説明

受信履歴表示装置およびデータ受信装置

【課題】複数に分割されたデータの受信履歴を見やすく表示することができる受信履歴表示装置およびデータ受信装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置にてインターネットファックスの受信履歴を表示する際に、FAX受信履歴画面70ではページ分割による複数通信分の受信履歴を1通信分の受信履歴で表示する。これにより、ページ分割による複数の受信履歴が羅列表示されるなどの表示の煩雑性が解消され、受信履歴が見やすくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信回線を通じて受信されたデータの受信履歴を表示する受信履歴表示装置、およびその受信履歴表示装置を備えたデータ受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットなどのネットワーク回線を利用し電子メールに画像データなどを添付してファックス送受信するネットワークファックスの場合、回線の通信速度が高速であることから高解像度かつ大量ページの原稿でも送受信可能である。このネットワークファックス機能を備えたファクシミリ機やファクシミリ複合機には、ネットワークファックスにて送信するデータ(添付ファイル)のサイズが大きくなる場合に、ネットワーク管理サーバのストレージ容量などの制限に応じてデータを複数に分割して送信し、受信装置側ではそれらを結合して1つのデータとして扱うバイナリ分割機能が一般的に搭載されている。
【0003】
しかし、データ量を基準にして分割するバイナリ分割の場合、受信装置側では分割して送信されたデータを全て受信しないとバイナリ結合することができない。そのため、HDD(Hard Disk Drive)やメモリの残り空き容量が少ないなど、受信装置側に障害が発生すると印刷出力できなくなってしまう。
【0004】
この欠点を解決するために、送信するデータをサーバの制限値に従って適切なサイズになるようにページの区切りで分割して複数の電子メールにより送信するページ分割機能も採用されている。これにより、受信装置側では分割されたデータ毎の印刷出力が可能になり、HDDやメモリの残り空き容量が少ないときでも印刷出力できるようになる。
【0005】
また、ネットワークファックスにおけるファックス受信履歴(受信日時、発信者名、受信結果など)の表示は、ページ分割機能によって分割されたデータと非分割のデータとの受信履歴が区別されることなく受信順に表示され、ページ分割については個別に受信した各データの受信履歴が全件表示されるようになっている。
【0006】
一方、通信に伴って生成される通信履歴情報の中から、各電文につけられた多岐にわたる属性をもとにして、目的とする履歴情報を能率よく検索抽出できるようにする技術が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。具体的には、通信履歴として記憶部に格納されている多数の送信電文情報ファイルあるいは受信電文情報ファイルについて、引き出そうとする情報の手がかりとなる1つあるいは複数のデータ項目(各電文ごとの送信日時・受信日時・発信者名・宛先名・電文名称・電文ページ数・電文種別・電文モード・通信結果などの項目)を検索条件として指定入力すると、そのデータ項目が複数ある場合にはそれらデータ項目をアンド条件として記憶部を検索し、該当する送信/受信電文情報ファイルを抽出し、それを所定フォームの通信履歴一覧レポートに編成して表示または印刷するようにしている。
【0007】
【特許文献1】特開平9−294198号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように、ネットワークファックスにおいてページ分割されたデータのファックス受信履歴は、非分割のデータと区別されることなく単純に受信順に全件表示されるため、表示が煩雑になる。さらに、ページ分割された複数のデータ(電子メール)が分割順序に従って送信されたとしても、ネットワーク経路の違いなどで分割順序通りに受信されないことがあり、関連する受信履歴が分割順序通りに並んで表示されない、あるいは途中に関連性の無い他の受信履歴が入ってしまうなど、表示の煩雑性が増してしまうこともある。
【0009】
そのため、受信履歴の確認や関連する受信履歴同士の対応付けが困難になり、受信装置側で出力した印刷物に記載される発信元情報のページ数と受信履歴の対応が取れなくなるといった不都合を生じることもある。このように、ネットワークファックスにおけるページ分割と非分割のファックス受信履歴を区別せずに表示する方法では、煩雑な表示の中から所望する受信履歴を探し出すことが困難な状況である。
【0010】
また、ページ分割されたデータに関する複数の受信履歴を特許文献1の技術によって検索抽出する場合、検索条件によっては、一覧表示される検索結果の中に当該ページ分割とは無関係の受信履歴が含まれる可能性がある。また、検索条件を指定入力する必要があるため操作が複雑になり、所望する履歴情報のみを簡単かつ確実に探し出すことはできない。
【0011】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、複数に分割されたデータの受信履歴を見やすく表示することができる受信履歴表示装置およびデータ受信装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0013】
[1]通信回線を通じて受信されたデータの受信履歴を表示する受信履歴表示装置であって、
前記受信履歴が表示される表示部と、
前記受信されたデータが複数に分割されたデータで、かつその複数に分割されたデータに各々のデータの関係性を示す情報が付加されている場合に、前記関係性を示す情報に基づいて、前記複数に分割されたデータの受信履歴を1通信分の受信履歴で前記表示部に表示させる制御部と、
を備える
ことを特徴とする受信履歴表示装置。
【0014】
上記発明では、受信されたデータが複数に分割されたデータで、かつその複数に分割されたデータに各々のデータの関係性を示す情報が付加されている場合には、その関係性を示す情報に基づいて、複数に分割されたデータの受信履歴が1通信分の受信履歴で表示される。これにより、複数に分割されたデータの受信履歴が見やすくなり、受信履歴の確認や検索などを簡単に行えるようになる。
【0015】
[2]前記制御部によって前記表示部に表示される表示画面には、前記複数に分割されたデータの受信履歴が前記1通信分の受信履歴で表示される第1表示画面と、前記複数に分割されたデータの受信履歴がデータ毎に表示される第2表示画面とが含まれ、
前記表示部に表示される表示画面を前記第1表示画面または前記第2表示画面に切り換えるための操作部を更に備える
