説明

可撓管装置

【課題】ベローズ管の内面を略平坦にする。
【解決手段】ベローズが設けられたベローズ本体2aを有するベローズ管2と、一端部4aがベローズ管2の両端部に一体的に接続されると共に他端部4bが導管と接続される接続管4とを備え、ベローズ本体2aの内面には、軸線方向に連続して形成された凹凸の凹部2cに弾性層5が形成され、ベローズ管2が湾曲されたときであっても弾性層5が伸縮することによって、ベローズ管2の特性を損なわせることなく、ベローズ管2の内面を略平坦にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベローズ管を用いた可撓管装置に関する。
【背景技術】
【0002】
伸縮や湾曲等が可能である可撓管装置は、流体や粉粒体を流す導管として広く利用されている。この様な可撓管装置としては、例えばベローズ管が利用される。ベローズ管は、内面に、凹部が連続して軸方向に形成されたベローズが設けられ、各凹部の断面が逆U字状、Ω状、V字状等に形成されている(特許文献1参照。)。このため、ベローズ管は、例えばトウモロコシや種子等の粉粒体の輸送用の導管として利用される場合、ベローズ管の内面が平坦ではないので、ベローズを構成する各凹部にこれらが入り込んでしまう。
【0003】
そこで、ベローズ管は、水平に配管等する場合、ベローズ管の内側に内筒を設置して利用していた。しかしながら、内筒は、ベローズ管の動きを軸方向のみに制限してしまい、ベローズ管の可撓性を損なわせてしまう。
【0004】
また、ベローズ管は、湾曲させる等、しなやかさが求められる場所に用いる場合、内筒が利用できず、ベローズの凹部にトウモロコシや種子等の粉粒体が入り込んでしまい、定期的にこれら粉粒体をベローズの凹部から取り出す必要がある。
【0005】
また、ベローズ管を生活用水や屎尿等の汚水が流れる下水道に利用される場合には、比較的流量の多いポンプ圧送部分に限られていた。これも、ベローズ本体の凹部に汚水が溜まり、固化して、次に流れてきた汚水が引っ掛かり、また固化してベローズ管の断面を閉塞する虞があるからである。
【0006】
更に、ベローズ管は、以上のような粉粒体や流体を流す場合、内部の防錆対策も必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−290838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、ベローズ管の可撓性を損なわせることなく、ベローズ管内に粉粒体や流体が詰まることを防止することができる可撓管装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ベローズが設けられたベローズ本体を有するベローズ管と、一端部がベローズ管の両端部に一体的に接続されるとともに他端部が導管と接続される接続管とを備え、ベローズ本体の内面には、軸線方向に連続して形成された凹部に弾性層が形成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ベローズ管の内面に軸線方向に連続して形成された凹部に弾性層が形成されているので、ベローズ管内に粉粒体や流体が詰まることを防止することができる。また、本発明によれば、ベローズ管が湾曲されたときであっても弾性層が伸縮することで、ベローズ管の可撓性を損なわせることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明が適用された可撓管装置の平面図である。
【図2】各凸部の頂部の内径が、筒状の嵌合端部の内径と略同じ大きさとなるように形成されているとともに、弾性層の内周面の内径が、各凹部と隣り合う各凸部の頂部の内径と略同じ大きさとなるように形成されている可撓管装置の要部を拡大した縦断面図である。
【図3】各凸部の頂部の内径が、筒状の嵌合端部の内径と略同じ大きさとなるように形成されているとともに、弾性層の内周面の内径が、各凹部と隣り合う各凸部の頂部の内径より大きくなるように形成されている可撓管装置の要部を拡大した縦断面図である。
【図4】各凸部の頂部の内径が、筒状の嵌合端部の内径と略同じ大きさとなるように形成されているとともに、弾性層の内周面の内径が、各凹部と隣り合う各凸部の頂部の内径より小さくなるように形成されている可撓管装置の要部を拡大した縦断面図である。
【図5】各凸部の頂部の内径が、筒状の嵌合端部の内径より大きくなるように形成されているとともに、弾性層の内周面の内径が、各凹部と隣り合う各凸部の頂部の内径と略同じ大きさとなるように形成されている可撓管装置の要部を拡大した縦断面図である。
【図6】各凸部の頂部の内径が、筒状の嵌合端部の内径より大きくなるように形成されているとともに、弾性層の内周面の内径が、各凹部と隣り合う各凸部の頂部の内径より大きくなるように形成されている可撓管装置の要部を拡大した縦断面図である。
【図7】各凸部の頂部の内径が、筒状の嵌合端部の内径より大きくなるように形成されているとともに、弾性層の内周面の内径が、各凹部と隣り合う各凸部の頂部の内径より小さくなるように形成されている可撓管装置の要部を拡大した縦断面図である。
【図8】各凸部の頂部の内径が、筒状の嵌合端部の内径より大きくなるように形成されているとともに、弾性層の内周面の内径が、各凹部と隣り合う各凸部の頂部の内径より小さく、且つ嵌合端部の内径より小さくなるように形成されている可撓管装置の要部を拡大した縦断面図である。
【図9】各凸部の頂部の内径が、筒状の嵌合端部の内径より小さくなるように形成されているとともに、弾性層の内周面の内径が、各凹部と隣り合う各凸部の頂部の内径と略同じ大きさとなるように形成されている可撓管装置の要部を拡大した縦断面図である。
【図10】各凸部の頂部の内径が、筒状の嵌合端部の内径より小さくなるように形成されているとともに、弾性層の内周面の内径が、各凹部と隣り合う各凸部の頂部の内径と略同じ大きさとなるように形成され、且つ嵌合端部の内径より小さくなるように形成されている可撓管装置の要部を拡大した縦断面図である。
【図11】各凸部の頂部の内径が、筒状の嵌合端部の内径より小さくなるように形成されているとともに、弾性層の内周面の内径が、各凹部と隣り合う各凸部の頂部の内径より大きくなるように形成されている可撓管装置の要部を拡大した縦断面図である。
【図12】各凸部の頂部の内径が、筒状の嵌合端部の内径より小さくなるように形成されているとともに、弾性層の内周面の内径が、各凹部と隣り合う各凸部の頂部の内径より小さくなるように形成されている可撓管装置の要部を拡大した縦断面図である。
【図13】ベローズ本体のベローズを構成する各凹部の最外凹部と隣り合う最外凸部と接続管の一端部の内周面とが溶接された可撓管装置の要部を拡大した縦断面図である。
【図14】ベローズ本体のベローズを構成する各凹部の最外凹部の外周面と接続管のネックリングとが溶接された可撓管装置の要部を拡大した縦断面図である。
【図15】断面円形状の挿入部材を挿入した可撓管装置の要部を拡大した縦断面図である。
【図16】断面ティアドロップ状の挿入部材を挿入した可撓管装置の要部を拡大した縦断面図である。
