説明

周波数同期ループ回路、速度ディスクリミネータ回路、モータ駆動装置

【課題】本発明は、REFCLKの逓倍を要しないFLL回路の提供を目的とする。
【解決手段】本発明に係るFLL回路12は、FGエッジが到来したときにICLKのカウントを開始し、カウント値C1がSTOP1に達したときにカウントを終了するカウンタ回路X10と;カウンタ回路X10がカウント終了したときにICLKのカウントを開始し、カウント値C2がSTOP2に達したときにカウントを終了するカウンタ回路X20と;REFCLKの一周期中に含まれるICLKのパルス数をカウントする基準カウンタY1と;REFCLKの一周期毎に基準カウンタY1のカウント値C0を格納する基準レジスタY2と;基準レジスタY2のレジスタデータREG0を分配してSTOP1とSTOP2を設定する終了カウント値設定部Y0と;カウンタ回路X10、X20の動作状態に応じて周波数誤差信号(U1、D1)を生成する論理ゲート部X30と;を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二入力信号の周波数を比較して周波数誤差信号を生成する周波数同期ループ回路、並びに、これを用いた速度ディスクリミネータ回路及びモータ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図19は、モータの回転速度制御に用いられる速度ディスクリミネータ回路の一従来例を示すブロック図である。図19に示す通り、従来の速度ディスクリミネータ回路は、一般に、位相同期ループ回路100(以下ではPLL[Phase Locked Loop]回路100と呼ぶ)と、フィルタ回路110と、電圧制御発振器120(以下では、VCO[Voltage Controlled Oscilator]120と呼ぶ)と、分周器130と、周波数同期ループ回路140(以下ではFLL[Frequency Locked Loop]回路140と呼ぶ)を有して成る。
【0003】
PLL回路100は、モータの目標回転速度を設定するために回路外部から入力される速度制御信号Sa(=基準クロック信号REFCLK)と分周信号Sbとの位相比較を行うことによって、位相誤差信号Scを生成する手段である。なお、位相誤差信号Scは、図20に示したように、速度制御信号Saの立上がりエッジから分周信号Sbの立上がりエッジまでハイレベルとなるデジタル信号である。
【0004】
フィルタ回路110は、位相誤差信号ScのD/A[Digital/Analog]変換を行うことによって、直流の制御電圧信号Sdを生成する手段であり、外付けの抵抗とキャパシタから成る(図21を参照)。
【0005】
VCO120は、図22に示した入出力特性を有しており、制御電圧信号Sd(入力電圧)に応じた出力周波数で発振信号Se(=逓倍クロック信号VCOCLK)を生成する手段である。
【0006】
分周器130は、n段(例えばn=10段)のDフリップフロップDFF1〜DFFnで形成されたカウンタに発振信号Seを入力することによって、発振信号Seの出力周波数をN分周(ただしN=2nであり、例えばN=1024分周)した分周信号Sbを生成する手段である(図23、図24を参照)。
【0007】
上記のPLL回路100、フィルタ回路110、VCO130、及び、分周器140から成るフィードバックループを形成することによって、速度制御信号Sa(=基準クロック信号REFCLK)の出力周波数をN逓倍(例えばN=1024逓倍)とした発振信号Se(=逓倍クロック信号VCOCLK)を得ることができる。
【0008】
FLL回路140は、発振信号SeとFG[Frequency Generator]パルス信号Sfとの周波数比較を行うことによって、周波数誤差信号Sg(加速信号Uと減速信号D)を生成する手段であり、図25に示したように、第1カウンタZ1aと、第2カウンタZ1bと、第1比較部Z2aと、第2比較部Z2bと、制御部Z3と、を有して成る。
【0009】
図26は、FLL回路140の一動作例を示すタイミングチャートである。なお、図26の上段には、基準クロック信号REFCLKと逓倍クロック信号VCOCLK(基準クロック信号REFCLKを1024逓倍とした発振信号)が示されている。また、図26の中段には、FGパルス信号Sfの周波数が基準クロック信号REFCLKの周波数よりも低い場合(すなわちモータの回転速度が目標回転速度よりも遅い場合)における第1カウンタZ1aのカウント値C1、第2カウンタZ1bのカウント値C2、加速信号U、並びに、減速信号Dが示されている。また、図26の下段には、FGパルス信号Sfの周波数が基準クロック信号REFCLKの周波数よりも高い場合(すなわちモータの回転速度が目標回転速度よりも速い場合)における第1カウンタZ1aのカウント値C1、第2カウンタZ1bのカウント値C2、加速信号U、並びに、減速信号Dが示されている。
【0010】
まず、FGパルス信号Sfの周波数が基準クロック信号REFCLKの周波数よりも低い場合の動作について、図26の中段を参照しながら説明する。FGパルス信号Sfに一の立上がりエッジが到来したとき、これをトリガとして第1カウンタZ1aによる逓倍クロック信号VCOCLKのカウント動作が開始される。第1カウンタZ1aのカウント値C1が所定の第1終了カウント値STOP1(例えば256カウント)に達すると、第1カウンタZ1aのカウント動作が終了され、そのカウント値C1がリセットされるとともに、第2カウンタZ1bによる逓倍クロック信号VCOCLKのカウント動作が開始される。第2カウンタZ1bのカウント値C2が所定の第2終了カウント値STOP2(例えば768カウント)に達すると、第2カウンタZ1bのカウント動作が終了され、そのカウント値C2がリセットされる。この時点で、FGパルス信号Sfに次の立上がりエッジが到来していなければ、第1カウンタZ1aと第2カウンタZ1bは、いずれもカウント動作を行っていない状態となる。このような状態が生じていれば、モータの回転速度が目標回転速度よりも遅いということになるので、FGパルス信号Sfに次の立上がりエッジが到来して、第1カウンタZ1aのカウント動作が開始されるまで、加速信号Uがハイレベルとされる。
【0011】
次に、FGパルス信号Sfの周波数が基準クロック信号REFCLKの周波数よりも高い場合の動作について、図26の下段を参照しながら説明する。FGパルス信号Sfに一の立上がりエッジが到来してから第2カウンタZ1bによる逓倍クロック信号VCOCLKのカウント動作が開始されるまでの動作は先述と同様であるが、第2カウンタZ1bのカウント値C2が第2終了カウント値STOP2に達するよりも先に、FGパルス信号Sfの次の立上がりエッジが到来した場合には、第2カウンタZ1bのカウント終了を待つことなく、第1カウンタZ1aのカウント動作が開始され、第1カウンタZ1aと第2カウンタZ1bは、同時にカウント動作を行っている状態となる。このような状態が生じていれば、モータの回転速度が目標回転速度よりも速いということになるので、第2カウンタZ1bのカウント値C2が第2終了カウント値STOP2に達して、第2カウンタZ1bのカウント動作が終了されるまで、減速信号Dがハイレベルとされる。
【0012】
このように、FLL回路140は、FGパルス信号Sfの周期が基準クロック信号REFCLKの周期(逓倍クロック信号VCOCLKの1024カウント)よりも長ければ、モータの回転速度が目標回転速度よりも遅いと判断して加速信号Uを出力し、FGパルス信号Sfの周期が基準クロック信号REFCLKの周期よりも短ければ、モータの回転速度が目標回転速度よりも速いと判断して減速信号Dを出力する構成とされていた。
【0013】
また、上記構成から成る速度ディスクリミネータ回路を用いたモータ駆動装置は、チャージポンプ回路や積分回路を用いて、FLL回路140で生成される周波数誤差信号Sg(加速信号Uと減速信号D)に応じた速度指令信号を生成し、これに基づいてモータの回転速度制御を行う構成とされていた。
【0014】
なお、上記に関連する従来技術の一例として、特許文献1〜3を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2007−288962号公報
【特許文献2】特開2007−336653号公報
【特許文献3】特開平6−189575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
確かに、上記従来の速度ディスクリミネータ回路を用いて、モータの回転速度制御を行えば、速度制御信号Sa(=基準クロック信号REFCLK)の周波数を任意に可変制御することにより、モータの回転速度を所望の目標回転速度に調整することが可能である。
【0017】
しかし、上記従来の速度ディスクリミネータ回路において、FLL回路140は、第1カウンタZ1aの第1終了カウント値STOP1と第2カウンタZ1bの第2終了カウント値STOP2を固定値として設定する構成とされていた。そのため、FLL回路140には、第1カウンタZ1a及び第2カウンタZ1bのカウント対象信号として、基準クロック信号REFCLKをN逓倍した逓倍クロック信号VCOCLK(基準クロック信号REFCLKの一周期中において、常に一定のパルス数N(=STOP1+STOP2)を有しているクロック信号)を入力しなければならず、逓倍クロック信号VCOCLKの生成手段として、PLL回路100、フィルタ回路110、VCO120、及び、分周器130から成るフィードバックループを形成する必要があった。このような従来構成では、回路規模の増大や外付け素子の増加が招かれるだけでなく、フィルタ定数の合わせ込みが必要であったり、基準クロック信号REFCLKの周波数変化に対する応答が遅れる等、解決すべき種々の課題を含んでいた。
