説明

可動式ロールスクリーン

【課題】窓開口部の遮蔽パターンを様々に変化させることができる可動式ロールスクリーンを提供することを課題とする。
【解決手段】長手方向が上下方向に配置されたフレーム10と、上端部及び下端部がフレーム10に回転自在な状態で取り付けられた巻取軸20と、巻取軸20に巻回されたスクリーン30と、スクリーン30の先端部に取り付けられたウェイトバー40とを備え、スクリーン30の先端側を巻取軸20から引き出し可能な可動式ロールスクリーン1であって、フレーム10の上端部及び下端部は、窓開口部8a,8bの上縁部及び下縁部に設けられたガイドレール6a,6bに沿って横方向に移動自在であるとともに、ウェイトバー40の上端部及び下端部は、ガイドレール6a,6b又は窓開口部8a,8b周辺に設けられた被係合部7に係合可能であることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物などの窓開口部を遮蔽するための可動式ロールスクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
建物に形成された窓開口部の遮光や目隠しのために、窓開口部を室内側から遮蔽するスクリーンとしては、窓開口部の側部にスクリーンの基端部を取り付け、スクリーンの先端部を窓開口部の上縁部及び下縁部に設けられたガイドレールに沿って移動させることで、スクリーンを水平方向に開閉させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特許3485437号公報(段落0012、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した従来のスクリーンでは、スクリーンを閉めるときに、窓開口部の側部からスクリーンが引き出されるため、窓開口部の中央部のみを遮蔽することができず、窓開口部の遮蔽パターンが限定されている。
【0005】
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、窓開口部の遮蔽パターンを様々に変化させることができる可動式ロールスクリーンを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、長手方向が上下方向に配置されたフレームと、上端部及び下端部が前記フレームに回転自在な状態で取り付けられた巻取軸と、前記巻取軸に巻回されたスクリーンと、前記スクリーンの先端部に取り付けられたウェイトバーと、を備え、前記スクリーンの先端側を前記巻取軸から引き出し可能な可動式ロールスクリーンであって、前記フレームの上端部及び下端部は、窓開口部の上縁部及び下縁部に設けられたガイドレールに沿って横方向に移動自在であるとともに、前記ウェイトバーの上端部及び下端部は、前記ガイドレール又は前記窓開口部周辺に設けられた被係合部に係合可能であることを特徴としている。
【0007】
この構成では、フレームを窓開口部の上縁部及び下縁部に沿って横方向に移動させることで、スクリーンの引き出し位置を窓開口部の中央部や両側部に変更することができ、遮蔽パターンを様々に変化させることができる。
また、ウェイトバーと被係合部との係合位置を変更することで、窓開口部に対するスクリーンの角度を変更することができるため、窓からの眺望性及び窓の通風性を確保することができる。
また、スクリーンの一面を反射面とし、窓開口部や採光用ダクトから入射した光をスクリーンの反射面に反射させる場合には、遮蔽パターンや窓開口部に対するスクリーンの角度を変更することで、窓開口部や採光用ダクトから入射した光の採光量を調節することができる。
【0008】
前記した可動式ロールスクリーンにおいて、前記フレーム内には、前記ガイドレールに押し付けられるフレーム係合部材が設けられており、前記フレーム係合部材が前記ガイドレールに押し付けられることで、前記フレームが前記ガイドレールに係合されるように構成することができる。
【0009】
この構成では、フレーム内のフレーム係合部材をガイドレールに押し付けることで、フレームを簡単に位置決めすることができる。
【0010】
前記した可動式ロールスクリーンにおいて、前記フレーム内には、前記フレーム係合部材を前記ガイドレールに押し付ける弾性部材が設けられており、前記フレームには、前記フレーム係合部材を前記弾性部材の弾性力に抗して移動させる係合解除手段を設けることができる。
【0011】
この構成では、係合解除手段を操作して、フレーム内のフレーム係合部材をガイドレールから離間させることで、フレームとガイドレールとの係合状態を解除し、フレームを移動させることができるため、遮蔽パターンを簡単に変更することができる。
