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口腔用組成物
説明

口腔用組成物

【課題】 鶏卵抗体を安定して配合することができ、齲蝕や歯周病等の口腔内疾患を予防または改善することが可能な口腔用組成物を提供すること。
【解決手段】 本発明の口腔用組成物は、リパーゼ、プロテアーゼおよび鶏卵抗体からなる群から選択される少なくとも1種と、クエン酸と、クエン酸金属塩と、を含有することを特徴とする。リパーゼ、プロテアーゼおよび鶏卵抗体の総配合量は、0.001〜10wt%であることが好ましい。クエン酸の配合量をA[wt%]、クエン酸金属塩の配合量をB[wt%]としたとき、0.005≦A/B≦1の関係を満足することが好ましい。また、界面活性剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステルまたはアミノ酸系両性活性剤を含むことが好ましい。また、コラーゲン類を含むことが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔用組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
齲蝕の原因として歯垢(プラーク)の付着があり、従来から口腔衛生においてはその除去や付着予防、すなわち歯垢付着予防が重要であることが指摘されている。歯垢は、ストレプトコッカス・ミュータンス(S.mutans)が産生する酵素である膜結合型グルコシルトランスフェラーゼがスクロースを基質として、粘着性で且つ不溶性のグルカンを合成し、このグルカンを介してストレプトコッカス・ミュータンスが歯面に強固に付着して形成されるものである。
【0003】
また、このような歯垢の付着は、歯周組織に発症する肉炎、歯周炎または歯槽膿漏等の炎症である歯周病の要因ともなっている。
【0004】
このような齲蝕や歯周病等の口腔内疾患を予防または改善するために、鶏卵抗体や酵素等を配合した口腔用組成物が開発されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、従来の口腔用組成物では、鶏卵抗体や酵素を安定して配合することができず、持続的に歯垢の付着を十分に防止するのが困難で、十分に齲蝕や歯周病を予防または改善するものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2641228号公報
【特許文献2】特開2001−181163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、鶏卵抗体や酵素を安定して配合することができ、齲蝕や歯周病等の口腔内疾患を予防または改善することが可能な口腔用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的は、下記(1)〜(8)の本発明により達成される。
(1) リパーゼ、プロテアーゼおよび鶏卵抗体からなる群から選択される少なくとも1種と、クエン酸と、クエン酸金属塩と、を含有することを特徴とする口腔用組成物。
【0009】
(2) 前記リパーゼ、プロテアーゼおよび鶏卵抗体の総配合量は、0.001〜10wt%である上記(1)に記載の口腔用組成物。
【0010】
(3) 前記クエン酸の配合量をA[wt%]、前記クエン酸金属塩の配合量をB[wt%]としたとき、0.005≦A/B≦1の関係を満足する上記(1)または(2)に記載の口腔用組成物。
【0011】
(4) 前記クエン酸の配合量をA[wt%]、前記リパーゼ、プロテアーゼおよび鶏卵抗体の総配合量をC[wt%]としたとき、0.0005≦A/C≦10000の関係を満足する上記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
【0012】
(5) 前記クエン酸金属塩の配合量をB[wt%]、前記リパーゼ、プロテアーゼおよび鶏卵抗体の総配合量をC[wt%]としたとき、0.005≦B/C≦10000の関係を満足する上記(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
【0013】
(6) 界面活性剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステルまたはアミノ酸系両性活性剤を含む上記(1)ないし(5)のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
【0014】
(7) コラーゲン類を含む上記(1)ないし(6)のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
【0015】
(8) 塩濃度が、0.1〜20%である上記(1)ないし(7)のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、鶏卵抗体や酵素を安定して配合することができ、齲蝕や歯周病等の口腔内疾患を予防または改善することが可能な口腔用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の口腔用組成物の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、本明細書中における口腔用組成物は、練歯磨剤、粉歯磨剤、液状歯磨剤、液体歯磨剤などの歯磨剤類、トローチ剤、錠剤、クリーム剤、軟膏剤、貼付剤、洗口剤、及びチューインガム等を含むものである。
【0018】
本発明の口腔用組成物は、歯垢の形成を抑制し、口腔内疾患の予防効果を目的として使用されるものであり、リパーゼ、プロテアーゼおよび鶏卵抗体からなる群から選択される少なくとも1種と、クエン酸と、クエン酸金属塩とを含むことに特徴を有している。