【0018】
なお、従来文献3に記載の速度制御装置は、制御しようとする目標速度に応じて、カウンタのカウント値(ビット数)を切り換えるカウンタ値切り換え手段を有して成る点で、本願発明と類似するものであるが、従来文献3の速度制御装置は、あくまで、目標速度が所定速度よりも速いか遅いかに応じて、カウンタのカウント値(ビット数)を10ビットと11ビットのいずれか一に切り換えるものであり、デジタル信号処理によってカウンタの終了カウント値を可変制御する本願発明とは、その本質的構成を異にするものである。
【0019】
本発明は、上記の問題点に鑑み、基準クロック信号の逓倍手段を必要としない周波数同期ループ回路、並びに、これを用いた速度ディスクリミネータ回路、及び、モータ駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するために、本発明に係る周波数同期ループ回路は、制御対象となるパルス信号の周波数と基準クロック信号の周波数とを比較して周波数誤差信号を生成する周波数同期ループ回路であって、前記パルス信号のパルスエッジが到来したときに、内部クロック信号のカウント動作を開始して第1カウント開始フラグを立て、そのカウント値が第1終了カウント値に達したときに、第1カウント終了フラグを立てる第1カウンタ回路と;第1カウント終了フラグが立てられたときに、前記内部クロック信号のカウント動作を開始して第2カウント開始フラグを立て、そのカウント値が第2終了カウント値に達したときに、第2カウント終了フラグを立てる第2カウンタ回路と;前記基準クロック信号の一周期中に含まれる前記内部クロック信号のパルス数をカウントする基準カウンタと;前記基準クロック信号の一周期毎に前記基準カウンタのカウント値を格納する基準レジスタと;前記基準レジスタに格納されたレジスタデータに基づいて、第1終了カウント値と第2終了カウント値を設定する終了カウント値設定部と;第1カウンタ回路及び第2カウンタ回路の動作状態に応じて前記周波数誤差信号を生成する論理ゲート部と;を有して成る構成(第1の構成)とされている。
【0021】
なお、上記第1の構成から成る周波数同期ループ回路において、前記終了カウント値設定部は、前記基準レジスタに格納されたレジスタデータをs:1−s(ただし、0<s<1)の比率で分配することにより、第1終了カウント値と第2終了カウント値を設定する構成(第2の構成)にするとよい。
【0022】
また、上記第2の構成から成る周波数同期ループ回路において、前記終了カウント値設定部は、第1終了カウント値の設定時に生じた前記レジスタデータの剰余分を待機カウント値として設定するものであり、第1カウンタ回路は、前記パルス信号のパルスエッジが到来してから、前記内部クロック信号のパルス数が前記待機カウント値に達するまで、そのカウント動作の開始が待機されるものであり、第2カウンタ回路は、第1カウント終了フラグが立てられるまで、そのカウント動作の開始が待機されるものである構成(第3の構成)にするとよい。
【0023】
また、上記の第2の構成から成る周波数同期ループ回路において、前記終了カウント値設定部は、前記基準レジスタに格納されたiビットのレジスタデータのうち、上位(i−1)ビット分に相当するレジスタデータと上位(i−2)ビット分に相当するレジスタデータを足し合わせて加算データを生成する加算器を有して成り、第1終了カウント値として、上位(i−2)ビット分に相当するレジスタデータを設定するとともに、第2終了カウント値として、前記加算データを設定する構成(第4の構成)にするとよい。
【0024】
また、上記第4の構成から成る周波数同期ループ回路は、前記パルス信号のパルスエッジが到来したときに、前記内部クロック信号のカウント動作を開始し、そのカウント値が前記待機カウント値に達したときに、第3カウント終了フラグを立てる第3カウンタ回路を有して成り、前記終了カウント値設定部は、前記待機カウント値として、前記基準レジスタに格納されたiビットのレジスタデータのうち、下位2ビット分に相当するレジスタデータを設定するものであり、第1カウンタ回路は、前記パルス信号のパルスエッジが到来してから、第3カウント終了フラグが立てられるまで、そのカウント動作の開始が待機されるものであり、第2カウンタ回路は、第1カウント終了フラグが立てられるまで、そのカウント動作の開始が待機されるものである構成(第5の構成)にするとよい。
【0025】
また、上記第1の構成から成る周波数同期ループ回路において、前記終了カウント値設定部は、前記基準レジスタに格納されたレジスタデータの1/x(ただしx>1)を第1終了カウント値として設定し、1/y(ただしy≧x)を第2終了カウント値として設定し、第1カウンタ回路は、前記パルス信号のパルスエッジが到来したときに、前記内部クロック信号のカウント動作を開始して第1カウント開始フラグを立て、そのカウント値が第1終了カウント値に達したときに、第1カウント終了フラグを立て、第2カウンタ回路は、第1カウント終了フラグが立てられたときに、前記内部クロック信号のカウント動作を開始して第2カウント開始フラグを立て、そのカウント値が第2終了カウント値に達する毎にそのカウント値をリセットして、カウント値到達回数を1つインクリメントし、前記カウント値到達回数がα回(ただしα={(x−1)×y/x})に達したときに、第2カウント終了フラグを立てる構成(第6の構成)にするとよい。
【0026】
また、上記第6の構成から成る周波数同期ループ回路において、前記終了カウント値設定部は、第1終了カウント値の設定時に生じた前記レジスタデータの剰余分を待機カウント値として設定するものであり、第2カウンタ回路は、第1カウント終了フラグが立てられてから、前記内部クロック信号のパルス数が前記待機カウント値に達するまで、そのカウント動作の開始が待機されるものである構成(第7の構成)にするとよい。
【0027】
また、上記した第6の構成から成る周波数同期ループ回路において、前記終了カウント値設定部は、前記基準レジスタに格納されたiビットのレジスタデータのうち、上位(i−2)ビット分に相当するレジスタデータを第1終了カウント値及び第2終了カウント値として設定する構成(第8の構成)にするとよい。
【0028】
また、上記した第6の構成から成る周波数同期ループ回路において、前記終了カウント値設定部は、前記基準レジスタに格納されたiビットのレジスタデータのうち、上位(i−2)ビット分に相当するレジスタデータを第1終了カウント値として設定し、上記(i−4)ビット分に相当するレジスタデータを第2終了カウント値として設定する構成(第9の構成)にするとよい。
【0029】
また、上記第9の構成から成る周波数同期ループ回路は、前記パルス信号のパルスエッジが到来したときに、第2カウンタ回路の前記カウント値到達回数が所定範囲内であるか否かを検出し、その検出結果に応じた論理レベルのレディ信号を生成するレディ信号生成部を有して成る構成(第10の構成)にするとよい。
【0030】
また、上記第8〜第10いずれかの構成から成る周波数同期ループ回路は、第1カウント終了フラグが立てられたときに、前記内部クロック信号のカウント動作を開始し、そのカウント値が前記待機カウント値に達したときに、第3カウント終了フラグを立てる第3カウンタ回路を有して成り、前記終了カウント値設定部は、前記待機カウント値として、前記基準レジスタに格納されたiビットのレジスタデータのうち、下位2ビット分に相当するレジスタデータを設定するものであり、第2カウンタ回路は、第1カウント終了フラグが立てられてから、第3カウント終了フラグが立てられるまで、そのカウント動作の開始が待機されるものである構成(第11の構成)にするとよい。
【0031】
また、上記第1〜第11いずれかの構成から成る周波数同期ループ回路は、前記基準レジスタのデータ更新タイミングとは異なるタイミングで、前記基準レジスタに格納されているレジスタデータを読み出し、これを自身のレジスタデータとして格納する第2基準レジスタを有して成り、前記終了カウント値設定部は、第2基準レジスタに格納されたレジスタデータに基づいて、第1終了カウント値と第2終了カウント値を設定する構成(第12の構成)にするとよい。
【0032】
また、上記した第12の構成から成る周波数同期ループ回路において、前記基準レジスタは、前記基準クロック信号のパルスエッジが到来したときにデータ更新を行い、第2基準レジスタは、前記基準クロック信号の反転パルスエッジが到来したときにデータ更新を行う構成(第13の構成)にするとよい。
【0033】
また、上記した第12の構成から成る周波数同期ループ回路において、前記基準レジスタは、前記基準クロック信号のパルスエッジが到来したときにデータ更新を行い、第2基準レジスタは、第1カウント終了フラグが立てられた直後にデータ更新を行う構成(第14の構成)にするとよい。
【0034】
また、本発明に係る速度ディスクリミネータ回路は、上記第1〜第14いずれかの構成から成る周波数同期ループ回路を有して成り、前記周波数誤差信号に応じた速度指令信号を生成する構成(第14の構成)とされている。
【0035】
なお、上記第14の構成から成る速度ディスクリミネータ回路は、前記パルス信号と前記基準クロック信号の位相を比較して位相誤差信号を生成する位相同期ループ回路を有して成り、前記周波数誤差信号と前記位相誤差信号の双方に応じた速度指令信号を生成する構成(第16の構成)にするとよい。
【0036】