【0012】
前記した可動式ロールスクリーンにおいて、前記フレーム係合部材は、前記ガイドレールに押し付けられる部位に、弾性材料で形成された固定部材が取り付けられていることが望ましい。
【0013】
この構成では、弾性材料で形成された固定部材とガイドレールとの間に生じる摩擦力によって、フレームがガイドレールに対して確実に係合するため、スクリーンを引き出すときに、フレームの安定性を高めることができる。
【0014】
前記した可動式ロールスクリーンにおいて、前記フレームの両端部の少なくとも一方に、前記ガイドレールのレール溝内を転動するローラが設けられていることが望ましい。
【0015】
この構成では、ガイドレールのレール溝内をローラが転動することで、フレームをガイドレールに対してスムーズに移動させることができる。
【0016】
前記した可動式ロールスクリーンにおいて、前記ウェイトバー内には、前記被係合部に押し付けられるウェイトバー係合部材が設けられており、前記ウェイトバー係合部材を前記被係合部に押し付けることで、前記ウェイトバーが前記被係合部に係合されるように構成することができる。
【0017】
この構成では、ウェイトバー内のウェイトバー係合部材を被係合部に押し付けることで、ウェイトバーを簡単に位置決めすることができる。
【0018】
前記した可動式ロールスクリーンにおいて、前記ウェイトバー内には、前記ウェイトバー係合部材を前記被係合部に押し付ける弾性部材が設けられており、前記ウェイトバーには、前記ウェイトバー係合部材を前記弾性部材の弾性力に抗して移動させる係合解除手段を設けることができる。
【0019】
この構成では、係合解除手段を操作して、ウェイトバー内のウェイトバー係合部材を被係合部から離間させることで、ウェイトバーと被係合部との係合状態を解除し、ウェイトバーを移動させることができるため、遮蔽パターンを簡単に変更することができる。
【0020】
前記した可動式ロールスクリーンにおいて、前記ウェイトバー係合部材は、前記被係合部に押し付けられる部位に、弾性材料で形成された固定部材が取り付けられていることが望ましい。
【0021】
この構成では、弾性材料で形成された固定部材と被係合部との間に生じる摩擦力によって、ウェイトバーが被係合部に対して確実に係合するため、引き出されたスクリーンを確実に固定することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の可動式ロールスクリーンによれば、スクリーンの引き出し位置を窓開口部の中央部や両側部に変更することができ、遮蔽パターンを様々に変化させることができる。
また、窓開口部に対するスクリーンの角度を変更することができるため、窓からの眺望性及び窓の通風性を確保することができる。
また、窓開口部や採光用ダクトから入射した光をスクリーンに反射させる場合には、遮蔽パターンや窓開口部に対するスクリーンの角度を変更することで採光量を調節することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態では、本発明の可動式ロールスクリーンを建物の出窓に適用した場合を例として説明する。
以下の説明では、出窓ユニットの全体構成を説明した後に、可動式ロールスクリーンについて詳細に説明する。
【0024】
出窓ユニット2は、図1に示すように、平面視で台形状となっており、建物の外壁面から突出している。すなわち、出窓ユニット2は、建物の躯体(壁体)に設けられた開口部Kから建物の外側に突出しており、枠3と、上部4と、下部5と、上下一対のガイドレール6a,6bと、複数の被係合部7・・・と、から構成されている。
【0025】
枠3は、アルミニウム合金製の押出形材であり、建物の躯体から張り出すとともに、建物の躯体に形成された開口部Kを囲むようにして、躯体に固定されている。本実施形態の枠3は、左右一対の袖枠ユニット3a,3aと、正面枠ユニット3bと、から構成されている。
【0026】
袖枠ユニット3aは、四角枠状に形成されており、一方の側縁部が躯体の開口部Kの側縁部に固定されている。この袖枠ユニット3aの枠部材によって囲まれた空間は、ガラス板が嵌め込まれる窓開口部8aとなっている。
正面枠ユニット3bは、四角枠状に形成されており、両側縁部が左右の袖枠ユニット3a,3aにそれぞれ固定されている。この正面枠ユニット3bの枠部材に囲まれた空間は、ガラス板が嵌め込まれる窓開口部8bとなっている。
【0027】
