周波数シンセサイザ及び周波数合成方法
【課題】広い帯域幅、高い周波数分解能及び低い位相ノイズを提供する周波数シンセサイザ及び対応する周波数合成方法を提供する。
【解決手段】第1のリファレンス信号を提供するリファレンス信号源22と、合成周波数出力信号を所定の周波数で生成する周波数信号生成部24と、前記合成周波数出力信号を周波数チューニング信号とミキシングして、ミキシング信号46を出力するミキシング部26と、前記周波数チューニング信号を提供する周波数チューニング部28とを備え、前記周波数チューニング部28は、前記周波数チューニング信号を交互に提供する、第1のサブ周波数チューニング部及び第2のサブ周波数チューニング部を有し、前記ミキシング信号から所望の周波数レンジを選択して周波数シンセサイザ出力信号を出力する周波数選択部30を備えた。
【解決手段】第1のリファレンス信号を提供するリファレンス信号源22と、合成周波数出力信号を所定の周波数で生成する周波数信号生成部24と、前記合成周波数出力信号を周波数チューニング信号とミキシングして、ミキシング信号46を出力するミキシング部26と、前記周波数チューニング信号を提供する周波数チューニング部28とを備え、前記周波数チューニング部28は、前記周波数チューニング信号を交互に提供する、第1のサブ周波数チューニング部及び第2のサブ周波数チューニング部を有し、前記ミキシング信号から所望の周波数レンジを選択して周波数シンセサイザ出力信号を出力する周波数選択部30を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周波数シンセサイザ及び対応する周波数合成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周波数シンセサイザは、多くのマイクロ波システムにとって重要な構成要素である。周波数シンセサイザは、無線受信機、携帯電話、衛星受信機、GPSシステム、レーダーなどを含む現代の多くの装置において見出される。シンセサイザのアーキテクチャとして主なものが3つ存在し、具体的には、ダイレクト・アナログ、ダイレクト・デジタル、及び非ダイレクト(indirect)(Phase Locked Loop:位相同期回路)シンセサイザである。マイクロ波システムの要件は厳しくなってきており、既知のシンセサイザは、位相ノイズ、スイッチング速度、高分解能、及び周波数スイープなどの要件を充足できなくなっている。近日、ダイレクト・デジタル・シンセサイザ(DDS)とPLL(Phase Locked Loop)とを組合せた、新たなハイブリッド型のアーキテクチャが開発された。しかしながら、そのアーキテクチャもまた、これら全ての要件を充足することはできない。
【0003】
高い周波数分解能と低い位相ノイズとを伴う超広帯域(ultra-broadband)信号を生成可能であり且つ線形的にスイープ可能なミリ波/サブTHz周波数シンセサイザは、当分野において、利用可能でなく、知られていない。シンセサイザのアーキテクチャとして知られているのは、限定された帯域幅(例えば、下記非特許文献1において説明されているアーキテクチャ)、(例えばPLLを用いた)粗い周波数分解能、高い位相ノイズ(高い増倍率)、又はこれら特徴の組合せ、のいずれかを有する(但しこれら特徴の全ては有しない)ものである。
【0004】
下記非特許文献1は、イメージングTHzレーダーシステムについて説明しており、当該システムによれば、アップコンバータを使用して、あるシンセサイザからの第1の固定の(高)周波数信号が、チューニング可能な信号源(chirper)からの第2のチューニング可能な(低)周波数信号とミキシングされる。当該ミキサの出力信号の所望の帯域は、フィルタの使用により選択される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Dengler, R.J., Cooper, K.B., Llombart, N., Chattopadhyay, G., Bryllert, T., Mehdi, I., Siegel, P.H.,“Toward real-time penetrating imaging radar at 670 GHz”(Microwave Symposium Digest, 2009 MTT '09, IEEE MTT-S International, pp. 941-944, 7-12 June 2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上述した特徴のうちの可能な限り多くを提供する、即ち、広い帯域幅、高い周波数分解能及び低い位相ノイズを提供する、周波数シンセサイザ及び対応する周波数合成方法を提供することである。さらに、(例えば、レーダーアプリケーションのために要求される)連続的な、好適には線形的な周波数スイープを実行する能力が、好適には提供されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの観点によれば、周波数シンセサイザであって、
第1のリファレンス信号を提供するリファレンス信号源と、
合成周波数出力信号を所定の周波数で生成する周波数信号生成部と、
前記合成周波数出力信号を周波数チューニング信号とミキシングして、ミキシング信号を出力するミキシング部と、
前記周波数チューニング信号を提供する周波数チューニング部と、
を備え、
前記周波数チューニング部は、前記周波数チューニング信号を交互に提供する、第1のサブ周波数チューニング部及び第2のサブ周波数チューニング部を有し、
前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部の一方が前記周波数チューニング信号を提供している間、前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部の他方は、前記周波数チューニング信号を提供するための準備を行い、
前記周波数シンセサイザは、前記ミキシング信号から所望の周波数レンジを選択して、周波数シンセサイザ出力信号を出力する周波数選択部、を備える、
周波数シンセサイザが提供される。
【0008】
本発明の別の観点によれば、対応する周波数合成方法であって、
合成周波数出力信号を所定の周波数で生成するステップと、
前記合成周波数出力信号をフィードバック信号にダウンコンバートするステップと、
前記合成周波数出力信号を周波数チューニング信号とミキシングして、ミキシング信号を出力するステップと、
第1のサブ周波数チューニング部及び第2のサブ周波数チューニング部により、前記周波数チューニング信号を交互に提供するステップと、
を含み、
前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部の一方が前記周波数チューニング信号を提供している間、前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部の他方は、前記周波数チューニング信号を提供するための準備を行い、
前記周波数合成方法は、前記ミキシング信号から所望の周波数レンジを選択して、周波数シンセサイザ出力信号を出力するステップ、を含む、
周波数合成方法が提供される。
【0009】
本発明の好適な実施形態は、従属項において定義される。特許請求の範囲に記載された周波数合成方法が、特許請求の範囲に記載された周波数シンセサイザ及びその従属項において定義されているものと同等の及び/又は同一の好適な実施形態を有する点は、理解されるべきである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、位相ノイズの良好な発振器(例えば、当該発振器の共振タンクにおいてより高いQ係数(quality factor)を有する発振器)により基本信号(即ち、周波数信号生成部からの合成周波数出力信号)が生成されるというアイディアに基づいている。この種の発振器は、非常に狭い帯域幅を有する。但し、固定的な周波数は、周波数信号生成部から要求される。その後、この周波数(即ち、合成周波数出力信号)を周波数チューニング部からの周波数チューニング信号とミキシングし、ミキシング信号の所望の帯域を選択することにより、例えばミリ波の周波数帯で、(有利な点として既知の周波数シンセサイザにより取得することのできる信号よりも広い帯域幅を有する)位相ノイズの非常に低い信号(周波数シンセサイザ出力信号)を生成することができる。
【0011】
よって、本発明に係る周波数シンセサイザ及び周波数合成方法によって、(例えば、追加的な周波数の増倍(multiplication)の適用により達成される、本発明の好適な実施形態によれば480〜960GHzの周波数レンジの)超広帯域信号を、高い周波数分解能、高い線形性、高いチャープ率及び良好な位相ノイズと共に生成することができる。
【0012】
さらに、本発明の好適な実施形態において提案されるように、異なる周波数帯(例えばミキシング信号の上側の側波帯及び下側の側波帯など)をそれらの間のスムーズな遷移で連続的に使用することができ、周波数スイープの間の高い線形性も同時に達成され得る。
【0013】
一般に、前記周波数信号生成部は、所定の周波数で(2つ以上の発振器の場合には異なる周波数で)合成周波数出力信号を生成するための、1つ(又はそれ以上)の発振器、例えば誘電共振発振器(dielectric resonator oscillator)を有する。しかしながら、好適な実施形態において、前記周波数信号生成部は、少なくとも1つの(好適には2つ以上の)周波数信号生成ループ回路を有し、当該周波数信号生成ループ回路は、フィードバックループから受け付けるフィードバック信号の周波数及び/又は位相を前記第1のリファレンス信号の位相と比較して、制御信号を取得する位相検出器と、前記制御信号に基づいて、合成周波数出力信号を生成する発振器と、前記合成周波数出力信号を前記フィードバック信号にダウンコンバートする周波数ダウンコンバート部を含むフィードバックループと、を含む。こうした実施形態の利点の1つは、位相ノイズの観点での顕著に良好な性能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明のこれら及び他の側面は、以下に記述する実施形態を参照することにより、明らかとなり、より詳細に説明されるであろう。
【0015】
【図1】既知の周波数シンセサイザの一実施形態のブロック図を示している。
【図2】既知の周波数シンセサイザでの周波数スイープを例示する図を示している。
【図3】本発明に係る周波数シンセサイザの第1の実施形態のブロック図を示している。
