説明

受電制御装置、受電装置及び電子機器

【課題】無接点電力伝送とACアダプタの安全且つ効率的な使用を可能にする受電制御装置、受電装置及び電子機器を提供すること。
【解決手段】無接点電力伝送システムの受電制御装置は、受電装置を制御する受電側の制御回路52と、電源電圧VD5の生成ノードNB5と電圧出力ノードNB7との間に設けられ負荷への電力伝送時にオンになるトランジスタTB1を、制御する出力保証回路54を含む。出力保証回路54は、負荷に電力を供給するACアダプタ522の接続が検出された場合に、トランジスタTB1をオフにする設定を行うと共に、電源電圧VD5が動作下限電圧よりも低い電圧である場合に、トランジスタTB1をオフにする設定を行い、電圧出力ノードNB7から電源電圧生成ノードNB5への電流の逆流を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受電制御装置、受電装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電磁誘導を利用し、金属部分の接点がなくても電力伝送を可能にする無接点電力伝送(非接触電力伝送)が脚光を浴びている、この無接点電力伝送の適用例として、携帯電話機や家庭用機器(例えば電話機の子機)の充電などが提案されている。
【0003】
無接点電力伝送の従来技術として特許文献1がある。この特許文献1では、受電装置(2次側)から送電装置(1次側)へのデータ送信を、いわゆる負荷変調により実現している。
【0004】
しかしながら、この特許文献1では、受電装置の電圧出力ノードからの電流の逆流防止に、一般的なダイオードを用いていた。このためダイオードの順方向電圧VFに起因する電力ロスが大きいという課題があった。またこの特許文献1では、無接点電力伝送とACアダプタの兼用時に起こり得る問題については、何ら考慮されていなかった。
【特許文献1】特開2006−60909号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、無接点電力伝送とACアダプタの安全且つ効率的な使用を可能にする受電制御装置、受電装置及び電子機器を提供することにある。また本発明の他の目的は、電力ロスを最小限に抑えながら電流の逆流防止を実現できる受電制御装置、受電装置及び電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、1次コイルと2次コイルを電磁的に結合させて送電装置から受電装置に対して電力を伝送し、前記受電装置の電圧出力ノードから負荷に対して電力を供給する無接点電力伝送システムの前記受電装置に設けられる受電制御装置であって、前記受電装置を制御する受電側制御回路と、前記2次コイルの誘起電圧から生成される電源電圧の生成ノードと前記受電装置の前記電圧出力ノードとの間に設けられ前記負荷への電力伝送時にオンになる第1のトランジスタを、制御する出力保証回路とを含み、前記出力保証回路は、前記負荷に電力を供給するACアダプタの接続が検出された場合に、前記第1のトランジスタをオフにする設定を行うと共に、前記電源電圧が動作下限電圧よりも低い電圧である場合に、前記第1のトランジスタをオフにする設定を行い、前記電圧出力ノードから前記電源電圧生成ノードへの電流の逆流を防止する受電制御装置に関係する。
【0007】
本発明によれば、負荷への電力伝送時に、第1のトランジスタがオンになるため、少ない電力ロスでの負荷への電力供給が可能になる。一方、ACアダプタの接続が検出された場合には、第1のトランジスタがオフになり、電圧出力ノードから電源電圧生成ノードへの電流の逆流が防止される。更に、電源電圧が動作下限電圧よりも低い場合にも第1のトランジスタがオフになり、電流の逆流が防止される。従って、電源電圧が動作下限電圧よりも低く、受電側制御回路が正常に動作していない場合にも、第1のトランジスタをオフにすることができ、ACアダプタからの電流の逆流を防止できる。従って無接点電力伝送とACアダプタの安全且つ効率的な使用が可能になる。
【0008】
また本発明では、前記電源電圧が所定電圧よりも高い電圧になった場合に、電圧検出信号をアクティブにする電圧検出回路を含み、前記出力保証回路は、少なくとも前記電圧検出信号がアクティブになるまで、前記第1のトランジスタをオフにする設定を行ってもよい。
【0009】
このようすれば、電源電圧が所定電圧よりも低い場合に第1のトランジスタがオンになってしまう事態を防止できる。
【0010】
また本発明では、前記受電側制御回路は、前記受電装置と前記送電装置との間のID認証が完了した場合に、認証完了信号をアクティブにし、前記出力保証回路は、少なくとも前記認証完了信号がアクティブになるまで、前記第1のトランジスタをオフにする設定を行ってもよい。
【0011】
このようすれば、ID認証が完了していないのに第1のトランジスタがオンになってしまう事態を防止できる。
【0012】
また本発明では、前記ACアダプタの接続が検出された場合に、接続検出信号をアクティブにする接続検出回路を含み、前記出力保証回路は、前記接続検出信号がアクティブである場合に、前記第1のトランジスタをオフにする設定を行うようにしてもよい。
【0013】
このようにすれば、ACアダプタが接続された場合には、第1のトランジスタをオフできるため、ACアダプタからの電流の逆流を防止できる。
【0014】
また本発明は、1次コイルと2次コイルを電磁的に結合させて送電装置から受電装置に対して電力を伝送し、前記受電装置の電圧出力ノードから負荷に対して電力を供給する無接点電力伝送システムの前記受電装置に設けられる受電制御装置であって、前記受電装置を制御する受電側制御回路と、前記2次コイルの誘起電圧から生成される電源電圧の生成ノードと前記受電装置の前記電圧出力ノードとの間に設けられ前記負荷への電力伝送時にオンになる第1のトランジスタを、制御する出力保証回路とを含み、前記出力保証回路は、前記電源電圧が動作下限電圧よりも低い電圧である場合に、前記第1のトランジスタをオフにする設定を行い、前記電圧出力ノードから前記電源電圧生成ノードへの電流の逆流を防止する受電制御装置に関係する。
【0015】
本発明によれば、負荷への電力伝送時に第1のトランジスタがオンになるため、少ない電力ロスでの負荷への電力供給が可能になる。一方、電源電圧が動作下限電圧よりも低い場合には、第1のトランジスタがオフになり、電圧出力ノードから電源電圧生成ノードへの電流の逆流が防止される。従って、電源電圧が動作下限電圧よりも低く、受電側制御回路が正常に動作していない場合にも、第1のトランジスタをオフにすることができ、電流の逆流を防止できる。
【0016】
また本発明では、前記電源電圧が所定電圧よりも高い電圧になった場合に、電圧検出信号をアクティブにする電圧検出回路を含み、前記出力保証回路は、少なくとも前記電圧検出信号がアクティブになるまで、前記第1のトランジスタをオフにする設定を行ってもよい。
【0017】
また本発明では、前記第1のトランジスタは、そのソース及び基板に前記電圧出力ノードの電圧が供給され、そのソース、ゲート間にプルアップ抵抗が接続されるP型のトランジスタであり、前記出力保証回路は、前記第1のトランジスタのゲートに出力する信号をハイインピーダンス状態に設定することで、前記第1のトランジスタをオフにしてもよい。
【0018】
このようにすれば、第1のトランジスタのゲートとソースが、プルアップ抵抗により同電位になるため、第1のトランジスタを確実にオフにできる。
