説明

可搬型放射線画像変換装置

【課題】円滑に放射線画像を撮影させることができるようにする。
【解決手段】放射線検出器によって放射線画像を示す画像情報が生成されたとき、通信ケーブルを介した通信のビットエラーレートを検出し(150)、接続端子から通信ケーブルが外れているか否かを判定する(152)。接続端子から通信ケーブルが外れていないと判定された場合に、放射線画像を示す画像情報をコンソールに対して通信ケーブルを介して送信させる(156)。接続端子から通信ケーブルが外れていると判定された場合には、放射線画像を示す画像情報を不揮発性メモリに記憶させる(154)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可搬型放射線画像変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、TFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス基板上に放射線感応層を配置し、放射線を直接デジタルデータに変換できるFPD(Flat Panel Detector)が実用化されており、このFPD等を用いて照射された放射線により表わされる放射線画像を示す画像情報を生成し、生成した画像情報を記憶する可搬型放射線画像撮影装置(以下、「電子カセッテ」ともいう。)が実用化されている。
【0003】
この電子カセッテは、可搬性を有するため、ストレッチャーやベッドに載せたまま患者を撮影することもでき、電子カセッテの位置を変更することにより撮影箇所を調整することができるため、動けない患者に対しても柔軟に対処することができる。
【0004】
電子カセッテは、電源あるいはデータ転送などの制限から、制御用の端末(所謂、コンソール)と通信ケーブルを介して接続することが一般的であった。このため、電子カセッテには、通信ケーブルを着脱するための接続端子が設けられている。電子カセッテは、放射線画像の撮影を行う際、接続端子が通信ケーブルに接続され、撮影によって生成された画像情報を、通信ケーブルを介してコンソールへ伝送している。
【0005】
ところで、通信ケーブルを着脱可能とした場合、ケーブル外れが問題となる。特に、電子カセッテは、通信ケーブルを接続した状態で撮影の際に撮影位置調整のために動かされるため、ケーブル外れが発生しやすい。
【0006】
このケーブル外れに対処する技術として、特許文献1には、通信ケーブルが外れた場合に撮影を禁止する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2007−44068号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、電子カセッテは、通信ケーブルを着脱可能とした場合、一旦ケーブルが外れると、接続端子と通信ケーブルとの接続状態が不安定となり、ケーブル外れが発生しやすくなる場合がある。このような場合、特許文献1の技術では、ケーブル外れにより撮影が禁止されてしまい、円滑に放射線画像を撮影することができない、という問題点があった。
【0008】
本発明は上記問題点を解決するために成されたものであり、円滑に放射線画像を撮影することができる可搬型放射線画像変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る可搬型放射線画像変換装置は、外部から照射された放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を生成する電子回路と、外部装置と接続される通信ケーブルを接続するための接続端子と、前記通信ケーブルを介して前記外部装置と通信を行う通信手段と、前記画像情報を記憶するための記憶手段と、前記電子回路によって前記画像情報が生成されたとき、前記接続端子と前記通信ケーブルとの接続状況が異常であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記接続状況が異常でないと判定された場合に、前記生成された前記画像情報を前記通信手段によって送信させ、前記判定手段によって前記接続状況が異常であると判定された場合に、前記生成された前記画像情報を前記記憶手段に記憶させる制御手段とを含んで構成されている。
【0010】
本発明に係る可搬型放射線画像変換装置によれば、判定手段によって、電子回路によって画像情報が生成されたとき、接続端子と通信ケーブルとの接続状況が異常であるか否かを判定する。そして、制御手段によって、判定手段によって接続状況が異常でないと判定された場合に、生成された画像情報を通信手段によって送信させ、判定手段によって接続状況が異常であると判定された場合に、生成された画像情報を記憶手段に記憶させる。
【0011】
このように、接続端子と通信ケーブルとの接続状況が異常である場合に、撮影を中断せずに、生成された放射線画像を示す画像情報を記憶手段に記憶させることにより、円滑に放射線画像を撮影することができる。
【0012】
本発明に係る可搬型放射線画像変換装置は、通信ケーブルを介した通信の通信品質を検出する通信品質検出手段を更に含み、判定手段は、通信品質検出手段によって検出された通信品質に基づいて、接続端子と通信ケーブルとの接続状況が異常であるか否かを判定することができる。
【0013】
本発明に係る可搬型放射線画像変換装置は、通信ケーブルと接続端子とが接続されるときに通信ケーブルが配置される位置に設置されたメカニカルスイッチを更に含み、判定手段は、メカニカルスイッチのオンオフに基づいて、接続端子と通信ケーブルとの接続状況が異常であるか否かを判定することができる。
【0014】
本発明に係る可搬型放射線画像変換装置は、接続端子と接続された通信ケーブルの有無を検出するセンサを更に含み、判定手段は、センサの検出結果に基づいて、接続端子と通信ケーブルとの接続状況が異常であるか否かを判定することができる。
【0015】
本発明に係る可搬型放射線画像変換装置は、接続端子と接続された通信ケーブルを保持するための保持部材と、保持部材による通信ケーブルの保持状態を検出するセンサとを更に含み、判定手段は、センサの検出結果に基づいて、接続端子と通信ケーブルとの接続状況が異常であるか否かを判定することができる。
【0016】
本発明に係る判定手段は、通信手段によって所定の信号を受信したか否かを判定することにより、接続端子と通信ケーブルとの接続状況が異常であるか否かを判定することができる。
【0017】
上記の記憶手段を、揮発性メモリ又は不揮発性メモリで構成することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る可搬型放射線画像変換装置によれば、接続端子と通信ケーブルとの接続状況が異常である場合に、撮影を中断せずに、生成された放射線画像を示す画像情報を記憶手段に記憶させることにより、円滑に放射線画像を撮影することができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0020】
まず、第1の実施の形態に係る放射線情報システム10の構成について説明する。図1には、第1の実施の形態に係る放射線情報システム10(以下、「RIS10」(RIS:Radiology Information System)とも称する。)の各構成要素を示すブロック図が示されている。
【0021】
