検出装置が、受け取られた光のスペクトル成分を十分に測定できる場合でさえも、密集した多層干渉フィルタのアレイを堆積させることは、費用がかかる。従って、多くの(高価な)堆積及びリソグラフィ工程を必要としない低コスト代替的なスペクトル検出装置を提供することが望ましいことであり得る。従来技術と比較して、より小型の装置を得たいという要求も存在する。国際出願第2008/012715号において、多くのフィルタは、スペクトル成分を測定するために狭いスペクトル帯域を有して使用される。100ルクスのオーダにおいて光レベルを検出するのに十分感度が高い装置を達成するために、前記画素領域はあまり小さい領域まで縮小されることができず、前記装置に関する大きさの縮小の選択肢を制限している。従って、代替的なスペクトル検出装置に関する必要性が存在するようである。
【0007】
本発明の目的は、受け取られた光のスペクトル成分を検出する代替的なスペクトル検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの見地によれば、受け取られた光のスペクトル成分を検出するスペクトル検出装置であって、前記スペクトル検出装置は、前記受け取られた光をフィルタリングする及び所定の波長範囲内の波長を有する光を出力するフィルタリング構造と、前記フィルタリング構造によって出力された光を検出する光センサとを有しているスペクトル検出装置において、前記フィルタリング構造が、時間とともに前記所定の波長範囲が変化するのを可能にするように可変的である、スペクトル検出装置が、提供される。
【0009】
本発明は、時間とともに前記スペクトル検出装置により出力される光の波長を変化させることによって、受け取られた光の異なるスペクトル成分が単一の場所において、(一度に1つ)検出されることができることの理解に基づいている。本発明のスペクトル検出装置は、異なるスペクトル成分が異なる場所において(並列に)検出されることを必要としない点において、有利なものであり、これにより、更に小型なスペクトル検出装置を可能にする。更に、異なるスペクトル成分を(順次)検出するのに同じ光センサが使用されることができるので、前記スペクトル検出装置により使用される光センサの数が、減少されることができ、これにより費用を低減させる。更に、本発明は、従来技術に対して更に費用を低減させる。密集した多層干渉フィルタのアレイの費用がかかる堆積を必要としないからである。
【0010】
前記所定の波長範囲は、前記フィルタリング構造に外的刺激を加えることによって調整されることができる。ここで、前記外的刺激は、電場、温度又は力学的な力のグループから選択される。このことは、前記フィルタリング構造により出力される波長の簡単かつ信頼できる制御を可能にする。
【0011】
前記所定の波長範囲は、典型的には、光のスペクトルを算出するために並びに/又は光源の色温度及び/若しくは色点を予測するために選択されることができる。従って、前記所定の波長範囲は、高解像度を得るために、20nmから200nmまでの間の幅を有することができ、又は好ましくは20nmから50nmまでの範囲の幅を有することができる。例えば、前記所定の波長範囲は、青色光を検出するために450−495nm(即ち45nmの幅)であっても良く、緑色光を検出するために495−570nm(即ち75nmの幅)であっても良く、又は赤色光を検出するために620−750nm(即ち130nmの幅)であっても良い。
【0012】
前記フィルタリング構造は、前記所定の波長範囲内にある波長を有する光を透過する(と共に前記所定の波長範囲外の波長を有する光を遮断する)ように適応化されることができる。透過性のフィルタリング構造は、簡単に光センサ上に配されることができるので、前記スペクトル検出装置内に容易に取り付けられることができ、小型の配置を可能にする。
【0013】
代替的な実施例によれば、前記フィルタリング構造は、前記所定の波長範囲内にある波長を有する光を反射する(と共に前記所定の波長範囲外の波長を有する光を透過する)ように適応化されることができる。有利な点は、反射フィルタリング構造が、原則として、単一の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタを使用して実施化されることができことにある。
【0014】
一実施例によれば、前記フィルタリング構造は、切替可能フォトニックバンドギャップフィルタを有することができる。切替可能フォトニックバンドギャップフィルタの使用は、前記フィルタリング構造により出力される前記波長の簡単かつ信頼できる変化を可能にする点において、有利である。
【0015】
前記スペクトル検出装置は、前記フィルタリング構造によって受け取られる光に関する入射角を所定の入射角に制限する角度選択要素を更に有することができる。前記入射角は、典型的には、θを入射角として、光がθ-αからθ+αまでの範囲における方向から受け入れられるように、関連する角度受け入れ範囲を有することができる。更に、αは、好ましくは5°未満であり、更に好ましくは2°未満であり、最も好ましくは1°未満である。このことは、光のスペクトル特性が、特定の入射角に対して測定されることを可能にする。このようにして、特定の光源から到来する光の位置を突き止め(locate)、インタラクティブにこの特性を調整するも可能である。
【0016】
一実施例によれば、前記角度選択要素は、前記入射角の変化を可能にするように可変的であっても良い。このことは、光のスペクトル特性が、入射角の関数として測定されることを可能にする。異なる光源から到来する光の位置を、順次突き止めることも可能である。
【0017】
他の実施例によれば、前記角度選択要素は、複数の領域を有していても良く、各領域は、異なる入射角を有する光を受け入れるように適応化されている。このようにして、前記角度選択要素の移動を必要とすることなく、異なる方向から光のスペクトル特性を測定することができる。
【0018】
前記スペクトル検出装置は、更に、拡散器を有することができる。前記拡散器は、前記スペクトル検出装置によって受け取られる光をランダムに再指向するように配されることができる。例えば、切替可能フォトニックバンドギャップフィルタのような、フィルタリング構造は、角度依存性を有し得て、即ち異なる角度において前記フィルタリング構造に当たる光が、結果として、前記フィルタリング構造の異なるスペクトル応答をもたらす。このことは、光が、前記角度選択要素に到達する前に前記拡散器を通過するように拡散器を配することによって解決されることができる。この配置によれば、前記拡散された光の一部は、前記角度選択要素を透過し、特定の角度において、前記フィルタリング構造に当たる。このようにして、前記フィルタの角度依存性の結果としてスペクトル応答が異なることはないので、即ち、前記フィルタリング構造は、角度から独立したものになる。
【0019】
更に、本発明によるスペクトル検出装置は、有利には、異なる色の複数の発光装置と前記スペクトル検出装置から得られる複数のスペクトル成分を処理する制御ユニットとを更に有する照明装置内に含まれることができ、前記制御ユニットは、更に、特定の色点及び/又は色温度のような、所定の照明効果を達成するために、検出されたスペクトル成分に基づいて前記複数の発光装置を制御する。
【0020】
更に、本発明によるスペクトル検出装置は、有利には、複数の発光体(又は光源)を制御する照明制御システム内に含まれることができ、このシステムは、更に、前記スペクトル検出装置から得られた複数のスペクトル成分を処理する制御ユニットを有しており、前記制御ユニットは、更に、特定の色点及び/又は色温度のような、所定の照明効果を達成するために、検出された前記スペクトル成分に基づいて複数の発光体(又は光源)を制御するのに適応化されている。
【0021】
本発明、及び本発明の更なるフィーチャ及び有利な点は、添付請求項及び以下の記載を研究する際に明らかになるであろう。当業者であれば、本発明の異なるフィーチャが、本発明の要旨を逸脱することなく、以下に記載されているもの以外の実施例を作るように組み合わせられることが可能であると理解するであろう。
【0022】
特定のフィーチャ及び効果を含む、本発明の様々な見地は、以下の詳細な説明及び添付図面から容易に理解されることができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施例によるスペクトル検出装置を概略的に示している。
