説明

合成ガス処理用の接触部分的酸化リフォーミング

酸化剤及び1種以上の第一触媒の存在下に第一炭化水素の一部分を部分的に燃焼させるのに充分な条件で、該第一炭化水素を部分的に酸化して、二酸化炭素、非燃焼第一炭化水素、及び熱を提供することが出来る。該部分的酸化工程で発生した熱及び該1種以上の第一触媒の存在下に、該非燃焼炭化水素をリフォーミングして、第一合成ガスを提供することが出来る。該第一合成ガスから第二炭化水素に熱を間接に交換して、水蒸気及び1種以上の第二触媒の存在下に該第二炭化水素の少なくとも一部分をリフォーミングして第二合成ガスを提供することが出来る。該第一合成ガス、該第二合成ガス、又はそれらの混合物を含む合成ガスを変換して、1種以上のフィッシャー−トロプシュ生成物、メタノール、それらの誘導体、又はそれらの組合せを提供することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本態様は一般的に合成ガス及びそれから作られる生成物を生成するためのシステム及び方法に関する。更に詳しく言うと、本発明の態様は部分的酸化技術により合成ガス及びそれから作られる生成物を生成するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
部分的酸化(「POX」)システムは典型的に、予熱された炭化水素ガス及び酸化剤を、非常に高い温度、例えば、約1,000℃(1,832°F)〜約1,300℃(2,372°F)で、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、及び水を含む合成ガスに変換する。次に該熱い合成ガスは、更なる処理の前に、典型的に約200〜300℃(392〜572°F)まで急冷又は冷却しなければならない。
【0003】
典型的に、該合成ガスは水蒸気を発生させるためのかなり高価な熱移動媒体として用いられる。しかしながら、該水蒸気生成は処理要求をはるかに超えている可能性があり、従って該水蒸気の用途がないので、輸出されるか又は単純に浪費される。換言すれば、該合成ガスの冷却は反応熱の多くが失われるか又は浪費されることを意味する。
【0004】
現存するプラントにおける水素及び一酸化炭素の生成を最大にするか又は増加させることが望ましい。しかしながら、POX反応器を容易に拡大して生成を増加させることは出来ないので、POX反応器はしばしば容量制限運転である。従って、合成ガスを生成するための、エネルギー効率のより良いシステム及び方法が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,486,313号明細書
【特許文献2】米国特許第5,720,901号明細書
【特許文献3】米国特許第7,226,548号明細書
【特許文献4】米国特許第7,261,751号明細書
【特許文献5】米国特許第5,011,625号明細書
【特許文献6】米国特許第5,122,299号明細書
【特許文献7】米国特許第5,362,454号明細書
【特許文献8】米国特許第6,855,272号明細書
【特許文献9】米国特許第7,138,001号明細書
【特許文献10】米国特許第7,220,505号明細書
【図面の簡単な説明】
【0006】
上に列挙した本発明の特色を詳細に理解できるように、別紙図面にいくつかが図解されている態様を参照することにより本発明のより詳しい説明をすることが出来る。しかしながら、別紙図面は本発明の典型的な態様だけを図解しているので、本発明は他の同様に有効な態様を認めても良いのであるから、本発明の範囲を限定していると考えるべきではないことに注意すべきである。
【0007】
【図1】記載される1つ以上の態様による、部分的酸化技術を用いて合成ガスを生成するシステムの一例を描いたものである。
【図2】記載される1つ以上の態様による、多数の管を有するリフォーミング熱交換器の断面上面図の一例を描いたものである。
【図3】記載される1つ以上の態様による、部分的酸化技術を用いて合成ガスを生成するための、もう1つのシステムの一例を描いたものである。
【図4】記載される1つ以上の態様による、部分的酸化技術を用いて合成ガスを生成するための、もう1つのシステムの一例を描いたものである。
【図5】記載される1つ以上の態様による、部分的酸化技術を用いて合成ガスを生成するための、更にもう1つのシステムの一例を描いたものである。
【図6】記載される1つ以上の態様による、多数の管を有するリフォーミング熱交換器の断面上面図の一例を描いたものである。
【図7】記載される1つ以上の態様による、合成ガス、炭化水素生成物、及びそれらの誘導体を生成するためのシステムの一例を描いたものである。
【図8】記載される1つ以上の態様による、合成ガス、メタノール、及びそれらの誘導体を生成するためのシステムの一例を描いたものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ここで、詳細な説明を提供する。別紙特許請求の範囲の各請求項は別個の発明を明確にしており、該発明は、侵害目的に対して、該特許請求の範囲に特定された種々の要素又は限定の均等物を含むと認識される。文脈によっては、本「発明」に関する以下のあらゆる言及は、ある場合には一部の特定の態様だけを言及しているかも知れない。他の場合には、本「発明」に関する言及は該特許請求の範囲の、必ずしもすべてではないが、1つ以上に挙げられた主題を言及していると認識されるであろう。さて、本発明の各々を、特定の態様、変形、及び例を含めて、以下に今まで以上に詳しく説明するが、これらの態様、変形、又は例は、本特許における情報を利用できる情報及び技術と組み合わせる時に当業者が本発明を作り使用することが出来るように、含めてあるので、本発明はこれらの態様、変形、又は例に限定されるものではない。
【0009】
合成ガス及びそれからの生成物を生成するためのシステム及び方法が提供される。1つ以上の態様において、酸化剤の存在下に第一炭化水素の一部分を部分的に燃焼させるのに充分な条件で該第一炭化水素を部分的に酸化して、二酸化炭素、非燃焼炭化水素、及び熱を提供することが出来る。1つ以上の態様において、該部分的酸化工程で発生した熱の少なくとも一部分及び1種以上の第一触媒の存在下に該非燃焼炭化水素の少なくとも一部分をリフォーミングして、第一合成ガスを提供することが出来る。1つ以上の態様において、該第一合成ガスは水素、一酸化炭素、及び二酸化炭素を含むことが出来るが、それらに限定されない。1つ以上の態様において、該第一合成ガスからの熱を第二炭化水素と間接に交換して、水蒸気及び1種以上の第二触媒の存在下に該第二炭化水素の少なくとも一部分をリフォーミングして第二合成ガスを提供することが出来る。1つ以上の態様において、該第二合成ガスは水素、一酸化炭素、及び二酸化炭素を含むことが出来るが、それらに限定されない。1つ以上の態様において、該第一合成ガスの少なくとも一部分、該第二合成ガスの少なくとも一部分、又はそれらの混合物を含むことが出来る合成ガスを変換して、1種以上のフィッシャー−トロプシュ生成物、メタノール、それらの誘導体、又はそれらの組合せを提供することが出来る。
【0010】
図面に関して、図1は、1つ以上の態様による、部分的酸化技術を用いて合成ガスを生成するためのシステムの一例を描いたものである。該システムは、1つ以上の接触部分的酸化(「CPOX」)反応器150及び1つ以上のリフォーミング熱交換器200を含むことが出来る。1種以上の第一触媒は、該CPOX反応器150内の1つ以上の第一触媒帯域または触媒床155、157(二つが示されている)に配置することが出来る。該1つ以上の第一触媒床155、157は、固定床、流動床、モノリスタイプ床、又はそれらの任意の組合せであっても良いが、それらに限定されない。該1つ以上の触媒床155、157は、スクリーン、支柱/支持棒、又は他の適切な支持構造体のような任意の公知方法により支持することが出来る。
【0011】
該リフォーミング熱交換器200の少なくとも1つは、円筒多管式熱交換器であっても良い。該リフォーミング熱交換器200は、該リフォーミング熱交換器200の外殻内に少なくとも部分的に配置された1つ以上の管205を含むことが出来る。1種以上の第二触媒は、該1つ以上の管205内に配置して該1つ以上の管205内に1つ以上の第二触媒帯域210を提供することが出来る。該1種以上の第二触媒は、1つ以上のスクリーン215又は他の適切な支持構造体により該1つ以上の管205内に支持することが出来る。
