説明

可搬型基地局装置及び携帯端末

【課題】 内部機能の設定を簡便に行うことができる可搬型基地局装置、及びこのような可搬型基地局の操作に用いる携帯端末を提供する。
【解決手段】 可搬型基地局装置1及び携帯端末2では、携帯端末2を専用USBケーブル6によって可搬型基地局装置1に物理的に接続すると、携帯端末2の機種及びブラウザに適合する一の画面情報が携帯端末2に送信され、可搬型基地局装置1のコンフィグレーション設定画面が携帯端末2のブラウザに表示される。このように、可搬型基地局装置1及び携帯端末2では、可搬型基地局装置1に携帯端末2を物理的に接続するだけで、自動的にコンフィグ設定画面にアクセスすることが可能となるため、様々なユーザ層に対して可搬型基地局装置1のコンフィグレーション設定を簡便に行うことができる環境を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として家庭内に設置され、携帯端末とネットワークとの通信を中継する可搬型基地局装置、及びこのような可搬型基地局装置に接続される携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末の普及が進むにつれて、携帯端末のアクセスポイントとして簡易に設置可能な可搬型基地局装置の開発が進められている(例えば特許文献1参照)。可搬型基地局装置が家庭等の様々な場所で普及すれば、携帯端末の通信エリアの拡大を実現できるほか、将来的に家庭内の各家電機器を接続するためのホームサーバとして機能させることも期待できる。
【特許文献1】特開平6−311099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
可搬型基地局装置を各家庭等に普及させるにあたっては、ユーザ層の拡大に対応すべく、装置の内部機能の設定を簡便に行うことができる環境をユーザに提供するための技術が求められている。
【0004】
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、内部機能の設定を簡便に行うことができる可搬型基地局装置、及びこのような可搬型基地局の操作に用いる携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題の解決のため、本発明に係る可搬型基地局装置は、携帯端末を物理的に接続可能な接続インターフェイスを備えた可搬型基地局装置であって、接続インターフェイスでの物理的接続を契機に、携帯端末の機種を特定する機種特定情報を携帯端末から受信する機種特定情報受信手段と、当該可搬型基地局装置の設定画面を表示させるための画面情報を、携帯端末の機種ごとに予め格納する画面情報格納手段と、機種特定情報に基づいて、画面情報格納手段に格納されている画面情報のうちから、携帯端末の機種に対応する一の画面情報を選択する画面情報選択手段と、画面情報選択手段によって選択された一の画面情報を携帯端末に送信する画面情報送信手段とを備えたことを特徴としている。
【0006】
この可搬型基地局装置では、予め携帯端末の機種ごとに画面情報が格納されており、物理的に接続された携帯端末の機種に応じた設定画面の画面情報を携帯端末に送信する。したがって、この可搬型基地局装置では、携帯端末をケーブル等によって物理的に繋ぐだけで、自動的に設定画面にアクセスすることが可能となるため、様々なユーザ層に対して可搬型基地局装置の内部機能の設定を簡便に行うことができる環境を提供できる。
【0007】
また、可搬型基地局装置は、機種特定情報の受信に併せて、携帯端末を特定する端末特定情報を受信する端末特定情報受信手段と、予め登録された登録ユーザの携帯端末を特定する端末特定情報を格納する端末特定情報格納手段と、端末特定情報受信手段が受信した端末特定情報が、端末特定情報格納手段に格納された端末特定情報に一致するか否かを判断するユーザ判断手段とを更に備え、画面情報送信手段は、ユーザ判断手段によって、端末特定情報受信手段が受信した端末特定情報が、端末特定情報格納手段に格納された端末特定情報に一致すると判断された場合に、一の画面情報を携帯端末に送信することが好ましい。このようなユーザ認証を可搬型基地局装置側で行うことにより、可搬型基地局装置の設定の簡便化を図りつつ、ユーザのなりすまし等による不正な操作を防止できる。
【0008】
