同時ランダム性から秘密鍵を生成する方法およびシステム
無線送受信ユニット(WTKU)により共有される同時ランダム性から秘密鍵を生成する方法およびシステムが開示される。第1のWTRUおよび第2のWTRUは、チャネル推定を実行して、第1のWTRUと第2のWTRUとの間のチャネル上にサンプルされたチャネル・インパルス応答(CIR)を生成する。第1のWTRUは、サンプルされたCIRからビットのセットを生成し、ビットのセットから秘密鍵およびシンドローム(またはパリティビット)を生成する。第1のWTRUは、シンドローム(またはパリティビット)を第2のWTRUに送信する。第2のWTRUは、シンドローム(またはパリティビット)およびそれ自身のサンプルされたCIRからビットのセットを再構築し、再構築されたビットのセットから秘密鍵を生成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関する。さらに詳細には、本発明は、無線送信/受信ユニット(WTRU)により共有される同時ランダム性から秘密鍵を生成する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザAおよびユーザBによって使用される2つの端末が、無線環境において同一の周波数で相互に通信するものと仮定する。これらの2つの端末は、各々の伝送のトレーニングシーケンスを適用して、相互の無線チャネルのチャネル・インパルス応答(CIR;channel impulse response)を推定することができる。無線チャネルは、様々なスケールおよび遅延を持つ離散的なパルスの集合によってモデル化される。各パルスは、好ましくはレイリーフェージング(Rayleigh fading)またはライスフェージング(Rician fading)である、シングルパス・フェージングチャネルを表す。数学的に、無線チャネルは以下のようにモデル化される。
【0003】
【数1】
【0004】
ここで、L∈[1、+∞)およびαι、τιは、無線Lパス・フェージングチャネルのι番目のパスの振幅および遅延を表す。レイリーフェージングチャネルにおいて、振幅α1,...,αLは、ゼロ平均複素ガウス確率変数(zero-mean complex Gaussian random variable)である。
【0005】
無線チャネルのCIRは、以下のように記述することができる。
h(t)=p(t)*a(t) 式(2)
ここでp(t)は、あらかじめ定められた帯域制限の送信機フィルタおよび受信機フィルタによって生じる「パルス波形」である。式(1)を式(2)に入れることにより、
【0006】
【数2】
【0007】
これは、CIRが、パルス波形p(t)の複数の遅延および拡大縮小コピーの重ね合わせであることを意味する。
【0008】
ユーザAおよびユーザBはそれぞれ、CIRのサンプルされた雑音のバージョンh(t)を観測する。それらの観測は以下のように記述することができる。
hA[n]=CAh(nTs−τA)+ZA[nTs]、および 式(4)
hB[n]=CBh(nTs−τB)+ZB[nTs] 式(5)
ここで、Tsはサンプル間隔であり、両端末において同じであると仮定され、τAおよびτBは、各受信機に関連付けられているサンプリング時間オフセットである。サンプル間隔Tsは、2つの連続する観測の独立性を保証できるように十分に大きい(少なくともコヒーレンス時間間隔よりも大きい)ものでなければならない。
【0009】
したがって、2つの端末の間のサンプリング時間差は、|τA−τB|である。CAおよびCBの値は、各受信機に関連付けられている異なる増幅およびフェーズ・オフセットを反映する複素定数である。簡単にするためにCA=CB=1であると仮定する。ZA[nTs]およびZB[nTs]の値は、独立した相加ガウス雑音シーケンスである。
【0010】
ユーザAおよびユーザBの観測hA[n]およびhB[n]は、それらの相互の無線チャネルh(t)に基づいているので、それらは相互に相関関係を持つ。一方、ユーザCに使用され、波長よりも離れたユーザAおよびユーザBとは地理的に別の場所に位置する第3の端末は、チャネルに関する関連情報を所有していない。
【0011】
それらの相関するチャネル観測に基づいて、ユーザAおよびユーザBは、共通の秘密鍵を生成したいと望む。そのような秘密鍵を生成する際に、両ユーザは、エラーフリーの認証済み無線チャネルを介して通信することができる。生成される秘密鍵は、パブリック・チャネル上の伝送を観測することができる潜在的な盗聴者から隠蔽される必要がある。特に、生成される秘密鍵は、公開の伝送からほぼ「統計的に独立している」ことが要求される。
【0012】
仮に、Xn=(X1,...,Xn)およびYn=(Y1,...,Yn)を、相関確率変数XおよびYの独立した同様に分布された反復とする。ユーザAおよびユーザBはそれぞれ、シーケンスXnおよびYnを観測する。さらに、ユーザAおよびユーザBは、おそらくは多数回インタラクティブに、エラーフリーの無線チャネルを介して相互に通信することができる。仮に、Vは無線チャネル上のすべての伝送を示すものとする。伝送の後、ユーザAは(Xn,V)に基づいてビットストリングSAを生成し、ユーザBは(Yn,V)に基づいてビットストリングSBを生成する。ビットストリングSは、以下の条件が満たされる場合、秘密鍵を構成する。
Pr(S=SA=SB)≒1; 式(6)
I(S;V)≒0;および 式(7)
H(S)≒|S| 式(8)
ここで|S|は、ビットストリングSの長さを示し、I(S;V)はSとVとの間の相互情報量を示し、H(S)はSのエントロピーを示す。上記の第1の条件は、ユーザAおよびユーザBがほぼ同一の秘密鍵を生成することを意味し、第2の条件は、この秘密鍵がユーザCの情報(つまり、無線チャネル上の伝送V)からほぼ統計的に独立していることを意味し、第3の条件は、この秘密鍵がほぼ一様に分布されることを意味する。したがって、この秘密鍵は、ユーザCから効果的に隠蔽される。ここで、盗聴者であるユーザCは受動的である(つまり、パブリック・チャネル上の伝送Vを不正変更することはできない)。
【0013】
秘密鍵の(エントロピー)レート
【0014】
【数3】
【0015】
は、秘密鍵レートと呼ばれる。最大の秘密鍵レートは、Csによって示される、秘密鍵容量と呼ばれる。秘密鍵容量の概念は、ユーザAおよびユーザBの観測XnおよびYnに基づいて、ユーザAおよびユーザBによって生成されうる最長の秘密鍵の長さを示す。上記のモデルの秘密鍵容量は、以下のとおりである。
Cs=I(X;Y) 式(9)
本明細書に説明されているような特定のシナリオにおいて、秘密鍵容量はユーザAからユーザBへ、またはその逆方向への単一の伝送によって達成されうることが知られている。
【0016】
ユーザAとユーザBとの間の無線チャネルが、平均パス電力(p1,...,pL)を持つLパス・フェージングチャネルであると仮定する。無線チャネル上の相加白色ガウス雑音(AWGN:additive white Gaussian noise)の平均電力がNであると仮定する。したがって、ι番目のパスに関するユーザAとユーザBのCIR観測の間の相互情報量は、以下の式によって与えられる。
【0017】
【数4】
【0018】
和集合範囲(union bound)により、ユーザAとユーザBの全CIR観察の間の相互情報量は、
【0019】
【数5】
【0020】
によって上に有界である。これは実際に、ユーザAおよびユーザBによって達成されうる秘密鍵レートの上界である。
【0021】
Lパス・フェージングチャネル内の第1のパスが基準パスとして設定されるとき、このチャネルの相対平均パス電力は、
【0022】
【数6】
【0023】
として
【0024】
【数7】
【0025】
と記述されうる。次いで、秘密鍵レートは、以下の式により上に有界である。
【0026】
【数8】
【0027】
ここで、
【0028】
【数9】
【0029】
は基準パスに対して定義される。
【0030】
暗号の用途に使用する場合、完全なエントロピー・ストリング(Pr(0)=Pr(1)=1/2の独立ビット)を生成することが望ましい。したがって、サンプルの間の相関を除去することが望ましい。シングルパス・チャネルの場合、これは、すべてのサンプルから1つのサンプル(例えば、最大値を持つものなど)を単に選択することにより行われてもよい。しかし、マルチパスチャネルに関しては、数個のサンプル(パスごとに1つのサンプル)のみでは、それらの選択されたサンプルが相互に相関することになるので、すべてのサンプルから選択されることはできない。したがって、いかにしてサンプル間の相関を除去するかが、重要な課題である。
【0031】
もう1つの実際的な問題は、2つの端末におけるサンプリング時間差によって生じる。異なるサンプリング時間オフセットで同じCIRをサンプリングすることは、完全に無相関のサンプルに至る可能性もある。この問題は、サンプリング・レートを増大させることで軽減することができる。しかし、サンプリング・レートを増大することには、著しく冗長なサンプルを生成するという欠点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
したがって、単にサンプリング・レートを増大するのではなく、サンプリング時間差の推定を伴うこともある、両端末におけるサンプリング時間を調整することが望ましいと考えられる。その他の実際的な問題は、2つの端末およびDCオフセットにおけるSNRの差(つまり非ゼロ平均確率変数)を含む。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明は、WTRUにより共有される同時ランダム性から秘密鍵を生成する方法およびシステムに関する。第1のWTRUおよび第2のWTRUは、チャネル推定を実行して、第1のWTRUと第2のWTRUとの間のチャネル上に、サンプルされたCIRを生成する。第1のWTRUは、サンプルされたCIRからビットのセットを生成し、ビットのセットから秘密鍵およびシンドローム(またはパリティビット)を生成する。第1のWTRUは、シンドローム(またはパリティビット)を第2のWTRUに送信する。第2のWTRUは、シンドローム(またはパリティビット)およびそれ自身のサンプルされたCIRからビットのセットを再構築し、再構築されたビットのセットから秘密鍵を生成する。また、各WTRUが、各自のサンプルされたCIRの部分からビットのセットを生成し、ビットのセットからシンドロームを生成することも可能である。各WTRUは、シンドロームを送信して、シンドロームと各自のサンプルされたCIRから生成された他方のWTRUのビットのセットを再構築する。両WTRUは、再構築されたビットのセットと、各自の生成されたビットのセットから秘密鍵を生成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
これ以降、「WTRU」という用語は、ユーザ機器(UE)、移動局、固定または移動加入者ユニット、ページャー、携帯電話、ノートブックコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、ノードB、基地局、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、または無線環境において動作することのできるその他の任意の種類の装置を含むが、これらに限定されることはない。
【0035】
本発明の特徴は、集積回路(IC)に組み入れられるか、または多数の相互接続コンポーネントを備える回路に構成されうる。
【0036】
本発明は、マルチパス・レイリーチャネルを参照して説明され、レイリーフェージングチャネルの数学モデルのみを提供する。しかし、レイリーチャネルの参照は説明を目的としているにすぎず、本発明は任意の数学モデルに基づくシングルパスまたはマルチパスチャネルに適用可能であることに留意されたい。
【0037】
本発明における分析のモデルは、3つの相互に独立した複素ガウス確率変数H、ZA、およびZBが生成されるというものである。Hは、N(0,P)により生成され、ZAはN(0,NA)により生成され、ZBはN(0,NB)により生成される。仮に、X=H+ZAおよびY=H+ZBであるとする。簡単な計算が、以下のことを示す。
【0038】
【数10】
【0039】
式(11)は以下のように書き換えられる。
【0040】
【数11】
【0041】
これは、同時ガウス確率変数(jointly Gaussian random variable)XnおよびYnのそれぞれの観測に基づいて、2つの通信するWTRUが
【0042】
【数12】
【0043】
ビットを超えない長さの秘密鍵を生成することができることを意味する。
【0044】
簡単にするため、NA=NB=Nと仮定し、SNRはP/Nと定義される。その結果、式(13)は、以下のように約分される。
【0045】
【数13】
【0046】
秘密鍵容量CsとSNRの関係を示すグラフは、図1に示される。
【0047】
同時ガウス確率変数XおよびYは以下のように表すことができる。
【0048】
【数14】
【0049】
ここで、
【0050】
【数15】
【0051】
は、Yから独立している。
【0052】
図2は、本発明により構成された2つのWTRU210、230を含むシステムを示すブロック図である。第1のWTRU210は、チャネル推定器212、後処理ユニット214(オプション)、量子化ユニット216、ソース符号化ユニット218、エラー訂正符号化ユニット220、およびプライバシー増幅(PA:privacy amplification)プロセッサ222を含む。チャネル推定器212は、第1のWTRU210と第2のWTRU230との間の無線チャネル上にサンプルされたCIRを生成する。サンプルされたCIRは、後処理ユニット214によって処理されてもよい。第1のWTRU210は、無線チャネルのCIR測定を通じてガウス確率変数Xを取得し、ガウス確率変数Xから秘密鍵SAを生成する。
【0053】
秘密鍵は、ビットストリングあるいはシンボルストリングと考えることができるので、(これ以降「ビットストリング」のみが使用される)、連続確率変数XはビットストリングXbに変換されるが、これは量子化およびソース符号化のプロセスを含む。確率変数Xは量子化ユニット216に入力され、そこで量子化された値Xqが出力される。量子化された値Xqは、ソース符号化ユニット218によってビットストリングXbに符号化される。
【0054】
ビットストリングXbは、エラー訂正符号化ユニット220およびPAプロセッサ222に入力される。エラー訂正符号化ユニット220は、ビットストリングXbにエラー訂正符号化(例えば、非システマチックまたはシステマチック・ブロック符号化)を実行し、シンドロームまたはパリティビット(これ以降、総称して「シンドローム」)を生成する。エラー訂正符号化は、第1のWTRU210および第2のWTRU230、さらにおそらくは他の任意のWTRUにも認識される。PAプロセッサ222は、ビットストリングXbから秘密鍵SAを生成する。第1のWTRU210は、無線チャネルを介してXbのシンドロームを(所定のエラー訂正コードに関し)第2のWTRU230に送信することによって、第2のWTRU230がビットストリングXbを再構築できるように補助する。
【0055】
第2のWTRU230は、チャネル推定器232、後処理ユニット234(オプション)、復号化ユニット236、およびPAプロセッサ238を含む。チャネル推定器232は、第1のWTRU210と第2のWTRU230との間の無線チャネル上にサンプルされたCIRを生成する。サンプルされたCIRは、後処理ユニット234によって処理されてもよい。第2のWTRU230は、無線チャネルのCIR測定を通じて同時ガウス確率変数Yを取得し、第1のWTRU210から受信したシンドロームおよびそれ自身の観測Yに基づいて、Xb(つまり、ビットストリング推定
【0056】
【数16】
【0057】
)を再構築する。同時ガウス確率変数Yおよびシンドロームは、復号化ユニット236に入り、ビットストリング推定
【0058】
【数17】
【0059】
を構築する。次いで、PAプロセッサ238は、ビットストリング推定
【0060】
【数18】
【0061】
から秘密鍵SB(SAと同じであると考えられる)を生成する。盗聴者は、Yについての知識がなければ、Xbを完全に再構築することはできない。
【0062】
秘密鍵は、秘密鍵がユーザCの情報(つまり、Xbのシンドローム)からほぼ「統計的に独立」しているように、第1のWTRU210および第2のWTRU230によってビットストリングXbから抽出される。プライバシー増幅は、ユニバーサルハッシュ関数を使用して達成することができる。ビットストリングXbが、シンドロームベースの符号化および復号化の技法により、最大エントロピーのビットストリング(つまり、完全にランダム)である場合、ハッシュが必要とされないので、PAプロセスは単純である。
【0063】
量子化ユニット216、ソース符号化ユニット218、復号化ユニット236、および後処理ユニット214、234について、これ以降詳細に説明される。
【0064】
量子化ユニット216に関して、量子化方式は、パーティションとその対応する量子によって指定される。パーティションは、サンプル範囲全体に及ぶ互いに素な(disjoint)区間S1...Svの集合から成る。量子は、数字q1...qvの集合から成り(ただし、qi∈Si)、量子化された値として解釈することができる。パーティション{S1...Sv}の量子化レベルは、log2vとして定義される。一例として、レイリーチャネルの場合、等確率の量子化(equiprobable quantization)および最小平均2乗誤差(MMSE:minimum mean squared error)量子化という2つの量子化方式が考察されるが、その他の方式も適用可能である。
【0065】
等確率の量子化の場合、確率サンプルXのパーティション{S1...Sv}は、以下のようになるように定義される。
【0066】
【数19】
【0067】
仮に、
【0068】
【数20】
【0069】
は区間Si、1≦i≦vの右エンドポイントを示すものとする。区間Siの左エンドポイントが区間Si-1の右エンドポイントと同一である場合、パーティション{S1...Sν}は実際に
【0070】
【数21】
【0071】
によって指定される。等確率の量子化に従って、
【0072】
【数22】
【0073】
の値は、以下の式により決まる。
【0074】
【数23】
【0075】
ここで、f(x)は、確率サンプルXの確率分布である。
【0076】
例えば、ゼロ平均の単位分散ガウス分布のレベル2の等確率量子化器のパーティションは、以下のとおりである。
S1=(−∞,−0.6745]、S2=(−0.6745,0]、S3=(0,0.6745]、S4=(0.6745,∞)
【0077】
一方、MMSE量子化により、パーティション{S1...Sv}および量子{q1...qv}の選択は、期待値E[(X−qx)2]を最小化するものであり、ここでXは確率サンプルであり、qxはXの量子化された値である。仮に、
【0078】
【数24】
【0079】
は区間Si、1≦i≦νの右エンドポイントを示すものとする。期待値E[(X−qx)2]を最小化する
【0080】
【数25】
【0081】
およびqiの値は、以下のように計算される。
【0082】
【数26】
【0083】
【数27】
【0084】
ここで、
【0085】
【数28】
【0086】
は最小の可能なサンプル値を表し、この場合は−∞である。
【0087】
例えば、ゼロ平均の単位分散ガウス分布のレベル2のMMSE量子化器のパーティションは、以下のとおりである。
S1=(−∞,−0.9816]、S2=(−0.9816,0]、S3=(0,0.9816]、S4=(0.9816,∞)
そして、対応する量子は、q1=−1.51、q2=−0.4528、q3=0.4528、q4=1.51である。
【0088】
等確率の量子化の主要な利点は、出力ビットが確率の等しい構造によるものであり、その結果最大エントロピーのビットストリングをもたらすことである。その他の量子化技法は、エントロピー損失の影響を受ける。MMSE量子化器のエントロピー損失を、表1に示す。本発明による秘密鍵レートの計算は、非等確率の量子化方式を使用する場合のエントロピー損失を補償することができる。
【0089】
【表1】
【0090】
ソース符号化ユニット218に関して、ソース符号化の目的は、整数をビットストリングに変換することである。好ましくは、ソース符号化方式は、自然符号化またはグレイ符号化である。自然符号化は、ビットストリングの形態をとる整数の自然表現である。例えば、長さ2の自然コードでは、整数0、1、2、および3を表すコードワードは、それぞれ「00」、「01」、「10」、および「11」である。
【0091】
グレイ符号化は、任意の2つの隣接するコードワードが1ビット異なるように、ビットストリングの形態で整数を表す。例えば、長さ2のグレイコードでは、整数0、1、2、および3を表すコードワードは、それぞれ「00」、「01」、「11」、および「10」である。
【0092】
図3は、ビットエラーレート(BER)に関して自然コードおよびグレイコードのパフォーマンスを比較するためのシミュレーション結果を示す。シミュレーションにおいて、レベル4の等確率の量子化が適用される。シミュレーション結果において、グレイコードを使用することによって、WTRU間の実際の値が正確に同じではない場合であっても、WTRUがより多くの共通ビットを持つビットストリングを生成することができるという意味で、グレイコードは自然コードよりも優れている。単一レベルのエラーの場合、1ビットだけが異なる。
【0093】
連続する値の間で変化するビットの数を最小化するその他の符号化方式が使用されてもよい。理想的には、変化するビットの数は、2つの値の間の差が増大するのに応じて増加すべきである。
【0094】
図4および図5は、自然コードおよびグレイコードをそれぞれ使用して、BERに関して様々な量子化レベルのパフォーマンスを比較するためのシミュレーション結果を示す。異なる量子化レベルは、異なるBERをもたらす。シミュレーション結果によれば、量子化レベルが低下すれば、それに応じてBERも小さくなる。これは、低い量子化レベルはより大きいパーティションの区間に対応し、2つのサンプルが同じ区間に入る確率が増大するからである。しかし、低レベルの量子化を使用することは、短いビットストリングをもたらす。したがって、出力ビットストリングの長さと、2つの出力ビットストリングの相関との間にはトレードオフがある。
【0095】
図6は、BERに関して等確率の量子化およびMMSE量子化のパフォーマンスを比較するためのシミュレーション結果を示す。MMSE量子化を使用することによって生成されるビットストリングは、一様には分布されないが、このビットストリングから抽出される秘密鍵は一様に分布される必要があるので、これは望ましくない。したがって、このビットストリングは、一様になるように圧縮されるべきであり、それがより短いビットストリングをもたらすことになる。MMSE量子化のエントロピー損失を補償した後、MMSE量子化および等確率の量子化から生成される秘密鍵レートは、サンプルあたり10分の数ビットの範囲内である。表2は、等確率の量子化とMMSE量子化とのパフォーマンス比較をまとめたものである。
【0096】
【表2】
【0097】
エラー訂正符号化ユニット220および復号化ユニット218は、例えば、バイナリ低密度パリティチェック(LDPC;binary low density parity check)符号化、リード−ソロモン符号化、ターボ符号化、差分符号化、またはその他の符号化方式を実施することができる。復号化ユニット218に関して、受信されたシンドローム(またはパリティビット)および変数Yは、復号化ユニット218に入り、復号化ユニット218はビットストリングXbを再構築する。復号化ユニット236は、ビットあたりのログ尤度比(LLR:log likehood ratio)を計算する。LLRは、硬判定または軟判定を使用して計算することができる。
【0098】
レイリーチャネルの例において、硬判定を使用する場合、第1のWTRU210によって行われた変換と同様の方法で、第2のWTRU230はそのCIR観測の各々をビット
【0099】
【数29】
【0100】
に変換する。したがって、Xb,iのLLRは、以下の式により与えられる。
【0101】
【数30】
【0102】
ここで、piはXb,iがYb,iとは異なる確率である。図5および図6における各曲線は、
【0103】
【数31】
【0104】
に対応する。
【0105】
同様に、レイリーチャネルの例において、軟判定を使用する場合、第2のWTRU230は、YbではなくYから直接LLRを計算する。以下のように、第1のWTRU210がレベル1の等確率の量子化を適用して、そのサンプルXをシングルビットXb,iに変換するものと仮定する。
【0106】
【数32】
【0107】
次に、
【0108】
【数33】
【0109】
【数34】
【0110】
は、Yから独立している。したがって、
【0111】
【数35】
【0112】
ここで、
【0113】
【数36】
【0114】
ゆえに、Xb,iのLLRは、以下の式により与えられる。
【0115】
【数37】
【0116】
軟判定LLRは、ビット変換にどのソースコードが使用されるかに依存する。自然コードおよびグレイコードは、異なるLLRをもたらす場合もある。第1のWTRU210がレベル2の等確率の量子化および自然符号化を適用して、そのサンプルXを2つのビット(Xb,1,Xb,2)に変換するものと仮定する。Xの累乗はP+Nである。ゆえに、Xb,1およびXb,2は、以下の式により与えられる。
【0117】
【数38】
【0118】
ここで
【0119】
【数39】
【0120】
は、ゼロ平均の単位分散ガウス分布の量子化境界である。つまり、
【0121】
【数40】
【0122】
は以下の式によって決まる。
【0123】
【数41】
【0124】
第1のビットXb,1のLLRは、式(25)により与えられる。第2のビットXb,2のLLRは、以下のように計算される。
【0125】
【数42】
【0126】
ここで、
【0127】
【数43】
【0128】
ゆえに、
【0129】
【数44】
【0130】
一方、第1のWTRU210がビット変換においてグレイコードを適用する場合、Xb,1およびXb,2は、以下の式により与えられる。
【0131】
【数45】
【0132】
第1のビットXb,1のLLRは、この場合も同様に、式(25)により与えられる。第2のビットXb,2のLLRは、以下のように計算される。
【0133】
【数46】
【0134】
および
【0135】
【数47】
【0136】
一般に、自然符号化の場合、1≦i≦log2υとして、Xb,iのLLRは、以下の式により与えられる。
【0137】
【数48】
【0138】
グレイ符号化の場合、Xb,iのLLRは、以下の式により与えられる。
【0139】
【数49】
【0140】
様々なビット変換方式(すなわち、自然符号化またはグレイ符号化)および様々なLLR計算方法(すなわち、硬判定または軟判定)から得られる秘密鍵レートに関するシミュレーション結果は、図7に示される。このシミュレーションに使用されるエラー訂正コードは、レート1/2およびコードワード長さ4800ビットのバイナリ非単調LDPCコードである。このコードの次数分布ペアは以下のとおりである。
λ(x)=0.234029x+0.212425x2+0.146898x5+0.102849x6+0.303808x19、
ρ(x)=0.71875x7+0.28125x8
確信度伝搬アルゴリズムの30回の繰返しが許容される。
【0141】
シミュレーションにおいて、所定のチャネルコードの秘密鍵レートを実際に固定する量子化レベルが選択される。次いで、シミュレーションにより、WTRUによって得られた結果の鍵が10-4よりも小さいBERを持つように、最小SNRが決定される。これがSNRおよび秘密鍵レートのペアをもたらす。このプロセスは、他の量子化レベルに対して繰り返される。最後に、曲線は、結果の(SNR,秘密鍵レート)ペアの関係を描くことにより得られる。復号器パフォーマンス曲線の最も急な勾配にあるので、SNRの変動が極めて小さくなるように、10-4のBER動作基点が選択されることに留意されたい。比較の目的で、秘密鍵容量もまた図7に描かれる。
【0142】
結果の秘密鍵レートに関して、軟判定の方が硬判定よりも優れており、グレイ符号化の方が自然符号化よりも優れていることが、シミュレーション結果から示される。例えば、所定のSNR=18dBに対して、秘密鍵容量は5.0ビット/サンプルである。自然符号化および硬判定から得られる秘密鍵は、2.0ビット/サンプルのレートを備える。グレイ符号化および硬判定から得られる秘密鍵は、2.8ビット/サンプルのレートを備える。自然符号化および軟判定から得られる秘密鍵は、2.7ビット/サンプルのレートを備える。グレイ符号化および軟判定から得られる秘密鍵は、4.0ビット/サンプルのレートを備える。Xbの推定において、その歪められたバージョンYbよりも元のサンプルYを使用する方がよいので、軟判定は硬判定よりも優れている。2つの隣接する量子化値を表すグレイコードの任意の2つのコードワードは1ビット異なるが、2つの隣接する量子化値を表す自然コードの2つのコードワードは1ビットを超えて異なる場合もあるので、グレイコードは自然コードよりも優れている。比較的高い確率で、第1および第2のWTRUのサンプルは量子化後に隣接する区間に入るので、グレイコードはさらに多くの共通ビットをもたらすことになる。
【0143】
高いSNR(>15dB)において、グレイ符号化および軟判定から得られる秘密鍵レートは、秘密鍵容量の1.1ビットの範囲内であることが、図7から確認される。しかし、達成される秘密鍵レートと秘密鍵容量との間の隔たりは、低いSNR(<12dB)においてより大きくなる。本発明は、達成される秘密鍵レート全体が、常に秘密鍵容量の1.1ビットの範囲内にあるように、低いSNRにおけるこの隔たりを減少させる方法を提供する。
【0144】
量子化が、程度の差はあれ情報の損失をまねくことは知られている。量子化による情報の損失を軽減するため、第1のWTRU210は、秘密鍵生成のために必要なレベルよりも高いレベルにおいてそのサンプルを量子化することができる。例えば、第1のWTRU210および第2のWTRU230が、mビット/サンプルのレートで秘密鍵を生成しようとするものと仮定する。レート1/2のLDPCコードを使用する場合、図2における秘密鍵生成システムは、第1のWTRU210がそのサンプルを量子化レベルmビット/サンプルで量子化するよう要求する。第1のWTRU210は、量子化による損失を軽減するため、より高いレベルm+kビット/サンプルでそのサンプルを量子化することができる。第1のm量子化ビットは、単調性量子化ビット(regularly quantized bit)と呼ばれ、最後のk量子化ビットは過剰量子化ビット(over-quantized bit)と呼ばれる。
【0145】
図8は、本発明による過剰量子化を実行するように構成された第1のWTRU210aを示すブロック図である。第1のWTRU210aは、チャネル推定器212a、後処理ユニット214a(オプション)、量子化ユニット216a、ソース符号化ユニット218a、エラー訂正符号化ユニット220a、およびPAプロセッサ222aを含む。第1のWTRU210aは、無線チャネルのCIR測定を通じてガウス確率変数Xを取得する。確率変数Xは量子化ユニット216aに入力され、そこで量子化された値が出力される。量子化ユニット216aは、確率変数を過剰量子化する。量子化された値は、ソース符号化ユニット218aによってビットストリングまたはシンボルストリングに符号化される。
【0146】
生成されたビットストリングは、単調性量子化ビットおよび過剰量子化ビットを含む。単調性量子化ビットは、エラー訂正符号化ユニット220aおよびPAプロセッサ222aに入力される。エラー訂正符号化ユニット220aは、単調性量子化ビットにエラー訂正符号化(例えば、非システマチックまたはシステマチック・ブロック符号化)を実行し、シンドローム(またはパリティビット)を生成する。PAプロセッサ222aは、単調性量子化ビットから秘密鍵を生成する。第1のWTRU210aは、無線チャネルを介して単調性量子化ビットおよび過剰量子化ビットのシンドロームを第2のWTRUに送信する。
【0147】
高レベル量子化器は、低レベルで量子化されたビットを変更しない。例えば、ゼロ平均の、単位分散ガウス分布のレベル2およびレベル3の等確率量子化器のパーティションは、以下のとおりである。
S1=(−∞,−0.6745]、S2=(−0.6745,0]、S3=(0,0.6745]、S4=(0.6745,∞)
S1=(−∞,−1.1503]、S2=(−1.1503,−0.6745]、S3=(−0.6745,−0.3186]、S4=(−0.3186,0)、S5=(0,0.3186]、S6=(0.3186,0.6745]、S7=(0.6745,1.1503]、S8=(1.1503,∞)
【0148】
自然符号化が後に続くレベル2の量子化器を使用する場合、X=0.5のサンプルはビット「10」に変換される。レベル3の量子化器を使用する場合、同じサンプルはビット「100」に変換される。「100」の最初の2ビットは、レベル2で量子化されたビットと同一である。したがって、過剰量子化方式における単調性量子化ビットは、実際には、過剰量子化方式を使用せずに量子化されたビットと同一である。
【0149】
無線チャネルを介する過剰量子化ビットの伝送は、等確率の量子化の場合に秘密鍵に関する情報を漏洩することはないが、これは等確率の量子化においてすべての量子化ビットが任意の他のビットから独立しているからである。したがって、過剰量子化ビットは、単調性量子化ビットから抽出される秘密鍵から独立している。一方、過剰量子化ビットは、相関関係のあるサンプルを条件付けられる場合、単調性量子化ビットに関する情報を含んでいる。したがって、過剰量子化ビットを認識することで、第2のWTRUは、第1のWTRUの単調性量子化ビットのより良好なLLRを得ることができる。
【0150】
第1のWTRUの第1の量子化ビットXb,1のLLRは、式(25)により与えられる。第1のWTRUがレベル2の等確率の量子化およびグレイコードを使用して、そのサンプルXを2つのビット(Xb,1,Xb,2)に変換するものと仮定する。第2の量子化ビットが第2のWTRUに認識されている場合、つまりXb,2=0である場合、Xb,1のLLRは、以下のように計算される。
【0151】
【数50】
【0152】
および
【0153】
【数51】
【0154】
同様に、Xb,2=1である場合、
【0155】
【数52】
【0156】
および
【0157】
【数53】
【0158】
一般に、第1のWTRU210aがレベルm+kビット/サンプルで量子化し、最初のmビットが単調性量子化ビットであり、最後のkビットが過剰量子化ビットである場合、1≦i≦mに対して、
【0159】
【数54】
【0160】
ここで、αi∈{0,1}、Iは標識関数(indicator function)であり、[Gi(j)]kは、整数jを表す長さiのグレイコードワードのk番目のビットを意味する。例えば、整数7を表す4ビットのグレイコードワードは「0100」である。したがって、[G4(7)]2=1および[G4(7)]3=0である。規定により、g(0,Y)=1およびg(2k+1,Y)=0である。
【0161】
図9は、本発明による過剰量子化方式を使用することにより達成される秘密鍵レートに関するシミュレーション結果を示す。シミュレーションにおいて、グレイ符号化、軟判定LLR計算方法、およびレート1/2の非単調LDPCコードが使用され、10-4のターゲットキーBERが達成される。
【0162】
1ビット/サンプルの秘密鍵レートを達成するためには、過剰量子化方式を使用せずに、最小必須SNR(ターゲットの10-4のキーBERを達成するために)は9.7dBであり、対応する量子化レベルは1ビット/サンプルであることが、図9から分かる。第1のWTRU210aがレベル2のビット/サンプルで量子化し、第1ビットが単調性量子化ビットであり、第2ビットが過剰量子化ビットである場合、シミュレーションは、最小必須SNRが9.1dBに減少されることを示している。この最小SNRは、第1のWTRU210aがレベル3ビット/サンプルおよび4ビット/サンプルで量子化する(第1ビットは単調性量子化ビットである)場合、さらに8.2dBおよび8dBまで減少されうる。しかし、4ビット/サンプルよりも高い量子化レベルにおいて、わずかなゲイン(最小SNRで<0.1dB)が観察される。したがって、過剰量子化方式を使用することにより、最小SNRで9.7−8=1.7dBの合計ゲインが獲得される。
【0163】
同様に、2ビット/サンプルの秘密鍵レートを達成するためには、2つの単調性量子化ビットおよび2つの過剰量子化ビットを備える4ビット/サンプルの量子化レベルが、過剰量子化方式からのゲインの大部分を達成するのに十分な高さであることを、シミュレーションは示している。結果として生じる最小SNRは、12.3dB(図11)から10.9dBに減少される。
【0164】
過剰量子化方式を使用することによる全体的なゲインを、表3に列挙する。対応する秘密鍵レートは、図9に示す。過剰量子化方式を使用しない場合の秘密鍵レートも、比較のために同図に示されている。過剰量子化方式から得られる秘密鍵レートは、常に秘密鍵容量の1.1ビットの範囲内であることが、図から分かる。
【0165】
【表3】
【0166】
高いSNRにおいて過剰量子化方式が優れたパフォーマンスを示さないことは、図9から分かる。これは、高いSNRにおいて、過剰量子化ビットが第2のWTRUの復号化に「有用」ではないことを示すが、表4のシミュレーションデータによって暗黙的に検証されている。SNR=21.3dBにおいて、両端末のサンプルから量子化された第6、第7、および第8のビットのエラー確率は0.5に近いことが、表4から分かる。これはつまり、第1のWTRUの過剰量子化ビット(つまり、第6、第7、および第8のビット)が、第2のWTRUのサンプルおよび第1のWTRUの単調性量子化ビットからほぼ独立していることを意味する。したがって、これらは、第2のWTRUの復号化に有用ではない。
【0167】
また表4は、過剰量子化方式に使用される効率的な量子化レベルを示している。例えば、SNR=8dBにおいて、1ビット/サンプルの秘密鍵レートを達成するために、レベル4のビット/サンプルで量子化することで十分であることが、表3から分かる。表4は、それよりも高いレベルの量子化ビット(つまり、第5、第6、第7、および第8のビット)が「無相関」であるため使用できないことを示している。
【0168】
【表4】
【0169】
表4において、太字体の数値は、対応するビットが単調性量子化ビットであり、イタリック体の数値は、対応するビットが「有用な」過剰量子化ビットであることを意味している。
【0170】
過剰量子化方式において、単調性量子化ビットは、サンプルがあるパーティションを判別するが、過剰量子化ビットは、そのパーティション内のサンプルの範囲を指定する。別の観点からは、過剰量子化ビットは、量子化エラー(の範囲)に関する部分的な情報(つまり、サンプルとその対応する量子との間の差異)を実際に含む。
【0171】
図8を参照すると、第1のWTRU210aは、過剰量子化ビットを送信する代わりに、そのサンプルの符号化されていない量子化エラーを第2のWTRUに送信することができる。符号化されていない量子化エラーの伝送は、過剰量子化ビットの無限数の伝送に相当する。符号化されていない量子化エラーを送信する方式は、ソフトエラー転送方式(soft error-forwarding scheme)として知られる。したがって、過剰量子化方式は、ハードエラー転送方式(hard error-forwarding scheme)とも呼ばれる。ソフトエラー転送方式を使用することにより達成される秘密鍵レートは、任意数の過剰量子化ビットでハードエラー転送方式を使用することにより達成される秘密鍵レートの限界である。ソフトエラー転送方式のデジタル実施に関連する量子化損失は、ここでは無視される。したがって、正確な量子化エラーは、エラーを生じることなく伝送されるものと仮定される。
【0172】
ソフトエラー転送方式に関する2つの実際的な問題は、対処される必要がある。第1の問題は、量子化エラーおよび秘密鍵の独立性に関するものである。量子化エラーの伝送は秘密鍵に関する情報を漏洩してはならないことが求められる。しかし、この要件は、ガウス確率変数を量子化する場合には達せられない。例えば、ゼロ平均の単位分散ガウス分布のレベル1の等確率量子化器のパーティションおよび量子は、以下のとおりである。
S1=(−∞,0]、S2=(0,∞)
および
q1=−0.6745、q2=0.6745
【0173】
サンプルX=2の量子化エラーは、X−q(X)=2−0.6745=1.3255である。この量子化エラーは、XがパーティションS2にあるはずであることを示すが、それ以外の場合は量子化エラーが0.6745以下になるからである。
【0174】
一様な確率変数の等確率の量子化において、量子化エラーは一様であり、パーティションから独立している。したがって、量子化エラーは一様な状況下で計算して伝送することが望ましい。これは、ガウス確率変数から一様な確率変数への1対1のマッピングを伴う。仮に、Xを、累積分布関数(CDF:cumulative distribution function)Fx(x)を伴う確率変数とする。すると、Y=Fx(x)は、以下のCDFを伴う確率変数である。
【0175】
【数55】
【0176】
これは、[0,1]での一様な分布のCDFである。つまり、Yは、[0,1]で一様分布される確率変数である。
【0177】
【数56】
【0178】
により、ゼロ平均の、単位分散ガウス分布のCDFを示す。次いで、Xがガウス確率変数である場合、φ(X)は一様な確率変数である。
【0179】
第1のWTRU210aは、元の量子化エラーX−q(X)を送信する代わりに、変換された量子化エラーE=φ(X)−φ(q(X))を送信することができる。そのようなエラーはパーティションq(X)から独立しており、υをパーティションの数として、
【0180】
【数57】
【0181】
で一様に分散される。したがって、この量子化エラーの伝送は、単調性量子化ビット(ひいては、秘密鍵)に関する情報を漏洩することはない。
【0182】
ソフトエラー転送方式に関する第2の実際的な問題は、LLRの計算時に発生する。過剰量子化方式において、過剰量子化ビットは、所定のパーティション内にサンプルの範囲を指定する。この範囲は無限数のサンプル値を含み、サンプルがこの範囲内にある確率は正である。ソフトエラー転送方式にあって、符号化されていない量子化エラーの伝送はすでに、可能なサンプル値の数を有限に(特に、パーティションの数と等しく)制限している。サンプルがこれらの可能なサンプル値のうちの1つを有する全確率は、サンプルが連続型であるので、ゼロである。
【0183】