【0012】
該1つ以上の管205は、該リフォーミング熱交換器200の外殻内に任意の模様又は配置で配列することが出来る。示されていないけれども、該管205は、該管205の外面及び(又は)内面上に配置された1つ以上のフィン、静止ミキサー、旋条、熱伝導性充填物、乱流引起し突起、又はそれらの任意の組合せを含むことが出来るが、それらに限定されない。該1つ以上の管は、種々のタイプ、例えば、直管、差込み管(示されていない)、U管(示されていない)、コイル管(示されていない)、又はそれらの任意の組合せであっても良い。1つ以上の態様において、同一の又は相違する形、長さ、及び(又は)直径又は断面積を有しても良い二つ以上の管205を使用することが出来る。該1つ以上の管205は、該リフォーミング熱交換器200内において垂直の、水平の、又は他の任意の角度で配置することが出来る。
【0013】
該管205は、1つ以上の管板201により該リフォーミング熱交換器200の外殻内に支持することが出来る。該1つ以上の管板201は、該リフォーミング熱交換器200の外殻側を該1つ以上の管205の第一端から分離して、該1つ以上の管205の第一端と該リフォーミング熱交換器200の外殻側との間の流体接触を防ぐことが出来る。該1つ以上の管205の第二端は、該リフォーミング熱交換器200の外殻側と流体接触していても良い。
【0014】
図2は、1つ以上の態様による、多数の管を有するリフォーミング熱交換器の断面上面図の一例を描いたものである。図2は、多数の管205内に配置された1つ以上の第二触媒帯域210を描いている。多数の管は二つ以上の管205と定義される。該1つ以上の管205の間又は周囲の空間により明確にされる加熱帯域207は(図1も参照)、該リフォーミング熱交換器200の外殻側に導入された熱移動媒体から該1つ以上の触媒帯域210に熱を間接に移動させることが出来る。
【0015】
再び図1を参照しながら、CPOX反応器150内の1種以上の第一触媒及び(又は)リフォーミング熱交換器200内の1種以上の第二触媒は、アルカリ土類金属、希土類金属、クロム、マンガン、モリブデン、タングステン、錫、レニウム、ビスマス、インジウム、燐、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、それらの酸化物、それらの誘導体、それらの混合物、又はそれらの組合せを含むことが出来るが、それらに限定されない。リフォーミング熱交換器200内の1種以上の第二触媒は、1つ以上のCPOX反応器150内の、1種以上の第一触媒と同一であっても良いし又は相違していても良い。CPOX反応器150内に配置される1種以上の第一触媒、リフォーミング熱交換器200内に配置される1種以上の第二触媒、又は両者は1種以上の触媒支持体材料を更に含むことが出来る。
【0016】
1つ以上の態様において、該触媒支持体材料は耐火性酸化物であっても良いし又はそれを含んでいても良い。該耐火性酸化物は、例えば、アルミナ、特にアルファアルミナ、ジルコニア、チタニア、ハフニア、シリカ、又はそれらの混合物であっても良い。該触媒支持体材料は、希土類変性耐火性金属酸化物(但し、該希土類は任意の希土類金属、例えば、ランタン、又はイットリウムであっても良い)及び(又は)アルカリ土類金属変性耐火性酸化物であっても良いし、又はそれらを含んでいても良い。該触媒支持体材料は、反応条件で実質的に安定な表面積、例えば、実質的に反応条件により変化しないか又は該反応に影響するようには変化しない表面積を有する材料と分類することが出来る。
【0017】
該1種以上の第一触媒及び(又は)第二触媒(「触媒」)は、顆粒、粉末、ビーズ、ピル、ペレット、フレーク、円筒、球体、又は他の形状の形であっても良い。該触媒は、50ミクロン(0.002インチ)から約1cm(0.4インチ)まで変動する長さ又は大きさを有することが出来る。1つ以上の態様において、該触媒は、約0.25mm(0.01インチ)から約6.5mm(0.26インチ)まで、又は約0.5mm(0.02インチ)から約0.4mm(0.16インチ)まで変動する長さ又は大きさを有することが出来る。
【0018】
更なる反応条件、触媒、及びCPOX反応器150の詳細は、米国特許第5,486,313;5,720,901;7,226,548;及び7,261,751号において見出すことが出来るが、それらのすべてを全体的に本明細書に引用して援用する。更なるリフォーミングプロセス条件、触媒、及びリフォーミング熱交換器200の詳細は、米国特許第5,011,625;5,122,299;5,362,454;6,855,272;7,138,001;及び7,220,505号において見出すことが出来るが、それらのすべてを全体的に本明細書に引用して援用する。
【0019】
第一炭化水素はライン110を経由して、そして酸化剤はライン140を経由して、1つ以上のCPOX反応器150に導入することが出来る。該第一炭化水素は、該酸化剤及び1種以上の第一触媒の存在下で部分的に酸化することが出来る。該第一炭化水素の一部を部分的に燃焼させるのに充分な条件で該部分的酸化が起きて二酸化炭素、非燃焼炭化水素、及び熱を提供することが出来る。該非燃焼炭化水素は、該部分的酸化工程で発生した熱の少なくとも一部分及び1種以上の第一触媒の存在下で、少なくとも部分的にリフォーミングされて、第一合成ガスを提供することが出来る。該第一合成ガスは、水素、一酸化炭素、及び二酸化炭素を含むことが出来るが、それらに限定されない。該部分的に燃焼させられた第一炭化水素は1つ以上の第一触媒帯域155、157を通して/横切って流れるので、該非燃焼炭化水素の少なくとも一部分が反応して(即ち、リフォーミングされて)該第一合成ガスを提供することが出来る。1つ以上の態様において、ライン110を経由する該第一炭化水素は、該第一炭化水素を1つ以上のCPOX反応器150に導入する前に、ライン115を経由する水蒸気及び(又は)二酸化炭素と混合することが出来る。示されていないけれども、1つ以上の態様において、該第一炭化水素及び該酸化剤をCPOX反応器150の上流で混合して反応体混合物を提供し、次に該混合物をCPOX反応器150に導入することが出来る。示されていないけれども、1つ以上の態様において、ライン115を経由する水蒸気及び(又は)二酸化炭素は、1つ以上のCPOX反応器150に直接導入しても良いし、又は該酸化剤と予備混合しても良い。
【0020】
ライン140を経由する1種以上の酸化剤は、1つ以上の第一触媒帯域155、157の最初の帯域より前において、1つ以上のCPOX反応器150に導入することが出来る。1つ以上の態様において、ライン140を経由する1種以上の酸化剤の一部分を1つ以上の第一触媒帯域155、157の各々より前に導入し、それにより触媒床間酸化剤注入を提供することが出来る。触媒床間酸化剤注入により、ライン140を経由して各々の触媒床155、157に導入される酸化剤の量を独立的に調整し制御することが出来る。ライン140を経由して1つ以上の触媒床155、157に導入される酸化剤の量を制御することにより、該1つ以上の第一触媒帯域155、157内の反応速度及び温度の調整を改良することが出来る。
【0021】
CPOX反応器150は、第一合成ガスがライン160を経由してCPOX反応器150を出るので、第一合成ガスの温度により測定して約700℃(1,292°F)〜約1,500℃(2,732°F)の温度で操作することが出来る。CPOX反応器150は、約700℃(1,292°F)、約800℃(1,472°F)、又は約900℃(1,652°F)〜約1,100℃(2,012°F)、約1,200℃(2,192°F)、又は約1,300℃(2,372°F)の温度で操作することが出来る。CPOX反応器150は、約100kPa(0psig)〜約15,000kPa(2,162psig)、又は約400kPa(44psig)〜約8,500kPa(1,219psig)の圧力で操作することが出来る。
【0022】
