説明

同調エンボスシートの製造方法及び同調エンボスシート

【課題】見た目の模様と、触った際の触感としての模様とが同調するリアルな木目を再現できる同調エンボスシートの製造方法を提供する。
【解決手段】基材フィルム11の一方の面に、木目柄を印刷する。木目柄上に透明樹脂フィルムを貼着して透明層15を積層する。透明層15の表面に印刷柄に合せた凹凸柄23のエンボス加工を施す。透明層15の積層後に、基材フィルムの他方の面に、粘着剤19にて離型紙17を貼着し、支持層21を積層する。上記エンボス工程は、エンボス工程での塑性変形量を加味して、印刷による木目柄に対し凹凸柄23を周方向で0.2〜2.0%伸ばした寸法とするとともに、幅方向で0.1〜1.5%縮めた寸法として支持層21が一体となった樹脂紙一体積層フィルムに施し、印刷柄と同調させて透明層15の表面に凹凸柄23を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同調エンボスシートの製造方法及び同調エンボスシートに関する。
【背景技術】
【0002】
建築用の壁材などの装飾材として用いられる化粧シートや、家具,什器などの装飾を施す表面材として用いられる化粧シートには、例えば木目模様などの施された化粧シートが用いられる(特許文献1等参照)。この化粧シートは、木目模様を表現するために、合成樹脂フィルムよりなる基材の表面に、グラビア印刷などの印刷を施す。さらに、木目印刷の表面にエンボス加工を施して、印刷柄とエンボス柄とを同調させてリアルさを得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−138732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、印刷を施したフィルムに対し、表面となる透明フィルム(オーバーレイヤー)をラミネートする工程やエンボス工程での加熱や張力などによって、伸びてしまったり縮んでしまったりし、印刷模様とエンボス模様が同調しにくい。特に透明フィルムを熱圧着によるラミネートすると、熱や圧力で変形する。そのため、従来では、加熱温度を低くしたりして変形を低減していたが、加熱温度があまり低いとエンボスの耐熱性が劣り、エンボス戻りが起きやすくなるので加熱エンボス工程での変形は避けられなかった。
【0005】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、見た目の模様と、触った際の触感としての模様とが同調するリアルな木目を再現できる同調エンボスシートの製造方法及び同調エンボスシートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の同調エンボスシートの製造方法は、樹脂フィルムよりなる基材フィルム11の一方の面に、印刷ロールを用いて木目柄を印刷する印刷工程と、
該一方の面の木目柄上に透明樹脂フィルムをドライラミネート接着剤により貼着して透明層15を形成する積層工程と、
該透明層15の表面に前記印刷柄に合せた凹凸柄23を有するエンボスロールにてエンボス加工を施すエンボス工程と、
を具備する同調エンボスシートの製造方法であって、
前記印刷工程後に対する前記エンボス工程後の塑性変形を加味して、該変形による印刷柄に対する凹凸柄の相対変形量を周方向で0.2〜2.0%、好ましくは0.2〜1.2%、さらに好ましくは0.2〜1.0%大きく、且つ幅方向で0.1〜1.5%、好ましくは0.1〜1.0%、さらに好ましくは0.1〜0.8%小さくなるよう前記印刷ロール又は前記エンボスロールを相対的に寸法を変えて形成し、
前記積層工程の後工程に、前記基材フィルム11の他方の面に、粘着剤19にて離型紙17を貼着し、支持層21を積層形成する貼着工程を有し、
該支持層21とともに前記エンボス工程を施し前記印刷柄と同調させて前記透明層15の表面に前記凹凸柄を形成することを特徴とする。
【0007】
この同調エンボスシートの製造方法では、ドライラミネート接着剤の溶剤を乾燥させる程度の温度で接着して積層形成を行い、またエンボス時に伸縮の起きにくい離型紙17を貼着した状態とし、印刷による木目柄とエンボス加工による凹凸柄23が相対的に補正され、すなわち、印刷工程の木目柄を基準とした場合にはエンボスロールの寸法を変えて凹凸柄を施し、エンボス工程による凹凸柄を基準とした場合には印刷ロールの寸法を変えて予め木目柄を印刷して、その結果、印刷模様とエンボス模様とが同調する。
【0008】
請求項2記載の同調エンボスシートの製造方法は、樹脂フィルムよりなる基材フィルム11の一方の面に、印刷ロールを用いて木目柄を印刷する印刷工程と、
該一方の面の木目柄上に透明樹脂フィルムをドライラミネート接着剤により貼着して透明層15を形成する積層工程と、