【図2】透過性のフィルタリング構造が、どのように2つのフォトニックバンドギャップフィルタを相互に積み重ねることにより達成されることができるかを概略的に示している。
【図3】スペクトル検出装置を含む照明制御システムを概略的に示している。
【図4】受け取られた光のスペクトル組成を決定するためのフローチャートを概略的に示している。
【図5】角度選択要素の様々な実施例を概略的に示している。
【図6】拡散器を有するスペクトル検出装置の実施例を概略的に示している。
【図7】反射フィルタリング構造を備えるスペクトル検出装置の実施例を概略的に示している。
【図8】切替可能フォトニックバンドギャップフィルタの反射バンドが、電圧を印加することによって、どのようにシフトされることができるかを概略的に示している。
【図9】ピクセル化されたスペクトル検出装置を概略的に示している。
【図10】照明装置に含まれるスペクトル検出装置を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、以下において、添付図面を参照して更に完全に記載され、本発明の現在の好ましい実施例が示される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形で実施されることができ、本明細書に開示されている実施例に限定されるようにみなされてはならない。むしろ、これらの実施例は、徹底的さ及び完全性のため、かつ、当業者に本発明の範囲を十分に伝えるために提供されているものである。類似の符号は、全体にわたって類似の要素を表している。
【0025】
添付図面、特に図1を参照すると、本発明の一実施例によるスペクトル検出装置100が、描かれている。スペクトル検出装置100は、光センサ120と、光センサ120と当該スペクトル検出装置の光入口115との間に配されているフィルタリング構造110とを有する。ここで、このことは、フィルタリング構造110を光センサ120上に配することにより達成される。前記光センサ(又はフォトセンサ)は、例えばフォトダイオード、フォトレジスタ、光起電力セル、光電子増倍管、アバランシェ・フォトダイオード又は電荷結合装置であり得る。フィルタリング構造110は、前記スペクトル検出装置によって受け取られる光101をフィルタリングし、所定の波長範囲内にある波長を有する光102を出力するのに適応化されている。次いで、前記フィルタリング構造により出力される光102は、光センサ120により検出されることができる。マイクロプロセッサのような、制御ユニット130は、前記フィルタリング構造により出力される光の所定の波長範囲を制御するフィルタリング構造110に接続されることができる。制御ユニット130は、スペクトル検出装置100内に含まれていても良く、又は外付けの装置であっても良い。
【0026】
フィルタリング構造110は、ここで、前記所定の波長範囲内にある波長を有する光を透過させるように適応化された透過フィルタを有する。前記透過フィルタは、相互に積み重ねられている2つの切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ110a、bから作られることが可能である。切替可能フォトニックバンドギャップフィルタの例は、金属ポリマゲル(metallopolymer gel)及びコロイド状フォトニック結晶の混合材料である。このような材料のより更に詳細な記述は、参照によって、本明細書に組み込まれる Ozin, G.A.及びAsrenault, A.Cの"P-Ink and Elast-ink From Lab to Market"(Materials Today, 第11巻,記事7-8, 44-51頁)において見つけられることが可能である。
【0027】
切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ110a、bの各々は、反射帯域、即ち光が反射される波長の範囲を有している。前記反射帯域の位置は、前記切替可能フォトニックバンドギャップフィルタに対する外的刺激を加えることによって(例えば、電場の印加)、変化されることができる。このことは、前記切替可能フォトニックバンドギャップフィルタに電圧を印加することにより達成されることができる。代替的には、フォトニックバンドギャップフィルタの位置が、(例えば、前記フォトニックバンドギャップフィルタの誘電加熱又は抵抗加熱を使用することにより)前記フィルタを加熱することによって、又は(例えば、前記フォトニックバンドギャップフィルタに圧力を加えることによる)力学的な力によって、変化されることができる。
【0028】
フィルタリング構造110の原理は、図2a−cにおいて概略的に示されている。ここで、第1の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ110aは、図2aに示されているように、λ1からλ2の範囲内の波長(例えば、青紫色、藍色及び青色に対応する380−495nm)を有する光を反射するのに対し、この範囲外の波長を有する光は、透過される。同様に、第2の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ110bは、図2bに示されているように、λ3からλ4の範囲の波長(例えば、黄色、オレンジ色及び赤色に対応する570−750nm)を有する光を反射するのに対し、この範囲外の波長を有する光は、透過される。従って、フィルタリング構造110は、図2cに示されている(例えば、緑の光に対応する495−570nm)範囲内λ3からλ2内の波長を有する光を透過するが、この範囲外の波長を有する光は、遮断される。ここで、(図示されていないが)λ1よりも短くλ4よりも長い波長を有する光を遮断するフィルタもあるとみなされることもできることがわかる。切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ110a、bの反射帯域を変化させることによって、フィルタリング構造110の透過帯域の波長範囲は、様々な光が前記フィルタリング構造により出力されるように、可視スペクトル全体にわたって段階的にシフトされることができる。
【0029】
図3は、スペクトル検出装置100が、複数の発光体302a−bを制御する照明制御システム300内に含まれている実施例を概略的に示している。照明制御システム内に含まれる制御ユニット130は、フィルタリング構造110により出力される光の所定の波長範囲を制御するためにスペクトル検出装置100に接続されている。制御ユニット130は、更に、前記光センサから測定信号を取得するように前記スペクトル検出装置内の前記光センサに接続されており、前記発光体により出力される光の制御のために発光体302a、bにも接続されている。
【0030】
動作中、スペクトル検出装置100は、光を発光体302a−bからの光を受け取る。次いで、受け取られた光のスペクトル組成は、図4のフローチャートによって概略的に示されているように、受け取られた光の異なるスペクトル成分を順次検出することにより決定されることができる。
【0031】
段階401において、制御ユニット130は、受け取られた光の第1のスペクトル成分がフィルタリング構造110により出力されるように、切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ110a−bを制御する。前記第1のスペクトル成分とは、例えば、青色光に対応する波長(即ち450〜495nm)を有する光でありえる。前記受け取られた光の前記第1のスペクトル成分は、ステップ402において、光センサにより検出され、測定信号は、制御ユニット130に送信される。次いで、ステップ401及び402が、全ての関連するスペクトル成分が検出されるまで繰り返される。例えば、前記手順は、緑及び赤色光を検出するために繰り返されることができる。次いで、検出された前記スペクトル成分に基づいて、制御ユニット130は、ステップ403において、当該分野においてよく知られている技術に従って、前記受け取られた光の色点及び色温度を決定し、ステップ404において、所望の照明効果を達成するように、発光体402a−bによる照明を調整することができる。