確率は、確率密度と置き換えられる。例えば、図8に戻って参照すると、第1のWTRU230aがレベル1の等確率の量子化を使用して、そのサンプルXをシングルビットXb,1に量子化する場合、
【0184】
【数58】
【0185】
ここで、
【0186】
【数59】
【0187】
および
【0188】
【数60】
【0189】
Xb,1のLLRは、以下の式により与えられる。
【0190】
【数61】
【0191】
Z0は連続確率変数であるので、式(46)の分子または分母のいずれの確率もゼロである。しかし、確率を、確率密度と置き換えることにより、
【0192】
【数62】
【0193】
ここで、
【0194】
【数63】
【0195】
ただし、υはパーティションの数であり、1≦j≦υである。
【0196】
一般に、1≦i≦log2υとして、Xb,iのLLRは、以下の式により与えられる。
【0197】
【数64】
【0198】
ここで、Iは標識であり、[Gi(j)]k関数は式(40)のように定義される。
【0199】
図10は、本発明によるソフトエラー転送方式を使用することにより達成される秘密鍵レートに関するシミュレーション結果を示す図である。グレイ符号化および軟判定LLR計算方法がシミュレーションに使用され、以前と同じLDPCコードが使用される。ソフトエラー転送方式を使用することにより達成される秘密鍵レートは、図10の点線のように示される。ハードエラー転送方式を使用することにより達成される秘密鍵レート、およびエラー転送方式を使用しない秘密鍵レートも、比較のために図10に示されている。ソフトエラー転送方式から得られる秘密鍵レートは、ハードエラー転送方式を使用する場合よりも大きくなる。ソフトエラー転送方式から得られる秘密鍵レートは、ハードエラー転送方式から得られる秘密鍵レートの上界(upper bound)と見なすことができる。
【0200】
図2の秘密鍵生成システムにおいて、第1のWTRUの量子化ビットはすべて混合されて、シングルビットストリングXbを形成する。しかし、表4は、Xbの各量子化ビットが異なるエラー確率に対応することを示す。したがって、本発明のもう1つの実施形態によれば、各量子化ビットは、より高い秘密鍵レートに対して個別に処理されうる。この方法は、ビット単位処理方式(per bit processing scheme)と呼ばれる。
【0201】
図11は、本発明によるビット単位処理を実行するように構成された第1のWTRU210bを示すブロック図である。第1のWTRU210bは、チャネル推定器212b、後処理ユニット214b(オプション)、量子化ユニット216b、ソース符号化ユニット218b、複数のエラー訂正符号化ユニット220b1〜220bm、複数のPAプロセッサ222b1〜222bm、およびミキサー224を含む。第1のWTRU210bは、無線チャネルのCIR測定を通じてガウス確率変数Xを取得する。確率変数Xは量子化ユニット216bに入力され、そこで量子化された値が出力される。量子化された値は、ソース符号化ユニット218bによってビットストリングに符号化される。
【0202】
第1のWTRU210bがレベルmビット/サンプルでサンプルを量子化すると仮定する。これらのm個の量子化ビットは、同じブロック長であるが異なるレートのm個のブロックエラー訂正コードによってチャネル符号化される。これは、長さが異なるm個のビット単位のシンドロームP1,...,Pmをもたらす。これらのm個の符号化ビットは、各PAプロセッサ222b1〜222bmによって個別に処理される。PAプロセス222b1〜222bmのユニバーサルハッシュ関数は、同じ定義域(domain)を有するが、異なる範囲を備える。ユニバーサルハッシュ関数の範囲は、高レベルの量子化ビットに対してより小さくなる。PAプロセッサ222b1〜222bmの出力は、ミキサー224によって単一の秘密鍵に結合される。
【0203】
図12は、本発明によるビット単位処理を実行するように構成された第2のWTRU230bを示すブロック図である。第2のWTRU230bは、チャネル推定器232b、後処理ユニット234b(オプション)、複数の復号化ユニット236b1〜236bm、複数のPAプロセッサ238b1〜238bm、およびミキサー240を含む。第2のWTRU230bは、第1のWTRU210bと第2のWTRU230bとの間の無線チャネルのCIR測定を通じてガウス確率変数Yを取得する。第1のWTRU210bから受信された各ビット単位パリティビット(またはシンドローム)P1,...,Pmは、対応する復号化ユニット236b1〜236bmに入力される。各復号化ユニット236b1〜236bmは、受信されたシンドローム(またはパリティビット)および確率変数Yから第1のWTRU210bのソース符号化ビットを復号化する。第1の復号化ユニット236b1は、(Y,P1)に基づいて
【0204】
【数65】
【0205】
を復号化する。次いで、第2の復号化ユニット236b2は
【0206】
【数66】
【0207】
に基づいて
【0208】
【数67】
【0209】
を復号化し、以下同様に続く。
【0210】
【数68】
【0211】
の知識は、第1の復号化ユニットがより良好な
【0212】
【数69】
【0213】
のLLRを取得する上で役立つ。
【0214】
復号化ビットは各々、対応するPAプロセッサ238b1〜238bmに入力される。最後に、第2のWTRU230bは、第1のWTRU210bと同様の方法で、
【0215】
【数70】
【0216】
から秘密鍵を抽出する。PAプロセッサ238b1〜238bmおよびミキサー240は、第1のWTRU210bと同じ処理を実行する。PAプロセッサ238b1〜238bmの出力は、ミキサー240によって単一の秘密鍵に結合される。
【0217】
図13は、本発明によるビット単位処理を実行するように構成された第2のWTRU230bの代替実施形態を示すブロック図である。この代替において、ソースビットは、図12とは反対の順序で復号化される。m番目の復号化ユニット236bmは、(Y,Pm)に基づいて
【0218】
【数71】
【0219】
を復号化するが、これはm番目のPAプロセッサ238mによって処理され、最後から2番目の復号化ユニット236b(m−1)は、
【0220】
【数72】
【0221】
に基づいて
【0222】
【数73】
【0223】
を復号化するが、これはPAプロセッサ238b(m−1)によって処理され、以下同様に続く。
【0224】
図14および図15は、ビット単位処理方式を使用することにより達成される秘密鍵レートに関してパフォーマンスを比較するためのシミュレーション結果を示す図である。グレイ符号化および軟判定LLR計算方法がシミュレーションに使用される。レート1/2非単調LDPCコードに加えて、レート15/16単調(3,48)LDPCコード、レート7/8単調(3,24)LDPCコード、レート3/4単調(3,12)LDPCコード、レート5/8単調(3,8)LDPCコード、およびレート1/4単調(3,4)LDPCコードが使用される。これらすべてのコードのブロック長は4800ビットであり、確信度伝搬アルゴリズムの30回の繰返しが許容される。
【0225】
シミュレーション結果に基づいて、結果の秘密鍵レートに関して、第2のビット単位処理方式の方が、第1のビット単位処理方式よりも優れていることが判断される。図9と図15の比較によれば、第2のビット単位処理方式の方が、低いSNRにおいて、過剰量子化方式よりも優れている。これは、第2のビット単位処理方式が実際に、過剰量子化ビットの暗黙的伝送の概念を実施する、つまり過剰量子化ビットのシンドロームを伝送するからである。したがって、追加の秘密ビットは、過剰量子化ビットから抽出されうる。その結果、秘密鍵レートは増加する。
【0226】
秘密鍵レートについて図7に示されるすべての曲線は、複数の(SNR,秘密鍵レート)の点を描くことにより得られる。シミュレーションは、それらの(SNR,秘密鍵レート)の点の達成可能性を示すが、曲線上の他の点の達成可能性は示さない。秘密鍵レート曲線上の任意の点を達成する直接の方法は、その点に固有のチャネルコードを使用することである。そのチャネルコードのレートは、所定のSNRに合わせて特別に設計される。具体的には、コードレートの決定は、結果として得られるシンドロームの長さが最小であり、それでもなお正しい復号化を可能にするように行われる。
【0227】
この手法は、第1のWTRUおよび第2のWTRUが、各々特定のSNRに対して機能する無限数のチャネルコードを格納することを必要とする。しかし、これは実際的に実行不可能である。本発明は、複数チャネルコードの単純な実施を取り入れる。この実施により、第1のWTRUおよび第2のWTRUが格納する必要があるのは、単一の(または少数の)低レートLDPCコードだけである。
【0228】
前述の任意の実施形態による秘密鍵生成システムによれば、第1のWTRUは、その量子化ビットのシンドロームを第2のWTRUに送信する。多くの場合、第2のWTRUは、そのシンドロームのサブセットに基づいて第1のWTRUの量子化ビットを正しく復号化することができる。さらに、全シンドロームの伝送は、必要以上の多くの情報ビットが明らかにされるので、秘密鍵レートを低減することができる。したがって、第1のWTRUは、パリティビット(またはシンドローム)のパンクチャされたバージョンを伝送し、シンドローム(またはパリティビット)上のパンクチャ位置を第2のWTRUに知らせることができる。LDPCコードのランダム性を考慮して、パンクチャ位置は通常一様に分布される。
【0229】
実際に、パリティビットをパンクチャすることは、元のLDPCコードからより高いレートのLDPCコードを導き出すことと同等である。新しいLDPCコードのパリティチェック・マトリクスは、元のLDPCコードのパリティチェック・マトリクスから複数の行を単に選択することにより形成される。行の選択は、シンドローム上のパンクチャ位置によって決まる。さらに、パリティビット(またはシンドローム)のパンクチャされたバージョンは、新しいLDPCコードに関して、パリティビット(またはシンドローム)とまったく同じである。総称的に、パンクチャ方式は、変動の様々なレベルに対応するために、レート適合および可変コードレートを使用する場合である。
【0230】
第2のWTRUは、導き出されたLDPCコードを復号化に使用する。復号化に失敗した場合、第2のWTRUは、さらに多くのシンドロームビットを送信するよう第1のWTRUに依頼する。この手法により、必要以上のシンドロームビットが伝送されることはない。
【0231】
第1のWTRUおよび第2のWTRUに使用されている異なる雑音スケーリングおよび異なるCIR測定装置が原因で、第1のWTRUにおける実際のSNRは、第2のWTRUにおける実際のSNRとは相異なる可能性が高い(つまり、
【0232】
【数74】
【0233】
は
【0234】
【数75】
【0235】
とは異なっている可能性が高い)。この一般な事例において、式(13)の秘密鍵容量は、以下のように、SNRAおよびSNRBの関数として記述されてもよい。
【0236】
【数76】
【0237】
秘密鍵容量CsとSNRAおよびSNRBの点は、図16に示される。
【0238】
同一のSNRの場合に使用される同様の技法に従って、秘密鍵がこの一般的な事例のために生成されてもよい。図17〜図19は、SNRA=20dB、25dB、30dBにそれぞれ固定した、達成される秘密鍵レートとSNRBの関係を示す図である。ソフトエラー転送方式を使用して達成される秘密鍵レートは、図17〜図19の点線のように示される。達成される秘密鍵レートと秘密鍵容量との間の約1dBの隔たりは、これらの各図で観察される。これらのシミュレーション結果は、同一SNRの事例向けに開発された方式が、パフォーマンスを損失することなく、一般的な事例に直接適用されうることを証明する。
【0239】
本発明は、以下のように、多入力多出力(MIMO:multiple-input multiple-output)にまで及ぶ。全体的な手法は、スカラーの場合と同様であるが、同時ガウスベクトルのベクトル量子化がスカラー量子化に置き換えられる。第1のWTRUはTAアンテナを備え、第2のWTRUはTBアンテナを備える。第1のWTRUおよび第2のWTRUはいずれも、T=TA×TBの合計CIRを推定する。第1のWTRUの推定値のベクトルはhAであり、第2のWTRUの推定値のベクトルはhBである。これらのベクトルの各々は相関値を含み、この2つは高い相関関係にある。これに相当するのは以下の式である。
hA=MAh+zA; 式(51)
hB=MBh+zB 式(52)
ここで、MAおよびMBは適切にサイズ変更されたマトリクスであり、zA、zBは雑音ベクトルであり、hは、各送信機および受信機構成に関連する一部の既知のマトリクスを通じて各端末において変更される「真の」CIRベクトルである。
【0240】
MIMOの場合は、以下のような一部の軽微な変更により、MIMO以外の場合と同様の方法で対処される。
1)雑音ベクトルが白色ではない(ただし既知の共分散である)場合、第1のWTRUおよび第2のWTRUにおいて雑音白色化フィルタが必要となることもある。
2)雑音白色化フィルタとマトリクスMAおよびMBに関する情報は、暗号化されていない文章で第1のWTRUと第2のWTRUとの間で交換される。
3)同時ガウスベクトルのベクトル量子化は、スカラー量子化の代わりに使用される。
【0241】
第1のWTRUおよび第2のWTRUは、MIMOチャネルを、仮想シングルアンテナ非干渉サブチャネルの特性を有する複数の固有モードに分割する。次いで、第1のWTRUおよび第2のWTRUは、本発明で説明される任意の方法を適用することにより、少なくとも1つの固有モードから秘密鍵を生成することができる。
【0242】
図2に戻って参照すると、後処理ユニット214、234に関して、サンプルされたCIRは、第1のWTRU210と第2のWTRU230とのサンプリング時間差によって生じる雑音を取り除いてCIRサンプルの冗長性を除去するため、ポストプロセッサ214、234によって処理されてもよい。サンプルされたCIRは、高い相関関係にあるサンプルを備える。完全なエントロピー・ストリングを生成するために、サンプル間の相関を除去することが必要である。背景技術において述べられているように、マルチパスチャネルの場合、すべてのサンプルから数個のサンプル(パスごとに1つのサンプル)を単に選択することでは、それらの選択されたサンプルが相互に相関するので、機能しない。もう1つの実際的な問題は、2つの端末の間のサンプリング時間の差に関連する。しかし、サンプリング・レートを単に増大することには、非常に冗長なサンプルを生成するという欠点がある。本発明は、サンプルされたCIRから相互の無線チャネルの個別のパルスα(t)を再構築するために使用される直交貪欲アルゴリズム(OGA:Orthogonal Greedy Algorithm)を使用することによって、これらの問題を好ましく解決する。
【0243】
これ以降、詳細なOGAのオペレーションについて説明する。仮にH(f)およびP(f)がそれぞれ、サンプルされたCIRのフーリエ変換h[n]、およびサンプルされたパルス波形p[n]=p(nTs)であるものとする。仮に、THRをあらかじめ定められた閾値とする。Hι(f)=H(f)、およびι=1に設定する。
【0244】
ステップ1:||Hι(f)−meJφP(f)e-J2πfτ||2を最小化するm>0、φ∈[0,2π)かつτ∈Rを見つける。これらをmι、φι、τιによって示し、
【0245】
【数77】
【0246】
とする。
【0247】
ステップ2:
【0248】
【数78】
【0249】
に設定する。
【0250】
ステップ3:||Hι+1(f)||2<THRである場合、(α1,τ1),...,(αι,τι)を出力して停止する。それ以外の場合、ι=ι+1として、ステップ1に戻る。
【0251】
ステップ1から、以下の式が導かれ、
【0252】
【数79】
【0253】
および
【0254】
【数80】
【0255】
ここでpτ[n]=p(nTs−τ)であり、hι[n]はHι(f)の逆フーリエ変換である。式(53)および(54)は、p(t)のすべての遅延するサンプルされたバージョンに対して第1の相関するhι[n]を示す。最適なτιは、相関の絶対値が最大となる遅延であり、最適なφιは、τιにおける相関の角度を引いたものであり、最適なmιは、P(f)のι2ノルムの2乗で除算された、τιにおける相関の絶対値である。
【0256】
実際には、すべてのτの値に対して相関させることは不可能である。
【0257】
【数81】
【0258】
および
【0259】
【数82】
【0260】
は、(τ1−τ2)が整数である場合、相互に遅延したバージョンである。時間グリッド間隔がある整数TGについて
【0261】
【数83】
【0262】
であるようにタイムラインが離散化される場合、フィルタの有限バンクが実施され、異なるわずかな遅延τ∈[0,1)に対して各々がpτ[n]を表す。したがって、ディクショナリは実際には、各々
【0263】
【数84】
【0264】
だけ遅延した、パルス波形の集合である。このディクショナリは、最も希薄な問題を解決するためにOGAに要求される制約を満たさないこともあり、OGAによって与えられる最も希薄な解決策は常に正しいものとは限らないこともある。このことは、シミュレーションから明らかである。
【0265】
あるいは、ある閾値を下回る残余信号のι2ノルムの代わりに、OGAの代替停止規則が、選択された信号の絶対値を基にすることもできる。つまり、選択された信号の絶対値があらかじめ定められた閾値を下回る場合、この「信号」は雑音と見なされ、アルゴリズムは停止する。したがって、OGAの最後のステップは、以下のステップに置き換えられる。
ステップ3(代替):mι<THRである場合、(α1,τ1),...,(αι-1,τι-1)を出力して停止する。それ以外の場合、ι=ι+1として、ステップ1に戻る。
その他の停止規則も適用されうるが、簡単にするため、本発明ではこれ以降、この代替の停止規則のみを考察する。
【0266】
OGAループが終了する時期は、閾値によって決まる。大きい閾値は、より少ない反復(ひいては、より少ないパルスまたはパス)に対応するが、小さい閾値は、多数の反復(ひいては、多くのパルスまたはパス)に対応する。適切な閾値は、OGAが適正数の基礎のパスを検出するために不可欠である。
【0267】
固有値は一般にSNRおよびサンプリング・レートと共に増大するので、良好な閾値を見出すことは容易ではない。閾値が定数である場合、OGAによって検出されるパスの数はSNRおよびサンプリング・レートと共に増大する。このことは、3GPP WG4 Case3のチャネルについて図20で示されている。図10における過剰サンプリング・レートは、伝送帯域幅を所与とするナイキスト比率に対する実際のサンプリング・レートの比率を表す。過剰サンプリング・レート=2において、OGAにより検出される平均パス数は、SNR=15dBのとき約2であり、この数はSNR=30dBにおいて5まで増大することが、図20に示される。
【0268】
あるいは、閾値は、信号自体に連係させることもできる。例えば、閾値は、第1の選択された信号の絶対値の一部として設定される。閾値は、例えば、第1の選択された信号の絶対値の0.8+SNR(dB単位)/10に設定されてもよい。このことには、2つの重要な利点がある。実際のチャネル状態の認識に依存することが著しく少ないので、現実のシナリオにおいてさらに一層堅固である。加えて、OGAが常時少なくとも1つの値を出力することを保証する。
【0269】
OGAのステップ3は、以下のように詳細化される。
ステップ3(代替):
【0270】
【数85】
【0271】
かつι>1である場合、(α1,τ1),...,(αι-1,τι-1)を出力して停止する。それ以外の場合、ι=ι+1として、ステップ1に戻る。
【0272】
閾値を計算するその他の方法またはその他の閾値が使用されうるが、シミュレーションでは、この相対的な閾値を使用して、SNRが10dBから35dBの間であるときに、OGAによって検出される平均パス数はSNRおよびサンプリング・レートに対してほぼ不変の状態であることを示している。さらに、その平均数は、ほとんどのWG4のチャネルで基礎をなすパスの数に近い。例えば、図21および図22は、WG4 Case1およびWG4 Case3のチャネルの各々について、この相対的な閾値によるOGAによって検出されるそれぞれの平均パス数を示している。WG4 Case1およびWG4 Case3のチャネルの各々について、検出されるパスの平均数は約1.8および2.5(2および4の基礎のパスと比較して)であることが、図21および図22から確認されうる。この相対閾値は、これ以降すべてのシミュレーションに使用されうる。
【0273】
OGAの目的は、第1のWTRUおよび第2のWTRUの両方において同じパスを見出すことである。OGAは一例として提供されており、マルチパスコンポーネントを検出する任意の従来の方法がこの目標のために実施されうることに留意されたい。したがって、単独のOGA適用のエラーレートが両端末においてテストされる。第1のWTRUおよび第2のWTRUによって検出されるパス遅延の2つのリストが比較される。より長いリストと比較したとき、より短いリストのパス遅延に対して、許容エラー限度内に対応する値がない場合、エラーが宣言される。許容度を測定する多くの形態が使用されてもよく、この場合、チャネル伝送のシンボル時間区分(例えば、CDMAのチップタイム時間区分)の20%は許容限度として使用される。より長いリストにおける「余分の」パスは、エラーとは見なされない。図23は、WG4 Case3のチャネルの両端末における単独のOGA適用のエラーレートを示す。エラーレートは低SNRにおいて高いが、SNRと共に減少することが、図23から分かる。このエラーは、以下で説明する一部の方式のパフォーマンスに影響を及ぼす。
【0274】
OGAをそのチャネル観測に単独で適用することにより、各端末はパス遅延τιおよびパス振幅αιのペアのシーケンスを取得することができる。パス振幅は、独立した複素ガウス確率変数であるため、これはそれ以降の秘密鍵構築に活用される。パス遅延は、補足的情報として、第1のWTRUおよび第2のWTRUがそれらの測定値を調整することができるようにする。
【0275】
これらのパス振幅の平均がゼロであることは知られているが、(各シングルパスはレイリーフェージングを経験するので)、これらのパス振幅の分散は不明である。量子化中に、これらのパス振幅の分散に関する知識は、量子化プロセスを容易にする。この知識は、推定によって取得されてもよい。分散の推定は、異なる平均パス電力が異なるパス分散を導くので、パスごとに実行されるべきである。
【0276】
前述の方式に従って、OGAは、第1のWTRU210および第2のWTRU220において1回適用される。したがって、この方式は、シングルパス方式(single pass scheme)と呼ばれる。
【0277】
あらゆるチャネル観測に対してすべての基礎のパスがOGAによって検出されるわけではなく、検知されないパスに含まれる情報の損失、および両端末における単独OGA適用のエラーレートは、シングルパス方式のパフォーマンス低下をもたらす。
【0278】
あるいは、OGAは、パスサーチャーの一部として1回、そして独立したサンプルジェネレータとして1回、合計2回適用されてもよい。パス位置を検出する代替の手段(例えば、CDMA方式におけるようなパスサーチャー)が採用されてもよい。図24は、本発明による第1のWTRU210のポストプロセッサ214および第2のWTRU230のポストプロセッサ234を示すブロック図である。ポストプロセッサ214は、第1のOGAユニット302、パス遅延推定器304、第2のOGAユニット306、および複数の正規化ユニット308を含む。ポストプロセッサ234は、第1のOGAユニット312、第2のOGAユニット316、および複数の正規化ユニット318を含む。
【0279】
第1のOGAユニット302、312はパスサーチャーの一部であり、第2のOGAユニット306、316は独立したサンプルジェネレータとして機能する。入力信号としてサンプルされたCIRを使用して、第1のOGAユニット302、312は基本OGAオペレーションを実行する。しかし、パス遅延およびパス振幅のペアではなく、第1のOGAユニット302、312の出力は、パス遅延のみである。あらゆるチャネル観測から検出されるパス遅延は、ほぼ基礎のパスの遅延であると考えられるが、同一であることが保証されるわけではない。
【0280】
第2のWTRU230の第1のOGAユニット312は、チャネルの基礎のパスの遅延を推定するために、その検出されたすべてのパス遅延を第1のWTRU210のOGAユニット302に送信する。パス遅延推定器304は、第1のWTRU210と第2のWTRU230の間のサンプリング時間差を判定して(ステップ1)、両端末における単独のOGA適用から生じるペアになっていないパス遅延を廃棄し(ステップ2)、第1のWTRU210および第2のWTRU230の基礎のパスの遅延を推定する(ステップ3)。
【0281】
ステップ1において、タイムラインは小さい区分に分割され、パス遅延推定器304は、各区分で第1のWTRU210および第2のWTRU230の検出されたパス遅延の数をそれぞれカウントする。例えば、各時間区分の期間は、伝送されるシンボル期間の数分の一、0.125として設定されてもよい。第1のWTRU210と第2のWTRU230の間のサンプリング時間差は、各時間区分の単位で各々の検出されたパス遅延の分布を比較することにより判定される。
【0282】
例えば、サンプリング時間差は、最大数の検出されたパス遅延を含む第1のWTRU210と第2のWTRU230の2つの時間区分の間の差として設定されてもよい。あるいは、特定数の検出されたパス遅延よりも多くの遅延を含む第1のWTRU210と第2のWTRU230の2つの第1の時間区分の間の差として設定されてもよい。次いで、第2のWTRU230のすべてのパス遅延は、推定されたサンプリング時間差に従って調整される。図25は、SNR=20dBにおけるWG4 Case3のチャネルについて、検出されたパス遅延の正規化周波数のヒストグラムで例を示す。グラフは、1000のチャネル観測に基づいている。
【0283】
ステップ2において、パス遅延推定器304は、第1のWTRU210および第2のWTRU230によって検出されたパス遅延の2つのリストを比較する。より短いリストのパス遅延に対して、より長いリストのチャネル送信シンボル時間の20%の許容限度内に対応する値がある場合、このパス遅延のペアは、同一パスであると仮定することができる。すべての「ペアになっていない」パス遅延は廃棄される。ステップ1のパス遅延を所与として、図25に示されるヒストグラムと共に、ステップ2以降の残りのパス遅延の正規化周波数のヒストグラムが図26に示される。図26の曲線は、図25の曲線よりもなだらかであることが分かる。
【0284】
ステップ3において、パス遅延推定器304は、第1のWTRU210の基礎のパスの遅延を時間区分の先頭として設定するが、これらは「局所的に」最大のパス遅延数を含み、その数は特定の閾値を超える。閾値は、残りのパス遅延の合計数の0.01として選択されてもよい。時間区分は、その先行および後続の4つの隣接する区分にこの区分よりも少ないパス遅延カウントが含まれる場合、局所的に最大のパス遅延数を含むと考えられてもよい。例えば、上記の閾値を使用して、図26に示される分布の推定パス遅延は、ほぼ(7.125、8.125、9.125、10.25)チップ時間区分である。パス遅延推定器304は、第2のWTRU230の基礎のパスの遅延を、第1のWTRU210の推定パス遅延にそれらのサンプリング時間差を加えたものとして設定する。
【0285】
前述の方法によるパス識別は、CDMA方式のレーキ受信機など、または等化器のタップを配置するため、受信機でパス検出に使用されてもよい。
【0286】
シミュレーションは、第1のOGAユニットおよびパス遅延推定器(選択された閾値を持つ)が、ほとんどの3GPP WG4のチャネルにかなり良好に機能することを示している。表5は、3GPP WG4チャネルで検出されたパスの数を示す。3GPP WG4 Case1/2/3のチャネルと、ITU PB3およびITU VA30のチャネルにすべての基礎のパスが検出されることが、表5から分かる。
【0287】
【表5】
【0288】
上記のパスサーチャーは、(例えば、レーキ受信機または等化器から取得されたタップ情報を利用することにより)、代替の方法で実施されてもよい。
【0289】
パス遅延推定器304は、第2のWTRU230の基礎のパスの遅延を、第2のWTRU230に送信する。第2のOGAユニット306、316は、基礎のパスの遅延および入力としてサンプルされたCIRを使用して、OGAオペレーションを実行する。第2のOGAユニット306、316は、所定のパス遅延τιに対して、式(53)および(54)に従ってその対応するパス振幅
【0290】
【数86】
【0291】
を決定し(ステップ1)、
【0292】
【数87】
【0293】
を設定して(ステップ2)、所定パス遅延全体にわたり(τ1,...,τL)反復して(α1,...,αL)を出力する(ステップ3)。
【0294】
この場合の反復の回数は、推定された基礎のパスの数になるように固定されるので、停止閾値は必要とされない。第2のOGAユニット306、316の出力(つまりパス振幅)は、独立したガウス確率変数であるが、これらはそれらの推定された分散に基づいて正規化ユニット308、318によって単位分散に正規化される。
【0295】
第1のWTRU210と第2のWTRU230との間でパス遅延を交換する目的は、ペアになっていないパス遅延を廃棄することによりOGAの単独適用からエラーを低減することである。ペアになっていないパス遅延は、誤ったパス遅延である可能性が極めて高い。ペアになっていないパス遅延を除去することにより、真のパスが明らかになる。例えば、図26における4つのピーク(WG4 Case3チャネルの4つのパスを示す)は、図25におけるよりもさらに顕著である。加えて、ペアになっていないパス遅延を除去することにより、基礎のパスの遅延を正しく推定するために必要なチャネル観測が少なくてすむ。
【0296】
図27は、本発明の代替実施形態による第1のWTRU210のポストプロセッサ214’および第2のWTRU230のポストプロセッサ234’を示すブロック図である。ポストプロセッサ214’は、第1のOGAユニット302’、パス遅延推定器304’、第2のOGAユニット306’、および複数の正規化ユニット308’を含む。ポストプロセッサ234’は、第1のOGAユニット312’、パス遅延推定器314’、第2のOGAユニット316’、および複数の正規化ユニット318’を含む。この代替において、第1のWTRU210および第2のWTRU230は、基礎のパスの遅延を、相互に通信することなく個別に推定する。第1のOGAユニット302’、312’および第2のOGAユニット306’、316’は、従来どおりのオペレーションを実行するが、パス遅延推定器304’、314’は簡略化される。パス遅延推定器304によって実行される最初の2つのステップは、この実施態様において必要ないが、第3のステップのみが実行される。閾値は、検出されたパス遅延の合計数の0.016として選択されてもよい。
【0297】
表6は、表5におけるようにパスの所定数を推定するために両方の実施態様に必要とされるチャネル観測の最小数を示す。パス遅延を正しく推定するために第2の実施態様に必要とされるチャネル観測の最小数は、第1の実施態様の場合に比べて大きくなる。
【0298】
【表6】
【0299】
上記のパスサーチャーは、(例えば、レーキ受信機または等化器から取得されたタップ情報を利用することにより)、代替の方法で実施されてもよい。
【0300】
シングルパスまたはダブルパスのOGA適用後、第1のWTRU210および第2のWTRU230は、推定されたパスあたり1シーケンスずつ、正規化ガウス確率変数の複数のシーケンスを取得する。これらのシーケンスは、1つのシーケンスに連結されてもよく、秘密鍵は前述のように生成することができる。この方式に従って、複数のパスからのガウス確率変数は、秘密鍵を生成する前に混合される。したがって、この方式は、混合処理(mixed processing)と呼ばれる。詳細には、混合処理により、異なるパスからのすべての正規化ガウス確率変数は、同一レベルにおいて量子化され(つまり、サンプルあたり同じビット数)、量子化レベルは基準パスのSNRによって決まる。
【0301】
マルチパスフェージングチャネルの平均パス電力の相異により、各パスは、基準パスのSNRとは異なる可能性の高い個々のSNRに対応する。したがって、1つのパスからの2つの端末の対応するガウスシーケンス間の相関は、別のパスのものとは異なる場合もある。その結果、異なるパスから生じたガウス確率変数が異なる量子化レベルまたはステップサイズでサンプルされ、そのためパスのサンプルされた信号レベルが、基準パスのSNRではなく、そのパスの実際のSNRに依存するので、各パスのガウスシーケンスでの個別の処理は、より高い秘密鍵レートをもたらしうる。一般に、高いSNRに対応するパスから生じるガウス確率変数は、低いSNRパスの場合に比べてより多くのサンプルあたりビットを生成するようにサンプルされる。各パスのSNRは、平均パス振幅の2乗に比例するので、推定することができる。
【0302】
ガウス確率変数をパス単位のビットストリングに量子化した後、第1のWTRU210は、パス単位のビットストリングのシンドロームを(1つまたは複数の所定のLDPCコードに関して)第2のWTRU230に送信することができる。次いで第2のWTRU230は、第1のWTRU210のパス単位のビットストリングをすべて復号化する。WTRU210、230は共に、第1のWTRU210のパス単位のビットストリングから秘密鍵を抽出する。この方式は、各パスの個別のプロセスを操作するので、パス単位の処理(per path processing)と呼ばれる。パス単位の処理は、前述のビット単位の処理とは異なることに留意されたい。ビット単位の処理は、シングルパスからの各量子化ビットを個別に処理することを意味する。
【0303】
あるいは、パス単位の量子化の後、第1のWTRU210は、生じたすべてのビットストリングを1つのビットストリングに連結することができ、結果として得られたシングルビットストリングのシンドロームを第2のWTRU230に送信して、これから秘密鍵を抽出する。次いで、第2のWTRU230は、受信したシンドロームを使用してビットストリングのその等価の表現を復号化し、そこから同じ方法で秘密鍵を抽出する。この代替は、混合処理と呼ばれる。
【0304】
混合処理の実施態様は単純であるが、パス単位の処理方式の一環としての個別の処理のオペレーションは、解決される必要のあるシステムレベルの問題をもたらす。中心的な課題は、検出されるパスの各々に対して生成されるシンドロームのビットストリームが複数あることである。それにもかかわらず、これらのビットは同じエアーインターフェースを介して送信され、受信側はどのビットがどのパスに属すかを識別するよう要求される。さらに、各プロセスは異なる時間に完了し、このことが2つのWTRU210、230の間の同期を失う可能性をもたらす。
【0305】
どのシンドロームがどのパスに属すかを識別することは、これらのビットを搬送するパケットにラベル付けすることによって行われてもよい。パケットは、パケットがどのパスに関連しているかを識別するために使用される情報を持つパケットヘッダを含む。WTRU210、230が共に、ダブルパス方式の第1の実施態様によって保証される同数のパスを検出する場合、パスを識別するにはパケットヘッダにパス索引を含めることで十分である。
【0306】
WTRU210、230がまったく同じ数のパスを識別したことが保証されない場合、パスは、最も早いパスに関連するか、最大振幅のパスに関連するか、または識別されたパスの全部または部分に関連する相対パス遅延を使用して識別されてもよい。この手法は、オーバーヘッドを完全に回避する。この手法はまた、パスの位置を明らかにすることはない。そのような位置情報は、何らかの秘密性を含むが、秘密性レートはパス振幅から取得されるレートと比較すると大幅に低くなる(ほとんど無視できる)。しかしながら、特定の用途においては、これを保持するだけの価値がある場合もある。符号化の代替方法は、パスごとに固定の最大データ構造を使用することができ、そのため符号化は情報が保持される位置において暗黙的である。これは、データ伝送に冗長性をもたらすが、情報をもらすことはない。
【0307】
OGAに加えて、確率変数のサンプル間の相関を除去する代替の方法は、CIRサンプルの差分符号化を使用するものである。
【0308】
OGAに加えて、確率変数のサンプル間の相関を除去する方法の1つは、圧縮である。相関関係のあるサンプルを圧縮することは、それらのサンプル内の冗長性の低減に役立つ。しかし、圧縮は、秘密鍵生成には実行不可能である。従来の圧縮アルゴリズムは通常、所定のサンプルからメッセージを抽出し、それらをコンパクトな形態で記述する。したがって、コンパクトな記述はメッセージに依存し、類似しているが同一ではない2つのメッセージのコンパクトな記述は異なる形態のものになる可能性が高い。
【0309】
秘密鍵生成において、第1のWTRUの観測のコンパクトな記述はおそらく、それぞれの観測のわずかな相異が原因となり、第2のWTRUの観測のコンパクトな記述とはまったく異なる形態になる。例えば、同じ長さでBER=0.1を持つ2つの類似するビットストリングを考察する。これらの2つのビットストリングが、同一チャネルのそれぞれの観測から導き出されるものと仮定する。したがって、これらのストリングには多くの冗長性がある。これらの2つのストリングがバローズ−ホィーラー(BWT)のような従来の圧縮アルゴリズムにより圧縮される場合、2つの圧縮されたストリングのBERは、0.5もの大きさになる。さらに、2つの圧縮されたストリングは、異なる長さである可能性が極めて高い。したがって、それぞれのチャネル観測を圧縮することは、それ以降の秘密鍵生成に課題をもたらす。
【0310】
圧縮により相関を除去する第2の機会は、2つのWTRU210、230が同じ冗長ストリングについて一致した後である。しかし、両WTRU210、230のプロセスがこの冗長ストリングについて一致するプロセスは、あまりに多くの「相関ビット」が明らかにされる状態を伴う場合もある。これは、達成される秘密鍵レートを大幅に減少させることになる。秘密鍵がまったく生成されない可能性すらある。
【0311】
時間領域における遅延は、周波数領域における位相シフトに相当する。数学的には、h(t−τ)のフーリエ変換はH(f)e-j2πfτである。時間領域におけるサンプリング時間差を推定する代わりに、各WTRU210、230は、周波数領域におけるその観測される信号の位相シフトを推定する。信号の位相シフトは、線形回帰により概算されてもよい。線形回帰は、一連の点を通じて最善の可能な直線を適合するプロセスである。これは多くの場合、較正点のセットを単純な数学的関係に縮小するために使用される。
【0312】
線形回帰の手法によるサンプリング時間差を推定するエラーレートは、シミュレーションによって検査される。推定されたサンプリング時間差が基本のサンプリング時間差からのチャネル伝送シンボル時間区分の20%を超える場合、エラーが宣言される。図28は、ITU PB3チャネルの推定エラーレートを示す。エラーレートは、各チャネル観測に推定が行われるのに応じて高くなる。シミュレーションでは、複数のチャネル観測から相異時間オフセットを平均すると、全体的な推定エラーレートが大幅に減少する(例えば、SNR=15dBにおいて0.01未満)ことを示している。シミュレーションにおいて、サンプリング・レートはナイキスト比率の2倍であり、基本のサンプリング時間差はチップ時間区分の20%として設定される。
【0313】
図29〜図37は、多くのWG4チャネルについて、異なるOGA適用方式(つまり、シングルパスまたはダブルパス)、および異なる後処理方式(つまり、混合処理またはパス単位の処理)から得られる秘密鍵レートに関するシミュレーション結果を示す。シミュレーションでは、第1のWTRUは等確率の量子化およびグレイ符号化を使用して、ガウスサンプルをビットストリングに符号化する。(所定のLDPCコードに関して)このビットストリングのシンドロームは、第2のWTRUに伝送される。次いで、第2のWTRUはそのビットストリングを復号化しようと試みるが、そこで対数尤度比が軟判定される。最後に、両方のWTRUは、公的に明らかにされた情報(つまり、シンドローム)をそのビットストリングから細分して(hash out)、純粋に秘密のビットを残す。シミュレーションにおいて、非単調LDPCコードは、レート=1/2、ブロックサイズ=4800ビット、および以下のような次数分布ペアと共に使用される。
λ(x)=0.071428x+0.230118x2+0.079596x9+0.147043x10+0.073821x48+0.397994x49、
ρ(x)=x27
確信度伝搬アルゴリズムの30回の繰返しが許容される。すべてのシミュレーションで、10-4のターゲット秘密鍵BERが達成される。
【0314】
シングルパスおよび混合処理方式を使用することにより達成されるWG4 Case3チャネルの秘密鍵レートは、図29に示される。達成される秘密鍵レートは、上界よりもはるかに低い。これは、SNR<30dBにおけるシングルパスレイリーチャネルの秘密鍵容量よりもさらに低い。低い秘密鍵レートは、部分的には紛失したパスが原因であり、また部分的には両端末における単独のOGA適用によるエラーが原因である。
【0315】
図30は、シングルパスおよび混合処理方式を使用することにより達成されるWG4 Case1チャネルの秘密鍵レートを示す。達成される秘密鍵レートは、同様の理由から低くなる。
【0316】
図31は、ダブルパスおよび混合処理方式を使用することにより達成されるWG4 Case3チャネルの秘密鍵レートを示す。図29と比較すると、秘密鍵レートは大幅に増大している。これは、WG4 Case3チャネルの4つの基本のパスすべてが、ダブルパス方式を使用することによって検出されるからである。
【0317】
ダブルパスおよび混合処理方式を使用することにより達成されるWG4 Case1チャネルの秘密鍵レートは、図32に示される。WG4 Case3チャネルの場合とは異なり、WG4 Case1チャネルの結果の秘密鍵レートは依然として低い。WG4 Case1チャネルは、それぞれの相対的な平均電力に大きな差のある(差は10dB)2つのパスで構成される。両方のパスからのガウス確率変数が同一のレベルで量子化されるとき、2つの結果のビットストリングは、他の端末上のビットストリングと異なる相関関係を持つ。詳細には、第2のパスから導き出された2つの対応するストリングのBERは、第1のパスから導き出された場合よりもはるかに高くなる。両方のパスから導き出されたストリングの混合は、2つの端末における結果のストリングの比較的高いBERをもたらすが、これは共通の秘密鍵の生成を妨げる。したがって、混合処理方式は、結果として、平均パス電力に大きな差のあるマルチパスチャネルの低い秘密鍵レートをもたらす。この問題は、パス単位の処理方式によって対処されうる。