【0019】
また本発明では、前記出力保証回路は、前記第1のトランジスタのゲートのノードと低電位側電源との間に設けられる出力保証用トランジスタと、前記出力保証用トランジスタのゲートのノードと前記低電位側電源との間に設けられるプルダウン抵抗とを含んでもよい。
【0020】
このようにすれば、電源電圧が低い場合にも、出力保証用トランジスタのゲートのノードが、プルダウン抵抗により低電位側電源の電位に設定されるため、出力保証用トランジスタを確実にオフにできる。
【0021】
また本発明では、前記電源電圧生成ノードと前記第1のトランジスタとの間には、第2のトランジスタが設けられ、前記受電側制御回路は、前記負荷への電力伝送時には前記第2のトランジスタをオンにする制御を行ってもよい。
【0022】
このようにすれば、負荷への電力伝送時に、電源電圧生成ノードの電圧を電圧出力ノードに供給することが可能になる。
【0023】
また本発明では、前記第2のトランジスタは、そのソース及び基板に前記電源電圧生成ノードの電圧が供給され、そのドレインが前記第1のトランジスタのドレインに接続されるP型トランジスタであってもよい。
【0024】
また本発明では、前記第2のトランジスタのソース、ゲート間には、第2のプルアップ抵抗とソフトスタート用のコンデンサとが設けられてもよい。
【0025】
このようにすれば、第2のトランジスタがオンになった際の突入電流の悪影響を低減できる。
【0026】
また本発明は、1次コイルと2次コイルを電磁的に結合させて送電装置から受電装置に対して電力を伝送し、前記受電装置の電圧出力ノードから負荷に対して電力を供給する無接点電力伝送システムの前記受電装置に設けられる受電制御装置であって、前記受電装置を制御する受電側制御回路と、前記負荷に電力を供給するACアダプタの接続が検出された場合に、接続検出信号をアクティブにする接続検出回路とを含み、前記受電側制御回路は、前記接続検出信号がアクティブである場合には、前記送電装置の送電を停止させる制御を行う受電制御装置に関係する。
【0027】
本発明によれば、ACアダプタが接続されたか否かが接続検出回路により検出される。そしてACアダプタの接続が検出されると、送電装置から受電装置への送電が停止される。従って、無接点電力伝送よりもACアダプタの方を優先させることができ、ACアダプタが接続されているのにもかかわらず無接点電力伝送が行われてしまう事態を防止でき、無駄な電力の消費を防止できる。
【0028】
また本発明では、前記受電側制御回路は、前記接続検出信号がアクティブである場合には、前記送電装置との間のID認証処理を行わないことで、前記送電装置の送電を停止させてもよい。
【0029】
このようにすれば、ID認証のシーケンスを上手く利用して送電装置の送電を停止させることができ、無駄な電力の消費を防止できる。
【0030】
また本発明では、前記受電側制御回路は、前記接続検出信号がアクティブである場合には、ACアダプタの接続が検出されたことを知らせるためのACアダプタ接続コマンドを前記送電装置に対して送信することで、前記送電装置の送電を停止させてもよい。
【0031】
このようにすれば、通常の電力伝送が開始された後であっても、ACアダプタ接続コマンドを用いて送電装置の送電を停止できる。
【0032】
また本発明は、上記のいずれかに記載の受電制御装置と、前記2次コイルの誘起電圧を直流電圧に変換する受電部と、前記第1のトランジスタを有し、負荷への給電を制御する給電制御部とを含む受電装置に関係する。
【0033】
また本発明は、上記に記載の受電装置と、前記受電装置により電力が供給される負荷とを含む電子機器に関係する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0035】
1.電子機器
図1(A)に本実施形態の無接点電力伝送手法が適用される電子機器の例を示す。電子機器の1つである充電器500(クレードル)は送電装置10を有する。また電子機器の1つである携帯電話機510は受電装置40を有する。また携帯電話機510は、LCDなどの表示部512、ボタン等で構成される操作部514、マイク516(音入力部)、スピーカ518(音出力部)、アンテナ520を有する。
【0036】
充電器500にはACアダプタ502を介して電力が供給され、この電力が、無接点電力伝送により送電装置10から受電装置40に送電される。これにより、携帯電話機510のバッテリを充電したり、携帯電話機510内のデバイスを動作させることができる。
【0037】
なお本実施形態が適用される電子機器は携帯電話機510に限定されない。例えば腕時計、コードレス電話器、シェーバー、電動歯ブラシ、リストコンピュータ、ハンディターミナル、携帯情報端末、或いは電動自転車などの種々の電子機器に適用できる。
【0038】
図1(B)に模式的に示すように、送電装置10から受電装置40への電力伝送は、送電装置10側に設けられた1次コイルL1(送電コイル)と、受電装置40側に設けられた2次コイルL2(受電コイル)を電磁的に結合させて電力伝送トランスを形成することで実現される。これにより非接触での電力伝送が可能になる。
【0039】
2.送電装置、受電装置
図2に本実施形態の送電装置10、送電制御装置20、受電装置40、受電制御装置50の構成例を示す。図1(A)の充電器500などの送電側の電子機器は、少なくとも図2の送電装置10を含む。また携帯電話機510などの受電側の電子機器は、少なくとも受電装置40と負荷90(本負荷)を含む。そして図2の構成により、1次コイルL1と2次コイルL2を電磁的に結合させて送電装置10から受電装置40に対して電力を伝送し、受電装置40の電圧出力ノードNB7から負荷90に対して電力(電圧VOUT)を供給する無接点電力伝送(非接触電力伝送)システムが実現される。
【0040】
送電装置10(送電モジュール、1次モジュール)は、1次コイルL1、送電部12、電圧検出回路14、表示部16、送電制御装置20を含むことができる。なお送電装置10や送電制御装置20は図2の構成に限定されず、その構成要素の一部(例えば表示部、電圧検出回路)を省略したり、他の構成要素を追加したり、接続関係を変更するなどの種々の変形実施が可能である。
【0041】
送電部12は、電力伝送時には所定周波数の交流電圧を生成し、データ転送時にはデータに応じて周波数が異なる交流電圧を生成して、1次コイルL1に供給する。具体的には図3(A)に示すように、例えばデータ「1」を受電装置40に対して送信する場合には、周波数f1の交流電圧を生成し、データ「0」を送信する場合には、周波数f2の交流電圧を生成する。この送電部12は、1次コイルL1の一端を駆動する第1の送電ドライバと、1次コイルL1の他端を駆動する第2の送電ドライバと、1次コイルL1と共に共振回路を構成する少なくとも1つのコンデンサを含むことができる。
【0042】
そして送電部12が含む第1、第2の送電ドライバの各々は、例えばパワーMOSトランジスタにより構成されるインバータ回路(バッファ回路)であり、送電制御装置20のドライバ制御回路26により制御される。
【0043】
1次コイルL1(送電側コイル)は、2次コイルL2(受電側コイル)と電磁結合して電力伝送用トランスを形成する。例えば電力伝送が必要なときには、図1(A)、図1(B)に示すように、充電器500の上に携帯電話機510を置き、1次コイルL1の磁束が2次コイルL2を通るような状態にする。一方、電力伝送が不要なときには、充電器500と携帯電話機510を物理的に離して、1次コイルL1の磁束が2次コイルL2を通らないような状態にする。
