説明

吸液性樹脂の製造方法

【課題】 海水や塩化カルシウム潮解水溶液等の高濃度の含塩溶液に対しても優れた吸液性を有し、1次粒子同士の凝集がなく、体積基準のメジアン径が0.5〜50μmの範囲の粒子径に制御することができ、粒子径分布の非常に狭い吸液性樹脂微粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】 分散機を用いてスルホン酸基またはそのアルキル金属塩を有するエチレン性不飽和単量体及びラジカル重合開始剤を含む水溶液と界面活性剤を溶解した疎水性有機溶媒とを混合することにより前記疎水性有機溶媒に前記水溶液を分散させ、次いで得られる分散液を重合装置内に逐次供給し逆相懸濁重合させることにより吸液性樹脂を製造する方法であって、前記混合分散の条件を調整することにより吸液性樹脂の粒子径を制御することを特徴とする吸液性樹脂の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有用なる吸液性樹脂の製造方法に関する。更に詳しくは、海水や塩化カルシウム潮解水溶液等の高濃度の含塩溶液を吸収するための吸液性樹脂の製造方法に関する。 本発明の方法により得られる吸液性樹脂からなる吸液性材料は、高濃度の含塩溶液の吸液性材料および吸止水材、土木、農園芸用等の吸液性材料として幅広く利用可能である。
【背景技術】
【0002】
近年、吸水性材料は、生理用品や紙おむつ等の衛生材料分野のみならず、止水材、結露防止材、更に鮮度保持材、溶剤脱水剤等の産業用途、緑化用途、農園芸用途等にも実用化されつつある。しかし、従来の吸水性材料では、カルシウムやマグネシウム等の多価金属イオンが存在する含塩溶液に対する吸水性能が、イオン濃度の増大に伴って低下するために、海水等の塩濃度が極めて高い条件下では殆ど吸水しないという大きな問題があった。
このような問題を解消するために、スルホアルキル(メタ)アクリレートやアクリルアミド等からなる吸水性材料が提案されている(例えば特許文献1参照)。またそれを用いた耐塩性膨潤剤(例えば特許文献2参照)、育苗床(例えば特許文献3参照)などが提案されている。しかし、これらの提案の吸水性材料は水溶液重合により架橋構造を形成してゲル重合体を調製するものであり、吸水倍率も低くまた使用時に粉砕する必要があった。
【0003】
これに対し、スルホン酸基含有不飽和単量体およびその他の重合性単量体からなる単量体またはその水溶液を、ソルビタン脂肪酸エステルの存在下又は非存在下に、単量体またはその水溶液100重量部に対し100〜400重量部の疎水性有機溶媒中で逆相懸濁重合して、粒子径50μm以下の重合性微粒子の懸濁液を作製し、この懸濁液から該微粒子を分離し乾燥することを特徴とする、逆相懸濁重合法による耐塩性吸水性樹脂微粒子の製造方法が提案されている(例えば特許文献4参照)。
本製造方法によれば、粒子径が50μm以下の重合性微粒子が凝集することなく得られるとしているが、1次粒子同士の凝集を起こすことなく、粒子径50μm以下の重合性微粒子を得るために、単量体またはその水溶液100重量部に対して100〜400重量部の疎水性有機溶媒を用いる必要があり、反応釜当たりの収率が低くなることを避けられなかった。また最適な攪拌翼や攪拌速度が充分記載されておらず、1mを越える商用レベルの反応釜にスケールアップを行った場合や攪拌翼としてパドル翼を用いた場合、1次粒子同士の凝集を避けるには限界があった。さらに、得られる吸水性樹脂粒子の粒子径分布は広がる傾向にあり、製品への大粒子径の吸水性樹脂の混入をさけることは困難であった。
【0004】
また吸水性樹脂微粒子の製造方法としては、重合前に予めモノマーの油中水型の微小分散滴を形成せしめその微小分散滴を昇温した有機溶媒中に滴下して重合させることによる吸水性ポリマー微粒子の製造方法が開示されている(例えば特許文献5参照)。
しかしこの提案ではスルホアルキル(メタ)アクリレートやアクリルアミド等からなる吸水性材料を所望の粒子径を有する粒子に制御する方法については開示されていなかった。
【0005】
【特許文献1】特開平1−144404号公報
【特許文献2】特公昭63−5427号公報
【特許文献3】特開昭64−51025号公報
【特許文献4】特開平1−249808号公報
