説明

可変圧縮による適応索引に対する最近接探索

【課題】
【解決手段】
探索システムは、ユーザにより入力される位置に最近接する木に格納されたオブジェクトを見つけるために木のノードを探索できる。木は、木のノードがオブジェクトの部分集合を囲んでいるバウンディングボックスに対応するようにインタレースされた座標を有するオブジェクトキーを用いて構成される。探索アルゴリズムは、ある位置に対する最近接オブジェクトを見つけられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、以下の同時継続の出願:2006年6月30日出願の、Tsia Kuznetsov等による「可変圧縮による適応索引」という名称の米国仮出願番号60/806,366(Attorney Docket No. TELA-07780US0);2006年6月30日出願の、Tsia Kuznetsov等による「可変圧縮による適応索引における最近傍検索」という名称の米国仮出願番号60/806,367(Attorney Docket No. TELA-07781US0);2007年6月28日出願の、Tsia Kuznetsov等による「可変圧縮による適応索引」という名称の米国特許出願番号11/770,058(Attorney Docket No. TELA-07780US1);及び、2007年6月28日出願の、Tsia Kuznetsov等による「可変圧縮による適応索引における最近傍検索」という名称の米国特許出願番号11/770,426(Attorney Docket No. TELA-07781US1)、の優先権を主張するものであり、それらの内容は、本願に合体されるものである。
【背景技術】
【0002】
多くのアプリケーションは、ユーザに対して空間探索サービスを提供するために、格納された空間データを使用できる。アプリケーションは、移動マッピングシステム又は固定マッピングシステムを含むことができる。移動マッピングシステム又は固定マッピングシステムは、マップレンダリング、空間オブジェクト探索、経路探索、方向及び位置決めを含むことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多くの場合、ユーザは、所定の座標系においてオブジェクトの場所を特定し、そのオブジェクトに関するより多くの情報の取得を要求する。多くのオブジェクトを含む複雑なデータベースにおいて、入力位置に最近接するオブジェクトを迅速に見つけることが問題となる場合がある。特に、システムがモバイルナビゲーション装置のようにメモリを制約される場合に問題となる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】本発明の探索を使用するマップに基づくシステムを示す図である。
【図2A】本発明の一実施形態の木の構成を示す図である。
【図2B】本発明の一実施形態の木の構成を示す図である。
【図2C】本発明の一実施形態の木の構成を示す図である。
【図2D】本発明の一実施形態の木の構成を示す図である。
【図2E】本発明の一実施形態の木の構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態の探索方法を示すフローチャートである。
【図4A】ノードに対するバウンディングボックスの一例を示す。
【図4B】ノードに対するバウンディングボックスの一例を示す。
【図5A】一実施形態の好適な探索を示す図である。
【図5B】一実施形態の好適な探索を示す図である。
【図5C】一実施形態の好適な探索を示す図である。
【図5D】一実施形態の好適な探索を示す図である。
【図5E】一実施形態の好適な探索を示す図である。
【図5F】一実施形態の好適な探索を示す図である。
【図6】ノードが除外情報等の他の探索基準の指示を含む一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の一実施形態は、最近接オブジェクトに関する木102のノードを探索する探索システムを含むコンピュータにより実現される方法である。木のノード各々が空間座標キーを有するオブジェクトの部分集合を囲んでいるバウンディングボックス(bounding box)に対応するように、木は、それらオブジェクトの集合に対して構成される。探索により、ある位置に対する最近接オブジェクトが見つけられる。
【0006】
一実施形態において、根の下の木ノードのバウンディングボックスは、オブジェクトが存在する領域のみを範囲に含む。これにより、オブジェクトの格納及び潜在的な最近接オブジェクトの検索が最適化される。同様に、一実施形態において、子ノードのバウンディングボックスは、オブジェクトが存在する領域のみを範囲に含む。根ノードのバウンディングボックスは、関連するオブジェクトを有さないいくつかの領域を含まないようなバウンディングボックスである。
【0007】
