可溶性RNAキャップ結合ポケット断片、及びその使用
本発明は、インフルエンザウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼサブユニットPB2及びその変異体の可溶性断片と、RNAキャップ類似体を含むその結晶化複合体とに関する。本発明は、RNAキャップ結合ポケットと相互作用する化合物をスクリーニング及び設計するための、上記複合体の構造座標を使用する演算方法にも関する。加えて、本発明は、好ましくはハイスループット設定において、上記PB2ポリペプチド断片を使用することにより、RNAキャップ結合ポケットを含むPB2ポリペプチド断片と結合し、好ましくはRNAキャップ又はその類似体との相互作用を阻害する化合物を同定する方法に関する。本発明は、マイナスセンス一本鎖RNAウイルスにより引き起こされるウイルス感染による疾患状態の治療のための化合物、及びこの同定した化合物を含む薬学的組成物にも関する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)インフルエンザウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼサブユニットPB2又はその変異体由来であり、且つ(ii)RNAキャップ又はその類似体と結合することができる、可溶性ポリペプチド断片。
【請求項2】
結晶化に適切な程度まで精製されている、請求項1に記載のポリペプチド断片。
【請求項3】
該インフルエンザウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼサブユニットPB2が、インフルエンザAウイルス、インフルエンザBウイルス若しくはインフルエンザCウイルス又はその変異体由来である、請求項1又は2に記載のポリペプチド断片。
【請求項4】
(i)N末端が配列番号1によるPB2のアミノ酸配列のアミノ酸位置220以上と同一であるか若しくはそれに対応し、C末端が配列番号1によるPB2のアミノ酸配列のアミノ酸位置510以下と同一であるか若しくはそれに対応する、
(ii)N末端が配列番号2によるPB2のアミノ酸配列のアミノ酸位置222以上と同一であるか若しくはそれに対応し、C末端が配列番号2によるPB2のアミノ酸配列のアミノ酸位置511以下と同一であるか若しくはそれに対応する、又は
(iii)N末端が配列番号3によるPB2のアミノ酸配列のアミノ酸位置227以上と同一であるか若しくはそれに対応し、C末端が配列番号3によるPB2のアミノ酸配列のアミノ酸位置528以下と同一であるか若しくはそれに対応するポリペプチド断片、及びRNAキャップ又はその類似体と会合する能力を保持するその変異体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリペプチド断片。
【請求項5】
配列番号4〜配列番号13によるアミノ酸配列の群から選択されるアミノ酸配列を有するか又はそれに対応するポリペプチド断片、及びRNAキャップ又はその類似体と会合する能力を保持するその変異体である、請求項4に記載のポリペプチド断片。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリペプチド断片と、RNAキャップ又はその類似体とを含む、複合体。
【請求項7】
該キャップ類似体が、m7G、m7GMP、m7GTP、m7GpppG、m7GpppGm、m7GpppA、m7GpppAm、m7GpppC、m7GpppCm、m7GpppU及びm7GpppUmから成る群から選択される、請求項6に記載の複合体。
【請求項8】
前記ポリペプチド断片が配列番号11によるアミノ酸配列から成り、前記キャップ類似体がm7GTPであり、図18に示すような構造座標により規定される構造を有する、請求項6に記載の複合体。
【請求項9】
空間群C2221と、a=9.2nm、b=9.4nm、c=22.0nm(±0.3nm)の単位格子寸法とを有する結晶形態を有する、請求項8に記載の複合体。
【請求項10】
該結晶が、3.0Å以上、好ましくは2.4Å以上の分解能までX線を回折する、請求項8及び9に記載の複合体。
【請求項11】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の単離ポリペプチドをコードする、単離ポリヌクレオチド。
【請求項12】
請求項11に記載の単離ポリヌクレオチドを含む、組換えベクター。
【請求項13】
請求項11に記載の単離ポリヌクレオチド、又は請求項12に記載の組換えベクターを含む、組換え宿主細胞。
【請求項14】
PB2のRNAキャップ結合ポケット、又はPB2ポリペプチド変異体の結合ポケットの全部又は一部と会合する化合物を同定する方法であって、
(a)図18に示すような請求項8に記載の複合体の構造座標により規定される前記結合ポケットのコンピュータモデルを構築する工程、
(b)有望な結合化合物を選択する工程であって、
(i)分子断片を集合化させ前記化合物とすること、
(ii)小分子データベースから化合物を選択すること、及び
