説明

台車

【課題】構造が簡単で、製作コストを安くでき、操作を容易に行える台車を提供する。
【解決手段】ロック部材29をバネ31で下方へ付勢させることにより車輪22をロックし、バネ31に抗してロック部材引き上げ軸8を引き上げることによりロック解除するようにしたキャスター4を、ベースフレーム3の前後左右に取り付けてなる台車1である。ベースフレーム3の左右各長手枠5の前後部にキャスター4を取り付け、各長手枠5内に作動枠7を上げ下げ自在に保持し、作動枠7には各キャスター4のロック部材引き上げ軸8を固定し、両長手枠5,5の前端部間に、ペダル9を突設したペダル軸10を軸架し、ペダル軸10の後方に一体に連結した複数のカム軸11,12を横架して、各カム軸11,12の両端部に取り付けた転子13を長手枠5と作動枠7との間に介在させ、ペダル軸10と前部側カム軸11との間にスライダクランク機構14を介装する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として病室用床頭台(病床のそばに置いて使う、引き出しや戸棚の付いた台で、患者の日用品を入れたり、テーブルの代りにも使用される)や病室用小型ロッカー等を移動可能に設置するのに使用される台車に関するもので、特に、ベースフレームの前後左右に取り付けてあるキャスターを、1つのペダルの操作でロック及びロック解除するようにした台車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病院等で使用される移動式ベッド用台車として種々のものが提案されているが、それらの台車は構造がかなり複雑で部品点数が多く、製作コストが高くつくため、ベッドより小型である病室用床頭台や小型ロッカー等の台車に適用することは、台車のコストが高くなって、不適当であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、構造が簡単で部品点数が少なく、製作コストを安くできると共に、キャスターのロック及びロック解除操作を容易に行える台車を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明は、ロック部材29をバネ31で下方へ付勢させることにより車輪22をロックし、バネ31に抗してロック部材引き上げ軸8を引き上げることによりロック解除するようにしたキャスター4を、ベースフレーム3の前後左右に取り付けてなる台車1であって、ベースフレーム3の左右各長手枠5の前後部にキャスター4を取り付け、各長手枠5内にロック部材29引き上げ用の作動枠7を上げ下げ自在に保持すると共に、この作動枠7には各キャスター4のロック部材引き上げ軸8の上端部を固定し、左右両長手枠5,5の前端部間にはペダル9を突設したペダル軸10を軸架し、ペダル軸10の後方には所要間隔をおいて相互に一体に連結した複数のカム軸11,12を左右両長手枠5,5間に横架して、各カム軸11,12の両端部に取り付けた転子13を長手枠5と作動枠7との間に介在させ、ペダル軸10と前部側カム軸11との間にスライダクランク機構14を介装し、ペダル9の上向き傾斜姿勢において、各転子13が作動枠7の下面側に設けたカム15の凸部16に位置して作動枠7が持ち上がり、それによりロック部材引き上げ軸8を引き上げて各キャスター4をロック解除し、ペダル9を踏み込むことにより、各転子13をカム15の凸部16から凹部17へ移動させて作動枠7を降下させ、ロック部材引き上げ軸8を前記バネ31の付勢力で引き下げて、各キャスター4をロックするようにしたことを特徴とする。
【0005】
請求項2は、請求項1に記載の台車において、ベースフレーム3の左右各長手枠5は、断面上向きコ字状の枠本体部19と、枠本体部19の両側壁部19a,19aから夫々外向き水平に突設されたビス孔26付き支持フランジ部20,20とからなり、ロック部材引き上げ用の作動枠7は、長手枠5の枠本体部19内に上げ下げ自在に嵌合するように断面下向きコ字枠状に形成されていることを特徴とする
【発明の効果】
【0006】