【特許文献5】特開平5−222107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、海水や塩化カルシウム潮解水溶液等の高濃度の含塩溶液に対しても優れた吸液性を有し、1次粒子同士の凝集がなく、体積基準のメジアン径が0.5〜50μmの範囲の粒子径に制御することができ、粒子径分布の非常に狭い吸液性樹脂微粒子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、スルホン酸基等を有するエチレン性不飽和単量体及びラジカル重合開始剤を含む水溶液を、界面活性剤を溶解した疎水性有機溶媒中に攪拌機の回転数を調整しながら分散させ、この分散液を滴下し重合させると、平均粒子径が0.5〜50μmの範囲に制御された重合性微粒子(一次粒子)を、1次粒子同士の凝集がなく得られ、しかも粒子径分布の非常に狭い吸液性樹脂を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、分散機を用いてスルホン酸基またはそのアルキル金属塩を有するエチレン性不飽和単量体及びラジカル重合開始剤を含む水溶液と界面活性剤を溶解した疎水性有機溶媒とを混合することにより前記疎水性有機溶媒に前記水溶液を分散させ、次いで得られる分散液を重合装置内に逐次供給し逆相懸濁重合させることにより吸液性樹脂を製造する方法であって、前記混合分散の条件を調整することにより吸液性樹脂の粒子径を制御することを特徴とする吸液性樹脂の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明による吸液性樹脂の製造方法によれば、重合前に予めスルホン酸基またはそのアルキル金属塩を有するエチレン性不飽和単量体及びラジカル重合開始剤を含む水溶液を、界面活性剤を溶解した疎水性有機溶媒に混合分散させる際、混合分散の条件を調整することにより吸液性樹脂の一次粒子の粒子径を小さく制御することができ、しかも粒子径分布を非常に狭くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次いで、本発明を実施するにあたり、必要な事項を具体的に述べる。
本発明において製造される吸液性樹脂は、ゴムやセメント、プラスチック等に混合し用いられる。このため平均粒子径は、体積基準のメジアン径で少なくとも50μm以下であり、10〜20μmであることが好ましい。さらに、吸液性樹脂を塗膜材料に混合して用いる場合には、10μm以下の塗膜厚で使用されるため、吸液性樹脂の平均粒子径は1μm前後であることが好ましい。
このようなことから、全てのニーズに対応するためには、本発明で得られる吸液性樹脂の平均粒子径は0.5〜50μmであることが好ましい。
本発明の製造方法によれば、吸液性樹脂をこれらの平均粒子径に制御することができる。
【0011】
本発明の吸液性樹脂の製造方法は、スルホン酸基またはそのアルキル金属塩を有するエチレン性不飽和単量体及びラジカル重合開始剤を含む水溶液を、界面活性剤を溶解した疎水性有機溶媒に分散させ、この分散液を重合装置に逐次供給し逆相懸濁重合するものであることを特徴とする。
本発明で用いる疎水性有機溶剤中の界面活性剤は、疎水性有機溶媒に可溶又は親和性を持ち、基本的に油中水滴型乳化系を作るものであれば何れのものも使用することが出来る。このような界面活性剤としては、一般的にはHLB(Hydrophile-Lipophile-Balance)が好ましくは1〜9の範囲であり、より好ましくは2〜7の範囲の非イオン系界面活性剤及び/又はアニオン系界面活性剤である。
かかる界面活性剤の具体例としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、酸化ポリエチレン、無水マレイン化ポリエチレン、無水マレイン化ポリブタジエン、無水マレイン化エチレン・プロピレン・ジエン・ターポリマー、α−オレフインと無水マレイン酸の共重合体又はその誘導体ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸等が挙げられる。これら界面活性剤は2種以上を適宜併用することも可能である。
【0012】
これら界面活性剤のうち、1次粒子の粒子径を0.5〜50μmの範囲に制御する上で、ソルビタン脂肪酸エステルまたはショ糖脂肪酸エステルを使用することが好ましい。また、ソルビタン脂肪酸エステルとショ糖脂肪酸エステルを混合使用しても良い。ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えばHLBが4〜9のソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンジオレート、ソルビタントリオレート等が挙げられる。
また、ショ糖脂肪酸エステルとしては、例えばショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ラウリル酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖ベヘニン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル等が挙げられる。一般に市販されているショ糖脂肪酸エステルはモノエステルを主成分とするジエステル、トリエステルの混合物である。この中でもモノエステルを主成分とし、ジエステル、トリエステルの組成によりHLBが1〜16あるショ糖ステアリン酸エステルが好ましい。
上記界面活性剤の使用量は、疎水性有機溶媒に対して、好ましくは0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。
