説明

可溶性ポリイミド樹脂、ワニス、またはこれらの製造方法

【課題】溶媒への溶解性が良好な可溶性ポリイミド樹脂を提供することを目的とする。
【解決手段】
目開きが710μmの篩で篩分けした篩下の割合が70.0%以上である可溶性ポリイミド樹脂を提供した。また、目開きが1.4mmの篩で篩分けした際の篩上の割合が、20.0%未満であることを特徴とする前記可溶性ポリイミド樹脂を提供した。
本発明によれば、有機溶媒への溶解性が良好な可溶性ポリイミド樹脂を提供することができる為、比較的短時間でポリイミド樹脂溶液を調整することが可能となり、効率よく可溶性ポリイミド樹脂を使用することができることとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機溶媒に溶解しやすい可溶性ポリイミド樹脂に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリイミド樹脂は、耐熱性、電気絶縁性、耐溶剤性に優れていることから、電子材料として広く使用されている。しかし、耐溶剤性に優れているために、逆に成形加工の際に困難を伴うことがあった。
【0003】
そこで、近年では有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂が開発されている。例えば、ポリイミドスクリーン印刷用として有機溶媒に溶解する可溶性ポリイミド樹脂がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかし、この様な可溶性ポリイミド樹脂を使用した場合でも、完全に溶解する為には、数十時間、ひどい場合には数日の溶解時間が必要であった為に、実用性が乏しかった。特に最近新たな用途として検討されている光学用途(例えば、光導波路、各種保護板、光拡散板、光反射板、偏光板、位相差板等)においては、僅かな未溶解物等の存在も許されず、安定して溶解した状態に至る為に、膨大な時間を要するものであった。
【0005】
また、コーティングにより光学的な機能を有する層を形成する場合には、その光学特性を制御する為にその層の厚みが重要な因子となることがあるが、未溶解物が存在すると溶液の濃度が変わり、その結果厚みが変わり光学特性を所望の値に制御できないこととなる為、やはり完全に溶解した状態とする為に膨大な時間を要していた。
【0006】
一方、ポリイミド樹脂粉体の形状については、圧縮成形用途において検討されていたが(例えば、特許文献2、特許文献3参照)、溶解時間との関係で検討されることはなかった。
【0007】
また、ポリイミド樹脂粉体の製造方法は、前記特許文献2、特許文献3を含め一般的には、ポリアミド酸からポリイミドへ変性する際の溶解性の変化を利用して析出させるものであり、析出条件を操作してその粉体の形状を任意に制御することは行われていなかった。
【特許文献1】特開2000−154346号公報
【特許文献2】特許第3596284号公報
【特許文献3】特許第2609279号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来の技術が有する上記課題に鑑みてなされたもので、有機溶媒への溶解性が良好な可溶性ポリイミド樹脂、またはその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで本発明者らは鋭意検討した結果、目開きが710μmの篩で篩分けした篩下の割合が70.0%以上である可溶性ポリイミド樹脂が有機溶媒に溶解しやすいことを見出し、本発明に至った。
【0010】
1)目開きが710μmの篩で篩分けした篩下の割合が70.0%以上である可溶性ポリイミド樹脂を提供した。
【0011】
2)目開きが1.4mmの篩で篩分けした篩上の割合が20.0%未満である1)記載の可溶性ポリイミド樹脂。
【0012】
3)重量平均分子量が50,000以上、200,000以下である1)又は2)記載の可溶性ポリイミド樹脂を提供した。
【0013】
4)ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジオキソランのいずれかに溶解する1)〜3)記載の可溶性ポリイミド樹脂を提供した。
【0014】
5)酸二無水物と、一般式群(1)で表される少なくとも一種のジアミンを付加縮合して得られるポリイミド樹脂である1)〜4)記載の可溶性ポリイミド樹脂を提供した。
【0015】
【化1】

【0016】
(R1、R2はそれぞれ独立したF、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3から選ばれる置換基である。R3、R4、R5、R6はそれぞれ独立したH、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3から選ばれる置換基である。)
【0017】
6)ジアミンと、一般式群(2)で表される少なくとも一種の酸二無水物を付加縮合して得られるポリイミド樹脂である1)〜5)記載の可溶性ポリイミド樹脂を提供した。
【0018】
【化2】

【0019】
(R7は−C(CF32−、−SO2−から選ばれる置換基である。R8は、H、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3から選ばれる置換基である。またR9は、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3から選ばれる置換基である。)
【0020】
7)30℃未満に調整された可溶性ポリイミド樹脂溶液100gに対し、速度4g/min以上の割合で沈殿溶媒を添加することを特徴とする、可溶性ポリイミド樹脂固形分の抽出方法を提供した。