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明の台車によれば、ペダル9を踏み込むことによって、ベースフレーム3の前後左右に取り付けた4つのキャスター4・・・を一斉にロック状態とすることができ、またペダル9を蹴り上げて上向き傾斜姿勢にすることによって、全てのキャスター4・・・を一斉にロック解除することができる。またこの台車1は、前後左右にキャスター4を装備したベースフレーム3と、ベースフレーム3の左右両長手枠5,5間の前端部間に横架されるペダル軸10と、これの後方で両長手枠5,5間に横架されるカム軸11,12と、ペダル軸10と前部側カム軸11との間に介装されるスライダクランク機構14と、各長手枠5間に上げ下げ自在に配置される作動枠7と、作動枠7の下面側に設けられるカム15と、各カム軸11,12の両端部に取り付けられ、カム15に沿って移動する転子13とからなるもので、構造が簡単で部品点数が少ないから、製作コストを安くできると共に、キャスター4のロック及びロック解除操作を容易に行うことができる。
【0007】
請求項2に係る発明によれば、ベースフレーム3の左右各長手枠5は、断面上向きコ字状の枠本体部19と、この枠本体部19の両側壁部19a,19aから夫々外向き水平に突設されたビス孔26付き支持フランジ部20,20とからなり、ロック部材引き上げ用の作動枠7は、長手枠5の枠本体部19内に上げ下げ自在に嵌合するように断面下向きコ字枠状に形成されている
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る台車の使用状態を示す外観斜視図である。
【図2】本発明に係る台車を示す斜視図である。
【図3】同台車の一部を示す縦断側面図である。
【図4】同台車の特にカム、転子及びスライダクランク機構部分を示す縦断側面図である。
【図5】(a) は台車へのキャスターの取付構造部分の正面図で、キャスターがロックされている状態を示し、(b) はそ縦断側面図である。
【図6】(a) は台車へのキャスターの取付構造部分の正面図で、キャスターがロック解除されている状態を示し、(b) はそ縦断側面図である。
【図7】(a) はキャスターがロックされている状態の拡大断面図、(b) はキャスターがロック解除されている状態の拡大断面図、(c) は車輪の旋回ロック手段の一部を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の好適な一実施形態を図面に基づいて説明すると、図1において、1は本発明に係る台車、2は台車1に搭載された病室用床頭台で、台本体Aの正面側下部には扉B、その上部には引き出しC,Dが収納配備され、引き出しCの上側には棚Eが設けられている。図2に示す台車1は、ベースフレーム3と、後述するようなロック機構を内蔵し、ベースフレーム3の前後左右に取り付けられた4つのキャスター4・・・とを有する。ベースフレーム3は、左右一対の長手枠5,5と、両長手枠5,5をつなぐ連結枠6とからなる。
【0010】
台車1は、ベースフレーム3を構成する左右各長手枠5の前後部にキャスター4を取り付け、各長手枠5内に、これと同じく長尺状のロック部材引き上げ用作動枠7を上げ下げ自在に保持すると共に、作動枠7には各キャスター4のロック部材引き上げ軸8の上端部を固定し、左右両長手枠5,5の前端部間にはペダル9を突設したペダル軸10を軸架し、このペダル軸10の後方には所要間隔をおいて相互に一体に連結した前部側と後部側の2つのカム軸11,12を左右両長手枠5,5間に横架し、各カム軸11,12の夫々両端部に取り付けた転子13を長手枠5と作動枠7との間に介在させ、ペダル軸10と前部側カム軸11の間にスライダクランク機構14を介装し、ペダル9の上向き傾斜姿勢において、各転子13が作動枠7の下面側に設けたカム15の凸部16に位置して作動枠7が持ち上がり、それによりロック部材引き上げ軸8を引き上げて各キャスター4をロック解除し、ペダル9を踏むことにより、各転子13がカム15の凸部16から凹部17へ移動して、キャスター4に設けてあるコイルバネ18の付勢力により作動枠7を引き下げ、ロック部材引き上げ軸8を引き下げて、各キャスター4をロックするようにしたものである。
【0011】
ベースフレーム3の左右各長手枠5は、図5,図6から分かるように、断面上向きコ字状の枠本体部19と、この枠本体部19の両側壁部19a,19a上端から夫々外向き水平に突設されたビス孔26付き支持フランジ部20,20とからなり、枠本体部19は、両側壁部19a,19aと底壁部19bとからなる。またロック部材引き上げ用の作動枠7は、長手枠5の枠本体部19内に上げ下げ自在に嵌合するように、両側壁部7a,7aと上壁部7bとによって断面下向きコ字枠状に形成されている。
