説明

受発光センサ、エンコーダ及び受発光センサの製造方法

【課題】受発光動作の信頼性を確保することができる受発光センサ、エンコーダ及び受発光センサの製造方法を提供すること。
【解決手段】光を発光する発光部及び前記光を受光する受光部を有する受発光部と、前記光を透過させて、前記発光部と前記受光部とを含む領域を保護する保護層とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受発光センサ、エンコーダ及び受発光センサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モータの回転軸など回転体の回転数や位置情報を検出する装置として、エンコーダが知られている(例えば、特許文献1)。エンコーダは、例えばモータの回転軸に取り付けられて用いられる。エンコーダの具体的構成として、例えば所定の光反射パターンが形成された回転部を回転軸と一体的に回転させ、当該光反射パターンに光を照射して反射光(又は透過光)を読み取ることで、モータの回転軸の回転数等を検出できるようになっている。このように光反射パターンを介した光を読み取るセンサとして、例えば発光部及び受光部を有する受発光センサが用いられている。
【0003】
例えば、受発光センサは、受光部を構成するチップ上に発光部として発光ダイオードなどを搭載した、いわゆるチップオンチップ構造となっている。この構成では、発光ダイオードの発光部が樹脂などの封止剤によってコーティングされた状態になっている。この構成により、外部環境に起因する腐食等から発光部を保護することができ、信頼性に優れた発光ダイオードが得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−112800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
受発光センサにおいては、受光部においても同様に、外部環境によって腐食等が発生し、受光動作の信頼性が低下する可能性がある。このため、受光部においても外部環境から保護する必要がある。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明は、受発光動作の信頼性を確保することができる受発光センサ、エンコーダ及び受発光センサの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る受発光センサは、光を発光する発光部及び前記光を受光する受光部を有する受発光部と、前記光を透過させて、前記発光部と前記受光部とを含む領域を保護する保護層とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係るエンコーダは、パターン部を有する回転部と、前記パターン部に光を照射すると共に、前記パターン部を介した前記光を受光する受発光センサとを備え、前記受発光センサとして、上記の受発光センサを用いることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る受発光センサの製造方法は、光を発光する発光部及び前記光を受光する受光部を配置する工程と、前記発光部と前記受光部とを含む領域を保護する保護層を形成する工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、受発光動作の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態に係るエンコーダの全体構成を示す断面図。
【図2】本実施形態に係るエンコーダの検出機構の構成を示す図。
【図3】本実施形態における検出機構の構成を示す断面図。
【図4】本実施形態における検出機構の動作を示す図。
【図5】本発明の第2実施形態に係るエンコーダの検出機構の構成を示す図。
【図6】本発明の第3実施形態に係るエンコーダの検出機構の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、エンコーダECの構成を示す断面図である。
図1に示すように、エンコーダECは、モータなどの回転体の回転数を検出する装置である。エンコーダECは、回転部材R、磁石部材M及び検出機構Dを有している。エンコーダECは、回転部材R及び磁石部材Mが設けられており、これらが検出機構Dを構成する筐体31内に収容された状態で用いられる。
【0013】
回転部材Rは、回転体である例えばモータMRの回転軸ARに固定され、回転軸ARと一体的に回転する部分である。回転部材Rは、例えばSUSなどによって円盤状に形成されている。回転部材Rの構成材料としてSUSなどの剛性の高い材料を用いることで、耐変形性などに優れた回転部材Rが形成される。回転部材Rの構成材料として、他の材料を用いても勿論構わない。回転部材Rは、取付部20、パターン形成部21及び凹部23を有している。
【0014】
