説明

受信装置及び方法、情報配信装置及び方法、並びに情報配信システム

【課題】情報配信時の電力系統の負荷を軽減する。
【解決手段】電力供給情報通知部は、コンテンツを配信する情報配信装置から通知される、配信時間帯に配信周波数帯域を利用して配信されるコンテンツの配信情報に基づいて、コンテンツを受信する際の電力供給量と電力供給時間に関する情報を含む電力供給情報を、電力系統の電力供給を監視制御する監視制御装置に通知し、制御部は、監視制御装置による電力供給情報に基づいた電力供給の可否の評価によって配信時間帯における電力供給が確保される場合、通知された配信情報に基づいて、コンテンツを受信可能な状態に制御し、コンテンツ受信部は、情報配信装置から配信されるコンテンツを受信する。本技術は、例えば、コンテンツの配信を行うコンテンツ配信システムに適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、受信装置及び方法、情報配信装置及び方法、並びに情報配信システムに関し、特に、情報配信時の電力系統の負荷を軽減することができるようにした受信装置及び方法、情報配信装置及び方法、並びに情報配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報通信手段の発展により、各種の情報通信手段を利用してコンテンツなどの情報を配信するサービスが普及している。その影響により、データ通信のトラフィック量が増加の一途をたどっており、この急増するトラフィックに対処するための手段が求められている。
【0003】
その一つの手段として、コグニティブ無線と称される、端末装置や基地局が無線環境を認識し、利用する通信システムや周波数を動的に切り替えることで、周波数の有効利用を可能にする技術が提案されている。このコグニティブ無線では、既存の無線システムに割り当てられている周波数を別の無線システムで利用する周波数共用型のシステムの実用化が進められている。
【0004】
例えば、既存の無線システムに割り当てられているが、その地域では使用されていない、あるいは利用時間が限られている周波数帯域を、別の無線システムで使用できるようにするものである。特に、米国では、テレビジョン放送の空きチャンネル、いわゆるTVホワイトスペースを活用するための技術として実用化が進められている(例えば非特許文献1参照)。
【0005】
非特許文献1には、各地域ごとに利用できる周波数と時間帯とを登録したデータベース(ホワイトスペースデータベース:WSDB(White Space Data Base))を設置し、無線デバイス(TVBD(TV Band Devices))が現在位置に基づいて、その周波数が使用できるか否かを照会する仕組みについて記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】藤井宏治、“電波利用のムダなくす、ホワイトスペース活用のコア技術”、[online]、ビジネスネットワーク.jp、[平成23年5月2日検索]、インターネット<URL:http://businessnetwork.jp/tabid/65/artid/110/page/2/Default.aspx>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、テレビジョン放送に代表される放送メディアは、一斉同報機能を配信特性として有しているが、この配信特性を最大限に生かすためには、一斉同報されるデータを同時に受信している端末装置の数を最大にする必要がある。
【0008】
この一斉同時受信性能を向上させるためには、同時に起動されている端末装置の数を最大にすればよいことになるが、同時に起動している端末装置の増加に伴い、電力需要が急増して、電力系統に過大な負荷を与える可能性がある。
【0009】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、情報配信時の電力系統の負荷を軽減することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本技術の第1の側面の受信装置は、コンテンツを配信する情報配信装置から通知される、配信時間帯に配信周波数帯域を利用して配信される前記コンテンツの配信情報に基づいて、前記コンテンツを受信する際の電力供給量と電力供給時間に関する情報を含む電力供給情報を、電力系統の電力供給を監視制御する監視制御装置に通知する電力供給情報通知部と、前記監視制御装置による前記電力供給情報に基づいた電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保される場合、通知された前記配信情報に基づいて、前記コンテンツを受信可能な状態に制御する制御部と、前記情報配信装置から配信される前記コンテンツを受信するコンテンツ受信部とを備える。
【0011】
前記電力供給情報通知部は、前記監視制御装置による前記電力供給情報に基づいた電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保できない場合、前記情報配信装置から再通知される配信情報に基づいて、前記電力供給情報を前記監視制御装置に通知する。
【0012】
前記制御部は、通知された前記配信情報に基づいて、前記情報配信装置から配信される前記コンテンツの中から所望のコンテンツを選択し、前記電力供給情報通知部は、選択された前記コンテンツに関する前記電力供給情報を通知する。
【0013】
前記制御部は、選択された前記コンテンツの配信情報に基づいて、前記情報配信装置から前記コンテンツが配信される直前になったとき、前記受信装置を起動させて、前記コンテンツを受信可能な状態にする。
【0014】
前記配信時間帯と前記配信周波数帯域は、所定の各地域における時間帯ごとの周波数帯域の利用状況に関する周波数利用状況情報を基に決定される。
【0015】
本技術の第1の側面の受信方法は、前述した本技術の第1の側面の受信装置に対応する受信方法である。
【0016】
本技術の第1の側面の受信装置及び方法においては、コンテンツを配信する情報配信装置から通知される、配信時間帯に配信周波数帯域を利用して配信されるコンテンツの配信情報に基づいて、コンテンツを受信する際の電力供給量と電力供給時間に関する情報を含む電力供給情報が、電力系統の電力供給を監視制御する監視制御装置に通知され、監視制御装置による電力供給情報に基づいた電力供給の可否の評価によって配信時間帯における電力供給が確保される場合、通知された配信情報に基づいて、コンテンツが受信可能な状態に制御され、情報配信装置から配信されるコンテンツが受信される。
【0017】
本技術の第2の側面の情報配信装置は、配信するコンテンツを取得するコンテンツ取得部と、所定の各地域における時間帯ごとの周波数帯域の利用状況に関する周波数利用状況情報を取得する周波数利用状況情報取得部と、取得した前記周波数利用状況情報に基づいて、取得した前記コンテンツを配信する配信時間帯と、その配信に利用する配信周波数帯域を評価する配信評価部と、前記地域内の複数の受信装置に対して、前記配信時間帯に前記配信周波数帯域を利用して配信される前記コンテンツの配信情報を通知する配信情報通知部と、前記地域内の複数の受信装置が前記配信情報に基づいて前記コンテンツを受信する際の電力供給量と電力供給時間に関する情報を含む電力供給情報を、電力系統の電力供給を監視制御する監視制御装置に通知することで評価される、前記配信時間帯における複数の前記受信装置に対する電力供給の可否の評価結果を受信する電力供給評価結果受信部と、電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保される場合、前記配信時間帯になったとき、前記配信周波数帯域を利用して、取得した前記コンテンツを、前記配信情報に応じて配信可能な状態となった複数の前記受信装置に配信するコンテンツ配信部とを備え、前記配信情報通知部は、電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保できない場合、前記配信時間帯及び前記配信周波数帯のいずれか一方又は双方を変更した前記配信情報を前記地域内の複数の受信装置に対して通知する。
【0018】
前記配信時間帯及び前記配信周波数帯域を評価するときの基準となる評価基準情報を取得する評価基準情報取得部をさらに備え、前記配信評価部は、取得した前記評価基準情報に基づいて、前記配信時間帯及び前記配信周波数帯域を評価する。
【0019】
前記評価基準情報は、より多くの視聴者による前記コンテンツの視聴が見込まれる時間帯のコストを高く評価し、かつ、前記コンテンツの配信ビットレートがより高く見込まれる周波数帯域のコストを高く評価するための基準である。
【0020】
前記評価基準情報は、より多くの視聴者による前記コンテンツの視聴が見込まれる時間帯のコストを高く評価するための基準である。
【0021】
前記評価基準情報は、前記コンテンツの配信ビットレートがより高く見込まれる周波数帯域のコストを高く評価するための基準である。
【0022】
前記周波数利用状況情報取得部は、各地域ごとの前記周波数利用状況情報を管理している情報管理装置から各地域ごとの前記周波数利用状況情報を取得する。
【0023】
前記情報配信装置は、配信装置と管理装置から構成されており、前記配信装置は、前記コンテンツ取得部と、前記コンテンツ配信部とを備え、前記管理装置は、前記周波数利用状況情報取得部と、前記配信評価部と、前記配信情報通知部と、前記電力供給評価結果受信部とを備える。
【0024】
本技術の第2の側面の情報配信方法は、前述した本技術の第2の側面の情報配信装置に対応する情報配信方法である。
【0025】
本技術の第2の側面の情報配信装置及び方法においては、配信するコンテンツが取得され、所定の各地域における時間帯ごとの周波数帯域の利用状況に関する周波数利用状況情報が取得され、取得した周波数利用状況情報に基づいて、取得したコンテンツを配信する配信時間帯と、その配信に利用する配信周波数帯域が評価され、地域内の複数の受信装置に対して、配信時間帯に配信周波数帯域を利用して配信されるコンテンツの配信情報が通知され、地域内の複数の受信装置が配信情報に基づいてコンテンツを受信する際の電力供給量と電力供給時間に関する情報を含む電力供給情報を、電力系統の電力供給を監視制御する監視制御装置に通知することで評価される、配信時間帯における複数の受信装置に対する電力供給の可否の評価結果が受信され、電力供給の可否の評価によって配信時間帯における電力供給が確保される場合、配信時間帯になったとき、配信周波数帯域を利用して、取得したコンテンツが、配信情報に応じて配信可能な状態となった複数の受信装置に配信され、電力供給の可否の評価によって配信時間帯における電力供給が確保できない場合、配信時間帯及び配信周波数帯のいずれか一方又は双方を変更した配信情報が地域内の複数の受信装置に対して通知される。
【0026】
本技術の第3の側面の情報配信システムは、情報配信装置、情報管理装置、複数の受信装置、及び電力系統の電力供給を監視制御する監視制御装置から構成される情報配信システムにおいて、前記情報配信装置は、配信するコンテンツを取得するコンテンツ取得部と、所定の各地域における時間帯ごとの周波数帯域の利用状況に関する周波数利用状況情報を管理している前記情報管理装置から、前記周波数利用状況情報を取得する周波数利用状況情報取得部と、取得した前記周波数利用状況情報に基づいて、取得した前記コンテンツを配信する配信時間帯と、その配信に利用する配信周波数帯域を評価する配信評価部と、前記地域内の複数の前記受信装置に対して、前記配信時間帯に前記配信周波数帯域を利用して配信される前記コンテンツの配信情報を通知する配信情報通知部とを備え、複数の前記受信装置のそれぞれは、前記情報配信装置から通知される、前記配信情報に基づいて、前記コンテンツを受信する際の電力供給量と電力供給時間に関する情報を含む電力供給情報を前記監視制御装置に通知する電力供給情報通知部を備え、前記監視制御装置は、複数の前記受信装置のそれぞれから通知される前記電力供給情報に基づいて、前記配信時間帯における複数の前記受信装置に対する電力供給の可否を評価する電力供給評価部と、評価された電力供給の可否の結果を、前記情報配信装置に通知する電力供給結果通知部とを備え、前記情報配信装置は、さらに、前記監視制御装置から通知される電力供給の可否の結果を受信する電力供給評価結果受信部と、電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保される場合、前記配信時間帯になったとき、前記配信周波数帯域を利用して、取得した前記コンテンツを、前記配信情報に応じて配信可能な状態となった複数の前記受信装置に配信するコンテンツ配信部を備え、前記配信情報通知部は、電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保できない場合、前記配信時間帯及び前記配信周波数帯のいずれか一方又は双方を変更した前記配信情報を前記地域内の複数の受信装置に対して通知し、前記受信装置のそれぞれは、さらに、電力供給の可否の評価によって配信時間帯における電力供給が確保される場合、通知された前記配信情報に基づいて、前記コンテンツを受信可能な状態に制御する制御部と、前記情報配信装置から配信される前記コンテンツを受信するコンテンツ受信部とを備える。