【0019】
ところで、齲蝕や歯周病等の口腔内疾患を予防または改善するために、鶏卵抗体を配合した口腔用組成物が開発されているが、従来の口腔用組成物では、鶏卵抗体や酵素を安定して配合することができず、十分に齲蝕や歯周病を予防または改善するものではなかった。
【0020】
そこで、本発明者らは、このような問題に鑑み、鋭意検討した結果、口腔用組成物中に、後述するような鶏卵抗体や酵素を配合するとともに、クエン酸およびクエン酸金属塩を配合することにより、後述する鶏卵抗体、酵素を安定配合することができることを見出した。その結果、口腔内疾患の優れた予防・改善効果を発揮することができることを見出した。
【0021】
以下、各成分について詳細に説明する。
[鶏卵抗体]
鶏卵抗体は、口腔内疾患の原因菌が産生する酵素(抗原)を免役した鶏卵から得られる抗体であり、口腔内疾患の原因菌が産生する酵素を不活性にする機能を有している。
【0022】
上述したように、このような鶏卵抗体は、従来、口腔用組成物中に安定して配合することができず、経時的に上記機能が低下し、十分な口腔内疾患予防効果を発揮させることができなかった。本発明では、後述するような成分とともに配合することにより、鶏卵抗体を安定配合することができ、鶏卵抗体の機能を安定して発揮させることができる。その結果、口腔内疾患の予防または改善効果を発揮させることができる。
【0023】
鶏卵抗体としては、ストレプトコッカス・ミュータンス、ポルフィロモナス・ジンジバリス等の口腔内細菌が産生する抗原を免役した鶏卵から得られたものが挙げられる。
【0024】
特に、ストレプトコッカス・ミュータンスが産生する酵素を免役した鶏卵から得られるものを用いた場合、以下のような効果を得ることができる。
【0025】
口腔内疾患の中でも齲蝕は、一般に、口腔内細菌であるストレプトコッカス・ミュータンスによって生じる。
【0026】
ストレプトコッカス・ミュータンスは、口腔内において膜結合型グルコシルトランスフェラーゼを産生する。産生された膜結合型グルコシルトランスフェラーゼは、スクロースを基質として、粘着性を有する不溶性のグルカンを合成する。
【0027】
この合成されたグルカンを介して、ストレプトコッカス・ミュータンスが歯牙表面に強固に付着して、歯垢を形成する。この歯垢により齲蝕が発生する。また、この歯垢が口腔内に長期にわたって保持されることにより、歯肉炎、歯周炎等の歯周病が発生する。
【0028】
口腔用組成物が、ストレプトコッカス・ミュータンスが産生する酵素に対する鶏卵抗体を含むことにより、歯牙表面に歯垢が付着するのを効果的に防止することができ、優れた齲蝕予防効果、歯周病予防効果を発揮する。すなわち、鶏卵抗体によってストレプトコッカス・ミュータンスが産生した酵素を不活性化することにより、歯牙表面への歯垢の付着によるバイオフィルム(歯垢の層)の形成を抑制し、齲蝕および歯周病の発生を確実に防止することができる。
【0029】
ストレプトコッカス・ミュータンスが産生する酵素のうち、鶏卵抗体が作用する酵素としては、ストレプトコッカス・ミュータンスの歯牙への接着因子である膜結合型グルコシルトランスフェラーゼであるのが好ましい。これにより、ストレプトコッカス・ミュータンスが歯牙表面に付着するのを阻害することができ、より効果的に歯垢の付着を防止することができる。その結果、齲蝕および歯周病の発生をより効果的に防止することができる。
【0030】
膜結合型グルコシルトランスフェラーゼに対して作用する鶏卵抗体は、膜結合型グルコシルトランスフェラーゼを免役した鶏が産生する卵より調製された免疫グロブリンとして得ることができる。
【0031】
このようにして得られた免疫グロブリンとして抗体は、ストレプトコッカス・ミュータンスの歯牙への付着因子に対して作用するだけでなく、膜結合型グルコシルトランスフェラーゼの産生も抑制する。その結果、グルカンの合成を阻害し、歯垢の形成をさらに効果的に抑制することができる。
【0032】
また、このような鶏卵抗体と後述するような成分とを併用することにより、鶏卵抗体を安定して配合することができるとともに、ストレプトコッカス・ミュータンスの働きをより効果的に抑制することができる。その結果、齲蝕および歯周病等の口腔内疾患の発生を効率よく予防することができる。
【0033】
また、ポルフィロモナス・ジンジバリスが産生する酵素を免役した鶏卵から得られるものを用いた場合、以下のような効果を得ることができる。
【0034】
ポルフィロモナス・ジンジバリスは、酸素を嫌い、歯垢の中に存在する菌である。そして、このポルフィロモナス・ジンジバリスは、増殖のために、ジンジパインというタンパク分解酵素を産生する。この酵素が歯肉組織を破壊し、歯肉の炎症を進行させ、歯周病が進行する。
【0035】
口腔用組成物が、ポルフィロモナス・ジンジバリスが産生する酵素(ジンジパイン)に対する鶏卵抗体を含むことにより、ポルフィロモナス・ジンジバリスが産生した酵素を不活性化することができ、歯肉の炎症が進行するのを抑制することができ、口腔内疾患をより確実に予防または改善することができる。
【0036】
[リパーゼ]
リパーゼは、油脂の加水分解を触媒する酵素に与えられた総称で、アミラーゼ、プロテアーゼとともに三大消化酵素のひとつである。このリパーゼは、細胞壁、脂質、糖を分解する加水分解酵素で、口腔内細菌の細胞壁を分解したり、口腔内細菌に利用される糖分を分解する等により、口腔内細菌の活動を妨げる機能を有する酵素である。
【0037】
しかしながら、従来の口腔用組成物では、リパーゼを安定配合するのは困難であったが、本発明のように、クエン酸およびクエン酸金属塩と併用することにより、リパーゼを安定配合することができる。