【0032】
図5aは、前記スペクトル検出装置が、前記フィルタリング構造110によって受け取られる光に関する入射角を所定の入射角θに制限する角度選択要素500を更に有する実施例を、概略的に示している。角度選択要素500は、ここで、方向θに配されている軸を有する円筒形の孔504を有する光吸収板502(例えば、白色光を吸収する陽極酸化アルミニウム)である。角度選択要素500は、範囲θ−αからθ+αの方向において、光を受け入れる。即ち、この角度受け入れ範囲は、2αであり、前記孔の直径
の当該板の厚さtに対するアスペクト比が、角度範囲2αを決定し、即ち
である。好ましくは、αは、5°未満であり、更に好ましくは2°未満であり、最も好ましくは1°未満である。この実施例においては、単一の孔の使用が示されている。しかしながら、小さい受け入れ角度の場合、このことは、前記孔は、厚い板に設けられなければならないことを意味するかもしれない。厚い板の使用を回避するために、非常に薄い板に穿設される小さい直径を有する複数の孔を使用することも可能である。
【0033】
更に、異なる角度から到来する光を選択するために、板502(又はスペクトル検出装置全体)が、回転されることができる。例えば、前記板は、このようにして全方位角における角θの調整を可能にする2つの異なる軸の周りで回転できるマウント上に位置されることができ、異なる方向からの光の選択を可能にする。特定の入射角を有する光を測定することによって、特定の光源からの光が、検出されることができる。
【0034】
図5bは、可変な角度選択要素の代替的な実施例を概略的に示している。ここで、角度選択要素500は、2つの薄い板502a−bを有しており、前記板の各々は、孔506a、bを備えている。当該板は、距離dだけ分離されている。これらの板を互いに対して(これらの平面内で)移動することによって、前記入射角が、変化されることができる。例えば、示されている例において、上側の板502aは、左側に移動され、下側の板502bは、反時計回りに入射角を傾斜させるように右側に移動されることができる。更に、角度範囲2αは、当該板間の距離dを変化させることにより変化されることができる。
【0035】
更に、図5cに示されているように、前記角度選択要素は、異なる入射角θ1、θ2を有する光を同時に受け入れるために、2つ(以上の)領域500a−bに分割されることもできる。このことは、光が、2つ以上の方向から同時に検出されることを可能にする。このことは、光吸収板502により達成されることができ、各領域500a、bは、方向θ1、θ2の軸を有する円筒形の孔504a、bを備えている。光センサ120a、bを各孔504a、bに関連付けることによって、様々な方向θ1、θ2に関して前記光を別個に検出できる。
【0036】
更に、図5dに示されている実施例により例示されているように、前記角度選択要素は、(大きい孔を備える厚い板と比較して、前記厚さに対する前記直径のアスペクト比が保存されるように)前記方向から前記光センサによって受け取られた光の量を増大させるために、同じ方向に配されている複数の円筒形の孔(即ち前記円筒形の孔の軸は、平行である)を有することができる。ここで、第1の対の孔504a−bは第1の方向からの光を透過し、第2の対の孔504c−dは第2の方向からの光を透過し、第3の対の孔504e−fは第3の方向からの光を透過する。更に、各円筒形の孔に対応する光センサを含むことも可能であり、これにより前記スペクトル検出装置の信頼性を改善する。
【0037】
図5eは、1つの特定の方向からの光を測定するための更に他の実施例を概略的に示している。ここで、前記角度選択要素は、前記フィルタリング構造の周りに配されている管形の構造510である。
【0038】
図6は、前記スペクトル検出装置100によって受け取られた光が、前記角度選択要素に到達する前に拡散器600を通過するように、スペクトル検出装置100が角度選択要素500上に配されている拡散器600を更に有する実施例を概略的に示している。拡散器600は、全ての方向からの前記スペクトル検出装置によって、受け取られる光を、ランダムに再指向する。拡散された光の一部は、次いで、角度選択要素500を透過し、特定の角度θにおいて、フィルタリング構造110に当たる。このようにして、異なる角度から到来する光は平均化されることができ、前記装置の角度から独立なものになる。
【0039】
図7は、フィルタリング構造110が所定の波長範囲内にある波長を有する光を反射する反射フィルタである、代替的な実施例を概略的に示している。フィルタリング構造110は、前記所定の波長範囲が切替可能フォトニックバンドギャップフィルタの反射帯域と一致している単一の前記切替可能フォトニックバンドギャップフィルタにより達成される。図7に示されているように、切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ110は、入射光101の反射された成分102が光センサ120に向かって指向されるように配されている。従って、光101がスペクトル検出装置100によって受け取られるので、前記所定の波長範囲内の光は、光センサ120に向かって反射されるのに対し、前記所定の波長の外側の波長を有する光は、切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ110を透過する。更に、前記所定の波長範囲、従って、フィルタリング構造110により出力される光102の波長は、電圧のような、外的刺激を、切替可能フォトニックバンドギャップフィルタに加えることによって、反射フィルタの反射帯域の位置を変化させることにより調整されることができる。例えば、図8に示されているように、前記切替可能フォトニックバンドギャップフィルタは、前記切替可能フォトニックバンドギャップフィルタに、無電圧又は低い電圧V0(例えば、0V)が印加される場合に青色光を反射し、前記電圧がV1(例えば、1V)に増大された場合に緑色光を反射し、前記電圧が更にV2(例えば2V)に増大され場合に赤色光を反射し得る。
【0040】
図9は、ピクセル化されたフィルタリング構造110を備えるスペクトル検出装置の実施例を概略的に示している。ピクセル化されたフィルタリング構造は、第1層内に配されている第1の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900aと第2の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900bと有している。更に、第3の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900c及び第4の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900dは、第2の層内に配されており、前記第1の層は、前記第2の層上に積み重なっている。
【0041】
この配置によって、前記ピクセル化されたフィルタリング構造は、4つの領域901−904に分割され、ここで、第1の領域901に落ちる光は、第1の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900aを通過し、次いで、第3の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900cを通過し、第2の領域に落ちる光は、第2の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900bを通過し、次いで前記第4の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900dを通過し、第3の領域903に落ちる光は、第1の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900aを通過し、次いで、第4の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900dを通過し、第4の領域904に落ちる光は、第2の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900bを通過し、次いで第3の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900cを通過する。