【0027】
情報配信装置、情報管理装置、複数の受信装置、監視制御装置は、独立した装置であってもよいし、1つの装置を構成している内部ブロックであってもよい。
【0028】
本技術の第3の側面の情報配信システムは、情報配信装置によって、配信するコンテンツが取得され、所定の各地域における時間帯ごとの周波数帯域の利用状況に関する周波数利用状況情報を管理している情報管理装置から、周波数利用状況情報が取得され、取得した周波数利用状況情報に基づいて、取得したコンテンツを配信する配信時間帯と、その配信に利用する配信周波数帯域が評価され、地域内の複数の受信装置に対して、配信時間帯に配信周波数帯域を利用して配信されるコンテンツの配信情報が通知され、複数の受信装置によって、情報配信装置から通知される、配信情報に基づいて、コンテンツを受信する際の電力供給量と電力供給時間に関する情報を含む電力供給情報が監視制御装置に通知され、監視制御装置によって、複数の受信装置のそれぞれから通知される電力供給情報に基づいて、配信時間帯における複数の受信装置に対する電力供給の可否が評価され、評価された電力供給の可否の結果が、情報配信装置に通知され、情報配信装置によって、監視制御装置から通知される電力供給の可否の結果が受信され、電力供給の可否の評価によって配信時間帯における電力供給が確保される場合、配信時間帯になったとき、配信周波数帯域を利用して、取得したコンテンツが、配信情報に応じて配信可能な状態となった複数の受信装置に配信され、電力供給の可否の評価によって配信時間帯における電力供給が確保できない場合、配信時間帯及び配信周波数帯のいずれか一方又は双方を変更した配信情報が地域内の複数の受信装置に対して通知され、受信装置のそれぞれは、さらに、電力供給の可否の評価によって配信時間帯における電力供給が確保される場合、通知された配信情報に基づいて、コンテンツが受信可能な状態に制御され、情報配信装置から配信されるコンテンツが受信される。
【発明の効果】
【0029】
本技術の第1の側面乃至第3の側面によれば、情報配信時の電力系統の負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本技術のコンテンツ配信システムの一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】ブロードキャストサーバの構成例を示す図である。
【図3】ブロードキャストリソース管理サーバの構成例を示す図である。
【図4】WSDBの構成例を示す図である。
【図5】TVBDの構成例を示す図である。
【図6】電力制御サーバの構成例を示す図である。
【図7】コンテンツ配信処理を示すフローチャートである。
【図8】コンテンツ配信処理を示すフローチャートである。
【図9】配信評価処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】共通の空きブロックの特定方法を示す図である。
【図11】コスト評価グラフの評価方法(時間低コストを設定)を示す図である。
【図12】コスト評価グラフの評価方法(周波数低コストを設定)を示す図である。
【図13】コスト評価グラフの評価方法(時間高コスト、周波数低コストを設定)を示す図である。
【図14】コンテンツ選択の画面例を示す図である。
【図15】配信スケジュール再通知処理を示すフローチャートである。
【図16】本技術のコンテンツ配信システムの一実施の形態の他の構成を示す図である。
【図17】本技術のコンテンツ配信システムの一実施の形態のさらに他の構成を示す図である。
【図18】コンピュータの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本技術の実施の形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.第3の実施の形態
4.変形例
【0032】
<1.第1の実施の形態>
[コンテンツ配信システムの構成]
図1は、本技術のコンテンツ配信システムの一実施の形態の構成を示す図である。
【0033】
コンテンツ配信システム1は、ブロードキャストサーバ11、ブロードキャストリソース管理サーバ12、WSDB21−1乃至21−N、及びTVBD31−1乃至31−Mから構成される。また、TVBD31−1乃至31−Mが配置されるユーザ宅5−1乃至5−Mは、電力線を介して電力網6に接続されており、さらに、電力網6には、発電所7、オフィス8、工場9、及び電力制御サーバ41が接続されている。
【0034】
ブロードキャストサーバ11は、コンテンツの配信を行う専用のサーバである。ブロードキャストサーバ11は、サービスプロバイダ3の施設内に配置される。サービスプロバイダ3は、テレビ番組や映画等のコンテンツの配信サービスを提供する事業者である。
【0035】
ブロードキャストサーバ11は、配信するコンテンツを取得し、そのコンテンツの配信スケジュールを、ブロードキャストリソース管理サーバ12に要求する。
【0036】
ブロードキャストリソース管理サーバ12は、コンテンツの配信を管理する専用のサーバである。ブロードキャストリソース管理サーバ12は、サービスプロバイダ3の施設内に配置される。ブロードキャストサーバ11とブロードキャストリソース管理サーバ12は、例えば、同一の施設内に配置され、所定の通信方式により有線又は無線通信することで、各種のデータをやり取りする。
【0037】
ブロードキャストリソース管理サーバ12は、ブロードキャストサーバ11からの要求に応じて、時間帯ごとの周波数帯域の利用状況を、伝送路2を介してWSDB21−1乃至21−Nに問い合わせる。
【0038】
WSDB21−1乃至21−N(N:1,2,・・・,N)は、各地域における時間帯ごとの周波数の利用状況に関する情報(以下、周波数利用状況情報という)を、ホワイトスペースデータベース(WSDB:White Space Data Base)により管理する専用のサーバである。WSDB21−1乃至21−Nは、ネットワークプロバイダ4の施設内に配置される。ネットワークプロバイダ4は、周波数利用状況情報を提供する事業者である。
【0039】
WSDB21−1乃至21−Nは、ブロードキャストリソース管理サーバ12からの問い合わせに応じて、周波数利用状況情報を、伝送路2を介してブロードキャストリソース管理サーバ12に通知する。
【0040】
ブロードキャストリソース管理サーバ12は、WSDB21−1乃至21−Nから通知された周波数利用状況情報に基づいて、コンテンツの配信スケジュールを決定し、ブロードキャストサーバ11に通知する。また、ブロードキャストリソース管理サーバ12は、コンテンツの配信スケジュールを、伝送路2を介してTVBD31−1乃至31−Mに通知する。
【0041】
ブロードキャストサーバ11は、ブロードキャストリソース管理サーバ12から通知された配信スケジュールに基づいて、伝送路2を介してTVBD31−1乃至31−Mに対して、コンテンツをブロードキャスト配信する。
【0042】
TVBD31−1乃至31−M(M:1,2,・・・,M)は、TVバンドデバイス(TVBD:TV Band Devices)と称される、配信されたコンテンツの再生又は蓄積を実行する端末装置(受信装置)である。TVBD31−1乃至31−Mは、それぞれユーザ宅5−1乃至5−Mに配置されて使用される。
【0043】
TVBD31−1乃至31−Mは、ブロードキャストリソース管理サーバ12から通知される配信スケジュールに基づいて、コンテンツの配信を受ける準備をして、コンテンツを受信可能な状態となる。TVBD31−1乃至31−Mは、ブロードキャストサーバ11からコンテンツが配信されてきた場合、そのコンテンツを受信して、再生又は蓄積する。
【0044】
また、ユーザ宅5−1乃至5−Mは、電力線を介して電力網6に接続されており、ユーザ宅内のTVBD等の電子機器は、電力網6からの電力により駆動する。
【0045】
電力網6は、スマートグリッド(Smart Grid)と称される、人工知能や通信機能を搭載した計測機器等を配置して、電力需要を自律的に制御する機能を持たせることにより、人の手を介さずに電力需要を最適化できるようにした電力供給システム(電力系統)である。スマートグリッドは、省エネルギーとコストの削減、さらには信頼性と透明性の向上を目指しており、近年、世界各国で広く注目され、実用化が進められている。
【0046】
電力網6には、発電所7のほか、変電所や変圧器(不図示)などが電力線を介して接続されており、発電所7により発電された電力を、変電所や変圧器を経由して、ユーザ宅5−1乃至5−Mやオフィス8、工場9等の電力需用設備に供給する。
【0047】
電力制御サーバ41は、電力網6における発電所7の発電電力量と、ユーザ宅5−1乃至5−Mなどの電力需用設備の負荷を監視し、その監視結果に応じて、電力の制御を行う専用のサーバである。電力制御サーバ41は、スマートグリッドを提供する事業者10の施設内に配置される。
【0048】
また、電力制御サーバ41は、TVBD31−1乃至31−Mから伝送路2を介して通知される、コンテンツを受信する際に必要となる電力供給量と電力供給時間に関する情報(以下、電力供給情報という)を受信する。電力制御サーバ41は、通知された電力供給情報に基づいて、TVBD31−1乃至31−Mに対する電力供給の可否を評価し、その電力供給の可否の評価結果を、伝送路2を介してブロードキャストリソース管理サーバ12に通知する。
【0049】
なお、説明の簡略化のため、図示はしていないが、ブロードキャストサーバ11、ブロードキャストリソース管理サーバ12、及びWSDB21についても電力線を介して電力網6に接続されており、電力網6からの電力により駆動される。そのため、電力制御サーバ41と、TVBD31又はブロードキャストリソース管理サーバ12との間で行われる通信は、伝送路2を介した通信だけでなく、いわゆる電力線通信(PLC:Power Line Communications)により電力網6を介して行うことも可能である。
【0050】
以上のようにして、図1のコンテンツ配信システム1は構成される。
【0051】
なお、以下の説明において、WSDB21−1乃至21−Nを、特に区別する必要がない場合、WSDB21と称して説明する。また、TVBD31−1乃至31−Mを、特に区別する必要がない場合、TVBD31と称し、ユーザ宅5−1乃至5−Mを、特に区別する必要がない場合、ユーザ宅5と称して説明する。
【0052】
[各装置の構成]
次に、図2乃至図6を参照して、図1のコンテンツ配信システム1を構成する、ブロードキャストサーバ11、ブロードキャストリソース管理サーバ12、WSDB21、TVBD31、及び電力制御サーバ41のそれぞれの詳細な構成について説明する。
【0053】
[ブロードキャストサーバの構成]
図2は、図1のブロードキャストサーバ11の構成例を示す図である。
【0054】
ブロードキャストサーバ11は、制御部110、コンテンツ取得部111、通信部112、及びコンテンツ配信部113から構成される。
【0055】
制御部110は、ブロードキャストサーバ11の各部の動作を制御する。
【0056】
コンテンツ取得部111は、TVBD31に対してブロードキャスト配信するコンテンツを取得し、制御部110に供給する。
