吸入により投与される有効物質を受け入れるためのカプセル
本発明は、吸入により投与されるべき有効物質を受け入れるための新規なカプセルに関するものであり、該カプセルは、ベルヌーイの法則で作動する粉末吸入器に用いることが意図されていることが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸入により投与されるべき有効物質を受け入れるための新規なカプセルに関するものであり、それは、ベルヌーイの法則に基づいて作動する粉末吸入器に用いられることを意図されていることが好ましい。
【背景技術】
【0002】
文献では、種々の法則により作動する多数の粉末吸入器が知られている。それらの全てに共通しているのは、送達されるべき有効物質がほぼ円筒形のカプセルに入れられ、このカプセルが吸入器のカプセル・チャンバに挿入されるということである。
【0003】
適切な粉末吸入器は、本質的に、カプセルを横方向に開くための手段が設けられた、好ましくは円筒形であるカプセル・チャンバと、カプセル・チャンバにおける吸気開口部及び排気開口部と、排気開口部の下流に設けられたマウスピースとからなる。カプセル・チャンバの形状は、通常は、カプセルより多少長く、幅広にされた円筒形であり、そのため、カプセルは、軸方向にも半径方向にも振動できるが、該チャンバの軸線にほぼ平行に位置合わせされた状態に維持される。軸方向及び半径方向という用語は、カプセル・チャンバがマウスピースの下に位置合わせされている吸入器の向きに関する垂直方向(軸方向)及び水平方向(半径方向)に等しい。また、軸方向は、吸入器の縦軸(垂直軸)に平行な方向であり、一方、半径方向は、それに垂直な方向である。カプセル・チャンバは、その2つの端部のうち一方の端部領域の吸気口と、他方の端部領域において開口する排気口とを有する。粉末エアロゾルを運ぶことができる排気口は、マウスピースにつながっている。カプセルの作用内容物を送達するためには、まず、通常はケーシング上の縦方向の2箇所においてカプセルを開く。一般に、これらの開口部は、カプセルの縦方向の2つの端部に近接して位置させられる。そこで、カプセル・チャンバ内に吸気口から排気口の方に向かう空気流が発生すると、該空気流は、カプセルの縦軸に沿って流れ、2つの効果を生じる。1つには、カプセルが、該空気流により主にその縦軸に沿って移動させられる。カプセルが多少振動することもある。もう1つには、2つのカプセル開口部に沿って流れる空気が、カプセル開口部の前ではカプセルの内部より低い圧力を生じ、その結果、カプセルに収容されている粉末が、空気流により取り出され、それにより霧状にされる。
【0004】
独国特許第3345722号は、単一のカプセル・チャンバを有する互いに軸方向に移動可能な2つのハウジング要素からなる、この種の吸入器を開示する。
【0005】
WO91/02558号は、単一のカプセル・チャンバではなく、リボルバ・マガジンと同じように配置された複数のカプセル・チャンバをもつ別の吸入器を開示する。このマガジンの開放端は、壁部により区切られ、吸気口又は排気口は、これらの壁部の一箇所にのみ配置される。このマガジンは、カプセル・チャンバが、吸気口と、排気口と、或る位置においてカプセルを開くのに必要な切断要素とにのみ連結されるように、回転可能に設置される。
【0006】
欧州特許第0911047号も吸入器を開示しており、それは、a)上向きに開口するカップ形状の下部と、b)該下部の開口部を覆うプレートとを備え、該プレートに対して垂直にカプセル・チャンバが形成され、カプセルを開くための2つの鋭利なスパイクを備えた状態でばねに逆らって移動可能なボタンがカプセル・チャンバ上に設けられ、さらに、c)カプセル・チャンバに連結され、粉末エアロゾルを移送できる口管を有する上部と、d)蓋とが設けられる。要素a)、要素b)、要素c)及び要素d)は、それらを互いにフリップすることができるように共通のヒンジ要素により共に連結される。さらに、この特許出願は、プレートb)の穴として構成することができ、縁部にリブを有するカプセル・ホルダを説明する。カプセルが、このカプセル・ホルダに押し込まれて、作動可能状態で保持される。
【0007】
この種の吸入器に通常用いられるカプセルは、硬質ゼラチンから構成されるが、プラスチック材料から構成される場合もある。これに関しては、欧州特許第1100474号に記載されている。
【0008】
従来技術から公知のカプセルは、一方が他方の内部に入れ子式に嵌め込まれるカップ状の2つの構成要素、すなわちカプセル・キャップ及びカプセル本体からなる。この種の複合カプセルの外形は、半球形の端部を有する閉シリンダの形である。シリンダは縦軸と横軸とを有する。縦軸は、シリンダ・ケーシングの母線に平行に延びる軸である。縦軸は横軸より長く、その結果、カプセルの縦断面は楕円形の幾何的形状を有し、横断面は円形の幾何的形状を有する。多くのカプセルは、カプセル・キャップとカプセル本体との間の接合部において包囲溝を有し、それは、カプセル・キャップがカプセル本体より常に幾らか大きい外形を有するという事実によってもたらされる。これに関しては、欧州特許第1100474号又はPCT/EP0207481号に記載されている。例えば、カプセルの2つの部分の断面が重ね合わされているように見える場合には、その2つの部分の外形は一致していないことが分かる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
驚いたことに、従来技術から公知のカプセルは、空気が流入するときに吸入器内でのそれらの挿入位置に応じて別様に振動し、カプセルの振動をもたらすための最小の空気流速は、カプセルの上部又は下部のいずれが吸気口の方向に配置されるかに依存し、その他の全ての点では等しいことが見出された。しかしながら、こうした不確かさは望ましくない。
【0010】
したがって、本発明の目的は、粉末吸入器、特にベルヌーイ作用により作動する粉末吸入器のための有効物質容器として、それらの位置に関係なく同様の挙動をとる使い捨てカプセルを提供することである。
本発明の別の目的は、有効物質の送達がカプセル・チャンバ内でのカプセルの上下の向きに無関係となるように公知のカプセルを修正することである。
本発明のさらに別の態様は、ベルヌーイ粉末吸入器におけるこの種のカプセルの使用に関係している。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による使い捨てカプセルは縦軸及び横軸を有し、縦軸は横軸より長い、すなわち、縦軸と横軸との長さの比、延長部は、1より大きい。本発明によれば、カプセルの外形は、カプセルの縦軸を分断する対称シグマ面Hに関して鏡面対称構造をもつ。縦軸は、対称面と垂直に配置される。この鏡面対称は、カプセルの内部の形状に関するものではない。対称構造の結果として、流入及び振動条件は、吸入器へのカプセルの挿入方向とは関係なく同一となる。これらの両方は、吸気口の上で同一の流入特徴を示す。
【0012】
本発明の範囲内において、「鏡面対称」という用語は、何らかの抽象的な又は理想化された数学的演算に関係するものではなく、この数学的概念を物理的及び技術的に可能なものに移すことに関係する。したがって、「鏡面対称」という用語は、ここでは、例えば製造プロセスから生じる許容誤差及び不正確さを含む。
【0013】
「不正確さ」という用語は、カプセル面上の対称面の一方の側に形成された要素Xが、カプセル上の対称面の他方の側にどの程度まで同様に複製されるかを意味する。鏡面対称を適用することができる最小の測定可能な寸法は、0.15mm、好ましくは0.1mm、より好ましくは0.05mmである。例えば、カプセルの表面が突出点を有する場合、一方の突出部が1mmの直径を有し、他方(鏡面対称)が0.85mmの直径を有するときには、この一対(2)の突出部も鏡面対称とみなされる。この場合、本発明の目的上の不正確さは、0.15mm等である。
【0014】
不正確さはまた、ツールからカプセルを解放するために通常用いられるような、例えば、5°まで、好ましくは2°まで、最も好ましくは1°までの円錐角の結果としての、対称面の両側のカプセルの間の差異を含む。
【0015】
「許容誤差」という用語は、位置の記述とみなされるべきである。許容誤差は、好ましくは0から0.15mm、好ましくは0から0.1mm、より好ましくは0から0.05mmである。その意味では、「許容誤差」という用語の例として、対をなす2つの不規則に取り付けられた鏡面対称突出部を有するカプセルを容認することができる。一方の突出部が経度0°(地球の測位と同様に)にある場合には、鏡面対称とみなされるためには、対称面の他方の側におけるその鏡面対称の張り出しは、その経度の一方の側に0.15mmまでとすることができる。この場合には、許容誤差は0.15mmである。
【0016】
したがって、カプセルの表面上に対称な対を形成する2つの特徴は、各場合においては0.15mm、好ましくは0.1mm、より好ましくは0.05mmの、対称から逸脱する許容誤差及び不正確さを有することがある。対称面の上及び下の別の許容誤差及び不正確さの区域を許容することができる。この対称面の上及び下の区域は、2.5mmまで、好ましくは1.25mmまでの幅を有することができる。それは、対称面の他方の側に鏡面対称の張り出し部をもたないか又は鏡面対称的に同一の張り出し部をもたない要素、装置などを含む。言い換えれば、これは、鏡面対称からは除外された5mmまでの区域(対称面の2.5mm上及び2.5mm下)である。その背景は、二部品カプセルの場合のこの区域においては、2つのカプセル断片間の接合部、例えば、厳密な鏡面対称の形で自然には形成できない溶接シームが、ここに配置されることが好ましいためである。
【0017】
この点で、カプセルの個々の要素間の接合部又はシームはまた、上記で規定された許容誤差についての最も狭い意味において、鏡面対称から除外することができる。
同じく鏡面対称から除外されるのは、あらゆる可能性のあるシームの微小構造、例えば溶接シームの微小構造である。こうしたシームは、ほぼラインとみなされ、その高さは、溶接シームの高さに対応する。
【0018】
サイズが0.1mmより小さい、好ましくはサイズが50ミクロンより小さい、最も好ましくはサイズが10ミクロンより小さい、カプセル面上に形成されたあらゆる要素は、鏡面対称から除外されることが好ましい。
【0019】
カプセルは、一方が他方の中に入れ子式に嵌合する少なくとも2つの部分要素からなる。好ましい実施形態においては、正確に2つの部分要素が存在し、これらのカプセル部品の各々は、3つの閉じた側部と1つの開いた側部とを備えたキャビティを有する。2つの部分要素は、それらの開いた側部において互いに接合される。この開口部は、縦軸と垂直に配置されることが好ましい。この場合には、2つの部分要素は、カプセル本体とカプセル・キャップである。カプセルは、円筒形の形状であることが好ましい。
【0020】
部分要素は、充填作業の後に適切な接合方法によって互いに接合することができる。適切な接合方法には、接着剤結合、バンド固定、収縮、摩擦、レーザ又は超音波溶接がある。
【0021】
或いは又はそれに加えて、部分要素はまた、クリップ又はスナップイン手段によって互いに接合することができる。こうした実施形態においては、1つ又はそれ以上の係合手段が部分要素の内面上に設けられ、それらは他方の部分要素の1つの上に押されることになり、また、他方の相補的な部分要素の外ケーシング上に相補的な係合手段が設けられ、それらは、カプセルが閉鎖されたときにそれらが互いに係合するように配置される。この種の係合手段は、プレス・スタッド原理によって機能する凸部及び凹部と同様のものとすることができ、辺縁部の周りに点状に及び/又は環状に配置される。凸部又は凹部がケーシング周りに円形に又は螺旋形に配置される構成が好ましい。一実施形態においては、キャップの内面及び本体の外面の周りに環状に配置される1つ又はそれ以上の凸部は、カプセルが閉鎖されたときに一方の部分要素の凸部が他方の部分要素の凹部に配置されるように設計される。
【0022】
前述のような凹部及び/又は凸部のリングを有する実施形態においては、これらは連続的又は断続的とすることができる。
凸部及び/又は凹部は、それらが外側では見えないように設計されることが好ましい。
【0023】
本発明によれば、2つの部分要素からなるカプセルが好ましい。そうした場合には、シームを、縦軸に平行に又は縦軸に垂直に形成することができる。縦軸に垂直に延びるシームを備えた実施形態が好ましい。この場合には、部分要素間のシームは、縦軸を分断することができ、又は中央から遠い地点に形成することができる。
【0024】
2つの部分要素の場合には、シームは、好ましくは縦軸に関して中央にあるか、又は中央から0から12%外れた長さ、好ましくは中央から0から10%外れた長さ、より好ましくは中央から0から5%外れた長さだけオフセットされたところにある。最も好ましい実施形態の1つにおいては、シームは、中央にあるか、又は中央から多くとも3%外れた長さだけオフセットしたところにある。最も好ましくは、シームは、対称面内にある。