上部4及び下部5は、平面視で台形状に形成されており、枠3の上面及び下面に取り付けられている。上部4は、例えば、天板や屋根カバーなどであり、枠3の上面を覆うように設けられている。また、下部5は、例えば、受台カバーや地板などであり、枠3の下面を覆うように設けられている。上部4と下部5とは対向して平行に設けられている。
【0028】
ガイドレール6a,6bは、窓開口部8a,8bの上縁部及び下縁部の内側に設けられたレール部材であり、アルミニウム合金製の押出形材によって形成されている。
上下のガイドレール6a,6bは、窓開口部8a,8bの上縁部及び下縁部に沿って平面視で略コの字形状に形成されており、上側のガイドレール6aと下側のガイドレール6bとは対向して平行に設けられている。
上側のガイドレール6aには、図2(b)に示すように、下向きに開口したレール溝6rが形成されている。このレール溝6rは、ガイドレール6aの幅方向の中央部に開口したスリット状の開口部と、この開口部よりも溝幅が広く形成された内部と、が形成されている。
下側のガイドレール6bは、前記した上側のガイドレール6aと同じ構成であり、上下の向きが反対に取り付けられている。
【0029】
被係合部7は、後記する可動式ロールスクリーン1のウェイトバー40と係合する部位であり、図1に示すように、出窓ユニット2のガイドレール6a,6b、上部4及び下部5に設けられた穴部である。
【0030】
上下のガイドレール6a,6bのレール溝6r(図2(b)参照)の底面には、複数の被係合部7・・・がレール溝6rに沿って所定の間隔で形成されている。上側のガイドレール6aの各被係合部7・・・と、下側のガイドレール6bの各被係合部7・・・は、それぞれ上下に対向する位置に形成されている。上下のガイドレール6a,6bにおいて、被係合部7が設けられた部位は、レール溝6rの開口部が広く切り欠かれている。
【0031】
上部4及び下部5において、建物の開口部Kに接続された縁部には、複数の被係合部7・・・が縁部に沿って所定の間隔で形成されている。上部4の各被係合部7・・・と、下部5の各被係合部7・・・は、それぞれ上下に対向する位置に形成されている。
【0032】
なお、上下一対の被係合部7,7の位置や数は限定されるものではない。後記するように、上下一対の被係合部7,7にウェイトバー40が係合されることで、スクリーン30の角度が定まるため、この点を考慮して、被係合部7の位置や数が設定されている。
【0033】
可動式ロールスクリーン1は、長手方向が上下方向に配置されたフレーム10と、上端部及び下端部がフレーム10に回転自在な状態で取り付けられた巻取軸20と、この巻取軸20に巻回されたスクリーン30と、このスクリーン30の先端部に取り付けられたウェイトバー40と、を備えており、スクリーン30の先端側を巻取軸20から引き出し可能となっている。
【0034】
フレーム10は、図2(a)及び(b)に示すように、四角筒状のフレーム本体11と、このフレーム本体11の上面に設けられたガイドローラ12と、フレーム本体11の下面から突出しているフレーム係合部材13と、を備えている。
【0035】
フレーム本体11は、アルミニウム合金製の部材であり、図1に示すように、上下のガイドレール6a,6bの間に収まる高さに形成されている。
フレーム本体11の上端部及び下端部には、出窓ユニット2の建物側に張り出した巻取軸支持部11a,11aが設けられている。
フレーム本体11の上面には、滑り止め用の固定部材11bが貼着されている。この固定部材11bは、弾性材料を用いて形成されており、本実施形態ではゴムシートを用いている。
【0036】
ガイドローラ12は、図3(a)及び(b)に示すように、フレーム本体11の上面に立設されたローラ支持部12aと、ローラ支持部12aの両側部に回転自在に取り付けられた四体のローラ12b・・・とを備えている。各ローラ12b・・・は、上側のガイドレール6aのレール溝6r内に収容されており、各ローラ12b・・・がレール溝6rの下面を転動することで、ガイドローラ12はガイドレール6aに沿って移動可能となっている。
【0037】
フレーム係合部材13は、アルミニウム合金製の棒状部材であり、フレーム本体11内に挿入され、下部はフレーム本体11の下面に形成された孔部から突出して、下側のガイドレール6bのレール溝6r内に挿入されている。
【0038】
フレーム係合部材13の上端部には、横方向に突出した可動レバー13aが形成されている。可動レバー13aの先端部は、フレーム本体11の側壁に形成された開口部11cから外部に突出している。
フレーム本体11の開口部11cは、上下方向に延びているため、可動レバー13aを開口部11c内で上下方向に移動させることができる。なお、フレーム本体11の開口部11cの上縁部には、可動レバー13aに対向するように固定レバー11dが横方向に突出している。