一実施形態において、緯度及び経度の座標が使用される。例えば、緯度及び経度の座標の数字は、以下に説明するように文字列キーにインタレース(interlace)される。
【0008】
符号化オブジェクトキーの精度は、根から葉までのパス上のノード毎に向上する。関連するバウンディングボックスの範囲は、根から葉に向けて減少する。範囲は、座標キーシステムに固有である。例えば、範囲は、所定の方向に対するキーの最高精度における距離の1つの単位である。以下に説明するインタレースされた座標系の一例は、子ノード毎に1/10に減少するいずれかの座標方向のバウンディングボックスの範囲を有する。
【0009】
別の実施形態において、格納された範囲値が使用される。
【0010】
一実施形態において、葉ノードは、複数のオブジェクトを指し示すことができる。木は、所定の基準に基づいて葉のオブジェクト数を最大限にする傾向がある葉ノードを与えるように構成される。一実施形態において、指定される枝刈り基準は、各木ノードが少なくとも子孫のオブジェクトであり、そうでない場合には、枝は枝刈りされ、オブジェクトは葉ノードに割り当てられる。
【0011】
最大の探索半径値は、探索を制限するように維持される。探索半径値は、バウンディングボックス情報に基づいて減少される。ある位置から各ノードまでの最短距離及び最長距離は、ノードのバウンディングボックスを用いて計算される。ノードは、最大探索半径値に基づいて考慮の対象から外される。一例において、バウンディングボックスが最大探索半径より長いある位置からの最短距離を有するノードは無視される。
【0012】
ノードに対するオブジェクトキー情報は、バウンディングボックスの角の位置及び範囲を符号化するのに十分である。一例において、座標情報がインタレースされる場合、ノードのバウンディングボックスの左下の角等の角は、デインタレースされた座標により決められ、各座標に対するバウンディングボックスの範囲は、座標の構成から決められる。
【0013】
コンピュータにより実現される方法は、マップシステム100又はナビゲーションシステムの一部である。オブジェクトは、道路区間、地点情報(POI)又は他の空間オブジェクト等の空間オブジェクトを含むことができる。空間オブジェクトは、1つ以上の座標により示される。
【0014】
本発明の一実施形態は、アプリケーション104を具備するシステム100である。アプリケーション104は、位置を取得するためのインタフェースを含むことができる。アプリケーションは、最近接オブジェクトに対する木のノードを探索する空間探索を使用できる。木のノードがオブジェクトの部分集合を囲んでいるバウンディングボックスに対応するように、木102は、座標により符号化された空間キーに基づいてもよい。探索により、ある位置に対する最近接オブジェクトが見つけられる。
【0015】
アプリケーション104は、マップディスプレイ102を有することができる。アプリケーションは、ユーザに対して情報を伝えるために、聴覚プレゼンテーション等の非視覚的な手段を使用できる。
【0016】
オブジェクト座標が木を作成するのに使用される方法の一例を以下のように与える。
【0017】
緯度及び経度からキーを作成するために以下を行なう。
1.10進数を地球の円周を表す所定のビット数の整数座標に変換する。
2.座標を正の空間に移動する。
3.各整数を文字列に変更する。
4.長さを等しくするために各文字列の先頭に「0」を付加する。
5.緯度及び経度の10進数字をインタレースしてキー文字列とすることにより探索キーを作成する。
緯度の文字列が「00123」を含むと仮定する。
経度の文字列が「00078」を含むと仮定する。
結果として得られるインタレースされた文字列キーは「0000102738」となる。
【0018】
この空間キーは、座標索引aを構築するのに用いられる。キーの精度は、根から葉までのパス上のノード毎に向上する。
【0019】
格納及び検索の最適化のために、索引の葉ノードキーは、親のキーと等しくなるように切り捨てられ、葉はマージさせられる。これにより、探索は、オブジェクトストアに対するオブジェクト参照に従う必要がある。なお、オブジェクトストアは、最近接オブジェクトの選択時の最終ステップである。
【0020】
最近接探索は、木102上で実現される。探索パス上の各ノードのバウンディングボックスは、ノードの空間キーから復元されうる。空間探索に関するノードのバウンディングボックスを検索するために以下を行なう。
各木ノードは、キーのプレフィックスを格納でき、キープレイフィックスは根において最低の精度を有し、葉において最高の精度を有する。可変圧縮による適応索引において、ノード毎の完全なキーが根からノードまでの全てのキープレフィックスの連結となるように、それらのキープレフィックスは減少されうる。この連結により、そのノードに対する完全なキーが得られ、ノードの各キーは、左下の角及びノードのバウンディングボックスの範囲を符号化できる。
【0021】