【0044】
電圧検出回路14は1次コイルL1の誘起電圧を検出する回路であり、例えば抵抗RA1、RA2や、RA1とRA2の接続ノードNA3とGND(広義には低電位側電源)との間に設けられるダイオードDA1を含む。具体的には、1次コイルL1の誘起電圧を抵抗RA1、RA2で分圧することで得られた信号PHINが、送電制御装置20の波形検出回路28に入力される。
【0045】
表示部16は、無接点電力伝送システムの各種状態(電力伝送中、ID認証等)を、色や画像などを用いて表示するものであり、例えばLEDやLCDなどにより実現される。
【0046】
送電制御装置20は、送電装置10の各種制御を行う装置であり、集積回路装置(IC)などにより実現できる。この送電制御装置20は、制御回路22(送電側)、発振回路24、ドライバ制御回路26、波形検出回路28を含むことができる。
【0047】
制御回路22(制御部)は送電装置10や送電制御装置20の制御を行うものであり、例えばゲートアレイやマイクロコンピュータなどにより実現できる。具体的には制御回路22は、電力伝送、負荷検出、周波数変調、異物検出、或いは着脱検出などに必要な各種のシーケンス制御や判定処理を行う。
【0048】
発振回路24は例えば水晶発振回路により構成され、1次側のクロックを生成する。ドライバ制御回路26は、発振回路24で生成されたクロックや制御回路22からの周波数設定信号などに基づいて、所望の周波数の制御信号を生成し、送電部12の第1、第2の送電ドライバに出力して、第1、第2の送電ドライバを制御する。
【0049】
波形検出回路28は、1次コイルL1の一端の誘起電圧に相当する信号PHINの波形をモニタし、負荷検出、異物検出等を行う。例えば受電装置40の負荷変調部46が、送電装置10に対してデータを送信するための負荷変調を行うと、1次コイルL1の誘起電圧の信号波形が図3(B)のように変化する。具体的には、データ「0」を送信するために負荷変調部46が負荷を低くすると、信号波形の振幅(ピーク電圧)が小さくなり、データ「1」を送信するために負荷を高くすると、信号波形の振幅が大きくなる。従って、波形検出回路28は、誘起電圧の信号波形のピークホールド処理などを行って、ピーク電圧がしきい値電圧を超えたか否かを判断することで、受電装置40からのデータが「0」なのか「1」なのかを判断できる。なお波形検出の手法は図3(A)、図3(B)の手法に限定されない。例えば、受電側の負荷が高くなったか低くなったかを、ピーク電圧以外の物理量を用いて判断してもよい。
【0050】
受電装置40(受電モジュール、2次モジュール)は、2次コイルL2、受電部42、負荷変調部46、給電制御部48、受電制御装置50を含むことができる。なお受電装置40や受電制御装置50は図2の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加したり、接続関係を変更するなどの種々の変形実施が可能である。
【0051】
受電部42は、2次コイルL2の交流の誘起電圧を直流電圧に変換する。この変換は受電部42が有する整流回路43により行われる。この整流回路43は、ダイオードDB1〜DB4を含む。ダイオードDB1は、2次コイルL2の一端のノードNB1と直流電圧VDCの生成ノードNB3との間に設けられ、DB2は、ノードNB3と2次コイルL2の他端のノードNB2との間に設けられ、DB3は、ノードNB2とVSSのノードNB4との間に設けられ、DB4は、ノードNB4とNB1との間に設けられる。
【0052】
受電部42の抵抗RB1、RB2はノードNB1とNB4との間に設けられる。そしてノードNB1、NB4間の電圧を抵抗RB1、RB2により分圧することで得られた信号CCMPIが、受電制御装置50の周波数検出回路60に入力される。
【0053】
受電部42のコンデンサCB1及び抵抗RB4、RB5は、直流電圧VDCのノードNB3とVSSのノードNB4との間に設けられる。そしてノードNB3、NB4間の電圧を抵抗RB4、RB5により分圧することで得られた信号ADINが、受電制御装置50の位置検出回路56に入力される。
【0054】
負荷変調部46は負荷変調処理を行う。具体的には受電装置40から送電装置10に所望のデータを送信する場合に、送信データに応じて負荷変調部46(2次側)での負荷を可変に変化させて、図3(B)に示すように1次コイルL1の誘起電圧の信号波形を変化させる。このために負荷変調部46は、ノードNB3、NB4の間に直列に設けられた抵抗RB3、トランジスタTB3(N型のCMOSトランジスタ)を含む。このトランジスタTB3は受電制御装置50の制御回路52からの信号P3Qによりオン・オフ制御される。そしてトランジスタTB3をオン・オフ制御して負荷変調を行う際には、給電制御部48のトランジスタTB1、TB2はオフにされ、負荷90が受電装置40に電気的に接続されない状態になる。
【0055】
例えば図3(B)のように、データ「0」を送信するために2次側を低負荷(インピーダンス大)にする場合には、信号P3QがLレベルになってトランジスタTB3がオフになる。これにより負荷変調部46の負荷はほぼ無限大(無負荷)になる。一方、データ「1」を送信するために2次側を高負荷(インピーダンス小)にする場合には、信号P3QがHレベルになってトランジスタTB3がオンになる。これにより負荷変調部46の負荷は、抵抗RB3(高負荷)になる。
【0056】
給電制御部48は負荷90への電力の給電を制御する。レギュレータ49は、整流回路43での変換で得られた直流電圧VDCの電圧レベルを調整して、電源電圧VD5(例えば5V)を生成する。受電制御装置50は、例えばこの電源電圧VD5が供給されて動作する。
【0057】
トランジスタTB2(P型のCMOSトランジスタ)は、電源電圧VD5の生成ノードNB5(レギュレター49の出力ノード)とトランジスタTB1(ノードNB6)との間に設けられ、受電制御装置50の制御回路52からの信号P1Qにより制御される。具体的にはトランジスタTB2は、ID認証が完了(確立)して通常の電力伝送を行う場合にはオンになり、負荷変調の場合等にはオフになる。なお電源電圧生成ノードNB5とトランジスタTB2のゲートのノードNB8との間にはプルアップ抵抗RU2が設けられる。
【0058】
トランジスタTB1(P型のCMOSトランジスタ)は、トランジスタTB2(ノードNB6)とVOUTの電圧出力ノードNB7との間に設けられ、出力保証回路54からの信号P4Qにより制御される。具体的には、ID認証が完了して通常の電力伝送を行う場合にはオンになる。一方、ACアダプタの接続が検出されたり、電源電圧VD5が受電制御装置50(制御回路52)の動作下限電圧よりも小さい場合等に、オフになる。なお電圧出力ノードNB7とトランジスタTB1のゲートのノードNB9との間にはプルアップ抵抗RU1が設けられる。
【0059】
受電制御装置50は、受電装置40の各種制御を行う装置であり、集積回路装置(IC)などにより実現できる。この受電制御装置50は、2次コイルL2の誘起電圧から生成される電源電圧VD5により動作することができる。また受電制御装置50は、制御回路52(受電側)、出力保証回路54、位置検出回路56、発振回路58、周波数検出回路60、満充電検出回路62を含むことができる。
【0060】