【図4】本発明に係る周波数信号生成部の第1の実施形態のブロック図を示している。
【図5】本発明に係る周波数信号生成部の第2の実施形態のブロック図を示している。
【図6】本発明に係る周波数チューニング部の第1の実施形態のブロック図を示している。
【図7】本発明に係る周波数チューニング部の第2の実施形態のブロック図を示している。
【図8】本発明に係る周波数選択部の第1の実施形態のブロック図を示している。
【図9】本発明に係る周波数選択部の第2の実施形態のブロック図を示している。
【図10】本発明に係る周波数選択部の第3の実施形態のブロック図を示している。
【図11】本発明に係る周波数シンセサイザでの連続的で線形的な周波数スイープを例示する図を示している。
【図12】本発明に係る周波数信号生成部の第3の実施形態のブロック図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、既知の周波数シンセサイザ10の簡易な実施形態のブロック図を示している。周波数シンセサイザ10は、例えば誘電共振発振器(DRO)などの、固定的な(安定的な)周波数を有する第1のローカル発振器信号LO1を提供する第1の発振器12を備える。さらに、周波数シンセサイザ10は、例えばチューニング可能な電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)などの、チューニング可能な周波数を有する第2のローカル発振器信号LO2を提供するチューニング可能な第2の発振器14を備える。第1のローカル発振器信号LO1及び第2のローカル発振器信号LO2は、ミキサ16によりミキシングされ、その結果ミキシング信号Mが生じ、ミキシング信号Mは(好適には切替え可能な)フィルタ18によりフィルタリングされて所望の周波数帯が選択され、シンセサイザ出力信号Sが生成される。こうした周波数シンセサイザは、例えば、上記非特許文献1から一般的に知られている。
【0017】
図2は、図1に示したような既知の周波数シンセサイザでの周波数スイープ(frequency sweeping)を例示する図を示している。第1のローカル発振器信号LO1はミキシングされてミキシング信号Mとなり、ミキシング信号Mはフィルタ曲線Fを有するフィルタによりフィルタリングされて所望の周波数帯Bが選択される。そして、シンセサイザ出力信号Sの出力周波数のスイープは、第2のローカル発振器信号LO2の周波数を変化させることにより達成される。
【0018】
図3は、本発明に係る周波数シンセサイザ20の第1の実施形態のブロック図を示している。周波数シンセサイザ20は、好適にはミリ波/サブTHz周波数シンセサイザであって、第1のリファレンス信号40を提供するリファレンス信号源22を備える。周波数信号生成部24は、上記第1のリファレンス信号40を用いて、所定の周波数で合成周波数出力信号42を生成する。上記合成周波数出力信号42は、ミキシング部26により周波数チューニング信号44とミキシングされ、ミキシング信号46が出力される。上記周波数チューニング信号44は、周波数チューニング部28により提供される。周波数選択部30は、上記ミキシング信号46から所望の周波数レンジを選択し、周波数を増倍し、周波数シンセサイザ出力信号48を出力する。
【0019】
いくつかの実施形態では、必要であれば、また周波数信号生成部24及び/又は周波数チューニング部28の特有の実装に依存して、リファレンス信号源22により別のリファレンス信号が提供されてもよい。そうした別の(位相ノイズの低い)リファレンス信号は、位相検出器のための(位相ノイズの低い)リファレンス信号50、及び/又は、周波数信号生成部24の特有の実装において提供されるミキサのために必要な位相ノイズの低いLO(ローカル発振器)信号、及び/又は、周波数チューニング部28の特有の実装において提供されるダイレクト・デジタル・シンセサイザ(DDS)のための位相ノイズの低いリファレンス信号(クロック)52、を含み得る。
【0020】
加えて、周波数シンセサイザ20の構成要素を制御するために、制御部(図示せず)が提供されてもよい。
【0021】
周波数信号生成部24は、周波数差fDを有するある固定的な複数の周波数を提供する。周波数チューニング部28は、帯域幅Bでの線形的で連続的なスイープを提供する。周波数選択部30は、好適には増倍部をも含み、ミキシング信号46から所望の周波数帯を選択し、例えば一実施形態においてそれは低域側の側波帯又は高域側の側波帯のいずれかである。そして、選択された周波数帯からの信号が、好適にはフィルタリングされ、増幅され(amplified)及び増倍される(multiplied)。よって、例えばミリ波/THz周波数レンジでの、所望の周波数レンジにおける連続的で線形的な超広帯域の周波数スイープを実現することができる。
【0022】
図4及び図5において、周波数信号生成部24a及び24bの好適な実施形態が示されている。概して言うと、周波数信号生成部24は、少なくとも1つの周波数信号生成ループ回路を有し、その周波数信号生成ループ回路の数はいくつであってもよい。図4及び図5に示した例示的な実施形態では、周波数信号生成部24a及び24bは、それぞれ3つの周波数信号生成ループ回路60、62、64を有する。一般化すると、周波数信号生成ループ回路の数に上限は無く、現実的な数としては2〜6、より具体的には2〜4であってよい。
【0023】
周波数信号生成ループ回路60を一例に挙げながら、周波数信号生成ループ回路60、62、64の好適な実施形態について説明する。
【0024】
位相検出器70(位相周波数検出器PFDともいう)は、フィードバックループから受け付けるフィードバック信号80の周波数及び/又は位相を、上記第1のリファレンス信号40の周波数及び/又は位相と比較し(具体的には、周波数及び/又は位相の差異を検出し)、制御信号82を取得する。ループフィルタ71は、位相検出器70の出力に接続され、位相検出器70から出力される制御信号82をフィルタリングする。制御発振器72は、例えば電圧制御発振器(VCO)などであってよく、ループフィルタ71の出力に接続され、上記制御信号82に基づいて、合成周波数出力信号84を生成する。上記合成周波数出力信号84は、例えばスプリッタなどであってよい出力部73により出力される。出力部73は、合成周波数出力信号84をフィードバックループにも提供する。フィードバックループは、合成周波数出力信号84を上記フィードバック信号80にダウンコンバートする周波数ダウンコンバート部74を含む。
【0025】
周波数ダウンコンバート部74は、好適には、周波数分割器(divider)75及びミキサ76を含み、ミキサ76は上記リファレンス信号源22により提供される第2のリファレンス信号0aで周波数分割器75の出力信号をダウンミキシングして上記フィードバック信号80を取得する。さらに、いくつかの実施形態において、当該フィードバックループ内で、ミキサ76の前段及び/又は後段に、追加的なフィルタ77、78(具体的には、バンドパスフィルタ)が設けられてもよい。
【0026】
VCO72は、好適には、非常に良好な位相ノイズ特性を有する、狭帯域の(Qの高い)発振器である。各周波数信号生成ループ回路60、62、64内のミキサ76は、合成周波数出力信号84を位相検出器の周波数にダウンコンバートする。より広いスペクトルレンジをカバーするために、即ちより広い帯域幅にわたる周波数スイープを可能とするために、様々な周波数信号生成ループ回路60、62、64のミキサ76には、様々な第2のリファレンス信号50a、50b、50cが提供され、制御発振器72は、それによって異なる周波数で動作する。これら発振器の周波数は、上側及び下側の側波帯(図2参照)の“チェーン”が好適には(但し必須ではない)連続的となるように選択され得る。これが連続的でない場合には、個々の周波数帯が生成され得る。必要であれば、最も低い分割比を有する周波数分割器75が使用されてもよい。最良の位相ノイズを達成するために、固定的に近い周波数を有するVCO72がフィードバックループ内で使用されてよく、その場合には周波数分割器75は使用されなくてもよい。
【0027】
図4に示した周波数信号生成部24aの実施形態は、ミキシング部26(図3参照)が両側波帯(DSB:Double Side Band)ミキサを有する場合に特に用いられる。ミキシング部26(図3参照)が単側波帯(SSB:Single Side Band)ミキサを有する場合、図5に示した周波数信号生成部24bが特に用いられる。位相検出器の周波数について、良好な位相ノイズの性能を維持するために、可能な限り高い周波数が選択される。周波数信号生成部24a内のスイッチ90は、ループ回路60、62、64の1つにおいて生成される1つの固定的な周波数を選択し、それをDSBミキサへ出力する。周波数信号生成部24bにおいては、90度ハイブリッドカプラ92(又は90度位相シフタ)が用いられる。元の合成周波数出力信号84a及び90度位相シフトされた合成周波数出力信号84bの双方は、出力部93を介して、2つのスイッチ94a、94bに提供される。これら2つのスイッチ94a、94bの出力は、SSBミキサ26の2つの異なるIF入力に接続される。これら2つのスイッチ94a、94bを用いて、アップコンバート後の所望の側波帯を選択することができる。
【0028】
図6において、周波数チューニング部28aの第1の実施形態が示されている。概して言うと、周波数チューニング部は、(例えばスイッチ104によりスイッチングされて)周波数チューニング信号44を交互に提供する、第1のサブ周波数チューニング部100及び第2のサブ周波数チューニング部102を有する。よって、第1及び第2のサブ周波数チューニング部100、102の一方が周波数チューニング信号44を提供している間、第1及び第2のサブ周波数チューニング部の他方は、周波数チューニング信号44を提供するための準備を行い、即ち、例えば連続的で線形的な周波数スイープを提供するために、当該他方のサブ周波数チューニング部により供給されることになる所望の周波数に前もってチューニングを行うことができる。
【0029】
図6に示したような簡易な実施形態において、第1及び第2のサブ周波数チューニング部100、102は、例えばチューニング可能なVCOなどの、チューニング可能な発振器として実装される。第1及び第2のサブ周波数チューニング部100、102の各々は、例えばリファレンス信号源22からの個々の(第3の)リファレンス信号52a、52b、具体的には制御電圧、を受け付けることで制御される。
【0030】