一実施形態において、ノードの左下の角及びバウンディングボックスの空間範囲を算出するために以下を行なう。
ノードの空間キーをデインタレースし、結果として得られる緯度及び経度の文字列に欠落している「0」を付加して左下の角を表す全長(この例においては5)とする。
a)一例において、ノードキーが「0000102」であると仮定すると、緯度は「00120」である。ここで付加された「0」は、ノードの子の緯度が120〜129であるため、ノードの緯度の範囲は10の1乗であることを意味する。経度は「00000」である。ここで付加された「00」は、ノードの子の経度が0〜99であるため、ノードの経度の範囲は10の2乗であることを意味する。
b)別の例において、ノードキーが「00001027」であると仮定すると、緯度は「00120」であり、ノードの子の緯度は120〜129であるため、ノードの緯度の範囲は10の1乗である。経度は「00070」であり、ノードの子の経度は70〜79であるため、ノードの経度の範囲は10の1乗である。
【0022】
ノードの左下の角の算出を完了するために、文字列の緯度及び経度を整数座標に変換し、整数を元の座標空間に戻す。
【0023】
ノードのバウンディングボックスは、空間範囲及び左下の角の整数の緯度及び経度の座標から算出される。
【0024】
図2A〜図2Eは、木の構成の一例を示す。
【0025】
図2Aは、Xで示す道路区間点を含む好適なマップを示す。図2Bに示すように、参照点座標の緯度及び経度は、インタレースされてキーになる。キーは、図2Cに示すようにノード木を構成するために使用されうる。各ノードにおけるキーの一部は、上述のようにノードに対するバウンディングボックスを復号化するために使用されうる。図2Cの例において、ノード210(0000102738)は図2Aのバウンディングボックス202に対応する。ノード212(000010273)は図2Aのバウンディングボックス204に対応する。ノード214(00001027)は図2Aのバウンディングボックス206に対応する。
【0026】
葉ノード210は、オブジェクトストア216のオブジェクトを指し示すことができるか、あるいはオブジェクトを直接格納できる。オブジェクトは、名前及び他の情報、並びに1つ以上の座標を含むことができる。一例において、オブジェクト座標は、道路区間の中点又は終点であってもよい。ポインタは、バウンディングボックス202において特定の緯度及び経度の座標を有するオブジェクトの場所を特定するために使用される。
【0027】
2006年6月30日に出願され且つ本明細書に参考として取り入れられている米国特許出願第60/806,366号公報(Attorney Docket No. TELA-07780US0に対応する)「ADAPTIVE INDEX WITH VARIABLE COMPRESSION」において説明されるように、葉ノードはオブジェクトに対する複数の参照を含むことができる。図2Dの例において、葉ノードはバウンディングボックス204の2つのオブジェクトを指し示す。図2Eの例において、葉ノードはバウンディングボックス206の26個のオブジェクトを指し示す。
【0028】
ノード木に対する好適な探索について以下に説明する。
【0029】
適応圧縮された索引に対する空間探索
座標の緯度、経度を有する点Pを仮定する。
根ノードrを読み出し、そのバウンディングボックスを復元する。
Pから根の最も遠い場所までの最大半径maxRを算出する。
ReturnValueは組(オブジェクト(object),距離(distance))であってもよい。これは以下の手順により算出されうる。
(object,distanceToObject)=FindNearestObject()(木ノード(tree-node),maxR)
ノード(node)が葉(leaf)である場合;
最近接オブジェクト及びdistanceToObjectを取得する;
distanceToObject<maxRの場合、更新する:
maxR=distanceToObject
return(object,distanceToObject)
子ノード(child nodes)を読み出す
各子ノードに対してPまでの距離、minD及びmaxDを算出する
minD>maxRを有する子を考慮の対象から外す
ルートrの下、以下の子ノードが最初に考慮される
(a,minD,maxD)
(f,minD,maxD)
(h,minD,maxD)
maxRを子のmaxDの最小値まで減少する
minDで子アレイをソートする
子アレイが空でなく且つmin(子のminD)<maxRの場合に以下を行なう
最小のminDを有する子ノード(child-node)を選択する;
(object,distanceToObject)=FindNearestObject(子ノード,maxR)
Return(object,distanceToObject)
【0030】
図3は、好適な探索を示すフローチャートの一例を示す。