【図17】本発明が適用された可撓管装置を粉粒体を輸送する輸送管の配管に用いた場合の概略平面図である。
【図18】本発明が適用された可撓管装置を下水管の配管に用いた場合の概略縦断面図である。
【図19】本発明が適用された可撓管装置を水道管の配管に用いた場合の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明が適用された可撓管装置1について、図面を参照して説明する。
【0013】
本発明が適用された可撓管装置1は、図1及び図2に示すように、可撓性や伸縮性、さらに密閉性を有するベローズ管2と、ベローズ管2の外周面に巻回されたブレード3と、ベローズ管2の両端部にそれぞれ一体的に接続された一対の接続管4,4とを備える。
【0014】
ベローズ管2は、機械的特性と防錆性に優れたステンレス材を素材とし、例えば断面略波形のベローズ本体2aの両端部に接続管4と接続するための接続部となる嵌合端部2bが一体的に設けられてなる。このベローズ管2は、その形状と材料特性とによって作業者が手で曲げられる程度の可撓性及び伸縮性を有するとともに密閉性を有している。ベローズ本体2aは、内部を流れる流体や粉粒体の内圧による力や外部から加わる荷重に耐えられるだけの強度を有している。ベローズ本体2aのベローズを構成する各凹部2cは、例えば、略垂直に立ち上がり先端が略円弧をなす断面逆U字状に形成されている。各凹部2cは、断面逆U字状に形成することによって、断面略Ω状に形成された場合より潰れにくくなり、強度が高められている。なお、板厚等で必要な強度が得られるようにすれば、各凹部2cは、断面略Ω状やその他の形状であってもよい。
【0015】
また、ベローズ本体2aのベローズを構成する各凹部2cによって形成され、隣り合う各凸部2dは、頂部の内径R1が、筒状の嵌合端部2bの内径R2と略同じとなるように形成されている。すなわち、各凸部2dの頂部R1は、ベローズ本体2aの内部に流体や粉粒体を流すベローズ本体2aの両側の直管部分の最内径(図2においては嵌合端部2bの内径R2)の延長線L1上に位置するように形成されている。ベローズ本体2aは、凸部2dの頂部の内径R1を、嵌合端部2bの内径R2と略同じとなるように形成することで、ベローズ本体2aの部分でのベローズ管2の内部を流れる流体や粉粒体の流れの妨げを最小限にすることができ、圧力損失を最小限に留めることができる。
【0016】
また、ベローズ本体2aは、内面に、ベローズを構成する各凹部2cを埋める弾性層5が形成されている。弾性層5は、例えばシリコーン樹脂で形成されており、この実施例では、ベローズ本体2aの内側に形成された各凹部2cの全体を埋め、更に各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径R1と略同じ内径R3となるように形成されている。すなわち、弾性層5の内周面は、ベローズ本体2aの内部に流体や粉粒体を流すベローズ本体2aの両側の直管部分の最内径(図2においては嵌合端部2bの内径R2)の延長線L1上に位置するように形成されている。したがって、弾性層5は、内部を流れる粉粒体や流体を介して流れるゴミ等の固形物がベローズ本体2aのベローズを構成する各凹部2cに滞留して詰まることを防止することができる。また、弾性層5は、ベローズ管2の内面を略平坦にするので、ベローズ本体2aの部分でのベローズ管2の内部を流れる流体や粉粒体の流れの妨げを最小限にすることができ、圧力損失を最小限に留めることができる。
【0017】
弾性層5に用いられるシリコーン樹脂は、ベローズ本体2aの内側に形成された各凹部2cに、各凹部2cとの接着性や耐久性を向上させる下地処理剤であるプライマー等で接着されている。シリコーン樹脂としては、ベローズの可撓性を損なわせない程度に、弾性・復元性を有し、更にベローズが湾曲されたときに湾曲されたベローズから剥がれずに追従するような良好な接着性を有するものが好ましく、例えば、GE東芝シリコーン株式会社製の商品名「トスシール361」(登録商標)、「トスシール10」(登録商標)等が挙げられる。なお、シリコーン樹脂は、弾性層5が形成されるときに、プライマー等の下地処理剤を用いることに限定されるものではなく、下地処理剤を用いずに各凹部2cに直接充填するようにしてもよい。また、弾性層5は、シリコーン樹脂等の合成樹脂で形成されることに限定されるものではなく、弾性・復元性及び良好な接着性を有する材質であれ如何なるものでもよく、例えばゴム等で形成するようにしてもよい。
【0018】
これにより、ベローズ本体2aの内面は、略平坦になり、内部を流れる流体や粉流体がベローズの各凹部2cで滞留して詰まり現象が発生することを防止し、内部を流れる流体や粉粒体の流れを各凹部2cで妨げないようにすることができる。また、ベローズが湾曲されたとき、外側は伸長し内側は収縮することになるが、弾性層5は、弾性・復元性及び良好な接着性を有するのでこれに合わせて伸縮し、ベローズ本体2aの可撓性を損なわせることを防止することができる。更に、弾性層5は、ベローズ本体2aの内面を同一物質で覆っているので、経年変化による劣化が部分毎に異なってしまうことを防止することができ、更に、ベローズ本体2aと、ベローズ本体2aの内部を流れる粉粒体や流体とが接する面積を小さくすることで、ベローズ本体2aの防錆性や耐腐食性の向上を図ることができる。
【0019】
このようなベローズ管2は、その長さの略3倍の長さのステンレス鋼板で形成された素管を管軸方向に圧縮してベローズを形成し、次いで、ベローズ形成後の残留応力による応力割れを防止するため固溶化熱処理を行い、次いで、熱処理後の残滓を除去するため表面の酸洗浄が行われることによって製造される。ベローズ管2は、この熱処理によって、弾性体から塑性体に転移するため、弾性体のような復元力は発生せず、曲げた際には曲げたままの形態が維持されるようになる。
【0020】
次いで、例えば、ベローズ管2は、プライマー等を内面に塗布した後に、所定温度に管理されて回転支持装置等で回転され、回転された状態で内面に所定温度のシリコーン樹脂が充填される。次いで、ベローズ管2は、回転支持装置等で回転された状態で所定温度に冷却されることで、シリコーン樹脂が隙間なく所定の厚さでベローズ本体2aの各凹部2cに固着され、各凹部2cの全体を埋め、更に各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径R1と略同じ内径R3となるように形成される。
【0021】
なお、ベローズ管2の製造方法は、以上の例に限定されるものではなく、例えば熱処理や酸処理を省略しても良い。また、ベローズ管2は、チューブ等が内面に挿入され、ベローズ管2の内面とベローズ管2の内面に挿入したチューブの外面との間に、シリコーン樹脂が充填され、所定の温度に冷却されることで、シリコーン樹脂が隙間なく所定の厚さで各凹部2cに固着され、各凹部2cの全体を埋め、更に各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径R1と略同じ内径R3となるように弾性層5が形成されるようにしてもよい。更に、ベローズ管2は、シリコーン樹脂をヘラや刷毛等で充填することで、弾性層5が形成されるようにしてもよい。
