受動光網システムおよび光加入者接続装置
【課題】PONシステムにおいて、ONUが、自ら通信帯域を推定することなく、ONUに割り当てられている帯域量を正確に把握し、ONUの動作に反映するONUおよびPONシステムを提供する。
【解決手段】各ONUに割り当てられている帯域量を、各ONUからOLTへの要求に応じて、OLTからONUに通知する。ONUは、OLTから帯域情報を取得し、予め設定したアルゴリズムに従ってコーデック設定、ダウンロード制御または電源制御に活用する。
【解決手段】各ONUに割り当てられている帯域量を、各ONUからOLTへの要求に応じて、OLTからONUに通知する。ONUは、OLTから帯域情報を取得し、予め設定したアルゴリズムに従ってコーデック設定、ダウンロード制御または電源制御に活用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受動光網システムおよび光加入者接続装置に係り、特に複数の光加入者接続装置が光伝送回線を共有する受動光網システムおよび光加入者接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
PON(Passive Optical Network:受動光網)は、OLT(Optical Line Terminal:光加入者端局装置)と複数のONU(Optical Network Unit:光加入者接続装置)から構成される。PONは、ONUに接続された複数の端末(PC他)からの信号を光信号に変換して、ONU→支線光ファイバ→光スプリッタを介しOLTへの幹線光ファイバと時分割多重してOLTに送信する。光信号を受信したOLTは、各種信号処理する。この結果、PONでは、あるONUの端末からPONの他のONUの端末と、またはNW(NetWork)に接続されたさらに他の端末と通信を行なう。
【0003】
OLTからONUに送信されるデータは、下り信号と呼ばれる。下り信号は、1本の幹線光ファイバから光スプリッタで接続されるすべての支線光ファイバを経由してすべてのONUに届けられる。各ONUでは、データから自分宛のデータのみ取り出す。したがって、特定のONUだけに下り信号が占有されないよう、各ONU毎に使用できる下りの帯域(データ送信位置/時間)を事前にOLTで割り当てる。
【0004】
また、1本の光ファイバを多くのONUで、各ONUユーザーからの要求に応じて出来るだけ多くのONUに公平に多くのデータを送信できるようにOLTが各ONUの上りの帯域(データ送信位置/時間)を割り当てるDBA(Dynamic Bandwidth Allocation)技術もITU−T勧告G.983.4で規定されている。この技術に基づく帯域制御も行なわれている。
【0005】
ITU−T勧告G.984.3の8.2章の規定では、複数のONUからOLTに向けて伝送される信号は、上り信号と呼ばれる。上り信号は、プリアンブル、デリミタ、ペイロード信号より構成される。また同勧告8章に示すように、各上り信号の直前には前のバースト信号との衝突防止のためにガードタイムが設定される。一方、同勧告8.1章の規定によれば、OLTより複数のONUに向けて送信される信号は、フレーム同期パタン、PLOAM領域、US Bandwidth MAP領域、フレームペイロードから構成されている。なお、個々のONUにはT−CONTと呼ばれる複数の帯域割り当て単位が割り付けられる。上り送信許可タイミングの指定は、T−CONT毎に行なわれる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】ITU−T勧告G.984.3
【非特許文献2】ITU−T勧告G.983.4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
下り帯域および上り帯域の各ONUへの割当量は、各ONUには通知されない。すなわち、各ONUの使用者およびONUに接続される端末装置は、ONUへの割当帯域を正確に知ることができない。したがって、使用者または端末装置は、自ら通信帯域を測定するなどして割当帯域量を推定してデータ通信を行なうため、大容量のデータ送受信を計画しても必ずしも予定通りに実行できない可能性がある。
【0008】
例えば、高ビットレートのストリーミング映像を再生する端末装置で、ONUへの割当帯域量を超えるデータを受信しようとすることが考えられる。その場合、ストリーミング映像の途切れが発生することになる。また、別の例では、ダウンロードにおいてONUに割り当てられた帯域以上のデータを送受信しようとすることが考えられる。この場合、超過分のパケットは廃棄されてしまうことになる。これらの場合、ストリーミング映像では途切れない程度までビットレートを低くして再受信する必要が発生する。また、ダウンロードにおいては廃棄されたパケットを再受信する必要が発生する。よって、これらの再受信動作により、ONUおよびOLTなどネットワークリソースの浪費になる。
【0009】
本発明の目的は、各ONUの使用者あるいは接続される端末装置が、ONUに割り当てられている帯域量を正確に把握することができ、さらに端末装置が割当帯域量を知らないことに起因するネットワークリソースの浪費を防止する受動光網システムおよび光加入者接続装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題は、各ONUに割り当てられている帯域量をOLTから各ONUに通知し、各ONUはONUに割り当てられている帯域情報を用いてストリーミング映像のコーデック(再生用ソフトウェア)およびビットレートを選択する、また、データのダウンロードを計画する、あるいは、ONUに接続されている機器の電源を制御することで解決できる。帯域量を通知するとは、具体的には、(1)ONUからの問合せに対してOLTの帯域設定情報をONUにOMCI(ONT Management and Control Interface)メッセージで通知する、(2)OLTに通信サーバ機能を持たせ、ONU接続端末からの問合せメッセージに対して帯域設定情報を通知する、などの方法が考えられる。
【0011】
上述した課題は、光ファイバで相互に接続された光加入者接続装置と光加入者端局装置とからなり、光加入者接続装置は、上りおよび下りの帯域情報記録部を含み、光加入者端局装置から帯域情報問合せメッセージを受信したとき、帯域情報記録部を参照して、帯域情報を記録した帯域情報回答メッセージを返信し、光加入者端局装置は、外部接続機器を接続し、帯域情報に基づいて、外部接続機器を制御する受動光網システムにより、解決できる。
【0012】
また、光ファイバで光加入者接続装置と接続され、外部接続機器と電気的に接続され、メッセージ送信部と、メッセージ受信部と、外部接続機器制御部とを備え、メッセージ送信部から帯域情報問合せメッセージを送信し、メッセージ受信部で帯域情報回答メッセージを受信したとき、外部接続機器制御部は、帯域情報回答メッセージに含まれた帯域情報に基づいて、外部接続機器を制御する光加入者接続装置により、達成できる。
【発明の効果】
【0013】
PONシステムにおいて、ONU使用者側においてOLTにおけるONUまでの帯域設定を正確に把握し、ONU本体およびONUに接続される端末装置の動作設定を、利用可能な帯域量に連動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】光アクセス網およびデータ配信網のブロック図である。
【図2】幹線ファイバ上の光信号を説明する図である。
【図3】光アクセス網における帯域設定を説明する図である。
【図4】OLTの機能ブロック図である。
【図5】帯域情報テーブル下りを説明する図である。
【図6】帯域情報テーブル上りを説明する図である。
【図7】ストリーミング信号を受信・復号するONUの機能ブロック図である。
【図8】OMCCフレームのフォーマットである。
【図9】下り信号のメッセージ内容を説明する図である。
【図10】上り信号のメッセージ内容を説明する図である。
【図11】帯域情報通知に係るOLTのフローチャートである。
【図12】帯域情報通知に係るOLTの他のフローチャートである。
【図13】帯域情報通知に係るOLTのさらに他のフローチャートである。
【図14】光アクセス網の他の帯域設定を説明する図である。
【図15】光アクセス網のさらに他の帯域設定を説明する図である。
【図16】ONUにおけるストリーミング信号のデコーダ設定処理のフローチャートである。
【図17】ONUのCPU、デコーダLSIと、OLTと、IPTVサーバと、TVとの間のTV視聴のシーケンス図である。
【図18】HDDを接続するONUの機能ブロック図である。
【図19】ONUにおけるデータのダウンロード制御処理のフローチャートである。
【図20】ONUのCPUと、ONUに接続されるHDD、PCと、OLTと、ダウンロードサーバとの間のデータダウンロードのシーケンス図である(その1)。
【図21】ONUのCPUと、ONUに接続されるHDD、PCと、OLTと、ダウンロードサーバとの間のデータダウンロードのシーケンス図である(その2)。
【図22】ONUのCPUと、ONUに接続されるHDD、PCと、OLTと、ダウンロードサーバとの間のデータダウンロードのシーケンス図である(その3)。
【図23】ONUのCPUと、ONUに接続されるHDD、PCと、OLTと、ダウンロードサーバとの間のデータダウンロードのシーケンス図である(その4)。
【図24】外部機器の電源を制御するONUの機能ブロック図である。
【図25】ONUにおける外部機器の電源制御処理のフローチャートである。
【図26】ONUのCPUと、ONUに接続されるPCと、OLTとの間の電源制御処理のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用い図面を参照しながら説明する。なお、実質同一部位には同じ参照番号を振り、説明は繰り返さない。
【0016】
図1を参照して、光アクセス網とデータ配信網の構成を説明する。図1において、PON10は、PSTN/インターネット20に接続されて、データを送受信する。PON10は、光スプリッタ100、幹線ファイバ110、支線ファイバ120、OLT200、ONU300、電話400およびパーソナルコンピュータ410ならびにTV420およびHDD440から構成される。
【0017】
OLT200には、1本の幹線ファイバ110、光スプリッタ100および32本の支線ファイバ120を介して、32台のONU300が接続可能である。図1には5台のONUを図示し、それぞれOLT200からのファイバ長が異なる。図示では、ONU300−1はOLTからのファイバ長が1km、ONU300−2はOLTからのファイバ長が10km、ONU300−3はOLTからのファイバ長が20km、ONU300−4はOLTからのファイバ長が10km、ONU300−nはOLTからのファイバ長が15kmである。
【0018】
また、PSTN/インターネット20は、IPTVサーバ21、ダウンロードサーバ22と接続されている。IPTVサーバ21は、IPパケットでTV放送を送信するサーバである。ダウンロードサーバ22は、電子ファイルの供給元サーバである。PSTN/インターネット20は、図示しない端末と接続されてもよい。
【0019】
図2を参照して、幹線ファイバ110を流れる光信号を説明する。図2において、幹線ファイバ110上の下り信号130は、ONU300全部へ同報される。一方、上り信号140は、各ONU300からの光信号を光スプリッタで時分割多重化した光信号である。下り信号と上り信号は、それぞれ帯域を制御する方法は異なる。しかし、下り信号と上り信号は、いずれの信号でもONU300全部に帯域を分配する。
【0020】
図3を参照して、光アクセス網における帯域設定を説明する。図3において、光アクセス網の全帯域1000の一部には、各ONU300−1〜nに対して事前に保証した帯域1000−1〜1000−nがある。具体的には、ONU300−1には10Mbit/s、ONU300−2には15Mbit/sなどである。これら保証帯域1000−1〜nの総和を全帯域1000から差し引いた残りの帯域1010を、各ONU300−1〜nに、それぞれの保証帯域1000−1〜1000−nの比に応じて分配する。この分配される帯域1010の量は、保証帯域1000−1〜1000−nが変更されるたびに更新する。ここでの保証帯域を以下、ASB(Assured Bandwidth)と呼び、分配される帯域をBest Effortと呼ぶ。
【0021】
図4を参照して、本実施例によるOLT200の構成を説明する。図4において、OLT200は、下り信号について、網IF201、パケットバッファ202、Alloc ID付与部203、パケットメモリ204、CPU206、キュー207、PONフレーム生成部208、ドライバ209、E/O変換部210、WDMフィルタ211を有する。OLT200は、上り信号について、WDMフィルタ211、O/E変換部212、ATC213、クロック抽出部214、デリミタ検出部215、PONフレーム分解部216、ONT−ID照合部220、誤り照合部221、パケットバッファ222、網IF223を有する。OLT200は、さらに監視制御部230、グラント生成部232、下り帯域情報生成部231、帯域設定情報生成部252、過去設定データメモリ253、OMCIメッセージ生成部254、帯域情報テーブル下り233、帯域情報テーブル上り234、距離測定部217、OH管理テーブル部218、リセットタイミング生成部219、OMCIメッセージ抽出部250、帯域設定情報要求確認部251を有する。
【0022】
網IF201は、PSTN/インターネット20からの信号を受信する。網IF201は、受信を一旦パケットバッファ202に格納する。次にAlloc ID付与部203は、パケットのヘッダに応じてパケット宛先のAlloc IDを識別してパケットに付与し、かつ、Alloc ID毎のパケット受信数205をCPU206に報告する。Alloc ID付与部203は、パケットをパケットメモリ204に格納する。パケットメモリは、パケットを順次キュー207に転送する。キュー207は、CPU206から指示されたタイミングで、PONフレーム生成部208に送信する。キュー207に対する送信指示は、下りの帯域情報テーブル233の内容に従ってAlloc ID毎の時間配分をCPU206が計算する。ここでは、あるAlloc IDがASBより大きいパケット数を受信した場合は、他のAlloc IDのASBを超えたパケット数をすべて合計した後、Best Effort帯域の範囲で各Alloc IDに帯域の再分配を行なう。なお、下りの帯域情報テーブル233の内容は、監視制御部230が帯域設定を下り帯域情報テーブル生成部231に指示して作成される。
