説明

受信装置、及び送受信方法

【課題】他に使用されている周波数帯域で送信される送信信号の影響をより抑えつつ、その周波数帯域に近接する周波数帯域で送信される送信信号を受信・復調する受信装置を提供する。
【解決手段】OFDM設定およびチューナー設定経由回路17は、CPU3からの指示により、チューナー回路2が備える局部発振器の周波数を動的に変更し、その復調結果として、周波数毎に、セグメント毎に得られたCN値間の最大値をCN判定回路16から取得し、動的に変更した周波数のなかで小さい方の最大値が得られた周波数をダウンコンバートに最適な周波数としてCPU2に通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の周波数帯域で送信される送信信号を受信し、その受信により得られた受信信号をより低い周波数帯域の信号である第2の受信信号に変換して復調する受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高い周波数帯域(第1の周波数帯域)で送信される送信信号を受信可能な受信装置では普通、その送信信号を受信することで得られた受信信号をより低い周波数帯域(第2の周波数帯域)に変換(ダウンコンバート)して復調するようになっている(特許文献1)。その変換は通常、周波数帯域より低い周波数のローカル周波数信号を受信信号に乗算することで行われる。以降、そのローカル周波数信号の周波数は「ローカル周波数」と呼ぶことにする。
【0003】
周知のように、ローカル周波数信号を乗算すると、折り返しが発生する。その折り返しは、所望の周波数帯域の受信信号に他の周波数帯域の受信信号を重ねさせる。このため、他で使用されている周波数帯域に近い周波数帯域を利用する場合、ローカル周波数は折り返しにより生じるノイズを考慮して設定することが重要となる。以降、そのことについて、図4〜図6に示す説明図を参照して具体的に説明する。それら図4〜図6において、横軸は周波数、縦軸は送信側(他で使用されている周波数帯域(ここでは7及び9チャネルの各周波数帯域))の信号レベルをそれぞれ示している。
【0004】
図4、及び図5は、アナログ放送の7チャネル(CH)と9チャネルの間の周波数帯域、つまり8チャネルの周波数帯域を、1チャネル3セグメントの地上波デジタル放送で利用することを想定した場合のローカル周波数の設定方法を説明する図である。セグメントは、送信信号の送信に用いられる単位帯域に相当する。ここでは便宜的に、セグメントは周波数の低い方から「第1セグメント」「第2セグメント」・・・「第8セグメント」と呼ぶことにする。
【0005】
図4に示すように8チャネル(VHF8チャネル)の周波数帯域では、計8セグメントが利用可能である。そのうち3セグメント分の周波数帯域は1.285714MHzである。
【0006】
ローカル周波数は、受信信号を周波数変換する周波数帯域(第2の周波数帯域)である所望信号帯域の下側、或いは上側に設定される。それにより、図4及び図5中の「LoL」及び「LoH」はそれぞれ、ローカル周波数として設定対象となりうる下側、及び上側の周波数の位置を受信信号(送信信号)の周波数軸上で示している。「イメージ」を内側に表記した枠は、周波数LoL或いはLoHをローカル周波数として選択した場合に重ねられる受信信号(ノイズとなる受信信号。以降「イメージ」と呼ぶ)が存在する周波数帯域を便宜的に表したものである。「LoLIM」及びLoHIM」は、3セグメントの送信信号を変換する所望信号帯域内に折り返されるイメージの下限、及び上限の周波数をそれぞれ示している。このことからローカル周波数は、図4に示すように周波数が低い方の3セグメント、つまり第1〜第3セグメントを放送用とする場合には周波数LoH、図5に示すように周波数が高い方の3セグメント、つまり第6〜第8セグメントを放送用とする場合には周波数LoLをそれぞれ選択・設定することにより、所望信号帯域内に不要なイメージ(受信信号)が折り返されるのを回避することができる。
【0007】
受信装置には普通、イメージを除去する仕組み、例えばイメージ除去フィルタが用意されている。しかし、その仕組みによるイメージ減衰量は有限であり、除去できない分が存在する。デジタル放送と比較して、アナログ放送の信号レベルは非常に高い。このようなことから、使用されているチャネルが隣に存在するチャネルを利用する場合、適切なローカル周波数を選択・設定することは必須である。
【0008】