【0038】
リパーゼとしては、豚等の臓器由来のもの、微生物由来のもの等が挙げられ、具体的には、シュードモナス属、バシルス属由来のものが挙げられる。
【0039】
[プロテアーゼ]
プロテアーゼは、アミノ酸がペプチド結合によって鎖状に連結したペプチド(一般に100残基未満、比較的分子量が小さい)やタンパク質(一般に100残基以上、比較的分子量が大きい)のペプチド結合を加水分解する酵素の総称である。
【0040】
歯垢中には、多くのタンパク質が含有されており、プロテアーゼは、このようなタンパク質を分解除去する機能を有しており、口腔用組成物がプロテアーゼを含むことにより、歯垢を効果的に除去することができる。
【0041】
しかしながら、従来の口腔用組成物では、プロテアーゼを安定配合するのは困難であったが、本発明のように、クエン酸およびクエン酸金属塩と併用することにより、プロテアーゼを安定配合することができる。
【0042】
プロテアーゼとしては、例えば、バチラス(Bacillus)属細菌の生産するスブチリシン(ノヴァ社製)、アルカラーゼ(ノヴァ社製)、エスペラーゼ(ノヴァ社製)、サビナーゼ(ノヴァ社製)、ナガーゼ(長瀬生化学工業社製)、API-21(昭和電工社製)、アスペルギルス(Aspergillus)属糸状菌の生産するプロザイム(天野製薬社製)、セラチア(Serratia)属細菌の生産するセラチオペプチダーゼ等が挙げられる。また、例えば、果実由来のパパイン、プロメライン等が挙げられる。また、例えば、土壌等より分離したプロテアーゼ生産菌株の培養液も使用し得る。
【0043】
上述したような鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼの総配合量は、0.001〜10wt%であるのが好ましく、0.05〜5wt%であるのがより好ましい。これにより、口腔内細菌の働きをより確実に抑制することができる。これに対して、抗体の含有量が前記下限値未満であると、口腔内に滞留する抗体の量を十分なものとするのが困難となり、口腔内細菌の働きを十分に抑制するのが困難となる場合がある。一方、抗体の含有量が前記上限値を超えると、含有量に見合うだけの効果が十分に得られない場合がある。
【0044】
[クエン酸およびクエン酸金属塩]
本発明の口腔用組成物は、クエン酸およびクエン酸金属塩を含んでいる。
【0045】
クエン酸およびクエン酸金属塩は、口腔用組成物中への上記鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼの安定配合に寄与する成分である。このようなクエン酸およびクエン酸金属塩を含むことにより、鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼの機能を安定して発揮させることができる。その結果、齲蝕や歯周病等の口腔内疾患を予防または改善することができる。これは、以下の理由によるものと考えられる。
【0046】
鶏卵抗体は多くのアミノ酸を含んでおり、アミノ酸の電荷による静電力で立体構造を形成している。しかしながら、その構造は脆弱であり水分、温度、pHおよび塩濃度に大きく影響を受ける。そこで、クエン酸およびクエン酸金属塩を加えることで鶏卵抗体等に最適なpHおよび塩濃度を調整でき、さらに安定な立体構造を形成させると考えられる。
【0047】
なお、クエン酸金属塩としては、例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸マグネシウム、クエン酸銅等が挙げられる。
【0048】
クエン酸の配合量は、0.005〜10wt%であるのが好ましく、0.01〜5wt%であるのがより好ましい。これにより、口腔用組成物中に鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼをより効果的に安定配合することができる。
【0049】
また、クエン酸金属塩の配合量は、0.05〜10wt%であるのが好ましく、0.1〜5wt%であるのがより好ましく、0.2〜1wtがもっとも好ましい。これにより、口腔用組成物中に鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼをより効果的に安定配合することができる。
【0050】
クエン酸の配合量をA[wt%]、クエン酸金属塩の配合量をB[wt%]としたとき、0.005≦A/B≦1の関係を満足するのが好ましく、0.01≦A/B≦0.5の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、口腔用組成物中に鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼをより効果的に安定配合することができる。特に、鶏卵抗体の安定化向上を顕著なものとすることができる。
【0051】
また、クエン酸の配合量をA[wt%]、リパーゼ、プロテアーゼおよび鶏卵抗体の総配合量をC[wt%]としたとき、0.0005≦A/C≦10000の関係を満足するのが好ましく、0.002≦A/C≦2000の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、口腔用組成物中に鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼをより効率よく安定配合することができる。特に、鶏卵抗体の安定化向上を顕著なものとすることができる。
【0052】