疎水性有機溶媒としては、基本的に水に難溶性で、重合反応に不活性であれば、いかなるものも使用出来る。その一例を挙げれば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環状炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。この内、特に好ましい溶媒としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等を挙げることが出来る。
【0013】
本発明で用いるスルホン酸基またはそのアルキル金属塩を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば2−スルホエチル(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−スルホプロピル(メタ)アクリレート、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−スルホブチル(メタ)アクリレート等の含スルホン酸基含有化合物又はその塩を挙げることが出来る。含スルホン酸基含有化合物の塩としては、そのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩が挙げられる。アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、ルビジウム塩等が挙げられ、アルカリ土類金属塩としてはカルシウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。これらの中で最も高い吸液性が得られる点で、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、またはそのアルカリ金属塩が好ましい。
【0014】
本発明で用いられるスルホン酸基またはそのアルカリ金属塩を有するエチレン性不飽和単量体は、他の水溶性エチレン性不飽和化合物と混合して使用することが出来る。本発明で用いられるスルホン酸基またはそのアルカリ金属塩を有するエチレン性不飽和単量体の含有量は、高濃度の含塩溶液に対し高い吸液性を維持できる点で、その他の化合物との混合物中で10〜100重量%が好ましく、さらに20〜70重量%用いられるのが好ましい。
かかる水溶性エチレン性不飽和化合物としては、例えば(メタ)アクリル酸及び/又はそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有不飽和化合物やそれらの四級化物等を挙げることが出来、これらの群から選ばれる1種又は2種以上を用いることが出来る。尚、ここで「(メタ)アクリル」という用語は、「アクリル」及び「メタクリル」の何れをも意味するものとする。これらの中でスルホン酸基、またはそのアルカリ金属塩を有するエチレン性不飽和単量体との共重合性を鑑みると、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミドが好ましい。
【0015】
前記単量体が重合した重合体同士は、前記架橋剤を使用せずとも自己架橋する場合があるが、架橋剤を使用して架橋させることが、吸液性に優れた高吸液性樹脂を製造する上で好ましい。
架橋剤としては、2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体、前記単量体混合物中の単量体の有する官能基と反応する官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。
2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体としては、例えばジ(メタ)アクリル酸エステル、トリ(メタ)アクリル酸エステル、ビスアクリルアミドなどが挙げられる。
ジ(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリル酸カルバミルエステルなどが挙げられる。
トリ(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ビスアクリルアミドとしては、例えばN,N'−メチレンビスアクリルアミド、N,N'−エチレンビスアクリルアミドなどが挙げられる。
前記2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体のなかでも、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドを使用することが好ましい。
【0016】
前記単量体混合物中の単量体の有する官能基と反応する官能基を2個以上有する化合物としては、(メタ)アクリル酸の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。具体的には、例えばエポキシ基を2個以上有する化合物、イソシアネート基を2個以上有する化合物等が挙げられ、なかでもジグリシジルエーテル化合物を使用することが好ましい。
