説明

受信装置、受信方法、およびプログラム

【課題】BSデジタル放送による地上デジタル放送の同時再送信が行われた場合において、BSデジタル放送で同時再送信されるテレビジョン番組よりも地上デジタル放送で放送されるテレビジョン番組を優先して受信する。
【解決手段】この地上波再送信の受信設定画面で「オート」61が選択された場合、地上デジタル放送が受信できない場合に限って、地上デジタル放送の同時再送信か行われるBSデジタル放送のチャンネルを表示する(受信対象としてユーザに提示する)ようにする。具体的には、当該チャンネルのBSデジタル放送用の選局DBにおける表示フラグをTRUEに設定する。本発明は、例えば、デジタルテレビジョン受像機に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置、受信方法、およびプログラムに関し、特に、地上デジタル放送とBS(Broadcasting Satellite)デジタル放送とで、常時、同一のテレビジョン番組が放送される場合に用いて好適な受信装置、受信方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
日本においては、まもなく地上波を用いたテレビジョン放送がアナログ放送からデジタル放送に完全移行される。この完全移行に伴い、地上デジタル放送の難視聴地域を解消するための方法が数多く提案されている。
【0003】
例えば、その1つの方法として、地上デジタル放送を、ケーブルテレビジョン放送網を用いて再送信することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また例えば、その他の方法として、BSデジタル放送による地上デジタル放送の同時再送信(地上デジタル放送で放送されているチャンネルの番組を、常時、BSデジタル放送においても放送すること)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−355766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
BSデジタル放送による地上デジタル放送の同時再送信が実施された場合、BSデジタル放送を受信することが可能な地域であれば、地上デジタル放送の難視聴地域であっても地上デジタル放送のテレビジョン番組を受信して視聴することが可能となる。
【0007】
しかしながら、地上デジタル放送とBSデジタル放送の両方が元々受信可能な地域にとっては、視聴可能なテレビジョン番組の実質的に増えるわけではなく、同一のテレビジョン番組が重複して受信されることになるので、受信装置(テレビジョン受像機など)のユーザにとってはむしろ操作上の混乱を招く要因にもなり得てしまう。
【0008】
例えば、BSデジタル放送で同時再送信されるテレビジョン番組は、地上デジタル放送で放送されるテレビジョン番組に比較して、その番組内容は当然ながら同一であるものの、対応する番組情報が簡略化されていたり、対応するデータ放送が省かれていたりする。
【0009】
したがって、地上デジタル放送とBSデジタル放送の両方が元々受信可能な地域において使用される受信装置には、BSデジタル放送で同時再送信されるテレビジョン番組よりも地上デジタル放送で放送されるテレビジョン番組を優先して受信する仕組みを備えることが望ましい。
【0010】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、BSデジタル放送による地上デジタル放送の同時再送信が行われた場合において、BSデジタル放送で同時再送信されるテレビジョン番組よりも地上デジタル放送で放送されるテレビジョン番組を優先して受信できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一側面である受信装置は、地上デジタル放送を受信する第1の受信手段と、BSデジタル放送を受信する第2の受信手段と、前記BSデジタル放送における前記地上デジタル放送の同時再送信チャンネルの受信に関するユーザから設定を受け付ける設定手段と、前記設定に応じ、前記同時再送信チャンネルの受信を制限する制御手段とを含む。
【0012】
前記設定手段は、前記同時再送信チャンネルの受信に関するユーザから設定として、「オート」、「受信する」、または「受信しない」の3択を受け付けるようにすることができる。
【0013】
前記制限手段は、記設定が「オート」である場合、前記地上デジタル放送が受信可能であるときには、前記同時再送信チャンネルを受信させないようにすることができる。