【0025】
縦軸に沿って一方が他方の中に押し込まれる2つの部分要素の場合には、シームは、接着剤結合、バンド固定、収縮、摩擦、レーザ又は超音波溶接といった所望のシーリング方法のいずれかによってシールすることができる。
【0026】
シームが中央に配置されない実施形態においては、外ケーシングがこの地点において平滑となり、シーリング・プロセスがカプセルの鏡面対称に影響を及ぼさないように閉鎖することができる。他の点では、鏡面対称及び許容誤差又は不正確さに関する条件をあてはめることができる。
【0027】
本発明に係る閉鎖されたカプセルは、それらの外ケーシング上に隆起部を有することができる。これらの隆起部は、カプセルが吸入器のカプセル・チャンバ内に入れられたときにスペーサとして働くことができる。
【0028】
隆起部の高さ(すなわち、底部と頂点との間の距離)は、好ましくは0.1mmから5mm、より好ましくは0.5mmから2mmである。
隆起部は、例えば、鋭い縁を有する及びゆるやかな波状の遷移部を有するリブの形態とするか又はピンの形態とすることができる。これらの組み合わせも可能である。
これらの隆起した要素の先端部又は縁部は、最小の表面積を有することが好ましい。
【0029】
リブの場合には、これらは軸方向に(=垂直方向に)、すなわちチャンバ内のカプセルの縦軸に平行に、水平方向に、又はカプセルの縦軸に対して垂直に、或いはカプセルの縦軸に対して斜めに配置することができる。「斜め」という用語はまた、螺旋状に配置されたリブを含む。
【0030】
リブが軸方向に配置される場合には、カプセル・チャンバは、便宜上、少なくとも3又はそれ以上のこうしたリブを有する。カプセルは、好ましくは9より多くない、最も好ましくは6より多くないこの種のリブを有する。リブの長さは、カプセルが軸方向に動く際に、この動きをブロックすることなくそれらがカプセルを案内するように選択される。リブは、チャンバの全長にわたって延びることが好ましい。この場合には、リブは、三角形の断面を有することが好ましく、三角形の一点は、カプセル・チャンバの内面から遠ざかる方向に突き出している。この実施形態は、カプセルが、その軸方向の動きの間に大きな摩擦損失なしにカプセル・チャンバ内に案内されるという利点を有する。リブの他の幾何学的形状、例えば、半円形又は長方形などの断面を有するリブも可能である。
【0031】
これは、軸方向に配置されたリブでカプセルが詰まるのを防止するために、2つの隣接する対をなすリブ間の距離が異なる(リブが等間隔に配置されていない)場合に利点を有する。
【0032】
リブが水平方向に(=縦軸に垂直に)配置される場合には、少なくとも2つのリブが好ましい。それらは、ゆるやかな遷移断面、すなわち波形面を有することが好ましい。しかしながら、それらはまた、角のある構造などであってもよい。
【0033】
カプセルのさらに別の実施形態は、前述のような波形パターンをもつ外面を備え、リブがこの表面上に軸方向に、すなわち波形部に対して垂直に形成される。これらのリブは、リブの外縁がカプセル・チャンバの中央の縦軸に対して等距離となって、リブの外縁が、波形面ではなく、湾曲しない(縦軸に平行な)面を有するように設計される。
【0034】
ピン形状の隆起部の場合には、これらは、直線状に配置して随意的にリブに代わるようにするか、又は不規則に配置することができる。ピンは、あらゆる場合において、カプセルの軸方向の動きが妨害されないが、これに反してカプセルの動きが案内されるように配列される。
【0035】
しかしながら、これらの全ての実施形態においては、隆起部は、上記で定義されたような対称面に基づいて、カプセルの外面上で鏡面対称に形成される。
しかしながら、好ましいカプセルは、肉眼で見て平滑な外面を有する、すなわち隆起部が存在しない。「肉眼で見て平滑な」という用語は、多くて0.5mm、好ましくは0.1mmまで、より好ましくは0.05mmまでの凸凹を有する面を意味する。
【0036】
本発明に係るカプセルは、円形、楕円形又はn面の断面をもつものとすることができ、ここでn=3,4,5,6,7,8,9,10又はそれ以上である。断面は、円形又は楕円形であることが好ましい。
【0037】
それは、カプセル・キャップとカプセル本体とからなる、入れ子式に互いに嵌合する2部品カプセルであることが好ましく、閉鎖されたときには、テーパした端部、好ましくは半球形の端部を有するシリンダを形成する。シリンダは、縦軸と横軸とを有する。縦軸は、シリンダ・ケーシングの母線に平行に延びる軸線である。縦軸は、横軸より長く、その結果、カプセルの縦断面は楕円形の幾何学的形状を有し、横断面は円形の幾何学的形状を有する。
【0038】
この種のシリンダは、次第に減少して丸くなった端部を形成するまで、中央から始まって一定の外側断面を有することが好ましい。
この種のシリンダは、湾曲せずに縦軸に平行なケーシングを有する。
シリンダはまた、外向きにすなわち中央軸(=縦軸)から遠ざかる方向に湾曲した凹形のケーシングを有することができる。この種の凹形のケーシングは、例えば、テーパ端から見たときに2つのカプセル部品の各々の外形が徐々に大きくなるときに形成される。
【0039】
別の少し好ましい実施形態においては、ケーシングの外形は、凹形に湾曲する。
最終的に、2つのカプセル部品の各々の外ケーシングはまた、最初に直線としてテーパ端から延び、縦軸と平行に延び、中央軸から遠ざかる方向に僅かに湾曲して、再び直線的に延びるが、次に、最終的にカプセル部品の開放端に到達するまで中央軸に対して角度αをなして延びることができる。この場合には、互いに嵌合したカプセルの外形は、前述の凸状外形に似ている。
【0040】
必要に応じて、カプセル本体又はカプセル・キャップは、その開放端の内側における内ケーシングと平行に延びる、外ケーシングの縁部の上に突出する縁部を有することができ、それをカプセル・キャップの中に押し込んで、2つの要素(カプセル・キャップとカプセル本体)を互いに接続することができる。この場合、包囲縁部が、ケーシングの内部において開口部と平行に形成され、次いで、該包囲縁部の上にカプセル・キャップが嵌められる。言い換えれば、このカプセルの内ケーシングは、外ケーシングより上になり、それにより、カプセル・キャップとカプセル本体との間の閉鎖点において段差が形成され、閉位置においてその上にカプセルの外側部品がおかれる。
【0041】
肉眼で見て平滑な外面と円形の断面とを有するこのカプセルの円筒形の実施形態は、理想化された条件の下で、外面の対称特性の観点から対称群D∞hに割当てることができる。これは、製造プロセスによって生じた何らかの偏差を無視することができ、上記に与えられた許容誤差及び不正確さに関する定義もこれにあてはまる。この対称群は、垂直二桁回転軸(=縦軸)、それに垂直に直立する無数の二桁回転軸、及び縦軸に垂直な、すなわち水平な対称面を含む。本発明によれば、カプセルは、上記で定義されたような理想化された条件の下でこの対称群に割当てられた外形をもつことが好ましい。
【0042】
閉鎖されたカプセルの全長は、26.1±0.3mm、23.3±0.3mm、24.2±0.3mm、21.7±0.3mm、19.4±0.3mm、18.0±0.3mm15.9±0.3mm、14.3±0.3mm、11.1±0.3mmであることが好ましい。
【0043】
外側から見える、閉鎖されたカプセルの部品におけるカプセル本体及びカプセル・キャップの外形は、9.91mm、8.53mm、7.66mm、7.64mm、6.91mm、6.35mm、5.83mm、5.32mm、4.91mmであることが好ましい。本発明に係るカプセルの寸法は、少なくともドイツにおいては公知であるサイズ3の標準的な市販のカプセルと同様である。説明した入れ子式カプセルにおいては、外形は、5.57mmから5.83mmの間であることが好ましい。
【0044】
カプセルは、例えば、上記の背景技術の項で説明したような粉末吸入器内で用いられることが好ましい。独国特許第3345722号、WO91/02558号又は欧州特許第0911047号に係る吸入器を具体的に言及する。これらの吸入器は、ベルヌーイの法則(ベルヌーイ吸入器)によって作動する吸入器である。これらの吸入器は、その断面がカプセル直径の1.1から2.5倍であり、その長さがカプセル長さの1.02から2倍であるカプセル・チャンバを有する。カプセル・チャンバは、空気が流入するための入口と排気口との2つの開口部を有する。吸気口は、カプセル・チャンバより断面が小さく、それによりカプセル・チャンバのこの領域においてベルヌーイ効果を強める比較的高い流速が得られ、それによりカプセル内の粉末が最終的に送達される。吸気開口部は、チャンバの底部の中央に配置されるのが好都合である。排気口側では、有孔プレート、或いはカプセル・チャンバ内で動くカプセルが排気口をブロックしないようにするための、又は形成された何らかのカプセル断片がマウスピースに吸い込まれないようにするための、突出する構成要素等の他の装置が存在することもある。有孔プレートは、例えば、漏斗形状の接続部材の一部とすることができ、それは、有孔プレートを有する漏斗の縁部がマウスピースの基部を形成するプレート形状のインサートに係合するような形で、マウスピースにつながる吸入チャネルの始端部に嵌合されることができる。しかしながら、有孔プレートは、接続部材の漏斗縁部とプレート形状のインサートの終端部との間にそれを押し込むことによって、取り替え可能に固定することもできる。
【0045】
排出開口部として複数の開口部を設けることもできる。空気がカプセル・チャンバから流出するために利用可能な断面は通常、医薬組成物と共に充填された空気ができる限り妨害を受けないで流出することができるように、吸気開口部よりあらゆる点で大きい。排気開口部は、便宜上、チャンバの頂部の中央に配置されるが、頂部領域内の片側に配置することもできる。
2つの開口部の装備は、カプセル・チャンバを通して軸方向に空気流を導くことが意図される。
【0046】
カプセル・チャンバは、(該カプセル・チャンバの内部に対する)縦軸に沿った少なくとも一箇所において、カプセル・チャンバに位置したカプセルを穿孔するか又は切り開くための少なくとも2つの鋭利なスパイク又はカッターが設けられた切断装置に接続するための開口部を有する。切断装置は、ばねの圧力に逆らってチャンバの内部に移動可能であり、作動ボタンが装着されたばねにより作動させられる。カプセル・チャンバの高さが医薬カプセルの長さにより決定されるので、切断装置の先端又はカッターは、カプセル・チャンバの頂端部又は底端部に近接して配置されることが好ましい。カプセル・チャンバの側壁は、その頂端部又は底端部領域内の半径方向の孔又は長楕円形のスロットを有することができ、それはスパイク又は切断縁に面し、該スパイク又はカッターが貫通できるように働く。これらの孔/スロットの寸法は、スパイク又は切断縁の断面に合わせられる。
【0047】
好ましい実施形態において、切断装置のスパイクのためのガイドには、シール・プレートが含まれる。それで、吸入位置にあるカプセル・チャンバ及び切断装置間のシールが改善される。ばねをシール・プレートに装着する場合は、切断装置の作動ボタンをリセットするばねを用いることが可能である。
【0048】
最後に、別の実施形態において、レバー・システムが、切断装置を作動させるために設けられる。このレバー・システムは、吸入器ハウジングの基部又は側面に装着された作動ボタンにより作動させられることが好ましい。レバー・システムは、ロッカーとトグル・レバーとから構成できるが、作動ボタンは、ロッカーの一端に作用し、該ロッカーの他端がトグル・レバーの一端を押し、切断装置に固定されたトグル・レバーの他端が切断装置を前方に押す。ロッカー及びトグル・レバーは、ハウジングに固定されたホルダの軸線を中心にピボット運動できるように取り付けられることが好ましい。
【0049】
カプセルは、吸入プロセスのために、その端部の両方に近接した位置で開かれるようになっている。カプセルの半球形キャップは、それにより損傷されるものであってはならない。カプセル又はカプセル・キャップが一種の弁として機能するので、これは重要である。圧力状態のため、カプセルは、流入する空気と反対方向の入口開口部の方向に引き付けられ、それを閉鎖する。ユーザがマウスピースを吸い続けるときに、カプセル・チャンバ内に吸引力が生成され、流入する空気と共にカプセルが排気口の方向に引き付けられる。ここで吸気口において生じた吸引力により、カプセルが再び入口開口部の方向に確実に引き付けられる。患者がマウスピースを通して吸入し続け、カプセルを軸方向に強く振動させる限り、プロセス全体が立て続けに繰り返される。
【0050】
本発明に係るカプセルが嵌め込まれた、最も簡単な場合にはカプセル・チャンバ、吸気開口部、マウスピースに連結された排気開口部、及びカプセルに穴を開けるための装置からなる粉末吸入器も、本発明の対象である。
【0051】
チャンバ内で製剤組成物が空気と混合され、粉末エアロゾルの形態でマウスピースを通ってユーザの口に入る。ほぼ管状で随意的に多少平坦化されたマウスピースは、軸方向に、又はチャンバの軸線に対して或る角度をなして、或いはチャンバの軸線に対して横方向に配置することができる。