一例として図7に示したように、周波数チューニング部28の他の実施形態もまた利用可能である。図7には、周波数チューニング部28bのより詳細な実施形態が描かれている。この実施形態において、各サブ周波数チューニング部100、102は、例えば“Fast 77 GHz chirps with direct digital synthesis and phase locked loop”(Stelzer, A.; Kolmhofer, E.; Scheiblhofer, S., Microwave Conference Proceedings, 2005, APMC 2005, Asia-Pacific Conference Proceedings, vol. 3, 4-7 Dec. 2005)において説明されているような、ハイブリッドDSS/PLLループとして実装される。サブ周波数チューニング部100を例にとると、サブ周波数チューニング部100は、固定的な周波数の第3のリファレンス信号52aからDDS信号120を生成するダイレクト・デジタル・シンセサイザ110と、チューニングフィードバックループから受け付けるチューニング周波数分割器出力信号122の位相をDDS信号120の位相と比較して、チューニング制御信号124を取得するチューニング位相検出器111と、上記チューニング制御信号124をフィルタリングするループフィルタ112と、(フィルタリングされた)チューニング制御信号に基づいて、サブ周波数チューニング部100のチューニング周波数出力信号44aを生成するチューニング発振器(例えばVCO)113と、チューニング周波数出力信号44aを周波数分割して、チューニング周波数分割器出力信号122を取得するフィードバックループ内のチューニング周波数分割器114と、を含む。チューニング周波数出力信号44aは、例えばスプリッタであってよい出力部115により出力される。出力部115は、チューニング周波数出力信号44aを、フィードバックループ内の周波数分割器114にも提供する。
【0031】
こうしたハイブリッド構造は、非常に線形的で高分解能の周波数スイープを提供する。周波数シンセサイザの出力において連続的なスイープを有するために、2つのハイブリッドDDS/PLLループ回路、即ち、サブ周波数チューニング部100、102が、本実施形態において実装される。1つのループ回路がミキシング部26のLO入力を提供している間、他のループ回路は、次のスイープのために準備を整える。スイッチ104を用いて、必要なループ回路が選択される。ミキシング部26のFW出力の上側の周波数帯又は下側の周波数帯についてのその選択に応じて、ハイブリッドDDS/PLLループ回路のスイープ方向が決定される。
【0032】
図8〜図10には、周波数選択部30の様々な実施形態が示されている。図4に示した実施形態に係る周波数信号生成部24aに好適には接続されるDSBミキサをミキシング部26が含む場合には、図8及び図9に示したような周波数選択部30a、30bの実施形態が好適である。一方、図5に示した実施形態に係る周波数信号生成部24bに好適には接続されるSSBミキサをミキシング部26が含む場合には、図10に示したような周波数選択部30cの実施形態が好適である。
【0033】
図8に示した実施形態に係る周波数選択部30aは、ローパスフィルタ130及びハイパスフィルタ132を有する。ローパスフィルタ130及びハイパスフィルタ132は、スイッチ134、136の間に並列に接続され、1つの実施形態においてミキシング部26に含まれるDSBミキサにより提供されるミキシング信号46から上側の又は下側の側波帯を選択する。好適には、第2のスイッチ136の出力にバンドパスフィルタ138が接続され、当該バンドパスフィルタ138は、(所望の)帯域全体をカバーし、不要なスプリアス信号を抑圧するために使用される。そして、バンドパスフィルタ138の出力信号は、例えば増倍器、増幅器及びフィルタを含む後処理部140において、好適には増倍され、増幅され及びフィルタリングされる。
【0034】
図9に示した実施形態に係る周波数選択部30bは、スイッチ134、136の間に並列に接続される、3つ以上のフィルタのフィルタバンク142を有する。フィルタバンク142は、ミキシング信号46から所望の周波数帯を選択し、具体的には、1つの実施形態においてミキシング部26に含まれるDSBミキサにより提供されるミキシング信号46から上側の又は下側の側波帯のいずれかを選択するためのものである。
【0035】
図10に示した実施形態に係る周波数選択部30cは、1つの実施形態においてミキシング部26に含まれるSSBミキサにより提供されるミキシング信号46から所望の周波数帯を選択するためのバンドパスフィルタ144を有する。好適には、当該バンドパスフィルタは、(所望の)周波数帯域全体をカバーする。イメージの抑圧(即ち、不要な周波数帯の抑圧)は、既にSSBミキサにおいて(ある程度まで)行われている。さらなる抑圧が必要であれば、追加的なフィルタが付加されてもよい。
【0036】
図11は、本発明に係る周波数シンセサイザでの連続的で線形的な周波数スイープを例示する図を示しており、具体的には、3つの周波数信号生成ループ回路60、62、64を有する図4又は図5に示した実施形態に係る周波数信号生成部24a又は24bが用いられる。周波数チューニング信号44の適切な制御、より具体的には当該周波数チューニング信号44の周波数のチューニングによって、周波数チューニング部28により、矢印150で示されたような非常に広帯域で連続的なスイープを実現することができる。
【0037】
具体的には、図11に示されているように、連続的なスイープ150によりカバーされ得る全帯域幅ftotは、6つの周波数帯の各々の帯域幅を表す周波数差fDの6倍に相当する(この位相ノイズの低いミキシング信号46の増倍後には、帯域幅は一層広くなり得る)。これら周波数帯は、次のように生成される(周波数信号生成部24aの実施形態の使用とミキシング部26におけるDSBミキサの使用とを前提とする)。
【0038】
第1の周波数帯151は、第1の周波数信号生成ループ回路60によるアップコンバート後の下側の側波帯である。第2の周波数帯152は、第2の周波数信号生成ループ回路62によるアップコンバート後の下側の側波帯である。第3の周波数帯153は、第3の周波数信号生成ループ回路64によるアップコンバート後の下側の側波帯である。第4の周波数帯154は、第1の周波数信号生成ループ回路60によるアップコンバート後の上側の側波帯である。第5の周波数帯155は、第2の周波数信号生成ループ回路62によるアップコンバート後の上側の側波帯である。第6の周波数帯156は、第3の周波数信号生成ループ回路64によるアップコンバート後の上側の側波帯である。
【0039】
よって、例えば、第1の周波数信号生成ループ回路60からの合成周波数出力信号42がミキシング回路26に向けてスイッチングされる場合には、ミキシング信号46は、互いの間に少なくない(周波数方向の)ギャップを有する第1及び第4の周波数帯151、154をカバーする。その結果、所望の周波数帯をフィルタ出力するための周波数選択部30における後続のフィルタについての要件は、緩和される。即ち、フィルタ曲線は、例えば図2に示したような隣接する周波数帯の間にギャップがない(又は小さいギャップしかない)既知の周波数シンセサイザにおけるものと比較して、それほど急勾配でなくてよい。
【0040】
実践的な実装における周波数割当ての一例は、次の通りであってよい(図11を参照しながら説明した例にあらためて言及する)。まず、3つの周波数信号生成ループ回路60、62、64がそれぞれ固定的な発振器周波数40、45及び50GHzを有しているものとする。周波数チューニング信号44は、5〜10GHzである。これは、第1の周波数信号生成ループ回路60については30〜35GHz及び45−50GHzの周波数帯151、154、第2の周波数信号生成ループ回路62については35〜40GHz及び50−55GHzの周波数帯152、155、第3の周波数信号生成ループ回路64については40〜45GHz及び55−60GHzの周波数帯153、156が生成されることを意味する。従って、30GHzから60GHzまでの周波数スイープを実行することが可能である。
【0041】
好適には、周波数チューニング部28のスイープは、下側の側波帯(即ち、周波数帯151、152、153)と上側の側波帯(即ち、周波数帯154、155、156)とでその方向が異なってよい。増倍率(multiplication factor)が16であれば、周波数シンセサイザの出力周波数は、480〜960GHzとなる。周波数チューニング部28において使用されるDDSが32ビットで動作する場合には、DDSのリファレンスクロックは1GHz、DDSの出力は100MGzであり、DDSの出力における信号は0.23Hzの分解能を有し、周波数シンセサイザの出力48では(480〜960GHz帯において)368Hzの高い分解能を有するであろう。
【0042】
図12において、周波数信号生成部24cの簡易な実施形態が示されている。この実施形態において、周波数信号生成部24cは、十分に低い位相ノイズを伴って異なる所定の周波数で合成周波数出力信号を生成する、3つの発振器72a、具体的には誘電共振発振器を有する。よって、これら発振器は、上で説明した実施形態において提供されるループ回路60、62、64と置き換えられる。
【0043】
なお、本発明の装置及び方法において使用される個々の構成要素は、一般的に知られている。これは、特にループフィルタ、ローカル発振器、位相検出器、ミキサ及び周波数分割器などの構成要素について言えることである。よって、提案した周波数シンセサイザの様々な実施形態において、所望の効果を達成するために、要求される設定及び/又は規模に合わせて標準的な構成要素を使用することができる。
【0044】
提案した周波数シンセサイザは、マイクロ波及びミリ波の周波数において、線形的かつ連続的な周波数スイープを合成することができる。特にDDSにおけるデジタル信号の生成を使用する好適な実施形態において、いかなる確定的な超広帯域周波数の波形をも生成することができる。合成される周波数は、より低い及びより高い帯域内のオフセット周波数において、低い位相ノイズを有する。当該周波数シンセサイザは、非常に高い分解能(Hz)を有し、それは主にDDSの性能に依存する。また、非常に線形的な(linear)、二次の(quadratic)若しくは三次の(cubic)周波数チャープなどの数多くの波形を合成し、又は線形的な周波数ランプからの確定的な偏差(deterministic deviations)を合成することも可能である。
【0045】