【0022】
なお、ベローズ管2については、ステンレス材に限定されるものではなく、例えば銅、チタン、アルミニウム合金等のその他の適宜の金属、又は合成樹脂によって形成されたものを用いても良い。また、ベローズ管2は、ベローズ本体2aを、ベローズを単山で構成したものの他、連続山で構成したラセン管で構成しても良い。
【0023】
ブレード3は、主としてベローズ本体2aの外周部に管軸方向に沿って巻回されることで、ベローズ本体2aの伸長や局所的変形を防止する。このブレード3は、例えば帯状の金属薄板を網目状に織ってなるリボンブレードや金属線を網目状に織ってなるワイヤブレード等によって構成されている。なお、ブレード3は、ベローズ本体2aの伸長や局所的変形を防止することができるものであれば、特に材質、構成等は限定されるものではない。このブレード3は、ベローズ本体2aと略同等の長さに形成されている。このブレード3は、ベローズ管2の可撓性を損なわないようにするために、ここでは、ベローズ管2に1回巻回されている。なお、ブレード3の巻数は、施工条件等によって、金属薄板の板厚や金属線の線径を変えて多層巻回しても良い。
【0024】
接続管4は、ステンレス材によって形成されたベローズ管2の両端部の嵌合端部2bのそれぞれに接続されるものであり、それぞれの嵌合端部2bの外径とほぼ等しい内径を有する筒体である。この接続管4の他端部4bは、他の導管に接合される。接続管4は、一端部4aがベローズ管2の嵌合端部2bの外周部に嵌合され、嵌合端部2bの先端部とその内周面とが溶接されることにより、ベローズ管2と一体化される(なお、溶接箇所を図1及び図2中20aで示す。)。
【0025】
ベローズ管2の両端に取り付けられる接続管4の他端部4bは、他の導管と接続される端部となり、この他端部4bには、他の導管の端部と接続するための接続部となるルーズフランジ機構6が設けられている。このルーズフランジ機構6は、接続管4の他端部4bに張り出し形成されたフランジ部6aによって抜け止めされた状態で、ルーズフランジ6bが接続管4に対して回転可能に取り付けられている。ルーズフランジ6bには、複数の接続孔6cが形成されている。一方、接続管4が接続される他の導管の端部にも、同様なルーズフランジ機構6が設けられている。可撓管装置1のルーズフランジ機構6と他の導管のルーズフランジ機構6とを接続するとき、パッキン等を介して接続管4のフランジ部6aと他の導管のフランジ部6aとが突き合わされ、次いで、接続管4のルーズフランジ6bと他の導管のルーズフランジ6bとを回転させて接続孔6c,6cの軸線を一致させる。この後、ボルトやナットで構成された接続部材を用いて接続管4のルーズフランジ6bと他の導管のルーズフランジ6bとが締め付けられ、これにより、接続管4と他の導管とが接続される。なお、接続管4と他の導管との接続するための機構は、このルーズフランジ機構6に限定されるものではなく、一般的に広く使用されている種々の接続方法であっても良い。
【0026】
ベローズ管2の両端部におけるベローズ管2、ブレード3及び接続管4の接続は、図1及び図2に示すように、先ず、ベローズ管2の嵌合端部2bの外周部に接続管4が嵌合される。そして、接続管4の内周面と嵌合端部2bの先端部が溶接される(溶接箇所を、図1及び図2中20aで示す。)。ここで、接続管4の一端部4aには、外周部に、ステンレス材等の金属材料を素材としたネックリング7が嵌合されネックリング7の内周部と溶接により一体化されている(溶接箇所を、図1及び図2中20bで示す。)。ネックリング7は、接続管4に嵌合端部2bが嵌合されたとき、ベローズ本体2aの最外凹部2eに外側から突き当てられることによって、ベローズ本体2aの端部を保護するネック部材であり、各凹部2cと略同じ高さとなるように形成されている。
【0027】
なお、ネック部材としては、ネックリング7の他、接続管4の一端部4aに設けられた舌片を、接続管4の周回り方向に一又は複数設けるようにして構成しても良い。また、ネック部材としては、ベローズを構成する各凹部2cが低いとき、ステンレスリボン等の金属製のテープを、テープの厚さに応じて接続管4に一回又は複数回巻回してベローズと略同じ高さになるようにして構成しても良い。
【0028】
ベローズ本体2aに巻回されたブレード3は、ベローズ本体2aの端部において、ブレード3の端部を保護するリング状のブレード押さえ部材8によって押さえ付けられている。具体的に、ブレード押さえ部材8は、織物であるブレード3の端部が解れ広がらないように端部を揃え押さえ付ける。ネックリング7の外周部は、ブレード3の端部及びブレード押さえ部材8と溶接される(溶接箇所を、図1及び図2中20cで示す。)。
【0029】
そして、ブレード3は、ベローズ本体2aの端部において、ブレード押さえ部材8によってベローズ本体2aの端部に押さえ付けられる。そして、ブレード3は、内周部が溶接箇所20bで接続管4に溶接されたネックリング7の外周部が溶接箇所20cによってブレード3の端部及びブレード押さえ部材8に溶接され、更に、接続管4が嵌合端部2bに溶接されることによって、ベローズ本体2aに固定されている。
【0030】
また、ベローズ管2に巻回されたブレード3の外周部には、更に、防錆テープ9が巻回され、更に、保護テープ10が巻回されている。防錆テープ9と保護テープ10とは、ベローズ本体2aの一方の端部において、止めリング11によって固定されている。防錆テープ9は、粘着力が低下した保護テープ10の外部から水等が浸透した場合でも、ベローズ管2に達しないようにしてその腐蝕を防止する。なお、ベローズ本体2aに巻回されるブレード3、防錆テープ9及び保護テープ10は、ベローズ管2の可撓性、伸縮性等の特性を損なわせるものではない。また、ブレード3、防錆テープ9、保護テープ10、止めリング11は、使用条件によっては、特に設けなくてもよい。
【0031】
以上のような構成を有する可撓管装置1は、弾性層5が、ベローズを構成する各凹部2cを埋め、更に各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径R1と略同じ内径R3となるように形成されているので、内部を流れる粉粒体や流体を介して流れるゴミ等の固形物がベローズ本体2aのベローズを構成する各凹部2cに滞留して詰まることを防止することができ、内部を流れる粉粒体や流体の流れの妨げを小さくし、圧力損失を小さくすることができる。
【0032】
また、可撓管装置1は、例えば、しなやかさが求められる場所等でベローズ本体2aが適宜湾曲されても、弾性層5が弾性・復元性及び良好な接着性を有する材質で形成されているので、ベローズの湾曲に応じて伸縮し、ベローズ本体2aの可撓性を損なわせることを防止することができる。
【0033】
また、可撓管装置1は、弾性層5が、ベローズを構成する各凹部2cを埋め、更に各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径R1と略同じ内径R3となるように形成されているので、ベローズ本体2aの内面を同一物質で覆うことで、経年変化による劣化が部分毎に異なってしまうことを防止することができ、更に、ベローズ本体2aと、ベローズ本体2aの内部を流れる粉粒体や流体とが接する面積を小さくすることで、防錆性や耐腐食性の向上を図ることができる。