【0012】
次に、キャスター4の構造及及びそのロック機構について、図5〜図7を参照しながら説明する。キャスター4は、ヨーク部21と、このヨーク部21に車軸23によって回転自在に軸着された左右一対の車輪22,22と、ヨーク部21の進行方向前方側に設けてある取付孔24内に回転自在に挿入された、中空状のボルトからなる竪軸25とを有し、ヨーク部21は、竪軸25を中心に360°旋回するように竪軸25に取り付けられている。
【0013】
キャスター4を長手枠5の前後各端部に取り付けるにあたって、竪軸25は、この上端部を、枠本体部19の底壁部19bに設けたボルト挿通孔(図示せず)から上向きに所要長さ挿通させ、底壁部19bを挟むように螺合させたナット27,28で底壁部19bを締め付けることによって、長手枠5の枠本体部19に固定されるようになっている
【0014】
ヨーク部21に設けられた取付孔24の下方部は、ロック部材29を上下スライド自在に案内するガイド孔30を形成している。ロック部材29は、図5,図6に示すように、それ自体に設けてある竪軸挿通孔29oを介して竪軸25に軸方向スライド自在に挿通されてヨーク部21のガイド孔30に上下スライド自在に嵌合された状態で、ヨーク部21とロック部材29との間に介装されたコイルバネ31により下方へ付勢されて、下端部のロック片29aが、左右両車輪22,22に夫々一定ピッチで周設された係合溝32に係合し、それによって両車輪22,22の回転が阻止されるようになっている。
【0015】
中空状ボルトからなる竪軸25にはその中心軸線に沿って、ロック部材引き上げ軸8が貫通していて、その下端部8bは、ロック部材29の竪軸挿通孔29oの下端部に取り付けられる端板33を貫通突出して、その突出端部に螺着されるナット34で端板33を保持し、ロック部材引き上げ軸8の上端部8aは、長手枠5内に配置された作動枠7の上壁部7bを貫通し、横向きに屈曲されて作動枠7に係止されている。しかして、図5の(a) ,(b) に示すように、作動枠7がコイルバネ31により下方に付勢されてロック片29aが車輪22の係合溝32に係合して車輪22の回転を阻止した状態の時に、作動枠7は長手枠5内の下限位置にあって、斯かる状態から図6の(a) ,(b) に示すように、作動枠7をコイルバネ31の付勢力に抗して持ち上げてロック部材引き上げ軸8を所定高さ引き上げることにより、ロック部材29のロック片29aが車輪22の係合溝32から離脱して、車輪22が回転可能な状態となる。
【0016】
各キャスター4は、上記のようにロック部材29がコイルバネ31で下方へ付勢されて下端部のロック片29aが車輪22の係合溝32に係合することより、車輪22の回転が阻止されることになるが、このロック部材29がコイルバネ31で下方へ付勢された状態でヨーク部21の旋回も阻止されるようになっている。即ち、図7の(a) は図5の(b) の一部拡大図、図7の(b) は図6の(b) の一部拡大図であって、これらの図から分かるように、竪軸25の下端部には例えば直径方向両端部に旋回ロック片35,35が突設され、各旋回ロック片35は、ロック部材29が下方へ付勢されて車輪22の回転が阻止された状態においては、図7の(a) 及び同図(c) の実線図示のように、ロック部材29の竪軸挿通孔29oの下端部内周面の上部側に周方向一定間隔おきに設けられた凹所36に係合することにより、ロック部材29の回転を阻止してヨーク部21の旋回を阻止し、またロック部材29がロック部材引き上げ軸8により引き上げられて車輪22のロックが解除された状態では、各旋回ロック片35は、図7の(b) 及び同図の(c) の仮想線図示のように、竪軸挿通孔29o下端部内周面の下部側に設けられた環状溝部37に位置して、ロック部材29の回転を許し、ヨーク部21の旋回を可能とするようになっている。
【0017】