第二炭化水素は、ライン180を経由して1つ以上のリフォーミング熱交換器200に導入することが出来る。該第二炭化水素は、ライン185を経由する水蒸気と混合することが出来る。1つ以上の態様において、該第二炭化水素は、ライン185を経由する水蒸気及び二酸化炭素と混合することが出来る。二酸化炭素を有するか又は有さない、ライン180を経由する該第二炭化水素と水蒸気との混合物は、1つ以上の第二触媒帯域210に導入することが出来る。例えば、ライン180を経由する該第二炭化水素は、1つ以上の第二触媒含有管205の第一端に導入することが出来る。該第二炭化水素を1つ以上の第二触媒帯域210に通過させることにより、該第二炭化水素を少なくとも部分的にリフォーミングして、第二合成ガスを提供することが出来る。該第二合成ガスは水素、一酸化炭素、及び二酸化炭素を含むことが出来るが、それらに限定されない。該第二合成ガスは、スクリーン215を通って1つ以上の管205の第二端から出て混合帯域222で第一合成ガスと混合されて、ライン230を経由して混合合成ガス又は合成ガス製品を提供することが出来る。
【0023】
第一合成ガスは、ライン160を経由してリフォーミング熱交換器200の外殻側に導入することが出来る。第一合成ガス及び第二合成ガスは混合帯域222で混合されて、混合合成ガスを提供することが出来る。第二触媒帯域210中で第二炭化水素をリフォーミングするために必要な熱は、該混合合成ガスが加熱帯域207を通って1つ以上の管205に沿って/を横切って流れるので、該混合合成ガスにより提供することが出来る。示されていないけれども、第一合成ガスは1つ以上の管205の外側を横切って又はその周りを通過して第一合成ガスから第二触媒帯域210に熱を間接に移動させることが出来、その後で第一合成ガス及び第二合成ガスは混合帯域222で混合されることが出来る。該混合合成ガスは、ライン230を経由して合成ガス製品(「合成ガス」)として回収することが出来る。
【0024】
ライン110を経由する第一炭化水素及びライン180を経由する第二炭化水素は、1種以上の炭素含有物質を含むことが出来るが、それらに限定されない。該炭素含有物質は、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、又は合計1〜20個の炭素原子(C〜C20)を含有する他の任意の炭化水素、又はそれらの任意の混合物を含むことが出来るが、それらに限定されない。該炭素含有物質は、C〜Cの炭化水素、又はそれらの任意の混合物を含むことが出来るが、それらに限定されない。該炭素含有物質は、天然ガス、メタン、脱硫天然ガス、脱硫メタン、それらの混合物、又はそれらの任意の組合せを含むことが出来るが、それらに限定されない。第一炭化水素及び第二炭化水素は、同一の又は相違する炭素含有物質であっても良い。第一炭化水素、第二炭化水素、又は両者は、硫黄、水銀、一硫化炭素、及び他の汚染物質のような汚染物質が実質的に無くても良い。
【0025】
ライン110を経由する第一炭化水素及び(又は)ライン180を経由する第二炭化水素は、乾燥量基準で約80モル%以上のメタン、又は乾燥量基準で約90モル%以上のメタン、又は乾燥量基準で約95モル%以上のメタン、又は乾燥量基準で約97モル%以上のメタン、又は乾燥量基準で約99モル%以上のメタンを含有することが出来る。本明細書で使用される用語「乾燥量基準」は、水及び(又は)窒素の無い供給材料、生成物、合成ガス、又は中間体のことを言う。
【0026】
ライン110を経由する第一炭化水素は、第一炭化水素及び第二炭化水素の組合せ全量(「全供給材料」)の約10重量%〜90重量%で変動することが出来る。該第一炭化水素は、全供給材料の約20重量%〜約80重量%、又は全供給材料の約30重量%〜約70重量%、又は全供給材料の約40重量%〜約60重量%で変動することが出来る。ライン180を経由する第二炭化水素は、全供給材料の約10重量%〜約90重量%で変動することが出来る。該第二炭化水素は、全供給材料の約20重量%〜約80重量%、又は全供給材料の約30重量%〜約70重量%、又は全供給材料の約40重量%〜約60重量%で変動することが出来る。
【0027】
ライン140を経由して1つ以上のCPOX反応器150に導入される1種以上の酸化剤のタイプ及び量は、ライン160を経由する第一合成ガス及びライン230を経由する合成ガスの組成及び物理的性質に影響を与えることが出来る。該1種以上の酸化剤は、空気、酸素、本質的に酸素、酸素富化空気、酸素及び空気、水、二酸化炭素の混合物、酸素と窒素及びアルゴンのような不活性ガスとの混合物、窒素富化空気、及びそれらの任意の混合物を含むことが出来るが、それらに限定されない。該酸化剤は、約60容量%以上の酸素、又は約70容量%以上の酸素、又は約80容量%以上の酸素、又は約90容量%以上の酸素、又は約95容量%以上の酸素、又は約99容量%以上の酸素を含むことが出来る。本明細書で使用される場合、用語「本質的に酸素」は、50容量%より多くの酸素を含有する酸化剤のことを言う。本明細書で使用される場合、用語「酸素富化空気」は、21容量%より多くの酸素を含有する酸化剤流のことを言う。酸素、本質的に酸素、又は酸素富化空気は、例えば、極低温蒸留、圧力変動吸着、膜分離、又はそれらの任意の組合せから得ることが出来る。ライン140を経由する1種以上の酸化剤は無窒素又は本質的に無窒素であっても良い。本明細書で使用される場合、用語「本質的に無窒素」は、約5容量%以下の窒素、4容量%以下の窒素、3容量%以下の窒素、2容量%以下の窒素、又は1容量%以下の窒素を含有する酸化剤流のことを言う。
【0028】
CPOX反応器150の中で起こり得る接触部分的酸化反応は、1種以上の炭素含有物質及びライン140を経由して導入される分子状酸素(O)の濃度を最適化することにより、促進する(即ち、制御する)ことが出来る。第一炭化水素及び酸化剤は、例えば、約1:1 C:O〜約10:1 C:O、又は約1:1 C:O〜約8:1 C:O、又は約1:1 C:O〜約6:1 C:Oの範囲の炭素:O(C:O)モル比を有するように調整することが出来る。該C:Oモル比は、約1.5:1 C:O〜約4:1 C:O、又は約1.6:1 C:O〜約3.5:1 C:O、又は約1.6:1 C:O〜約2.5:1 C:Oの範囲であっても良い。
【0029】
1つ以上の態様において、水蒸気及び(又は)二酸化炭素は、ライン110における第一炭化水素中に存在していても良い。水蒸気及び(又は)二酸化炭素は、CPOX反応器150及び(又は)ライン110における第一炭化水素に直接導入することが出来る。水蒸気対第一触媒帯域155と最初に接触するライン110を経由する第一炭化水素の炭素の重量比は、約0〜約3であっても良く、二酸化炭素対第一触媒帯域155と最初に接触するライン110を経由する第一炭化水素の炭素の重量比は、約0〜約2であっても良い。
【0030】
ライン140を経由してCPOX反応器150に導入される1種以上の酸化剤は、乾燥量基準で約30モル%以上の水素、又は乾燥量基準で約40モル%以上の水素、又は乾燥量基準で約50モル%以上の水素、又は乾燥量基準で約60モル%以上の水素、又は乾燥量基準で約70モル%以上の水素を含有することが出来るライン160を経由する第一合成ガス、1つ以上の管205を出る第二合成ガス、及び(又は)ライン230を経由する合成ガス製品を提供するように選択することが出来る。ライン140を経由する該酸化剤は、乾燥量基準で約5モル%以上の一酸化炭素、又は乾燥量基準で約10モル%以上の一酸化炭素、又は乾燥量基準で約15モル%以上の一酸化炭素、又は乾燥量基準で約20モル%以上の一酸化炭素、又は乾燥量基準で約25モル%以上の一酸化炭素、又は乾燥量基準で約30モル%以上の一酸化炭素、又は乾燥量基準で約35モル%以上の一酸化炭素を含有することが出来るライン160を経由する第一合成ガス、1つ以上の管205を出る第二合成ガス、及び(又は)ライン230を経由する合成ガス製品を提供するように選択することが出来る。ライン140を経由する該酸化剤は、乾燥量基準で約2モル%以上の二酸化炭素、又は乾燥量基準で約5モル%以上の二酸化炭素、又は乾燥量基準で約10モル%以上の二酸化炭素、又は乾燥量基準で約20モル%以上の二酸化炭素を含有することが出来るライン160を経由する第一合成ガス、及び(又は)ライン230を経由する合成ガス製品を提供するように選択することが出来る。