該透明層15の表面に前記印刷柄に合せた凹凸柄23を有するエンボスロールにてエンボス加工を施すエンボス工程と、
を具備する同調エンボスシートの製造方法であって、
前記積層工程の後工程に、前記基材フィルム11の他方の面に、粘着剤19にて離型紙17を貼着し、支持層21を積層形成する貼着工程を有し、該離型紙17とともに前記エンボス工程を施し、
前記エンボス工程は、前記エンボスロールによる塑性変形量を加味して、前記印刷ロールに形成される木目柄と比較して前記凹凸柄23を周方向で0.2〜2.0%、好ましくは0.2〜1.2%、さらに好ましくは0.2〜1.0%伸ばした寸法とするとともに、幅方向で0.1〜1.5%、好ましくは0.0〜1.0%、さらに好ましくは0.1〜0.8%縮めた寸法としたエンボスロールを用いる工程とし、
該支持層21とともに前記エンボス工程を施し前記印刷柄と同調させて前記透明層15の表面に前記凹凸柄23を形成することを特徴とする。
【0009】
この同調エンボスシートの製造方法では、ドライラミネート接着剤を用いて、接着剤の溶剤を乾燥させる程度の加熱で積層形成を行うことができ、またエンボス時に伸縮を抑制できる離型紙17を貼着した状態でエンボスすることで、伸縮の補正量が小さくなり、エンボス柄の補正を小さくできるので、その結果、印刷模様とエンボス模様の同調が容易となる。
【0010】
請求項3記載の同調エンボスシートの製造方法は、請求項1又は2記載の同調エンボスシートの製造方法であって、
前記エンボス工程の後工程として、前記離型紙17とともに巻き取る巻取工程を有し、
被貼着体に貼着する際には、該離型紙17のみを剥離して前記基材フィルム11の他方の面に残る前記粘着剤19Aにて前記被貼着体に貼着させることを特徴とする。
【0011】
この同調エンボスシートの製造方法では、離型紙17が支持層21となってエンボス時の変形を抑制し、且つ巻取工程での伸びが抑制される。
【0012】
請求項4記載の同調エンボスシートの製造方法は、請求項1又は2記載の同調エンボスシートの製造方法であって、
前記離型紙17を前記粘着剤19とともに前記基材フィルム11の他方の面から剥離する剥離工程と、
剥離後の完成したフィルムを巻き取る巻取工程と、を有し、
被貼着体に貼着する際には、基材フィルム11の他方の面およびまたは前記被貼着体に接着剤を用いて貼着させることを特徴とする。
【0013】
この同調エンボスシートの製造方法では、粘着剤19が離型紙側に接着し、離型紙17の剥離とともに、粘着剤19が除去される。
【0014】
請求項5記載の同調エンボスシートの製造方法は、請求項3記載の同調エンボスシートの製造方法であって、
前記離型紙17は、前記基材シート11の他方の面に粘着剤19Aを介して対向する面がエンボス模様を有するエンボス紙よりなることを特徴とする。
【0015】
この同調エンボスシートの製造方法では、離型紙17が除去されると、基材シート11の他方の面の粘着剤19Aにはエンボス模様が形成され、この粘着剤19Aの面が被貼着体に貼り付けられると、エンボス紙により形成された粘着剤19Aのエンボス模様による小凸部によって粘着剤19Aと被貼着体との間に隙間が形成されて、貼着時に空気抜きを行える。
【0016】
請求項6記載の同調エンボスシートは、請求項1,2,3,4,5のいずれか1つに記載の製造方法によって製造されることを特徴とする。
【0017】
この同調エンボスシートでは、変形後の木目柄と凹凸柄23が一致し、印刷模様とエンボス模様とが同調する。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る請求項2記載の同調エンボスシートの製造方法によれば、印刷による木目柄とエンボスによる凹凸柄とを、相対的に比較して凹凸柄を周方向で0.2〜2.0%大きい寸法とするとともに、幅方向で0.1〜1.5%小さい寸法とし、透明層の積層後に基材フィルムに支持層を積層し、支持層とともにエンボス工程を施すので、エンボス時の基材フィルムの塑性変形が支持層の素材である紙により抑制され、変形後の木目柄が凹凸柄と一致するように、予め相対的に木目柄と凹凸柄とが補正されることで、印刷模様とエンボス模様とが同調する。この結果、見た目の模様と、触った際の触感としての模様とが同調するリアルな木目を再現する化粧シートが得られる。
【0019】
請求項2記載の同調エンボスシートの製造方法によれば、エンボス工程は、木目柄と比較して凹凸柄を周方向で0.2〜2.0%伸ばした寸法とするとともに、幅方向で0.1〜1.5%縮めた寸法とし、支持層とともにエンボス工程を施すので、エンボス時の基材フィルムの変形が支持層の素材である紙により抑制され、変形後の木目柄に合わせて凹凸柄が補正されることで、印刷模様とエンボス模様とが同調する。この結果、見た目の模様と、触った際の触感としての模様とが同調するリアルな木目を再現する化粧シートが得られる。