【0021】
8)30℃未満に調整された可溶性ポリイミド樹脂溶液100gに対し、速度4g/min以上の割合で沈殿溶媒を添加する沈殿工程、可溶性ポリイミド樹脂粉末を濾別して取り出す工程、可溶性ポリイミド樹脂粉末を再び溶媒に溶解してワニスを形成する工程を有することを特徴とする、可溶性ポリイミド樹脂ワニスの製造方法を提供した。
【0022】
9)沈殿溶媒を添加する対象となる可溶性ポリイミド樹脂溶液の溶媒と、ワニス溶媒が異なることを特徴とする、8)記載の可溶性ポリイミド樹脂ワニスの製造方法を提供した。
【0023】
10)8)又は9)に記載の製造方法により得られる可溶性ポリイミド樹脂ワニスを提供した。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、有機溶媒への溶解性が良好な可溶性ポリイミド樹脂を提供することができる為、比較的短時間でポリイミド樹脂溶液を調整することが可能となり、効率よく可溶性ポリイミド樹脂を使用することができることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明は、目開きが710μmの篩で篩分けした篩下の割合が70.0%以上である可溶性ポリイミド樹脂に関するものである。
【0026】
本発明で実施する篩分けは、JIS K 0069(1992)に基づくものである。
【0027】
目開きが710μmの篩で篩分けした篩下の割合は、70.0%以上であることが好ましく、より好ましくは75.0%以上であり、さらに好ましくは80.0%以上である。目開きが710μmの篩で篩分けした篩下の割合が70.0%未満の場合、可溶性ポリイミド樹脂の溶媒への溶解時間が長期化する可能性がある。一方、本発明によれば、例えば溶媒への溶解を、4時間以内、3時間以内、さらには2時間以内で完了することが可能となり、効率的に作業を進めることが可能となる。
【0028】
尚、ここで溶解時間とは、溶媒へ可溶性ポリイミド樹脂を投入してから、溶解するまでの時間である(但し、未溶解物と、異物や泡等を間違えないように注意して計測する必要がある。)。本発明において溶解時間を評価した条件を、表1に示した。
【0029】
【表1】

【0030】
また、目開きが1.4mmの篩で篩分けした篩上の割合は20.0%未満であることが好ましく、より好ましくは10.0%未満であり、さらに好ましくは5.0%未満である。目開きが1.4mmの篩で篩分けした篩上の割合が20.0%以上である場合、溶解時間が長期化する可能性がある。
【0031】
また、可溶性ポリイミド樹脂の重量平均分子量は、50,000以上、200,000以下であることが好ましい。より好ましくは70,000以上、180,000以下であり、さらに好ましくは80,000以上、160,000以下である。重量平均分子量が50,000未満であれば、耐久性が乏しくなることがある。重量平均分子量が200,000より大きい場合、可溶性ポリイミド樹脂の溶媒への溶解時間が長期化する可能性がある。表2に重量平均分子量の測定条件を示した。
【0032】
【表2】

【0033】
一方、本発明における可溶性ポリイミド樹脂としては、各種有機溶剤に溶解可能であれば特に制限されるものではないが、特にジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジオキソランから選ばれる1以上の溶媒に、固形分濃度5重量%以上の濃度で溶解可能なポリイミド樹脂であることが好ましい。
【0034】
本発明の可溶性ポリイミド樹脂は、以下の3つの工程を経ることで、好適に製造することができる。それぞれの工程について例を挙げて説明する。但し、本発明は以下の製造方法、又はこれによって得られる樹脂に限定されるものではない。
(1)ポリアミド酸の形成
(2)ポリアミド酸のイミド化
(3)ポリイミド樹脂の沈殿
【0035】
(1)ポリアミド酸の形成
ジアミンを溶解した有機溶媒中に、酸二無水物を分散し、攪拌することで完全に溶解させ重合させる方法、酸二無水物を有機溶媒中に溶解及び/または分散させた後、ジアミンを用いて重合させる方法、酸二無水物とジアミンの混合物を有機溶媒中で反応させて重合する方法など、公知の重合方法を用いることができる。
【0036】
反応時間は、通常約1時間から5時間が好ましいが、特にポリアミド酸溶液の粘度が、5Pa・s以上になるまで反応を行うことが好ましく、さらには10Pa・s以上、20Pa・s以上、30Pa・s以上であることが、後の沈殿溶媒を添加する工程において溶解性の優れた可溶性ポリイミド樹脂を得ることが容易となる点で好ましい。これはあくまで推測であるが、より反応を進め粘度を上げることにより、形成されるポリアミド酸の分子量が増大し、後に形成される可溶性ポリイミド樹脂の分子量は増大するものと考えられる。分子量の増大は溶解性の上では好ましくないと考えられるが、驚くべきことに分子量の増大は後の可溶性ポリイミド樹脂の沈殿の際に粒子形成機構に変化を与え、結果として溶解性の優れた可溶性ポリイミド樹脂が得られるものと考えられる。
【0037】
反応装置には、反応温度を制御するための温度調製装置を備えていることが好ましく、反応溶液温度として60℃以下が好ましく、さらに、40℃以下であることが反応を効率良くしかも、ポリアミド酸の粘度が上昇しやすいことから好ましい。
【0038】