【0034】
なお、可撓管装置1は、ベローズ管2が、作業者が手で曲げられる程度の可撓性及び伸縮性を有するものに限定されるものではなく、例えば作業者が手で曲げられない程度の可撓性及び伸縮性を有するベローズ管等、ベローズを構成する軸線方向に連続して形成された凹部を有するものであっても適用することができる。
【0035】
また、可撓管装置1は、弾性層5の内周面の内径R3が、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径R1と略同じ大きさとなるように形成されることに限定されるものではなく、図3に示すように、弾性層5の内周面の内径R3が、各凸部2dの頂部の内径R1より大きくなるように形成されるようにしてもよい。すなわち、図3に示す可撓管装置1は、各凸部2dの頂部の内径R1が、嵌合端部2bの内径R2と略同じ大きさとなるように形成されるとともに、弾性層5の内周面の内径R3が、各凸部2dの頂部の内径R1より大きくなるように形成される。
【0036】
以上のような構成を有する図3に示す可撓管装置1は、弾性層5によって、内部を流れる粉粒体や流体を介して流れるゴミ等の固形物がベローズ本体2aのベローズを構成する各凹部2cに滞留して詰まることを防止することができる。また、図3に示す可撓管装置1は、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部及び弾性層5の内周面が、ベローズ本体2aの内部に流体や粉粒体を流すベローズ本体2aの両側の直管部分の最内径(図3においては嵌合端部2bの内径R2)の延長線L1上又は延長線L1より外側に位置するように形成されることで、内部を流れる粉粒体や流体の流れの妨げを小さくし、圧力損失を小さくすることができる。また、図3に示す可撓管装置1は、図2及び後述する図4に示す可撓管装置1に用いられる弾性層5のシリコーン樹脂より、シリコーン樹脂を用いる量を減らし、コスト削減を図ることができる。
【0037】
また、可撓管装置1は、図4に示すように、弾性層5の内周面の内径R3が、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径R1より小さくなるように形成されるようにしてもよい。すなわち、図4に示す可撓管装置1は、各凸部2dの頂部の内径R1が、嵌合端部2bの内径R2と略同じ大きさとなるように形成されるとともに、弾性層5の内周面の内径R3が、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径R1より小さくなるように形成される。
【0038】
以上のような構成を有する図4に示す可撓管装置1は、弾性層5によって、内部を流れる粉粒体や流体を介して流れるゴミ等の固形物がベローズ本体2aのベローズを構成する各凹部2cに滞留して詰まることを防止することができる。また、図4に示す可撓管装置1は、弾性層5によって、ベローズ本体2aの内周面と直管部分の内周面とが面一に形成されるので、内部を流れる粉粒体や流体の流れの妨げを小さくし、圧力損失を小さくすることができる。また、図4に示す可撓管装置1は、弾性層5によって、ベローズ本体2aの内周面と直管部分の内周面とが面一に形成されるので、図3に示す可撓管装置1より、容易に製造することができる。また、図4に示す可撓管装置1は、弾性層5の内周面の内径R3が嵌合端部2bの内径R2より小さくなるように面一に形成されているので、弾性層5の内周面の内径R3が、各凸部2dの頂部の内径R1と略同じ大きさとなるように形成される図2に示す可撓管装置1より、容易に製造することができる。また、図4に示す可撓管装置1は、弾性層5が、ベローズ本体2aの内周面と接続管4の一端部4aの内周面とを覆うように形成されているので、ベローズ管2と、ベローズ管2の内部を流れる粉粒体や流体とが接する面積を小さくすることで、図2及び図3に示す可撓管装置1より、防錆性や耐腐食性の向上を図ることができる。
【0039】
また、可撓管装置1は、図2乃至図4で示したような、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径R1が、嵌合端部2bの内径R2と略同じ大きさとなるように形成されることに限定されるものではなく、各凸部2dの頂部の内径R1が、嵌合端部2bの内径R2より大きくなるように形成されるようにしてもよい。このとき、可撓管装置1は、弾性層5の内周面の内径R3が、図5に示すように、各凸部2dの頂部の内径R1と略同じ大きさとなるように形成されたり、図6に示すように、各凸部2dの頂部の内径R1より大きくなるように形成されたり、図7に示すように、各凸部2dの頂部の内径R1より小さく、且つ嵌合端部2bの内径R2と略同じ大きさとなるように形成されたり、図8に示すように、各凸部2dの頂部の内径R1より小さく、且つ嵌合端部2bの内径R2より小さくなるように形成される。
【0040】
すなわち、図5に示す可撓管装置1は、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径R1が、嵌合端部2bの内径R2より大きくなるように形成されるとともに、弾性層5の内周面の内径R3が、各凸部2dの頂部の内径R1と略同じ大きさとなるように形成される。
【0041】
以上のような構成を有する図5に示す可撓管装置1は、弾性層5によって、内部を流れる粉粒体や流体を介して流れるゴミ等の固形物がベローズ本体2aのベローズを構成する各凹部2cに滞留して詰まることを防止することができる。また、図5に示す可撓管装置1は、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部及び弾性層5の内周面が、ベローズ本体2aの内部に流体や粉粒体を流すベローズ本体2aの両側の直管部分の最内径(図5においては嵌合端部2bの内径R2)の延長線L1より外側に位置するように形成されることで、内部を流れる粉粒体や流体の流れの妨げを小さくし、圧力損失を小さくすることができる。
【0042】
また、図6に示す可撓管装置1は、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径R1が、嵌合端部2bの内径R2より大きくなるように形成されるとともに、弾性層5の内周面の内径R3が、各凸部2dの頂部の内径R1より大きくなるように形成される。
【0043】
以上のような構成を有する図6に示す可撓管装置1は、弾性層5によって、内部を流れる粉粒体や流体を介して流れるゴミ等の固形物がベローズ本体2aのベローズを構成する各凹部2cに滞留して詰まることを防止することができる。また、図6に示す可撓管装置1は、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部及び弾性層5の内周面が、ベローズ本体2aの内部に流体や粉粒体を流すベローズ本体2aの両側の直管部分の最内径(図6においては嵌合端部2bの内径R2)の延長線L1より外側に位置するように形成されることで、内部を流れる粉粒体や流体の流れの妨げを小さくし、圧力損失を小さくすることができる。また、図6に示す可撓管装置1は、図5及び後述する図7、図8の可撓管装置1に用いられる弾性層5のシリコーン樹脂より、シリコーン樹脂を用いる量を減らし、コスト削減を図ることができる。