【0057】
制御部110は、コンテンツ取得部111からコンテンツが供給された場合、そのコンテンツについての配信スケジュールの要求を、通信部112に供給する。
【0058】
通信部112は、制御部110から供給される配信スケジュールの要求を、ブロードキャストリソース管理サーバ12に送信する。通信部112は、配信スケジュールの要求に応じて、ブロードキャストリソース管理サーバ12から送信される配信スケジュールを受信し、制御部110に供給する。
【0059】
制御部110は、通信部112から供給される配信スケジュールに基づいて、配信処理のスケジューリングを実行する。制御部110は、コンテンツを配信する時間帯になったとき、コンテンツ取得部111により取得されたコンテンツを、コンテンツ配信部113に供給する。
【0060】
コンテンツ配信部113は、制御部110から供給されるコンテンツを、そのコンテンツを配信するための周波数帯域を使用して、TVBD31−1乃至31−Mに、伝送路2を介してブロードキャスト配信する。
【0061】
以上のように、ブロードキャストサーバ11は構成される。
【0062】
[ブロードキャストリソース管理サーバの構成]
図3は、図1のブロードキャストリソース管理サーバ12の構成例を示す図である。
【0063】
ブロードキャストリソース管理サーバ12は、制御部120、通信部121、配信評価部122、WSDB照会部123、周波数利用状況情報取得部124、評価基準情報取得部125、配信スケジュール生成部126、配信スケジュール通知部127、及び電力供給評価結果受信部128から構成される。
【0064】
制御部120は、ブロードキャストリソース管理サーバ12の各部の動作を制御する。
【0065】
通信部121は、ブロードキャストサーバ11から送信される配信スケジュールの要求を受信し、配信評価部122に供給する。
【0066】
配信評価部122は、通信部121から配信スケジュールの要求が供給された場合、WSDB照会部123に、WSDB21の照会を指示する。
【0067】
WSDB照会部123は、配信評価部122からの指示に応じて、周波数利用状況情報を、伝送路2を介してWSDB21−1乃至21−Nに問い合わせる。WSDB照会部123は、問い合わせに応じて、WSDB21−1乃至21−Nのそれぞれから通知される周波数利用状況情報を、周波数利用状況情報取得部124に供給する。
【0068】
周波数利用状況情報取得部124は、WSDB照会部123から供給される周波数利用状況情報を取得し、配信評価部122に供給する。
【0069】
評価基準情報取得部125は、評価基準情報を取得して、配信評価部122に供給する。
【0070】
評価基準情報は、配信評価部122が配信評価処理を実行する際に評価の基準となる情報であって、例えば、配信するコンテンツを提供する、コンテンツ制作会社、放送局、個人その他のコンテンツ提供者によりあらかじめ設定される。評価基準情報は、ブロードキャストリソース管理サーバ12が保持していてもよいし、あるいは、ブロードキャストサーバ11が配信するコンテンツと同時に取得するようにしてもよい。
【0071】
配信評価部122には、通信部121から供給される配信スケジュールの要求の他、周波数利用状況情報取得部124からの周波数利用状況情報と、評価基準情報取得部125からの評価基準情報が供給される。
【0072】
配信評価部122は、周波数利用状況情報及び評価基準情報に基づいて、配信スケジュールの要求がされたコンテンツを配信する時間帯(以下、配信時間帯という)と、その配信に利用する周波数帯域(以下、配信周波数帯域という)を評価する配信評価処理を実行する。配信評価部122は、配信評価処理により得られた配信評価の結果を、WSDB照会部123及び配信スケジュール生成部126に供給する。
【0073】
WSDB照会部123は、配信評価部122から供給される配信評価の結果に基づいて、配信時間帯と配信周波数帯域を予約ブロックとして予約するための情報を、伝送路2を介してWSDB21−1乃至21−Nに通知する。また、WSDB照会部123は、コンテンツの配信が終了した場合には、予約ブロックを開放させるための情報を、伝送路2を介してWSDB21−1乃至21−Nに通知する。
【0074】
配信スケジュール生成部126は、配信評価部122から供給される配信評価の結果に基づいて、配信スケジュールを生成し、通信部121及び配信スケジュール通知部127に供給する。
【0075】
通信部121は、配信スケジュール生成部126から供給される配信スケジュールを、ブロードキャストサーバ11に送信する。
【0076】
配信スケジュール通知部127は、配信スケジュール生成部126から供給される配信スケジュールを、伝送路2を介してTVBD31−1乃至31−Mに通知する。
【0077】
電力供給評価結果受信部128は、伝送路2を介して電力制御サーバ41から通知される電力供給の可否の評価結果を受信し、配信スケジュール生成部126に供給する。なお、電力制御サーバ41と電力線通信を行う場合には、電力網6を介して通知される電力供給の可否の評価結果が受信されることになる。
【0078】
配信スケジュール生成部126は、電力供給評価結果受信部128から供給される電力供給の可否の評価結果に基づいて、配信時間帯及び周波数帯域のいずれか一方又は双方を変更した配信スケジュールを再生成し、通信部121及び配信スケジュール通知部127に供給する。
【0079】
通信部121は、配信スケジュール生成部126により再生成された配信スケジュールを、ブロードキャストサーバ11に送信する。また、配信スケジュール通知部127は、配信スケジュール生成部126により再生成された配信スケジュールを、伝送路2を介してTVBD31−1乃至31−Mに通知する。
【0080】
以上のように、ブロードキャストリソース管理サーバ12は構成される。
【0081】
[WSDBの構成]
図4は、図1のWSDB21の構成例を示す図である。
【0082】
WSDB21は、制御部210、通信部211、DB管理部212、及びWSDB213から構成される。
【0083】
制御部210は、WSDB21の各部の動作を制御する。制御部210は、通信部211及びDB管理部212を制御して、管理下にある所定の地域において利用可能となる周波数と時間帯に関する情報を収集し、WSDB(White Space Data Base)213に登録させる。
【0084】
通信部211は、ブロードキャストリソース管理サーバ12から、伝送路2を介して通知される周波数利用状況情報の問い合わせを受信し、DB管理部212に供給する。
【0085】
DB管理部212は、通信部211から供給される問い合わせに応じて、WSDB213を参照して、周波数利用状況情報を取得する。DB管理部212は、周波数利用状況情報を通信部211に供給する。
【0086】
通信部211は、DB管理部212から供給される周波数利用状況情報を、伝送路2を介してブロードキャストリソース管理サーバ12に通知する。
【0087】
また、通信部211は、ブロードキャストリソース管理サーバ12から、伝送路2を介して予約ブロック又はその予約ブロックの開放が通知された場合、その通知をDB管理部212に供給する。
【0088】
DB管理部212は、通信部211から供給される通知に応じて、WSDB213を参照して、予約ブロックを登録するか、又は予約ブロックを開放する処理を実行する。
【0089】
以上のように、WSDB21は構成される。
【0090】
[TVBDの構成]
図5は、図1のTVBD31の構成例を示す図である。
【0091】
TVBD31は、制御部310、通信部311、表示部312、入力部313、再生部314、蓄積部315、嗜好情報取得部316、電力供給情報通知部317、及び電力供給部318から構成される。
【0092】
制御部310は、TVBD31の各部の動作を制御する。
【0093】
通信部311は、ブロードキャストリソース管理サーバ12から、伝送路2を介して通知される配信スケジュールを受信し、制御部310に供給する。
【0094】
制御部310は、通信部311から供給される配信スケジュールに基づいて、受信処理のスケジューリングを実行する。制御部310は、スケジューリングの結果を表示部312に表示する。
【0095】
制御部310は、入力部313からの操作信号に基づいて、配信が予定されるコンテンツの中から、所望のコンテンツを選択する。また、制御部310は、嗜好情報取得部316により取得される嗜好情報に基づいて、所望のコンテンツを選択する。
【0096】
嗜好情報は、例えば、ユーザの視聴履歴などであり、TVBD31自身が保持していてもよいし、あるいは、所望のコンテンツの選択処理が実行される前に、外部の装置から取得するようにしてもよい。
【0097】
制御部310は、所望のコンテンツの配信時間帯の直前になったとき、TVBD31を起動して、所望のコンテンツを受信可能な状態に制御する。
【0098】
通信部311は、ブロードキャストサーバ11から伝送路2を介してブロードキャスト配信されるコンテンツを受信し、制御部310に供給する。
【0099】
制御部310は、通信部311から供給されるコンテンツを再生する場合、コンテンツを再生部314に供給する。この場合、再生部314は、制御部310から供給されるコンテンツをリアルタイムで再生し、表示部312に表示させる。また、制御部310は、通信部311から供給されるコンテンツを蓄積する場合、コンテンツを蓄積部315に供給して、蓄積する。この場合、蓄積されたコンテンツが、再生部314により再生される。
【0100】
電力供給情報通知部317は、制御部310の制御に従い、受信処理のスケジューリングにより選択されたコンテンツを受信する際に必要となる電力供給量と電力供給時間に関する情報である電力供給情報を生成し、伝送路2を介して電力制御サーバ41に通知する。なお、電力制御サーバ41と電力線通信を行う場合には、電力供給情報が電力網6を介して通知されることになる。
【0101】
電力供給部318は、電力線を介して電力網6と接続されており、電力網6からの電力をTVBD31の各部に供給する。
【0102】
以上のように、TVBD31は構成される。
【0103】
[電力制御サーバの構成]
図6は、図1の電力制御サーバ41の構成例を示す図である。
【0104】
電力制御サーバ41は、接続部411、電力監視制御部412、及び通信部413から構成される。
【0105】
電力監視制御部412は、接続部411を介して、電力網6における発電所7の発電電力量と、ユーザ宅5、オフィス8、及び工場9などの電力需用設備の負荷を監視して、その監視結果に応じた電力の制御を行う。
【0106】
通信部413は、伝送路2を介してTVBD31から通知される電力供給情報を受信し、電力監視制御部412に供給する。
【0107】
電力監視制御部412は、通信部413から供給される電力供給情報に基づいて、電力供給のスケジューリングを行う。電力監視制御部412は、電力供給のスケジューリングの結果に基づいて、TVBD31に対する電力供給の可否を評価し、その電力供給の可否の結果を、通信部413に供給する。
【0108】
通信部413は、電力監視制御部412から供給される電力供給の可否の結果を、伝送路2を介してブロードキャストリソース管理サーバ12に通知する。
【0109】
なお、TVBD31やブロードキャストリソース管理サーバ12と電力線通信を行う場合には、電力供給情報や電力供給の可否の結果が、電力網6を介してやり取りされることになる。
【0110】
以上のように、電力制御サーバ41は構成される。
【0111】
[コンテンツ配信処理]
次に、図7及び図8のフローチャートを参照して、図1のコンテンツ配信システム1において実行されるコンテンツ配信処理について説明する。
【0112】
なお、ここでは、説明を簡略化するため、WSDB21−1乃至21−3の管理下にある地域内に、TVBD31−1乃至31−Mが存在しているものとし、図7及び図8のフローチャートでは、TVBD31−1乃至31−Mの中から、TVBD31−1と、TVBD31−Mを代表して説明する。
【0113】
ブロードキャストサーバ11において、コンテンツ取得部111によりコンテンツが取得されると(ステップS11)、制御部110は、配信スケジュールを、ブロードキャストリソース管理サーバ12に要求する(ステップS12)。