【0020】
請求項3記載の同調エンボスシートの製造方法によれば、エンボス工程の後工程として、離型紙とともに巻き取る巻取工程を有し、被貼着体に貼着する際には、離型紙のみを剥離して基材フィルムの他方の面に残る粘着剤にて被貼着体に貼着するので、離型紙が支持層となって巻取工程での伸びを抑制できる。伸びを抑制する離型紙が粘着剤付き同調エンボスシートの粘着剤保護紙に兼用できる。
【0021】
請求項4記載の同調エンボスシートの製造方法によれば、離型紙を粘着剤とともに基材フィルムの他方の面から剥離する剥離工程と、剥離後の完成したフィルムを巻き取る巻取工程と、を有し、被貼着体に貼着する際には、基材フィルムの他方の面およびまたは被貼着体に接着剤を用いて貼着するので、粘着剤を離型紙に接着させて除去でき、支持層として不要となった離型紙の除去と同時に粘着剤を除去できる。
【0022】
請求項5記載の同調エンボスシートの製造方法によれば、離型紙は、基材シートの他方の面に粘着剤を介して対向する面がエンボス模様を有するエンボス紙よりなるので、離型紙を除去し、粘着剤の面を被貼着体に貼り付けると、エンボス紙により形成された粘着剤の小凸部によって被貼着体との間に隙間ができる。この隙間から空気が抜けるため、空気を貼り込むことがない。
【0023】
請求項6記載の同調エンボスシートによれば、請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の製造方法によって製造されるので、見た目の模様と、触った際の触感としての模様とが同調し、木目柄がリアルに再現される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る同調エンボスシートの断面図である。
【図2】図1に示した同調エンボスシートの粘着剤の除去途中の断面図である。
【図3】図1に示した同調エンボスシートの離型紙のみの除去途中を表す他の実施の形態の断面図である。
【図4】本発明に係る製造方法の手順説明図である。
【図5】本発明に係る製造方法の他の実施の形態の手順説明図である。
【図6】(a)は印刷工程の伸び、(b)は印刷工程の補正、(c)はエンボス工程の補正を模式的に表した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る同調エンボスシートの断面図、図2は図1に示した同調エンボスシートの粘着剤の除去途中の断面図、図3は図1に示した同調エンボスシートの離型紙のみの除去途中を表す他の実施の形態の断面図である。
図1に示すように、同調エンボスシート100は、着色された樹脂フィルムよりなる原反(基材フィルム)(例えばPET−G)11に、木目柄などが印刷された印刷層13が形成される。PET−Gは非晶性ポリエステル樹脂として知られる。印刷層13は、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等の公知の印刷手段により形成される。柄は、黒,赤,茶などの4〜5色のインキで印刷される。
【0026】
印刷層13の上には透明樹脂フィルム(PET−G)を貼り合わせることで透明層15が積層形成される。オーバーレイヤー(OL)である透明層15は、熱圧ラミネートではなく、ドライラミネート接着剤にて貼着される。基材フィルム(原反)11にはPET−G、塩ビが使用される。透明層(OL)15にはPET−G、アクリル、塩ビが使用される。したがって、原反とOLの素材としての組み合わせは、
基材フィルム(原反)/透明層(OL)
例1:PET−G /PET−G
例2:PET−G /アクリル
例3:塩ビ /塩ビ
例4:塩ビ /アクリル
などが挙げられる。
【0027】
基材フィルム11の裏面には、離型紙17に粘着剤19を塗布したものが、貼り付けられる。この離型紙17は、支持層21を構成する。
【0028】
透明層15の表面には、印刷層13の木目柄に同調したエンボス柄(凹凸柄)23が形成される。エンボス柄23は、エンボスロール(図示せず)と押さえロール(図示せず)の間に、基材フィルム11、透明層15、支持層21からなる積層シートを挟み込んで行う。エンボス柄23の形成された同調エンボスシート100は、図2に示すように、基材フィルム11の裏面から支持層21である離型紙17を粘着剤19とともに剥がすもの、或いは図3に示す同調エンボスシート100Aのように、離型紙17のみが剥がされ、裏面に粘着剤(この構成の場合の粘着剤は、以下、「感圧接着剤19A」と称す。)が残るもののいずれであってもよい。
【0029】
粘着剤19は、弱粘着性で、離型紙17に接着し、離型紙17と共に基材フィルム11から剥がれる。つまり、基材フィルム11には残らない。感圧接着剤19Aは、基材フィルム11に接着し、離型紙17のみが剥がれる。つまり、基材フィルム11には感圧接着剤19Aが残る。