制御回路52(制御部)は受電装置40や受電制御装置50の制御を行うものであり、例えばゲートアレイやマイクロコンピュータなどにより実現できる。具体的には制御回路52は、ID認証、位置検出、周波数検出、負荷変調、或いは満充電検出などに必要な各種のシーケンス制御や判定処理を行う。
【0061】
出力保証回路54は、低電圧時(0V時)の受電装置40の出力を保証する回路である。即ちトランジスタTB1を制御し、ACアダプタの接続が検出されたり電源電圧VD5が動作下限電圧よりも小さい場合に、トランジスタTB1をオフにする設定を行い、電圧出力ノードNB7から受電装置40側への電流の逆流を防止する。
【0062】
位置検出回路56は、2次コイルL2の誘起電圧の波形に相当する信号ADINの波形を監視して、1次コイルL1と2次コイルL2の位置関係が適正であるかを判断する。具体的には信号ADINをコンパレータで2値に変換して、位置関係が適正であるか否かを判断する。
【0063】
発振回路58は、例えばCR発振回路により構成され、2次側のクロックを生成する。周波数検出回路60は、信号CCMPIの周波数(f1、f2)を検出して、図3(A)に示すように、送電装置10からの送信データが「1」なのか「0」なのかを判断する。
【0064】
満充電検出回路62(充電検出回路)は、負荷90のバッテリ94が、満充電状態(充電状態)になったか否かを検出する回路である。具体的には満充電検出回路62は、例えば充電状態の表示に使用されるLEDRのオン・オフを検出することで、満充電状態を検出する。即ち所定時間(例えば5秒)連続でLEDRが消灯した場合に、バッテリ94が満充電状態(充電完了)であると判断する。
【0065】
負荷90は、バッテリ94の充電制御等を行う充電制御装置92を含む。この充電制御装置92(充電制御IC)は集積回路装置などにより実現できる。なお、スマートバッテリのように、バッテリ94自体に充電制御装置92の機能を持たせてもよい。
【0066】
3.出力保証回路
図4(A)において、携帯電話機510(広義には電子機器、携帯機器)は受電装置40を内蔵しており、充電器500(広義には電子機器)との間の無接点電力伝送により、バッテリの充電が可能になっている。一方、携帯電話機510には、ACアダプタ522(広義には外部電源供給装置)の接続端子も設けられており、このACアダプタ522を接続することで、バッテリの充電を行うこともできる。
【0067】
図4(A)のように無接点電力伝送とACアダプタ522の兼用が可能になれば、外出先において充電器500を所持していない場合にも、コンパクトなACアダプタ522を用いて携帯電話機510を充電でき、利便性を向上できる。
【0068】
しかしながら、携帯電話機510を充電器500に置いた状態でACアダプタ522を携帯電話機510に接続したり、ACアダプタ522を接続した状態で、携帯電話機510を充電器500の上に置くと、ACアダプタ522側から受電装置40側に電流が逆流する問題があることが判明した。またACアダプタ522が接続されているのに、無接点電力伝送を行うのは、電力の無駄であるという問題もある。
【0069】
また図4(B)に示すように、ACアダプタ522側からの電流の逆流を防止するために、電圧出力ノードNB7とノードNB6との間に、一般的なディスクリートのダイオードDD4を設ける手法も考えられる。しかしながら、この手法によると、通常の電力伝送の場合に、ダイオードDD4の順方向電圧VFの分だけ電圧ドロップが生じるため、電力のロスが大きいという問題がある。
【0070】
そこで本実施形態では、ACアダプタ522の接続が検出された場合には、無接点電力伝送よりもACアダプタ522の方を優先し、ACアダプタ522により負荷に電力を供給する手法を採用している。またACアダプタ522からの電流の逆流を、通常のダイオードではなくて、トランジスタ(寄生ダイオード)により防止する手法を採用している。
【0071】
図5に給電制御部48等の構成例を示す。制御回路52は、コイルL2の誘起電圧から生成される電源電圧VD5が供給され、受電装置40を制御する。
【0072】
第1のトランジスタTB1は、電源電圧VD5の生成ノードNB5と受電装置40の電圧出力ノードNB7との間に設けられ、負荷90への電力伝送時にオンになるトランジスタである。具体的にはトランジスタTB1は、そのソース及び基板(サブストレート)に電圧出力ノードNB7の電圧VOUTが供給され、そのソース、ゲート間にプルアップ抵抗RU1が接続されるP型のトランジスタである。
【0073】
第2のトランジスタTB2は、電源電圧生成ノードNB5とトランジスタTB1との間に設けられ、負荷90への電力伝送時にオンになるトランジスタである。具体的には、トランジスタTB2は、そのソース及び基板に電源電圧生成ノードNB5の電圧VD5が供給され、そのドレインがトランジスタTB1のドレインに接続されるP型のトランジスタである。またトランジスタTB2のソース、ゲート間には、第2のプルアップ抵抗RU2が設けられる。そして受電側の制御回路52は、負荷90への電力伝送時には、信号P1QをLレベルにして、トランジスタTB2をオンにする制御を行う。一方、負荷変調期間等のID認証完了前の期間においては、信号P1QをHレベルにして、トランジスタTB2をオフにする制御を行う。
【0074】
出力保証回路54は、信号P4Qの設定を行って、トランジスタTB1を制御する。具体的には、負荷90に電力を供給するACアダプタ522の接続が検出された場合に、トランジスタTB1をオフにする設定を行う。更に電源電圧VD5が制御回路52等の回路の動作下限電圧(例えば1.5V)よりも低い電圧である場合に、トランジスタTB1をオフにする設定を行う。これにより、ACアダプタ522からの電流が、VOUTの電圧出力ノードNB7からVD5の電源電圧生成ノードNB5に逆流するのが防止される。なお、動作下限電圧(最小動作電圧)は、回路の正常な動作を保証できる電圧(インバータ回路等が正常に動作する電圧)であり、例えばP型トランジスタのしきい値電圧とN型トランジスタのしきい値電圧の和に相当する電圧である。
【0075】
例えば図6にP型のトランジスタTB1のデバイス断面図を示す。トランジスタTB1のソース404(P型不純物領域)及び基板400(N型ウェル)には、電圧VOUTが供給される。具体的には基板400はN型不純物領域402を介して電圧VOUTの電位に設定される。またトランジスタTB1のドレインにはノードNB6が接続される。なお「基板」はトランジスタが形成される領域であり、本実施形態では図6のようにP型ウェル(P型基板)に形成されたN型ウェルなども「基板」と呼ぶ。
【0076】
図6のような接続にすることで、トランジスタTB1のドレイン406と基板400との間に寄生のダイオードDD1が形成される。そしてこのダイオードDD1は、ノードNB6からNB7へと向かう方向を順方向とするダイオードである。従って、ノードNB7に電源電圧を出力するACアダプタ522が接続された場合に、この寄生のダイオードDD1により、ACアダプタ522からの電流がノードNB6側に逆流するのを防止できる。
【0077】
またトランジスタTB1は、通常の電力伝送時には信号P4QがLレベルになることでオンになる。この時、ノードNB6からNB7への電流は、寄生のダイオードDD1ではなくトランジスタTB1のチャネルを介して流れる。従って、図4(B)の場合とは異なり、ダイオードの順方向電圧VFによる電圧ドロップはないため、トランジスタTB1での電力ロスを最小限に抑えることが可能になる。