【0114】
なお、コンテンツ取得部111により取得されるコンテンツは、コンテンツ制作会社、放送局、個人その他のコンテンツ提供者から、端末装置又は記録媒体等を介して提供される。
【0115】
ブロードキャストリソース管理サーバ12において、ブロードキャストサーバ11から配信スケジュールが要求されると、WSDB照会部123によって、時間帯と周波数帯域の空きブロックが、伝送路2を介してWSDB21−1乃至21−3にそれぞれ問い合わせられる(ステップS21)。
【0116】
ステップS31において、WSDB21−1のDB管理部212は、WSDB213を参照して、自身の管理する地域における時間帯ごとの周波数帯域の利用状況から、空きブロックを特定し、その空きブロックに応じた周波数利用状況情報を、ブロードキャストリソース管理サーバ12に通知する。WSDB21−2及びWSDB21−3においても同様に、各地域ごとの空きブロックが特定され、その周波数利用状況情報が、ブロードキャストリソース管理サーバ12に通知される(ステップS41,S51)。
【0117】
ブロードキャストリソース管理サーバ12においては、周波数利用状況情報取得部124によって、WSDB21−1乃至21−3からの周波数利用状況情報が取得される(ステップS22)。そして、ステップS23において、配信評価部122は、周波数利用状況情報取得部124により取得された周波数利用状況情報に基づいて、配信評価処理を実行する。
【0118】
ここで、図9のフローチャートを参照して、図7のステップS23に対応する配信評価処理の詳細について説明する。
【0119】
配信評価部122は、周波数利用状況情報取得部124により取得された周波数利用状況情報と、評価基準情報取得部125により取得された評価基準情報を取得する(ステップS101,S102)。
【0120】
ステップS103において、配信評価部122は、取得された周波数利用状況情報及び評価基準情報に基づいて、評価基準情報により重み付けがされたコスト評価グラフを生成する。配信評価部122は、生成したコスト評価グラフを評価し(ステップS104)、その配信評価の結果に応じて、予約ブロックを特定する(ステップS105)。
【0121】
ここで、図10乃至図13を参照して、コスト評価グラフの評価方法の詳細について説明する。
【0122】
図10A乃至図10Cに示すように、WSDB21−1乃至21−3から取得された周波数利用状況情報により通知される空きブロックB1乃至B3を、それぞれ時間と周波数の平面上に表すと、各WSDB21ごとに、空きブロックBにより特定される時間帯と周波数帯域からなる領域が異なっている。その理由は、前述したように、WSDB21ごとに、時間帯ごとの周波数帯域の利用状況を管理している地域が異なるために、その地域ごとに空いている時間帯や周波数帯域が異なるからである。
【0123】
そして、図10A乃至図10Cに示した平面を1つの平面上に重畳的に表すと、図10Dに示すように、空きブロックB1乃至B3の全てが重なる領域、空きブロックB1とB2が重なる領域、空きブロックB1とB3が重なる領域、空きブロックB2とB3が重なる領域、空きブロックB1,B2,B3のみの領域のいずれの領域からなる。そして、空きブロックB1乃至B3の全てが重なる領域を抜き出すと、図10Eに示すように、4つの共通の空きブロックが得られる。これらの共通の空きブロックは、WSDB21−1乃至21−3の管理下にある全ての地域で、共通の時間帯において、共通に利用可能な周波数帯域となる。
【0124】
すなわち、ブロードキャストサーバ11は、図10Eに示した共通の空きブロックの領域内の配信時間帯に、その配信時間帯に対応する配信周波数帯域を利用して、コンテンツをブロードキャスト配信することができる。そして、このブロードキャスト配信されるコンテンツは、WSDB21−1乃至21−3の管理下にある地域内に存在するTVBD31−1乃至31−Mに配信されることになる。
【0125】
また、共通の空きブロックの領域内の時間帯と周波数帯域を評価するに際して、空きブロックの領域に対して重み付けをしてから、評価を実行することができる。例えば、日曜日の19:00〜22:00の時間帯などのように、コンテンツがより多くの視聴者に視聴されると見込まれる領域については、空きブロックの利用コストを高く設定する一方、早朝や深夜の時間帯などのように視聴者が少なくなると見込まれる領域については、空きブロックの利用コストを低く設定する。
【0126】
例えば、図11A乃至図11Cに示すように、図10A乃至図10Cの空きブロックB1乃至B3を、それぞれ時間と周波数の平面上に表したグラフに対して、各WSDB21ごとに、より多くの視聴者による視聴が多く見込まれ、利用コストが高くなっている領域(以下、時間高コスト領域という)を設定することができる。
【0127】
そして、図11A乃至図11Cに示した平面を1つの平面上に重畳的に表すと、図11Dに示すように、重畳的に表された空きブロックB1乃至B3に対して、さらに時間高コスト領域が重畳される。すなわち、共通の空きブロックの領域のうち、時間高コスト領域内の共通の空きブロックは、コストが高く見込まれる一方、時間高コスト領域外となる利用コストが低くなっている領域(以下、時間低コスト領域という)の共通の空きブロックは、コストが低く見込まれる。
【0128】
評価基準情報には、時間高コスト領域又は時間低コスト領域に属する共通の空きブロックのいずれを優先するかを示すコストパラメータが含まれている。
【0129】
例えば、コストパラメータが、時間低コスト領域の優先を示している場合、図11Eに示すように、時間低コスト領域内の共通の空きブロックが、予約ブロックとして選択される。なお、図11Eには時間低コスト領域が優先される場合について図示したが、コストパラメータが、時間高コスト領域の優先を示している場合には、時間高コスト領域内の共通の空きブロックが、予約ブロックとして選択されることになる。
【0130】
また、日時や時刻等の時間帯の他、コンテンツを配信するビットレートの高低、すなわち、周波数帯域のコストに応じて、空きブロックの利用コストを設定してもよい。
【0131】
例えば、図12A乃至図12Cに示すように、空きブロックB1乃至B3を、それぞれ時間と周波数の平面上に表したグラフに対して、各WSDB21ごとに、コンテンツを配信するための配信ビットレートが高く見込まれ、利用コストが高くなっている領域(以下、周波数高コスト領域という)を設定することができる。
【0132】
そして、図12A乃至図12Cに示した平面を1つの平面上に重畳的に表すと、図12Dに示すように、重畳的に表された空きブロックB1乃至B3に対して、さらに周波数高コスト領域が重畳される。すなわち、共通の空きブロックのうち、周波数高コスト領域内の共通の空きブロックは、コストが高く見込まれる一方、周波数高コスト領域外となる利用コストが低くなっている領域(以下、周波数低コスト領域という)の共通の空きブロックは、コストが低く見込まれる。
【0133】
評価基準情報には、コストパラメータとして、前述した時間コスト領域の優先度に関するパラメータの他、周波数高コスト領域又は周波数低コスト領域に属する共通の空きブロックのいずれを優先するか示すパラメータが含まれる。
【0134】
例えば、コストパラメータが、周波数低コスト領域の優先を示している場合、図12Eに示すように、周波数低コスト領域内の共通の空きブロックが、予約ブロックとして選択される。なお、図12Eには周波数低コスト領域が優先される場合について図示したが、コストパラメータが、周波数高コスト領域の優先を示している場合には、周波数高コスト領域内の共通の空きブロックが、予約ブロックとして選択されることになる。
【0135】
また、前述した図11に示した時間コストと、図12に示した周波数コストを組み合わせて、それらの時間コストと周波数コストの組み合わせに応じて、共通の空きブロックの中から、予約ブロックを選択してもよい。このような組み合わせが利用されるケースとしては、例えば、周波数コストを最小限に抑えたいが、時間コストは最大であってもよい、といった場合である。
【0136】
例えば、図13A乃至図13Cに示すように、空きブロックB1乃至B3を、それぞれ時間と周波数の平面上に表したグラフに対して、時間高コスト領域と、周波数高コストを設定することができる。
【0137】
そして、図13A乃至図13Cに示した平面を1つの平面上に重畳的に表すと、図13Dに示すように、重畳的に表された空きブロックB1乃至B3に対して、さらに時間高コスト領域と周波数高コスト領域が重畳される。すなわち、共通の空きブロックのうち、時間高コスト領域内又は周波数高コスト領域内の共通の空きブロックは、コストが高く見込まれる一方、時間低コスト領域内又は周波数低コスト領域内の共通の空きブロックは、コストが低く見込まれる。
【0138】
例えば、コストパラメータが、時間高コスト領域の優先、かつ、周波数低コスト領域の優先を示している場合、図13Eに示すように、時間高コスト領域内で、かつ、周波数低コスト領域内となる共通の空きブロックが、予約ブロックとして選択される。
【0139】
なお、図13Eには、時間高コスト領域と周波数低コスト領域が優先される場合について図示したが、コストパラメータが、時間高コスト領域の優先、かつ、周波数高コスト領域の優先を示している場合には、時間高コスト領域内で、かつ、周波数高コスト領域内となる共通の空きブロックが、予約ブロックとして選択される。また、時間低コスト領域と周波数低コスト領域が優先される場合や、時間低コスト領域と周波数高コスト領域が優先される場合についても、優先される領域内の共通の空きブロックが、予約ブロックとして選択されることになる。
【0140】
以上のように、配信評価部122においては、時間高コスト領域又は時間低コスト領域、及び周波数高コスト領域又は周波数低コスト領域のうちのいずれか一方又は双方に属する共通の空きブロックのいずれを優先するかを示すパラメータにより重み付けがされてから評価が行われ、予約ブロックが特定されることになる。
【0141】
なお、前述したように、コストパラメータは、評価基準情報として、コンテンツ制作会社等のコンテンツ提供者によりあらかじめ設定される。
【0142】
従って、コンテンツ提供者は、自身のコンテンツの配信条件(配信時間帯や配信周波数帯域)を、例えば、自身の予算を考慮しながら、より多くの視聴者に視聴されるようにしたいか、あるいは、より高ビットレートで配信されるようにしたいかなどの観点から設定することができる。その結果、コンテンツ提供者は、自身の予算内で、最もよい配信条件により、所望のコンテンツを配信させることができる。
【0143】
図9のフローチャートに戻り、ステップS105の処理が終了すると、処理は、さらに、図7のフローチャートに戻り、ステップS23以降の処理が実行される。
【0144】
ステップS24において、WSDB照会部123は、配信評価処理により特定された予約ブロックを、伝送路2を介して、WSDB21−1乃至21−3にそれぞれ通知する。
【0145】
ステップS32において、WSDB21−1のDB管理部212は、ブロードキャストリソース管理サーバ12から通知された予約ブロックを、WSDB213に登録する。WSDB21−2及びWSDB21−3においても同様に、通知された予約ブロックが、WSDB213にそれぞれ登録される。
【0146】
これにより、各WSDB21において、予約ブロックに対応する時間帯と周波数帯域が、ブロードキャストサーバ11によるコンテンツの配信用に確保され、他のコンテンツの配信には用いることができなくなる。
【0147】
一方、ブロードキャストリソース管理サーバ12においては、配信スケジュール生成部126によって、配信評価処理により特定された予約ブロックに基づいて、配信スケジュールが生成される(ステップS25)。
【0148】
この配信スケジュールは、予約ブロックに割り当てられた配信時間帯と配信周波数帯域により配信されるコンテンツの配信情報であって、例えば、メタデータが格納されたファイル(マニフェストファイル)からなる。例えば、配信スケジュール(配信情報)には、配信時間帯と配信周波数帯域ごとに配信される予定のコンテンツのタイトル、ジャンル、概要、購入価格、その他のコンテンツに関する情報がメタデータとして格納されている。