【0030】
次に、上記構成を有する同調エンボスシート100の製造方法を図1〜図6を参照して説明する。
図4は本発明に係る製造方法の手順説明図、図5は本発明に係る製造方法の他の実施の形態の手順説明図、図6(a)はエンボス工程の補正、(b)は印刷工程の補正、(c)は印刷工程の伸び、を模式的に表した説明図である。
【0031】
なお、以下に示す工程において、予め、塑性変形量を加味するために、事前に実験にて得られた変形量を印刷ロールまたはエンボスロールに加えたものを用いる。この変形量は、印刷ロールまたはエンボスロールによる各工程での相対的な寸法として、各ロールの周方向となる縦方向で0.2〜2.0%、好ましくは0.2〜1.2%、さらに好ましくは0.2〜1.0%、幅方向で0.1〜1.5%、好ましくは0.1〜1.0%、さらに好ましくは0.1〜0.8%とされ、印刷柄に対する凹凸柄の相対変形量として、縦方向には大きく、幅方向には小さくなるよう設定され、すなわち、印刷柄を基準とした場合には、この印刷柄の縦寸法及び幅寸法に対して、凹凸柄を縦方向で0.2〜2.0%大きく、好ましくは0.2〜1.2%、さらに好ましくは0.2〜1.0%大きく、幅方向で0.1〜1.5%小さく、好ましくは0.1〜1.0%、さらに好ましくは0.1〜0.8%小さくとなるように補正されたエンボスロールを用いることとする。なお、凹凸柄を基準とした場合には、相対する各値を逆として、凹凸柄の縦寸法及び幅寸法に対して、印刷柄を縦方向で0.2〜2.0%小さく、好ましくは0.2〜1.2%、さらに好ましくは0.2〜1.0%小さく、幅方向で0.1〜1.5%大きく、好ましくは0.1〜1.0%、さらに好ましくは0.1〜0.8%大きくなるように補正された印刷ロールを用いることとする。
【0032】
第1の実施の形態
[A1.印刷工程]
樹脂フィルムよりなる基材フィルム(PET−G)11の一方の面に、印刷ロール(図示せず)を用いて印刷層13を形成、すなわち木目柄を印刷する(図4のst1)。木目柄は前述した通り、グラビア印刷などで行われ、多色刷りにより木目模様を形成する。
【0033】
[B1.積層工程]
一方の面の木目柄上に透明樹脂フィルムを貼着して透明層15を積層する(図4のst2)。すなわち、オーバーレイヤーを形成する。印刷面の上から、透明樹脂フィルム(PET−G)を、(2液硬化型)接着剤でドライラミネートにて貼り合わせることで、透明層15を積層形成する。
【0034】
[C1.裏面の工程(貼着工程)]
積層工程の後、基材フィルム11の他方の面(裏面)に、粘着剤19にて離型紙17を貼着し、支持層21を積層形成する(図4のst3)。離型紙17に粘着剤19を塗布したものを、基材フィルム11の裏面に貼り付ける。
【0035】
[D1.エンボス工程]
透明層15の表面に、印刷柄に合せた凹凸柄を有するエンボスロールにてエンボス加工を施す(図4のst4)。基材フィルム11、透明層15、支持層21の各層が形成された樹脂紙一体積層フィルムをエンボスロールに通し、透明層15の表面に、印刷層13の柄に同調したエンボス柄(凹凸柄)を形成する。
このエンボスロールは、縦方向でのエンボス柄の寸法が仕上がり寸法よりも0.2〜2.0%(具体的には4mm程度)大きく(長く)、エンボスロールの幅方向での柄の寸法は仕上がり寸法よりも0.1〜1.5%(具体的には3mm程度)小さく(狭く)設定されている。
【0036】
すなわち、エンボス工程は、予めの実験でA1〜C1工程で製造された離型紙付きの化粧シートに対するエンボスロールによる塑性変形量を加味して、印刷ロールに形成される図6(a)の印刷層(木目柄)13Aと比較してエンボス柄(凹凸柄)23を、周方向でΔL(0.2〜2.0%)伸ばした寸法とするとともに、幅方向ではΔW(0.1〜1.5%)縮めた寸法としたエンボスロールを用いる。なお、図6(a)に示すように、エンボス柄23の縮めた寸法は、幅方向の両側部分に現れるようにそれぞれΔW/2とされる。
【0037】
[E1.剥離工程]
エンボス後、基材フィルム11の裏面から支持層21である離型紙17を粘着剤19と共に剥がす(図4のst5)。
【0038】
[F1.完成]
同調エンボスシート100は、離型紙17が剥離され、粘着剤19も除去された状態(図2参照)で巻取りロールに巻き取られ、化粧シートとなって完成する(図4のst6)。化粧シートは、基材フィルム11の裏面が、接着剤にて被貼着体に貼着される(図4のst7)。
【0039】