また、本発明に係る携帯端末は、可搬型基地局装置を物理的に接続可能な接続インターフェイスを備えた携帯端末であって、接続インターフェイスでの物理的接続を契機に、当該携帯端末の機種を特定する機種特定情報を可搬型基地局装置に送信する機種特定情報送信手段と、機種特定情報の送信に応じて、可搬型基地局装置の設定画面を表示させるための画面情報を、可搬型基地局装置から受信する画面情報受信手段と、画面情報に基づいて設定画面を表示させる表示手段とを特徴としている。
【0009】
この携帯端末では、物理的に接続された可搬型基地局装置に機種特定情報を送信し、可搬型基地局装置の設定画面を表示させるための画面情報を可搬型基地局装置から受信する。したがって、この携帯端末では、可搬型基地局装置をケーブル等によって物理的に繋ぐだけで、自動的に設定画面にアクセスすることが可能となるため、様々なユーザ層に対して可搬型基地局装置の内部機能の設定を簡便に行うことができる環境を提供できる。
【0010】
また、携帯端末は、画面情報を受信したときに、設定画面に入力する設定情報をネットワーク側から取得する設定情報取得手段を更に備えたことが好ましい。こうすると、ユーザ側の操作を一層簡略化することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明に係る可搬型基地局装置及び携帯端末によれば、内部機能の設定を簡便に行うことができる。これにより、可搬型基地局装置を各家庭等に普及させるにあたってのユーザ層の拡大に対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る可搬型基地局装置及び携帯端末の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る可搬型基地局装置及び携帯端末の概略を示す斜視図である。また、図2は、図1に示した可搬型基地局装置及び携帯端末の構成図である。図1及び図2に示す可搬型基地局装置1は、主として家庭内に設置され、携帯端末のアクセスポイントとして機能する装置として構成されている。可搬型基地局装置1とネットワークNとは、例えばWANケーブルCを介してネットワークNと相互に情報通信可能に接続されている。ネットワークNには、可搬型基地局装置1による携帯端末2の通信サービスの提供を行っている通信事業者が管理する設定情報管理サーバ10が接続されている。
【0014】
携帯端末2は、例えば可搬型基地局装置1による通信サービスを提供する通信事業者が開設する移動体通信網(図示しない)に属する携帯端末であり、可搬型基地局装置1のコンフィグレーション設定情報を確認・操作するための端末である。
【0015】
可搬型基地局装置1と携帯端末2とは、図1に示すように、共通のUSBポート(接続インターフェイス)5A,5Bをそれぞれ備えている。USBポート5A,5Bには、例えば前述の通信事業者によって規格化された専用USBケーブル6を物理的に接続することが可能であり、可搬型基地局装置1と携帯端末2とは、専用USBケーブル6を介して、相互に情報通信可能に構成されている。以下、各構成要素について、詳細に説明する。
【0016】
まず、可搬型基地局装置1の構成について説明する。
【0017】
可搬型基地局装置1は、物理的には、CPU(中央処理装置)、メモリといった記憶装置、ディスプレイといった表示装置等を備えたコンピュータシステムである。また、可搬型基地局装置1は、機能的な構成要素として、装置特定情報送信部(装置特定情報送信手段)101と、機種特定情報受信部(機種特定情報受信手段、端末特定情報受信手段)102と、ユーザ認証部(ユーザ判断手段)103と、UIM収容部104と、ブラウザ情報取得部105と、画面情報選択部(画面情報選択手段)106と、画面情報格納部(画面情報格納手段)107と、画面情報送信部(画面情報送信手段)108と、設定情報受信部109と、完了処理部110とを備えている。
【0018】
装置特定情報送信部101は、可搬型基地局装置1を特定する基地局ID(装置特定情報)を携帯端末2に送信する部分である。装置特定情報送信部101は、専用USBケーブル6を介して接続された携帯端末2が接続されると、UIM収容部104に収容されている基地局装置用UIM(端末特定情報格納手段)20から基地局IDを読み出して携帯端末2に送信する。
【0019】
機種特定情報受信部102は、基地局IDの送信に応じて、携帯端末2の機種を示す機種名情報(機種特定情報)を携帯端末2から受信する部分である。また、機種特定情報受信部102は、機種名情報と併せてユーザID及び電話番号(端末特定情報)を携帯端末2から受信する。機種特定情報受信部102は、受信した各情報をユーザ認証部103に出力する。