【0042】
当該切替可能フォトニックバンドギャップ層の反射帯域を変化させることによって、第1の領域901、第2の領域902、第3の領域903、第4の領域904に関する所定の波長範囲が、調整されることができる。光センサ911−914を各領域901−904下に配することによって、前記スペクトル検出装置は、複数のスペクトル成分を並列に検出することができる。更に、当業者に認識されているように、他の種類のピクセル化されたフィルタリング構造も、達成されることができる。例えば、当該ピクセル化されたフィルタリング構造は、より多くの切替可能切替可能フォトニックバンドギャップを組み合わせることによって、より多くの領域を有することができる。各領域が(非ピクセル化装置と比較して)より小さい波長スペクトルを覆うように設計されることができるので、改善された精度及び増大された速度が達成されることができる。
【0043】
図10は、スペクトル検出装置100が照明装置1000(例えば、レトロフィットLEDランプ)内に含まれている実施例を概略的に示している。照明装置1000は、複数の発光装置1002a−b(例えば、異なる色の発光ダイオード(LED)及び制御ユニット(図示略)を更に有する。前記制御ユニットは、前記フィルタリング構造によって出力される光の所定の波長範囲を制御するためにスペクトル検出装置100に接続されている。前記制御ユニットは、更に、前記光センサから測定信号を取得するために前記スペクトル検出装置内の光センサに接続されていると共に、前記照明装置により出力される光の制御のために発光装置1002a−bに接続されている。動作中、前記スペクトル検出装置は、LED 1002a−b及び/又は周囲環境からの光を受け取ることができ、図4に関連して記載されているものと類似の手順によって、受け取られた光のスペクトル成分を検出することができる。制御ユニット130は、次いで、受け取られた光の色点及び色温度を決定することができ、所望の照明効果を達成するために、LED402a−bへのLED電流を調整することができる。
【0044】
本発明は、本発明の特定の例示的な実施例を参照して記載されたが、多くの異なる変更及び変形等は、当業者にとって明らかになるであろう。開示されている実施例に対する変更は、添付の図面、本明細書及び添付請求項を研究することによって、本発明を実施する当業者よって理解され遂行されることができる。例えば、透過性のフィルタリング構造は、3つ以上の切替可能フォトニックバンドギャップ層を有していても良い。透過性のフィルタリング構造を得るために、切替可能フォトニックバンドギャップ層を、切替不可能なリフレクタと組み合わせることも可能である。前記スペクトル検出装置は、異なるスペクトル成分を並列に測定するために、複数の光センサ及び/又は複数のフィルタリング構造を有していても良い。更に、本発明は、可視範囲の光に限定されることなく、紫外線又は赤外線スペクトル波長範囲にも適用されることができる。
【0045】
「有する」という語は、請求項に記載されていない構成要素又はステップの存在を排除するものではない。単数形の構成要素は、複数のこのような構成要素を排除するものではない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、受け取られた光の検出スペクトル成分を検出するスペクトル検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、分光計のような、スペクトル検出装置は、例えば、複数の発光体により生成される雰囲気を決定するために光の演色評価数及び色点を測定するように、及び/又は特定の発光体により発される光を監視するように、ますます光管理の用途において使用されている。
【0003】
分光計を使用している光管理用途の典型的な例は、室内の複数の発光体により生成される雰囲気をユーザが柔軟に決定することを可能にするアンビエントインテリジェント照明システムである。所望の雰囲気を達成するために、前記アンビエントインテリジェントシステムは、個々の発光体の輝度、色点及び演色評価数を測定する制御フィードバックシステムによって、前記個々の発光体の照明特性を測定して制御する。
【0004】
更に、分光計は、現在の(modern)発光体の光の色を監視するためにも使用されることができ、前記発光体内では、白色光が発光ダイオード(LED)により生成され、例えば、赤、緑及び青色(RGB)のLED(又はより多くの及び/又は異なるLED)により生成される。ここで、この光の色の監視が、重要である。個々のLEDからの光が他のLEDから到来する光と適切に組み合わせられている場合にのみ、前記LEDからの混合された光が、結果として白色光になるため、重要である。
【0005】
国際出願第2008/012715号は、画像及び動作を認識するための画像センサ・アレイと、前記画像センサ・アレイの少なくとも光感度が高い表面の一部を覆う受け取られた光のスペクトル成分を検出するためのファブリペロ共振器構造とを有する集積画像認識及びスペクトル検出装置を開示している。前記受け取られた光の複数のスペクトル成分を測定できるように、前記ファブリペロ共振器構造が、チェス盤のような構造に分割され、各セグメントは、異なるスペクトル成分を提供するために異なる厚さを有する。更に、この配置は、各スペクトル成分が前記画像センサ・アレイ内の異なるセンサにより検出されるようになっている。動作中、前記画像センサ・アレイは、前記入射光線に含まれるスペクトル成分を連続的に検出し、対応する信号を制御手段に送信する。次いで、前記制御手段は、所望の色点を達成するために、検出されたスペクトル成分及び色設定制御アルゴリズムに基づいて、前記LEDのための電流を別個に調整することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、国際出願第2008/012715号に開示されているスペクトル検出装置が、受け取られた光のスペクトル成分を十分に測定できる場合でさえも、密集した多層干渉フィルタのアレイを堆積させることは、費用がかかる。従って、多くの(高価な)堆積及びリソグラフィ工程を必要としない低コスト代替的なスペクトル検出装置を提供することが望ましいことであり得る。従来技術と比較して、より小型の装置を得たいという要求も存在する。国際出願第2008/012715号において、多くのフィルタは、スペクトル成分を測定するために狭いスペクトル帯域を有して使用される。100ルクスのオーダにおいて光レベルを検出するのに十分感度が高い装置を達成するために、前記画素領域はあまり小さい領域まで縮小されることができず、前記装置に関する大きさの縮小の選択肢を制限している。従って、代替的なスペクトル検出装置に関する必要性が存在するようである。
【0007】
本発明の目的は、受け取られた光のスペクトル成分を検出する代替的なスペクトル検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの見地によれば、受け取られた光のスペクトル成分を検出するスペクトル検出装置であって、前記スペクトル検出装置は、前記受け取られた光をフィルタリングする及び所定の波長範囲内の波長を有する光を出力するフィルタリング構造と、前記フィルタリング構造によって出力された光を検出する光センサとを有しているスペクトル検出装置において、前記フィルタリング構造が、時間とともに前記所定の波長範囲が変化するのを可能にするように可変的である、スペクトル検出装置が、提供される。
【0009】
本発明は、時間とともに前記スペクトル検出装置により出力される光の波長を変化させることによって、受け取られた光の異なるスペクトル成分が単一の場所において、(一度に1つ)検出されることができることの理解に基づいている。本発明のスペクトル検出装置は、異なるスペクトル成分が異なる場所において(並列に)検出されることを必要としない点において、有利なものであり、これにより、更に小型なスペクトル検出装置を可能にする。更に、異なるスペクトル成分を(順次)検出するのに同じ光センサが使用されることができるので、前記スペクトル検出装置により使用される光センサの数が、減少されることができ、これにより費用を低減させる。更に、本発明は、従来技術に対して更に費用を低減させる。密集した多層干渉フィルタのアレイの費用がかかる堆積を必要としないからである。
