受皿の分配装置
【課題】受皿Ｔを振り分けるための揺動体がなく、装置の耐久性、信頼性に優れた受皿の分配装置１０を提供すること。
【解決手段】複数の受皿Ｔを一列に並べて搬送する単列搬送手段１と、この単列搬送手段１の搬送下流側に接続され、一列に並んで搬送された複数の受皿Ｔを左右へずらす予備分配手段２と、この予備分配手段２の搬送下流側に接続され、右側へずらした受皿Ｔを一の下流搬送路４Ｒへ導き、左側へずらした受皿Ｔを他の下流搬送路４Ｌへ導く分配搬送手段３と、から構成した。
【解決手段】複数の受皿Ｔを一列に並べて搬送する単列搬送手段１と、この単列搬送手段１の搬送下流側に接続され、一列に並んで搬送された複数の受皿Ｔを左右へずらす予備分配手段２と、この予備分配手段２の搬送下流側に接続され、右側へずらした受皿Ｔを一の下流搬送路４Ｒへ導き、左側へずらした受皿Ｔを他の下流搬送路４Ｌへ導く分配搬送手段３と、から構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、受皿の分配装置、より詳しくは、例えば、柑橘、桃、リンゴ、メロン等の各種農産物を載置可能な搬送用受皿を、コンベヤで搬送しながら左右に分配する分配装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、複数の物品をコンベヤで搬送しながら左右に分配する分配装置として、下記の特許文献１に記載のものが知られている。この装置は、コンベヤ上に左右に揺動可能な揺動体を設け、検出手段で物品を検出するごとに揺動体を左右に振って物品を振り分けるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開平１１−１３９５４４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、この分配装置は、物品を振り分けるために揺動体を常時、揺動動作させなければならず、揺動体の故障など装置の耐久性に問題があった。また、分配すべき物品を逐一、検出手段で検出しなければならないため、物品の誤検出の問題が避けられず、装置の信頼性にも問題があった。
【０００５】
本発明は、従来の分配装置に上記のような難点があったことに鑑みて為されたもので、物品を振り分けるための揺動体がなく、装置の耐久性、信頼性に優れた受皿の分配装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、複数の受皿を搬送しながらその搬送下流側に接続された一の下流搬送路と他の下流搬送路とに分配する受皿の分配装置であって、
前記受皿を一列に並べて搬送する単列搬送手段と、前記単列搬送手段の搬送下流側に接続され、前記受皿を搬送する搬送路を備え、該搬送路における前記受皿の移動速度を前記単列搬送手段における移動速度よりも小さくして、前記単列搬送手段から一列に搬送されてきた複数の受皿を該搬送路の中心線を挟んで左右へずらす予備分配手段と、前記予備分配手段の搬送下流側に接続され、該予備分配手段により前記中心線よりも右側へずらした受皿を前記一の下流搬送路へ導き、前記中心線よりも左側へずらした受皿を前記他の下流搬送路へ導く分配搬送手段と、から成ることを特徴としている。
【０００７】
また、本発明は、前記予備分配手段の搬送路に一対の搬送ガイドが設けられていることを特徴としている。
【０００８】
また、本発明は、前記搬送ガイド同士の間隔が、前記受皿の直径の２倍の値よりも小さくされていることを特徴としている。
【０００９】
また、本発明は、前記予備分配手段が、前記単列搬送手段よりも搬送速度の小さいローラコンベヤから成ることを特徴としている。
【００１０】
また、本発明は、前記予備分配手段が、前記中心線を挟んで並列する一対の幅寄せコンベヤから成り、該幅寄せコンベヤの搬送方向が該中心線を挟んで互いに離反していることを特徴としている。
【００１１】
また、本発明は、前記分配搬送手段が、前記中心線を挟んで並列する一対の幅寄せコンベヤから成り、該幅寄せコンベヤの搬送方向が該中心線を挟んで互いに離反していることを特徴としている。
【発明の効果】
【００１２】
本発明に係る受皿の分配装置によれば、受皿を一列に並べて搬送する単列搬送手段における受皿の移動速度よりも、予備分配手段における受皿の移動速度を小さくすることにより、受皿同士の衝突を利用して各受皿を左右へずらすようにしているので、従来装置のように物品を振り分けるための揺動体を設ける必要がなく、装置の耐久性に優れている。また、従来装置のように揺動体を制御するための物品検出手段を設ける必要もないので、誤検出や誤作動の問題もなく装置の信頼性に優れている。
【００１３】
また、予備分配手段の搬送路に一対の搬送ガイドを設ければ、例えば搬送路の中心線よりも右側へ位置ずれした受皿が右側の搬送ガイドに当たった際の反力を利用して後続の受皿を左側へずらすことができ、受皿をより確実に左右に分配することができる。
【００１４】
また、搬送ガイド同士の間隔を受皿の直径の２倍の値よりも小さくすれば、搬送路において複数の受皿を一つずつ中心線を挟んで左右へ交互にずらすことができ、受皿を一の下流搬送路と他の下流搬送路とに一つずつ交互に分配することができる。
【００１５】
また、予備分配手段を搬送方向が互いに離反する左右一対の幅寄せローラコンベヤから構成すれば、予備分配手段の搬送路において複数の受皿をより確実に左右へずらすことができ、また、左右へずらした各受皿をより円滑に下流へ搬送し分配搬送手段へ供給することができる。
【００１６】
また、分配搬送手段を搬送方向が互いに離反する左右一対の幅寄せローラコンベヤから構成すれば、分配搬送手段の搬送路において複数の受皿をより確実に一の下流搬送路と他の下流搬送路とへ導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】本実施形態の受皿の分配装置の概略平面図である。