RIS10は、放射線科部門内における、診療予約、診断記録等の情報管理を行うためのシステムであり、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)の一部を構成する。
【0022】
RIS10は、複数の撮影依頼入力端末12(以下、「入力端末12」とも称する。)と、RISサーバ14と、複数の放射線画像撮影システム18(以下、「撮影システム18」とも称する。)と、を含んで構成されている。
【0023】
RISサーバ14は、RIS10全体を管理するものであり、LAN(Local Area Network)ケーブル20又は無線LAN22により、各入力端末12及び撮影システム18と相互通信が可能に構成されている。また、RISサーバ14は、HIS全体を管理するHISサーバ24に接続されている。
【0024】
入力端末12は、医師26(図2参照。)や放射線技師が、診断情報や施設予約の入力・閲覧をするためのものであり、放射線画像の撮影依頼(撮影予約)もこの入力端末12からなされる。各入力端末12は、表示装置付きのパーソナルコンピュータから構成され、RISサーバ14とLANにより接続されて相互通信が可能となっている。
【0025】
RISサーバ14は、各入力端末12からの撮影依頼を受け付け、撮影システム18における放射線画像の撮影スケジュールを管理するものであり、データベース28を含んで構成されている。
【0026】
データベース28は、患者30(図2参照。)の属性情報(氏名、性別、生年月日、年齢、血液、患者ID等)、病歴、受診歴、過去に撮影した放射線画像等、患者30に関する情報と、撮影システム18の電子カセッテ32の識別番号、型式、サイズ、感度、使用可能な撮影部位(対応可能な撮影依頼の内容)、使用開始年月日、使用回数等、電子カセッテ32に関する情報とを含んで構成されている。
【0027】
撮影システム18は、RISサーバ14からの指示に応じて、医師26や放射線技師の操作により放射線画像の撮影を行う。撮影システム18は、撮影条件に従った放射線量からなる放射線Xを被写体に照射する撮影装置34と、患者30を透過した放射線Xを検出し、放射線画像情報に変換する放射線検出器60(図3参照。)を内蔵する電子カセッテ32と、前記放射線検出器60によって検出された放射線Xに基づく放射線画像を表示する表示装置36と、電子カセッテ32に内蔵されるバッテリを充電するクレードル40と、電子カセッテ32、撮影装置34、表示装置36、及びクレードル40を制御するコンソール42と、を備える。
【0028】
図2には、本実施の形態に係る撮影システム18を配置した様子の一例として、撮影システム18が撮影室としての手術室44内に設置された様子が示されている。本実施の形態に係る撮影システム18では、電子カセッテ32、撮影装置34、及び表示装置36の各々と、コンソール42とをケーブルで接続して有線通信によって各種情報の送受信を行うが、図2では、各機器間を接続するケーブルを省略している。
【0029】
図2の手術室44では、撮影システム18に加えて、患者30が横臥する手術台46が配置されると共に、医師26が手術に使用する各種器具が載置される器具台48が手術台46の側部に配置される。また、手術台46の周りには、麻酔器、吸引器、心電計、血圧計等、手術に必要な様々な機器が配置される(これらの機器は、図2では省略されている。)。
【0030】
撮影装置34は、自在アーム52に連結され、患者30の撮影部位に応じた所望の位置に移動可能であると共に、医師26による手術の邪魔とならない位置に待避可能である。同様に、表示装置36は、自在アーム52に連結され、撮影された放射線画像を医師26が容易に確認できる位置に移動可能である。
【0031】
クレードル40には、電子カセッテ32を収納可能な収容部40Aが形成されている。
【0032】
電子カセッテ32は、待機時、クレードル40の収容部40Aに収納され、内蔵されるバッテリが充電され、放射線画像の撮影時、クレードル40から取り出され、通信ケーブルが接続されて患者30の撮影部位に配置される。
【0033】
なお、電子カセッテ32は、手術室44で使用される場合に限られるものではなく、例えば、検診や病院内での回診にも適用することができる。
【0034】
図3には、第1の実施の形態に係る電子カセッテ32の内部構成が示されている。電子カセッテ32は、放射線Xを透過させる材料からなる筐体54を備えており、防水性、密閉性を有する構造とされている。電子カセッテ32は、手術室44等で使用されるとき、血液やその他の雑菌が付着するおそれがある。そこで、電子カセッテ32を防水性、密閉性を有する構造とし、必要に応じて殺菌洗浄することにより、1つの電子カセッテ32を繰り返し使用することができる。この筐体54の側面には通信ケーブルを接続するための接続端子32Aが設けられている。筐体54の内部には、放射線Xが照射される筐体54の照射面56側から、患者30による放射線Xの散乱線を除去するグリッド58、患者30を透過した放射線Xを検出する放射線検出器60、及び放射線Xのバック散乱線を吸収する鉛板62が順に配設される。なお、筐体54の照射面56をグリッド58として構成してもよい。
【0035】
また、筐体54の内部の一端側には、マイクロコンピュータを含む各種回路及び充電可能な二次電池を収容するケース31が配置されている。放射線検出器60及び各種回路は、ケース31に配置された二次電池から供給される電力によって作動する。ケース31内部に収容された各種回路が放射線Xの照射に伴って損傷することを回避するため、ケース31の照射面22側には鉛板等を配設しておくことが望ましい。
【0036】
図4には、本実施の形態に係る放射線画像撮影システム18の詳細な構成を示すブロック図が示されている。
【0037】
撮影装置34には、コンソール42と通信を行うための接続端子34Aが設けられている。コンソール42には、撮影装置34と通信を行うための接続端子42A、電子カセッテ32と通信を行うための接続端子42B、及び表示装置36へ画像信号を出力するための接続端子42Cが設けられている。
【0038】
撮影装置34は通信ケーブル35を介してコンソール42に接続され、表示装置36はディスプレイケーブル37を介してコンソール42に接続されている。電子カセッテ32は、放射線画像の撮影時に、接続端子32Aに通信ケーブル43が接続され、当該通信ケーブル43を介してコンソール42に接続される。なお、本実施の形態では、電子カセッテ32とコンソール42との間のデータ転送を高速で行うために、通信ケーブル43に光ファイバを用いた光通信ケーブルを用いており、光通信によって電子カセッテ32とコンソール42との間でデータの転送を行っている。
【0039】
電子カセッテ32に内蔵された放射線検出器60は、TFTアクティブマトリクス基板66上に、放射線Xを吸収し、電荷に変換する光電変換層が積層されて構成されている。光電変換層は例えばセレンを主成分(例えば含有率50%以上)とする非晶質のa−Se(アモルファスセレン)から成り、放射線Xが照射されると、照射された放射線量に応じた電荷量の電荷(電子−正孔の対)を内部で発生することで、照射された放射線Xを電荷へ変換する。なお、放射線検出器60は、アモルファスセレンのような放射線Xを直接的に電荷に変換する放射線-電荷変換材料の代わりに、蛍光体材料と光電変換素子(フォトダイオード)とを用いて放射線Xを間接的に電荷に変換しても良い。蛍光体材料としては、ガドリニウム硫酸化物(GOS)やヨウ化セシウム(CsI)が良く知られている。この場合、蛍光材料によって放射線X−光変換を行い、光電変換素子のフォトダイオードによって光−電荷変換を行なう。