【0149】
生成された配信スケジュールは、通信部121によって、ブロードキャストサーバ11に通知される一方、配信スケジュール通知部127によって、伝送路2を介してTVBD31−1乃至31−Mにも通知される(ステップS26)。
【0150】
配信スケジュールが通知されると、ブロードキャストサーバ11においては、制御部110によって、配信処理のスケジューリングが実行される(ステップS13)。このスケジューリングでは、通知された配信スケジュールに基づいて、配信時間帯になったときに、配信周波数帯域を利用して、コンテンツをブロードキャスト配信するための予定が立てられる。
【0151】
そして、制御部110によって、配信時間帯となったと判定されるまで(図8のステップS14の「Yes」)、ブロードキャストサーバ11は待機する。
【0152】
一方、TVBD31−1においては、配信スケジュールが通知されると、制御部310によって、受信処理のスケジューリングが実行される(ステップS61)。この受信処理のスケジューリングでは、通知された配信スケジュールに基づいて、配信時間帯になったときに、配信周波数帯を利用して、ブロードキャストサーバ11から配信されてくる、所望のコンテンツを受信可能な状態にするための予定が立てられる。
【0153】
例えば、制御部310は、配信スケジュールに含まれるコンテンツのメタデータに基づいて、図14に示すように、配信が予定されるコンテンツごとのタイトル、ジャンル、概要、購入価格、その他のコンテンツに関する情報が時間と周波数の平面上に表された配信予定表を、表示部312に表示する。ユーザは、表示部312に表示された配信予定表を確認して、配信が予定されるコンテンツの中から、自身が視聴したい所望のコンテンツを、入力部313を操作して選択することになる。
【0154】
なお、図14の配信予定表は、ユーザに対して配信予定のコンテンツを選択させるための画面表示の一例であって、例えば、TVBD31において利用可能な電子番組表(EPG:Electronic Program Guide)や、新聞のラジオテレビ欄のような表示方法であってもよい。
【0155】
また、制御部310は、嗜好情報取得部316により取得されたユーザの嗜好情報に基づいて、配信予定のコンテンツの中から、TVBD31−1を使用しているユーザの嗜好に合ったコンテンツを類推する処理を実行し、類推されたコンテンツを、ユーザが視聴したいコンテンツとみなしてもよい。この場合、ユーザは、所望のコンテンツを選択する必要がない。また、嗜好情報としては、前述したユーザの視聴履歴などが用いられ、その視聴履歴に応じたジャンルやタイトルのコンテンツが選択される。
【0156】
受信処理のスケジューリングが終了すると、図7のフローチャートに戻り、ステップS62において、電力供給情報通知部317は、受信処理のスケジューリングにより選択されたコンテンツを受信する際の電力供給量と電力供給時間に関する情報を含む電力供給情報を、伝送路2又は電力網6を介して電力制御サーバ41に通知する。
【0157】
そして、制御部310によって、配信時間帯の直前(例えば、配信の数分前)になったと判定されるまで(図8のステップS63の「Yes」)、TVBD31−1は待機する。
【0158】
同様に、TVBD31−2乃至31−Mにおいては、配信スケジュールが通知されると、受信処理のスケジューリングが実行される。このスケジューリングにより、配信時間帯になったときに、配信周波数帯を利用して、ブロードキャストサーバ11から配信されてくる、所望のコンテンツを受信可能にするための予定が立てられる(ステップS71)。また、受信処理のスケジューリングに応じた電力供給情報が伝送路2又は電力網6を介して電力制御サーバ41に通知される(ステップS72)。そして、配信時間帯の直前になったと判定されるまで(図8のステップS73の「Yes」)、TVBD31−2乃至31−Mは待機する。
【0159】
TVBD31−1乃至31−Mから伝送路2又は電力網6を介して通知される電力供給情報は、電力制御サーバ41の通信部413又は接続部411により受信される。電力制御サーバ41においては、電力監視制御部412によって、電力供給情報に基づいた電力供給のスケジューリングが実行される(ステップS81)。このスケジューリングにより、例えば、配信予定のコンテンツごとの配信時間帯において必要となる電力量の予定が立てられる。
【0160】
ステップS82において、電力監視制御部412は、電力供給のスケジューリングの結果に基づいて、配信時間帯におけるTVBD31−1乃至31−Mに対する電力供給の可否を評価する。
【0161】
すなわち、電力供給のスケジューリングでは、配信時間帯におけるTVBD31−1乃至31−Mの総消費電力量の予想値が求められるので、電力監視制御部412は、例えば、総消費電力量があらかじめ定められた電力量以下となる場合、TVBD31−1乃至31−Mに対して電力を供給できると評価する。一方、総消費電力量があらかじめ定められた電力量を超える場合には、TVBD31−1乃至31−Mに対して電力を供給できないと評価される。
【0162】
また、電力監視制御部412は、発電所7の発電電力量と、ユーザ宅5やオフィス8等の電力需要設備の負荷を監視しているため、例えば、それらの電力の需要と供給に応じて、電力供給に余裕がある場合には、TVBD31−1乃至31−Mの総消費電力量の予想値が大きくても、電力供給が可能であると評価してもよい。逆に、電力供給に余裕がない場合には、TVBD31−1乃至31−Mの総消費電力量の予想値が小さくても電力供給が不可能であると評価される。
【0163】
このように、電力監視制御部412によって、TVBD31−1乃至31−Mに対する電力供給の可否が評価され、電力供給が可能であると評価された場合、配信時間帯におけるTVBD31−1乃至31−Mに対する電力網6からの電力が確保されることになる。一方、電力監視制御部412によって、電力供給が不可能であると評価された場合、配信時間帯におけるTVBD31−1乃至31−Mに対する電力網6からの電力が確保できないことになる。以下、図7及び図8のコンテンツ配信処理では、電力供給の可否の評価によって、配信時間帯におけるTVBD31−1乃至31−Mに対する電力供給が確保された場合について説明する。
【0164】
その後、配信時間帯の直前になったと判定された場合(ステップS63の「Yes」、S73の「Yes」)、TVBD31−1乃至31−Mは、各制御部310の制御に従って、各電力供給部318からの電力に基づいて起動される。そして、TVBD31−1乃至31−Mは、それぞれ、待機状態から、所望のコンテンツを受信可能な状態に遷移する(ステップS64,S74)。すなわち、ブロードキャストサーバ11とブロードキャストリソース管理サーバ12側からすれば、TVBD31−1乃至31−Mが、配信スケジュールに応じて配信可能な状態になったとも言える。
【0165】
一方、ブロードキャストサーバ11においては、配信時間帯になったと判定された場合(ステップS14の「Yes」)、処理は、ステップS15に進む。そして、ステップS15において、コンテンツ配信部113は、配信周波数帯域を利用して、コンテンツ取得部111により取得されたコンテンツを、TVBD31−1乃至31−Mにブロードキャスト配信する。
【0166】
このとき、TVBD31−1乃至31−Mは、既に起動して受信可能な状態となっているため、通信部311によって、ブロードキャストサーバ11から配信されるコンテンツが受信される(ステップS65,S75)。
【0167】
TVBD31−1では、再生部314によって、受信されたコンテンツが再生され、表示部312に表示される。なお、前述したように、配信されるコンテンツは、リアルタイムで再生する必要はなく、例えば、TVBD31−2乃至31−Mのうちの、TVBD31−Mでは、蓄積部315によって、受信されたコンテンツが蓄積される。
【0168】
これにより、TVBD31−1乃至31−Mを使用するユーザは、所望のコンテンツを視聴するか、あるいは蓄積しておいて後から視聴することができる。
【0169】
その後、制御部310は、ブロードキャストサーバ11によるコンテンツの配信が終了したか否かを判定し、コンテンツの配信が終了していないと判定された場合(ステップS67の「No」,S77の「No」)、処理は、ステップS65,S75に戻る。そして、コンテンツの配信が終了するまで、コンテンツの受信及び再生又は蓄積の処理が実行される。
【0170】
一方、コンテンツの配信が終了したと判定された場合(ステップS67の「Yes」,S77の「Yes」)、制御部310は、TVBD31の状態を、受信可能状態からスタンバイ状態に遷移させる。これにより、TVBD31−1乃至31−Mでは、コンテンツの受信及び再生又は蓄積の処理が終了する。
【0171】
また、ブロードキャストリソース管理サーバ12においては、コンテンツの配信が終了すると(ステップS27の「Yes」)、処理は、ステップS28に進む。ステップS28において、WSDB照会部123は、コンテンツの配信に使用していた予約ブロックの開放を、伝送路2を介して、WSDB21−1乃至21−3にそれぞれ通知する。
【0172】
ステップS33において、WSDB21−1のDB管理部212は、WSDB213に登録されていた、ブロードキャストリソース管理サーバ12により通知された予約ブロックを開放する。WSDB21−2及びWSDB21−3においても同様に、WSDB213に登録されていた予約ブロックが開放される(ステップS43,S53)。これにより、各WSDB21において、予約ブロックに対応する時間帯と周波数帯域が開放され、他のコンテンツの配信に用いることが可能となる。
【0173】
以上のように、コンテンツ配信システム1においては、コンテンツを配信するに際して、WSDB21に管理されている周波数利用状況情報が取得され、その周波数利用状況情報に基づいて、配信するコンテンツの配信時間帯と配信周波数帯域が評価される。そして、WSDB21の管理下の地域内にある、TVBD31−1乃至31−Mに対して、配信スケジュールが通知され、さらにTVBD31−1乃至31−Mに対する電力供給が確保される場合には、その配信スケジュールにより受信可能な状態となったTVBD31−1乃至31−Mに対して、コンテンツがブロードキャスト配信される。
【0174】
これにより、例えば配信時間帯におけるTVBD31−1乃至31−Mの総消費電力量が所定の電力量以下となる場合等の電力需要に余裕がある場合にのみ、TVBD31−1乃至31−Mに対する電力供給が確保され、TVBD31−1乃至31−Mが受信可能な状態となって、コンテンツの配信が行われるので、コンテンツ配信時の電力系統の負荷を軽減することができる。
【0175】
また、所定のコンテンツをブロードキャスト配信するとき、そのコンテンツを視聴したいと思っているユーザのTVBD31は必ず起動していることになるため、前述した一斉同時受信性能を向上させることができる。その結果、ブロードキャスト配信の特性を十分に生かすことができ、コンテンツ等の情報配信の効率を向上させることができる。
【0176】
さらに、配信時間帯と配信周波数帯域を評価するに際しては、時間帯や周波数帯域に応じた重み付けがされてから評価が行われるので、コンテンツ提供者側からすれば、自身がかけられるコストに見合った配信の時間帯とビットレートで、コンテンツを配信できる。これにより、配信コストに応じて情報配信の効率を向上させることができるため、コンテンツ配信の費用対効果を高めることができる。
【0177】
[配信スケジュール再通知処理]
次に、図15のフローチャートを参照して、前述した電力監視制御部412による電力供給の可否の評価処理(図7のステップS82)によって、TVBD31−1乃至31−Mに対する電力供給が確保できない場合の配信スケジュール再通知処理について説明する。
【0178】
なお、図15のフローチャートに示された処理は、図7のフローチャートと重複している処理が一部省略されており、図7のステップS24が行われ、予約ブロックが、WSDB21−1乃至21−3にそれぞれ登録された以降の処理に対応している。
【0179】