【0014】
前記制御手段は、前記設定に応じ、前記同時再送信チャンネルを受信させないとともに、前記同時再送信チャンネルに対応する情報を、番組表画面および各種設定画面に表示させないようにすることができる。
【0015】
本発明の一側面である受信装置は、受信された番組情報を保持する保持手段をさらに含むことができ、前記制御手段は、前記設定に応じ、前記同時再送信チャンネルに対応する前記番組情報を、前記保持手段に保持させることなく破棄させるようにすることができる。
【0016】
本発明の一側面である受信方法は、地上デジタル放送を受信する第1の受信手段と、BSデジタル放送を受信する第2の受信手段とを備える受信装置の受信方法において、前記BSデジタル放送における前記地上デジタル放送の同時再送信チャンネルの受信に関するユーザから設定を受け付け、前記設定に応じ、前記同時再送信チャンネルの受信を制限するステップを含む。
【0017】
本発明の一側面であるプログラムは、地上デジタル放送を受信する第1の受信手段と、BSデジタル放送を受信する第2の受信手段とを備える受信装置の制御用のプログラムであって、前記BSデジタル放送における前記地上デジタル放送の同時再送信チャンネルの受信に関するユーザから設定を受け付け、前記設定に応じ、前記同時再送信チャンネルの受信を制限するステップを含む処理を受信装置のコンピュータに実行させる。
【0018】
本発明の一側面においては、BSデジタル放送における地上デジタル放送の同時再送信チャンネルの受信に関するユーザから設定が受け付けられ、前記設定に応じ、同時再送信チャンネルの受信が制限される。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一側面によれば、BSデジタル放送による地上デジタル放送の同時再送信が行われた場合において、BSデジタル放送で同時再送信されるテレビジョン番組よりも地上デジタル放送で放送されるテレビジョン番組を優先して受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明を適用したデジタルテレビジョン受信装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】制御部によって実行される各種プログラムの関係を示す図である。
【図3】選局DBのデータ構造を示す図である。
【図4】地上波再送信の受信設定画面の表示例を示す図である。
【図5】設定変更時の処理を説明するフローチャートである。
【図6】BS NIT更新時の処理を説明するフローチャートである。
【図7】スキャン時の処理を説明するフローチャートである。
【図8】3桁入力選局時の処理を説明するフローチャートである。
【図9】チャンネルアップダウン選局時の処理を説明するフローチャートである。
【図10】EIT受信時の処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態と称する)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
1.第1の実施の形態
【0022】
<1.第1の実施の形態>
[デジタルテレビジョン受信装置の構成例]
図1は、本発明の一実施の形態であるデジタルテレビジョン受信装置の構成例を示すブロック図である。このデジタルテレビジョン受信装置10は、少なくとも地上デジタル放送、BSデジタル放送、およびCSデジタル放送を受信し、その映像と音声をテレビジョン受像機などに出力するものである。
【0023】
デジタルテレビジョン受信装置10は、制御部11、メモリ12、操作入力部13、チューナ14、デスクランブラ15、デマルチプレクサ16、AVデコーダ17から構成される。
【0024】
制御部11は、メモリ12に予め保持されている各種のプログラムを実行することにより、デジタルテレビジョン受信装置10の各部を制御する。メモリ12には、アプリケーションプログラム、ミドルウェアプログラム、およびドライバ(いずれも図2を参照して後述する)が予め保持されている。
【0025】
操作入力部13は、リモートコントローラなどを用いたユーザからの操作に対応して操作信号を発生し制御部11に入力する。
【0026】
チューナ14は、アンテナ(不図示)などより入力される放送信号のうち、選局されたチャンネルに対応する成分を抽出してデスクランブラ15に出力する。なお、図示は省略したが、チューナ14には、地上デジタル放送を受信する部位、BSデジタル放送を受信する部位、およびCSデジタル放送を受信する部位がそれぞれ設けられている。