図面及びこれまでの説明において、本発明を詳細に例示し説明してきたが、これら例示及び説明は、限定的なものであると見なされるべきではない。本発明は、開示された実施形態には限定されない。特許請求の範囲に記載された発明を実践する当該技術分野の当業者によって、開示された実施形態の他の変形例もまた、図面、明細書及び特許請求の範囲の記載から想起され得るであろう。
【0046】
特許請求の範囲において、“comprising(備える、有する、含む)”との語は他の構成要素又はステップを排除せず、不定冠詞“a”又は“an”は複数を排除しない。単一の構成要素又はその他のユニット(部)が特許請求の範囲に記載された複数の事項を充足してもよい。ある手段が互いに異なる従属項に記載されているという単なる事実は、それら手段の組合せが利点をもたらすものとして使用され得ないことを意味しない。
【0047】
特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、技術的範囲を限定するものと理解されるべきでない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、周波数シンセサイザ及び対応する周波数合成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周波数シンセサイザは、多くのマイクロ波システムにとって重要な構成要素である。周波数シンセサイザは、無線受信機、携帯電話、衛星受信機、GPSシステム、レーダーなどを含む現代の多くの装置において見出される。シンセサイザのアーキテクチャとして主なものが3つ存在し、具体的には、ダイレクト・アナログ、ダイレクト・デジタル、及び非ダイレクト(indirect)(Phase Locked Loop:位相同期回路)シンセサイザである。マイクロ波システムの要件は厳しくなってきており、既知のシンセサイザは、位相ノイズ、スイッチング速度、高分解能、及び周波数スイープなどの要件を充足できなくなっている。近日、ダイレクト・デジタル・シンセサイザ(DDS)とPLL(Phase Locked Loop)とを組合せた、新たなハイブリッド型のアーキテクチャが開発された。しかしながら、そのアーキテクチャもまた、これら全ての要件を充足することはできない。
【0003】
高い周波数分解能と低い位相ノイズとを伴う超広帯域(ultra-broadband)信号を生成可能であり且つ線形的にスイープ可能なミリ波/サブTHz周波数シンセサイザは、当分野において、利用可能でなく、知られていない。シンセサイザのアーキテクチャとして知られているのは、限定された帯域幅(例えば、下記非特許文献1において説明されているアーキテクチャ)、(例えばPLLを用いた)粗い周波数分解能、高い位相ノイズ(高い増倍率)、又はこれら特徴の組合せ、のいずれかを有する(但しこれら特徴の全ては有しない)ものである。
【0004】
下記非特許文献1は、イメージングTHzレーダーシステムについて説明しており、当該システムによれば、アップコンバータを使用して、あるシンセサイザからの第1の固定の(高)周波数信号が、チューニング可能な信号源(chirper)からの第2のチューニング可能な(低)周波数信号とミキシングされる。当該ミキサの出力信号の所望の帯域は、フィルタの使用により選択される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Dengler, R.J., Cooper, K.B., Llombart, N., Chattopadhyay, G., Bryllert, T., Mehdi, I., Siegel, P.H.,“Toward real-time penetrating imaging radar at 670 GHz”(Microwave Symposium Digest, 2009 MTT '09, IEEE MTT-S International, pp. 941-944, 7-12 June 2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上述した特徴のうちの可能な限り多くを提供する、即ち、広い帯域幅、高い周波数分解能及び低い位相ノイズを提供する、周波数シンセサイザ及び対応する周波数合成方法を提供することである。さらに、(例えば、レーダーアプリケーションのために要求される)連続的な、好適には線形的な周波数スイープを実行する能力が、好適には提供されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの観点によれば、周波数シンセサイザであって、
第1のリファレンス信号を提供するリファレンス信号源と、
合成周波数出力信号を所定の周波数で生成する周波数信号生成部と、
前記合成周波数出力信号を周波数チューニング信号とミキシングして、ミキシング信号を出力するミキシング部と、
前記周波数チューニング信号を提供する周波数チューニング部と、
を備え、
前記周波数チューニング部は、前記周波数チューニング信号を交互に提供する、第1のサブ周波数チューニング部及び第2のサブ周波数チューニング部を有し、
前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部の一方が前記周波数チューニング信号を提供している間、前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部の他方は、前記周波数チューニング信号を提供するための準備を行い、
前記周波数シンセサイザは、前記ミキシング信号から所望の周波数レンジを選択して、周波数シンセサイザ出力信号を出力する周波数選択部、を備える、
周波数シンセサイザが提供される。
【0008】
本発明の別の観点によれば、対応する周波数合成方法であって、
合成周波数出力信号を所定の周波数で生成するステップと、
前記合成周波数出力信号をフィードバック信号にダウンコンバートするステップと、
前記合成周波数出力信号を周波数チューニング信号とミキシングして、ミキシング信号を出力するステップと、
第1のサブ周波数チューニング部及び第2のサブ周波数チューニング部により、前記周波数チューニング信号を交互に提供するステップと、
を含み、
前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部の一方が前記周波数チューニング信号を提供している間、前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部の他方は、前記周波数チューニング信号を提供するための準備を行い、
前記周波数合成方法は、前記ミキシング信号から所望の周波数レンジを選択して、周波数シンセサイザ出力信号を出力するステップ、を含む、
周波数合成方法が提供される。
【0009】
本発明の好適な実施形態は、従属項において定義される。特許請求の範囲に記載された周波数合成方法が、特許請求の範囲に記載された周波数シンセサイザ及びその従属項において定義されているものと同等の及び/又は同一の好適な実施形態を有する点は、理解されるべきである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、位相ノイズの良好な発振器(例えば、当該発振器の共振タンクにおいてより高いQ係数(quality factor)を有する発振器)により基本信号(即ち、周波数信号生成部からの合成周波数出力信号)が生成されるというアイディアに基づいている。この種の発振器は、非常に狭い帯域幅を有する。但し、固定的な周波数は、周波数信号生成部から要求される。その後、この周波数(即ち、合成周波数出力信号)を周波数チューニング部からの周波数チューニング信号とミキシングし、ミキシング信号の所望の帯域を選択することにより、例えばミリ波の周波数帯で、(有利な点として既知の周波数シンセサイザにより取得することのできる信号よりも広い帯域幅を有する)位相ノイズの非常に低い信号(周波数シンセサイザ出力信号)を生成することができる。
【0011】
よって、本発明に係る周波数シンセサイザ及び周波数合成方法によって、(例えば、追加的な周波数の増倍(multiplication)の適用により達成される、本発明の好適な実施形態によれば480〜960GHzの周波数レンジの)超広帯域信号を、高い周波数分解能、高い線形性、高いチャープ率及び良好な位相ノイズと共に生成することができる。
【0012】
さらに、本発明の好適な実施形態において提案されるように、異なる周波数帯(例えばミキシング信号の上側の側波帯及び下側の側波帯など)をそれらの間のスムーズな遷移で連続的に使用することができ、周波数スイープの間の高い線形性も同時に達成され得る。
【0013】
一般に、前記周波数信号生成部は、所定の周波数で(2つ以上の発振器の場合には異なる周波数で)合成周波数出力信号を生成するための、1つ(又はそれ以上)の発振器、例えば誘電共振発振器(dielectric resonator oscillator)を有する。しかしながら、好適な実施形態において、前記周波数信号生成部は、少なくとも1つの(好適には2つ以上の)周波数信号生成ループ回路を有し、当該周波数信号生成ループ回路は、フィードバックループから受け付けるフィードバック信号の周波数及び/又は位相を前記第1のリファレンス信号の位相と比較して、制御信号を取得する位相検出器と、前記制御信号に基づいて、合成周波数出力信号を生成する発振器と、前記合成周波数出力信号を前記フィードバック信号にダウンコンバートする周波数ダウンコンバート部を含むフィードバックループと、を含む。こうした実施形態の利点の1つは、位相ノイズの観点での顕著に良好な性能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明のこれら及び他の側面は、以下に記述する実施形態を参照することにより、明らかとなり、より詳細に説明されるであろう。
【0015】
【図1】既知の周波数シンセサイザの一実施形態のブロック図を示している。
【図2】既知の周波数シンセサイザでの周波数スイープを例示する図を示している。
【図3】本発明に係る周波数シンセサイザの第1の実施形態のブロック図を示している。
【図4】本発明に係る周波数信号生成部の第1の実施形態のブロック図を示している。
【図5】本発明に係る周波数信号生成部の第2の実施形態のブロック図を示している。
【図6】本発明に係る周波数チューニング部の第1の実施形態のブロック図を示している。
【図7】本発明に係る周波数チューニング部の第2の実施形態のブロック図を示している。
【図8】本発明に係る周波数選択部の第1の実施形態のブロック図を示している。
【図9】本発明に係る周波数選択部の第2の実施形態のブロック図を示している。
【図10】本発明に係る周波数選択部の第3の実施形態のブロック図を示している。