【0031】
ライン160を経由する第一合成ガス、第二合成ガス、及び(又は)ライン230を経由する合成ガス製品中の水素の濃度は、乾燥量基準で約30モル%、乾燥量基準で40モル%、又は乾燥量基準で50モル%の低い値から、乾燥量基準で約50モル%、乾燥量基準で60モル%、又は乾燥量基準で70モル%の高い値まで変動することが出来る。ライン160を経由する第一合成ガス、第二合成ガス、及び(又は)ライン230を経由する合成ガス製品中の水素濃度は、乾燥量基準で約25モル%、乾燥量基準で35モル%、又は乾燥量基準で45モル%の低い値から、乾燥量基準で約55モル%、又は乾燥量基準で65モル%の高い値まで変動することが出来る。ライン160を経由する第一合成ガス、第二合成ガス、及び(又は)ライン230を経由する合成ガス製品中の一酸化炭素濃度は、乾燥量基準で約5モル%、乾燥量基準で10モル%、乾燥量基準で15モル%、又は乾燥量基準で20モル%の低い値から、乾燥量基準で約25モル%、乾燥量基準で30モル%、又は乾燥量基準で35モル%の高い値まで変動することが出来る。ライン160を経由する第一合成ガス、第二合成ガス、及び(又は)ライン230を経由する合成ガス製品中の二酸化炭素濃度は、乾燥量基準で約2モル%、乾燥量基準で5モル%、又は乾燥量基準で7モル%の低い値から、乾燥量基準で約10モル%、乾燥量基準で15モル%、又は乾燥量基準で25モル%の高い値まで変動することが出来る。
【0032】
ライン160を経由する第一合成ガス、1つ以上の管205を出る第二合成ガス、及び(又は)ライン230を経由する第二合成ガス製品の組成は、相違する水素、一酸化炭素、及び二酸化炭素の濃度を有することが出来る。例えば、ライン160を経由する第一合成ガスは乾燥量基準で約60モル%の水素濃度を有することが出来、ライン230を経由する合成ガス製品は乾燥量基準で約70モル%の水素濃度を有することが出来る。ライン160を経由する第一合成ガス及びライン230を経由する合成ガス製品中の水素、一酸化炭素、及び二酸化炭素の濃度は、時間が経つと変動する可能性がある。いくつかの因子がライン160を経由する第一合成ガス及びライン230を経由する合成ガス製品の濃度に影響を与える可能性があり、それらの因子は流速、炭化水素供給材料組成、温度、圧力、触媒のタイプ、触媒の材令、及び酸化剤を含むことが出来るが、それらに限定されない。
【0033】
ライン230を経由する合成ガス製品の組成は、乾燥量基準で約65モル%の水素、乾燥量基準で約30モル%の一酸化炭素、及び乾燥量基準で約4モル%の二酸化炭素であっても良い。ライン230を経由する合成ガス製品の組成は、乾燥量基準で約65モル%の水素、乾燥量基準で約15モル%の一酸化炭素、及び乾燥量基準で約15モル%の二酸化炭素であっても良い。
【0034】
図3は、1つ以上の態様による、部分的酸化技術を用いて合成ガスを生成するための、もう1つのシステムの一例を描いたものである。1つ以上のCPOX反応器150、ライン110を経由する第一炭化水素、ライン140を経由する酸化剤、ライン160を経由する第一合成ガス、ライン180を経由する第二炭化水素、及びライン230を経由する合成ガス製品は、図1を参照して上記に検討し説明した通りであっても良い。1つ以上のリフォーミング熱交換器200は、図1を参照して上記に検討し説明した通りであっても良いが、該円筒多管式熱交換器の内部構造は相違していても良い。1つ以上の態様において、1つ以上の触媒含有管205は該管205の周りに配置された二つ以上の管板201(二つが示されている)を有していても良い。1つ以上の触媒含有管205は、該管205の第一端に又はその近くに配置された少なくとも1つの管板及び該管205の第二端に又はその近くに配置された少なくとも1つの管板を、第二触媒帯域210の少なくとも一部分が該二つの管板201の間に位置し得るように、有することが出来る。この態様において、該触媒含有管205の両端は、該リフォーミング熱交換器200の外殻側から分離する(即ち、と流動的接触していない)ことが出来る。
【0035】
ライン180を経由する第二炭化水素は、1つ以上の管205の第一端に導入することが出来る。該第二炭化水素は、該1つ以上の管205内の第二触媒帯域210においてリフォーミングすることが出来る。該管205は、二つ以上の管板201間の空間又は体積により明確にされる加熱帯域207を通って伸びることが出来る。ライン180を経由する第二炭化水素の吸熱リフォーミング反応のための熱は、ライン160を経由して加熱帯域207に導入される第一合成ガスからの熱により供給することが出来る。図1に示されているように第一合成ガス及び第二合成ガスを混合して合成ガス製品を提供しないで、第一合成ガスはライン223を経由して回収し、第二合成ガスはライン227を経由して回収することが出来る。1つ以上の態様において、ライン223を経由する第一合成ガスの少なくとも一部分及びライン227を経由する合成ガスの少なくとも一部分を混合して、ライン230を経由する合成ガス製品を提供することが出来る。ライン223を経由する第一合成ガス、ライン227を経由する第二合成ガス、又はライン230を経由するそれらの混合物(即ち、合成ガス製品)は、水素、一酸化炭素、及び二酸化炭素を含有することが出来るが、それらに限定されない。
【0036】
示されていないけれども、1つ以上の態様において、三つ以上の管板201を設置して二つ以上の加熱帯域207をリフォーミング熱交換器200内に提供することが出来る。例えば、第一管板201が1つ以上の管205の第一端に又はその近くに配置され、第二管板201が1つ以上の管205の第二端に又はその近くに配置され、そして第三管板(示されていない)が第一管板201と第二管板201との間に配置されるように、三つの管板201(二つが示されている)を設置して、二つの独立した加熱帯域を提供することが出来る。1つ以上の態様において、ライン160を経由する第一合成ガスを分割して、ライン160を経由する該第一合成ガスの少なくとも一部分を各々の独立した加熱帯域に導入することが出来る。1つ以上の態様において、ライン160を経由する第一合成ガスを独立した加熱帯域の1つに導入し、水蒸気のような第二熱移動媒体を他の独立した加熱帯域に導入することが出来る。ライン160を経由する第一合成ガスから特定の加熱帯域に導入される熱の量は二つ以上の加熱帯域に導入される第一合成ガス(又は他の熱移動媒体)の量を制御することにより独立に制御できるので、この配置は複数の反応帯域内の温度制御を改良することが出来る。
【0037】
図4は、1つ以上の態様による、部分的酸化技術を用いて合成ガスを生成するための、もう1つのシステムの一例を描いたものである。1つ以上のCPOX反応器150、1つ以上のリフォーミング熱交換器200、ライン110を経由する第一炭化水素、ライン140を経由する酸化剤、ライン160を経由する第一合成ガス、ライン180を経由する第二炭化水素、第二合成ガス、及びライン230を経由する合成ガス製品は、図1〜3を参照して上記に検討し説明した通りであっても良い。1つ以上の態様において、該システムは1つ以上の熱交換器(二つが示されている、130、170)を更に含んでいても良い。それらの熱交換器は、ライン110を経由する第一炭化水素、ライン180を経由する第二炭化水素を予熱し、そして(又は)ライン160を経由する第一合成ガスを冷却するために使用することが出来る。
【0038】
ライン110中の第一炭化水素は、ライン120を経由して供給される水蒸気のような熱移動媒体により、1つ以上の熱交換器130の中で予熱することが出来る。ライン110中の第一炭化水素は、約100℃(212°F)〜約900℃(1,652°F)、又は約100℃(212°F)〜約700℃(1,292°F)、又は約300℃(572°F)〜約500℃(932°F)の温度まで予熱することが出来る。例えば、ライン110中の第一炭化水素は、約400℃(752°F)、約500℃(932°F)、又は約600℃(1,112°F)の温度まで予熱することが出来る。
【0039】