【0078】
即ち図5では、電圧出力ノードNB7に電力を供給するACアダプタ522の接続が検出されると、出力保証回路54(制御回路52)の制御により、トランジスタTB1がオフになる。具体的には制御回路52(接続検出回路)からの信号に基づいて、信号P4Qがハイインピーダンス状態になり、トランジスタTB1がオフになる。これにより、トランジスタTB1の寄生のダイオードDD1が逆流防止用のダイオードとして機能し、ACアダプタ522から受電装置40側への電流の逆流が防止される。これによりACアダプタ522からの電圧が電源電圧生成ノードVD5に伝達されて、誤動作等が生じる事態を防止できる。
【0079】
また図5では、制御回路52は、無接点電力伝送により生成された電源電圧VD5により動作する。そしてこの無接点電力伝送は常に行われるわけではなく、例えば図4(A)において携帯電話機510を充電器500から離すと、無接点電力伝送は終了し、電源電圧VD5が制御回路52に供給されなくなる。従って、図5の出力保証回路54を設けずに、制御回路52からの信号だけでトランジスタTB1のオン・オフ制御を行うと、電源電圧VD5が供給されていない時に、トランジスタTB1をオフにできず、逆流を防止できないという問題がある。即ち図4(A)において、ACアダプタ522を接続したまま携帯電話機510を充電器500から離すと、トランジスタTB1をオフにできないため、ACアダプタ522からの電流が電源電圧生成ノードNB5側に逆流してしまう。この結果、ノードNB5に意図しない電圧が現れ、システムの誤動作を招くおそれがある。
【0080】
この点、図5では、出力保証回路54は、電源電圧VD5が動作下限電圧よりも低い電圧である場合に、トランジスタTB1をオフにする設定を行う。
【0081】
具体的には出力保証回路54は、トランジスタTB1のゲートに出力する信号P4Qをハイインピーダンス状態に設定する。こうすることで、プルアップ抵抗RU1によりノードNB7とNB9が同電位になり、トランジスタTB1がオフになる。従って、電源電圧VD5が動作下限電圧よりも低い場合にも、ダイオードDD1によりACアダプタ522からの電流の逆流を防止できる。
【0082】
一方、通常の電力伝送時には、トランジスタTB1をオンにすることで、ダイオードによる電圧ドロップの無い効率の良い電力伝送が実現される。従って、本実施形態によれば、無接点電力伝送とACアダプタを安全且つ効率的に使用できるようになる。
【0083】
4.詳細な構成例
図7に出力保証回路54や制御回路52の詳細な構成例を示し、図8(A)、図8(B)にこれらの回路の動作を説明するための信号波形例を示す。
【0084】
図7の出力保証回路54は、トランジスタTB1のゲートのノードNB9とGND(低電位側電源)との間に設けられる出力保証用のトランジスタTD1(N型のCMOSトランジスタ)や、トランジスタTD1のゲートのノードND1とGNDとの間に設けられるプルダウン抵抗RDWを含み、N型のオープン・ドレインのトランジスタを構成している。
【0085】
この出力保証回路54によれば、電源電圧VD5が動作下限電圧よりも低くなり、制御回路52からの信号CNTが不定状態である場合にも、プルダウン抵抗RDWによりノードND1がGNDレベル(例えば0V)に設定される。これにより、トランジスタTD1がオフになり、信号P4Qがハイインピーダンス(HIZ)状態に設定されるため、プルアップ抵抗RU1によりノードNB7とNB9が同電位になる。この結果、トランジスタTB1がオフになり、電源電圧VD5が動作下限電圧よりも低い場合でも、電流の逆流を防止できるようになる。
【0086】
電圧検出回路72(低電圧検出回路)は電源電圧の検出処理を行う。具体的には図8(A)のA1に示すように、電源電圧VD5が所定電圧(動作下限電圧)よりも高い電圧になった場合に、電圧検出信号XVDETをアクティブ(Lレベル)にする。なおXVDETの「X」は負論理を意味する。そして出力保証回路54は、少なくとも電圧検出信号XVDETがアクティブになるまで、トランジスタTB1をオフにする設定を行う。即ちトランジスタTD1をオフにして、信号P4Qをハイインピーダンス状態に設定する。
【0087】
制御回路52は、図8(A)のA2に示すように、送電装置10と受電装置40との間のID認証が完了(確立)した場合に、認証完了信号XIDCMPをアクティブ(Lレベル)にする。なおXIDCMPの「X」は負論理を意味する。そして出力保証回路54は、少なくとも認証完了信号XIDCMPがアクティブになるまで、トランジスタTB1をオフにする設定を行う。
【0088】
接続検出回路74はACアダプタ522の接続検出処理を行う。具体的には図8(B)のB1に示すように、ACアダプタ522の接続が検出された場合に、接続検出信号ACDETをアクティブ(Hレベル)にする。そして出力保証回路54は、接続検出信号ACDETがアクティブである場合に、トランジスタTB1をオフにする設定を行う。
【0089】
具体的には、制御回路52にはノア回路NORD(広義には論理ゲート)が設けられ、このNORDは、信号XVDET、XIDCMP、ACDETが入力され、信号CNTを出力保証回路54に出力する。そして信号XVDET、XIDCMPのいずれかがHレベル(非アクティブ)である場合には、信号CNTがLレベル(非アクティブ)になり、トランジスタTD1がオフになる。これによりトランジスタTB1がオフになり、電流の逆流が防止される。
【0090】
一方、信号XVDET、XIDCMPが共にLレベル(アクティブ)であり、信号ACDETがLレベル(非アクティブ)である場合に、図8(A)のA3に示すように信号CNTがHレベル(アクティブ)になる。即ち信号XVDET、XIDCMP、ACDETの全てがLレベルである場合に、信号CNTがHレベルになり、トランジスタTD1がオンになる。これにより信号P4QがLレベルになり、トランジスタTB1がオンになり、無接点電力伝送による通常の電力伝送が可能になる。
【0091】
また図8(B)のB1に示すように、ACアダプタ522の接続が検出されて信号ACDETがHレベル(アクティブ)になると、B2に示すように無条件に信号CNTがLレベル(非アクティブ)になり、トランジスタTD1がオフになる。これによりトランジスタTB1がオフになり、ACアダプタ522からの電流の逆流が防止される。
【0092】
図7の構成によれば、電源電圧VD5が低いためノア回路NORDが正常に動作せず、信号CNTが不定状態である場合にも、プルダウン抵抗RDWによりトランジスタTD1がオフになり、トランジスタTB1がオフになるため、電流の逆流を防止できる。また電源電圧VD5が正常に立ち上がり、ID認証が完了して、信号XVDET、XIDCMPがLレベルになると、トランジスタTD1、TB1がオンになり、通常の電力伝送を開始できる。一方、ACアダプタ522の接続が検出されると、無条件で信号CNTがLレベルになり、トランジスタTD1、TB1がオフになるため、ACアダプタ522からの電流の逆流を即座に防止できる。
【0093】
なお本実施形態の出力保証回路54や制御回路52等の構成は、図7に限定されず、種々の変形実施が可能である。即ち出力保証回路54は、少なくとも、電源電圧VD5が動作下限電圧(所定電圧)よりも低い電圧である場合に、トランジスタTB1をオフにする設定を行い、電圧生成ノードNB7からの電流の逆流を防止する回路であればよい。或いは、送電装置10と受電装置40との間のID認証が完了するまで、トランジスタTB1をオフにする設定を行い、電圧生成ノードNB7からの電流の逆流を防止する回路であればよい。例えば電圧検出回路72を設けなかったり、接続検出回路74を設けない変形実施も可能である。また出力保証回路54の構成要素を変更したり、他の構成要素を追加する変形実施も可能である。