図2〜図4に示すように、ペダル軸10の両端部は、左右両長手枠5,5の対向側面に夫々固着されたブラケット38,38に回転自在に軸架され、このペダル軸10には平面視コ字状のペダル9が前方へ突出するように固着されている。ペダル9に近い方の前部側カム軸11と、それより遠い方の後部側カム軸12とは、長手枠5に沿って延びる左右両スライド杆40,40によってカム軸11,12の両端部どうしが一体的に連結され、各スライド杆40は、長手枠5の前後端部に固着された前後ブラケット38,39の嵌合凹部38a,39bに前後方向スライド自在に支持されている。
【0018】
ペダル軸10と前部側カム軸11の間に介装されるスライダクランク機構14は、図2及び図4に示すように、基端部がペダル軸10に固着された揺動クランク41と、前部側カム軸11に下向きに一体に突設された取付片42と、揺動クランク41の先端部と取付片42の先端部とにピン44,45で枢支連結された連杆43とからなるもので、揺動クランク41が図4の実線図示位置から仮想線図示位置まで揺動すると、連杆43によって取付片42が同図の実線図示位置から仮想線図示位置へ水平直線運動するから、この取付片42と一体のカム軸11が同図の実線図示位置から仮想線図示位置へ水平移動し、これによりカム15の凹部17側にあった転子13がカム15の凸部16側に乗り移るようになる。しかして、前部側のカム軸11と後部側のカム軸12とはスライド杆40で一体に連結されているから、前部側の転子13と後部側の転子13とが、同時に前後両側のカム15,15の凹部17,17から凸部16,16へ乗り移ることにより、作動枠7を同図の実線図示位置から仮想線図示位置まで持ち上げることになる。
【0019】
また、揺動クランク41が図4の仮想線図示位置から実線図示位置まで揺動すると、連杆43によって取付片42が仮想線図示位置から実線図示位置へと後退して、カム軸11,12が同図の仮想線図示位置から実線示位置へ後退し、これにより各カム15の凸部16側にあった各転子13が凹部17側に移るから、作動枠7は同図の仮想線図示位置から降下して実線図示位置の状態となる。このスライダクランク機構14は、ペダル9の踏み込み・蹴り上げ操作によるペダル軸10の回転によって、揺動クランク41を揺動させるようにしている。
【0020】
次に、上述したような構成よりなる台車1の使用について説明すると、この台車1は、図1,図2及び図4に示すようにペダル9が水平姿勢にある時は、各キャスター4がロックされている状態にあって、その位置に停止されている。
【0021】
いま、ペダル9を図4に実線で示す水平姿勢から蹴り上げて同図仮想線図示のような上向き傾斜姿勢にすると、ペダル軸10がペダル9の蹴り上げ角度に対応する角度回転し、このペダル軸10の回転により、スライダクランク機構14を介してカム軸11,12が図4の実線図示位置から仮想線図示位置へ水平移動し、これによりカム15の凹部17側にあった転子13がカム15の凸部16側に乗り移って、左右両長手枠5,5内の作動枠7,7を図4の実線図示位置から仮想線図示位置まで持ち上げ、それによって前後左右各キャスター4のロック部材引き上げ軸8を引き上げる。
【0022】
各キャスター4は、コイルバネ31でロック部材29が下方へ付勢されていることにより、ロック片29aが車輪22の係合溝32に係合して車輪22の回転が阻止されると共に、竪軸25の旋回ロック片35がロック部材29の凹所36に係合して車輪22(ヨーク部21)の旋回が阻止されたロック状態(図5及び図7の(a) 参照)にあるが、ロック部材引き上げ軸8を所定高さ引き上げることによってロック解除されるから、上記のように左右両長手枠5,5内の作動枠7,7が持ち上がって、各キャスター4のロック部材引き上げ軸8を引き上げることにより、各キャスター4はロック解除される。
【0023】
また、ペダル9が図4の仮想線図示のような上向き傾斜姿勢となって各キャスター4がロック解除されている状態から、ペダル9を踏み込むと、ペダル軸10が逆方向に回転して、スライダクランク機構14を介してカム軸11,12が図4の仮想線図示位置から実線図示位置へ水平移動し、これによりカム15の凸部16側にあった転子13が凹部17側に移って、作動枠7,7が図4の仮想線図示位置から実線図示位置まで降下し、それにより各キャスター4のロック部材引き上げ軸8が引き下げられ、ロック部材29はコイルバネ31の付勢力により押し下げられて、車輪22の回転及び旋回が阻止されたロック状態となる。
【0024】