上述したように、使用されている周波数帯域(チャネル)と隣接する周波数帯域(チャネル)を利用する場合であっても、周波数帯域のなかで実際に使用する周波数帯域(以降、チャネルの周波数帯域と区別するために「部分周波数帯域」と呼ぶ)の選択、及びその選択に応じたローカル周波数の選択により、隣接する使用されている周波数帯域で送信される送信信号(イメージ)の影響を回避させることが可能である。しかし、周波数資源をより有効に利用しようとするような場合、必ずしも望ましい部分周波数帯域を選択できない可能性がある。例えば図6に示すように、周波数が3番目に低い方から3つのセグメント、つまり第3〜第5セグメントを放送用に使用しようとする場合には、ローカル周波数として周波数LoL及びLoHの何れを選択・設定したとしても、隣接する使用中の周波数帯域のイメージが所望信号帯域内に折り返される。このことから、周波数資源をより有効利用するためには、ノイズとなるイメージが折り返されることを前提として、よりイメージの影響を小さくさせるようにすることも重要と考えられる。
【特許文献1】特開2005−244481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、他に使用されている周波数帯域で送信される送信信号の影響をより抑えつつ、その周波数帯域に近接する周波数帯域で送信される送信信号を受信・復調する受信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の受信装置は、第1の周波数帯域で送信される送信信号を受信し、該受信により得られた第1の受信信号を、該第1の周波数帯域より低い周波数のローカル周波数信号を用いて第2の周波数帯域の第2の受信信号に変換して復調することを前提とし、指定された第1の周波数帯域の送信信号を受信して第2の受信信号を出力する、該第2の受信信号の生成に用いるローカル周波数信号の周波数を変更可能な受信手段と、受信手段が出力する第2の受信信号を用いて復調する復調手段と、受信手段が第2の受信信号の生成に用いるローカル周波数信号の周波数を動的に変更させて、復調手段による復調結果を基に、該ローカル周波数信号の周波数として最適な周波数を判別する周波数判別手段と、を具備する。
【0011】
なお、指定された第1の周波数帯域にそれぞれが送信信号の送信に用いられる単位帯域が複数、存在する場合に、周波数判別手段は、単位帯域毎の復調手段による復調結果を基に、最適な周波数を判別する、ことが望ましい。
【0012】
本発明の送受信方法は、第1の周波数帯域で送信される送信信号を受信し、該受信により得られた第1の受信信号を、該第1の周波数帯域より低い周波数のローカル周波数信号を用いて第2の周波数帯域の第2の受信信号に変換して復調する受信装置を想定した送受信方法であって、送信信号の送信側は、第1の周波数帯域として、他で使用されている第1の周波数帯域と隣接する第1の周波数帯域を用いて該送信信号を送信し、受信装置は、隣接する第1の周波数帯域の送信信号を受信する場合に、第2の受信信号の生成に用いるローカル周波数信号の周波数を動的に変更させて判別した最適な周波数の該ローカル周波数信号を用いて該第2の受信信号を生成し復調する。
【発明の効果】
【0013】
本発明を適用したシステムでは、指定された第1の周波数帯域の送信信号を受信して得られる第1の受信信号から第2の受信信号を得るために用いるローカル周波数信号の周波数を動的に変更し、得られた第2の受信信号を用いて復調を行った結果から、ローカル周波数信号の周波数として最適な周波数を判別する。このため、第1の周波数帯域と近接する(近傍の)他の第1の周波数帯域が他で使用されていても、その他の第1の周波数帯域で送信される送信信号の影響をより抑えつつ、受信・復調することができる。それにより、送信信号に用いることが可能な第1の周波数帯域の選択肢を実質的に増やすことができるようになって、周波数資源はより有効利用できることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1は、本実施形態による受信装置の回路構成を説明する図である。
【0016】
その受信装置は、例えば地上波デジタル放送等で採用されているOFDM(Orthogonal FrequencyDivision Multiplexing)方式で送信された送信信号(以降「OFDM信号」とも呼ぶ)を受信して復調するためのものである。図1に示すように、OFDM信号を受信するためのアンテナ1と、アンテナ1を介して、設定されたチャネルのOFDM信号を受信するチューナー回路2と、装置全体の制御を行うCPU3と、チューナー回路2から出力される、受信されたOFDM信号を復調してベースバンド信号を出力するOFDMベースバンド回路(以降「BB回路」と略記)4とを備えた構成となっている。そのベースバンド信号は、復調により最終的に得られた受信データ、つまりTS(トランスポート・ストリーム)パケットであり、そのTSパケットを伸長して得られる画像、及び音声の少なくとも一方が出力される。
【0017】
上記チューナー回路2は、受信したOFDM信号を、より周波数の低い中間周波数帯域の信号(以降、便宜的に「中間OFDM信号」或いは「IF(中間周波数)信号」と呼ぶ)に変換して出力する。その変換は、ローカル周波数信号をOFDM信号に乗算することで行う。そのような変換を行うために、ローカル周波数を変更可能な局部発振器を備えている。ローカル周波数信号を乗算するダウンコンバート時に、複素OFDM信号の実部と虚部を生成し、合成して複素OFDM信号を得る。