【0094】
図9(A)に電圧検出回路72の構成例を示す。この電圧検出回路72は、電源電圧VD5とGNDの間に直列に設けられた抵抗RE1、RE2と、VD5とGNDの間に直列に設けられた電流源IS1、N型のトランジスタTE1を含む。そして抵抗RE1、RE2の接続ノードNE1がトランジスタTE1のゲートに接続され、電流源IS1、トランジスタTE1の接続ノードNE2から電圧検出信号XVDETが出力される。図9(A)では、電源電圧VD5が、動作下限電圧として設定された所定電圧(例えば1.5V)よりも低い場合には、トランジスタTE1がオフになるため、信号XVDETがVD5のレベルになる。一方、電源電圧VD5が、所定電圧(例えば1.5V)よりも高い場合には、トランジスタTE1がオンになるため、信号XVDETがLレベルになる。
【0095】
図9(B)に接続検出回路74の構成例を示す。この接続検出回路74は、ACアダプタ522の電圧VACの出力ノードとGNDとの間に直列に設けられた抵抗RE3、RE4と、オペアンプOPE(コンパレータ)を含む。オペアンプOPEの非反転入力端子には抵抗RE3とRE4の接続ノードNE3が接続され、反転入力端子には基準電圧VREFが入力される。図9(B)では、ACアダプタ522の出力電圧VACが所定電圧(例えば4.0〜4.5V)よりも高くなり、ノードNE3の電圧が基準電圧VREFよりも高くなると、オペアンプOPEの出力である接続検出信号ACDETがHレベルになる。
【0096】
5.第1の変形例
次に本実施形態の第1の変形例を説明する。例えば図10ではACアダプタ522の接続検出回路74は設けられているが、図5のトランジスタTB1や出力保証回路54は設けられておらず、その代わりにダイオードDD4が設けられている。このダイオードDD4は、ノードNB6からNB7への方向を順方向とするダイオードであり、ACアダプタ522が接続された場合の電流の逆流を防止する。このようなダイオードDD4を設けると、通常の電力伝送時に順方向電圧VFによる電圧ドロップがあり、電力効率は悪化するが、出力保証回路54を設けなくても済むという利点がある。
【0097】
そして図10では、接続検出回路74は、負荷90に電力を供給するACアダプタ522の接続が検出された場合に、接続検出信号ACDETをアクティブにする。そして受電側の制御回路52は、接続検出信号ACDETがアクティブである場合には、送電装置10の送電を停止させる制御を行う。このようにすることで、ACアダプタ522が接続された場合に、無接点電力伝送が停止するため、無駄な電力が消費されるのを防止できる。
【0098】
即ちACアダプタ522が接続された場合には、ACアダプタ522からの出力電圧VACによりバッテリ94の充電等を行えば十分であり、無接点電力伝送を行うと、送電側で無駄に電力が消費される事態が生じる。この点、ACアダプタ522の接続検出時に、無接点電力伝送による送電装置10の送電を停止すれば、このような事態を防止できる。
【0099】
送電装置10の送電の停止は例えば以下のような手法により実現できる。例えば第1の手法では、受電側の制御回路52が、接続検出信号ACDETがアクティブである場合に、送電装置10との間のID認証処理を行わないようにして、送電装置10の送電を停止させる。
【0100】
具体的にはACアダプタ522が接続されていない場合には、受電制御装置50は、送電装置10からの位置検出用の送電等によりリセットが解除されると、ID認証処理を行う。即ち、自身のIDを知らせる認証フレームを送電装置10に送信する。そして送電装置10から許諾フレームを受信すると、ID認証処理が完了する。その後、電力伝送のスタートフレームを送電装置10に送信し、これにより通常の電力伝送が開始する。
【0101】
一方、接続検出回路74によりACアダプタ522の接続が検出されると、受電制御装置50は、リセット解除後にID認証処理を行わないようにする。このようにすれば、送電装置50は、受電側の電子機器を異物等と判断するため、通常の電力伝送を行わないようになる。これによりACアダプタ522の接続時に、無駄な無接点電力伝送が行われるのを防止できる。
【0102】
また第2の手法では、接続検出信号ACDETがアクティブである場合に、受電側の制御回路52が、ACアダプタ接続コマンド(接続フラグ)を送電装置10に対して送信することで、送電装置10の送電を停止させる。このACアダプタ接続コマンドは、ACアダプタ522の接続が検出されたことを送電装置10側に知らせるためのコマンド(フレーム)である。
【0103】
具体的には例えば図4(A)のように携帯電話機510が充電器500の上に置かれ、ID認証が完了して通常の電力伝送が行われた状態で、ACアダプタ522が携帯電話機510に接続される場合がある。このような場合には、ID認証は既に完了しているため、前述の第1の手法では送電装置10の送電を停止できない。
【0104】
この点、第2の手法では、このようなACアダプタ522の接続を常に監視し、接続が検出された場合に割り込みを発生して、ACアダプタ接続コマンドを送電装置10に送信する。具体的には例えば負荷変調部46の負荷変調によりACアダプタ接続コマンドを送信する。このようにすれば、通常の電力伝送が行われている状態でACアダプタ522が接続された場合にも、直ぐに送電装置10の送電を停止できるようになり、無駄な無接点電力伝送が続行されるのを防止できる。即ちACアダプタ522の接続後は、送電装置10による無接点電力伝送を停止し、ACアダプタ522からの電力によりバッテリ94を充電するようにする。
【0105】
なお第1の変形例による送電装置の送電停止手法は、図10の構成の回路のみならず、図5〜図9(B)等で説明した構成の回路でも実現できる。例えば図7の構成の回路に適用した場合には、ACアダプタ522の接続検出時に、トランジスタTB1をオフにして逆流を防止すると共に、ID認証処理を行わないようにしたりACアダプタ接続コマンドを送信することで、送電装置10の送電を停止すればよい。
【0106】
6.第2の変形例
次に本実施形態の第2の変形例を説明する。この第2の変形例では図5のトランジスタTB1、TB2の機能を1つのトランジスタで実現する。即ち図5では、ACアダプタ522からの電流の逆流防止と負荷90への給電制御のために、2つのトランジスタTB1、TB2を用いているが、これを1つのトランジスタだけで実現する。
【0107】
例えばACアダプタ522からの電流の逆流を防止する場合には、図11(A)に示すように、P型のトランジスタTFの基板を、VOUTの電圧出力ノードNB7側に接続する。即ちスイッチ手段SW1をオンにすると共にスイッチ手段SW2をオフにして、VOUTの電圧を基板に供給する。そして信号PQによりトランジスタTFをオフにする。このようにすれば、図6で説明したようにノードNB7、NB5の間に寄生のダイオードDD1が形成され、このダイオードDD1により、ノードNB7からNB5への電流の逆流を防止できる。即ちトランジスタTFを図5のトランジスタTB1として機能させることができる。なおこの場合に信号PQについても出力保証回路54により制御することが望ましい。