ことを特徴とする[1]に記載の受信履歴表示装置。
【0016】
上記発明では、操作部からの操作で表示部に表示される画面を第1表示画面または第2表示画面に切り換えることができる。第1表示画面では、複数に分割されたデータの受信履歴が1通信分として一括表示されるため、関連する複数通信分の包括的な受信履歴を確認することができる。また第2表示画面では、複数に分割された各データの受信履歴が個別表示されるため、各データの詳細な受信履歴を確認することができる。受信履歴の確認や検索では、必要に応じて第1/第2表示画面を切り換えることにより、所望の受信履歴(検索結果)に簡単に辿り着けるようになる。
【0017】
[3]前記関係性を示す情報には、前記複数に分割されたデータの分割元が同一であることを示す識別情報が含まれ、かつ、分割数、分割順序、およびデータ送信時のページ数のうちの少なくとも1つが含まれ得る
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の受信履歴表示装置。
【0018】
上記発明では、関係性を示す情報に含まれている識別情報に基づいて、分割元が同一であるデータを識別し、識別した各データの受信履歴を1通信分として表示することができる。
【0019】
また、関係性を示す情報に分割数が含まれている場合には、分割数に基づいて全データの受信完了/未完了を把握でき、通信エラーによるデータの受信異常なども認識できるようになる。分割順序が含まれている場合には、複数に分割されたデータの受信順序が分割順序と異なっても、受信した各データを元の順序に並べ替えて表示するなどが可能になる。データ送信時のページ数が含まれている場合には、そのページ数を表示することで最終的に届くページ数を予め把握でき、残りの通信数などを予測できるようになる。
【0020】
[4][1]乃至[3]のいずれか1項に記載の受信履歴表示装置を備えたデータ受信装置。
【0021】
上記発明では、通信回線を通じてデータを受信する機能を備えたデータ受信装置において、複数に分割されたデータを受信した場合にその受信履歴が受信履歴表示装置に見やすく表示されるようになる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る受信履歴表示装置およびデータ受信装置によれば、複数に分割されたデータの受信履歴を見やすく表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態に係る受信履歴表示装置25を備えた画像形成装置10の制御系の構成を示している。
【0025】
画像形成装置10は、原稿を読み取って対応する画像を用紙上に印刷して出力するコピー機能や、スキャナ機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能などを備えた複合機として構成されている。また画像形成装置10は、スキャンした原稿の画像データなどを電子メールの添付ファイルとしてイントラネットやインターネットを経由して送受信するインターネットファックス機能(iFAX機能)、インターネットファックスにて送信する画像データのサイズがメールサーバの制限値を超える場合に、その制限値に従って適切なサイズとなるように画像データをページの区切りで分割して複数の電子メールにより送信するページ分割(送信)機能、ファクシミリ(FAX)やインターネットファックスにおける送受信の履歴(通信記録)を表示する通信履歴表示機能を備えている。
【0026】
図1に示すように、画像形成装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、入出力バッファ14と、HDD15と、履歴情報格納部16と、メールヘッダ解析部17と、画像タグ解析部18と、操作表示部19と、読取部20と、印刷部21と、ネットワークインターフェース部22とを備えており、それらはデータを伝送するためのバス23を介して相互に接続されている。さらに画像形成装置10は時計部24を備えており、時計部24はバス23に接続されている。
【0027】
CPU11は、演算処理機能、および画像形成装置10の動作を制御する制御部としての機能を備えている。ROM12は、CPU11が実行する演算処理や制御に関するプログラムや、プログラムを実行する際に使用する各種データなどを格納する機能を果たす。
【0028】
RAM13は、CPU11の作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する機能、およびスキャン動作で読み取った画像データを一時的に格納する画像メモリとしての機能を果たす。入出力バッファ14は、画像形成装置10内の各部でデータがやり取りされるときの処理速度や転送速度の差を補うために、入力されたデータや出力するデータを一時的に記憶するバッファ機能を果たす。
【0029】
HDD15は、OS(Operating System)やOS上で動作するアプリケーション・プログラムなどの各種プログラム、画像データなどを含む各種データ、画像形成装置10の製造メーカ名、機種名、シリアル番号などの機種固有の各種パラメータなどを格納する機能を果たす。HDD15に格納されているプログラムは、画像形成装置10の立ち上げ時にCPU11内の起動プログラムが実行されることで、HDD15内からRAM13に展開されて動作するようになっている。
【0030】
履歴情報格納部16は、ファクシミリやインターネットファックスにおける送受信の履歴を表示するための履歴情報を格納する機能を果たす。
【0031】
メールヘッダ解析部17は、インターネットファックスにより受信した電子メールのヘッダ情報を解析する機能を果たす。画像タグ解析部18は、インターネットファックスにより受信した電子メールに添付されている画像データのヘッダ情報(タグ)を解析する機能を果たす。
【0032】
操作表示部19は、画面表示およびタッチ操作が可能なタッチパネル式のオペレーションパネルとして構成されており、画像形成装置10の動作状態や操作方法、警告、エラー、ファクシミリやインターネットファックスにおける送受信の履歴などに関する各種表示を行うと共に、ユーザからの入力操作を受け付ける機能を果たす。
【0033】
読取部20は、スキャン動作にて原稿を読み取る機能を果たす。印刷部21は、画像データに基づく画像を電子写真プロセスにより用紙に印刷して出力する機能を果たす。
【0034】
ネットワークインターフェース部22は、ネットワークを介して接続されたE‐mailサーバ40を含む外部機器との間で行う通信やデータの転送を制御する機能を果たす。時計部24は、日付および時刻を刻む。
【0035】
画像形成装置10は上記の構成とされており、この画像形成装置10が備える受信履歴表示装置25は、CPU11、ROM12、RAM13、履歴情報格納部16、メールヘッダ解析部17、画像タグ解析部18、操作表示部19、ネットワークインターフェース部22、時計部24などを含んで構成されている。
