説明

可動ホーム柵

【課題】速やかな開閉動作を維持したまま、閉状態の乗降扉へ外力が作用しても扉のガタツキが抑制できる乗降扉の支持構造を有した可動ホーム柵の実現。
【解決手段】全閉状態において乗降扉100のホーム側側面と軌道側側面に、扉の厚さを部分的に増す凸部114を設ける。戸袋部200には、全閉状態の乗降扉100の凸部114に当接乃至近接する位置に弾性樹脂からなる側部ローラ252を設ける。また、乗降扉100を、下方に向けて付勢される揺動式上部ガイドローラ218、固定式上部ガイドローラ224、下部ガイドローラ234等で支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道等のプラットホームの側縁に沿って立設され、車両への乗降時に応じて開閉する可動ホーム柵に関する。
【背景技術】
【0002】
プラットホームから軌道側への転落や、プラットホームに入線してきた車両と乗客との接触事故を防止するためにプラットホームの側縁沿いに柵を形成し、車両への乗降タイミングに合わせて開閉する可動ホーム柵が知られている(例えば、特許文献1参照)。
可動ホーム柵は、一般的にはプラットホームに固定される戸袋にて引き戸式の乗降扉を支持する。そして、乗降扉を戸袋より押し出して乗降口を塞ぎ(全閉状態)、戸袋へ引き戻して乗降口を解放する(全開状態)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−132386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
乗降扉を戸袋に支持する構造は、乗降扉にレールを設ける一方、戸袋内にレールをガイドするガイドローラを設ける構成が多い。レールとガイドローラは緩やかな寸法関係で係合するため乗降扉がベルト駆動などで付勢されると、大きなフリクションを生じることなく軽やかに作動し、速やかな乗降口の開閉を実現している。
【0005】
しかし、レールとガイドローラとが緩やかな寸法関係で係合するが故にどうしても乗降扉のガタツキが生じる。例えば、乗降扉が乗降口を閉じた状態において、通過電車の風圧による外力を受けるケースでは、乗降扉が扉の面方向にガタツキが生じる場合がある。ガタツキが生じても機能上は問題がないが、全閉状態の乗降扉へ外力が作用した状態のガタツキは抑制されるのが望ましい。
【0006】
また、上下方向へのガタツキについては、電車待ちの乗客が乗降扉に寄り掛かる様なケースでは、相当な加重を受けるために、戸袋内の支持構造や駆動機構部に無理な力が掛かり、故障の原因ともなる。
【0007】
本発明は、こうした事情を鑑みてなされたものであり、従来のように速やかな開閉動作を維持したまま、全閉状態の乗降扉へ外力が作用しても扉のガタツキが抑制できる支持構造を有した可動ホーム柵を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための第1の形態は、引き戸式の乗降扉と、前記乗降扉を開閉駆動する戸袋部とを備えた可動ホーム柵であって、前記乗降扉は、戸尻側の所定幅部分が全閉時に前記戸袋部内に位置するよう配置構成され、前記乗降扉は、扉面の前記所定幅部分に凸部を備え、前記戸袋部は、前記乗降扉の全閉時に前記凸部に当接乃至近接するローラ(例えば、図4の側部ローラ252)を備えた可動ホーム柵である。
【0009】
第1の形態の可動ホーム柵によれば、乗降扉が全閉状態となって戸袋部に支持されている時に、凸部が戸袋内のローラに当接乃至近接する。よって、全閉状態の乗降扉に扉面を押す外力が作用してもガタツキを抑制することができる。
【0010】
第2の形態は、前記乗降扉が、ホーム側及び軌道側の扉面それぞれの前記所定幅部分に前記凸部を備え、前記戸袋部が、前記凸部それぞれに対応する位置に前記ローラを備える、第1の形態の可動ホーム柵である。
【0011】
第2の形態によれば、第1の形態の可動ホーム柵と同様の効果が得られるとともに、乗降扉の表裏両面に凸部とローラとを配置するのでガタツキをより効果的に抑制できる。
【0012】
第3の形態は、前記乗降扉が、扉面の開閉方向及び/又は上下方向に異なる位置に前記凸部を備え、前記戸袋部が、前記凸部それぞれに対応する位置に前記ローラを備える第1又は第2の形態の可動ホーム柵である。
【0013】