【図２】本実施形態の受皿の分配装置の予備分配手段の概略横断面図である。
【図３】本発明に係る受皿の分配装置の実施変形例の概略平面図である。
【図４】本発明に係る受皿の分配装置の他の実施変形例の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１８】
本実施形態の受皿の分配装置１０は、図１に示すように、複数の受皿Ｔを搬送しながらその搬送下流側に接続された一の下流搬送路４Ｒと他の下流搬送路４Ｌとに分配するものである。受皿Ｔは、図２に示すように、例えば、柑橘、桃、リンゴ、メロン等の各種農産物Ａを安定載置可能に構成された搬送用受皿であり、平面視円形に形成されている。
【００１９】
本実施形態の受皿の分配装置１０は、図１及び図２に示すように、受皿Ｔを一列に並べて搬送する単列搬送手段１と、この単列搬送手段１の搬送下流側に接続され、一列に並んで搬送された複数の受皿Ｔを左右へずらす予備分配手段２と、この予備分配手段２の搬送下流側に接続され、右側へずらした受皿Ｔを一の下流搬送路４Ｒへ導き、左側へずらした受皿Ｔを他の下流搬送路４Ｌへ導く分配搬送手段３と、から構成されている。以下、各構成部について詳しく説明する。
【００２０】
単列搬送手段１は、受皿Ｔを一列に並べて搬送する周知のベルトコンベヤ１１から構成されている。ベルトコンベヤ１１は不図示のモータにより駆動され、ベルトコンベヤ１１の搬送ベルト１１１上に載置された受皿Ｔは、移動速度Ｖ１で搬送される。
【００２１】
予備分配手段２は、上記単列搬送手段１から搬送されてきた受皿Ｔをさらに下流へ搬送するための搬送路２１を備えている。本実施形態の予備分配手段２は、搬送路２１の中心線Ｃを挟んで並列する左右一対の幅寄せローラコンベヤ２２Ｒ・２２Ｌから構成されている。図１に示すように、各幅寄せローラコンベヤ２２Ｒ・２２Ｌは、搬送路２１を構成する複数の搬送ローラ２２１の各回転軸線が中心線Ｃに対し斜めになっており、これら幅寄せローラコンベヤ２２Ｒ・２２Ｌそれ自体の搬送方向は、中心線Ｃを挟んで互いに外側へ向かって離反している。また、各幅寄せローラコンベヤ２２Ｒ・２２Ｌは、ベルト駆動式ローラコンベヤとして構成されており、モータにより駆動走行する不図示の駆動ベルトが、各幅寄せローラコンベヤ２２Ｒ・２２Ｌの各搬送ローラ２２１とローラ下面で接触することによって、各搬送ローラ２２１が一斉に回転駆動される。
【００２２】
また、本実施形態の予備分配手段２は、搬送路２１上に、中心線Ｃを挟んで平行に並ぶ一対の搬送ガイド２３・２３が設けられている。各搬送ガイド２３は、幅寄せローラコンベヤ２２Ｒ・２２Ｌの外側フレームに固定されたブラケット２３１と、このブラケット２３１の先端に送りねじ機構２３２を介して設けられたガイドバー２３３とから構成されている。この送りねじ機構２３２のねじを回転操作することによって、ガイドバー２３３の位置を調節することができ、一対の搬送ガイド２３同士の間隔Ｗを適宜調節することができる。本実施形態では、搬送ガイド２３同士の間隔Ｗを、受皿Ｔの直径Ｄの二倍の値よりも小さくしている（Ｄ＜Ｗ＜２Ｄ）。
【００２３】
このことで、予備分配手段２の搬送路２１上に載置された受皿Ｔは、一対の搬送ガイド２３により案内されながら中心線Ｃに沿って移動速度Ｖ２で搬送される。この搬送路２１における受皿Ｔの移動速度Ｖ２は、上記単列搬送手段１における受皿Ｔの移動速度Ｖ１よりも小さく設定されている。
【００２４】
分配搬送手段３は、上記予備分配手段２から搬送されてきた受皿Ｔをさらに下流へ搬送するための搬送路３１を備えている。本実施形態の分配搬送手段３は、搬送路３１の中心線Ｃ（上記搬送路２１の中心線Ｃと一致している）を挟んで並列する左右一対の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌから構成されている。図１に示すように、各幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌは、搬送路３１を構成する複数の搬送ローラ３２１の各回転軸線が、上記搬送路２１の搬送ローラ２２１の回転軸線と平行になっており、これら幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌそれ自体の搬送方向は、中心線Ｃを挟んで互いに外側へ向かって離反している。
【００２５】
また、各幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌも、ベルト駆動式ローラコンベヤとして構成されており、モータにより駆動走行する不図示の駆動ベルトが、各幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌの各搬送ローラ３２１とローラ下面で接触することによって、各搬送ローラ３２１が一斉に回転駆動される。本実施形態では、分配搬送手段３の右側の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒと上記予備分配手段２の右側の幅寄せローラコンベヤ２２Ｒとを共通の駆動ベルトで駆動するとともに、分配搬送手段３の左側の幅寄せローラコンベヤ３２Ｌと予備分配手段２の左側の幅寄せローラコンベヤ２２Ｌとを共通の駆動ベルトで駆動するようにしているが、分配搬送手段３の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌ、及び予備分配手段２の幅寄せローラコンベヤ２２Ｒ・２２Ｌをそれぞれ独立の駆動ベルトで駆動するようにしてもよい。
【００２６】