【0020】
ユーザ認証部103は、携帯端末2のユーザ認証を行う部分である。ユーザ認証部103は、機種特定情報受信部102から受け取ったユーザID及び電話番号に基づいて基地局装置用UIM20を参照し、携帯端末2のユーザが予め基地局装置用UIM20に登録された登録ユーザであるか否かを判断する。ユーザ認証部103は、携帯端末2のユーザが登録ユーザであると判断した場合には、機種名情報をブラウザ情報取得部105に出力する。また、ユーザ認証部103は、携帯端末2のユーザが登録ユーザでないと判断した場合には、その旨を携帯端末2に通知する。
【0021】
ブラウザ情報取得部105は、携帯端末2のブラウザ情報の詳細を取得する部分である。より具体的には、ブラウザ情報取得部105は、ユーザ認証部103から機種名情報を受け取ると、携帯端末2に対して、可搬型基地局装置1のコンフィグレーション設定画面を表示させるためのブラウザの起動を要求するブラウザ起動要求情報を送信する。そして、ブラウザ情報取得部105は、ブラウザ起動要求情報の送信に応じて、当該ブラウザの表示領域、ファイル形式、最大データサイズ等を示すUA(ユーザエージェント)情報を携帯端末2から受信する。ブラウザ情報取得部105は、受信したUA情報を機種名情報と共に画面情報選択部106に出力する。
【0022】
画面情報選択部106は、ブラウザ情報取得部105から受け取った機種名情報及びUA情報に基づいて、画面情報格納部107に格納されている画面情報のうちから、携帯端末2のブラウザに対応する一の画面情報を選択する部分である。ここで、画面情報格納部107に格納されている画面情報の一例を図3に示す。図3に示すように、画面情報格納部107には、携帯端末の機種に関連付けて、可搬型基地局装置1のコンフィグレーション設定画面を表示させるための画面情報が画面サイズごとに格納されている。
【0023】
すなわち、画面情報格納部107には、機種「XX−XXXX」について、96×72サイズの画面情報「XX96×72.htm」、112×84サイズの画面情報「XX112×84.htm」、及び96×120サイズの画面情報「XX96×120.htm」が格納され、別の機種「YY−YYYY」について、96×90サイズの画面情報「YY96×90.htm」、118×128サイズの画面情報「YY118×128.htm」、及び120×120サイズの画面情報「YY120×120.htm」が格納されている。画面情報選択部106は、選択した一の画面情報を画面情報送信部108に出力する。画面情報送信部108は、画面情報選択部106から受け取った一の画面情報を携帯端末2に送信する。
【0024】
設定情報受信部109は、携帯端末2からコンフィグレーション設定に関する設定情報を受信する部分である。設定情報受信部109は、受信した設定情報を完了処理部110に出力する。完了処理部110は、完了処理部110は、設定情報を受け取ると、当該設定情報に関連付けた暗号キー情報を生成する。そして、完了処理部110は、生成した暗号キー情報を設定情報管理サーバ10に送信する。
【0025】
次に、携帯端末2の構成について説明する。
【0026】
携帯端末2は、物理的には、CPU(中央処理装置)、メモリといった記憶装置、プッシュボタンといった入力装置等を備えた携帯電話機である。携帯端末2は、機能的な構成要素として、装置特定情報受信部(装置特定情報受信手段)201と、機種特定情報送信部(機種特定情報送信手段)202と、UIM収容部203と、ブラウザ制御部(画面情報受信手段)204と、表示部(表示手段)205と、設定情報取得部(設定情報取得手段)206と、設定情報送信部207とを備えている。
【0027】
装置特定情報受信部201は、可搬型基地局装置1から基地局IDを受信する部分である。装置特定情報受信部201は、受信した基地局IDを機種特定情報送信部202に出力する。
【0028】
機種特定情報送信部202は、基地局IDの受信に応じて、携帯端末2の機種名情報を可搬型基地局装置1に送信する部分である。機種特定情報送信部202は、装置特定情報受信部201から受け取った基地局IDに基づいて可搬型基地局装置1を認証した後、UIM収容部203に収容されている携帯端末用UIM30を参照し、機種名情報、ユーザID、及び携帯端末2の電話番号を取得する。機種特定情報送信部202は、これらの各情報を可搬型基地局装置1に送信する。また、機種特定情報送信部202は、基地局IDをブラウザ制御部204に出力する。