【0027】
デスクランブラ15は、チューナ14から入力される所定のチャンネルの放送信号のスクランブルを解除してデマルチプレクサ16に出力する。
【0028】
デマルチプレクサ16は、スクランブルが解除された放送信号から符号化されているビデオデータおよびオーディオデータを分離してAVデコーダ17に出力する。また、デマルチプレクサ16は、放送信号からNIT(network information table)、EPG(electric program guide)データなどを含む制御情報を分離して制御部11に出力する。
【0029】
AVデコーダ17は、デマルチプレクサ16から入力されるビデオデータおよびオーディオデータをそれぞれデコードし、その結果得られるビデオ信号およびオーディオ信号を出力する。このビデオ信号およびオーディオ信号は、例えばテレビジョン受像機などに入力されてその映像が表示されるとともに、音声が出力される。
【0030】
図2は、メモリ12に予め保持されている、制御部11によって実行される各種プログラムを示している。
【0031】
メモリ12には、スキャンAP21、受信設定AP22、および選局AP23からなるアプリケーションプログラム群、選局MW31、番組表MW32、選局BD(データベース)31および番組情報DB32からなるミドルウェアが保持されている。さらに、メモリ12には、チューナドライバ41、デマルチプレクサドライバ42、およびAVデコーダドライバ43からなるドライバ群が保持されている。
【0032】
スキャンAP21は、ユーザからのスキャン指示操作に応じ、選局MW31に対してチャンネルスキャンの制御を指示する。受信設定AP22は、ユーザからの受信設定操作に応じ、選局MW31を制御して受信に関する各種の設定を変更させる。選局AP23は、ユーザからの選局操作に応じ、選局MW31に対して選局の制御を指示する。
【0033】
選局MW31は、各アプリケーションプログラムからの制御に従い、選局BD33を参照することによりチャンネルスキャン、受信設定変更、選局などの処理を実行するように各ドライバを制御する。番組表MW32は、番組情報DB34を参照することにより、電子番組表を生成する。
【0034】
選局DB33には、選局MW31によって変更される受信設定情報が保持される。番組情報DB34には、EPGデータなどの番組情報が保持される。
【0035】
チューナドライバ41は、選局MW31からの制御に従い、チューナ14を動作させる。
デマルチプレクサドライバ42は、選局MW31からの制御に従い、デマルチプレクサ16を動作させる。AVデコーダドライバ43は、選局MW31からの制御に従い、AVデコーダ17を動作させる。
【0036】
次に、選局DB33について詳述する。
【0037】
図3は、選局DB33のデータ構成を示している。選局DB33は、地上デジタル放送用の選局DB33−G、CSデジタル放送用の選局DB33−C、およびBSデジタル放送用の選局DB33−Bから構成される。各放送用の選局DBは、放送信号に含まれるNITに基づいて構築される。
【0038】
BSデジタル放送用の選局DB33−Bには、各チャンネルに対してnetwork_id,ts_id,service_id、プリセット、周波数,CH±キーフラグ、および表示フラグの8項目の情報が記述される。
【0039】
network_id,ts_id、およびservice_idは、当該チャンネルに対して放送規格により規定されている値である。
【0040】
なお、BSデジタル放送による地上デジタル放送の同時再送信が行われた場合、BSデジタル放送における当該チャンネルのts_idは、現状において、0x4310または0x4311と規定されている。今後、当該チャンネルのトランスポンダが移動されることを考慮すると、0x42XX乃至0x43XX(XXは任意の値)が、BSデジタル放送による地上デジタル放送の同時再送信のチャンネルのts_idになると考えられる。
【0041】
したがって、本実施の形態においては、ts_idが0x42XX乃至0x43XXのチャンネルをBSデジタル放送による地上デジタル放送の同時再送信のチャンネルとして扱う。ただし、BSデジタル放送による地上デジタル放送の同時再送信のチャンネルのts_idが0x42XX乃至0x43XXから変更された場合、変更後のts_idに従うものとする。
【0042】