また、クエン酸金属塩の配合量をB[wt%]、リパーゼ、プロテアーゼおよび鶏卵抗体の総配合量をC[wt%]としたとき、0.005≦B/C≦10000の関係を満足するのが好ましく、0.01≦B/C≦2000の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、口腔用組成物中に鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼをより効率よく安定配合することができる。特に、鶏卵抗体の安定化向上を顕著なものとすることができる。
【0053】
[その他の成分]
本発明の口腔用組成物は、上記成分の他、以下に示すような成分を含んでいてもよい。
【0054】
(コラーゲン類)
本発明の口腔用組成物は、コラーゲン類を含んでいてもよい。
【0055】
コラーゲン類は、口腔用組成物中への上記鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼの安定配合に寄与する成分であり、クエン酸およびクエン酸金属塩と併用することにより、鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼの口腔用組成物中への安定配合をさらに促進することができ、鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼの機能をさらに安定して発揮させることができる。その結果、齲蝕や歯周病等の口腔内疾患をより効果的に予防または改善することができる。
【0056】
コラーゲン類としては、例えば、I〜III型コラーゲン、V型コラーゲン等の線維性コラーゲン、IV型コラーゲン、VI〜VIII型等の非線維性コラーゲン、または、これらのコラーゲンを酸や酵素で加水分解した加水分解コラーゲン(コラーゲンペプチド)、水溶性コラーゲン(アテロコラーゲン)、ゼラチン等が挙げられる。
【0057】
上述した中でも、加水分解コラーゲン、を用いた場合、口腔用組成物中に、鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼをより効果的に安定配合することができ、鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼの機能をより効果的に発揮させることができる。その結果、口腔内疾患をより確実に予防または改善することができる。
【0058】
なお、加水分解コラーゲンは、魚、牛、豚の皮等に大量に含まれるコラーゲンを酸、塩基等で加水分解して低分子化し、体内に吸収しやすくした高純度のタンパク質である。コラーゲンは、魚由来(皮、鱗等)のコラーゲンでもよいし、牛、豚等の哺乳動物由来(皮等)のコラーゲンでもよいし、その他(鶏等)の由来のコラーゲンでもよい。魚の種類は特に限定されるものではなく、サケ、マス、タラ、サバ、アジ、タイ、ティラピア、スズキ、ニシン、コイ、フナ等があげられる。なお、得られた加水分解コラーゲンは、溶液状で用いてもよいが、必要により濃縮して濃縮液として用いてもよいし、液体を全て揮発させて固体状として用いてもよい。
【0059】
また、ゼラチンは、コラーゲンを分解、精製して得られる、分子量数万〜数十万の成分である。
【0060】
コラーゲン類の配合量は、0.01〜10wt%であるのが好ましく、0.1〜5wt%であるのがより好ましい。これにより、口腔用組成物中に、鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼをさらに効果的に安定配合することができ、鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼの機能をさらに効果的に発揮させることができる。その結果、口腔内疾患をより確実に予防または改善することができる。
【0061】
また、鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼの総配合量をC[wt%]、コラーゲン類の配合量をD[wt%]としたとき、0.001≦D/C≦10000の関係を満足するのが好ましく、0.02≦D/C≦100の関係を満足するのがより好ましい。これにより、口腔用組成物中に鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼをさらに効率よく安定配合することができる。
【0062】
また、本発明の口腔用組成物には、上記成分の他、その剤型に応じて、種々の成分を配合してもよい。例えば、本発明の口腔用組成物を練歯磨剤に適用した場合、研磨剤、湿潤剤、粘結剤、発泡剤(界面活性剤)、甘味剤、防腐剤、香料成分、上記以外の薬用成分等を配合することができる。
【0063】
研磨剤としては、シリカゲル、沈降性シリカ、火成性シリカ、含水ケイ酸、無水ケイ酸、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤、第二リン酸カルシウム二水和物、第二リン酸カルシウム無水和物等の歯磨用リン酸水素カルシウム、ピロリン酸カルシウム、第三リン酸マグネシウム、第三リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、合成樹脂系研磨剤等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0064】
研磨剤の配合量は、特に限定されないが、3〜60wt%であるのが好ましく、10〜45wt%であるのがより好ましい。
【0065】
湿潤剤としては、グリセリン、濃グリセリン、ジグリセリン、ソルビット、マルチトール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、キシリトール等の多価アルコール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0066】