【0029】
ブラウザ制御部204は、設定画面を表示する表示部205を制御する部分である。ブラウザ制御部204は、機種特定情報送信部202による各情報の送信に応じて可搬型基地局装置1から送信されるブラウザ起動要求情報を受信し、表示部205にブラウザを起動させる。ブラウザ制御部204は、起動したブラウザのUA情報を可搬型基地局装置1に送信する。
【0030】
また、ブラウザ制御部204は、UA情報の送信に応じて可搬型基地局装置1から送信される画面情報を受信する。ブラウザ制御部204は、受信した画面情報に基づいて、表示部205のブラウザにコンフィグレーション設定画面を表示させる。コンフィグレーション設定画面に表示される項目の例については後述する。ブラウザ制御部204は、コンフィグレーション設定画面を介して、コンフィグレーション設定画面に入力する設定情報の取得を指示する取得指示情報が入力された場合に、当該取得指示情報を基地局IDと共に設定情報取得部206に出力する。
【0031】
設定情報取得部206は、携帯端末2用の設定情報を設定情報管理サーバ10から取得する部分である。設定情報取得部206は、ブラウザ制御部204から取得指示情報及び基地局IDを受け取ると、設定情報の送信を要求する送信要求情報を設定情報管理サーバ10に送信する。
【0032】
また、設定情報取得部206は、送信要求情報と併せて、基地局IDとユーザIDとを設定情報管理サーバ10に送信する。そして、設定情報取得部206は、各情報の送信に応じて設定情報管理サーバ10から送信される設定情報を受信し、この設定情報を設定情報送信部207に出力する。設定情報送信部207は、設定情報取得部206から受け取った設定情報を可搬型基地局装置1に送信する。
【0033】
さらに、設定情報管理サーバ10について説明する。
【0034】
設定情報管理サーバ10は、物理的には、CPU(中央処理装置)、メモリといった記憶装置、ディスプレイといった表示装置等を備えたコンピュータシステムであり、可搬型基地局装置1による通信サービスに加入するユーザごとの設定情報を管理するサーバである。設定情報管理サーバ10は、携帯端末2から送信要求情報、基地局ID、及びユーザIDを受信すると、各IDに基づいてユーザ認証を行う。
【0035】
設定情報管理サーバ10は、ユーザ認証が完了すると、携帯端末2用の設定情報を携帯端末2に送信する。また、設定情報管理サーバ10は、可搬型基地局装置1から暗号キー情報を受け取ると、この暗号キー情報を携帯端末2の設定情報に関連付けて格納する。その後、設定情報管理サーバ10は、可搬型基地局装置1及び携帯端末2のそれぞれに、設定完了通知を行う。
【0036】
続いて、上述した構成を有する可搬型基地局装置1及び携帯端末2の動作について、図4に示すシーケンス図を参照しながら説明する。
【0037】
図4に示すように、まず専用USBケーブル6によって可搬型基地局装置1と携帯端末2とが物理的に接続されると(ステップS01)、可搬型基地局装置1から携帯端末2に基地局IDが送信される(ステップS02)。携帯端末2は、受信した基地局IDに基づいて可搬型基地局装置1を認証した後、機種名情報、ユーザID、及び電話番号を可搬型基地局装置1に送信する(ステップS03)。
【0038】
可搬型基地局装置1は、受信したユーザID及び電話番号に基づいて携帯端末2のユーザ認証を行う(ステップS04)。ユーザ認証が完了した後、可搬型基地局装置1は、携帯端末2にブラウザ起動要求情報を送信する(ステップS05)。ブラウザ起動要求情報を受信した携帯端末2では、表示部205にブラウザが起動し(ステップS06)、このブラウザのUA情報が携帯端末2から可搬型基地局装置1に送信される(ステップS07)。
【0039】
ステップS07の後、可搬型基地局装置1では、機種名情報及びUA情報に基づいて、画面情報の選択が行われる(ステップS08)。選択された一の画面情報は、携帯端末2に送信され(ステップS09)、携帯端末2のブラウザにコンフィグレーション設定画面が表示される(ステップS10)。
【0040】
ここで、コンフィグレーション設定画面の一例を図5及び図6に示す。図5(a)に示す例では、「利用者追加」、「コンフィグ確認」、「ログ確認」、及び「初期設定」の各項目が表示されている。「利用者の追加」の項目を選択すると、図5(b)に示すように、「利用者の追加を行います」というメッセージと共に、現在の設定者の氏名「△△」、電話番号「********」といった項目が表示され、一番下の項目に、追加したい利用者の氏名及び電話番号を入力する入力ボックスが表示される。