【0318】
図33は、ダブルパスおよびパス単位の処理方式が使用される場合の達成される秘密鍵レートを示す。2つのパスからの2つの秘密鍵レートの合計としての、全体の達成される秘密鍵レートは、上界の2.5ビットの範囲内である。
【0319】
図34〜図37は、ダブルパスと混合処理方式、およびダブルパスとパス単位の処理方式を使用することにより達成される、WG4 Case2、ITU PA3、ITU PB3、およびITU VA30チャネルのそれぞれの秘密鍵レートを示す。WG4 Case2チャネルの場合を除き、パス単位の処理方式から得られる秘密鍵レートは、混合処理方式から得られる秘密鍵レートよりも常に高くなる。これは、程度の差はあるが、それらのチャネルの平均パス電力の相異による。WG4 Case2チャネルの場合、混合処理方式およびパス単位の方式は、WG4 Case2チャネルの3つの基礎のパスがすべて同じ平均電力であるため、達成される秘密鍵レートにまったく相異を生じない。
【0320】
達成される秘密鍵レートとITU PA3チャネルの秘密鍵レートの上界との間の大きなギャップは、図35に示されている。明瞭な説明は、4つの基本のパスのうち2つのパスだけが、パスサーチャーによって検出されることである(表1)。達成される秘密鍵レートは2つの検出されたパスに基づくが、上界は4つの基礎のパスすべてから導き出される。
【0321】
<実施形態>
1.第1のWTRUおよび第2のWTRUにより共有される同時ランダム性から秘密鍵を生成する方法。
【0322】
2.第1のWTRUがチャネル推定を実行して、第1のWTRUと第2のWTRUとの間のチャネル上に第1のサンプルされたCIRを生成するステップを備える実施形態1に記載の方法。
【0323】
3.第2のWTRUがチャネル推定を実行して、第1のWTRUと第2のWTRUとの間のチャネル上に第2のサンプルされたCIRを生成するステップを備える実施形態1〜2のいずれかに記載の方法。
【0324】
4.第1のWTRUが第1のサンプルされたCIRから第1のビットのセットを生成するステップを備える実施形態2〜3のいずれかに記載の方法。
【0325】
5.第1のWTRUが第1のビットのセットから秘密鍵およびシンドロームを生成するステップを備える実施形態4に記載の方法。
【0326】
6.第1のWTRUがシンドロームを第2のWTRUに送信するステップを備える実施形態5に記載の方法。
【0327】
7.第2のWTRUがシンドロームおよび第2のサンプルされたCIRから第2のビットのセットを生成するステップを備える実施形態6に記載の方法。
【0328】
8.第2のWTRUが2のビットのセットから秘密鍵を生成するステップを備える実施形態7に記載の方法。
【0329】
9.第1のWTRUが第1のサンプルされたCIRの量子化を実行して量子化ビットを生成するステップを備える実施形態4〜8のいずれかに記載の方法。
【0330】
10.第1のWTRUが量子化ビットにソース符号化を実行して第1のビットのセットを生成するステップを備える実施形態9に記載の方法。
【0331】
11.第1のWTRUは確率量子化およびMMSE量子化のうちの1つを実行する実施形態9〜10のいずれかに記載の方法。
【0332】
12.第1のWTRUは自然符号化およびグレイ符号化のうちの1つを実行する実施形態10〜11のいずれかに記載の方法。
【0333】
13.第1のWTRUは過剰量子化を実行して単調性量子化ビットおよび過剰量子化ビットを生成し、単調性量子化ビットからシンドロームおよび秘密鍵を生成し、過剰量子化ビットおよびシンドロームを第2のWTRUに送信し、第2のWTRUがさらに過剰量子化ビットに基づいて第2のビットのセットを生成する実施形態9〜12のいずれかに記載の方法。
【0334】
14.第1のWTRUは第1のサンプルされたCIRの量子化エラーを第2のWTRUに送信する実施形態13に記載の方法。
【0335】
15.第2のWTRUは軟判定を使用してLLRを計算し、第2のビットのセットを生成する実施形態13〜14のいずれかに記載の方法。
【0336】
16.第1のWTRUが、量子化エラーを一様な確率変数にマッピングすることにより量子化エラーを変換し、それにより変換された量子化エラーは量子化パーティションから独立し、一様に分布されるステッ
プを備える実施形態13〜15のいずれかに記載の方法。
【0337】
17.第1のWTRUは、バイナリLDPC符号化、リード−ソロモン符号化、ターボ符号化、および差分符号化のうちの少なくとも1つを実行してシンドロームを生成する実施形態5〜16のいずれかに記載の方法。
【0338】
18.第2のWTRUはビット単位LLRを計算して第2のビットのセットを生成する実施形態7〜17のいずれかに記載の方法。
【0339】
19.第2のWTRUは硬判定を使用してLLRを計算する実施形態18に記載の方法。
【0340】
20.第2のWTRUは軟判定を使用してLLRを計算する実施形態18に記載の方法。
【0341】
21.第1のWTRUは第1のビットのセット内の各ビットを個別に処理して複数のビット単位シンドロームを生成する実施形態5〜20のいずれかに記載の方法。
【0342】
22.第2のWTRUは各ビット単位シンドロームを連続的に処理して第2のビットのセットを生成する実施形態21に記載の方法。
【0343】
23.第2のWTRUは第1のビット単位シンドロームから始まるビット単位シンドロームを処理し、第2のビットのセットの第1のビットのセットから始まる第1のビットのセットを生成する実施形態21〜22のいずれかに記載の方法。
【0344】
24.第2のWTRUは最後のビット単位シンドロームから始まるビット単位シンドロームを処理し、第2のビットのセットの最後のビットのセットから始まる最後のビットのセットを生成する実施形態21〜22のいずれかに記載の方法。
【0345】
25.ソース符号化のレートは、第2のWTRUにおける正しい復号化を可能にしながら、シンドロームの長さを最小にするように決定される実施形態7〜24のいずれかに記載の方法。
【0346】
26.第1のWTRUがシンドロームをパンクチャするステップを備える実施形態5〜25のいずれかに記載の方法。
【0347】
27.第1のWTRUがパンクチャされたシンドロームのバージョンを伝送するステップを備える実施形態26に記載の方法。
【0348】
28.第1のWTRUがシンドロームのパンクチャ位置を第2のWTRUに知らせ、それにより第2のWTRUがパンクチャされたシンドロームのバージョンに基づいて第2のビットのセットを生成するステップを備える実施形態27に記載の方法。
【0349】
29.第2のWTRUがパンクチャされたシンドロームのバージョンを使用することにより第2のビットのセットを生成できない場合、第2のWTRUがさらに多くのシンドロームビットを第1のWTRUに要求するステップを備える実施形態27〜28のいずれかに記載の方法。
【0350】
30.第1のWTRUおよび第2のWTRUは複数のアンテナを含み、各アンテナ組合せに対してサンプルされたCIRを生成する方法2〜29。
【0351】
31.第1のWTRUおよび/または第2のWTRUがサンプルされたCIRで後処理を実行するステップを備える方法2〜30。
【0352】
32.第1のWTRUおよび第2のWTRUがそれぞれ第1のサンプルされたCIRおよび第2のサンプルされたCIRの少なくとも1つのマルチパスコンポーネントを識別するステップを備える実施形態31に記載の方法。
【0353】
33.第1のWTRUおよび第2のWTRUが、識別されたマルチパスコンポーネントの各々から秘密鍵を生成するステップを備える実施形態32に記載の方法。
【0354】
34.第1のWTRUおよび第2のWTRUはそれぞれOGAを使用することによりマルチパスコンポーネントを識別する実施形態32〜33のいずれかに記載の方法。
【0355】
35.マルチパスコンポーネントを識別するステップは、(a)主要なマルチパスコンポーネントを識別するステップ、(b)閾値テストを実行するステップ、(c)閾値テストに合格した場合、識別された主要マルチパスコンポーネントを出力するステップ、および(d)閾値テストに合格しない場合、識別された主要マルチパスコンポーネントをサンプルされたCIRから差し引き、ステップ(a)に戻って後続のマルチパスコンポーネントを識別するステップを備える実施形態34に記載の方法。
【0356】
36.マルチパスコンポーネントはサンプルされたCIRをサンプルされたパルス波形と相関させて最大相関を持つマルチパスコンポーネントを検出することにより時間領域処理によって識別される実施形態35に記載の方法。
【0357】
37.マルチパスコンポーネントは周波数領域処理によって識別される実施形態35〜36のいずれかに記載の方法。
【0358】
38.サンプルされたパルス波形は離散した時間区分にわたりディクショナリに格納され、それによりマルチパスコンポーネントがディクショナリを使用して識別される実施形態35〜37のいずれかに記載の方法。
【0359】
39.閾値テストは残余コンポーネントのι2ノルムと閾値を比較することにより実行される実施形態35〜38のいずれかに記載の方法。
【0360】
40.閾値テストは識別されたマルチパスコンポーネントの絶対値と閾値を比較することにより実行される実施形態35〜38のいずれかに記載の方法。
【0361】
41.閾値は第1の識別されたマルチパスコンポーネントの一部に設定される実施形態40に記載の方法。
【0362】
42.第2のWTRUが第2のサンプルされたCIRのそのすべての検出されたパス遅延を第1のWTRUに送信するステップを備える実施形態35〜41のいずれかに記載の方法。
【0363】
43.第1のWTRUが第1のWTRUと第2のWTRUとの間のサンプリング時間差を決定するステップを備える実施形態42に記載の方法。
【0364】
44.第1のWTRUがペアになっていないパス遅延を廃棄するステップを備える実施形態43に記載の方法。
【0365】
45.第1のWTRUが第1のWTRUと第2のWTRUの基礎のパスの遅延を推定するステップを備える実施形態44に記載の方法。
【0366】
46.第1のWTRUが基礎のパスの遅延を第2のWTRUに送信するステップを備える実施形態45に記載の方法。
【0367】
47.第1のWTRUおよび第2のWTRUがそれぞれ基礎のパスの遅延に基づいて第1のサンプルされたCIRおよび第2のサンプルされたCIRからパス振幅値を生成するステップを備える実施形態46に記載の方法。
【0368】
48.第1のWTRUおよび第2のWTRUがそれぞれパス振幅値を正規化するステップを備える実施形態47に記載の方法。
【0369】
49.タイムラインは小さい区分に分割され、第1のWTRUはそれぞれ各区分内の第1のWTRUおよび第2のWTRUの検出されたパス遅延の数をカウントし、各時間区分の単位でそれぞれの検出されたパス遅延の分布を比較することにより第1と第2のWTRU間のサンプリング時間差を決定する実施形態42〜48のいずれかに記載の方法。
【0370】
50.各時間区分の継続期間はチャネル伝送されるシンボル期間の数分の一として設定される実施形態49に記載の方法。
【0371】
51.サンプリング時間差は、最大数の検出されたパス遅延を含む第1のWTRUと第2のWTRUの2つの時間区分の間の差として設定される実施形態49〜50のいずれかに記載の方法。
【0372】
52.サンプリング時間差は、特定数の検出されたパス遅延よりも多くの遅延を含む第1のWTRUと第2のWTRUの2つの第1の時間区分の間の差として設定される実施形態49〜50のいずれかに記載の方法。
【0373】
53.チャネル伝送されたシンボル期間の数分の一であるエラー許容限度内の対応する値を有するパス遅延は同一のパスであると見なされる実施形態43〜52のいずれかに記載の方法。
【0374】
54.第1のWTRUの基礎のパスの遅延は、局所的に最大のパス遅延数を含む時間区分の先頭として設定され、それらの数はあらかじめ定められた閾値を超える実施形態45〜53のいずれかに記載の方法。
【0375】
55.閾値は、残りのパス遅延の合計数の数分の一である実施形態54に記載の方法。
【0376】
56.時間区分は、その先行および後続のあらかじめ定められた数の隣接する区分がこの区分よりも少ないパス遅延カウントを含む場合、局所的に最大のパス遅延数を含むと見なされる実施形態49〜55のいずれかに記載の方法。
【0377】
57.第2のWTRUの基礎のパスの遅延は、第1のWTRUの基礎のパスの遅延にサンプリング時間差を加えたものとして設定される実施形態45〜56のいずれかに記載の方法。
【0378】
58.第1のWTRUおよび第2のWTRUはそれぞれ第1のサンプルされたCIRおよび第2のサンプルされたCIRのパス遅延を識別するステップを備える実施形態34に記載の方法。
【0379】
59.第1のWTRUおよび第2のWTRUがそれぞれその基礎のパスの遅延を推定するステップを備える実施形態58に記載の方法。
【0380】
60.第1のWTRUおよび第2のWTRUがそれぞれ基礎のパスの遅延に基づいて第1のサンプルされたCIRおよび第2のサンプルされたCIRからパス振幅値を生成するステップを備える実施形態59に記載の方法。
【0381】
61.第1のWTRUおよび第2のWTRUがそれぞれパス振幅値を正規化するステップを備える実施形態60に記載の方法。
【0382】
62.タイムラインは小さい区分に分割され、第1のWTRUおよび第2のWTRUはそれぞれ各区分の検出されたパス遅延の数をカウントし、基礎のパスの遅延を局所的に最大のパス遅延数を含む時間区分の先頭として推定し、それらの数はあらかじめ定められた閾値を超える実施形態58〜61のいずれかに記載の方法。
【0383】
63.閾値は、残りのパス遅延の合計数の数分の一である実施形態62に記載の方法。
【0384】
64.第1のWTRUが正規化された振幅値を1つの連結されたビットストリングに連結し、それにより秘密鍵が連結ビットストリングから生成されるステップを備える実施形態61〜63のいずれかに記載の方法。
【0385】
65.量子化レベルは基準パスのSNRによって決定される実施形態61〜64のいずれかに記載の方法。
【0386】
66.第1のWTRUが各パスのSNRに基づいて様々な量子化レベルで正規化された振幅値を個別に処理して複数のビットストリングを生成するステップを備える実施形態61〜65のいずれかに記載の方法。
【0387】
67.第1のWTRUが各ビットストリングの個別のシンドロームを生成するステップを備える実施形態66に記載の方法。
【0388】
68.第1のWTRUが個別のシンドロームを第2のWTRUに送信し、それにより第2のWTRUが個別のシンドロームを使用して秘密鍵を生成するステップを備える実施形態67に記載の方法。
【0389】
69.第1のWTRUは、どのシンドロームがどのパスに属するかを識別するためにパケットヘッダを添付する実施形態68に記載の方法。
【0390】
70.どのシンドロームがどのパスに属するかを識別するためにパス索引がパケットヘッダに含まれる実施形態69に記載の方法。
【0391】
71.パスは、最も早いパス、最大振幅のパス、および識別されたパスの全部または部分のうちの1つに関連する相対パス遅延を使用して識別される実施形態68に記載の方法。
【0392】
72.第1のWTRUが各パスのSNRに基づいて様々な量子化レベルで正規化された振幅値を個別に処理して複数のビットストリングを生成するステップを備える実施形態61〜65のいずれかに記載の方法。
【0393】
73.第1のWTRUがビットストリングを連結するステップを備える実施形態72に記載の方法。
【0394】
74.第1のWTRUが連結ビットストリングのシンドロームを生成するステップを備える実施形態73に記載の方法。
【0395】
75.第1のWTRUがシンドロームを第2のWTRUに送信し、それにより第2のWTRUがシンドロームを使用して秘密鍵を生成するステップを備える実施形態74に記載の方法。
【0396】
76.第1のWTRUおよび第2のWTRUは周波数領域の観測された信号の位相シフトを推定し、それによりサンプリング時間差が位相シフト推定に基づいて調整される実施形態35〜75のいずれかに記載の方法。
【0397】
77.第1のWTRUおよび第2のWTRUにより共有される同時ランダム性から秘密鍵を生成する無線通信システム。
【0398】
78.第1のWTRUは、チャネル推定を実行して第1のWTRUと第2のWTRUとの間のチャネル上に第1のサンプルされたCIRを生成する第1のチャネル推定器を備える実施形態77に記載のシステム。
【0399】
79.第1のWTRUは、第1のサンプルされたCIRを量子化して量子化値を生成する量子化ユニットを備える実施形態78に記載のシステム。
【0400】
80.第1のWTRUは、量子化値にソース符号化を実行して第1のビットのセットを生成するソース符号化ユニットを備える実施形態79に記載のシステム。
【0401】
81.第1のWTRUは、第1のビットのセットからシンドロームを生成するエラー訂正符号化ユニットを備える実施形態80に記載のシステム。
【0402】
82.第1のWTRUは、第1のビットのセットから秘密鍵を生成する第1のプライバシー増幅ユニットを備える実施形態81に記載のシステム。
【0403】
83.第2のWTRUは、チャネル推定を実行して第1のWTRUと第2のWTRUとの間のチャネル上に第2のサンプルされたCIRを生成する第2のチャネル推定器を備える実施形態77〜82のいずれかに記載のシステム。
【0404】
84.第2のWTRUは、第1のWTRUから受信したシンドロームおよび第2のサンプルされたCIRから第2のビットのセットを生成する復号器を備える実施形態83に記載のシステム。
【0405】
85.第2のWTRUは、第2のビットのセットから秘密鍵を生成する第2のPAプロセッサを備える実施形態84に記載のシステム。
【0406】
86.量子化ユニットは等確率の量子化およびMMSE量子化のうちの1つを実行する実施形態79〜85のいずれかに記載のシステム。
【0407】
87.ソース符号化ユニットは自然符号化およびグレイ符号化のうちの1つを実行する実施形態80〜86のいずれかに記載のシステム。
【0408】
88.量子化ユニットは過剰量子化を実行して単調性量子化ビットおよび過剰量子化ビットを生成し、エラー訂正符号化ユニットは単調性量子化ビットからシンドロームを生成し、第1のPAプロセッサは単調性量子化ビットから秘密鍵を生成し、過剰量子化ビットおよびシンドロームは第2のWTRUに送信され、復号器はさらに過剰量子化ビットに基づいて第2のビットのセットを生成する実施形態79〜87のいずれかに記載のシステム。
【0409】
89.復号器は軟判定を使用してLLRを計算し、第2のビットのセットを生成する実施形態84〜88のいずれかに記載のシステム。
【0410】
90.第1のWTRUは第1のサンプルされたCIRの量子化エラーを第2のWTRUに送信する実施形態79〜89のいずれかに記載のシステム。
【0411】
91.復号器は軟判定を使用してLLRを計算し、第2のビットのセットを生成する実施形態84〜90のいずれかに記載のシステム。
【0412】
92.第1のWTRUは、量子化エラーを一様な確率変数にマッピングすることにより量子化エラーを変換し、それにより変換された量子化エラーは量子化パーティションから独立し、一様に分布される実施形態90〜91のいずれかに記載のシステム。
【0413】
93.エラー訂正符号化ユニットは、バイナリLDPC符号化、リード−ソロモン符号化、ターボ符号化、および差分符号化のうちの少なくとも1つを実行してシンドロームを生成する実施形態81から92のいずれかに記載のシステム。
【0414】
94.復号器はビット単位LLRを計算して第2のビットのセットを生成する実施形態84〜93のいずれかに記載のシステム。
【0415】
95.復号器は硬判定を使用してLLRを計算する実施形態84〜94のいずれかに記載のシステム。
【0416】
96.復号器は軟判定を使用してLLRを計算する実施形態84〜94のいずれかに記載のシステム。
【0417】
97.第1のWTRUは、第1のビットのセット内の各ビットを個別に処理して複数のビット単位シンドロームを生成する複数のエラー訂正符号化ユニットを備える実施形態81〜96のいずれかに記載のシステム。
【0418】
98.第2のWTRUは、各ビット単位シンドロームを連続的に処理して第2のビットのセットを生成する複数の復号器を備える実施形態97に記載のシステム。
【0419】
99.複数の復号器は第1のビット単位シンドロームから始まるビット単位シンドロームを処理し、第2のビットのセットの第1のビットのセットから始まる第1のビットのセットを生成する実施形態98に記載のシステム。
【0420】
100.複数の復号器は最後のビット単位シンドロームから始まるビット単位シンドロームを処理し、第2のビットのセットの最後のビットのセットから始まる最後のビットのセットを生成する実施形態99に記載のシステム。
【0421】
101.ソース符号化のレートは、第2のWTRUにおける正しい復号化を可能にしながら、シンドロームの長さを最小にするように決定される実施形態80〜100のいずれかに記載のシステム。
【0422】
102.第1のWTRUはさらにシンドロームをパンクチャするパンクチャユニットを備え、それにより復号器はパンクチャされたシンドロームのバージョンに基づいて第2のビットのセットを生成する実施形態81〜101のいずれかに記載のシステム。
【0423】
103.復号器が、パンクチャされたシンドロームのバージョンを使用することにより第2のビットのセットを生成できない場合、第2のWTRUは、さらに多くのシンドロームビットを第1のWTRUに要求するように構成される実施形態102に記載のシステム。
【0424】
104.第1のWTRUおよび/または第2のWTRUは複数のアンテナを含み、各アンテナ組合せに対してサンプルされたCIRを生成する実施形態78〜103のいずれかに記載のシステム。
【0425】
105.第1のWTRUおよび第2のWTRUは、MIMOチャネルを固有モードに分割して、固有モードのうちの少なくとも1つから秘密鍵を生成するように構成された実施形態104に記載のシステム。
【0426】
106.雑音ベクトルが白色ではない場合、第1のWTRUはさらに雑音白色化のための雑音白色化フィルタを備える実施形態104〜105のいずれかに記載のシステム。
【0427】
107.第1のWTRUおよび第2のWTRUは、雑音白色化フィルタおよびチャネルマトリクスに関する情報を交換するように構成された実施形態106に記載のシステム。
【0428】
108.第1のWTRUはさらに第1のサンプルされたCIRに後処理を実行する第1のポストプロセッサを備え、かつ/または第2のWTRUはさらに第2のサンプルされたCIRに後処理を実行する第2のポストプロセッサを備える実施形態78〜107のいずれかに記載のシステム。
【0429】
109.第1のポストプロセッサおよび第2のポストプロセッサはそれぞれ、第1のサンプルされたCIRおよび第2のサンプルされたCIRの少なくとも1つのマルチパスコンポーネントを識別するように構成され、第1のWTRUおよび第2のWTRUは識別されたマルチパスコンポーネントの各々から秘密鍵を生成するように構成される実施形態108に記載のシステム。
【0430】
110.第1のポストプロセッサおよび第2のポストプロセッサはそれぞれOGAを適用することによりマルチパスコンポーネントを識別する実施形態109に記載のシステム。
【0431】
111.第1のポストプロセッサおよび第2のポストプロセッサは閾値テストを実行するための閾値ユニットを備える実施形態110に記載のシステム。
【0432】
112.第1のポストプロセッサおよび第2のポストプロセッサは、閾値テストに失敗した場合にはサンプルされたCIRから識別された主要マルチパスコンポーネントを差し引きながら、主要マルチパスコンポーネントを識別するプロセスを繰り返し実行するためのOGAユニットを備える実施形態111に記載のシステム。
【0433】
113.マルチパスコンポーネントはサンプルされたCIRをサンプルされたパルス波形と相関させて最大相関を持つマルチパスコンポーネントを検出することにより時間領域処理によって識別される実施形態109〜112のいずれかに記載のシステム。
【0434】
114.マルチパスコンポーネントは周波数領域処理によって識別される実施形態109〜112のいずれかに記載のシステム。
【0435】
115.離散した時間区分のサンプルされたパルス波形を格納するディクショナリをさらに備え、それによりマルチパスコンポーネントがディクショナリを使用して識別される実施形態109〜114のいずれかに記載のシステム。
【0436】
116.閾値テストは残余コンポーネントのι2ノルムと閾値を比較することにより実行される実施形態111〜115のいずれかに記載のシステム。
【0437】
117.閾値テストは識別されたマルチパスコンポーネントの絶対値と閾値を比較することにより実行される実施形態111〜115のいずれかに記載のシステム。
【0438】
118.閾値は第1の識別されたマルチパスコンポーネントの一部に設定される実施形態111〜117のいずれかに記載のシステム。
【0439】
119.第1のポストプロセッサは第1のサンプルされたCIRのパス遅延を識別するための第1のパス識別ユニットを備える実施形態108に記載のシステム。
【0440】
120.第1のポストプロセッサは、第1のWTRUと第2のWTRUの間のサンプリング時間差を判別し、ペアになっていないパス遅延を廃棄し、第1のWTRUおよび第2のWTRUの基礎のパスの遅延を推定して、基礎のパスの遅延を第2のWTRUに送信するように構成されたパス遅延推定器を備える実施形態119に記載のシステム。
【0441】
121.第1のポストプロセッサは、基礎のパスの遅延に基づいて第1のサンプルされたCIRからパス振幅値を生成するための第2のパス識別ユニットを備える実施形態120に記載のシステム。
【0442】
122.第1のポストプロセッサは、パス振幅値を正規化するための第1の正規化ユニットを備える実施形態121に記載のシステム。
【0443】
123.第2のポストプロセッサは、第1のサンプルされたCIRのパス遅延を識別して第2のサンプルされたCIRのそのすべての検出されたパス遅延を第1のWTRUに送信するように構成された第3のパス識別ユニットを備える実施形態119〜122に記載のシステム。
【0444】
124.第2のポストプロセッサは、基礎のパスの遅延に基づいて第2のサンプルされたCIRからパス振幅値を生成するように構成された第4のパス識別ユニットを備える実施形態123に記載のシステム。
【0445】
125.第2のポストプロセッサはパス振幅値を正規化するための第2の正規化ユニットを備える実施形態124に記載のシステム。
【0446】
126.パス遅延推定器は、タイムラインを小さい区分に分割し、それぞれ各区分内の第1のWTRUおよび第2のWTRUの検出されたパス遅延の数をカウントし、各時間区分の単位でそれぞれの検出されたパス遅延の分布を比較することにより第1と第2のWTRU間のサンプリング時間差を判定するように構成される実施形態120〜125のいずれかに記載のシステム。
【0447】
127.各時間区分の継続期間はチャネル伝送されるシンボル期間の数分の一として設定される実施形態126に記載のシステム。
【0448】
128.サンプリング時間差は、最大数の検出されたパス遅延を含む第1のWTRUと第2のWTRUの2つの時間区分の間の差として設定される実施形態120〜127のいずれかに記載のシステム。
【0449】
129.サンプリング時間差は、特定数の検出されたパス遅延よりも多くの遅延を含む第1のWTRUと第2のWTRUの2つの第1の時間区分の間の差として設定される実施形態120〜127のいずれかに記載のシステム。
【0450】
130.チャネル伝送されたシンボル期間の数分の一であるエラー許容限度内の対応する値を有するパス遅延は、同一のパスであると見なされる実施形態120〜129のいずれかに記載のシステム。
【0451】
131.第1のWTRUの基礎のパスの遅延は、局所的に最大のパス遅延数を含む時間区分の先頭として設定され、それらの数はあらかじめ定められた閾値を超える実施形態120〜130のいずれかに記載のシステム。
【0452】
132.閾値は、残りのパス遅延の合計数の数分の一である実施形態131に記載のシステム。
【0453】
133.時間区分は、その先行および後続のあらかじめ定められた数の隣接する区分がこの区分よりも少ないパス遅延カウントを含む場合、局所的に最大のパス遅延数を含むと見なされる実施形態131〜132のいずれかに記載のシステム。
【0454】
134.第2のWTRUの基礎のパスの遅延は、第1のWTRUの基礎のパスの遅延にサンプリング時間差を加えたものとして設定される実施形態131〜133のいずれかに記載のシステム。
【0455】
135.第1のポストプロセッサは第1のサンプルされたCIRのパス遅延を識別するための第1のパス識別ユニットを備える実施形態108に記載のシステム。
【0456】
136.第1のポストプロセッサは、第1のWTRUおよび第2のWTRUの第1の基礎のパスの遅延を推定するように構成された第1のパス遅延推定器を備える実施形態135に記載のシステム。
【0457】
137.第1のポストプロセッサは、第1の基礎のパスの遅延に基づいて第1のサンプルされたCIRから第1のパス振幅値を生成するための第2のパス識別ユニットを備える実施形態136に記載のシステム。
【0458】
138.第1のポストプロセッサはパス振幅値を正規化するための第1の正規化ユニットを備える実施形態137に記載のシステム。
【0459】
139.第2のポストプロセッサは第2のサンプルされたCIRのパス遅延を識別するように構成された第3のパス識別ユニットを備える実施形態135〜138のいずれかに記載のシステム。
【0460】
140.第2のポストプロセッサは、第1のWTRUおよび第2のWTRUの第2の基礎のパスの遅延を推定するように構成された第2のパス遅延推定器を備える実施形態139に記載のシステム。
【0461】
141.第2のポストプロセッサは、第2の基礎のパスの遅延に基づいて第2のサンプルされたCIRから第2のパス振幅値を生成するように構成された第4のパス識別ユニットを備える実施形態140に記載のシステム。
【0462】
142.第2のポストプロセッサはパス振幅値を正規化するための第2の正規化ユニットを備える実施形態141に記載のシステム。
【0463】
143.第1のパス遅延推定器および第2のパス遅延推定器は、タイムラインを小さい区分に分割し、それぞれ各区分の検出されたパス遅延の数をカウントし、基礎のパスの遅延を局所的に最大のパス遅延数を含む時間区分の先頭として推定し、それらの数はあらかじめ定められた閾値を超えるように構成される実施形態140〜142のいずれかに記載のシステム。
【0464】
144.閾値は、残りのパス遅延の合計数の数分の一である実施形態143に記載のシステム。
【0465】
145.第1のWTRUは正規化された振幅値を1つの連結されたビットストリングに連結し、それにより秘密鍵が連結ビットストリングから生成される実施形態138〜144のいずれかに記載のシステム。
【0466】
146.量子化レベルは基準パスのSNRによって決定される実施形態138〜145のいずれかに記載のシステム。
【0467】
147.第1のWTRUは各パスのSNRに基づいて様々な量子化レベルで正規化された振幅値を個別に処理して複数のビットストリングを生成し、各ビットストリングの個別のシンドロームを生成して、個別のシンドロームを第2のWTRUに送信し、それにより第2のWTRUは個別のシンドロームを使用して秘密鍵を生成する実施形態138〜146のいずれかに記載のシステム。
【0468】
148.第1のWTRUは、どのシンドロームがどのパスに属するかを識別するためにパケットヘッダを添付する実施形態147に記載のシステム。
【0469】
149.どのシンドロームがどのパスに属するかを識別するためにパス索引がパケットヘッダに含まれる実施形態147〜148のいずれかに記載のシステム。
【0470】
150.パスは、最も早いパス、最大振幅のパス、および識別されたパスの全部または部分のうちの1つに関連する相対パス遅延を使用して識別される実施形態147に記載のシステム。
【0471】
151.第1のWTRUは各パスのSNRに基づいて様々な量子化レベルで正規化された振幅値を個別に処理して複数のビットストリングを生成し、ビットストリングを連結し、連結されたビットストリングのシンドロームを生成して、シンドロームを第2のWTRUに送信し、それにより第2のWTRUはシンドロームを使用して秘密鍵を生成する実施形態138〜150のいずれかに記載のシステム。
【0472】
152.第1のWTRUおよび第2のWTRUは周波数領域の観測された信号の位相シフトを推定し、それによりサンプリング時間差が位相シフト推定に基づいて調整される実施形態135〜151のいずれかに記載のシステム。
【0473】
153.推定されたCIRを無線通信システムの個別のマルチパスコンポーネントに分割する方法。
【0474】
154.サンプルされたCIRを生成するステップを備える実施形態153に記載の方法。
【0475】
155.主要なマルチパスコンポーネントを識別するステップを備える実施形態154に記載の方法。
【0476】
156.閾値テストを実行するステップを備える実施形態155に記載の方法。
【0477】
157.閾値テストに合格した場合、識別された主要なマルチパスコンポーネントを出力するステップを備える実施形態156に記載の方法。
【0478】
158.閾値テストに合格しない場合、識別された主要マルチパスコンポーネントをサンプルされたCIRから差し引き、後続のマルチパスコンポーネントを識別する実施形態155のステップに戻るステップを備える実施形態157に記載の方法。
【0479】
159.マルチパスコンポーネントはサンプルされたCIRをサンプルされたパルス波形と相関させて最大相関を持つマルチパスコンポーネントを検出することにより時間領域処理によって識別される実施形態155〜158のいずれかに記載の方法。
【0480】
160.マルチパスコンポーネントは周波数領域処理によって識別される実施形態155〜158のいずれかに記載の方法。
【0481】
161.サンプルされたパルス波形は離散した時間区分にわたりディクショナリに格納され、それによりマルチパスコンポーネントがディクショナリを使用して識別される実施形態155〜160のいずれかに記載の方法。
【0482】
162.閾値テストは残余コンポーネントのι2ノルムと閾値を比較することにより実行される実施形態156〜161のいずれかに記載の方法。
【0483】
163.閾値テストは識別されたマルチパスコンポーネントの絶対値と閾値を比較することにより実行される実施形態156〜161のいずれかに記載の方法。
【0484】
164.閾値は第1の識別されたマルチパスコンポーネントの一部に設定される実施形態163に記載の方法。
【0485】
165.識別されたマルチパスコンポーネントはCDMA方式のレーキ受信機での処理のために使用される実施形態153〜164のいずれかに記載の方法。
【0486】
166.識別されたマルチパスコンポーネントは等化器での処理のために使用される実施形態153〜164のいずれかに記載の方法。
【0487】
167.推定されたCIRを無線通信システムの個別のマルチパスコンポーネントに分割する装置。
【0488】
168.サンプルされたCIRを生成するためのチャネル推定器を備える実施形態167に記載の装置。
【0489】
169.閾値テストを実行するための閾値ユニットを備える実施形態168に記載の装置。
【0490】
170.閾値テストに失敗した場合にはサンプルされたCIRから識別された主要マルチパスコンポーネントを差し引きながら、主要マルチパスコンポーネントを識別するプロセスを繰り返し実行するためのOGAユニットを備える実施形態169に記載の装置。
【0491】
171.マルチパスコンポーネントはサンプルされたCIRをサンプルされたパルス波形と相関させて最大相関を持つマルチパスコンポーネントを検出することにより時間領域処理によって識別される実施形態170に記載の装置。
【0492】
172.マルチパスコンポーネントは周波数領域処理によって識別される実施形態170に記載の装置。
【0493】
173.離散した時間区分のサンプルされたパルス波形を格納するディクショナリを備え、それによりマルチパスコンポーネントがディクショナリを使用して識別される実施形態170〜172のいずれかに記載の装置。
【0494】
174.閾値テストは残余コンポーネントのι2ノルムと閾値を比較することにより実行される実施形態169〜173のいずれかに記載の装置。
【0495】
175.閾値テストは識別されたマルチパスコンポーネントの絶対値と閾値を比較することにより実行される実施形態169〜173のいずれかに記載の装置。
【0496】
176.閾値は第1の識別されたマルチパスコンポーネントの一部に設定される実施形態169〜175のいずれかに記載の装置。
【0497】
177.識別されたマルチパスコンポーネントを持つ受信信号を処理するためのレーキ受信機を備える実施形態167〜176のいずれかに記載の装置。
【0498】
178.識別されたマルチパスコンポーネントを持つ受信信号を処理するための等化器を備える実施形態167〜177のいずれかに記載の装置。
【0499】
本発明の特徴および要素は特定の組合せで好ましい実施形態において説明されるが、各々の特徴または要素は、好ましい実施形態の他の特徴および要素を使用せずに単独で使用されうるか、または本発明のその他の特徴および要素との様々な組合せ、あるいはそれらを使用せずに使用されうる。本発明において提供される方法または流れ図は、汎用コンピュータまたはプロセッサによって実行されるためにコンピュータ可読記憶媒体で明白に具現されるコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアにおいて実施することができる。コンピュータ可読記憶媒体の例は、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクおよび取外し可能ディスクなどの磁気媒体、磁気光学媒体、CD−ROMディスクなどの光媒体、およびデジタル多用途ディスク(DVD)を含む。
【0500】
適切なプロセッサは、例として、汎用および特殊用途プロセッサ、標準的なプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特殊用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA;Field Programmable Gate Array)回路、任意の集積回路、および/または状態機械を含む。
【0501】
ソフトウェアと関連するプロセッサは、WTRU、ユーザ機器、端末、基地局、無線ネットワークコントローラ、または任意のホストコンピュータにおいて使用する無線周波数送受信機を実施するために使用することができる。WTRUは、カメラ、ビデオカメラモジュール、テレビ電話、スピーカーホン、振動装置、スピーカー、マイクロホン、テレビ送受信機、ハンドフリーヘッドセット、キーボード、Bluetoothモジュール、周波数変調(FM)無線装置、液晶ディスプレイ(LCD)表示装置、有機発光ダイオード(OLED;organic light-emitting diode)表示装置、デジタル音楽プレイヤー、メディアプレイヤー、テレビゲームプレイヤーモジュール、インターネットブラウザ、および/または任意の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)モジュールなどの、ハードウェアおよび/またはソフトウェアに実装されるモジュールと共に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0502】
【図1】シングルパス・レイリーフェージングチャネルの秘密鍵容量曲線を示すグラフである。
【図2】本発明により構成された2つのWTRUを含むシステムを示すブロック図である。
【図3】ビットエラーレート(BER)に関して自然コードおよびグレイコードのパフォーマンスを比較するためのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図4】自然コードを使用して、BERに関して様々な量子化レベルのパフォーマンスを比較するためのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図5】グレイコードを使用して、BERに関して様々な量子化レベルのパフォーマンスを比較するためのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図6】BERに関して等確率の量子化および最小平均2乗誤差(MMSE)量子化のパフォーマンスを比較するためのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図7】本発明による様々なビット変換方式および様々なLLR計算方法から得られる秘密鍵レートに関するシミュレーション結果を示すグラフである。
【図8】本発明による過剰量子化を実行するように構成された第1のWTRUを示すブロック図である。
【図9】本発明による様々な過剰量子化方式を使用することにより達成される秘密鍵レートに関するシミュレーション結果を示すグラフである。
【図10】本発明によるソフトエラー転送方式を使用することにより達成される秘密鍵レートに関するシミュレーション結果を示すグラフである。
【図11】本発明によるビット単位処理を実行するように構成された第1のWTRUを示すブロック図である。
【図12】本発明によるビット単位処理を実行するように構成された第2のWTRUを示すブロック図である。
【図13】本発明によるビット単位処理を実行するように構成された第2のWTRUの代替実施形態を示すブロック図である。
【図14】ビット単位処理方式を使用することにより達成される秘密鍵レートに関してパフォーマンスを比較するためのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図15】ビット単位処理方式を使用することにより達成される秘密鍵レートに関してパフォーマンスを比較するためのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図16】シングルパス・レイリーフェージングチャネルについて秘密鍵容量Csと、SNRAおよびSNRBの関係を示すグラフである。
【図17】SNRA=20dBに固定した、達成秘密鍵レートとSNRBの関係を示すグラフである。
【図18】SNRA=25dBに固定した、達成秘密鍵レートとSNRBの関係を示すグラフである。
【図19】SNRA=30dBに固定した、達成秘密鍵レートとSNRBの関係を示すグラフである。
【図20】ワーキンググループ4(WG4)Case3チャネルについて、閾値を一定にした直交貪欲アルゴリズム(OGA)により検出される平均パス数を示すグラフである。