【0017】
エポキシ基を2個以上有する化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリグリセリンジグリシジルエーテル等が挙げられ、なかでもエチレングリコールジグリシジルエーテルを使用することが好ましい。
【0018】
イソシアネート基を2個以上有する化合物としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
前記2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体及び前記(メタ)アクリル酸の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物は、前記単量体混合物100重量部に対して0.01〜1重量部の範囲内で使用することが好ましい。0.01〜0.5重量部の範囲内であることが特に好ましい。0.01〜1重量部の範囲内であれば充分な架橋構造が得られ、吸液性能が低下することがない。
【0019】
本発明で使用するラジカル重合開始剤としては、例えば過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物や、2,2'−アゾビス−(2−アミノジプロパン)2塩酸塩、2,2'−アゾビス−(N,N'−ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、2,2'−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}等のアゾ化合物が挙げられ、これらを単独又は2種以上併用できる。このとき、前記過酸化物に亜硫酸塩、L−アスコルビン酸等の還元性物質やアミン塩等を併用しレドックス系の開始剤としても使用できる。ラジカル重合開始剤は、前記単量体混合物100重量部に対して0.1〜1重量部を使用することが好ましい。
【0020】
前記単量体又はそれらの混合物等は、水と混合、撹拌することにより単量体を含む水溶液を調製することができる。
本発明は、逆相懸濁重合させる前に、界面活性剤を溶解した疎水性有機溶媒に、スルホン酸基またはそのアルキル金属塩を有するエチレン性不飽和単量体及びラジカル重合開始剤を含む水溶液を、攪拌機を用いて混合分散させるものである。
【0021】
本発明において、混合分散の方法は、いずれの分散機も使用することが可能である。分散機の具体例としては、ホモミキサー、ディスパーミキサー、ウルトラミキサー、スタティックミキサー、マイクロフルイダイザーあるいはプラネタリーミキサーを挙げることができる。これらのうち、高速回転するローターと、スクリーンスリットを組み合わせたホモミキサー等の高速攪拌機、および流路内にエレメントを組み合わせたスタティックミキサーが好ましい。
本発明は、混合分散の条件を調整することにより、吸液性樹脂の平均粒径を0.5〜50μmの範囲で制御することを特徴とする。
【0022】
高速回転式のホモミキサーを用いる場合には、高速ローターの回転数をウェーバー数に基づいて調整しながら攪拌することにより、吸液性樹脂の1次粒子の体積基準のメジアン径を0.5〜50μmに制御することが可能になる。ウェーバー数(We)は気泡や液滴の境界面に働く慣性力と表面張力の比を示す無次元数であり、式(1)により表わされる。
【0023】
【化1】

式(1)中、nは高速ローターの攪拌速度(rpm)、dhは高速ローターの攪拌翼径(m)、ρは液密度(kg/m)、σは界面張力(N/m)を示すものである。
ウェーバー数(We)を調整する具体的な方法としては、ウェーバー数と高速ローター径に対する吸液性樹脂の1次粒子の平均粒子径(吸液性樹脂の1次粒子の平均粒子径/高速ローター径)の関係を利用する方法が挙げられる。図1は、吸液性樹脂の1次粒子の平均粒子径を高速ローター径で割った数値とウェーバー数との関係を示したグラフである。すなわち、ウェーバー数と高速ローター径に対する吸液性樹脂の1次粒子の平均粒子径(吸水性樹脂の1次粒子の平均粒子径/高速ローター径)の間には、式(2)で表される関係が成立する。
【0024】
【化2】

式(2)中、dhは高速ローターの攪拌翼径、Weはウェーバー数、kは、図6の直線において、Weを1としたときの[(吸液性樹脂の1次粒子の平均粒子径)/dh]の値、すなわち縦軸の切片の値、kは、図1の直線の傾きの絶対値を示すものである。ここで、吸液性樹脂の1次粒子の平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置により測定する方法で求められる値で示され、体積基準で測定されるメジアン径を表すものである。
図1のグラフを利用することにより、所望の吸液性樹脂の1次粒子の体積基準のメジアン径を得ることが可能になる。