この製造方法では、変形後の木目柄が凹凸柄と一致するよう後工程となる凹凸柄が補正され、その結果、印刷模様とエンボス模様とが同調する。工程中において、「紙」である離型紙17を用いることで、エンボス加工中に基材フィルム11が伸縮変形するのをできるだけ防止して、且つ積層工程においてドライラミネート接着剤として加熱を行わず、印刷柄とエンボス柄の同調が行われる。これにより、従来の製法に比べ、塑性変形量ΔL,ΔWの値(すなわち、補正値)が小さく、また、ばらつきも少ないので、高精度に同調するシートを得ることができる。
【0040】
また、離型紙17を粘着剤19とともに基材フィルム11の他方の面から剥離する剥離工程と、剥離後の完成したフィルムを巻き取る巻取工程と、を有し、被貼着体に貼着する際には、基材フィルム11の他方の面およびまたは被貼着体に接着剤を用いて貼着するので、粘着剤19を離型紙17に接着させて除去でき、支持層21として不要となった離型紙17の除去と同時に粘着剤19を除去できる。
【0041】
第2の実施の形態
次に上記第1の実施の形態と同様の工程で、変形したエンボスロールに換え変形した印刷ロールを用いる例について述べる。
【0042】
[A2.印刷工程]
樹脂フィルムよりなる基材フィルム(PET−G)11の一方の面に、印刷ロール(図示せず)を用いて印刷層(木目柄)13を印刷する(図4のst1)。このときの印刷ロールは、印刷ロールの縦方向での柄の寸法が仕上がり寸法よりも0.2〜2.0%(具体的には4mm程度)小さく、印刷ロールの幅方向での柄の寸法は仕上がり寸法よりも0.1〜1.5%(具体的には3mm程度)大きく設定されている。図6(c)に示すように、印刷層13Aは、印刷層13Bへ伸縮変形する。伸縮変形は、予めの実験で、縦方向ΔLと、幅方向ΔWの変形量(%)がわかっているので、印刷ロールにそれらの変形量を加えておき同調する。
【0043】
すなわち、エンボス工程での塑性変形量ΔL,ΔWを加味して、図6(b)に示すように、印刷ロールに形成される印刷層(木目柄)13を、凹凸柄と比較して縦(周)方向でΔL(0.2〜2.0%)縮めた寸法とするとともに、幅方向でΔW(0.1〜1.5%)伸ばした寸法とし、基材フィルム11に印刷を施す。
【0044】
[B2.積層工程]
一方の面の木目柄上に透明樹脂フィルムを貼着して透明層15を積層する(図4のst2)。すなわち、オーバーレイヤーを形成する。印刷面の上から、透明樹脂フィルム(PET−G)を、2液硬化型ドライラミネート接着剤を用いて、溶剤を乾燥させた後、貼り合わせることで、透明層15を積層形成する。
【0045】
[C2.裏面の工程(貼着工程)]
積層工程の後、基材フィルム11の他方の面(裏面)に、粘着剤19にて離型紙17を貼着し、支持層21を積層形成する(図4のst3)。離型紙17に粘着剤19を塗布したものを、基材フィルム11の裏面に貼り付ける。
【0046】
[D2.エンボス工程]
透明層15の表面に、印刷柄に合せた凹凸柄を有するエンボスロールにてエンボス加工を施す(図4のst4)。基材フィルム11、透明層15、支持層21の各層が形成された樹脂紙一体積層フィルムをエンボスロールに通し、透明層15の表面に、印刷層13の柄に同調したエンボス柄(凹凸柄)を形成する。
【0047】
[E2.剥離工程]
エンボス後、基材フィルム11の裏面から支持層21である離型紙17を粘着剤19と共に剥がす(図4のst5)。
【0048】
[F2.完成]
同調エンボスシート100は、離型紙17が剥離され、粘着剤19も除去された状態(図2参照)で巻取りロールに巻き取られ、化粧シートとなって完成する(図4のst6)。化粧シートは、基材フィルム11の裏面が、接着剤にて被貼着体に貼着される(図4のst7)。
【0049】
この第2の例の製造方法では、変形後の木目柄が凹凸柄と一致するよう予め木目柄が補正され、その結果、印刷模様とエンボス模様とが同調する。工程中において、「紙」である離型紙17を用いることで、エンボス加工中に基材フィルム11が伸縮変形するのをできるだけ防止して、印刷柄とエンボス柄の同調を行う。また、各工程において、加熱処理等が無く、積層貼着工程においてもドライラミネート接着剤を用いる工程としたことで伸縮変形が抑制される。これにより、従来の製法に比べ、塑性変形量ΔL,ΔWの値(すなわち、補正値)が小さく、また、ばらつきも少ないので、高精度に同調するシートを得ることができる。
【0050】
また、離型紙17を粘着剤19とともに基材フィルム11の他方の面から剥離する剥離工程と、剥離後の完成したフィルムを巻き取る巻取工程と、を有し、被貼着体に貼着する際には、基材フィルム11の他方の面およびまたは被貼着体に接着剤を用いて貼着するので、粘着剤19を離型紙17に接着させて除去でき、支持層21として不要となった離型紙17の除去と同時に粘着剤19を除去できる。
【0051】
次に、本発明に係る製造方法の第3の実施の形態を説明する。
[A3.印刷工程]