【0031】
図4Aは、図4Bの木に対するバウンディングボックスを示す。図4Aは、子ノードに対するバウンディングボックスが親ノード内にネストされる方法を示す。バウンディングボックスの大きさは、縮尺したものではない。
【0032】
図5A〜図5Fは、好適な探索を示す。点Pは、カーソル選択、タッチスクリーン選択又は別の入力手段等のユーザ入力から決められうる。点Pは、全地球測位システム(GPS)又は他の位置決めシステムから取得されうる。図5A〜図5Fに示すステップは、点Pに対する最近接オブジェクトを見つけるために木構造を探索する方法を示す。
【0033】
図5A(図3のステップ302に対応する)において、maxRは点Pから根ノードのバウンディングボックスの最も遠い角までの距離となるように決められる。根(ノードr)が葉ノードでないため、図3のステップ304において、ノードの子ノード(ノードa、f、h)が取得される。
【0034】
子ノードの各バウンディングボックスに関する最長距離及び最短距離が取得されうる(ステップ306)。図5Aに示すように、最長距離は点Pからバウンディングボックスの最も遠い角までの線の距離に対応してもよい。最短距離は、可能であれば、点Pから緯度又は経度の値に沿うバウンディングボックスの辺までの直線であってもよいし、また、そのような緯度又は経度に沿う線が存在しなければ、バウンディングボックスの最近接の角までの線であってもよい。
【0035】
maxRは、子ノードの最短のmaxDが現時点のmaxRより小さければ、そのmaxDに設定される(図3のステップ308)。minDがmaxRより大きい子ノードは削除される。図5Bにおいて、ノードh及びその子は無視されうる。他のノードは、最近接オブジェクトを含む可能性が最も高いノードが最初に調査されるように、minDの値の昇順のリストに配置される(図3のステップ310)。従って、この時点におけるリストは{a,f}である。
【0036】
図5Cにおいて、ノードaの子ノードがチェックされる。図5Dにおいて、maxRはバウンディングボックスbのmaxDに設定される。この時点におけるリストは{b,f}である。
【0037】
図5Eにおいて、ノードbの子がチェックされ、リストは{e,f}になる。
【0038】
図5Fにおいて、ノードeが葉ノードであるため、ノードeのオブジェクトは、点Pに対する最近接オブジェクトを見つけるためにチェックされる。ノードeは、オブジェクトストアのオブジェクトに対するポインタを複数有することができる。それらは、ノードeにおいて最近接オブジェクトを見つけるためにチェックされうる。これは、図3のステップ320に対応する。オブジェクトまでの距離が現時点のmaxRより小さいため、maxRはオブジェクトまでの距離に設定される。この時点におけるリストは{f}である。
【0039】
その後、ノードfがチェックされ、子ノードgを有することが判明する。ノードgはminD>maxRを有するため、この方法は終了し、ノードeにおいて見つけられたオブジェクトのうちの最近接オブジェクトがその位置に対する最近接オブジェクトとなるように決められる。ユーザは、マップディスプレイ、メニュー又は他の種類のユーザインタフェースを介してこのオブジェクトの指示を与えられうる。例えば、道路名がユーザに対して表示され且つ道路がマップ上で強調表示されるか、又は道路名がテキスト音声デジタイザを介して出力される。
【0040】
一実施形態において、木ノードは他の探索基準の指示を格納できる。最近接探索は、その指示を使用してn次元探索を実現できる。例えば、一実施形態において、探索はカテゴリによりフィルタリングされる。指示は、ノードのバウンディングボックスに含まれるか又は含まれないカテゴリの指示を含むことができる。
【0041】
例えば、ある位置に対して最近接するレストランに関する探索では、子にレストランが存在することを示さないノードは探索木から削除される。
【0042】
一実施形態において、ノードはPOIカテゴリ除外情報を格納できる。これは、特定のカテゴリの探索を単純化し且つ高速化するためである。除外情報は、ノードに関するバウンディングボックスのオブジェクトがカテゴリに存在しないことを示すことができる。
【0043】
図6は一例を示す。この例において、ここで示す木セグメントにおける探索は、レストランの探索であればノード602で停止でき、ガソリンスタンドの探索であればノード604で停止できる。除外情報等の他の探索基準の指示は、ノード木の作成時に実現されうる。
【0044】
コンピュータ技術者には明らかとなるように、一実施形態は、本開示の教示に従ってプログラムされた従来の汎用又は専用デジタルコンピュータ又はマイクロプロセッサを使用して実現されてもよい。ソフトウェア技術者には明らかとなるように、適切なソフトウェアコーディングは、本開示の教示に基づいて熟練したプログラマにより容易に準備される。本発明は、当業者には容易に明らかとなるように、集積回路を準備することにより又は従来のコンポーネント回路の適切なネットワークを相互接続することにより実現されてもよい。