【0036】
また、E‐mailサーバ40は、ネットワークを通じた電子メールの送受信を管理する機能を備えている。このE‐mailサーバ40は、電子メールの送受信に対する制限値(上限値)として、送受信を許可する電子メール1通当たりの最大サイズが予め設定されている。
【0037】
次に、画像形成装置10の動作について説明する。
【0038】
図2は、画像形成装置10によるインターネットファックスの送信動作の処理の流れを示している。図3は、インターネットファックスにより送信される電子メールのヘッダと、その電子メールに添付される画像データのヘッダに付加されるヘッダ情報を示している。
【0039】
画像形成装置10のインターネットファックス機能を使って原稿を送信する場合には、ユーザは画像形成装置10の読取部20により原稿をスキャンした後に、操作表示部19からの入力操作で宛先を指定しインターネットファックスによる送信を指示する。
【0040】
送信側の画像形成装置10では、スキャン動作で読み取った原稿の画像データをCPU11がRAM13に一旦、格納する。操作表示部19にてインターネットファックスの送信指示を受けると(ステップS101)、CPU11はRAM13に格納した画像データのサイズをE‐mailサーバ40の制限値と比較して、画像データをページ分割して送信するか否かを判定する(ステップS102)。
【0041】
データサイズがE‐mailサーバ40の制限値以下の場合には、CPU11はページ分割を行わずに(ステップS102;No)、RAM13から画像データを読み出してインターネットファックスにより送信する(ステップS105)。詳細には、CPU11は所定のファイルID(ファイル名)を付与した1通の電子メールを作成し、その電子メールにRAM13から読み出した画像データを添付すると共に指定された宛先(電子メールアドレス)を入力する。そしてその電子メールをネットワークインターフェース部22を介してE‐mailサーバ40に送信する。電子メールの送信を終えると、本処理を終了する。
【0042】
電子メールに付与するファイルIDについては、CPU11がHDD15から画像形成装置10の製造メーカ名、機種名、シリアル番号などの情報を取得し、時計部24からファイル作成時の日時情報(タイムスタンプ)を取得し、それらを任意に組み合わせてユニークなIDとなるように作成する。たとえば、機種名が「bh350」でファイル作成時の日時が「2007年1月10日9時57分25秒」の場合には、それらを組み合わせて、「bh350−20070110095725」などのファイルIDを作成し、電子メールに付与する。
【0043】
データサイズがE‐mailサーバ40の制限値を超過する場合には、ページ分割を行って送信する(ステップS102;Yes)。詳細には、まずCPU11が原稿の画像データをE‐mailサーバ40の制限値以下となるように先頭ページから所定のページ数毎にページの区切りで分割する(ステップS103)。
【0044】
このページ分割における分割条件は、ネットワークシステム管理者などがE‐mailサーバ40の制限値に応じて予め設定する。たとえば、通常のモノクロ画像などで1ページ当たりのサイズが小さい画像データに対しては、単純に一定のページ数毎(たとえば、5ページ毎や10ページ毎など)に分割する。この場合、たとえば総ページ数が100ページの原稿の画像データを10ページ毎に分割すると分割数は10になる。また、カラー画像や写真などのように1ページ当たりのサイズが大きい画像データに対しては、分割するページ数の単位を1ページ当たりのサイズに応じて小さくするようにしてもよい(たとえば、2ページ毎など)。
【0045】
続いてCPU11は、ページ分割を行って得た分割後の各画像データ(以下、「分割画像データ」と呼ぶ)をインターネットファックスで送信するために、分割数と同数の電子メールを作成し、これらの電子メールに分割画像データを1つずつ添付する。また、各電子メールに添付された分割画像データの分割元が同一であることを識別可能とするために、各電子メールに同一のファイルIDを付与する。
【0046】
上記例のように、総ページ数が100ページの画像データを10ページ単位で分割する場合には、この画像データを先頭ページから順に10ページずつの10個の分割画像データに分割する。電子メールは、分割数10と同数である10通を作成し、この10通の電子メールに分割画像データを1つずつ添付する。そしてこの10通の電子メールのファイルIDは、たとえば10通とも「bh350−20070110095725」などとして同一にする。
【0047】
さらにCPU11は、各分割画像データの相互間の関係性を示す情報を生成して各々の分割画像データに付加する(ステップS104)。詳細には、図3(A)に示すように、各電子メールのヘッダに、その電子メールに添付される分割画像データの分割元となった画像データのページ数(ページ総数)およびその分割数と、該分割画像データのページ数(本メールのページ総数)と、該分割画像データが分割元の画像データの中で先頭から何番目の分割画像データであるかを示す分割順序(分割順位)とを付加する。なお、本実施の形態では「現メール」の分母が分割数を示し、分子が分割順序を示しており(現メール=分割順序/分割数)、現メールに分割数と分割順序とを含ませている。また、図3(B)に示すように、電子メールに添付する画像データの各ページのヘッダに、画像データの総ページ数とページ番号とを付加する。
【0048】
なお、図3では総ページ数が100ページの画像データを10ページ毎に分割する場合の電子メールのヘッダ情報と画像データの各ページのヘッダ情報とを例示している。
(A)電子メールのヘッダ情報(分割順序が5番目の場合)
・ページ総数:100
・分割数:10
・本メールのページ総数:10
・現メール:5/10
(B)画像データの各ページのヘッダ情報(45ページ目の場合)
・総ページ数:100
・現ページ:45ページ目
【0049】
そしてCPU11は、分割画像データを添付した各電子メールに、指定された宛先(電子メールアドレス)を入力し、各電子メールをネットワークインターフェース部22を介してE‐mailサーバ40に順次送信し(ステップS105)、本処理を終了する。
【0050】
図4は、画像形成装置10によるインターネットファックスの受信動作の処理の流れを示している。図5は、インターネットファックスのファックス受信履歴を表示するために履歴情報格納部16に格納される履歴情報のデータ構造を示している。
【0051】