【0023】
このパケットバッファ202からキュー207までの一連のパケットシェーパ機能によって、パケットメモリ204の容量を超えない範囲において、各Alloc IDに割り当てられた帯域量に応じたパケットが下り方向に送出される。
【0024】
PONフレーム生成部208は、キュー207からの信号と、グラント生成部232からの信号をPON下りフレーム信号に格納して送信する。ドライバ209は、PON下りフレーム信号を、電圧から電流に変換する。E/O部210は、電気信号を光信号に変換する。光信号は、WDMフィルタ211を介して幹線ファイバ110に送信される。
【0025】
また、幹線ファイバ110から受信された上り光信号は、WDM211を介して、O/E部212で受信される。O/E部212は、光信号を電気信号に変換する。ATC(Automatic Threshold Control)213は、適切なしきい値による0値または1値の識別を行なう。クロック抽出部214は、クロック抽出およびリタイミングを行なう。さらにデリミタ検出部215は、上り信号の切れ目を識別する。
【0026】
PONフレーム分解部216は、PONフレームを分解し、キュー長領域に格納されたキュー長レポートをグラント生成部232に送る。また、距離測定部217は、距離測定を実施する。OH管理テーブル部218は、測定された距離測定値を格納する。OH管理テーブル部218は、またO/E部212からの受信光パワーの値も蓄積し、ONU300毎に適切なガードタイム値を出力するテーブルを備える。OH管理テーブル部218は、ガードタイム値をグラント生成部232に送る。グラント生成部232は、監視制御部230を経由して与えられた帯域設定値、PONフレーム分解部216からのキュー長レポート、OH管理テーブル部218からのガードタイム値を用いてStart値およびStop値を生成する。グラント生成部232は、生成したStart値およびStop値をリセットタイミング制御部219に渡す。リセットタイミング制御部219は、ONU300毎に変えられたガードタイムの長さに同期し、ATC213のリセットを行なう。
【0027】
一方、PONフレーム分解部216から出力された受信信号について、ONT−ID照合部220は、指定したONUからの信号であるか照合する。さらに、誤り照合部221は、ONU300毎に受信した信号のビット誤り数を計数する。誤り照合部221は、この誤り数もOH管理テーブル部218に送信する。OH管理テーブル部218は、誤り数を最適なガードタイムの長さを算出するために使う。誤り照合部221は、ユーザー信号について、パケットバッファ222に一旦格納する。パケットバッファ222は、ユーザー信号について、網IF223を経由して、PSTN/インターネット20に向けて送信する。
【0028】
また、監視制御部230は、帯域設定の指示をグラント生成部232に送る。グラント生成部232は、テーブル書込情報を出力し、帯域情報テーブル上り234を更新する。さらに、PONフレーム分解部216は、キュー長レポートをグラント生成部232に出力する。グラント生成部232は、帯域設定を再度行ない、上り帯域情報テーブル234を更新する。この時、キュー長レポートが各Alloc IDの最大帯域値より大きい場合、グラント生成部232は、帯域設定においては最大帯域値を採用する。
【0029】
図5および図6を参照して、帯域情報テーブルを説明する。図5において、帯域情報テーブル下り233は、Alloc ID2331、ASB2332、Best Effort2333の各コラムで構成され、Alloc IDに対応する保証帯域量(ASB)とBest Effort値を保持する。
【0030】
図6において、帯域情報テーブル上り234は、Alloc ID2341、ASB2342、Best Effort2343の各コラムで構成され、Alloc IDに対応する保証帯域量(ASB)とBest Effort値を保持する。
【0031】
図7を参照して、ONUの構成を説明する。図7において、ONU300は、下り信号についてWDMフィルタ301、O/E変換部302、AGC(Automatic Gain Control)303、クロック抽出部304、PONフレーム分離部305、フレーム振分部306、2つのパケットバッファ307、EtherIF(インタフェース)308を備える。ONU300は、上り信号について、EtherIF308、パケットバッファ309、送信制御部310、PONフレーム生成部311、ドライバ312、E/O変換部313、WDMフィルタ301を備える。ONU300は、さらにPLOAM終端部321、グラント終端部320、データ形式変換部323、CPU324、メモリ325、等価遅延値記憶部322、メッセージ生成部327、デコーダLSI330、メモリ331、ビデオ・音声ドライバ332、HDMI(High Definition Multimedia Interface)端子333、赤外線リモコンデコーダ334を備える。
【0032】
支線ファイバ120から受信した光信号について、WDMフィルタ301は、波長分離する。O/E変換部302は、光信号を電気信号に変換する。AGC303は、振幅値が一定となるように制御を行なう。クロック抽出部304は、リタイミングを行なう。PONフレーム分離部305は、信号分離を行なう。PONフレーム分離部305は、物理層オペレーション/メンテナンス信号(PLOAM信号)をPLOAM終端部321に送る。PONフレーム分離部305は、またグラント指示信号をグラント終端部320に送る。PONフレーム分離部305は、フレームペイロード信号をフレーム振り分け部306に送る。フレーム振り分け部306は、ユーザー信号を、パケットバッファ307−1およびパケットバッファ307−2に一時的に格納する。ユーザー信号は、それぞれEtherIF308−1およびEtherIF308−2を経て出力される。
【0033】
またEtherIF308−1およびEtherIF308−2から入力された信号は、それぞれパケットバッファ309−1およびパケットバッファ309−2に一時的に格納される。送信制御部310は、パケットバッファ309−1およびパケットバッファ309−2からのユーザー信号の読み出しを制御する。PONフレーム生成部311は、ユーザー信号をPONフレームに組み立てる。組み立てられた信号についてドライバ312は、電流信号に変換する。E/O部313は、電気信号を光信号に変換する。E/O部313は、WDMフィルタ301を経て支線ファイバ120に向けて送信する。
【0034】
送信制御部310は、グラント終端部320から抽出された送信許可値に、PLOAM終端部321から抽出されて等価遅延値記憶部322に蓄積された等価遅延値を加えて、OLT200に向けて送信する。なお、パケットバッファ307−1と307−2には、それぞれ異なるAlloc IDのパケットを振り分けて格納することができる。また、パケットバッファ309−1と309−2には、それぞれ異なるAlloc IDを出力パケットに付与することができる。
【0035】
また、CPU324において帯域情報の要求が発信される時、OLT200宛てに帯域設定情報を要求する適切なOMCIメッセージがメッセージ生成部327にて構成される。OMCIメッセージがPONフレーム生成部311に入力され、ドライバ312を通じてE/O変換部313からOLT200に送られる。そして、図4におけるOLT200のPONフレーム分解部216にてOMCIメッセージが分離され、OMCIメッセージ抽出部250にて帯域設定情報の要求確認部251で要求信号が確認されると、監視制御部230に帯域設定情報の要求信号が送られる。
【0036】
監視制御部230は、帯域設定情報生成部252に帯域設定情報を生成する指示を送る。帯域設定情報生成部252は、帯域情報テーブル下り233および帯域情報テーブル上り234の読み出しを行い、帯域情報を集計および演算する。特に、各ONUの可能なASB予想値と可能なBest Effort予想値を算出することも可能である。予想値の算出方法はアルゴリズムによって異なり、ここでは過去設定データメモリ253から、過去の設定情報を読み出して予測に使用する。この場合、帯域設定情報送信のための演算が行なわれるたびに、過去設定データメモリ253に結果を格納して、将来の演算に利用する。演算が完了したらOMCIメッセージ生成部280に演算結果が送信される。OMCIメッセージ生成部280は、予め規定された形式によってOMCCフレームに編集する。PONフレーム生成部203は、OMCCフレームをPONフレームに変換する。PONフレームについて、ドライバ209で駆動されるE/O変換部210は、ONU300に送信する。
【0037】
その後、OLT200から送信された、帯域設定情報を含んだOMCIメッセージは、図7のPONフレーム分離部305で抽出され、データ形式変換部323でCPU324が読み取れる形式に変換され、CPU324に送信される。CPU324はメモリ325に帯域設定情報を格納する。
【0038】
図7において、ONU300は、ビデオデコード機能を有している。HDMI端子333は、TV420からのTV選局信号やTV視聴開始/終了信号をCPU324に伝達する。一方、TV420がHDMI端子をもたない場合、赤外線リモコンデコーダ334は、同様に赤外線リモコン信号によるTV選局信号やTV視聴開始/終了信号をCPU324に伝達する。TV選局信号を受信したCPU324は、図1におけるIPTVサーバ21にEtherIF308−1を通じて認証要求を送信する。CPU324は、認証成功後、選局されたTV信号の送信をIPTVサーバ21に要求する。IPTVサーバ21は、ディジタルビデオ信号がエンコードされたIPパケットをCPU324のIPアドレスに送信する。OLT200は、パケットバッファ307−1に送信されるようIPパケットにAlloc IDを割り当てる。
【0039】
EtherIF308−1は、IPパケットをEtherパケットに変換する。デコーダLSI330は、CPU324を経由して受信したEtherパケットから元のディジタルビデオ信号を復号する。ビデオ・音声ドライバ332は、復号されたディジタルビデオ信号について、コンポジット信号とLR音声信号に変換する。あるいは、ビデオ・音声ドライバ332は、復号されたディジタルビデオ信号について、ディジタル信号のままHDMI端子333を経由して、外部接続されたTV420に映像・音声として出力する。デコーダLSI330は、複数のコーデックを具備し、CPU324の指示によりIPTVサーバ21と同時にコーデックを選択する。デコーダLSI330は、また、復号処理において作業用にメモリ331を利用する。コーデックの選択には、CPU324が取得した帯域設定情報を用いて、最も消費電力が少なくなるアルゴリズム、または、最も帯域消費が少なくなるアルゴリズムを適用する。
【0040】
図8を参照して、OMCIメッセージを構成するOMCCフレームを説明する。ここで、図8はOMCCフレームのフォーマットである。図8において、OMCCフレーム1100は、ヘッダ1101、個別のメッセージ番号および種別1102と、メッセージ内容1103で構成される。
【0041】
また、図9を参照して、下り信号におけるOMCCフレームのメッセージ内容を説明する。ここで、図9は下り信号のメッセージ内容を説明する図である。図9において、下り信号のメッセージ内容1103Aは、ONU1台に割り当てられているAllocの数がnとして、Alloc#1用信号2001−1、Alloc#2用信号2001−2、…、Alloc#1〜n総和の信号2002、計算によるAlloc#1〜n全体の割当可能信号より構成される。さらにAlloc#m用信号2001−m(m=1〜n)は、Alloc ID領域2004−m、ASB値2005−mおよびBest Effort値2006−mより構成される。
【0042】
ASB値2005−mは、現在保証している帯域量を示す。また、Best Effort値2006−mは、現在設定されているBest Effort値を示す。ここで、総和の信号2002のAlloc ID部2007は、998である。ASB値2008(ここでは800)は、Alloc#1〜nのすべての保証帯域の和である。Best Effort値2009(ここでは2000)は、同様にすべてのBest Effort値の和である。
【0043】
また、可能な帯域量を示す信号2003のAlloc ID部2010は、999である。ASB値2011(ここでは3000)は、Alloc#1〜nのすべての可能な保証帯域の和である。Best Effort値2012(ここでは6000)は、同様にすべての可能なBest Effort値の和である。
【0044】
さらに、図10を参照して、上り信号におけるOMCCフレームのメッセージ内容を説明する。ここで、図10は上り信号のメッセージ内容を説明する図である。図10において、メッセージ内容1103Bは、Alloc ID2101、指示2102、問合せID2103、問合せ時刻2104で構成される。指示2102は、問合せや受信完了通知を意味する数値をそれぞれあらかじめ定めておき、メッセージの送信目的に応じて書き込む。問合せID2103は、各ONU300にてカウントするIDであり、Alloc IDと一緒に送信される。このため、ONU間で重複しても構わない。また、1台のONUで複数のAlloc IDを持つ場合は、任意の1個のAlloc IDによるメッセージの送信だけでよい。
【0045】
図11を参照して、帯域情報通知に係るOLTの動作を説明する。ここで、図11は帯域情報通知に係るOLTのフローチャートである。図11において、OLT200は、ONUからの帯域情報要求を待つ(S171)。ONU#iから帯域情報要求がOMCIを通じて到着すると(S171:YES)、OLT200は、ONU#iの現在の帯域設定情報を読み出す(S172)。次に、OLT200は、キュー長レポートからONU#iの現在実際に稼動している帯域を読み出す(S173)。そして、OLT200は、それらの値からONU#iのBest Effort値を計算する(S174)。さらに、OLT200は、現在の空き領域情報からONU#iの割当可能な領域の計算する(S176)。OLT200は、ONU#iの帯域情報更新が完了したか判定する(S177)。ステップ177で完了を判定したとき(YES)、OLT200は、OMCIによってONU#iに帯域情報を送信する(S177)。OLT200は、OMCIによるONU#iから受信完了通知があるか判定する(S179)。YESならば、OLT200は、ステップ171に遷移する。ステップ179でNOならば、OLT200は、帯域情報送信から10秒経過したか判定する(S181)。YESならば、OLT200は、エラー処理して(S182)ステップ171に遷移する。ステップ181でNOであればステップ179に遷移する。