取付部20は、回転部材Rの下面Rbに設けられている。取付部20の下面側には、平面視中央部に挿入穴20aが形成されている。挿入穴20aは、上記モータMRの回転軸ARが挿入されるようになっている。取付部20は、回転軸ARが挿入穴20aに挿入された状態で回転軸ARと取付部20との間を固定する固定機構(不図示)を有している。
【0015】
パターン形成部21は、回転部材Rの上面Raの周縁部に円環状に設けられている。パターン形成部21には、光反射パターン24が形成されている。光反射パターン24は、例えば回転部材Rの外周に沿って円環状に形成されている。
【0016】
例えば、光反射パターン24は、所定の波長の光を反射する2つの光反射領域24a及び光反射領域24bを有している。光反射領域24aは、光反射パターン24のうち回転部材Rの径方向の外側に形成されている。光反射領域24bは、光反射パターン24のうち回転部材Rの径方向の内側に形成されている。
【0017】
パターン形成部21は、光反射パターン24が形成された領域を含めて、ほぼ全体がアクリル樹脂などの透明保護膜(不図示)によって被覆されている。光反射パターン24として、例えばパターン形成部21の他の部分よりも光反射率の低い低反射領域を有する構成であっても構わない。
【0018】
凹部23は、取付部20の上面側に形成されている。凹部23には、磁石部材Mが収容されるようになっている。
【0019】
磁石部材Mは、回転部材Rの回転方向に沿って円環状に形成された永久磁石である。磁石部材Mは、例えば回転部材Rの周縁部に配置されている。磁石部材Mには、所定の磁気パターンが形成されている。磁石部材Mの磁気パターンとして、例えば回転軸ARの軸方向に見て円環の半分の領域にN極に着磁され、円環の他の半分の領域がS極に着磁された磁気パターンなどが挙げられる。磁石部材Mは、回転部材Rの凹部23に収容されている。磁石部材Mは、回転部材Rとの間で例えば不図示の接着剤などを介して固着されている。したがって、磁石部材Mは、回転部材Rとの間で一体的に形成されている。
【0020】
検出機構Dは、上記の光反射パターン24及び磁石部材Mによる磁場を検出する部分である。検出機構Dは、本発明における受発光センサである。
図2は、検出機構Dの構成を示す図である。図2では、検出機構DをモータMTR側から見たときの構成を示している。図3は、検出機構Dの構成を示す断面図である。以下、図1と共に、図2及び図3を参照して、検出機構Dの構成を説明する。
【0021】
検出機構Dは、筐体31、受発光部32及び保護層40を有している。図を判別しやすくするため、図3には示されていないが、検出機構Dは磁気センサ30(図1参照)も有している。
【0022】
筐体31は、例えば平面視円形のコップ状に形成されている。筐体31は、モータMRに固定されており、回転軸ARとは固定されていない状態となっている。したがって、回転軸ARが回転しても、筐体31とモータMRとの相対位置が変化しないようになっている。筐体31は、一体的に形成された回転部材R及び磁石部材Mを収容する。回転部材R及び磁石部材Mは、回転軸ARの軸方向に見たときに、それぞれの中心が筐体31の中心に一致するように位置合わせされた状態で収容されている。
【0023】
受発光部32は、光反射パターン24へ向けて光を射出し、反射光を読み取ることで光反射パターン24を検出する部分である。受発光部32は、例えば回転部材Rの光反射パターン24に対して、回転軸ARの軸方向に見て重なる位置に配置されている。受発光部32は、基板33、発光部34、受光部35及び第1端子36を有している。
【0024】
基板33は、光反射パターン24に回転軸方向視で重なる位置に設けられている。基板33は、回転軸方向視で例えば矩形に形成されている。基板33は、例えば光反射領域24a及び光反射領域24bに対して回転軸方向視でそれぞれ重なる位置に配置されている。基板33と筐体31との間は、例えば不図示の接着剤などによって固定されている。発光部34としては、例えば発光ダイオード(LED)などが用いられている。発光部34から射出される光の中心波長は、例えば855μmとなっている。
【0025】
発光部34は、光反射パターン24へ向けて光を射出する部分である。発光部34は、例えば基板33の平面視中央部に配置されている。このため、発光部34は、光反射領域24aと光反射領域24bとの中間の位置に配置されていることになる。発光部34は、発光領域34a、接続部34b及びカソード電極34cを有しており、他に不図示のアノード電極を有している。発光領域34は、光反射領域24a及び光反射領域24bのそれぞれに向けて光を射出するように形成されている。接続部34bとカソード電極34cとの間は、例えばリード線などによって接続されている。
【0026】
受光部35は、光反射パターン24からの反射光を受光する部分である。受光部35は、光反射領域24a及び光反射領域24bで反射されるそれぞれの反射光の光路上に配置されている。本実施形態では、受光部35は2箇所に設けられている(受光部35A及び受光部35B)。
【0027】