【0044】
また、図7に示す可撓管装置1は、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径R1が、嵌合端部2bの内径R2より大きくなるように形成されるとともに、弾性層5の内周面の内径R3が、各凸部2dの頂部の内径R1より小さく、且つ嵌合端部2bの内径R2と略同じ大きさとなるように形成される。
【0045】
以上のような構成を有する図7に示す可撓管装置1は、弾性層5によって、内部を流れる粉粒体や流体を介して流れるゴミ等の固形物がベローズ本体2aのベローズを構成する各凹部2cに滞留して詰まることを防止することができる。また、図7に示す可撓管装置1は、弾性層5によって、ベローズ本体2aの内周面と直管部分の内周面とが面一に形成されるので、内部を流れる粉粒体や流体の流れの妨げを小さくし、圧力損失を小さくすることができる。また、図7に示す可撓管装置1は、弾性層5によって、ベローズ本体2aの内周面と直管部分の内周面とが面一に形成されるので、図5及び図6に示す可撓管装置1より、容易に製造することができる。また、図7に示す可撓管装置1は、弾性層5が、ベローズ本体2aの内周面を覆うように形成されているので、ベローズ管2と、ベローズ管2の内部を流れる粉粒体や流体とが接する面積を小さくすることで、図5及び図6に示す可撓管装置1より、防錆性や耐腐食性の向上を図ることができる。
【0046】
また、図8に示す可撓管装置1は、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径R1が、嵌合端部2bの内径R2より大きくなるように形成されるとともに、弾性層5の内周面の内径R3が、各凸部2dの頂部の内径R1より小さく、且つ嵌合端部2bの内径R2より小さくなるように形成される。
【0047】
以上のような構成を有する図8に示す可撓管装置1は、弾性層5によって、内部を流れる粉粒体や流体を介して流れるゴミ等の固形物がベローズ本体2aのベローズを構成する各凹部2cに滞留して詰まることを防止することができる。また、図8に示す可撓管装置1は、弾性層5によって、ベローズ本体2aの内周面と直管部分の内周面とが面一に形成されるので、内部を流れる粉粒体や流体の流れの妨げを小さくし、圧力損失を小さくすることができる。また、図8に示す可撓管装置1は、弾性層5によって、ベローズ本体2aの内周面と直管部分の内周面とが面一に形成されるので、図5及び図6に示す可撓管装置1より、容易に製造することができる。また、図8に示す可撓管装置1は、弾性層5の内周面の内径R3が嵌合端部2bの内径R2より小さくなるように面一に形成されているので、弾性層5の内周面の内径R3が嵌合端部2bの内径R2と略同じ大きさとなるように形成される図7に示す可撓管装置1より、容易に製造することができる。また、図8に示す可撓管装置1は、弾性層5が、ベローズ本体2aの内周面と接続管4の一端部4aの内周面とを覆うように形成されているので、ベローズ管2と、ベローズ管2の内部を流れる粉粒体や流体とが接する面積を小さくすることで、図5、図6及び図7に示す可撓管装置1より、防錆性や耐腐食性の向上を図ることができる。
【0048】
また、可撓管装置1は、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径R1が、嵌合端部2bの内径R2より小さくなるように形成されるようにしてもよい。このとき、可撓管装置1は、弾性層5の内周面の内径R3が、図9に示すように、各凸部2dの頂部の内径R1と略同じ大きさとなるように形成されたり、図10に示すように、各凸部2dの頂部の内径R1と略同じ大きさとなるように形成され、且つ連続して嵌合端部2bの内周面にも形成されたり、図11に示すように、各凸部2dの頂部の内径R1より大きくなるように形成されたり、図12に示すように、各凸部2dの頂部の内径R1より小さくなるように形成される。
【0049】
図9に示す可撓管装置1は、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径R1が、嵌合端部2bの内径R2より小さくなるように形成されるとともに、弾性層5の内周面の内径R3が、各凸部2dの頂部の内径R1と略同じ大きさとなるように形成される。
【0050】
以上のような構成を有する図9の可撓管装置1は、弾性層5によって、内部を流れる粉粒体や流体を介して流れるゴミ等の固形物がベローズ本体2aのベローズを構成する各凹部2cに滞留して詰まることを防止することができる。
【0051】
また、図10に示す可撓管装置1は、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径R1が、嵌合端部2bの内径R2より小さくなるように形成されるとともに、弾性層5の内周面の内径R3が、各凸部2dの頂部の内径R1と略同じ大きさとなるように形成され、且つ連続して嵌合端部2bの内周面にも形成されている。
【0052】
以上のような構成を有する図10に示す可撓管装置1は、弾性層5によって、内部を流れる粉粒体や流体を介して流れるゴミ等の固形物がベローズ本体2aのベローズを構成する各凹部2cに滞留して詰まることを防止することができる。また、図10に示す可撓管装置1は、弾性層5によって、ベローズ本体2aの内周面と直管部分の内周面とが面一に形成されるので、図9及び後述する図11に示す可撓管装置1より、内部を流れる粉粒体や流体の流れの妨げを小さくし、圧力損失を小さくすることができる。また、図10に示す可撓管装置1は、弾性層5によって、ベローズ本体2aの内周面と直管部分の内周面とが面一に形成されるので、図9及び後述する図11に示す可撓管装置1より、容易に製造することができる。また、図10に示す可撓管装置1は、弾性層5が、ベローズ本体2aの内周面と接続管4の一端部4aの内周面とを覆うように形成されているので、ベローズ管2と、ベローズ管2の内部を流れる粉粒体や流体とが接する面積を小さくすることで、図9及び後述する図11に示す可撓管装置1より、防錆性や耐腐食性の向上を図ることができる。
【0053】
また、図11に示す可撓管装置1は、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径R1が、嵌合端部2bの内径R2より小さくなるように形成されるとともに、弾性層5の内周面の内径R3が、各凸部2dの頂部の内径R1より大きくなるように形成される。
【0054】
以上のような構成を有する図11の可撓管装置1は、弾性層5によって、内部を流れる粉粒体や流体を介して流れるゴミ等の固形物がベローズ本体2aのベローズを構成する各凹部2cに滞留して詰まることを防止することができる。また、図11に示す可撓管装置1は、図9、図10及び後述する図12の可撓管装置1に用いられる弾性層5のシリコーン樹脂より、シリコーン樹脂を用いる量を減らし、コスト削減を図ることができる。