【0046】
図12を参照して、OLTによる帯域情報通知の他の動作を説明する。ここで、図12は帯域情報通知に係るOLTの他のフローチャートである。図12において、図11との対比から明らかなようにその差はステップ136が追加されているのみである。したがって、ステップ136のみ説明する。ステップ134で、OLT200は、Best Effort値の計算を行う。OLT200は、あらかじめ空き領域の変動率を20%と見込んでその20%をマージンとして現在の空き領域情報から減算する(S136)。OLT200は、その減算値を元に、割当可能な領域の計算を実行する(S137)。
【0047】
図13を参照して、OLTによる帯域情報通知のさらに他の動作を説明する。ここで、図12は帯域情報通知に係るOLTのさらに他のフローチャートである。図13において、OLT200は、ONUからの帯域情報要求を待つ(S151)。ONU#iから帯域情報要求がOMCIを通じて到着すると(S151:YES)、OLT200は、ONU#iの現在の帯域設定情報を読み出す(S152)。OLT200は、そして、帯域設定情報からBest Effort値を計算する(S153)。一方、OLT200は、過去設定データメモリ271から現在と同じ時間帯の過去設定データを読み出す(S154)。OLT200は、その過去設定データを平均した上で、現在割当可能な領域とみなして出力する(S156)。以下のステップ157〜ステップ162は、図11のステップ177〜ステップ182と同じなので、説明は省略する。
【0048】
図14を参照して、Best Effort帯域の計算の他の実施例を説明する。ここで、図14は光アクセス網の他の帯域設定を説明する図である。図14において、帯域計算時に電源がONになっているONU300のみの保証帯域ASB1100−1〜1100−nの和を全帯域1000から減算する。残り帯域1110を電源ONのONU300のASB1100−1〜1100−nの比にしたがって各ONU300に分配する。
【0049】
図15を参照して、Best Effort帯域の計算のさらに他の実施例を説明する。ここで、図15は光アクセス網のさらに他の帯域設定を説明する図である。図15において、ONU300において計算時に実際にデータ通信に使用されている帯域1200−1〜1200−nの和を全帯域1000から減算する。残り1210を現在の電源ONになっているONU300の実使用帯域1200−1〜1200−nの比にしたがって各ONU300に分配する。
【0050】
図16を参照して、ONUがコーデックを選択する処理を説明する。図16において、ONU300は、ユーザーによるTV選局を待つ(S101)。ONU300は、TV選局信号の受信を検知し(S101:YES)、OMCIメッセージによって帯域情報要求通知をOLTに送信する(S102)。ONU300は、OMCIメッセージによるOLT200からの情報通知受信を待つ(S103)。受信があった場合、ONU300は、OLT200に受信完了を通知する(S104)。ONU300は、受信した帯域情報から、ONU300のEtherIF308−1に割り当てられているASBとBest Effort帯域の和からTV受信以外に予め決められた必要な帯域を除いた値がHDTV受信可能な値かどうか判断する(S105)。ここではしきい値を5Mbit/sとして、それ以下であればNOとする(S105:NO)。この場合、コーデックをMPEG4とし、画質をSDTVに決定する(S106)。
【0051】
もしYES(S105:YES)であれば、次にONU300の初期設定が省電力モードあるいは省帯域モードのいずれを選択しているか確認する(S107)。もし省電力モードであれば(S107:省電力)、次にMPEG2が受信可能な帯域量か判断する(S108)。ここでは、しきい値を20Mbit/sとして、それ以上であればYES(S108:YES)とする。ここでは、MPEG2のほうがMPEG4よりも消費電力が低いものとする。しかし、同じMPEG2でも、より高画質で見たいのがユーザーの要求であると考えると、ここでは省電力の判断はさておいて、可能な最高画質の判断に移る。すなわち、MPEG2であっても、映像の走査線の規格が1080iの受信が可能かどうか判断する(S109)。ここでは、しきい値を25Mbit/sとして、それ以上であればYESとして(S109:YES)、コーデックをMPEG2,画質をHDTVの1080iと決定する。
【0052】
閾値以下であれば(S109:NO)、コーデックをMPEG2、画質をHDTVの720pとする。また、省帯域モードである場合(S107:省帯域)、また、MPEG2受信が可能でない場合(S108:NO)、ともに、MPEG4で1080iが受信可能かどうか判断する(S112)。ここでは、しきい値を15Mbit/sとして、それ以上であればYESとし(S112:YES)、コーデックをMPEG4、画質を1080iに決定する(S113)。やはりここでは、省帯域の判断の外で、同じMPEG4でも最高画質を優先する。しきい値以下であれば(S112:NO)、コーデックをMPEG4、画質をHDTVの720pと決定する(S114)。
【0053】
コーデックについて、説明しよう。MPEG2はMEG4と比べて省電力である。一方、MPEG4はMEG2と比べて省帯域である。MPEG4は、少ないデータ量でMPEG2と同じ画質を提供できる。しかし、MPEG4は、演算量がMPEG2に対して、膨大となる。SDTVは、旧来の525本の画像数である。一方、HDTVは、ハイビジョンまたはフルハイビジョンであり、ハイビジョンならば720p、フルハイビジョンならば1080iが実現できる。
【0054】
図17を参照して、IPTVサーバからのTV視聴動作を説明する。図17において、TV420は、CPU324にTV選局信号を送信する(S200)。CPU324は、OLTに帯域情報を要求する(S201)。OLT200は、帯域情報を集計・演算してCPU324に通知する(S202)。CPU324は、図16のフローチャートに従ってコーデックと画質の選択を行う(S203)。
【0055】
次に、CPU324は、IPTVサーバ21に受信認証を要求する(S204)。ここでは、受信認証は、一般的な電子証明書による認証とする。次にIPTVサーバは、認証に成功すると認証成功をCPU324に送信する(S205)。CPU324は、引き続いて番組送信要求とコーデックと画質をIPTVサーバに通知する(S206)。IPTVサーバ21は、番組の送信準備とコーデックと画質の設定を行なう(S207)。準備が完了するとIPTVサーバ21は、CPU324に通知する(S208)。CPU324は、デコーダLSI330にコーデックと画質の設定を行なう(S209)。CPU324は、IPTVサーバ21に番組送信の開始を要求する(S210)。
【0056】
IPTVサーバ21は、番組送信を開始する(S211)。具体的には、IPTVサーバ21は、CPU324を経由してデコーダLSI330に番組がエンコードされたIPパケットを送信する(S212)。デコーダLSI330は、受信したIPパケットを画像信号に変換し(S213)、TV420に送信する(S214)。TV420は、表示を開始する(S214−2)。
【0057】
ユーザーが視聴を終了するまたはTV420の電源を切断したとき、TV420(赤外線リモコンを含む)は、視聴終了の信号をCPU324に送信する(S215)。CPU324は、番組終了要求をIPTVサーバ21に送信する(S216)。IPTVサーバ21は、番組送信(S211)を終了し、送信終了の完了信号をCPU324に送信する(S217)。
【0058】
図18を参照して、ONUのその他の実施例として、ONU300にHDDを接続する構成を示す。図18のONU300Aの構成は図7ONU300とほぼ同じであるが、HDDIF341とEtherIF340を新たに有する。CPU324は、EtherIF340とHDDIF341を接続する。HDDIF341は、具体的にはパラレルATA(Advanced Technology Attachment)、シリアルATA、IEEE1394、USB2(Universal Serial Bus 2)などのインタフェースを適用することができる。EtherIF340は、ユーザーがPC410などを用いてCPU324に直接アクセスすることができる。ユーザーは、CPU324に対し、インターネット20に接続されているダウンロードサーバ22に保存されている特定の電子ファイルのダウンロードを指示する。具体的には、ユーザーが電子ファイルのURL(Uniform Resource Locator)をCPU324に与える。CPU324は、HTTPプロトコルまたはFTPプロトコルを通じてダウンロードサーバ22における電子ファイルの所在を把握し、電子ファイルのダウンロードを要求する。次に、CPU324は、HDDIF341に接続されている図示しないHDDの電源をONにし、ダウンロードデータをHDDに格納開始する。
【0059】
特に、CPU324は、OLT200から定期的に帯域情報を取得し、ダウンロードに適さないと判断されるような小さな帯域量のとき、ダウンロードを中断してHDDの電源をOFFにして、再び十分な帯域量になるとHDDの電源をONにしてダウンロードを再開する。
【0060】
全データの格納が終了またはユーザーが中断を指示するなどの場合、CPU324は、ダウンロードサーバ22にダウンロード終了を通知し、HDDの電源をOFFにする。ユーザーは、ダウンロード後のデータをEtherIF340に接続したPC410などから参照、取得することができる。あるいは、ユーザーはHDDそのものをONU300から分離して、別のPCに接続して使用することも可能である。また、HDDの代わりに、半導体メモリを用いることも可能である。
【0061】
図19を参照して、CPUがデータをダウンロードサーバからダウンロードしてHDDに格納する手順を説明する。まず、CPU324は、EtherIF340を通じてダウンロードするファイルの置かれているURLの入力を待機する(S301)。URLが入力されると(S301:YES)、CPU324は、OMCIにて帯域情報の要求をOLT200に通知する(S302)。続いて、CPU324は、OLT200からOMCIで帯域情報が返信されてくるのを待つ(S303)。帯域情報を受信すると(S303:YES)、CPU324は、OMCIにてOLT200に帯域情報受信完了を通知する(S304)。ここで、CPU324は、CPU324に予め設定されたしきい値と帯域情報を比較し、帯域がしきい値以上でなければ(S305:NO)、10分間のタイマーを起動してタイマーが終了するまで待機し(S306)、再び帯域情報取得を行なう。ここでは、しきい値を10Mbit/sとする。CPU324は、10Mbit/sより帯域情報の値が大きい場合(S305:YES)、HDD電源をONにする(S307)。
【0062】
続いて、CPU324は、ダウンロードサーバ22にURLに基づいてデータのダウンロードを要求する(S308)。引き続いてCPU324は、10分のタイマー計測を起動する(S309)。ダウンロードサーバ22が応諾してCPU324がデータ受信を検出すると(S310:YES)、HDDにデータを転送してデータ保存を行なう(S311)。すべてのデータがダウンロードを完了したことをCPU324が検出すると(S312:YES)、CPU324は、HDD電源をOFFにし(S313)、ダウンロード動作を終了する。もし、すべてのデータがまだダウンロードされていないことをCPUが検出すると(S312:NO)、CPU324は、次に、ダウンロードのタイマーが10分を経過したかどうか確認する(S314)。もしまだ10分以内であれば(S314:NO)、CPU324は、再び続きのデータ受信を待機する(S310)。もしタイマーが10分を超えていたら(S314:YES)、CPU324は、OMCIにて帯域情報の要求をOLT200に通知する(S315)。続いて、CPU324は、OLT200からOMCIで帯域情報が返信されてくるのを待つ(S316)。
【0063】
帯域情報を受信すると(S316:YES)、CPU324は、OMCIにてOLT200に帯域情報受信完了を通知する(S317)。ここで、CPU324は、CPU324に予め設定されたしきい値と帯域情報を比較する(S318)。帯域がしきい値以上でなければ(S318:NO)、CPU324は、ダウンロードサーバ22にダウンロード中止を要求し(S319)、HDDの電源をOFFにする(S320)。CPU324は、10分のタイマーを起動してタイマーが終了するまで待機し(S321)、再び帯域情報取得を行なう(S302)。ここでは、しきい値を10Mbit/sとすることができ、これより帯域情報の値が大きい場合は(S318:YES)、CPU324は、10分のタイマー計測を起動して(S309)、再びデータのダウンロードを継続する(S310)。
【0064】
図20を参照して、ONU300Aがダウンロードサーバからデータをダウンロードする動作を説明する。なお、図20ないし図23においてHDD400との表記には、HDD400にHDDIF341の動作を含めて記載する。同様に、PC410との表記には、EtherIF340の動作を含めて記載する。
【0065】
図20において、PC410は、ダウンロードする電子ファイルのURLをCPU324に通知する(S400)。CPU324は、帯域情報の通知要求をOLT200に送る(S401)。OLT200は、帯域情報をCPU324に返信する(S402)。ここで、CPU324は、帯域情報がダウンロード可能なしきい値より小さい値を得たため、10分間のタイマーを起動して待機する(S403)。
【0066】