すなわち、ステップS221においては、図7のステップS25と同様に、配信スケジュール生成部126によって、配信評価処理により特定された予約ブロックに基づいて、配信スケジュールが生成される。この配信スケジュールは、図7のステップS26と同様に、通信部121によって、ブロードキャストサーバ11に通知される一方、配信スケジュール通知部127によって、伝送路2を介してTVBD31−1乃至31−Mにも通知される(ステップS222)。
【0180】
配信スケジュールが通知されると、ブロードキャストサーバ11においては、図7のステップS13と同様に、制御部110によって、配信処理のスケジューリングが実行される(ステップS211)。そして、制御部110によって、配信時間帯となったと判定されるまで、ブロードキャストサーバ11は待機する。
【0181】
一方、TVBD31−1乃至31−Mにおいては、配信スケジュールが通知されると、制御部310によって、図7のステップS61,S71と同様に、受信処理のスケジューリングが実行される(ステップS261,S271)。受信処理のスケジューリングが終了すると、TVBD31−1乃至31−Mにおいては、図7のステップS62,S72と同様に、受信処理のスケジューリングに応じた電力供給情報が伝送路2又は電力網6を介して電力制御サーバ41に通知される(ステップS262,S272)。
【0182】
TVBD31−1乃至31−Mから伝送路2又は電力網6を介して通知される電力供給情報は、電力制御サーバ41により受信される。電力制御サーバ41においては、図7のステップS81,S82と同様に、電力供給情報に基づいた電力供給のスケジューリングが実行され、そのスケジューリングの結果に基づいて、配信時間帯におけるTVBD31−1乃至31−Mに対する電力供給の可否が評価される(ステップS281,S282)。
【0183】
ステップS283において、電力監視制御部412は、電力供給の可否の評価結果に基づいて、TVBD31−1乃至31−Mに対して電力を供給できるか否かを判定する。
【0184】
ステップS283において、電力を供給できないと判定された場合、処理は、ステップS284に進む。ステップS284において、通信部413は、電力監視制御部412の制御に従い、電力供給の可否の評価結果を、伝送路2又は電力網6を介してブロードキャストリソース管理サーバ12に通知する。
【0185】
電力制御サーバ41から伝送路2又は電力網6を介して通知される電力供給の可否の評価結果は、ブロードキャストリソース管理サーバ12の電力供給評価結果受信部128により受信される。そして、再度、ステップS221の処理が行われ、配信スケジュール生成部126によって、配信スケジュールが再生成される。
【0186】
この配信スケジュールの再生成の処理としては、例えば、前述した配信評価処理(図7のステップS23)により生成されたコスト評価グラフの評価が再度行われる。すなわち、図10乃至図13を参照して説明したように、コスト評価グラフの評価に際しては、共通の空きブロックの中から、予約ブロックが選択されることになるが、ここでは、前回選択された予約ブロックとは異なる予約ブロックが選択されることになる。そして、配信スケジュール生成部126は、新たに特定された予約ブロックに基づいて、配信スケジュールを再生成する。なお、この場合、WSDB21−1乃至21−3においては、前回登録された予約ブロックが開放され、今回新たに選択された予約ブロックがそれぞれ登録されることになる。
【0187】
また、例えば、コスト評価グラフ自体が再生成されるようにしてもよい。この場合、WSDB21−1乃至21−3の前回登録された予約ブロックを開放してから、図7のステップS21,S22と同様に、空きブロックがWSDB21−1乃至21−3にそれぞれ問い合わせられ、周波数利用状況情報が取得される。そして、配信評価部122によって、図7のステップS23と同様に、周波数利用状況情報及び評価基準情報に基づいた、評価基準情報により重み付けがされたコスト評価グラフが再生成される。これにより、再生成されたコスト評価グラフの評価が行われ、前回選択された予約ブロックとは異なる予約ブロックが選択されることになる。そして、配信スケジュール生成部126は、新たに特定された予約ブロックに基づいて、配信スケジュールを再生成する。
【0188】
なお、電力制御サーバ41から通知される電力供給の可否の評価結果に、例えば、配信時間帯におけるTVBD31−1乃至31−Mの総消費電力量の目標値を含ませることで、その目標値に応じた配信スケジュールが再生成されるようにしてもよい。
【0189】
このようにして、配信スケジュールが再生成されることにより、例えば、前回の配信スケジュールと比べて配信時間帯がずれてコンテンツの視聴者が減少し、その分起動するTVBD31の数が減少することになるので、配信時間帯における電力需要が満たされることが期待される。また、例えば、配信時間帯が電力需要の少ない時間帯にずれることでも、配信時間帯における電力需要が満たされる可能性があるし、あるいは、例えば、配信ビットレートが低くなれば、高画質のコンテンツを期待する視聴者が視聴しない可能性がある。
【0190】
再生成された配信スケジュールは、通信部121によって、ブロードキャストサーバ11に再通知される一方、配信スケジュール通知部127によって、伝送路2を介してTVBD31−1乃至31−Mにも再通知される(ステップS222)。
【0191】
配信スケジュールが再通知されると、ブロードキャストサーバ11においては、制御部110によって、再度、配信処理のスケジューリングが実行され(ステップS211)、配信時間帯となったと判定されるまで、ブロードキャストサーバ11は待機する。
【0192】
一方、TVBD31−1乃至31−Mにおいては、配信スケジュールが再通知されると、TVBD31−1乃至31−Mにおいては、再度、受信処理のスケジューリングが行われ(ステップS261,S271)、受信処理のスケジューリングに応じた電力供給情報が電力制御サーバ41に再通知される(ステップS262,S272)。
【0193】
TVBD31−1乃至31−Mから再通知される電力供給情報は、電力制御サーバ41により受信される。そして、電力監視制御部412によって、再度、電力供給情報に基づいた電力供給のスケジューリングが実行され(ステップS281)、配信時間帯におけるTVBD31−1乃至31−Mに対する電力供給の可否が再評価される(ステップS282)。
【0194】
そして、電力供給の可否の再評価によって、TVBD31−1乃至31−Mに対して電力を供給できないと判定された場合(ステップS283の「Yes」)、処理は、再度、ステップS284に進む。すなわち、TVBD31−1乃至31−Mに対する配信時間帯における電力供給が確保されるまで、前述した配信スケジュールの再生成処理が繰り返される。
【0195】
一方、電力供給の可否の再評価によって、TVBD31−1乃至31−Mに対する配信時間帯における電力供給が確保された場合(ステップS283の「No」)、ステップS284の処理はスキップされる。この場合、ブロードキャストリソース管理サーバ12には、電力供給の可否の評価結果が通知されず、配信スケジュールが確定し、TVBD31−1乃至31−Mは、受信処理のスケジューリングに応じて、配信時間帯の直前まで、待機することになる。
【0196】
それ以降の処理は、図8のフローチャートに対応しているため、その説明は省略するが、TVBD31−1乃至31−Mは配信時間帯の直前に起動して、ブロードキャストサーバ11からブロードキャスト配信されるコンテンツを受信することになる。
【0197】
以上のように、TVBD31−1乃至31−Mに対する電力供給が確保されるまで、配信スケジュールが再生成されるので、コンテンツ配信時の電力系統の負荷を軽減するとともに、確実にコンテンツを配信することが可能となる。
【0198】
<2.第2の実施の形態>
[コンテンツ配信システムの他の構成]
図16は、本技術のコンテンツ配信システムの一実施の形態の他の構成を示す図である。
【0199】
図1においては、ブロードキャストサーバ11と、ブロードキャストリソース管理サーバ12は、それぞれ独立した装置であるとして説明したが、それらの装置は、図16に示すように、1つのブロードキャストサーバ11であると捉えることもできる。
【0200】
すなわち、図16のブロードキャストサーバ11は、図1のブロードキャストサーバ11に対応する一処理部としてのブロードキャスト配信部11Aと、ブロードキャストリソース管理サーバ12に対応する一処理部としてのブロードキャストリソース管理部12Aからなる1つの装置である。図16のブロードキャストサーバ11は、サービスプロバイダ3の施設内に配置される。
【0201】
ブロードキャスト配信部11Aは、図2の制御部110乃至コンテンツ配信部113から構成される。図2の制御部110乃至コンテンツ配信部113の動作は前述したとおりである。
【0202】
ブロードキャストリソース管理部12Aは、図3の制御部120乃至電力供給評価結果受信部128から構成される。図3の制御部120乃至電力供給評価結果受信部128の動作は前述したとおりである。
【0203】
以上のように、図16のコンテンツ配信システム1は構成される。
【0204】
<3.第3の実施の形態>
[コンテンツ配信システムの他の構成]
図17は、本技術のコンテンツ配信システムの一実施の形態のさらに他の構成を示す図である。
【0205】
図1においては、ブロードキャストサーバ11と、ブロードキャストリソース管理サーバ12と、WSDB21−1乃至21−Nは、それぞれ独立した装置であるとして説明したが、それらの装置は、図17に示すように、1つのブロードキャストサーバ11であると捉えることもできる。
【0206】
すなわち、図17のブロードキャストサーバ11は、前述した図17のブロードキャスト配信部11Aと、ブロードキャストリソース管理部12Aの他、WSDB21に対応する一処理部としてのWSDB21Aからなる1つの装置である。図17のブロードキャストサーバ11は、サービス・ネットワークプロバイダ3Aの施設内に配置される。サービス・ネットワークプロバイダ3Aは、コンテンツ配信のサービスと、周波数利用状況情報の双方を提供する事業者である。
【0207】
WSDB21Aは、図4の制御部210乃至WSDB213から構成される。図4の制御部210乃至WSDB213の動作は前述したとおりである。
【0208】
以上のように、図17のコンテンツ配信システム1は構成される。
【0209】
<4.変形例>
前述した説明では、評価基準情報として、時間、周波数ともに「低」、「高」の2段階のコストで重み付けを行う例を説明したが、前述した2段階に限らず、例えば、「低」、「中」、「高」の3段階や、「レベル1」、「レベル2」、「レベル3」、「レベル4」の4段階など、3段階以上のコストで重み付けをしてもよい。
【0210】
また、ブロードキャストサーバ11によるコンテンツの配信であるが、テレビジョン放送等の放送は勿論、放送に限らず、例えばインターネット等、他の通信方式により、コンテンツを配信するようにしてもよい。なお、ここで、通信とは、無線通信及び有線通信は勿論、無線通信と有線通信とが混在した通信、すなわち、ある区間では無線通信が行われ、他の区間では有線通信が行われるようなものであってもよい。さらに、ある装置から他の装置への通信が有線通信で行われ、他の装置からある装置への通信が無線通信で行われるようなものであってもよい。
【0211】
また、前述した説明では、電力制御サーバ41に通知される電力供給情報は、TVBD31−1乃至31−Mにより通知されるとして説明したが、ブロードキャストリソース管理サーバ12により通知されるようにしてもよい。この場合、ブロードキャストリソース管理サーバ12は、配信スケジュールに基づいた電力供給情報を、伝送路2を介して電力制御サーバ41に通知するため、TVBD31は電力供給情報を通知する必要がない。
【0212】
[本技術を適用したコンピュータの説明]
前述した一連の処理は、ハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、汎用のコンピュータ等にインストールされる。
【0213】
そこで、図18は、前述した一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
【0214】