受光部35A及び受光部35Bは、例えば基板33のうち発光部34を挟む位置に設けられている。受光部35A及び受光部35Bは、発光部34との間に間隔を空けて配置されている。本実施形態では、例えば受光部35Aと発光部34との間の領域は、回転軸方向視で光反射領域24aに重なっている。受光部35Bと発光部34との間の領域は、回転軸方向視で光反射領域24bに重なっている。
【0028】
受光部35A及び受光部35Bは、それぞれ複数の受光領域35wを有している。複数の受光領域35wは、矩形に形成された基板33の辺に沿って配列されている。具体的には、複数の受光領域35wは、例えば受光部35が発光部34を挟む方向に対して直交する方向に配列されている。受光部35A及び受光部35Bは、基板33の対向する一対の辺に沿った領域に配置されていることになる。
【0029】
受光領域35wは、光反射パターン24に形成された低反射領域24aに対応して設けられている。例えば、本実施形態では、受光部35Aの方が受光部35Bよりも受光領域35wの数が多くなっている。受光領域35wの数については、光反射パターン24の構成に応じて適宜変更することができる。
【0030】
第1端子36は、基板33の周縁部に複数形成されている。第1端子36は、基板33上に形成される不図示の配線に接続されている。この不図示の配線は、例えば発光部34や受光部35に接続されている。したがって、第1端子36は、当該不図示の配線を介して発光部34及び受光部35に接続されている。
【0031】
第1端子36は、筐体31に設けられた複数の第2端子38にリード線37を介してそれぞれ接続されている。第1端子36は、例えば複数の受光領域35wの配列方向の両側にそれぞれ配列されており、例えば矩形に形成された基板33の辺に沿って配列されている。第1端子36の配列方向は、例えば受光領域35wの配列方向の直交方向と一致している。
【0032】
保護層40は、少なくとも発光部34及び受光部35が直接外気に触れないように保護する部分である。保護層40は、基板33上のうち発光部34及び受光部35を含む領域に膜状に形成されている。保護層40は、当該領域を覆って封止するように形成されている。保護層40の構成材料としては、例えば発光部34から射出される光を透過させる樹脂材料が用いられている。
【0033】
保護層40は、例えば70μm程度の厚さに形成されている。保護層40は、当該厚さにおいて、例えば95%以上の透過率で発光部34からの光及び光反射パターン24からの反射光を透過するようになっている。保護層40は、少なくとも発光部34及び受光部35に対して隙間なく密着されていることが好ましい。なお、保護層40は、例えば、80%以上の透過率で発光部34からの光及び光反射パターン24からの反射光を透過するようにしてもよい。
【0034】
本実施形態では、発光部34を挟む2箇所の位置に受光部35が配置されており、保護層40は受光部35が設けられた2箇所及び発光部34を纏めて覆うように形成されている。
【0035】
保護層40の構成として、例えば発光部34からの光及び光反射パターン24からの反射光のうち所定の波長域を選択的に通過させるようにしても構わない。例えば、保護層40上に所定の波長域よりも高波長の波長域をカットするローパスフィルタ樹脂を形成し、当該ローパスフィルタの上に、当該所定の波長域よりも低波長の波長域をカットするハイパスフィルタ樹脂を形成する構成などが挙げられる。ローパスフィルタとハイパスフィルタの積層順序が逆であっても構わない。
【0036】
図1に戻って、磁気センサ30は、例えば磁石部材Mに対して回転軸ARの軸方向に見て重なる位置に一対配置されている(磁気センサ30A及び30B)。各磁気センサ30A及び30Bは、バイアス磁石(不図示)及び磁気抵抗素子(不図示)を有している。磁気センサ30A及び30Bは、それぞれ筐体31に保持されている。
【0037】
バイアス磁石は、磁石部材Mの磁場との間で合成磁場を形成する磁石である。バイアス磁石を構成する材料として、例えばサマリウム・コバルトなどの磁力の大きい希土類磁石などが挙げられる。バイアス磁石は、磁気抵抗素子に接触したり、隣接したりしない位置に配置されている。
【0038】
上述の磁気抵抗素子は、例えば金属配線などによって形成された直交する2つの繰り返しパターンを有している。磁気抵抗素子は、磁場の方向が当該繰り返しパターンに流れる電流の方向の垂直方向に近くなると電気抵抗が低下するようになっている。磁気抵抗素子は、この電気抵抗の低下を利用して磁場の方向を電気信号に変換するようになっている。磁気抵抗素子は、磁石部材Mの磁場及びバイアス磁石の磁場による合成磁場を検出するようになっている。検出結果は、電気信号として上記の制御装置(不図示)に送信されるようになっている。
【0039】
制御装置は、受発光部32の受光部からの出力に基づいて回転軸ARの回転角度を求めると共に、磁気センサ30A及び30Bからの出力に基づいて回転軸ARの回転数を求める処理を行う。
【0040】