湿潤剤の配合量は、特に限定されないが、1〜60wt%であるのが好ましく、5〜50wt%であるのがより好ましい。
【0067】
粘結剤としては、カラギーナン(ι、λ、κ)、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カルシウム含有アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸塩及びその誘導体、キサンタンガム、グァーガム、ゼラチン、寒天、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0068】
粘結剤の配合量は、特に限定されないが、0.1〜5.0wt%が好ましく、0.5〜3.0wt%であるのがより好ましい。
【0069】
発泡剤(界面活性剤)としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸モノグリセリンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、N−アシルグルタメート等のN−アシルアミノ酸塩、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム等のアミノ酸系両性活性剤、マルチトール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0070】
上述した中でも、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/またはアミノ酸系両性活性剤を用いた場合、鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼを口腔用組成物内により安定して配合することができるとともに、鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼの機能をより安定して発揮させることができ、口腔内疾患の発生をより効果的に防止または抑制することができる。
【0071】
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、ポリグリセリンと、炭素数が12〜16の脂肪酸とのエステルを用いるのが好ましい。これにより、鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼを口腔用組成物内にさらに安定して配合することができるとともに、鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼの機能をさらに安定して発揮させることができ、口腔内疾患の発生をさらに効果的に防止または抑制することができる。
【0072】
発泡剤(界面活性剤)の配合量は、特に限定されないが、0.1〜10.0wt%であるのが好ましく、0.5〜5.0wt%であるのがより好ましい。
【0073】
また、鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼの総配合量をC[wt%]、発泡剤の配合量をE[wt%]としたとき、0.01≦E/C≦10000の関係を満足するのが好ましく、0.1≦E/C≦100の関係を満足するのがより好ましい。これにより、口腔用組成物中に鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼをより効率よく安定配合することができる。
【0074】
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、トレハロース、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0075】
甘味剤の配合量は、特に限定されないが、0.005〜5.0wt%であるのが好ましく、0.01〜3.0wt%であるのがより好ましい。
【0076】
防腐剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラベン類、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0077】
防腐剤の配合量は、その種類等によって異なるが、0.005〜5.0wt%であるのが好ましく、0.01〜3.0wt%であるのがより好ましい。
【0078】
香料成分としては、l-メントール、アネトール、メントン、シネオール、リモネン、カルボン、メチルサリシレート、エチルブチレート、オイゲノール、チモール、シンナミックアルデヒド、トランス-2-ヘキセナール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。これらの成分は単品で配合してもよいが、これらを含有する精油等を配合してもよい。また、上記香料成分に加え、脂肪族アルコールやそのエステル、テルペン系炭化水素、フェノールエーテル、アルデヒド、ケトン、ラクトン等の香料成分、精油を本発明の効果を妨げない範囲で配合してもよい。
【0079】
香料成分の配合量は、特に限定されないが、0.02〜2wt%であるのが好ましく、0.05〜1.5wt%であるのがより好ましい。
【0080】