【0040】
また、TFTアクティブマトリクス基板66上には、光電変換層で発生された電荷を蓄積する蓄積容量68と、蓄積容量68に蓄積された電荷を読み出すためのTFT70とを備えた画素部74(図4では個々の画素部74に対応する光電変換層を光電変換部72として模式的に示している)がマトリクス状に多数個配置されている。電子カセッテ32への放射線Xの照射に伴って光電変換層で発生された電荷は、個々の画素部74の蓄積容量68に蓄積される。これにより、電子カセッテ32に照射された放射線Xに担持されていた画像情報は電荷情報へ変換されて放射線検出器60に保持される。
【0041】
また、TFTアクティブマトリクス基板66には、一定方向(行方向)に延設され、かつ、個々の画素部74のTFT70をオンオフさせるための複数本のゲート配線76と、ゲート配線76と直交する方向(列方向)に延設され、かつ、オンされたTFT70を介して蓄積容量68から蓄積電荷を読み出すための複数本のデータ配線78が設けられている。個々のゲート配線76はゲート線ドライバ80に接続されており、個々のデータ配線78は信号処理部82に接続されている。個々の画素部74の蓄積容量68に電荷が蓄積されると、個々の画素部74のTFT70は、ゲート線ドライバ80からゲート配線76を介して供給される信号により行単位で順にオンされ、TFT70がオンされた画素部74の蓄積容量68に蓄積されている電荷は、電荷信号としてデータ配線78を伝送されて信号処理部82に入力される。従って、個々の画素部74の蓄積容量68に蓄積されている電荷は行単位で順に読み出される。
【0042】
図5には、本実施の形態に係る放射線検出器60の1画素部分に注目した等価回路図が示されている。
【0043】
同図に示すように、TFT70のソースは、データ配線78に接続されており、このデータ配線78は、信号処理部82に接続されている。また、TFT70のドレインは蓄積容量68及び光電変換部72に接続され、TFT70のゲートはゲート配線76に接続されている。
【0044】
信号処理部82は、個々のデータ配線78毎にサンプルホールド回路84を備えている。個々のデータ配線78を伝送された電荷信号はサンプルホールド回路84に保持される。サンプルホールド回路84はオペアンプ84Aとコンデンサ84Bを含んで構成され、電荷信号をアナログ電圧に変換する。また、サンプルホールド回路84には、オンすることにより、コンデンサ84Bの両電極をショートさせて、コンデンサ84Bに蓄積された電荷を放電させるリセット回路としてスイッチ84Cが設けられている。
【0045】
サンプルホールド回路84の出力側には、マルチプレクサ86、A/D変換器88が順に接続されており、個々のサンプルホールド回路84に保持された電荷信号は、アナログ電圧に変換されてマルチプレクサ86に順に(シリアルに)入力され、A/D変換器88によってデジタルの画像情報へ変換される。
【0046】
信号処理部82にはフレームメモリ90が接続されており(図4参照。)、信号処理部82のA/D変換器88から出力された画像情報はフレームメモリ90に順に記憶される。フレームメモリ90は、放射線画像を示す画像情報を1フレーム分記憶可能な記憶容量を有しており、1ラインずつ電荷の読み出しが行われる毎に、読み出された1ライン分の画像情報がフレームメモリ90に順次記憶される。
【0047】
なお、本実施の形態に係る放射線検出器60、ゲート線ドライバ80、信号処理部82、及びフレームメモリ90は、本発明の電子回路に対応している。
【0048】
フレームメモリ90は電子カセッテ32全体の動作を制御するカセッテ制御部92と接続されている。カセッテ制御部92はマイクロコンピュータによって実現されており、光通信制御部94が接続されている。この光通信制御部94は、接続端子32Aに接続されており、接続端子32Aを介して接続された外部機器との間で各種情報の伝送を制御する。カセッテ制御部92は、光通信制御部94を介して外部機器との間で各種情報の送受信が可能とされている。カセッテ制御部92は、外部機器から受信される後述する撮影制御情報を記憶し、当該情報に基づいて電荷の読み出しを開始する。
【0049】
また、カセッテ制御部92には、不揮発性メモリ93が接続されている。不揮発性メモリ93は、放射線画像を示す画像情報を複数フレーム分記憶可能な記憶容量を有しており、フレームメモリ90に記憶された1フレーム分の画像情報がカセッテ制御部92に読み出されて、不揮発性メモリ93に記憶される。不揮発性メモリ93は、例えば、フラッシュメモリや、HDD、SSD、メモリカードなどで構成されている。
【0050】
また、電子カセッテ32には電源部96が設けられており、上述した各種回路や各素子(ゲート線ドライバ80、信号処理部82、フレームメモリ90、光通信制御部94やカセッテ制御部92として機能するマイクロコンピュータ)は、電源部96から供給された電力によって作動する。電源部96は、電子カセッテ32の可搬性を損なわないように、バッテリ(充電可能な二次電池)を内蔵しており、充電されたバッテリから各種回路・素子へ電力を供給する。
【0051】
一方、コンソール42は、サーバ・コンピュータとして構成されており、操作メニューや撮影された放射線画像等を表示するディスプレイ100と、複数のキーを含んで構成され、各種の情報や操作指示が入力される操作パネル102と、を備えている。
【0052】
また、本実施の形態に係るコンソール42は、装置全体の動作を司るCPU104と、制御プログラムを含む各種プログラム等が予め記憶されたROM106と、各種データを一時的に記憶するRAM108と、各種データを記憶して保持するHDD110と、ディスプレイ100への各種情報の表示を制御するディスプレイドライバ112と、操作パネル102に対する操作状態を検出する操作入力検出部114と、接続端子42Aに接続され、接続端子42A及び通信ケーブル35を介して撮影装置34との間で後述する曝射条件や撮影装置34の状態情報等の各種情報の送受信を行う通信インタフェース(I/F)部116と、接続端子42Bに接続され、接続端子42B及び通信ケーブル43を介して電子カセッテ32との間で撮影制御情報や画像情報等の各種情報の送受信を行う光通信制御部118と、接続端子42Cに接続され、接続端子42C及びディスプレイケーブル37を介して表示装置36に対して画像信号を出力する画像信号出力部120と、を備えている。
【0053】
CPU104、ROM106、RAM108、HDD110、ディスプレイドライバ112、操作入力検出部114、通信I/F部116、光通信制御部118、及び画像信号出力部120は、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU104は、ROM106、RAM108、HDD110へのアクセスを行うことができると共に、ディスプレイドライバ112を介したディスプレイ100への各種情報の表示の制御、通信I/F部116を介した撮影装置34との各種情報の送受信の制御、光通信制御部118を介した電子カセッテ32との各種情報の送受信の制御、及び画像信号出力部120を介した表示装置36に表示される画像の制御、を行うことができる。また、CPU104は、操作入力検出部114を介して操作パネル102に対するユーザの操作状態を把握することができる。
【0054】