第3の形態によれば、第1又は第2の形態の可動ホーム柵と同様の効果が得られるとともに、上下左右の複数点で乗降扉の振れを受けることでガタツキをより効果的に抑制できる。また、仮に凸部を独立部品とする構成で、凸部の部品交換が必要な程度の汚損や損耗が生じた場合には、個別に部品交換することで少ない補修費と補修作業量で復旧させることができる。
【0014】
第4の形態は、前記凸部が、少なくとも前記乗降扉の押し出し方向に傾斜するスロープ部を有する第1〜第3の何れかの形態の可動ホーム柵である。
【0015】
第4の形態によれば、第1〜第3の形態の何れかの可動ホーム柵と同様の効果を奏するとともに、乗降扉が押し出されて閉まる際、ローラが凸部の端部に最初に係合するときに乗降扉が扉面方向に振られていても、ローラがスロープに当たることで乗降扉をスムーズに所定位置に導くことができる。よって、開閉動作をスムーズにするとともに、ローラと凸部との衝突音発生を抑制できる。
【0016】
第5の形態は、前記戸袋部が、前記乗降扉を上面側及び下面側から挟持する上部ローラ部及び下部ローラ部と、前記上部ローラ部を下方に付勢する付勢部(例えば、図4の上部ガイドローラブロック210、揺動式上部ガイドローラ218、揺動腕220、スプリング222)とを有する第1〜第4の何れかの形態の可動ホーム柵である。
【0017】
第5の形態によれば、第1〜第4の形態の何れかの可動ホーム柵と同様の効果を奏するとともに、付勢部により上部ローラが乗降扉を下方に付勢し、且つ乗降扉を上下のローラ部で密着支持できるので、ガタツキ発生要因をより確実に取り除くことできる。また、乗降口が全閉の状態つまり乗降扉が戸袋から押し出された状態において、乗降扉に電車待ちの乗客が寄り掛かるなどして上方から外力が作用し、更にはその外力が衝撃成分を含むとしても、付勢部により衝撃成分の一部を吸収することができるので、支持構造や駆動系の狂いや故障を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】可動ホーム柵の構成例を示すホーム側から見た外観図。
【図2】乗降扉の構成例を示す(1)ホーム側から見た正面図、(2)戸尻側の側面図。
【図3】凸部の例を示す(1)上面図と、(2)正面図。
【図4】戸袋部をホーム側から見たA−A縦断面図。
【図5】戸袋部のB−B縦断面図。
【図6】乗降口が全開の状態における可動ホーム柵の戸袋部周りをホーム側から見た部分面断面図。
【図7】全開状態における可動ホーム柵の戸袋部周りの(1)C−C断面図と、(2)D部分拡大図と、(3)E部分拡大図。
【図8】乗降口が全閉状態における可動ホーム柵の戸袋部周りをホーム側から見た部分面断面図。
【図9】乗降口が全閉状態における可動ホーム柵の戸袋部周りの(1)F−F断面図と、(2)G部分拡大図と、(3)H部分拡大図。
【図10】全閉状態の乗降扉に上方からの外力が作用した状態例を示すホーム側から見た可動ホーム柵の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本実施形態における腰高式の可動ホーム柵2の構成例を示すホーム側から見た外観図である。可動ホーム柵2は、鉄道のホームの縁に設置され、車両への乗降タイミングに合わせて開閉する引き戸式の自動扉である。
【0020】
可動ホーム柵2は、腰高の乗降扉100と、乗降扉100を駆動させる為の機構部を内蔵する戸袋部200とを備える。通常、可動ホーム柵2は、乗降扉100をホームより正面向かって右方向に引いて乗降口右部分を開ける右設置用可動ホーム柵2Rと、正面向かって左方向に引いて乗降口左部分を開ける左設置用可動ホーム柵2Lとで対を為す。尚、可動ホーム柵2同士の間は壁パネルや、手動式で開閉できる非常扉などが設置される。
以下ではホーム側から見て正面右側の右設置用可動ホーム柵2Rの構成及び動作を中心に説明し、左設置用可動ホーム柵2Lについては左右が逆であるだけであるので説明を省略する。
【0021】
図2は、本実施形態における右設置用可動ホーム柵2Rの乗降扉100の構成例を示す(1)ホーム側から見た正面図、(2)戸尻側の側面図である。
乗降扉100は、ステンレス製の扉パネル102を主体とし、戸先側の側面にクッションパッド104を備え、上面及び下面に上部ガイドレール106及び下部ガイドレール108を備える。また、軌道側の戸先下端と戸尻下端とにはベルトステー110がそれぞれ装着されており、コグベルト112の両端が固定される。コグベルト112は、乗降扉100の軌道側下端に開閉方向(長手方向)に沿って張られ、後述する戸袋部200のベルト駆動機構部に架けられる。
【0022】