また、本発明に係るモータ駆動装置は、上記第15または第16の構成から成る速度ディスクリミネータ回路を有して成り、前記速度指令信号に基づいてモータの回転速度制御を行う構成(第17の構成)とされている。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、基準クロック信号の逓倍手段を必要としない周波数同期ループ回路、並びに、これを用いた速度ディスクリミネータ回路、及び、モータ駆動装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係るモータ駆動装置の第1実施形態を示すブロック図
【図2】FLL回路12の第1構成例を示すブロック図
【図3】第1構成例のFLL回路12の一動作例を示すタイミングチャート
【図4】FLL回路12の第2構成例を示すブロック図
【図5】FLL回路12の第3構成例を示すブロック図
【図6】レジスタ更新時に不具合が生じる様子を示すタイミングチャート
【図7】第3構成例のFLL回路12においてレジスタ更新時の不具合が解消されている様子を示すタイミングチャート
【図8】FLL回路12の第4構成例を示すブロック図
【図9】第4構成例のFLL回路12の一動作例(モータMの回転速度が目標回転速度と一致している場合)を示すタイミングチャート
【図10】第4構成例のFLL回路12の一動作例(モータMの回転速度が目標回転速度よりも速い場合)を示すタイミングチャート
【図11】第4構成例のFLL回路12の一動作例(モータMの回転速度が目標回転速度よりも遅い場合)を示すタイミングチャート
【図12】第4構成例のFLL回路12においてレジスタ更新時の不具合が解消されている様子を示すタイミングチャート
【図13】FLL回路12の第5構成例を示すブロック図
【図14】レディ信号生成部X50の一構成例を示すブロック図
【図15】第5構成例のFLL回路12の一動作例(モータMの回転速度が目標回転速度と一致している場合)を示すタイミングチャート
【図16】第5構成例のFLL回路12の一動作例(モータMの回転速度が目標回転速度よりも速い場合)を示すタイミングチャート
【図17】第5構成例のFLL回路12の一動作例(モータMの回転速度が目標回転速度よりも遅い場合)を示すタイミングチャート
【図18】本発明に係るモータ駆動装置の第2実施形態を示すブロック図
【図19】速度ディスクリミネータ回路の一従来例を示すブロック図
【図20】PLL回路100の一動作例を示すタイミングチャート
【図21】フィルタ回路110の一構成例を示す回路図
【図22】VCO120の入出力特性図
【図23】分周器130の一構成例を示すブロック図
【図24】分周器130の一動作例を示すタイミングチャート
【図25】FLL回路140の一構成例を示すブロック図
【図26】FLL回路140の一動作例を示すタイミングチャート
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下では、モータ駆動装置に搭載される速度ディスクリミネータ回路の一要素として、本発明に係る周波数同期ループ回路を用いた構成を例に挙げて詳細な説明を行う。
【0040】
図1は、本発明に係るモータ駆動装置の第1実施形態を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態のモータ駆動装置は、モータMの駆動制御を行う手段であり、速度ディスクリミネータ回路10と、積分回路20と、ロジック回路30と、プリドライバ40と、ドライバ50と、を有して成る。
【0041】
速度ディスクリミネータ回路10は、モータMの回転速度が所望の目標回転速度よりも速いか遅いかを判定して、モータMの回転速度が目標回転速度と一致するように、速度指令信号VCを生成する手段であり、FGパルス信号生成部11と、周波数同期ループ回路12(以下ではFLL回路12と呼ぶ)と、チャージポンプ回路13と、を有して成る。
【0042】
FGパルス信号生成部11は、差動アンプやコンパレータ(いずれも不図示)を有して成り、モータMの回転速度に応じた差動パターン信号(FGP、FGN)から矩形波形状のFGパルス信号を生成する手段である。
【0043】
FLL回路12は、モータMの目標回転速度を設定するために回路外部から入力される基準クロック信号REFCLKと、FGパルス信号生成部11から入力されるFGパルス信号との周波数比較を行うことにより、周波数誤差信号(加速信号U1と減速信号D1)を生成する手段である。なお、FLL回路12の回路構成及び動作については、後ほど詳細に説明する。
【0044】
チャージポンプ回路13は、FLL回路12から入力される周波数誤差信号(加速信号U1と減速信号D1)に応じた出力電圧を生成する手段であり、加速信号U1が入力されているときには出力電圧を上げるように、逆に、減速信号D1が入力されているときには出力電圧を下げるように、出力電圧の生成制御を行う。
【0045】
積分回路20は、チャージポンプ回路13で生成される出力電圧を積分することによって、速度指令信号VCを生成する手段である。
【0046】
ロジック回路30は、積分回路20から入力される速度指令信号VCと、モータMを構成する各相(U相、V相、W相)のコイルに各々付加されたホールセンサHU、HV、HWから入力される各相のホール信号(より正確には、正弦波形状のホール信号を矩形波形状に変換して得られるホールコンパレータ信号)に基づいて、モータMの回転速度制御と励磁相切換制御を行うように、モータ各相のプリ駆動信号を生成する手段である。
【0047】
プリドライバ40は、ロジック回路30から入力されるプリ駆動信号のレベルシフトや波形成形を行い、モータ各相の駆動信号を生成する手段である。
【0048】
ドライバ50は、プリドライバ40から入力されるモータ各相の駆動信号に基づいて、Hブリッジ接続されたパワートランジスタ(不図示)のスイッチング制御を行い、モータMを構成する各相のコイルに駆動電流を供給する手段である。
【0049】
次に、FLL回路12の回路構成について、図2を参照しながら詳細に説明する。
【0050】
図2は、FLL回路12の第1構成例を示すブロック図である。図2に示すように、本構成例のFLL回路12は、第1カウンタX11と、第2カウンタX21と、第1比較部X12と、第2比較部X22と、第1SRラッチX13と、第2SRラッチX23と、否定論理積演算器X24と、論理積演算器X25と、否定論理和演算器X31と、論理積演算器X32と、を有するほか、第1カウンタX11の第1終了カウント値STOP1と第2カウンタX21の第2終了カウント値STOP2を可変制御するための手段として、基準カウンタY1と、基準レジスタY2と、加算器Y3と、を有して成る。
【0051】
第1カウンタX11のクロック端は、内部クロック信号ICLKの入力端に接続されている。第1カウンタX11のセット端(S)は、第1SRラッチX13の出力端(Q)に接続されている。第1カウンタX11のリセット端(R)は、第1比較部X12の出力端に接続されている。第1比較部X12の第1入力端は、第1カウンタX11の出力端に接続されている。第1比較部X12の第2入力端は、第1終了カウント値STOP1の入力端に接続されている。第1SRラッチX13のセット端(S)は、FGパルス信号の入力端に接続されている。第1SRラッチX13のリセット端(R)は、第1比較部X12の出力端に接続されている。
【0052】
なお、第1カウンタX11、第1比較部X12、及び、第1SRラッチX13は、FGパルス信号の立上がりエッジが到来したときに、内部クロック信号ICLKのカウント動作を開始し、第1カウント開始フラグとして、第1ラッチ信号Q1をローレベルからハイレベルに立ち上げる一方、第1カウンタX11のカウント値C1が第1終了カウント値STOP1に達したときに、第1カウント終了フラグとして、第1ラッチ信号Q1をハイレベルからローレベルに立ち下げる第1カウンタ回路X10を形成している。
【0053】
第2カウンタX21のクロック端は、内部クロック信号ICLKの入力端に接続されている。第2カウンタX21のセット端(S)は、論理積演算器X25の出力端に接続されている。第2カウンタX21のリセット端(R)は、第2比較部X22の出力端に接続されている。第2比較部X22の第1入力端は、第2カウンタX21の出力端に接続されている。第2比較部X22の第2入力端は、第2終了カウント値STOP2の入力端に接続されている。第2SRラッチX23のセット端(S)は、第1比較部X12の出力端に接続されている。第2SRラッチX23のリセット端(R)は、否定論理積演算器X24の出力端に接続されている。
【0054】
否定論理積演算器X24の第1入力端(非反転入力端)は、第1比較部X12の出力端に接続されている。否定論理積演算器X24の第2入力端(反転入力端)は、第2比較部X22の出力端に接続されている。論理積演算器X25の第1入力端は、第1比較部X12の出力端に接続されている。論理積演算器X25の第2入力端は、第2SRラッチX23の出力端(Q)に接続されている。
【0055】
なお、第2カウンタX21、第2比較部X22、第2SRラッチX23、否定論理積演算器X24、及び、論理積演算器X25は、第1カウンタ回路X10の第1カウント終了フラグが立てられたときに、内部クロック信号ICLKのカウント動作を開始し、第2カウント開始フラグとして、第2ラッチ信号Q2をローレベルからハイレベルに立ち上げる一方、第2カウンタX21のカウント値C2が第2終了カウント値STOP2に達したときに、第2カウント終了フラグとして、第2ラッチ信号Q2をハイレベルからローレベルに立ち下げる第2カウンタ回路X20を形成している。
【0056】