ファックス受信履歴とは、ファックスの受信日時や受信データの属性情報などを含む通信記録のことである。本実施の形態では、ファックス受信履歴として表示される項目は(図7および図8参照)、(1)受信ID、(2)受信日時((年/)月/日/時/分)、(3)発信元名、(4)発信元の電子メールアドレス、(5)受信開始時刻(時/分/秒)、(6)受信終了時刻(時/分/秒)、(7)受信ページ数、(8)受信/印刷出力の状態(結果)となっている。なお、これらの表示項目は一例であり、通信記録を把握できる任意の項目を表示すればよい。
【0052】
また、履歴情報格納部16には、図5に示す履歴リスト50または履歴リスト60を確保して、受信した電子メールのファイルIDと上記の各項目を表示するための履歴情報とを格納するようにしている。この履歴リスト50、60には、上記の表示項目のうちの(1)〜(4)の履歴情報が格納されるメインデータ格納部50A、60Aと、(5)〜(8)の履歴情報が格納されるサブデータ格納部50B、60Bとが設けられる。
【0053】
ページ分割に対しては、分割数と同数のサブデータ格納部50Bを設けた履歴リスト50を確保して、(5)〜(8)に関する分割数分の履歴情報を各サブデータ格納部50Bに格納するようにしている。すなわち、(5)〜(8)に関する分割数分の履歴情報は履歴リスト50に一括して格納するようにしている。また非分割に対しては、1個のサブデータ格納部60Bを設けた履歴リスト60を確保して、そのサブデータ格納部60Bに(5)〜(8)に関する1通信分の履歴情報を格納するようにしている。
【0054】
また本実施の形態では、画像形成装置10がページ分割/非分割に関わらずインターネットファックスによる送信メールを1通受信する毎に、図4に示す処理を行って履歴情報格納部16の履歴リスト50、60に1通信分の履歴情報を格納するようにしている。
【0055】
受信側の画像形成装置10では、E‐mailサーバ40からネットワークインターフェース部22を介してインターネットファックスの送信メールを受信すると(ステップS111)、CPU11はその受信メールに添付されている画像データをHDD15に一旦、格納する。
【0056】
また、メールヘッダ解析部17は受信メールのヘッダ情報を解析して解析結果をCPU11に通知する。たとえば、受信メールのヘッダに、図3(A)に示した画像データのページ総数、分割数、本メールに添付された分割画像データのページ総数、分割順序(現メール)が付加されていた場合にはそれらの情報を通知する。画像タグ解析部18は受信メールに添付されている画像データのヘッダ情報(タグ)を解析して解析結果をCPU11に通知する。たとえば、画像データのヘッダに、図3(B)に示した画像データの総ページ数、ページ番号(現ページ)が付加されていた場合にはそれらの情報を通知する。
【0057】
CPU11は、通知された解析結果に基づいて、本受信メールに添付されている画像データがページ分割されたものであるか否かを判定する(ステップS112)。
【0058】
メールヘッダ解析部17からの通知に分割数または分割順序が含まれていた場合には、CPU11は本受信メールがページ分割によるメールであり、本受信メールに添付されている画像データはページ分割された分割画像データの1つであると判定する(ステップS112;Yes)。
【0059】
ここで、CPU11はメールヘッダ解析部17からの通知に含まれる分割順序を参照し、分割順序が1番目(たとえば、「現メール:1/N」図3(A)参照)であった場合には、その1番目の分割画像データをHDD15から読み出して印刷部21に転送し印刷部21に印刷を指示する。1番目でない場合には、メールヘッダ解析部17からの通知に含まれる分割順序に1番目が現れるまで印刷を指示せず、1番目が現れた時点でその1番目の分割画像データをHDD15から読み出して印刷部21に転送し印刷を指示する。また、1番目以降はHDD15から分割画像データを分割順序通りに読み出して印刷部21に転送し分割順序に従った印刷を指示する。
【0060】
なお、上記のように分割順序の1番目が現れた時点で直ちに印刷を指示する他に、たとえば、分割送信された電子メールを全通受信して画像データが揃うまで印刷を指示せず、画像データが揃った後に分割順序が1番目の分割画像データから分割順序通りに印刷部21に転送して分割順序に従った印刷を指示するようにしてもよい。
【0061】
印刷部21は、CPU11による分割画像データの転送と印刷指示を受けると、分割画像データに基づく印刷出力を分割順序に従って実行する。これにより、元の画像データに対するページ順通りの印刷出力が行われるようになる。
【0062】
またCPU11は、本受信メールのファイルIDと同一のファイルIDを格納した履歴リスト50(図5参照)が履歴情報格納部16に存在するか否かを判定する(ステップS113)。
【0063】
同一のファイルIDを格納した履歴リスト50が無ければ(ステップS113;No)、CPU11は履歴情報格納部16に図5に示す履歴リスト50を新たに確保する(ステップS114)。
【0064】
この履歴リスト50には、1つのメインデータ格納部50Aと、分割数と同数(分割数Nの場合はN個)のサブデータ格納部50Bとを設ける。
【0065】
また、メインデータ格納部50Aには、受信メールのファイルIDを格納するためのファイルIDデータ格納領域51と、受信IDを格納するための受信IDデータ格納領域52と、受信日時を格納するための受信日時データ格納領域53と、受信メールの発信元名を格納するための発信元名データ格納領域54と、発信元の電子メールアドレスを格納するためのアドレスデータ格納領域55とを設ける。サブデータ格納部50Bには、受信開始時刻を格納するための受信開始時刻データ格納領域56と、受信終了時刻を格納するための受信終了時刻データ格納領域57と、受信メールに添付された画像データのページ数を格納するためのページ数データ格納領域58と、受信から印刷出力までの状態(結果)を示すデータを格納するための状態データ格納領域59とを設ける。さらに、分割数と同数設けたサブデータ格納部50Bは分割順序に対応付けする。
【0066】
たとえば、メールヘッダ解析部17からの通知に含まれる現メールを示す情報(たとえば、現メール:1/N〜N/N)を参照して、分割順序が1番目の受信メールの履歴情報は1番目(1/N)のサブデータ格納部50Bに格納し、分割順序が2番目の受信メールの履歴情報は2番目(2/N)のサブデータ格納部50Bに格納し、・・・、分割順序がN番目の受信メールの履歴情報はN番目(N/N)のサブデータ格納部50Bに格納するといった対応付けを行う。このような対応付けによって、履歴情報の格納場所(アドレス)が分割順序を示す情報となり、履歴リスト50に分割順序を示すデータを別途格納しなくとも履歴情報の格納場所から分割順序を認識できるようになる。なお、このような対応付けに替えて、分割順序を示すデータを各サブデータ格納部50Bに格納し、そのデータに基づいて分割順序を認識するようにしてもよい。