一方、撮影装置34は、放射線Xを出力する放射線源130と、コンソール42との間で曝射条件や撮影装置34の状態情報等の各種情報を送受信する通信I/F部132と、受信した曝射条件に基づいて放射線源130を制御する線源制御部134と、を備えている。線源制御部134もマイクロコンピュータによって実現されており、受信した曝射条件を記憶し、記憶した曝射条件に基づいて放射線源130から放射線Xを照射させる。
【0055】
また、表示装置36は、受信した画像信号により示される画像を表示する表示部36Aを備えている。
【0056】
次に、第1の実施の形態に係るRIS10の全体的な動作について簡単に説明する。
【0057】
入力端末12(図1参照。)は、医師26又は放射線技師からの撮影依頼を受け付ける。当該撮影依頼では、電子カセッテ32による撮影の日時及び撮影条件(撮影の部位、角度及び枚数、放射線Xを照射するための管電圧、管電流、及び照射時間、並びに電子カセッテ32のサイズ及び感度等)が指定される。
【0058】
入力端末12は、受け付けた撮影依頼の内容をRISサーバ14に通知する。RISサーバ14は、入力端末12から通知された撮影依頼の内容をデータベース28に記憶する。
【0059】
コンソール42は、RISサーバ14にアクセスすることにより、RISサーバ14から撮影依頼の内容を取得し、撮影依頼の内容をディスプレイ100(図2及び図4参照。)に表示する。
【0060】
医師26や放射線技師がディスプレイ100に表示された撮影依頼の内容に基づいて放射線画像の撮影を開始する。
【0061】
例えば、図2に示すように、手術台46上に横臥した患者30の患部の放射線画像の撮影を行う場合、医師26や放射線技師は、撮影の部位、角度に応じて手術台46と患者30の患部との間に電子カセッテ32を配置すると共に、患部上方に撮影装置34を配置する。また、医師26や放射線技師は、患者30の撮影部位や撮影条件に応じてコンソール42の操作パネル102に対して放射線Xを照射する際の管電圧、管電流、照射時間等の曝射条件を指定する曝射条件指定操作を行う。医師26や放射線技師は、撮影装置34の曝射準備が完了すると、コンソール42の操作パネル102に対して撮影を指示する撮影指示操作を行う。
【0062】
次に、第1の実施の形態に係る撮影システム18の動作について詳細に説明する。図6には、撮影システム18により放射線画像を撮影する際の動作の流れを示すタイミングチャートが示されている。
【0063】
電子カセッテ32は、電源がオンされた状態(立ち上げた状態)では動作モードが初期状態である非動作状態(NOP状態)となっており、コンソール42から通信ケーブル43を介して受信される指示情報に基づいて動作する。
【0064】
ところで、電子カセッテ32の内蔵された放射線検出器60(図4参照。)は、電子カセッテ32の電源がオン状態の場合、放射線Xが照射されていない状態であっても暗電流等により各蓄積容量68に電荷が蓄積される。このため、カセッテ制御部92は、動作モードが非動作状態の場合、信号処理部82に対してリセットを指示する指示信号を出力している。信号処理部82は、リセットを指示する指示信号が入力されると、スイッチ84C(図5参照。)がオンになってコンデンサ84Bの両電極をショートさせる。このようにコンデンサ84Bの両電極をショートさせることによってコンデンサ84Bに不要に蓄積された電荷が放出される。
【0065】
コンソール42は、通信ケーブル43に電子カセッテ32が接続されると、リセットモードでの動作を指示する指示情報C1を、通信ケーブル43を介して電子カセッテ32へ送信する。
【0066】
カセッテ制御部92は、リセットモードでの動作を指示する指示情報C1を受信すると、動作モードをリセットモードへ移行し、ゲート線ドライバ80を制御してゲート線ドライバ80から1ラインずつ順に各ゲート配線76にON信号を出力させて、各ゲート配線76に接続された各TFT36を1ラインずつ順にONさせる。これにより、1ラインずつ順に各蓄積容量68に蓄積された電荷が電荷信号として各データ配線78に流れ出す。カセッテ制御部92は、動作モードがリセットモードである間、1ラインずつ順に各ゲート配線76にON信号を出力させて各蓄積容量68に蓄積された電荷を1フレーム分リセットするリセット動作を繰り返す。
【0067】
コンソール42は、操作パネル102に対して曝射条件指定操作が行われると、曝射条件指定操作で指定された管電圧、管電流、照射時間等の曝射条件情報C2を、通信ケーブル35を介して撮影装置34へ送信する。また、コンソール42は、放射線画像の撮影の際、放射線検出器60の各蓄積容量68に電荷を蓄積させる蓄積時間等の撮影制御情報C3を、通信ケーブル43を介して電子カセッテ32へ送信する。
【0068】
撮影装置34は、電源がオンされて所定の初期起動動作が完了すると、動作状態がスリープ状態となって待機している。撮影装置34は、曝射条件情報C2を受信すると、受信した曝射条件情報を記憶すると共に、動作状態を駆動状態へ移行する。撮影装置34は、動作状態が駆動状態に復帰すると、撮影準備完了を示す情報C4を、通信ケーブル35を介してコンソール42へ送信する。
【0069】
電子カセッテ32のカセッテ制御部92は、撮影制御情報C3を受信すると、受信した当該撮影制御情報を記憶する。
【0070】
コンソール42は、撮影準備完了を示す情報C4を受信すると、撮影準備が完了したことをディスプレイ100に表示し、操作パネル102に対する撮影を指示する撮影指示操作が可能となる。本実施の形態に係る撮影システム18では、操作パネル102に対する撮影指示操作を2段階の操作としており、操作パネル102に対して1段階目の撮影指示操作の後に2段階目の撮影指示操作が行われることにより放射線画像の撮影が行われる。この2段階の撮影指示操作は、例えば、操作パネル102の2つのボタンを順に押下するものでもあってもよく、また、例えば、1つのボタンに対する半押、全押であってもよい。
【0071】
コンソール42は、操作パネル102に対して1段階目の撮影指示操作が行われると、曝射用意を指示する指示情報C5を、通信ケーブル35を介して撮影装置34へ送信する。
【0072】
撮影装置34は、曝射用意を指示する指示情報C5が受信されると、直前に記憶した曝射条件情報により示される管電圧、管電流での曝射が行われるように放射線源130のスタンバイを行う。撮影装置34は、放射線源130のスタンバイが完了すると、スタンバイ完了を示す情報C6を、通信ケーブル35を介してコンソール42へ送信する。
【0073】
コンソール42は、スタンバイ完了を示す情報C6を受信すると、2段階目の撮影指示操作が可能となる。コンソール42は、操作パネル102に対して2段階目の撮影指示操作が行われると、撮影を要求する指示情報C7を、通信ケーブル43を介して電子カセッテ32へ送信する。
【0074】
カセッテ制御部92は、撮影を要求する指示情報C7を受信すると、1フレーム分のリセット動作が完了するまでリセット動作を行い、1フレーム分のリセット動作の完了後、撮影開始を指示する指示情報C8を、通信ケーブル35を介してコンソール42へ送信し、動作モードを撮影モードへ移行する。
【0075】
コンソール42は、撮影開始を指示する指示情報C8を受信すると、曝射を指示する指示情報C9を、通信ケーブル43を介して撮影装置34へ送信する。
【0076】
撮影装置34は、曝射を指示する指示情報C9を受信すると、直前に記憶した曝射条件情報により示される照射時間だけ放射線源130から放射線Xを照射させる。
【0077】