【0055】
また、図12に示す可撓管装置1は、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径R1が、嵌合端部2bの内径R2より小さくなるように形成されるとともに、弾性層5の内周面の内径R3が、各凸部2dの頂部の内径R1より小さくなるように形成される。
【0056】
以上のような構成を有する図12に示す可撓管装置1は、弾性層5によって、内部を流れる粉粒体や流体を介して流れるゴミ等の固形物がベローズ本体2aのベローズを構成する各凹部2cに滞留して詰まることを防止することができる。また、図12に示す可撓管装置1は、弾性層5によって、ベローズ本体2aの内周面と直管部分の内周面とが面一に形成されるので、図9及び図11に示す可撓管装置1より、内部を流れる粉粒体や流体の流れの妨げを小さくし、圧力損失を小さくすることができる。また、図12に示す可撓管装置1は、弾性層5によって、ベローズ本体2aの内周面と直管部分の内周面とが面一に形成されるので、図9及び図11に示す可撓管装置1より、容易に製造することができる。また、図12に示す可撓管装置1は、弾性層5の内周面の内径R3が、各凸部2dの頂部の内径R1より小さくなるように面一に形成されているので、弾性層5の内周面の内径R3が、各凸部2dの頂部の内径R1と略同じ大きさとなるように形成される図10に示す可撓管装置1より、容易に製造することができる。また、図12に示す可撓管装置1は、弾性層5がベローズ本体2aの内周面と接続管4の一端部4aの内周面とを覆うように形成されているので、ベローズ管2と、ベローズ管2の内部を流れる粉粒体や流体とが接する面積を小さくすることで、図9及び図11に示す可撓管装置1より、防錆性や耐腐食性の向上を図ることができる。
【0057】
また、可撓管装置1は、ベローズ管2のベローズ本体2aの両端部に接続管4と接続するための接続部となる嵌合端部2bが一体的に設けられ、この嵌合端部2bの先端部と接続管4の一端部4aの内周面とが溶接されることにより、ベローズ管2と接続管4とが一体化されることに限定されるものではない。可撓管装置1は、図13に示すように、ベローズ管2に嵌合端部2bを設けることなく、ベローズ本体2aのベローズを構成する各凹部2cの最外凹部2eの外周面と接続管4の一端部4aとが溶接されることにより、ベローズ管2と接続管4とが一体化されるようにしてもよい。このようにベローズ管2と接続管4とが一体化された可撓管装置1は、ベローズ管2に嵌合端部2bを設ける必要がないため、嵌合端部2bの長さ分、長さを短くすることができ、コスト削減を図ることができる。
【0058】
そして、このようにベローズ本体2aのベローズを構成する各凹部2cの最外凹部2eの外周面と接続管4のネックリング7とが溶接されることにより、ベローズ管2と接続管4と一体化された場合であっても、図2乃至図12に示す可撓管装置1は、弾性層5によって、内部を流れる粉粒体や流体を介して流れるゴミ等の固形物がベローズ本体2aのベローズを構成する各凹部2cに滞留して詰まることを防止することができる。また、図4、図8、図10、図12に示す可撓管装置1は、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部及び弾性層5の内周面が、ベローズ本体2aの内部に流体や粉粒体を流すベローズ本体2aの両側の直管部分の最内径(この場合においては接続管4の一端部4aの内径R4)の図示しない延長線上又は延長線上より外側に位置するように形成されることで、内部を流れる粉粒体や流体の流れの妨げを小さくし、圧力損失を小さくすることができる。
【0059】
更に、図13に示すように、接続管4の一端部4aの内周面に、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径と略同じ内径を有する弾性層5を設けることで、ベローズ本体2aの内部に流体や粉粒体を流すベローズ本体2aの両側の直管部分の最内径が上述した図2乃至図12の可撓管装置1の嵌合端部2bの内径R2と同じものとなる。したがって、図2乃至図12に示す可撓管装置1は、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部及び弾性層5の内周面が、ベローズ本体2aの内部に流体や粉粒体を流すベローズ本体2aの両側の直管部分の最内径(この場合においては接続管4の一端部4aの弾性層5の内径R2)の図示しない延長線上又は延長線上より外側に位置するように形成されることで、内部を流れる粉粒体や流体の流れの妨げを小さくし、圧力損失を小さくすることができる。
【0060】
また、可撓管装置1は、図14に示すように、ベローズ管2に嵌合端部2bを設けることなく、ベローズ本体2aのベローズを構成する各凹部2cの最外凹部2eの外周面と接続管4のネックリング7とが溶接されることにより、ベローズ管2と接続管4とが一体化されるようにしてもよい。
【0061】
このように各凹部2cの最外凹部2eの外周面と接続管4のネックリング7とが溶接される可撓管装置1は、ベローズ管2に嵌合端部2bを設ける必要がないため、嵌合端部2bの長さ分、長さを短くすることができ、コスト削減を図ることができる。また、このような可撓管装置1は、ベローズ本体2aを接続管4の一端部4aの内周面に溶接する必要がないため、ベローズ本体2aと接続管4の一端部4aとが溶接されるものより、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径を大きく設けることができる。例えば、可撓管装置1は、図14に示すように、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径を、接続管4の一端部4aの内径R4と略同じ内径とすることができ、ベローズ本体2aと接続管4の一端部4aとが溶接されるものより、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径を大きく設けることができる。
【0062】
このようにベローズ本体2aのベローズを構成する各凹部2cの最外凹部2eの外周面と接続管4のネックリング7とが溶接されることにより、ベローズ管2と接続管4とが一体化された場合であっても、図2乃至図12に示す可撓管装置1は、弾性層5によって、内部を流れる粉粒体や流体を介して流れるゴミ等の固形物がベローズ本体2aのベローズを構成する各凹部2cに滞留して詰まることを防止することができる。また、このような可撓管装置1は、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径を、接続管4の一端部4aの内径R4と略同じ内径としたとき(図2乃至図4に示す可撓管装置1)、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径を、接続管4の一端部4aの内径R4より大きくしたとき(図5乃至図8に示す可撓管装置1)、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部の内径を、接続管4の一端部4aの内径R4より小さくしたとき(図10及び図12に示す可撓管装置1)であっても、各凹部2cと隣り合う各凸部2dの頂部及び弾性層5の内周面が、ベローズ本体2aの内部に流体や粉粒体を流すベローズ本体2aの両側の直管部分の最内径(この場合においては接続管4の一端部4aの内径R4又は弾性層5の内周面の内径R3)の図示しない延長線上又は延長線上より外側に位置するように形成されることで、内部を流れる粉粒体や流体の流れの妨げを小さくし、圧力損失を小さくすることができる。