【図11】本発明に係る周波数シンセサイザでの連続的で線形的な周波数スイープを例示する図を示している。
【図12】本発明に係る周波数信号生成部の第3の実施形態のブロック図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、既知の周波数シンセサイザ10の簡易な実施形態のブロック図を示している。周波数シンセサイザ10は、例えば誘電共振発振器(DRO)などの、固定的な(安定的な)周波数を有する第1のローカル発振器信号LO1を提供する第1の発振器12を備える。さらに、周波数シンセサイザ10は、例えばチューニング可能な電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)などの、チューニング可能な周波数を有する第2のローカル発振器信号LO2を提供するチューニング可能な第2の発振器14を備える。第1のローカル発振器信号LO1及び第2のローカル発振器信号LO2は、ミキサ16によりミキシングされ、その結果ミキシング信号Mが生じ、ミキシング信号Mは(好適には切替え可能な)フィルタ18によりフィルタリングされて所望の周波数帯が選択され、シンセサイザ出力信号Sが生成される。こうした周波数シンセサイザは、例えば、上記非特許文献1から一般的に知られている。
【0017】
図2は、図1に示したような既知の周波数シンセサイザでの周波数スイープ(frequency sweeping)を例示する図を示している。第1のローカル発振器信号LO1はミキシングされてミキシング信号Mとなり、ミキシング信号Mはフィルタ曲線Fを有するフィルタによりフィルタリングされて所望の周波数帯Bが選択される。そして、シンセサイザ出力信号Sの出力周波数のスイープは、第2のローカル発振器信号LO2の周波数を変化させることにより達成される。
【0018】
図3は、本発明に係る周波数シンセサイザ20の第1の実施形態のブロック図を示している。周波数シンセサイザ20は、好適にはミリ波/サブTHz周波数シンセサイザであって、第1のリファレンス信号40を提供するリファレンス信号源22を備える。周波数信号生成部24は、上記第1のリファレンス信号40を用いて、所定の周波数で合成周波数出力信号42を生成する。上記合成周波数出力信号42は、ミキシング部26により周波数チューニング信号44とミキシングされ、ミキシング信号46が出力される。上記周波数チューニング信号44は、周波数チューニング部28により提供される。周波数選択部30は、上記ミキシング信号46から所望の周波数レンジを選択し、周波数を増倍し、周波数シンセサイザ出力信号48を出力する。
【0019】
いくつかの実施形態では、必要であれば、また周波数信号生成部24及び/又は周波数チューニング部28の特有の実装に依存して、リファレンス信号源22により別のリファレンス信号が提供されてもよい。そうした別の(位相ノイズの低い)リファレンス信号は、位相検出器のための(位相ノイズの低い)リファレンス信号50、及び/又は、周波数信号生成部24の特有の実装において提供されるミキサのために必要な位相ノイズの低いLO(ローカル発振器)信号、及び/又は、周波数チューニング部28の特有の実装において提供されるダイレクト・デジタル・シンセサイザ(DDS)のための位相ノイズの低いリファレンス信号(クロック)52、を含み得る。
【0020】
加えて、周波数シンセサイザ20の構成要素を制御するために、制御部(図示せず)が提供されてもよい。
【0021】
周波数信号生成部24は、周波数差fDを有するある固定的な複数の周波数を提供する。周波数チューニング部28は、帯域幅Bでの線形的で連続的なスイープを提供する。周波数選択部30は、好適には増倍部をも含み、ミキシング信号46から所望の周波数帯を選択し、例えば一実施形態においてそれは低域側の側波帯又は高域側の側波帯のいずれかである。そして、選択された周波数帯からの信号が、好適にはフィルタリングされ、増幅され(amplified)及び増倍される(multiplied)。よって、例えばミリ波/THz周波数レンジでの、所望の周波数レンジにおける連続的で線形的な超広帯域の周波数スイープを実現することができる。
【0022】
図4及び図5において、周波数信号生成部24a及び24bの好適な実施形態が示されている。概して言うと、周波数信号生成部24は、少なくとも1つの周波数信号生成ループ回路を有し、その周波数信号生成ループ回路の数はいくつであってもよい。図4及び図5に示した例示的な実施形態では、周波数信号生成部24a及び24bは、それぞれ3つの周波数信号生成ループ回路60、62、64を有する。一般化すると、周波数信号生成ループ回路の数に上限は無く、現実的な数としては2〜6、より具体的には2〜4であってよい。
【0023】
周波数信号生成ループ回路60を一例に挙げながら、周波数信号生成ループ回路60、62、64の好適な実施形態について説明する。
【0024】
位相検出器70(位相周波数検出器PFDともいう)は、フィードバックループから受け付けるフィードバック信号80の周波数及び/又は位相を、上記第1のリファレンス信号40の周波数及び/又は位相と比較し(具体的には、周波数及び/又は位相の差異を検出し)、制御信号82を取得する。ループフィルタ71は、位相検出器70の出力に接続され、位相検出器70から出力される制御信号82をフィルタリングする。制御発振器72は、例えば電圧制御発振器(VCO)などであってよく、ループフィルタ71の出力に接続され、上記制御信号82に基づいて、合成周波数出力信号84を生成する。上記合成周波数出力信号84は、例えばスプリッタなどであってよい出力部73により出力される。出力部73は、合成周波数出力信号84をフィードバックループにも提供する。フィードバックループは、合成周波数出力信号84を上記フィードバック信号80にダウンコンバートする周波数ダウンコンバート部74を含む。
【0025】
周波数ダウンコンバート部74は、好適には、周波数分割器(divider)75及びミキサ76を含み、ミキサ76は上記リファレンス信号源22により提供される第2のリファレンス信号0aで周波数分割器75の出力信号をダウンミキシングして上記フィードバック信号80を取得する。さらに、いくつかの実施形態において、当該フィードバックループ内で、ミキサ76の前段及び/又は後段に、追加的なフィルタ77、78(具体的には、バンドパスフィルタ)が設けられてもよい。
【0026】
VCO72は、好適には、非常に良好な位相ノイズ特性を有する、狭帯域の(Qの高い)発振器である。各周波数信号生成ループ回路60、62、64内のミキサ76は、合成周波数出力信号84を位相検出器の周波数にダウンコンバートする。より広いスペクトルレンジをカバーするために、即ちより広い帯域幅にわたる周波数スイープを可能とするために、様々な周波数信号生成ループ回路60、62、64のミキサ76には、様々な第2のリファレンス信号50a、50b、50cが提供され、制御発振器72は、それによって異なる周波数で動作する。これら発振器の周波数は、上側及び下側の側波帯(図2参照)の“チェーン”が好適には(但し必須ではない)連続的となるように選択され得る。これが連続的でない場合には、個々の周波数帯が生成され得る。必要であれば、最も低い分割比を有する周波数分割器75が使用されてもよい。最良の位相ノイズを達成するために、固定的に近い周波数を有するVCO72がフィードバックループ内で使用されてよく、その場合には周波数分割器75は使用されなくてもよい。
【0027】
図4に示した周波数信号生成部24aの実施形態は、ミキシング部26(図3参照)が両側波帯(DSB:Double Side Band)ミキサを有する場合に特に用いられる。ミキシング部26(図3参照)が単側波帯(SSB:Single Side Band)ミキサを有する場合、図5に示した周波数信号生成部24bが特に用いられる。位相検出器の周波数について、良好な位相ノイズの性能を維持するために、可能な限り高い周波数が選択される。周波数信号生成部24a内のスイッチ90は、ループ回路60、62、64の1つにおいて生成される1つの固定的な周波数を選択し、それをDSBミキサへ出力する。周波数信号生成部24bにおいては、90度ハイブリッドカプラ92(又は90度位相シフタ)が用いられる。元の合成周波数出力信号84a及び90度位相シフトされた合成周波数出力信号84bの双方は、出力部93を介して、2つのスイッチ94a、94bに提供される。これら2つのスイッチ94a、94bの出力は、SSBミキサ26の2つの異なるIF入力に接続される。これら2つのスイッチ94a、94bを用いて、アップコンバート後の所望の側波帯を選択することができる。
【0028】
図6において、周波数チューニング部28aの第1の実施形態が示されている。概して言うと、周波数チューニング部は、(例えばスイッチ104によりスイッチングされて)周波数チューニング信号44を交互に提供する、第1のサブ周波数チューニング部100及び第2のサブ周波数チューニング部102を有する。よって、第1及び第2のサブ周波数チューニング部100、102の一方が周波数チューニング信号44を提供している間、第1及び第2のサブ周波数チューニング部の他方は、周波数チューニング信号44を提供するための準備を行い、即ち、例えば連続的で線形的な周波数スイープを提供するために、当該他方のサブ周波数チューニング部により供給されることになる所望の周波数に前もってチューニングを行うことができる。
【0029】
図6に示したような簡易な実施形態において、第1及び第2のサブ周波数チューニング部100、102は、例えばチューニング可能なVCOなどの、チューニング可能な発振器として実装される。第1及び第2のサブ周波数チューニング部100、102の各々は、例えばリファレンス信号源22からの個々の(第3の)リファレンス信号52a、52b、具体的には制御電圧、を受け付けることで制御される。
【0030】