放射線源130から照射された放射線Xは、患者30を透過した後に電子カセッテ32に到達する。これにより、電子カセッテ32に内蔵された放射線検出器60の各画素部74の蓄積容量68には、照射された放射線Xの線量に応じた電荷が蓄積される。
【0078】
カセッテ制御部92は、撮影開始を指示する指示情報C8の送信後、直前に記憶した撮影制御情報で定められた蓄積時間だけ待機した後に、ゲート線ドライバ80を制御してゲート線ドライバ80から1ラインずつ順に各ゲート配線76にON信号を出力させ、各ゲート配線76に接続された各TFT36を1ラインずつ順にONさせる。これにより、1ラインずつ順に各蓄積容量68に蓄積された電荷が電荷信号として各データ配線78に流れ出す。各データ配線78に流れ出した電荷信号は個々のサンプルホールド回路84に入力されてアナログ電圧信号に変換され、変換されたアナログ電圧信号がマルチプレクサ86に順に(シリアルに)入力され、A/D変換器88によってデジタルの画像情報へ変換されて、フレームメモリ90に記憶される。
【0079】
カセッテ制御部92は、1フレーム分の画像情報がフレームメモリ90に記憶されると、図7に示す画像情報転送処理ルーチンを実現するプログラムを実行する。
【0080】
まず、ステップ150において、後述する接続状況検出処理ルーチンを実行することにより、接続端子32Aと通信ケーブル43との接続状況を検出する。そして、ステップ152において、上記ステップ150で検出された接続状況に基づいて、接続端子32Aから通信ケーブル43が外れているか否かを判定する。通信ケーブル43が接続端子32Aから外れていると判定された場合には、ステップ154において、フレームメモリ90に記憶された1フレーム分の画像情報を読み出して、不揮発性メモリ93に記憶して、画像情報転送処理ルーチンを終了する。
【0081】
一方、上記ステップ152において、通信ケーブル43が接続端子32Aから外れていないと判定された場合には、ステップ156において、フレームメモリ90に記憶された1フレーム分の画像情報をシリアルデータに変換して通信ケーブル43を介してコンソール42へ送信して、画像情報転送処理ルーチンを終了する。
【0082】
カセッテ制御部92は、上記の画像情報転送処理ルーチンによって、1フレーム分の画像情報の転送が終了すると、動作モードがリセットモードへ移行する。ここでは、連続撮影を行わないものとして、リセットモードへ移行することとしているが、連続撮影を行うものしてもよい。
【0083】
ところで、本実施の形態のように、通信ケーブルを着脱可能とした場合、一旦ケーブルが外れやすくなると、接続端子と通信ケーブルとの接続状態が不安定となり、ケーブル外れが発生しやすくなる場合がある。
【0084】
そこで、本実施の形態では、接続端子32Aと通信ケーブル43との接続状況を示す情報としてビットエラーレート(BER)を検出する。このビットエラーレートは、デジタルデータの送受信を行なう際に、受信データの中に送信データと異なるビットが含まれる確率である。
【0085】
本実施の形態では、電子カセッテ32のカセッテ制御部92及びコンソール42のROM106に予め定めた同じ検査用データを記憶させており、画像情報の送受信を行う際に、電子カセッテ32のカセッテ制御部92において、画像情報転送処理ルーチンを実行する中で、図8に示す接続状況検出処理ルーチンを実現するプログムを実行することによりビットエラーレートを検出する。
【0086】
まず、ステップ160において、予め定めた検査用データの送信を指示する指示情報を、通信ケーブル43を介してコンソール42へ送信する。
【0087】
コンソール42は、検査用データの送信を指示する指示情報を受信すると、検査用データを、通信ケーブル43を介して電子カセッテ32へ送信する。
【0088】
次のステップ162では、検査用データの受信待ちを行い、次のステップ164では受信された検査用データを予め記憶した検査用データと比較してエラービットを特定し、次のステップ166では、検査用データのビット数に対するエラービットのビット数の割合を求めることにより、接続状況を示す情報としてビットエラーレートを検出して、接続状況検出処理ルーチンを終了する。
【0089】
上記の画像情報転送処理ルーチンのステップ152では、上記ステップ166で検出されたビットエラーレートが閾値以上であれば、接続端子32Aから通信ケーブル43が外れていると判定し、ビットエラーレートが閾値未満であれば、接続端子32Aから通信ケーブル43が外れていないと判定する。
【0090】
通信ケーブル43が電子カセッテ32の接続端子32Aから外れていた場合には、撮影終了後に、医師26や放射線技師によって、通信ケーブル43が接続端子32Aに接続し直される。このとき、電子カセッテ32の不揮発性メモリ93に画像情報が記憶されているため、コンソール42から、1フレーム分ずつ画像情報転送要求信号が通信ケーブル43を介して電子カセッテ32へ送信される。
【0091】
カセッテ制御部92は、画像情報転送要求信号を受信する毎に、不揮発性メモリ93に記憶された1フレーム分の画像情報をシリアルデータに変換して通信ケーブル43を介してコンソール42へ送信する。カセッテ制御部92は、不揮発性メモリ93に記憶された全ての画像情報を送信すると、画像情報の転送完了を示す転送完了情報を最後に送信し、コンソール42側が転送完了情報を受信した場合に、画像情報転送要求信号の送信を停止する。
【0092】
コンソール42では、1フレーム分の画像情報を受信すると、1フレーム分の画像情報に対して所定の画像処理を施し、画像処理後の画像情報を患者30の患者情報と関連付けられた状態でHDD110に記憶させる。また、コンソール42は、画像処理後の放射線画像を示す画像信号を表示装置36に対して出力して表示装置36の表示部36Aに表示させる。医師26は、表示部36Aに表示された放射線画像を確認しながら手術を遂行する。
【0093】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、コンソールとの通信におけるビットエラーレートに基づいて、接続端子から通信ケーブルが外れていると判定される場合であっても、撮影を中断せずに、生成された放射線画像を示す画像情報を不揮発性メモリに記憶させることにより、円滑に放射線画像を撮影することができる。
【0094】
なお、上記の実施の形態では、接続端子32Aと通信ケーブル43との接続状況を示す情報としてビットエラーレートを検出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、データを伝送した際の通信品質を示すものであれば何れの情報を検出するようにしてもよい。例えば、データを伝送する際の再送要求回数を、通信品質を示す情報として検出するようにしてもよい。再送要求回数は、接続端子32Aと通信ケーブル43との接続状態が悪化すると、増加する傾向がある。このため、再送要求回数を接続端子32Aと通信ケーブル43との接続状況の判定に用いることができる。
【0095】
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となっている部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0096】
第2の実施の形態では、通信ケーブルのシールド線の抵抗値を測定して、接続端子と通信ケーブルとの接続状況を判定している点が、第1の実施の形態と主に異なっている。
【0097】