【図21】WG4 Case1チャネルについて、この相対閾値によるOGAによって検出される平均パス数を示すグラフである。
【図22】WG4 Case3チャネルについて、この相対閾値によるOGAによって検出される平均パス数を示すグラフである。
【図23】WG4 Case3チャネルの両端末における単独のOGA適用のエラーレートを示すグラフである。
【図24】本発明による第1のWTRUのポストプロセッサおよび第2のWTRUのポストプロセッサを示すブロック図である。
【図25】SNR=20dBにおけるWG4 Case3チャネルについて、検出されたパス遅延の正規化周波数のヒストグラムで例を示すグラフである。
【図26】ステップ2の後の残りのパス遅延の正規化周波数のヒストグラムを示すグラフである。
【図27】本発明の代替実施形態による第1のWTRUのポストプロセッサおよび第2のWTRUのポストプロセッサを示すブロック図である。
【図28】ITU PB3チャネルの推定サンプリング時間差のエラーレートを示すグラフである。
【図29】シングルパスおよび混合処理方式を使用することにより達成されるWG4 Case3チャネルの秘密鍵レートを示すグラフである。
【図30】シングルパスおよび混合処理方式を使用することにより達成されるWG4 Case1チャネルの秘密鍵レートを示すグラフである。
【図31】ダブルパスおよび混合処理方式を使用することにより達成されるWG4 Case3チャネルの秘密鍵レートを示すグラフである。
【図32】ダブルパスおよび混合処理方式を使用することにより達成されるWG4 Case1チャネルの秘密鍵レートを示すグラフである。
【図33】ダブルパスおよびパス単位の処理方式が使用される場合のWG4 Case1チャネルの達成秘密鍵レートを示すグラフである。
【図34】ダブルパスと混合処理方式およびダブルパスとパス単位の処理方式を使用することにより達成されるWG4 Case2チャネルの秘密鍵レートを示すグラフである。
【図35】ダブルパスと混合処理方式およびダブルパスとパス単位の処理方式を使用することにより達成されるITU PA3チャネルの秘密鍵レートを示すグラフである。
【図36】ダブルパスと混合処理方式およびダブルパスとパス単位の処理方式を使用することにより達成されるITU PB3チャネルの秘密鍵レートを示すグラフである。
【図37】ダブルパスと混合処理方式およびダブルパスとパス単位の処理方式を使用することにより達成されるITU VA30チャネルの秘密鍵レートを示すグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関する。さらに詳細には、本発明は、無線送信/受信ユニット(WTRU)により共有される同時ランダム性から秘密鍵を生成する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザAおよびユーザBによって使用される2つの端末が、無線環境において同一の周波数で相互に通信するものと仮定する。これらの2つの端末は、各々の伝送のトレーニングシーケンスを適用して、相互の無線チャネルのチャネル・インパルス応答(CIR;channel impulse response)を推定することができる。無線チャネルは、様々なスケールおよび遅延を持つ離散的なパルスの集合によってモデル化される。各パルスは、好ましくはレイリーフェージング(Rayleigh fading)またはライスフェージング(Rician fading)である、シングルパス・フェージングチャネルを表す。数学的に、無線チャネルは以下のようにモデル化される。
【0003】
【数1】
【0004】
ここで、L∈[1、+∞)およびαι、τιは、無線Lパス・フェージングチャネルのι番目のパスの振幅および遅延を表す。レイリーフェージングチャネルにおいて、振幅α1,...,αLは、ゼロ平均複素ガウス確率変数(zero-mean complex Gaussian random variable)である。
【0005】
無線チャネルのCIRは、以下のように記述することができる。
h(t)=p(t)*a(t) 式(2)
ここでp(t)は、あらかじめ定められた帯域制限の送信機フィルタおよび受信機フィルタによって生じる「パルス波形」である。式(1)を式(2)に入れることにより、
【0006】
【数2】
【0007】
これは、CIRが、パルス波形p(t)の複数の遅延および拡大縮小コピーの重ね合わせであることを意味する。
【0008】
ユーザAおよびユーザBはそれぞれ、CIRのサンプルされた雑音のバージョンh(t)を観測する。それらの観測は以下のように記述することができる。
hA[n]=CAh(nTs−τA)+ZA[nTs]、および 式(4)
hB[n]=CBh(nTs−τB)+ZB[nTs] 式(5)
ここで、Tsはサンプル間隔であり、両端末において同じであると仮定され、τAおよびτBは、各受信機に関連付けられているサンプリング時間オフセットである。サンプル間隔Tsは、2つの連続する観測の独立性を保証できるように十分に大きい(少なくともコヒーレンス時間間隔よりも大きい)ものでなければならない。
【0009】
したがって、2つの端末の間のサンプリング時間差は、|τA−τB|である。CAおよびCBの値は、各受信機に関連付けられている異なる増幅およびフェーズ・オフセットを反映する複素定数である。簡単にするためにCA=CB=1であると仮定する。ZA[nTs]およびZB[nTs]の値は、独立した相加ガウス雑音シーケンスである。
【0010】
ユーザAおよびユーザBの観測hA[n]およびhB[n]は、それらの相互の無線チャネルh(t)に基づいているので、それらは相互に相関関係を持つ。一方、ユーザCに使用され、波長よりも離れたユーザAおよびユーザBとは地理的に別の場所に位置する第3の端末は、チャネルに関する関連情報を所有していない。
【0011】
それらの相関するチャネル観測に基づいて、ユーザAおよびユーザBは、共通の秘密鍵を生成したいと望む。そのような秘密鍵を生成する際に、両ユーザは、エラーフリーの認証済み無線チャネルを介して通信することができる。生成される秘密鍵は、パブリック・チャネル上の伝送を観測することができる潜在的な盗聴者から隠蔽される必要がある。特に、生成される秘密鍵は、公開の伝送からほぼ「統計的に独立している」ことが要求される。
【0012】
仮に、Xn=(X1,...,Xn)およびYn=(Y1,...,Yn)を、相関確率変数XおよびYの独立した同様に分布された反復とする。ユーザAおよびユーザBはそれぞれ、シーケンスXnおよびYnを観測する。さらに、ユーザAおよびユーザBは、おそらくは多数回インタラクティブに、エラーフリーの無線チャネルを介して相互に通信することができる。仮に、Vは無線チャネル上のすべての伝送を示すものとする。伝送の後、ユーザAは(Xn,V)に基づいてビットストリングSAを生成し、ユーザBは(Yn,V)に基づいてビットストリングSBを生成する。ビットストリングSは、以下の条件が満たされる場合、秘密鍵を構成する。
Pr(S=SA=SB)≒1; 式(6)
I(S;V)≒0;および 式(7)
H(S)≒|S| 式(8)
ここで|S|は、ビットストリングSの長さを示し、I(S;V)はSとVとの間の相互情報量を示し、H(S)はSのエントロピーを示す。上記の第1の条件は、ユーザAおよびユーザBがほぼ同一の秘密鍵を生成することを意味し、第2の条件は、この秘密鍵がユーザCの情報(つまり、無線チャネル上の伝送V)からほぼ統計的に独立していることを意味し、第3の条件は、この秘密鍵がほぼ一様に分布されることを意味する。したがって、この秘密鍵は、ユーザCから効果的に隠蔽される。ここで、盗聴者であるユーザCは受動的である(つまり、パブリック・チャネル上の伝送Vを不正変更することはできない)。
【0013】
秘密鍵の(エントロピー)レート
【0014】
【数3】
【0015】
は、秘密鍵レートと呼ばれる。最大の秘密鍵レートは、Csによって示される、秘密鍵容量と呼ばれる。秘密鍵容量の概念は、ユーザAおよびユーザBの観測XnおよびYnに基づいて、ユーザAおよびユーザBによって生成されうる最長の秘密鍵の長さを示す。上記のモデルの秘密鍵容量は、以下のとおりである。
Cs=I(X;Y) 式(9)
本明細書に説明されているような特定のシナリオにおいて、秘密鍵容量はユーザAからユーザBへ、またはその逆方向への単一の伝送によって達成されうることが知られている。
【0016】
ユーザAとユーザBとの間の無線チャネルが、平均パス電力(p1,...,pL)を持つLパス・フェージングチャネルであると仮定する。無線チャネル上の相加白色ガウス雑音(AWGN:additive white Gaussian noise)の平均電力がNであると仮定する。したがって、ι番目のパスに関するユーザAとユーザBのCIR観測の間の相互情報量は、以下の式によって与えられる。
【0017】
【数4】
【0018】
和集合範囲(union bound)により、ユーザAとユーザBの全CIR観察の間の相互情報量は、
【0019】
【数5】
【0020】
によって上に有界である。これは実際に、ユーザAおよびユーザBによって達成されうる秘密鍵レートの上界である。
【0021】
Lパス・フェージングチャネル内の第1のパスが基準パスとして設定されるとき、このチャネルの相対平均パス電力は、
【0022】
【数6】
【0023】
として
【0024】
【数7】
【0025】
と記述されうる。次いで、秘密鍵レートは、以下の式により上に有界である。
【0026】
【数8】
【0027】
ここで、
【0028】
【数9】
【0029】
は基準パスに対して定義される。
【0030】
暗号の用途に使用する場合、完全なエントロピー・ストリング(Pr(0)=Pr(1)=1/2の独立ビット)を生成することが望ましい。したがって、サンプルの間の相関を除去することが望ましい。シングルパス・チャネルの場合、これは、すべてのサンプルから1つのサンプル(例えば、最大値を持つものなど)を単に選択することにより行われてもよい。しかし、マルチパスチャネルに関しては、数個のサンプル(パスごとに1つのサンプル)のみでは、それらの選択されたサンプルが相互に相関することになるので、すべてのサンプルから選択されることはできない。したがって、いかにしてサンプル間の相関を除去するかが、重要な課題である。
【0031】
もう1つの実際的な問題は、2つの端末におけるサンプリング時間差によって生じる。異なるサンプリング時間オフセットで同じCIRをサンプリングすることは、完全に無相関のサンプルに至る可能性もある。この問題は、サンプリング・レートを増大させることで軽減することができる。しかし、サンプリング・レートを増大することには、著しく冗長なサンプルを生成するという欠点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
したがって、単にサンプリング・レートを増大するのではなく、サンプリング時間差の推定を伴うこともある、両端末におけるサンプリング時間を調整することが望ましいと考えられる。その他の実際的な問題は、2つの端末およびDCオフセットにおけるSNRの差(つまり非ゼロ平均確率変数)を含む。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明は、WTRUにより共有される同時ランダム性から秘密鍵を生成する方法およびシステムに関する。第1のWTRUおよび第2のWTRUは、チャネル推定を実行して、第1のWTRUと第2のWTRUとの間のチャネル上に、サンプルされたCIRを生成する。第1のWTRUは、サンプルされたCIRからビットのセットを生成し、ビットのセットから秘密鍵およびシンドローム(またはパリティビット)を生成する。第1のWTRUは、シンドローム(またはパリティビット)を第2のWTRUに送信する。第2のWTRUは、シンドローム(またはパリティビット)およびそれ自身のサンプルされたCIRからビットのセットを再構築し、再構築されたビットのセットから秘密鍵を生成する。また、各WTRUが、各自のサンプルされたCIRの部分からビットのセットを生成し、ビットのセットからシンドロームを生成することも可能である。各WTRUは、シンドロームを送信して、シンドロームと各自のサンプルされたCIRから生成された他方のWTRUのビットのセットを再構築する。両WTRUは、再構築されたビットのセットと、各自の生成されたビットのセットから秘密鍵を生成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
これ以降、「WTRU」という用語は、ユーザ機器(UE)、移動局、固定または移動加入者ユニット、ページャー、携帯電話、ノートブックコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、ノードB、基地局、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、または無線環境において動作することのできるその他の任意の種類の装置を含むが、これらに限定されることはない。
【0035】
本発明の特徴は、集積回路(IC)に組み入れられるか、または多数の相互接続コンポーネントを備える回路に構成されうる。
【0036】
本発明は、マルチパス・レイリーチャネルを参照して説明され、レイリーフェージングチャネルの数学モデルのみを提供する。しかし、レイリーチャネルの参照は説明を目的としているにすぎず、本発明は任意の数学モデルに基づくシングルパスまたはマルチパスチャネルに適用可能であることに留意されたい。
【0037】
本発明における分析のモデルは、3つの相互に独立した複素ガウス確率変数H、ZA、およびZBが生成されるというものである。Hは、N(0,P)により生成され、ZAはN(0,NA)により生成され、ZBはN(0,NB)により生成される。仮に、X=H+ZAおよびY=H+ZBであるとする。簡単な計算が、以下のことを示す。
【0038】
【数10】
【0039】
式(11)は以下のように書き換えられる。
【0040】
【数11】
【0041】
これは、同時ガウス確率変数(jointly Gaussian random variable)XnおよびYnのそれぞれの観測に基づいて、2つの通信するWTRUが
【0042】
【数12】
【0043】
ビットを超えない長さの秘密鍵を生成することができることを意味する。
【0044】
簡単にするため、NA=NB=Nと仮定し、SNRはP/Nと定義される。その結果、式(13)は、以下のように約分される。
【0045】
【数13】
【0046】
秘密鍵容量CsとSNRの関係を示すグラフは、図1に示される。
【0047】
同時ガウス確率変数XおよびYは以下のように表すことができる。
【0048】
【数14】
【0049】
ここで、
【0050】
【数15】
【0051】
は、Yから独立している。
【0052】
図2は、本発明により構成された2つのWTRU210、230を含むシステムを示すブロック図である。第1のWTRU210は、チャネル推定器212、後処理ユニット214(オプション)、量子化ユニット216、ソース符号化ユニット218、エラー訂正符号化ユニット220、およびプライバシー増幅(PA:privacy amplification)プロセッサ222を含む。チャネル推定器212は、第1のWTRU210と第2のWTRU230との間の無線チャネル上にサンプルされたCIRを生成する。サンプルされたCIRは、後処理ユニット214によって処理されてもよい。第1のWTRU210は、無線チャネルのCIR測定を通じてガウス確率変数Xを取得し、ガウス確率変数Xから秘密鍵SAを生成する。
【0053】
秘密鍵は、ビットストリングあるいはシンボルストリングと考えることができるので、(これ以降「ビットストリング」のみが使用される)、連続確率変数XはビットストリングXbに変換されるが、これは量子化およびソース符号化のプロセスを含む。確率変数Xは量子化ユニット216に入力され、そこで量子化された値Xqが出力される。量子化された値Xqは、ソース符号化ユニット218によってビットストリングXbに符号化される。
【0054】
ビットストリングXbは、エラー訂正符号化ユニット220およびPAプロセッサ222に入力される。エラー訂正符号化ユニット220は、ビットストリングXbにエラー訂正符号化(例えば、非システマチックまたはシステマチック・ブロック符号化)を実行し、シンドロームまたはパリティビット(これ以降、総称して「シンドローム」)を生成する。エラー訂正符号化は、第1のWTRU210および第2のWTRU230、さらにおそらくは他の任意のWTRUにも認識される。PAプロセッサ222は、ビットストリングXbから秘密鍵SAを生成する。第1のWTRU210は、無線チャネルを介してXbのシンドロームを(所定のエラー訂正コードに関し)第2のWTRU230に送信することによって、第2のWTRU230がビットストリングXbを再構築できるように補助する。
【0055】
第2のWTRU230は、チャネル推定器232、後処理ユニット234(オプション)、復号化ユニット236、およびPAプロセッサ238を含む。チャネル推定器232は、第1のWTRU210と第2のWTRU230との間の無線チャネル上にサンプルされたCIRを生成する。サンプルされたCIRは、後処理ユニット234によって処理されてもよい。第2のWTRU230は、無線チャネルのCIR測定を通じて同時ガウス確率変数Yを取得し、第1のWTRU210から受信したシンドロームおよびそれ自身の観測Yに基づいて、Xb(つまり、ビットストリング推定
【0056】
【数16】
【0057】
)を再構築する。同時ガウス確率変数Yおよびシンドロームは、復号化ユニット236に入り、ビットストリング推定
【0058】
【数17】
【0059】
を構築する。次いで、PAプロセッサ238は、ビットストリング推定
【0060】
【数18】
【0061】
から秘密鍵SB(SAと同じであると考えられる)を生成する。盗聴者は、Yについての知識がなければ、Xbを完全に再構築することはできない。
【0062】
秘密鍵は、秘密鍵がユーザCの情報(つまり、Xbのシンドローム)からほぼ「統計的に独立」しているように、第1のWTRU210および第2のWTRU230によってビットストリングXbから抽出される。プライバシー増幅は、ユニバーサルハッシュ関数を使用して達成することができる。ビットストリングXbが、シンドロームベースの符号化および復号化の技法により、最大エントロピーのビットストリング(つまり、完全にランダム)である場合、ハッシュが必要とされないので、PAプロセスは単純である。
【0063】
量子化ユニット216、ソース符号化ユニット218、復号化ユニット236、および後処理ユニット214、234について、これ以降詳細に説明される。
【0064】
量子化ユニット216に関して、量子化方式は、パーティションとその対応する量子によって指定される。パーティションは、サンプル範囲全体に及ぶ互いに素な(disjoint)区間S1...Svの集合から成る。量子は、数字q1...qvの集合から成り(ただし、qi∈Si)、量子化された値として解釈することができる。パーティション{S1...Sv}の量子化レベルは、log2vとして定義される。一例として、レイリーチャネルの場合、等確率の量子化(equiprobable quantization)および最小平均2乗誤差(MMSE:minimum mean squared error)量子化という2つの量子化方式が考察されるが、その他の方式も適用可能である。
【0065】
等確率の量子化の場合、確率サンプルXのパーティション{S1...Sv}は、以下のようになるように定義される。
【0066】
【数19】
【0067】
仮に、
【0068】
【数20】
【0069】
は区間Si、1≦i≦vの右エンドポイントを示すものとする。区間Siの左エンドポイントが区間Si-1の右エンドポイントと同一である場合、パーティション{S1...Sν}は実際に
【0070】
【数21】
【0071】
によって指定される。等確率の量子化に従って、
【0072】
【数22】
【0073】
の値は、以下の式により決まる。
【0074】
【数23】
【0075】
ここで、f(x)は、確率サンプルXの確率分布である。
【0076】
例えば、ゼロ平均の単位分散ガウス分布のレベル2の等確率量子化器のパーティションは、以下のとおりである。
S1=(−∞,−0.6745]、S2=(−0.6745,0]、S3=(0,0.6745]、S4=(0.6745,∞)
【0077】
一方、MMSE量子化により、パーティション{S1...Sv}および量子{q1...qv}の選択は、期待値E[(X−qx)2]を最小化するものであり、ここでXは確率サンプルであり、qxはXの量子化された値である。仮に、
【0078】
【数24】
【0079】
は区間Si、1≦i≦νの右エンドポイントを示すものとする。期待値E[(X−qx)2]を最小化する
【0080】
【数25】
【0081】
およびqiの値は、以下のように計算される。
【0082】
【数26】
【0083】
【数27】
【0084】
ここで、
【0085】
【数28】
【0086】
は最小の可能なサンプル値を表し、この場合は−∞である。
【0087】
例えば、ゼロ平均の単位分散ガウス分布のレベル2のMMSE量子化器のパーティションは、以下のとおりである。
S1=(−∞,−0.9816]、S2=(−0.9816,0]、S3=(0,0.9816]、S4=(0.9816,∞)
そして、対応する量子は、q1=−1.51、q2=−0.4528、q3=0.4528、q4=1.51である。
【0088】
等確率の量子化の主要な利点は、出力ビットが確率の等しい構造によるものであり、その結果最大エントロピーのビットストリングをもたらすことである。その他の量子化技法は、エントロピー損失の影響を受ける。MMSE量子化器のエントロピー損失を、表1に示す。本発明による秘密鍵レートの計算は、非等確率の量子化方式を使用する場合のエントロピー損失を補償することができる。
【0089】
【表1】
【0090】
ソース符号化ユニット218に関して、ソース符号化の目的は、整数をビットストリングに変換することである。好ましくは、ソース符号化方式は、自然符号化またはグレイ符号化である。自然符号化は、ビットストリングの形態をとる整数の自然表現である。例えば、長さ2の自然コードでは、整数0、1、2、および3を表すコードワードは、それぞれ「00」、「01」、「10」、および「11」である。
【0091】
グレイ符号化は、任意の2つの隣接するコードワードが1ビット異なるように、ビットストリングの形態で整数を表す。例えば、長さ2のグレイコードでは、整数0、1、2、および3を表すコードワードは、それぞれ「00」、「01」、「11」、および「10」である。
【0092】
図3は、ビットエラーレート(BER)に関して自然コードおよびグレイコードのパフォーマンスを比較するためのシミュレーション結果を示す。シミュレーションにおいて、レベル4の等確率の量子化が適用される。シミュレーション結果において、グレイコードを使用することによって、WTRU間の実際の値が正確に同じではない場合であっても、WTRUがより多くの共通ビットを持つビットストリングを生成することができるという意味で、グレイコードは自然コードよりも優れている。単一レベルのエラーの場合、1ビットだけが異なる。
【0093】
連続する値の間で変化するビットの数を最小化するその他の符号化方式が使用されてもよい。理想的には、変化するビットの数は、2つの値の間の差が増大するのに応じて増加すべきである。
【0094】
図4および図5は、自然コードおよびグレイコードをそれぞれ使用して、BERに関して様々な量子化レベルのパフォーマンスを比較するためのシミュレーション結果を示す。異なる量子化レベルは、異なるBERをもたらす。シミュレーション結果によれば、量子化レベルが低下すれば、それに応じてBERも小さくなる。これは、低い量子化レベルはより大きいパーティションの区間に対応し、2つのサンプルが同じ区間に入る確率が増大するからである。しかし、低レベルの量子化を使用することは、短いビットストリングをもたらす。したがって、出力ビットストリングの長さと、2つの出力ビットストリングの相関との間にはトレードオフがある。
【0095】
図6は、BERに関して等確率の量子化およびMMSE量子化のパフォーマンスを比較するためのシミュレーション結果を示す。MMSE量子化を使用することによって生成されるビットストリングは、一様には分布されないが、このビットストリングから抽出される秘密鍵は一様に分布される必要があるので、これは望ましくない。したがって、このビットストリングは、一様になるように圧縮されるべきであり、それがより短いビットストリングをもたらすことになる。MMSE量子化のエントロピー損失を補償した後、MMSE量子化および等確率の量子化から生成される秘密鍵レートは、サンプルあたり10分の数ビットの範囲内である。表2は、等確率の量子化とMMSE量子化とのパフォーマンス比較をまとめたものである。
【0096】
【表2】
【0097】
エラー訂正符号化ユニット220および復号化ユニット218は、例えば、バイナリ低密度パリティチェック(LDPC;binary low density parity check)符号化、リード−ソロモン符号化、ターボ符号化、差分符号化、またはその他の符号化方式を実施することができる。復号化ユニット218に関して、受信されたシンドローム(またはパリティビット)および変数Yは、復号化ユニット218に入り、復号化ユニット218はビットストリングXbを再構築する。復号化ユニット236は、ビットあたりのログ尤度比(LLR:log likehood ratio)を計算する。LLRは、硬判定または軟判定を使用して計算することができる。
【0098】
レイリーチャネルの例において、硬判定を使用する場合、第1のWTRU210によって行われた変換と同様の方法で、第2のWTRU230はそのCIR観測の各々をビット
【0099】
【数29】
【0100】
に変換する。したがって、Xb,iのLLRは、以下の式により与えられる。
【0101】
【数30】
【0102】
ここで、piはXb,iがYb,iとは異なる確率である。図5および図6における各曲線は、
【0103】
【数31】
【0104】
に対応する。
【0105】
同様に、レイリーチャネルの例において、軟判定を使用する場合、第2のWTRU230は、YbではなくYから直接LLRを計算する。以下のように、第1のWTRU210がレベル1の等確率の量子化を適用して、そのサンプルXをシングルビットXb,iに変換するものと仮定する。
【0106】
【数32】
【0107】
次に、
【0108】
【数33】
【0109】
【数34】
【0110】
は、Yから独立している。したがって、
【0111】
【数35】
【0112】
ここで、
【0113】
【数36】
【0114】
ゆえに、Xb,iのLLRは、以下の式により与えられる。
【0115】
【数37】
【0116】
軟判定LLRは、ビット変換にどのソースコードが使用されるかに依存する。自然コードおよびグレイコードは、異なるLLRをもたらす場合もある。第1のWTRU210がレベル2の等確率の量子化および自然符号化を適用して、そのサンプルXを2つのビット(Xb,1,Xb,2)に変換するものと仮定する。Xの累乗はP+Nである。ゆえに、Xb,1およびXb,2は、以下の式により与えられる。
【0117】
【数38】
【0118】
ここで
【0119】
【数39】
【0120】
は、ゼロ平均の単位分散ガウス分布の量子化境界である。つまり、
【0121】
【数40】
【0122】
は以下の式によって決まる。
【0123】
【数41】
【0124】
第1のビットXb,1のLLRは、式(25)により与えられる。第2のビットXb,2のLLRは、以下のように計算される。
【0125】
【数42】
【0126】
ここで、
【0127】
【数43】
【0128】
ゆえに、
【0129】
【数44】
【0130】
一方、第1のWTRU210がビット変換においてグレイコードを適用する場合、Xb,1およびXb,2は、以下の式により与えられる。
【0131】
【数45】
【0132】
第1のビットXb,1のLLRは、この場合も同様に、式(25)により与えられる。第2のビットXb,2のLLRは、以下のように計算される。
【0133】
【数46】
【0134】
および
【0135】
【数47】
【0136】
一般に、自然符号化の場合、1≦i≦log2υとして、Xb,iのLLRは、以下の式により与えられる。
【0137】
【数48】
【0138】
グレイ符号化の場合、Xb,iのLLRは、以下の式により与えられる。
【0139】
【数49】
【0140】
様々なビット変換方式(すなわち、自然符号化またはグレイ符号化)および様々なLLR計算方法(すなわち、硬判定または軟判定)から得られる秘密鍵レートに関するシミュレーション結果は、図7に示される。このシミュレーションに使用されるエラー訂正コードは、レート1/2およびコードワード長さ4800ビットのバイナリ非単調LDPCコードである。このコードの次数分布ペアは以下のとおりである。
λ(x)=0.234029x+0.212425x2+0.146898x5+0.102849x6+0.303808x19、
ρ(x)=0.71875x7+0.28125x8
確信度伝搬アルゴリズムの30回の繰返しが許容される。
【0141】
シミュレーションにおいて、所定のチャネルコードの秘密鍵レートを実際に固定する量子化レベルが選択される。次いで、シミュレーションにより、WTRUによって得られた結果の鍵が10-4よりも小さいBERを持つように、最小SNRが決定される。これがSNRおよび秘密鍵レートのペアをもたらす。このプロセスは、他の量子化レベルに対して繰り返される。最後に、曲線は、結果の(SNR,秘密鍵レート)ペアの関係を描くことにより得られる。復号器パフォーマンス曲線の最も急な勾配にあるので、SNRの変動が極めて小さくなるように、10-4のBER動作基点が選択されることに留意されたい。比較の目的で、秘密鍵容量もまた図7に描かれる。
【0142】
結果の秘密鍵レートに関して、軟判定の方が硬判定よりも優れており、グレイ符号化の方が自然符号化よりも優れていることが、シミュレーション結果から示される。例えば、所定のSNR=18dBに対して、秘密鍵容量は5.0ビット/サンプルである。自然符号化および硬判定から得られる秘密鍵は、2.0ビット/サンプルのレートを備える。グレイ符号化および硬判定から得られる秘密鍵は、2.8ビット/サンプルのレートを備える。自然符号化および軟判定から得られる秘密鍵は、2.7ビット/サンプルのレートを備える。グレイ符号化および軟判定から得られる秘密鍵は、4.0ビット/サンプルのレートを備える。Xbの推定において、その歪められたバージョンYbよりも元のサンプルYを使用する方がよいので、軟判定は硬判定よりも優れている。2つの隣接する量子化値を表すグレイコードの任意の2つのコードワードは1ビット異なるが、2つの隣接する量子化値を表す自然コードの2つのコードワードは1ビットを超えて異なる場合もあるので、グレイコードは自然コードよりも優れている。比較的高い確率で、第1および第2のWTRUのサンプルは量子化後に隣接する区間に入るので、グレイコードはさらに多くの共通ビットをもたらすことになる。
【0143】
高いSNR(>15dB)において、グレイ符号化および軟判定から得られる秘密鍵レートは、秘密鍵容量の1.1ビットの範囲内であることが、図7から確認される。しかし、達成される秘密鍵レートと秘密鍵容量との間の隔たりは、低いSNR(<12dB)においてより大きくなる。本発明は、達成される秘密鍵レート全体が、常に秘密鍵容量の1.1ビットの範囲内にあるように、低いSNRにおけるこの隔たりを減少させる方法を提供する。
【0144】
量子化が、程度の差はあれ情報の損失をまねくことは知られている。量子化による情報の損失を軽減するため、第1のWTRU210は、秘密鍵生成のために必要なレベルよりも高いレベルにおいてそのサンプルを量子化することができる。例えば、第1のWTRU210および第2のWTRU230が、mビット/サンプルのレートで秘密鍵を生成しようとするものと仮定する。レート1/2のLDPCコードを使用する場合、図2における秘密鍵生成システムは、第1のWTRU210がそのサンプルを量子化レベルmビット/サンプルで量子化するよう要求する。第1のWTRU210は、量子化による損失を軽減するため、より高いレベルm+kビット/サンプルでそのサンプルを量子化することができる。第1のm量子化ビットは、単調性量子化ビット(regularly quantized bit)と呼ばれ、最後のk量子化ビットは過剰量子化ビット(over-quantized bit)と呼ばれる。
【0145】
図8は、本発明による過剰量子化を実行するように構成された第1のWTRU210aを示すブロック図である。第1のWTRU210aは、チャネル推定器212a、後処理ユニット214a(オプション)、量子化ユニット216a、ソース符号化ユニット218a、エラー訂正符号化ユニット220a、およびPAプロセッサ222aを含む。第1のWTRU210aは、無線チャネルのCIR測定を通じてガウス確率変数Xを取得する。確率変数Xは量子化ユニット216aに入力され、そこで量子化された値が出力される。量子化ユニット216aは、確率変数を過剰量子化する。量子化された値は、ソース符号化ユニット218aによってビットストリングまたはシンボルストリングに符号化される。
【0146】
生成されたビットストリングは、単調性量子化ビットおよび過剰量子化ビットを含む。単調性量子化ビットは、エラー訂正符号化ユニット220aおよびPAプロセッサ222aに入力される。エラー訂正符号化ユニット220aは、単調性量子化ビットにエラー訂正符号化(例えば、非システマチックまたはシステマチック・ブロック符号化)を実行し、シンドローム(またはパリティビット)を生成する。PAプロセッサ222aは、単調性量子化ビットから秘密鍵を生成する。第1のWTRU210aは、無線チャネルを介して単調性量子化ビットおよび過剰量子化ビットのシンドロームを第2のWTRUに送信する。
【0147】
高レベル量子化器は、低レベルで量子化されたビットを変更しない。例えば、ゼロ平均の、単位分散ガウス分布のレベル2およびレベル3の等確率量子化器のパーティションは、以下のとおりである。
S1=(−∞,−0.6745]、S2=(−0.6745,0]、S3=(0,0.6745]、S4=(0.6745,∞)
S1=(−∞,−1.1503]、S2=(−1.1503,−0.6745]、S3=(−0.6745,−0.3186]、S4=(−0.3186,0)、S5=(0,0.3186]、S6=(0.3186,0.6745]、S7=(0.6745,1.1503]、S8=(1.1503,∞)
【0148】
自然符号化が後に続くレベル2の量子化器を使用する場合、X=0.5のサンプルはビット「10」に変換される。レベル3の量子化器を使用する場合、同じサンプルはビット「100」に変換される。「100」の最初の2ビットは、レベル2で量子化されたビットと同一である。したがって、過剰量子化方式における単調性量子化ビットは、実際には、過剰量子化方式を使用せずに量子化されたビットと同一である。
【0149】
無線チャネルを介する過剰量子化ビットの伝送は、等確率の量子化の場合に秘密鍵に関する情報を漏洩することはないが、これは等確率の量子化においてすべての量子化ビットが任意の他のビットから独立しているからである。したがって、過剰量子化ビットは、単調性量子化ビットから抽出される秘密鍵から独立している。一方、過剰量子化ビットは、相関関係のあるサンプルを条件付けられる場合、単調性量子化ビットに関する情報を含んでいる。したがって、過剰量子化ビットを認識することで、第2のWTRUは、第1のWTRUの単調性量子化ビットのより良好なLLRを得ることができる。
【0150】
第1のWTRUの第1の量子化ビットXb,1のLLRは、式(25)により与えられる。第1のWTRUがレベル2の等確率の量子化およびグレイコードを使用して、そのサンプルXを2つのビット(Xb,1,Xb,2)に変換するものと仮定する。第2の量子化ビットが第2のWTRUに認識されている場合、つまりXb,2=0である場合、Xb,1のLLRは、以下のように計算される。
【0151】
【数50】
【0152】
および
【0153】
【数51】
【0154】
同様に、Xb,2=1である場合、
【0155】
【数52】
【0156】
および
【0157】
【数53】
【0158】
一般に、第1のWTRU210aがレベルm+kビット/サンプルで量子化し、最初のmビットが単調性量子化ビットであり、最後のkビットが過剰量子化ビットである場合、1≦i≦mに対して、
【0159】
【数54】
【0160】
ここで、αi∈{0,1}、Iは標識関数(indicator function)であり、[Gi(j)]kは、整数jを表す長さiのグレイコードワードのk番目のビットを意味する。例えば、整数7を表す4ビットのグレイコードワードは「0100」である。したがって、[G4(7)]2=1および[G4(7)]3=0である。規定により、g(0,Y)=1およびg(2k+1,Y)=0である。
【0161】
図9は、本発明による過剰量子化方式を使用することにより達成される秘密鍵レートに関するシミュレーション結果を示す。シミュレーションにおいて、グレイ符号化、軟判定LLR計算方法、およびレート1/2の非単調LDPCコードが使用され、10-4のターゲットキーBERが達成される。
【0162】
1ビット/サンプルの秘密鍵レートを達成するためには、過剰量子化方式を使用せずに、最小必須SNR(ターゲットの10-4のキーBERを達成するために)は9.7dBであり、対応する量子化レベルは1ビット/サンプルであることが、図9から分かる。第1のWTRU210aがレベル2のビット/サンプルで量子化し、第1ビットが単調性量子化ビットであり、第2ビットが過剰量子化ビットである場合、シミュレーションは、最小必須SNRが9.1dBに減少されることを示している。この最小SNRは、第1のWTRU210aがレベル3ビット/サンプルおよび4ビット/サンプルで量子化する(第1ビットは単調性量子化ビットである)場合、さらに8.2dBおよび8dBまで減少されうる。しかし、4ビット/サンプルよりも高い量子化レベルにおいて、わずかなゲイン(最小SNRで<0.1dB)が観察される。したがって、過剰量子化方式を使用することにより、最小SNRで9.7−8=1.7dBの合計ゲインが獲得される。
【0163】
同様に、2ビット/サンプルの秘密鍵レートを達成するためには、2つの単調性量子化ビットおよび2つの過剰量子化ビットを備える4ビット/サンプルの量子化レベルが、過剰量子化方式からのゲインの大部分を達成するのに十分な高さであることを、シミュレーションは示している。結果として生じる最小SNRは、12.3dB(図11)から10.9dBに減少される。
【0164】
過剰量子化方式を使用することによる全体的なゲインを、表3に列挙する。対応する秘密鍵レートは、図9に示す。過剰量子化方式を使用しない場合の秘密鍵レートも、比較のために同図に示されている。過剰量子化方式から得られる秘密鍵レートは、常に秘密鍵容量の1.1ビットの範囲内であることが、図から分かる。
【0165】
【表3】
【0166】
高いSNRにおいて過剰量子化方式が優れたパフォーマンスを示さないことは、図9から分かる。これは、高いSNRにおいて、過剰量子化ビットが第2のWTRUの復号化に「有用」ではないことを示すが、表4のシミュレーションデータによって暗黙的に検証されている。SNR=21.3dBにおいて、両端末のサンプルから量子化された第6、第7、および第8のビットのエラー確率は0.5に近いことが、表4から分かる。これはつまり、第1のWTRUの過剰量子化ビット(つまり、第6、第7、および第8のビット)が、第2のWTRUのサンプルおよび第1のWTRUの単調性量子化ビットからほぼ独立していることを意味する。したがって、これらは、第2のWTRUの復号化に有用ではない。
【0167】
また表4は、過剰量子化方式に使用される効率的な量子化レベルを示している。例えば、SNR=8dBにおいて、1ビット/サンプルの秘密鍵レートを達成するために、レベル4のビット/サンプルで量子化することで十分であることが、表3から分かる。表4は、それよりも高いレベルの量子化ビット(つまり、第5、第6、第7、および第8のビット)が「無相関」であるため使用できないことを示している。
【0168】
【表4】
【0169】
表4において、太字体の数値は、対応するビットが単調性量子化ビットであり、イタリック体の数値は、対応するビットが「有用な」過剰量子化ビットであることを意味している。
【0170】
過剰量子化方式において、単調性量子化ビットは、サンプルがあるパーティションを判別するが、過剰量子化ビットは、そのパーティション内のサンプルの範囲を指定する。別の観点からは、過剰量子化ビットは、量子化エラー(の範囲)に関する部分的な情報(つまり、サンプルとその対応する量子との間の差異)を実際に含む。
【0171】
図8を参照すると、第1のWTRU210aは、過剰量子化ビットを送信する代わりに、そのサンプルの符号化されていない量子化エラーを第2のWTRUに送信することができる。符号化されていない量子化エラーの伝送は、過剰量子化ビットの無限数の伝送に相当する。符号化されていない量子化エラーを送信する方式は、ソフトエラー転送方式(soft error-forwarding scheme)として知られる。したがって、過剰量子化方式は、ハードエラー転送方式(hard error-forwarding scheme)とも呼ばれる。ソフトエラー転送方式を使用することにより達成される秘密鍵レートは、任意数の過剰量子化ビットでハードエラー転送方式を使用することにより達成される秘密鍵レートの限界である。ソフトエラー転送方式のデジタル実施に関連する量子化損失は、ここでは無視される。したがって、正確な量子化エラーは、エラーを生じることなく伝送されるものと仮定される。
【0172】
ソフトエラー転送方式に関する2つの実際的な問題は、対処される必要がある。第1の問題は、量子化エラーおよび秘密鍵の独立性に関するものである。量子化エラーの伝送は秘密鍵に関する情報を漏洩してはならないことが求められる。しかし、この要件は、ガウス確率変数を量子化する場合には達せられない。例えば、ゼロ平均の単位分散ガウス分布のレベル1の等確率量子化器のパーティションおよび量子は、以下のとおりである。
S1=(−∞,0]、S2=(0,∞)
および
q1=−0.6745、q2=0.6745
【0173】
サンプルX=2の量子化エラーは、X−q(X)=2−0.6745=1.3255である。この量子化エラーは、XがパーティションS2にあるはずであることを示すが、それ以外の場合は量子化エラーが0.6745以下になるからである。
【0174】
一様な確率変数の等確率の量子化において、量子化エラーは一様であり、パーティションから独立している。したがって、量子化エラーは一様な状況下で計算して伝送することが望ましい。これは、ガウス確率変数から一様な確率変数への1対1のマッピングを伴う。仮に、Xを、累積分布関数(CDF:cumulative distribution function)Fx(x)を伴う確率変数とする。すると、Y=Fx(x)は、以下のCDFを伴う確率変数である。