(iii)前記化合物の新規リガンド設計
から成る群から選択される方法により有望な結合化合物を選択する工程、
(c)演算手段を使用する工程であって、該結合ポケットにおける前記化合物のエネルギを最小化した立体配置を提供するために、前記化合物と前記結合ポケットとのコンピュータモデル間のフィッティングプログラム操作を行う、演算手段を使用する工程、並びに
(d)前記フィッティング操作の結果を評価する工程であって、前記化合物と該結合ポケットモデルとの間の会合を定量化し、それにより前記結合ポケットと会合する前記化合物の能力を評価する、結果を評価する工程、
を含む、同定する方法。
【請求項15】
前記結合ポケットが、配列番号1によるPB2のアミノ酸Phe323、His357及びPhe404、又はそれに対応するアミノ酸を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記結合ポケットが、配列番号1によるPB2のアミノ酸Phe325、Phe330及びPhe363、又はそれに対応するアミノ酸をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記結合ポケットが、配列番号1によるPB2のアミノ酸Glu361及びLys376、又はそれに対応するアミノ酸をさらに含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記結合ポケットが、アミノ酸Ser320、Arg332、Ser337及びGln406をさらに含む、請求項15〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記結合ポケットが、配列番号1によるPB2のアミノ酸Lys339、Arg355、Asn429及びHis432、又はそれに対応するアミノ酸をさらに含む、請求項15〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記結合ポケットが、図18による配列番号1のPB2のアミノ酸Phe323、His357及びPhe404の構造座標により規定される、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記結合ポケットが、図18による配列番号1のPB2のアミノ酸Phe325、Phe330及びPhe363の構造座標によりさらに規定される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記結合ポケットが、図18による配列番号1のPB2のアミノ酸Glu361及びLys376の構造座標によりさらに規定される、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
前記結合ポケットが、図18による配列番号1のPB2のアミノ酸Ser320、Arg332、Ser337及びGln406の構造座標によりさらに規定される、請求項20又は22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記結合ポケットが、図18による配列番号1のPB2のアミノ酸Lys339、Arg355、Asn429及びHis432の構造座標によりさらに規定される、請求項20〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
PB2ポリペプチド変異体の該結合ポケットが、前記結合ポケットのアミノ酸Phe323、His357及びPhe404の骨格原子からの2.5Å以下の二乗平均平方根偏差を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
(e)前記化合物を合成し、任意に前記化合物又はその薬学的に許容可能な塩を1つ又は複数の薬学的に許容可能な添加物(複数可)及び/又は担体(複数可)と共に処方するさらなる工程を含む、請求項14〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
(f)前記化合物、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリペプチド断片、又は請求項12に記載の組換え宿主細胞と、RNAキャップ又はその類似体とを接触させるさらなる工程であって、前記PB2ポリペプチド断片と前記RNAキャップ又はその類似体との間の結合を阻害する前記化合物の能力を確定する、接触させるさらなる工程を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
請求項14〜27に記載の方法により同定可能な化合物であって、ただし、m7G、m7GMP、m7GTP、m7GpppG、m7GpppGm、m7GpppA、m7GpppAm、m7GpppC、m7GpppCm、m7GpppU、m7GpppUm、2−アミノ−7−ベンジル−9−(4−ヒドロキシ−ブチル)−1,9−ジヒドロ−プリン−6−オン、T−705又はm7Gppp(N)1−15(NはA、Am、G、Gm、C、Cm、U又はUmである)ではなく、且つPB2又はその変異体の該RNAキャップ結合ポケットと結合することができる、化合物。