また、本実施形態の分配搬送手段３は、搬送路３１上に、中心線Ｃを挟んで平行に並ぶ一対の搬送ガイド３３・３３が設けられている。各搬送ガイド３３は、幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌの外側フレームに固定されたブラケット３３１と、このブラケット３３１の先端に送りねじ機構３３２を介して設けられたガイドバー３３３とから構成されている。この送りねじ機構３３２のねじを回転操作することによって、ガイドバー３３３の位置を調節することができ、一対の搬送ガイド３３同士の間隔を適宜調節することができる。本実施形態では、搬送ガイド３３同士の間隔を、搬送下流側に接続された左右の下流搬送路４Ｒ・４Ｌの接続位置に合わせて、受皿Ｔの直径Ｄの二倍の値よりも大きくしている。
【００２７】
このことで、分配搬送手段３の搬送路３１上に載置された受皿Ｔは、各幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌの搬送方向に沿って（中心線Ｃから外側へ向かって）移動速度Ｖ３で搬送される。本実施形態では、上述したように分配搬送手段３の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌと予備分配手段２の幅寄せローラコンベヤ２２Ｒ・２２Ｌとを共通の駆動ベルトで駆動することで、各搬送ローラ３２１、２２１を同速で一斉に回転させている。しかしながら、予備分配手段２の搬送路２１上の受皿Ｔは、一対の搬送ガイド２３で案内されながら中心線Ｃに沿って搬送されるのに対して、分配搬送手段３の搬送路３１上の受皿Ｔは、各幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌそれ自体の搬送方向に沿って搬送されるので、分配搬送手段３の搬送路３１における受皿Ｔの移動速度Ｖ３は、予備分配手段２の搬送路２１における受皿Ｔの移動速度Ｖ２よりも大きくなる。
【００２８】
一の下流搬送路４Ｒ及び他の下流搬送路４Ｌは、受皿Ｔを一列に搬送する周知のローラコンベヤ４１から構成されており、上記分配搬送手段３により分配され、搬送されてきた受皿Ｔをそれぞれ更に下流へ搬送する。
【００２９】
以下、図１及び図２を参照しながら、本実施形態の受皿の分配装置１０による受皿Ｔの分配動作について説明する。
【００３０】
まず、複数の受皿Ｔは、単列搬送手段１によって一列に並んだ状態で移動速度Ｖ１で搬送され、予備分配手段２の搬送路２１の中心線Ｃ上に供給される。
【００３１】
上述したように予備分配手段２の搬送路２１における受皿Ｔの移動速度Ｖ２は、単列搬送手段１における受皿Ｔの移動速度Ｖ１よりも小さく設定されているため、搬送路２１上に供給された複数の受皿Ｔは、後続の受皿がその前方の受皿に次々と衝突してゆくことにより、搬送路２１の中心線Ｃを挟んで左右に位置ずれを起こす。そして、これら受皿Ｔは左右に位置ずれした状態で移動速度Ｖ２で搬送され、分配搬送手段３の搬送路３１上に供給される。
【００３２】
分配搬送手段３の搬送路３１上に供給された受皿Ｔは、左右一対の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌによってそれぞれ導かれ、左右の下流搬送路４Ｒ・４Ｌへ分配される。即ち、中心線Ｃよりも右側へずれた状態で搬送路３１上に供給された受皿Ｔは、右側の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒによって右側へ幅寄せされて右側の一の下流搬送路４Ｒへ供給され、中心線Ｃよりも左側へずれた状態で搬送路３１上に供給された受皿Ｔは、左側の幅寄せローラコンベヤ３２Ｌによって左側へ幅寄せされて左側の他の下流搬送路４Ｌへ供給される。こうして、複数の受皿Ｔが本実施形態の分配装置１０によって左右に分配されるのである。
【００３３】
このように本実施形態の受皿の分配装置１０によれば、受皿Ｔを一列に並べて搬送する単列搬送手段１における受皿の移動速度よりも、予備分配手段２における受皿の移動速度を小さくすることにより、受皿同士の衝突を利用して各受皿Ｔを左右へずらすようにしているので、従来装置のように物品を振り分けるための揺動体を設ける必要がなく、装置の耐久性に優れている。また、従来装置のように揺動体を制御するための物品検出手段を設ける必要もないので、誤検出や誤作動の問題もなく装置の信頼性にも優れている。
【００３４】
しかも、本実施形態の受皿の分配装置１０によれば、受皿の移動速度差を利用した予備分配手段２と、一対の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌを利用した分配搬送手段３との二段階の分配手段によって受皿Ｔを分配しているので、より確実に受皿Ｔを左右に分配することができ、このことによっても、装置の信頼性を向上させることができる。
【００３５】
また、本実施形態の受皿の分配装置１０によれば、物品を振り分けるための揺動体や、揺動体を制御するための検出手段がないので、何らかの原因で受皿Ｔの分配作業に不具合が生じたときでも、作業者が容易に手直しをすることができ、装置の取扱い性にも優れている。
【００３６】
また、本実施形態の受皿の分配装置１０によれば、予備分配手段２の搬送路２１に一対の搬送ガイド２３を設けているので、例えば、中心線Ｃよりも右側へ位置ずれした受皿が右側の搬送ガイド２３に当たった際の反力を利用して後続の受皿を左側へずらすことができ、受皿Ｔをより確実に左右に分配することができる。
【００３７】
また、本実施形態の受皿の分配装置１０によれば、搬送ガイド２３同士の間隔Ｗを受皿Ｔの直径Ｄの２倍の値よりも小さくしているので、搬送路２１において複数の受皿Ｔを一つずつ中心線Ｃを挟んで左右へ交互にずらすことができ、受皿Ｔを一の下流搬送路４Ｒと他の下流搬送路４Ｌとに一つずつ交互に分配することができる。
【００３８】
また、本実施形態の受皿の分配装置１０によれば、予備分配手段２が、搬送方向が互いに離反する左右一対の幅寄せローラコンベヤ２２Ｒ・２２Ｌから構成されているので、搬送路２１において複数の受皿Ｔをより確実に左右へずらすことができ、また、左右へずらした各受皿Ｔをより円滑に下流へ搬送し、分配搬送手段３へ供給することができる。