プリセットは、当該チャンネルに対して予め割り振られている、リモートコントローラを用いたときのダイレクト選局時の番号(テンキーの1乃至10のうちのいずれかの値)である。周波数は、当該チャンネルの中心周波数である。
【0043】
CH±キーフラグは、リモートコントローラのチャンネルアップキーまたはチャンネルダウンキーが操作されたときに、当該チャンネルが選局されるか(TRUE)、または当該チャンネルが選局されずにスキップされるか(FALSE)を示す情報である。
【0044】
表示フラグは、当該チャンネルを存在するものとして扱うか(TRUE)、または当該チャンネルが存在しないものとして扱うか(FALSE)を示す情報である。当該チャンネルが存在しないものとして扱う場合、当該チャンネルは、リモートコントローラのテンキーによる3桁入力でも選局できなくなることに加え、当該選局DB以外の各種の設定などにおいてもその存在がないものとしてリストから消去される。
【0045】
上述したBSデジタル放送用の選局DB33−Bの8項目のうち、表示フラグ以外については、放送信号に含まれるNITに従って記述される。表示フラグについては、後述するように、選局MW31の判断に基づいて記述される。
【0046】
次に、図4は、BSデジタル放送による地上デジタル放送の同時再送信が行われた場合、BSデジタル放送におけるそのチャンネルを受信するか否かをユーザが設定するための設定画面の表示例を示している。
【0047】
この地上波再送信の受信設定画面60には、選択肢として「オート」61、「受信する」62、および「受信しない」63が設けられている。
【0048】
「オート」61が選択された場合、地上デジタル放送が受信できない場合に限って、地上デジタル放送の同時再送信か行われるBSデジタル放送のチャンネルを表示する(受信対象としてユーザに提示する)ようにする。具体的には、当該チャンネルのBSデジタル放送用の選局DB33−Bにおける表示フラグをTRUEに設定する。
【0049】
「受信する」62が選択された場合、地上デジタル放送の受信の可否に拘わらず、地上デジタル放送の同時再送信が行われるBSデジタル放送のチャンネルを表示する(受信対象としてユーザに提示する)ようにする。具体的には、当該チャンネルのBSデジタル放送用の選局DB33−Bにおける表示フラグをTRUEに設定する。
【0050】
「受信しない」63が選択された場合、地上デジタル放送の受信の可否に拘わらず、地上デジタル放送の同時再送信が行われるBSデジタル放送のチャンネルを表示しない(受信対象としてユーザに提示しない)ようにする。具体的には、当該チャンネルのBSデジタル放送用の選局DB33−Bにおける表示フラグをFALSEに設定する。
【0051】
[デジタルテレビジョン受信装置の動作]
次に、図4に示された地上波再送信の受信設定画面60において、地上波再送信の受信設定が変更されたときの処理(以下、設定変更時の処理と称する)について説明する。
【0052】
図5は、設定変更時の処理を説明するフローチャートである。この設定変更時の処理は、ユーザが地上波再送信の受信設定画面60において、地上波再送信の受信設定を変更したときに実行される。
【0053】
ステップS1において、受信設定AP22は、受信設定画面60における変更後の設定が「オート」61、「受信する」62、または「受信しない」63のいずれであるかを判定する。
【0054】
ステップS1において、受信設定画面60における変更後の設定が「オート」61であると判定された場合、処理はステップS2に進められる。ステップS2において、選局MW31は、選局DB33を参照することにより、既に地上波の選局DB33−Gを作成済みであるか(すなわち、地上デジタル放送はチャンネルスキャン済みであるか)否かを判定する。
【0055】
ステップS2において、既に地上波の選局DB33−Gを作成済みである(すなわち、地上デジタル放送はチャンネルスキャン済みである)と判定された場合、処理はステップS3に進められる。
【0056】
なお、ステップS1において、受信設定画面60における変更後の設定が「受信しない」63であると判定された場合には、ステップS2がスキップされて、処理はステップS3に進められる。
【0057】
ステップS3において、選局MW31は、選局DB33のBSの選局DB33−Bにおける、ts_idが0x42XX乃至0x43XXのチャンネル(BSデジタル放送による地上デジタル放送の同時再送信のチャンネル)の表示フラグをFALSEに設定する。
【0058】