【請求項29】
請求項14〜27に記載の方法により同定可能な化合物であって、ただし、m7G、m7GMP、m7GTP、m7GpppG、m7GpppGm、m7GpppA、m7GpppAm、m7GpppC、m7GpppCm、m7GpppU、m7GpppUm、2−アミノ−7−ベンジル−9−(4−ヒドロキシ−ブチル)−1,9−ジヒドロ−プリン−6−オン、T−705又はm7Gppp(N)1−15(NはA、Am、G、Gm、C、Cm、U又はUmである)ではなく、且つ該PB2ポリペプチド、その変異体又はその断片と該RNAキャップ又はその類似体との間の結合を阻害することができる、化合物。
【請求項30】
PB2の該RNAキャップ結合ポケット、又はPB2ポリペプチド変異体の結合ポケットと会合する化合物を同定する方法であって、(i)請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリペプチド断片、又は請求項13に記載の組換え宿主細胞と試験化合物とを接触させる工程、及び(ii)PB2と結合する前記試験化合物の能力を分析する工程を含む、同定する方法。
【請求項31】
RNAキャップ又はその類似体を添加するさらなる工程を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記RNAキャップ若しくはその類似体の存在下においてPB2若しくはその変異体と結合する前記試験化合物の能力、又は前記RNAキャップ若しくはその類似体とPB2若しくはその変異体との結合を阻害する前記試験化合物の能力を分析する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記RNAキャップ又はその類似体を、前記試験化合物の添加の前、同時又は後に添加する、請求項31又は32に記載の方法。
【請求項34】
ハイスループット設定において行われる、請求項30〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記試験化合物が小分子である、請求項30〜34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記試験化合物がペプチド又はタンパク質である、請求項30〜34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記化合物又はその薬学的に許容可能な塩を、1つ又は複数の薬学的に許容可能な添加物(複数可)及び/又は担体(複数可)と共に処方する工程をさらに含む、請求項26、27又は30〜36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
請求項27又は37に記載の方法により製造可能な薬学的組成物。
【請求項39】
請求項30〜37のいずれか一項に記載の方法により同定可能な化合物であって、ただし、m7G、m7GMP、m7GTP、m7GpppG、m7GpppGm、m7GpppA、m7GpppAm、m7GpppC、m7GpppCm、m7GpppU、m7GpppUm、2−アミノ−7−ベンジル−9−(4−ヒドロキシ−ブチル)−1,9−ジヒドロ−プリン−6−オン、T−705又はm7Gppp(N)1−15(NはA、Am、G、Gm、C、Cm、U又はUmである)ではなく、且つ該PB2ポリペプチド、その変異体又はその断片と結合することができる、化合物。
【請求項40】
請求項29〜36のいずれか一項に記載の方法により同定可能な化合物であって、ただし、m7G、m7GMP、m7GTP、m7GpppG、m7GpppGm、m7GpppA、m7GpppAm、m7GpppC、m7GpppCm、m7GpppU、m7GpppUm、2−アミノ−7−ベンジル−9−(4−ヒドロキシ−ブチル)−1,9−ジヒドロ−プリン−6−オン、T−705又はm7Gppp(N)1−15(NはA、Am、G、Gm、C、Cm、U又はUmである)ではなく、且つ該PB2ポリペプチド、その変異体又はその断片と該RNAキャップ又はその類似体との間の結合を阻害することができる、化合物。
【請求項41】
PB2の該RNAキャップ結合ドメインを対象とする抗体。
【請求項42】
配列番号14〜配列番号22により規定されるポリペプチドの群から選択されるポリペプチド断片を認識する、請求項41に記載の抗体。
【請求項43】
マイナスセンス一本鎖RNAウイルスでのウイルス感染により引き起こされる疾患状態を治療、改善又は予防する薬物の製造のための、請求項28、29、39若しくは40に記載の化合物、請求項36に記載の薬学的組成物、又は請求項41若しくは42に記載の抗体の使用。
【請求項44】
前記疾患状態が、ボルナウイルス科、フィロウイルス科、パラミクソウイルス科及びラブドウイルス科を含むモノネガウイルス目のウイルス感染により引き起こされる、請求項43に記載の使用。
【請求項45】