【００３９】
また、本実施形態の受皿の分配装置１０によれば、分配搬送手段３が、搬送方向が互いに離反する左右一対の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌから構成されているので、搬送路３１において複数の受皿Ｔをより確実に一の下流搬送路４Ｒと他の下流搬送路４Ｌとへ導くことができる。
【００４０】
以上、本実施形態の受皿の分配装置１０について説明したが、本発明はその他の形態でも実施することができる。
【００４１】
例えば、上記実施形態では、予備分配手段２の搬送路２１を、左右一対の幅寄せローラコンベヤ２２Ｒ・２２Ｌの複数の搬送ローラ２２１で構成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図３に示す受皿の分配装置２０のように、予備分配手段５の搬送路５１を板部材５２の水平面で構成してもよい。かかる分配装置２０によれば、単列搬送手段１から供給された各受皿Ｔは、搬送路５１の板部材５２との摩擦力によってその移動速度が落ち、予備分配手段５における受皿の移動速度を単列搬送手段１における受皿の移動速度よりも小さくすることができる。こうして、複数の受皿Ｔを搬送路５１の中心線Ｃを挟んで左右へずらすことができる。
【００４２】
また、上記実施形態では、分配搬送手段３を左右一対の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌで構成しているが、例えば、図４に示す受皿の分配装置３０のように、分配搬送手段３が、先端部が中心線Ｃ上に位置する仕切部材３４を備えていてもよい。この仕切部材３４によっても、予備分配手段５により中心線Ｃよりも右側へずらした受皿Ｔを右側の一の下流搬送路４Ｒへ導くことができ、左側へずらした受皿Ｔを左側の他の下流搬送路４Ｌへ導くことができる。なお、図４に示す受皿の分配装置３０では、左右一対の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌとともに、仕切部材３４を配設しているが、本発明は勿論これに限定されるものではなく、左右一対の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌの代わりに、搬送路３１を板部材の水平面で構成し、板部材上に仕切部材３４を配設してもよい。また、左右一対の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌの代わりに、搬送路３１を一条のローラコンベヤまたはベルトコンベヤで構成し、そのコンベヤ面上に仕切部材３４を配設してもよい。
【００４３】
また、分配搬送手段３の搬送路３１を、その中心線Ｃを挟んでそれぞれ外側へ傾斜した左右一対の傾斜面で構成してもよい。各受皿Ｔの自重を利用することで、この傾斜面によって、予備分配手段５により中心線Ｃよりも右側へずらした受皿Ｔを右側の一の下流搬送路４Ｒへ導くことができ、左側へずらした受皿Ｔを左側の他の下流搬送路４Ｌへ導くことができる。
【００４４】
更にまた、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づいて種々の改良、修正、変形を加えた態様で実施し得る。同一の作用又は効果が生じる範囲内でいずれかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良く、また、一体に構成されている発明特定事項を複数の部材から構成したり、複数の部材から構成されている発明特定事項を一体に構成した形態で実施しても良い。
【符号の説明】
【００４５】
１０、２０、３０；受皿の分配装置
１；単列搬送手段
２；予備分配手段
２１；搬送路
２２Ｒ、２２Ｌ；幅寄せローラコンベヤ
２３；搬送ガイド
３；分配搬送手段
３１；搬送路
３２Ｒ、３２Ｌ；幅寄せローラコンベヤ
４Ｒ；一の下流搬送路
４Ｌ；他の下流搬送路
Ｔ；受皿
Ｄ；受皿の直径
Ｃ；搬送路の中心線
Ｗ；搬送ガイド同士の間隔
【技術分野】
【０００１】
本発明は、受皿の分配装置、より詳しくは、例えば、柑橘、桃、リンゴ、メロン等の各種農産物を載置可能な搬送用受皿を、コンベヤで搬送しながら左右に分配する分配装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、複数の物品をコンベヤで搬送しながら左右に分配する分配装置として、下記の特許文献１に記載のものが知られている。この装置は、コンベヤ上に左右に揺動可能な揺動体を設け、検出手段で物品を検出するごとに揺動体を左右に振って物品を振り分けるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開平１１−１３９５４４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、この分配装置は、物品を振り分けるために揺動体を常時、揺動動作させなければならず、揺動体の故障など装置の耐久性に問題があった。また、分配すべき物品を逐一、検出手段で検出しなければならないため、物品の誤検出の問題が避けられず、装置の信頼性にも問題があった。
【０００５】
本発明は、従来の分配装置に上記のような難点があったことに鑑みて為されたもので、物品を振り分けるための揺動体がなく、装置の耐久性、信頼性に優れた受皿の分配装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、複数の受皿を搬送しながらその搬送下流側に接続された一の下流搬送路と他の下流搬送路とに分配する受皿の分配装置であって、