樹脂フィルムよりなる基材フィルム(PVCフィルム)11の一方の面に、印刷ロールを用いて印刷層(木目柄)13を印刷する(図5のst1)。
【0052】
[B3.積層工程]
一方の面の木目柄上に透明樹脂フィルムを貼着して透明層15を形成する積層する(図5のst2)。透明層形成、すなわち、オーバーレイヤー形成を行う。印刷面の上から、透明樹脂フィルム(PVC)を、(2液硬化型)接着剤でドライラミネートにて貼り合わせることで、透明層15を積層形成する。
【0053】
[C3.裏面の工程(貼着工程)]
離型紙17に感圧接着剤19A(図3参照)を塗布したものを、基材フィルム11の裏面に貼り付け、支持層(紙の層)21を積層形成する(図5のst3)。なお、塗布される感圧接着剤19Aには、凹凸面が形成されている。この凹凸面は、エンボス紙よりなる離型紙17を貼着することによって形成される。
【0054】
[D3.エンボス工程]
積層工程の後に、支持層21とともにエンボス工程を施し印刷柄と同調させて透明層15の表面に凹凸柄を形成する(図5のst4)。基材フィルム11、透明層15、支持層21の各層が形成された樹脂紙一体積層フィルムをエンボスロールに通し、透明層15の表面に、印刷層13の柄に同調したエンボス柄(凹凸柄)を形成する。このエンボスロールは、縦方向でのエンボス柄の寸法が仕上がり寸法よりも0.2〜2.0%(具体的には4mm程度)大きく(長く)、エンボスロールの幅方向での柄の寸法は仕上がり寸法よりも0.1〜1.5%(具体的には3mm程度)小さく(狭く)設定されている。
【0055】
すなわち、エンボス工程は、エンボスロールによる塑性変形量を加味して、印刷ロールに形成される図6(a)の印刷層(木目柄)13Aと比較してエンボス柄(凹凸柄)23を、周方向でΔL(0.2〜2.0%)伸ばした寸法とするとともに、幅方向ではΔW(0.1〜1.5%)縮めた寸法としたエンボスロールを用いる。
【0056】
[E3.完成]
エンボス後、基材フィルム11からは支持層21である離型紙17を剥がさない。すなわち、同調エンボスシート100Aは、そのまま巻取りロールに巻き取られることで化粧シートとなって完成する(図5のst8)。化粧シートは、基材フィルム11の裏面から離型紙17が剥がされ、裏面に感圧接着剤19Aが残る。この感圧接着剤19Aにて被貼着体に貼着される(図5のst9)。
【0057】
この製造方法では、変形後の木目柄に合わせて凹凸柄が補正され、その結果、印刷模様とエンボス模様とが同調する。エンボス工程は、木目柄と比較して凹凸柄を周方向でΔL伸ばした寸法とするとともに、幅方向でΔW縮めた寸法とし、支持層21とともにエンボス工程を施すので、変形後の木目柄に合わせて凹凸柄が補正されることで、印刷模様とエンボス模様とが同調する。これにより、従来の製法に比べ、塑性変形量ΔL,ΔWの値(すなわち、補正値)が小さく、また、ばらつきも少ないので、ほぼ同調するシートを得ることができる。この結果、見た目の模様と、触った際の触感としての模様とが同調するリアルな木目を再現する化粧シートが得られる。
【0058】
このように、エンボス工程の後工程として、離型紙17とともに巻き取る巻取工程を有し、被貼着体に貼着する際には、離型紙17のみを剥離して(図3参照)基材フィルム11の他方の面に残る感圧接着剤19Aにて被貼着体に貼着するので、離型紙17が支持層21となって巻取工程での伸びを抑制できる。伸びを抑制する離型紙17が接着剤付き同調エンボスシート100Aの接着剤保護紙に兼用できる。
【0059】
また、離型紙17が除去され、感圧接着剤19Aの面が被貼着体に貼り付けられると、エンボス紙によって形成された感圧接着剤19Aの小凸部によって感圧接着剤19Aと被貼着体との間に隙間が形成される。この隙間から空気が抜けるため、空気を貼り込むことがない。
【0060】
上記した各実施の形態に係る同調エンボスシートの製造方法によれば、印刷柄と凹凸柄とを相対的に比較して周方向で0.2〜2.0%、幅方向で0.1〜1.5%の寸法で、印刷柄を基準とした場合には凹凸柄を周方向に伸ばし幅方向に縮めて、凹凸柄を基準とした場合には印刷柄を周方向に縮め幅方向に伸ばした寸法とし、透明層15の積層後に基材フィルム11に支持層21を積層し、支持層21とともにエンボス工程を施すので、木目柄と凹凸柄とが一致するように、相対的に木目柄と凹凸柄とが補正されることで、印刷模様とエンボス模様とが同調することとなる。この結果、見た目の模様と、触った際の触感としての模様とが同調するリアルな木目を再現する化粧シートが得られる。
【0061】
化粧シートは、視覚と触感が同調するので、木目のリアルさを生かして家具や内装品などに用いることができる。勿論、印刷層13、エンボス柄23は、この他の模様であってもよい。例えば、天然石の柄(大理石調)や、幾何学模様などとすることができる。