【0052】
吸入器のマウスピースは、カプセル・チャンバを収容した吸入器の下部に嵌合されるキャップの形に構成することができる。このキャップは、吸入器の縦軸に対して垂直に延びる軸線を中心にピボット運動可能となるように吸入器ハウジングの縁部にヒンジ取り付けされてもよい。しかしながら、マウスピースと吸入器ハウジングの下部とは、通常の押し嵌め接続により互いに固定されてもよい。如何なる場合も、一般に、一方では、カプセル・チャンバ及びハウジングの下部の切断装置へのアクセスと、有孔プレート及び(マウスピース・キャップの)ハウジングの上部等の内部構成要素へのアクセスは、2つの構成要素が取り外し可能であること又はピボット運動可能であることによって実質的に容易にされる。
【0053】
この種の実施形態において、使用済みカプセルを新しいものと交換するために、マウスピースが上方にフリップされるか、又はマウスピースとハウジングの下部との間の押し嵌め接続が外される。次に、カプセル・チャンバが自由にアクセス可能となり、その結果、空のカプセルを除去し、満たされたカプセルを挿入することができるようになる。次に、装置をフリップ式に閉鎖されるか又は押して閉鎖される。
本発明に係る吸入器は、従来技術から公知の装置よりも確実に、より低い標準偏差で、医薬組成物を送達できるようにし、その良好なクリーニングを保証する。
【0054】
好ましい吸入器は、独国特許第3345722号、WO91/02558号又は欧州特許第0911047号の実施形態として上に説明されたものである。この項に記述された特徴をここで再び参照する。欧州特許第0911047号と組み合わせて上で説明されたような吸入器が特に好ましい。
この種の吸入器においては、独国特許第3345722号又は欧州特許第0911047号での記載によれば、本発明に係るカプセルを収容するためのカプセル・チャンバが1つだけ存在する。
【0055】
他の吸入器は、各々に1つのカプセルが詰め込まれるようになった通常は管状の複数のチャンバを備えたレボルバ・マガジンを有する。マガジンは、その2つの開放端の各々においてプレートにより覆われ、一方のプレートは吸気開口部を含み、それに対して軸方向の他方のプレートは排気開口部を含む。マガジンがこれらのプレート内で回転可能に取り付けられるときは、チャンバの1つが、2つの開口部間の所定の位置にピボット運動され、その結果、吸気用の連続するチャネルの一部を形成することができる。吸入プロセスが終了した後に、レボルバ・マガジンは、次のチャンバが空気貫流チャネルに入るまで、さらに回転させられる。2つのプレートの1つは、例えば、使用済みのカプセルをチャンバから除去するためにマガジンから分離されてもよいし、或いはマガジン全体が、例えば、補充のために取り外されてもよい。
【0056】
これらの吸入器のさらに別の特徴によれば、レボルバ・マガジンは、吸入器ハウジングに取り外し可能に取り付けられる。レボルバ・マガジン内のカプセルが使用された後に、レボルバ・マガジン全体を取り替えることもできるし、或いはカプセルを補充することもできる。
【0057】
吸入器ハウジングは、レボルバ・マガジンが嵌合できる偏心的に取り付けられたピンを有することができる。
レボルバ・マガジンの位置を定めるために、吸入器ハウジングに配置されたばね装着ロッキング・ボルトのための、カプセル・チャンバに関連した凹部を設けることができる。凹部は、カプセル・チャンバの1つが吸気口と排気口との間に正確に配置されるときに、ロッキング・ボルトのみがそこに係合するように配置される。
【0058】
このように、レボルバ・マガジンは、吸入中に確実に動かないようにすることが可能である。ロッキング・ボルトのばねの装着は、レボルバ・マガジンの偶発的な回転がそのロッキングにより防止され、一方、より大きな力が加えられた場合には、該レボルバ・マガジンがそのロックされた位置から回転させられるように、ばね定数に関して選択されるものである。ロッキング・ボルトの自由端の円錐形状と適切に成形された凹部とが支持効果を有する。
【0059】
ロッキング・ボルトは、カプセル・チャンバの下にある空気貫流チャネルと同軸に配置され、同時に基部において吸気口を形成する貫通孔を有することが好ましい。ロッキング・ボルトは、吸入器ハウジングの中央に取り付けられることが好ましい。本発明の別の実施形態によれば、ロッキング・ボルトは、吸入器ハウジングに取り外し可能に固定された、空気貫流チャネルの一部の中央貫通孔をさらに有するストッパに他端が当接するばねによって作動させられる。
【0060】
好ましい実施形態においては、基部におけるロッキング・ボルトと係合する凹部は、カプセル・チャンバの吸気孔と同軸にマガジンのベース・プレートに配置され、ケーシングのように外向きの基部を有する平坦な切頭円錐の形に構成される。従って、これらの凹部は、吸気孔の円錐形又は漏斗形状の拡幅部であり、拡幅された領域はロッキング・ボルトの方に面している。拡幅部によりもたらされる傾きは、ロッキング・ボルトの頂部の面取り部にほぼ対応する。
【0061】
好ましい実施形態においては、これらの凹部は、切頭円錐のケーシングの基部上にあるが、ベース・プレートにも入る環状止め縁部を有し、該止め縁部は、ロッキング・ボルトのヘッドが対応する凹部に係合したときに該ヘッドのための回転防止装置又は止め部として機能する。この止め縁部のため、ロッキング・ボルトが係合すると、マガジンをこれ以上回転させることはできない。
【0062】
この実施形態の別の特徴によれば、前述の止め縁部は、円錐凹部の周囲、すなわち、漏斗形状の拡幅部の一部又は半分のみを占め、漏斗形状の拡幅部の傾斜側面がベース・プレートの外面に滑らかに合体するときに、ロッキング・ボルトが係合させられると、それが一方向のマガジンの回転を防止するが、他方向にはそれを許容するように配置される。
【0063】
別の好ましい実施形態において、ロッキング・ピンが係合させられると、マガジンがこの凹部内で回転不可能となるように、凹部の1つだけが、凹部の周囲全体を占める止め縁部を有する。次に、この位置は、全てのカプセルが使用されたマガジンの最終位置とみなされる。この実施形態においては、他の全ての凹部は、片側にのみ、すなわち一方向に有効な回転防止装置を有し、その結果、マガジンは、ロッキングが完了する上述の最終位置に達するまで、未使用のカプセルを収容したカプセル・チャンバが活用される方向にしか回転させることができない。次に、ユーザは、この最後のカプセルを使用すると、新しいカプセルをマガジンに詰めなければならないことを知る。
【0064】
別の好ましい実施形態においては、ロッキング・ボルトがレボルバ・マガジンを取り外した状態の上方ストップ位置にあるときに、舌部を、切断装置の作動ボタンの内側の止め部のところまで延びるロッキング・ボルトに固定することができる。この位置において、前述の舌部は、切断装置のためのバリアとして機能する。マガジンが挿入されるとき、ロッキング・ボルトが再度押し下げられ、このように切断装置のバリアが解除される。
【0065】
切断装置の作動は、カプセル・マガジンの回転運動と組み合わせることができ、その結果、まずボタンを押して、カプセル・チャンバを正しい位置にもって行き、次いで切断装置を係合させる。
【0066】
レボルバ・マガジン及びそれに隣接する吸入器ハウジングの一部がnの角度をもつように構成され、ここで、nはカプセル・チャンバ数を示す整数である場合には、吸入器ハウジング部分及びレボルバ・マガジンの側面は、マガジンが正しい位置にあるときに位置合わせされるという利点をもつ。それで、チャンバが吸気口及び排気口により規定される空気チャネルに位置しているかを外からすぐに判断することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0067】
本発明を、実施例及び図面により、以下により詳細に説明する。
図1は、カプセル・キャップ(2)と、カプセル本体(3)とからなる、背景技術から公知のカプセル(1)を示す。カプセル本体の外径は、広範囲にわたってカプセル・キャップの外径より小さいことが明らかである。これは、カプセル本体の半球形の底部の端部領域において特に顕著である。
【0068】
図2は、本発明によるカプセル・チャンバが組み込まれる吸入器がどのように構成されるかを示す。随意的に2つの窓(6)を有する下部(5)に位置しているのが、カプセル・チャンバ(4)に接続されるプレート(7)である。カプセル・チャンバ(4)内のカプセルは、ばね(9)の圧力に逆らう方向に押されて、チャンバ内のカプセルを2箇所において切り開くか又は突き抜く、特に鋭利にされた2つのスパイクが設けられたボタン(8)により開かれる。ユーザが、上部(11)に接続されたマウスピース(10)を用いて装置を通して吸入するときに、空気が下部(5)に入り、そこから下端のカプセル・チャンバ(4)に入り込む。装置は、下部(5)、プレート(7)及び上部(11)にヒンジ取り付けされている蓋(12)により閉鎖され、それにより、蓋を閉鎖すると、塵は装置に入らなくなる。プレート(7)において、随意的にブラインド孔の形のカプセル・ホルダが存在する。マウスピースの開口部につながるマウス管(10)又は吸入チャネルの下端に固定され、吸入器が閉位置にあるときは、カプセル・チャンバ(4)の排気開口部を覆う有孔プレート(34)が存在することが有利である。図面には、マウス管(10)又はプレート(7)の方向に向けられ、プレート(7)に係合することができる、上部(11)の側面に随意的なスナップ嵌めフックが示されていない。この場合、プレート(7)は、適切に相補的な装置(凹部又は孔)を有する。突出部又はスナップ嵌めフックは、例えば、プレート(7)が下部に係合できるようにするために該プレート(7)上に横方向に設けることもできる。マウスピース(10)若しくは上部(11)をプレート(7)に係合させるか又はプレート(7)を下部(5)に係合させる上述の装置は、個々の要素を再び容易に互いに分離できるようになっている。さらに、出っ張りは、閉位置においてボタン(8)上に位置する蓋(12)上の箇所に設けることができ、それにより、この出っ張りは、ボタン(8)の頂部の凹部に係合して、ボタン(8)をブロックし、その結果、閉位置ではボタン(8)を押すことができない。これは、カプセルがカプセル・チャンバに挿入されたときに、該カプセルに偶発的に時期尚早に穿孔されるのを防止する。
【0069】
図3:図3a、図3b及び図3cからわかるように、レボルバ・マガジンを有する吸入器は、基本的には、軸線(13)を中心にピボット運動可能となるように吸入器ハウジング(11)の上縁に対して横方向にヒンジで留められたマウスピース(10)を有する吸入器ハウジング(5)と、カプセルを収容するカプセル・チャンバ(4)を有するレボルバ・マガジン(14)とからなる。レボルバ・マガジン(14)は、吸入器ハウジング(5)に偏心的に取り付けられたピン(15)に嵌めることができる。レボルバ・マガジン(14)が押し込まれた後に、マウスピース(10)が、ハウジング上のキャップとして、その通常の位置に移動させられる、すなわち、吸入器を使える準備が整う。ボタン(8)を押すことによって、カプセル(図示せず)がこの時点で穿孔される。図3cからわかるように、この場合のレボルバ・マガジン(14)は、カプセル(図示せず)を収容する6つのチャンバ(4)を有する。各々のチャンバ(4)の基部は、吸気孔(16)を有する。さらに、レボルバ・マガジン(14)は、ピン(15)のための軸方向ガイド(17)を有する。
【0070】
図3dからわかるように、吸入器は、吸入器チャネル(18)の下に取り付けられたチャンバ(4)に隣接した、ボタン(8)により作動させられる切断装置(19)を有する。この切断装置(19)は、それぞれ前述のチャンバ(4)の上部及び下部に容易に挿入できる2つのスパイク(20)を有し、レボルバ・マガジンの外壁は、スパイク(20)の挿入を助けるのに適した場所にある脆弱化した又は脆い領域(21)を有する。スパイク(20)は、その上端及び下端の近くのチャンバ(4)に位置するカプセルを開放するように作動する。レボルバ・マガジン(14)はさらに、孔(22)の下には、対応するチャンバ(4)が吸入器ハウジングの吸気又は吸入チャネル(18)と同軸になるとすぐに、ロッキング・ボルト(24)が係合することができる円錐凹部(23)を有する。ロッキング・ボルトはまた、凹部(23)に係合するその端部のところが円錐形の形状にされる。反対側の端部において、それは、吸入器ハウジングに取り外し可能に固定されたストッパ(27)で支持されるばね(26)により作動させられる。このロッキング・ボルトのようなストッパは、吸気口(25)として機能する中央貫通孔を有する。
【0071】