前記受皿を一列に並べて搬送する単列搬送手段と、前記単列搬送手段の搬送下流側に接続され、前記受皿を搬送する搬送路を備え、該搬送路における前記受皿の移動速度を前記単列搬送手段における移動速度よりも小さくして、前記単列搬送手段から一列に搬送されてきた複数の受皿を該搬送路の中心線を挟んで左右へずらす予備分配手段と、前記予備分配手段の搬送下流側に接続され、該予備分配手段により前記中心線よりも右側へずらした受皿を前記一の下流搬送路へ導き、前記中心線よりも左側へずらした受皿を前記他の下流搬送路へ導く分配搬送手段と、から成ることを特徴としている。
【０００７】
また、本発明は、前記予備分配手段の搬送路に一対の搬送ガイドが設けられていることを特徴としている。
【０００８】
また、本発明は、前記搬送ガイド同士の間隔が、前記受皿の直径の２倍の値よりも小さくされていることを特徴としている。
【０００９】
また、本発明は、前記予備分配手段が、前記単列搬送手段よりも搬送速度の小さいローラコンベヤから成ることを特徴としている。
【００１０】
また、本発明は、前記予備分配手段が、前記中心線を挟んで並列する一対の幅寄せコンベヤから成り、該幅寄せコンベヤの搬送方向が該中心線を挟んで互いに離反していることを特徴としている。
【００１１】
また、本発明は、前記分配搬送手段が、前記中心線を挟んで並列する一対の幅寄せコンベヤから成り、該幅寄せコンベヤの搬送方向が該中心線を挟んで互いに離反していることを特徴としている。
【発明の効果】
【００１２】
本発明に係る受皿の分配装置によれば、受皿を一列に並べて搬送する単列搬送手段における受皿の移動速度よりも、予備分配手段における受皿の移動速度を小さくすることにより、受皿同士の衝突を利用して各受皿を左右へずらすようにしているので、従来装置のように物品を振り分けるための揺動体を設ける必要がなく、装置の耐久性に優れている。また、従来装置のように揺動体を制御するための物品検出手段を設ける必要もないので、誤検出や誤作動の問題もなく装置の信頼性に優れている。
【００１３】
また、予備分配手段の搬送路に一対の搬送ガイドを設ければ、例えば搬送路の中心線よりも右側へ位置ずれした受皿が右側の搬送ガイドに当たった際の反力を利用して後続の受皿を左側へずらすことができ、受皿をより確実に左右に分配することができる。
【００１４】
また、搬送ガイド同士の間隔を受皿の直径の２倍の値よりも小さくすれば、搬送路において複数の受皿を一つずつ中心線を挟んで左右へ交互にずらすことができ、受皿を一の下流搬送路と他の下流搬送路とに一つずつ交互に分配することができる。
【００１５】
また、予備分配手段を搬送方向が互いに離反する左右一対の幅寄せローラコンベヤから構成すれば、予備分配手段の搬送路において複数の受皿をより確実に左右へずらすことができ、また、左右へずらした各受皿をより円滑に下流へ搬送し分配搬送手段へ供給することができる。
【００１６】
また、分配搬送手段を搬送方向が互いに離反する左右一対の幅寄せローラコンベヤから構成すれば、分配搬送手段の搬送路において複数の受皿をより確実に一の下流搬送路と他の下流搬送路とへ導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】本実施形態の受皿の分配装置の概略平面図である。
【図２】本実施形態の受皿の分配装置の予備分配手段の概略横断面図である。
【図３】本発明に係る受皿の分配装置の実施変形例の概略平面図である。
【図４】本発明に係る受皿の分配装置の他の実施変形例の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１８】
本実施形態の受皿の分配装置１０は、図１に示すように、複数の受皿Ｔを搬送しながらその搬送下流側に接続された一の下流搬送路４Ｒと他の下流搬送路４Ｌとに分配するものである。受皿Ｔは、図２に示すように、例えば、柑橘、桃、リンゴ、メロン等の各種農産物Ａを安定載置可能に構成された搬送用受皿であり、平面視円形に形成されている。
【００１９】
本実施形態の受皿の分配装置１０は、図１及び図２に示すように、受皿Ｔを一列に並べて搬送する単列搬送手段１と、この単列搬送手段１の搬送下流側に接続され、一列に並んで搬送された複数の受皿Ｔを左右へずらす予備分配手段２と、この予備分配手段２の搬送下流側に接続され、右側へずらした受皿Ｔを一の下流搬送路４Ｒへ導き、左側へずらした受皿Ｔを他の下流搬送路４Ｌへ導く分配搬送手段３と、から構成されている。以下、各構成部について詳しく説明する。
【００２０】
単列搬送手段１は、受皿Ｔを一列に並べて搬送する周知のベルトコンベヤ１１から構成されている。ベルトコンベヤ１１は不図示のモータにより駆動され、ベルトコンベヤ１１の搬送ベルト１１１上に載置された受皿Ｔは、移動速度Ｖ１で搬送される。
【００２１】
予備分配手段２は、上記単列搬送手段１から搬送されてきた受皿Ｔをさらに下流へ搬送するための搬送路２１を備えている。本実施形態の予備分配手段２は、搬送路２１の中心線Ｃを挟んで並列する左右一対の幅寄せローラコンベヤ２２Ｒ・２２Ｌから構成されている。図１に示すように、各幅寄せローラコンベヤ２２Ｒ・２２Ｌは、搬送路２１を構成する複数の搬送ローラ２２１の各回転軸線が中心線Ｃに対し斜めになっており、これら幅寄せローラコンベヤ２２Ｒ・２２Ｌそれ自体の搬送方向は、中心線Ｃを挟んで互いに外側へ向かって離反している。また、各幅寄せローラコンベヤ２２Ｒ・２２Ｌは、ベルト駆動式ローラコンベヤとして構成されており、モータにより駆動走行する不図示の駆動ベルトが、各幅寄せローラコンベヤ２２Ｒ・２２Ｌの各搬送ローラ２２１とローラ下面で接触することによって、各搬送ローラ２２１が一斉に回転駆動される。
【００２２】