【0010】
前記所定の波長範囲は、前記フィルタリング構造に外的刺激を加えることによって調整されることができる。ここで、前記外的刺激は、電場、温度又は力学的な力のグループから選択される。このことは、前記フィルタリング構造により出力される波長の簡単かつ信頼できる制御を可能にする。
【0011】
前記所定の波長範囲は、典型的には、光のスペクトルを算出するために並びに/又は光源の色温度及び/若しくは色点を予測するために選択されることができる。従って、前記所定の波長範囲は、高解像度を得るために、20nmから200nmまでの間の幅を有することができ、又は好ましくは20nmから50nmまでの範囲の幅を有することができる。例えば、前記所定の波長範囲は、青色光を検出するために450−495nm(即ち45nmの幅)であっても良く、緑色光を検出するために495−570nm(即ち75nmの幅)であっても良く、又は赤色光を検出するために620−750nm(即ち130nmの幅)であっても良い。
【0012】
前記フィルタリング構造は、前記所定の波長範囲内にある波長を有する光を透過する(と共に前記所定の波長範囲外の波長を有する光を遮断する)ように適応化されることができる。透過性のフィルタリング構造は、簡単に光センサ上に配されることができるので、前記スペクトル検出装置内に容易に取り付けられることができ、小型の配置を可能にする。
【0013】
代替的な実施例によれば、前記フィルタリング構造は、前記所定の波長範囲内にある波長を有する光を反射する(と共に前記所定の波長範囲外の波長を有する光を透過する)ように適応化されることができる。有利な点は、反射フィルタリング構造が、原則として、単一の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタを使用して実施化されることができことにある。
【0014】
一実施例によれば、前記フィルタリング構造は、切替可能フォトニックバンドギャップフィルタを有することができる。切替可能フォトニックバンドギャップフィルタの使用は、前記フィルタリング構造により出力される前記波長の簡単かつ信頼できる変化を可能にする点において、有利である。
【0015】
前記スペクトル検出装置は、前記フィルタリング構造によって受け取られる光に関する入射角を所定の入射角に制限する角度選択要素を更に有することができる。前記入射角は、典型的には、θを入射角として、光がθ-αからθ+αまでの範囲における方向から受け入れられるように、関連する角度受け入れ範囲を有することができる。更に、αは、好ましくは5°未満であり、更に好ましくは2°未満であり、最も好ましくは1°未満である。このことは、光のスペクトル特性が、特定の入射角に対して測定されることを可能にする。このようにして、特定の光源から到来する光の位置を突き止め(locate)、インタラクティブにこの特性を調整するも可能である。
【0016】
一実施例によれば、前記角度選択要素は、前記入射角の変化を可能にするように可変的であっても良い。このことは、光のスペクトル特性が、入射角の関数として測定されることを可能にする。異なる光源から到来する光の位置を、順次突き止めることも可能である。
【0017】
他の実施例によれば、前記角度選択要素は、複数の領域を有していても良く、各領域は、異なる入射角を有する光を受け入れるように適応化されている。このようにして、前記角度選択要素の移動を必要とすることなく、異なる方向から光のスペクトル特性を測定することができる。
【0018】
前記スペクトル検出装置は、更に、拡散器を有することができる。前記拡散器は、前記スペクトル検出装置によって受け取られる光をランダムに再指向するように配されることができる。例えば、切替可能フォトニックバンドギャップフィルタのような、フィルタリング構造は、角度依存性を有し得て、即ち異なる角度において前記フィルタリング構造に当たる光が、結果として、前記フィルタリング構造の異なるスペクトル応答をもたらす。このことは、光が、前記角度選択要素に到達する前に前記拡散器を通過するように拡散器を配することによって解決されることができる。この配置によれば、前記拡散された光の一部は、前記角度選択要素を透過し、特定の角度において、前記フィルタリング構造に当たる。このようにして、前記フィルタの角度依存性の結果としてスペクトル応答が異なることはないので、即ち、前記フィルタリング構造は、角度から独立したものになる。
【0019】
更に、本発明によるスペクトル検出装置は、有利には、異なる色の複数の発光装置と前記スペクトル検出装置から得られる複数のスペクトル成分を処理する制御ユニットとを更に有する照明装置内に含まれることができ、前記制御ユニットは、更に、特定の色点及び/又は色温度のような、所定の照明効果を達成するために、検出されたスペクトル成分に基づいて前記複数の発光装置を制御する。
【0020】
更に、本発明によるスペクトル検出装置は、有利には、複数の発光体(又は光源)を制御する照明制御システム内に含まれることができ、このシステムは、更に、前記スペクトル検出装置から得られた複数のスペクトル成分を処理する制御ユニットを有しており、前記制御ユニットは、更に、特定の色点及び/又は色温度のような、所定の照明効果を達成するために、検出された前記スペクトル成分に基づいて複数の発光体(又は光源)を制御するのに適応化されている。
【0021】
本発明、及び本発明の更なるフィーチャ及び有利な点は、添付請求項及び以下の記載を研究する際に明らかになるであろう。当業者であれば、本発明の異なるフィーチャが、本発明の要旨を逸脱することなく、以下に記載されているもの以外の実施例を作るように組み合わせられることが可能であると理解するであろう。
【0022】
特定のフィーチャ及び効果を含む、本発明の様々な見地は、以下の詳細な説明及び添付図面から容易に理解されることができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施例によるスペクトル検出装置を概略的に示している。
【図2】透過性のフィルタリング構造が、どのように2つのフォトニックバンドギャップフィルタを相互に積み重ねることにより達成されることができるかを概略的に示している。
【図3】スペクトル検出装置を含む照明制御システムを概略的に示している。
【図4】受け取られた光のスペクトル組成を決定するためのフローチャートを概略的に示している。
【図5】角度選択要素の様々な実施例を概略的に示している。
【図6】拡散器を有するスペクトル検出装置の実施例を概略的に示している。
【図7】反射フィルタリング構造を備えるスペクトル検出装置の実施例を概略的に示している。
【図8】切替可能フォトニックバンドギャップフィルタの反射バンドが、電圧を印加することによって、どのようにシフトされることができるかを概略的に示している。
【図9】ピクセル化されたスペクトル検出装置を概略的に示している。
【図10】照明装置に含まれるスペクトル検出装置を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、以下において、添付図面を参照して更に完全に記載され、本発明の現在の好ましい実施例が示される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形で実施されることができ、本明細書に開示されている実施例に限定されるようにみなされてはならない。むしろ、これらの実施例は、徹底的さ及び完全性のため、かつ、当業者に本発明の範囲を十分に伝えるために提供されているものである。類似の符号は、全体にわたって類似の要素を表している。
【0025】