吸入器を準備するためには、レボルバ・マガジン(14)が所定の位置にある状態で、このマガジンは、チャンバ(4)の1つを、基部の孔(22)又は円錐凹部(23)が吸気開口部(25)と軸方向に位置合わせさせられる位置に持っていくように回転させられる。チャンバ(4)の位置決めは、ロッキング・ボルト(24)の凹部(23)への係合により、より容易に行われる。ボルトが係合した後に、吸気開口部(25)及びチャンバ(4)の基部開口部(22)は、位置合わせされた状態になる。カプセルのキャップが、基部開口部(22)上に位置決めされ、それを閉鎖する。ばね(9)の力に逆らうボタン(8)の作動により、切断縁(20)が、チャンバ(4)の方向に半径方向に移動させられ、まず脆弱化した領域(21)を穿孔するか又はレボルバ・マガジンの側壁の対応する開口部に入り、最後にその両端に近接した上部及び下部においてカプセルを開放する。カプセルのテーパしたキャップは、それらが或る種の弁として機能することが意図されるので、破壊されるべきではない。
【0072】
次に、空気がマウスピース(10)を通して吸入されるときに、ハウジング(5)の基部開口部(28)及び吸気口(25)からチャンバ(4)に流入する空気が、カプセルを激しく振動させ、カプセル内の粉末の乱流を発生させて、それと混合され、最後に吸入される。マウスピース(10)は、構造がほぼ管状であるが、口の形状に合わされ、平坦化されてもよい。同様に、示される実施形態に代替するものとして、マウスピースは、軸方向に又はチャンバの軸線に対して或る角度をなして又はチャンバの軸線から横方向にオフセットして配置されてもよい。
【0073】
基部において、マウスピース(10)には、本質的に硬いプレート形状のインサート(29)を設けることができる。しかしながら、このプレート形状のインサート(29)は、貫通孔を有することもできる。さらに、吸入チャネル(18)の出発点は、カプセル又はカプセルの断片がマウスピース内の吸入チャネル(18)に吸入されることを防止するスクリーンで覆うことができる。或いは、突起部をこの箇所の壁部上に形成して、カプセルを留めることができる。次に、有孔プレートは、プレート形状のインサート(29)の中央に配置されることが好ましく、通り抜ける空気を取り囲むプレート(29)上の止め部(30)と漏斗形状の接続部材(31)の縁部との間にクランプ留めされることが有利であり、漏斗形状の接続部材(31)は、該漏斗の縁部がプレート形状のインサート(29)に面し、それと係合するように、吸入チャネル(18)の始端(32)に嵌合される。代替的に形成される突起部も、この箇所に配置することができる。
【0074】
図4に示す、本発明による吸入器の実施形態は、下部(5)と、マウスピース(10)とからなり、それらは共に嵌合される。下部は、カプセル・チャンバ(1)への吸気口に接続された吸気チャネル(25)を含む。切断装置(19)は、ばね部材(9)により通常の位置に保持される。マウスピース(10)は、カプセル・チャンバ(4)を含む。カプセルの遊びを制限する突起部(33)は、カプセル・チャンバの拡張部分内に突出する。有孔プレート(34)は、例えば、カプセルの断片が吸入されることを防止する。吸入器は、下部の上縁が或る位置(36)に達しているときに、ばね要素(35)の圧力に逆らって軸方向に押し縮めることができる。この位置において、切断装置(19)のブレード又は先端部(20)が、開口部(21)を通ってカプセル・チャンバ(4)に貫入し、そこに固定されたカプセルを開放することができる。
【0075】
図4による吸入器を使用するためには、下部(5)とマウスピース(10)とを引き離し、カプセルを挿入して、吸入器のこれらの2つの部品を共に嵌合させる。ばね要素(35)に逆らって位置(36)に押し戻された後に、切断装置(19)は、再度作動させられ、解放される。ばね要素(35)の圧力を受けて、吸入器は、図4に示される最初の位置に戻る。カプセル(図示せず)からの有効物質配合物は、ここでマウスピース(10)を通して吸い込むことによって吸入され得る。
【0076】
図5及び図6の各々は、カプセル・キャップ(2)とカプセル本体(3)からなる本発明に係る鏡面対称カプセル(1)を示す。カプセル本体は、その内面上に、カプセル・キャップに挿入される内側係合延長部(37)を有する。硬質ゼラチンカプセルの場合には、図5に示すようなほぼ完全に半球形の端部が好ましい。射出成形によって製造されたカプセルの場合には、端部における射出点が若干へこんでいる(図6)。
【0077】
図7aから図7dは、カプセル・キャップ及びカプセル本体上に係合手段を用いる異なるシーリング技術を示す。図7aから図7cにおいては、平滑な側が各場合における外側である。図7dに係る変形においては、平滑な側は、閉鎖されたカプセルの内側であっても良いし、又は外側であっても良い。
【0078】
図7cは、一方のカプセル要素における凸部(38)と、該突起と係合するための、他方のカプセル要素における凹部(39)とを有する、プレス・スタッドに類似の係合手段を示す。
図7dに示された別のシーリング方法は、凸部(40)を含む。
【0079】
図8は、閉鎖端への開口部から見てカプセル・キャップ(2)の側壁が段状にテーパしている変形例を示す。カプセル本体は、内側からテーパした部分(41)に到達するまで、ただカプセル・キャップの中に押し込まれる。テーパ位置は、閉鎖されたカプセルの鏡面対称が維持されるように選択される。
【0080】
図9は、カプセル・キャップ(2)とカプセル本体(3)との間のシームが対称面内にない変形例を示す。
図10は、図7dに係る閉鎖部を有する変形例を示す。
図11は、縦軸に平行に延びるシームを有する変形例を示す。
図12は、図7dに係る閉鎖部を有する、図11に係る変形例を示す。
図13は、縦軸と垂直に延びるシームを有する変形例を示し、このシームはバンド固定されている(41)。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】従来技術から公知の閉鎖されたカプセルを示す図である。
【図2】本発明によるカプセルを用いることができる吸入器を示す図である。
【図3a】本発明によるカプセルを用いることができるレボルバ・マガジンを有する粉末吸入器を示す図である。
【図3b】本発明によるカプセルを用いることができるレボルバ・マガジンを有する粉末吸入器を示す図である。
【図3c】本発明によるカプセルを用いることができるレボルバ・マガジンを有する粉末吸入器を示す図である。
【図3d】本発明によるカプセルを用いることができるレボルバ・マガジンを有する粉末吸入器を示す図である。
【図4】互いに移動できる上部及び下部を有する粉末吸入器を示す図である。
【図5】本発明に係るカプセルの異なる実施形態を示す図である。
【図6】本発明に係るカプセルの異なる実施形態を示す図である。
【図7】本発明に係るカプセルの異なる実施形態を示す図である。
【図8】本発明に係るカプセルの異なる実施形態を示す図である。
【図9】本発明に係るカプセルの異なる実施形態を示す図である。
【図10】本発明に係るカプセルの異なる実施形態を示す図である。
【図11】本発明に係るカプセルの異なる実施形態を示す図である。
【図12】本発明に係るカプセルの異なる実施形態を示す図である。
【図13】本発明に係るカプセルの異なる実施形態を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸入により投与されるべき有効物質を受け入れるための新規なカプセルに関するものであり、それは、ベルヌーイの法則に基づいて作動する粉末吸入器に用いられることを意図されていることが好ましい。
【背景技術】
【0002】
文献では、種々の法則により作動する多数の粉末吸入器が知られている。それらの全てに共通しているのは、送達されるべき有効物質がほぼ円筒形のカプセルに入れられ、このカプセルが吸入器のカプセル・チャンバに挿入されるということである。
【0003】
適切な粉末吸入器は、本質的に、カプセルを横方向に開くための手段が設けられた、好ましくは円筒形であるカプセル・チャンバと、カプセル・チャンバにおける吸気開口部及び排気開口部と、排気開口部の下流に設けられたマウスピースとからなる。カプセル・チャンバの形状は、通常は、カプセルより多少長く、幅広にされた円筒形であり、そのため、カプセルは、軸方向にも半径方向にも振動できるが、該チャンバの軸線にほぼ平行に位置合わせされた状態に維持される。軸方向及び半径方向という用語は、カプセル・チャンバがマウスピースの下に位置合わせされている吸入器の向きに関する垂直方向(軸方向)及び水平方向(半径方向)に等しい。また、軸方向は、吸入器の縦軸(垂直軸)に平行な方向であり、一方、半径方向は、それに垂直な方向である。カプセル・チャンバは、その2つの端部のうち一方の端部領域の吸気口と、他方の端部領域において開口する排気口とを有する。粉末エアロゾルを運ぶことができる排気口は、マウスピースにつながっている。カプセルの作用内容物を送達するためには、まず、通常はケーシング上の縦方向の2箇所においてカプセルを開く。一般に、これらの開口部は、カプセルの縦方向の2つの端部に近接して位置させられる。そこで、カプセル・チャンバ内に吸気口から排気口の方に向かう空気流が発生すると、該空気流は、カプセルの縦軸に沿って流れ、2つの効果を生じる。1つには、カプセルが、該空気流により主にその縦軸に沿って移動させられる。カプセルが多少振動することもある。もう1つには、2つのカプセル開口部に沿って流れる空気が、カプセル開口部の前ではカプセルの内部より低い圧力を生じ、その結果、カプセルに収容されている粉末が、空気流により取り出され、それにより霧状にされる。
【0004】
独国特許第3345722号は、単一のカプセル・チャンバを有する互いに軸方向に移動可能な2つのハウジング要素からなる、この種の吸入器を開示する。
【0005】
WO91/02558号は、単一のカプセル・チャンバではなく、リボルバ・マガジンと同じように配置された複数のカプセル・チャンバをもつ別の吸入器を開示する。このマガジンの開放端は、壁部により区切られ、吸気口又は排気口は、これらの壁部の一箇所にのみ配置される。このマガジンは、カプセル・チャンバが、吸気口と、排気口と、或る位置においてカプセルを開くのに必要な切断要素とにのみ連結されるように、回転可能に設置される。
【0006】
欧州特許第0911047号も吸入器を開示しており、それは、a)上向きに開口するカップ形状の下部と、b)該下部の開口部を覆うプレートとを備え、該プレートに対して垂直にカプセル・チャンバが形成され、カプセルを開くための2つの鋭利なスパイクを備えた状態でばねに逆らって移動可能なボタンがカプセル・チャンバ上に設けられ、さらに、c)カプセル・チャンバに連結され、粉末エアロゾルを移送できる口管を有する上部と、d)蓋とが設けられる。要素a)、要素b)、要素c)及び要素d)は、それらを互いにフリップすることができるように共通のヒンジ要素により共に連結される。さらに、この特許出願は、プレートb)の穴として構成することができ、縁部にリブを有するカプセル・ホルダを説明する。カプセルが、このカプセル・ホルダに押し込まれて、作動可能状態で保持される。
【0007】
この種の吸入器に通常用いられるカプセルは、硬質ゼラチンから構成されるが、プラスチック材料から構成される場合もある。これに関しては、欧州特許第1100474号に記載されている。
【0008】
従来技術から公知のカプセルは、一方が他方の内部に入れ子式に嵌め込まれるカップ状の2つの構成要素、すなわちカプセル・キャップ及びカプセル本体からなる。この種の複合カプセルの外形は、半球形の端部を有する閉シリンダの形である。シリンダは縦軸と横軸とを有する。縦軸は、シリンダ・ケーシングの母線に平行に延びる軸である。縦軸は横軸より長く、その結果、カプセルの縦断面は楕円形の幾何的形状を有し、横断面は円形の幾何的形状を有する。多くのカプセルは、カプセル・キャップとカプセル本体との間の接合部において包囲溝を有し、それは、カプセル・キャップがカプセル本体より常に幾らか大きい外形を有するという事実によってもたらされる。これに関しては、欧州特許第1100474号又はPCT/EP0207481号に記載されている。例えば、カプセルの2つの部分の断面が重ね合わされているように見える場合には、その2つの部分の外形は一致していないことが分かる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
驚いたことに、従来技術から公知のカプセルは、空気が流入するときに吸入器内でのそれらの挿入位置に応じて別様に振動し、カプセルの振動をもたらすための最小の空気流速は、カプセルの上部又は下部のいずれが吸気口の方向に配置されるかに依存し、その他の全ての点では等しいことが見出された。しかしながら、こうした不確かさは望ましくない。
【0010】
したがって、本発明の目的は、粉末吸入器、特にベルヌーイ作用により作動する粉末吸入器のための有効物質容器として、それらの位置に関係なく同様の挙動をとる使い捨てカプセルを提供することである。
本発明の別の目的は、有効物質の送達がカプセル・チャンバ内でのカプセルの上下の向きに無関係となるように公知のカプセルを修正することである。