【0025】
逆相懸濁重合法のより具体的な方法としては、次の方法が挙げられる。
スルホン酸基またはそのアルカリ金属塩を含有するエチレン性不飽和単量体を含む水溶液を調製し、この水溶液に2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体又は前記単量体を含む混合物の有する官能基と反応する官能基を2個以上有する化合物を0.01〜1重量部混合し、さらにラジカル重合開始剤を0.1〜1重量部、及び必要に応じてチオール類、チオール酸類、第2級アルコール類、アミン類、次亜りん酸塩類等の水溶性連鎖移動剤を添加し溶解し、窒素等の不活性ガスを導入して脱気を行う。上記方法により調製した単量体等を含む水溶液は、定量ポンプを用いホモミキサーを付帯した混合槽に送液する。
一方、界面活性剤を疎水性有機溶媒に入れ、必要ならば若干加温し溶解せしめ、窒素等不活性ガスを導入し、脱気を行う。このようにして調製した界面活性剤を溶解した疎水性有機溶剤の一部または全部は同じく定量ポンプを用い混合槽に一定の速度で送液される。
おのおの送液された上記単量体等を含む水溶液と上記界面活性剤を溶解した疎水性有機溶剤は、混合槽に置いて水溶液中に疎水性有機溶剤が混合分散されたものになる。この時、上述したような方法を用い高速回転式のホモミキサーの回転速度を調整することにより吸液性樹脂の平均粒径を0.5〜50μmの範囲で制御することが可能になる。
【0026】
また、スタティックミキサーを用いる場合は、単量体等を含む水溶液および界面活性剤を溶解した疎水性有機溶剤の一部または全部をおのおの定量ポンプで送液しスタティックミキサー内で混合分散することができる。得られた分散液の混合状態を顕微鏡で観察しホモミキサーでの分散状態と比較することにより同じく吸液性樹脂の平均粒径を0.5〜50μmの範囲で制御することが可能になる。
混合分散された液は、一定の速度で重合反応温度に設定された重合装置内に送り込むことにより重合することができる。重合反応温度は、好ましくは60〜100℃、より好ましくは60〜80℃の範囲である。
重合装置は攪拌装置を備えた回分式の反応装置であっても、管型やループ方式の連続式の反応装置であっても良い。攪拌装置を備えた回分式の反応装置を用いる場合は、予め上記界面活性剤を溶解した疎水性有機溶剤の一部を仕込んでおいても良いし、単に疎水性有機溶剤を仕込んでおいてもよい。
本発明の吸液性樹脂の製造方法において、熱的安定性の高い界面活性剤であるショ糖脂肪酸エステルを懸濁液に添加すると、1次粒子の凝集を抑制したり粒径を整えたりすることができるので好ましい。
【0027】
ショ糖脂肪酸エステルとしては、例えばショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ラウリル酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖ベヘニン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル等が挙げられる。一般に市販されているショ糖脂肪酸エステルはモノエステルを主成分とするジエステル、トリエステルの混合物である。この中でもモノエステルを主成分とし、ジエステル、トリエステルの組成によりHLBが1〜16あるショ糖ステアリン酸エステルが好ましい。
ショ糖ステアリン酸エステルの形態が粉体であり、重合反応温度である60〜100℃において熱的安定性が高いという物性が、1次粒子の凝集を回避できる効果に寄与しているのではないかと推定される。
ショ糖脂肪酸エステルの添加量は、重合当初に添加した界面活性剤の量の10〜50重量%であることが好ましい。
【0028】
ショ糖脂肪酸エステルの添加方法としては、粉末をそのまま添加してもよく、また疎水性有機溶媒に懸濁または溶解させたものを添加してもよい。反応釜内が微加圧状態にあり粉末をマンホール等から添加することが操作上困難な場合は疎水性有機溶媒に懸濁または溶解させて添加することが好ましい。
ショ糖脂肪酸エステルの添加時期としては、重合終了後共沸脱水を開始するまでの間に添加するほか、HLBが9以上のショ糖ステアリン酸エステルを予め単量体水溶液に溶解させておいても良い。
【0029】
本発明で得られる吸液性樹脂は、前記逆相懸濁重合法により、重合時に1次粒子の粒子径を50μm以下に制御することができる。懸濁液中にある粒子は、デカンテーション又はろ過等により疎水性有機溶媒と分離し、その後加熱により乾燥せしめることにより、粉末状の樹脂を得ることが出来る。
この場合、懸濁液をそのままデカンテーション又はろ過し乾燥した場合、1次粒子同士が凝集する確率が高い。そのため、本発明の吸液性樹脂は、逆相懸濁重合が終了した後、形成された重合体を攪拌しつつ保持した状態で、疎水性有機溶媒と水との共沸脱水操作により懸濁液から水を除去することが好ましい。