【0041】
また、「コンフィグ確認」の項目を選択すると、図5(c)に示すように、「現在の設定情報です」というメッセージと共に、アドレス「***.***.***」、ユーザID「***」、NW設定ID「***」、及び3つの周辺基地局ID「AAAAA」、「BBBBB」、「CCCCC」が表示される。「ログ情報」の項目を選択すると、図5(d)に示すように、「利用ログを表示します」というメッセージと共に、日時「11/11」、氏名「○○」、時間「20:30」、割引「○」が表示される。
【0042】
一方、「初期設定」の項目を選択すると、図6(a)に示すように、「NWに関する初期設定を行います。固定BB回線に接続されていること、および圏内であることを確認し、下記ボタンを押下してください」という確認メッセージが表示され、その下に「OK」ボタンが表示される。ユーザが「OK」ボタンを押下する操作を行うと、携帯端末2から設定情報管理サーバ10に設定情報の送信要求情報、基地局ID、及びユーザIDが送信される(ステップS11)。この際、携帯端末2のブラウザには、例えば図6(b)に示すように、「初期設定データ取得中」というメッセージと共に、「中止」ボタンが表示される。
【0043】
設定情報管理サーバ10は、送信要求情報、基地局ID、及びユーザIDが送信されると、各IDに基づいてユーザ認証を行い(ステップS12)、ユーザ認証が完了した後、携帯端末2に設定情報を送信する(ステップS13)。これにより、携帯端末2のブラウザには、例えば図6(c)に示すように、アドレス「***.***.***」、ユーザID「***」、NW設定ID「***」、及び3つの周辺基地局ID「AAAAA」、「BBBBB」、「CCCCC」が表示され、その下には、「機器に設定」ボタン及び「中止」ボタンが表示される。
【0044】
ユーザが「機器に設定」ボタンを押下する操作を行うと、携帯端末2から可搬型基地局装置1に設定情報が送信される(ステップS14)。この間、携帯端末2のブラウザには、例えば図6(d)に示すように、「設定データ送信、設定中」というメッセージが表示される。可搬型基地局装置1は、設定情報を受信した後、設定情報管理サーバ10に暗号キー情報を送信する(ステップS15)。
【0045】
暗号キー情報を受信した設定情報管理サーバ10は、当該暗号キーを携帯端末2用の設定情報と関連付けて格納すると共に、可搬型基地局装置1及び携帯端末2に設定完了通知を送信する(ステップS16,ステップS17)。携帯端末2のブラウザには、例えば図6(e)に示すように、「必要なセットアップが完了しました」というメッセージと共に、現在の設定者の氏名「△△」、電話番号「********」といった項目、及び「終了」ボタンが表示される。ユーザが「終了」ボタンを押下すると、コンフィグレーションの設定が完了する。
【0046】
以上説明したように、可搬型基地局装置1及び携帯端末2では、携帯端末2を専用USBケーブル6によって可搬型基地局装置1に繋ぐと、携帯端末2の機種及びブラウザに適合する一の画面情報が携帯端末2に送信され、可搬型基地局装置1のコンフィグレーション設定画面が携帯端末2のブラウザに表示される。このように、可搬型基地局装置1及び携帯端末2では、可搬型基地局装置1に携帯端末2を物理的に接続するだけで、自動的にコンフィグ設定画面にアクセスすることが可能となるため、様々なユーザ層に対して可搬型基地局装置1のコンフィグレーション設定を簡便に行うことができる環境を提供できる。
【0047】
また、可搬型基地局装置1では、携帯端末2のユーザが予め基地局装置用UIM20に登録された登録ユーザである場合に限って、携帯端末2に一の画面情報の送信を行うようになっている。このため、可搬型基地局装置の設定の簡便化を図りつつ、ユーザのなりすまし等による不正な操作を防止できる。
【0048】
一方、携帯端末2では、画面情報を受信したときに、コンフィグレーション設定画面に入力する設定情報を設定情報管理サーバ10から取得するようになっている。このため、設定情報の入力に関するユーザ側の操作を一層簡略化することが可能となっている。
【0049】
本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば、可搬型基地局装置1に格納される画面情報は、htm形式に限られず、携帯端末2のブラウザの性能に合わせて、テキスト形式、Flash形式など、種々のファイル形式を適用できる。また、ネットワークN側から画面情報をダウンロードする手段を可搬型基地局装置1に設け、画面情報の更新をできるようにしてもよい。