プログラムは、コンピュータ500に内蔵されているハードディスク等の記録部508やROM(Read Only Memory)502に予め記録しておくことができる。
【0215】
あるいはまた、プログラムは、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto Optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブルメディア511に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブルメディア511は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0216】
なお、プログラムは、前述したようなリムーバブルメディア511からコンピュータ500にインストールする他、ダウンロードサイトから、デジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータ500に無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータ500に有線で転送し、コンピュータ500では、そのようにして転送されてくるプログラムを、通信部509で受信し、記録部508にインストールすることができる。
【0217】
コンピュータ500は、CPU(Central Processing Unit)501を内蔵している。CPU501には、バス504を介して、入出力インタフェース505が接続されており、CPU501は、入出力インタフェース505を介して、ユーザによって、キーボードや、マウス、マイク等で構成される入力部506が操作等されることにより指令が入力されると、それに従って、ROM502に格納されているプログラムを実行する。あるいは、また、CPU501は、記録部508に格納されているプログラム、衛星若しくはネットワークから転送され、通信部509で受信されて記録部508にインストールされたプログラム、またはドライブ510に装着されたリムーバブルメディア511から読み出されて記録部508にインストールされたプログラムを、RAM(Random Access Memory)503にロードして実行する。これにより、CPU501は、前述したフローチャートにしたがった処理、あるいは前述したブロック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU501は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、入出力インタフェース505を介して、LCD(Liquid Crystal Display)やスピーカ等で構成される出力部507から出力、あるいは、通信部509から送信、さらには、記録部508に記録等させる。
【0218】
ここで、本明細書において、コンピュータに各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
【0219】
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであってもよい。
【0220】
なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0221】
また、本技術の実施の形態は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0222】
さらに、本技術は、以下の構成とすることも可能である。
【0223】
[1]
コンテンツを配信する情報配信装置から通知される、配信時間帯に配信周波数帯域を利用して配信される前記コンテンツの配信情報に基づいて、前記コンテンツを受信する際の電力供給量と電力供給時間に関する情報を含む電力供給情報を、電力系統の電力供給を監視制御する監視制御装置に通知する電力供給情報通知部と、
前記監視制御装置による前記電力供給情報に基づいた電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保される場合、通知された前記配信情報に基づいて、前記コンテンツを受信可能な状態に制御する制御部と、
前記情報配信装置から配信される前記コンテンツを受信するコンテンツ受信部と
を備える受信装置。
[2]
前記電力供給情報通知部は、前記監視制御装置による前記電力供給情報に基づいた電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保できない場合、前記情報配信装置から再通知される配信情報に基づいて、前記電力供給情報を前記監視制御装置に通知する
[1]に記載の受信装置。
[3]
前記制御部は、通知された前記配信情報に基づいて、前記情報配信装置から配信される前記コンテンツの中から所望のコンテンツを選択し、
前記電力供給情報通知部は、選択された前記コンテンツに関する前記電力供給情報を通知する
[1]又は[2]に記載の受信装置。
[4]
前記制御部は、選択された前記コンテンツの配信情報に基づいて、前記情報配信装置から前記コンテンツが配信される直前になったとき、前記受信装置を起動させて、前記コンテンツを受信可能な状態にする
[1]乃至[3]のいずれかに記載の受信装置。
[5]
前記配信時間帯と前記配信周波数帯域は、所定の各地域における時間帯ごとの周波数帯域の利用状況に関する周波数利用状況情報を基に決定される
[1]乃至[4]のいずれかに記載の受信装置。
[6]
受信装置が、
コンテンツを配信する情報配信装置から通知される、配信時間帯に配信周波数帯域を利用して配信される前記コンテンツの配信情報に基づいて、前記コンテンツを受信する際の電力供給量と電力供給時間に関する情報を含む電力供給情報を、電力系統の電力供給を監視制御する監視制御装置に通知し、
前記監視制御装置による前記電力供給情報に基づいた電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保される場合、通知された前記配信情報に基づいて、前記コンテンツを受信可能な状態に制御し、
前記情報配信装置から配信される前記コンテンツを受信する
ステップを含む受信方法。
[7]
配信するコンテンツを取得するコンテンツ取得部と、
所定の各地域における時間帯ごとの周波数帯域の利用状況に関する周波数利用状況情報を取得する周波数利用状況情報取得部と、
取得した前記周波数利用状況情報に基づいて、取得した前記コンテンツを配信する配信時間帯と、その配信に利用する配信周波数帯域を評価する配信評価部と、
前記地域内の複数の受信装置に対して、前記配信時間帯に前記配信周波数帯域を利用して配信される前記コンテンツの配信情報を通知する配信情報通知部と、
前記地域内の複数の受信装置が前記配信情報に基づいて前記コンテンツを受信する際の電力供給量と電力供給時間に関する情報を含む電力供給情報を、電力系統の電力供給を監視制御する監視制御装置に通知することで評価される、前記配信時間帯における複数の前記受信装置に対する電力供給の可否の評価結果を受信する電力供給評価結果受信部と、
電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保される場合、前記配信時間帯になったとき、前記配信周波数帯域を利用して、取得した前記コンテンツを、前記配信情報に応じて配信可能な状態となった複数の前記受信装置に配信するコンテンツ配信部と
を備え、
前記配信情報通知部は、電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保できない場合、前記配信時間帯及び前記配信周波数帯のいずれか一方又は双方を変更した前記配信情報を前記地域内の複数の受信装置に対して通知する
情報配信装置。
[8]
前記配信時間帯及び前記配信周波数帯域を評価するときの基準となる評価基準情報を取得する評価基準情報取得部をさらに備え、
前記配信評価部は、取得した前記評価基準情報に基づいて、前記配信時間帯及び前記配信周波数帯域を評価する
[7]に記載の情報配信装置。
[9]
前記評価基準情報は、より多くの視聴者による前記コンテンツの視聴が見込まれる時間帯のコストを高く評価し、かつ、前記コンテンツの配信ビットレートがより高く見込まれる周波数帯域のコストを高く評価するための基準である
[8]に記載の情報配信装置。
[10]
前記評価基準情報は、より多くの視聴者による前記コンテンツの視聴が見込まれる時間帯のコストを高く評価するための基準である
[8]又は[9]に記載の情報配信装置。
[11]
前記評価基準情報は、前記コンテンツの配信ビットレートがより高く見込まれる周波数帯域のコストを高く評価するための基準である
[8]乃至[10]のいずれかに記載の情報配信装置。
[12]
前記周波数利用状況情報取得部は、各地域ごとの前記周波数利用状況情報を管理している情報管理装置から各地域ごとの前記周波数利用状況情報を取得する
[7]乃至[11]のいずれかに記載の情報配信装置。
[13]
前記情報配信装置は、配信装置と管理装置から構成されており、
前記配信装置は、前記コンテンツ取得部と、前記コンテンツ配信部とを備え、
前記管理装置は、前記周波数利用状況情報取得部と、前記配信評価部と、前記配信情報通知部と、前記電力供給評価結果受信部とを備える
[7]乃至[12]のいずれかに記載の情報配信装置。
[14]
情報配信装置が、
配信するコンテンツを取得し、
所定の各地域における時間帯ごとの周波数帯域の利用状況に関する周波数利用状況情報を取得し、
取得した前記周波数利用状況情報に基づいて、取得した前記コンテンツを配信する配信時間帯と、その配信に利用する配信周波数帯域を評価し、
前記地域内の複数の受信装置に対して、前記配信時間帯に前記配信周波数帯域を利用して配信される前記コンテンツの配信情報を通知し、
前記地域内の複数の受信装置が前記配信情報に基づいて前記コンテンツを受信する際の電力供給量と電力供給時間に関する情報を含む電力供給情報を、電力系統の電力供給を監視制御する監視制御装置に通知することで評価される、前記配信時間帯における複数の前記受信装置に対する電力供給の可否の評価結果を受信し、
電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保される場合、前記配信時間帯になったとき、前記配信周波数帯域を利用して、取得した前記コンテンツを、前記配信情報に応じて配信可能な状態となった複数の前記受信装置に配信し、
電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保できない場合、前記配信時間帯及び前記配信周波数帯のいずれか一方又は双方を変更した前記配信情報を前記地域内の複数の受信装置に対して通知する
ステップを含む情報配信方法。
[15]
情報配信装置、情報管理装置、複数の受信装置、及び電力系統の電力供給を監視制御する監視制御装置から構成される情報配信システムにおいて、
前記情報配信装置は、
配信するコンテンツを取得するコンテンツ取得部と、
所定の各地域における時間帯ごとの周波数帯域の利用状況に関する周波数利用状況情報を管理している前記情報管理装置から、前記周波数利用状況情報を取得する周波数利用状況情報取得部と、
取得した前記周波数利用状況情報に基づいて、取得した前記コンテンツを配信する配信時間帯と、その配信に利用する配信周波数帯域を評価する配信評価部と、
前記地域内の複数の前記受信装置に対して、前記配信時間帯に前記配信周波数帯域を利用して配信される前記コンテンツの配信情報を通知する配信情報通知部と
を備え、
複数の前記受信装置のそれぞれは、
前記情報配信装置から通知される、前記配信情報に基づいて、前記コンテンツを受信する際の電力供給量と電力供給時間に関する情報を含む電力供給情報を前記監視制御装置に通知する電力供給情報通知部を備え、
前記監視制御装置は、
複数の前記受信装置のそれぞれから通知される前記電力供給情報に基づいて、前記配信時間帯における複数の前記受信装置に対する電力供給の可否を評価する電力供給評価部と、
評価された電力供給の可否の結果を、前記情報配信装置に通知する電力供給結果通知部と
を備え、
前記情報配信装置は、さらに、
前記監視制御装置から通知される電力供給の可否の結果を受信する電力供給評価結果受信部と、