ライン180中の第二炭化水素は、熱移動媒体としてライン160中の第一合成ガスを用いて、1つ以上の熱交換器170の中で予熱することが出来る。1つ以上の態様において、ライン180中の第二炭化水素は、水蒸気のような外部から供給される熱移動媒体からライン180中の第二炭化水素に熱を移動させることにより、熱交換器170の中で予熱することが出来る。ライン180を経由する第二炭化水素は、約100℃(212°F)〜約900℃(1,652°F)、又は約300℃(212°F)〜約700℃(1,292°F)、又は約450℃(842°F)〜約650℃(1,202°F)の温度まで予熱することが出来る。例えば、ライン180中の第二炭化水素は、約400℃(752°F)、約500℃(932°F)、又は約600℃(1,112°F)の温度まで予熱することが出来る。
【0040】
1つ以上の態様において、ライン160中の第一合成ガスは、CPOX反応器150とリフォーミング熱交換器200との間で冷却することが出来る。ライン160中の第一合成ガスは、間接冷却、直接冷却、又は両者により冷却することが出来る。ライン160中の第一合成ガスは、例えば、ライン165を経由して導入される水、二酸化炭素、又は他の適切な任意の冷却媒体を用いた直接冷却により、冷却することが出来る。ライン160中の第一合成ガスは、非接触冷却により、例えば、1つ以上の熱交換器、例えば、熱交換器170において、熱移動媒体で熱を間接に移動させることにより、冷却することが出来る。熱交換器170において、任意の適切な熱移動媒体、例えば、ライン180を経由する第二炭化水素、水(示されていない)、該プラント内からの他のプロセス供給材料(示されていない)、それらの混合物、又はそれらの組合せを使用することが出来る。ライン160を経由する第一合成ガスは、約700℃(1,292°F)〜約1,100℃(2,012°F)、又は約750℃(1,382°F)〜約1,000℃(1,832°F)の温度まで冷却することが出来る。
【0041】
ライン160を経由してリフォーミング熱交換器200に導入される第一合成ガスの温度は、ライン180を経由してリフォーミング熱交換器200に導入される第二炭化水素の温度より約10%〜約300%高くても良い。ライン160を経由してリフォーミング熱交換器200に導入される第一合成ガスの温度は、ライン180を経由してリフォーミング熱交換器200に導入される第二炭化水素の温度より約30%高いか、約40%高いか、約50%高いか、約60%高いか、又は約70%高いか、又はそれより高くても良い。
【0042】
示されていないけれども、1つ以上の態様において、ライン140を経由してCPOX反応器150に導入される酸化剤は、1つ以上の熱交換器中で予熱しても良いし、又は第一炭化水素と混合して熱交換器130中で加熱しても良い。該酸化剤は、約100℃(212°F)〜約900℃(1,652°F)、又は約100℃(212°F)〜約700℃(1,292°F)、又は約300℃(572°F)〜約500℃(932°F)の温度まで予熱することが出来る。
【0043】
図5は、1つ以上の態様による、部分的酸化技術を用いて合成ガスを生成するための、更にもう1つのシステムの一例を描いたものである。1つ以上のCPOX反応器150、ライン110を経由する第一炭化水素、ライン140を経由する酸化剤、ライン180を経由する第二炭化水素、ライン160を経由する第一合成ガス、第二合成ガス、及びライン230を経由する合成ガス製品は、図1〜4を参照して上記に検討し説明した通りであっても良い。1つ以上のリフォーミング熱交換器200は、図1を参照して上記に検討し説明した通りであっても良いが、該円筒多管式熱交換器の内部構造は相違していても良い。1つ以上の態様において、1種以上の第二触媒は、リフォーミング熱交換器200の外殻側の少なくとも一部分内に配置して1つ以上の第二触媒帯域220を提供することが出来る。第二触媒帯域220内の1種以上の第二触媒は、触媒スクリーン225又は他の任意の適切な支持構造体により支持して、1つ以上の管205の第二端に隣接する混合帯域222を提供することが出来る。1つ以上の態様において、該第二触媒は、触媒スクリーン225無しで該リフォーミング熱交換器の外殻側内に配置することが出来、その場合該混合帯域222は該第二触媒の一部分を含有することが出来る。
【0044】
図6は、記載される1つ以上の態様による、多数の管を有するリフォーミング熱交換器の断面上面図の一例を描いたものである。図6は、リフォーミング熱交換器200の外殻側の少なくとも一部分内に配置された第二触媒帯域220を描いている。第二触媒帯域220は、1つ以上の無触媒管205の周りに配置することが出来る。熱は、該管205を通って流れることが出来る熱移動媒体から第二触媒帯域220に間接に移動させることが出来る。
【0045】
再び図5を参照しながら、ライン160を経由する第一合成ガスはリフォーミング熱交換器200の管側に導入することが出来る。ライン160を経由する第一合成ガスは、該1つ以上の管205を通って流れることが出来る。第二炭化水素は、ライン180を経由してリフォーミング熱交換器200の外殻側に導入され、そしてそれは第二触媒帯域220を通ってそして(又は)それを横切って流れることが出来、そこで第二炭化水素はリフォーミングされて第二合成ガスを提供することが出来、そしてそれは触媒スクリーン225を通って混合帯域222に導入することが出来る。第二炭化水素をリフォーミングするのに必要な熱は、該1つ以上の管205を通って流れる第一合成ガスから第二触媒帯域220に間接に移動させることが出来る。
【0046】
示されていないけれども、1つ以上の態様において、第一合成ガス及び第二合成ガスは、図3を参照して検討し説明したように、リフォーミング熱交換器200の外側で混合することが出来る。1つ以上の態様において、第一合成ガス及び第二合成ガスは、リフォーミング熱交換器200から独立に回収する(即ち、無混合)ことが出来る。例えば、触媒スクリーン225を第二管板201で置換えることが出来、それにより第一合成ガス及び第二合成ガス用の別個で独立した流路が提供される。第二合成ガスは、リフォーミング熱交換器200の外殻側と流動接触している出口ラインから回収することが出来、第一合成ガスは、該リフォーミング熱交換器の管側と流動接触している出口ラインから回収することが出来る。
【0047】
示されていないけれども、1つ以上の態様において、ライン160を経由して導入される第一合成ガスは、該触媒帯域の全体にわたって異なる領域に夫々分配することが出来る。例えば、第二触媒帯域220内にそして(又は)それを通して配置された2セット以上の独立に供給される管には、ライン160を経由する相違した量の第一合成ガスを導入することが出来る。例えば、ライン160を経由する第一合成ガスの70%を第一セットの管に導入し、30%を第二セットの管に導入することが出来、それにより、ライン180を経由するより多くの未反応第二炭化水素が存在し得る触媒帯域220の第一部分に、より多くの熱が提供され得るのである。第二触媒帯域220内にそして(又は)それを通して配置された該2セット以上の独立に供給される管は、直線、U形、渦巻形、及び(又は)差込みタイプの管であっても良い。
【0048】
示されていないけれども、1つ以上の態様において、ライン160を経由する第一合成ガスは、該1つ以上の管205の、どちらの端にも、そして(又は)該1つ以上の管205の長さに沿う何処にも、導入することが出来る。例えば、ライン160を経由する第一合成ガスは、混合帯域222に直接導入することが出来、混合された合成ガスは該1つ以上の管205を通って流れることが出来る。
【0049】
図7は、1つ以上の態様による、合成ガス、炭化水素生成物、及びそれらの誘導体を生成するためのシステムの一例を描いたものである。ライン230を経由する合成ガスは、図1〜6を参照して上記に検討し説明したシステムを用いて、生成することが出来る。該システムは、1つ以上の二酸化炭素除去ユニット250、1つ以上の乾燥機300、及び1つ以上の炭化水素合成システム350を更に含むことが出来る。ライン140を経由してCPOX反応器150に導入される酸化剤は、酸素、本質的に酸素、酸素富化空気、無窒素酸化剤、又は本質的に無窒素酸化剤のような高酸素含有ガスであっても良く、それは高水素及び一酸化炭素組成を有する合成ガスをライン230中に提供することが出来る。