前記疾患状態が、オルトミクソウイルス科、アレナウイルス科又はブニヤウイルス科により引き起こされる、請求項43に記載の使用。
【請求項46】
前記疾患状態が、ボルナ病ウイルス、マールブルグウイルス、エボラウイルス、センダイウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、ヒト呼吸器多核体ウイルス、七面鳥鼻気管炎ウイルス、水疱性口内炎インディアナウイルス、ニパーウイルス、ヘンダウイルス、狂犬病ウイルス、ウシ流行熱ウイルス、伝染性造血器壊死症ウイルス、トゴトウイルス、インフルエンザAウイルス、インフルエンザBウイルス、インフルエンザCウイルス、ハンタンウイルス、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス、リフトバレー熱ウイルス及びラクロスウイルスから成る群から選択されるウイルスにより引き起こされる、請求項43に記載の使用。
【請求項47】
前記疾患状態が、インフルエンザAウイルス、インフルエンザBウイルス、インフルエンザCウイルス、トゴトウイルス及びハンタンウイルスから成る群から選択されるウイルスにより引き起こされる、請求項43に記載の使用。
【請求項1】
(i)インフルエンザウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼサブユニットPB2又はその変異体由来であり、且つ(ii)RNAキャップ又はその類似体と結合することができる、可溶性ポリペプチド断片。
【請求項2】
結晶化に適切な程度まで精製されている、請求項1に記載のポリペプチド断片。
【請求項3】
該インフルエンザウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼサブユニットPB2が、インフルエンザAウイルス、インフルエンザBウイルス若しくはインフルエンザCウイルス又はその変異体由来である、請求項1又は2に記載のポリペプチド断片。
【請求項4】
(i)N末端が配列番号1によるPB2のアミノ酸配列のアミノ酸位置220以上と同一であるか若しくはそれに対応し、C末端が配列番号1によるPB2のアミノ酸配列のアミノ酸位置510以下と同一であるか若しくはそれに対応する、
(ii)N末端が配列番号2によるPB2のアミノ酸配列のアミノ酸位置222以上と同一であるか若しくはそれに対応し、C末端が配列番号2によるPB2のアミノ酸配列のアミノ酸位置511以下と同一であるか若しくはそれに対応する、又は
(iii)N末端が配列番号3によるPB2のアミノ酸配列のアミノ酸位置227以上と同一であるか若しくはそれに対応し、C末端が配列番号3によるPB2のアミノ酸配列のアミノ酸位置528以下と同一であるか若しくはそれに対応するポリペプチド断片、及びRNAキャップ又はその類似体と会合する能力を保持するその変異体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリペプチド断片。
【請求項5】
配列番号4〜配列番号13によるアミノ酸配列の群から選択されるアミノ酸配列を有するか又はそれに対応するポリペプチド断片、及びRNAキャップ又はその類似体と会合する能力を保持するその変異体である、請求項4に記載のポリペプチド断片。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリペプチド断片と、RNAキャップ又はその類似体とを含む、複合体。
【請求項7】
該キャップ類似体が、m7G、m7GMP、m7GTP、m7GpppG、m7GpppGm、m7GpppA、m7GpppAm、m7GpppC、m7GpppCm、m7GpppU及びm7GpppUmから成る群から選択される、請求項6に記載の複合体。
【請求項8】
前記ポリペプチド断片が配列番号11によるアミノ酸配列から成り、前記キャップ類似体がm7GTPであり、図18に示すような構造座標により規定される構造を有する、請求項6に記載の複合体。
【請求項9】
空間群C2221と、a=9.2nm、b=9.4nm、c=22.0nm(±0.3nm)の単位格子寸法とを有する結晶形態を有する、請求項8に記載の複合体。
【請求項10】
該結晶が、3.0Å以上、好ましくは2.4Å以上の分解能までX線を回折する、請求項8及び9に記載の複合体。
【請求項11】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の単離ポリペプチドをコードする、単離ポリヌクレオチド。
【請求項12】
請求項11に記載の単離ポリヌクレオチドを含む、組換えベクター。
【請求項13】
請求項11に記載の単離ポリヌクレオチド、又は請求項12に記載の組換えベクターを含む、組換え宿主細胞。
【請求項14】
PB2のRNAキャップ結合ポケット、又はPB2ポリペプチド変異体の結合ポケットの全部又は一部と会合する化合物を同定する方法であって、
(a)図18に示すような請求項8に記載の複合体の構造座標により規定される前記結合ポケットのコンピュータモデルを構築する工程、