【0039】
フレーム係合部材13の下端部には、拡径された円板状の当接部13bが形成されている。この当接部13bの直径は、下側のガイドレール6bの開口部の溝幅よりも大きく形成されている。また、当接部13bの下面には、滑り止め用の固定部材13cが貼着されている。この固定部材13cは、弾性材料を用いて形成されており、本実施形態ではゴムシートを用いている。
【0040】
フレーム係合部材13において、フレーム本体11内に収容されている部位には、拡径されたコイルばね支持部13dが形成されている。
また、フレーム本体11の内面において、開口部11cよりも下側の位置には、内面から突出した縮径部11eが形成されている。フレーム係合部材13のコイルばね支持部13dは、フレーム本体11の縮径部11eよりも下側に配置されており、縮径部11eとコイルばね支持部13dとの間にコイルばね14が配置されている。
【0041】
コイルばね14は、軸方向に伸縮自在な公知の弾性部材であり、上端部はフレーム本体11の縮径部11eの下面に係合され、下端部はフレーム係合部材13のコイルばね支持部13dの上面に係合されている。
そして、図2(a)及び(b)に示すように、コイルばね14の弾性力によってフレーム本体11は押し上げられ、フレーム本体11の上面が上側のガイドレール6aに押し付けられる。このとき、ガイドローラ12の各ローラ12b・・・は、レール溝6rの内面から離間した状態となる。
また、コイルばね14の弾性力によってフレーム係合部材13は押し下げられ、当接部13bの下面に設けられた固定部材13cが下側のガイドレール6bに押し付けられる。
このように、フレーム本体11及びフレーム係合部材13を上下のガイドレール6a,6bに押し付けて係合することで、フレーム10を上下のガイドレール6a,6bの任意の位置に取り付けることができる。
【0042】
フレーム10と上下のガイドレール6a,6bとの係合状態を解除するときには、図3(a)及び(b)に示すように、フレーム本体11の外面に突出した可動レバー13aを手動で上方に移動させて、フレーム係合部材13を上方に移動させることで、コイルばね14をコイルばね支持部13dによって押し込んで収縮させる。
なお、フレーム本体11の固定レバー11dと可動レバー13aとを片手で摘んで、固定レバー11dに対して可動レバー13aを引き寄せることによって、フレーム係合部材13を簡単に移動させることができる。
【0043】
フレーム係合部材13が上方に移動し、当接部13bが下側のガイドレール6bのレール溝6rの内面から離間すると、ガイドローラ12の各ローラ12b・・・が上側のガイドレール6aのレール溝6rの内面に当接し、フレーム10が上側のガイドレール6aに吊り下げられた状態となる。これにより、フレーム本体11及びフレーム係合部材13の各固定部材11b,13cが各ガイドレール6a,6bから離間し、フレーム10と上下のガイドレール6a,6bとの係合状態が解除される。
すなわち、フレーム係合部材13の可動レバー13aは、フレーム係合部材13をコイルばね14の弾性力に抗して移動させるための操作子であり、フレーム10と上下のガイドレール6a,6bとの係合状態を解除する係合解除手段を構成するものである。
【0044】
フレーム10とガイドレール6a,6bとの係合が解除された状態では、ガイドローラ12の各ローラ12b・・・が上側のガイドレール6aのレール溝6r内を転動可能となっている。すなわち、フレーム10の上端部及び下端部は、上下のガイドレール6a,6bに沿って横方向に移動自在となっている。
そして、フレーム10を上下のガイドレール6a,6bに沿って移動させた後に、可動レバー13aから手を離すと、図2(a)及び(b)に示すように、コイルばね14の弾性力によってフレーム10が上下のガイドレール6a,6bに押し付けられて係合した状態となる。
【0045】
巻取軸20は、図1に示すように、上端部及び下端部がフレーム10の巻取軸支持部11a,11aに回転自在な状態で取り付けられている。この巻取軸20は、図示しない渦巻きばねやコイルばねによって、一方向に向けて回転力が付与されている。
【0046】
スクリーン30は、巻取軸20に巻回されており、スクリーン30の先端側を引き出し可能となっている。スクリーン30は、巻取軸20に付与された回転力の回転方向と同一方向に巻回されている。すなわち、引き出されたスクリーン30には巻取方向に引張力が作用しているため、スクリーン30は撓むことなく張られた状態となる。
また、本実施形態では、スクリーン30の片面に反射面が形成されている。この反射面は、例えば、アルミニウムや銀などの金属を蒸着したものや、プラスチックやポリエステルフィルムなどの樹脂素材に金属を蒸着したものである。