共沸脱水量は、得られる吸液性樹脂の固形分に対する水分量が8〜20重量%であり、このうち10〜15重量%に脱水することが好ましい。水分量が8〜20重量%であれば、粒子同士が凝集し吸液性樹脂を粉末状態で得ることができ、また吸液特性が低下することもない。
【0030】
疎水性有機溶媒と水溶液全体とを含む懸濁液中の水溶液の比率が大きい場合、水溶液中の固形分濃度が高い場合等においては、1次粒子径が50μm以下に制御されているにもかかわらず、共沸脱水時に1次粒子同士が凝集し、それよりも遙かに大きい2次粒子を形成する危険性がある。特に商用のスケールに反応釜をスケールアップした際にその傾向が高まる。1次粒子の凝集は、粒子が形成される逆相懸濁重合時よりも共沸脱水時に発生する確率が高い。このような場合、前記のとおり、ショ糖脂肪酸エステルを添加することにより、粒子同士の凝集を避けることができる。
【0031】
疎水性有機溶媒の使用量は、水溶液100重量部に対し40〜200重量部の範囲であり、疎水性有機溶媒が40〜100重量部と少ない場合でも、1次粒子の凝集を起こすことなく樹脂粉末を得ることができる。
本発明の製造方法により得られる吸液性樹脂は、膨潤したビーズ状の粒子からなっており、デカンテーション又はろ過等の操作により、疎水性有機溶媒と分離することが出来る。その後加熱により乾燥せしめ粉末状の樹脂を得ることが出来る。
かくして得られる吸液性材料は、通常その平均粒子径が50μm以下の真球状の1次粒子及びそれらが一部凝集した2次粒子を含む粉体である。この2次粒子も機械力によって容易に粉砕することが出来、製造面及び使用面において大きな利点がある。
本発明の製造方法で得られる吸液性樹脂は、従来から知られている吸液性材料の全ての用途に適用可能である。例えば、光ファイバーケーブル用止水材、水膨潤性ゴム、セメントに混和剤、廃泥ゲル化剤等としての土木分野、建築分野、工業分野;土壌改質剤、及び保水剤等としての農業・園芸分野;オムツや生理用品等の衛生分野など多種多様な分野に利用することが出来る。
【実施例】
【0032】
以下に、本発明を実施例と比較例により、一層、具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下において、部及び%は、特にことわりのない限り、全て重量基準であるものとする。尚、本発明の樹脂の諸特性は、以下に概略を示した評価方法にて測定した。
【0033】
[平均粒子径、粒度分布の測定方法]
吸液性樹脂の平均粒子径、および粒子径分布はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910(株式会社堀場製作所製)を用いて測定を行った。体積基準で測定されるメジアン径を平均粒子径とした。
【0034】
《実施例1》
2LのディスカップにTBAS−Q(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、MRCユニテック株式会社製)207g(32.5モル%)を加え、外部より冷却しつつヒドロキシ−テトラメチル−1−ピペリジンオキシルを0.02g含み、水酸化ナトリウム24.0gを溶解した水酸化ナトリウム水溶液410gを滴下して、TBAS−Qを60モル%中和することにより、中和されていない2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸がモル比で40%、中和されている2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸がモル比で60%含有する水溶液の調製を行った。この液にアクリルアミド142g(67.3モル%)、アクリル酸0.5g(0.2モル%)、N,N'−メチレンビスアクリルアミド0.15g、過硫酸アンモニウム0.5gを加えて溶解させた後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
続いて、3LのSUS製ジョッキにシクロヘキサン750g、レオドールSP−S10V(ソルビタンモノステアレート、HLB=5、花王株式会社製品)10.0gを秤量した後、80℃に加温した湯浴中で40℃に加温することにより、レオドールSP−S10Vを溶解させた。このようにして得られたシクロヘキサン溶液のうち半量を攪拌翼径95mmの3段ピッチドパドル翼、冷却管、温度計を備え付けた、内径130mmの2Lセパラブルフラスコの重合槽に添加し、500rpmで攪拌を開始し、攪拌しながら、系内の温度を70℃に加温した。
次に、上述のようにして得られた、重合開始剤および架橋剤を含有する単量体水溶液、およびシクロヘキサン溶液を混合し、T18ベーシック(内径12mmのローターを装着したホモミキサー、IKAジャパン製)を用い、10,000rpmの回転速度で分散を開始した。ウェーバー数は0.94であった。1分後ホモミキサーを同条件で運転させた状態でチューブポンプを用い70℃に加温した2Lセパラブルフラスコ中に、分散液の滴下を開始した。系内の温度を70℃〜75℃に制御しシクロヘキサン/水のリフラックス状態を続けながら90分かけて分散液を滴下した。