(b)有望な結合化合物を選択する工程であって、
(i)分子断片を集合化させ前記化合物とすること、
(ii)小分子データベースから化合物を選択すること、及び
(iii)前記化合物の新規リガンド設計
から成る群から選択される方法により有望な結合化合物を選択する工程、
(c)演算手段を使用する工程であって、該結合ポケットにおける前記化合物のエネルギを最小化した立体配置を提供するために、前記化合物と前記結合ポケットとのコンピュータモデル間のフィッティングプログラム操作を行う、演算手段を使用する工程、並びに
(d)前記フィッティング操作の結果を評価する工程であって、前記化合物と該結合ポケットモデルとの間の会合を定量化し、それにより前記結合ポケットと会合する前記化合物の能力を評価する、結果を評価する工程、
を含む、同定する方法。
【請求項15】
前記結合ポケットが、配列番号1によるPB2のアミノ酸Phe323、His357及びPhe404、又はそれに対応するアミノ酸を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記結合ポケットが、配列番号1によるPB2のアミノ酸Phe325、Phe330及びPhe363、又はそれに対応するアミノ酸をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記結合ポケットが、配列番号1によるPB2のアミノ酸Glu361及びLys376、又はそれに対応するアミノ酸をさらに含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記結合ポケットが、アミノ酸Ser320、Arg332、Ser337及びGln406をさらに含む、請求項15〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記結合ポケットが、配列番号1によるPB2のアミノ酸Lys339、Arg355、Asn429及びHis432、又はそれに対応するアミノ酸をさらに含む、請求項15〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記結合ポケットが、図18による配列番号1のPB2のアミノ酸Phe323、His357及びPhe404の構造座標により規定される、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記結合ポケットが、図18による配列番号1のPB2のアミノ酸Phe325、Phe330及びPhe363の構造座標によりさらに規定される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記結合ポケットが、図18による配列番号1のPB2のアミノ酸Glu361及びLys376の構造座標によりさらに規定される、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
前記結合ポケットが、図18による配列番号1のPB2のアミノ酸Ser320、Arg332、Ser337及びGln406の構造座標によりさらに規定される、請求項20又は22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記結合ポケットが、図18による配列番号1のPB2のアミノ酸Lys339、Arg355、Asn429及びHis432の構造座標によりさらに規定される、請求項20〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
PB2ポリペプチド変異体の該結合ポケットが、前記結合ポケットのアミノ酸Phe323、His357及びPhe404の骨格原子からの2.5Å以下の二乗平均平方根偏差を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
(e)前記化合物を合成し、任意に前記化合物又はその薬学的に許容可能な塩を1つ又は複数の薬学的に許容可能な添加物(複数可)及び/又は担体(複数可)と共に処方するさらなる工程を含む、請求項14〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
(f)前記化合物、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリペプチド断片、又は請求項12に記載の組換え宿主細胞と、RNAキャップ又はその類似体とを接触させるさらなる工程であって、前記PB2ポリペプチド断片と前記RNAキャップ又はその類似体との間の結合を阻害する前記化合物の能力を確定する、接触させるさらなる工程を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