【0067】
上記の履歴リスト50を確保すると、CPU11はファックス受信履歴の表示に使用する履歴情報として、(1)受信ID、(2)受信日時、(3)発信元名、(4)発信元の電子メールアドレスの各データを作成し、メインデータ格納部50Aの対応する各データ格納領域51〜55に格納する。さらに、(5)受信開始時刻、(6)受信終了時刻、(7)受信ページ数、(8)受信/印刷出力の状態の各データを作成し、本受信メールの分割順序に対応したサブデータ格納部50Bの対応する各データ格納領域56〜59に格納する(ステップS115/ステップS116)。
【0068】
詳細には、まず受信メールのファイルIDをファイルIDデータ格納領域51に格納する。このファイルIDは履歴リスト50を識別するための情報として使用する。また、受信メールの受信ID(たとえば、受信順序に従って割り振った番号など)を作成して受信IDデータ格納領域52に格納する。
【0069】
受信日時については、受信メールの受信開始時に時計部24から日時情報を取得して、年/月/日/時/分を受信日時データ格納領域53に格納する。発信元名については、受信メールに記載されている発信元名を取得して、発信元名データ格納領域54に格納する。発信元の電子メールアドレスについては、受信メールに記載されている発信元の電子メールアドレスを取得して、アドレスデータ格納領域55に格納する。
【0070】
受信開始時刻については、受信メールの受信開始時に時計部24から取得した日時情報の時/分/秒を受信開始時刻データ格納領域56に格納する。受信終了時刻については、受信メールの受信終了時に時計部24から日時情報を取得して、時/分/秒を受信終了時刻データ格納領域57に格納する。
【0071】
受信ページ数については、メールヘッダ解析部17から通知された解析結果に含まれる本メールのページ総数(図3参照)をページ数データ格納領域58に格納する。受信/印刷出力の状態については、異常(通信エラー)、印刷待ち、印刷ページ番号、正常の何れかを示す状態データを状態データ格納領域59に格納する。
【0072】
状態データの詳細については、たとえば、ページ分割の電子メールを受信するときに通信エラーが発生した場合には、異常を示すデータを格納する。本受信メールに添付された画像データの印刷が待機状態となっている場合には、印刷待ちを示すデータを格納する。印刷中の場合には、その印刷中のページ番号を示すデータを格納する。用紙ジャムや用紙切れなどにより印刷を停止した場合には、印刷を終えたページ番号を示すデータを格納する。印刷出力が正常に終了した場合には、正常を示すデータを格納する。
【0073】
通信エラーについては、ページ分割のメール数(分割数)を把握している中で、最後の送信メールを受信できない、もしくは途中の送信メールを受信できない場合に、一定時間のタイムアウト時間を持って通信エラーと判断する。また、CPU11による印刷の指示から印刷部21による印刷出力の終了までには、印刷待ち、印刷中(場合によって印刷停止)、印刷出力の正常終了の順に状態が変化する。状態データ格納領域59に格納される状態データは、この動作状態の変化に応じて入れ替えられる。
【0074】
CPU11は、ページ分割の受信メールのうちの1通信分に対して、履歴情報格納部16に確保した履歴リスト50に上記の各データを格納すると、本処理を終了する。
【0075】
また、同一ファイルIDの格納された履歴リスト50が有る場合には(ステップS113;Yes)、CPU11は、本受信メールの受信開始時刻データ、受信終了時刻データ、ページ数データ、状態データのみを作成する(ステップS115)。作成した各データは、同一ファイルIDの履歴リスト50における本受信メールの分割順序に対応したサブデータ格納部50Bの各データ格納領域56〜59に格納する(ステップS116)。
【0076】
このように、ページ分割にされた同一ファイルIDの複数の受信メールに対しては、1通目を受信したときに履歴情報格納部16に新たに1つの履歴リスト50が確保されて、その履歴リスト50のメインデータ格納部50Aに、ファイルID、受信ID、発信元名、発信元の電子メールアドレスの各データが格納されると共に、1通目の受信メールに対する受信開始時刻、受信終了時刻、受信ページ数、受信/印刷出力の状態の各データがその受信メールの分割順序に対応するサブデータ格納部50Bに格納される。また2通目以降を受信したときには、既に確保されている履歴リスト50に、2通目以降の受信メールに対する受信開始時刻、受信終了時刻、受信ページ数、受信/印刷出力の状態の各データのみがその受信メールの分割順序に対応するサブデータ格納部50Bに格納される。そして、同一ファイルIDのメールを全て受信すると、1つの履歴リスト50における全データ格納領域へのデータ格納が完了する。
【0077】
なお、履歴リスト50に設けられた複数のサブデータ格納部50Bへのデータ格納はメールの受信順に従って行われる。仮に、ページ分割された複数の電子メールが分割順序に従って送信されたとしても、ネットワーク経路の違いなどで分割順序通りに受信するとは限らない。そのため、サブデータ格納部50Bへのデータ格納は分割順序通りに行われない場合もある。また、ネットワーク経路の違いなどで同一ファイルIDの全メールを連続的に受信しない場合もある。たとえば、途中で異なるファイルIDの電子メールを受信した場合には、そのファイルIDに対応する新たな履歴リストが履歴情報格納部16に確保されてデータ格納が行われることになり、このように複数の履歴リストに対して並行的にデータ格納が行われることもある。
【0078】
一方、メールヘッダ解析部17からの通知に分割数または分割順序が含まれていない場合には、CPU11は本受信メールがページ分割によるメールではなく、本受信メールに添付されている画像データはページ分割されていないと判定する(ステップS112;No)。この場合、CPU11はHDD15に格納されている画像データを印刷部21に転送して印刷を指示する。
【0079】
またCPU11は、本受信メールの履歴情報を格納するための履歴リスト60(図5参照)を履歴情報格納部16に確保する(ステップS114)。この履歴リスト60には、履歴リスト50と同様に、ファイルIDデータ格納領域61、受信IDデータ格納領域62、受信日時データ格納領域63、発信元名データ格納領域64、アドレスデータ格納領域65を備えたメインデータ格納部60Aを1つ設ける。また、受信開始時刻データ格納領域66、受信終了時刻データ格納領域67、ページ数データ格納領域68、状態データ格納領域69を備えたサブデータ格納部60Bは1つだけ設ける。
【0080】