添付図面、特に図1を参照すると、本発明の一実施例によるスペクトル検出装置100が、描かれている。スペクトル検出装置100は、光センサ120と、光センサ120と当該スペクトル検出装置の光入口115との間に配されているフィルタリング構造110とを有する。ここで、このことは、フィルタリング構造110を光センサ120上に配することにより達成される。前記光センサ(又はフォトセンサ)は、例えばフォトダイオード、フォトレジスタ、光起電力セル、光電子増倍管、アバランシェ・フォトダイオード又は電荷結合装置であり得る。フィルタリング構造110は、前記スペクトル検出装置によって受け取られる光101をフィルタリングし、所定の波長範囲内にある波長を有する光102を出力するのに適応化されている。次いで、前記フィルタリング構造により出力される光102は、光センサ120により検出されることができる。マイクロプロセッサのような、制御ユニット130は、前記フィルタリング構造により出力される光の所定の波長範囲を制御するフィルタリング構造110に接続されることができる。制御ユニット130は、スペクトル検出装置100内に含まれていても良く、又は外付けの装置であっても良い。
【0026】
フィルタリング構造110は、ここで、前記所定の波長範囲内にある波長を有する光を透過させるように適応化された透過フィルタを有する。前記透過フィルタは、相互に積み重ねられている2つの切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ110a、bから作られることが可能である。切替可能フォトニックバンドギャップフィルタの例は、金属ポリマゲル(metallopolymer gel)及びコロイド状フォトニック結晶の混合材料である。このような材料のより更に詳細な記述は、参照によって、本明細書に組み込まれる Ozin, G.A.及びAsrenault, A.Cの"P-Ink and Elast-ink From Lab to Market"(Materials Today, 第11巻,記事7-8, 44-51頁)において見つけられることが可能である。
【0027】
切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ110a、bの各々は、反射帯域、即ち光が反射される波長の範囲を有している。前記反射帯域の位置は、前記切替可能フォトニックバンドギャップフィルタに対する外的刺激を加えることによって(例えば、電場の印加)、変化されることができる。このことは、前記切替可能フォトニックバンドギャップフィルタに電圧を印加することにより達成されることができる。代替的には、フォトニックバンドギャップフィルタの位置が、(例えば、前記フォトニックバンドギャップフィルタの誘電加熱又は抵抗加熱を使用することにより)前記フィルタを加熱することによって、又は(例えば、前記フォトニックバンドギャップフィルタに圧力を加えることによる)力学的な力によって、変化されることができる。
【0028】
フィルタリング構造110の原理は、図2a−cにおいて概略的に示されている。ここで、第1の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ110aは、図2aに示されているように、λ1からλ2の範囲内の波長(例えば、青紫色、藍色及び青色に対応する380−495nm)を有する光を反射するのに対し、この範囲外の波長を有する光は、透過される。同様に、第2の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ110bは、図2bに示されているように、λ3からλ4の範囲の波長(例えば、黄色、オレンジ色及び赤色に対応する570−750nm)を有する光を反射するのに対し、この範囲外の波長を有する光は、透過される。従って、フィルタリング構造110は、図2cに示されている(例えば、緑の光に対応する495−570nm)範囲内λ3からλ2内の波長を有する光を透過するが、この範囲外の波長を有する光は、遮断される。ここで、(図示されていないが)λ1よりも短くλ4よりも長い波長を有する光を遮断するフィルタもあるとみなされることもできることがわかる。切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ110a、bの反射帯域を変化させることによって、フィルタリング構造110の透過帯域の波長範囲は、様々な光が前記フィルタリング構造により出力されるように、可視スペクトル全体にわたって段階的にシフトされることができる。
【0029】
図3は、スペクトル検出装置100が、複数の発光体302a−bを制御する照明制御システム300内に含まれている実施例を概略的に示している。照明制御システム内に含まれる制御ユニット130は、フィルタリング構造110により出力される光の所定の波長範囲を制御するためにスペクトル検出装置100に接続されている。制御ユニット130は、更に、前記光センサから測定信号を取得するように前記スペクトル検出装置内の前記光センサに接続されており、前記発光体により出力される光の制御のために発光体302a、bにも接続されている。
【0030】
動作中、スペクトル検出装置100は、光を発光体302a−bからの光を受け取る。次いで、受け取られた光のスペクトル組成は、図4のフローチャートによって概略的に示されているように、受け取られた光の異なるスペクトル成分を順次検出することにより決定されることができる。
【0031】
段階401において、制御ユニット130は、受け取られた光の第1のスペクトル成分がフィルタリング構造110により出力されるように、切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ110a−bを制御する。前記第1のスペクトル成分とは、例えば、青色光に対応する波長(即ち450〜495nm)を有する光でありえる。前記受け取られた光の前記第1のスペクトル成分は、ステップ402において、光センサにより検出され、測定信号は、制御ユニット130に送信される。次いで、ステップ401及び402が、全ての関連するスペクトル成分が検出されるまで繰り返される。例えば、前記手順は、緑及び赤色光を検出するために繰り返されることができる。次いで、検出された前記スペクトル成分に基づいて、制御ユニット130は、ステップ403において、当該分野においてよく知られている技術に従って、前記受け取られた光の色点及び色温度を決定し、ステップ404において、所望の照明効果を達成するように、発光体402a−bによる照明を調整することができる。
【0032】
図5aは、前記スペクトル検出装置が、前記フィルタリング構造110によって受け取られる光に関する入射角を所定の入射角θに制限する角度選択要素500を更に有する実施例を、概略的に示している。角度選択要素500は、ここで、方向θに配されている軸を有する円筒形の孔504を有する光吸収板502(例えば、白色光を吸収する陽極酸化アルミニウム)である。角度選択要素500は、範囲θ−αからθ+αの方向において、光を受け入れる。即ち、この角度受け入れ範囲は、2αであり、前記孔の直径
の当該板の厚さtに対するアスペクト比が、角度範囲2αを決定し、即ち
である。好ましくは、αは、5°未満であり、更に好ましくは2°未満であり、最も好ましくは1°未満である。この実施例においては、単一の孔の使用が示されている。しかしながら、小さい受け入れ角度の場合、このことは、前記孔は、厚い板に設けられなければならないことを意味するかもしれない。厚い板の使用を回避するために、非常に薄い板に穿設される小さい直径を有する複数の孔を使用することも可能である。
【0033】
更に、異なる角度から到来する光を選択するために、板502(又はスペクトル検出装置全体)が、回転されることができる。例えば、前記板は、このようにして全方位角における角θの調整を可能にする2つの異なる軸の周りで回転できるマウント上に位置されることができ、異なる方向からの光の選択を可能にする。特定の入射角を有する光を測定することによって、特定の光源からの光が、検出されることができる。
【0034】
図5bは、可変な角度選択要素の代替的な実施例を概略的に示している。ここで、角度選択要素500は、2つの薄い板502a−bを有しており、前記板の各々は、孔506a、bを備えている。当該板は、距離dだけ分離されている。これらの板を互いに対して(これらの平面内で)移動することによって、前記入射角が、変化されることができる。例えば、示されている例において、上側の板502aは、左側に移動され、下側の板502bは、反時計回りに入射角を傾斜させるように右側に移動されることができる。更に、角度範囲2αは、当該板間の距離dを変化させることにより変化されることができる。
【0035】