請求項14〜27に記載の方法により同定可能な化合物であって、ただし、m7G、m7GMP、m7GTP、m7GpppG、m7GpppGm、m7GpppA、m7GpppAm、m7GpppC、m7GpppCm、m7GpppU、m7GpppUm、2−アミノ−7−ベンジル−9−(4−ヒドロキシ−ブチル)−1,9−ジヒドロ−プリン−6−オン、T−705又はm7Gppp(N)1−15(NはA、Am、G、Gm、C、Cm、U又はUmである)ではなく、且つPB2又はその変異体の該RNAキャップ結合ポケットと結合することができる、化合物。
【請求項29】
請求項14〜27に記載の方法により同定可能な化合物であって、ただし、m7G、m7GMP、m7GTP、m7GpppG、m7GpppGm、m7GpppA、m7GpppAm、m7GpppC、m7GpppCm、m7GpppU、m7GpppUm、2−アミノ−7−ベンジル−9−(4−ヒドロキシ−ブチル)−1,9−ジヒドロ−プリン−6−オン、T−705又はm7Gppp(N)1−15(NはA、Am、G、Gm、C、Cm、U又はUmである)ではなく、且つ該PB2ポリペプチド、その変異体又はその断片と該RNAキャップ又はその類似体との間の結合を阻害することができる、化合物。
【請求項30】
PB2の該RNAキャップ結合ポケット、又はPB2ポリペプチド変異体の結合ポケットと会合する化合物を同定する方法であって、(i)請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリペプチド断片、又は請求項13に記載の組換え宿主細胞と試験化合物とを接触させる工程、及び(ii)PB2と結合する前記試験化合物の能力を分析する工程を含む、同定する方法。
【請求項31】
RNAキャップ又はその類似体を添加するさらなる工程を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記RNAキャップ若しくはその類似体の存在下においてPB2若しくはその変異体と結合する前記試験化合物の能力、又は前記RNAキャップ若しくはその類似体とPB2若しくはその変異体との結合を阻害する前記試験化合物の能力を分析する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記RNAキャップ又はその類似体を、前記試験化合物の添加の前、同時又は後に添加する、請求項31又は32に記載の方法。
【請求項34】
ハイスループット設定において行われる、請求項30〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記試験化合物が小分子である、請求項30〜34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記試験化合物がペプチド又はタンパク質である、請求項30〜34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記化合物又はその薬学的に許容可能な塩を、1つ又は複数の薬学的に許容可能な添加物(複数可)及び/又は担体(複数可)と共に処方する工程をさらに含む、請求項26、27又は30〜36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
請求項27又は37に記載の方法により製造可能な薬学的組成物。
【請求項39】
請求項30〜37のいずれか一項に記載の方法により同定可能な化合物であって、ただし、m7G、m7GMP、m7GTP、m7GpppG、m7GpppGm、m7GpppA、m7GpppAm、m7GpppC、m7GpppCm、m7GpppU、m7GpppUm、2−アミノ−7−ベンジル−9−(4−ヒドロキシ−ブチル)−1,9−ジヒドロ−プリン−6−オン、T−705又はm7Gppp(N)1−15(NはA、Am、G、Gm、C、Cm、U又はUmである)ではなく、且つ該PB2ポリペプチド、その変異体又はその断片と結合することができる、化合物。
【請求項40】
請求項29〜36のいずれか一項に記載の方法により同定可能な化合物であって、ただし、m7G、m7GMP、m7GTP、m7GpppG、m7GpppGm、m7GpppA、m7GpppAm、m7GpppC、m7GpppCm、m7GpppU、m7GpppUm、2−アミノ−7−ベンジル−9−(4−ヒドロキシ−ブチル)−1,9−ジヒドロ−プリン−6−オン、T−705又はm7Gppp(N)1−15(NはA、Am、G、Gm、C、Cm、U又はUmである)ではなく、且つ該PB2ポリペプチド、その変異体又はその断片と該RNAキャップ又はその類似体との間の結合を阻害することができる、化合物。
【請求項41】
PB2の該RNAキャップ結合ドメインを対象とする抗体。
【請求項42】
配列番号14〜配列番号22により規定されるポリペプチドの群から選択されるポリペプチド断片を認識する、請求項41に記載の抗体。
【請求項43】
マイナスセンス一本鎖RNAウイルスでのウイルス感染により引き起こされる疾患状態を治療、改善又は予防する薬物の製造のための、請求項28、29、39若しくは40に記載の化合物、請求項36に記載の薬学的組成物、又は請求項41若しくは42に記載の抗体の使用。
【請求項44】