そして、ページ分割の1通目の電子メールを受信したときと同様の手順で、受信ID、受信日時、発信元名、発信元の電子メールアドレスの各データを作成し、本受信メールのファイルIDと共にメインデータ格納部60Aの各データ格納領域61〜65に格納する。さらに、受信開始時刻、受信終了時刻、受信ページ数、受信/印刷出力の状態の各データを作成し、サブデータ格納部60Bの各データ格納領域66〜69に格納して(ステップS116)、本処理を終了する。
【0081】
なお、履歴情報格納部16に格納できる履歴情報の量(履歴件数)は、履歴情報格納部16の容量に応じて決まっている。新たな受信メールの履歴情報を履歴情報格納部16に格納すると容量を超過する場合には、古い履歴情報から順に削除されて新たな履歴情報が格納されるようになる。
【0082】
図6は、画像形成装置10によるインターネットファックスのファックス受信履歴を表示する履歴表示モードの動作の処理の流れを示している。図7〜図10は、履歴表示モードにて画像形成装置10の操作表示部19に表示される表示画面を示している。
【0083】
CPU11は、ユーザによる操作表示部19への入力操作で履歴表示モードが選択されたか否かを判定する(ステップS121)。履歴表示モードが選択されなければ(ステップS121;No)、本処理を終了する。
【0084】
履歴表示モードが選択されると(ステップS121;Yes)、CPU11は履歴情報格納部16の履歴リスト50、60(図5参照)から履歴情報を読み出して操作表示部19に送信し、操作表示部19に図7に示すFAX受信履歴画面70(第1表示画面)を表示させる(ステップS122)。
【0085】
FAX受信履歴画面70には、受信履歴覧71、詳細ボタン76、戻るボタン77が表示される。受信履歴覧71には、複数列設けられた受信ID欄72、受信日時欄73、発信元情報欄74に、履歴リスト50、60のメインデータ格納部50A、60Aから読み出された各データによってそれらの情報が表示される。また結果欄75に、履歴リスト50、60のサブデータ格納部50B、60B(状態データ格納領域59、69)から読み出された状態データによって状態情報(結果)が表示される。
【0086】
この受信履歴覧71における表示では、受信IDデータ格納領域52に格納されている受信ID(もしくは、受信日時データ格納領域53に格納されている受信日時)の新しい履歴リスト50、60から順に、上記の各データが読み出され、その各データによって表される各情報が受信ID(もしくは、受信日時)の新しい順に上から下へ所定数(最大表示可能件数)だけ配列して表示される。
【0087】
結果欄75には、途中でエラー停止した場合には「NG」が表示される。処理中の場合には「−」が表示される。印刷出力まで正常終了した場合には「OK」が表示される。
【0088】
ページ分割の場合は、複数の分割画像データを個別に受信して個別に印刷するため、各分割画像データの処理の状態が同じにならないときもある。すなわち、全ての分割画像データに対する印刷出力までの処理が正常に終了した場合、あるいは、全ての分割画像データが途中でエラー停止した場合には、各分割画像データの処理の状態が同じになるが、これらの他は複数の状態が混在することになる。このように複数の状態が混在するときは、結果欄75に代表となる状態が一つだけ表示される。たとえば、表示の優先順位を高い方から順に、エラー停止、処理中、正常終了とし、複数の状態が混在する場合にはこの優先順位に従って代表となる状態を一つだけ表示する。
【0089】
また、詳細ボタン76は受信IDに対応させて受信履歴覧71の右側に表示され、戻るボタン77は詳細ボタン76の下方に表示される。
【0090】
なお、図7に示す例では、受信履歴覧71に最新6通信分の受信ID20〜受信ID15の受信履歴が表示されており、結果欄75には受信ID20は処理中であることを表す「−」、受信ID18は途中でエラー停止したことを表す「NG」、受信ID19および受信ID17〜ID15は印刷出力の正常終了を表す「OK」が表示されている。
【0091】
このFAX受信履歴画面70において、詳細ボタン76または戻るボタン77が押下されなければ(ステップS123;No/ステップS124;No)、FAX受信履歴画面70の表示を継続する。戻るボタン77が押下された場合には(ステップS124;Yes)、CPU11は履歴表示モードを抜け出して本処理を終了する。
【0092】
詳細ボタン76が押下された場合には(ステップS123;Yes)、CPU11は、押下された詳細ボタン76の受信IDに対応する受信履歴情報の詳細な表示に切り換え、操作表示部19に図8や図10に示すFAX受信履歴詳細画面80(80A、80B)(第2表示画面)を表示させる(ステップS125)。
【0093】
FAX受信履歴詳細画面80には、受信ID81、受信履歴詳細覧82、戻るボタン88、必要に応じて次へボタン89が表示される。
【0094】
受信履歴詳細覧82には、受信日時欄83、発信元情報欄84、発信元アドレス/電話番号欄85に、受信IDに対応する履歴リスト50、60のメインデータ格納部50A、60Aから読み出された各データによってそれらの情報が表示される。受信履歴詳細覧82の通信履歴欄86には、同じ履歴リスト50、60のサブデータ格納部50B、60Bから読み出された各データによってそれらの情報が表示される。通信履歴欄86に対応して設けられた状態欄87には、同じ履歴リスト50、60のサブデータ格納部50B、60B(状態データ格納領域59、69)から読み出された状態データによって状態情報が表示される。
【0095】
状態欄87には、通信エラーによる異常の場合には「NG」が表示される(図10参照)。印刷待ちの場合には「−」が表示される(図8および図10参照)。印刷中の場合には印刷中のページ番号が表示される(図8参照)。用紙ジャムや用紙切れなどにより印刷が停止した場合には印刷を終えたページ番号が表示される。印刷出力が正常に終了した場合には「OK」が表示される(図8および図10参照)。
【0096】
この状態欄87の表示において、印刷中のページ番号が状態欄87に表示される場合だけは、その状態欄87は押下操作を受け付ける状態ボタン87A(図8参照)として表示される。また図10に示すように、状態欄87に「NG」が表示された場合には、通信履歴欄86には通信履歴の情報に換えて、たとえば「通信エラーにより受信できません」などのメッセージが表示される。
【0097】
また、本受信IDに対応する履歴リストがページ分割された受信メールの履歴情報を格納した履歴リスト50である場合には、通信履歴欄86と状態欄87が複数列設けられ、分割順序に従って上から下へ通信履歴が所定数(最大表示可能件数)だけ配列して表示される(図8および図10参照)。さらに受信日時欄83には、受信日時(年/月/日)の他に、最初の受信メールの受信開始時刻(時/分)、最後の受信メールの受信終了時刻(時/分)、全受信メールのページ数を合計した総頁数も表示される。
【0098】