ポリアミド酸の重合に使用する有機溶媒としては、例えばテトラメチル尿素、N,N−ジメチルエチルウレアのようなウレア類、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、テトラメチルスルフォンのようなスルホキシドあるいはスルホン類、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ―ブチルラクトン、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類、またはホスホリルアミド類の非プロトン性溶媒、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化アルキル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、フェノール、クレゾールなどのフェノール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、p−クレゾールメチルエーテルなどのエーテル類等が挙げられる。通常はこれらの溶媒を単独で用いるが、必要に応じて2種以上を適宜組合わせて用いても良い。これらのうちDMF、DMAc、NMPなどのアミド類が好ましく使用される。
【0039】
ポリアミド酸溶液中のポリアミド酸の重量%は、5〜50wt%、好ましくは10〜40wt%、更に好ましくは15〜30wt%であることが、取り扱い性の面から好ましい。
【0040】
本発明に好適に用いることのできるジアミンは溶解性を付与する上で一般式群(1)で表される構造が含まれていることが好ましい。なお、一般式群(1)で表される構造を、複数種混合して用いることも可能である。例えば、2,2´−ジフルオロ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジフルオロ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジフルオロ−5,5´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジフルオロ−5,5´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−5,5´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジクロロ−5,5´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジブロモ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジブロモ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジブロモ−5,5´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジブロモ−5,5´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−4,4´−ジアミンビフェニル、3,3´−ビス(トリフルオロメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−5,5´−ジアミノビフェニル、3,3´−ビス(トリフルオロメチル)−5,5´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(トリクロロメチル)−4,4´−ジアミンビフェニル、3,3´−ビス(トリクロロメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(トリクロロメチル)−5,5´−ジアミノビフェニル、3,3´−ビス(トリクロロメチル)−5,5´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(トリブロモメチル)−4,4´−ジアミンビフェニル、3,3´−ビス(トリブロモメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ビス(トリブロモメチル)−5,5´−ジアミノビフェニル、3,3´−ビス(トリブロモメチル)−5,5´−ジアミノビフェニル、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−フルオロ−4−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−フルオロ−3−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−クロロ−4−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−クロロ−3−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−ブロモ−4−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−ブルモ−3−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−トリフルオロメチル−4−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−トリフルオロメチル−3−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−トリクロロメチル−4−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−トリクロロメチル−3−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−トリブルモメチル−4−アミノフェニル)スルホン、ビス(5−トリブロモメチル−3−アミノフェニル)スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−フルオロ−4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−フルオロ−3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−クロロ−4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−クロロ−3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−ブロモ−4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−ブロモ−3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−トリフルオロメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−トリフルオロメチル−3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−トリクロロメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−トリクロロメチル−3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−トリブロモメチル−4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(5−トリブロモメチル−3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホンを用いることが、溶解性の面で好ましく、2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−4,4´−ジアミンビフェニルがさらに好ましい。
【0041】
また、以下のジアミンを適時併用または、その代わりとして用いることも可能である。例えば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エ−テル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、ジアミノポリシロキサン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4´−ジアミノ−ベンゾフェノン、4,4´−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル等が挙げられる。
【0042】
本願発明に好適に用いることのできる酸二無水物は、溶解性を付与する上で一般式群(2)で表される構造が含まれていることが好ましい。なお、一般式群(2)で表される構造を、複数種混合して用いることも可能である。例えば、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物、4,4´−スルホニルジフタル酸二無水物、3−フルオロピロメリット酸二無水物、3−クロロピロメリット酸二無水物、3−ブロモピロメリット酸二無水物、3−トリフルオロメチルピロメリット酸二無水物、3−トリクロロメチルピロメリット酸二無水物、3−トリブロモメチルピロメリット酸二無水物、3,6−ジフルオロピロメリット酸二無水物、3,6−ジクロロピロメリット酸二無水物、3,6−ジブロモピロメリット酸二無水物、3,6−ビストリフルオロメチルピロメリット酸二無水物、3,6−ビストリクロロメチルピロメリット酸二無水物、3,6−ビストリブロモメチルピロメリット酸二無水物等が好ましく、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物が多種の有機溶剤への溶解性を付与する面でさらに好ましい。
【0043】
また、以下の酸二無水物を適時併用または、その代わりとして用いることも可能である。例えば、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン酸二無水物、9,9−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン酸二無水物、4,4´−ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−メチルフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−(2,3−ジメチルフェニレン)ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)1,4−ナフタレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、2,6−ナフタレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス[4−(トリメリット酸モノエステル酸無水物)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(トリメリット酸モノエステル酸無水物)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物、1−(2,3−ジカルボキシフェニル)−3−(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物等が挙げられる。