一例として図7に示したように、周波数チューニング部28の他の実施形態もまた利用可能である。図7には、周波数チューニング部28bのより詳細な実施形態が描かれている。この実施形態において、各サブ周波数チューニング部100、102は、例えば“Fast 77 GHz chirps with direct digital synthesis and phase locked loop”(Stelzer, A.; Kolmhofer, E.; Scheiblhofer, S., Microwave Conference Proceedings, 2005, APMC 2005, Asia-Pacific Conference Proceedings, vol. 3, 4-7 Dec. 2005)において説明されているような、ハイブリッドDSS/PLLループとして実装される。サブ周波数チューニング部100を例にとると、サブ周波数チューニング部100は、固定的な周波数の第3のリファレンス信号52aからDDS信号120を生成するダイレクト・デジタル・シンセサイザ110と、チューニングフィードバックループから受け付けるチューニング周波数分割器出力信号122の位相をDDS信号120の位相と比較して、チューニング制御信号124を取得するチューニング位相検出器111と、上記チューニング制御信号124をフィルタリングするループフィルタ112と、(フィルタリングされた)チューニング制御信号に基づいて、サブ周波数チューニング部100のチューニング周波数出力信号44aを生成するチューニング発振器(例えばVCO)113と、チューニング周波数出力信号44aを周波数分割して、チューニング周波数分割器出力信号122を取得するフィードバックループ内のチューニング周波数分割器114と、を含む。チューニング周波数出力信号44aは、例えばスプリッタであってよい出力部115により出力される。出力部115は、チューニング周波数出力信号44aを、フィードバックループ内の周波数分割器114にも提供する。
【0031】
こうしたハイブリッド構造は、非常に線形的で高分解能の周波数スイープを提供する。周波数シンセサイザの出力において連続的なスイープを有するために、2つのハイブリッドDDS/PLLループ回路、即ち、サブ周波数チューニング部100、102が、本実施形態において実装される。1つのループ回路がミキシング部26のLO入力を提供している間、他のループ回路は、次のスイープのために準備を整える。スイッチ104を用いて、必要なループ回路が選択される。ミキシング部26のFW出力の上側の周波数帯又は下側の周波数帯についてのその選択に応じて、ハイブリッドDDS/PLLループ回路のスイープ方向が決定される。
【0032】
図8〜図10には、周波数選択部30の様々な実施形態が示されている。図4に示した実施形態に係る周波数信号生成部24aに好適には接続されるDSBミキサをミキシング部26が含む場合には、図8及び図9に示したような周波数選択部30a、30bの実施形態が好適である。一方、図5に示した実施形態に係る周波数信号生成部24bに好適には接続されるSSBミキサをミキシング部26が含む場合には、図10に示したような周波数選択部30cの実施形態が好適である。
【0033】
図8に示した実施形態に係る周波数選択部30aは、ローパスフィルタ130及びハイパスフィルタ132を有する。ローパスフィルタ130及びハイパスフィルタ132は、スイッチ134、136の間に並列に接続され、1つの実施形態においてミキシング部26に含まれるDSBミキサにより提供されるミキシング信号46から上側の又は下側の側波帯を選択する。好適には、第2のスイッチ136の出力にバンドパスフィルタ138が接続され、当該バンドパスフィルタ138は、(所望の)帯域全体をカバーし、不要なスプリアス信号を抑圧するために使用される。そして、バンドパスフィルタ138の出力信号は、例えば増倍器、増幅器及びフィルタを含む後処理部140において、好適には増倍され、増幅され及びフィルタリングされる。
【0034】
図9に示した実施形態に係る周波数選択部30bは、スイッチ134、136の間に並列に接続される、3つ以上のフィルタのフィルタバンク142を有する。フィルタバンク142は、ミキシング信号46から所望の周波数帯を選択し、具体的には、1つの実施形態においてミキシング部26に含まれるDSBミキサにより提供されるミキシング信号46から上側の又は下側の側波帯のいずれかを選択するためのものである。
【0035】
図10に示した実施形態に係る周波数選択部30cは、1つの実施形態においてミキシング部26に含まれるSSBミキサにより提供されるミキシング信号46から所望の周波数帯を選択するためのバンドパスフィルタ144を有する。好適には、当該バンドパスフィルタは、(所望の)周波数帯域全体をカバーする。イメージの抑圧(即ち、不要な周波数帯の抑圧)は、既にSSBミキサにおいて(ある程度まで)行われている。さらなる抑圧が必要であれば、追加的なフィルタが付加されてもよい。
【0036】
図11は、本発明に係る周波数シンセサイザでの連続的で線形的な周波数スイープを例示する図を示しており、具体的には、3つの周波数信号生成ループ回路60、62、64を有する図4又は図5に示した実施形態に係る周波数信号生成部24a又は24bが用いられる。周波数チューニング信号44の適切な制御、より具体的には当該周波数チューニング信号44の周波数のチューニングによって、周波数チューニング部28により、矢印150で示されたような非常に広帯域で連続的なスイープを実現することができる。
【0037】
具体的には、図11に示されているように、連続的なスイープ150によりカバーされ得る全帯域幅ftotは、6つの周波数帯の各々の帯域幅を表す周波数差fDの6倍に相当する(この位相ノイズの低いミキシング信号46の増倍後には、帯域幅は一層広くなり得る)。これら周波数帯は、次のように生成される(周波数信号生成部24aの実施形態の使用とミキシング部26におけるDSBミキサの使用とを前提とする)。
【0038】
第1の周波数帯151は、第1の周波数信号生成ループ回路60によるアップコンバート後の下側の側波帯である。第2の周波数帯152は、第2の周波数信号生成ループ回路62によるアップコンバート後の下側の側波帯である。第3の周波数帯153は、第3の周波数信号生成ループ回路64によるアップコンバート後の下側の側波帯である。第4の周波数帯154は、第1の周波数信号生成ループ回路60によるアップコンバート後の上側の側波帯である。第5の周波数帯155は、第2の周波数信号生成ループ回路62によるアップコンバート後の上側の側波帯である。第6の周波数帯156は、第3の周波数信号生成ループ回路64によるアップコンバート後の上側の側波帯である。
【0039】
よって、例えば、第1の周波数信号生成ループ回路60からの合成周波数出力信号42がミキシング回路26に向けてスイッチングされる場合には、ミキシング信号46は、互いの間に少なくない(周波数方向の)ギャップを有する第1及び第4の周波数帯151、154をカバーする。その結果、所望の周波数帯をフィルタ出力するための周波数選択部30における後続のフィルタについての要件は、緩和される。即ち、フィルタ曲線は、例えば図2に示したような隣接する周波数帯の間にギャップがない(又は小さいギャップしかない)既知の周波数シンセサイザにおけるものと比較して、それほど急勾配でなくてよい。
【0040】
実践的な実装における周波数割当ての一例は、次の通りであってよい(図11を参照しながら説明した例にあらためて言及する)。まず、3つの周波数信号生成ループ回路60、62、64がそれぞれ固定的な発振器周波数40、45及び50GHzを有しているものとする。周波数チューニング信号44は、5〜10GHzである。これは、第1の周波数信号生成ループ回路60については30〜35GHz及び45−50GHzの周波数帯151、154、第2の周波数信号生成ループ回路62については35〜40GHz及び50−55GHzの周波数帯152、155、第3の周波数信号生成ループ回路64については40〜45GHz及び55−60GHzの周波数帯153、156が生成されることを意味する。従って、30GHzから60GHzまでの周波数スイープを実行することが可能である。
【0041】
好適には、周波数チューニング部28のスイープは、下側の側波帯(即ち、周波数帯151、152、153)と上側の側波帯(即ち、周波数帯154、155、156)とでその方向が異なってよい。増倍率(multiplication factor)が16であれば、周波数シンセサイザの出力周波数は、480〜960GHzとなる。周波数チューニング部28において使用されるDDSが32ビットで動作する場合には、DDSのリファレンスクロックは1GHz、DDSの出力は100MGzであり、DDSの出力における信号は0.23Hzの分解能を有し、周波数シンセサイザの出力48では(480〜960GHz帯において)368Hzの高い分解能を有するであろう。
【0042】
図12において、周波数信号生成部24cの簡易な実施形態が示されている。この実施形態において、周波数信号生成部24cは、十分に低い位相ノイズを伴って異なる所定の周波数で合成周波数出力信号を生成する、3つの発振器72a、具体的には誘電共振発振器を有する。よって、これら発振器は、上で説明した実施形態において提供されるループ回路60、62、64と置き換えられる。
【0043】
なお、本発明の装置及び方法において使用される個々の構成要素は、一般的に知られている。これは、特にループフィルタ、ローカル発振器、位相検出器、ミキサ及び周波数分割器などの構成要素について言えることである。よって、提案した周波数シンセサイザの様々な実施形態において、所望の効果を達成するために、要求される設定及び/又は規模に合わせて標準的な構成要素を使用することができる。
【0044】
提案した周波数シンセサイザは、マイクロ波及びミリ波の周波数において、線形的かつ連続的な周波数スイープを合成することができる。特にDDSにおけるデジタル信号の生成を使用する好適な実施形態において、いかなる確定的な超広帯域周波数の波形をも生成することができる。合成される周波数は、より低い及びより高い帯域内のオフセット周波数において、低い位相ノイズを有する。当該周波数シンセサイザは、非常に高い分解能(Hz)を有し、それは主にDDSの性能に依存する。また、非常に線形的な(linear)、二次の(quadratic)若しくは三次の(cubic)周波数チャープなどの数多くの波形を合成し、又は線形的な周波数ランプからの確定的な偏差(deterministic deviations)を合成することも可能である。
【0045】
図面及びこれまでの説明において、本発明を詳細に例示し説明してきたが、これら例示及び説明は、限定的なものであると見なされるべきではない。本発明は、開示された実施形態には限定されない。特許請求の範囲に記載された発明を実践する当該技術分野の当業者によって、開示された実施形態の他の変形例もまた、図面、明細書及び特許請求の範囲の記載から想起され得るであろう。
【0046】
特許請求の範囲において、“comprising(備える、有する、含む)”との語は他の構成要素又はステップを排除せず、不定冠詞“a”又は“an”は複数を排除しない。単一の構成要素又はその他のユニット(部)が特許請求の範囲に記載された複数の事項を充足してもよい。ある手段が互いに異なる従属項に記載されているという単なる事実は、それら手段の組合せが利点をもたらすものとして使用され得ないことを意味しない。