次に、上記のエンコーダECに設けられる検出機構Dの製造方法を説明する。
まず、第1端子36や受光部35、カソード電極(不図示)、配線(不図示)などを予め形成しておいた基板33上に、発光部34を配置させる。発光部34を配置させる際には、例えば銀ペーストなどを当該カソード電極上に配置させ、当該銀ペースト上に発光部34を搭載する。
【0041】
次に、発光部34の上に未硬化(液状)の樹脂を配置させる。当該樹脂としては、保護層40の構成材料と同一の材料を用いる。発光部34上に配置された未硬化の樹脂は、表面張力によって発光部34上で盛り上がった状態となる。
【0042】
次に、発光部34上に配置した未硬化の樹脂にエアを吹き付ける。エアの吹き付けにより樹脂の表面張力が破れ、発光部34の表面に沿って樹脂が流れる。更にエアを吹き付けると、樹脂は基板33上に沿って流通し、受光部35上にも流れる。エアの吹き付け位置などを調整することにより、当該樹脂が発光部34、受光部35及びその間の基板33上の領域を覆うように膜状に形成される。
【0043】
次に、膜状に形成された樹脂を加熱炉に入れて加熱硬化させる。樹脂が加熱硬化されることにより、発光部34及び受光部35を覆う保護層40が形成される。このようにして、検出機構Dが製造される。
【0044】
次に、上記のエンコーダECの動作を説明する。
モータMRの回転軸ARが回転すると、当該回転軸ARに一体的に取り付けられた回転部材R及び磁石部材Mが回転軸ARと一体的に回転する。モータMRに固定された検出機構Dについては、回転軸ARには接続されていないため、回転せずに静止した状態となる。
【0045】
回転部材Rの回転と共に、磁石部材Mが回転する。この磁石部材Mが回転すると、当該磁石部材Mの磁気パターンによって形成される磁場とバイアス磁石の磁場との合成磁場が周期的に変化する。磁気センサ30A及び30Bは、当該合成磁場の変化の周期を検出することにより、磁石部材M(回転軸)の回転数を検出する。
【0046】
一方、回転部材Rが回転すると、当該回転部材Rに形成された光反射パターン24が回転方向に移動する。図4に示すように、発光部34からは、光反射パターン24の光反射領域24a及び光反射領域24bへ向けてそれぞれ光が射出される。光反射領域24aへ向けて射出された光は、光反射領域24aで反射され、受光部35Aの受光領域35wに入射する。光反射領域24bへ向けて射出された光は、光反射領域24bで反射され、受光部35Bの受光領域35wへ入射する。
【0047】
受光部35A及び受光部35Bの受光領域35wでは、それぞれ反射光を検出し、検出結果を制御装置へ送信する。制御装置では、当該検出結果に基づいて光反射パターン24の移動角度を検出する。
【0048】
このとき、受発光部32において、発光部34及び受光部35が外部環境に直接触れる状態で用いられた場合、当該発光部34及び受光部35においては外部環境による腐食が発生し、受光動作及び発光動作の信頼性が低下する可能性がある。
【0049】
これに対して、本実施形態によれば、光を発光する発光部34及び当該光を受光する受光部35を有する受発光部32と、当該光を透過させて発光部34と受光部35とを含む領域を保護する保護層40とを備えることとしたので、発光部34及び受光部35の両方が外部環境から保護されることとなる。これにより、発光動作及び受光動作の信頼性を向上させることができる。
【0050】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態では、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略あるいは簡略化する。本実施形態では、保護層140の構成が第1実施形態とは異なっており、他の構成については第1実施形態と同様になっている。したがって、本実施形態では、保護層140の構成を中心に説明する。
【0051】
図5は、本実施形態に係るエンコーダEC2の検出機構Dの構成を示す図である。
同図に示すように、検出機構Dは、基板33の表面全体が保護層140によって封止された構成になっている。このため、保護層140は、発光部34及び受光部35の他、第1端子36を含む受発光部32の全部及びリード線37の一部を覆うように形成されていることになる。
【0052】
本実施形態のように、保護層140が基板33の表面全体を覆うように形成されていることにより、発光部34及び受光部35のみならず、受発光部32の全部を保護することができる。更には、基板33の表面全体を保護することができるため、保護層140の輪郭部分から外気や水分等が発光部34や受光部35などへ浸入するのを防ぐことができる。
【0053】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を説明する。本実施形態では、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略あるいは簡略化する。本実施形態では、保護層240の構成が第1実施形態とは異なっており、他の構成については第1実施形態と同様になっている。したがって、本実施形態では、保護層240の構成を中心に説明する。