薬用成分としては、モノフルオロホスフェイト、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ゼオライト、ヒノキチオール、クロルヘキシジン塩類、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化デカリニウム、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、ビサボロール、アスコルビン酸および/またはその誘導体、酢酸トコフェロール、ε−アミノカプロン酸、トラネキサム酸、アルミニウムヒドロキシルアラントイン、乳酸アルミニウム、ジヒドロコレステロール、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸塩類、銅クロロフィリン塩、グァイアズレンスルホン酸塩、デキストラナーゼ、塩酸ピリドキシン、ゼオライト等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を配合することができる。
【0081】
また、上述した成分の他にも、例えば、青色1号等の色素、酸化チタン等の顔料、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤、チャエキス、チャ乾留液、グルタミン酸ナトリウム等の矯味剤等を含んでいてもよい。
【0082】
上述したような口腔用組成物の塩濃度は、0.1〜20%であるのが好ましく、0.5〜15%であるのがより好ましい。これにより、口腔用組成物中に鶏卵抗体、リパーゼおよびプロテアーゼをさらに効果的に安定配合することができる。
ここで、塩濃度とは、口腔用組成物中に含まれる塩の総濃度をいう。
【0083】
なお、上記成分を組み合わせた本発明の口腔用組成物は、常法に準じて製造できるものであり、その製法は特に限定されるものではないが、特に、鶏卵抗体は、コラーゲン類とともに水に溶解させた状態で、添加するのが好ましい。これにより、鶏卵抗体を口腔用組成物内により安定して配合することができる。その結果、鶏卵抗体の機能をより安定して発揮させることができ、口腔内疾患の発生をより効果的に防止または抑制することができる。
【0084】
また、得られた練歯磨剤等の組成物は、アルミニウムチューブ、ラミネートチューブ、ガラス蒸着チューブ、プラスチックチューブ、プラスチックボトル、エアゾール容器等に充填して使用することができる。
【0085】
以上、本発明の口腔用組成物について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明の口腔用組成物には、前述した成分の他に、任意の機能を有する成分を配合することができる。
【実施例】
【0086】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例1)
下記1〜11の成分(単位:wt%)を用いて、練歯磨剤を製造した。
【0087】
なお、鶏卵抗体としては、ストレプトコッカス・ミュータンスの膜結合型グルコシルトランスフェラーゼを免役した鶏が産生する卵より調製された免疫グロブリンとして得られたものを用いた。また、鶏卵抗体を、加水分解コラーゲンとともに、水に溶解させて添加した以外は、常法に従って練歯磨きを製造した。
【0088】
1.鶏卵抗体 : 1.0
2.クエン酸 : 0.08
3.クエン酸ナトリウム : 1.0
4.加水分解コラーゲン : 0.5
5.モノラウリン酸ポリグリセリル : 0.2
6.キシリトール : 1.0
7.濃グリセリン :20.0
8.ソルビトール :40.0
9.カルボキシメチルセルロースナトリウム : 2.7
10.香料 : 1.0
11.蒸留水 : 残部
【0089】
(実施例2〜10)
鶏卵抗体、クエン酸、クエン酸金属塩の配合量を表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして練歯磨きを製造した。
【0090】
(実施例11)
鶏卵抗体としては、ポルフィロモナス・ジンジバリスのジンジパインを免役した鶏が産生する卵より調製された免疫グロブリンとして得られたものを用い、加水分解コラーゲンをゼラチンに変更し、界面活性剤としてモノラウリン酸ポリグリセリルの代わりに2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインを表1に示す配合量で配合した以外は、前記実施例1と同様にして練歯磨きを製造した。
【0091】
(実施例12)
下記1〜13の成分(単位:wt%)を用いて、練歯磨剤を製造した。
【0092】
なお、鶏卵抗体としては、ストレプトコッカス・ミュータンスの膜結合型グルコシルトランスフェラーゼを免役した鶏が産生する卵より調製された免疫グロブリンとして得られたものを用いた。また、鶏卵抗体を、加水分解コラーゲンとともに、水に溶解させて添加した以外は、常法に従って練歯磨きを製造した。
【0093】
1.鶏卵抗体 : 1.0
2.クエン酸 : 0.08
3.クエン酸ナトリウム : 1.0
4.加水分解コラーゲン : 1.0
5.モノラウリン酸ポリグリセリル : 2.0
6.リン酸水素カルシウム :25.0
7.無水ケイ酸 : 7.0
8.キシリトール : 1.0
9.濃グリセリン :25.0
10.カルボキシメチルセルロースナトリウム: 1.0
11.ポリエチレングリコール400 : 2.0
12.香料 : 1.0
13.蒸留水 : 残部
【0094】
(実施例13)
下記1〜11の成分(単位:wt%)を用いて、練歯磨剤を製造した。
【0095】
なお、リパーゼを、加水分解コラーゲンとともに、水に溶解させて添加した以外は、常法に従って練歯磨きを製造した。
【0096】
1.リパーゼ(シュードモナス属由来) : 1.0
2.クエン酸 : 0.08
3.クエン酸ナトリウム : 1.0
4.加水分解コラーゲン : 0.5
5.モノラウリン酸ポリグリセリル : 0.2
6.キシリトール : 1.0
7.濃グリセリン :20.0
8.ソルビトール :40.0