【0047】
ウェイトバー40は、スクリーン30の先端縁に取り付けられた棒状部材であり、図4(a)に示すように、円筒状のウェイトバー本体41と、このウェイトバー本体41の上面に設けられた上側当接部42と、ウェイトバー本体41の下面から突出しているウェイトバー係合部材43と、を備えている。
【0048】
ウェイトバー本体41は、アルミニウム合金製の円筒状部材であり、図1に示すように、出窓ユニット2の上部4と下部5との間に収まる高さに形成されている。
【0049】
上側当接部42は、図4(a)に示すように、ウェイトバー本体41の上面に立設された円柱状の部材であり、上端部は拡径されており、その上面に滑り止め用の固定部材42aが貼着されている。この固定部材42aは、弾性材料を用いて形成されており、本実施形態ではゴムシートを用いている。また、上側当接部42は、被係合部7内に挿入可能な大きさに形成されている。
【0050】
ウェイトバー係合部材43は、アルミニウム合金製の棒状部材であり、ウェイトバー本体41内に挿入され、下部はウェイトバー本体41の下面に形成された孔部から突出している。
【0051】
ウェイトバー係合部材43の上端部には、横方向に突出した可動レバー43aが形成されている。この可動レバー43aの先端部は、ウェイトバー本体41の側壁に形成された開口部41aから外部に突出している。
ウェイトバー本体41の開口部41aは上下方向に延びているため、可動レバー43aを開口部41a内で上下方向に移動させることができる。なお、ウェイトバー本体41の開口部41aの上縁部には、可動レバー43aに対向するように固定レバー41bが突出している。
【0052】
ウェイトバー係合部材43の下端部には、拡径された下側当接部43bが形成されている。下側当接部43bの下面には、固定部材43cが貼着されている。この固定部材43cは、弾性材料を用いて形成された滑り止め用の部材であり、本実施形態ではゴムシートを用いている。
【0053】
ウェイトバー係合部材43においてウェイトバー本体41に収容されている部位には、拡径されたコイルばね支持部43dが形成されている。このコイルばね支持部43dは、ウェイトバー本体41の内部に配置されている。
また、ウェイトバー本体41の内面において、開口部41aよりも下側の位置には、内面から突出した縮径部41cが形成されている。ウェイトバー係合部材43のコイルばね支持部43dは、ウェイトバー本体41の縮径部41cよりも下側に配置されており、縮径部41cとコイルばね支持部43dとの間にコイルばね44が配置されている。
【0054】
コイルばね44は、軸方向に伸縮自在な公知の弾性部材であり、上端部はウェイトバー本体41の縮径部41cの下面に係合され、下端部はウェイトバー係合部材43のコイルばね支持部43dの上面に係合されている。
そして、コイルばね44の弾性力によってウェイトバー本体41は押し上げられ、上側当接部42の固定部材42aは、上部4の被係合部7内に押し付けられる。
また、コイルばね44の弾性力によってウェイトバー係合部材43は押し下げられ、下側当接部43bの固定部材43cは、下部5の被係合部7内に押し付けられる。
このように、ウェイトバー係合部材43を上下一対の被係合部7,7に押し付けて係合することで、ウェイトバー40を任意の被係合部7,7に取り付けることができる。
【0055】
ウェイトバー40と被係合部7,7との係合状態を解除するときには、図4(b)に示すように、ウェイトバー本体41の外面に突出した可動レバー43aを手動で上方に移動させて、ウェイトバー係合部材43を上方に移動させることで、コイルばね44をコイルばね支持部43dによって押し込んで収縮させる。
なお、ウェイトバー本体41の固定レバー41bと可動レバー43aとを片手で摘んで、固定レバー41bに対して可動レバー43aを引き寄せることで、ウェイトバー係合部材43を簡単に移動させることができる。
【0056】
ウェイトバー係合部材43が上方に移動すると、ウェイトバー40が上部4と下部5との間に収まる高さに収縮され、ウェイトバー40と上下一対の被係合部7,7との係合状態が解除される。
すなわち、ウェイトバー係合部材43の可動レバー43aは、ウェイトバー係合部材43をコイルばね44の弾性力に抗して移動させるための操作子であり、ウェイトバー40と被係合部7との係合を解除する係合解除手段を構成するものである。
【0057】
ウェイトバー40と上下一対の被係合部7,7との係合が解除された状態では、ウェイトバー40全体が上部4と下部5との間に収まる高さとなっているため、ウェイトバー40を横方向に移動自在となる。