また、本実施形態の予備分配手段２は、搬送路２１上に、中心線Ｃを挟んで平行に並ぶ一対の搬送ガイド２３・２３が設けられている。各搬送ガイド２３は、幅寄せローラコンベヤ２２Ｒ・２２Ｌの外側フレームに固定されたブラケット２３１と、このブラケット２３１の先端に送りねじ機構２３２を介して設けられたガイドバー２３３とから構成されている。この送りねじ機構２３２のねじを回転操作することによって、ガイドバー２３３の位置を調節することができ、一対の搬送ガイド２３同士の間隔Ｗを適宜調節することができる。本実施形態では、搬送ガイド２３同士の間隔Ｗを、受皿Ｔの直径Ｄの二倍の値よりも小さくしている（Ｄ＜Ｗ＜２Ｄ）。
【００２３】
このことで、予備分配手段２の搬送路２１上に載置された受皿Ｔは、一対の搬送ガイド２３により案内されながら中心線Ｃに沿って移動速度Ｖ２で搬送される。この搬送路２１における受皿Ｔの移動速度Ｖ２は、上記単列搬送手段１における受皿Ｔの移動速度Ｖ１よりも小さく設定されている。
【００２４】
分配搬送手段３は、上記予備分配手段２から搬送されてきた受皿Ｔをさらに下流へ搬送するための搬送路３１を備えている。本実施形態の分配搬送手段３は、搬送路３１の中心線Ｃ（上記搬送路２１の中心線Ｃと一致している）を挟んで並列する左右一対の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌから構成されている。図１に示すように、各幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌは、搬送路３１を構成する複数の搬送ローラ３２１の各回転軸線が、上記搬送路２１の搬送ローラ２２１の回転軸線と平行になっており、これら幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌそれ自体の搬送方向は、中心線Ｃを挟んで互いに外側へ向かって離反している。
【００２５】
また、各幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌも、ベルト駆動式ローラコンベヤとして構成されており、モータにより駆動走行する不図示の駆動ベルトが、各幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌの各搬送ローラ３２１とローラ下面で接触することによって、各搬送ローラ３２１が一斉に回転駆動される。本実施形態では、分配搬送手段３の右側の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒと上記予備分配手段２の右側の幅寄せローラコンベヤ２２Ｒとを共通の駆動ベルトで駆動するとともに、分配搬送手段３の左側の幅寄せローラコンベヤ３２Ｌと予備分配手段２の左側の幅寄せローラコンベヤ２２Ｌとを共通の駆動ベルトで駆動するようにしているが、分配搬送手段３の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌ、及び予備分配手段２の幅寄せローラコンベヤ２２Ｒ・２２Ｌをそれぞれ独立の駆動ベルトで駆動するようにしてもよい。
【００２６】
また、本実施形態の分配搬送手段３は、搬送路３１上に、中心線Ｃを挟んで平行に並ぶ一対の搬送ガイド３３・３３が設けられている。各搬送ガイド３３は、幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌの外側フレームに固定されたブラケット３３１と、このブラケット３３１の先端に送りねじ機構３３２を介して設けられたガイドバー３３３とから構成されている。この送りねじ機構３３２のねじを回転操作することによって、ガイドバー３３３の位置を調節することができ、一対の搬送ガイド３３同士の間隔を適宜調節することができる。本実施形態では、搬送ガイド３３同士の間隔を、搬送下流側に接続された左右の下流搬送路４Ｒ・４Ｌの接続位置に合わせて、受皿Ｔの直径Ｄの二倍の値よりも大きくしている。
【００２７】
このことで、分配搬送手段３の搬送路３１上に載置された受皿Ｔは、各幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌの搬送方向に沿って（中心線Ｃから外側へ向かって）移動速度Ｖ３で搬送される。本実施形態では、上述したように分配搬送手段３の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌと予備分配手段２の幅寄せローラコンベヤ２２Ｒ・２２Ｌとを共通の駆動ベルトで駆動することで、各搬送ローラ３２１、２２１を同速で一斉に回転させている。しかしながら、予備分配手段２の搬送路２１上の受皿Ｔは、一対の搬送ガイド２３で案内されながら中心線Ｃに沿って搬送されるのに対して、分配搬送手段３の搬送路３１上の受皿Ｔは、各幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌそれ自体の搬送方向に沿って搬送されるので、分配搬送手段３の搬送路３１における受皿Ｔの移動速度Ｖ３は、予備分配手段２の搬送路２１における受皿Ｔの移動速度Ｖ２よりも大きくなる。
【００２８】
一の下流搬送路４Ｒ及び他の下流搬送路４Ｌは、受皿Ｔを一列に搬送する周知のローラコンベヤ４１から構成されており、上記分配搬送手段３により分配され、搬送されてきた受皿Ｔをそれぞれ更に下流へ搬送する。
【００２９】
以下、図１及び図２を参照しながら、本実施形態の受皿の分配装置１０による受皿Ｔの分配動作について説明する。
【００３０】
まず、複数の受皿Ｔは、単列搬送手段１によって一列に並んだ状態で移動速度Ｖ１で搬送され、予備分配手段２の搬送路２１の中心線Ｃ上に供給される。
【００３１】
上述したように予備分配手段２の搬送路２１における受皿Ｔの移動速度Ｖ２は、単列搬送手段１における受皿Ｔの移動速度Ｖ１よりも小さく設定されているため、搬送路２１上に供給された複数の受皿Ｔは、後続の受皿がその前方の受皿に次々と衝突してゆくことにより、搬送路２１の中心線Ｃを挟んで左右に位置ずれを起こす。そして、これら受皿Ｔは左右に位置ずれした状態で移動速度Ｖ２で搬送され、分配搬送手段３の搬送路３１上に供給される。