【0045】
一実施形態は、本明細書で提示される任意の機能を実行するようにコンピュータをプログラムするために使用される命令を格納した記憶媒体であるコンピュータプログラム製品を含む。記憶媒体は、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、DVD、CD−ROM、マイクロドライブ、並びにコンピュータ可読媒体の任意の1つに格納された命令及び/又はデータを格納するのに適した媒体又はデバイスの光磁気ディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、DRAM、フラッシュメモリを含む任意の種類のディスクを含むことができるが、それらに限定されない。本発明は、汎用/専用コンピュータ又はマイクロプロセッサのハードウェアを制御するためのソフトウェア及びコンピュータ又はマイクロプロセッサが人間のユーザ又は本発明の結果を利用する他の機構と対話することを可能にするためのソフトウェアを含む。そのようなソフトウェアは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、実行環境/コンテナ及びユーザアプリケーションを含んでもよいが、それらに限定されない。
【0046】
本発明の好適な実施形態の上記説明は、例示及び説明の目的で提供された。本発明を網羅する意図はなく、あるいは本発明を開示された厳密な形式に限定する意図はない。多くの変更及び変形が当業者には明らかとなるだろう。例えば、開示される本発明の実施形態において実行されるステップは別の順序で実行でき、特定のステップは省略でき、また追加のステップが追加できる。実施形態は、本発明の原理及びその実際的な応用例を最適に説明し、それにより他の当業者が特定の使用に適すると考えられる種々の変更を伴う種々の実施形態に対して本発明を理解できるように選択及び説明される。本発明の範囲は、請求の範囲及びそれらの等価物により規定されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにより実現される方法であって、
最近接オブジェクトに関する木のノードを探索する探索システムを含み、
前記木は、前記木のノードが前記オブジェクトの部分集合を囲んでいるバウンディングボックスに対応するように、座標を符号化するオブジェクトキーを用いて構築され、
前記探索アルゴリズムは、ある位置に対する前記再近接オブジェクトを見つけ、
根より下の前記木ノードの前記バウンディングボックスは、オブジェクトが存在する領域のみを範囲に含み、
前記探索は、特定のバウンディングボックスを有するノードを考慮の対象から除外する
ことを特徴とするコンピュータにより実現される方法。
【請求項2】
符号化オブジェクトキーの精度は、前記根から葉までのパス上のノード毎に向上する
ことを特徴とする請求項1記載のコンピュータにより実現される方法。
【請求項3】
前記座標は、緯度及び経度を含む
ことを特徴とする請求項1記載のコンピュータにより実現される方法。
【請求項4】
ノードに関する前記オブジェクトキー情報は、
角の位置及び範囲を用いることにより該ノードのバウンディングボックスを符号化するのに十分である
ことを特徴とする請求項1記載のコンピュータにより実現される方法。
【請求項5】
前記座標情報は、インタレースされる
ことを特徴とする請求項1記載のコンピュータにより実現される方法。
【請求項6】
前記ノードのバウンディングボックスの左下の角は、デインタレースされた座標により決められ、
各座標に対する前記バウンディングボックスの範囲は、前記座標の構成から決められる
ことを特徴とする請求項5記載のコンピュータにより実現される方法。
【請求項7】
ノードは、他の探索基準の指示を格納する
ことを特徴とする請求項1記載のコンピュータにより実現される方法。
【請求項8】
前記他の探索基準の指示は、
ノードのバウンディングボックスに含まれないオブジェクトのカテゴリの指示を含む
ことを特徴とする請求項7記載のコンピュータにより実現される方法。
【請求項9】
前記他の探索基準の指示は、
ノードのバウンディングボックスに含まれるオブジェクトのカテゴリの指示を含む
ことを特徴とする請求項8記載のコンピュータにより実現される方法。
【請求項10】
殆どの葉ノードは、複数のオブジェクトを指し示す
ことを特徴とする請求項1記載のコンピュータにより実現される方法。
【請求項11】
前記木の構成は、
所定の基準に基づいて前記葉ノードと関連付けられるオブジェクト数を最大限にする傾向がある
ことを特徴とする請求項1記載のコンピュータにより実現される方法。
【請求項12】
前記方法は、
最大探索半径値を維持し、前記最大探索半径に基づいていくつかのノードを考慮の対象から外す