タイマーの満了後、CPU324は、改めてOLT200に帯域情報の通知を要求する(S404)。同様に、OLT200は、帯域情報を通知する(S405)。CPU324は帯域の値がダウンロード可能なしきい値以上であることを検出する(S406)。CPU324は、HDD440の電源をONにする(S407)。HDD440は、電源ON完了をCPU324に通知する(S408)。CPU324は、ダウンロードサーバ22にダウンロード要求1を送信する(S409)。CPU324は、また受信時間タイマー(10分)をスタートする(S410)。ダウンロードサーバ22は、要求に応諾し、ダウンロードデータの送信を開始する(S411−1)。CPU324は、受信したデータをHDD440に保存する(S412−1)。HDD440は、保存完了を通知する(S413−1)。続いて、CPU324は、ダウンロードデータ1回目の受信完了とダウンロードデータの続きのデータ送信要求2をダウンロードサーバ22に送信する(S414−1)。
【0067】
このようにして、n回目までのダウンロード要求を送信したあと、CPU324は、タイマーの満了を検出する(S415)。ダウンロードサーバ22は、n回目のダウンロードデータをCPU324に送信する。CPU324は、受信したデータをHDD440に保存する(S412−n)。HDD440は、保存完了をCPU324に通知する(S413−n)。続いて、CPU324は、ダウンロードデータn回目の受信完了をダウンロードサーバ22に送信する(S414−n)。ダウンロードサーバ22は、データ送信が完了したことをCPUに通知する(S416)。このとき、CPU324は、HDD440の電源をOFFにする(S417)。HDD440は、電源OFF完了をCPU324に通知する(S418)。
【0068】
さらに、ダウンロードデータ受信が10分の受信時間タイマーの満了後も終了していない場合のシーケンスについて、図21を参照して説明する。図21において、CPU324は、OLT200に帯域情報の通知を要求する(S420)。OLT200は、CPU324に帯域情報を通知する(S421)。CPU324は、帯域の値がダウンロード可能なしきい値以上であることを検出する(S422)。CPU324は、HDD440の電源をONにする(S423)。HDD440は、電源ON完了をCPU324に通知する(S424)。CPU324は、ダウンロードサーバ22にダウンロード要求1を送信する(S426)。CPU324は、また受信時間タイマー(10分)をスタートする(S427)。ダウンロードサーバ22は、要求に応諾し、ダウンロードデータの送信を開始する(S429)。CPU324は受信したデータをHDDに保存する(S431)。HDD440は、保存完了をCPU324に通知する(S432)。続いてCPU324は、ダウンロードデータ1回目の受信完了とダウンロードデータの続きのデータ送信要求2をダウンロードサーバ22に送信する(S433)。このようにして、図20と同様に送受信を行なう。
【0069】
図22を参照して、CPU324がダウンロードサーバからデータをダウンロードしている途中で帯域量を再チェックし、ダウンロードを中断する実施例を説明する。
図22において、CPU324は、図20における受信要求送信から10分経過後にOLT200に帯域情報の通知を要求する(S440)。OLT200は、CPU324に帯域情報を通知する(S441)。CPU324は、帯域の値がしきい値以下に低下していることを検出する(S442)。ここでCPU324は、ダウンロード中止要求をダウンロードサーバ22に送信する(S444)。ダウンロードサーバ22は、ダウンロード中止完了の通知をCPU324に送信する(S445)。CPU324は、HDD440に電源OFFを指示する(S446)。同時にCPU324は、ダウンロードを中止したデータの位置をメモリに記録する(S447)。HDD440は、HDD電源OFFをCPU324に通知する(S448)。ここでCPU324は、10分間のタイマーを起動して(S449)、待機する。
【0070】
CPU324は、10分間のタイマーの満了を受けて、改めてOLT200に帯域情報の通知を要求する(S450)。OLT200は、CPU324に帯域情報を通知する(S451)。CPU324は、帯域の値がダウンロード可能なしきい値以上であることを検出する(S452)。CPU324は、HDD440に電源ONを指示する(S453)。HDD440は、電源ON完了をCPU324に通知する(S454)。CPU324は、先ほどダウンロードを中止したデータの位置をメモリから読み出し(S455)、ダウンロードサーバ22にダウンロード要求1を送信する(S456)。ダウンロードサーバ22は要求に応諾し、ダウンロードデータの送信を開始する(S457−1)。CPU324は受信したデータをHDD440に保存する(S458−1)。HDD440は、保存完了を通知する(S459−1)。続いてCPU324は、ダウンロードデータ1回目の受信完了とダウンロードデータの続きのデータ送信要求2をダウンロードサーバ22に送信する(S460−1)。このようにして、再び図20と同様に送受信を行なう。
【0071】
図23を参照して、ONU300Aがダウンロードサーバからデータをダウンロードしている途中でユーザーの都合でダウンロードを中止する動作を説明する。図23において、ダウンロードサーバ22がCPU324に向けてダウンロードデータを送信状態にあるとき、ユーザーによる操作でPC410は、ダウンロード中止指示をCPU324に送信する(S471)。CPU324は、ダウンロードサーバ22にダウンロード中止の要求を通知する(S472)。ダウンロードサーバ22は、応諾し、ダウンロード中止完了の連絡をCPU324に行なう(S473)。ここでCPU324は、HDD440に電源OFFを指示する(S474)。同時に、CPU324は将来のダウンロード再開に備え、ダウンロードを中止したデータの位置をメモリに記録する(S475)。HDD440は、電源OFF完了の通知をCPU324に送信する(S476)。
【0072】
また、ONUのその他の実施例として、図24を参照して、ONU300Bに外部接続機器の電源を制御する構成を説明する。図24のONU300Bの基本構成は図18のONU300Aの基本構成とほぼ同じであるが、RS232CIF342を有する。
【0073】
CPU324は、外部インタフェースとして、EtherIF340とRS232CIF342を接続する。EtherIF340は、ユーザーがPC410などを用いてCPU324に直接アクセスすることができるインタフェースである。ユーザーは、CPU324に対し、RS232CIF342に接続されている外部機器の電源ONまたはOFFを指示する。ここでは、PC410自体にRS232CIF342を接続して、PC410の電源のON/OFFを制御する。特に、CPU324は、OLT200から定期的に帯域情報を取得し、ユーザーが予め指定した帯域量より小さい時にはPC410の電源をOFFにして、再び帯域量になるとPC410の電源をONにする。
【0074】
図25を参照して、ONUのCPUがPCの電源を制御する手順を説明する。まず、CPU324は、ユーザーによる電源自動制御ONの指示を待機する(S500)。もし電源自動制御ONの指示があれば(S500:YES)、CPU324は、OMCIメッセージにて帯域情報の要求をOLT200に通知する(S501)。続いて、CPU324は、OLT200からOMCIで帯域情報が返信されてくるのを待つ(S502)。帯域情報を受信すると(S502:YES)、CPU324は、OMCIメッセージにてOLT200に帯域情報受信完了を通知する(S503)。ここで、CPU324に予め設定された第1のしきい値と帯域情報を比較し、帯域が第1のしきい値以上でなければ(S504:NO)、10分間のタイマーを起動して(S505)、タイマーが終了するまで待機し(S506:NO)、また、ユーザーによる電源自動制御OFFの指示があるかどうか確認する(S507)。もしここで電源自動制御OFFの指示を検出すれば(S507:YES)、CPU324は、電源の自動制御は解除して終了する。タイマーが10分経過したら(S506:YES)、CPU324は、ステップ501に遷移する。
【0075】
ここでは、第1のしきい値は、10Mbit/sとする。これより帯域情報の値が10Mbit/s以下の場合(S504:YES)、CPU324は、PCの電源をOFFにする(S508)。そして再び、CPU324は、OMCIメッセージにて帯域情報の要求をOLT200に通知する(S509)。続いて、CPU324は、OLT200からOMCIで帯域情報が返信されてくるのを待つ(S510)。帯域情報を受信すると(S510:YES)、CPU324は、OMCIメッセージにてOLT200に帯域情報受信完了を通知する(S511)。ここで、CPU324は、CPU324に予め設定された第2のしきい値と帯域情報を比較する(S512)。帯域が第2のしきい値以上でなければ(S512:NO)、CPU324は、10分間のタイマーを起動しタイマーが終了するまで待機する(S513)。タイマー満了後、CPU324は、ステップ509に遷移する。ステップ512で帯域が第2のしきい値以上であれば(YES)、CPU324は、PCの電源をONにし(S514)、ステップ501に遷移する。
【0076】
図26を参照して、CPU324がPC410の電源を制御する動作を説明する。なお、図26におけるPC410には、PC410以外のRS232CIF342とEtherIF340の動作を含んで記載する。具体的には、PC410の電源OFF(sleep)は、RS232CIF342の処理であり、PC410の電源ON(wake up)は、EtherIF340の処理である。
【0077】
図26において、ユーザーの操作によりPC410は、CPU324に電源自動制御ONの指示を通知する(S601)。CPU324は、PC電源自動制御ONの状態に入る。そして、CPU324は、帯域情報の通知要求をOLT200に送信する(S602)。OLT200は、帯域情報をCPU324に返信する(S603)。ここでCPU324は、帯域情報から外部機器(PC410)が動作可能なしきい値より大きい値を得たため、10分間のタイマーを起動して待機する(S605)。
【0078】
タイマー満了後CPU324は、改めてOLT200に帯域情報の通知を送信する(S606)。OLT200は、CPU324に帯域情報を通知する(S607)。CPU324は、帯域の値が外部機器の動作可能なしきい値未満であることを検出する(S608)。CPU324は、PC410の電源をOFFにするよう制御する(S609)。PC410は、電源OFF完了をCPU324に通知する(S610)。CPU324は、再び帯域情報の通知要求をOLT200に送る(S611)。OLT200は、帯域情報をCPU324に返信する(S612)。ここでCPU324は、帯域情報から外部機器が動作可能なしきい値より小さい値を得たため、10分間のタイマーを起動して待機する(S613)。タイマー満了後、CPU324は、改めてOLT200に帯域情報の通知を要求する(S614)。OLT200は、CPU324に帯域情報を通知する(S615)。CPU324は、帯域の値が外部機器の動作可能なしきい値以上であることを検出する(S616)。CPU324は、PC410の電源をONにするよう制御する(S617)。PC410は、電源ON完了をCPU324に通知する(S618)。ここで、ユーザーの操作によりPC410は、電源自動制御のOFF指示をCPU324に送る(S619)。CPU324は、外部機器の自動制御OFFの状態に入る。
【0079】
上述した実施例に拠れば、PONシステムにおいて、ONU使用者側においてOLTにおけるONUまでの帯域設定を正確に把握することができる。特にONU本体およびONUに接続される端末装置の動作設定を、利用可能な帯域量に連動させることができる。さらに、ストリーミング映像など連続データのビットレートを最適化することができる。また、計画的なダウンロードの実行による消費電力の最適化ができる。また、端末装置の電源を制御することができる。
【符号の説明】
【0080】
10…PON、20…PSTN/インターネット、21…IPTVサーバ、22…ダウンロードサーバ、100…光スプリッタ、110…幹線ファイバ、120…支線ファイバ、200…OLT、300…ONU、324…CPU、400…電話機、410…パーソナルコンピュータ、420…TV、440…HDD。
【技術分野】
【0001】
本発明は、受動光網システムおよび光加入者接続装置に係り、特に複数の光加入者接続装置が光伝送回線を共有する受動光網システムおよび光加入者接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
PON(Passive Optical Network:受動光網)は、OLT(Optical Line Terminal:光加入者端局装置)と複数のONU(Optical Network Unit:光加入者接続装置)から構成される。PONは、ONUに接続された複数の端末(PC他)からの信号を光信号に変換して、ONU→支線光ファイバ→光スプリッタを介しOLTへの幹線光ファイバと時分割多重してOLTに送信する。光信号を受信したOLTは、各種信号処理する。この結果、PONでは、あるONUの端末からPONの他のONUの端末と、またはNW(NetWork)に接続されたさらに他の端末と通信を行なう。
【0003】
OLTからONUに送信されるデータは、下り信号と呼ばれる。下り信号は、1本の幹線光ファイバから光スプリッタで接続されるすべての支線光ファイバを経由してすべてのONUに届けられる。各ONUでは、データから自分宛のデータのみ取り出す。したがって、特定のONUだけに下り信号が占有されないよう、各ONU毎に使用できる下りの帯域(データ送信位置/時間)を事前にOLTで割り当てる。
【0004】
また、1本の光ファイバを多くのONUで、各ONUユーザーからの要求に応じて出来るだけ多くのONUに公平に多くのデータを送信できるようにOLTが各ONUの上りの帯域(データ送信位置/時間)を割り当てるDBA(Dynamic Bandwidth Allocation)技術もITU−T勧告G.983.4で規定されている。この技術に基づく帯域制御も行なわれている。
【0005】