通信ケーブル43が、データが伝送される伝送線をノイズや外傷等から保護するためのシールド線を有する場合、シールド線の抵抗値は、接続端子32Aと通信ケーブル43との接続状態が悪化すると増加する傾向がある。
【0098】
そこで、本実施の形態では、シールド線の抵抗値を、接続端子32Aと通信ケーブル43との接続状況を示す情報として求め、接続端子32Aと通信ケーブル43との接続状況を判定する。
【0099】
図9には、通信ケーブル43のシールド線43Cの抵抗値を測定する測定回路の一例が示されている。光通信を行う通信ケーブル43の場合、シールド線43Cは、一本の配線とみなすことができる。そこで、コンソール42側において、シールド線43Cの一端をグランド配線に接続し、電子カセッテ32側において、シールド線43Cの他端を配線250に接続する。また、電子カセッテ32において、配線250を介して電流を流し、配線250の電圧レベルをA/D変換器252にてデジタルデータに変換して、カセッテ制御部92に出力する。この測定回路では、シールド線43Cの抵抗値が増加すると配線250の電圧レベルも上昇する。よって、カセッテ制御部92では、配線250の電圧レベルを検出することにより、シールド線43Cの抵抗値を求めることができる。
【0100】
カセッテ制御部92は、求められたシールド線43Cの抵抗値が閾値以上であるか否かを判定し、求められたシールド線43Cの抵抗値が閾値以上である場合に、接続端子32Aから通信ケーブル43が外れていると判定する。一方、カセッテ制御部92は、求められたシールド線43Cの抵抗値が閾値未満である場合に、接続端子32Aから通信ケーブル43が外れていないと判定する。
【0101】
なお、第2の実施の形態に係る放射線情報システムの他の構成及び作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0102】
このように、電子カセッテに接続される通信ケーブルのシールド線の抵抗値に基づいて、接続端子から通信ケーブルが外れていると判定される場合であっても、撮影を中断せずに、生成された放射線画像を示す画像情報を不揮発性メモリに記憶させることにより、円滑に放射線画像を撮影することができる。
【0103】
なお、上記の実施の形態において、通信ケーブル43としてツイストペア線を用いた構成としてもよい。この場合には、図10に示すように、ツイストペア線はシールド線43Cもペアで設けられており、ペアのシールド線43Cの一端側を接続して閉回路を形成して、通信ケーブル43のペアのシールド線43Cの抵抗値を一度に検出するようにすればよい。また、通信ケーブル43がシールド線43Cと信号線とを1本ずつ備えている場合は、例えば、一端側に信号線とシールド線とを接続するスイッチを設け、抵抗値を測定する間、当該スイッチをオンとして信号線とシールド線とを一端側で接続させて閉回路を形成し、信号線でデータの伝送を行う際に、当該スイッチをオフとして信号線とシールド線とを切断するようにすればよい。
【0104】
次に、第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となっている部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0105】
第3の実施の形態では、電子カセッテの接続端子の接続部分にメカニカルスイッチを設け、メカニカルスイッチのオンオフに基づいて、接続端子と通信ケーブルとの接続状況を判定している点が、第1の実施の形態と主に異なっている。
【0106】
第3の実施の形態に係る電子カセッテ32では、図11(A)、(B)に示すように、接続端子32Aの通信ケーブル43の端子43Bとの接続部分にメカニカルスイッチ356を設け、メカニカルスイッチ356のオンオフを、カセッテ制御部92に出力する。
【0107】
カセッテ制御部92は、入力されたメカニカルスイッチ356のオンオフに基づいて、接続端子32Aと通信ケーブル43との接続状況を判定する。図11(A)に示すように、メカニカルスイッチ356がオフである場合には、接続端子32Aから通信ケーブル43が外れていると判定され、図11(B)に示すように、メカニカルスイッチ356がオンである場合には、接続端子32Aから通信ケーブル43が外れていないと判定される。
【0108】
メカニカルスイッチ356の押下量(通信ケーブル43の挿入量)は、接続端子32Aと通信ケーブル43との接続状態が悪化すると、減少する傾向がある。そこで、メカニカルスイッチ356のオンオフを検出する回路は、図11(C)に示すように構成すればよい。例えば、通信ケーブル43の挿入方向と電流方向とが同一になるように接続端子32A内に抵抗358を設けると共に、通信ケーブル43の挿入量に応じて、抵抗358における電圧の検出位置が変化するように構成し、検出されたアナログ電圧信号を、A/D変換器252を介してカセッテ制御部92に出力するようにすればよい。カセッテ制御部92は、入力された信号に基づいて、通信ケーブル43の挿入量を求めて、メカニカルスイッチ356のオンオフを求めればよい。
【0109】
なお、第3の実施の形態に係る放射線情報システムの他の構成及び作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0110】
このように、電子カセッテの接続端子に設けられたメカニカルスイッチのオンオフに基づいて、接続端子から通信ケーブルが外れていると判定される場合であっても、撮影を中断せずに、生成された放射線画像を示す画像情報を不揮発性メモリに記憶させることにより、円滑に放射線画像を撮影することができる。
【0111】
なお、上記の実施の形態において、接続端子の接続部分にメカニカルスイッチを設けた場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、接続端子に通信ケーブルを接続した状態で通信ケーブルが位置する部分にメカニカルスイッチを設ければよい。
【0112】
また、接続端子32Aと通信ケーブル43を接続した後、メカニカルスイッチ356のチャタリングの有無を検出して、接続端子32Aと通信ケーブル43との接続状態を判定するようにしてもよい。
【0113】
また、図12(A)、(B)に示すように、通信ケーブル43の挿入量に応じて振動するメカニカルスイッチ362を接続端子に設けるようにしてもよい。図12(A)は、接続端子32Aに通信ケーブル43が未接続である場合のメカニカルスイッチ362の状態を示しており、図12(B)は接続端子32Aに通信ケーブル43を接続させた場合のメカニカルスイッチ362の状態を示している。このメカニカルスイッチ362の状態に基づいて、接続端子32Aと通信ケーブル43との接続状況を判定すればよい。
【0114】
次に、第4の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となっている部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0115】
第4の実施の形態では、電子カセッテに、接続された通信ケーブルを保持するための保持部材を設け、保持部材に設けられたメカニカルスイッチのオンオフに基づいて、接続端子と通信ケーブルとの接続状況を判定している点が、第1の実施の形態と主に異なっている。
【0116】