【0050】
1つ以上の二酸化炭素除去システム250は、膜タイプ分離システムのような1つ以上の物理的分離システムを含むことが出来るが、それらに限定されない。該二酸化炭素除去システムは、吸収/吸着タイプ、溶媒系、システム、のような化学的分離システムを含むことが出来るが、それらに限定されない。二酸化炭素除去システム250は、ライン230を経由して導入される合成ガスを1種以上の吸収剤又は吸着剤と接触させて二酸化炭素の少なくとも一部分を除去することが出来る。該二酸化炭素除去システムは、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、炭酸カリウム、メチルジエタノールアミン(MDEA)、ジグリコールアミン(DGA)、ジイソプロパノールアミン(DIPA)、プロピレンカーボネートのようなアルキルカーボネート、2〜12グリコール単位のポリエチレングリコールのジメチルエーテル(Selexol(商標)法)、n−メチル−ピロリドン、スルホラン、及びSulfinol(商標)ガス処理法の利用、それらの誘導体、それらの混合物、又はそれらの任意の組合せを含むことが出来るが、それらに限定されない。
【0051】
ライン230(又はライン227,223及び(又は)230、図3を参照されたし)を経由する合成ガスの少なくとも一部分を1つ以上の二酸化炭素除去システム250に導入して、ライン265を経由する二酸化炭素、及び水素、一酸化炭素、並びに水を含有することが出来るライン260を経由するガス混合物を提供することが出来る。ライン260を経由するガス混合物は、乾燥量基準で約3モル%未満の二酸化炭素、乾燥量基準で約2モル%未満の二酸化炭素、乾燥量基準で約1モル%未満の二酸化炭素、乾燥量基準で約0.5モル%未満の二酸化炭素、乾燥量基準で約0.1モル%未満の二酸化炭素、又は乾燥量基準で約0.01モル%未満の二酸化炭素を含有することが出来る。ライン265を経由する二酸化炭素は、大気に放出したり、油回収の向上に用いたり、廃棄のため地質又は海洋環境中に圧入したり、そして(又は)冷却剤として用いたりすることが出来る。
【0052】
ライン260を経由するガス混合物の少なくとも一部分を1つ以上の乾燥機300に導入しライン260中のガス混合物から水の少なくとも一部分を除去して、ライン310を経由する乾燥ガス混合物及びライン315を経由する水を提供することが出来る。1つ以上の乾燥機300は、1つ以上の分子篩、吸収剤、吸着剤、フラッシュタンク分離機、焼却炉、又はそれらの任意の組合せを含むことが出来るが、それらに限定されない。適切な吸収剤は、グリコール、ハロゲン化アルカリ土類塩、それらの誘導体、又はそれらの混合物を含むことが出来るが、それらに限定されない。適切な吸着剤は、活性アルミナ、シリカゲル、分子篩、活性炭、それらの誘導体、又はそれらの混合物を含むことが出来るが、それらに限定されない。
【0053】
ライン310を経由する乾燥ガス混合物は、乾燥量基準で約97モル%以上の水素及び一酸化炭素、又は乾燥量基準で約98モル%以上の水素及び一酸化炭素、又は乾燥量基準で約99モル%以上の水素及び一酸化炭素、又は乾燥量基準で約99.5モル%以上の水素及び一酸化炭素を含有することが出来る。ライン310中の乾燥ガス混合物の水素含量は、約40モル%、又は約45モル%の低含量から約60モル%、約65モル%、又は約70モル%の高含量まで変動することが出来る。ライン310中の乾燥ガス混合物の一酸化炭素含量は、約10モル%、約15モル%、又は約20モル%の低含量から約30モル%、約45モル%、又は約60モル%の高含量まで変動することが出来る。
【0054】
ライン310を経由する乾燥ガス混合物の少なくとも一部分は、1つ以上の炭化水素合成ユニット350に導入することが出来、該ユニットはライン360を経由する種々の炭化水素生成物、廃水(示されていない)、及びテールガス(示されていない)を提供することが出来る。示されていないけれども、ライン260を経由するガス混合物の少なくとも一部分及び(又は)ライン230を経由する合成ガスの少なくとも一部分を1つ以上の炭化水素合成ユニット350に導入することが出来る。該炭化水素合成ユニット350は、ライン310中の乾燥ガス混合物、及び(又は)ライン260中のガス混合物、及び(又は)ライン230中の合成ガスを炭化水素生成物に変換するのに適した任意の装置又はプロセスであっても良い。1つ以上の炭化水素合成ユニット350により提供され得る生成物のタイプは、1種以上のフィッシャー−トロプシュ生成物及びヒドロホルミル化生成物を含むことが出来るが、それらに限定されない。
【0055】
炭化水素合成ユニット350は、固定床、流動床、又は噴流床のような任意のタイプの適切な反応床を含むことが出来る。該炭化水素合成ユニットは、約40℃(104°F)〜約400℃(752°F)以上の温度及び約100kPa(0psig)〜約10,500kPa(1,509psig)の圧力で操作することが出来るが、それらは特定のタイプの炭化水素合成ユニット350及び生成される炭化水素生成物に依存する可能性がある。該炭化水素合成反応は非常に発熱性であり得るので、熱除去システム(示されていない)を含めても良い。回収された熱から生成する水蒸気は、機械類を運転したり、そして(又は)電力を生成するのに使用したり、そして(又は)プロセス蒸気として使用することが出来る。
【0056】
1つ以上の態様において、炭化水素合成ユニット350はフィッシャー−トロプシュ合成ユニットであっても良く、それは1種以上の触媒の存在下で水素及び一酸化炭素を反応させて1種以上のフィッシャー−トロプシュ生成物をライン360に通して提供することが出来る。実例となるフィッシャー−トロプシュ触媒は、コバルト、鉄、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、亜鉛、それらの誘導体、それらの混合物、又はそれらの組合せを含むことが出来るが、それらに限定されない。
【0057】
ライン360を経由するフィッシャー−トロプシュ生成物は、軽質のガス状炭化水素(C〜C)からナフサ(C〜C10)、ディーゼル(C11〜C20)、及びワックス(>C20)、それらの誘導体、又はそれらの組合せに及ぶ広範囲の分子量を有する炭化水素の混合物であっても良い。ライン360を経由する大部分の炭化水素は、直鎖(線状)パラフィンであっても良い。フィッシャー−トロプシュ生成物は、ディーゼル燃料、灯油、航空燃料、プロパン、ブタン、LPG、潤滑油、ナフサ、ガソリン、洗浄剤、ワックス、潤滑油、精油所/石油化学原料油、他の輸送用燃料、合成原油、液体燃料、アルファオレフィン、それらの誘導体、それらの混合物、又はそれらの組合せを含むことが出来るが、それらに限定されない。
【0058】
1つ以上の態様において、炭化水素合成ユニット350は、炭素−炭素二重結合にホルミル基(−CHO)及び水素原子を加えて1種以上のアルデヒドを提供することが出来るヒドロホルミル化合成ユニットであっても良いか、或いは該ユニットを含んでいてもよい。該ヒドロホルミル化合成ユニットは、遷移金属触媒、例えば、コバルトカルボニル又はロジウム錯体(例えば、ロジウムトリアリールホスフィン)のような1種以上のヒドロホルミル化触媒を含むことが出来る。
【0059】
示されていないけれども、1つ以上の態様において、1種以上のアルケンをライン230中の合成ガス、ライン260中のガス混合物、又はライン310中の乾燥ガス混合物に導入して炭化水素供給ガスを提供することが出来、該供給ガスは水素、一酸化炭素、及び1種以上のアルケンを含むことが出来るが、それらに限定されない。該乾燥ガス混合物及び該1種以上のアルケンは反応して1種以上のアルデヒドを提供することが出来る。示されていないけれども、ライン310を経由する乾燥ガス混合物の少なくとも一部分をフィッシャー−トロプシュ合成ユニットに導入して1種以上のオレフィン(例えば、アルケン)をライン360に通して提供することが出来る。ライン360を経由して提供された1種以上のオレフィンは次に、ライン310を経由する乾燥ガス混合物の少なくとも一部分と一緒に、ヒドロホルミル化合成ユニットに導入して1種以上のアルデヒドを提供することが出来る。該1種以上のアルデヒドは、アルコールへと更に処理(示されていない)するか、又はカルボン酸に酸化することが出来る。