本発明のさらに別の態様は、ベルヌーイ粉末吸入器におけるこの種のカプセルの使用に関係している。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による使い捨てカプセルは縦軸及び横軸を有し、縦軸は横軸より長い、すなわち、縦軸と横軸との長さの比、延長部は、1より大きい。本発明によれば、カプセルの外形は、カプセルの縦軸を分断する対称シグマ面Hに関して鏡面対称構造をもつ。縦軸は、対称面と垂直に配置される。この鏡面対称は、カプセルの内部の形状に関するものではない。対称構造の結果として、流入及び振動条件は、吸入器へのカプセルの挿入方向とは関係なく同一となる。これらの両方は、吸気口の上で同一の流入特徴を示す。
【0012】
本発明の範囲内において、「鏡面対称」という用語は、何らかの抽象的な又は理想化された数学的演算に関係するものではなく、この数学的概念を物理的及び技術的に可能なものに移すことに関係する。したがって、「鏡面対称」という用語は、ここでは、例えば製造プロセスから生じる許容誤差及び不正確さを含む。
【0013】
「不正確さ」という用語は、カプセル面上の対称面の一方の側に形成された要素Xが、カプセル上の対称面の他方の側にどの程度まで同様に複製されるかを意味する。鏡面対称を適用することができる最小の測定可能な寸法は、0.15mm、好ましくは0.1mm、より好ましくは0.05mmである。例えば、カプセルの表面が突出点を有する場合、一方の突出部が1mmの直径を有し、他方(鏡面対称)が0.85mmの直径を有するときには、この一対(2)の突出部も鏡面対称とみなされる。この場合、本発明の目的上の不正確さは、0.15mm等である。
【0014】
不正確さはまた、ツールからカプセルを解放するために通常用いられるような、例えば、5°まで、好ましくは2°まで、最も好ましくは1°までの円錐角の結果としての、対称面の両側のカプセルの間の差異を含む。
【0015】
「許容誤差」という用語は、位置の記述とみなされるべきである。許容誤差は、好ましくは0から0.15mm、好ましくは0から0.1mm、より好ましくは0から0.05mmである。その意味では、「許容誤差」という用語の例として、対をなす2つの不規則に取り付けられた鏡面対称突出部を有するカプセルを容認することができる。一方の突出部が経度0°(地球の測位と同様に)にある場合には、鏡面対称とみなされるためには、対称面の他方の側におけるその鏡面対称の張り出しは、その経度の一方の側に0.15mmまでとすることができる。この場合には、許容誤差は0.15mmである。
【0016】
したがって、カプセルの表面上に対称な対を形成する2つの特徴は、各場合においては0.15mm、好ましくは0.1mm、より好ましくは0.05mmの、対称から逸脱する許容誤差及び不正確さを有することがある。対称面の上及び下の別の許容誤差及び不正確さの区域を許容することができる。この対称面の上及び下の区域は、2.5mmまで、好ましくは1.25mmまでの幅を有することができる。それは、対称面の他方の側に鏡面対称の張り出し部をもたないか又は鏡面対称的に同一の張り出し部をもたない要素、装置などを含む。言い換えれば、これは、鏡面対称からは除外された5mmまでの区域(対称面の2.5mm上及び2.5mm下)である。その背景は、二部品カプセルの場合のこの区域においては、2つのカプセル断片間の接合部、例えば、厳密な鏡面対称の形で自然には形成できない溶接シームが、ここに配置されることが好ましいためである。
【0017】
この点で、カプセルの個々の要素間の接合部又はシームはまた、上記で規定された許容誤差についての最も狭い意味において、鏡面対称から除外することができる。
同じく鏡面対称から除外されるのは、あらゆる可能性のあるシームの微小構造、例えば溶接シームの微小構造である。こうしたシームは、ほぼラインとみなされ、その高さは、溶接シームの高さに対応する。
【0018】
サイズが0.1mmより小さい、好ましくはサイズが50ミクロンより小さい、最も好ましくはサイズが10ミクロンより小さい、カプセル面上に形成されたあらゆる要素は、鏡面対称から除外されることが好ましい。
【0019】
カプセルは、一方が他方の中に入れ子式に嵌合する少なくとも2つの部分要素からなる。好ましい実施形態においては、正確に2つの部分要素が存在し、これらのカプセル部品の各々は、3つの閉じた側部と1つの開いた側部とを備えたキャビティを有する。2つの部分要素は、それらの開いた側部において互いに接合される。この開口部は、縦軸と垂直に配置されることが好ましい。この場合には、2つの部分要素は、カプセル本体とカプセル・キャップである。カプセルは、円筒形の形状であることが好ましい。
【0020】
部分要素は、充填作業の後に適切な接合方法によって互いに接合することができる。適切な接合方法には、接着剤結合、バンド固定、収縮、摩擦、レーザ又は超音波溶接がある。
【0021】
或いは又はそれに加えて、部分要素はまた、クリップ又はスナップイン手段によって互いに接合することができる。こうした実施形態においては、1つ又はそれ以上の係合手段が部分要素の内面上に設けられ、それらは他方の部分要素の1つの上に押されることになり、また、他方の相補的な部分要素の外ケーシング上に相補的な係合手段が設けられ、それらは、カプセルが閉鎖されたときにそれらが互いに係合するように配置される。この種の係合手段は、プレス・スタッド原理によって機能する凸部及び凹部と同様のものとすることができ、辺縁部の周りに点状に及び/又は環状に配置される。凸部又は凹部がケーシング周りに円形に又は螺旋形に配置される構成が好ましい。一実施形態においては、キャップの内面及び本体の外面の周りに環状に配置される1つ又はそれ以上の凸部は、カプセルが閉鎖されたときに一方の部分要素の凸部が他方の部分要素の凹部に配置されるように設計される。
【0022】
前述のような凹部及び/又は凸部のリングを有する実施形態においては、これらは連続的又は断続的とすることができる。
凸部及び/又は凹部は、それらが外側では見えないように設計されることが好ましい。
【0023】
本発明によれば、2つの部分要素からなるカプセルが好ましい。そうした場合には、シームを、縦軸に平行に又は縦軸に垂直に形成することができる。縦軸に垂直に延びるシームを備えた実施形態が好ましい。この場合には、部分要素間のシームは、縦軸を分断することができ、又は中央から遠い地点に形成することができる。
【0024】
2つの部分要素の場合には、シームは、好ましくは縦軸に関して中央にあるか、又は中央から0から12%外れた長さ、好ましくは中央から0から10%外れた長さ、より好ましくは中央から0から5%外れた長さだけオフセットされたところにある。最も好ましい実施形態の1つにおいては、シームは、中央にあるか、又は中央から多くとも3%外れた長さだけオフセットしたところにある。最も好ましくは、シームは、対称面内にある。
【0025】
縦軸に沿って一方が他方の中に押し込まれる2つの部分要素の場合には、シームは、接着剤結合、バンド固定、収縮、摩擦、レーザ又は超音波溶接といった所望のシーリング方法のいずれかによってシールすることができる。
【0026】
シームが中央に配置されない実施形態においては、外ケーシングがこの地点において平滑となり、シーリング・プロセスがカプセルの鏡面対称に影響を及ぼさないように閉鎖することができる。他の点では、鏡面対称及び許容誤差又は不正確さに関する条件をあてはめることができる。
【0027】
本発明に係る閉鎖されたカプセルは、それらの外ケーシング上に隆起部を有することができる。これらの隆起部は、カプセルが吸入器のカプセル・チャンバ内に入れられたときにスペーサとして働くことができる。
【0028】
隆起部の高さ(すなわち、底部と頂点との間の距離)は、好ましくは0.1mmから5mm、より好ましくは0.5mmから2mmである。
隆起部は、例えば、鋭い縁を有する及びゆるやかな波状の遷移部を有するリブの形態とするか又はピンの形態とすることができる。これらの組み合わせも可能である。
これらの隆起した要素の先端部又は縁部は、最小の表面積を有することが好ましい。
【0029】
リブの場合には、これらは軸方向に(=垂直方向に)、すなわちチャンバ内のカプセルの縦軸に平行に、水平方向に、又はカプセルの縦軸に対して垂直に、或いはカプセルの縦軸に対して斜めに配置することができる。「斜め」という用語はまた、螺旋状に配置されたリブを含む。
【0030】
リブが軸方向に配置される場合には、カプセル・チャンバは、便宜上、少なくとも3又はそれ以上のこうしたリブを有する。カプセルは、好ましくは9より多くない、最も好ましくは6より多くないこの種のリブを有する。リブの長さは、カプセルが軸方向に動く際に、この動きをブロックすることなくそれらがカプセルを案内するように選択される。リブは、チャンバの全長にわたって延びることが好ましい。この場合には、リブは、三角形の断面を有することが好ましく、三角形の一点は、カプセル・チャンバの内面から遠ざかる方向に突き出している。この実施形態は、カプセルが、その軸方向の動きの間に大きな摩擦損失なしにカプセル・チャンバ内に案内されるという利点を有する。リブの他の幾何学的形状、例えば、半円形又は長方形などの断面を有するリブも可能である。
【0031】
これは、軸方向に配置されたリブでカプセルが詰まるのを防止するために、2つの隣接する対をなすリブ間の距離が異なる(リブが等間隔に配置されていない)場合に利点を有する。
【0032】
リブが水平方向に(=縦軸に垂直に)配置される場合には、少なくとも2つのリブが好ましい。それらは、ゆるやかな遷移断面、すなわち波形面を有することが好ましい。しかしながら、それらはまた、角のある構造などであってもよい。
【0033】
カプセルのさらに別の実施形態は、前述のような波形パターンをもつ外面を備え、リブがこの表面上に軸方向に、すなわち波形部に対して垂直に形成される。これらのリブは、リブの外縁がカプセル・チャンバの中央の縦軸に対して等距離となって、リブの外縁が、波形面ではなく、湾曲しない(縦軸に平行な)面を有するように設計される。
【0034】
ピン形状の隆起部の場合には、これらは、直線状に配置して随意的にリブに代わるようにするか、又は不規則に配置することができる。ピンは、あらゆる場合において、カプセルの軸方向の動きが妨害されないが、これに反してカプセルの動きが案内されるように配列される。
【0035】
しかしながら、これらの全ての実施形態においては、隆起部は、上記で定義されたような対称面に基づいて、カプセルの外面上で鏡面対称に形成される。
しかしながら、好ましいカプセルは、肉眼で見て平滑な外面を有する、すなわち隆起部が存在しない。「肉眼で見て平滑な」という用語は、多くて0.5mm、好ましくは0.1mmまで、より好ましくは0.05mmまでの凸凹を有する面を意味する。
【0036】
本発明に係るカプセルは、円形、楕円形又はn面の断面をもつものとすることができ、ここでn=3,4,5,6,7,8,9,10又はそれ以上である。断面は、円形又は楕円形であることが好ましい。
【0037】
それは、カプセル・キャップとカプセル本体とからなる、入れ子式に互いに嵌合する2部品カプセルであることが好ましく、閉鎖されたときには、テーパした端部、好ましくは半球形の端部を有するシリンダを形成する。シリンダは、縦軸と横軸とを有する。縦軸は、シリンダ・ケーシングの母線に平行に延びる軸線である。縦軸は、横軸より長く、その結果、カプセルの縦断面は楕円形の幾何学的形状を有し、横断面は円形の幾何学的形状を有する。
【0038】
この種のシリンダは、次第に減少して丸くなった端部を形成するまで、中央から始まって一定の外側断面を有することが好ましい。
この種のシリンダは、湾曲せずに縦軸に平行なケーシングを有する。
シリンダはまた、外向きにすなわち中央軸(=縦軸)から遠ざかる方向に湾曲した凹形のケーシングを有することができる。この種の凹形のケーシングは、例えば、テーパ端から見たときに2つのカプセル部品の各々の外形が徐々に大きくなるときに形成される。
【0039】
別の少し好ましい実施形態においては、ケーシングの外形は、凹形に湾曲する。
最終的に、2つのカプセル部品の各々の外ケーシングはまた、最初に直線としてテーパ端から延び、縦軸と平行に延び、中央軸から遠ざかる方向に僅かに湾曲して、再び直線的に延びるが、次に、最終的にカプセル部品の開放端に到達するまで中央軸に対して角度αをなして延びることができる。この場合には、互いに嵌合したカプセルの外形は、前述の凸状外形に似ている。
【0040】
必要に応じて、カプセル本体又はカプセル・キャップは、その開放端の内側における内ケーシングと平行に延びる、外ケーシングの縁部の上に突出する縁部を有することができ、それをカプセル・キャップの中に押し込んで、2つの要素(カプセル・キャップとカプセル本体)を互いに接続することができる。この場合、包囲縁部が、ケーシングの内部において開口部と平行に形成され、次いで、該包囲縁部の上にカプセル・キャップが嵌められる。言い換えれば、このカプセルの内ケーシングは、外ケーシングより上になり、それにより、カプセル・キャップとカプセル本体との間の閉鎖点において段差が形成され、閉位置においてその上にカプセルの外側部品がおかれる。