9.カルボキシメチルセルロースナトリウム : 2.7
10.香料 : 1.0
11.蒸留水 : 残部
【0097】
(実施例14〜22)
リパーゼ、クエン酸、クエン酸金属塩の配合量を表2に示すように変更した以外は、前記実施例13と同様にして練歯磨きを製造した。
【0098】
(実施例23)
下記1〜11の成分(単位:wt%)を用いて、練歯磨剤を製造した。
【0099】
なお、プロテアーゼを、加水分解コラーゲンとともに、水に溶解させて添加した以外は、常法に従って練歯磨きを製造した。
【0100】
1.プロテアーゼ(パパイン) : 1.0
2.クエン酸 : 0.08
3.クエン酸ナトリウム : 1.0
4.加水分解コラーゲン : 0.5
5.モノラウリン酸ポリグリセリル : 0.2
6.キシリトール : 1.0
7.濃グリセリン :20.0
8.ソルビトール :40.0
9.カルボキシメチルセルロースナトリウム : 2.7
10.香料 : 1.0
11.蒸留水 : 残部
【0101】
(実施例24〜32)
プロテアーゼ、クエン酸、クエン酸金属塩の配合量を表2に示すように変更した以外は、前記実施例23と同様にして練歯磨きを製造した。
【0102】
(比較例1)
クエン酸を配合しなかった以外は、前記実施例1と同様にして練歯磨剤を製造した。
【0103】
(比較例2)
クエン酸ナトリウムを配合せず、界面活性剤を表1に示すものを用いた以外は、前記実施例1と同様にして練歯磨剤を製造した。
【0104】
(比較例3)
クエン酸およびクエン酸ナトリウムの双方を配合せず、界面活性剤を表1に示すものを用いた以外は、前記実施例1と同様にして練歯磨剤を製造した。
【0105】
(比較例4)
クエン酸を配合しなかった以外は、前記実施例13と同様にして練歯磨剤を製造した。
【0106】
(比較例5)
クエン酸ナトリウムを配合せず、界面活性剤を表2に示すものを用いた以外は、前記実施例13と同様にして練歯磨剤を製造した。
【0107】
(比較例6)
クエン酸およびクエン酸ナトリウムの双方を配合せず、界面活性剤を表2に示すものを用いた以外は、前記実施例13と同様にして練歯磨剤を製造した。
【0108】
(比較例7)
クエン酸を配合しなかった以外は、前記実施例23と同様にして練歯磨剤を製造した。
【0109】
(比較例8)
クエン酸ナトリウムを配合せず、界面活性剤を表2に示すものを用いた以外は、前記実施例23と同様にして練歯磨剤を製造した。
【0110】
(比較例9)
クエン酸およびクエン酸ナトリウムの双方を配合せず、界面活性剤を表2に示すものを用いた以外は、前記実施例23と同様にして練歯磨剤を製造した。
【0111】
各実施例および各比較例の鶏卵抗体または酵素の種類および配合量、クエン酸、クエン酸ナトリウムおよび塩化ナトリウムの配合量、コラーゲン類および界面活性剤の種類および配合量等を表1および表2に示す。また、表中、ストレプトコッカス・ミュータンスの膜結合型グルコシルトランスフェラーゼを免役した鶏が産生する卵より調製された免疫グロブリンとして得られた鶏卵抗体をX、ポルフィロモナス・ジンジバリスのジンジパインを免役した鶏が産生する卵より調製された免疫グロブリンとして得られた鶏卵抗体をY、リパーゼをL、プロテアーゼをP、加水分解コラーゲンをa、ゼラチンをb、モノラウリン酸ポリグリセリルをA、ラウロアンホ酢酸ナトリウムをB、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインをCと示した。
【0112】
【表1】

【0113】
【表2】

【0114】
<評価>
[鶏卵抗体の安定配合評価]
実施例1〜12および比較例1〜3の製造直後の歯磨剤および40℃6ヶ月保存した歯磨剤のそれぞれ1gをPBS9mLに浮遊させ、37℃のウォーターバスで15分間インキュベートした。これに、クロロホルム10mLを加え、37℃のウォーターバスで15分間インキュベート後、20分間遠心分離した。この水相部分を試料溶液とした。試料溶液を、固相化抗原を吸着させたELISAプレートに100μL/wellで加え、25℃、1時間静置し反応を行なわせた。反応終了後、プレートをPBS−Tで5回洗浄し、更に、プレートに2次抗体としてのペルオキシダーゼ結合抗ニワトリIgG抗体を100μL加え、25℃で30分間反応させた後、PBS−Tで6回洗浄した。次に、0.2Mリン酸2ナトリウム−0.1Mクエン酸緩衝液(pH5.0)50mLに、基質であるフェニレンジアミン20mgおよび過酸化水素10μLを溶解した溶液を100μL加え、25℃で20分間反応させた。反応停止は3N硫酸溶液を100μL加えることで行った。反応終了後、吸光度(OD490)を測定することによって、抗体価を測定し、4℃保存品の抗体価に対する40℃6ヶ月保存後の抗体価の割合を残存率として、以下の4段階の基準に従い評価した。
【0115】
A:鶏卵抗体残存率80%以上
B:鶏卵抗体残存率70%以上80%未満
C:鶏卵抗体残存率50%以上70%未満
D:鶏卵抗体残存率50%未満
【0116】
[リパーゼの安定配合評価]
実施例13〜22および比較例4〜6の製造直後の歯磨剤および40℃6ヶ月保存した歯磨剤のそれぞれ5.0gを0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)10mLで懸濁し、5分間遠心分離する。この遠心上清1mLに0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)を2mL加え、37℃の恒温槽中で5分間加温した。さらに、あらかじめ37℃で5分間加温したオリブ油乳化液3mLを加え、37℃で30分間かき混ぜた後、アセトンおよびエタノールの等容量混液20mLを加え、試験溶液とする。