【0108】
一方、通常の電力伝送を行う場合には、図11(B)に示すように、トランジスタTFの基板を、電源電圧VD5の生成ノードNB5側に接続する。即ちスイッチ手段SW2をオンにすると共にスイッチ手段SW1をオフにして、VD5の電圧を基板に供給する。そして信号PQによりトランジスタTFをオンにする。このようにすれば、通常の電力伝送が可能になる。即ちトランジスタTFを図5のトランジスタTB2として機能させることができる。
【0109】
7.第3の変形例
次に本実施形態の第3の変形例を説明する。この第3の変形例では給電制御用のトランジスタがオンするときの突入電流を低減し、ソフトスタートを実現する。
【0110】
例えば図12(A)において、通常の電力伝送の開始時に、給電制御用のトランジスタTB2がオンになると、ノードNB5からNB6への突入電流が発生する。そしてこのような突入電流が発生すると、図12(B)に示すように電源電圧VD5にサージが乗り、受電制御装置50がリセットされてしまうおそれがある。そして受電制御装置50がリセットされると、せっかくID認証が完了して電力伝送を開始したのに、リセット状態にシーケンスのステートが戻ってしまい、ID認証のやり直しになってしまう。
【0111】
このため図12(A)では、第2のトランジスタTB2のソース、ゲート間において、第2のプルアップ抵抗RU2に並列にソフトスタート用のコンデンサCSFを設けている。このようにすれば、通常の電力伝送が開始し、トランジスタTB2がオンになった場合に、コンデンサCSFにより、図12(B)のようなVD5の急峻な電圧変化を緩和できる。従って、受電制御装置50がリセットされてしまう事態を防止でき、無接点電力伝送の安定した動作を実現できる。
【0112】
なおソフトスタートを実現する手法は、ソフトスタート用のコンデンサCSFを設ける手法に限定されない。例えばトランジスタTB2をオンにする際に、信号P1Qの電圧レベルを、HレベルからLレベルにゆっくりと変化させる手法を採用してもよい。
【0113】
8.動作
次に、本実施形態における送電側と受電側の動作の概要について図13〜図15のフローチャートを用いて説明する。
【0114】
送電側は、電源投入されてパワーオンすると(ステップS1)、位置検出用の一時的な電力伝送を行う(ステップS2)。この電力伝送により、受電側の電源電圧が立ち上がり、受電制御装置50のリセットが解除される(ステップS11)。すると受電側は、信号P1QをHレベルに設定し、信号P4Qをハイインピーダンス状態に設定する(ステップS12)。これによりトランジスタTB2、TB1が共にオフになり、負荷90との間の電気的な接続が遮断される。
【0115】
次に、受電側は、位置検出回路56を用いて、1次コイルL1と2次コイルL2の位置関係が適正か否かを判断する(ステップS13)。そして位置関係が適正である場合には、受電側はIDの認証処理を開始し、認証フレームを送電側に送信する(ステップS14)。具体的には図3(B)で説明した負荷変調により認証フレームのデータを送信する。
【0116】
送電側は、認証フレームを受信すると、IDが一致するか否かなどの判断処理を行う(ステップS3)。そしてID認証を許諾する場合には、許諾フレームを受電側に送信する(ステップS4)。具体的には図3(A)で説明した周波数変調によりデータを送信する。
【0117】
受電側は、許諾フレームを受信し、その内容がOKである場合には、無接点電力伝送を開始するためのスタートフレームを送電側に送信する(ステップS15、S16)。一方、送電側は、スタートフレームを受信し、その内容がOKである場合には、通常の電力伝送を開始する(ステップS5、S6)。そして受電側は信号P1Q、P4QをLレベルに設定する(ステップS17)。これによりトランジスタTB2、TB1が共にオンになるため、負荷90に対する電力伝送が可能になり、負荷への電力供給(VOUTの出力)が開始する(ステップS18)。
【0118】
図14、図15は、ACアダプタ接続検出時の送電停止手法を説明するフローチャートである。図14に示すように、リセットが解除されて、信号P1QをHレベル、信号P4Qをハイインピーダンス状態に設定した後(ステップS11、S12)、ACアダプタ522が接続されたか否かが検出される(ステップS12−2)。そしてACアダプタの接続が検出された場合には、所定時間をウェイトした後(ステップS12−3)、ステップS12に戻る。このようにすれば、ACアダプタ522の接続が検出された場合には、ステップS14の認証フレームの送信は行われず、ID認証が行われないようになる。従って、ACアダプタ522の接続検出時に、送電側からの送電が停止するため、無駄な無接点電力伝送が行われる事態を防止できる。
【0119】
図15は、例えば通常の電力伝送状態において常に行われる処理である。即ちこの状態で、受電側においてACアダプタの接続が検出されると(ステップS31)、ACアダプタ接続の割り込みが発生する(ステップS32)。すると受電側は、ACアダプタ接続コマンドを負荷変調により送電側に送信する(ステップS33)。送電側は、このACアダプタ接続コマンドを受信すると(ステップS21)、待機モードに移行して、送電を停止する(ステップS22)。これにより、例えば図4(A)において、携帯電話機510が充電器500の上に置かれた状態でACアダプタ522が接続された場合にも、無接点電力伝送を停止することができ、無駄な電力の消費を防止できる。
【0120】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語(外部電源供給装置、低電位側電源、電子機器等)と共に記載された用語(ACアダプタ、GND、携帯電話機・充電器等)は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。また受電制御装置、出力保証回路、制御回路の構成・動作や、ACアダプタ接続検出時の送電手法も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】図1(A)、図1(B)は無接点電力伝送の説明図。
【図2】本実施形態の受電装置、受電制御装置等の構成例。
【図3】図3(A)、図3(B)は周波数変調、負荷変調によるデータ転送の説明図。
【図4】図4(A)、図4(B)はACアダプタの接続時の問題の説明図。
【図5】出力保証回路、制御回路等の構成例。
【図6】トランジスタのデバイス断面図。
【図7】出力保証回路、制御回路等の詳細な構成例。
【図8】図8(A)、図8(B)は本実施形態の動作を説明する信号波形例。
【図9】図9(A)、図9(B)は電圧検出回路、接続検出回路の構成例。
【図10】本実施形態の第1の変形例の説明図。
【図11】図11(A)、図11(B)は本実施形態の第2の変形例の説明図。
【図12】図12(A)、図12(B)は本実施形態の第3の変形例の説明図。
【図13】本実施形態の動作を説明するフローチャート。
【図14】本実施形態の動作を説明するフローチャート。
【図15】本実施形態の動作を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0122】
L1 1次コイル、L2 2次コイル、TB1、TB2、第1、第2のトランジスタ、
RU1、RU2 プルアップ抵抗、TD1 出力保証用トランジスタ、
RDW プルダウン抵抗、
10 送電装置、12 送電部、14 電圧検出回路、16 表示部、