電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保される場合、前記配信時間帯になったとき、前記配信周波数帯域を利用して、取得した前記コンテンツを、前記配信情報に応じて配信可能な状態となった複数の前記受信装置に配信するコンテンツ配信部を備え、
前記配信情報通知部は、電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保できない場合、前記配信時間帯及び前記配信周波数帯のいずれか一方又は双方を変更した前記配信情報を前記地域内の複数の受信装置に対して通知し、
前記受信装置のそれぞれは、さらに、
電力供給の可否の評価によって配信時間帯における電力供給が確保される場合、通知された前記配信情報に基づいて、前記コンテンツを受信可能な状態に制御する制御部と、
前記情報配信装置から配信される前記コンテンツを受信するコンテンツ受信部と
を備える情報配信システム。
【符号の説明】
【0224】
1 コンテンツ配信システム, 2 伝送路, 6 電力網, 11 ブロードキャストサーバ, 11A ブロードキャスト配信部, 12 ブロードキャストリソース管理サーバ, 12A ブロードキャストリソース管理部, 21,21A,21−1乃至21−N WSDB, 31,31−1乃至31−M TVBD, 41 電力制御サーバ, 110 制御部, 111 コンテンツ取得部, 112 通信部, 113 コンテンツ配信部, 120 制御部, 121 通信部, 122 配信評価部, 123 WSDB照会部, 124 周波数利用状況情報取得部, 125 評価基準情報取得部, 126 配信スケジュール生成部, 127 配信スケジュール通知部, 128 電力供給評価結果受信部, 210 制御部, 211 通信部, 212 DB管理部, 213 WSDB, 310 制御部, 311 通信部, 312 表示部, 313 入力部, 314 再生部, 315 蓄積部, 316 嗜好情報取得部, 317 電力供給情報通知部, 318 電力供給部, 412 電力監視制御部, 413 通信部, 500 コンピュータ, 501 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを配信する情報配信装置から通知される、配信時間帯に配信周波数帯域を利用して配信される前記コンテンツの配信情報に基づいて、前記コンテンツを受信する際の電力供給量と電力供給時間に関する情報を含む電力供給情報を、電力系統の電力供給を監視制御する監視制御装置に通知する電力供給情報通知部と、
前記監視制御装置による前記電力供給情報に基づいた電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保される場合、通知された前記配信情報に基づいて、前記コンテンツを受信可能な状態に制御する制御部と、
前記情報配信装置から配信される前記コンテンツを受信するコンテンツ受信部と
を備える受信装置。
【請求項2】
前記電力供給情報通知部は、前記監視制御装置による前記電力供給情報に基づいた電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保できない場合、前記情報配信装置から再通知される配信情報に基づいて、前記電力供給情報を前記監視制御装置に通知する
請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記制御部は、通知された前記配信情報に基づいて、前記情報配信装置から配信される前記コンテンツの中から所望のコンテンツを選択し、
前記電力供給情報通知部は、選択された前記コンテンツに関する前記電力供給情報を通知する
請求項1に記載の受信装置。
【請求項4】
前記制御部は、選択された前記コンテンツの配信情報に基づいて、前記情報配信装置から前記コンテンツが配信される直前になったとき、前記受信装置を起動させて、前記コンテンツを受信可能な状態にする
請求項3に記載の受信装置。
【請求項5】
前記配信時間帯と前記配信周波数帯域は、所定の各地域における時間帯ごとの周波数帯域の利用状況に関する周波数利用状況情報を基に決定される
請求項4に記載の受信装置。
【請求項6】
受信装置が、
コンテンツを配信する情報配信装置から通知される、配信時間帯に配信周波数帯域を利用して配信される前記コンテンツの配信情報に基づいて、前記コンテンツを受信する際の電力供給量と電力供給時間に関する情報を含む電力供給情報を、電力系統の電力供給を監視制御する監視制御装置に通知し、
前記監視制御装置による前記電力供給情報に基づいた電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保される場合、通知された前記配信情報に基づいて、前記コンテンツを受信可能な状態に制御し、
前記情報配信装置から配信される前記コンテンツを受信する
ステップを含む受信方法。
【請求項7】
配信するコンテンツを取得するコンテンツ取得部と、
所定の各地域における時間帯ごとの周波数帯域の利用状況に関する周波数利用状況情報を取得する周波数利用状況情報取得部と、
取得した前記周波数利用状況情報に基づいて、取得した前記コンテンツを配信する配信時間帯と、その配信に利用する配信周波数帯域を評価する配信評価部と、
前記地域内の複数の受信装置に対して、前記配信時間帯に前記配信周波数帯域を利用して配信される前記コンテンツの配信情報を通知する配信情報通知部と、
前記地域内の複数の受信装置が前記配信情報に基づいて前記コンテンツを受信する際の電力供給量と電力供給時間に関する情報を含む電力供給情報を、電力系統の電力供給を監視制御する監視制御装置に通知することで評価される、前記配信時間帯における複数の前記受信装置に対する電力供給の可否の評価結果を受信する電力供給評価結果受信部と、
電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保される場合、前記配信時間帯になったとき、前記配信周波数帯域を利用して、取得した前記コンテンツを、前記配信情報に応じて配信可能な状態となった複数の前記受信装置に配信するコンテンツ配信部と
を備え、
前記配信情報通知部は、電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保できない場合、前記配信時間帯及び前記配信周波数帯のいずれか一方又は双方を変更した前記配信情報を前記地域内の複数の受信装置に対して通知する
情報配信装置。
【請求項8】
前記配信時間帯及び前記配信周波数帯域を評価するときの基準となる評価基準情報を取得する評価基準情報取得部をさらに備え、
前記配信評価部は、取得した前記評価基準情報に基づいて、前記配信時間帯及び前記配信周波数帯域を評価する
請求項7に記載の情報配信装置。
【請求項9】
前記評価基準情報は、より多くの視聴者による前記コンテンツの視聴が見込まれる時間帯のコストを高く評価し、かつ、前記コンテンツの配信ビットレートがより高く見込まれる周波数帯域のコストを高く評価するための基準である
請求項8に記載の情報配信装置。
【請求項10】
前記評価基準情報は、より多くの視聴者による前記コンテンツの視聴が見込まれる時間帯のコストを高く評価するための基準である
請求項8に記載の情報配信装置。
【請求項11】
前記評価基準情報は、前記コンテンツの配信ビットレートがより高く見込まれる周波数帯域のコストを高く評価するための基準である
請求項8に記載の情報配信装置。
【請求項12】
前記周波数利用状況情報取得部は、各地域ごとの前記周波数利用状況情報を管理している情報管理装置から各地域ごとの前記周波数利用状況情報を取得する
請求項7に記載の情報配信装置。
【請求項13】
前記情報配信装置は、配信装置と管理装置から構成されており、
前記配信装置は、前記コンテンツ取得部と、前記コンテンツ配信部とを備え、
前記管理装置は、前記周波数利用状況情報取得部と、前記配信評価部と、前記配信情報通知部と、前記電力供給評価結果受信部とを備える
請求項7に記載の情報配信装置。
【請求項14】
情報配信装置が、
配信するコンテンツを取得し、
所定の各地域における時間帯ごとの周波数帯域の利用状況に関する周波数利用状況情報を取得し、
取得した前記周波数利用状況情報に基づいて、取得した前記コンテンツを配信する配信時間帯と、その配信に利用する配信周波数帯域を評価し、
前記地域内の複数の受信装置に対して、前記配信時間帯に前記配信周波数帯域を利用して配信される前記コンテンツの配信情報を通知し、
前記地域内の複数の受信装置が前記配信情報に基づいて前記コンテンツを受信する際の電力供給量と電力供給時間に関する情報を含む電力供給情報を、電力系統の電力供給を監視制御する監視制御装置に通知することで評価される、前記配信時間帯における複数の前記受信装置に対する電力供給の可否の評価結果を受信し、
電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保される場合、前記配信時間帯になったとき、前記配信周波数帯域を利用して、取得した前記コンテンツを、前記配信情報に応じて配信可能な状態となった複数の前記受信装置に配信し、
電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保できない場合、前記配信時間帯及び前記配信周波数帯のいずれか一方又は双方を変更した前記配信情報を前記地域内の複数の受信装置に対して通知する
ステップを含む情報配信方法。
【請求項15】
情報配信装置、情報管理装置、複数の受信装置、及び電力系統の電力供給を監視制御する監視制御装置から構成される情報配信システムにおいて、
前記情報配信装置は、
配信するコンテンツを取得するコンテンツ取得部と、
所定の各地域における時間帯ごとの周波数帯域の利用状況に関する周波数利用状況情報を管理している前記情報管理装置から、前記周波数利用状況情報を取得する周波数利用状況情報取得部と、
取得した前記周波数利用状況情報に基づいて、取得した前記コンテンツを配信する配信時間帯と、その配信に利用する配信周波数帯域を評価する配信評価部と、
前記地域内の複数の前記受信装置に対して、前記配信時間帯に前記配信周波数帯域を利用して配信される前記コンテンツの配信情報を通知する配信情報通知部と
を備え、
複数の前記受信装置のそれぞれは、
前記情報配信装置から通知される、前記配信情報に基づいて、前記コンテンツを受信する際の電力供給量と電力供給時間に関する情報を含む電力供給情報を前記監視制御装置に通知する電力供給情報通知部を備え、
前記監視制御装置は、
複数の前記受信装置のそれぞれから通知される前記電力供給情報に基づいて、前記配信時間帯における複数の前記受信装置に対する電力供給の可否を評価する電力供給評価部と、
評価された電力供給の可否の結果を、前記情報配信装置に通知する電力供給結果通知部と
を備え、
前記情報配信装置は、さらに、
前記監視制御装置から通知される電力供給の可否の結果を受信する電力供給評価結果受信部と、
電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保される場合、前記配信時間帯になったとき、前記配信周波数帯域を利用して、取得した前記コンテンツを、前記配信情報に応じて配信可能な状態となった複数の前記受信装置に配信するコンテンツ配信部を備え、
前記配信情報通知部は、電力供給の可否の評価によって前記配信時間帯における電力供給が確保できない場合、前記配信時間帯及び前記配信周波数帯のいずれか一方又は双方を変更した前記配信情報を前記地域内の複数の受信装置に対して通知し、
前記受信装置のそれぞれは、さらに、
電力供給の可否の評価によって配信時間帯における電力供給が確保される場合、通知された前記配信情報に基づいて、前記コンテンツを受信可能な状態に制御する制御部と、
前記情報配信装置から配信される前記コンテンツを受信するコンテンツ受信部と
を備える情報配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−253642(P2012−253642A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126026(P2011−126026)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】