重合による発熱が収まった後、DKエステルF−90(ショ糖ステアリン酸エステル、第一工業製薬株式会社製)を3.0g添加した。その後、共沸脱水によって330gの水を抜き出した後、樹脂を取り出し、減圧下、70℃で乾燥させ、重合体粒子Aを得た。この重合体粒子Aの体積基準のメジアン径は15μmでさらさらとした流動性を有した。
【0035】
《実施例2》
ローターの回転速度を16,000rpmに設定を行った他は実施例1と同様の操作により吸液性樹脂Bを得た。ウェーバー数は2.4であった。この吸液性樹脂Bの体積基準のメジアン径は6.0μmであった。
《実施例3》
ローターの回転速度を18,000rpmに設定を行った他は実施例1と同様の操作により吸液性樹脂Cを得た。ウェーバー数は3.1であった。この吸液性樹脂Cの体積基準のメジアン径は4.0μmであった。
《実施例4》
ローターの回転速度を22,000rpmに設定を行った他は実施例1と同様の操作により吸液性樹脂Dを得た。ウェーバー数は4.6であった。この吸液性樹脂Dの体積基準のメジアン径は2.7μmであった。
《実施例5》
ローターの回転速度を6,000rpmに設定を行った他は実施例1と同様の操作により吸液性樹脂Eを得た。ウェーバー数は0.34であった。この吸液性樹脂Eの体積基準のメジアン径は24μmであった。
【0036】
《実施例6》
2Lセパラブルフラスコの重合槽に攪拌翼径120mmのアンカー翼を装着し450rpmの攪拌速度で攪拌しながら実施を行った他は実施例1と同様の操作により吸液性樹脂Fを得た。この吸液性樹脂Fの体積基準のメジアン径は13μmであった。
実施例1から6の[(吸液性樹脂の1次粒子の平均粒子径)/dh(ローター径)]とウェーバー数の関係を図2に示した。図2のグラフを利用することにより、所望の吸液性樹脂の1次粒子の体積基準のメジアン径を得ることが可能になる。
【0037】
《実施例7》
2LのディスカップにTBAS−Q(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、MRCユニテック株式会社製)207g(32.5モル%)を加え、外部より冷却しつつヒドロキシ−テトラメチル-1-ピペリジンオキシルを0.02g含み、水酸化ナトリウム24.0gを溶解した水酸化ナトリウム水溶液410gを滴下してTBAS−Qを60モル%中和することにより、中和されていない2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸がモル比で40%、中和されている2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸がモル比で60%含有する水溶液の調製をおこなった。この液にアクリルアミド142g(67.3モル%)、アクリル酸0.5g(0.2モル%)、N,N'−メチレンビスアクリルアミド0.15g、過硫酸アンモニウム0.5gを加えて溶解させた後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
続いて、3LのSUS製ジョッキにシクロヘキサン750g、レオドールSP−S10Vを10.0gを秤量した後80℃に加温した湯浴中で40℃に加温することによりSP−S10Vを溶解させた。このようにして得られたシクロヘキサン溶液のうち半量を攪拌翼径95mmの3段ピッチドパドル翼、冷却管、温度計を備え付けた、内径130mmの2Lセパラブルフラスコの重合槽に添加し500rpmで攪拌を開始し、攪拌しながら、系内の温度を70℃に加温した。
次に、上述のようにして得られた、重合開始剤および架橋剤を含有する単量体水溶液、およびシクロヘキサン溶液をそれぞれチューブポンプを用い送液し、内径3.5mm、長さ15cmのスタティックミキサー内で混合分散させ70℃に加温した2Lセパラブルフラスコ中に分散液の滴下を開始した。系内の温度を70℃〜75℃に制御しシクロヘキサン/水のリフラックス状態を続けながら90分かけて分散液を滴下した。スタティックミキサー出口の分散滴の大きさを顕微鏡で観察したところ内径12mmのローターを装着したホモミキサーの6000rpmで混合分散した状態とほぼ同じであった。
重合による発熱が収まった後、DKエステルF−90を3.0g添加した。その後、共沸脱水によって330gの水を抜き出した後、樹脂を取り出し、減圧下、70℃で乾燥させ、重合体粒子Aを得た。この重合体粒子Aの体積基準のメジアン径は20μmでさらさらとした流動性を有した。
【0038】
《比較例1》
