説明

可食性容器及びそれを用いた冷凍食品

【課題】 油ちょう後もパリパリ、サクサクの食感を損なわず、皮もある程度薄く、しかもドロドロとしたゲル状あるいはペースト状の具でもできる冷凍春巻製造法。
【解決手段】 春巻皮を、直径1〜3cm長さ10〜35cmの金属製パイプに巻きつけて、端をしっかりと小麦粉を練った液で糊付けして、金属製パイプの重みでフライヤーに全体を沈めて、均一に1〜2分間程度プレフライを施して、金属性パイプを引き抜いて、可食性の円筒型容器を作り、その容器にポテト、あずきあん等の調理済の具を圧力式スタッファー等の注入器具、注入機械を使って注入して、両端を再度フライを施すときに、中の具が外へ出ないように、小麦粉を練ったもので封止して冷凍することで、課題の解決を図った。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可食性容器を用いた冷凍食品製造法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷凍春巻は、具を四角形の皮の対角線上に置いて巻き込んで、縁を糊付けして冷凍したもの、あるいは棒状の具を斜めにらせん状に巻いた状態で冷凍されているものが一般的に流通している。
これらの春巻は、油ちょう前の状態で冷凍に耐える強度と厚さが要求されるために、フライ後の食感が硬く、ガリガリとしたものにならざるを得ないという欠点があった。
【0003】
具を包むためには皮をある程度引っ張り強度の強いものにしなければならないために、食感がガリガリとしたものになる。
【0004】
冷凍耐性を上げるためには皮をかなり厚めに作る必要があり、作りたての春巻と冷凍春巻とでは、油ちょう後の食感にかなりの差が生じてしまっていた。
【0005】
また、皮に詰める具はある程度包みやすいものに限定され、ドロドロとした液状(ゲル状)のものは春巻の具に適さなかった。
【0006】
春巻は具を皮で包むという工程上、冷凍後の真空包装ができない(真空圧力で壊れる)為に、皮が経時変化を起こしやすく、劣化して破れる恐れがあるからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
皮が薄くても冷凍春巻として長期保存できる。
【0008】
油ちょう後も、パリパリ、サクサクの食感を損なわない。
【0009】
ゲル状、ペースト状の具材でも、冷凍春巻にできる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
春巻皮を金属製パイプに巻きつけて、160〜170℃の油で1〜2分間プレフライして固化させて容器とし、その容器に具材を詰めて冷凍し、真空包装する方法で課題の解決を図った。
【発明の効果】
【0011】
春巻皮を金属製パイプに巻きつけてプレフライし、直径1〜3cm程度の円筒形容器を作るので、薄い春巻皮でも冷凍に耐えることができ、油ちょう後の皮の食感をパリパリ感、サクサク感のあるものに仕上げることが可能となる。春巻皮の表面にゴマなどの粒子状の食品が付着されている場合に、プレフライすることで皮の劣化防止と冷凍耐性に特に効果が顕著である。
【0012】
油ちょう後の皮の食感を、パリパリ感、サクサク感のある春巻を提供できる。
【0013】
プレフライした円筒形容器に、ゲル状あるいはペースト状の具材を、隙間なく充填して冷凍することができ、真空包装が可能になり、長期冷凍保存が可能になる。
【0014】
金属製パイプに巻き付けて容器をつくる結果、形状が一定となり、連続的に効率よく具材の注入ができ、大量生産、自動化、機械化が可能になる。
【0015】
金属製のパイプに巻きつけてプレフライを施すので、金属の重みで巻いた春巻皮がフライヤーに沈むために、全体を均一に揚げることができる。
【0016】
細長く円柱形に仕上げることができ、加熱調理済の具材を充填すれば、油ちょう時間2〜3分間で火が通るので、ファーストフードとしての提供が可能になる。
【0017】
あらかじめ容器をつくるので、和、洋、中華の区別なく、この容器に詰めることができるものは全て、冷凍食品として供給可能になり、春巻皮を使った料理の種類、可能性を画期的に広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】春巻皮を金属製パイプに巻き付ける方法を示した説明図である。
【図2】春巻皮を金属製パイプに巻き付けた後を示した説明図である。
【符号の説明】
【0019】
1 金属製パイプ
2 春巻皮

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製パイプを用いて筒状に巻き重ねた春巻の皮がプレフライされていることを特徴とする可食性容器。
【請求項2】
前記春巻の皮の表面に粒子状の食品が付着されていることを特徴とする請求項1記載の可食性容器。
【請求項3】
請求項1又は2記載の可食性容器内に未加熱あるいは加熱調理済みのゲル状、又はペースト状、又は容器内に丁度収まるように成形された具材が充填され、かつ可食性容器の両端が糊付けによって封止されていることを特徴とする冷凍食品。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−67893(P2006−67893A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−255004(P2004−255004)
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(500376678)株式会社サンデリカ (3)
【Fターム(参考)】