【００３２】
分配搬送手段３の搬送路３１上に供給された受皿Ｔは、左右一対の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌによってそれぞれ導かれ、左右の下流搬送路４Ｒ・４Ｌへ分配される。即ち、中心線Ｃよりも右側へずれた状態で搬送路３１上に供給された受皿Ｔは、右側の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒによって右側へ幅寄せされて右側の一の下流搬送路４Ｒへ供給され、中心線Ｃよりも左側へずれた状態で搬送路３１上に供給された受皿Ｔは、左側の幅寄せローラコンベヤ３２Ｌによって左側へ幅寄せされて左側の他の下流搬送路４Ｌへ供給される。こうして、複数の受皿Ｔが本実施形態の分配装置１０によって左右に分配されるのである。
【００３３】
このように本実施形態の受皿の分配装置１０によれば、受皿Ｔを一列に並べて搬送する単列搬送手段１における受皿の移動速度よりも、予備分配手段２における受皿の移動速度を小さくすることにより、受皿同士の衝突を利用して各受皿Ｔを左右へずらすようにしているので、従来装置のように物品を振り分けるための揺動体を設ける必要がなく、装置の耐久性に優れている。また、従来装置のように揺動体を制御するための物品検出手段を設ける必要もないので、誤検出や誤作動の問題もなく装置の信頼性にも優れている。
【００３４】
しかも、本実施形態の受皿の分配装置１０によれば、受皿の移動速度差を利用した予備分配手段２と、一対の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌを利用した分配搬送手段３との二段階の分配手段によって受皿Ｔを分配しているので、より確実に受皿Ｔを左右に分配することができ、このことによっても、装置の信頼性を向上させることができる。
【００３５】
また、本実施形態の受皿の分配装置１０によれば、物品を振り分けるための揺動体や、揺動体を制御するための検出手段がないので、何らかの原因で受皿Ｔの分配作業に不具合が生じたときでも、作業者が容易に手直しをすることができ、装置の取扱い性にも優れている。
【００３６】
また、本実施形態の受皿の分配装置１０によれば、予備分配手段２の搬送路２１に一対の搬送ガイド２３を設けているので、例えば、中心線Ｃよりも右側へ位置ずれした受皿が右側の搬送ガイド２３に当たった際の反力を利用して後続の受皿を左側へずらすことができ、受皿Ｔをより確実に左右に分配することができる。
【００３７】
また、本実施形態の受皿の分配装置１０によれば、搬送ガイド２３同士の間隔Ｗを受皿Ｔの直径Ｄの２倍の値よりも小さくしているので、搬送路２１において複数の受皿Ｔを一つずつ中心線Ｃを挟んで左右へ交互にずらすことができ、受皿Ｔを一の下流搬送路４Ｒと他の下流搬送路４Ｌとに一つずつ交互に分配することができる。
【００３８】
また、本実施形態の受皿の分配装置１０によれば、予備分配手段２が、搬送方向が互いに離反する左右一対の幅寄せローラコンベヤ２２Ｒ・２２Ｌから構成されているので、搬送路２１において複数の受皿Ｔをより確実に左右へずらすことができ、また、左右へずらした各受皿Ｔをより円滑に下流へ搬送し、分配搬送手段３へ供給することができる。
【００３９】
また、本実施形態の受皿の分配装置１０によれば、分配搬送手段３が、搬送方向が互いに離反する左右一対の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌから構成されているので、搬送路３１において複数の受皿Ｔをより確実に一の下流搬送路４Ｒと他の下流搬送路４Ｌとへ導くことができる。
【００４０】
以上、本実施形態の受皿の分配装置１０について説明したが、本発明はその他の形態でも実施することができる。
【００４１】
例えば、上記実施形態では、予備分配手段２の搬送路２１を、左右一対の幅寄せローラコンベヤ２２Ｒ・２２Ｌの複数の搬送ローラ２２１で構成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図３に示す受皿の分配装置２０のように、予備分配手段５の搬送路５１を板部材５２の水平面で構成してもよい。かかる分配装置２０によれば、単列搬送手段１から供給された各受皿Ｔは、搬送路５１の板部材５２との摩擦力によってその移動速度が落ち、予備分配手段５における受皿の移動速度を単列搬送手段１における受皿の移動速度よりも小さくすることができる。こうして、複数の受皿Ｔを搬送路５１の中心線Ｃを挟んで左右へずらすことができる。
【００４２】
また、上記実施形態では、分配搬送手段３を左右一対の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌで構成しているが、例えば、図４に示す受皿の分配装置３０のように、分配搬送手段３が、先端部が中心線Ｃ上に位置する仕切部材３４を備えていてもよい。この仕切部材３４によっても、予備分配手段５により中心線Ｃよりも右側へずらした受皿Ｔを右側の一の下流搬送路４Ｒへ導くことができ、左側へずらした受皿Ｔを左側の他の下流搬送路４Ｌへ導くことができる。なお、図４に示す受皿の分配装置３０では、左右一対の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌとともに、仕切部材３４を配設しているが、本発明は勿論これに限定されるものではなく、左右一対の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌの代わりに、搬送路３１を板部材の水平面で構成し、板部材上に仕切部材３４を配設してもよい。また、左右一対の幅寄せローラコンベヤ３２Ｒ・３２Ｌの代わりに、搬送路３１を一条のローラコンベヤまたはベルトコンベヤで構成し、そのコンベヤ面上に仕切部材３４を配設してもよい。