【0060】
1つ以上の態様において、炭化水素合成システム350に導入される合成ガス中の水素対一酸化炭素モル比(H:CO)を制御することが望ましいであろう。多数のフィッシャー−トロプシュ炭化水素生成物に対しては、例えば、2:1のH:CO比が望ましいであろう。CPOX反応器150及び(又は)リフォーミング熱交換器200中の操作条件に調整をしても良い。示されていないけれども、ライン310を経由して炭化水素合成ユニット350に導入される乾燥ガス混合物における所定の水素対一酸化炭素比を維持するために、炭化水素合成ユニット350の上流に追加の水素又は一酸化炭素を添加することが出来る。該調整の本質は、該システム全体の設計及びライン115を経由する第一炭化水素及びライン180を経由する第二炭化水素の組成に依存するであろう。
【0061】
水処理は部位特異的なので、水の更なる処理のための処理計画(示されていない)は変化する可能性がある。示されていないけれども、炭化水素合成ユニット350(例えば、フィッシャー−トロプシュ合成ユニット)からのテールガスは、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、及び(又は)水を含有することが出来るが、それらに限定されない。示されていないけれども、フィッシャー−トロプシュシステム350からのテールガスの少なくとも一部分は、ライン115中の第一炭化水素、ライン150中の第二炭化水素、又は両者に再循環させることが出来る。示されていないけれども、該炭化水素合成ユニットからのテールガスの少なくとも一部分は、メタン化装置に導入して合成天然ガスを提供することが出来る。
【0062】
図8は、1つ以上の態様による、合成ガス、メタノール、及びそれらの誘導体を生成するためのシステムの一例を描いたものである。ライン230を経由する合成ガスは、図1〜6を参照して上記に検討し説明したシステムを用いて生成され得る。ライン230中の合成ガスの少なくとも一部分は、1つ以上の高温一酸化炭素変成器(HTSC)400、中温一酸化炭素変成器(MTSC)450、低温一酸化炭素変成器(LTSC)500、二酸化炭素除去システム550、炭化水素合成ユニット600、又はそれらの任意の組合せに導入することが出来る。ライン230を経由して任意の特定のユニットに導入される合成ガスの順序及び量は、該合成ガス中に存在する水素、一酸化炭素、及び二酸化炭素の比、及び該合成ガスをメタノール及び他の生成物に変換するのに望ましい該比により決定することが出来る。
【0063】
HTSC400、MTSC450、及びLTSC500は、ライン230における合成ガス中の一酸化炭素を触媒の存在下該一酸化炭素を酸化するのに充分な温度で反応させることにより、該一酸化炭素を二酸化炭素に変換することが出来る。HTSC400に配置される触媒は、酸化鉄、亜鉛フェライト、磁鉄鉱、酸化クロム、それらの誘導体、又はそれらの任意の組合せを含むことが出来るが、それらに限定されない。HTSC400は、約325℃(617°F)〜約550℃(1,022°F)の温度で操作することが出来る。MTSC450に配置される触媒は、酸化鉄、酸化クロム、それらの誘導体、又はそれらの任意の組合せを含むことが出来るが、それらに限定されない。MTSC450は、約250℃(482°F)〜約300℃(572°F)の温度で操作することが出来る。LTSC500に配置される触媒は、銅、亜鉛、銅助触媒クロミア、それらの誘導体、又はそれらの任意の組合せを含むことが出来るが、それらに限定されない。LTSC500は、約180℃(356°F)〜約220℃(428°F)の温度で操作することが出来る。
【0064】
1つ以上の二酸化炭素除去システム550は、ライン230、410、460、及び(又は)510を経由して導入される合成ガス中に存在する二酸化炭素の少なくとも一部を除去することが出来る。該二酸化炭素除去システムは、物理的分離システム−膜タイプ分離システムを含むがそれらに限定されない−を含むことが出来る。該二酸化炭素除去システムは、化学的分離システム−吸収/吸着タイプ、溶媒系、システムを含むがそれらに限定されない−を含むことが出来る。該二酸化炭素除去システムは、ライン230を経由して導入される合成ガスを1種以上の吸収剤又は吸着剤と接触させて二酸化炭素の少なくとも一部を除去することが出来る。該二酸化炭素除去システムは、MEA、DEA、TEA、炭酸カリウム、MDEA、DGA、DIPA、プロピレンカーボネートのようなアルキルカーボネート、2〜12グリコール単位のポリエチレングリコールのジメチルエーテル(Selexol(商標)法)、n−メチル−ピロリドン、スルホラン、及びSulfinol(登録商標)ガス処理法の利用、それらの誘導体、それらの混合物、又はそれらの任意の組合せを使用することが出来るが、それらに限定されない。
【0065】
メタノール合成ユニット600は、ライン230を経由して導入される合成ガスの少なくとも一部分をメタノールに変換することが出来る1種以上の触媒を含むことが出来るが、それらに限定されない。該1種以上の触媒は、銅、亜鉛、アルミニウム、クロム、チタン、ジルコニウム、マグネシウム、それらの誘導体、又はそれらの組合せを含むことが出来る。該1種以上の触媒は、1つ以上の触媒床(示されていない)に配置することが出来る。該1つ以上の触媒床は、固定床又は流動床であっても良い。メタノール合成ユニット600は、約160℃(320°F)〜約300℃(572°F)の温度で操作することが出来る。炭化水素合成ユニット600は、約3,000kPa(421psig)〜約15,000kPa(2,162psig)の圧力で操作することが出来る。
【0066】
ライン230を経由する合成ガス、ライン410、460、及び(又は)510を経由する中間体は、以下のユニット、即ち、HTSCs400、MTSCs450、LTSCs500、二酸化炭素除去システム550、及び(又は)メタノール合成ユニット600の任意の1つ以上に均等又は不均等に分配することが出来る。1つ以上の態様において、該合成ガスの少なくとも一部分は、ライン230を経由し1つ以上のHTSCs400に導入してライン410を経由する中間体を提供することが出来る。1つ以上の態様において、ライン410を経由する中間体の少なくとも一部分は、1つ以上のMTSCs450、LTSCs500、分離システム550、又はそれらの任意の組合せに導入することが出来る。
【0067】
1つ以上の態様において、該合成ガスの少なくとも一部分は、ライン230を経由し1つ以上のMTSCs450に導入してライン460を経由する中間体を提供することが出来る。1つ以上の態様において、ライン460を経由する中間体の少なくとも一部分は、1つ以上のHTSCs400、LTSCs500、分離システム550、又はそれらの任意の組合せに導入することが出来る。
【0068】
1つ以上の態様において、ライン230を経由する合成ガスの少なくとも一部分は、1つ以上のLTSCs500に導入してライン510を経由する中間体を提供することが出来る。1つ以上の態様において、ライン510を経由する中間体の少なくとも一部分は、1つ以上のHTSCs400、MTSCs450、分離システム550、又はそれらの任意の組合せに導入することが出来る。
【0069】
示されていないけれども、1つ以上の態様において、ライン610を経由して提供されるメタノールは、更に処理して追加の生成物を提供することが出来る。該追加の生成物は、ジメチルエーテル(DME)、ホルマリン、酢酸、ホルムアルデヒド、メチル−第三ブチルエーテル、メチルアミン、メチルメタクリレート、ジメチルテレフタレート、メチルメルカプタン、塩化メチル、酢酸メチル、無水酢酸、エチレン、プロピレン、ポリオレフィン、それらの誘導体、それらの混合物、又はそれらの組合せを含むことが出来るが、それらに限定されない。
【0070】
一連の上限数値及び一連の下限数値を用いて、若干の態様及び特色を説明してきた。任意の下限から任意の上限までの範囲は特に断りのない限りそのような範囲であるという意図であることを理解すべきである。若干の下限、上限、及び範囲が別紙の1つ以上のクレームに見える。すべての数値は、当業者により予想されるだろう実験的誤差及び変化を考慮して、「約」又は「大体」示された値である。