【0047】
特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、技術的範囲を限定するものと理解されるべきでない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数シンセサイザであって、
第1のリファレンス信号を提供するリファレンス信号源(22)と、
合成周波数出力信号を所定の周波数で生成する周波数信号生成部(24)と、
前記合成周波数出力信号を周波数チューニング信号とミキシングして、ミキシング信号を出力するミキシング部(26)と、
前記周波数チューニング信号を提供する周波数チューニング部(28)と、
を備え、
前記周波数チューニング部は、前記周波数チューニング信号を交互に提供する、第1のサブ周波数チューニング部(100)及び第2のサブ周波数チューニング部(102)を有し、
前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部の一方が前記周波数チューニング信号を提供している間、前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部の他方は、前記周波数チューニング信号を提供するための準備を行い、
前記周波数シンセサイザは、前記ミキシング信号から所望の周波数レンジを選択して、周波数シンセサイザ出力信号を出力する周波数選択部(30)、を備える、
周波数シンセサイザ。
【請求項2】
前記周波数信号生成部(24)は、少なくとも1つの周波数信号生成ループ回路(60,62,64)を有し、
前記少なくとも1つの周波数信号生成ループ回路(60,62,64)は、
フィードバックループから受け付けるフィードバック信号の周波数及び/又は位相を前記第1のリファレンス信号の位相と比較して、制御信号を取得する位相検出器(70)と、
前記制御信号に基づいて、合成周波数出力信号を生成する発振器(72)と、
前記合成周波数出力信号を前記フィードバック信号にダウンコンバートする周波数ダウンコンバート部(74)を含むフィードバックループと、
を含む、請求項1に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項3】
前記周波数信号生成部(24)は、異なる所定の周波数で合成周波数出力信号を生成する発振器をそれぞれ含む2つ以上の周波数信号生成ループ回路(60,62,64)を有する、請求項2に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項4】
1つ以上の前記周波数信号生成ループ回路(60,62,64)の前記周波数ダウンコンバート部(74)は、
前記周波数信号生成ループ回路の各々の前記発振器(72)の前記合成周波数出力信号を、前記リファレンス信号源により提供される第2のリファレンス信号とミキシングして、前記フィードバック信号を取得するミキサ(76)、
をそれぞれ含む、請求項2又は請求項3に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項5】
1つ以上の前記周波数信号生成ループ回路(60,62,64)は、
前記周波数信号生成ループ回路の各々の前記位相検出器と前期発振器との間に接続される、前記制御信号の各々をフィルタリングするためのループフィルタ(71)、
をそれぞれ含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項6】
1つ以上の前記周波数信号生成ループ回路(60,62,64)は、
前記周波数信号生成ループ回路の各々の前記発振器と前記周波数ダウンコンバート部との間に接続される、前記合成周波数出力信号の各々を周波数分割する周波数分割器(76)、
をそれぞれ含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項7】
1つ以上の前記周波数信号生成ループ回路(60,62,64)は、
前記周波数信号生成ループ回路の各々の前記発振器と前記周波数ダウンコンバート部との間、及び/又は前記周波数ダウンコンバート部と前記位相検出器との間、に接続される、前記合成周波数出力信号及び/又は前記フィードバック信号をフィルタリングするフィードバックフィルタ(77,78)、
をそれぞれ含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項8】
前記ミキシング部(26)は、両側波帯ミキサを有し、
前記周波数信号生成部(24)は、2つ以上の前記周波数信号生成ループ回路(60,62,64)からの前記合成周波数出力信号の1つを、前記両側波帯ミキサのための入力信号として選択するためのスイッチ(90)を有する、
請求項3に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項9】
前記ミキシング部(26)は、単側波帯ミキサを有し、
2つ以上の前記周波数信号生成ループ回路(60,62,64)は、第1の合成周波数出力信号と、前記第1の合成周波数出力信号から90度位相シフトされた第2の合成周波数出力信号と、を出力するための90度ハイブリッドカプラ(92)又は90度位相シフタ(92)、をそれぞれ含み、
前記周波数信号生成部(24)は、2つ以上の前記周波数信号生成ループ回路(60,62,64)の1つからの第1及び第2の合成周波数出力信号のペアを、前記単側波帯ミキサのための入力信号として選択するための2つのスイッチ(94a,94b)を有する、
請求項3に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項10】
前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部(100,102)は、チューニング可能な発振器、具体的にはチューニング可能な電圧制御発振器、をそれぞれ有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項11】
前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部(100,102)は、
固定的な周波数の第3のリファレンス信号からDDS信号を生成するダイレクト・デジタル・シンセサイザ(110)と、
チューニングフィードバックループから受け付けるチューニング周波数分割器出力信号の位相を前記DDS信号の位相と比較して、チューニング制御信号を取得するチューニング位相検出器(111)と、
前記チューニング制御信号に基づいて、チューニング周波数出力信号を生成するチューニング発振器(113)と、
前記チューニング周波数出力信号を周波数分割して、前記チューニング周波数分割器出力信号を取得するチューニング周波数分割器(114)と、
を含むチューニング可能な発振器ループ回路、をそれぞれ有する、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項12】
前記周波数チューニング部(28)は、
前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部の出力信号の間をスイッチングして前記周波数チューニング信号を交互に提供するチューニングスイッチ(104)であって、前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部(100,102)の出力に接続される当該チューニングスイッチ(104)、
を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項13】
前記周波数選択部(30a)は、スイッチ(134,136)の間に並列に接続される、前記ミキシング信号から上側の又は下側の側波帯を選択するためのローパスフィルタ(130)及びハイパスフィルタ(132)、を有する、請求項8に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項14】
前記周波数選択部(30b)は、スイッチ(134,136)の間に並列に接続される、前記ミキシング信号から前記所望の周波数帯を選択するための、3つ以上のフィルタのフィルタバンク(142)を有する、請求項8に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項15】
前記周波数選択部(30c)は、前記ミキシング信号から前記所望の周波数帯を選択するためのバンドパスフィルタ(144)を有する、請求項8に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項16】
前記周波数信号生成部(24c)は、所定の周波数で合成周波数出力信号を生成する、少なくとも1つの発振器(72a)、具体的には誘電共振発振器、を有する、請求項1に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項17】
前記周波数信号生成部(24c)は、異なる所定の周波数で合成周波数出力信号を生成する、2つ以上の発振器(72a)、具体的には誘電共振発振器、を有する、請求項16に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項18】
周波数合成方法であって、
合成周波数出力信号を所定の周波数で生成するステップと、
前記合成周波数出力信号をフィードバック信号にダウンコンバートするステップと、
前記合成周波数出力信号を周波数チューニング信号とミキシングして、ミキシング信号を出力するステップと、
第1のサブ周波数チューニング部及び第2のサブ周波数チューニング部により、前記周波数チューニング信号を交互に提供するステップと、
を含み、
前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部の一方が前記周波数チューニング信号を提供している間、前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部の他方は、前記周波数チューニング信号を提供するための準備を行い、
前記周波数合成方法は、前記ミキシング信号から所望の周波数レンジを選択して、周波数シンセサイザ出力信号を出力するステップ、を含む、
周波数合成方法。
【請求項1】
周波数シンセサイザであって、
第1のリファレンス信号を提供するリファレンス信号源(22)と、
合成周波数出力信号を所定の周波数で生成する周波数信号生成部(24)と、
前記合成周波数出力信号を周波数チューニング信号とミキシングして、ミキシング信号を出力するミキシング部(26)と、
前記周波数チューニング信号を提供する周波数チューニング部(28)と、
を備え、
前記周波数チューニング部は、前記周波数チューニング信号を交互に提供する、第1のサブ周波数チューニング部(100)及び第2のサブ周波数チューニング部(102)を有し、
前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部の一方が前記周波数チューニング信号を提供している間、前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部の他方は、前記周波数チューニング信号を提供するための準備を行い、
前記周波数シンセサイザは、前記ミキシング信号から所望の周波数レンジを選択して、周波数シンセサイザ出力信号を出力する周波数選択部(30)、を備える、
周波数シンセサイザ。
【請求項2】
前記周波数信号生成部(24)は、少なくとも1つの周波数信号生成ループ回路(60,62,64)を有し、
前記少なくとも1つの周波数信号生成ループ回路(60,62,64)は、
フィードバックループから受け付けるフィードバック信号の周波数及び/又は位相を前記第1のリファレンス信号の位相と比較して、制御信号を取得する位相検出器(70)と、
前記制御信号に基づいて、合成周波数出力信号を生成する発振器(72)と、
前記合成周波数出力信号を前記フィードバック信号にダウンコンバートする周波数ダウンコンバート部(74)を含むフィードバックループと、
を含む、請求項1に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項3】
前記周波数信号生成部(24)は、異なる所定の周波数で合成周波数出力信号を生成する発振器をそれぞれ含む2つ以上の周波数信号生成ループ回路(60,62,64)を有する、請求項2に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項4】
1つ以上の前記周波数信号生成ループ回路(60,62,64)の前記周波数ダウンコンバート部(74)は、
前記周波数信号生成ループ回路の各々の前記発振器(72)の前記合成周波数出力信号を、前記リファレンス信号源により提供される第2のリファレンス信号とミキシングして、前記フィードバック信号を取得するミキサ(76)、
をそれぞれ含む、請求項2又は請求項3に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項5】
1つ以上の前記周波数信号生成ループ回路(60,62,64)は、
前記周波数信号生成ループ回路の各々の前記位相検出器と前期発振器との間に接続される、前記制御信号の各々をフィルタリングするためのループフィルタ(71)、
をそれぞれ含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項6】
1つ以上の前記周波数信号生成ループ回路(60,62,64)は、
前記周波数信号生成ループ回路の各々の前記発振器と前記周波数ダウンコンバート部との間に接続される、前記合成周波数出力信号の各々を周波数分割する周波数分割器(76)、
をそれぞれ含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項7】
1つ以上の前記周波数信号生成ループ回路(60,62,64)は、
前記周波数信号生成ループ回路の各々の前記発振器と前記周波数ダウンコンバート部との間、及び/又は前記周波数ダウンコンバート部と前記位相検出器との間、に接続される、前記合成周波数出力信号及び/又は前記フィードバック信号をフィルタリングするフィードバックフィルタ(77,78)、
をそれぞれ含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項8】
前記ミキシング部(26)は、両側波帯ミキサを有し、
前記周波数信号生成部(24)は、2つ以上の前記周波数信号生成ループ回路(60,62,64)からの前記合成周波数出力信号の1つを、前記両側波帯ミキサのための入力信号として選択するためのスイッチ(90)を有する、
請求項3に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項9】
前記ミキシング部(26)は、単側波帯ミキサを有し、
2つ以上の前記周波数信号生成ループ回路(60,62,64)は、第1の合成周波数出力信号と、前記第1の合成周波数出力信号から90度位相シフトされた第2の合成周波数出力信号と、を出力するための90度ハイブリッドカプラ(92)又は90度位相シフタ(92)、をそれぞれ含み、
前記周波数信号生成部(24)は、2つ以上の前記周波数信号生成ループ回路(60,62,64)の1つからの第1及び第2の合成周波数出力信号のペアを、前記単側波帯ミキサのための入力信号として選択するための2つのスイッチ(94a,94b)を有する、
請求項3に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項10】
前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部(100,102)は、チューニング可能な発振器、具体的にはチューニング可能な電圧制御発振器、をそれぞれ有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項11】
前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部(100,102)は、
固定的な周波数の第3のリファレンス信号からDDS信号を生成するダイレクト・デジタル・シンセサイザ(110)と、
チューニングフィードバックループから受け付けるチューニング周波数分割器出力信号の位相を前記DDS信号の位相と比較して、チューニング制御信号を取得するチューニング位相検出器(111)と、
前記チューニング制御信号に基づいて、チューニング周波数出力信号を生成するチューニング発振器(113)と、
前記チューニング周波数出力信号を周波数分割して、前記チューニング周波数分割器出力信号を取得するチューニング周波数分割器(114)と、
を含むチューニング可能な発振器ループ回路、をそれぞれ有する、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項12】
前記周波数チューニング部(28)は、
前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部の出力信号の間をスイッチングして前記周波数チューニング信号を交互に提供するチューニングスイッチ(104)であって、前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部(100,102)の出力に接続される当該チューニングスイッチ(104)、
を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項13】
前記周波数選択部(30a)は、スイッチ(134,136)の間に並列に接続される、前記ミキシング信号から上側の又は下側の側波帯を選択するためのローパスフィルタ(130)及びハイパスフィルタ(132)、を有する、請求項8に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項14】
前記周波数選択部(30b)は、スイッチ(134,136)の間に並列に接続される、前記ミキシング信号から前記所望の周波数帯を選択するための、3つ以上のフィルタのフィルタバンク(142)を有する、請求項8に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項15】
前記周波数選択部(30c)は、前記ミキシング信号から前記所望の周波数帯を選択するためのバンドパスフィルタ(144)を有する、請求項8に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項16】
前記周波数信号生成部(24c)は、所定の周波数で合成周波数出力信号を生成する、少なくとも1つの発振器(72a)、具体的には誘電共振発振器、を有する、請求項1に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項17】
前記周波数信号生成部(24c)は、異なる所定の周波数で合成周波数出力信号を生成する、2つ以上の発振器(72a)、具体的には誘電共振発振器、を有する、請求項16に記載の周波数シンセサイザ。
【請求項18】
周波数合成方法であって、
合成周波数出力信号を所定の周波数で生成するステップと、
前記合成周波数出力信号をフィードバック信号にダウンコンバートするステップと、
前記合成周波数出力信号を周波数チューニング信号とミキシングして、ミキシング信号を出力するステップと、
第1のサブ周波数チューニング部及び第2のサブ周波数チューニング部により、前記周波数チューニング信号を交互に提供するステップと、
を含み、
前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部の一方が前記周波数チューニング信号を提供している間、前記第1及び前記第2のサブ周波数チューニング部の他方は、前記周波数チューニング信号を提供するための準備を行い、
前記周波数合成方法は、前記ミキシング信号から所望の周波数レンジを選択して、周波数シンセサイザ出力信号を出力するステップ、を含む、
周波数合成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−120178(P2012−120178A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263938(P2011−263938)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【出願人】(397051508)ソニー ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (140)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【出願人】(397051508)ソニー ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (140)
【Fターム(参考)】
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