総頁数は、本実施の形態の履歴リスト50(図5参照)であれば、複数設けたページ数データ格納領域58に格納されている各ページ数データを加算することで算出できる。また図3(B)に示したように、画像データのヘッダに「総ページ数」が付加されている場合には、その総ページ数データを履歴リスト50に別途格納して総頁数の表示に使用するようにしてもよい。
【0099】
さらに、ページ分割の受信履歴表示では、分割数(受信数)が受信履歴詳細覧82における通信履歴の表示可能件数を超える場合には(分割数(受信数)>通信履歴の表示可能件数)、次へボタン89が表示される。
【0100】
また、本受信IDに対応する履歴リストが非分割の受信メールの履歴情報を格納した履歴リスト60である場合には、通信履歴欄86と状態欄87が1列設けられて1通信分の通信履歴が表示される(図示省略)。さらにこの場合も、受信日時欄83には受信日時(年/月/日)に加えて、1通のみ受信した受信メールの受信開始時刻(時/分)や受信終了時刻(時/分)などが表示される。
【0101】
このFAX受信履歴詳細画面80において、状態ボタン87Aまたは戻るボタン88または次へボタン89が押下されなければ(ステップS126;No/ステップS127;No/ステップS128;No)、FAX受信履歴詳細画面80の表示を継続する。戻るボタン88が押下された場合には(ステップS127;Yes)、CPU11は操作表示部19の表示をFAX受信履歴画面70に戻す(ステップS122/図7参照)。
【0102】
次へボタン89が押下された場合には(ステップS128;Yes)、FAX受信履歴詳細画面80の通信履歴欄86と状態欄87に、履歴リスト50における次番のサブデータ格納部50Bから読み出した各データを使用して、通信履歴および状態情報が分割順序に従って表示される。またこの表示においても、残りの通信履歴を表示しきれない場合には次へボタン89が表示され、次へボタン89の繰り返し押下により最後の通信履歴が表示されると、次へボタン89は表示されなくなる。
【0103】
状態ボタン87A(図8参照)が押下された場合には(ステップS126;Yes)、CPU11は、操作表示部19に図9に示すFAX印刷中画面90を表示させる(ステップS129)。このFAX印刷中画面90では、印刷部21による画像データの印刷にて現在印刷中のページ番号の情報(たとえば、「45/100ページ目印刷中」など)と、戻るボタン91が表示される。
【0104】
戻るボタン91が押下されなければ(ステップS131;No)、FAX印刷中画面90の表示を継続する。戻るボタン91が押下された場合には(ステップS131;Yes)、CPU11は操作表示部19の表示をFAX受信履歴詳細画面80に戻す(ステップS125)。
【0105】
以上説明したように、本実施の形態に係る画像形成装置10では、インターネットファックスの受信履歴の表示において、FAX受信履歴画面70(図7参照)ではページ分割による複数通信分の受信履歴が1通信分の受信履歴で表示されるため、関連する複数の受信履歴が羅列表示されるなどの表示の煩雑性が解消され、受信履歴が見やすくなる。たとえば、メモリ容量や表示エリアの制約などで受信履歴の表示件数が制限されるような場合でも、関連する受信履歴が複数表示されなくなることで、分割前の画像データを単位とする受信履歴をより多くかつ見やすく表示することができる。また、ユーザはページ分割による通信が行われたか否かを認識する必要がないため、ページ分割/非分割に関わらず何れの受信履歴も1通信分で表示すれば十分である。
【0106】
また、FAX受信履歴画面70に表示される詳細ボタン76を押下操作することで、表示画面をFAX受信履歴詳細画面80(図8(80A)および図10(80B)参照)に切り換えることができ、FAX受信履歴詳細画面80に表示される戻るボタン88を押下操作することで、表示画面をFAX受信履歴画面70に切り換えることができる。FAX受信履歴画面70では、ページ分割による複数通信分の受信履歴が1通信分として一括表示されるため、関連する複数通信分の包括的な受信履歴(受信状況)を確認することができる。またFAX受信履歴詳細画面80では、ページ分割による複数通信分の受信履歴が個別表示されるため、各々の詳細な受信履歴(受信状況)を確認することができる。受信履歴の確認や検索では、必要に応じて表示画面を切り換えることにより、所望の受信履歴(検索結果)に簡単に辿り着けるようになる。
【0107】
また、分割画像データを添付する電子メールには、各々のデータの関係性を示す情報として、複数に分割されたデータの分割元が同一であることを示すファイルID(識別情報)、分割数、分割順序、およびデータ送信時のページなどを付加している。
【0108】
これにより、ファイルIDに基づいて分割元が同一である分割画像データ同士を識別でき、複数に分けて受信した分割元が同一である各分割画像データの受信履歴を1通信分として表示できるようになる。また、分割数に基づいて全ての分割画像データが受信されたか否かを把握でき、通信エラーによるデータの受信異常なども認識できるようになる。
【0109】
また、分割画像データの受信順序に関わらず、受信履歴を個別に表示する際には分割順序に基づき元の順序に並べ替えて表示できるようになる。さらに、分割画像データを分割順序に従って印刷出力できるようになり、ページ順通りの印刷出力も可能になる。
【0110】
また、全メール(全データ)の受信によって最終的に届くページ数は、FAX受信履歴詳細画面(図8および図10参照)に表示される総ページ数(データ送信時のページ)により予め把握できる。たとえば、従来は印刷物に総ページ数が記載されないと、次の通信があるのか判断が困難になるが、最終的に届くページ数を予め把握できることで、残りの通信数なども予測できるようになる。
【0111】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0112】
たとえば、実施の形態では、ファックス受信履歴の表示に使用する履歴情報を履歴情報格納部16に格納する際に、ページ分割による複数通信の履歴情報は一括して履歴リスト50(図5参照)に格納するようにしているが、このページ分割による複数通信の履歴情報は個別に格納するようにしてもよい。その場合には、個別に格納する各履歴情報に検索用IDなどを付与することで、その検索用IDに基づいて各履歴情報を検索し、実施の形態で説明したように1通信分の履歴情報で表示することができる。
【0113】
また実施の形態では、ページ分割における履歴情報のデータ構造(履歴リスト50)と、非分割における履歴情報のデータ構造(履歴リスト60)とを同じデータ構造としているが、これらのデータ構造は異ならせてもよい。
【0114】