【0117】
別に、実施例13〜22および比較例4〜6の製造直後の歯磨剤および40℃6ヶ月保存した歯磨剤のそれぞれ5.0gを0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)10mLで懸濁し、5分間遠心分離する。この遠心上清1mLに0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)を2mL加え、さらにアセトンおよびエタノールの等容量混液20mLを加え充分混和した後、オリブ油乳化液3mLを加え、37℃で30分かき混ぜ、対照溶液とした。
【0118】
試験溶液および対照溶液にフェノールフタレイン溶液3滴加え、0.1N水酸化ナトリウム液で滴定し、次式によりリパーゼ力価(単位/g)を求め、製造直後のリパーゼ力価に対する40℃6ヶ月保存後のリパーゼ力価の割合を残存率として、以下の4段階の基準に従い評価した。
【0119】
リパーゼ力価[単位/g]=[400×(a−b)]/3
ただし、a:試験溶液の滴定量(mL)、b:対照溶液の滴定量(mL)。
【0120】
A:リパーゼ残存率80%以上
B:リパーゼ残存率70%以上80%未満
C:リパーゼ残存率50%以上70%未満
D:リパーゼ残存率50%未満
【0121】
[プロテアーゼの安定配合評価]
実施例23〜32および比較例7〜9の製造直後の歯磨剤および40℃6ヶ月保存した歯磨剤のそれぞれ0.25gに水20mLを正確に加えてかき混ぜ、懸濁した後、5分間遠心分離した。この遠心上清1mLに0.1mol/Lリン酸緩衝液4mLを加え、30℃の恒温水槽中で5分間加温した。さらに、あらかじめ30℃で5分間加温した0.1mol/Lp−トシルアルギニンメチルエステル塩酸塩溶液4mLを加え、30℃で30分間加温した後、速やかにろ過(ポアサイズ0.45μmのメンブランフィルター)した。ろ液0.6mLにトリクロロ酢酸溶液(15→100)0.4mLを加えて酵素反応を停止させた。ついで過マンガン酸カリウム溶液(2→100)0.2mLを加えて振り混ぜ、1分間放置して酸化した後、亜硫酸水素ナトリウム溶液(1→10)0.2mLを加えて振り混ぜ、過剰の過マンガン酸カリウムを還元した。ついで、0.4%クロモトロープ酸溶液8mLを加え、よくかき混ぜ、沸騰水浴中に正確に15分間加熱し発色させた。室温で40分間放置した後、水を対照として、波長580nmにおける吸光度を測定する。同様の方法で空試験を行い、次式によりプロテアーゼ力価[単位/g]を求め、製造直後のリパーゼ力価に対する40℃6ヶ月保存後のプロテアーゼ力価の割合を残存率として、以下の4段階の基準に従い評価した。
【0122】
プロテアーゼ力価[単位/g]=(a−b)×188
ただし、a:試料溶液の吸光度、b:空試験の吸光度。
【0123】
A:プロテアーゼ残存率80%以上
B:プロテアーゼ残存率70%以上80%未満
C:プロテアーゼ残存率50%以上70%未満
D:プロテアーゼ残存率50%未満
以上の評価結果を、表1、表2に合わせて示す。
【0124】
表1、2から明らかなように、各実施例で得られた歯磨剤は、いずれもリパーゼ、プロテアーゼおよび鶏卵抗体を安定配合できるものであった。
これに対し、各比較例で得られた歯磨剤は、満足な結果が得られなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リパーゼ、プロテアーゼおよび鶏卵抗体からなる群から選択される少なくとも1種と、クエン酸と、クエン酸金属塩と、を含有することを特徴とする口腔用組成物。
【請求項2】
前記リパーゼ、プロテアーゼおよび鶏卵抗体の総配合量は、0.001〜10wt%である請求項1に記載の口腔用組成物。
【請求項3】
前記クエン酸の配合量をA[wt%]、前記クエン酸金属塩の配合量をB[wt%]としたとき、0.005≦A/B≦1の関係を満足する請求項1または2に記載の口腔用組成物。
【請求項4】
前記クエン酸の配合量をA[wt%]、前記リパーゼ、プロテアーゼおよび鶏卵抗体の総配合量をC[wt%]としたとき、0.0005≦A/C≦10000の関係を満足する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
【請求項5】
前記クエン酸金属塩の配合量をB[wt%]、前記リパーゼ、プロテアーゼおよび鶏卵抗体の総配合量をC[wt%]としたとき、0.005≦B/C≦10000の関係を満足する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
【請求項6】
界面活性剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステルまたはアミノ酸系両性活性剤を含む請求項1ないし5のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
【請求項7】
コラーゲン類を含む請求項1ないし6のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
【請求項8】
塩濃度が、0.1〜20%である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の口腔用組成物。

【公開番号】特開2013−75875(P2013−75875A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217960(P2011−217960)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(391066490)日本ゼトック株式会社 (31)
【Fターム(参考)】