否定論理和演算器X31の第1入力端は、第1SRラッチX13の出力端(Q)に接続されている。また、否定論理和演算器X31の第2入力端は、第2SRラッチX23の出力端(Q)に接続されている。否定論理和演算器X31の出力端は、加速信号U1の出力端に接続されている。論理積演算器X32の第1入力端は、第1SRラッチX13の出力端(Q)に接続されている。論理積演算器X32の第2入力端は、第2SRラッチX23の出力端(Q)に接続されている。論理積演算器X32の出力端は、減速信号D1の出力端に接続されている。
【0057】
なお、否定論理和演算器X31、及び、論理積演算器X32は、第1カウンタ回路X10及び第2カウンタ回路X20の動作状態に応じて周波数誤差信号(加速信号U1と減速信号D1)を生成する論理ゲート部X30を形成している。
【0058】
基準カウンタY1のクロック端は、内部クロック信号ICLKの入力端に接続されている。基準カウンタY1のリセット端(R)は、基準クロック信号REFCLKの入力端に接続されている。基準レジスタY2のクロック端は、内部クロック信号ICLKの入力端に接続されている。基準レジスタY2のセット端は、基準クロック信号REFCLKの入力端に接続されている。基準レジスタY2のデータ入力端は、基準カウンタY1の出力端に接続されている。
【0059】
基準レジスタY2は、iビット(例えばi=18ビット)のレジスタデータREG0を出力する。iビットのレジスタデータREG0のうち、上位(i−2)ビット分に相当するレジスタデータREG2は、第1終了カウント値STOP1として、第1比較部X12の第2入力端に送出される。また、iビットのレジスタデータREG0のうち、上位(i−1)ビット分に相当するレジスタデータREG1と、上位(i−2)ビット分に相当するレジスタデータREG2は、加算器Y3に送出される。加算器Y3は、レジスタデータREG1とレジスタデータREG2を足し合わせて、加算データADD1を出力する。加算データADD1は、第2終了カウント値STOP2として、第2比較部X22の第2入力端に送出される。
【0060】
すなわち、本構成例のFLL回路12において、終了カウント値設定部Y0は、基準レジスタY2に格納されたレジスタデータREG0に基づいて、第1終了カウント値STOP1と第2終了カウント値STOP2を設定する構成とされている。より具体的に述べると、終了カウント値設定部Y0は、基準レジスタY2に格納されたレジスタデータREG0をs:1−s(ただし0<s<1であり、図3ではs=1/4)の比率で分配することにより、第1終了カウント値STOP1と第2終了カウント値STOP2を設定する構成とされている。
【0061】
上記構成から成るFLL回路12の動作について図3を参照しながら詳細に説明する。
【0062】
図3は、FLL回路12の一動作例を示すタイミングチャートである。なお、図3の上段には、基準クロック信号REFCLK、基準カウンタY1のカウント値C0、レジスタデータREG1、レジスタデータREG2、及び、加算データADD1が示されている。また、図3の中段には、FGパルス信号の周波数が基準クロック信号REFCLKの周波数よりも低い場合(すなわちモータMの回転速度が目標回転速度よりも遅い場合)における第1カウンタX11のカウント値C1、第1比較部X12の比較信号CS1、第2カウンタX21のカウント値C2、第2比較部X22の比較信号CS2、加速信号U1、及び減速信号D1が示されている。また、図3の下段には、FGパルス信号の周波数が基準クロック信号REFCLKの周波数よりも高い場合(すなわちモータMの回転速度が目標回転速度よりも速い場合)における第1カウンタX11のカウント値C1、第1比較部X12の比較信号CS1、第2カウンタX21のカウント値C2、第2比較部X22の比較信号CS2、加速信号U1、及び、減速信号D1が示されている。
【0063】
まず、第1終了カウント値STOP1と第2終了カウント値STOP2の可変制御動作について、図3の上段を参照しながら詳細に説明する。
【0064】
基準カウンタY1は、内部クロック信号ICLK(基準クロック信号REFCLKに比べて十分に高い周波数を有するクロック信号)をカウントする手段であり、基準クロック信号REFCLKの立上がりエッジをトリガとして、そのカウント値がリセットされるものである。すなわち、基準カウンタY1では、基準クロック信号REFCLKの一周期中(基準クロック信号REFCLKの一の立上がりエッジが到来してから次の立上がりエッジが到来するまでの期間中)に含まれる内部クロック信号ICLKのパルス数がカウントされる。なお、図3の例では、基準クロック信号REFCLKの一周期中に、1600パルスの内部クロック信号ICLKがカウントされている。
【0065】
基準レジスタY2は、基準クロック信号REFCLKの立上がりエッジをトリガとして基準カウンタY1のカウント値C0(リセットされる直前のカウント値)を格納するiビット(例えばi=18ビット)のデータ保持手段である。すなわち、図3の例では、基準クロック信号REFCLKの立上がりエッジ毎に、基準レジスタY2のレジスタデータREG0として、カウント値「1600」が格納される。
【0066】
上記のレジスタデータREG0に基づいて、第1終了カウント値STOP1と第2終了カウント値STOP2を設定する場合、第1終了カウント値STOP1と第2終了カウント値STOPとの合算値は、レジスタデータREG0と一致していなければならない。そのためには、レジスタデータREG0をs:1−s(ただし0<s<1であり、図3ではs=1/4)の比率で分配することにより、第1終了カウント値STOP1(=s×REG0)と第2終了カウント値STOP2(=(1−s)×REG0)を設定すればよい。
【0067】
先にも述べた通り、第1終了カウント値STOP1としては、iビットのレジスタデータREG0のうち、上位(i−2)ビット分に相当するレジスタデータREG2が設定される。すなわち、第1終了カウント値STOP1としては、レジスタデータREG0を2ビットシフトさせたカウント値(=(1/4)×REG0)が設定される。図3の例に即して具体的に述べると、第1終了カウント値STOP1としては、カウント値「400」が設定される。
【0068】
また、第2終了カウント値STOP2としては、iビットのレジスタデータREG0のうち、上位(i−1)ビット分に相当するレジスタデータREG1と、上位(i−2)ビット分に相当するレジスタデータREG2を足し合わせた加算データADD1が設定される。すなわち、第2終了カウント値STOP2としては、レジスタデータREG0を1ビットシフトさせたカウント値(=(1/2)×REG0)と、レジスタデータREG0を2ビットシフトさせたカウント値(=(1/4)×REG0)とを足し合わせたカウント値(=(3/4)×REG0)が設定される。図3の例に即して具体的に述べると、第2終了カウント値STOP2としては、カウント値「1200」が設定される。
【0069】
このような構成であれば、極めて簡易なデジタル信号処理によって、レジスタデータREG0をs:1−sの比率で分配し、第1終了カウント値STOP1と第2終了カウント値STOP2を適切に可変制御することが可能となる。
【0070】
なお、図3の例では、レジスタデータREG0の分配比率として、s=1/4と設定した構成を例示して説明を行ったが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、加算器Y3の構成を変更することにより、任意の分配比率を設定することが可能である。
【0071】
次に、FGパルス信号の周波数が基準クロック信号REFCLKの周波数よりも低い場合の動作について、図3の中段を参照しながら説明する。FGパルス信号に一の立上がりエッジが到来したとき、これをトリガとして、第1カウンタX11による内部クロック信号ICLKのカウント動作が開始される。第1カウンタX11のカウント値C1が第1終了カウント値STOP1(図3の例では400カウント)に達すると、第1カウンタX11のカウント動作が終了されて、そのカウント値C1がリセットされるとともに、第2カウンタX21による内部クロック信号ICLKのカウント動作が開始される。第2カウンタX21のカウント値C2が第2終了カウント値STOP2(図3の例では1200カウント)に達すると、第2カウンタX21のカウント動作が終了されて、そのカウント値C2がリセットされる。この時点で、FGパルス信号に次の立上がりエッジが到来していなければ、第1カウンタX11と第2カウンタX21は、いずれもカウント動作を行っていない状態となる。このような状態が生じていれば、モータMの回転速度が目標回転速度よりも遅いということになるので、FGパルス信号に次の立上がりエッジが到来して、第1カウンタX11のカウント動作が開始されるまで、加速信号Uがハイレベルとされる。
【0072】
次に、FGパルス信号の周波数が基準クロック信号REFCLKの周波数よりも高い場合の動作について、図3の下段を参照しながら説明する。FGパルス信号に一の立上がりエッジが到来してから第2カウンタX21による内部クロック信号ICLKのカウント動作が開始されるまでの動作は先述と同様であるが、第2カウンタX21のカウント値C2が第2終了カウント値STOP2に達するよりも先に、FGパルス信号の次の立上がりエッジが到来した場合には、第2カウンタX21のカウント終了を待つことなく、第1カウンタX11のカウント動作が開始され、第1カウンタX11と第2カウンタX21は、同時にカウント動作を行っている状態となる。このような状態が生じていれば、モータMの回転速度が目標回転速度よりも速いということになるので、第2カウンタX21のカウント値C2が第2終了カウント値STOP2に達して、第2カウンタX21のカウント動作が終了されるまで、減速信号Dがハイレベルとされる。
【0073】