そして、ウェイトバー40を移動させた後に、上下一対の被係合部7,7の間で可動レバー43aから手を離すと、図4(a)に示すように、コイルばね44の弾性力によってウェイトバー40が上下一対の被係合部7,7に押し付けられて係合した状態となる。
【0058】
以上のような可動式ロールスクリーン1によれば、図5に示すように、フレーム10を窓開口部8a,8bの上縁部及び下縁部に沿って横方向に移動させることで、スクリーン30の引き出し位置を窓開口部8a,8bの中央部や両側部に変更することができ、遮蔽パターンを様々に変化させることができる。
また、ウェイトバー40と被係合部7との係合位置を変更することで、窓開口部8a,8bに対するスクリーン30の角度を変更することができるため、窓からの眺望性及び窓の通風性を確保することができる。
また、遮蔽パターンや窓開口部8a,8bに対するスクリーン30の角度を変更し、スクリーン30の片面に形成された反射面の角度を調節することで、窓開口部8a,8bや採光用ダクトから入射した光の採光量を調節することができる。
【0059】
また、図2(a)及び(b)に示すように、フレーム本体11からフレーム係合部材13を伸長させて、フレーム10の上面及びフレーム係合部材13を上下のガイドレール6a,6bに押し付けて係合させることで、フレーム10を簡単に位置決めすることができる。
このとき、フレーム本体11の上面及び当接部13bに貼着された固定部材11b,13cと、上下のガイドレール6a,6bとの間に生じる摩擦力によって、フレーム10が上下のガイドレール6a,6bに対して確実に係合するため、スクリーン30を引き出すときに、フレーム10の安定性を高めることができる。
【0060】
また、図4(a)に示すように、ウェイトバー本体41からウェイトバー係合部材43を伸長させて、ウェイトバー40の上側当接部42及びウェイトバー係合部材43を上下一対の被係合部7,7に押し付けて係合させることで、ウェイトバー40を簡単に位置決めすることができる。
このとき、上側当接部42及びウェイトバー係合部材43の下側当接部43bに貼着された固定部材42a,43cと上下の被係合部7,7との間に生じる摩擦力によって、ウェイトバー40が被係合部7に対して確実に係合するため、引き出されたスクリーン30(図1参照)を確実に固定することができる。
【0061】
また、図3(a)及び(b)に示すように、フレーム10の可動レバー13aを操作して、フレーム10内のフレーム係合部材13を移動させることで、フレーム10と上下のガイドレール6a,6bとの係合状態を解除し、フレーム10を移動させることができるため、遮蔽パターンを簡単に変更することができる。
なお、フレーム10を移動させるときには、ガイドレール6aのレール溝6r内をガイドローラ12の各ローラ12b・・・が転動することで、フレーム10をガイドレール6bに対してスムーズに移動させることができる。
【0062】
また、図4(b)に示すように、ウェイトバー40の可動レバー43aを操作して、ウェイトバー40内のウェイトバー係合部材43を移動させることで、ウェイトバー40と被係合部7,7との係合状態を解除し、ウェイトバー40を移動させることができるため、遮蔽パターンを簡単に変更することができる。
【0063】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に設計変更が可能である。
例えば、本実施形態では、図1に示すフレーム10、巻取軸20、ウェイトバー40がアルミニウム合金で形成されているが、可動式ロールスクリーン1の各部品は金属製に限定されるものではなく、樹脂製の部品を用いることもできる。
【0064】
また、本実施形態では、図3(a)に示すように、フレーム10の上部にガイドローラ12が設けられているが、フレーム10の下部にガイドローラ12を設けてもよく、さらには、フレーム10の上部及び下部の両方にガイドローラ12を設けてもよい。
【0065】
また、本実施形態では、スクリーン30の片面を反射面としているが、遮光のみを目的とした可動式ロールスクリーン1では反射面を設ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本実施形態の出窓ユニット及び可動式ロールスクリーンを示した斜視図である。
【図2】本実施形態のフレームとガイドレールとの係合状態を示した図で、(a)は正面断面図、(b)は側断面図である。
【図3】本実施形態のフレームとガイドレールとの係合を解除した状態を示した図で、(a)は正面断面図、(b)は側断面図である。