更に、図5cに示されているように、前記角度選択要素は、異なる入射角θ1、θ2を有する光を同時に受け入れるために、2つ(以上の)領域500a−bに分割されることもできる。このことは、光が、2つ以上の方向から同時に検出されることを可能にする。このことは、光吸収板502により達成されることができ、各領域500a、bは、方向θ1、θ2の軸を有する円筒形の孔504a、bを備えている。光センサ120a、bを各孔504a、bに関連付けることによって、様々な方向θ1、θ2に関して前記光を別個に検出できる。
【0036】
更に、図5dに示されている実施例により例示されているように、前記角度選択要素は、(大きい孔を備える厚い板と比較して、前記厚さに対する前記直径のアスペクト比が保存されるように)前記方向から前記光センサによって受け取られた光の量を増大させるために、同じ方向に配されている複数の円筒形の孔(即ち前記円筒形の孔の軸は、平行である)を有することができる。ここで、第1の対の孔504a−bは第1の方向からの光を透過し、第2の対の孔504c−dは第2の方向からの光を透過し、第3の対の孔504e−fは第3の方向からの光を透過する。更に、各円筒形の孔に対応する光センサを含むことも可能であり、これにより前記スペクトル検出装置の信頼性を改善する。
【0037】
図5eは、1つの特定の方向からの光を測定するための更に他の実施例を概略的に示している。ここで、前記角度選択要素は、前記フィルタリング構造の周りに配されている管形の構造510である。
【0038】
図6は、前記スペクトル検出装置100によって受け取られた光が、前記角度選択要素に到達する前に拡散器600を通過するように、スペクトル検出装置100が角度選択要素500上に配されている拡散器600を更に有する実施例を概略的に示している。拡散器600は、全ての方向からの前記スペクトル検出装置によって、受け取られる光を、ランダムに再指向する。拡散された光の一部は、次いで、角度選択要素500を透過し、特定の角度θにおいて、フィルタリング構造110に当たる。このようにして、異なる角度から到来する光は平均化されることができ、前記装置の角度から独立なものになる。
【0039】
図7は、フィルタリング構造110が所定の波長範囲内にある波長を有する光を反射する反射フィルタである、代替的な実施例を概略的に示している。フィルタリング構造110は、前記所定の波長範囲が切替可能フォトニックバンドギャップフィルタの反射帯域と一致している単一の前記切替可能フォトニックバンドギャップフィルタにより達成される。図7に示されているように、切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ110は、入射光101の反射された成分102が光センサ120に向かって指向されるように配されている。従って、光101がスペクトル検出装置100によって受け取られるので、前記所定の波長範囲内の光は、光センサ120に向かって反射されるのに対し、前記所定の波長の外側の波長を有する光は、切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ110を透過する。更に、前記所定の波長範囲、従って、フィルタリング構造110により出力される光102の波長は、電圧のような、外的刺激を、切替可能フォトニックバンドギャップフィルタに加えることによって、反射フィルタの反射帯域の位置を変化させることにより調整されることができる。例えば、図8に示されているように、前記切替可能フォトニックバンドギャップフィルタは、前記切替可能フォトニックバンドギャップフィルタに、無電圧又は低い電圧V0(例えば、0V)が印加される場合に青色光を反射し、前記電圧がV1(例えば、1V)に増大された場合に緑色光を反射し、前記電圧が更にV2(例えば2V)に増大され場合に赤色光を反射し得る。
【0040】
図9は、ピクセル化されたフィルタリング構造110を備えるスペクトル検出装置の実施例を概略的に示している。ピクセル化されたフィルタリング構造は、第1層内に配されている第1の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900aと第2の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900bと有している。更に、第3の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900c及び第4の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900dは、第2の層内に配されており、前記第1の層は、前記第2の層上に積み重なっている。
【0041】
この配置によって、前記ピクセル化されたフィルタリング構造は、4つの領域901−904に分割され、ここで、第1の領域901に落ちる光は、第1の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900aを通過し、次いで、第3の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900cを通過し、第2の領域に落ちる光は、第2の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900bを通過し、次いで前記第4の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900dを通過し、第3の領域903に落ちる光は、第1の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900aを通過し、次いで、第4の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900dを通過し、第4の領域904に落ちる光は、第2の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900bを通過し、次いで第3の切替可能フォトニックバンドギャップフィルタ900cを通過する。
【0042】
当該切替可能フォトニックバンドギャップ層の反射帯域を変化させることによって、第1の領域901、第2の領域902、第3の領域903、第4の領域904に関する所定の波長範囲が、調整されることができる。光センサ911−914を各領域901−904下に配することによって、前記スペクトル検出装置は、複数のスペクトル成分を並列に検出することができる。更に、当業者に認識されているように、他の種類のピクセル化されたフィルタリング構造も、達成されることができる。例えば、当該ピクセル化されたフィルタリング構造は、より多くの切替可能切替可能フォトニックバンドギャップを組み合わせることによって、より多くの領域を有することができる。各領域が(非ピクセル化装置と比較して)より小さい波長スペクトルを覆うように設計されることができるので、改善された精度及び増大された速度が達成されることができる。
【0043】
図10は、スペクトル検出装置100が照明装置1000(例えば、レトロフィットLEDランプ)内に含まれている実施例を概略的に示している。照明装置1000は、複数の発光装置1002a−b(例えば、異なる色の発光ダイオード(LED)及び制御ユニット(図示略)を更に有する。前記制御ユニットは、前記フィルタリング構造によって出力される光の所定の波長範囲を制御するためにスペクトル検出装置100に接続されている。前記制御ユニットは、更に、前記光センサから測定信号を取得するために前記スペクトル検出装置内の光センサに接続されていると共に、前記照明装置により出力される光の制御のために発光装置1002a−bに接続されている。動作中、前記スペクトル検出装置は、LED 1002a−b及び/又は周囲環境からの光を受け取ることができ、図4に関連して記載されているものと類似の手順によって、受け取られた光のスペクトル成分を検出することができる。制御ユニット130は、次いで、受け取られた光の色点及び色温度を決定することができ、所望の照明効果を達成するために、LED402a−bへのLED電流を調整することができる。
【0044】