すなわち、FLL回路12は、FGパルス信号の周期が基準クロック信号REFCLKの周期よりも長ければ、モータMの回転速度が目標回転速度よりも遅いと判断して加速信号U1を出力し、FGパルス信号の周期が基準クロック信号REFCLKの周期よりも短ければ、モータMの回転速度が目標回転速度よりも速いと判断して減速信号D1を出力する構成とされている。
【0074】
特に、本構成例のFLL回路12は、制御対象となるFGパルス信号の周波数と基準クロック信号REFCLKの周波数を比較して周波数誤差信号(加速信号U1、減速信号D1)を生成するものであって、FGパルス信号の立上がりエッジが到来したときに、内部クロック信号ICLKのカウント動作を開始して第1カウント開始フラグを立て、そのカウント値C1が第1終了カウント値STOP1に達したときに、第1カウント終了フラグを立てる第1カウンタ回路X10と;第1カウント終了フラグが立てられたときに、内部クロック信号ICLKのカウント動作を開始して第2カウント開始フラグを立て、そのカウント値C2が第2終了カウント値STOP2に達したときに、第2カウント終了フラグを立てる第2カウンタ回路X20と;基準クロック信号REFCLKの一周期中に含まれる内部クロック信号ICLKのパルス数をカウントする基準カウンタY1と;基準クロック信号REFCLKの一周期毎に基準カウンタY1のカウント値C0を格納する基準レジスタY2と;基準レジスタY2に格納されたレジスタデータREG0に基づいて(より具体的には、レジスタデータREG0をs:1−s(ただし0<s<1)の比率で分配することにより)、第1終了カウント値STOP1と第2終了カウント値STOPを設定する終了カウント値設定部Y0と;第1カウンタ回路X10及び第2カウンタ回路X20の動作状態に応じて周波数誤差信号(加速信号U1、減速信号D1)を生成する論理ゲート部X30と;を有して成る構成とされている。
【0075】
このような構成とすることにより、基準クロック信号REFCLKの逓倍手段を必要としないFLL回路12を実現することができるので、速度ディスクリミネータ回路10を構成する際に、フィルタ回路を含むフィードバックループを設ける必要がなくなる。従って、速度ディスクリミネータ回路10、及び、これを備えたモータ駆動装置の回路規模を縮小するとともに、外付け素子を削減することが可能となる。また、本構成を採用することにより、フィルタ定数の合わせ込みが不要となる上、基準クロック信号REFCLKの周波数変化に対しても、より高速に応答することが可能となる。
【0076】
次に、FLL回路12の第2構成例について説明する。先に説明した第1構成例のFLL回路12では、基準レジスタY2に格納されたレジスタデータREG0を1/2ないし1/4に除算するデジタル信号処理が行われるため、レジスタデータREG0として格納される内部クロック信号ICLKのパルス数によっては、第1終了カウント値STOP1の設定時に、剰余を生じる場合がある。
【0077】
そこで、第2構成例のFLL回路12は、図4に示すように、先の構成要素に加えて、FGパルス信号のパルスエッジが到来したときに、内部クロック信号ICLKのカウント動作が開始され、そのカウント値C3が待機カウント値WAITに達したときに、そのカウント動作が終了される第3カウンタX41と;第3カウンタX41のカウンタ値C3が待機カウント値WAITに達しているか否かに応じて比較信号CS3を生成する第3比較部X42と;を有する構成とされている。
【0078】
なお、第3カウンタX41、及び、第3比較部X42は、FGパルス信号の立上がりエッジが到来したときに、内部クロック信号ICKのカウント動作を開始し、第3カウンタX41のカウント値C3が待機カウント値WAITに達したときに、第3カウント終了フラグとして、比較信号CS3にパルスを立てる第3カウンタ回路X30を形成している。
【0079】
また、第2構成例のFLL回路12において、終了カウント値設定部は、待機カウント値WAITとして、基準レジスタY2に格納されたiビットのレジスタデータREG0のうち、下位2ビット分に相当するレジスタデータREM2を設定する構成とされている。
【0080】
そして、第2構成例のFLL回路12において、第1カウンタ回路X10は、FGパルス信号の立上がりエッジが到来してから、第3カウンタ回路X40のカウント動作が終了されるまで、そのカウント動作の開始が待機される構成とされている。また、第2カウンタ回路X20は、第1カウンタ回路X10のカウント動作が終了されるまで、そのカウント動作の開始が待機される構成とされている。
【0081】
すなわち、より上位概念的に述べると、第2構成例のFLL回路12において、終了カウント値設定部は、第1終了カウント値STOP1の設定時に生じたレジスタデータREG0の剰余分を待機カウント値WAITとして設定するものであり、第1カウンタ回路X10は、FGパルス信号のパルスエッジが到来してから、内部クロック信号ICLKのパルス数が待機カウント値WAITに達するまで、そのカウント動作の開始が待機されるものであり、第2カウンタ回路X20は、第1カウンタ回路X10のカウント動作が終了されるまで、そのカウント動作の開始が待機されるものである構成とされている。
【0082】
このような構成とすることにより、レジスタデータREG0の除算処理時に剰余が生じた場合であっても、これに起因する誤差を回避することが可能となり、より高精度にモータMの回転速度制御を行うことが可能となる。
【0083】
次に、FLL回路12の第3構成例について、図5を参照しながら説明する。図5は、FLL回路12の第3構成例を示すブロック図である。図5に示すように、本構成例のFLL回路12は、先に説明した第2構成例とほぼ同様の構成から成る。そこで、第2構成例と同様の構成要素については、図4と同一の符号を付すことで重複した説明を省略し、以下では、第3構成例の特徴部分について重点的な説明を行う。
【0084】
第3構成例のFLL回路12は、図4に示した構成要素に加えて、第2基準レジスタY4と、インバータY5と、を有して成る。第2基準レジスタY4のクロック端は、内部クロック信号ICLKの入力端に接続されている。第2基準レジスタY4のセット端は、インバータY5の出力端に接続されている。インバータY5の入力端は、基準クロック信号REFCLKの入力端に接続されている。第2基準レジスタY4のデータ入力端は、基準レジスタY2の出力端に接続されている。
【0085】
第2基準レジスタY4は、iビット(例えばi=18ビット)のレジスタデータREG0’を出力する。iビットのレジスタデータREG0’のうち、上位(i−2)ビット分に相当するレジスタデータREG2は、第1終了カウント値STOP1として第1比較部X12の第2入力端に送出される。また、iビットのレジスタデータREG0’のうち、上位(i−1)ビット分に相当するレジスタデータREG1と、上位(i−2)ビット分に相当するレジスタデータREG2は、加算器Y3に送出される。加算器Y3は、レジスタデータREG1とレジスタデータREG2を足し合わせて、加算データADD1を出力する。加算データADD1は、第2終了カウント値STOP2として、第2比較部X22の第2入力端に送出される。
【0086】
上記構成から成るFLL回路12において、基準レジスタY2は、基準クロック信号REFCLKの立上がりエッジが到来したときにレジスタデータREG0の更新を行い、第2基準レジスタY4は、基準クロック信号REFCLKの立下がりエッジが到来したときにレジスタデータREG0’の更新を行う。
【0087】
すなわち、第3構成例のFLL回路12は、基準レジスタY2のデータ更新タイミング(基準クロック信号REFCLKの立上がりエッジ)とは異なるタイミング(基準クロック信号REFCLKの立下がりエッジ)で基準レジスタY2に格納されているレジスタデータREG0を読み出し、これを自身のレジスタデータREG0’として格納する第2基準レジスタを有して成り、終了カウント値設定部Y0は、第2基準レジスタY4に格納されたレジスタデータREG0’ (延いては、基準レジスタY2に格納されたレジスタデータREG0)に基づいて、第1終了カウント値STOP1と第2終了カウント値STOP2を設定する構成とされている。
【0088】
上記の第3構成例を採用する意義について、図6と図7を比較参照しながら詳細に説明する。図6は、レジスタ更新時に不具合が生じる様子を示すタイミングチャートであり、図7は、第3構成例のFLL回路12においてレジスタ更新時の不具合が解消されている様子を示すタイミングチャートである。
【0089】
FLL回路12で生成される周波数誤差信号(加速信号U1、減速信号D1)を用い、FGパルス信号と基準クロック信号REFCLKの周波数が一致するように、モータMの回転速度をフィードバック制御した場合、第2カウンタX21のカウント値C2が第2終了カウント値STOP2に到達するタイミングは、必然的に基準クロック信号REFCLKの立上がりエッジ付近となる。一方、先出の第1構成例や第2構成例では、先にも説明したように、基準クロック信号REFCLKの立上がりエッジで、基準レジスタY2のレジスタデータREG0が更新され、その値に基づいて第1終了カウント値STOP1や第2終了カウント値STOP2が更新される。
【0090】