このステップS3の処理により、BSデジタル放送による地上デジタル放送の同時再送信のチャンネルがユーザに対して提示されないようになる。
【0059】
反対に、ステップS2において、既に地上波の選局DB33−Gを作成済みではない(すなわち、地上デジタル放送はチャンネルスキャン済みではない)と判定された場合、処理はステップS4に進められる。
【0060】
また、ステップS1において、受信設定画面60における変更後の設定が「受信する」62であると判定された場合にも、処理はステップS4に進められる。
【0061】
ステップS4において、選局MW31は、BSの選局DB33−Bにおける、ts_idが0x42XX乃至0x43XXのチャンネル(BSデジタル放送による地上デジタル放送の同時再送信のチャンネル)の表示フラグをTRUEに設定する。
【0062】
このステップS4の処理により、BSデジタル放送による地上デジタル放送の同時再送信のチャンネルが常にユーザに対して提示されるようになる。
【0063】
以上で、設定変更時の処理の説明を終了する。
【0064】
次に、BSデジタル放送におけるNITが更新されたときの処理(以下、BS NIT更新時の処理と称する)について説明する。
【0065】
図6は、BS NIT更新時の処理を説明するフローチャートである。このBS NIT更新時の処理は、受信したBSデジタル放送のNITのバージョンがそれまでと異なる場合に実行される。
【0066】
ステップS11において、受信設定AP22は、受信設定画面60における現在の設定が「オート」61、「受信する」62、または「受信しない」63のいずれであるかを判定する。
【0067】
ステップS11において、受信設定画面60における現在の設定が「オート」61であると判定された場合、処理はステップS12に進められる。ステップS12において、選局MW31は、選局DB33を参照することにより、既に地上波の選局DB33−Gを作成済みであるか(すなわち、地上デジタル放送はチャンネルスキャン済みであるか)否かを判定する。
【0068】
ステップS12において、既に地上波の選局DB33−Gを作成済みである(すなわち、地上デジタル放送はチャンネルスキャン済みである)と判定された場合、処理はステップS13に進められる。
【0069】
なお、ステップS11において、受信設定画面60における現在の設定が「受信しない」63であると判定された場合には、ステップS12がスキップされて、処理はステップS13に進められる。
【0070】
ステップS13において、選局MW31は、選局DB33のBSの選局DB33−Bにおける、ts_idが0x42XX乃至0x43XXのチャンネル(BSデジタル放送による地上デジタル放送の同時再送信のチャンネル)の表示フラグをFALSEに設定する。
【0071】
このステップS13の処理により、BSデジタル放送による地上デジタル放送の同時再送信のチャンネルがユーザに対して提示されないようになる。
【0072】
反対に、ステップS12において、既に地上波の選局DB33−Gを作成済みではない(すなわち、地上デジタル放送はチャンネルスキャン済みではない)と判定された場合、処理はステップS14に進められる。
【0073】
また、ステップS11において、受信設定画面60における現在の設定が「受信する」62であると判定された場合にも、処理はステップS14に進められる。
【0074】
ステップS14において、選局MW31は、BSの選局DB33−Bにおける、ts_idが0x42XX乃至0x43XXのチャンネル(BSデジタル放送による地上デジタル放送の同時再送信のチャンネル)の表示フラグをTRUEに設定する。
【0075】
このステップS14の処理により、BSデジタル放送による地上デジタル放送の同時再送信のチャンネルが常にユーザに対して提示されるようになる。
【0076】
以上で、BS NIT更新時の処理の説明を終了する。
【0077】
次に、地方デジタル放送のチャンネルスキャンを実行したときの処理(以下、スキャン時の処理と称する)について説明する。
【0078】
図7は、スキャン時の処理を説明するフローチャートである。このスキャン時の処理は、例えば、初期設定時などの他、ユーザから地方デジタル放送のチャンネルスキャンの実行を指示されたときに開始される。
【0079】
ステップS21において、スキャンAP21は、選局MW31を制御して地方デジタル放送のチャンネルスキャンを実行するように指示する。この指示に応じ、選局MW31は、チューナドライバ41を用い、チューナ14に対して地方デジタル放送のチャンネルスキャンを実行させる。