【0175】
【数55】
【0176】
これは、[0,1]での一様な分布のCDFである。つまり、Yは、[0,1]で一様分布される確率変数である。
【0177】
【数56】
【0178】
により、ゼロ平均の、単位分散ガウス分布のCDFを示す。次いで、Xがガウス確率変数である場合、φ(X)は一様な確率変数である。
【0179】
第1のWTRU210aは、元の量子化エラーX−q(X)を送信する代わりに、変換された量子化エラーE=φ(X)−φ(q(X))を送信することができる。そのようなエラーはパーティションq(X)から独立しており、υをパーティションの数として、
【0180】
【数57】
【0181】
で一様に分散される。したがって、この量子化エラーの伝送は、単調性量子化ビット(ひいては、秘密鍵)に関する情報を漏洩することはない。
【0182】
ソフトエラー転送方式に関する第2の実際的な問題は、LLRの計算時に発生する。過剰量子化方式において、過剰量子化ビットは、所定のパーティション内にサンプルの範囲を指定する。この範囲は無限数のサンプル値を含み、サンプルがこの範囲内にある確率は正である。ソフトエラー転送方式にあって、符号化されていない量子化エラーの伝送はすでに、可能なサンプル値の数を有限に(特に、パーティションの数と等しく)制限している。サンプルがこれらの可能なサンプル値のうちの1つを有する全確率は、サンプルが連続型であるので、ゼロである。
【0183】
確率は、確率密度と置き換えられる。例えば、図8に戻って参照すると、第1のWTRU230aがレベル1の等確率の量子化を使用して、そのサンプルXをシングルビットXb,1に量子化する場合、
【0184】
【数58】
【0185】
ここで、
【0186】
【数59】
【0187】
および
【0188】
【数60】
【0189】
Xb,1のLLRは、以下の式により与えられる。
【0190】
【数61】
【0191】
Z0は連続確率変数であるので、式(46)の分子または分母のいずれの確率もゼロである。しかし、確率を、確率密度と置き換えることにより、
【0192】
【数62】
【0193】
ここで、
【0194】
【数63】
【0195】
ただし、υはパーティションの数であり、1≦j≦υである。
【0196】
一般に、1≦i≦log2υとして、Xb,iのLLRは、以下の式により与えられる。
【0197】
【数64】
【0198】
ここで、Iは標識であり、[Gi(j)]k関数は式(40)のように定義される。
【0199】
図10は、本発明によるソフトエラー転送方式を使用することにより達成される秘密鍵レートに関するシミュレーション結果を示す図である。グレイ符号化および軟判定LLR計算方法がシミュレーションに使用され、以前と同じLDPCコードが使用される。ソフトエラー転送方式を使用することにより達成される秘密鍵レートは、図10の点線のように示される。ハードエラー転送方式を使用することにより達成される秘密鍵レート、およびエラー転送方式を使用しない秘密鍵レートも、比較のために図10に示されている。ソフトエラー転送方式から得られる秘密鍵レートは、ハードエラー転送方式を使用する場合よりも大きくなる。ソフトエラー転送方式から得られる秘密鍵レートは、ハードエラー転送方式から得られる秘密鍵レートの上界(upper bound)と見なすことができる。
【0200】
図2の秘密鍵生成システムにおいて、第1のWTRUの量子化ビットはすべて混合されて、シングルビットストリングXbを形成する。しかし、表4は、Xbの各量子化ビットが異なるエラー確率に対応することを示す。したがって、本発明のもう1つの実施形態によれば、各量子化ビットは、より高い秘密鍵レートに対して個別に処理されうる。この方法は、ビット単位処理方式(per bit processing scheme)と呼ばれる。
【0201】
図11は、本発明によるビット単位処理を実行するように構成された第1のWTRU210bを示すブロック図である。第1のWTRU210bは、チャネル推定器212b、後処理ユニット214b(オプション)、量子化ユニット216b、ソース符号化ユニット218b、複数のエラー訂正符号化ユニット220b1〜220bm、複数のPAプロセッサ222b1〜222bm、およびミキサー224を含む。第1のWTRU210bは、無線チャネルのCIR測定を通じてガウス確率変数Xを取得する。確率変数Xは量子化ユニット216bに入力され、そこで量子化された値が出力される。量子化された値は、ソース符号化ユニット218bによってビットストリングに符号化される。
【0202】
第1のWTRU210bがレベルmビット/サンプルでサンプルを量子化すると仮定する。これらのm個の量子化ビットは、同じブロック長であるが異なるレートのm個のブロックエラー訂正コードによってチャネル符号化される。これは、長さが異なるm個のビット単位のシンドロームP1,...,Pmをもたらす。これらのm個の符号化ビットは、各PAプロセッサ222b1〜222bmによって個別に処理される。PAプロセス222b1〜222bmのユニバーサルハッシュ関数は、同じ定義域(domain)を有するが、異なる範囲を備える。ユニバーサルハッシュ関数の範囲は、高レベルの量子化ビットに対してより小さくなる。PAプロセッサ222b1〜222bmの出力は、ミキサー224によって単一の秘密鍵に結合される。
【0203】
図12は、本発明によるビット単位処理を実行するように構成された第2のWTRU230bを示すブロック図である。第2のWTRU230bは、チャネル推定器232b、後処理ユニット234b(オプション)、複数の復号化ユニット236b1〜236bm、複数のPAプロセッサ238b1〜238bm、およびミキサー240を含む。第2のWTRU230bは、第1のWTRU210bと第2のWTRU230bとの間の無線チャネルのCIR測定を通じてガウス確率変数Yを取得する。第1のWTRU210bから受信された各ビット単位パリティビット(またはシンドローム)P1,...,Pmは、対応する復号化ユニット236b1〜236bmに入力される。各復号化ユニット236b1〜236bmは、受信されたシンドローム(またはパリティビット)および確率変数Yから第1のWTRU210bのソース符号化ビットを復号化する。第1の復号化ユニット236b1は、(Y,P1)に基づいて
【0204】
【数65】
【0205】
を復号化する。次いで、第2の復号化ユニット236b2は
【0206】
【数66】
【0207】
に基づいて
【0208】
【数67】
【0209】
を復号化し、以下同様に続く。
【0210】
【数68】
【0211】
の知識は、第1の復号化ユニットがより良好な
【0212】
【数69】
【0213】
のLLRを取得する上で役立つ。
【0214】
復号化ビットは各々、対応するPAプロセッサ238b1〜238bmに入力される。最後に、第2のWTRU230bは、第1のWTRU210bと同様の方法で、
【0215】
【数70】
【0216】
から秘密鍵を抽出する。PAプロセッサ238b1〜238bmおよびミキサー240は、第1のWTRU210bと同じ処理を実行する。PAプロセッサ238b1〜238bmの出力は、ミキサー240によって単一の秘密鍵に結合される。
【0217】
図13は、本発明によるビット単位処理を実行するように構成された第2のWTRU230bの代替実施形態を示すブロック図である。この代替において、ソースビットは、図12とは反対の順序で復号化される。m番目の復号化ユニット236bmは、(Y,Pm)に基づいて
【0218】
【数71】
【0219】
を復号化するが、これはm番目のPAプロセッサ238mによって処理され、最後から2番目の復号化ユニット236b(m−1)は、
【0220】
【数72】
【0221】
に基づいて
【0222】
【数73】
【0223】
を復号化するが、これはPAプロセッサ238b(m−1)によって処理され、以下同様に続く。
【0224】
図14および図15は、ビット単位処理方式を使用することにより達成される秘密鍵レートに関してパフォーマンスを比較するためのシミュレーション結果を示す図である。グレイ符号化および軟判定LLR計算方法がシミュレーションに使用される。レート1/2非単調LDPCコードに加えて、レート15/16単調(3,48)LDPCコード、レート7/8単調(3,24)LDPCコード、レート3/4単調(3,12)LDPCコード、レート5/8単調(3,8)LDPCコード、およびレート1/4単調(3,4)LDPCコードが使用される。これらすべてのコードのブロック長は4800ビットであり、確信度伝搬アルゴリズムの30回の繰返しが許容される。
【0225】
シミュレーション結果に基づいて、結果の秘密鍵レートに関して、第2のビット単位処理方式の方が、第1のビット単位処理方式よりも優れていることが判断される。図9と図15の比較によれば、第2のビット単位処理方式の方が、低いSNRにおいて、過剰量子化方式よりも優れている。これは、第2のビット単位処理方式が実際に、過剰量子化ビットの暗黙的伝送の概念を実施する、つまり過剰量子化ビットのシンドロームを伝送するからである。したがって、追加の秘密ビットは、過剰量子化ビットから抽出されうる。その結果、秘密鍵レートは増加する。
【0226】
秘密鍵レートについて図7に示されるすべての曲線は、複数の(SNR,秘密鍵レート)の点を描くことにより得られる。シミュレーションは、それらの(SNR,秘密鍵レート)の点の達成可能性を示すが、曲線上の他の点の達成可能性は示さない。秘密鍵レート曲線上の任意の点を達成する直接の方法は、その点に固有のチャネルコードを使用することである。そのチャネルコードのレートは、所定のSNRに合わせて特別に設計される。具体的には、コードレートの決定は、結果として得られるシンドロームの長さが最小であり、それでもなお正しい復号化を可能にするように行われる。
【0227】
この手法は、第1のWTRUおよび第2のWTRUが、各々特定のSNRに対して機能する無限数のチャネルコードを格納することを必要とする。しかし、これは実際的に実行不可能である。本発明は、複数チャネルコードの単純な実施を取り入れる。この実施により、第1のWTRUおよび第2のWTRUが格納する必要があるのは、単一の(または少数の)低レートLDPCコードだけである。
【0228】
前述の任意の実施形態による秘密鍵生成システムによれば、第1のWTRUは、その量子化ビットのシンドロームを第2のWTRUに送信する。多くの場合、第2のWTRUは、そのシンドロームのサブセットに基づいて第1のWTRUの量子化ビットを正しく復号化することができる。さらに、全シンドロームの伝送は、必要以上の多くの情報ビットが明らかにされるので、秘密鍵レートを低減することができる。したがって、第1のWTRUは、パリティビット(またはシンドローム)のパンクチャされたバージョンを伝送し、シンドローム(またはパリティビット)上のパンクチャ位置を第2のWTRUに知らせることができる。LDPCコードのランダム性を考慮して、パンクチャ位置は通常一様に分布される。
【0229】
実際に、パリティビットをパンクチャすることは、元のLDPCコードからより高いレートのLDPCコードを導き出すことと同等である。新しいLDPCコードのパリティチェック・マトリクスは、元のLDPCコードのパリティチェック・マトリクスから複数の行を単に選択することにより形成される。行の選択は、シンドローム上のパンクチャ位置によって決まる。さらに、パリティビット(またはシンドローム)のパンクチャされたバージョンは、新しいLDPCコードに関して、パリティビット(またはシンドローム)とまったく同じである。総称的に、パンクチャ方式は、変動の様々なレベルに対応するために、レート適合および可変コードレートを使用する場合である。
【0230】
第2のWTRUは、導き出されたLDPCコードを復号化に使用する。復号化に失敗した場合、第2のWTRUは、さらに多くのシンドロームビットを送信するよう第1のWTRUに依頼する。この手法により、必要以上のシンドロームビットが伝送されることはない。
【0231】
第1のWTRUおよび第2のWTRUに使用されている異なる雑音スケーリングおよび異なるCIR測定装置が原因で、第1のWTRUにおける実際のSNRは、第2のWTRUにおける実際のSNRとは相異なる可能性が高い(つまり、
【0232】
【数74】
【0233】
は
【0234】
【数75】
【0235】
とは異なっている可能性が高い)。この一般な事例において、式(13)の秘密鍵容量は、以下のように、SNRAおよびSNRBの関数として記述されてもよい。
【0236】
【数76】
【0237】
秘密鍵容量CsとSNRAおよびSNRBの点は、図16に示される。
【0238】
同一のSNRの場合に使用される同様の技法に従って、秘密鍵がこの一般的な事例のために生成されてもよい。図17〜図19は、SNRA=20dB、25dB、30dBにそれぞれ固定した、達成される秘密鍵レートとSNRBの関係を示す図である。ソフトエラー転送方式を使用して達成される秘密鍵レートは、図17〜図19の点線のように示される。達成される秘密鍵レートと秘密鍵容量との間の約1dBの隔たりは、これらの各図で観察される。これらのシミュレーション結果は、同一SNRの事例向けに開発された方式が、パフォーマンスを損失することなく、一般的な事例に直接適用されうることを証明する。
【0239】
本発明は、以下のように、多入力多出力(MIMO:multiple-input multiple-output)にまで及ぶ。全体的な手法は、スカラーの場合と同様であるが、同時ガウスベクトルのベクトル量子化がスカラー量子化に置き換えられる。第1のWTRUはTAアンテナを備え、第2のWTRUはTBアンテナを備える。第1のWTRUおよび第2のWTRUはいずれも、T=TA×TBの合計CIRを推定する。第1のWTRUの推定値のベクトルはhAであり、第2のWTRUの推定値のベクトルはhBである。これらのベクトルの各々は相関値を含み、この2つは高い相関関係にある。これに相当するのは以下の式である。
hA=MAh+zA; 式(51)
hB=MBh+zB 式(52)
ここで、MAおよびMBは適切にサイズ変更されたマトリクスであり、zA、zBは雑音ベクトルであり、hは、各送信機および受信機構成に関連する一部の既知のマトリクスを通じて各端末において変更される「真の」CIRベクトルである。
【0240】
MIMOの場合は、以下のような一部の軽微な変更により、MIMO以外の場合と同様の方法で対処される。
1)雑音ベクトルが白色ではない(ただし既知の共分散である)場合、第1のWTRUおよび第2のWTRUにおいて雑音白色化フィルタが必要となることもある。
2)雑音白色化フィルタとマトリクスMAおよびMBに関する情報は、暗号化されていない文章で第1のWTRUと第2のWTRUとの間で交換される。
3)同時ガウスベクトルのベクトル量子化は、スカラー量子化の代わりに使用される。
【0241】
第1のWTRUおよび第2のWTRUは、MIMOチャネルを、仮想シングルアンテナ非干渉サブチャネルの特性を有する複数の固有モードに分割する。次いで、第1のWTRUおよび第2のWTRUは、本発明で説明される任意の方法を適用することにより、少なくとも1つの固有モードから秘密鍵を生成することができる。
【0242】
図2に戻って参照すると、後処理ユニット214、234に関して、サンプルされたCIRは、第1のWTRU210と第2のWTRU230とのサンプリング時間差によって生じる雑音を取り除いてCIRサンプルの冗長性を除去するため、ポストプロセッサ214、234によって処理されてもよい。サンプルされたCIRは、高い相関関係にあるサンプルを備える。完全なエントロピー・ストリングを生成するために、サンプル間の相関を除去することが必要である。背景技術において述べられているように、マルチパスチャネルの場合、すべてのサンプルから数個のサンプル(パスごとに1つのサンプル)を単に選択することでは、それらの選択されたサンプルが相互に相関するので、機能しない。もう1つの実際的な問題は、2つの端末の間のサンプリング時間の差に関連する。しかし、サンプリング・レートを単に増大することには、非常に冗長なサンプルを生成するという欠点がある。本発明は、サンプルされたCIRから相互の無線チャネルの個別のパルスα(t)を再構築するために使用される直交貪欲アルゴリズム(OGA:Orthogonal Greedy Algorithm)を使用することによって、これらの問題を好ましく解決する。
【0243】
これ以降、詳細なOGAのオペレーションについて説明する。仮にH(f)およびP(f)がそれぞれ、サンプルされたCIRのフーリエ変換h[n]、およびサンプルされたパルス波形p[n]=p(nTs)であるものとする。仮に、THRをあらかじめ定められた閾値とする。Hι(f)=H(f)、およびι=1に設定する。
【0244】
ステップ1:||Hι(f)−meJφP(f)e-J2πfτ||2を最小化するm>0、φ∈[0,2π)かつτ∈Rを見つける。これらをmι、φι、τιによって示し、
【0245】
【数77】
【0246】
とする。
【0247】
ステップ2:
【0248】
【数78】
【0249】
に設定する。
【0250】
ステップ3:||Hι+1(f)||2<THRである場合、(α1,τ1),...,(αι,τι)を出力して停止する。それ以外の場合、ι=ι+1として、ステップ1に戻る。
【0251】
ステップ1から、以下の式が導かれ、
【0252】
【数79】
【0253】
および
【0254】
【数80】
【0255】
ここでpτ[n]=p(nTs−τ)であり、hι[n]はHι(f)の逆フーリエ変換である。式(53)および(54)は、p(t)のすべての遅延するサンプルされたバージョンに対して第1の相関するhι[n]を示す。最適なτιは、相関の絶対値が最大となる遅延であり、最適なφιは、τιにおける相関の角度を引いたものであり、最適なmιは、P(f)のι2ノルムの2乗で除算された、τιにおける相関の絶対値である。
【0256】
実際には、すべてのτの値に対して相関させることは不可能である。
【0257】
【数81】
【0258】
および
【0259】
【数82】
【0260】
は、(τ1−τ2)が整数である場合、相互に遅延したバージョンである。時間グリッド間隔がある整数TGについて
【0261】
【数83】
【0262】
であるようにタイムラインが離散化される場合、フィルタの有限バンクが実施され、異なるわずかな遅延τ∈[0,1)に対して各々がpτ[n]を表す。したがって、ディクショナリは実際には、各々
【0263】
【数84】
【0264】
だけ遅延した、パルス波形の集合である。このディクショナリは、最も希薄な問題を解決するためにOGAに要求される制約を満たさないこともあり、OGAによって与えられる最も希薄な解決策は常に正しいものとは限らないこともある。このことは、シミュレーションから明らかである。
【0265】
あるいは、ある閾値を下回る残余信号のι2ノルムの代わりに、OGAの代替停止規則が、選択された信号の絶対値を基にすることもできる。つまり、選択された信号の絶対値があらかじめ定められた閾値を下回る場合、この「信号」は雑音と見なされ、アルゴリズムは停止する。したがって、OGAの最後のステップは、以下のステップに置き換えられる。
ステップ3(代替):mι<THRである場合、(α1,τ1),...,(αι-1,τι-1)を出力して停止する。それ以外の場合、ι=ι+1として、ステップ1に戻る。
その他の停止規則も適用されうるが、簡単にするため、本発明ではこれ以降、この代替の停止規則のみを考察する。
【0266】
OGAループが終了する時期は、閾値によって決まる。大きい閾値は、より少ない反復(ひいては、より少ないパルスまたはパス)に対応するが、小さい閾値は、多数の反復(ひいては、多くのパルスまたはパス)に対応する。適切な閾値は、OGAが適正数の基礎のパスを検出するために不可欠である。
【0267】
固有値は一般にSNRおよびサンプリング・レートと共に増大するので、良好な閾値を見出すことは容易ではない。閾値が定数である場合、OGAによって検出されるパスの数はSNRおよびサンプリング・レートと共に増大する。このことは、3GPP WG4 Case3のチャネルについて図20で示されている。図10における過剰サンプリング・レートは、伝送帯域幅を所与とするナイキスト比率に対する実際のサンプリング・レートの比率を表す。過剰サンプリング・レート=2において、OGAにより検出される平均パス数は、SNR=15dBのとき約2であり、この数はSNR=30dBにおいて5まで増大することが、図20に示される。
【0268】
あるいは、閾値は、信号自体に連係させることもできる。例えば、閾値は、第1の選択された信号の絶対値の一部として設定される。閾値は、例えば、第1の選択された信号の絶対値の0.8+SNR(dB単位)/10に設定されてもよい。このことには、2つの重要な利点がある。実際のチャネル状態の認識に依存することが著しく少ないので、現実のシナリオにおいてさらに一層堅固である。加えて、OGAが常時少なくとも1つの値を出力することを保証する。
【0269】
OGAのステップ3は、以下のように詳細化される。
ステップ3(代替):
【0270】
【数85】
【0271】
かつι>1である場合、(α1,τ1),...,(αι-1,τι-1)を出力して停止する。それ以外の場合、ι=ι+1として、ステップ1に戻る。
【0272】
閾値を計算するその他の方法またはその他の閾値が使用されうるが、シミュレーションでは、この相対的な閾値を使用して、SNRが10dBから35dBの間であるときに、OGAによって検出される平均パス数はSNRおよびサンプリング・レートに対してほぼ不変の状態であることを示している。さらに、その平均数は、ほとんどのWG4のチャネルで基礎をなすパスの数に近い。例えば、図21および図22は、WG4 Case1およびWG4 Case3のチャネルの各々について、この相対的な閾値によるOGAによって検出されるそれぞれの平均パス数を示している。WG4 Case1およびWG4 Case3のチャネルの各々について、検出されるパスの平均数は約1.8および2.5(2および4の基礎のパスと比較して)であることが、図21および図22から確認されうる。この相対閾値は、これ以降すべてのシミュレーションに使用されうる。
【0273】
OGAの目的は、第1のWTRUおよび第2のWTRUの両方において同じパスを見出すことである。OGAは一例として提供されており、マルチパスコンポーネントを検出する任意の従来の方法がこの目標のために実施されうることに留意されたい。したがって、単独のOGA適用のエラーレートが両端末においてテストされる。第1のWTRUおよび第2のWTRUによって検出されるパス遅延の2つのリストが比較される。より長いリストと比較したとき、より短いリストのパス遅延に対して、許容エラー限度内に対応する値がない場合、エラーが宣言される。許容度を測定する多くの形態が使用されてもよく、この場合、チャネル伝送のシンボル時間区分(例えば、CDMAのチップタイム時間区分)の20%は許容限度として使用される。より長いリストにおける「余分の」パスは、エラーとは見なされない。図23は、WG4 Case3のチャネルの両端末における単独のOGA適用のエラーレートを示す。エラーレートは低SNRにおいて高いが、SNRと共に減少することが、図23から分かる。このエラーは、以下で説明する一部の方式のパフォーマンスに影響を及ぼす。
【0274】
OGAをそのチャネル観測に単独で適用することにより、各端末はパス遅延τιおよびパス振幅αιのペアのシーケンスを取得することができる。パス振幅は、独立した複素ガウス確率変数であるため、これはそれ以降の秘密鍵構築に活用される。パス遅延は、補足的情報として、第1のWTRUおよび第2のWTRUがそれらの測定値を調整することができるようにする。
【0275】
これらのパス振幅の平均がゼロであることは知られているが、(各シングルパスはレイリーフェージングを経験するので)、これらのパス振幅の分散は不明である。量子化中に、これらのパス振幅の分散に関する知識は、量子化プロセスを容易にする。この知識は、推定によって取得されてもよい。分散の推定は、異なる平均パス電力が異なるパス分散を導くので、パスごとに実行されるべきである。
【0276】
前述の方式に従って、OGAは、第1のWTRU210および第2のWTRU220において1回適用される。したがって、この方式は、シングルパス方式(single pass scheme)と呼ばれる。
【0277】
あらゆるチャネル観測に対してすべての基礎のパスがOGAによって検出されるわけではなく、検知されないパスに含まれる情報の損失、および両端末における単独OGA適用のエラーレートは、シングルパス方式のパフォーマンス低下をもたらす。
【0278】
あるいは、OGAは、パスサーチャーの一部として1回、そして独立したサンプルジェネレータとして1回、合計2回適用されてもよい。パス位置を検出する代替の手段(例えば、CDMA方式におけるようなパスサーチャー)が採用されてもよい。図24は、本発明による第1のWTRU210のポストプロセッサ214および第2のWTRU230のポストプロセッサ234を示すブロック図である。ポストプロセッサ214は、第1のOGAユニット302、パス遅延推定器304、第2のOGAユニット306、および複数の正規化ユニット308を含む。ポストプロセッサ234は、第1のOGAユニット312、第2のOGAユニット316、および複数の正規化ユニット318を含む。
【0279】
第1のOGAユニット302、312はパスサーチャーの一部であり、第2のOGAユニット306、316は独立したサンプルジェネレータとして機能する。入力信号としてサンプルされたCIRを使用して、第1のOGAユニット302、312は基本OGAオペレーションを実行する。しかし、パス遅延およびパス振幅のペアではなく、第1のOGAユニット302、312の出力は、パス遅延のみである。あらゆるチャネル観測から検出されるパス遅延は、ほぼ基礎のパスの遅延であると考えられるが、同一であることが保証されるわけではない。
【0280】
第2のWTRU230の第1のOGAユニット312は、チャネルの基礎のパスの遅延を推定するために、その検出されたすべてのパス遅延を第1のWTRU210のOGAユニット302に送信する。パス遅延推定器304は、第1のWTRU210と第2のWTRU230の間のサンプリング時間差を判定して(ステップ1)、両端末における単独のOGA適用から生じるペアになっていないパス遅延を廃棄し(ステップ2)、第1のWTRU210および第2のWTRU230の基礎のパスの遅延を推定する(ステップ3)。
【0281】
ステップ1において、タイムラインは小さい区分に分割され、パス遅延推定器304は、各区分で第1のWTRU210および第2のWTRU230の検出されたパス遅延の数をそれぞれカウントする。例えば、各時間区分の期間は、伝送されるシンボル期間の数分の一、0.125として設定されてもよい。第1のWTRU210と第2のWTRU230の間のサンプリング時間差は、各時間区分の単位で各々の検出されたパス遅延の分布を比較することにより判定される。
【0282】
例えば、サンプリング時間差は、最大数の検出されたパス遅延を含む第1のWTRU210と第2のWTRU230の2つの時間区分の間の差として設定されてもよい。あるいは、特定数の検出されたパス遅延よりも多くの遅延を含む第1のWTRU210と第2のWTRU230の2つの第1の時間区分の間の差として設定されてもよい。次いで、第2のWTRU230のすべてのパス遅延は、推定されたサンプリング時間差に従って調整される。図25は、SNR=20dBにおけるWG4 Case3のチャネルについて、検出されたパス遅延の正規化周波数のヒストグラムで例を示す。グラフは、1000のチャネル観測に基づいている。
【0283】
ステップ2において、パス遅延推定器304は、第1のWTRU210および第2のWTRU230によって検出されたパス遅延の2つのリストを比較する。より短いリストのパス遅延に対して、より長いリストのチャネル送信シンボル時間の20%の許容限度内に対応する値がある場合、このパス遅延のペアは、同一パスであると仮定することができる。すべての「ペアになっていない」パス遅延は廃棄される。ステップ1のパス遅延を所与として、図25に示されるヒストグラムと共に、ステップ2以降の残りのパス遅延の正規化周波数のヒストグラムが図26に示される。図26の曲線は、図25の曲線よりもなだらかであることが分かる。
【0284】
ステップ3において、パス遅延推定器304は、第1のWTRU210の基礎のパスの遅延を時間区分の先頭として設定するが、これらは「局所的に」最大のパス遅延数を含み、その数は特定の閾値を超える。閾値は、残りのパス遅延の合計数の0.01として選択されてもよい。時間区分は、その先行および後続の4つの隣接する区分にこの区分よりも少ないパス遅延カウントが含まれる場合、局所的に最大のパス遅延数を含むと考えられてもよい。例えば、上記の閾値を使用して、図26に示される分布の推定パス遅延は、ほぼ(7.125、8.125、9.125、10.25)チップ時間区分である。パス遅延推定器304は、第2のWTRU230の基礎のパスの遅延を、第1のWTRU210の推定パス遅延にそれらのサンプリング時間差を加えたものとして設定する。
【0285】
前述の方法によるパス識別は、CDMA方式のレーキ受信機など、または等化器のタップを配置するため、受信機でパス検出に使用されてもよい。
【0286】
シミュレーションは、第1のOGAユニットおよびパス遅延推定器(選択された閾値を持つ)が、ほとんどの3GPP WG4のチャネルにかなり良好に機能することを示している。表5は、3GPP WG4チャネルで検出されたパスの数を示す。3GPP WG4 Case1/2/3のチャネルと、ITU PB3およびITU VA30のチャネルにすべての基礎のパスが検出されることが、表5から分かる。
【0287】
【表5】
【0288】
上記のパスサーチャーは、(例えば、レーキ受信機または等化器から取得されたタップ情報を利用することにより)、代替の方法で実施されてもよい。
【0289】
パス遅延推定器304は、第2のWTRU230の基礎のパスの遅延を、第2のWTRU230に送信する。第2のOGAユニット306、316は、基礎のパスの遅延および入力としてサンプルされたCIRを使用して、OGAオペレーションを実行する。第2のOGAユニット306、316は、所定のパス遅延τιに対して、式(53)および(54)に従ってその対応するパス振幅
【0290】
【数86】
【0291】
を決定し(ステップ1)、
【0292】
【数87】
【0293】
を設定して(ステップ2)、所定パス遅延全体にわたり(τ1,...,τL)反復して(α1,...,αL)を出力する(ステップ3)。
【0294】
この場合の反復の回数は、推定された基礎のパスの数になるように固定されるので、停止閾値は必要とされない。第2のOGAユニット306、316の出力(つまりパス振幅)は、独立したガウス確率変数であるが、これらはそれらの推定された分散に基づいて正規化ユニット308、318によって単位分散に正規化される。
【0295】
第1のWTRU210と第2のWTRU230との間でパス遅延を交換する目的は、ペアになっていないパス遅延を廃棄することによりOGAの単独適用からエラーを低減することである。ペアになっていないパス遅延は、誤ったパス遅延である可能性が極めて高い。ペアになっていないパス遅延を除去することにより、真のパスが明らかになる。例えば、図26における4つのピーク(WG4 Case3チャネルの4つのパスを示す)は、図25におけるよりもさらに顕著である。加えて、ペアになっていないパス遅延を除去することにより、基礎のパスの遅延を正しく推定するために必要なチャネル観測が少なくてすむ。
【0296】
図27は、本発明の代替実施形態による第1のWTRU210のポストプロセッサ214’および第2のWTRU230のポストプロセッサ234’を示すブロック図である。ポストプロセッサ214’は、第1のOGAユニット302’、パス遅延推定器304’、第2のOGAユニット306’、および複数の正規化ユニット308’を含む。ポストプロセッサ234’は、第1のOGAユニット312’、パス遅延推定器314’、第2のOGAユニット316’、および複数の正規化ユニット318’を含む。この代替において、第1のWTRU210および第2のWTRU230は、基礎のパスの遅延を、相互に通信することなく個別に推定する。第1のOGAユニット302’、312’および第2のOGAユニット306’、316’は、従来どおりのオペレーションを実行するが、パス遅延推定器304’、314’は簡略化される。パス遅延推定器304によって実行される最初の2つのステップは、この実施態様において必要ないが、第3のステップのみが実行される。閾値は、検出されたパス遅延の合計数の0.016として選択されてもよい。
【0297】
表6は、表5におけるようにパスの所定数を推定するために両方の実施態様に必要とされるチャネル観測の最小数を示す。パス遅延を正しく推定するために第2の実施態様に必要とされるチャネル観測の最小数は、第1の実施態様の場合に比べて大きくなる。
【0298】
【表6】
【0299】
上記のパスサーチャーは、(例えば、レーキ受信機または等化器から取得されたタップ情報を利用することにより)、代替の方法で実施されてもよい。
【0300】
シングルパスまたはダブルパスのOGA適用後、第1のWTRU210および第2のWTRU230は、推定されたパスあたり1シーケンスずつ、正規化ガウス確率変数の複数のシーケンスを取得する。これらのシーケンスは、1つのシーケンスに連結されてもよく、秘密鍵は前述のように生成することができる。この方式に従って、複数のパスからのガウス確率変数は、秘密鍵を生成する前に混合される。したがって、この方式は、混合処理(mixed processing)と呼ばれる。詳細には、混合処理により、異なるパスからのすべての正規化ガウス確率変数は、同一レベルにおいて量子化され(つまり、サンプルあたり同じビット数)、量子化レベルは基準パスのSNRによって決まる。
【0301】
マルチパスフェージングチャネルの平均パス電力の相異により、各パスは、基準パスのSNRとは異なる可能性の高い個々のSNRに対応する。したがって、1つのパスからの2つの端末の対応するガウスシーケンス間の相関は、別のパスのものとは異なる場合もある。その結果、異なるパスから生じたガウス確率変数が異なる量子化レベルまたはステップサイズでサンプルされ、そのためパスのサンプルされた信号レベルが、基準パスのSNRではなく、そのパスの実際のSNRに依存するので、各パスのガウスシーケンスでの個別の処理は、より高い秘密鍵レートをもたらしうる。一般に、高いSNRに対応するパスから生じるガウス確率変数は、低いSNRパスの場合に比べてより多くのサンプルあたりビットを生成するようにサンプルされる。各パスのSNRは、平均パス振幅の2乗に比例するので、推定することができる。
【0302】
ガウス確率変数をパス単位のビットストリングに量子化した後、第1のWTRU210は、パス単位のビットストリングのシンドロームを(1つまたは複数の所定のLDPCコードに関して)第2のWTRU230に送信することができる。次いで第2のWTRU230は、第1のWTRU210のパス単位のビットストリングをすべて復号化する。WTRU210、230は共に、第1のWTRU210のパス単位のビットストリングから秘密鍵を抽出する。この方式は、各パスの個別のプロセスを操作するので、パス単位の処理(per path processing)と呼ばれる。パス単位の処理は、前述のビット単位の処理とは異なることに留意されたい。ビット単位の処理は、シングルパスからの各量子化ビットを個別に処理することを意味する。
【0303】
あるいは、パス単位の量子化の後、第1のWTRU210は、生じたすべてのビットストリングを1つのビットストリングに連結することができ、結果として得られたシングルビットストリングのシンドロームを第2のWTRU230に送信して、これから秘密鍵を抽出する。次いで、第2のWTRU230は、受信したシンドロームを使用してビットストリングのその等価の表現を復号化し、そこから同じ方法で秘密鍵を抽出する。この代替は、混合処理と呼ばれる。
【0304】
混合処理の実施態様は単純であるが、パス単位の処理方式の一環としての個別の処理のオペレーションは、解決される必要のあるシステムレベルの問題をもたらす。中心的な課題は、検出されるパスの各々に対して生成されるシンドロームのビットストリームが複数あることである。それにもかかわらず、これらのビットは同じエアーインターフェースを介して送信され、受信側はどのビットがどのパスに属すかを識別するよう要求される。さらに、各プロセスは異なる時間に完了し、このことが2つのWTRU210、230の間の同期を失う可能性をもたらす。
【0305】
どのシンドロームがどのパスに属すかを識別することは、これらのビットを搬送するパケットにラベル付けすることによって行われてもよい。パケットは、パケットがどのパスに関連しているかを識別するために使用される情報を持つパケットヘッダを含む。WTRU210、230が共に、ダブルパス方式の第1の実施態様によって保証される同数のパスを検出する場合、パスを識別するにはパケットヘッダにパス索引を含めることで十分である。
【0306】
WTRU210、230がまったく同じ数のパスを識別したことが保証されない場合、パスは、最も早いパスに関連するか、最大振幅のパスに関連するか、または識別されたパスの全部または部分に関連する相対パス遅延を使用して識別されてもよい。この手法は、オーバーヘッドを完全に回避する。この手法はまた、パスの位置を明らかにすることはない。そのような位置情報は、何らかの秘密性を含むが、秘密性レートはパス振幅から取得されるレートと比較すると大幅に低くなる(ほとんど無視できる)。しかしながら、特定の用途においては、これを保持するだけの価値がある場合もある。符号化の代替方法は、パスごとに固定の最大データ構造を使用することができ、そのため符号化は情報が保持される位置において暗黙的である。これは、データ伝送に冗長性をもたらすが、情報をもらすことはない。
【0307】
OGAに加えて、確率変数のサンプル間の相関を除去する代替の方法は、CIRサンプルの差分符号化を使用するものである。
【0308】
OGAに加えて、確率変数のサンプル間の相関を除去する方法の1つは、圧縮である。相関関係のあるサンプルを圧縮することは、それらのサンプル内の冗長性の低減に役立つ。しかし、圧縮は、秘密鍵生成には実行不可能である。従来の圧縮アルゴリズムは通常、所定のサンプルからメッセージを抽出し、それらをコンパクトな形態で記述する。したがって、コンパクトな記述はメッセージに依存し、類似しているが同一ではない2つのメッセージのコンパクトな記述は異なる形態のものになる可能性が高い。
【0309】
秘密鍵生成において、第1のWTRUの観測のコンパクトな記述はおそらく、それぞれの観測のわずかな相異が原因となり、第2のWTRUの観測のコンパクトな記述とはまったく異なる形態になる。例えば、同じ長さでBER=0.1を持つ2つの類似するビットストリングを考察する。これらの2つのビットストリングが、同一チャネルのそれぞれの観測から導き出されるものと仮定する。したがって、これらのストリングには多くの冗長性がある。これらの2つのストリングがバローズ−ホィーラー(BWT)のような従来の圧縮アルゴリズムにより圧縮される場合、2つの圧縮されたストリングのBERは、0.5もの大きさになる。さらに、2つの圧縮されたストリングは、異なる長さである可能性が極めて高い。したがって、それぞれのチャネル観測を圧縮することは、それ以降の秘密鍵生成に課題をもたらす。
【0310】
圧縮により相関を除去する第2の機会は、2つのWTRU210、230が同じ冗長ストリングについて一致した後である。しかし、両WTRU210、230のプロセスがこの冗長ストリングについて一致するプロセスは、あまりに多くの「相関ビット」が明らかにされる状態を伴う場合もある。これは、達成される秘密鍵レートを大幅に減少させることになる。秘密鍵がまったく生成されない可能性すらある。
【0311】
時間領域における遅延は、周波数領域における位相シフトに相当する。数学的には、h(t−τ)のフーリエ変換はH(f)e-j2πfτである。時間領域におけるサンプリング時間差を推定する代わりに、各WTRU210、230は、周波数領域におけるその観測される信号の位相シフトを推定する。信号の位相シフトは、線形回帰により概算されてもよい。線形回帰は、一連の点を通じて最善の可能な直線を適合するプロセスである。これは多くの場合、較正点のセットを単純な数学的関係に縮小するために使用される。
【0312】
線形回帰の手法によるサンプリング時間差を推定するエラーレートは、シミュレーションによって検査される。推定されたサンプリング時間差が基本のサンプリング時間差からのチャネル伝送シンボル時間区分の20%を超える場合、エラーが宣言される。図28は、ITU PB3チャネルの推定エラーレートを示す。エラーレートは、各チャネル観測に推定が行われるのに応じて高くなる。シミュレーションでは、複数のチャネル観測から相異時間オフセットを平均すると、全体的な推定エラーレートが大幅に減少する(例えば、SNR=15dBにおいて0.01未満)ことを示している。シミュレーションにおいて、サンプリング・レートはナイキスト比率の2倍であり、基本のサンプリング時間差はチップ時間区分の20%として設定される。
【0313】
図29〜図37は、多くのWG4チャネルについて、異なるOGA適用方式(つまり、シングルパスまたはダブルパス)、および異なる後処理方式(つまり、混合処理またはパス単位の処理)から得られる秘密鍵レートに関するシミュレーション結果を示す。シミュレーションでは、第1のWTRUは等確率の量子化およびグレイ符号化を使用して、ガウスサンプルをビットストリングに符号化する。(所定のLDPCコードに関して)このビットストリングのシンドロームは、第2のWTRUに伝送される。次いで、第2のWTRUはそのビットストリングを復号化しようと試みるが、そこで対数尤度比が軟判定される。最後に、両方のWTRUは、公的に明らかにされた情報(つまり、シンドローム)をそのビットストリングから細分して(hash out)、純粋に秘密のビットを残す。シミュレーションにおいて、非単調LDPCコードは、レート=1/2、ブロックサイズ=4800ビット、および以下のような次数分布ペアと共に使用される。
λ(x)=0.071428x+0.230118x2+0.079596x9+0.147043x10+0.073821x48+0.397994x49、
ρ(x)=x27
確信度伝搬アルゴリズムの30回の繰返しが許容される。すべてのシミュレーションで、10-4のターゲット秘密鍵BERが達成される。
【0314】
シングルパスおよび混合処理方式を使用することにより達成されるWG4 Case3チャネルの秘密鍵レートは、図29に示される。達成される秘密鍵レートは、上界よりもはるかに低い。これは、SNR<30dBにおけるシングルパスレイリーチャネルの秘密鍵容量よりもさらに低い。低い秘密鍵レートは、部分的には紛失したパスが原因であり、また部分的には両端末における単独のOGA適用によるエラーが原因である。