ここで、第2カウンタX21のカウント値C2が上記のデータ更新タイミングよりも先に第2終了カウント値STOP2に到達した場合や、上記のデータ更新タイミングにおいて、第2カウンタX21のカウント値C2が第2終了カウント値STOP2に未達であったものの、第2終了カウント値STOP2が現在の値よりも大きい値に更新された場合、或いは、上記のデータ更新タイミングにおいて、第2カウンタX21のカウント値C2が第2終了カウント値STOP2に未達であり、かつ、第2終了カウント値STOP2が現在の値よりも小さい値に更新されたものの、更新後における第2終了カウント値STOP2が第2カウンタX21のカウント値C2よりも大きかった場合には、第2比較部X22の比較動作に特段の問題は生じず、第2カウンタX21のカウンタ値C2は、第2終了カウント値STOP2に到達した時点で正常にリセットされる。
【0091】
しかしながら、上記のデータ更新タイミングにおいて、第2カウンタX21のカウント値C2が第2終了カウント値STOP2に未達であり、かつ、第2終了カウント値STOP2が現在の値よりも小さい値に更新されたとき、更新後における第2終了カウント値STOP2が第2カウンタX21のカウント値C2よりも小さかった場合には、第2カウンタX21のカウント値C2と第2終了カウント値STOP2が以後一致しなくなる。そのため、第2カウンタ回路X20は、第2カウント終了フラグとして、第2ラッチ信号Q2をハイレベルからローレベルに立ち下げることができなくなり、FLL回路12は、第1カウンタ回路X10がカウント動作を行っている間、常に減速信号D1をハイレベルとする状態(フル減速状態)に陥ってしまう。
【0092】
一方、第3構成例のFLL回路12では、基準クロック信号REFCLKの立上がりエッジで、基準レジスタY2のレジスタデータREG0が更新された後、基準クロック信号REFCLKの立下がりエッジで、第2レジスタY2のレジスタデータREG0’が更新され、その値に基づいて第1終了カウント値STOP1や第2終了カウント値STOP2が更新される。
【0093】
従って、第3構成例のFLL回路12であれば、第2カウンタX21のカウント値C2が十分に小さいタイミングで、第2終了カウント値STOP2が更新されるので、第2カウンタX21のカウント値C2と第2終了カウント値STOP2を確実に一致させることができ、先述の不具合を未然に回避することが可能となる。
【0094】
次に、FLL回路12の第4構成例について、図8を参照しながら説明する。図8は、FLL回路12の第4構成例を示すブロック図である。図8に示すように、本構成例のFLL回路12は、先に説明した第3構成例に近似した構成から成る。そこで、第3構成例と同様の構成要素については、図5と同一の符号を付すことで重複した説明を省略し、以下では、第4構成例の特徴部分について重点的な説明を行う。
【0095】
本構成例のFLL回路12における第1の特徴部分は、終了カウント値設定部Y0から加算器Y3が除かれている点である。なお、本構成例のFLL回路12において、第2基準レジスタY4から出力されるiビットのレジスタデータREG0’のうち、上位(i−2)ビット分に相当するレジスタデータREG2は、第1終了カウント値STOP1及び第2終了カウント値STOP2として、第1比較部X12の第2入力端、及び、第2比較部X22の第2入力端に各々送出される。
【0096】
すなわち、本構成例のFLL回路12において、終了カウント値設定部Y0は、第2基準レジスタY4に格納されたレジスタデータREG0’(延いては、基準レジスタY2に格納されたレジスタデータREG0)の1/x(ただしx>1であり、図8ではx=4)を第1終了カウント値STOP1として設定し、1/y(ただしy≧xであり、図8ではy=4)を第2終了カウント値STOP2として設定する構成とされている。
【0097】
本構成例のFLL回路12における第2の特徴部分は、第3カウンタ回路X40を用いて、第1カウンタ回路X10のカウント動作を待機させるのではなく、第2カウンタ回路X20のカウント動作を待機させている点である。より具体的に述べると、第3カウンタ回路X40は、第1カウント終了フラグが立てられたときに、内部クロック信号ICLKのカウント動作を開始し、第3カウンタX41のカウント値C3が待機カウント値WAITに達したときに、第3カウント終了フラグとして、比較信号CS3にパルスを立てる構成とされている。このような構成とすることにより、先に説明した第2構成例や第3構成例と同様、レジスタデータREG0の除算処理時に剰余が生じた場合であっても、これに起因する誤差を回避することが可能となり、より高精度にモータMの回転速度制御を行うことが可能となる。
【0098】
すなわち、レジスタデータREG0の除算処理で生じる剰余の問題を解消するために、第3カウンタ回路X40を用いて、第1カウンタ回路X10のカウント動作を待機させるか、第2カウンタ回路X20のカウント動作を待機させるかは、任意であると言える。
【0099】
本構成例のFLL回路12における第3の特徴部分は、第2カウンタ回路X20の構成要素として、論理積演算器X25が除かれる一方、第4カウンタX26と第4比較部X27が追加されている点である。第4カウンタX26のクロック端は、第2比較部X22の出力端に接続されている。第4カウンタX26のセット端(S)は、第1比較部X12の出力端に接続されている。第4カウンタX26のリセット端(R)は、第4比較部X27の出力端に接続されている。第4比較部X27の第1入力端は、第4カウンタX26の出力端に接続されている。第4比較部X27の第2入力端には、ループ回数α(ただし、α={(x−1)×y/x}であり、図8ではα=3)を設定するための参照値REF4が入力されている。第4比較部X27の出力端は、第2カウンタX21のリセット端(R)に接続されている。
【0100】
なお、図8では、説明の便宜上、第4カウンタX26のカウント値C4と所定の参照値REF4とを第4比較部X27に入力し、両者を比較して比較信号CS4を生成する構成を例に挙げたが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、第4カウンタX26のカウント値C4に所定の論理演算処理を施し、その演算結果を比較信号CS4として出力する構成としても構わない。例えば、ループ回数αが3回(2ビット表記で「11b」)である場合には、カウント値C4の下位から第1ビット目と第2ビット目の論理積演算を行い、その演算結果を比較信号CS4として出力すればよい。このとき、比較信号CS4は、カウント値C4がループ回数αに達するまでローレベルとなり、カウント値C4がループ回数αに達したときにハイレベルとなる。
【0101】
上記した通り、本構成例のFLL回路12において、第2カウンタ回路X20は、第1カウント終了フラグが立てられたとき(図8では第3カウント終了フラグが立てられたとき)に、内部クロック信号ICLKのカウント動作を開始し、第2カウント開始フラグとして、第2ラッチ信号Q2をローレベルからハイレベルに立ち上げる一方、第2カウンタX21のカウント値C2が第2終了カウント値STOP2に達する毎にカウント値C2をリセットして、第4カウンタX26のカウント値C4(カウント値到達回数)を1つインクリメントし、カウント値C4がループ回数α(=3)に達したときに、第2カウント終了フラグとして、第2ラッチ信号Q2をハイレベルからローレベルに立ち下げる。
【0102】
図9〜図11は、第4構成例のFLL回路12の一動作例を示すタイミングチャートであり、それぞれ、モータMの回転速度が目標回転速度と一致している場合、モータMの回転速度が目標回転速度よりも速い場合、及び、モータMの回転速度が目標回転速度よりも遅い場合を示している。なお、図9〜図11には、それぞれ、基準クロック信号REFCLK、FGパルス信号、基準カウンタY1のカウント値C0、レジスタデータREG0、レジスタデータREG0’、第1カウンタX11のカウント値C1、第2カウンタX21のカウント値C2、第1ラッチ信号Q1、第2ラッチ信号Q2、加速信号U1、及び、減速信号D1が示されている。
【0103】
図9〜図11からも分かるように、第1カウンタ回路X10は、内部クロック信号ICLKのパルス数を第1終了カウント値STOP1(=(1/4)×REG0’)だけカウントし、第2カウンタ回路X20は、内部クロック信号ICLKのパルス数を第2終了カウント値STOP2×ループ回数α(={(1/4)×REG0’}×3=(3/4)×REG0’)だけ繰り返してカウントする。
【0104】
このような構成とすることにより、回路規模の大きい加算器Y4を用いることなく、第4カウンタX26と第4比較部X27を追加するだけで、先出の第1〜第3構成例と同様の効果を奏することが可能となる。また、本構成例のFLL回路12であれば、第2カウンタX21のビット数を削減することができるので、第2カウンタ回路X20の回路規模を縮小することも可能となる。
【0105】
図8に戻り、本構成例のFLL回路12の特徴部分について詳細な説明を続ける。本構成例のFLL回路12における第4の特徴部分は、第3構成例で追加されたインバータY5に代えて、第5カウンタY6と第5比較部Y7を有している点である。第5カウンタY6のクロック端は、内部クロック信号ICLKの入力端に接続されている。第5カウンタY6のセット端(S)は、第1比較部X12の出力端に接続されている。第5カウンタXY6のリセット端(R)は、第5比較部Y7の出力端に接続されている。第5比較部Y7の第1入力端は、第5カウンタY6の出力端に接続されている。第5比較部Y7の第2入力端は、遅延時間Td(後出の図12を参照)を設定するための参照値REF5の入力端に接続されている。第5比較部Y7の出力端は、第2基準レジスタY4のセット端(S)に接続されている。
【0106】