第4の実施の形態に係る電子カセッテ32の側面であって、かつ、接続端子32Aの近傍に、図13に示すように、接続端子32Aに接続された状態の通信ケーブル43を保持するための保持部材458が設けられている。保持部材458には、内側にメカニカルスイッチ(図示省略)が設けられ、メカニカルスイッチのオンオフを、カセッテ制御部92に出力する。
【0117】
カセッテ制御部92は、入力された保持部材458のメカニカルスイッチのオンオフに基づいて、接続端子32Aと通信ケーブル43との接続状況を判定する。保持部材458のメカニカルスイッチがオフである場合には、通信ケーブル43が保持部材458に保持されていないと判断されるため、接続端子32Aから通信ケーブル43が外れていると判定される。一方、保持部材458のメカニカルスイッチがオンである場合には、通信ケーブル43が保持部材458によって保持されていると判断されるため、接続端子32Aから通信ケーブル43が外れていないと判定される。
【0118】
なお、第4の実施の形態に係る放射線情報システムの他の構成及び作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0119】
このように、接続された通信ケーブルを電子カセッテに保持するための保持部材に設けられたメカニカルスイッチのオンオフに基づいて、接続端子から通信ケーブルが外れていると判定される場合であっても、撮影を中断せずに、生成された放射線画像を示す画像情報を不揮発性メモリに記憶させることにより、円滑に放射線画像を撮影することができる。
【0120】
次に、第5の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となっている部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0121】
第5の実施の形態では、電子カセッテの接続端子の接続部分に光学センサを設け、光学センサの検出結果に基づいて、接続端子と通信ケーブルとの接続状況を判定している点が、第1の実施の形態と主に異なっている。
【0122】
第5の実施の形態に係る電子カセッテ32の接続端子32Aには、図14(A)に示すように、通信ケーブル43の端子43Bとの接続部分に、光学センサとして反射型のセンサ566が設けられている。センサ566は、発光部567から、接続される通信ケーブル43の端子43Bが位置する方向に光を照射し、受光部568で、端子43Bからの反射光を受光する。
【0123】
図14(B)には、センサ566の等価回路図が示されている。発光部567は、発光ダイオード567Aを備えており、受光部568はフォトダイオード568Aを備えている。このフォトダイオード568Aを介して流れる電流レベル又は電圧レベルをA/D変換器にてデジタルデータに変換して、カセッテ制御部92に出力する。
【0124】
カセッテ制御部92は、入力された電流レベル又は電圧レベルのデジタルデータに基づいて、通信ケーブル43の接続端子32Aへの挿入量を算出し、算出した挿入量に基づいて、接続端子32Aと通信ケーブル43との接続状況を判定する。
【0125】
なお、第5の実施の形態に係る放射線情報システムの他の構成及び作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0126】
このように、電子カセッテの接続端子に設けられた光学センサの検出結果に基づいて、接続端子から通信ケーブルが外れていると判定される場合であっても、撮影を中断せずに、生成された放射線画像を示す画像情報を不揮発性メモリに記憶させることにより、円滑に放射線画像を撮影することができる。
【0127】
次に、第6の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となっている部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0128】
第6の実施の形態では、1フレーム分の画像情報の撮影が終了する毎に、コンソールから電子カセッテへ画像情報転送要求信号が送信される点と、電子カセッテにおいて、画像情報転送要求信号を受信したか否かによって、接続端子と通信ケーブルとの接続状況を判定している点とが、第1の実施の形態と主に異なっている。
【0129】
第6の実施の形態に係るコンソール42は、電子カセッテ32による1フレーム分の撮影が終了する毎に、画像情報転送要求信号を、通信ケーブル43を介して電子カセッテ32へ送信する。
【0130】
第6の実施の形態に係る電子カセッテ32のカセッテ制御部92は、1フレーム分の画像情報がフレームメモリ90に記憶されると、図15に示す画像情報転送処理ルーチンを実現するプログラムを実行する。なお、第1の実施の形態と同様の処理については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0131】
まず、ステップ650において、コンソール42から通信ケーブル43を介して画像情報転送要求信号を受信したか否かを判定する。画像情報転送要求信号を受信していない場合には、ステップ652において、1フレーム分の撮影が終了してから所定時間経過したか否かを判定する。所定時間を経過していない場合には、ステップ650へ戻るが、所定時間経過したと判定された場合には、通信ケーブル43を介して画像情報転送要求信号が受信されないため、接続端子32Aから通信ケーブル43が外れていると判断し、ステップ154において、フレームメモリ90に記憶された1フレーム分の画像情報を読み出して、不揮発性メモリ93に記憶して、画像情報転送処理ルーチンを終了する。
【0132】
一方、上記ステップ650において、通信ケーブル43を介して画像情報転送要求信号を受信した場合には、接続端子32Aから通信ケーブル43が外れていないと判断し、ステップ156において、フレームメモリ90に記憶された1フレーム分の画像情報を、通信ケーブル43を介してコンソール42へ送信して、画像情報転送処理ルーチンを終了する。
【0133】
なお、第6の実施の形態に係る放射線情報システムの他の構成及び作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0134】
このように、電子カセッテにおいて、コンソールから画像情報転送要求信号を受信した否かに基づいて、接続端子から通信ケーブルが外れていると判定される場合であっても、撮影を中断せずに、生成された放射線画像を示す画像情報を不揮発性メモリに記憶させることにより、円滑に放射線画像を撮影することができる。
【0135】
なお、上記の実施の形態では、画像情報転送要求信号を受信した否かに基づいて、通信ケーブルの接続状況を判定する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、コンソールから、画像情報転送要求信号ではない他の信号を受信したか否かに基づいて、通信ケーブルの接続状況を判定するようにしてもよい。例えば、一定周期でコンソールから受信する信号を受信したか否かに基づいて、通信ケーブルの接続状況を判定するようにしてもよい。
【0136】
また、上記の各実施の形態では、電子カセッテ32において接続状況を示す情報を検出した場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、コンソール42において、電子カセッテ32側で検出する場合と同様に、接続状況を示す情報(通信品質や、シールド線の抵抗値、スイッチのオンオフ、センサの検出結果など)を検出し、検出結果を電子カセッテ32へ送信するようにしてもよい。この場合には、電子カセッテ32において、コンソール42から受信した検出結果に基づいて、接続端子32Aから通信ケーブル43が外れているか否かを判定するようにしてもよい。