また実施の形態では、ページ分割された各々のデータの関係性を示す情報(付加情報)として、複数に分割されたデータの分割元が同一であることを示す識別情報(ファイルID)、分割数、分割順序、およびデータ送信時のページなどを付加している。ただし、ページ分割されたデータの受信履歴を1通信分として表示するためにこれらの付加情報が全て必要となるわけではない。分割元が同一であるデータ同士は上記の識別情報によって識別可能であるため、少なくとも識別情報があれば複数の受信履歴を1通信分として表示することができる。
【0115】
また、上記の付加情報は、画像データまたは画像データが添付される電子メールの何れか一方に付加する、あるいは、画像データと電子メールに分散して付加するようにしてもよい。
【0116】
また、実施の形態では画像形成装置10の読取部20でスキャンした原稿の画像データなどをインターネットファックスにより送受信する場合を例に説明したが、インターネットファックスにより送受信するデータは画像形成装置10にてスキャンしたものに限らない。たとえば、ネットワークを介して接続されたパーソナルコンピュータなどから、インターネットファックスの依頼を受けて受信する画像データや文書データなどでもよい。
【0117】
また、本発明に係るデータ受信装置は、実施の形態で説明した複合機に限らず、インターネットファックス機能を備えたファクシミリ装置などの他の画像形成装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置によるインターネットファックスの送信動作の処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像形成装置によりインターネットファックスにて送信される、(A)は電子メールのヘッダ情報を示す図、(B)は電子メールに添付される画像データのヘッダ情報を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る画像形成装置によるインターネットファックスの受信動作の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る履歴情報格納部に格納される履歴情報のデータ構造を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る画像形成装置によるインターネットファックスの受信履歴を表示するモードの動作の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の操作表示部に表示されるFAX受信履歴の表示画面を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の操作表示部に表示されるFAX受信履歴詳細1の表示画面を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の操作表示部に表示されるFAX印刷中の表示画面を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の操作表示部に表示されるFAX受信履歴詳細1の表示画面を示す図である。
【符号の説明】
【0119】
10…画像形成装置
11…CPU
12…ROM
13…RAM
14…入出力バッファ
15…HDD
16…履歴情報格納部
17…メールヘッダ解析部
18…画像タグ解析部
19…操作表示部
20…読取部
21…印刷部
22…ネットワークインターフェース部
23…バス
24…時計部
25…受信履歴表示装置
40…E‐mailサーバ
50…履歴リスト
50A…メインデータ格納部
50B…サブデータ格納部
51…ファイルIDデータ格納領域
52…受信IDデータ格納領域
53…受信日時データ格納領域
54…発信元名データ格納領域
55…アドレスデータ格納領域
56…受信開始時刻データ格納領域
57…受信終了時刻データ格納領域
58…ページ数データ格納領域
59…状態データ格納領域
60…履歴リスト
60A…メインデータ格納部
60B…サブデータ格納部
61…ファイルIDデータ格納領域
62…受信IDデータ格納領域
63…受信日時データ格納領域
64…発信元名データ格納領域
65…アドレスデータ格納領域
66…受信開始時刻データ格納領域
67…受信終了時刻データ格納領域
68…ページ数データ格納領域
69…状態データ格納領域
70…FAX受信履歴画面
71…受信履歴覧
72…受信ID欄
73…受信日時欄
74…発信元情報欄
75…結果欄
76…詳細ボタン
77…戻るボタン
80(80A、80B)…FAX受信履歴詳細画面
81…受信ID
82…受信履歴詳細覧
83…受信日時欄
84…発信元情報欄
85…発信元アドレス/電話番号欄
86…通信履歴欄
87…状態欄
87A…状態ボタン
88…戻るボタン
89…次へボタン
90…FAX印刷中画面
91…戻るボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を通じて受信されたデータの受信履歴を表示する受信履歴表示装置であって、
前記受信履歴が表示される表示部と、
前記受信されたデータが複数に分割されたデータで、かつその複数に分割されたデータに各々のデータの関係性を示す情報が付加されている場合に、前記関係性を示す情報に基づいて、前記複数に分割されたデータの受信履歴を1通信分の受信履歴で前記表示部に表示させる制御部と、
を備える
ことを特徴とする受信履歴表示装置。
【請求項2】
前記制御部によって前記表示部に表示される表示画面には、前記複数に分割されたデータの受信履歴が前記1通信分の受信履歴で表示される第1表示画面と、前記複数に分割されたデータの受信履歴がデータ毎に表示される第2表示画面とが含まれ、
前記表示部に表示される表示画面を前記第1表示画面または前記第2表示画面に切り換えるための操作部を更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載の受信履歴表示装置。
【請求項3】
前記関係性を示す情報には、前記複数に分割されたデータの分割元が同一であることを示す識別情報が含まれ、かつ、分割数、分割順序、およびデータ送信時のページ数のうちの少なくとも1つが含まれ得る
ことを特徴とする請求項1または2に記載の受信履歴表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の受信履歴表示装置を備えたデータ受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−60290(P2009−60290A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−224773(P2007−224773)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】