また、乗降扉100は、乗降口が全閉状態において戸袋部200内に位置する範囲に、扉パネル102のホーム〜軌道方向の厚みを部分的に増す凸部114を備える。
具体的には、ホーム側の側面の上端から所定距離L1下げたラインと、下端から所定距離L2上げたライン上で、戸尻端から戸先方向へ所定距離L3及びL4離れた位置にそれぞれ1つずつ合計4つの凸部114を備える。また、それらと丁度表裏の位置関係となる軌道側の側面に同様の凸部114が設けられている。つまり、表裏合わせて合計8つの凸部114が設けられている。
【0023】
図3は、凸部114の構成例を示す(1)上面図と、(2)正面図である。
凸部114は、例えば樹脂で成型された扉開閉方向に横長の板状部材であり、長手方向両端にスロープ114aを備える。凸部114は、扉パネル102に接着やビス留めなどにより上述の所定位置に固定される。
【0024】
尚、凸部114はこうした別部材にせず、扉パネル102の該当部分を押出加工したり、肉厚を厚くするなどして、扉パネル102と一体的に成型する構成としても良いのは勿論である。
【0025】
次に、戸袋部200について説明する。
図4は、戸袋部200をホーム側から見たA−A縦断面図(図5参照)であって、外装カバー201を取り外した状態を示している。図5は、戸袋部200のB−B縦断面図(図4参照)である。
【0026】
戸袋部200は、(1)ホームに取り付ける為の台座202と、(2)横断面L字の鋼材などで作られて台座202の四隅に立設された4本の支柱204と、(3)それら支柱204の上端を橋渡しする格好で取り付けられた上部ガイドローラブロック210と、(4)台座202上面に取り付けられた下部ガイドローラブロック230と、(5)台座202上面に取り付けられたベルト駆動ブロック240と、(6)ホーム側左右の支柱204の間及び軌道側左右の支柱204の間に渡された側部ローラステー250に設けられた側部ローラ252と、(7)可動ホーム柵2の動作を制御するための電気回路及び電子部品を有する制御装置290とを備える。
【0027】
戸袋部200の全幅(扉開閉方向の幅)は、乗降扉100の横幅よりも短く設定されている。つまり、乗降口が全閉の状態では乗降扉100の戸尻側の所定幅部分が戸袋部200内に位置し、戸袋部200がこの所定幅部分を支持することで乗降扉100全体が支持される。
【0028】
上部ガイドローラブロック210は、乗降扉100の上部ガイドレール106と係合するガイドローラとして、同レールを上方から下方へ向けて付勢しながら係合する揺動式上部ガイドローラ218と、固定式上部ガイドローラ224とを備える。
具体的には、四隅の支柱に連結されるベース212の中央部に開口部214を備える。この開口部214の戸先側端部には支持片が下方に向けて延設されており、この支持片で扉開閉方向と直交する水平揺動軸216を保持する。
【0029】
水平揺動軸216には、揺動式上部ガイドローラ218を回転自在に支持する揺動腕220が枢支されている。この揺動腕220の上面は、ベース212に一端が固定され上下方向に懸下されたスプリング222の下端に当接する、このため、揺動腕220は、スプリング222により下方に向けて付勢される。
【0030】
また、開口部214の戸尻側には、水平軸により回転自在に支持された固定式上部ガイドローラ224が設けられている。
【0031】
下部ガイドローラブロック230は、台座202に固定されるローラステー232に、乗降扉100の下部ガイドレール108と係合する二つの下部ガイドローラ234を水平回転軸で回転自在に支持する。
【0032】
ベルト駆動ブロック240は、乗降扉100に張られるコグベルト112が架け渡される駆動プーリ242と、従動プーリ244と、テンションプーリ246と、駆動プーリ242に回転力を与えるモータ248とを備える。
【0033】
テンションプーリ246は、その回転軸がスプリング247で所定方向に付勢され、架け渡されたコグベルト112に適当な張力を与える。
モータ248は、制御装置290により回転制御される。適宜、減速ギアなどを内蔵する構成とすると良い。尚、モータ248や制御装置290に電力を供給する電源部については説明を省略するが、公知の可動ホーム柵と同様に適宜用意されるものとする。
【0034】
側部ローラステー250は、ホーム側の支柱204同士、或いは軌道側の支柱204同士を横方向(扉開閉方向)に連結する。本実施形態では、ホーム側に上下2本、軌道側に上下2本の合計4本が備えられている。