【0063】
また、ベローズ管2は、図15に示すように、ベローズ本体2aの内側に形成された各凹部2cに弾性を有する挿入部材12を挿入し、この挿入部材12上に弾性層5が形成されるようにしてもよい。
【0064】
挿入部材12は、ベローズ本体2aの可撓性を損なわせないように、弾性・復元性を有する材質、例えば発泡スチロール、ウレタン素材のスポンジ、ゴム、樹脂材料等で形成されている。また、挿入部材12は、断面略円形に設けられ、例えば断面逆U字状に形成された各凹部2cの内周面の先端と略同一又はやや大きな外径を有するようなリング状に形成されている。このような挿入部材12は、凹部2cに挿入されると、凹部2cの内周面を押圧し、凹部2cの内周面に密着して取り付けられる。また、挿入部材12の外周面には、図示しないが、ベローズが湾曲されたときに湾曲されたベローズから剥がれずに追従するように、挿入部材12を各凹部2cの内周面に貼りつける両面テープ等の接着部材が設けられている。なお、接着部材を設けることなく、接着剤等で挿入部材12を各凹部2cの内周面に貼りつけるようにしてもよい。
【0065】
このような挿入部材12が各凹部2cに挿入されたベローズ管2は、挿入部材12が各凹部2cに挿入された後に、挿入部材12の内周面上にシリコーン樹脂が充填され、挿入部材12上に弾性層5が形成されることで、シリコーン樹脂だけをベローズを構成する各凹部2cに充填するよりも、充填するシリコーン樹脂の量を少なくすることができる。これにより、ベローズ管2は、例えば、ベローズ管2の外径が大きく各凹部2cが深いときやベローズ管2の軸方向の長さが長いとき等に、図2に示すようなベローズ管2より、容易にシリコーン樹脂をベローズを構成する各凹部2cに充填することができる。
【0066】
また、挿入部材12は、断面略円形に限定されるものではなく、図16に示すように、断面逆U字状に形成された各凹部2cの内周面の先端と略同一の大きさの外径を有するとともに、各凹部2cの内周面の先端の略円弧と略同一形状の略円弧状に設けられた外周面を有し、弾性層5が形成される内周面に半径方向の弾性層5方向に向かって次第に肉厚が薄くなるように傾斜する一対の傾斜面を有する形状、所謂断面ティアドロップ形状に形成されるようにしてもよい。図16に示すような断面形状を有する挿入部材12は、弾性層5が形成される内周面に傾斜面を有するので、図15に示す挿入部材12より弾性層5との接触面が多く、図15に示す挿入部材12より、弾性層5から剥がれずに追従するような良好な接着性を有することができる。また、図15及び図16に示す挿入部材12は、リング形状に限定されるものではなく、半割状等、複数個に分割された挿入部材12を各凹部2cに挿入するようにしてもよい。
【0067】
次に、以上のように構成された可撓管装置1の使用例を説明する。
【0068】
先ず、以上のような可撓管装置1を、例えばトウモロコシや種子等の粉粒体の輸送用の導管として用いる場合について説明する。可撓管装置1は、例えばトウモロコシを格納しておく格納プラントとこのトウモロコシを加工する加工プラントとの間を配管する導管として用いられる。このような可撓管装置1は、露出管であり、図17に示すように、例えば、格納プラントと加工プラントとの間でしなやかさが求められる場所、例えば直交する導管のコーナ部等の従来複数個の定形曲管を用いて配管していた場所において、略L字形状に湾曲されて用いられる。なお、可撓管装置1は、その他、障害物を迂回する等のしなやかさが求められる場所や、地盤沈下や地震が発生した際の地盤の変位に対して変位吸収等するために用いるようにしてもよく、また、埋設管として用いるようにしてもよく、用途に応じて適宜変更可能である。
【0069】
このような場所で、可撓管装置1は、作業者の手によって略L字状に湾曲され、両端部のルーズフランジ機構6が、格納プラント側の他の導管40及び加工プラント側の他の導管41のそれぞれのルーズフランジ機構6に接続される。
【0070】
かくして、可撓管装置1を用いた格納プラントと加工プラントとの間の配管は、弾性層5が、弾性・復元性及び良好な接着性を有する材質であるシリコーン樹脂で形成されているので、ベローズ本体2aが湾曲されても、ベローズの湾曲に応じて伸縮し、ベローズ本体2aの可撓性を損なわせることを防止することができ、ベローズ本体2aが特に工具を用いることなく作業者の手によって略L字状等の所定形状に容易に湾曲することができ、配管作業を容易且つ迅速に行うことができる。
【0071】
このとき、可撓管装置1は、弾性層5が、ベローズを構成する各凹部2cを埋め、更に各凹部2cと隣り合う各凸部2dをも覆うように形成されているので、ベローズ管2の内面を略平坦にし、内部を流れるトウモロコシがベローズ本体2aのベローズを構成する各凹部2cに滞留して詰まることを防止することができ、内部を流れるトウモロコシの流れの妨げを小さくし、圧力損失を小さくすることができる。
【0072】
また、可撓管装置1は、例えば地盤沈下や地震等が発生した際の地盤の変位によってベローズが適宜変形されても、弾性層5が弾性・復元性及び良好な接着性を有する材質であるシリコーン樹脂で形成されているので、弾性層5が地盤沈下や地震等によるベローズの変位に応じて伸縮することで、変位吸収することができる。これにより、可撓管装置1は、例えば地盤沈下や地震等が発生しても、接続管4やルーズフランジ機構6に過剰な力が加わり、接続管4やルーズフランジ機構6が破損することや格納プラントと加工プラントとの間で配管が外れてしまうことを防止することができる。
【0073】
また、可撓管装置1は、弾性層5が、ベローズを構成する各凹部2cを埋め、更に各凹部2cと隣り合う各凸部2dをも覆うように形成されているので、ベローズ本体2aの内面を同一物質で覆うことで、経年変化による劣化が部分毎に異なってしまうことを防止することができ、更に、ベローズ本体2aと、ベローズ本体2aの内部を流れるトウモロコシとが接する面積を小さくすることで、防錆性や耐腐食性の向上を図ることができる。
【0074】
次に、可撓管装置1を、例えば下水道管の配管に用いる場合について説明する。
【0075】
可撓管装置1は、図18に示すように、例えば地盤沈下や地震が発生した際の地盤の変位に対して下水道管50,51の変位吸収等するために用いられる。このような可撓管装置1は、埋設管であり、両端部のルーズフランジ機構6が既設下水道管50,51のルーズフランジ機構6に接続される。なお、可撓管装置1は、露出管として用いるようにしてもよく、用途に応じて適宜変更可能である。