【0050】
また、コンフィグレーション設定画面の初期設定においては、設定情報を必ずしも設定情報管理サーバ10から受信するように構成する必要はなく、ユーザによる手動の入力を受け付けるようにしてもよい。この場合、例えば携帯端末2が通信圏外に位置する場合であっても、可搬型基地局装置1の設定情報を操作できる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る可搬型基地局装置及び携帯端末の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示した可搬型基地局装置及び携帯端末の機能的な構成要素を示す図である。
【図3】画面情報格納部に格納される情報の一例を示す図である。
【図4】図1に示した可搬型基地局装置及び携帯端末の動作を示すシーケンス図である。
【図5】コンフィグレーション設定画面の一例を示す図である。
【図6】初期設定時におけるコンフィグレーション設定画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
1…可搬型基地局装置、2…携帯端末、5A,5B…USBポート、20…基地局装置用UIM、101…装置特定情報送信部、102…機種特定情報受信部、103…ユーザ認証部、106…画面情報選択部、107…画面情報格納部、108…画面情報送信部、201…装置特定情報受信部、202…機種特定情報送信部、204…ブラウザ制御部、205…表示部、206…設定情報取得部、N…ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末を物理的に接続可能な接続インターフェイスを備えた可搬型基地局装置であって、
前記接続インターフェイスでの物理的接続を契機に、前記携帯端末の機種を特定する機種特定情報を前記携帯端末から受信する機種特定情報受信手段と、
当該可搬型基地局装置の設定画面を表示させるための画面情報を、前記携帯端末の機種ごとに予め格納する画面情報格納手段と、
前記機種特定情報に基づいて、前記画面情報格納手段に格納されている画面情報のうちから、前記携帯端末の機種に対応する一の画面情報を選択する画面情報選択手段と、
前記画面情報選択手段によって選択された前記一の画面情報を前記携帯端末に送信する画面情報送信手段とを備えたことを特徴とする可搬型基地局装置。
【請求項2】
前記機種特定情報の受信に併せて、前記携帯端末を特定する端末特定情報を受信する端末特定情報受信手段と、
予め登録された登録ユーザの携帯端末を特定する端末特定情報を格納する端末特定情報格納手段と、
前記端末特定情報受信手段が受信した前記端末特定情報が、前記端末特定情報格納手段に格納された端末特定情報に一致するか否かを判断するユーザ判断手段とを更に備え、
前記画面情報送信手段は、前記ユーザ判断手段によって、前記端末特定情報受信手段が受信した前記端末特定情報が、前記端末特定情報格納手段に格納された端末特定情報に一致すると判断された場合に、前記一の画面情報を前記携帯端末に送信することを特徴とする請求項1記載の可搬型基地局装置。
【請求項3】
可搬型基地局装置を物理的に接続可能な接続インターフェイスを備えた携帯端末であって、
前記接続インターフェイスでの物理的接続を契機に、当該携帯端末の機種を特定する機種特定情報を前記可搬型基地局装置に送信する機種特定情報送信手段と、
前記機種特定情報の送信に応じて、前記可搬型基地局装置の設定画面を表示させるための画面情報を、前記可搬型基地局装置から受信する画面情報受信手段と、
前記画面情報に基づいて前記設定画面を表示させる表示手段とを備えたことを特徴とする携帯端末。
【請求項4】
前記画面情報を受信したときに、前記設定画面に入力する設定情報をネットワーク側から取得する設定情報取得手段を更に備えたことを特徴とする請求項3記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−259291(P2007−259291A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−83660(P2006−83660)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】