【0041】
肉眼で見て平滑な外面と円形の断面とを有するこのカプセルの円筒形の実施形態は、理想化された条件の下で、外面の対称特性の観点から対称群D∞hに割当てることができる。これは、製造プロセスによって生じた何らかの偏差を無視することができ、上記に与えられた許容誤差及び不正確さに関する定義もこれにあてはまる。この対称群は、垂直二桁回転軸(=縦軸)、それに垂直に直立する無数の二桁回転軸、及び縦軸に垂直な、すなわち水平な対称面を含む。本発明によれば、カプセルは、上記で定義されたような理想化された条件の下でこの対称群に割当てられた外形をもつことが好ましい。
【0042】
閉鎖されたカプセルの全長は、26.1±0.3mm、23.3±0.3mm、24.2±0.3mm、21.7±0.3mm、19.4±0.3mm、18.0±0.3mm15.9±0.3mm、14.3±0.3mm、11.1±0.3mmであることが好ましい。
【0043】
外側から見える、閉鎖されたカプセルの部品におけるカプセル本体及びカプセル・キャップの外形は、9.91mm、8.53mm、7.66mm、7.64mm、6.91mm、6.35mm、5.83mm、5.32mm、4.91mmであることが好ましい。本発明に係るカプセルの寸法は、少なくともドイツにおいては公知であるサイズ3の標準的な市販のカプセルと同様である。説明した入れ子式カプセルにおいては、外形は、5.57mmから5.83mmの間であることが好ましい。
【0044】
カプセルは、例えば、上記の背景技術の項で説明したような粉末吸入器内で用いられることが好ましい。独国特許第3345722号、WO91/02558号又は欧州特許第0911047号に係る吸入器を具体的に言及する。これらの吸入器は、ベルヌーイの法則(ベルヌーイ吸入器)によって作動する吸入器である。これらの吸入器は、その断面がカプセル直径の1.1から2.5倍であり、その長さがカプセル長さの1.02から2倍であるカプセル・チャンバを有する。カプセル・チャンバは、空気が流入するための入口と排気口との2つの開口部を有する。吸気口は、カプセル・チャンバより断面が小さく、それによりカプセル・チャンバのこの領域においてベルヌーイ効果を強める比較的高い流速が得られ、それによりカプセル内の粉末が最終的に送達される。吸気開口部は、チャンバの底部の中央に配置されるのが好都合である。排気口側では、有孔プレート、或いはカプセル・チャンバ内で動くカプセルが排気口をブロックしないようにするための、又は形成された何らかのカプセル断片がマウスピースに吸い込まれないようにするための、突出する構成要素等の他の装置が存在することもある。有孔プレートは、例えば、漏斗形状の接続部材の一部とすることができ、それは、有孔プレートを有する漏斗の縁部がマウスピースの基部を形成するプレート形状のインサートに係合するような形で、マウスピースにつながる吸入チャネルの始端部に嵌合されることができる。しかしながら、有孔プレートは、接続部材の漏斗縁部とプレート形状のインサートの終端部との間にそれを押し込むことによって、取り替え可能に固定することもできる。
【0045】
排出開口部として複数の開口部を設けることもできる。空気がカプセル・チャンバから流出するために利用可能な断面は通常、医薬組成物と共に充填された空気ができる限り妨害を受けないで流出することができるように、吸気開口部よりあらゆる点で大きい。排気開口部は、便宜上、チャンバの頂部の中央に配置されるが、頂部領域内の片側に配置することもできる。
2つの開口部の装備は、カプセル・チャンバを通して軸方向に空気流を導くことが意図される。
【0046】
カプセル・チャンバは、(該カプセル・チャンバの内部に対する)縦軸に沿った少なくとも一箇所において、カプセル・チャンバに位置したカプセルを穿孔するか又は切り開くための少なくとも2つの鋭利なスパイク又はカッターが設けられた切断装置に接続するための開口部を有する。切断装置は、ばねの圧力に逆らってチャンバの内部に移動可能であり、作動ボタンが装着されたばねにより作動させられる。カプセル・チャンバの高さが医薬カプセルの長さにより決定されるので、切断装置の先端又はカッターは、カプセル・チャンバの頂端部又は底端部に近接して配置されることが好ましい。カプセル・チャンバの側壁は、その頂端部又は底端部領域内の半径方向の孔又は長楕円形のスロットを有することができ、それはスパイク又は切断縁に面し、該スパイク又はカッターが貫通できるように働く。これらの孔/スロットの寸法は、スパイク又は切断縁の断面に合わせられる。
【0047】
好ましい実施形態において、切断装置のスパイクのためのガイドには、シール・プレートが含まれる。それで、吸入位置にあるカプセル・チャンバ及び切断装置間のシールが改善される。ばねをシール・プレートに装着する場合は、切断装置の作動ボタンをリセットするばねを用いることが可能である。
【0048】
最後に、別の実施形態において、レバー・システムが、切断装置を作動させるために設けられる。このレバー・システムは、吸入器ハウジングの基部又は側面に装着された作動ボタンにより作動させられることが好ましい。レバー・システムは、ロッカーとトグル・レバーとから構成できるが、作動ボタンは、ロッカーの一端に作用し、該ロッカーの他端がトグル・レバーの一端を押し、切断装置に固定されたトグル・レバーの他端が切断装置を前方に押す。ロッカー及びトグル・レバーは、ハウジングに固定されたホルダの軸線を中心にピボット運動できるように取り付けられることが好ましい。
【0049】
カプセルは、吸入プロセスのために、その端部の両方に近接した位置で開かれるようになっている。カプセルの半球形キャップは、それにより損傷されるものであってはならない。カプセル又はカプセル・キャップが一種の弁として機能するので、これは重要である。圧力状態のため、カプセルは、流入する空気と反対方向の入口開口部の方向に引き付けられ、それを閉鎖する。ユーザがマウスピースを吸い続けるときに、カプセル・チャンバ内に吸引力が生成され、流入する空気と共にカプセルが排気口の方向に引き付けられる。ここで吸気口において生じた吸引力により、カプセルが再び入口開口部の方向に確実に引き付けられる。患者がマウスピースを通して吸入し続け、カプセルを軸方向に強く振動させる限り、プロセス全体が立て続けに繰り返される。
【0050】
本発明に係るカプセルが嵌め込まれた、最も簡単な場合にはカプセル・チャンバ、吸気開口部、マウスピースに連結された排気開口部、及びカプセルに穴を開けるための装置からなる粉末吸入器も、本発明の対象である。
【0051】
チャンバ内で製剤組成物が空気と混合され、粉末エアロゾルの形態でマウスピースを通ってユーザの口に入る。ほぼ管状で随意的に多少平坦化されたマウスピースは、軸方向に、又はチャンバの軸線に対して或る角度をなして、或いはチャンバの軸線に対して横方向に配置することができる。
【0052】
吸入器のマウスピースは、カプセル・チャンバを収容した吸入器の下部に嵌合されるキャップの形に構成することができる。このキャップは、吸入器の縦軸に対して垂直に延びる軸線を中心にピボット運動可能となるように吸入器ハウジングの縁部にヒンジ取り付けされてもよい。しかしながら、マウスピースと吸入器ハウジングの下部とは、通常の押し嵌め接続により互いに固定されてもよい。如何なる場合も、一般に、一方では、カプセル・チャンバ及びハウジングの下部の切断装置へのアクセスと、有孔プレート及び(マウスピース・キャップの)ハウジングの上部等の内部構成要素へのアクセスは、2つの構成要素が取り外し可能であること又はピボット運動可能であることによって実質的に容易にされる。
【0053】
この種の実施形態において、使用済みカプセルを新しいものと交換するために、マウスピースが上方にフリップされるか、又はマウスピースとハウジングの下部との間の押し嵌め接続が外される。次に、カプセル・チャンバが自由にアクセス可能となり、その結果、空のカプセルを除去し、満たされたカプセルを挿入することができるようになる。次に、装置をフリップ式に閉鎖されるか又は押して閉鎖される。
本発明に係る吸入器は、従来技術から公知の装置よりも確実に、より低い標準偏差で、医薬組成物を送達できるようにし、その良好なクリーニングを保証する。
【0054】
好ましい吸入器は、独国特許第3345722号、WO91/02558号又は欧州特許第0911047号の実施形態として上に説明されたものである。この項に記述された特徴をここで再び参照する。欧州特許第0911047号と組み合わせて上で説明されたような吸入器が特に好ましい。
この種の吸入器においては、独国特許第3345722号又は欧州特許第0911047号での記載によれば、本発明に係るカプセルを収容するためのカプセル・チャンバが1つだけ存在する。
【0055】
他の吸入器は、各々に1つのカプセルが詰め込まれるようになった通常は管状の複数のチャンバを備えたレボルバ・マガジンを有する。マガジンは、その2つの開放端の各々においてプレートにより覆われ、一方のプレートは吸気開口部を含み、それに対して軸方向の他方のプレートは排気開口部を含む。マガジンがこれらのプレート内で回転可能に取り付けられるときは、チャンバの1つが、2つの開口部間の所定の位置にピボット運動され、その結果、吸気用の連続するチャネルの一部を形成することができる。吸入プロセスが終了した後に、レボルバ・マガジンは、次のチャンバが空気貫流チャネルに入るまで、さらに回転させられる。2つのプレートの1つは、例えば、使用済みのカプセルをチャンバから除去するためにマガジンから分離されてもよいし、或いはマガジン全体が、例えば、補充のために取り外されてもよい。
【0056】
これらの吸入器のさらに別の特徴によれば、レボルバ・マガジンは、吸入器ハウジングに取り外し可能に取り付けられる。レボルバ・マガジン内のカプセルが使用された後に、レボルバ・マガジン全体を取り替えることもできるし、或いはカプセルを補充することもできる。
【0057】
吸入器ハウジングは、レボルバ・マガジンが嵌合できる偏心的に取り付けられたピンを有することができる。
レボルバ・マガジンの位置を定めるために、吸入器ハウジングに配置されたばね装着ロッキング・ボルトのための、カプセル・チャンバに関連した凹部を設けることができる。凹部は、カプセル・チャンバの1つが吸気口と排気口との間に正確に配置されるときに、ロッキング・ボルトのみがそこに係合するように配置される。
【0058】
このように、レボルバ・マガジンは、吸入中に確実に動かないようにすることが可能である。ロッキング・ボルトのばねの装着は、レボルバ・マガジンの偶発的な回転がそのロッキングにより防止され、一方、より大きな力が加えられた場合には、該レボルバ・マガジンがそのロックされた位置から回転させられるように、ばね定数に関して選択されるものである。ロッキング・ボルトの自由端の円錐形状と適切に成形された凹部とが支持効果を有する。
【0059】
ロッキング・ボルトは、カプセル・チャンバの下にある空気貫流チャネルと同軸に配置され、同時に基部において吸気口を形成する貫通孔を有することが好ましい。ロッキング・ボルトは、吸入器ハウジングの中央に取り付けられることが好ましい。本発明の別の実施形態によれば、ロッキング・ボルトは、吸入器ハウジングに取り外し可能に固定された、空気貫流チャネルの一部の中央貫通孔をさらに有するストッパに他端が当接するばねによって作動させられる。
【0060】
好ましい実施形態においては、基部におけるロッキング・ボルトと係合する凹部は、カプセル・チャンバの吸気孔と同軸にマガジンのベース・プレートに配置され、ケーシングのように外向きの基部を有する平坦な切頭円錐の形に構成される。従って、これらの凹部は、吸気孔の円錐形又は漏斗形状の拡幅部であり、拡幅された領域はロッキング・ボルトの方に面している。拡幅部によりもたらされる傾きは、ロッキング・ボルトの頂部の面取り部にほぼ対応する。
【0061】
好ましい実施形態においては、これらの凹部は、切頭円錐のケーシングの基部上にあるが、ベース・プレートにも入る環状止め縁部を有し、該止め縁部は、ロッキング・ボルトのヘッドが対応する凹部に係合したときに該ヘッドのための回転防止装置又は止め部として機能する。この止め縁部のため、ロッキング・ボルトが係合すると、マガジンをこれ以上回転させることはできない。
【0062】
この実施形態の別の特徴によれば、前述の止め縁部は、円錐凹部の周囲、すなわち、漏斗形状の拡幅部の一部又は半分のみを占め、漏斗形状の拡幅部の傾斜側面がベース・プレートの外面に滑らかに合体するときに、ロッキング・ボルトが係合させられると、それが一方向のマガジンの回転を防止するが、他方向にはそれを許容するように配置される。
【0063】
別の好ましい実施形態において、ロッキング・ピンが係合させられると、マガジンがこの凹部内で回転不可能となるように、凹部の1つだけが、凹部の周囲全体を占める止め縁部を有する。次に、この位置は、全てのカプセルが使用されたマガジンの最終位置とみなされる。この実施形態においては、他の全ての凹部は、片側にのみ、すなわち一方向に有効な回転防止装置を有し、その結果、マガジンは、ロッキングが完了する上述の最終位置に達するまで、未使用のカプセルを収容したカプセル・チャンバが活用される方向にしか回転させることができない。次に、ユーザは、この最後のカプセルを使用すると、新しいカプセルをマガジンに詰めなければならないことを知る。