2LのディスカップにTBAS−Q(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、MRCユニテック株式会社製)207g(32.5モル%)を加え、外部より冷却しつつヒドロキシ−テトラメチル-1-ピペリジンオキシルを0.02g含み、水酸化ナトリウム24.0gを溶解した水酸化ナトリウム水溶液410gを滴下してTBAS−Qを60モル%中和することにより、中和されていない2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸がモル比で40%、中和されている2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸がモル比で60%含有する水溶液の調製をおこなった。この液にアクリルアミド142g(67.3モル%)、アクリル酸0.5g(0.2モル%)、N,N'−メチレンビスアクリルアミド0.15g、過硫酸アンモニウム0.5gを加えて溶解させた後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
続いて、3LのSUS製ジョッキにシクロヘキサン750g、レオドールSP−S10Vを10.0gを秤量した後80℃に加温した湯浴中で40℃に加温することによりSP−S10Vを溶解させた。このようにして得られたシクロヘキサン溶液の全量を攪拌翼径95mmの3段ピッチドパドル翼、冷却管、温度計を備え付けた、内径130mmの2Lセパラブルフラスコの重合槽に添加し、500rpmで攪拌を開始し、攪拌しながら、系内の温度を70℃に加温した。
次に、上述のようにして得られた、重合開始剤および架橋剤を含有する単量体水溶液をチューブポンプを用い70℃に加温した2Lセパラブルフラスコ中に分散液の滴下を開始した。系内の温度を70℃〜75℃に制御しシクロヘキサン/水のリフラックス状態を続けながら90分かけて分散液を滴下した。
重合による発熱が収まった後、DKエステルF−90を3.0g添加した。その後、共沸脱水によって330gの水を抜き出した後、樹脂を取り出し、減圧下、70℃で乾燥させ、重合体粒子Gを得た。
【0039】
《比較例2》
2Lセパラブルフラスコの重合槽に攪拌翼径120mmのアンカー翼を装着し300rpmの攪拌速度で攪拌しながら実施を行った他は比較例1と同様の操作により吸液性樹脂Hを得た。
【0040】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】ウェーバー数と(吸液性樹脂の平均粒子径/攪拌翼径)との関係を示す直線を表したグラフである。
【図2】実施例1〜6で得られた実験結果に基づくウェーバー数と(吸液性樹脂の平均粒子径/ローター径)との関係直線を表したグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散機を用いてスルホン酸基またはそのアルキル金属塩を有するエチレン性不飽和単量体及びラジカル重合開始剤を含む水溶液と界面活性剤を溶解した疎水性有機溶媒とを混合することにより前記疎水性有機溶媒に前記水溶液を分散させ、次いで得られる分散液を重合装置内に逐次供給し逆相懸濁重合させることにより吸液性樹脂を製造する方法であって、前記混合分散の条件を調整することにより吸液性樹脂の粒子径を制御することを特徴とする吸液性樹脂の製造方法。
【請求項2】
前記吸液性樹脂の平均粒子径を、0.5〜50μmの範囲に制御する請求項1記載の吸液性樹脂の製造方法。
【請求項3】
前記分散機が、高速撹拌機である請求項1又は2記載の吸液性樹脂の製造方法。
【請求項4】
前記混合分散が、式(1)で表されるウェーバー数を制御することにより調整する請求項3記載の吸液性樹脂の製造方法。
【化1】

(式(1)において、Weはウェーバー数、nは高速撹拌機の撹拌翼の回転数を表し、dhは高速撹拌機の撹拌翼の翼径、ρは液密度、σは界面張力を表す。)
【請求項5】
前記分散機が、スタティックミキサーである請求項3又は4に記載の吸液性樹脂の製造方法。
【請求項6】
前記界面活性剤が、ソルビタン脂肪酸エステルである請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸液性樹脂の製造方法。
【請求項7】
前記スルホン酸基またはそのアルカリ金属塩を有するエチレン性不飽和単量体が、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはそのアルカリ金属塩である請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸液性樹脂の製造方法。



【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−146078(P2007−146078A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−345627(P2005−345627)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000002886)大日本インキ化学工業株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】