ITU−T勧告G.984.3の8.2章の規定では、複数のONUからOLTに向けて伝送される信号は、上り信号と呼ばれる。上り信号は、プリアンブル、デリミタ、ペイロード信号より構成される。また同勧告8章に示すように、各上り信号の直前には前のバースト信号との衝突防止のためにガードタイムが設定される。一方、同勧告8.1章の規定によれば、OLTより複数のONUに向けて送信される信号は、フレーム同期パタン、PLOAM領域、US Bandwidth MAP領域、フレームペイロードから構成されている。なお、個々のONUにはT−CONTと呼ばれる複数の帯域割り当て単位が割り付けられる。上り送信許可タイミングの指定は、T−CONT毎に行なわれる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】ITU−T勧告G.984.3
【非特許文献2】ITU−T勧告G.983.4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
下り帯域および上り帯域の各ONUへの割当量は、各ONUには通知されない。すなわち、各ONUの使用者およびONUに接続される端末装置は、ONUへの割当帯域を正確に知ることができない。したがって、使用者または端末装置は、自ら通信帯域を測定するなどして割当帯域量を推定してデータ通信を行なうため、大容量のデータ送受信を計画しても必ずしも予定通りに実行できない可能性がある。
【0008】
例えば、高ビットレートのストリーミング映像を再生する端末装置で、ONUへの割当帯域量を超えるデータを受信しようとすることが考えられる。その場合、ストリーミング映像の途切れが発生することになる。また、別の例では、ダウンロードにおいてONUに割り当てられた帯域以上のデータを送受信しようとすることが考えられる。この場合、超過分のパケットは廃棄されてしまうことになる。これらの場合、ストリーミング映像では途切れない程度までビットレートを低くして再受信する必要が発生する。また、ダウンロードにおいては廃棄されたパケットを再受信する必要が発生する。よって、これらの再受信動作により、ONUおよびOLTなどネットワークリソースの浪費になる。
【0009】
本発明の目的は、各ONUの使用者あるいは接続される端末装置が、ONUに割り当てられている帯域量を正確に把握することができ、さらに端末装置が割当帯域量を知らないことに起因するネットワークリソースの浪費を防止する受動光網システムおよび光加入者接続装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題は、各ONUに割り当てられている帯域量をOLTから各ONUに通知し、各ONUはONUに割り当てられている帯域情報を用いてストリーミング映像のコーデック(再生用ソフトウェア)およびビットレートを選択する、また、データのダウンロードを計画する、あるいは、ONUに接続されている機器の電源を制御することで解決できる。帯域量を通知するとは、具体的には、(1)ONUからの問合せに対してOLTの帯域設定情報をONUにOMCI(ONT Management and Control Interface)メッセージで通知する、(2)OLTに通信サーバ機能を持たせ、ONU接続端末からの問合せメッセージに対して帯域設定情報を通知する、などの方法が考えられる。
【0011】
上述した課題は、光ファイバで相互に接続された光加入者接続装置と光加入者端局装置とからなり、光加入者接続装置は、上りおよび下りの帯域情報記録部を含み、光加入者端局装置から帯域情報問合せメッセージを受信したとき、帯域情報記録部を参照して、帯域情報を記録した帯域情報回答メッセージを返信し、光加入者端局装置は、外部接続機器を接続し、帯域情報に基づいて、外部接続機器を制御する受動光網システムにより、解決できる。
【0012】
また、光ファイバで光加入者接続装置と接続され、外部接続機器と電気的に接続され、メッセージ送信部と、メッセージ受信部と、外部接続機器制御部とを備え、メッセージ送信部から帯域情報問合せメッセージを送信し、メッセージ受信部で帯域情報回答メッセージを受信したとき、外部接続機器制御部は、帯域情報回答メッセージに含まれた帯域情報に基づいて、外部接続機器を制御する光加入者接続装置により、達成できる。
【発明の効果】
【0013】
PONシステムにおいて、ONU使用者側においてOLTにおけるONUまでの帯域設定を正確に把握し、ONU本体およびONUに接続される端末装置の動作設定を、利用可能な帯域量に連動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】光アクセス網およびデータ配信網のブロック図である。
【図2】幹線ファイバ上の光信号を説明する図である。
【図3】光アクセス網における帯域設定を説明する図である。
【図4】OLTの機能ブロック図である。
【図5】帯域情報テーブル下りを説明する図である。
【図6】帯域情報テーブル上りを説明する図である。
【図7】ストリーミング信号を受信・復号するONUの機能ブロック図である。
【図8】OMCCフレームのフォーマットである。
【図9】下り信号のメッセージ内容を説明する図である。
【図10】上り信号のメッセージ内容を説明する図である。
【図11】帯域情報通知に係るOLTのフローチャートである。
【図12】帯域情報通知に係るOLTの他のフローチャートである。
【図13】帯域情報通知に係るOLTのさらに他のフローチャートである。
【図14】光アクセス網の他の帯域設定を説明する図である。
【図15】光アクセス網のさらに他の帯域設定を説明する図である。
【図16】ONUにおけるストリーミング信号のデコーダ設定処理のフローチャートである。
【図17】ONUのCPU、デコーダLSIと、OLTと、IPTVサーバと、TVとの間のTV視聴のシーケンス図である。
【図18】HDDを接続するONUの機能ブロック図である。
【図19】ONUにおけるデータのダウンロード制御処理のフローチャートである。
【図20】ONUのCPUと、ONUに接続されるHDD、PCと、OLTと、ダウンロードサーバとの間のデータダウンロードのシーケンス図である(その1)。
【図21】ONUのCPUと、ONUに接続されるHDD、PCと、OLTと、ダウンロードサーバとの間のデータダウンロードのシーケンス図である(その2)。
【図22】ONUのCPUと、ONUに接続されるHDD、PCと、OLTと、ダウンロードサーバとの間のデータダウンロードのシーケンス図である(その3)。
【図23】ONUのCPUと、ONUに接続されるHDD、PCと、OLTと、ダウンロードサーバとの間のデータダウンロードのシーケンス図である(その4)。
【図24】外部機器の電源を制御するONUの機能ブロック図である。
【図25】ONUにおける外部機器の電源制御処理のフローチャートである。
【図26】ONUのCPUと、ONUに接続されるPCと、OLTとの間の電源制御処理のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用い図面を参照しながら説明する。なお、実質同一部位には同じ参照番号を振り、説明は繰り返さない。
【0016】
図1を参照して、光アクセス網とデータ配信網の構成を説明する。図1において、PON10は、PSTN/インターネット20に接続されて、データを送受信する。PON10は、光スプリッタ100、幹線ファイバ110、支線ファイバ120、OLT200、ONU300、電話400およびパーソナルコンピュータ410ならびにTV420およびHDD440から構成される。
【0017】
OLT200には、1本の幹線ファイバ110、光スプリッタ100および32本の支線ファイバ120を介して、32台のONU300が接続可能である。図1には5台のONUを図示し、それぞれOLT200からのファイバ長が異なる。図示では、ONU300−1はOLTからのファイバ長が1km、ONU300−2はOLTからのファイバ長が10km、ONU300−3はOLTからのファイバ長が20km、ONU300−4はOLTからのファイバ長が10km、ONU300−nはOLTからのファイバ長が15kmである。
【0018】
また、PSTN/インターネット20は、IPTVサーバ21、ダウンロードサーバ22と接続されている。IPTVサーバ21は、IPパケットでTV放送を送信するサーバである。ダウンロードサーバ22は、電子ファイルの供給元サーバである。PSTN/インターネット20は、図示しない端末と接続されてもよい。
【0019】
図2を参照して、幹線ファイバ110を流れる光信号を説明する。図2において、幹線ファイバ110上の下り信号130は、ONU300全部へ同報される。一方、上り信号140は、各ONU300からの光信号を光スプリッタで時分割多重化した光信号である。下り信号と上り信号は、それぞれ帯域を制御する方法は異なる。しかし、下り信号と上り信号は、いずれの信号でもONU300全部に帯域を分配する。
【0020】
図3を参照して、光アクセス網における帯域設定を説明する。図3において、光アクセス網の全帯域1000の一部には、各ONU300−1〜nに対して事前に保証した帯域1000−1〜1000−nがある。具体的には、ONU300−1には10Mbit/s、ONU300−2には15Mbit/sなどである。これら保証帯域1000−1〜nの総和を全帯域1000から差し引いた残りの帯域1010を、各ONU300−1〜nに、それぞれの保証帯域1000−1〜1000−nの比に応じて分配する。この分配される帯域1010の量は、保証帯域1000−1〜1000−nが変更されるたびに更新する。ここでの保証帯域を以下、ASB(Assured Bandwidth)と呼び、分配される帯域をBest Effortと呼ぶ。
【0021】
図4を参照して、本実施例によるOLT200の構成を説明する。図4において、OLT200は、下り信号について、網IF201、パケットバッファ202、Alloc ID付与部203、パケットメモリ204、CPU206、キュー207、PONフレーム生成部208、ドライバ209、E/O変換部210、WDMフィルタ211を有する。OLT200は、上り信号について、WDMフィルタ211、O/E変換部212、ATC213、クロック抽出部214、デリミタ検出部215、PONフレーム分解部216、ONT−ID照合部220、誤り照合部221、パケットバッファ222、網IF223を有する。OLT200は、さらに監視制御部230、グラント生成部232、下り帯域情報生成部231、帯域設定情報生成部252、過去設定データメモリ253、OMCIメッセージ生成部254、帯域情報テーブル下り233、帯域情報テーブル上り234、距離測定部217、OH管理テーブル部218、リセットタイミング生成部219、OMCIメッセージ抽出部250、帯域設定情報要求確認部251を有する。
【0022】
網IF201は、PSTN/インターネット20からの信号を受信する。網IF201は、受信を一旦パケットバッファ202に格納する。次にAlloc ID付与部203は、パケットのヘッダに応じてパケット宛先のAlloc IDを識別してパケットに付与し、かつ、Alloc ID毎のパケット受信数205をCPU206に報告する。Alloc ID付与部203は、パケットをパケットメモリ204に格納する。パケットメモリは、パケットを順次キュー207に転送する。キュー207は、CPU206から指示されたタイミングで、PONフレーム生成部208に送信する。キュー207に対する送信指示は、下りの帯域情報テーブル233の内容に従ってAlloc ID毎の時間配分をCPU206が計算する。ここでは、あるAlloc IDがASBより大きいパケット数を受信した場合は、他のAlloc IDのASBを超えたパケット数をすべて合計した後、Best Effort帯域の範囲で各Alloc IDに帯域の再分配を行なう。なお、下りの帯域情報テーブル233の内容は、監視制御部230が帯域設定を下り帯域情報テーブル生成部231に指示して作成される。
【0023】
このパケットバッファ202からキュー207までの一連のパケットシェーパ機能によって、パケットメモリ204の容量を超えない範囲において、各Alloc IDに割り当てられた帯域量に応じたパケットが下り方向に送出される。
【0024】
PONフレーム生成部208は、キュー207からの信号と、グラント生成部232からの信号をPON下りフレーム信号に格納して送信する。ドライバ209は、PON下りフレーム信号を、電圧から電流に変換する。E/O部210は、電気信号を光信号に変換する。光信号は、WDMフィルタ211を介して幹線ファイバ110に送信される。
【0025】
また、幹線ファイバ110から受信された上り光信号は、WDM211を介して、O/E部212で受信される。O/E部212は、光信号を電気信号に変換する。ATC(Automatic Threshold Control)213は、適切なしきい値による0値または1値の識別を行なう。クロック抽出部214は、クロック抽出およびリタイミングを行なう。さらにデリミタ検出部215は、上り信号の切れ目を識別する。
【0026】
PONフレーム分解部216は、PONフレームを分解し、キュー長領域に格納されたキュー長レポートをグラント生成部232に送る。また、距離測定部217は、距離測定を実施する。OH管理テーブル部218は、測定された距離測定値を格納する。OH管理テーブル部218は、またO/E部212からの受信光パワーの値も蓄積し、ONU300毎に適切なガードタイム値を出力するテーブルを備える。OH管理テーブル部218は、ガードタイム値をグラント生成部232に送る。グラント生成部232は、監視制御部230を経由して与えられた帯域設定値、PONフレーム分解部216からのキュー長レポート、OH管理テーブル部218からのガードタイム値を用いてStart値およびStop値を生成する。グラント生成部232は、生成したStart値およびStop値をリセットタイミング制御部219に渡す。リセットタイミング制御部219は、ONU300毎に変えられたガードタイムの長さに同期し、ATC213のリセットを行なう。
【0027】
一方、PONフレーム分解部216から出力された受信信号について、ONT−ID照合部220は、指定したONUからの信号であるか照合する。さらに、誤り照合部221は、ONU300毎に受信した信号のビット誤り数を計数する。誤り照合部221は、この誤り数もOH管理テーブル部218に送信する。OH管理テーブル部218は、誤り数を最適なガードタイムの長さを算出するために使う。誤り照合部221は、ユーザー信号について、パケットバッファ222に一旦格納する。パケットバッファ222は、ユーザー信号について、網IF223を経由して、PSTN/インターネット20に向けて送信する。