【0054】
図6は、本実施形態に係るエンコーダEC3の検出機構Dの構成を示す断面図である。
同図に示すように、保護層240は、基板33を覆うと共に当該基板33からはみ出して第2端子38を覆うように形成されている。このため、検出機構Dは、基板33上全体、リード線37及び筐体31上に形成された第2端子38が保護層240によって封止された構成になっている。このため、保護層240は、発光部34及び受光部35の他、第1端子36、リード線37及び第2端子38を覆うように形成されていることになる。
【0055】
本実施形態のように、保護層240が基板33上全体、リード線37及び筐体31上に形成された第2端子38を覆うように形成されていることにより、第1端子36、リード線37及び第2端子38についても保護することができる。これにより、検出機構Dの動作の信頼性を高めることができる。
【0056】
なお、本実施形態において、パターン形成部21には、光反射パターン24が形成されているが、所定の光を透過する光透過パターンであってもよい。光透過パターンは、例えば回転部材Rの外周に沿って円環状に形成される。
【0057】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態においては、保護層が受発光部32、第2端子38及びリード線37を覆う構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、例えば磁気センサ30についても覆うように構成しても構わない。加えて、保護層が筐体31の全面を覆う構成としても構わない。これにより、筐体31上に形成される構成要素が全部保護されることになるため、検出機構Dの検出動作の信頼性を高めることができる。
【符号の説明】
【0058】
EC…エンコーダ D…検出機構(受発光センサ) 31…筐体(基板) 32…受発光部 34…発光部 35…受光部 40…保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発光する発光部及び前記光を受光する受光部を有する受発光部と、
前記光を透過させて、前記発光部と前記受光部とを含む領域を保護する保護層と
を備えることを特徴とする受発光センサ。
【請求項2】
前記受光部は、複数設けられており、
前記保護層は、複数の前記受光部を保護する
ことを特徴とする請求項1に記載の受発光センサ。
【請求項3】
複数の前記受光部は、前記発光部を挟む位置に配置されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の受発光センサ。
【請求項4】
前記受発光部は、端子部を有し、
前記保護層は、前記端子部を保護する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の受発光センサ。
【請求項5】
前記保護層は、前記受発光部の全面を保護する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の受発光センサ。
【請求項6】
前記受発光部を搭載する基板を更に備え、
前記基板は、前記端子部に接続される第2端子部を有し、
前記保護層は、前記前記第2端子部を保護する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の受発光センサ。
【請求項7】
前記保護層は、前記発光部から発光される前記光の波長域に対する透過率が高い
ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の受発光センサ。
【請求項8】
前記保護層は、前記光のうち所定の波長域を選択的に透過させる
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の受発光センサ。
【請求項9】
パターン部を有する回転部と、
前記パターン部に光を照射すると共に、前記パターン部を介した前記光を受光する受発光センサと
を備え、
前記受発光センサとして、請求項1から請求項8のうちいずれか一項に記載の受発光センサを用いる
ことを特徴とするエンコーダ。
【請求項10】
光を発光する発光部及び前記光を受光する受光部を配置する工程と、
前記発光部と前記受光部とを含む領域を保護する保護層を形成する工程と
を含むことを特徴とする受発光センサの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−266335(P2010−266335A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−117930(P2009−117930)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】