【0064】
別の好ましい実施形態においては、ロッキング・ボルトがレボルバ・マガジンを取り外した状態の上方ストップ位置にあるときに、舌部を、切断装置の作動ボタンの内側の止め部のところまで延びるロッキング・ボルトに固定することができる。この位置において、前述の舌部は、切断装置のためのバリアとして機能する。マガジンが挿入されるとき、ロッキング・ボルトが再度押し下げられ、このように切断装置のバリアが解除される。
【0065】
切断装置の作動は、カプセル・マガジンの回転運動と組み合わせることができ、その結果、まずボタンを押して、カプセル・チャンバを正しい位置にもって行き、次いで切断装置を係合させる。
【0066】
レボルバ・マガジン及びそれに隣接する吸入器ハウジングの一部がnの角度をもつように構成され、ここで、nはカプセル・チャンバ数を示す整数である場合には、吸入器ハウジング部分及びレボルバ・マガジンの側面は、マガジンが正しい位置にあるときに位置合わせされるという利点をもつ。それで、チャンバが吸気口及び排気口により規定される空気チャネルに位置しているかを外からすぐに判断することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0067】
本発明を、実施例及び図面により、以下により詳細に説明する。
図1は、カプセル・キャップ(2)と、カプセル本体(3)とからなる、背景技術から公知のカプセル(1)を示す。カプセル本体の外径は、広範囲にわたってカプセル・キャップの外径より小さいことが明らかである。これは、カプセル本体の半球形の底部の端部領域において特に顕著である。
【0068】
図2は、本発明によるカプセル・チャンバが組み込まれる吸入器がどのように構成されるかを示す。随意的に2つの窓(6)を有する下部(5)に位置しているのが、カプセル・チャンバ(4)に接続されるプレート(7)である。カプセル・チャンバ(4)内のカプセルは、ばね(9)の圧力に逆らう方向に押されて、チャンバ内のカプセルを2箇所において切り開くか又は突き抜く、特に鋭利にされた2つのスパイクが設けられたボタン(8)により開かれる。ユーザが、上部(11)に接続されたマウスピース(10)を用いて装置を通して吸入するときに、空気が下部(5)に入り、そこから下端のカプセル・チャンバ(4)に入り込む。装置は、下部(5)、プレート(7)及び上部(11)にヒンジ取り付けされている蓋(12)により閉鎖され、それにより、蓋を閉鎖すると、塵は装置に入らなくなる。プレート(7)において、随意的にブラインド孔の形のカプセル・ホルダが存在する。マウスピースの開口部につながるマウス管(10)又は吸入チャネルの下端に固定され、吸入器が閉位置にあるときは、カプセル・チャンバ(4)の排気開口部を覆う有孔プレート(34)が存在することが有利である。図面には、マウス管(10)又はプレート(7)の方向に向けられ、プレート(7)に係合することができる、上部(11)の側面に随意的なスナップ嵌めフックが示されていない。この場合、プレート(7)は、適切に相補的な装置(凹部又は孔)を有する。突出部又はスナップ嵌めフックは、例えば、プレート(7)が下部に係合できるようにするために該プレート(7)上に横方向に設けることもできる。マウスピース(10)若しくは上部(11)をプレート(7)に係合させるか又はプレート(7)を下部(5)に係合させる上述の装置は、個々の要素を再び容易に互いに分離できるようになっている。さらに、出っ張りは、閉位置においてボタン(8)上に位置する蓋(12)上の箇所に設けることができ、それにより、この出っ張りは、ボタン(8)の頂部の凹部に係合して、ボタン(8)をブロックし、その結果、閉位置ではボタン(8)を押すことができない。これは、カプセルがカプセル・チャンバに挿入されたときに、該カプセルに偶発的に時期尚早に穿孔されるのを防止する。
【0069】
図3:図3a、図3b及び図3cからわかるように、レボルバ・マガジンを有する吸入器は、基本的には、軸線(13)を中心にピボット運動可能となるように吸入器ハウジング(11)の上縁に対して横方向にヒンジで留められたマウスピース(10)を有する吸入器ハウジング(5)と、カプセルを収容するカプセル・チャンバ(4)を有するレボルバ・マガジン(14)とからなる。レボルバ・マガジン(14)は、吸入器ハウジング(5)に偏心的に取り付けられたピン(15)に嵌めることができる。レボルバ・マガジン(14)が押し込まれた後に、マウスピース(10)が、ハウジング上のキャップとして、その通常の位置に移動させられる、すなわち、吸入器を使える準備が整う。ボタン(8)を押すことによって、カプセル(図示せず)がこの時点で穿孔される。図3cからわかるように、この場合のレボルバ・マガジン(14)は、カプセル(図示せず)を収容する6つのチャンバ(4)を有する。各々のチャンバ(4)の基部は、吸気孔(16)を有する。さらに、レボルバ・マガジン(14)は、ピン(15)のための軸方向ガイド(17)を有する。
【0070】
図3dからわかるように、吸入器は、吸入器チャネル(18)の下に取り付けられたチャンバ(4)に隣接した、ボタン(8)により作動させられる切断装置(19)を有する。この切断装置(19)は、それぞれ前述のチャンバ(4)の上部及び下部に容易に挿入できる2つのスパイク(20)を有し、レボルバ・マガジンの外壁は、スパイク(20)の挿入を助けるのに適した場所にある脆弱化した又は脆い領域(21)を有する。スパイク(20)は、その上端及び下端の近くのチャンバ(4)に位置するカプセルを開放するように作動する。レボルバ・マガジン(14)はさらに、孔(22)の下には、対応するチャンバ(4)が吸入器ハウジングの吸気又は吸入チャネル(18)と同軸になるとすぐに、ロッキング・ボルト(24)が係合することができる円錐凹部(23)を有する。ロッキング・ボルトはまた、凹部(23)に係合するその端部のところが円錐形の形状にされる。反対側の端部において、それは、吸入器ハウジングに取り外し可能に固定されたストッパ(27)で支持されるばね(26)により作動させられる。このロッキング・ボルトのようなストッパは、吸気口(25)として機能する中央貫通孔を有する。
【0071】
吸入器を準備するためには、レボルバ・マガジン(14)が所定の位置にある状態で、このマガジンは、チャンバ(4)の1つを、基部の孔(22)又は円錐凹部(23)が吸気開口部(25)と軸方向に位置合わせさせられる位置に持っていくように回転させられる。チャンバ(4)の位置決めは、ロッキング・ボルト(24)の凹部(23)への係合により、より容易に行われる。ボルトが係合した後に、吸気開口部(25)及びチャンバ(4)の基部開口部(22)は、位置合わせされた状態になる。カプセルのキャップが、基部開口部(22)上に位置決めされ、それを閉鎖する。ばね(9)の力に逆らうボタン(8)の作動により、切断縁(20)が、チャンバ(4)の方向に半径方向に移動させられ、まず脆弱化した領域(21)を穿孔するか又はレボルバ・マガジンの側壁の対応する開口部に入り、最後にその両端に近接した上部及び下部においてカプセルを開放する。カプセルのテーパしたキャップは、それらが或る種の弁として機能することが意図されるので、破壊されるべきではない。
【0072】
次に、空気がマウスピース(10)を通して吸入されるときに、ハウジング(5)の基部開口部(28)及び吸気口(25)からチャンバ(4)に流入する空気が、カプセルを激しく振動させ、カプセル内の粉末の乱流を発生させて、それと混合され、最後に吸入される。マウスピース(10)は、構造がほぼ管状であるが、口の形状に合わされ、平坦化されてもよい。同様に、示される実施形態に代替するものとして、マウスピースは、軸方向に又はチャンバの軸線に対して或る角度をなして又はチャンバの軸線から横方向にオフセットして配置されてもよい。
【0073】
基部において、マウスピース(10)には、本質的に硬いプレート形状のインサート(29)を設けることができる。しかしながら、このプレート形状のインサート(29)は、貫通孔を有することもできる。さらに、吸入チャネル(18)の出発点は、カプセル又はカプセルの断片がマウスピース内の吸入チャネル(18)に吸入されることを防止するスクリーンで覆うことができる。或いは、突起部をこの箇所の壁部上に形成して、カプセルを留めることができる。次に、有孔プレートは、プレート形状のインサート(29)の中央に配置されることが好ましく、通り抜ける空気を取り囲むプレート(29)上の止め部(30)と漏斗形状の接続部材(31)の縁部との間にクランプ留めされることが有利であり、漏斗形状の接続部材(31)は、該漏斗の縁部がプレート形状のインサート(29)に面し、それと係合するように、吸入チャネル(18)の始端(32)に嵌合される。代替的に形成される突起部も、この箇所に配置することができる。
【0074】
図4に示す、本発明による吸入器の実施形態は、下部(5)と、マウスピース(10)とからなり、それらは共に嵌合される。下部は、カプセル・チャンバ(1)への吸気口に接続された吸気チャネル(25)を含む。切断装置(19)は、ばね部材(9)により通常の位置に保持される。マウスピース(10)は、カプセル・チャンバ(4)を含む。カプセルの遊びを制限する突起部(33)は、カプセル・チャンバの拡張部分内に突出する。有孔プレート(34)は、例えば、カプセルの断片が吸入されることを防止する。吸入器は、下部の上縁が或る位置(36)に達しているときに、ばね要素(35)の圧力に逆らって軸方向に押し縮めることができる。この位置において、切断装置(19)のブレード又は先端部(20)が、開口部(21)を通ってカプセル・チャンバ(4)に貫入し、そこに固定されたカプセルを開放することができる。
【0075】
図4による吸入器を使用するためには、下部(5)とマウスピース(10)とを引き離し、カプセルを挿入して、吸入器のこれらの2つの部品を共に嵌合させる。ばね要素(35)に逆らって位置(36)に押し戻された後に、切断装置(19)は、再度作動させられ、解放される。ばね要素(35)の圧力を受けて、吸入器は、図4に示される最初の位置に戻る。カプセル(図示せず)からの有効物質配合物は、ここでマウスピース(10)を通して吸い込むことによって吸入され得る。
【0076】
図5及び図6の各々は、カプセル・キャップ(2)とカプセル本体(3)からなる本発明に係る鏡面対称カプセル(1)を示す。カプセル本体は、その内面上に、カプセル・キャップに挿入される内側係合延長部(37)を有する。硬質ゼラチンカプセルの場合には、図5に示すようなほぼ完全に半球形の端部が好ましい。射出成形によって製造されたカプセルの場合には、端部における射出点が若干へこんでいる(図6)。
【0077】
図7aから図7dは、カプセル・キャップ及びカプセル本体上に係合手段を用いる異なるシーリング技術を示す。図7aから図7cにおいては、平滑な側が各場合における外側である。図7dに係る変形においては、平滑な側は、閉鎖されたカプセルの内側であっても良いし、又は外側であっても良い。
【0078】
図7cは、一方のカプセル要素における凸部(38)と、該突起と係合するための、他方のカプセル要素における凹部(39)とを有する、プレス・スタッドに類似の係合手段を示す。
図7dに示された別のシーリング方法は、凸部(40)を含む。
【0079】
図8は、閉鎖端への開口部から見てカプセル・キャップ(2)の側壁が段状にテーパしている変形例を示す。カプセル本体は、内側からテーパした部分(41)に到達するまで、ただカプセル・キャップの中に押し込まれる。テーパ位置は、閉鎖されたカプセルの鏡面対称が維持されるように選択される。
【0080】
図9は、カプセル・キャップ(2)とカプセル本体(3)との間のシームが対称面内にない変形例を示す。
図10は、図7dに係る閉鎖部を有する変形例を示す。
図11は、縦軸に平行に延びるシームを有する変形例を示す。
図12は、図7dに係る閉鎖部を有する、図11に係る変形例を示す。
図13は、縦軸と垂直に延びるシームを有する変形例を示し、このシームはバンド固定されている(41)。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】従来技術から公知の閉鎖されたカプセルを示す図である。
【図2】本発明によるカプセルを用いることができる吸入器を示す図である。
【図3a】本発明によるカプセルを用いることができるレボルバ・マガジンを有する粉末吸入器を示す図である。
【図3b】本発明によるカプセルを用いることができるレボルバ・マガジンを有する粉末吸入器を示す図である。
【図3c】本発明によるカプセルを用いることができるレボルバ・マガジンを有する粉末吸入器を示す図である。
【図3d】本発明によるカプセルを用いることができるレボルバ・マガジンを有する粉末吸入器を示す図である。