【0315】
図30は、シングルパスおよび混合処理方式を使用することにより達成されるWG4 Case1チャネルの秘密鍵レートを示す。達成される秘密鍵レートは、同様の理由から低くなる。
【0316】
図31は、ダブルパスおよび混合処理方式を使用することにより達成されるWG4 Case3チャネルの秘密鍵レートを示す。図29と比較すると、秘密鍵レートは大幅に増大している。これは、WG4 Case3チャネルの4つの基本のパスすべてが、ダブルパス方式を使用することによって検出されるからである。
【0317】
ダブルパスおよび混合処理方式を使用することにより達成されるWG4 Case1チャネルの秘密鍵レートは、図32に示される。WG4 Case3チャネルの場合とは異なり、WG4 Case1チャネルの結果の秘密鍵レートは依然として低い。WG4 Case1チャネルは、それぞれの相対的な平均電力に大きな差のある(差は10dB)2つのパスで構成される。両方のパスからのガウス確率変数が同一のレベルで量子化されるとき、2つの結果のビットストリングは、他の端末上のビットストリングと異なる相関関係を持つ。詳細には、第2のパスから導き出された2つの対応するストリングのBERは、第1のパスから導き出された場合よりもはるかに高くなる。両方のパスから導き出されたストリングの混合は、2つの端末における結果のストリングの比較的高いBERをもたらすが、これは共通の秘密鍵の生成を妨げる。したがって、混合処理方式は、結果として、平均パス電力に大きな差のあるマルチパスチャネルの低い秘密鍵レートをもたらす。この問題は、パス単位の処理方式によって対処されうる。
【0318】
図33は、ダブルパスおよびパス単位の処理方式が使用される場合の達成される秘密鍵レートを示す。2つのパスからの2つの秘密鍵レートの合計としての、全体の達成される秘密鍵レートは、上界の2.5ビットの範囲内である。
【0319】
図34〜図37は、ダブルパスと混合処理方式、およびダブルパスとパス単位の処理方式を使用することにより達成される、WG4 Case2、ITU PA3、ITU PB3、およびITU VA30チャネルのそれぞれの秘密鍵レートを示す。WG4 Case2チャネルの場合を除き、パス単位の処理方式から得られる秘密鍵レートは、混合処理方式から得られる秘密鍵レートよりも常に高くなる。これは、程度の差はあるが、それらのチャネルの平均パス電力の相異による。WG4 Case2チャネルの場合、混合処理方式およびパス単位の方式は、WG4 Case2チャネルの3つの基礎のパスがすべて同じ平均電力であるため、達成される秘密鍵レートにまったく相異を生じない。
【0320】
達成される秘密鍵レートとITU PA3チャネルの秘密鍵レートの上界との間の大きなギャップは、図35に示されている。明瞭な説明は、4つの基本のパスのうち2つのパスだけが、パスサーチャーによって検出されることである(表1)。達成される秘密鍵レートは2つの検出されたパスに基づくが、上界は4つの基礎のパスすべてから導き出される。
【0321】
<実施形態>
1.第1のWTRUおよび第2のWTRUにより共有される同時ランダム性から秘密鍵を生成する方法。
【0322】
2.第1のWTRUがチャネル推定を実行して、第1のWTRUと第2のWTRUとの間のチャネル上に第1のサンプルされたCIRを生成するステップを備える実施形態1に記載の方法。
【0323】
3.第2のWTRUがチャネル推定を実行して、第1のWTRUと第2のWTRUとの間のチャネル上に第2のサンプルされたCIRを生成するステップを備える実施形態1〜2のいずれかに記載の方法。
【0324】
4.第1のWTRUが第1のサンプルされたCIRから第1のビットのセットを生成するステップを備える実施形態2〜3のいずれかに記載の方法。
【0325】
5.第1のWTRUが第1のビットのセットから秘密鍵およびシンドロームを生成するステップを備える実施形態4に記載の方法。
【0326】
6.第1のWTRUがシンドロームを第2のWTRUに送信するステップを備える実施形態5に記載の方法。
【0327】
7.第2のWTRUがシンドロームおよび第2のサンプルされたCIRから第2のビットのセットを生成するステップを備える実施形態6に記載の方法。
【0328】
8.第2のWTRUが2のビットのセットから秘密鍵を生成するステップを備える実施形態7に記載の方法。
【0329】
9.第1のWTRUが第1のサンプルされたCIRの量子化を実行して量子化ビットを生成するステップを備える実施形態4〜8のいずれかに記載の方法。
【0330】
10.第1のWTRUが量子化ビットにソース符号化を実行して第1のビットのセットを生成するステップを備える実施形態9に記載の方法。
【0331】
11.第1のWTRUは確率量子化およびMMSE量子化のうちの1つを実行する実施形態9〜10のいずれかに記載の方法。
【0332】
12.第1のWTRUは自然符号化およびグレイ符号化のうちの1つを実行する実施形態10〜11のいずれかに記載の方法。
【0333】
13.第1のWTRUは過剰量子化を実行して単調性量子化ビットおよび過剰量子化ビットを生成し、単調性量子化ビットからシンドロームおよび秘密鍵を生成し、過剰量子化ビットおよびシンドロームを第2のWTRUに送信し、第2のWTRUがさらに過剰量子化ビットに基づいて第2のビットのセットを生成する実施形態9〜12のいずれかに記載の方法。
【0334】
14.第1のWTRUは第1のサンプルされたCIRの量子化エラーを第2のWTRUに送信する実施形態13に記載の方法。
【0335】
15.第2のWTRUは軟判定を使用してLLRを計算し、第2のビットのセットを生成する実施形態13〜14のいずれかに記載の方法。
【0336】
16.第1のWTRUが、量子化エラーを一様な確率変数にマッピングすることにより量子化エラーを変換し、それにより変換された量子化エラーは量子化パーティションから独立し、一様に分布されるステッ
プを備える実施形態13〜15のいずれかに記載の方法。
【0337】
17.第1のWTRUは、バイナリLDPC符号化、リード−ソロモン符号化、ターボ符号化、および差分符号化のうちの少なくとも1つを実行してシンドロームを生成する実施形態5〜16のいずれかに記載の方法。
【0338】
18.第2のWTRUはビット単位LLRを計算して第2のビットのセットを生成する実施形態7〜17のいずれかに記載の方法。
【0339】
19.第2のWTRUは硬判定を使用してLLRを計算する実施形態18に記載の方法。
【0340】
20.第2のWTRUは軟判定を使用してLLRを計算する実施形態18に記載の方法。
【0341】
21.第1のWTRUは第1のビットのセット内の各ビットを個別に処理して複数のビット単位シンドロームを生成する実施形態5〜20のいずれかに記載の方法。
【0342】
22.第2のWTRUは各ビット単位シンドロームを連続的に処理して第2のビットのセットを生成する実施形態21に記載の方法。
【0343】
23.第2のWTRUは第1のビット単位シンドロームから始まるビット単位シンドロームを処理し、第2のビットのセットの第1のビットのセットから始まる第1のビットのセットを生成する実施形態21〜22のいずれかに記載の方法。
【0344】
24.第2のWTRUは最後のビット単位シンドロームから始まるビット単位シンドロームを処理し、第2のビットのセットの最後のビットのセットから始まる最後のビットのセットを生成する実施形態21〜22のいずれかに記載の方法。
【0345】
25.ソース符号化のレートは、第2のWTRUにおける正しい復号化を可能にしながら、シンドロームの長さを最小にするように決定される実施形態7〜24のいずれかに記載の方法。
【0346】
26.第1のWTRUがシンドロームをパンクチャするステップを備える実施形態5〜25のいずれかに記載の方法。
【0347】
27.第1のWTRUがパンクチャされたシンドロームのバージョンを伝送するステップを備える実施形態26に記載の方法。
【0348】
28.第1のWTRUがシンドロームのパンクチャ位置を第2のWTRUに知らせ、それにより第2のWTRUがパンクチャされたシンドロームのバージョンに基づいて第2のビットのセットを生成するステップを備える実施形態27に記載の方法。
【0349】
29.第2のWTRUがパンクチャされたシンドロームのバージョンを使用することにより第2のビットのセットを生成できない場合、第2のWTRUがさらに多くのシンドロームビットを第1のWTRUに要求するステップを備える実施形態27〜28のいずれかに記載の方法。
【0350】
30.第1のWTRUおよび第2のWTRUは複数のアンテナを含み、各アンテナ組合せに対してサンプルされたCIRを生成する方法2〜29。
【0351】
31.第1のWTRUおよび/または第2のWTRUがサンプルされたCIRで後処理を実行するステップを備える方法2〜30。
【0352】
32.第1のWTRUおよび第2のWTRUがそれぞれ第1のサンプルされたCIRおよび第2のサンプルされたCIRの少なくとも1つのマルチパスコンポーネントを識別するステップを備える実施形態31に記載の方法。
【0353】
33.第1のWTRUおよび第2のWTRUが、識別されたマルチパスコンポーネントの各々から秘密鍵を生成するステップを備える実施形態32に記載の方法。
【0354】
34.第1のWTRUおよび第2のWTRUはそれぞれOGAを使用することによりマルチパスコンポーネントを識別する実施形態32〜33のいずれかに記載の方法。
【0355】
35.マルチパスコンポーネントを識別するステップは、(a)主要なマルチパスコンポーネントを識別するステップ、(b)閾値テストを実行するステップ、(c)閾値テストに合格した場合、識別された主要マルチパスコンポーネントを出力するステップ、および(d)閾値テストに合格しない場合、識別された主要マルチパスコンポーネントをサンプルされたCIRから差し引き、ステップ(a)に戻って後続のマルチパスコンポーネントを識別するステップを備える実施形態34に記載の方法。
【0356】
36.マルチパスコンポーネントはサンプルされたCIRをサンプルされたパルス波形と相関させて最大相関を持つマルチパスコンポーネントを検出することにより時間領域処理によって識別される実施形態35に記載の方法。
【0357】
37.マルチパスコンポーネントは周波数領域処理によって識別される実施形態35〜36のいずれかに記載の方法。
【0358】
38.サンプルされたパルス波形は離散した時間区分にわたりディクショナリに格納され、それによりマルチパスコンポーネントがディクショナリを使用して識別される実施形態35〜37のいずれかに記載の方法。
【0359】
39.閾値テストは残余コンポーネントのι2ノルムと閾値を比較することにより実行される実施形態35〜38のいずれかに記載の方法。
【0360】
40.閾値テストは識別されたマルチパスコンポーネントの絶対値と閾値を比較することにより実行される実施形態35〜38のいずれかに記載の方法。
【0361】
41.閾値は第1の識別されたマルチパスコンポーネントの一部に設定される実施形態40に記載の方法。
【0362】
42.第2のWTRUが第2のサンプルされたCIRのそのすべての検出されたパス遅延を第1のWTRUに送信するステップを備える実施形態35〜41のいずれかに記載の方法。
【0363】
43.第1のWTRUが第1のWTRUと第2のWTRUとの間のサンプリング時間差を決定するステップを備える実施形態42に記載の方法。
【0364】
44.第1のWTRUがペアになっていないパス遅延を廃棄するステップを備える実施形態43に記載の方法。
【0365】
45.第1のWTRUが第1のWTRUと第2のWTRUの基礎のパスの遅延を推定するステップを備える実施形態44に記載の方法。
【0366】
46.第1のWTRUが基礎のパスの遅延を第2のWTRUに送信するステップを備える実施形態45に記載の方法。
【0367】
47.第1のWTRUおよび第2のWTRUがそれぞれ基礎のパスの遅延に基づいて第1のサンプルされたCIRおよび第2のサンプルされたCIRからパス振幅値を生成するステップを備える実施形態46に記載の方法。
【0368】
48.第1のWTRUおよび第2のWTRUがそれぞれパス振幅値を正規化するステップを備える実施形態47に記載の方法。
【0369】
49.タイムラインは小さい区分に分割され、第1のWTRUはそれぞれ各区分内の第1のWTRUおよび第2のWTRUの検出されたパス遅延の数をカウントし、各時間区分の単位でそれぞれの検出されたパス遅延の分布を比較することにより第1と第2のWTRU間のサンプリング時間差を決定する実施形態42〜48のいずれかに記載の方法。
【0370】
50.各時間区分の継続期間はチャネル伝送されるシンボル期間の数分の一として設定される実施形態49に記載の方法。
【0371】
51.サンプリング時間差は、最大数の検出されたパス遅延を含む第1のWTRUと第2のWTRUの2つの時間区分の間の差として設定される実施形態49〜50のいずれかに記載の方法。
【0372】
52.サンプリング時間差は、特定数の検出されたパス遅延よりも多くの遅延を含む第1のWTRUと第2のWTRUの2つの第1の時間区分の間の差として設定される実施形態49〜50のいずれかに記載の方法。
【0373】
53.チャネル伝送されたシンボル期間の数分の一であるエラー許容限度内の対応する値を有するパス遅延は同一のパスであると見なされる実施形態43〜52のいずれかに記載の方法。
【0374】
54.第1のWTRUの基礎のパスの遅延は、局所的に最大のパス遅延数を含む時間区分の先頭として設定され、それらの数はあらかじめ定められた閾値を超える実施形態45〜53のいずれかに記載の方法。
【0375】
55.閾値は、残りのパス遅延の合計数の数分の一である実施形態54に記載の方法。
【0376】
56.時間区分は、その先行および後続のあらかじめ定められた数の隣接する区分がこの区分よりも少ないパス遅延カウントを含む場合、局所的に最大のパス遅延数を含むと見なされる実施形態49〜55のいずれかに記載の方法。
【0377】
57.第2のWTRUの基礎のパスの遅延は、第1のWTRUの基礎のパスの遅延にサンプリング時間差を加えたものとして設定される実施形態45〜56のいずれかに記載の方法。
【0378】
58.第1のWTRUおよび第2のWTRUはそれぞれ第1のサンプルされたCIRおよび第2のサンプルされたCIRのパス遅延を識別するステップを備える実施形態34に記載の方法。
【0379】
59.第1のWTRUおよび第2のWTRUがそれぞれその基礎のパスの遅延を推定するステップを備える実施形態58に記載の方法。
【0380】
60.第1のWTRUおよび第2のWTRUがそれぞれ基礎のパスの遅延に基づいて第1のサンプルされたCIRおよび第2のサンプルされたCIRからパス振幅値を生成するステップを備える実施形態59に記載の方法。
【0381】
61.第1のWTRUおよび第2のWTRUがそれぞれパス振幅値を正規化するステップを備える実施形態60に記載の方法。
【0382】
62.タイムラインは小さい区分に分割され、第1のWTRUおよび第2のWTRUはそれぞれ各区分の検出されたパス遅延の数をカウントし、基礎のパスの遅延を局所的に最大のパス遅延数を含む時間区分の先頭として推定し、それらの数はあらかじめ定められた閾値を超える実施形態58〜61のいずれかに記載の方法。
【0383】
63.閾値は、残りのパス遅延の合計数の数分の一である実施形態62に記載の方法。
【0384】
64.第1のWTRUが正規化された振幅値を1つの連結されたビットストリングに連結し、それにより秘密鍵が連結ビットストリングから生成されるステップを備える実施形態61〜63のいずれかに記載の方法。
【0385】
65.量子化レベルは基準パスのSNRによって決定される実施形態61〜64のいずれかに記載の方法。
【0386】
66.第1のWTRUが各パスのSNRに基づいて様々な量子化レベルで正規化された振幅値を個別に処理して複数のビットストリングを生成するステップを備える実施形態61〜65のいずれかに記載の方法。
【0387】
67.第1のWTRUが各ビットストリングの個別のシンドロームを生成するステップを備える実施形態66に記載の方法。
【0388】
68.第1のWTRUが個別のシンドロームを第2のWTRUに送信し、それにより第2のWTRUが個別のシンドロームを使用して秘密鍵を生成するステップを備える実施形態67に記載の方法。
【0389】
69.第1のWTRUは、どのシンドロームがどのパスに属するかを識別するためにパケットヘッダを添付する実施形態68に記載の方法。
【0390】
70.どのシンドロームがどのパスに属するかを識別するためにパス索引がパケットヘッダに含まれる実施形態69に記載の方法。
【0391】
71.パスは、最も早いパス、最大振幅のパス、および識別されたパスの全部または部分のうちの1つに関連する相対パス遅延を使用して識別される実施形態68に記載の方法。
【0392】
72.第1のWTRUが各パスのSNRに基づいて様々な量子化レベルで正規化された振幅値を個別に処理して複数のビットストリングを生成するステップを備える実施形態61〜65のいずれかに記載の方法。
【0393】
73.第1のWTRUがビットストリングを連結するステップを備える実施形態72に記載の方法。
【0394】
74.第1のWTRUが連結ビットストリングのシンドロームを生成するステップを備える実施形態73に記載の方法。
【0395】
75.第1のWTRUがシンドロームを第2のWTRUに送信し、それにより第2のWTRUがシンドロームを使用して秘密鍵を生成するステップを備える実施形態74に記載の方法。
【0396】
76.第1のWTRUおよび第2のWTRUは周波数領域の観測された信号の位相シフトを推定し、それによりサンプリング時間差が位相シフト推定に基づいて調整される実施形態35〜75のいずれかに記載の方法。
【0397】
77.第1のWTRUおよび第2のWTRUにより共有される同時ランダム性から秘密鍵を生成する無線通信システム。
【0398】
78.第1のWTRUは、チャネル推定を実行して第1のWTRUと第2のWTRUとの間のチャネル上に第1のサンプルされたCIRを生成する第1のチャネル推定器を備える実施形態77に記載のシステム。
【0399】
79.第1のWTRUは、第1のサンプルされたCIRを量子化して量子化値を生成する量子化ユニットを備える実施形態78に記載のシステム。
【0400】
80.第1のWTRUは、量子化値にソース符号化を実行して第1のビットのセットを生成するソース符号化ユニットを備える実施形態79に記載のシステム。
【0401】
81.第1のWTRUは、第1のビットのセットからシンドロームを生成するエラー訂正符号化ユニットを備える実施形態80に記載のシステム。
【0402】
82.第1のWTRUは、第1のビットのセットから秘密鍵を生成する第1のプライバシー増幅ユニットを備える実施形態81に記載のシステム。
【0403】
83.第2のWTRUは、チャネル推定を実行して第1のWTRUと第2のWTRUとの間のチャネル上に第2のサンプルされたCIRを生成する第2のチャネル推定器を備える実施形態77〜82のいずれかに記載のシステム。
【0404】
84.第2のWTRUは、第1のWTRUから受信したシンドロームおよび第2のサンプルされたCIRから第2のビットのセットを生成する復号器を備える実施形態83に記載のシステム。
【0405】
85.第2のWTRUは、第2のビットのセットから秘密鍵を生成する第2のPAプロセッサを備える実施形態84に記載のシステム。
【0406】
86.量子化ユニットは等確率の量子化およびMMSE量子化のうちの1つを実行する実施形態79〜85のいずれかに記載のシステム。
【0407】
87.ソース符号化ユニットは自然符号化およびグレイ符号化のうちの1つを実行する実施形態80〜86のいずれかに記載のシステム。
【0408】
88.量子化ユニットは過剰量子化を実行して単調性量子化ビットおよび過剰量子化ビットを生成し、エラー訂正符号化ユニットは単調性量子化ビットからシンドロームを生成し、第1のPAプロセッサは単調性量子化ビットから秘密鍵を生成し、過剰量子化ビットおよびシンドロームは第2のWTRUに送信され、復号器はさらに過剰量子化ビットに基づいて第2のビットのセットを生成する実施形態79〜87のいずれかに記載のシステム。
【0409】
89.復号器は軟判定を使用してLLRを計算し、第2のビットのセットを生成する実施形態84〜88のいずれかに記載のシステム。
【0410】
90.第1のWTRUは第1のサンプルされたCIRの量子化エラーを第2のWTRUに送信する実施形態79〜89のいずれかに記載のシステム。
【0411】
91.復号器は軟判定を使用してLLRを計算し、第2のビットのセットを生成する実施形態84〜90のいずれかに記載のシステム。
【0412】
92.第1のWTRUは、量子化エラーを一様な確率変数にマッピングすることにより量子化エラーを変換し、それにより変換された量子化エラーは量子化パーティションから独立し、一様に分布される実施形態90〜91のいずれかに記載のシステム。
【0413】
93.エラー訂正符号化ユニットは、バイナリLDPC符号化、リード−ソロモン符号化、ターボ符号化、および差分符号化のうちの少なくとも1つを実行してシンドロームを生成する実施形態81から92のいずれかに記載のシステム。
【0414】
94.復号器はビット単位LLRを計算して第2のビットのセットを生成する実施形態84〜93のいずれかに記載のシステム。
【0415】
95.復号器は硬判定を使用してLLRを計算する実施形態84〜94のいずれかに記載のシステム。
【0416】
96.復号器は軟判定を使用してLLRを計算する実施形態84〜94のいずれかに記載のシステム。
【0417】
97.第1のWTRUは、第1のビットのセット内の各ビットを個別に処理して複数のビット単位シンドロームを生成する複数のエラー訂正符号化ユニットを備える実施形態81〜96のいずれかに記載のシステム。
【0418】
98.第2のWTRUは、各ビット単位シンドロームを連続的に処理して第2のビットのセットを生成する複数の復号器を備える実施形態97に記載のシステム。
【0419】
99.複数の復号器は第1のビット単位シンドロームから始まるビット単位シンドロームを処理し、第2のビットのセットの第1のビットのセットから始まる第1のビットのセットを生成する実施形態98に記載のシステム。
【0420】
100.複数の復号器は最後のビット単位シンドロームから始まるビット単位シンドロームを処理し、第2のビットのセットの最後のビットのセットから始まる最後のビットのセットを生成する実施形態99に記載のシステム。
【0421】
101.ソース符号化のレートは、第2のWTRUにおける正しい復号化を可能にしながら、シンドロームの長さを最小にするように決定される実施形態80〜100のいずれかに記載のシステム。
【0422】
102.第1のWTRUはさらにシンドロームをパンクチャするパンクチャユニットを備え、それにより復号器はパンクチャされたシンドロームのバージョンに基づいて第2のビットのセットを生成する実施形態81〜101のいずれかに記載のシステム。
【0423】
103.復号器が、パンクチャされたシンドロームのバージョンを使用することにより第2のビットのセットを生成できない場合、第2のWTRUは、さらに多くのシンドロームビットを第1のWTRUに要求するように構成される実施形態102に記載のシステム。
【0424】
104.第1のWTRUおよび/または第2のWTRUは複数のアンテナを含み、各アンテナ組合せに対してサンプルされたCIRを生成する実施形態78〜103のいずれかに記載のシステム。
【0425】
105.第1のWTRUおよび第2のWTRUは、MIMOチャネルを固有モードに分割して、固有モードのうちの少なくとも1つから秘密鍵を生成するように構成された実施形態104に記載のシステム。
【0426】
106.雑音ベクトルが白色ではない場合、第1のWTRUはさらに雑音白色化のための雑音白色化フィルタを備える実施形態104〜105のいずれかに記載のシステム。
【0427】
107.第1のWTRUおよび第2のWTRUは、雑音白色化フィルタおよびチャネルマトリクスに関する情報を交換するように構成された実施形態106に記載のシステム。
【0428】
108.第1のWTRUはさらに第1のサンプルされたCIRに後処理を実行する第1のポストプロセッサを備え、かつ/または第2のWTRUはさらに第2のサンプルされたCIRに後処理を実行する第2のポストプロセッサを備える実施形態78〜107のいずれかに記載のシステム。
【0429】
109.第1のポストプロセッサおよび第2のポストプロセッサはそれぞれ、第1のサンプルされたCIRおよび第2のサンプルされたCIRの少なくとも1つのマルチパスコンポーネントを識別するように構成され、第1のWTRUおよび第2のWTRUは識別されたマルチパスコンポーネントの各々から秘密鍵を生成するように構成される実施形態108に記載のシステム。
【0430】
110.第1のポストプロセッサおよび第2のポストプロセッサはそれぞれOGAを適用することによりマルチパスコンポーネントを識別する実施形態109に記載のシステム。
【0431】
111.第1のポストプロセッサおよび第2のポストプロセッサは閾値テストを実行するための閾値ユニットを備える実施形態110に記載のシステム。
【0432】
112.第1のポストプロセッサおよび第2のポストプロセッサは、閾値テストに失敗した場合にはサンプルされたCIRから識別された主要マルチパスコンポーネントを差し引きながら、主要マルチパスコンポーネントを識別するプロセスを繰り返し実行するためのOGAユニットを備える実施形態111に記載のシステム。
【0433】
113.マルチパスコンポーネントはサンプルされたCIRをサンプルされたパルス波形と相関させて最大相関を持つマルチパスコンポーネントを検出することにより時間領域処理によって識別される実施形態109〜112のいずれかに記載のシステム。
【0434】
114.マルチパスコンポーネントは周波数領域処理によって識別される実施形態109〜112のいずれかに記載のシステム。
【0435】
115.離散した時間区分のサンプルされたパルス波形を格納するディクショナリをさらに備え、それによりマルチパスコンポーネントがディクショナリを使用して識別される実施形態109〜114のいずれかに記載のシステム。
【0436】
116.閾値テストは残余コンポーネントのι2ノルムと閾値を比較することにより実行される実施形態111〜115のいずれかに記載のシステム。
【0437】
117.閾値テストは識別されたマルチパスコンポーネントの絶対値と閾値を比較することにより実行される実施形態111〜115のいずれかに記載のシステム。
【0438】
118.閾値は第1の識別されたマルチパスコンポーネントの一部に設定される実施形態111〜117のいずれかに記載のシステム。
【0439】
119.第1のポストプロセッサは第1のサンプルされたCIRのパス遅延を識別するための第1のパス識別ユニットを備える実施形態108に記載のシステム。
【0440】
120.第1のポストプロセッサは、第1のWTRUと第2のWTRUの間のサンプリング時間差を判別し、ペアになっていないパス遅延を廃棄し、第1のWTRUおよび第2のWTRUの基礎のパスの遅延を推定して、基礎のパスの遅延を第2のWTRUに送信するように構成されたパス遅延推定器を備える実施形態119に記載のシステム。
【0441】
121.第1のポストプロセッサは、基礎のパスの遅延に基づいて第1のサンプルされたCIRからパス振幅値を生成するための第2のパス識別ユニットを備える実施形態120に記載のシステム。
【0442】
122.第1のポストプロセッサは、パス振幅値を正規化するための第1の正規化ユニットを備える実施形態121に記載のシステム。
【0443】
123.第2のポストプロセッサは、第1のサンプルされたCIRのパス遅延を識別して第2のサンプルされたCIRのそのすべての検出されたパス遅延を第1のWTRUに送信するように構成された第3のパス識別ユニットを備える実施形態119〜122に記載のシステム。
【0444】
124.第2のポストプロセッサは、基礎のパスの遅延に基づいて第2のサンプルされたCIRからパス振幅値を生成するように構成された第4のパス識別ユニットを備える実施形態123に記載のシステム。
【0445】
125.第2のポストプロセッサはパス振幅値を正規化するための第2の正規化ユニットを備える実施形態124に記載のシステム。
【0446】
126.パス遅延推定器は、タイムラインを小さい区分に分割し、それぞれ各区分内の第1のWTRUおよび第2のWTRUの検出されたパス遅延の数をカウントし、各時間区分の単位でそれぞれの検出されたパス遅延の分布を比較することにより第1と第2のWTRU間のサンプリング時間差を判定するように構成される実施形態120〜125のいずれかに記載のシステム。
【0447】
127.各時間区分の継続期間はチャネル伝送されるシンボル期間の数分の一として設定される実施形態126に記載のシステム。
【0448】
128.サンプリング時間差は、最大数の検出されたパス遅延を含む第1のWTRUと第2のWTRUの2つの時間区分の間の差として設定される実施形態120〜127のいずれかに記載のシステム。
【0449】
129.サンプリング時間差は、特定数の検出されたパス遅延よりも多くの遅延を含む第1のWTRUと第2のWTRUの2つの第1の時間区分の間の差として設定される実施形態120〜127のいずれかに記載のシステム。
【0450】
130.チャネル伝送されたシンボル期間の数分の一であるエラー許容限度内の対応する値を有するパス遅延は、同一のパスであると見なされる実施形態120〜129のいずれかに記載のシステム。
【0451】
131.第1のWTRUの基礎のパスの遅延は、局所的に最大のパス遅延数を含む時間区分の先頭として設定され、それらの数はあらかじめ定められた閾値を超える実施形態120〜130のいずれかに記載のシステム。
【0452】
132.閾値は、残りのパス遅延の合計数の数分の一である実施形態131に記載のシステム。
【0453】
133.時間区分は、その先行および後続のあらかじめ定められた数の隣接する区分がこの区分よりも少ないパス遅延カウントを含む場合、局所的に最大のパス遅延数を含むと見なされる実施形態131〜132のいずれかに記載のシステム。
【0454】
134.第2のWTRUの基礎のパスの遅延は、第1のWTRUの基礎のパスの遅延にサンプリング時間差を加えたものとして設定される実施形態131〜133のいずれかに記載のシステム。
【0455】
135.第1のポストプロセッサは第1のサンプルされたCIRのパス遅延を識別するための第1のパス識別ユニットを備える実施形態108に記載のシステム。
【0456】
136.第1のポストプロセッサは、第1のWTRUおよび第2のWTRUの第1の基礎のパスの遅延を推定するように構成された第1のパス遅延推定器を備える実施形態135に記載のシステム。
【0457】
137.第1のポストプロセッサは、第1の基礎のパスの遅延に基づいて第1のサンプルされたCIRから第1のパス振幅値を生成するための第2のパス識別ユニットを備える実施形態136に記載のシステム。
【0458】
138.第1のポストプロセッサはパス振幅値を正規化するための第1の正規化ユニットを備える実施形態137に記載のシステム。
【0459】
139.第2のポストプロセッサは第2のサンプルされたCIRのパス遅延を識別するように構成された第3のパス識別ユニットを備える実施形態135〜138のいずれかに記載のシステム。
【0460】
140.第2のポストプロセッサは、第1のWTRUおよび第2のWTRUの第2の基礎のパスの遅延を推定するように構成された第2のパス遅延推定器を備える実施形態139に記載のシステム。
【0461】
141.第2のポストプロセッサは、第2の基礎のパスの遅延に基づいて第2のサンプルされたCIRから第2のパス振幅値を生成するように構成された第4のパス識別ユニットを備える実施形態140に記載のシステム。
【0462】
142.第2のポストプロセッサはパス振幅値を正規化するための第2の正規化ユニットを備える実施形態141に記載のシステム。
【0463】
143.第1のパス遅延推定器および第2のパス遅延推定器は、タイムラインを小さい区分に分割し、それぞれ各区分の検出されたパス遅延の数をカウントし、基礎のパスの遅延を局所的に最大のパス遅延数を含む時間区分の先頭として推定し、それらの数はあらかじめ定められた閾値を超えるように構成される実施形態140〜142のいずれかに記載のシステム。
【0464】
144.閾値は、残りのパス遅延の合計数の数分の一である実施形態143に記載のシステム。
【0465】
145.第1のWTRUは正規化された振幅値を1つの連結されたビットストリングに連結し、それにより秘密鍵が連結ビットストリングから生成される実施形態138〜144のいずれかに記載のシステム。
【0466】
146.量子化レベルは基準パスのSNRによって決定される実施形態138〜145のいずれかに記載のシステム。
【0467】
147.第1のWTRUは各パスのSNRに基づいて様々な量子化レベルで正規化された振幅値を個別に処理して複数のビットストリングを生成し、各ビットストリングの個別のシンドロームを生成して、個別のシンドロームを第2のWTRUに送信し、それにより第2のWTRUは個別のシンドロームを使用して秘密鍵を生成する実施形態138〜146のいずれかに記載のシステム。
【0468】
148.第1のWTRUは、どのシンドロームがどのパスに属するかを識別するためにパケットヘッダを添付する実施形態147に記載のシステム。
【0469】
149.どのシンドロームがどのパスに属するかを識別するためにパス索引がパケットヘッダに含まれる実施形態147〜148のいずれかに記載のシステム。
【0470】
150.パスは、最も早いパス、最大振幅のパス、および識別されたパスの全部または部分のうちの1つに関連する相対パス遅延を使用して識別される実施形態147に記載のシステム。
【0471】
151.第1のWTRUは各パスのSNRに基づいて様々な量子化レベルで正規化された振幅値を個別に処理して複数のビットストリングを生成し、ビットストリングを連結し、連結されたビットストリングのシンドロームを生成して、シンドロームを第2のWTRUに送信し、それにより第2のWTRUはシンドロームを使用して秘密鍵を生成する実施形態138〜150のいずれかに記載のシステム。
【0472】
152.第1のWTRUおよび第2のWTRUは周波数領域の観測された信号の位相シフトを推定し、それによりサンプリング時間差が位相シフト推定に基づいて調整される実施形態135〜151のいずれかに記載のシステム。
【0473】
153.推定されたCIRを無線通信システムの個別のマルチパスコンポーネントに分割する方法。
【0474】
154.サンプルされたCIRを生成するステップを備える実施形態153に記載の方法。
【0475】
155.主要なマルチパスコンポーネントを識別するステップを備える実施形態154に記載の方法。
【0476】
156.閾値テストを実行するステップを備える実施形態155に記載の方法。
【0477】
157.閾値テストに合格した場合、識別された主要なマルチパスコンポーネントを出力するステップを備える実施形態156に記載の方法。
【0478】
158.閾値テストに合格しない場合、識別された主要マルチパスコンポーネントをサンプルされたCIRから差し引き、後続のマルチパスコンポーネントを識別する実施形態155のステップに戻るステップを備える実施形態157に記載の方法。
【0479】
159.マルチパスコンポーネントはサンプルされたCIRをサンプルされたパルス波形と相関させて最大相関を持つマルチパスコンポーネントを検出することにより時間領域処理によって識別される実施形態155〜158のいずれかに記載の方法。
【0480】
160.マルチパスコンポーネントは周波数領域処理によって識別される実施形態155〜158のいずれかに記載の方法。
【0481】
161.サンプルされたパルス波形は離散した時間区分にわたりディクショナリに格納され、それによりマルチパスコンポーネントがディクショナリを使用して識別される実施形態155〜160のいずれかに記載の方法。
【0482】
162.閾値テストは残余コンポーネントのι2ノルムと閾値を比較することにより実行される実施形態156〜161のいずれかに記載の方法。
【0483】
163.閾値テストは識別されたマルチパスコンポーネントの絶対値と閾値を比較することにより実行される実施形態156〜161のいずれかに記載の方法。
【0484】
164.閾値は第1の識別されたマルチパスコンポーネントの一部に設定される実施形態163に記載の方法。
【0485】
165.識別されたマルチパスコンポーネントはCDMA方式のレーキ受信機での処理のために使用される実施形態153〜164のいずれかに記載の方法。
【0486】
166.識別されたマルチパスコンポーネントは等化器での処理のために使用される実施形態153〜164のいずれかに記載の方法。
【0487】
167.推定されたCIRを無線通信システムの個別のマルチパスコンポーネントに分割する装置。
【0488】
168.サンプルされたCIRを生成するためのチャネル推定器を備える実施形態167に記載の装置。
【0489】
169.閾値テストを実行するための閾値ユニットを備える実施形態168に記載の装置。
【0490】
170.閾値テストに失敗した場合にはサンプルされたCIRから識別された主要マルチパスコンポーネントを差し引きながら、主要マルチパスコンポーネントを識別するプロセスを繰り返し実行するためのOGAユニットを備える実施形態169に記載の装置。
【0491】
171.マルチパスコンポーネントはサンプルされたCIRをサンプルされたパルス波形と相関させて最大相関を持つマルチパスコンポーネントを検出することにより時間領域処理によって識別される実施形態170に記載の装置。
【0492】
172.マルチパスコンポーネントは周波数領域処理によって識別される実施形態170に記載の装置。
【0493】
173.離散した時間区分のサンプルされたパルス波形を格納するディクショナリを備え、それによりマルチパスコンポーネントがディクショナリを使用して識別される実施形態170〜172のいずれかに記載の装置。
【0494】
174.閾値テストは残余コンポーネントのι2ノルムと閾値を比較することにより実行される実施形態169〜173のいずれかに記載の装置。
【0495】
175.閾値テストは識別されたマルチパスコンポーネントの絶対値と閾値を比較することにより実行される実施形態169〜173のいずれかに記載の装置。
【0496】
176.閾値は第1の識別されたマルチパスコンポーネントの一部に設定される実施形態169〜175のいずれかに記載の装置。
【0497】
177.識別されたマルチパスコンポーネントを持つ受信信号を処理するためのレーキ受信機を備える実施形態167〜176のいずれかに記載の装置。
【0498】
178.識別されたマルチパスコンポーネントを持つ受信信号を処理するための等化器を備える実施形態167〜177のいずれかに記載の装置。
【0499】
本発明の特徴および要素は特定の組合せで好ましい実施形態において説明されるが、各々の特徴または要素は、好ましい実施形態の他の特徴および要素を使用せずに単独で使用されうるか、または本発明のその他の特徴および要素との様々な組合せ、あるいはそれらを使用せずに使用されうる。本発明において提供される方法または流れ図は、汎用コンピュータまたはプロセッサによって実行されるためにコンピュータ可読記憶媒体で明白に具現されるコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアにおいて実施することができる。コンピュータ可読記憶媒体の例は、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクおよび取外し可能ディスクなどの磁気媒体、磁気光学媒体、CD−ROMディスクなどの光媒体、およびデジタル多用途ディスク(DVD)を含む。
【0500】
適切なプロセッサは、例として、汎用および特殊用途プロセッサ、標準的なプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特殊用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA;Field Programmable Gate Array)回路、任意の集積回路、および/または状態機械を含む。
【0501】
ソフトウェアと関連するプロセッサは、WTRU、ユーザ機器、端末、基地局、無線ネットワークコントローラ、または任意のホストコンピュータにおいて使用する無線周波数送受信機を実施するために使用することができる。WTRUは、カメラ、ビデオカメラモジュール、テレビ電話、スピーカーホン、振動装置、スピーカー、マイクロホン、テレビ送受信機、ハンドフリーヘッドセット、キーボード、Bluetoothモジュール、周波数変調(FM)無線装置、液晶ディスプレイ(LCD)表示装置、有機発光ダイオード(OLED;organic light-emitting diode)表示装置、デジタル音楽プレイヤー、メディアプレイヤー、テレビゲームプレイヤーモジュール、インターネットブラウザ、および/または任意の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)モジュールなどの、ハードウェアおよび/またはソフトウェアに実装されるモジュールと共に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0502】
【図1】シングルパス・レイリーフェージングチャネルの秘密鍵容量曲線を示すグラフである。
【図2】本発明により構成された2つのWTRUを含むシステムを示すブロック図である。
【図3】ビットエラーレート(BER)に関して自然コードおよびグレイコードのパフォーマンスを比較するためのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図4】自然コードを使用して、BERに関して様々な量子化レベルのパフォーマンスを比較するためのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図5】グレイコードを使用して、BERに関して様々な量子化レベルのパフォーマンスを比較するためのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図6】BERに関して等確率の量子化および最小平均2乗誤差(MMSE)量子化のパフォーマンスを比較するためのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図7】本発明による様々なビット変換方式および様々なLLR計算方法から得られる秘密鍵レートに関するシミュレーション結果を示すグラフである。
【図8】本発明による過剰量子化を実行するように構成された第1のWTRUを示すブロック図である。