【0080】
ステップS22において、選局MW31は、ステップS22のチャンネルスキャンにおいて、地上デジタル放送を受信できたか否かを判定し、受信できたと判定した場合、処理をステップS23に進める。なお、ステップS22において、地上デジタル放送を受信できないと判定された場合、このスキャン時の処理は終了される。
【0081】
ステップS23において、選局MW31は、チャンネルスキャンの結果に基づいて、地上波の選局DB33−Gを作成(あるいは更新)する。
【0082】
ステップS24において、選局MW31は、地上波再送信の受信設定画面60における設定が「オート」61であるか否かを判定し、「オート」61であると判定した場合のみ、処理をステップS25に進める。なお、ステップS24において、地上波再送信の受信設定画面60における設定が「オート」61ではないと判定された場合、このスキャン時の処理は終了される。
【0083】
ステップS25において、選局MW31は、BSの選局DB33−Bにおける、ts_idが0x42XX乃至0x43XXのチャンネル(BSデジタル放送による地上デジタル放送の同時再送信のチャンネル)の表示フラグをFALSEに設定する。
【0084】
このステップS25の処理により、BSデジタル放送による地上デジタル放送の同時再送信のチャンネルがユーザに対して提示されないようになる。
【0085】
次に、ユーザがリモートコントローラを用いて選局指示を行ったときの処理について説明する。ユーザによる選局指示は、テンキーを1つだけ押すダイレクト選局、テンキーにより3桁(service_id)を入力する3桁入力選局、およびチャンネルアップキーやチャンネルダウンキーによるチャンネルアップダウン選局がある。
【0086】
図8は、ユーザがリモートコントローラに設けられているテンキーにより3桁を入力する3桁入力選局を行ったときに実行される処理(以下、3桁入力選局時の処理と称する)を説明するフローチャートである。
【0087】
ステップS31において、選局MW31は、ユーザによるテンキーの入力結果(3桁の番号)を取得する。ステップS32において、選局MW31は、選局DB33を参照して、入力された3桁の番号と同じservice_idのチャンネルが存在するか否かを判定し、存在すると判定した場合、処理をステップS33に進める。
【0088】
ステップS33において、選局MW31は、ステップS32で存在すると判定したチャンネルの表示フラグがTRUEであるか否かを判定し、表示フラグがTRUEであると判定した場合、処理をステップS34に進める。ステップS34において、選局MW31は、チューナドライバ41を用い、チューナ14に対して、ステップS32で存在すると判定したチャンネルに選局させる。以上で、3桁入力選局時の処理は終了される。
【0089】
なお、ステップS32において、ステップS32において、選局DB33に、入力された3桁の番号と同じservice_idのチャンネルが存在しないと判定された場合、処理はステップS35に進められる。
【0090】
また、ステップS33において、表示フラグがTRUEではないと判定された場合にも、処理はステップS35に進められる。
【0091】
ステップS35において、選局MW31は、選局の変更を実行せず、ユーザに対して例えば「選局先が見つかりません」などのメッセージを表示する。以上で、3桁入力選局時の処理は終了される。
【0092】
以上説明した3桁入力選局時の処理によれば、ユーザがBSデジタル放送における地上波再送信のチャンネルを入力したとしても、BSの選局DB33−Bの表示フラグの状態に応じ、BSデジタル放送における地上波再送信のチャンネルを表示しないようにすることができる。
【0093】
次に、図9は、ユーザがリモートコントローラに設けられているチャンネルアップキーやチャンネルダウンキーにより選局を指示したときに実行される処理(以下、チャンネルアップダウン選局時の処理と称する)を説明するフローチャートである。
【0094】
ステップ41において、選局MW31は、ユーザによる入力結果として、チャンネルアップキーが操作されたのか、チャンネルダウンキーが操作されたのかを示す情報を取得する。ステップS42において、選局MW31は、選局DB33に対し、現在選局されているチャンネルに対応するservice_idの次のservice_idを問い合わせる。この問い合わせに応じ、選局DB33は、次のservice_idを選局MW31に通知する。
【0095】