【図4】互いに移動できる上部及び下部を有する粉末吸入器を示す図である。
【図5】本発明に係るカプセルの異なる実施形態を示す図である。
【図6】本発明に係るカプセルの異なる実施形態を示す図である。
【図7】本発明に係るカプセルの異なる実施形態を示す図である。
【図8】本発明に係るカプセルの異なる実施形態を示す図である。
【図9】本発明に係るカプセルの異なる実施形態を示す図である。
【図10】本発明に係るカプセルの異なる実施形態を示す図である。
【図11】本発明に係るカプセルの異なる実施形態を示す図である。
【図12】本発明に係るカプセルの異なる実施形態を示す図である。
【図13】本発明に係るカプセルの異なる実施形態を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦軸と縦軸に比べて短い横軸とを有し、吸入による投与のために粉末形態の医薬組成物を粉末吸入器内に収容することが意図された少なくとも2つの部分からなる医薬カプセルの使用であって、
閉鎖された医薬カプセルの外形が、縦軸を分断する横断面に関して鏡面対称であり、以下の形態、すなわち、
医薬カプセルの別々の部分のシームのシーリングによってもたらされるシームの微小構造、及び/又は、
0.1mmより小さい、好ましくは50ミクロンより小さい、最も好ましくは10ミクロンより小さい、カプセル面上に形成された要素、及び/又は、
5°までのテーパ角、
は、対称の条件から除外されていることを特徴とする使用。
【請求項2】
前記吸入器がベルヌーイ吸入器であることを特徴とする請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記カプセル面上にあって対称な対を形成する形態が、各場合において、対称から0.15mm、好ましくは0.1mm、より好ましくは0.05mm逸脱する許容誤差及び不正確さを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の使用。
【請求項4】
前記医薬カプセルが、その外面上に隆起部を有することを特徴とする上記請求項の1つに記載の医薬カプセルの使用。
【請求項5】
前記医薬カプセルが、隆起部ではなく肉眼で見て平滑な面を有することを特徴とする上記請求項の1つに記載の医薬カプセルの使用。
【請求項6】
前記医薬カプセルが、前記縦軸に沿って一方を他方の内部に入れ子式に押し込むことができる2つの部分からなることを特徴とする上記請求項の1つに記載の医薬カプセルの使用。
【請求項7】
前記医薬カプセルが、円筒形の外形を有することを特徴とする上記請求項の1つに記載の医薬カプセルの使用。
【請求項8】
前記医薬カプセルが、シールされたテーパ端部を有することを特徴とする上記請求項の1つに記載の医薬カプセルの使用。
【請求項9】
前記医薬カプセルの2つの部分間のシームが、中央から0から12%外れた長さ、好ましくは0から10%外れた長さ、より好ましくは0から5%外れた長さだけオフセットされ、最も好ましくは中央に配置されることを特徴とする上記請求項の1つに記載の医薬カプセルの使用。
【請求項10】
前記医薬カプセルが、前記カプセルの2つの部分間のシームに関係なく、かつあらゆる製造上の許容誤差に関係なく、その外形に関して対称群D∞hに割当てられることを特徴とする上記請求項の1つに記載の医薬カプセルの使用。
【請求項11】
前記粉末吸入器が、マウスピースに接続された上部ハウジングと、少なくとも1つの医薬カプセル・チャンバを有する下部ハウジングとの少なくとも2つのハウジング部分からなり、前記医薬カプセル・チャンバが吸気開口部と排気開口部を有し、前記排気開口部が、エアロゾルを通すことができる接続部を介して前記マウスピースに接続されていることを特徴とする上記請求項の1つに記載の医薬カプセルの使用。
【請求項12】
前記医薬カプセル・チャンバが、前記医薬カプセルの直径の1.1から2.5倍大きい断面と、前記医薬カプセルの長さの1.02から2倍の長さとを有することを特徴とする請求項11に記載の使用。
【請求項13】
前記粉末吸入器は、少なくとも2つの鋭利なスパイク及び/又はカッターが設けられた切断装置を有し、前記スパイク及び/又はカッターは、開口部を通して前記医薬カプセル・チャンバの中に挿入されることができることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の使用。
【請求項14】
前記粉末吸入器は、
a)頂部において開口するカップ形状の下部と、
b)前記下部の開口部を覆うプレートと、
を備え、該プレートに対して直角に、前述のタイプの医薬カプセル・チャンバが形成され、ばねに逆らって移動可能なボタンが、前記医薬カプセルを開くための2つの鋭利なスパイク又はカッターを備えた状態で前記医薬カプセル・チャンバ上に設けられており、
c)粉末エアロゾルを移送できるように前記医薬カプセル・チャンバに接続されたマウスピースを有する上部と、
d)蓋と、
が設けられ、前記要素a)、前記要素b)、前記要素c)及び前記要素d)が、それらを互いに前後にフリップできるように共通のヒンジ要素により共に連結されたことを特徴とする請求項11から請求項13に記載の使用。
【請求項15】
前記粉末吸入器が、医薬カプセル・チャンバのマガジンを含むことを特徴とする請求項11から請求項14に記載の使用。
【請求項16】
請求項1から請求項10の1つに記載の医薬カプセルを有することを特徴とする請求項11から請求項15の1項に記載の粉末吸入器。
【請求項17】
閉状態において縦軸と縦軸に比べて短い横軸とを有し、前記縦軸に沿って一方が他方の中に入れ子式に押し込まれる2つの部分からなる医薬カプセルであって、前記閉鎖された医薬カプセルの外形が、縦軸を分断する横断面に関して鏡面対称であり、以下の形態、すなわち、
医薬カプセルの別々の部分のシームのシーリングによってもたらされるシームの微小構造、及び/又は、
0.1mmより小さい、好ましくは50ミクロンより小さい、最も好ましくは10ミクロンより小さい、カプセル面上に形成された要素、及び/又は、
5°までのテーパ角、
は、対称の条件から除外されていることを特徴とする医薬カプセル。
【請求項18】
前記医薬カプセルが、請求項2、請求項3、請求項4、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9、又は請求項10の1つに記載の医薬カプセルの形態を有することを特徴とする請求項17に記載の医薬カプセル。
【請求項1】
縦軸と縦軸に比べて短い横軸とを有し、吸入による投与のために粉末形態の医薬組成物を粉末吸入器内に収容することが意図された少なくとも2つの部分からなる医薬カプセルの使用であって、
閉鎖された医薬カプセルの外形が、縦軸を分断する横断面に関して鏡面対称であり、以下の形態、すなわち、
医薬カプセルの別々の部分のシームのシーリングによってもたらされるシームの微小構造、及び/又は、
0.1mmより小さい、好ましくは50ミクロンより小さい、最も好ましくは10ミクロンより小さい、カプセル面上に形成された要素、及び/又は、
5°までのテーパ角、
は、対称の条件から除外されていることを特徴とする使用。
【請求項2】
前記吸入器がベルヌーイ吸入器であることを特徴とする請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記カプセル面上にあって対称な対を形成する形態が、各場合において、対称から0.15mm、好ましくは0.1mm、より好ましくは0.05mm逸脱する許容誤差及び不正確さを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の使用。
【請求項4】
前記医薬カプセルが、その外面上に隆起部を有することを特徴とする上記請求項の1つに記載の医薬カプセルの使用。
【請求項5】
前記医薬カプセルが、隆起部ではなく肉眼で見て平滑な面を有することを特徴とする上記請求項の1つに記載の医薬カプセルの使用。
【請求項6】
前記医薬カプセルが、前記縦軸に沿って一方を他方の内部に入れ子式に押し込むことができる2つの部分からなることを特徴とする上記請求項の1つに記載の医薬カプセルの使用。
【請求項7】
前記医薬カプセルが、円筒形の外形を有することを特徴とする上記請求項の1つに記載の医薬カプセルの使用。
【請求項8】
前記医薬カプセルが、シールされたテーパ端部を有することを特徴とする上記請求項の1つに記載の医薬カプセルの使用。
【請求項9】
前記医薬カプセルの2つの部分間のシームが、中央から0から12%外れた長さ、好ましくは0から10%外れた長さ、より好ましくは0から5%外れた長さだけオフセットされ、最も好ましくは中央に配置されることを特徴とする上記請求項の1つに記載の医薬カプセルの使用。
【請求項10】
前記医薬カプセルが、前記カプセルの2つの部分間のシームに関係なく、かつあらゆる製造上の許容誤差に関係なく、その外形に関して対称群D∞hに割当てられることを特徴とする上記請求項の1つに記載の医薬カプセルの使用。
【請求項11】
前記粉末吸入器が、マウスピースに接続された上部ハウジングと、少なくとも1つの医薬カプセル・チャンバを有する下部ハウジングとの少なくとも2つのハウジング部分からなり、前記医薬カプセル・チャンバが吸気開口部と排気開口部を有し、前記排気開口部が、エアロゾルを通すことができる接続部を介して前記マウスピースに接続されていることを特徴とする上記請求項の1つに記載の医薬カプセルの使用。
【請求項12】
前記医薬カプセル・チャンバが、前記医薬カプセルの直径の1.1から2.5倍大きい断面と、前記医薬カプセルの長さの1.02から2倍の長さとを有することを特徴とする請求項11に記載の使用。
【請求項13】
前記粉末吸入器は、少なくとも2つの鋭利なスパイク及び/又はカッターが設けられた切断装置を有し、前記スパイク及び/又はカッターは、開口部を通して前記医薬カプセル・チャンバの中に挿入されることができることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の使用。
【請求項14】
前記粉末吸入器は、
a)頂部において開口するカップ形状の下部と、
b)前記下部の開口部を覆うプレートと、
を備え、該プレートに対して直角に、前述のタイプの医薬カプセル・チャンバが形成され、ばねに逆らって移動可能なボタンが、前記医薬カプセルを開くための2つの鋭利なスパイク又はカッターを備えた状態で前記医薬カプセル・チャンバ上に設けられており、
c)粉末エアロゾルを移送できるように前記医薬カプセル・チャンバに接続されたマウスピースを有する上部と、
d)蓋と、
が設けられ、前記要素a)、前記要素b)、前記要素c)及び前記要素d)が、それらを互いに前後にフリップできるように共通のヒンジ要素により共に連結されたことを特徴とする請求項11から請求項13に記載の使用。
【請求項15】
前記粉末吸入器が、医薬カプセル・チャンバのマガジンを含むことを特徴とする請求項11から請求項14に記載の使用。
【請求項16】
請求項1から請求項10の1つに記載の医薬カプセルを有することを特徴とする請求項11から請求項15の1項に記載の粉末吸入器。
【請求項17】
閉状態において縦軸と縦軸に比べて短い横軸とを有し、前記縦軸に沿って一方が他方の中に入れ子式に押し込まれる2つの部分からなる医薬カプセルであって、前記閉鎖された医薬カプセルの外形が、縦軸を分断する横断面に関して鏡面対称であり、以下の形態、すなわち、
医薬カプセルの別々の部分のシームのシーリングによってもたらされるシームの微小構造、及び/又は、
0.1mmより小さい、好ましくは50ミクロンより小さい、最も好ましくは10ミクロンより小さい、カプセル面上に形成された要素、及び/又は、
5°までのテーパ角、
は、対称の条件から除外されていることを特徴とする医薬カプセル。
【請求項18】
前記医薬カプセルが、請求項2、請求項3、請求項4、請求項6、請求項7、請求項8、請求項9、又は請求項10の1つに記載の医薬カプセルの形態を有することを特徴とする請求項17に記載の医薬カプセル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2006−517421(P2006−517421A)
【公表日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−566013(P2004−566013)
【出願日】平成15年12月20日(2003.12.20)
【国際出願番号】PCT/EP2003/014694
【国際公開番号】WO2004/062640
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年12月20日(2003.12.20)
【国際出願番号】PCT/EP2003/014694
【国際公開番号】WO2004/062640
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】
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