【0044】
ポリアミド酸の形成に用いられる酸二無水物類とジアミン類の使用モル比率は、使用モル比率=全酸二無水物モル数/全ジアミンモル数で算出した場合に、0.9以上、1.5以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.95以上、1.3以下であることが好ましく、特に0.98以上、1.2以下であることが高分子量体を得る上で好ましい。
【0045】
(2)ポリアミド酸のイミド化
上記で作成したポリアミド酸を含む溶液をイミド化して可溶性のポリイミド樹脂を含む溶液を製造する方法について説明する。ポリアミド酸を含む溶液をイミド化する方法には、大きく分けて、熱的に脱水閉環する熱的イミド化方法と、脱水剤及びイミド化促進剤を用いる化学的イミド化方法がある。
【0046】
熱的イミド化方法では、公知の技術を用いることができるが、例えば、イミド化反応で生成した水がポリアミド酸の分解に寄与するため、水と共沸する有機溶媒を系中に加え、ディーン・スターク管などの装置を使用して、水を系外に排出することが好ましい。水と共沸する有機溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素を使用することができる。またイミド化促進剤としては、例えば3級アミンを用いることができる。3級アミンとしては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等の脂肪族アミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジプロピルアニリン等の芳香族3級アミン、ピリジン、キノリン、ピコリン、イソキノリン等の複素環3級アミンを用いることができる。着色抑制の面で、ピリジン、キノリン、ピコリン、イソキノリン等の複素環3級アミンを用いることが好ましい。
【0047】
化学的イミド化方法では、イミド化促進剤と脱水剤を併用することで可溶性ポリイミド樹脂のイミド化率を向上させることができる。イミド化促進剤としては、公知の技術を用いることができ、例えば3級アミンを用いることができる。3級アミンとしては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等の脂肪族アミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジプロピルアニリン等の芳香族3級アミン、ピリジン、キノリン、ピコリン、イソキノリン等の複素環3級アミンを用いることができる。着色抑制、分子量低下抑制の面で、ピリジン、キノリン、ピコリン、イソキノリン等の複素環3級アミンを用いることが好ましい。
【0048】
イミド化促進剤の量は、可溶性ポリイミド樹脂の洗浄を効率良く実施するため、”イミド化促進剤/ポリアミド酸中アミド基のモル比”で0.01以上、5未満で用いることが好ましい。イミド化促進剤が0.01未満であるとイミド化の進行に時間を要する場合がある。逆に5以上であると、可溶性ポリイミド樹脂の洗浄に時間を要する場合がある。
【0049】
イミド化に際して、脱水剤を併用することはイミド化時間を短縮できる観点で好ましい。このような脱水剤としては、無水酢酸などの脂肪族酸無水物や芳香族酸無水物などが挙げられる。無水酢酸を用いることが可溶性ポリイミド樹脂の洗浄に適しているという点から好ましい。
【0050】
脱水剤の量は、”脱水剤/ポリアミド酸中のアミド基のモル比”で1以上、5未満で用いることができる。脱水剤の量が少ないとイミド化が進行するのに時間が要する場合があり、逆に多すぎると分子量の低下を引き起こすことがある。
【0051】
(3)ポリイミド樹脂の沈殿
上記(1)(2)のようにして得られた可溶性ポリイミド樹脂を含む溶液から、可溶性ポリイミド樹脂を沈殿させる方法としては、可溶性ポリイミド樹脂を含む溶液へ、沈殿溶媒として可溶性ポリイミド樹脂の貧溶媒を投入する方法が好適に使用できる。ここで用いる沈殿溶媒としては、可溶性ポリイミド樹脂を溶解している溶媒と混和し、多量に使用した場合に可溶性ポリイミド樹脂を沈殿させるものであれば特に制限はないが、特にアルコール類又は炭化水素類を主成分として含む有機溶媒が好ましい。
【0052】
アルコール類の例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられるが、乾燥効率の面から、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコールが特に好ましい。
【0053】
炭化水素類の例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、エチルベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、塩化イソプロピル、塩化ブチル、塩化ペンチル、塩化ヘキシル、クロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、アニソール、ジオキサン、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類が挙げられる。可溶性ポリイミド樹脂の収率向上の面で、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、エチルベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が好ましく、洗浄効率の面から、エチルベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類がさらに好ましく、乾燥効率の面から、トルエンが特に好ましい。