【0028】
また、監視制御部230は、帯域設定の指示をグラント生成部232に送る。グラント生成部232は、テーブル書込情報を出力し、帯域情報テーブル上り234を更新する。さらに、PONフレーム分解部216は、キュー長レポートをグラント生成部232に出力する。グラント生成部232は、帯域設定を再度行ない、上り帯域情報テーブル234を更新する。この時、キュー長レポートが各Alloc IDの最大帯域値より大きい場合、グラント生成部232は、帯域設定においては最大帯域値を採用する。
【0029】
図5および図6を参照して、帯域情報テーブルを説明する。図5において、帯域情報テーブル下り233は、Alloc ID2331、ASB2332、Best Effort2333の各コラムで構成され、Alloc IDに対応する保証帯域量(ASB)とBest Effort値を保持する。
【0030】
図6において、帯域情報テーブル上り234は、Alloc ID2341、ASB2342、Best Effort2343の各コラムで構成され、Alloc IDに対応する保証帯域量(ASB)とBest Effort値を保持する。
【0031】
図7を参照して、ONUの構成を説明する。図7において、ONU300は、下り信号についてWDMフィルタ301、O/E変換部302、AGC(Automatic Gain Control)303、クロック抽出部304、PONフレーム分離部305、フレーム振分部306、2つのパケットバッファ307、EtherIF(インタフェース)308を備える。ONU300は、上り信号について、EtherIF308、パケットバッファ309、送信制御部310、PONフレーム生成部311、ドライバ312、E/O変換部313、WDMフィルタ301を備える。ONU300は、さらにPLOAM終端部321、グラント終端部320、データ形式変換部323、CPU324、メモリ325、等価遅延値記憶部322、メッセージ生成部327、デコーダLSI330、メモリ331、ビデオ・音声ドライバ332、HDMI(High Definition Multimedia Interface)端子333、赤外線リモコンデコーダ334を備える。
【0032】
支線ファイバ120から受信した光信号について、WDMフィルタ301は、波長分離する。O/E変換部302は、光信号を電気信号に変換する。AGC303は、振幅値が一定となるように制御を行なう。クロック抽出部304は、リタイミングを行なう。PONフレーム分離部305は、信号分離を行なう。PONフレーム分離部305は、物理層オペレーション/メンテナンス信号(PLOAM信号)をPLOAM終端部321に送る。PONフレーム分離部305は、またグラント指示信号をグラント終端部320に送る。PONフレーム分離部305は、フレームペイロード信号をフレーム振り分け部306に送る。フレーム振り分け部306は、ユーザー信号を、パケットバッファ307−1およびパケットバッファ307−2に一時的に格納する。ユーザー信号は、それぞれEtherIF308−1およびEtherIF308−2を経て出力される。
【0033】
またEtherIF308−1およびEtherIF308−2から入力された信号は、それぞれパケットバッファ309−1およびパケットバッファ309−2に一時的に格納される。送信制御部310は、パケットバッファ309−1およびパケットバッファ309−2からのユーザー信号の読み出しを制御する。PONフレーム生成部311は、ユーザー信号をPONフレームに組み立てる。組み立てられた信号についてドライバ312は、電流信号に変換する。E/O部313は、電気信号を光信号に変換する。E/O部313は、WDMフィルタ301を経て支線ファイバ120に向けて送信する。
【0034】
送信制御部310は、グラント終端部320から抽出された送信許可値に、PLOAM終端部321から抽出されて等価遅延値記憶部322に蓄積された等価遅延値を加えて、OLT200に向けて送信する。なお、パケットバッファ307−1と307−2には、それぞれ異なるAlloc IDのパケットを振り分けて格納することができる。また、パケットバッファ309−1と309−2には、それぞれ異なるAlloc IDを出力パケットに付与することができる。
【0035】
また、CPU324において帯域情報の要求が発信される時、OLT200宛てに帯域設定情報を要求する適切なOMCIメッセージがメッセージ生成部327にて構成される。OMCIメッセージがPONフレーム生成部311に入力され、ドライバ312を通じてE/O変換部313からOLT200に送られる。そして、図4におけるOLT200のPONフレーム分解部216にてOMCIメッセージが分離され、OMCIメッセージ抽出部250にて帯域設定情報の要求確認部251で要求信号が確認されると、監視制御部230に帯域設定情報の要求信号が送られる。
【0036】
監視制御部230は、帯域設定情報生成部252に帯域設定情報を生成する指示を送る。帯域設定情報生成部252は、帯域情報テーブル下り233および帯域情報テーブル上り234の読み出しを行い、帯域情報を集計および演算する。特に、各ONUの可能なASB予想値と可能なBest Effort予想値を算出することも可能である。予想値の算出方法はアルゴリズムによって異なり、ここでは過去設定データメモリ253から、過去の設定情報を読み出して予測に使用する。この場合、帯域設定情報送信のための演算が行なわれるたびに、過去設定データメモリ253に結果を格納して、将来の演算に利用する。演算が完了したらOMCIメッセージ生成部280に演算結果が送信される。OMCIメッセージ生成部280は、予め規定された形式によってOMCCフレームに編集する。PONフレーム生成部203は、OMCCフレームをPONフレームに変換する。PONフレームについて、ドライバ209で駆動されるE/O変換部210は、ONU300に送信する。
【0037】
その後、OLT200から送信された、帯域設定情報を含んだOMCIメッセージは、図7のPONフレーム分離部305で抽出され、データ形式変換部323でCPU324が読み取れる形式に変換され、CPU324に送信される。CPU324はメモリ325に帯域設定情報を格納する。
【0038】
図7において、ONU300は、ビデオデコード機能を有している。HDMI端子333は、TV420からのTV選局信号やTV視聴開始/終了信号をCPU324に伝達する。一方、TV420がHDMI端子をもたない場合、赤外線リモコンデコーダ334は、同様に赤外線リモコン信号によるTV選局信号やTV視聴開始/終了信号をCPU324に伝達する。TV選局信号を受信したCPU324は、図1におけるIPTVサーバ21にEtherIF308−1を通じて認証要求を送信する。CPU324は、認証成功後、選局されたTV信号の送信をIPTVサーバ21に要求する。IPTVサーバ21は、ディジタルビデオ信号がエンコードされたIPパケットをCPU324のIPアドレスに送信する。OLT200は、パケットバッファ307−1に送信されるようIPパケットにAlloc IDを割り当てる。
【0039】
EtherIF308−1は、IPパケットをEtherパケットに変換する。デコーダLSI330は、CPU324を経由して受信したEtherパケットから元のディジタルビデオ信号を復号する。ビデオ・音声ドライバ332は、復号されたディジタルビデオ信号について、コンポジット信号とLR音声信号に変換する。あるいは、ビデオ・音声ドライバ332は、復号されたディジタルビデオ信号について、ディジタル信号のままHDMI端子333を経由して、外部接続されたTV420に映像・音声として出力する。デコーダLSI330は、複数のコーデックを具備し、CPU324の指示によりIPTVサーバ21と同時にコーデックを選択する。デコーダLSI330は、また、復号処理において作業用にメモリ331を利用する。コーデックの選択には、CPU324が取得した帯域設定情報を用いて、最も消費電力が少なくなるアルゴリズム、または、最も帯域消費が少なくなるアルゴリズムを適用する。
【0040】
図8を参照して、OMCIメッセージを構成するOMCCフレームを説明する。ここで、図8はOMCCフレームのフォーマットである。図8において、OMCCフレーム1100は、ヘッダ1101、個別のメッセージ番号および種別1102と、メッセージ内容1103で構成される。
【0041】
また、図9を参照して、下り信号におけるOMCCフレームのメッセージ内容を説明する。ここで、図9は下り信号のメッセージ内容を説明する図である。図9において、下り信号のメッセージ内容1103Aは、ONU1台に割り当てられているAllocの数がnとして、Alloc#1用信号2001−1、Alloc#2用信号2001−2、…、Alloc#1〜n総和の信号2002、計算によるAlloc#1〜n全体の割当可能信号より構成される。さらにAlloc#m用信号2001−m(m=1〜n)は、Alloc ID領域2004−m、ASB値2005−mおよびBest Effort値2006−mより構成される。
【0042】
ASB値2005−mは、現在保証している帯域量を示す。また、Best Effort値2006−mは、現在設定されているBest Effort値を示す。ここで、総和の信号2002のAlloc ID部2007は、998である。ASB値2008(ここでは800)は、Alloc#1〜nのすべての保証帯域の和である。Best Effort値2009(ここでは2000)は、同様にすべてのBest Effort値の和である。
【0043】
また、可能な帯域量を示す信号2003のAlloc ID部2010は、999である。ASB値2011(ここでは3000)は、Alloc#1〜nのすべての可能な保証帯域の和である。Best Effort値2012(ここでは6000)は、同様にすべての可能なBest Effort値の和である。
【0044】
さらに、図10を参照して、上り信号におけるOMCCフレームのメッセージ内容を説明する。ここで、図10は上り信号のメッセージ内容を説明する図である。図10において、メッセージ内容1103Bは、Alloc ID2101、指示2102、問合せID2103、問合せ時刻2104で構成される。指示2102は、問合せや受信完了通知を意味する数値をそれぞれあらかじめ定めておき、メッセージの送信目的に応じて書き込む。問合せID2103は、各ONU300にてカウントするIDであり、Alloc IDと一緒に送信される。このため、ONU間で重複しても構わない。また、1台のONUで複数のAlloc IDを持つ場合は、任意の1個のAlloc IDによるメッセージの送信だけでよい。
【0045】
図11を参照して、帯域情報通知に係るOLTの動作を説明する。ここで、図11は帯域情報通知に係るOLTのフローチャートである。図11において、OLT200は、ONUからの帯域情報要求を待つ(S171)。ONU#iから帯域情報要求がOMCIを通じて到着すると(S171:YES)、OLT200は、ONU#iの現在の帯域設定情報を読み出す(S172)。次に、OLT200は、キュー長レポートからONU#iの現在実際に稼動している帯域を読み出す(S173)。そして、OLT200は、それらの値からONU#iのBest Effort値を計算する(S174)。さらに、OLT200は、現在の空き領域情報からONU#iの割当可能な領域の計算する(S176)。OLT200は、ONU#iの帯域情報更新が完了したか判定する(S177)。ステップ177で完了を判定したとき(YES)、OLT200は、OMCIによってONU#iに帯域情報を送信する(S177)。OLT200は、OMCIによるONU#iから受信完了通知があるか判定する(S179)。YESならば、OLT200は、ステップ171に遷移する。ステップ179でNOならば、OLT200は、帯域情報送信から10秒経過したか判定する(S181)。YESならば、OLT200は、エラー処理して(S182)ステップ171に遷移する。ステップ181でNOであればステップ179に遷移する。
【0046】
図12を参照して、OLTによる帯域情報通知の他の動作を説明する。ここで、図12は帯域情報通知に係るOLTの他のフローチャートである。図12において、図11との対比から明らかなようにその差はステップ136が追加されているのみである。したがって、ステップ136のみ説明する。ステップ134で、OLT200は、Best Effort値の計算を行う。OLT200は、あらかじめ空き領域の変動率を20%と見込んでその20%をマージンとして現在の空き領域情報から減算する(S136)。OLT200は、その減算値を元に、割当可能な領域の計算を実行する(S137)。
【0047】
図13を参照して、OLTによる帯域情報通知のさらに他の動作を説明する。ここで、図12は帯域情報通知に係るOLTのさらに他のフローチャートである。図13において、OLT200は、ONUからの帯域情報要求を待つ(S151)。ONU#iから帯域情報要求がOMCIを通じて到着すると(S151:YES)、OLT200は、ONU#iの現在の帯域設定情報を読み出す(S152)。OLT200は、そして、帯域設定情報からBest Effort値を計算する(S153)。一方、OLT200は、過去設定データメモリ271から現在と同じ時間帯の過去設定データを読み出す(S154)。OLT200は、その過去設定データを平均した上で、現在割当可能な領域とみなして出力する(S156)。以下のステップ157〜ステップ162は、図11のステップ177〜ステップ182と同じなので、説明は省略する。
【0048】
図14を参照して、Best Effort帯域の計算の他の実施例を説明する。ここで、図14は光アクセス網の他の帯域設定を説明する図である。図14において、帯域計算時に電源がONになっているONU300のみの保証帯域ASB1100−1〜1100−nの和を全帯域1000から減算する。残り帯域1110を電源ONのONU300のASB1100−1〜1100−nの比にしたがって各ONU300に分配する。
【0049】
図15を参照して、Best Effort帯域の計算のさらに他の実施例を説明する。ここで、図15は光アクセス網のさらに他の帯域設定を説明する図である。図15において、ONU300において計算時に実際にデータ通信に使用されている帯域1200−1〜1200−nの和を全帯域1000から減算する。残り1210を現在の電源ONになっているONU300の実使用帯域1200−1〜1200−nの比にしたがって各ONU300に分配する。