【0035】
それぞれの側部ローラステー250には、弾性樹脂からなるローラが垂直回転軸に回転自在に枢支された側部ローラ252が2つずつ備えられている。
ホーム側上部の側部ローラステー250の側部ローラ252aは、軌道側上部の側部ローラステー250の側部ローラ252bとの対向位置に設けられている。同様に、ホーム側下部の側部ローラステー250の側部ローラ252cは、軌道側下部の側部ローラステー250の側部ローラ252dとの対向位置に設けられている。
そして、対向する側部ローラ252間の間隙は、凸部114が備えられている部分の乗降扉100の厚さと同じか僅かに広く設定されている。尚、側部ローラ252を弾性変形させて係合させる場合には、僅かに狭く設定すれば良い。
【0036】
次に、乗降口の全開状態/全閉状態における各部の動作及び係合関係について説明する。
図6は、乗降口が全開の状態における可動ホーム柵2の戸袋部200周りのホーム側から見た部分断面図であって、全開状態におけるA−A断面図に相当する。図7は、同全開状態における可動ホーム柵2の戸袋部200周りの(1)C−C断面図と、(2)D部分拡大図と、(3)E部分拡大図である。
【0037】
これらの図に示すように、乗降扉100が戸袋部200に取り付けられた状態では、乗降扉100の下部ガイドレール108が戸袋部200の下部ガイドローラ234に係合して支持されるとともに、上部ガイドレール106が揺動式上部ガイドローラ218及び固定式上部ガイドローラ224と係合する。これらの係合関係により、乗降扉100は押し出し/引き出しの際に正しく扉開閉方向に案内される。
【0038】
そして、全開状態では、乗降扉100の凸部114は戸袋部200より外に在り(図6,7では図示されていない)、対向する側部ローラ252の間には扉パネル102が挿通するのみである。この時、側部ローラ252と扉パネル102との間には、乗降扉100の移動の際に側部ローラ252が接触しない程度に十分な間隙L5が生じている。
【0039】
図8は、乗降口が全閉状態における可動ホーム柵2の戸袋部200周りをホーム側から見た部分面断面図であって、全閉状態におけるA−A断面図に相当する。図9は、乗降口が全閉状態における可動ホーム柵2の戸袋部200周りの(1)F−F断面図と、(2)G部分拡大図と、(3)H部分拡大図である。
【0040】
乗降扉100を全閉にする場合、制御装置290の制御により、モータ248が駆動プーリ242をホーム側から見て時計回りに回転するように回転制御され、所定角度だけ回転された後停止され全閉状態となる。
【0041】
この時、図8〜図9に示すように、乗降扉100の戸尻側の所定幅部分が戸袋部200内に位置し、凸部114の左右中央位置が側部ローラ252の回転軸位置にほぼ合致する位置関係となる。対向する側部ローラ252の間には、扉パネル102と2つの凸部114が位置し、側部ローラ252と凸部114との間隙は、僅かに空く量(近接状態)、或いは、弾性樹脂でできた側部ローラ252を僅かに撓ませる程度で密着する量(当接状態)に設定されている。
【0042】
よって、全閉状態において乗降扉100に対して扉面を押す方向に外力が作用しても側部ローラ252でガタツキを抑制することができる。それでありながら、扉を開閉する過程においては前述のように側部ローラ252と乗降扉100との間には間隙L5が形成されるので、側部ローラ252に係る余分なフリクションは発生せず、従来通りのスムーズで速やかな開閉動作が維持される。
【0043】
仮に、開閉動作中に乗降扉100の扉面を押す外力が作用し、側部ローラ252が凸部114の端部に乗り上げるような状況が生じたとしても、凸部114にはスロープ114aが設けられているので、端部乗り上げに伴うガタツキを抑制することができる。
【0044】
また、図10に示すように、全閉状態において乗降扉100に電車待ち中の乗客が寄り掛かるなどして上方から外力が作用すると、乗降扉100の戸尻側が持ち上がろうとするが、揺動式上部ガイドローラ218の付勢力により、揺動式上部ガイドローラ218と上部ガイドレール106、及び下部ガイドローラ234と下部ガイドレール108が密着しているのでガタツキは生じない。仮に外力が揺動式上部ガイドローラ218の付勢力を上回って一時的に乗降扉100が傾いたとしても、やがて上部ガイドレール106が固定式上部ガイドローラ224と当接して傾きが規制される。そして、当該外力が無くなれば、揺動式上部ガイドローラ218の付勢力で、乗降扉100は正常位置に自動的に復旧される。