【0054】
可溶性ポリイミド樹脂の溶液に沈殿溶媒を投入し、可溶性ポリイミド樹脂を沈殿させる際に、可溶性ポリイミド樹脂の塊が生成する場合は、湿式または乾式の粉砕装置を併用することができる。
【0055】
可溶性ポリイミド樹脂の沈殿に用いる沈殿溶媒の量は、重量で可溶性ポリイミド樹脂溶液の1.5倍以上の量であることが粉体形状を制御する面で好ましい。
【0056】
一方、沈殿溶媒を添加する際の条件としては、可溶性ポリイミド樹脂溶液の温度は30℃未満に調整されていることが、溶解性の優れた可溶性ポリイミド樹脂を得る上で好ましい。また、可溶性ポリイミド樹脂溶液100gに対して、速度4g/min以上の割合で沈殿溶媒を添加することも同様の理由で好ましい(ここで”割合”とは、可溶性ポリイミド樹脂溶液の量と添加速度の間の割合を意味し、例えば可溶性ポリイミド樹脂溶液の量が2倍の200gとなった時には、添加速度も2倍の8g/min以上で添加することを意味するものである。)。
【0057】
一方、沈殿させた状態の溶剤が混在する可溶性ポリイミド樹脂(以下、スラリーと言うことがある。)は、洗浄して、イミド化促進剤等を除去することが、可溶性ポリイミド樹脂の変質を抑制する面で好ましい。洗浄に使用する溶媒としては、前記沈殿溶媒として用いた溶媒を使用することができるが、イミド化時に用いた溶媒、副原料、副生成物等を除去できるものであれば特に制限するものではない。
【0058】
可溶性ポリイミド樹脂のスラリーは、乾燥により溶媒を除去し、可溶性ポリイミド樹脂を得ることが好ましい。乾燥方法としては、例えば真空乾燥又は熱風乾燥等を用いることができる。乾燥温度としては、酸素存在下では120℃以上では着色が起こる場合があり、150℃では明らかに着色するので、120℃以下で行うことが望ましい。真空中や不活性ガス雰囲気でも、120℃以下で行うことが望ましい。
【0059】
本発明の可溶性ポリイミド樹脂は、再び溶媒に溶解して(以下、この状態をワニスと言うことがある。一方、この時に用いる溶媒をワニス溶媒と言うことがある。)、例えば塗布・乾燥することにより、フィルム状、若しくは層状に成型することができる。ワニス溶媒としては、例えばテトラメチル尿素、N,N−ジメチルエチルウレアのようなウレア類、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、テトラメチルスルフォンのようなスルホキシドあるいはスルホン類、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ―ブチルラクトン、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類、またはホスホリルアミド類の非プロトン性溶媒、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化アルキル類、ベンゼン、トルエン、p−キシレン、m−キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類、フェノール、クレゾールなどのフェノール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、p−クレゾールメチルエーテルなどのエーテル類、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アセトン、ジエチルケトンなどのケトン類等を挙げることができる。また、これらの溶媒を2種以上併用することも可能である。
【0060】
一方、沈殿溶媒を添加する対象となる可溶性ポリイミド樹脂溶液の溶媒と、ワニス溶媒は異なっていることが好ましい。この場合、ポリマーの合成に好ましい溶媒と、ワニスとして使用する際に好ましい溶媒を選択することができ好ましい。
【0061】
可溶性ポリイミドのワニス溶媒としては、上記の通り各種溶媒を使用することができるが、その可溶性ポリイミド樹脂の使用形態、用途等に応じ選択することが好ましい。例えば、電子回路部材に用いる場合には、可溶性ポリイミド樹脂の溶解性が高い、DMF、DMAc、NMP等のアミド類と揮発性の高い、MIBK、MEK、アセトンなどのケトン類を混合して用いることが好ましい。また、例えば光学フィルムとして、液晶表示装置等の視野角補償層などのように高分子フィルム表面に積層する場合には、乾燥温度が低く、更に高分子フィルムを溶解しない溶媒を選択することが必要であり、そのために、MIBK、MEK、アセトンなどのケトン類が好ましく使用される。
【実施例】
【0062】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0063】
(実施例1)
(1)ポリアミド酸の形成とイミド化(ポリイミド溶液の製造)
本実施例では、反応容器としてガラス製セパラブルフラスコを備え、該セパラブルフラスコ内の攪拌装置として2枚のパドル翼を備え、冷却装置として20.9kJ/minの冷却能力を持つ装置を備えた反応装置を用いてポリアミド酸を製造した。重合反応中は、水分の混入を防ぐ為に、シリカゲル中を通過させて脱水を行った窒素ガスを0.05L/minで流して重合反応を行った。
【0064】