以上説明したように、この台車1にあっては、ペダル9を踏み込むことによって、前後左右の4つ全てのキャスター4・・・を一斉にロック状態とすることができ、またペダル9を蹴り上げて上向き傾斜姿勢にすることによって、全てのキャスター4・・・を一斉にロック解除することができる。また、この台車1は、前後左右にキャスター4を装備したベースフレーム3と、このベースフレーム3の左右両長手枠5,5間の前端部間に横架される前部側ペダル軸10と、これの後方で両長手枠5,5間に横架される後部側カム軸11,12と、前部側ペダル軸10と前部側カム軸11との間に介装されるスライダクランク機構14と、各長手枠5内に上げ下げ自在に嵌合配置される作動枠7と、この作動枠7の下面側に設けられたカム15と、各カム軸11,12の両端部に取り付けられ、カム15に沿って移動する転子13とからなるもので、構造が簡単で、部品点数が少ないから、台車1の製作コストを安くできると共に、キャスター4のロック及びロック解除操作を容易に行うことができる。
【0025】
この台車1に図1に例示するような病室用床頭台2を搭載設置するには、この床頭台2を、ベースフレーム3を形成する左右両長手枠5,5の上に載置し、各長手枠5の支持フランジ部20に設けてあるビス孔26よりビス(図示せず)を床頭台2の底面側にねじ込むことによって、床頭台2を固定させることができる。
【0026】
また、この台車1では、ベースフレーム3の左右各長手枠5は、断面上向きコ字状の枠本体部19と、この枠本体部19の両側壁部19a,19aから夫々外向き水平に突設された支持フランジ部20,20とからなり、ロック部材引き上げ用の作動枠7は、長手枠5の枠本体部19内に上げ下げ自在に嵌合するように断面下向きコ字枠状に形成されているから、長尺物の作動枠7を長手枠5内に上げ下げ自在に的確に保持させることができ、また病室用床頭台や小型ロッカー等を搭載する際には、その搭載物を両長手枠5,5の夫々支持フランジ部20,20上に載置して、支持フランジ部20に設けてあるビス孔26より搭載物の底面側にビスをねじ込むようにすることによって、搭載物を迅速容易に且つ安定状態に載置固定することができる。
【符号の説明】
【0027】
1 台車
2 病室用床頭台等の搭載物
3 ベースフレーム
4 キャスター
5 長手枠
8 ロック部材引き上げ軸
9 ペダル
10 ペダル軸
11,12 カム軸
13 転子
14 スライダクランク機構
15 カム
16 凸部
17 凹部
18 コイルバネ3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロック部材をバネで下方へ付勢させることにより車輪をロックし、バネに抗してロック部材引き上げ軸を引き上げることによりロック解除するようにしたキャスターを、ベースフレームの前後左右に取り付けてなる台車であって、ベースフレームの左右各長手枠の前後部にキャスターを取り付け、各長手枠内にロック部材引き上げ用の作動枠を上げ下げ自在に保持すると共に、この作動枠には各キャスターのロック部材引き上げ軸の上端部を固定し、左右両長手枠の前端部間にはペダルを突設したペダル軸を軸架し、ペダル軸の後方には所要間隔をおいて相互に一体に連結した複数のカム軸を左右両長手枠間に横架して、各カム軸の両端部に取り付けた転子を長手枠と作動枠との間に介在させ、ペダル軸と前部側カム軸との間にスライダクランク機構を介装し、ペダルの上向き傾斜姿勢において、各転子が作動枠の下面側に設けたカムの凸部に位置して作動枠が持ち上がり、それによりロック部材引き上げ軸を引き上げて各キャスターをロック解除し、ペダルを踏み込むことにより、各転子をカムの凸部から凹部へ移動させて作動枠を降下させ、ロック部材引き上げ軸を前記バネの付勢力で引き下げて、各キャスターをロックするようにした台車。
【請求項2】
ベースフレームの左右各長手枠は、断面上向きコ字状の枠本体部と、枠本体部の両側壁部から夫々外向き水平に突設されたビス孔付き支持フランジ部とからなり、ロック部材引き上げ用の作動枠は、長手枠の枠本体部内に上げ下げ自在に嵌合するように断面下向きコ字枠状に形成されている請求項1に記載の台車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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