【００４３】
また、分配搬送手段３の搬送路３１を、その中心線Ｃを挟んでそれぞれ外側へ傾斜した左右一対の傾斜面で構成してもよい。各受皿Ｔの自重を利用することで、この傾斜面によって、予備分配手段５により中心線Ｃよりも右側へずらした受皿Ｔを右側の一の下流搬送路４Ｒへ導くことができ、左側へずらした受皿Ｔを左側の他の下流搬送路４Ｌへ導くことができる。
【００４４】
更にまた、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づいて種々の改良、修正、変形を加えた態様で実施し得る。同一の作用又は効果が生じる範囲内でいずれかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良く、また、一体に構成されている発明特定事項を複数の部材から構成したり、複数の部材から構成されている発明特定事項を一体に構成した形態で実施しても良い。
【符号の説明】
【００４５】
１０、２０、３０；受皿の分配装置
１；単列搬送手段
２；予備分配手段
２１；搬送路
２２Ｒ、２２Ｌ；幅寄せローラコンベヤ
２３；搬送ガイド
３；分配搬送手段
３１；搬送路
３２Ｒ、３２Ｌ；幅寄せローラコンベヤ
４Ｒ；一の下流搬送路
４Ｌ；他の下流搬送路
Ｔ；受皿
Ｄ；受皿の直径
Ｃ；搬送路の中心線
Ｗ；搬送ガイド同士の間隔
【特許請求の範囲】
【請求項１】
複数の受皿を搬送しながらその搬送下流側に接続された一の下流搬送路と他の下流搬送路とに分配する受皿の分配装置であって、
前記受皿を一列に並べて搬送する単列搬送手段と、
前記単列搬送手段の搬送下流側に接続され、前記受皿を搬送する搬送路を備え、該搬送路における前記受皿の移動速度を前記単列搬送手段における移動速度よりも小さくして、前記単列搬送手段から一列に搬送されてきた複数の受皿を該搬送路の中心線を挟んで左右へずらす予備分配手段と、
前記予備分配手段の搬送下流側に接続され、該予備分配手段により前記中心線よりも右側へずらした受皿を前記一の下流搬送路へ導き、前記中心線よりも左側へずらした受皿を前記他の下流搬送路へ導く分配搬送手段と、
から成る受皿の分配装置。
【請求項２】
前記予備分配手段の搬送路に一対の搬送ガイドが設けられている請求項１記載の受皿の分配装置。
【請求項３】
前記搬送ガイド同士の間隔が、前記受皿の直径の２倍の値よりも小さくされている請求項２記載の受皿の分配装置。
【請求項４】
前記予備分配手段が、前記単列搬送手段よりも搬送速度の小さいローラコンベヤから成る請求項１〜請求項３のいずれかに記載の受皿の分配装置。
【請求項５】
前記予備分配手段が、前記中心線を挟んで並列する一対の幅寄せコンベヤから成り、該幅寄せコンベヤの搬送方向が該中心線を挟んで互いに離反している請求項１〜請求項４のいずれかに記載の受皿の分配装置。
【請求項６】
前記分配搬送手段が、前記中心線を挟んで並列する一対の幅寄せコンベヤから成り、該幅寄せコンベヤの搬送方向が該中心線を挟んで互いに離反している請求項１〜請求項５のいずれかに記載の受皿の分配装置。
【請求項１】
複数の受皿を搬送しながらその搬送下流側に接続された一の下流搬送路と他の下流搬送路とに分配する受皿の分配装置であって、
前記受皿を一列に並べて搬送する単列搬送手段と、
前記単列搬送手段の搬送下流側に接続され、前記受皿を搬送する搬送路を備え、該搬送路における前記受皿の移動速度を前記単列搬送手段における移動速度よりも小さくして、前記単列搬送手段から一列に搬送されてきた複数の受皿を該搬送路の中心線を挟んで左右へずらす予備分配手段と、
前記予備分配手段の搬送下流側に接続され、該予備分配手段により前記中心線よりも右側へずらした受皿を前記一の下流搬送路へ導き、前記中心線よりも左側へずらした受皿を前記他の下流搬送路へ導く分配搬送手段と、
から成る受皿の分配装置。
【請求項２】
前記予備分配手段の搬送路に一対の搬送ガイドが設けられている請求項１記載の受皿の分配装置。
【請求項３】
前記搬送ガイド同士の間隔が、前記受皿の直径の２倍の値よりも小さくされている請求項２記載の受皿の分配装置。
【請求項４】
前記予備分配手段が、前記単列搬送手段よりも搬送速度の小さいローラコンベヤから成る請求項１〜請求項３のいずれかに記載の受皿の分配装置。
【請求項５】
前記予備分配手段が、前記中心線を挟んで並列する一対の幅寄せコンベヤから成り、該幅寄せコンベヤの搬送方向が該中心線を挟んで互いに離反している請求項１〜請求項４のいずれかに記載の受皿の分配装置。
【請求項６】
前記分配搬送手段が、前記中心線を挟んで並列する一対の幅寄せコンベヤから成り、該幅寄せコンベヤの搬送方向が該中心線を挟んで互いに離反している請求項１〜請求項５のいずれかに記載の受皿の分配装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２０１０−２２２１３７（Ｐ２０１０−２２２１３７Ａ）
【公開日】平成２２年１０月７日（２０１０．１０．７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−７４５８３（Ｐ２００９−７４５８３）
【出願日】平成２１年３月２５日（２００９．３．２５）
【出願人】（０００００３６４３）株式会社ダイフク (1,209)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年１０月７日（２０１０．１０．７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年３月２５日（２００９．３．２５）
【出願人】（０００００３６４３）株式会社ダイフク (1,209)
【Ｆターム（参考）】
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