ここで、次のservice_idとは、チャンネルアップキーが操作された場合には、現在選局されているチャンネルに対応するservice_idよりも値が大きい方に隣接するservice_idをさす。ただし、現在選局されているチャンネルに対応するservice_idが最大値である場合、最小値を次のservice_idとする。
【0096】
反対に、チャンネルダウンキーが操作された場合には、現在選局されているチャンネルに対応するservice_idよりも値が小さい方に隣接するservice_idをさす。ただし、現在選局されているチャンネルに対応するservice_idが最小値である場合、最大値を次のservice_idとする。
【0097】
また、現在選局されているチャンネル以外のチャンネルが存在しない場合、次のservice_idとして、現在選局されているチャンネルのservice_idが通知されるものとする。
【0098】
ステップS43において、選局MW31は、現在選局されているチャンネルのservice_idと、選局DB33から通知された次のservice_idとが一致するか否かを判定する。両者が一致すると判定された場合、選局先のチャンネルが存在しないので、このチャンネルアップダウン選局時の処理は終了される。
【0099】
両者が一致しないと判定された場合、処理はステップS44に進められる。ステップS44において、選局MW31は、選局DB33を参照し、次のservice_idに対応するCH±キーフラグがTRUEであるか否かを判定する。TRUEであると判定した場合、さらに、選局MW31は、ステップS45において、次のservice_idに対応する表示フラグがTRUEであるか否かを判定する。TRUEであると判定された場合、処理はステップS46に進められる。
【0100】
ステップS46において、選局MW31は、チューナドライバ41を用い、チューナ14に対して、通知された次のservice_idに対応するチャンネルに選局させる。以上で、チャンネルアップダウン選局時の処理は終了される。
【0101】
なお、ステップS44において、次のservice_idに対応するCH±キーフラグがTRUEではないと判定した場合、あるいは、ステップS45において、次のservice_idに対応する表示フラグがTRUEではないと判定された場合、処理はステップS47に進められる。
【0102】
ステップS47において、選局MW31は、さらに選局DB33に対し、現在通知されている次のservice_idの、次のservice_idを問い合わせる。この問い合わせに応じ、選局DB33は、新たに次のservice_idを選局MW31に通知する。この後、処理はステップS43に戻り、それ以降が繰り返される。
【0103】
以上説明したチャンネルアップダウン選局時の処理によれば、ユーザがチャンネルアップダウン選局を指示した場合、BSデジタル放送における地上波再送信のチャンネルが存在しても、BSの選局DB33−Bの表示フラグの状態に応じ、BSデジタル放送における地上波再送信のチャンネルを表示しないようにすることができる。
【0104】
最後に、BSデジタル放送における地上波再送信のチャンネルに関するEIT(event information table)を受信したときの処理(以下、EIT受信時の処理と称する)について説明する。
【0105】
図10は、EITを受信したときに実行されるEIT受信時の処理を説明するフローチャートである。
【0106】
ステップS51において、番組表MW32は、受信したEITのnetwork_id,ts_id,service_idを特定する。ステップS52において、番組表MW32は、ステップS51で特定したnetwork_id,ts_id,service_idに対応する表示フラグを選局DB33から取得する。
【0107】
ステップS53において、番組表MW32は、ステップS52で取得した表示フラグがTRUEであるか否かを判定する。TRUEであると判定された場合、処理はステップS54に進められる。ステップS54において、番組表MW32は、受信されたEITを解析して、解析結果として得られる番組情報を番組情報DB34に蓄積させる。
【0108】
反対に、ステップS53において、ステップS52で取得した表示フラグがTRUEではないと判定された場合、処理はステップS55に進められる。
【0109】
ステップS55において、番組表MW32は、受信されたEITを破棄させる。以上で、EIT受信時の処理は終了される。
【0110】