ことを特徴とする請求項1記載のコンピュータにより実現される方法。
【請求項13】
前記方法は、
ノードに対する位置までの最短距離を維持し、前記最短距離を用いて最短距離値が前記最大探索半径より大きいノードを考慮の対象から外す
ことを特徴とする請求項1記載のコンピュータにより実現される方法。
【請求項14】
ある位置までの前記ノードの最短距離及び最長距離は、前記ノードのバウンディングボックスを用いて計算される
ことを特徴とする請求項1記載のコンピュータにより実現される方法。
【請求項15】
前記オブジェクトは、空間オブジェクトを含む
ことを特徴とする請求項1記載のコンピュータにより実現される方法。
【請求項16】
前記空間オブジェクトは、マップ幾何学的特徴を含む
ことを特徴とする請求項15記載のコンピュータにより実現される方法。
【請求項17】
前記空間オブジェクトは、地点情報を含む
ことを特徴とする請求項15記載のコンピュータにより実現される方法。
【請求項18】
前記コンピュータにより実現される方法は、マッピングシステムの一部である
ことを特徴とする請求項1記載のコンピュータにより実現される方法。
【請求項19】
システムであって、
位置を取得するためのインターフェースを含むアプリケーションを具備し、
前記アプリケーションは、前記位置に対する最近接オブジェクトの木のノードを探索する探索システムを使用し、
前記木は、前記木のノードが所定の座標のバウンディングボックスに対応するようにインタレース座標を有する探索キーに基づいており、
前記探索は、位置に対する前記最近接オブジェクトを見つけ、
根の下の前記木ノードの前記バウンディングボックスは、オブジェクトが存在する領域のみを範囲に含み、
前記探索は、特定のバウンディングボックスを有するノードを考慮の対象から外す
ことを特徴とするシステム。
【請求項20】
前記位置は、カーソル選択に基づいて取得される
ことを特徴とする請求項19記載のシステム。
【請求項21】
前記位置は、
ユーザの接触、ユーザの場所、ユーザの音声入力に基づいて取得されるか又は他のユーザインタフェース手段により取得される
ことを特徴とする請求項19記載のシステム。
【請求項22】
前記アプリケーションは、マップディスプレイを含む
ことを特徴とする請求項19記載のシステム。
【請求項23】
コンピュータにより実現されるシステムであって、
最近接オブジェクトに関する木のノードを探索する探索システムであり、
前記木は、前記木のノードがオブジェクトの部分集合を囲んでいるバウンディングボックスに対応するように、座標を符号化するオブジェクトキーを用いて構築され、
前記探索は、ある位置に対する前記最近接オブジェクトを見つけ、
前記システムは、特定のノードに対して全体の最大探索半径値及び最短距離を維持し、
前記システムは、前記最短距離を用いて、最短距離が前記最大探索半径より大きいノードを考慮の対象から外す
ことを特徴とするコンピュータにより実現されるシステム。
【請求項24】
コンピュータにより実現される方法であって、
最近接空間オブジェクトに関する木のノードを探索する探索システムを含み、
前記木は、前記木のノードが前記オブジェクトの部分集合を囲んでいるバウンディングボックスに対応するように、座標を符号化するオブジェクトキーを用いて構成され、
前記探索アルゴリズムは、ある位置に対する前記最近接空間オブジェクトを見つけ、
前記根の下の前記木ノードの前記バウンディングボックスは、空間オブジェクトが存在する領域のみを範囲に含み、
前記方法は、最大探索半径値を維持し、前記最大探索半径に基づいていくつかのノードを考慮の対象から外し、
前記探索半径値は、バウンディングボックス情報に基づいて減少される
ことを特徴とするコンピュータにより実現される方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図2E】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図5D】
image rotate

【図5E】
image rotate

【図5F】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2009−543225(P2009−543225A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518561(P2009−518561)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2007/072412
【国際公開番号】WO2008/005809
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(507388889)テレ アトラス ノース アメリカ インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】