20 送電制御装置、22 制御回路(送電側)、24 発振回路、
26 ドライバ制御回路、28 波形検出回路、40 受電装置、42 受電部、
43 整流回路、46 負荷変調部、48 給電制御部、50 受電制御装置、
52 制御回路(受電側)、54 出力保証回路、56 位置検出回路、
58 発振回路、60 周波数検出回路、62 満充電検出回路、72 電圧検出回路、
74 接続検出回路、90 負荷、92 充電制御装置、94 バッテリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次コイルと2次コイルを電磁的に結合させて送電装置から受電装置に対して電力を伝送し、前記受電装置の電圧出力ノードから負荷に対して電力を供給する無接点電力伝送システムの前記受電装置に設けられる受電制御装置であって、
前記受電装置を制御する受電側制御回路と、
前記2次コイルの誘起電圧から生成される電源電圧の生成ノードと前記受電装置の前記電圧出力ノードとの間に設けられ前記負荷への電力伝送時にオンになる第1のトランジスタを、制御する出力保証回路とを含み、
前記出力保証回路は、
前記負荷に電力を供給するACアダプタの接続が検出された場合に、前記第1のトランジスタをオフにする設定を行うと共に、前記電源電圧が動作下限電圧よりも低い電圧である場合に、前記第1のトランジスタをオフにする設定を行い、前記電圧出力ノードから前記電源電圧生成ノードへの電流の逆流を防止することを特徴とする受電制御装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記電源電圧が所定電圧よりも高い電圧になった場合に、電圧検出信号をアクティブにする電圧検出回路を含み、
前記出力保証回路は、
少なくとも前記電圧検出信号がアクティブになるまで、前記第1のトランジスタをオフにする設定を行うことを特徴とする受電制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記受電側制御回路は、
前記受電装置と前記送電装置との間のID認証が完了した場合に、認証完了信号をアクティブにし、
前記出力保証回路は、
少なくとも前記認証完了信号がアクティブになるまで、前記第1のトランジスタをオフにする設定を行うことを特徴とする受電制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記ACアダプタの接続が検出された場合に、接続検出信号をアクティブにする接続検出回路を含み、
前記出力保証回路は、
前記接続検出信号がアクティブである場合に、前記第1のトランジスタをオフにする設定を行うことを特徴とする受電制御装置。
【請求項5】
1次コイルと2次コイルを電磁的に結合させて送電装置から受電装置に対して電力を伝送し、前記受電装置の電圧出力ノードから負荷に対して電力を供給する無接点電力伝送システムの前記受電装置に設けられる受電制御装置であって、
前記受電装置を制御する受電側制御回路と、
前記2次コイルの誘起電圧から生成される電源電圧の生成ノードと前記受電装置の前記電圧出力ノードとの間に設けられ前記負荷への電力伝送時にオンになる第1のトランジスタを、制御する出力保証回路とを含み、
前記出力保証回路は、
前記電源電圧が動作下限電圧よりも低い電圧である場合に、前記第1のトランジスタをオフにする設定を行い、前記電圧出力ノードから前記電源電圧生成ノードへの電流の逆流を防止することを特徴とする受電制御装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記第1のトランジスタは、そのソース及び基板に前記電圧出力ノードの電圧が供給され、そのソース、ゲート間にプルアップ抵抗が接続されるP型のトランジスタであり、
前記出力保証回路は、
前記第1のトランジスタのゲートに出力する信号をハイインピーダンス状態に設定することで、前記第1のトランジスタをオフにすることを特徴とする受電制御装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記出力保証回路は、
前記第1のトランジスタのゲートのノードと低電位側電源との間に設けられる出力保証用トランジスタと、
前記出力保証用トランジスタのゲートのノードと前記低電位側電源との間に設けられるプルダウン抵抗とを含むことを特徴とする受電制御装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記電源電圧生成ノードと前記第1のトランジスタとの間には、第2のトランジスタが設けられ、
前記受電側制御回路は、
前記負荷への電力伝送時には前記第2のトランジスタをオンにする制御を行うことを特徴とする受電制御装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記第2のトランジスタは、そのソース及び基板に前記電源電圧生成ノードの電圧が供給され、そのドレインが前記第1のトランジスタのドレインに接続されるP型トランジスタであることを特徴とする受電制御装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記第2のトランジスタのソース、ゲート間には、第2のプルアップ抵抗とソフトスタート用のコンデンサとが設けられることを特徴とする受電制御装置。
【請求項11】
1次コイルと2次コイルを電磁的に結合させて送電装置から受電装置に対して電力を伝送し、前記受電装置の電圧出力ノードから負荷に対して電力を供給する無接点電力伝送システムの前記受電装置に設けられる受電制御装置であって、
前記受電装置を制御する受電側制御回路と、
前記負荷に電力を供給するACアダプタの接続が検出された場合に、接続検出信号をアクティブにする接続検出回路とを含み、
前記受電側制御回路は、
前記接続検出信号がアクティブである場合には、前記送電装置の送電を停止させる制御を行うことを特徴とする受電制御装置。
【請求項12】
請求項11において、
前記受電側制御回路は、
前記接続検出信号がアクティブである場合には、前記送電装置との間のID認証処理を行わないことで、前記送電装置の送電を停止させることを特徴とする受電制御装置。
【請求項13】
請求項11又は12において、
前記受電側制御回路は、
前記接続検出信号がアクティブである場合には、ACアダプタの接続が検出されたことを知らせるためのACアダプタ接続コマンドを前記送電装置に対して送信することで、前記送電装置の送電を停止させることを特徴とする受電制御装置。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれかに記載の受電制御装置と、
前記2次コイルの誘起電圧を直流電圧に変換する受電部と、
前記第1のトランジスタを有し、負荷への給電を制御する給電制御部とを含むことを特徴とする受電装置。
【請求項15】
請求項14に記載の受電装置と、
前記受電装置により電力が供給される負荷とを含むことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−178194(P2008−178194A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−7994(P2007−7994)
【出願日】平成19年1月17日(2007.1.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】