以上説明したEIT受信時の処理によれば、ユーザに対して表示しないチャンネル(すなわち、表示フラグがFALSEのチャンネル)のEITは破棄するようにしたので、番組DB34の容量を節約することができる。
【0111】
以上説明したように、本実施の形態であるデジタルテレビジョン受信装置によれば、BSデジタル放送による地上デジタル放送の同時再送信が行われた場合において、ユーザの設定に応じ、当該同時再送信のチャンネルをユーザに提示しないようにすることができる。よって、BSデジタル放送で同時再送信されるテレビジョン番組よりも地上デジタル放送で放送されるテレビジョン番組を優先して受信し、ユーザに視聴させることができる。
【0112】
なお、本発明は、本実施の形態であるデジタルテレビジョン受信装置の他、デジタルテレビジョン受像機に代表される地上デジタル放送およびBSデジタル放送を受信可能な電子機器に適用することができる。
【0113】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0114】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0115】
10 デジタルテレビジョン受信装置, 11 制御部, 12 メモリ, 13 操作入力部, 14 チューナ, 21 スキャンAP, 22 受信設定AP, 23 選局AP, 31 選局MW, 32 番組表MW, 33 選局DB, 34 番組情報DB, 41 チューナドライバ, 42 デマルチプレクサドライバ, 43 AVデコーダドライバ, 60 受信設定画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上デジタル放送を受信する第1の受信手段と、
BS(Broadcasting Satellite)デジタル放送を受信する第2の受信手段と、
前記BSデジタル放送における前記地上デジタル放送の同時再送信チャンネルの受信に関するユーザから設定を受け付ける設定手段と、
前記設定に応じ、前記同時再送信チャンネルの受信を制限する制御手段と
を含む受信装置。
【請求項2】
前記設定手段は、前記同時再送信チャンネルの受信に関するユーザから設定として、「オート」、「受信する」、または「受信しない」の3択を受け付ける
請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記制限手段は、記設定が「オート」である場合、前記地上デジタル放送が受信可能であるときには、前記同時再送信チャンネルを受信させない
請求項2に記載の受信装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記設定に応じ、前記同時再送信チャンネルを受信させないとともに、前記同時再送信チャンネルに対応する情報を、番組表画面および各種設定画面に表示させない
請求項1または2に記載の受信装置。
【請求項5】
受信された番組情報を保持する保持手段を
さらに含み、
前記制御手段は、前記設定に応じ、前記同時再送信チャンネルに対応する前記番組情報を、前記保持手段に保持させることなく破棄させる
請求項1または2に記載の受信装置。
【請求項6】
地上デジタル放送を受信する第1の受信手段と、
BS(Broadcasting Satellite)デジタル放送を受信する第2の受信手段とを備える受信装置の受信方法において、
前記BSデジタル放送における前記地上デジタル放送の同時再送信チャンネルの受信に関するユーザから設定を受け付け、
前記設定に応じ、前記同時再送信チャンネルの受信を制限する
ステップを含む受信方法。
【請求項7】
地上デジタル放送を受信する第1の受信手段と、
BS(Broadcasting Satellite)デジタル放送を受信する第2の受信手段とを備える受信装置の制御用のプログラムであって、
前記BSデジタル放送における前記地上デジタル放送の同時再送信チャンネルの受信に関するユーザから設定を受け付け、
前記設定に応じ、前記同時再送信チャンネルの受信を制限する
ステップを含む処理を受信装置のコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−178261(P2010−178261A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−21298(P2009−21298)
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】