上記の技術的特徴を採用する意義について、先出の図9〜図11と図12を参照しながら詳細に説明する。図12は、第4構成例のFLL回路12においてレジスタ更新時の不具合が解消されている様子を示すタイミングチャートである。これらの図面に示したように、本構成例のFLL回路12において、基準レジスタY2は、基準クロック信号REFCLKの立上がりエッジが到来したときにデータ更新を行い、第2基準レジスタY4は、第1カウント終了フラグが立てられた直後にデータ更新を行う構成とされている。なお、図12の例では、第1カウンタ回路X10のカウント動作が終了し、さらに、第3カウンタ回路X40のカウント動作が終了した時点で、速やかに第2基準レジスタY4のデータ更新が行われるように、待機時間Td(すなわち参照値REF5)が設定されている。
【0107】
このような構成とすることにより、第2カウンタX21のカウント値C2が十分に小さいタイミングで、第2終了カウント値STOP2が更新されるので、第2カウンタX21のカウント値C2と第2終了カウント値STOP2を確実に一致させることができ、リセット不能などの不具合を未然に回避することが可能となる。特に、第2カウンタX21のリセット機会が多くなる第4構成例では、第3構成例のインバータY5に代えて、第5カウンタY6と第5比較部Y7を用いることが望ましい。
【0108】
なお、図8では、説明の便宜上、第5カウンタY6のカウント値C5と所定の参照値REF5とを第5比較部Y7に入力し、両者を比較して比較信号CS5を生成する構成を例に挙げたが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、第5カウンタY6のカウント値C5から比較信号CS5を直接的に生成する構成としても構わない。
【0109】
例えば、第4構成例のFLL回路12において、第3カウンタX41には、待機カウント値WAITとして、レジスタデータREG0’の下位2ビット分に相当するレジスタデータREM2が入力されているため、第3カウンタX41のカウント値C3は、最大でも3(2進数表記では「11b」)である。そこで、第3カウンタ回路X40のカウント動作が終了した時点で、遅滞なく第2基準レジスタY4のデータ更新を行うためには、第5カウンタY6として3ビットのカウンタを用い、第5カウンタY6のカウント値C5の最上位ビットを比較信号CS5として出力すればよい。このとき、比較信号CS5は、カウント値C5が3(=011b)を超えるまでローレベルとなり、カウント値C5が4(=100b)に達したときにハイレベルとなる。
【0110】
次に、FLL回路12の第5構成例について、図13を参照しながら説明する。図13は、FLL回路12の第5構成例を示すブロック図である。図13に示すように、本構成例のFLL回路12は、先に説明した第4構成例とほぼ同様の構成から成る。そこで、第4構成例と同様の構成要素については、図8と同一の符号を付すことで重複した説明を省略し、以下では、第5構成例の特徴部分について重点的な説明を行う。
【0111】
本構成例のFLL回路12における第1の特徴部分は、第2基準レジスタY4から出力されるiビットのレジスタデータREG0’のうち、上位(i−2)ビット分に相当するレジスタデータREG2が第1終了カウント値STOP1として第1比較部X12の第2入力端に送出され、上位(i−4)ビット分に相当するレジスタデータREG4が第2終了カウント値STOP2として第2比較部X22の第2入力端に送出される点である。
【0112】
すなわち、本構成例のFLL回路12において、終了カウント値設定部Y0は、第2基準レジスタY4に格納されたレジスタデータREG0’(延いては基準レジスタY2に格納されたレジスタデータREG0)の1/x(ただしx>1であり、図13ではx=4)を第1終了カウント値STOP1として設定し、1/y(ただしy≧xであり、図13ではy=16)を第2終了カウント値STOP2として設定する構成とされている。
【0113】
本構成例のFLL回路12における第2の特徴部分は、第2カウンタ回路X20の構成要素として、論理和演算器X28が追加されており、第2カウンタX21がレディ信号READYを生成するためのレディカウンタとしても共用されている点である。論理和演算器X28の第1入力端は、第2比較部X22の出力端に接続されている。論理和演算器X28の第2入力端は、レディ信号生成部X50のマスク信号出力端に接続されている。論理和演算器X28の出力端は、第4カウンタX26のセット端(S)に接続されている。
【0114】
なお、第4カウンタX26としては、4ビットのカウンタが用いられており、第4比較部X27の第2入力端には、ループ回数α(ただしα={(x−1)×y/x}であり、図13ではα=12)を設定するための参照値REF4が入力されている。また、第4比較部X27の出力端と第2カウンタX21のリセット端(R)とを結んでいた信号経路は削除されている。
【0115】
また、第4カウンタX26のカウント値C4がその最大値15に達した場合、レディ信号生成部X50から論理和演算器X28に入力されるマスク信号(比較信号CS8)がハイレベルとされ、第4カウンタX26への入力論理がハイレベルに固定される。
【0116】
上記した通り、本構成例のFLL回路12において、第2カウンタ回路X20は、第1カウント終了フラグが立てられたとき(図13では第3カウント終了フラグが立てられたとき)に、内部クロック信号ICLKのカウント動作を開始し、第2カウント開始フラグとして、第2ラッチ信号Q2をローレベルからハイレベルに立ち上げる一方、第2カウンタX21のカウント値C2が第2終了カウント値STOP2に達する毎にカウント値C2をリセットして、第4カウンタX26のカウント値C4(カウント値到達回数)を1つインクリメントし、カウント値C4がループ回数α(=12)に達したときに、第2カウント終了フラグとして、第2ラッチ信号Q2をハイレベルからローレベルに立ち下げる。ただし、先にも述べたように、本構成例のFLL回路12では、第2カウンタX21がレディ信号READYを生成するためのレディカウンタとしても共用されているため、第4カウンタX26のカウント値C4が所定のループ回数αに達した以後も、第2カウンタ回路X20のカウント動作は終了されることなく、上記と同様のカウント動作が継続される。
【0117】
図14は、レディ信号生成部X50の一構成例を示すブロック図である。図14に示すように、本構成例のレディ信号生成部X50は、第6比較部X51と、第7比較部X52と、第8比較部X53と、第3SRラッチX54と、DラッチX55と、を有して成る。
【0118】
第6比較部X51の第1入力端は、第4カウンタX26の出力端に接続されている。第6比較部X51の第2入力端には、ゲート期間開始タイミングを設定するための参照値REF6(=11)が入力されている。第7比較部X52の第1入力端は、第4カウンタX26の出力端に接続されている。第7比較部X52の第2入力端には、ゲート期間終了タイミングを設定するための参照値REF7(=13)が入力されている。第8比較部X53の第1入力端は、第4カウンタX26の出力端に接続されている。第8比較部X53の第2入力端には、マスク期間開始タイミングを設定するための参照値REF8(=15)が入力されている。第8比較部X53の出力端は、マスク信号(比較信号CS8)の出力端として、論理和演算器X28の第2入力端に接続されている。第3SRラッチX54のセット入力端(S)は、第6比較部X51の出力端に接続されており、比較信号CS6が入力されている。第3SRラッチX54のリセット入力端(R)は、第7比較部X52の出力端に接続されており、比較信号CS7が入力されている。DラッチX55のデータ入力端(D)は、第3SRラッチX54の出力端(Q)に接続されており、ゲート信号G1が入力されている。DラッチX55のクロック入力端は、FGパルス信号の入力端に接続されている。DラッチX55の出力端(Q)は、レディ信号READYの出力端に接続されている。
【0119】
なお、図14では、説明の便宜上、第4カウンタX26のカウント値C4と所定の参照値REF6〜REF8とを第6比較部X51〜第8比較部X53に各々入力し、両者を比較して比較信号CS6〜CS8を生成する構成を例に挙げたが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、第4カウンタX26のカウント値C4に所定の論理演算処理を施し、その演算結果を比較信号CS6〜CS8として出力する構成としても構わない。
【0120】
図15〜図17は、第5構成例のFLL回路12の一動作例を示すタイミングチャートであり、それぞれ、モータMの回転速度が目標回転速度と一致している場合、モータMの回転速度が目標回転速度よりも速い場合、及び、モータMの回転速度が目標回転速度よりも遅い場合を示している。なお、図15〜図17には、それぞれ、基準クロック信号REFCLK、FGパルス信号、基準カウンタY1のカウント値C0、レジスタデータREG0、レジスタデータREG0’、第1カウンタX11のカウント値C1、第2カウンタX21のカウント値C2、第1ラッチ信号Q1、第2ラッチ信号Q2、加速信号U1、減速信号D1、ゲート信号G1、及び、レディ信号READYが示されている。
【0121】
図15〜図17からも分かるように、第1カウンタ回路X10は、内部クロック信号ICLKのパルス数を第1終了カウント値STOP1(=(1/4)×REG0’)だけカウントし、第2カウンタ回路X20は、内部クロック信号ICLKのパルス数を第2終了カウント値STOP2×ループ回数α(={(1/16)×REG0’}×12=(3/4)×REG0’)だけ繰り返してカウントする。さらに、第2カウンタ回路X20は、レディ信号READYを生成するために、上記のカウント動作を継続する。
【0122】