上記セパラブルフラスコに、重合用溶媒としてN,N−ジメチルフォルムアミド(DMF)223.5gを仕込み、これに、2,2´−ビス(トリフルオロメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル(TFMB)40.0g(0.125モル)を溶解する。この溶液に、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン酸二無水物(6FDA)55.5g(0.125モル)を添加・攪拌して完全に溶解させた。完全に溶解した後、攪拌して重合粘度を80Pa・sまで上昇させた。前記溶液にピリジンを40g(イミド化促進剤/ポリアミド酸中アミド基のモル比=2)添加した後、無水酢酸を30.6g(脱水剤/ポリアミド酸中アミド基のモル比=1.2)とDMF156.1gを添加した。その後内部温度を100℃に上昇させて5時間加熱した。
【0065】
(2)ポリイミド樹脂の沈殿
上記で得られた可溶性ポリイミド樹脂溶液(545.7g)を20℃温調した後、41.6g/minの速度で2−プロピルアルコール(IPA)(1.2kg)を添加し、可溶性ポリイミド樹脂を沈殿させた。ヌッチェろ過で可溶性ポリイミドスラリーを得た後、前記スラリーを5回洗浄した。洗浄は可溶性ポリイミドスラリーをIPA(500g)で30分間攪拌した後、ヌッチェろ過を実施した。
【0066】
(3)ポリイミド樹脂の乾燥
可溶性ポリイミドスラリーを真空オーブンにて乾燥温度100℃にて終夜で乾燥させた。評価結果を表3に示す。
【0067】
(実施例2)
可溶性ポリイミド樹脂の沈殿の際、可溶性ポリイミド樹脂溶液(545.7g)に対して、25.0g/minの速度でIPAを投入した以外は、実施例1と同様に実施した。評価結果は表3に示す。
【0068】
(実施例3)
可溶性ポリイミド溶液の製造の際、ポリアミド酸の重合粘度を30Pa・sまで上昇させた後に実施例1同様に実施した。また、可溶性ポリイミド樹脂の沈殿の際、溶液を10℃に温調した後、可溶性ポリイミド樹脂溶液(545.7g)に対して、61.2g/minの速度でIPAを投入した以外は、実施例1と同様に実施した。
【0069】
(比較例1)
可溶性ポリイミド樹脂の沈殿の際、溶液を35℃に温調した後、可溶性ポリイミド樹脂溶液(545.7g)に対して、41.6g/minの速度でIPAを投入した以外は、実施例1と同様に実施した。評価結果は表3に示す。
【0070】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
目開きが710μmの篩で篩分けした際の篩下の割合が、70.0%以上であることを特徴とする可溶性ポリイミド樹脂。
【請求項2】
目開きが1.4mmの篩で篩分けした際の篩上の割合が、20.0%未満であることを特徴とする請求項1記載の可溶性ポリイミド樹脂。
【請求項3】
重量平均分子量が50,000以上、200,000以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の可溶性ポリイミド樹脂。
【請求項4】
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジオキソランのいずれかに溶解することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の可溶性ポリイミド樹脂。
【請求項5】
酸二無水物と、一般式群(1)で表される少なくとも一種のジアミンを付加縮合して得られることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の可溶性ポリイミド樹脂。
【化1】

(R1、R2はそれぞれ独立したF、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3から選ばれる置換基である。R3、R4、R5、R6はそれぞれ独立したH、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3から選ばれる置換基である。)
【請求項6】
ジアミンと、一般式群(2)で表される少なくとも一種の酸二無水物を付加縮合して得られることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の可溶性ポリイミド樹脂。
【化2】

(R7は−C(CF32−、−SO2−から選ばれる置換基である。R8は、H、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3から選ばれる置換基である。またR9は、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3から選ばれる置換基である。)
【請求項7】
30℃未満に調整された可溶性ポリイミド樹脂溶液100gに対し、速度4g/min以上の割合で沈殿溶媒を添加することを特徴とする、可溶性ポリイミド樹脂固形分の抽出方法。
【請求項8】
30℃未満に調整された可溶性ポリイミド樹脂溶液100gに対し、速度4g/min以上の割合で沈殿溶媒を添加する沈殿工程、可溶性ポリイミド樹脂粉末を濾別して取り出す工程、可溶性ポリイミド樹脂粉末を再び溶媒に溶解してワニスを形成する工程を有することを特徴とする、可溶性ポリイミド樹脂ワニスの製造方法。
【請求項9】
沈殿溶媒を添加する対象となる可溶性ポリイミド樹脂溶液の溶媒と、ワニス溶媒が異なることを特徴とする、請求項8記載の可溶性ポリイミド樹脂ワニスの製造方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の製造方法により得られる可溶性ポリイミド樹脂ワニス。

【公開番号】特開2007−254615(P2007−254615A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−81745(P2006−81745)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】