【図9】本発明による様々な過剰量子化方式を使用することにより達成される秘密鍵レートに関するシミュレーション結果を示すグラフである。
【図10】本発明によるソフトエラー転送方式を使用することにより達成される秘密鍵レートに関するシミュレーション結果を示すグラフである。
【図11】本発明によるビット単位処理を実行するように構成された第1のWTRUを示すブロック図である。
【図12】本発明によるビット単位処理を実行するように構成された第2のWTRUを示すブロック図である。
【図13】本発明によるビット単位処理を実行するように構成された第2のWTRUの代替実施形態を示すブロック図である。
【図14】ビット単位処理方式を使用することにより達成される秘密鍵レートに関してパフォーマンスを比較するためのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図15】ビット単位処理方式を使用することにより達成される秘密鍵レートに関してパフォーマンスを比較するためのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図16】シングルパス・レイリーフェージングチャネルについて秘密鍵容量Csと、SNRAおよびSNRBの関係を示すグラフである。
【図17】SNRA=20dBに固定した、達成秘密鍵レートとSNRBの関係を示すグラフである。
【図18】SNRA=25dBに固定した、達成秘密鍵レートとSNRBの関係を示すグラフである。
【図19】SNRA=30dBに固定した、達成秘密鍵レートとSNRBの関係を示すグラフである。
【図20】ワーキンググループ4(WG4)Case3チャネルについて、閾値を一定にした直交貪欲アルゴリズム(OGA)により検出される平均パス数を示すグラフである。
【図21】WG4 Case1チャネルについて、この相対閾値によるOGAによって検出される平均パス数を示すグラフである。
【図22】WG4 Case3チャネルについて、この相対閾値によるOGAによって検出される平均パス数を示すグラフである。
【図23】WG4 Case3チャネルの両端末における単独のOGA適用のエラーレートを示すグラフである。
【図24】本発明による第1のWTRUのポストプロセッサおよび第2のWTRUのポストプロセッサを示すブロック図である。
【図25】SNR=20dBにおけるWG4 Case3チャネルについて、検出されたパス遅延の正規化周波数のヒストグラムで例を示すグラフである。
【図26】ステップ2の後の残りのパス遅延の正規化周波数のヒストグラムを示すグラフである。
【図27】本発明の代替実施形態による第1のWTRUのポストプロセッサおよび第2のWTRUのポストプロセッサを示すブロック図である。
【図28】ITU PB3チャネルの推定サンプリング時間差のエラーレートを示すグラフである。
【図29】シングルパスおよび混合処理方式を使用することにより達成されるWG4 Case3チャネルの秘密鍵レートを示すグラフである。
【図30】シングルパスおよび混合処理方式を使用することにより達成されるWG4 Case1チャネルの秘密鍵レートを示すグラフである。
【図31】ダブルパスおよび混合処理方式を使用することにより達成されるWG4 Case3チャネルの秘密鍵レートを示すグラフである。
【図32】ダブルパスおよび混合処理方式を使用することにより達成されるWG4 Case1チャネルの秘密鍵レートを示すグラフである。
【図33】ダブルパスおよびパス単位の処理方式が使用される場合のWG4 Case1チャネルの達成秘密鍵レートを示すグラフである。
【図34】ダブルパスと混合処理方式およびダブルパスとパス単位の処理方式を使用することにより達成されるWG4 Case2チャネルの秘密鍵レートを示すグラフである。
【図35】ダブルパスと混合処理方式およびダブルパスとパス単位の処理方式を使用することにより達成されるITU PA3チャネルの秘密鍵レートを示すグラフである。
【図36】ダブルパスと混合処理方式およびダブルパスとパス単位の処理方式を使用することにより達成されるITU PB3チャネルの秘密鍵レートを示すグラフである。
【図37】ダブルパスと混合処理方式およびダブルパスとパス単位の処理方式を使用することにより達成されるITU VA30チャネルの秘密鍵レートを示すグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線送受信ユニット(WTRU)および第2のWTRUを含む無線通信システムにおいて、前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUによって共有される同時ランダム性から秘密鍵を生成する方法であって、
前記第1のWTRUがチャネル推定を実行して、前記第1のWTRUと前記第2のWTRUとの間のチャネル上に第1のサンプルされたチャネル・インパルス応答(CIR)を生成するステップと、
前記第2のWTRUがチャネル推定を実行して、前記第1のWTRUと前記第2のWTRUとの間のチャネル上に第2のサンプルされたCIRを生成するステップと、
前記第1のWTRUが前記第1のサンプルされたCIRから第1のビットのセットを生成するステップと、
前記第1のWTRUが前記第1のビットのセットから秘密鍵およびシンドロームを生成するステップと、
前記第1のWTRUが前記シンドロームを前記第2のWTRUに送信するステップと、
前記第2のWTRUが前記シンドロームおよび前記第2のサンプルされたCIRから第2のビットのセットを生成するステップと、
前記第2のWTRUが前記第2のビットのセットから前記秘密鍵を生成するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1のWTRUが前記第1のサンプルされたCIRの量子化を実行して量子化ビットを生成するステップと、
前記第1のWTRUが前記量子化ビットにソース符号化を実行して前記第1のビットのセットを生成するステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のWTRUは等確率の量子化および最小平均2乗誤差(MMSE)量子化のうちの1つを実行することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のWTRUは自然符号化およびグレイ符号化のうちの1つを実行することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のWTRUは過剰量子化を実行して単調性量子化ビットおよび過剰量子化ビットを生成し、前記単調性量子化ビットから前記シンドロームおよび前記秘密鍵を生成して、前記過剰量子化ビットおよび前記シンドロームを前記第2のWTRUに送信し、前記第2のWTRUはさらに前記過剰量子化ビットに基づいて前記第2のビットのセットを生成することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のWTRUは軟判定を使用してログ尤度比(LLR)を計算して、前記第2のビットのセットを生成することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のWTRUは前記第1のサンプルされたCIRの量子化エラーを前記第2のWTRUに送信することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のWTRUは軟判定を使用してログ尤度比(LLR)を計算して、前記第2のビットのセットを生成することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のWTRUが、前記量子化エラーを一様な確率変数にマッピングすることにより、前記量子化エラーを変換し、それにより前記変換された量子化エラーは量子化パーティションから独立し、一様に分布されるステップをさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のWTRUは、バイナリ低密度パリティチェック(LDPC)符号化、リード−ソロモン符号化、ターボ符号化、および差分符号化のうちの少なくとも1つを実行して前記シンドロームを生成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のWTRUはビット単位のログ尤度比(LLR)を計算して、前記第2のビットのセットを生成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のWTRUは硬判定を使用して前記LLRを計算することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のWTRUは軟判定を使用して前記LLRを計算することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のWTRUは第1のビットのセット内の各ビットを個別に処理して複数のビット単位シンドロームを生成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第2のWTRUは各ビット単位シンドロームを連続的に処理して第2のビットのセットを生成することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2のWTRUは第1のビット単位シンドロームから始まる前記ビット単位シンドロームを処理し、前記第2のビットのセットの前記第1のビットのセットから始まる前記第1のビットのセットを生成することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2のWTRUは最後のビット単位シンドロームから始まる前記ビット単位シンドロームを処理し、前記第2のビットのセットの前記最後のビットのセットから始まる前記最後のビットのセットを生成することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ソース符号化のレートは、前記第2のWTRUにおける正しい復号化を可能にしながら、前記シンドロームの長さを最小にするように決定されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のWTRUが前記シンドロームをパンクチャするステップと、
前記第1のWTRUが前記シンドロームのパンクチャされたバージョンを伝送するステップと、
前記第1のWTRUが前記シンドロームのパンクチャ位置を前記第2のWTRUに知らせ、それにより前記第2のWTRUが前記パンクチャされた前記シンドロームのバージョンに基づいて前記第2のビットのセットを生成するステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記第2のWTRUが前記パンクチャされた前記シンドロームのバージョンを使用することにより前記第2のビットのセットを生成できない場合、前記第2のWTRUはさらに多くのシンドロームビットを前記第1のWTRUに要求するステップをさらに備えることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUは複数のアンテナを含み、各アンテナ組合せに対してサンプルされたCIRを生成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のWTRUおよび第2のWTRUが前記サンプルされたCIRで後処理を実行するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUがそれぞれ前記第1のサンプルされたCIRおよび前記第2のサンプルされたCIRの少なくとも1つのマルチパスコンポーネントを識別するステップと、
前記第1のWTRUおよび第2のWTRUが前記識別されたマルチパスコンポーネントの各々から前記秘密鍵を生成するステップをさらに備えることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUはそれぞれ直交貪欲アルゴリズム(OGA)を使用することによりマルチパスコンポーネントを識別することを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
マルチパスコンポーネントを識別する前記ステップは、
(a)主要なマルチパスコンポーネントを識別するステップと、
(b)閾値テストを実行するステップと、
(c)前記閾値テストに合格した場合、前記識別された主要なマルチパスコンポーネントを出力するステップと、
(d)前記閾値テストに合格しない場合、前記識別された主要マルチパスコンポーネントを前記サンプルされたCIRから差し引き、後続のマルチパスコンポーネントを識別するステップ(a)に戻るステップと
を備えることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記マルチパスコンポーネントは、前記サンプルされたCIRをサンプルされたパルス波形と相関させて最大相関を持つマルチパスコンポーネントを検出することにより、時間領域処理によって識別されることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記マルチパスコンポーネントは周波数領域処理によって識別されることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記サンプルされたパルス波形は離散した時間区分にわたりディクショナリに格納され、それにより前記マルチパスコンポーネントが前記ディクショナリを使用して識別されることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記閾値テストは残余コンポーネントのι2ノルムと閾値とを比較することにより実行されることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記閾値テストは前記識別されたマルチパスコンポーネントの絶対値と閾値とを比較することにより実行されることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記閾値は第1の識別されたマルチパスコンポーネントの一部に設定されることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第2のWTRUが前記第2のサンプルされたCIRのそのすべての検出されたパス遅延を前記第1のWTRUに送信するステップと、
前記第1のWTRUが前記第1のWTRUと前記第2のWTRUとの間のサンプリング時間差を決定するステップと、
前記第1のWTRUがペアになっていないパス遅延を廃棄するステップと、
前記第1のWTRUが前記第1のWTRUと前記第2のWTRUの基礎のパスの遅延を推定するステップと、
前記第1のWTRUが前記基礎のパスの遅延を前記第2のWTRUに送信するステップと、
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUがそれぞれ前記基礎のパスの遅延に基づいて、前記第1のサンプルされたCIRおよび前記第2のサンプルされたCIRからパス振幅値を生成するステップと、
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUがそれぞれ前記パス振幅値を正規化するステップとをさらに備えることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項33】
タイムラインは小さい区分に分割され、前記第1のWTRUはそれぞれ各区分内の前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUの検出されたパス遅延の数をカウントし、各時間区分の単位でそれぞれの検出されたパス遅延の分布を比較することにより、前記第1と第2のWTRU間の前記サンプリング時間差を決定することを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
各時間区分の継続期間は前記チャネル伝送されるシンボル期間の数分の一として設定されることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記サンプリング時間差は、最大数の検出されたパス遅延を含む前記第1のWTRUと前記第2のWTRUの2つの時間区分の間の差として設定されることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記サンプリング時間差は、特定数の検出されたパス遅延よりも多くの遅延を含む前記第1のWTRUと前記第2のWTRUの2つの第1の時間区分の間の差として設定されることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記チャネル伝送されたシンボル期間の数分の一であるエラー許容限度内の対応する値を有するパス遅延は同一のパスであると見なされることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記第1のWTRUの前記基礎のパスの遅延は、局所的に最大のパス遅延数を含む時間区分の先頭として設定され、それらの数はあらかじめ定められた閾値を超えることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記閾値は残りのパス遅延の合計数の数分の一であることを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項40】
時間区分は、その先行および後続のあらかじめ定められた数の隣接する区分がこの区分よりも少ないパス遅延カウントを含む場合、局所的に最大のパス遅延数を含むと見なされることを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記第2のWTRUの前記基礎のパスの遅延は、前記第1のWTRUの前記基礎のパスの遅延に前記サンプリング時間差を加えたものとして設定されることを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUがそれぞれ前記第1のサンプルされたCIRおよび前記第2のサンプルされたCIRのパス遅延を識別するステップと、
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUがそれぞれその基礎のパスの遅延を推定するステップと、
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUがそれぞれ前記基礎のパスの遅延に基づいて、前記第1のサンプルされたCIRおよび前記第2のサンプルされたCIRからパス振幅値を生成するステップと、
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUがそれぞれ前記パス振幅値を正規化するステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項43】
タイムラインは小さい区分に分割され、前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUはそれぞれ各区分の検出されたパス遅延の数をカウントし、前記基礎のパスの遅延を局所的に最大のパス遅延数を含む時間区分の先頭として推定し、それらの数はあらかじめ定められた閾値を超えることを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記閾値は、残りのパス遅延の合計数の数分の一であることを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記第1のWTRUが前記正規化された振幅値を1つの連結されたビットストリングに連結し、それにより前記秘密鍵が前記連結ビットストリングから生成されるステップをさらに備えることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項46】
量子化レベルは基準パスの信号対雑音比(SNR)によって決定されることを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記第1のWTRUが各パスの信号対雑音比(SNR)に基づいて様々な量子化レベルで前記正規化された振幅値を個別に処理して複数のビットストリングを生成するステップと、
前記第1のWTRUが各ビットストリングのシンドロームを個別に生成するステップと、
前記第1のWTRUが前記個別のシンドロームを前記第2のWTRUに送信し、それにより前記第2のWTRUが前記個別のシンドロームを使用して前記秘密鍵を生成するステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項48】
前記第1のWTRUは、どのシンドロームがどのパスに属するかを識別するためにパケットヘッダを添付することを特徴とする請求項47に記載の方法。
【請求項49】
どのシンドロームがどのパスに属するかを識別するためにパス索引が前記パケットヘッダに含まれることを特徴とする請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記パスは、最も早いパス、最大振幅のパス、および識別されたパスの全部または部分のうちの1つに関連する相対パス遅延を使用して識別されることを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記第1のWTRUが各パスの信号対雑音比(SNR)に基づいて様々な量子化レベルで前記正規化された振幅値を個別に処理して複数のビットストリングを生成するステップと、
前記第1のWTRUが前記ビットストリングを連結するステップと、
前記第1のWTRUが前記連結されたビットストリングのシンドロームを生成するステップと、
前記第1のWTRUが前記シンドロームを前記第2のWTRUに送信し、それにより前記第2のWTRUが前記シンドロームを使用して前記秘密鍵を生成するステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項52】
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUは、前記周波数領域の観測された信号の位相シフトを推定し、それにより前記サンプリング時間差が前記位相シフト推定に基づいて調整されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項53】
第1の無線送受信ユニット(WTRU)および第2のWTRUにより共有される同時ランダム性から秘密鍵を生成する無線通信システムであって、
チャネル推定を実行して、前記第1のWTRUと前記第2のWTRUとの間のチャネル上に第1のサンプルされたチャネル・インパルス応答(CIR)を生成するための第1のチャネル推定器と、
前記第1のサンプルされたCIRを量子化して量子化値を生成するための量子化ユニットと、
前記量子化値にソース符号化を実行して第1のビットのセットを生成するためのソース符号化ユニットと、
前記第1のビットのセットからシンドロームを生成するためのエラー訂正符号化ユニットと、
前記第1のビットのセットから秘密鍵を生成するための第1のプライバシー増幅ユニットと
を含む前記第1のWTRUと、
チャネル推定を実行して、前記第1のWTRUと前記第2のWTRUとの間のチャネル上に第2のサンプルされたCIRを生成するための第2のチャネル推定器と、
前記第1のWTRUから受信した前記シンドロームおよび前記第2のサンプルされたCIRから第2のビットのセットを生成するための復号器と、
前記第2のビットのセットから前記秘密鍵を生成するための第2のPAプロセッサと
を含む前記第2のWTRUと
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項54】
前記量子化ユニットは等確率の量子化および最小平均2乗誤差(MMSE)量子化のうちの1つを実行することを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記ソース符号化ユニットは自然符号化およびグレイ符号化のうちの1つを実行することを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項56】
前記量子化ユニットは過剰量子化を実行して単調性量子化ビットおよび過剰量子化ビットを生成し、前記エラー訂正符号化ユニットは前記単調性量子化ビットから前記シンドロームを生成し、前記第1のPAプロセッサは前記単調性量子化ビットから前記秘密鍵を生成し、前記過剰量子化ビットおよび前記シンドロームは前記第2のWTRUに送信され、前記復号器はさらに前記過剰量子化ビットに基づいて前記第2のビットのセットを生成することを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項57】
前記復号器は軟判定を使用してログ尤度比(LLR)を計算して、前記第2のビットのセットを生成することを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記第1のWTRUは前記第1のサンプルされたCIRの量子化エラーを前記第2のWTRUに送信することを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項59】
前記復号器は軟判定を使用してログ尤度比(LLR)を計算して、前記第2のビットのセットを生成することを特徴とする請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
前記第1のWTRUは前記量子化エラーを一様な確率変数にマッピングすることにより前記量子化エラーを変換し、それにより前記変換された量子化エラーは量子化パーティションから独立し、一様に分布されることを特徴とする請求項58に記載のシステム。
【請求項61】
前記エラー訂正符号化ユニットは、バイナリ低密度パリティチェック(LDPC)符号化、リード−ソロモン符号化、ターボ符号化、および差分符号化のうちの少なくとも1つを実行して前記シンドロームを生成することを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項62】
前記復号器はビット単位のログ尤度比(LLR)を計算して、前記第2のビットのセットを生成することを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項63】
前記復号器は硬判定を使用して前記LLRを計算することを特徴とする請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
前記復号器は軟判定を使用して前記LLRを計算することを特徴とする請求項62に記載のシステム。
【請求項65】
前記第1のWTRUは、前記第1のビットのセット内の各ビットを個別に処理して複数のビット単位シンドロームを生成するための複数のエラー訂正符号化ユニットを備えることを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項66】
前記第2のWTRUは、各ビット単位シンドロームを連続的に処理して第2のビットのセットを生成するための複数の復号器を備えることを特徴とする請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
前記複数の復号器は第1のビット単位シンドロームから始まる前記ビット単位シンドロームを処理し、前記第2のビットのセットの前記第1のビットのセットから始まる第1のビットのセットを生成することを特徴とする請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
前記複数の復号器は最後のビット単位シンドロームから始まる前記ビット単位シンドロームを処理し、前記第2のビットのセットの最後のビットのセットから始まる最後のビットのセットを生成することを特徴とする請求項66に記載のシステム。
【請求項69】
前記ソース符号化のレートは、前記第2のWTRUにおける正しい復号化を可能にしながら、前記シンドロームの長さを最小にするように決定されることを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項70】
前記第1のWTRUはさらに前記シンドロームをパンクチャするためのパンクチャユニットを備え、それにより前記復号器は前記パンクチャされた前記シンドロームのバージョンに基づいて前記第2のビットのセットを生成することを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項71】
前記復号器が前記パンクチャされた前記シンドロームのバージョンを使用することにより前記第2のビットのセットを生成できない場合、前記第2のWTRUは、さらに多くのシンドロームビットを前記第1のWTRUに要求するように構成されることを特徴とする請求項70に記載のシステム。
【請求項72】
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUは複数のアンテナを含み、各アンテナ組合せに対してサンプルされたCIRを生成することを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項73】
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUは、多入力多出力(MIMO)チャネルを固有モードに分割して、前記固有モードのうちの少なくとも1つから秘密鍵を生成するように構成されることを特徴とする請求項72に記載のシステム。
【請求項74】
雑音ベクトルが白色ではない場合、前記第1のWTRUはさらに雑音白色化のための雑音白色化フィルタを備えることを特徴とする請求項72に記載のシステム。
【請求項75】
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUは、雑音白色化フィルタおよびチャネルマトリクスに関する情報を交換するように構成されることを特徴とする請求項74に記載のシステム。
【請求項76】
前記第1のWTRUはさらに前記第1のサンプルされたCIRで後処理を実行するための第1のポストプロセッサを備え、前記第2のWTRUはさらに前記第2のサンプルされたCIRで後処理を実行するための第2のポストプロセッサを備えることを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項77】
前記第1のポストプロセッサおよび前記第2のポストプロセッサはそれぞれ、前記第1のサンプルされたCIRおよび前記第2のサンプルされたCIRの少なくとも1つのマルチパスコンポーネントを識別するように構成され、前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUは前記識別されたマルチパスコンポーネントの各々から前記秘密鍵を生成するように構成されることを特徴とする請求項76に記載のシステム。
【請求項78】
前記第1のポストプロセッサおよび前記第2のポストプロセッサはそれぞれ直交貪欲アルゴリズム(OGA)を適用することにより前記マルチパスコンポーネントを識別することを特徴とする請求項77に記載のシステム。
【請求項79】
前記第1のポストプロセッサおよび前記第2のポストプロセッサは、
閾値テストを実行するための閾値ユニットと、
前記閾値テストに失敗した場合には前記サンプルされたCIRから前記識別された主要マルチパスコンポーネントを差し引きながら、主要マルチパスコンポーネントを識別するプロセスを繰り返し実行するためのOGAユニットと
を備えることを特徴とする請求項78に記載のシステム。
【請求項80】
前記マルチパスコンポーネントは前記サンプルされたCIRをサンプルされたパルス波形と相関させて最大相関を持つマルチパスコンポーネントを検出することにより、時間領域処理によって識別されることを特徴とする請求項79に記載のシステム。
【請求項81】
前記マルチパスコンポーネントは周波数領域処理によって識別されることを特徴とする請求項79に記載のシステム。
【請求項82】
離散した時間区分の前記サンプルされたパルス波形を格納するディクショナリをさらに備え、それにより前記マルチパスコンポーネントが前記ディクショナリを使用して識別されることを特徴とする請求項79に記載のシステム。
【請求項83】
前記閾値テストは残余コンポーネントのι2ノルムと閾値を比較することにより実行されることを特徴とする請求項79に記載のシステム。
【請求項84】
前記閾値テストは前記識別されたマルチパスコンポーネントの絶対値と閾値を比較することにより実行されることを特徴とする請求項79に記載のシステム。
【請求項85】
前記閾値は第1の識別されたマルチパスコンポーネントの一部に設定されることを特徴とする請求項84に記載のシステム。
【請求項86】
前記第1のポストプロセッサは、
前記第1のサンプルされたCIRのパス遅延を識別するための第1のパス識別ユニットと、
前記第1のWTRUと前記第2のWTRUとの間のサンプリング時間差を判定し、ペアになっていないパス遅延を廃棄し、前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUの基礎のパスの遅延を推定して、前記基礎のパスの遅延を前記第2のWTRUに送信するように構成されたパス遅延推定器と、
前記基礎のパスの遅延に基づいて、前記第1のサンプルされたCIRからパス振幅値を生成するための第2のパス識別ユニットと、
前記パス振幅値を正規化するための第1の正規化ユニットと
を備え、
前記第2のポストプロセッサは、
前記第1のサンプルされたCIRのパス遅延を識別して前記第2のサンプルされたCIRのそのすべての検出されたパス遅延を前記第1のWTRUに送信するように構成された第3のパス識別ユニットと、
前記基礎のパスの遅延に基づいて、前記第2のサンプルされたCIRからパス振幅値を生成するように構成された第4のパス識別ユニットと、
前記パス振幅値を正規化するための第2の正規化ユニットと
を備えることを特徴とする請求項77に記載のシステム。
【請求項87】
前記パス遅延推定器は、タイムラインを小さい区分に分割し、それぞれ各区分内の前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUの検出されたパス遅延の数をカウントし、各時間区分の単位でそれぞれの検出されたパス遅延の分布を比較することにより前記第1と第2のWTRU間の前記サンプリング時間差を判定するように構成されることを特徴とする請求項86に記載のシステム。
【請求項88】
各時間区分の継続期間は前記チャネル伝送されるシンボル期間の数分の一として設定されることを特徴とする請求項87に記載のシステム。
【請求項89】
前記サンプリング時間差は、最大数の検出されたパス遅延を含む前記第1のWTRUと前記第2のWTRUの2つの時間区分の間の差として設定されることを特徴とする請求項87に記載のシステム。
【請求項90】
前記サンプリング時間差は、特定数の検出されたパス遅延よりも多くの遅延を含む前記第1のWTRUと前記第2のWTRUの2つの第1の時間区分の間の差として設定されることを特徴とする請求項87に記載のシステム。
【請求項91】
前記チャネル伝送されたシンボル期間の数分の一であるエラー許容限度内の対応する値を有するパス遅延は同一のパスであると見なされることを特徴とする請求項87に記載のシステム。
【請求項92】
前記第1のWTRUの前記基礎のパスの遅延は、局所的に最大のパス遅延数を含む時間区分の先頭として設定され、それらの数はあらかじめ定められた閾値を超えることを特徴とする請求項87に記載のシステム。
【請求項93】
前記閾値は残りのパス遅延の合計数の数分の一であることを特徴とする請求項92に記載のシステム。
【請求項94】
時間区分は、その先行および後続のあらかじめ定められた数の隣接する区分がこの区分よりも少ないパス遅延カウントを含む場合、局所的に最大のパス遅延数を含むと見なされることを特徴とする請求項92に記載のシステム。
【請求項95】
前記第2のWTRUの前記基礎のパスの遅延は、前記第1のWTRUの前記基礎のパスの遅延に前記サンプリング時間差を加えたものとして設定されることを特徴とする請求項92に記載のシステム。
【請求項96】
前記第1のポストプロセッサは、
前記第1のサンプルされたCIRのパス遅延を識別するための第1のパス識別ユニットと、
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUの第1の基礎のパスの遅延を推定するように構成された第1のパス遅延推定器と、
前記第1の基礎のパスの遅延に基づいて前記第1のサンプルされたCIRから第1のパス振幅値を生成するための第2のパス識別ユニットと、
前記パス振幅値を正規化するための第1の正規化ユニットと
を備え、
前記第2のポストプロセッサは、
前記第2のサンプルされたCIRのパス遅延を識別するように構成された第3のパス識別ユニットと、
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUの第2の基礎のパスの遅延を推定するように構成された第2のパス遅延推定器と、
前記第2の基礎のパスの遅延に基づいて前記第2のサンプルされたCIRから第2のパス振幅値を生成するように構成された第4のパス識別ユニットと、
前記パス振幅値を正規化するための第2の正規化ユニットと
を備えることを特徴とする請求項77に記載のシステム。
【請求項97】
前記第1のパス遅延推定器および前記第2のパス遅延推定器は、タイムラインを小さい区分に分割し、それぞれ各区分の検出されたパス遅延の数をカウントし、前記基礎のパスの遅延を局所的に最大のパス遅延数を含む時間区分の先頭として推定し、それらの数はあらかじめ定められた閾値を超えるように構成されることを特徴とする請求項96に記載のシステム。
【請求項98】
前記閾値は残りのパス遅延の合計数の数分の一であることを特徴とする請求項97に記載のシステム。
【請求項99】
前記第1のWTRUが前記正規化された振幅値を1つの連結されたビットストリングに連結し、それにより前記秘密鍵が前記連結ビットストリングから生成されることを特徴とする請求項97に記載のシステム。
【請求項100】
量子化レベルは基準パスの信号対雑音比(SNR)によって決定されることを特徴とする請求項99に記載のシステム。
【請求項101】
前記第1のWTRUは各パスの信号対雑音比(SNR)に基づいて様々な量子化レベルで前記正規化された振幅値を個別に処理して複数のビットストリングを生成し、各ビットストリングの個別のシンドロームを生成して、前記個別のシンドロームを前記第2のWTRUに送信し、それにより前記第2のWTRUは前記個別のシンドロームを使用して前記秘密鍵を生成することを特徴とする請求項97に記載のシステム。
【請求項102】
前記第1のWTRUは、どのシンドロームがどのパスに属するかを識別するためにパケットヘッダを添付することを特徴とする請求項101に記載のシステム。
【請求項103】
どのシンドロームがどのパスに属するかを識別するためにパス索引が前記パケットヘッダに含まれることを特徴とする請求項102に記載のシステム。
【請求項104】
前記パスは、最も早いパス、最大振幅のパス、および識別されたパスの全部または部分のうちの1つに関連する相対パス遅延を使用して識別されることを特徴とする請求項102に記載のシステム。
【請求項105】
前記第1のWTRUは各パスの信号対雑音比(SNR)に基づいて様々な量子化レベルで前記正規化された振幅値を個別に処理して複数のビットストリングを生成し、前記ビットストリングを連結し、前記連結されたビットストリングのシンドロームを生成して、前記シンドロームを前記第2のWTRUに送信し、それにより前記第2のWTRUは前記シンドロームを使用して前記秘密鍵を生成することを特徴とする請求項97に記載のシステム。
【請求項106】
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUは前記周波数領域の観測された信号の位相シフトを推定し、それにより前記サンプリング時間差が前記位相シフト推定に基づいて調整されることを特徴とする請求項77に記載のシステム。
【請求項107】
推定されたチャネル・インパルス応答(CIR)を無線通信システムの個別のマルチパスコンポーネントに分割する方法であって、
(a)サンプルされたCIRを生成するステップと、
(b)主要なマルチパスコンポーネントを識別するステップと、
(c)閾値テストを実行するステップと、
(d)前記閾値テストに合格した場合、前記識別された主要なマルチパスコンポーネントを出力するステップと、
(e)前記閾値テストに合格しない場合、前記識別された主要マルチパスコンポーネントを前記サンプルされたCIRから差し引き、後続のマルチパスコンポーネントを識別するステップ(b)に戻るステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項108】
前記マルチパスコンポーネントは前記サンプルされたCIRをサンプルされたパルス波形と相関させて最大相関を持つマルチパスコンポーネントを検出することにより、時間領域処理によって識別されることを特徴とする請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記マルチパスコンポーネントは周波数領域処理によって識別されることを特徴とする請求項107に記載の方法。
【請求項110】
前記サンプルされたパルス波形は離散した時間区分にわたりディクショナリに格納され、それにより前記マルチパスコンポーネントが前記ディクショナリを使用して識別されることを特徴とする請求項107に記載の方法。
【請求項111】
前記閾値テストは残余コンポーネントのι2ノルムと閾値を比較することにより実行されることを特徴とする請求項107に記載の方法。
【請求項112】
前記閾値テストは前記識別されたマルチパスコンポーネントの絶対値と閾値を比較することにより実行されることを特徴とする請求項107に記載の方法。
【請求項113】
前記閾値は第1の識別されたマルチパスコンポーネントの一部に設定されることを特徴とする請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記識別されたマルチパスコンポーネントは符号分割多重アクセス(CDMA)方式のレーキ受信機での処理のために使用されることを特徴とする請求項107に記載の方法。
【請求項115】
前記識別されたマルチパスコンポーネントは等化器での処理のために使用されることを特徴とする請求項107に記載の方法。
【請求項116】
推定されたチャネル・インパルス応答(CIR)を無線通信システムの個別のマルチパスコンポーネントに分割する装置であって、
サンプルされたCIRを生成するためのチャネル推定器と、
閾値テストを実行するための閾値ユニットと、
前記閾値テストに失敗した場合には前記サンプルされたCIRから前記識別された主要マルチパスコンポーネントを差し引きながら、主要マルチパスコンポーネントを識別するプロセスを繰り返し実行するための直交貪欲アルゴリズム(OGA)ユニットと