【0137】
また、フレームメモリ90に記憶された画像情報を、不揮発性メモリ93に記憶させる場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、フレームメモリ90に記憶された画像情報を、揮発性メモリに記憶させるようにしてもよい。
【0138】
また、電子カセッテ及び撮影装置の各々と、コンソールとの間で、通信ケーブルを介して各種指示情報の送受信を行う場合を例に説明したが、無線通信で各種指示情報の送受信を行うようにしてもよい。
【0139】
また、1フレーム分の撮影終了後に、接続状況を示す情報を検出する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、常時、接続端子と通信ケーブルとの接続状況を示す情報を一定周期で検出するようにしてもよい。この場合には、1フレーム分の撮影が終了したときに、直近の検出結果を用いて、接続端子と通信ケーブルとの接続状況を判定するようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る放射線情報システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る放射線画像撮影システムが設置された手術室の様子を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る電子カセッテの内部構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る放射線画像撮影システムの詳細な構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る放射線検出器の1画素部分に注目した等価回路図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る放射線画像を撮影する際の動作の流れ示すタイミングチャートである。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る電子カセッテにおける画像情報転送処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る電子カセッテにおける接続状況検出処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る通信ケーブルに内蔵されたシールド線の抵抗値を測定する測定回路の一例を示す回路図である。
【図10】他の実施の形態に係る通信ケーブルに内蔵されたシールド線の抵抗値を測定する測定回路の一例を示す回路図である。
【図11】(A)接続端子に通信ケーブルが未接続である場合のメカニカルスイッチの状態を示す図、(B)接続端子に通信ケーブルを接続させた場合のメカニカルスイッチの状態を示す図、及び(C)メカニカルスイッチの等価回路図である。
【図12】(A)接続端子に通信ケーブルが未接続である場合の振動型のメカニカルスイッチの状態を示す図、及び(B)接続端子に通信ケーブルを接続させた場合の振動型のメカニカルスイッチの状態を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態に係る通信ケーブルを、電子カセッテに設けられた保持部材により保持させた状態を示す図である。
【図14】(A)接続端子に反射型のセンサを設けた状態を示す図、及び(B)反射型のセンサの等価回路図である。
【図15】本発明の第6の実施の形態に係る電子カセッテにおける画像情報転送処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0141】
10 放射線情報システム
18 放射線画像撮影システム
32A 接続端子
32 電子カセッテ
34 撮影装置
36 表示装置
40 クレードル
42 コンソール
43 通信ケーブル
60 放射線検出器
80 ゲート線ドライバ
82 信号処理部
90 フレームメモリ
92 カセッテ制御部
93 不揮発性メモリ
94、118 光通信制御部
356、362 メカニカルスイッチ
458 保持部材
566 センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から照射された放射線量に応じた放射線画像を示す画像情報を生成する電子回路と、
外部装置と接続される通信ケーブルを接続するための接続端子と、
前記通信ケーブルを介して前記外部装置と通信を行う通信手段と、
前記画像情報を記憶するための記憶手段と、
前記電子回路によって前記画像情報が生成されたとき、前記接続端子と前記通信ケーブルとの接続状況が異常であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記接続状況が異常でないと判定された場合に、前記生成された前記画像情報を前記通信手段によって送信させ、前記判定手段によって前記接続状況が異常であると判定された場合に、前記生成された前記画像情報を前記記憶手段に記憶させる制御手段と、
を含む可搬型放射線画像変換装置。
【請求項2】
前記通信ケーブルを介した通信の通信品質を検出する通信品質検出手段を更に含み、
前記判定手段は、前記通信品質検出手段によって検出された前記通信品質に基づいて、前記接続端子と前記通信ケーブルとの接続状況が異常であるか否かを判定する請求項1記載の可搬型放射線画像変換装置。
【請求項3】
前記通信ケーブルと前記接続端子とが接続されるときに前記通信ケーブルが配置される位置に設置されたメカニカルスイッチを更に含み、
前記判定手段は、前記メカニカルスイッチのオンオフに基づいて、前記接続端子と前記通信ケーブルとの接続状況が異常であるか否かを判定する請求項1記載の可搬型放射線画像変換装置。
【請求項4】
前記接続端子と接続された前記通信ケーブルの有無を検出するセンサを更に含み、
前記判定手段は、前記センサの検出結果に基づいて、前記接続端子と前記通信ケーブルとの接続状況が異常であるか否かを判定する請求項1記載の可搬型放射線画像変換装置。
【請求項5】
前記接続端子と接続された前記通信ケーブルを保持するための保持部材と、
前記保持部材による前記通信ケーブルの保持状態を検出するセンサとを更に含み、
前記判定手段は、前記センサの検出結果に基づいて、前記接続端子と前記通信ケーブルとの接続状況が異常であるか否かを判定する請求項1記載の可搬型放射線画像変換装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記通信手段によって所定の信号を受信したか否かを判定することにより、前記接続端子と前記通信ケーブルとの接続状況が異常であるか否かを判定する請求項1記載の可搬型放射線画像変換装置。
【請求項7】
前記記憶手段を、揮発性メモリ又は不揮発性メモリで構成した請求項1〜請求項6の何れか1項記載の可搬型放射線画像変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−22638(P2010−22638A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−188565(P2008−188565)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】