【0018】
BB回路4は、ADC回路11、FFT回路12、伝送路等化回路13、復調回路14、誤り訂正回路15、CN(Carrier to Noise ratio)判定回路16、及びOFDM設定およびチューナー設定経由回路(以降「設定経由回路」と略記)17を備えている。
【0019】
ADC回路11は、チューナー回路2から入力されるアナログのIF信号(復素OFDM信号)をデジタルのIF信号に変換して出力する。FFT回路12は、IF信号に対してFFT(高速フーリエ変換)を行い、周波数領域のIF信号を出力する。伝送路等化回路13は、送信されたOFDM信号に伝送路によって生じた歪みを周知の技術により補正(補償)する。すなわちゴースト波の影響やFFT窓のズレ等によってIF信号、つまり実際に得られた複素OFDM信号とその理想とする信号との間に生じているズレや大きさを検出(推定)して、これを補正する。
【0020】
復調回路14は、補正されたIF信号を復調、つまり送信側から送信されたデータを復元し、各種インターリーブを解除してTSパケット単位で出力する。誤り訂正回路15は、復調回路14から出力されたデータに対し、ビタビ復号、或いはリードソロモン復号を行い、発生している誤りを訂正する。その訂正後のデータがTSパケットの形でBB回路4から出力される。
【0021】
CN判定回路16は、伝送路等化回路13により検出されたズレや大きさを定量化してCN(Carrier to Noise ratio)値を算出する。OFDM設定およびチューナー設定経由回路(以降「設定経由回路」と略記)17は、外部(ここではCPU3)からの指示に従ったチューナー回路2やBB回路4の設定を行う。
【0022】
図6に示すように、他で使用中のチャネルと隣接するチャネルで周波数が3番目に低い方から3つのセグメント、つまり第3〜第5セグメントを放送用に使用しようとする場合には、ローカル周波数として周波数LoL及びLoHの何れを選択・設定したとしても、隣接する使用中の周波数帯域のイメージ(妨害波信号)が所望信号帯域内に折り返される。本実施形態では、そのような場合を想定し、ローカル周波数として選択対象となりうる周波数(周波数LoL及びLoH)のなかから最適な周波数を判別するようにしている。
【0023】
最適な周波数の判別は、選択対象となりうる周波数(周波数LoL及びLoH)を順次、設定、つまりその周波数(の設定)を動的に変更し、その設定により得られる復調結果を参照して行うようにしている。復調結果としては、セグメント毎のCN値を参照している。これは、以下のような理由からである。その理由について、図3を参照して具体的に説明する。
【0024】
図3は、ローカル周波数の選択により所望信号帯域内に折り返されるイメージ(妨害波)を説明する図である。図3(a)はローカル周波数として周波数LoLを選択した場合、図3(b)はローカル周波数として周波数LoHを選択した場合をそれぞれ示している。横軸は周波数、縦軸は信号レベルをそれぞれ表している。
【0025】
周波数LoLを選択した場合、図6に示すように、下側(周波数の低い側)に隣接するチャネル(ここでは7チャネル)のイメージ(妨害波)が所望信号帯域内に折り返される。7チャネルで折り返されるイメージは、1.5セグメントほどの周波数帯域分であり、その周波数帯域分は、折り返されるイメージの下側半分ほどの範囲である。このため、その範囲のイメージ(図3(a)中「下側隣接チャネル妨害波」と表記)は、図3(a)に示すように、主に3セグメントの上側半分に影響を及ぼすことになる。つまり第4セグメントではその半分ほどに、第5セグメントではその全体に影響を及ぼし、その受信信号にイメージが重ねられることになる。これは、特に第3セグメントと第5セグメントの間でCN値に大きな差が生じることを意味する。
【0026】
一方、周波数LoHを選択した場合には逆に、上側(周波数の高い側)に隣接するチャネル(ここでは9チャネル)のイメージ(妨害波)が所望信号帯域内に折り返される。この結果、9チャネルのイメージ(図3(b)中「上側隣接チャネル妨害波」と表記)は、図3(b)に示すように、主に3セグメントの下側半分に影響を及ぼすことになる。つまり第4セグメントではその半分ほどに、第3セグメントではその全体に影響を及ぼし、その受信信号にイメージが重ねられることになる。
【0027】
このようなことから、セグメント間におけるCN値の差は、イメージ(妨害波)の影響の度合いを示すものとなる。それにより、その差を指標として、イメージの影響の度合いを推定し、その差がより小さい周波数を最適なローカル周波数として判別するようにしている。なお、参照の対象となりうる復調結果は、CN値に限定されるものではなく、訂正前と訂正後のビットを比較して得られるBER(Bit Error Rate)、或いはデータシンボル座標のばらつきを数値化して得られるMER(Modulation Error Ratio)等を採用することができる。