を備えることを特徴とする装置。
【請求項117】
前記マルチパスコンポーネントは前記サンプルされたCIRをサンプルされたパルス波形と相関させて最大相関を持つマルチパスコンポーネントを検出することにより、時間領域処理によって識別されることを特徴とする請求項116に記載の装置。
【請求項118】
前記マルチパスコンポーネントは周波数領域処理によって識別されることを特徴とする請求項116に記載の装置。
【請求項119】
離散した時間区分の前記サンプルされたパルス波形を格納するディクショナリをさらに備え、それにより前記マルチパスコンポーネントが前記ディクショナリを使用して識別されることを特徴とする請求項116に記載の装置。
【請求項120】
前記閾値テストは残余コンポーネントのι2ノルムと閾値を比較することにより実行されることを特徴とする請求項119に記載の装置。
【請求項121】
前記閾値テストは前記識別されたマルチパスコンポーネントの絶対値と閾値を比較することにより実行されることを特徴とする請求項119に記載の装置。
【請求項122】
前記閾値は第1の識別されたマルチパスコンポーネントの一部に設定されることを特徴とする請求項121に記載の装置。
【請求項123】
前記識別されたマルチパスコンポーネントを持つ受信信号を処理するためのレーキ受信機をさらに備えることを特徴とする請求項116に記載の装置。
【請求項124】
前記識別されたマルチパスコンポーネントを持つ受信信号を処理するための等化器をさらに備えることを特徴とする請求項116に記載の装置。
【請求項1】
第1の無線送受信ユニット(WTRU)および第2のWTRUを含む無線通信システムにおいて、前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUによって共有される同時ランダム性から秘密鍵を生成する方法であって、
前記第1のWTRUがチャネル推定を実行して、前記第1のWTRUと前記第2のWTRUとの間のチャネル上に第1のサンプルされたチャネル・インパルス応答(CIR)を生成するステップと、
前記第2のWTRUがチャネル推定を実行して、前記第1のWTRUと前記第2のWTRUとの間のチャネル上に第2のサンプルされたCIRを生成するステップと、
前記第1のWTRUが前記第1のサンプルされたCIRから第1のビットのセットを生成するステップと、
前記第1のWTRUが前記第1のビットのセットから秘密鍵およびシンドロームを生成するステップと、
前記第1のWTRUが前記シンドロームを前記第2のWTRUに送信するステップと、
前記第2のWTRUが前記シンドロームおよび前記第2のサンプルされたCIRから第2のビットのセットを生成するステップと、
前記第2のWTRUが前記第2のビットのセットから前記秘密鍵を生成するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1のWTRUが前記第1のサンプルされたCIRの量子化を実行して量子化ビットを生成するステップと、
前記第1のWTRUが前記量子化ビットにソース符号化を実行して前記第1のビットのセットを生成するステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のWTRUは等確率の量子化および最小平均2乗誤差(MMSE)量子化のうちの1つを実行することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のWTRUは自然符号化およびグレイ符号化のうちの1つを実行することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のWTRUは過剰量子化を実行して単調性量子化ビットおよび過剰量子化ビットを生成し、前記単調性量子化ビットから前記シンドロームおよび前記秘密鍵を生成して、前記過剰量子化ビットおよび前記シンドロームを前記第2のWTRUに送信し、前記第2のWTRUはさらに前記過剰量子化ビットに基づいて前記第2のビットのセットを生成することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のWTRUは軟判定を使用してログ尤度比(LLR)を計算して、前記第2のビットのセットを生成することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のWTRUは前記第1のサンプルされたCIRの量子化エラーを前記第2のWTRUに送信することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のWTRUは軟判定を使用してログ尤度比(LLR)を計算して、前記第2のビットのセットを生成することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のWTRUが、前記量子化エラーを一様な確率変数にマッピングすることにより、前記量子化エラーを変換し、それにより前記変換された量子化エラーは量子化パーティションから独立し、一様に分布されるステップをさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のWTRUは、バイナリ低密度パリティチェック(LDPC)符号化、リード−ソロモン符号化、ターボ符号化、および差分符号化のうちの少なくとも1つを実行して前記シンドロームを生成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のWTRUはビット単位のログ尤度比(LLR)を計算して、前記第2のビットのセットを生成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のWTRUは硬判定を使用して前記LLRを計算することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のWTRUは軟判定を使用して前記LLRを計算することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のWTRUは第1のビットのセット内の各ビットを個別に処理して複数のビット単位シンドロームを生成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第2のWTRUは各ビット単位シンドロームを連続的に処理して第2のビットのセットを生成することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2のWTRUは第1のビット単位シンドロームから始まる前記ビット単位シンドロームを処理し、前記第2のビットのセットの前記第1のビットのセットから始まる前記第1のビットのセットを生成することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2のWTRUは最後のビット単位シンドロームから始まる前記ビット単位シンドロームを処理し、前記第2のビットのセットの前記最後のビットのセットから始まる前記最後のビットのセットを生成することを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ソース符号化のレートは、前記第2のWTRUにおける正しい復号化を可能にしながら、前記シンドロームの長さを最小にするように決定されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のWTRUが前記シンドロームをパンクチャするステップと、
前記第1のWTRUが前記シンドロームのパンクチャされたバージョンを伝送するステップと、
前記第1のWTRUが前記シンドロームのパンクチャ位置を前記第2のWTRUに知らせ、それにより前記第2のWTRUが前記パンクチャされた前記シンドロームのバージョンに基づいて前記第2のビットのセットを生成するステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記第2のWTRUが前記パンクチャされた前記シンドロームのバージョンを使用することにより前記第2のビットのセットを生成できない場合、前記第2のWTRUはさらに多くのシンドロームビットを前記第1のWTRUに要求するステップをさらに備えることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUは複数のアンテナを含み、各アンテナ組合せに対してサンプルされたCIRを生成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のWTRUおよび第2のWTRUが前記サンプルされたCIRで後処理を実行するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUがそれぞれ前記第1のサンプルされたCIRおよび前記第2のサンプルされたCIRの少なくとも1つのマルチパスコンポーネントを識別するステップと、
前記第1のWTRUおよび第2のWTRUが前記識別されたマルチパスコンポーネントの各々から前記秘密鍵を生成するステップをさらに備えることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUはそれぞれ直交貪欲アルゴリズム(OGA)を使用することによりマルチパスコンポーネントを識別することを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
マルチパスコンポーネントを識別する前記ステップは、
(a)主要なマルチパスコンポーネントを識別するステップと、
(b)閾値テストを実行するステップと、
(c)前記閾値テストに合格した場合、前記識別された主要なマルチパスコンポーネントを出力するステップと、
(d)前記閾値テストに合格しない場合、前記識別された主要マルチパスコンポーネントを前記サンプルされたCIRから差し引き、後続のマルチパスコンポーネントを識別するステップ(a)に戻るステップと
を備えることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記マルチパスコンポーネントは、前記サンプルされたCIRをサンプルされたパルス波形と相関させて最大相関を持つマルチパスコンポーネントを検出することにより、時間領域処理によって識別されることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記マルチパスコンポーネントは周波数領域処理によって識別されることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記サンプルされたパルス波形は離散した時間区分にわたりディクショナリに格納され、それにより前記マルチパスコンポーネントが前記ディクショナリを使用して識別されることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記閾値テストは残余コンポーネントのι2ノルムと閾値とを比較することにより実行されることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記閾値テストは前記識別されたマルチパスコンポーネントの絶対値と閾値とを比較することにより実行されることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記閾値は第1の識別されたマルチパスコンポーネントの一部に設定されることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第2のWTRUが前記第2のサンプルされたCIRのそのすべての検出されたパス遅延を前記第1のWTRUに送信するステップと、
前記第1のWTRUが前記第1のWTRUと前記第2のWTRUとの間のサンプリング時間差を決定するステップと、
前記第1のWTRUがペアになっていないパス遅延を廃棄するステップと、
前記第1のWTRUが前記第1のWTRUと前記第2のWTRUの基礎のパスの遅延を推定するステップと、
前記第1のWTRUが前記基礎のパスの遅延を前記第2のWTRUに送信するステップと、
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUがそれぞれ前記基礎のパスの遅延に基づいて、前記第1のサンプルされたCIRおよび前記第2のサンプルされたCIRからパス振幅値を生成するステップと、
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUがそれぞれ前記パス振幅値を正規化するステップとをさらに備えることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項33】
タイムラインは小さい区分に分割され、前記第1のWTRUはそれぞれ各区分内の前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUの検出されたパス遅延の数をカウントし、各時間区分の単位でそれぞれの検出されたパス遅延の分布を比較することにより、前記第1と第2のWTRU間の前記サンプリング時間差を決定することを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
各時間区分の継続期間は前記チャネル伝送されるシンボル期間の数分の一として設定されることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記サンプリング時間差は、最大数の検出されたパス遅延を含む前記第1のWTRUと前記第2のWTRUの2つの時間区分の間の差として設定されることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記サンプリング時間差は、特定数の検出されたパス遅延よりも多くの遅延を含む前記第1のWTRUと前記第2のWTRUの2つの第1の時間区分の間の差として設定されることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記チャネル伝送されたシンボル期間の数分の一であるエラー許容限度内の対応する値を有するパス遅延は同一のパスであると見なされることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記第1のWTRUの前記基礎のパスの遅延は、局所的に最大のパス遅延数を含む時間区分の先頭として設定され、それらの数はあらかじめ定められた閾値を超えることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記閾値は残りのパス遅延の合計数の数分の一であることを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項40】
時間区分は、その先行および後続のあらかじめ定められた数の隣接する区分がこの区分よりも少ないパス遅延カウントを含む場合、局所的に最大のパス遅延数を含むと見なされることを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記第2のWTRUの前記基礎のパスの遅延は、前記第1のWTRUの前記基礎のパスの遅延に前記サンプリング時間差を加えたものとして設定されることを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUがそれぞれ前記第1のサンプルされたCIRおよび前記第2のサンプルされたCIRのパス遅延を識別するステップと、
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUがそれぞれその基礎のパスの遅延を推定するステップと、
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUがそれぞれ前記基礎のパスの遅延に基づいて、前記第1のサンプルされたCIRおよび前記第2のサンプルされたCIRからパス振幅値を生成するステップと、
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUがそれぞれ前記パス振幅値を正規化するステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項43】
タイムラインは小さい区分に分割され、前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUはそれぞれ各区分の検出されたパス遅延の数をカウントし、前記基礎のパスの遅延を局所的に最大のパス遅延数を含む時間区分の先頭として推定し、それらの数はあらかじめ定められた閾値を超えることを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記閾値は、残りのパス遅延の合計数の数分の一であることを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記第1のWTRUが前記正規化された振幅値を1つの連結されたビットストリングに連結し、それにより前記秘密鍵が前記連結ビットストリングから生成されるステップをさらに備えることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項46】
量子化レベルは基準パスの信号対雑音比(SNR)によって決定されることを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記第1のWTRUが各パスの信号対雑音比(SNR)に基づいて様々な量子化レベルで前記正規化された振幅値を個別に処理して複数のビットストリングを生成するステップと、
前記第1のWTRUが各ビットストリングのシンドロームを個別に生成するステップと、
前記第1のWTRUが前記個別のシンドロームを前記第2のWTRUに送信し、それにより前記第2のWTRUが前記個別のシンドロームを使用して前記秘密鍵を生成するステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項48】
前記第1のWTRUは、どのシンドロームがどのパスに属するかを識別するためにパケットヘッダを添付することを特徴とする請求項47に記載の方法。
【請求項49】
どのシンドロームがどのパスに属するかを識別するためにパス索引が前記パケットヘッダに含まれることを特徴とする請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記パスは、最も早いパス、最大振幅のパス、および識別されたパスの全部または部分のうちの1つに関連する相対パス遅延を使用して識別されることを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記第1のWTRUが各パスの信号対雑音比(SNR)に基づいて様々な量子化レベルで前記正規化された振幅値を個別に処理して複数のビットストリングを生成するステップと、
前記第1のWTRUが前記ビットストリングを連結するステップと、
前記第1のWTRUが前記連結されたビットストリングのシンドロームを生成するステップと、
前記第1のWTRUが前記シンドロームを前記第2のWTRUに送信し、それにより前記第2のWTRUが前記シンドロームを使用して前記秘密鍵を生成するステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項52】
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUは、前記周波数領域の観測された信号の位相シフトを推定し、それにより前記サンプリング時間差が前記位相シフト推定に基づいて調整されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項53】
第1の無線送受信ユニット(WTRU)および第2のWTRUにより共有される同時ランダム性から秘密鍵を生成する無線通信システムであって、
チャネル推定を実行して、前記第1のWTRUと前記第2のWTRUとの間のチャネル上に第1のサンプルされたチャネル・インパルス応答(CIR)を生成するための第1のチャネル推定器と、
前記第1のサンプルされたCIRを量子化して量子化値を生成するための量子化ユニットと、
前記量子化値にソース符号化を実行して第1のビットのセットを生成するためのソース符号化ユニットと、
前記第1のビットのセットからシンドロームを生成するためのエラー訂正符号化ユニットと、
前記第1のビットのセットから秘密鍵を生成するための第1のプライバシー増幅ユニットと
を含む前記第1のWTRUと、
チャネル推定を実行して、前記第1のWTRUと前記第2のWTRUとの間のチャネル上に第2のサンプルされたCIRを生成するための第2のチャネル推定器と、
前記第1のWTRUから受信した前記シンドロームおよび前記第2のサンプルされたCIRから第2のビットのセットを生成するための復号器と、
前記第2のビットのセットから前記秘密鍵を生成するための第2のPAプロセッサと
を含む前記第2のWTRUと
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項54】
前記量子化ユニットは等確率の量子化および最小平均2乗誤差(MMSE)量子化のうちの1つを実行することを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記ソース符号化ユニットは自然符号化およびグレイ符号化のうちの1つを実行することを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項56】
前記量子化ユニットは過剰量子化を実行して単調性量子化ビットおよび過剰量子化ビットを生成し、前記エラー訂正符号化ユニットは前記単調性量子化ビットから前記シンドロームを生成し、前記第1のPAプロセッサは前記単調性量子化ビットから前記秘密鍵を生成し、前記過剰量子化ビットおよび前記シンドロームは前記第2のWTRUに送信され、前記復号器はさらに前記過剰量子化ビットに基づいて前記第2のビットのセットを生成することを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項57】
前記復号器は軟判定を使用してログ尤度比(LLR)を計算して、前記第2のビットのセットを生成することを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記第1のWTRUは前記第1のサンプルされたCIRの量子化エラーを前記第2のWTRUに送信することを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項59】
前記復号器は軟判定を使用してログ尤度比(LLR)を計算して、前記第2のビットのセットを生成することを特徴とする請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
前記第1のWTRUは前記量子化エラーを一様な確率変数にマッピングすることにより前記量子化エラーを変換し、それにより前記変換された量子化エラーは量子化パーティションから独立し、一様に分布されることを特徴とする請求項58に記載のシステム。
【請求項61】
前記エラー訂正符号化ユニットは、バイナリ低密度パリティチェック(LDPC)符号化、リード−ソロモン符号化、ターボ符号化、および差分符号化のうちの少なくとも1つを実行して前記シンドロームを生成することを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項62】
前記復号器はビット単位のログ尤度比(LLR)を計算して、前記第2のビットのセットを生成することを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項63】
前記復号器は硬判定を使用して前記LLRを計算することを特徴とする請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
前記復号器は軟判定を使用して前記LLRを計算することを特徴とする請求項62に記載のシステム。
【請求項65】
前記第1のWTRUは、前記第1のビットのセット内の各ビットを個別に処理して複数のビット単位シンドロームを生成するための複数のエラー訂正符号化ユニットを備えることを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項66】
前記第2のWTRUは、各ビット単位シンドロームを連続的に処理して第2のビットのセットを生成するための複数の復号器を備えることを特徴とする請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
前記複数の復号器は第1のビット単位シンドロームから始まる前記ビット単位シンドロームを処理し、前記第2のビットのセットの前記第1のビットのセットから始まる第1のビットのセットを生成することを特徴とする請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
前記複数の復号器は最後のビット単位シンドロームから始まる前記ビット単位シンドロームを処理し、前記第2のビットのセットの最後のビットのセットから始まる最後のビットのセットを生成することを特徴とする請求項66に記載のシステム。
【請求項69】
前記ソース符号化のレートは、前記第2のWTRUにおける正しい復号化を可能にしながら、前記シンドロームの長さを最小にするように決定されることを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項70】
前記第1のWTRUはさらに前記シンドロームをパンクチャするためのパンクチャユニットを備え、それにより前記復号器は前記パンクチャされた前記シンドロームのバージョンに基づいて前記第2のビットのセットを生成することを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項71】
前記復号器が前記パンクチャされた前記シンドロームのバージョンを使用することにより前記第2のビットのセットを生成できない場合、前記第2のWTRUは、さらに多くのシンドロームビットを前記第1のWTRUに要求するように構成されることを特徴とする請求項70に記載のシステム。
【請求項72】
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUは複数のアンテナを含み、各アンテナ組合せに対してサンプルされたCIRを生成することを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項73】
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUは、多入力多出力(MIMO)チャネルを固有モードに分割して、前記固有モードのうちの少なくとも1つから秘密鍵を生成するように構成されることを特徴とする請求項72に記載のシステム。
【請求項74】
雑音ベクトルが白色ではない場合、前記第1のWTRUはさらに雑音白色化のための雑音白色化フィルタを備えることを特徴とする請求項72に記載のシステム。
【請求項75】
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUは、雑音白色化フィルタおよびチャネルマトリクスに関する情報を交換するように構成されることを特徴とする請求項74に記載のシステム。
【請求項76】
前記第1のWTRUはさらに前記第1のサンプルされたCIRで後処理を実行するための第1のポストプロセッサを備え、前記第2のWTRUはさらに前記第2のサンプルされたCIRで後処理を実行するための第2のポストプロセッサを備えることを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項77】
前記第1のポストプロセッサおよび前記第2のポストプロセッサはそれぞれ、前記第1のサンプルされたCIRおよび前記第2のサンプルされたCIRの少なくとも1つのマルチパスコンポーネントを識別するように構成され、前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUは前記識別されたマルチパスコンポーネントの各々から前記秘密鍵を生成するように構成されることを特徴とする請求項76に記載のシステム。
【請求項78】
前記第1のポストプロセッサおよび前記第2のポストプロセッサはそれぞれ直交貪欲アルゴリズム(OGA)を適用することにより前記マルチパスコンポーネントを識別することを特徴とする請求項77に記載のシステム。
【請求項79】
前記第1のポストプロセッサおよび前記第2のポストプロセッサは、
閾値テストを実行するための閾値ユニットと、
前記閾値テストに失敗した場合には前記サンプルされたCIRから前記識別された主要マルチパスコンポーネントを差し引きながら、主要マルチパスコンポーネントを識別するプロセスを繰り返し実行するためのOGAユニットと
を備えることを特徴とする請求項78に記載のシステム。
【請求項80】
前記マルチパスコンポーネントは前記サンプルされたCIRをサンプルされたパルス波形と相関させて最大相関を持つマルチパスコンポーネントを検出することにより、時間領域処理によって識別されることを特徴とする請求項79に記載のシステム。
【請求項81】
前記マルチパスコンポーネントは周波数領域処理によって識別されることを特徴とする請求項79に記載のシステム。
【請求項82】
離散した時間区分の前記サンプルされたパルス波形を格納するディクショナリをさらに備え、それにより前記マルチパスコンポーネントが前記ディクショナリを使用して識別されることを特徴とする請求項79に記載のシステム。
【請求項83】
前記閾値テストは残余コンポーネントのι2ノルムと閾値を比較することにより実行されることを特徴とする請求項79に記載のシステム。
【請求項84】
前記閾値テストは前記識別されたマルチパスコンポーネントの絶対値と閾値を比較することにより実行されることを特徴とする請求項79に記載のシステム。
【請求項85】
前記閾値は第1の識別されたマルチパスコンポーネントの一部に設定されることを特徴とする請求項84に記載のシステム。
【請求項86】
前記第1のポストプロセッサは、
前記第1のサンプルされたCIRのパス遅延を識別するための第1のパス識別ユニットと、
前記第1のWTRUと前記第2のWTRUとの間のサンプリング時間差を判定し、ペアになっていないパス遅延を廃棄し、前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUの基礎のパスの遅延を推定して、前記基礎のパスの遅延を前記第2のWTRUに送信するように構成されたパス遅延推定器と、
前記基礎のパスの遅延に基づいて、前記第1のサンプルされたCIRからパス振幅値を生成するための第2のパス識別ユニットと、
前記パス振幅値を正規化するための第1の正規化ユニットと
を備え、
前記第2のポストプロセッサは、
前記第1のサンプルされたCIRのパス遅延を識別して前記第2のサンプルされたCIRのそのすべての検出されたパス遅延を前記第1のWTRUに送信するように構成された第3のパス識別ユニットと、
前記基礎のパスの遅延に基づいて、前記第2のサンプルされたCIRからパス振幅値を生成するように構成された第4のパス識別ユニットと、
前記パス振幅値を正規化するための第2の正規化ユニットと
を備えることを特徴とする請求項77に記載のシステム。
【請求項87】
前記パス遅延推定器は、タイムラインを小さい区分に分割し、それぞれ各区分内の前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUの検出されたパス遅延の数をカウントし、各時間区分の単位でそれぞれの検出されたパス遅延の分布を比較することにより前記第1と第2のWTRU間の前記サンプリング時間差を判定するように構成されることを特徴とする請求項86に記載のシステム。
【請求項88】
各時間区分の継続期間は前記チャネル伝送されるシンボル期間の数分の一として設定されることを特徴とする請求項87に記載のシステム。
【請求項89】
前記サンプリング時間差は、最大数の検出されたパス遅延を含む前記第1のWTRUと前記第2のWTRUの2つの時間区分の間の差として設定されることを特徴とする請求項87に記載のシステム。
【請求項90】
前記サンプリング時間差は、特定数の検出されたパス遅延よりも多くの遅延を含む前記第1のWTRUと前記第2のWTRUの2つの第1の時間区分の間の差として設定されることを特徴とする請求項87に記載のシステム。
【請求項91】
前記チャネル伝送されたシンボル期間の数分の一であるエラー許容限度内の対応する値を有するパス遅延は同一のパスであると見なされることを特徴とする請求項87に記載のシステム。
【請求項92】
前記第1のWTRUの前記基礎のパスの遅延は、局所的に最大のパス遅延数を含む時間区分の先頭として設定され、それらの数はあらかじめ定められた閾値を超えることを特徴とする請求項87に記載のシステム。
【請求項93】
前記閾値は残りのパス遅延の合計数の数分の一であることを特徴とする請求項92に記載のシステム。
【請求項94】
時間区分は、その先行および後続のあらかじめ定められた数の隣接する区分がこの区分よりも少ないパス遅延カウントを含む場合、局所的に最大のパス遅延数を含むと見なされることを特徴とする請求項92に記載のシステム。
【請求項95】
前記第2のWTRUの前記基礎のパスの遅延は、前記第1のWTRUの前記基礎のパスの遅延に前記サンプリング時間差を加えたものとして設定されることを特徴とする請求項92に記載のシステム。
【請求項96】
前記第1のポストプロセッサは、
前記第1のサンプルされたCIRのパス遅延を識別するための第1のパス識別ユニットと、
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUの第1の基礎のパスの遅延を推定するように構成された第1のパス遅延推定器と、
前記第1の基礎のパスの遅延に基づいて前記第1のサンプルされたCIRから第1のパス振幅値を生成するための第2のパス識別ユニットと、
前記パス振幅値を正規化するための第1の正規化ユニットと
を備え、
前記第2のポストプロセッサは、
前記第2のサンプルされたCIRのパス遅延を識別するように構成された第3のパス識別ユニットと、
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUの第2の基礎のパスの遅延を推定するように構成された第2のパス遅延推定器と、
前記第2の基礎のパスの遅延に基づいて前記第2のサンプルされたCIRから第2のパス振幅値を生成するように構成された第4のパス識別ユニットと、
前記パス振幅値を正規化するための第2の正規化ユニットと
を備えることを特徴とする請求項77に記載のシステム。
【請求項97】
前記第1のパス遅延推定器および前記第2のパス遅延推定器は、タイムラインを小さい区分に分割し、それぞれ各区分の検出されたパス遅延の数をカウントし、前記基礎のパスの遅延を局所的に最大のパス遅延数を含む時間区分の先頭として推定し、それらの数はあらかじめ定められた閾値を超えるように構成されることを特徴とする請求項96に記載のシステム。
【請求項98】
前記閾値は残りのパス遅延の合計数の数分の一であることを特徴とする請求項97に記載のシステム。
【請求項99】
前記第1のWTRUが前記正規化された振幅値を1つの連結されたビットストリングに連結し、それにより前記秘密鍵が前記連結ビットストリングから生成されることを特徴とする請求項97に記載のシステム。
【請求項100】
量子化レベルは基準パスの信号対雑音比(SNR)によって決定されることを特徴とする請求項99に記載のシステム。
【請求項101】
前記第1のWTRUは各パスの信号対雑音比(SNR)に基づいて様々な量子化レベルで前記正規化された振幅値を個別に処理して複数のビットストリングを生成し、各ビットストリングの個別のシンドロームを生成して、前記個別のシンドロームを前記第2のWTRUに送信し、それにより前記第2のWTRUは前記個別のシンドロームを使用して前記秘密鍵を生成することを特徴とする請求項97に記載のシステム。
【請求項102】
前記第1のWTRUは、どのシンドロームがどのパスに属するかを識別するためにパケットヘッダを添付することを特徴とする請求項101に記載のシステム。
【請求項103】
どのシンドロームがどのパスに属するかを識別するためにパス索引が前記パケットヘッダに含まれることを特徴とする請求項102に記載のシステム。
【請求項104】
前記パスは、最も早いパス、最大振幅のパス、および識別されたパスの全部または部分のうちの1つに関連する相対パス遅延を使用して識別されることを特徴とする請求項102に記載のシステム。
【請求項105】
前記第1のWTRUは各パスの信号対雑音比(SNR)に基づいて様々な量子化レベルで前記正規化された振幅値を個別に処理して複数のビットストリングを生成し、前記ビットストリングを連結し、前記連結されたビットストリングのシンドロームを生成して、前記シンドロームを前記第2のWTRUに送信し、それにより前記第2のWTRUは前記シンドロームを使用して前記秘密鍵を生成することを特徴とする請求項97に記載のシステム。
【請求項106】
前記第1のWTRUおよび前記第2のWTRUは前記周波数領域の観測された信号の位相シフトを推定し、それにより前記サンプリング時間差が前記位相シフト推定に基づいて調整されることを特徴とする請求項77に記載のシステム。
【請求項107】
推定されたチャネル・インパルス応答(CIR)を無線通信システムの個別のマルチパスコンポーネントに分割する方法であって、
(a)サンプルされたCIRを生成するステップと、
(b)主要なマルチパスコンポーネントを識別するステップと、
(c)閾値テストを実行するステップと、
(d)前記閾値テストに合格した場合、前記識別された主要なマルチパスコンポーネントを出力するステップと、
(e)前記閾値テストに合格しない場合、前記識別された主要マルチパスコンポーネントを前記サンプルされたCIRから差し引き、後続のマルチパスコンポーネントを識別するステップ(b)に戻るステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項108】
前記マルチパスコンポーネントは前記サンプルされたCIRをサンプルされたパルス波形と相関させて最大相関を持つマルチパスコンポーネントを検出することにより、時間領域処理によって識別されることを特徴とする請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記マルチパスコンポーネントは周波数領域処理によって識別されることを特徴とする請求項107に記載の方法。
【請求項110】
前記サンプルされたパルス波形は離散した時間区分にわたりディクショナリに格納され、それにより前記マルチパスコンポーネントが前記ディクショナリを使用して識別されることを特徴とする請求項107に記載の方法。
【請求項111】
前記閾値テストは残余コンポーネントのι2ノルムと閾値を比較することにより実行されることを特徴とする請求項107に記載の方法。
【請求項112】
前記閾値テストは前記識別されたマルチパスコンポーネントの絶対値と閾値を比較することにより実行されることを特徴とする請求項107に記載の方法。
【請求項113】
前記閾値は第1の識別されたマルチパスコンポーネントの一部に設定されることを特徴とする請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記識別されたマルチパスコンポーネントは符号分割多重アクセス(CDMA)方式のレーキ受信機での処理のために使用されることを特徴とする請求項107に記載の方法。
【請求項115】
前記識別されたマルチパスコンポーネントは等化器での処理のために使用されることを特徴とする請求項107に記載の方法。
【請求項116】
推定されたチャネル・インパルス応答(CIR)を無線通信システムの個別のマルチパスコンポーネントに分割する装置であって、
サンプルされたCIRを生成するためのチャネル推定器と、
閾値テストを実行するための閾値ユニットと、
前記閾値テストに失敗した場合には前記サンプルされたCIRから前記識別された主要マルチパスコンポーネントを差し引きながら、主要マルチパスコンポーネントを識別するプロセスを繰り返し実行するための直交貪欲アルゴリズム(OGA)ユニットと
を備えることを特徴とする装置。
【請求項117】
前記マルチパスコンポーネントは前記サンプルされたCIRをサンプルされたパルス波形と相関させて最大相関を持つマルチパスコンポーネントを検出することにより、時間領域処理によって識別されることを特徴とする請求項116に記載の装置。
【請求項118】
前記マルチパスコンポーネントは周波数領域処理によって識別されることを特徴とする請求項116に記載の装置。
【請求項119】
離散した時間区分の前記サンプルされたパルス波形を格納するディクショナリをさらに備え、それにより前記マルチパスコンポーネントが前記ディクショナリを使用して識別されることを特徴とする請求項116に記載の装置。
【請求項120】
前記閾値テストは残余コンポーネントのι2ノルムと閾値を比較することにより実行されることを特徴とする請求項119に記載の装置。
【請求項121】
前記閾値テストは前記識別されたマルチパスコンポーネントの絶対値と閾値を比較することにより実行されることを特徴とする請求項119に記載の装置。
【請求項122】
前記閾値は第1の識別されたマルチパスコンポーネントの一部に設定されることを特徴とする請求項121に記載の装置。
【請求項123】
前記識別されたマルチパスコンポーネントを持つ受信信号を処理するためのレーキ受信機をさらに備えることを特徴とする請求項116に記載の装置。
【請求項124】
前記識別されたマルチパスコンポーネントを持つ受信信号を処理するための等化器をさらに備えることを特徴とする請求項116に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【公表番号】特表2009−521188(P2009−521188A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547413(P2008−547413)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/048315
【国際公開番号】WO2008/010838
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(596008622)インターデイジタル テクノロジー コーポレーション (871)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/048315
【国際公開番号】WO2008/010838
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(596008622)インターデイジタル テクノロジー コーポレーション (871)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]