【0076】
このとき、可撓管装置1は、弾性層5が、ベローズを構成する各凹部2cを埋め、更に各凹部2cと隣り合う各凸部2dをも覆うように形成されているので、ベローズ管2の内面を略平坦にし、内部を流れる下水や下水を介して流れてきたゴミ等がベローズ本体2aのベローズと構成する各凹部2cに滞留して詰まることを防止することができ、内部を流れる下水の流れの妨げを小さくし、圧力損失を小さくすることができる。
【0077】
また、可撓管装置1は、例えば地盤沈下や地震等が発生した際の地盤の変位によってベローズが適宜変形されても、弾性層5が弾性・復元性及び良好な接着性を有する材質であるシリコーン樹脂で形成されているので、弾性層5が地盤沈下や地震等によるベローズの変位に応じて伸縮することで、変位吸収することができる。これにより、可撓管装置1は、例えば地盤沈下や地震等が発生しても、接続管4やルーズフランジ機構6に過剰な力が加わり、接続管4やルーズフランジ機構6が破損することや他の導管33との配管が外れてしまうことを防止することができる。
【0078】
また、可撓管装置1は、弾性層5が、ベローズを構成する各凹部2cを埋め、更に各凹部2cと隣り合う各凸部2dをも覆うように形成されているので、ベローズ本体2aの内面を同一物質で覆うことで、経年変化による劣化が部分毎に異なってしまうことを防止することができ、更に、ベローズ本体2aと、ベローズ本体2aの内部を流れる下水とが接する面積を小さくすることで、防錆性や耐腐食性の向上を図ることができる。
【0079】
次に、可撓管装置1を、例えば水道管の配管に用いる場合について説明する。可撓管装置1は、図19に示すように、例えば水道管60の配管工事等において、しなやかさが求められる場所、例えば下水道管に接続された下水マンホール等の障害物61の迂回を行う場所に用いられる。すなわち、可撓管装置1は、埋設管であり、障害物61の周囲に形成された狭い敷設溝62内で作業者の手によって障害物61の外周部を迂回するようにして適宜湾曲され、両端部のルーズフランジ機構6が水道管60のルーズフランジ機構6に接続される。なお、可撓管装置1は、その他、地盤沈下や地震が発生した際の地盤の変位に対して変位吸収等するために用いるようにしてもよく、また、露出管として用いるようにしてもよく、用途に応じて適宜変更可能である。
【0080】
かくして、可撓管装置1を用いた水道管60の配管工事は、弾性層5が、弾性・復元性及び良好な接着性を有する材質であるシリコーン樹脂で形成されているので、ベローズ本体2aが湾曲されても、ベローズの湾曲に応じて伸縮し、ベローズ本体2aの可撓性を損なわせることを防止することができ、敷設経路に障害物61が存在するときであっても、容易に迂回することができ、配管作業を容易且つ迅速に行うことができる。
【0081】
このとき、可撓管装置1は、弾性層5が、ベローズを構成する各凹部2cを埋め、更に各凹部2cと隣り合う各凸部2dをも覆うように形成されているので、ベローズ管2の内面を略平坦にし、内部を流れる水道水の流れの妨げを小さくし、圧力損失を小さくすることができる。
【0082】
また、可撓管装置1は、例えば地盤沈下や地震等が発生した際の地盤の変位によってベローズが適宜変形されても、弾性層5が弾性・復元性及び良好な接着性を有する材質であるシリコーン樹脂で形成されているので、弾性層5が地盤沈下や地震等によるベローズの変位に応じて伸縮することで、変位吸収することができる。これにより、可撓管装置1は、例えば地盤沈下や地震等が発生しても、接続管4やルーズフランジ機構6に過剰な力が加わり、接続管4やルーズフランジ機構6が破損することや水道管60との配管が外れてしまうことを防止することができる。
【0083】
また、可撓管装置1は、弾性層5が、ベローズを構成する各凹部2cを埋め、更に各凹部2cと隣り合う各凸部2dをも覆うように形成されているので、ベローズ本体2aの内面を同一物質で覆うことで、経年変化による劣化が部分毎に異なってしまうことを防止することができ、更に、ベローズ本体2aと、ベローズ本体2aの内部を流れる水道水とが接する面積を小さくすることで、防錆性や耐腐食性の向上を図ることができる。
【0084】
なお、可撓管装置1は、露出管として用いたものを埋設管として用いてもよく、埋設管として用いたものを露出管として用いてもよく、用途に応じて適宜変更可能である。また、可撓管装置1は、露出管や埋設管として用いられることに限定されるものではなく、既設管の管路更新工法であり、既設水道管に沿って設けられた発進抗から既設水道管の内部に、既設水道管の内径より径の小さな可撓管装置1が挿入され、既設水道管に沿って発進抗と適当距離おいて設けられた到達坑内で、ルーズフランジ機構6が他の導管のルーズフランジ機構6に接続することで既設管の管路更新を行うパイプインパイプ工法において用いてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 可撓管装置、2 ベローズ管、2a ベローズ本体、2b 嵌合端部、2c 凹部、2d 凸部、2e 最外凹部、2e 最外凸部、3 ブレード、4 接続管、5 弾性層、6 ルーズフランジ機構、7 ネックリング、8 ブレード押さえ部材、9 防錆テープ、10 保護テープ、11 止めリング、12 挿入部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベローズが設けられたベローズ本体を有するベローズ管と、
一端部が上記ベローズ管の両端部に一体的に接続されると共に他端部が導管と接続される接続管とを備え、
上記ベローズ本体の内面には、軸線方向に連続して形成された凹部に弾性層が形成されている可撓管装置。
【請求項2】
上記弾性層の内周面の内径は、上記ベローズ本体の両側の直管部分の内周面の内径と略同じ大きさ又は大きく形成されている請求項1記載の可撓管装置。
【請求項3】
上記軸線方向に連続して形成された凹部に隣り合う凸部の頂部の内径は、上記ベローズ本体の両側の直管部分の内周面の内径と略同じ大きさ又は大きく形成されている請求項1又は請求項2に記載の可撓管装置。
【請求項4】
上記ベローズ本体の内面には、上記凹部に弾性を有する挿入部材が挿入され、当該挿入部材上に弾性層が形成されている請求項1乃至請求項3のうち何れか1記載の可撓管装置。
【請求項5】
上記ベローズ本体の内面には、上記凹部に連続する凸部上にも弾性層が形成されている請求項1乃至請求項4のうち何れか1記載の可撓管装置。
【請求項6】
上記弾性層は、シリコーン樹脂で形成されている請求項1乃至請求項5のうち何れか1記載の可撓管装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−223360(P2010−223360A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−72203(P2009−72203)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(597092048)国産ラセン管株式会社 (7)
【Fターム(参考)】