【実施例】
【0062】
次に、上述した実施の形態における具体的な実施例について、比較例と共に説明する。
[比較例1]
1.印刷
PET−G(非晶質ポリエステル樹脂製)の印刷原反を用い、木目印刷(アカシア柄)を3版(ロール周長:740mm、ロール幅:1355mm)で印刷した。さらに、その上に幅方向と縦方向に5mmピッチで黒いインキによる細線を入れた。
【0063】
2.熱ラミネーター
熱ラミネーター(メインドラム温度194℃)を用いて、透明のPET−Gフィルムを印刷原反の印刷面にラミネートした。
【0064】
3.エンボス加工
前記木目印刷の印刷ロールと同寸法のエンボスロールを用いて熱エンボスを行ったところ、印刷ロール1周分が縦方向に37mm伸び、製品幅が横方向に31mm縮んでいた。よって、印刷柄とエンボス柄の見当ずれが大きく、特に縦方向は、見当ずれが積算して全く同調しない化粧シートとなった。
【0065】
[比較例2]
1.印刷
PVC(塩化ビニル樹脂製)の印刷原反を用い、木目印刷(アカシア柄)を3版(ロール周長:740mm、ロール幅:1355mm)で印刷した。さらに、その上に幅方向と縦方向に5mmピッチで黒いインキによる細線を入れた。
【0066】
2.熱ラミネーター
熱ラミネーター(メインドラム温度160℃)を用いて、透明のPVCフィルムを印刷原反の印刷面にラミネートした。
【0067】
3.エンボス加工
前記木目印刷の印刷ロールと同寸法のエンボスロールを用いて熱エンボスを行ったところ、印刷ロール1周分が縦方向に28mm伸び、製品幅が横方向に30mm縮んでいた。よって、印刷柄とエンボス柄の見当ずれが大きく、特に縦方向は、見当ずれが積算して全く同調しない化粧シートとなった。
【0068】
[実施例1]
1.実験
比較例1で製造した木目印刷(アカシア柄)と、細線を印刷したPET−G(非晶質ポリエステル樹脂製)の印刷原反を用い、透明のPET−Gフィルムを印刷面に2液硬化型ドライラミネート接着剤を用いて貼り合わせた。さらに、裏面側に、離型紙に塗布した粘着剤を張り合わせて、比較例で使用したエンボスロールを用いて熱エンボスを行ったところ、印刷ロール1周分で縦方向に4mm伸び、製品幅が横方向に3mm縮んでいた。
【0069】
2.印刷
厚さ0.09mmのPET−Gの印刷原反に木目印刷(アカシア柄)を3版(ロール周長:740mm、ロール幅:1355mm)で印刷した。
【0070】
3.ドライラミネート
厚さ0.06mmの透明PET−Gフィルムを前記印刷原反の印刷面に2液硬化型ドライラミネート接着剤を用いて張り合わせして、化粧シートを製造した。
【0071】
4.粘着加工
前記化粧シートの裏面に、離型紙に塗布した粘着剤を貼り合わせて、粘着剤付の化粧シートを得た。
【0072】
5.エンボス加工
前記1.実験の結果により、印刷柄に対するエンボス柄の相対変形量を、周方向に4mm大きく、幅方向に3mm小さくしたアカシア柄のエンボスロール(ロール周長:744mm、ロール幅:1352mm)を用いて、熱エンボスを行った。エンボス時には、印刷用の見当マークと同調するようにエンボスロールに付けた見当マークが合うように調整することにより、印刷柄とエンボス柄が同調した化粧シートが得られた。
【0073】
[実施例2]
1.実験
比較例2で製造した木目印刷(アカシア柄)と、細線を印刷したPVC(塩化ビニル樹脂製)の印刷原反を用い、透明のPVCフィルムを印刷面に2液硬化型ドライラミネート接着剤を用いて貼り合わせた。さらに、裏面側に、再剥離可能に弱粘着剤を塗布した紙を張り合わせて、比較例で使用したエンボスロールを用いて熱エンボスを行ったところ、縦印刷ロール1周分で縦方向に4mm伸び、製品幅が横方向に3mm縮んでいた。
【0074】
2.印刷
厚さ0.09mmのPVCの印刷原反に木目印刷(アカシア柄)を3版(ロール周長:740mm、ロール幅:1355mm)で印刷した。
【0075】
3.ドライラミネート
厚さ0.06mmの透明PVCフィルムを前記印刷原反の印刷面に2液硬化型ドライラミネート接着剤を用いて張り合わせして、化粧シートを製造した。
【0076】
4.粘着加工
前記化粧シートの裏面に、再剥離可能に弱粘着剤を塗布した紙を貼り合わせて、粘着剤付の化粧シートを製造した。
【0077】
5.エンボス加工
前記1.実験の結果により、印刷柄に対するエンボス柄の相対変形量を、周方向に4mm大きく、幅方向に3mm小さくしたアカシア柄のエンボスロール(ロール周長:744mm、ロール幅:1352mm)を用いて、熱エンボスを行った。エンボス時には、印刷用の見当マークと同調するようにエンボスロールに付けた見当マークが合うように調整することにより、印刷柄とエンボス柄が同調した化粧シートが得られた。
【0078】
6.剥離