【0028】
図2は、最適周波数を判別する場合にCPU3、BB回路4、及びチューナー回路2の各部が行う動作、及びその流れを示すフローチャートである。次に、その場合の各部の動作、及びその流れについて、図2を参照して詳細に説明する。
【0029】
本実施形態では、チャネル(局)毎に、設定すべきローカル周波数を定義したテーブル(チャネルテーブル)を作成・管理し、ユーザーの選局に対応するようにしている。そのテーブルの作成・管理はCPU3によって行われ、最適周波数の判別のための動作は、CPU3からBB回路3に指示を行うことで開始される。その指示は予め定めたタイミングで行われる。そのタイミングとは、例えばローカル周波数を定義していない放送局(他が使用していない周波数帯域)をユーザーが選択した場合、電源がオンされた場合、或いは予め定めた日時となった場合である。ここでは便宜的に、ローカル周波数を定義していない放送局をユーザーが選択した場合を想定して説明を行う。その場合、その局のみを対象に、第3〜第5セグメントの送信信号をより良好に受信するためのローカル周波数の定義が行われる。
【0030】
そのような局をユーザーが選択した場合、CPU3は、BB回路3の設定経由回路17に対し、基本動作設定値と共に、最適周波数の判別のための動作を指示するコマンドを転送する(ステップSC1)。それにより設定経由回路17は、転送された基本動作設定値に従い、BB回路4の各部、及びチューナー回路2の設定を行う(ステップSO1)。その結果、チューナー回路2はローカル周波数以外の設定が行われる(ステップSR1)。
【0031】
設定経由回路17は次に、ローカル周波数として選択可能な周波数LoL及びLoHのなかから周波数LoLを選択し、チューナー回路2の設定を行う(ステップSO2)。それにより、チューナー回路2は局部発振器(不図示)が周波数LoLでローカル周波数信号を生成するように設定する(ステップSR2)。
【0032】
その設定により、チューナー回路2は周波数LoLのローカル周波数信号を用いたダウンコンバートにより生成したアナログのIF信号(復素OFDM信号)の出力を開始する。その開始により、伝送路等化回路13は、伝送路特性を推定してIF信号の歪みをセグメント毎に補償を行い、CN判定回路16は、その推定結果からCN値をセグメント毎に算出すると共に、セグメント間におけるCN値の差の最大値を算出し変数LoLDEFとして記憶する(以上ステップSO3及び4)。
【0033】
設定経由回路17は、変数LoLDEFの算出(記憶)がCN判定回路16から通知されると、次にローカル周波数として選択可能な周波数LoL及びLoHのなかから周波数LoHを選択し、チューナー回路2の設定を行う(ステップSO5)。それにより、チューナー回路2は局部発振器(不図示)が周波数LoHでローカル周波数信号を生成するように設定する(ステップSR3)。
【0034】
その設定により、チューナー回路2は周波数LoHのローカル周波数信号を用いたダウンコンバートにより生成したアナログのIF信号(復素OFDM信号)の出力を開始する。その開始により、CN判定回路16は同様にして、CN値をセグメント毎に算出すると共に、セグメント間におけるCN値の差の最大値を算出し変数LoHDEFとして記憶する(以上ステップSO6及び7)。
【0035】
設定経由回路17は、変数LoHDEFの算出(記憶)がCN判定回路16から通知されると、変数LoLDEF及びLoHDEFの値を比較し、値が小さい方を示す情報をCPU3に送信する(ステップSO8)。その情報の受信によりCPU3は、現在、対象としている局で設定すべき最適な周波数として、その情報が示す周波数をチャネルテーブル上に定義する(ステップSC2)。変数LoHDEFの値のほうが大きい場合には、設定経由回路17に指示して、ローカル周波数として周波数LoLを設定させる。それにより、より良好に復調できるようにローカル周波数を変更する。
【0036】
このように最適周波数を判別することにより、他で使用されている周波数帯域(受信側で受信可能な周波数帯域)の近傍の周波数帯域を利用しても、妨害波としての影響が小さくなる周波数帯域の受信信号(イメージ)のほうが所望信号帯域内に折り返されるようにローカル周波数を設定できることとなる。他で使用されている周波数帯域が両側のうちの一方のみ(図6の例では7及び9チャネルのうちの一方のみ)の状況下では、使用されていない周波数帯域(受信できない周波数帯)の受信信号のほうが所望信号帯域内に折り返されるようにローカル周波数を設定できることとなる。このため、受信信号の復調はより望ましい形で行えるようになる。