【0071】
種々の用語が上記に定義されてきた。クレームで使用されている用語が上記に定義されていない範囲で、該用語は、少なくとも1つの印刷刊行物又は発行特許で示されているように当業者が該用語に与えた最も広い定義を与えられるべきである。更に、本願で引用されたあらゆる特許、試験手順、及び他の書類は、かかる記載が本願と一致していない範囲で、そしてかかる引用が許可されるあらゆる法域に対して、全体的に引用して援用する。
【0072】
前述の記載は本発明の態様を対象にしているけれども、本発明の他のそして更なる態様を、本発明の基本的範囲から逸脱することなく、考え出すことが出来、本発明の範囲は別紙のクレームにより決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成ガス及びそれからの1種以上の炭化水素生成物を生成する方法であって、
酸化剤及び1種以上の第一触媒の存在下に第一炭化水素の一部分を部分的に燃焼させるのに充分な条件で該第一炭化水素を部分的に酸化する工程であって、それにより二酸化炭素、非燃焼第一炭化水素、及び熱を提供する、工程、
該部分的酸化工程で発生した熱の少なくとも一部分及び該1種以上の第一触媒の存在下に該非燃焼炭化水素の少なくとも一部分をリフォーミングする工程であって、それにより水素、一酸化炭素、及び二酸化炭素を含む第一合成ガスを提供する、工程、
該第一合成ガスから第二炭化水素に熱を間接に交換する工程であって、それにより水蒸気及び1種以上の第二触媒の存在下に該第二炭化水素の少なくとも一部分をリフォーミングして水素、一酸化炭素、二酸化炭素、及び水を含む第二合成ガスを提供する、工程、及び、
該第一合成ガス、該第二合成ガス、又はそれらの混合物を反応させる工程であって、それによりテールガス及び1種以上のフィッシャー−トロプシュ生成物、それらの誘導体、又はそれらの組合せを提供する、工程、
を含む、方法。
【請求項2】
該合成ガスを反応させる前に該合成ガスから該二酸化炭素の少なくとも一部分を除去する工程であって、該テールガス及び該1種以上のフィッシャー−トロプシュ生成物、それらの誘導体、又はそれらの組合せを提供する、工程、
を更に含む、請求項1の方法。
【請求項3】
該合成ガスを反応させる前に該合成ガスから該二酸化炭素の少なくとも一部分及び該水の少なくとも一部分を除去する工程であって、該テールガス及び該1種以上のフィッシャー−トロプシュ生成物、それらの誘導体、又はそれらの組合せを提供する、工程、
を更に含む、請求項1の方法。
【請求項4】
該第一炭化水素を部分的酸化の前に少なくとも400℃の温度に予熱する工程、及び該第二炭化水素をリフォーミングの前に少なくとも400℃の温度に予熱する工程、の少なくとも一工程、
を更に含む、請求項1の方法。
【請求項5】
該第一合成ガスから該第二炭化水素に熱を間接に交換する前に、熱移動媒体を用いて直接熱交換、間接熱交換、又は両者により該第一合成ガスを冷却する工程、
を更に含む、請求項1の方法。
【請求項6】
該1種以上の第一触媒、第二触媒、又は両者が、2種以上の触媒の混合物を含む、
請求項1の方法。
【請求項7】
該第一炭化水素及び該第二炭化水素が、独立に1種以上のC〜C20炭化水素である、
請求項1の方法。
【請求項8】
該第一炭化水素及び該第二炭化水素が、独立に天然ガス、脱硫天然ガス、メタン、脱硫メタン、又はそれらの混合物である、
請求項1の方法。
【請求項9】
該第一炭化水素及び該第二炭化水素が、約20:80〜約80:20の重量比で供給される、
請求項1の方法。
【請求項10】
該テールガスの少なくとも一部分がメタン化装置に導入されて合成天然ガスを提供する、
請求項1の方法。
【請求項11】
合成ガス及び炭化水素生成物を生成する方法であって、
酸化剤及び1種以上の第一触媒の存在下に第一炭化水素の一部分を部分的に燃焼させるのに充分な条件で該第一炭化水素を部分的に酸化する工程であって、それにより二酸化炭素、非燃焼第一炭化水素、及び熱を提供する、工程、
該部分的酸化工程で発生した熱の少なくとも一部分及び該1種以上の第一触媒の存在下に該非燃焼炭化水素の少なくとも一部分をリフォーミングする工程であって、それにより水素、一酸化炭素、及び二酸化炭素を含む第一合成ガスを提供する、工程、
該第一合成ガスから第二炭化水素に熱を間接に交換する工程であって、それにより水蒸気及び1種以上の第二触媒の存在下に該第二炭化水素の少なくとも一部分をリフォーミングして水素、一酸化炭素、二酸化炭素、及び水を含む第二合成ガスを提供する、工程、及び、
該第一合成ガスの少なくとも一部分、該第二合成ガスの少なくとも一部分、又はそれらの混合物をメタノール、その誘導体、又はそれらの組合せに変換する工程、
を含む、方法。
【請求項12】
該合成ガスの少なくとも一部分をメタノール、その誘導体、又はそれらの組合せに変換する前に、該合成ガス中の一酸化炭素の少なくとも一部分を二酸化炭素に変換する工程、
を更に含む、請求項11の方法。
【請求項13】
該合成ガスの少なくとも一部分をメタノール、その誘導体、又はそれらの組合せに変換する前に、該合成ガス中の二酸化炭素の少なくとも一部分を除去する工程、
を更に含む、請求項11の方法。
【請求項14】
該合成ガスをメタノール、その誘導体、又はそれらの組合せに変換する前に、該合成ガス中の一酸化炭素の少なくとも一部分を二酸化炭素に変換する工程、及び該合成ガスから二酸化炭素の少なくとも一部分を除去する工程、
を更に含む、請求項11の方法。
【請求項15】
水蒸気及び該1種以上の第二触媒の存在下に該第一合成ガスから該第二炭化水素に熱を間接に交換する前に、熱移動媒体を用いて直接熱交換、間接熱交換、又は両者により該第一合成ガスを冷却する工程、
を更に含む、請求項11の方法。
【請求項16】
該酸化剤が酸素、本質的に酸素、酸素富化空気、無窒素空気、本質的に無窒素の空気、又はそれらの混合物を含む、
請求項11の方法。
【請求項17】
第二の反応帯域が1つ以上の管を含み、その各々が該第二触媒を含有する、
請求項11の方法。
【請求項18】
該第一炭化水素及び該第二炭化水素が独立に1種以上のC〜C20炭化水素である、
請求項11の方法。
【請求項19】
該第一炭化水素及び該第二炭化水素が独立に天然ガス、脱硫天然ガス、メタン、脱硫メタン、又はそれらの混合物である、
請求項11の方法。
【請求項20】
合成ガス及び炭化水素生成物を生成するためのシステムであって、
酸化剤の存在下に第一炭化水素の少なくとも一部分を部分的に燃焼させるのに充分な条件で該第一炭化水素を部分的に酸化して二酸化炭素、非燃焼炭化水素、及び熱を提供する様に適応させた、そして該部分的酸化工程で発生した熱及び1種以上の第一触媒の存在下に該非燃焼炭化水素を少なくとも部分的にリフォーミングして一酸化炭素、二酸化炭素、及び水素を含む第一合成ガスを提供する様に適応させた、第一反応器、
該第一合成ガスから第二炭化水素に熱を間接に交換して水蒸気及び1種以上の第二触媒の存在下に該第二炭化水素の少なくとも一部分をリフォーミングして一酸化炭素、二酸化炭素、及び水素を含む第二合成ガスを提供する様に適応させた、第二反応器、及び
該第一合成ガスの少なくとも一部分、該第二合成ガスの少なくとも一部分、又はそれらの混合物を1種以上のフィッシャー−トロプシュ生成物、メタノール、それらの誘導体、又はそれらの組合せに変換する様に適応させた合成ユニット、
を含む、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−528649(P2011−528649A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518708(P2011−518708)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/003867
【国際公開番号】WO2010/008497
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(508364749)ケロッグ ブラウン アンド ルート エルエルシー (10)
【Fターム(参考)】