【0045】
また、当該外力が衝撃成分を含むとしても、揺動式上部ガイドローラ218が揺動腕220ごと揺動することで衝撃成分を吸収するので、衝撃による支持構造や駆動系の狂いや故障を抑制することができる。
【0046】
よって、本実施形態によれば、全閉状態の乗降扉100へ作用する外力によるガタツキ等を抑制し、「丈夫で作りの良い可動ホーム柵」としての安心感を与えることができる。
【0047】
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明の形態が上記構成に限定されるものではなく、適宜構成の省略や変更を施すことができる。
例えば、凸部114の位置及び数などは上記実施形態に限られることなく、任意に変更設計可能である。また、例えば、上記実施形態のように側部ローラ252に対応する凸部114を個別に設けるのではなく、同じライン状に左右に配置される凸部114を、左右の凸部114を結ぶような一本の帯状の凸部として形成することもできる。更にはホーム側側面、軌道側側面に、4つの凸部114を含んだ台地状の一つの凸部を形成しても良い。
また、凸部114のスロープ114aを長手方向両端とせず、乗降扉100の押し出し方向に傾斜するスロープ114aのみ(右設置用可動ホーム柵2Rであれば、図3に向かって左側のスロープ114aのみ)としてもよい。
【0048】
また、側部ローラ252を弾性的に側部ローラステー250に支持することにより、側部ローラ252の回転軸を乗降扉100の扉面方向(ホーム側〜軌道側方向)に弾性的に変位可能な構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0049】
2 可動ホーム柵
2R 右設置用可動ホーム柵
2L 左設置用可動ホーム柵
100 乗降扉
110 上部フレーム
102 扉パネル
106 上部ガイドレール
108 下部ガイドレール
110 ベルトステー
112 コグベルト
114 凸部
114a スロープ
200 戸袋部
201 外装カバー
202 台座
204 支柱
210 上部ガイドローラブロック
212 ベース
216 揺動軸
218 揺動式上部ガイドローラ
220 揺動腕
222 スプリング
224 固定式上部ガイドローラ
230 下部ガイドローラブロック
232 ローラステー
234 下部ガイドローラ
240 ベルト駆動ブロック
242 駆動プーリ
244 従動プーリ
246 テンションプーリ
248 モータ
250 側部ガイドローラステー
252 側部ガイドローラ
290 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引き戸式の乗降扉と、前記乗降扉を開閉駆動する戸袋部とを備えた可動ホーム柵であって、
前記乗降扉は、戸尻側の所定幅部分が全閉時に前記戸袋部内に位置するよう配置構成され、
前記乗降扉は、扉面の前記所定幅部分に凸部を備え、
前記戸袋部は、前記乗降扉の全閉時に前記凸部に当接乃至近接するローラを備えた、
可動ホーム柵。
【請求項2】
前記乗降扉は、ホーム側及び軌道側の扉面それぞれの前記所定幅部分に前記凸部を備え、
前記戸袋部は、前記凸部それぞれに対応する位置に前記ローラを備える、
請求項1に記載の可動ホーム柵。
【請求項3】
前記乗降扉は、扉面の開閉方向及び/又は上下方向に異なる位置に前記凸部を備え、
前記戸袋部は、前記凸部それぞれに対応する位置に前記ローラを備える、
請求項1又は2に記載の可動ホーム柵。
【請求項4】
前記凸部は、少なくとも前記乗降扉の押し出し方向に傾斜するスロープ部を有する、
請求項1〜3の何れか一項に記載の可動ホーム柵。
【請求項5】
前記戸袋部は、
前記乗降扉を上面側及び下面側から挟持する上部ローラ部及び下部ローラ部と、
前記上部ローラ部を下方に付勢する付勢部と
を有する請求項1〜4の何れか一項に記載の可動ホーム柵。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−93434(P2011−93434A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249403(P2009−249403)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(000001292)株式会社京三製作所 (324)
【Fターム(参考)】