前記紙を剥がして、印刷柄とエンボス柄が同調した化粧シートを完成した。
【0079】
比較例1および2は、熱ラミネートとエンボス加工で熱および圧力が加えられているので、見当ずれが大きく、同調エンボスは不可能であった。
これに対し、実施例1,2によれば、透明フィルムをドライラミネート接着剤で貼り合わせ、さらにエンボス加工においても、紙(離型紙)とともにエンボス加工されるので変形が小さいものとなり、エンボスロールを予め前述の小さい変形量に合わせて作製可能で、その結果、印刷柄とエンボス柄が縦方向、幅方向共に見当ずれもなく、これら柄が同調した化粧シートを製造することができた。
【符号の説明】
【0080】
11…基材フィルム
13…木目柄(印刷層)
15…透明層
17…離型紙
19…粘着剤
21…支持層
23…エンボス柄(凹凸柄)
100…同調エンボスシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂フィルムよりなる基材フィルムの一方の面に、印刷ロールを用いて木目柄を印刷する印刷工程と、
該一方の面の木目柄上に透明樹脂フィルムをドライラミネート接着剤により貼着して透明層を形成する積層工程と、
該透明層の表面に前記印刷柄に合せた凹凸柄を有するエンボスロールにてエンボス加工を施すエンボス工程と、
を具備する同調エンボスシートの製造方法であって、
前記印刷工程後に対する前記エンボス工程後の塑性変形を加味して、該変形による印刷柄に対する凹凸柄の相対変形量を周方向で0.2〜2.0%大きく、且つ幅方向で0.1〜1.5%小さくなるよう前記印刷ロール又は前記エンボスロールを相対的に寸法を変えて形成し、
前記積層工程の後工程に、前記基材フィルムの他方の面に、粘着剤にて離型紙を貼着し、支持層を積層形成する貼着工程を有し、
該支持層とともに前記エンボス工程を施し前記印刷柄と同調させて前記透明層の表面に前記凹凸柄を形成することを特徴とする同調エンボスシートの製造方法。
【請求項2】
樹脂フィルムよりなる基材フィルムの一方の面に、印刷ロールを用いて木目柄を印刷する印刷工程と、
該一方の面の木目柄上に透明樹脂フィルムをドライラミネート接着剤により貼着して透明層を形成する積層工程と、
該透明層の表面に前記印刷柄に合せた凹凸柄を有するエンボスロールにてエンボス加工を施すエンボス工程と、
を具備する同調エンボスシートの製造方法であって、
前記積層工程の後工程に、前記基材フィルムの他方の面に、粘着剤にて離型紙を貼着し、支持層を積層形成する貼着工程を有し、該離型紙とともに前記エンボス工程を施し、
前記エンボス工程は、前記エンボスロールによる塑性変形量を加味して、前記印刷ロールに形成される木目柄と比較して前記凹凸柄を周方向で0.2〜2.0%伸ばした寸法とするとともに、幅方向で0.1〜1.5%縮めた寸法としたエンボスロールを用いる工程とし、
該支持層とともに前記エンボス工程を施し前記印刷柄と同調させて前記透明層の表面に前記凹凸柄を形成することを特徴とする同調エンボスシートの製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の同調エンボスシートの製造方法であって、
前記エンボス工程の後工程として、前記離型紙とともに巻き取る巻取工程を有し、
被貼着体に貼着する際には、該離型紙のみを剥離して前記基材フィルムの他方の面に残る前記粘着剤にて前記被貼着体に貼着させることを特徴とする同調エンボスシートの製造方法。
【請求項4】
請求項1又は2記載の同調エンボスシートの製造方法であって、
前記離型紙を前記粘着剤とともに前記基材フィルムの他方の面から剥離する剥離工程と、
剥離後の完成したフィルムを巻き取る巻取工程と、を有し、
被貼着体に貼着する際には、基材フィルムの他方の面およびまたは前記被貼着体に接着剤を用いて貼着させることを特徴とする同調エンボスシートの製造方法。
【請求項5】
請求項3記載の同調エンボスシートの製造方法であって、
前記離型紙は、前記基材シートの他方の面に粘着剤を介して対向する面がエンボス模様を有するエンボス紙よりなることを特徴とする同調エンボスシートの製造方法。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の製造方法によって製造されることを特徴とする同調エンボスシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−83908(P2011−83908A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−236319(P2009−236319)
【出願日】平成21年10月13日(2009.10.13)
【出願人】(000106726)シーアイ化成株式会社 (267)
【Fターム(参考)】