本発明は、本発明の特定の例示的な実施例を参照して記載されたが、多くの異なる変更及び変形等は、当業者にとって明らかになるであろう。開示されている実施例に対する変更は、添付の図面、本明細書及び添付請求項を研究することによって、本発明を実施する当業者よって理解され遂行されることができる。例えば、透過性のフィルタリング構造は、3つ以上の切替可能フォトニックバンドギャップ層を有していても良い。透過性のフィルタリング構造を得るために、切替可能フォトニックバンドギャップ層を、切替不可能なリフレクタと組み合わせることも可能である。前記スペクトル検出装置は、異なるスペクトル成分を並列に測定するために、複数の光センサ及び/又は複数のフィルタリング構造を有していても良い。更に、本発明は、可視範囲の光に限定されることなく、紫外線又は赤外線スペクトル波長範囲にも適用されることができる。
【0045】
「有する」という語は、請求項に記載されていない構成要素又はステップの存在を排除するものではない。単数形の構成要素は、複数のこのような構成要素を排除するものではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受け取られた光のスペクトル成分を検出するスペクトル検出装置であって、
前記受け取られる光をフィルタリングする及び所定の波長範囲内の波長を有する光を出力するフィルタリング構造と、
前記フィルタリング構造により出力される光を検出する光センサと、
を有し、前記フィルタリング構造が、時間に対する所定の波長範囲の変化を可能にするように可変であることを特徴とする、スペクトル検出装置。
【請求項2】
前記所定の波長範囲は、前記フィルタリング構造に外的刺激を加えることにより調整され、前記外的刺激は、電場、温度又は力学的な力のグループから選択される、請求項1に記載のスペクトル検出装置。
【請求項3】
前記所定の波長範囲は、20nmと200nmとの間の幅を有している、又は好ましくは20nmと50nmとの間の幅を有している、請求項1又は2に記載のスペクトル検出装置。
【請求項4】
前記フィルタリング構造は、前記所定の波長範囲内にある波長を有する光を透過させるように適応化される、請求項1乃至3の何れか一項に記載のスペクトル検出装置。
【請求項5】
前記フィルタリング構造は、前記所定の波長範囲内にある波長を有する光を反射するように適応化される、請求項1乃至4の何れか一項に記載のスペクトル検出装置。
【請求項6】
前記フィルタリング構造は、切替可能フォトニックバンドギャップフィルタを有する、請求項1乃至5の何れか一項に記載のスペクトル検出装置。
【請求項7】
前記フィルタリング構造によって受け取られる光に関する入射角を所定の入射角θに制限するように配されている角度選択要素を更に有する、請求項1乃至6の何れか一項に記載のスペクトル検出装置。
【請求項8】
前記角度選択要素は、前記入射角の変化を可能にするように可変である、請求項7に記載のスペクトル検出装置。
【請求項9】
前記角度選択要素は、複数の領域を有しており、各領域は、異なる角度を有する光を受け入れるように適応化されている、請求項7又は8に記載のスペクトル検出装置。
【請求項10】
拡散器を更に有する、請求項1乃至9の何れか一項に記載のスペクトル検出装置。
【請求項11】
異なる色の複数の発光装置と、
請求項1乃至10の何れか一項に記載のスペクトル検出装置と、
前記スペクトル検出装置から取得された複数のスペクトル成分を処理するように適応化されている制御ユニットであって、更に、所定の照明効果を達成するために、検出された前記スペクトル成分に基づいて前記複数の発光装置を制御する制御ユニットと、
を有する照明装置。
【請求項12】
複数の発光体を制御する照明制御システムであって、
前記発光体から受け取られた光のスペクトル成分を検出する請求項1乃至10の何れか一項に記載のスペクトル検出装置と、
前記スペクトル検出装置から取得された前記スペクトル成分を処理する制御ユニットであって、更に、所定の照明効果を達成するために、検出された前記スペクトル成分に基づいて前記発光体を制御する制御ユニットと、
を有する照明制御システム。
【請求項1】
受け取られた光のスペクトル成分を検出するスペクトル検出装置であって、
前記受け取られる光をフィルタリングする及び所定の波長範囲内の波長を有する光を出力するフィルタリング構造と、
前記フィルタリング構造により出力される光を検出する光センサと、
を有し、前記フィルタリング構造が、時間に対する所定の波長範囲の変化を可能にするように可変であることを特徴とする、スペクトル検出装置。
【請求項2】
前記所定の波長範囲は、前記フィルタリング構造に外的刺激を加えることにより調整され、前記外的刺激は、電場、温度又は力学的な力のグループから選択される、請求項1に記載のスペクトル検出装置。
【請求項3】
前記所定の波長範囲は、20nmと200nmとの間の幅を有している、又は好ましくは20nmと50nmとの間の幅を有している、請求項1又は2に記載のスペクトル検出装置。
【請求項4】
前記フィルタリング構造は、前記所定の波長範囲内にある波長を有する光を透過させるように適応化される、請求項1乃至3の何れか一項に記載のスペクトル検出装置。
【請求項5】
前記フィルタリング構造は、前記所定の波長範囲内にある波長を有する光を反射するように適応化される、請求項1乃至4の何れか一項に記載のスペクトル検出装置。
【請求項6】
前記フィルタリング構造は、切替可能フォトニックバンドギャップフィルタを有する、請求項1乃至5の何れか一項に記載のスペクトル検出装置。
【請求項7】
前記フィルタリング構造によって受け取られる光に関する入射角を所定の入射角θに制限するように配されている角度選択要素を更に有する、請求項1乃至6の何れか一項に記載のスペクトル検出装置。
【請求項8】
前記角度選択要素は、前記入射角の変化を可能にするように可変である、請求項7に記載のスペクトル検出装置。
【請求項9】
前記角度選択要素は、複数の領域を有しており、各領域は、異なる角度を有する光を受け入れるように適応化されている、請求項7又は8に記載のスペクトル検出装置。
【請求項10】
拡散器を更に有する、請求項1乃至9の何れか一項に記載のスペクトル検出装置。
【請求項11】
異なる色の複数の発光装置と、
請求項1乃至10の何れか一項に記載のスペクトル検出装置と、
前記スペクトル検出装置から取得された複数のスペクトル成分を処理するように適応化されている制御ユニットであって、更に、所定の照明効果を達成するために、検出された前記スペクトル成分に基づいて前記複数の発光装置を制御する制御ユニットと、
を有する照明装置。
【請求項12】
複数の発光体を制御する照明制御システムであって、
前記発光体から受け取られた光のスペクトル成分を検出する請求項1乃至10の何れか一項に記載のスペクトル検出装置と、
前記スペクトル検出装置から取得された前記スペクトル成分を処理する制御ユニットであって、更に、所定の照明効果を達成するために、検出された前記スペクトル成分に基づいて前記発光体を制御する制御ユニットと、
を有する照明制御システム。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図5e】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図5e】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2013−508677(P2013−508677A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533722(P2012−533722)
【出願日】平成22年10月11日(2010.10.11)
【国際出願番号】PCT/IB2010/054580
【国際公開番号】WO2011/045722
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月11日(2010.10.11)
【国際出願番号】PCT/IB2010/054580
【国際公開番号】WO2011/045722
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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