前記疾患状態が、ボルナウイルス科、フィロウイルス科、パラミクソウイルス科及びラブドウイルス科を含むモノネガウイルス目のウイルス感染により引き起こされる、請求項43に記載の使用。
【請求項45】
前記疾患状態が、オルトミクソウイルス科、アレナウイルス科又はブニヤウイルス科により引き起こされる、請求項43に記載の使用。
【請求項46】
前記疾患状態が、ボルナ病ウイルス、マールブルグウイルス、エボラウイルス、センダイウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、ヒト呼吸器多核体ウイルス、七面鳥鼻気管炎ウイルス、水疱性口内炎インディアナウイルス、ニパーウイルス、ヘンダウイルス、狂犬病ウイルス、ウシ流行熱ウイルス、伝染性造血器壊死症ウイルス、トゴトウイルス、インフルエンザAウイルス、インフルエンザBウイルス、インフルエンザCウイルス、ハンタンウイルス、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス、リフトバレー熱ウイルス及びラクロスウイルスから成る群から選択されるウイルスにより引き起こされる、請求項43に記載の使用。
【請求項47】
前記疾患状態が、インフルエンザAウイルス、インフルエンザBウイルス、インフルエンザCウイルス、トゴトウイルス及びハンタンウイルスから成る群から選択されるウイルスにより引き起こされる、請求項43に記載の使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図18−113】
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【図18−118】
【図18−119】
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【図18−123】
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【図18−125】
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【図18−128】
【図18−129】
【図18−130】
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【図18−134】
【図18−135】
【図18−136】
【図18−137】
【図18−138】
【図18−139】
【図18−140】
【図18−141】
【図18−142】
【図18−143】
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【図18−145】
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【図18−150】
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【図18−157】
【図18−158】
【図18−159】
【図18−160】
【図18−161】
【図18−162】
【図18−163】
【図18−164】
【図18−165】
【図18−166】
【図18−167】
【図18−168】
【図18−169】
【図18−170】
【図18−171】
【図18−172】
【図18−173】
【図18−174】
【図18−175】
【図18−176】
【図18−177】
【図18−178】
【図18−179】
【図18−180】
【図18−181】
【図18−182】
【図18−183】
【図18−184】
【図18−185】
【図18−186】
【図18−187】
【図18−188】
【図18−189】
【図18−190】
【図18−191】
【図18−192】
【図18−193】
【図18−194】
【図18−195】
【公表番号】特表2011−501942(P2011−501942A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528317(P2010−528317)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際出願番号】PCT/EP2008/008543
【国際公開番号】WO2009/046983
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(500262197)ヨーロピアン モレキュラー バイオロジー ラボラトリー (13)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際出願番号】PCT/EP2008/008543
【国際公開番号】WO2009/046983
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(500262197)ヨーロピアン モレキュラー バイオロジー ラボラトリー (13)
【Fターム(参考)】
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