【0037】
そのように受信側でより良好に復調できるようになることから、送信側(例えば放送局側)では、送信信号の送信に用いる周波数帯域の選択肢が増えることになる。それにより、周波数資源はより有効利用できることとなる。
【0038】
なお、本実施形態では、BB回路4側で最適周波数を判別するようにしているが、その判別はCPU3側に行わせても良い。変調方式としては、OFDM方式を採用しているが、OFDM方式以外の変調方式であっても良い。送信側が送信信号の送信に用いる周波数帯域(第1の周波数帯域)が高いことから、その送信信号を受信することで得られる受信信号(第1の受信信号)をそれよりも低い周波数帯域(第2の周波数帯域)の受信信号(第2の受信信号)に変換(ダウンコンバート)する必要性が存在していれば良い。その変換は、2段階以上で行うものであっても良い。第1の周波数帯域は3セグメント分となっているが、その帯域幅も特に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態による受信装置の回路構成を説明する図である。
【図2】最適周波数を判別する場合にCPU3、BB回路4、及びチューナー回路2の各部が行う動作、及びその流れを示すフローチャートである。
【図3】ローカル周波数の選択により所望信号帯域内に折り返されるイメージ(妨害波)を説明する図である。
【図4】アナログ放送の7チャネル(CH)と9チャネルの間の8チャネルの周波数帯域を、1チャネル3セグメントの地上波デジタル放送で利用することを想定した場合のローカル周波数の設定方法を説明する図である(その1)。
【図5】アナログ放送の7チャネル(CH)と9チャネルの間の8チャネルの周波数帯域を、1チャネル3セグメントの地上波デジタル放送で利用することを想定した場合のローカル周波数の設定方法を説明する図である(その2)。
【図6】アナログ放送の7チャネル(CH)と9チャネルの間の8チャネルの周波数帯域を、1チャネル3セグメントの地上波デジタル放送で利用することを想定した場合に、使用するセグメントによって生じる不具合を説明する図である。
【符号の説明】
【0040】
1 アンテナ
2 チューナー回路
3 CPU
4 OFDMベースバンド回路
11 ADC回路
12 FFT回路
13 伝送路等化回路
14 復調回路
15 誤り訂正回路
16 CN判定回路
17 OFDM設定およびチューナー設定経由回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の周波数帯域で送信される送信信号を受信し、該受信により得られた第1の受信信号を、該第1の周波数帯域より低い周波数のローカル周波数信号を用いて第2の周波数帯域の第2の受信信号に変換して復調する受信装置において、
指定された第1の周波数帯域の送信信号を受信して前記第2の受信信号を出力する、該第2の受信信号の生成に用いる前記ローカル周波数信号の周波数を変更可能な受信手段と、
前記受信手段が出力する前記第2の受信信号を用いて復調する復調手段と、
前記受信手段が前記第2の受信信号の生成に用いる前記ローカル周波数信号の周波数を動的に変更させて、前記復調手段による復調結果を基に、該ローカル周波数信号の周波数として最適な周波数を判別する周波数判別手段と、
を具備することを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記指定された第1の周波数帯域にそれぞれが送信信号の送信に用いられる単位帯域が複数、存在する場合に、前記周波数判別手段は、前記単位帯域毎の前記復調手段による復調結果を基に、前記最適な周波数を判別する、
ことを特徴とする請求項1記載の受信装置。
【請求項3】
第1の周波数帯域で送信される送信信号を受信し、該受信により得られた第1の受信信号を、該第1の周波数帯域より低い周波数のローカル周波数信号を用いて第2の周波数帯域の第2の受信信号に変換して復調する受信装置を想定した送受信方法であって、
前記送信信号の送信側は、前記第1の周波数帯域として、他で使用されている第1の周波数帯域と隣接する第1の周波数帯域を用いて該送信信号を送信し、
前記受信装置は、前記隣接する第1の周波数帯域の送信信号を受信する場合に、前記第2の受信信号の生成に用いる前記ローカル周波数信号の周波数を動的に変更させて判別した最適な周波数の該ローカル周波数信号を用いて該第2の受信信号を生成し復調する、
ことを特徴とする送受信方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−206812(P2009−206812A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−46845(P2008−46845)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】