【0050】
図16を参照して、ONUがコーデックを選択する処理を説明する。図16において、ONU300は、ユーザーによるTV選局を待つ(S101)。ONU300は、TV選局信号の受信を検知し(S101:YES)、OMCIメッセージによって帯域情報要求通知をOLTに送信する(S102)。ONU300は、OMCIメッセージによるOLT200からの情報通知受信を待つ(S103)。受信があった場合、ONU300は、OLT200に受信完了を通知する(S104)。ONU300は、受信した帯域情報から、ONU300のEtherIF308−1に割り当てられているASBとBest Effort帯域の和からTV受信以外に予め決められた必要な帯域を除いた値がHDTV受信可能な値かどうか判断する(S105)。ここではしきい値を5Mbit/sとして、それ以下であればNOとする(S105:NO)。この場合、コーデックをMPEG4とし、画質をSDTVに決定する(S106)。
【0051】
もしYES(S105:YES)であれば、次にONU300の初期設定が省電力モードあるいは省帯域モードのいずれを選択しているか確認する(S107)。もし省電力モードであれば(S107:省電力)、次にMPEG2が受信可能な帯域量か判断する(S108)。ここでは、しきい値を20Mbit/sとして、それ以上であればYES(S108:YES)とする。ここでは、MPEG2のほうがMPEG4よりも消費電力が低いものとする。しかし、同じMPEG2でも、より高画質で見たいのがユーザーの要求であると考えると、ここでは省電力の判断はさておいて、可能な最高画質の判断に移る。すなわち、MPEG2であっても、映像の走査線の規格が1080iの受信が可能かどうか判断する(S109)。ここでは、しきい値を25Mbit/sとして、それ以上であればYESとして(S109:YES)、コーデックをMPEG2,画質をHDTVの1080iと決定する。
【0052】
閾値以下であれば(S109:NO)、コーデックをMPEG2、画質をHDTVの720pとする。また、省帯域モードである場合(S107:省帯域)、また、MPEG2受信が可能でない場合(S108:NO)、ともに、MPEG4で1080iが受信可能かどうか判断する(S112)。ここでは、しきい値を15Mbit/sとして、それ以上であればYESとし(S112:YES)、コーデックをMPEG4、画質を1080iに決定する(S113)。やはりここでは、省帯域の判断の外で、同じMPEG4でも最高画質を優先する。しきい値以下であれば(S112:NO)、コーデックをMPEG4、画質をHDTVの720pと決定する(S114)。
【0053】
コーデックについて、説明しよう。MPEG2はMEG4と比べて省電力である。一方、MPEG4はMEG2と比べて省帯域である。MPEG4は、少ないデータ量でMPEG2と同じ画質を提供できる。しかし、MPEG4は、演算量がMPEG2に対して、膨大となる。SDTVは、旧来の525本の画像数である。一方、HDTVは、ハイビジョンまたはフルハイビジョンであり、ハイビジョンならば720p、フルハイビジョンならば1080iが実現できる。
【0054】
図17を参照して、IPTVサーバからのTV視聴動作を説明する。図17において、TV420は、CPU324にTV選局信号を送信する(S200)。CPU324は、OLTに帯域情報を要求する(S201)。OLT200は、帯域情報を集計・演算してCPU324に通知する(S202)。CPU324は、図16のフローチャートに従ってコーデックと画質の選択を行う(S203)。
【0055】
次に、CPU324は、IPTVサーバ21に受信認証を要求する(S204)。ここでは、受信認証は、一般的な電子証明書による認証とする。次にIPTVサーバは、認証に成功すると認証成功をCPU324に送信する(S205)。CPU324は、引き続いて番組送信要求とコーデックと画質をIPTVサーバに通知する(S206)。IPTVサーバ21は、番組の送信準備とコーデックと画質の設定を行なう(S207)。準備が完了するとIPTVサーバ21は、CPU324に通知する(S208)。CPU324は、デコーダLSI330にコーデックと画質の設定を行なう(S209)。CPU324は、IPTVサーバ21に番組送信の開始を要求する(S210)。
【0056】
IPTVサーバ21は、番組送信を開始する(S211)。具体的には、IPTVサーバ21は、CPU324を経由してデコーダLSI330に番組がエンコードされたIPパケットを送信する(S212)。デコーダLSI330は、受信したIPパケットを画像信号に変換し(S213)、TV420に送信する(S214)。TV420は、表示を開始する(S214−2)。
【0057】
ユーザーが視聴を終了するまたはTV420の電源を切断したとき、TV420(赤外線リモコンを含む)は、視聴終了の信号をCPU324に送信する(S215)。CPU324は、番組終了要求をIPTVサーバ21に送信する(S216)。IPTVサーバ21は、番組送信(S211)を終了し、送信終了の完了信号をCPU324に送信する(S217)。
【0058】
図18を参照して、ONUのその他の実施例として、ONU300にHDDを接続する構成を示す。図18のONU300Aの構成は図7ONU300とほぼ同じであるが、HDDIF341とEtherIF340を新たに有する。CPU324は、EtherIF340とHDDIF341を接続する。HDDIF341は、具体的にはパラレルATA(Advanced Technology Attachment)、シリアルATA、IEEE1394、USB2(Universal Serial Bus 2)などのインタフェースを適用することができる。EtherIF340は、ユーザーがPC410などを用いてCPU324に直接アクセスすることができる。ユーザーは、CPU324に対し、インターネット20に接続されているダウンロードサーバ22に保存されている特定の電子ファイルのダウンロードを指示する。具体的には、ユーザーが電子ファイルのURL(Uniform Resource Locator)をCPU324に与える。CPU324は、HTTPプロトコルまたはFTPプロトコルを通じてダウンロードサーバ22における電子ファイルの所在を把握し、電子ファイルのダウンロードを要求する。次に、CPU324は、HDDIF341に接続されている図示しないHDDの電源をONにし、ダウンロードデータをHDDに格納開始する。
【0059】
特に、CPU324は、OLT200から定期的に帯域情報を取得し、ダウンロードに適さないと判断されるような小さな帯域量のとき、ダウンロードを中断してHDDの電源をOFFにして、再び十分な帯域量になるとHDDの電源をONにしてダウンロードを再開する。
【0060】
全データの格納が終了またはユーザーが中断を指示するなどの場合、CPU324は、ダウンロードサーバ22にダウンロード終了を通知し、HDDの電源をOFFにする。ユーザーは、ダウンロード後のデータをEtherIF340に接続したPC410などから参照、取得することができる。あるいは、ユーザーはHDDそのものをONU300から分離して、別のPCに接続して使用することも可能である。また、HDDの代わりに、半導体メモリを用いることも可能である。
【0061】
図19を参照して、CPUがデータをダウンロードサーバからダウンロードしてHDDに格納する手順を説明する。まず、CPU324は、EtherIF340を通じてダウンロードするファイルの置かれているURLの入力を待機する(S301)。URLが入力されると(S301:YES)、CPU324は、OMCIにて帯域情報の要求をOLT200に通知する(S302)。続いて、CPU324は、OLT200からOMCIで帯域情報が返信されてくるのを待つ(S303)。帯域情報を受信すると(S303:YES)、CPU324は、OMCIにてOLT200に帯域情報受信完了を通知する(S304)。ここで、CPU324は、CPU324に予め設定されたしきい値と帯域情報を比較し、帯域がしきい値以上でなければ(S305:NO)、10分間のタイマーを起動してタイマーが終了するまで待機し(S306)、再び帯域情報取得を行なう。ここでは、しきい値を10Mbit/sとする。CPU324は、10Mbit/sより帯域情報の値が大きい場合(S305:YES)、HDD電源をONにする(S307)。
【0062】
続いて、CPU324は、ダウンロードサーバ22にURLに基づいてデータのダウンロードを要求する(S308)。引き続いてCPU324は、10分のタイマー計測を起動する(S309)。ダウンロードサーバ22が応諾してCPU324がデータ受信を検出すると(S310:YES)、HDDにデータを転送してデータ保存を行なう(S311)。すべてのデータがダウンロードを完了したことをCPU324が検出すると(S312:YES)、CPU324は、HDD電源をOFFにし(S313)、ダウンロード動作を終了する。もし、すべてのデータがまだダウンロードされていないことをCPUが検出すると(S312:NO)、CPU324は、次に、ダウンロードのタイマーが10分を経過したかどうか確認する(S314)。もしまだ10分以内であれば(S314:NO)、CPU324は、再び続きのデータ受信を待機する(S310)。もしタイマーが10分を超えていたら(S314:YES)、CPU324は、OMCIにて帯域情報の要求をOLT200に通知する(S315)。続いて、CPU324は、OLT200からOMCIで帯域情報が返信されてくるのを待つ(S316)。
【0063】
帯域情報を受信すると(S316:YES)、CPU324は、OMCIにてOLT200に帯域情報受信完了を通知する(S317)。ここで、CPU324は、CPU324に予め設定されたしきい値と帯域情報を比較する(S318)。帯域がしきい値以上でなければ(S318:NO)、CPU324は、ダウンロードサーバ22にダウンロード中止を要求し(S319)、HDDの電源をOFFにする(S320)。CPU324は、10分のタイマーを起動してタイマーが終了するまで待機し(S321)、再び帯域情報取得を行なう(S302)。ここでは、しきい値を10Mbit/sとすることができ、これより帯域情報の値が大きい場合は(S318:YES)、CPU324は、10分のタイマー計測を起動して(S309)、再びデータのダウンロードを継続する(S310)。
【0064】
図20を参照して、ONU300Aがダウンロードサーバからデータをダウンロードする動作を説明する。なお、図20ないし図23においてHDD400との表記には、HDD400にHDDIF341の動作を含めて記載する。同様に、PC410との表記には、EtherIF340の動作を含めて記載する。
【0065】
図20において、PC410は、ダウンロードする電子ファイルのURLをCPU324に通知する(S400)。CPU324は、帯域情報の通知要求をOLT200に送る(S401)。OLT200は、帯域情報をCPU324に返信する(S402)。ここで、CPU324は、帯域情報がダウンロード可能なしきい値より小さい値を得たため、10分間のタイマーを起動して待機する(S403)。
【0066】
タイマーの満了後、CPU324は、改めてOLT200に帯域情報の通知を要求する(S404)。同様に、OLT200は、帯域情報を通知する(S405)。CPU324は帯域の値がダウンロード可能なしきい値以上であることを検出する(S406)。CPU324は、HDD440の電源をONにする(S407)。HDD440は、電源ON完了をCPU324に通知する(S408)。CPU324は、ダウンロードサーバ22にダウンロード要求1を送信する(S409)。CPU324は、また受信時間タイマー(10分)をスタートする(S410)。ダウンロードサーバ22は、要求に応諾し、ダウンロードデータの送信を開始する(S411−1)。CPU324は、受信したデータをHDD440に保存する(S412−1)。HDD440は、保存完了を通知する(S413−1)。続いて、CPU324は、ダウンロードデータ1回目の受信完了とダウンロードデータの続きのデータ送信要求2をダウンロードサーバ22に送信する(S414−1)。
【0067】
このようにして、n回目までのダウンロード要求を送信したあと、CPU324は、タイマーの満了を検出する(S415)。ダウンロードサーバ22は、n回目のダウンロードデータをCPU324に送信する。CPU324は、受信したデータをHDD440に保存する(S412−n)。HDD440は、保存完了をCPU324に通知する(S413−n)。続いて、CPU324は、ダウンロードデータn回目の受信完了をダウンロードサーバ22に送信する(S414−n)。ダウンロードサーバ22は、データ送信が完了したことをCPUに通知する(S416)。このとき、CPU324は、HDD440の電源をOFFにする(S417)。HDD440は、電源OFF完了をCPU324に通知する(S418)。
【0068】
さらに、ダウンロードデータ受信が10分の受信時間タイマーの満了後も終了していない場合のシーケンスについて、図21を参照して説明する。図21において、CPU324は、OLT200に帯域情報の通知を要求する(S420)。OLT200は、CPU324に帯域情報を通知する(S421)。CPU324は、帯域の値がダウンロード可能なしきい値以上であることを検出する(S422)。CPU324は、HDD440の電源をONにする(S423)。HDD440は、電源ON完了をCPU324に通知する(S424)。CPU324は、ダウンロードサーバ22にダウンロード要求1を送信する(S426)。CPU324は、また受信時間タイマー(10分)をスタートする(S427)。ダウンロードサーバ22は、要求に応諾し、ダウンロードデータの送信を開始する(S429)。CPU324は受信したデータをHDDに保存する(S431)。HDD440は、保存完了をCPU324に通知する(S432)。続いてCPU324は、ダウンロードデータ1回目の受信完了とダウンロードデータの続きのデータ送信要求2をダウンロードサーバ22に送信する(S433)。このようにして、図20と同様に送受信を行なう。
【0069】