【図4】本実施形態のウェイトバーを示した図で、(a)はウェイトバーと被係合部との係合状態を示した側断面図、(b)はウェイトバーと被係合部との係合を解除した状態を示した側断面図である。
【図5】本実施形態の可動式ロールスクリーンにおける遮光パターンを示した説明図である。
【符号の説明】
【0067】
1 可動式ロールスクリーン
2 出窓ユニット
3 枠
4 上部
5 下部
6a 上側のガイドレール
6b 下側のガイドレール
6r レール溝
7 被係合部
8a 窓開口部
8b 窓開口部
10 フレーム
11 フレーム本体
11b 固定部材
12 ガイドローラ
12a ローラ支持部
12b ローラ
13 フレーム係合部材
13a 可動レバー
13b 当接部
13c 固定部材
20 巻取軸
30 スクリーン
40 ウェイトバー
41 ウェイトバー本体
42 上側当接部
42a 固定部材
43 ウェイトバー係合部材
43a 可動レバー
43b 下側当接部
43c 固定部材
K 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向が上下方向に配置されたフレームと、
上端部及び下端部が前記フレームに回転自在な状態で取り付けられた巻取軸と、
前記巻取軸に巻回されたスクリーンと、
前記スクリーンの先端部に取り付けられたウェイトバーと、を備え、
前記スクリーンの先端側を前記巻取軸から引き出し可能な可動式ロールスクリーンであって、
前記フレームの上端部及び下端部は、窓開口部の上縁部及び下縁部に設けられたガイドレールに沿って横方向に移動自在であるとともに、
前記ウェイトバーの上端部及び下端部は、前記ガイドレール又は前記窓開口部周辺に設けられた被係合部に係合可能であることを特徴とする可動式ロールスクリーン。
【請求項2】
前記フレーム内には、前記ガイドレールに押し付けられるフレーム係合部材が設けられており、前記フレーム係合部材が前記ガイドレールに押し付けられることで、前記フレームが前記ガイドレールに係合されることを特徴とする請求項1に記載の可動式ロールスクリーン。
【請求項3】
前記フレーム内には、前記フレーム係合部材を前記ガイドレールに押し付ける弾性部材が設けられており、
前記フレームには、前記フレーム係合部材を前記弾性部材の弾性力に抗して移動させる係合解除手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の可動式ロールスクリーン。
【請求項4】
前記フレーム係合部材は、前記ガイドレールに押し付けられる部位に、弾性材料で形成された固定部材が取り付けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の可動式ロールスクリーン。
【請求項5】
前記フレームの両端部の少なくとも一方に、前記ガイドレールのレール溝内を転動するローラが設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の可動式ロールスクリーン。
【請求項6】
前記ウェイトバー内には、前記被係合部に押し付けられるウェイトバー係合部材が設けられており、前記ウェイトバー係合部材を前記被係合部に押し付けることで、前記ウェイトバーが前記被係合部に係合されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の可動式ロールスクリーン。
【請求項7】
前記ウェイトバー内には、前記ウェイトバー係合部材を前記被係合部に押し付ける弾性部材が設けられており、
前記ウェイトバーには、前記ウェイトバー係合部材を前記弾性部材の弾性力に抗して移動させる係合解除手段が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の可動式ロールスクリーン。
【請求項8】
前記ウェイトバー係合部材は、前記被係合部に押し付けられる部位に、弾性材料で形成された固定部材が取り付けられていることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の可動式ロールスクリーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−95892(P2010−95892A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−266763(P2008−266763)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【出願人】(000004743)日本軽金属株式会社 (627)
【Fターム(参考)】