図22を参照して、CPU324がダウンロードサーバからデータをダウンロードしている途中で帯域量を再チェックし、ダウンロードを中断する実施例を説明する。
図22において、CPU324は、図20における受信要求送信から10分経過後にOLT200に帯域情報の通知を要求する(S440)。OLT200は、CPU324に帯域情報を通知する(S441)。CPU324は、帯域の値がしきい値以下に低下していることを検出する(S442)。ここでCPU324は、ダウンロード中止要求をダウンロードサーバ22に送信する(S444)。ダウンロードサーバ22は、ダウンロード中止完了の通知をCPU324に送信する(S445)。CPU324は、HDD440に電源OFFを指示する(S446)。同時にCPU324は、ダウンロードを中止したデータの位置をメモリに記録する(S447)。HDD440は、HDD電源OFFをCPU324に通知する(S448)。ここでCPU324は、10分間のタイマーを起動して(S449)、待機する。
【0070】
CPU324は、10分間のタイマーの満了を受けて、改めてOLT200に帯域情報の通知を要求する(S450)。OLT200は、CPU324に帯域情報を通知する(S451)。CPU324は、帯域の値がダウンロード可能なしきい値以上であることを検出する(S452)。CPU324は、HDD440に電源ONを指示する(S453)。HDD440は、電源ON完了をCPU324に通知する(S454)。CPU324は、先ほどダウンロードを中止したデータの位置をメモリから読み出し(S455)、ダウンロードサーバ22にダウンロード要求1を送信する(S456)。ダウンロードサーバ22は要求に応諾し、ダウンロードデータの送信を開始する(S457−1)。CPU324は受信したデータをHDD440に保存する(S458−1)。HDD440は、保存完了を通知する(S459−1)。続いてCPU324は、ダウンロードデータ1回目の受信完了とダウンロードデータの続きのデータ送信要求2をダウンロードサーバ22に送信する(S460−1)。このようにして、再び図20と同様に送受信を行なう。
【0071】
図23を参照して、ONU300Aがダウンロードサーバからデータをダウンロードしている途中でユーザーの都合でダウンロードを中止する動作を説明する。図23において、ダウンロードサーバ22がCPU324に向けてダウンロードデータを送信状態にあるとき、ユーザーによる操作でPC410は、ダウンロード中止指示をCPU324に送信する(S471)。CPU324は、ダウンロードサーバ22にダウンロード中止の要求を通知する(S472)。ダウンロードサーバ22は、応諾し、ダウンロード中止完了の連絡をCPU324に行なう(S473)。ここでCPU324は、HDD440に電源OFFを指示する(S474)。同時に、CPU324は将来のダウンロード再開に備え、ダウンロードを中止したデータの位置をメモリに記録する(S475)。HDD440は、電源OFF完了の通知をCPU324に送信する(S476)。
【0072】
また、ONUのその他の実施例として、図24を参照して、ONU300Bに外部接続機器の電源を制御する構成を説明する。図24のONU300Bの基本構成は図18のONU300Aの基本構成とほぼ同じであるが、RS232CIF342を有する。
【0073】
CPU324は、外部インタフェースとして、EtherIF340とRS232CIF342を接続する。EtherIF340は、ユーザーがPC410などを用いてCPU324に直接アクセスすることができるインタフェースである。ユーザーは、CPU324に対し、RS232CIF342に接続されている外部機器の電源ONまたはOFFを指示する。ここでは、PC410自体にRS232CIF342を接続して、PC410の電源のON/OFFを制御する。特に、CPU324は、OLT200から定期的に帯域情報を取得し、ユーザーが予め指定した帯域量より小さい時にはPC410の電源をOFFにして、再び帯域量になるとPC410の電源をONにする。
【0074】
図25を参照して、ONUのCPUがPCの電源を制御する手順を説明する。まず、CPU324は、ユーザーによる電源自動制御ONの指示を待機する(S500)。もし電源自動制御ONの指示があれば(S500:YES)、CPU324は、OMCIメッセージにて帯域情報の要求をOLT200に通知する(S501)。続いて、CPU324は、OLT200からOMCIで帯域情報が返信されてくるのを待つ(S502)。帯域情報を受信すると(S502:YES)、CPU324は、OMCIメッセージにてOLT200に帯域情報受信完了を通知する(S503)。ここで、CPU324に予め設定された第1のしきい値と帯域情報を比較し、帯域が第1のしきい値以上でなければ(S504:NO)、10分間のタイマーを起動して(S505)、タイマーが終了するまで待機し(S506:NO)、また、ユーザーによる電源自動制御OFFの指示があるかどうか確認する(S507)。もしここで電源自動制御OFFの指示を検出すれば(S507:YES)、CPU324は、電源の自動制御は解除して終了する。タイマーが10分経過したら(S506:YES)、CPU324は、ステップ501に遷移する。
【0075】
ここでは、第1のしきい値は、10Mbit/sとする。これより帯域情報の値が10Mbit/s以下の場合(S504:YES)、CPU324は、PCの電源をOFFにする(S508)。そして再び、CPU324は、OMCIメッセージにて帯域情報の要求をOLT200に通知する(S509)。続いて、CPU324は、OLT200からOMCIで帯域情報が返信されてくるのを待つ(S510)。帯域情報を受信すると(S510:YES)、CPU324は、OMCIメッセージにてOLT200に帯域情報受信完了を通知する(S511)。ここで、CPU324は、CPU324に予め設定された第2のしきい値と帯域情報を比較する(S512)。帯域が第2のしきい値以上でなければ(S512:NO)、CPU324は、10分間のタイマーを起動しタイマーが終了するまで待機する(S513)。タイマー満了後、CPU324は、ステップ509に遷移する。ステップ512で帯域が第2のしきい値以上であれば(YES)、CPU324は、PCの電源をONにし(S514)、ステップ501に遷移する。
【0076】
図26を参照して、CPU324がPC410の電源を制御する動作を説明する。なお、図26におけるPC410には、PC410以外のRS232CIF342とEtherIF340の動作を含んで記載する。具体的には、PC410の電源OFF(sleep)は、RS232CIF342の処理であり、PC410の電源ON(wake up)は、EtherIF340の処理である。
【0077】
図26において、ユーザーの操作によりPC410は、CPU324に電源自動制御ONの指示を通知する(S601)。CPU324は、PC電源自動制御ONの状態に入る。そして、CPU324は、帯域情報の通知要求をOLT200に送信する(S602)。OLT200は、帯域情報をCPU324に返信する(S603)。ここでCPU324は、帯域情報から外部機器(PC410)が動作可能なしきい値より大きい値を得たため、10分間のタイマーを起動して待機する(S605)。
【0078】
タイマー満了後CPU324は、改めてOLT200に帯域情報の通知を送信する(S606)。OLT200は、CPU324に帯域情報を通知する(S607)。CPU324は、帯域の値が外部機器の動作可能なしきい値未満であることを検出する(S608)。CPU324は、PC410の電源をOFFにするよう制御する(S609)。PC410は、電源OFF完了をCPU324に通知する(S610)。CPU324は、再び帯域情報の通知要求をOLT200に送る(S611)。OLT200は、帯域情報をCPU324に返信する(S612)。ここでCPU324は、帯域情報から外部機器が動作可能なしきい値より小さい値を得たため、10分間のタイマーを起動して待機する(S613)。タイマー満了後、CPU324は、改めてOLT200に帯域情報の通知を要求する(S614)。OLT200は、CPU324に帯域情報を通知する(S615)。CPU324は、帯域の値が外部機器の動作可能なしきい値以上であることを検出する(S616)。CPU324は、PC410の電源をONにするよう制御する(S617)。PC410は、電源ON完了をCPU324に通知する(S618)。ここで、ユーザーの操作によりPC410は、電源自動制御のOFF指示をCPU324に送る(S619)。CPU324は、外部機器の自動制御OFFの状態に入る。
【0079】
上述した実施例に拠れば、PONシステムにおいて、ONU使用者側においてOLTにおけるONUまでの帯域設定を正確に把握することができる。特にONU本体およびONUに接続される端末装置の動作設定を、利用可能な帯域量に連動させることができる。さらに、ストリーミング映像など連続データのビットレートを最適化することができる。また、計画的なダウンロードの実行による消費電力の最適化ができる。また、端末装置の電源を制御することができる。
【符号の説明】
【0080】
10…PON、20…PSTN/インターネット、21…IPTVサーバ、22…ダウンロードサーバ、100…光スプリッタ、110…幹線ファイバ、120…支線ファイバ、200…OLT、300…ONU、324…CPU、400…電話機、410…パーソナルコンピュータ、420…TV、440…HDD。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバで相互に接続された光加入者接続装置と光加入者端局装置とからなる受動光網システムにおいて、
前記光加入者接続装置は、上りおよび下りの帯域情報記録部を含み、前記光加入者端局装置から帯域情報問合せメッセージを受信したとき、前記帯域情報記録部を参照して、帯域情報を記録した帯域情報回答メッセージを返信し、
前記光加入者端局装置は、外部接続機器を接続し、前記帯域情報に基づいて、前記外部接続機器を制御することを特徴とする受動光網システム。
【請求項2】
請求項1に記載の受動光網システムであって、
前記外部接続機器は、テレビであり、
前記光加入者端局装置は、IPパケットによる音声および映像のストリーミング信号を受信し、前記ストリーミング信号の復号のためのコーデックについて前記帯域情報に基づいて設定し、前記テレビに送出することを特徴とする受動光網システム。
【請求項3】
請求項1に記載の受動光網システムであって、
前記外部接続機器は、記憶装置であり、
前記光加入者端局装置は、前記帯域情報に基づいて前記記憶装置記憶させるデータのダウンロードの開始、中断および終了を制御することを特徴とする受動光網システム。
【請求項4】
請求項1に記載の受動光網システムであって、
前記光加入者端局装置は、前記帯域情報に基づいて前記外部機器の電源の投入と切断とを制御することを特徴とする受動光網システム。
【請求項5】
光ファイバで光加入者接続装置と接続され、外部接続機器と電気的に接続された光加入者端局装置において、
メッセージ送信部と、メッセージ受信部と、外部接続機器制御部とを備え、
前記メッセージ送信部から帯域情報問合せメッセージを送信し、前記メッセージ受信部で帯域情報回答メッセージを受信したとき、前記外部接続機器制御部は、前記帯域情報回答メッセージに含まれた帯域情報に基づいて、前記外部接続機器を制御することを特徴とする光加入者接続装置。
【請求項1】
光ファイバで相互に接続された光加入者接続装置と光加入者端局装置とからなる受動光網システムにおいて、
前記光加入者接続装置は、上りおよび下りの帯域情報記録部を含み、前記光加入者端局装置から帯域情報問合せメッセージを受信したとき、前記帯域情報記録部を参照して、帯域情報を記録した帯域情報回答メッセージを返信し、
前記光加入者端局装置は、外部接続機器を接続し、前記帯域情報に基づいて、前記外部接続機器を制御することを特徴とする受動光網システム。
【請求項2】
請求項1に記載の受動光網システムであって、
前記外部接続機器は、テレビであり、
前記光加入者端局装置は、IPパケットによる音声および映像のストリーミング信号を受信し、前記ストリーミング信号の復号のためのコーデックについて前記帯域情報に基づいて設定し、前記テレビに送出することを特徴とする受動光網システム。
【請求項3】
請求項1に記載の受動光網システムであって、
前記外部接続機器は、記憶装置であり、
前記光加入者端局装置は、前記帯域情報に基づいて前記記憶装置記憶させるデータのダウンロードの開始、中断および終了を制御することを特徴とする受動光網システム。
【請求項4】
請求項1に記載の受動光網システムであって、
前記光加入者端局装置は、前記帯域情報に基づいて前記外部機器の電源の投入と切断とを制御することを特徴とする受動光網システム。
【請求項5】
光ファイバで光加入者接続装置と接続され、外部接続機器と電気的に接続された光加入者端局装置において、
メッセージ送信部と、メッセージ受信部と、外部接続機器制御部とを備え、
前記メッセージ送信部から帯域情報問合せメッセージを送信し、前記メッセージ受信部で帯域情報回答メッセージを受信したとき、前記外部接続機器制御部は、前記帯域情報回答メッセージに含まれた帯域情報に基づいて、前記外部接続機器を制御することを特徴とする光加入者接続装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
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【図21】
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【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2010−251898(P2010−251898A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−96948(P2009−96948)
【出願日】平成21年4月13日(2009.4.13)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月13日(2009.4.13)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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