このような構成とすることにより、第4構成例と同様、回路規模の大きい加算器Y4を用いることなく、先の第1〜第3構成例と同様の効果を奏することが可能となる。また、本構成例のFLL回路12であれば、第4構成例よりもさらに第2カウンタX21のビット数を削減することができるので、第2カウンタ回路X20の回路規模をより縮小することも可能となる。
【0123】
また、本構成例のFLL回路12において、レディ信号生成部X50は、FGパルス信号の立上がりエッジが到来したときに、第4カウンタX26のカウント値C4(すなわち第2カウンタ回路X20のカウント値到達回数)が所定範囲内であるか否かを検出し、その検出結果に応じた論理レベルのレディ信号READYを生成する。
【0124】
図15〜図17に即して具体的に述べると、レディ信号生成部X50は、第4カウンタX26のカウント値C4が参照値REF6(=11)となったときに、ゲート信号G1をハイレベルとし、第4カウンタX26のカウント値C4が参照値REF7(=13)となったときに、ゲート信号G1をローレベルとする。このようにして設定されたゲート信号G1のハイレベル期間(ゲート期間)に、FGパルス信号の立上がりエッジが到来したときは、基準クロック信号REFCLKの周期に対してFGパルス信号の周期が±6.25%以内にあり、モータMの回転が安定していると判定することができるので、この状態を報知するためにレディ信号READYはハイレベルとなる。一方、ゲート信号G1のローレベル期間(非ゲート期間)に、FGパルス信号の立上がりエッジが到来したときには、基準クロック信号REFCLKの周期に対してFGパルス信号の周期が±6.25%以内になく、モータMの回転が不安定であると判定することができるので、この状態を報知するためにレディ信号READYはローレベルとなる。
【0125】
このように、本構成例のFLL回路12であれば、レディ信号READYを生成するためのレディカウンタとして、第2カウンタX21を共用することができるので、回路規模の縮小に貢献することが可能となる。また、本構成例のFLL回路12であれば、先に説明した第5カウンタY6と第7比較部Y7の働きにより、第2カウンタX21のカウント値C2が十分に小さいタイミングで、第2終了カウント値STOP2が更新されるので、第2カウンタX21のカウント値C2と第2終了カウント値STOP2を確実に一致させることができ、リセット不能などの不具合(本構成例では、先述のフル減速状態のほか、定常的なレディ外れ状態)を未然に回避することが可能となる。
【0126】
なお、上記の実施形態では、モータ駆動装置に搭載される速度ディスクリミネータ回路の一要素として、本発明に係る周波数同期ループ回路を用いた構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、その他の用途に供される周波数同期ループ回路にも広く適用することが可能である。
【0127】
また、本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
【0128】
例えば、上記実施形態では、FLL回路12の回路構成や動作を重点的に説明すべく、速度ディスクリミネータ回路10としては、FLL回路12の周波数誤差信号(加速信号U1、減速信号D1)のみに応じて、速度指令信号VCを生成する構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、図18に示すように、FLL回路12とは別に、FGパルス信号と基準クロック信号REFCLKの位相を比較して位相誤差信号(加速信号U2、減速信号D2)を生成する位相同期ループ回路14を有して成り、周波数誤差信号と位相誤差信号の双方に応じた速度指令信号VCを生成する構成としても構わない。このような構成を採用すれば、より高精度にモータMの回転速度制御を行うことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明は、例えば、モータ駆動装置に搭載される速度ディスクリミネータ回路の回路規模縮小や外付け素子の削減を実現する上で有用な技術である。
【符号の説明】
【0130】
10 速度ディスクリミネータ回路
11 FGパルス信号生成回路
12 周波数同期ループ回路(FLL回路)
13 チャージポンプ回路
14 位相同期ループ回路(PLL回路)
15 チャージポンプ回路
20 積分回路
30 ロジック回路
40 プリドライバ
50 ドライバ
M モータ
X10 第1カウンタ回路
X11 第1カウンタ
X12 第1比較部
X13 第1SRラッチ
X20 第2カウンタ回路
X21 第2カウンタ
X22 第2比較部
X23 第2SRラッチ
X24 否定論理積演算器
X25 論理積演算器
X26 第4カウンタ
X27 第4比較部
X28 論理和演算器
X30 論理ゲート部
X31 否定論理和演算器
X32 論理積演算器
X40 第3カウンタ回路
X41 第3カウンタ
X42 第3比較部
X50 レディ信号生成部
X51 第6比較部
X52 第7比較部
X53 第8比較部
X54 第3SRラッチ
X55 Dラッチ
Y1 基準カウンタ
Y2 基準レジスタ
Y3 加算器
Y4 第2基準レジスタ
Y5 インバータ
Y6 第5カウンタ
Y7 第5比較部
Y0 終了カウント値設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象となるパルス信号の周波数と基準クロック信号の周波数とを比較して周波数誤差信号を生成する周波数同期ループ回路であって、
前記パルス信号のパルスエッジが到来したときに、内部クロック信号のカウント動作を開始して第1カウント開始フラグを立て、そのカウント値が第1終了カウント値に達したときに、第1カウント終了フラグを立てる第1カウンタ回路と;
第1カウント終了フラグが立てられたときに、前記内部クロック信号のカウント動作を開始して第2カウント開始フラグを立て、そのカウント値が第2終了カウント値に達したときに、第2カウント終了フラグを立てる第2カウンタ回路と;
前記基準クロック信号の一周期中に含まれる前記内部クロック信号のパルス数をカウントする基準カウンタと;
前記基準クロック信号の一周期毎に前記基準カウンタのカウント値を格納する基準レジスタと;
前記基準レジスタに格納されたレジスタデータに基づいて、第1終了カウント値と第2終了カウント値を設定する終了カウント値設定部と;
第1カウンタ回路及び第2カウンタ回路の動作状態に応じて前記周波数誤差信号を生成する論理ゲート部と;
を有して成ることを特徴とする周波数同期ループ回路。
【請求項2】
前記終了カウント値設定部は、前記基準レジスタに格納されたレジスタデータをs:1−s(ただし0<s<1)の比率で分配することにより、第1終了カウント値と第2終了カウント値を設定することを特徴とする請求項1に記載の周波数同期ループ回路。
【請求項3】
前記終了カウント値設定部は、第1終了カウント値の設定時に生じた前記レジスタデータの剰余分を待機カウント値として設定するものであり、
第1カウンタ回路は、前記パルス信号のパルスエッジが到来してから、前記内部クロック信号のパルス数が前記待機カウント値に達するまで、そのカウント動作の開始が待機されるものであり、
第2カウンタ回路は、第1カウント終了フラグが立てられるまで、そのカウント動作の開始が待機されるものであることを特徴とする請求項2に記載の周波数同期ループ回路。
【請求項4】
前記終了カウント値設定部は、前記基準レジスタに格納されたiビットのレジスタデータのうち、上位(i−1)ビット分に相当するレジスタデータと、上位(i−2)ビット分に相当するレジスタデータを足し合わせて加算データを生成する加算器を有して成り、第1終了カウント値として、上位(i−2)ビット分に相当するレジスタデータを設定するとともに、第2終了カウント値として、前記加算データを設定することを特徴とする請求項2に記載の周波数同期ループ回路。
【請求項5】
前記パルス信号のパルスエッジが到来したときに、前記内部クロック信号のカウント動作を開始し、そのカウント値が前記待機カウント値に達したときに、第3カウント終了フラグを立てる第3カウンタ回路を有して成り、
前記終了カウント値設定部は、前記待機カウント値として、前記基準レジスタに格納されたiビットのレジスタデータのうち、下位2ビット分に相当するレジスタデータを設定するものであり、
第1カウンタ回路は、前記パルス信号のパルスエッジが到来してから、第3カウント終了フラグが立てられるまで、そのカウント動作の開始が待機されるものであり、
第2カウンタ回路は、第1カウント終了フラグが立てられるまで、そのカウント動作の開始が待機されるものであることを特徴とする請求項4に記載の周波数同期ループ回路。
【請求項6】
前記終了カウント値設定部は、前記基準レジスタに格納されたレジスタデータの1/x(ただしx>1)を第1終了カウント値として設定し、1/y(ただしy≧x)を第2終了カウント値として設定し、
第1カウンタ回路は、前記パルス信号のパルスエッジが到来したときに、前記内部クロック信号のカウント動作を開始して第1カウント開始フラグを立て、そのカウント値が第1終了カウント値に達したときに、第1カウント終了フラグを立て、
第2カウンタ回路は、第1カウント終了フラグが立てられたときに、前記内部クロック信号のカウント動作を開始して第2カウント開始フラグを立て、そのカウント値が第2終了カウント値に達する毎にそのカウント値をリセットして、カウント値到達回数を1つインクリメントし、前記カウント値到達回数がα回(ただしα={(x−1)×y/x})に達したときに、第2カウント終了フラグを立てることを特徴とする請求項1に記載の周波数同期ループ回路。
【請求項7】
前記終了カウント値設定部は、第1終了カウント値の設定時に生じた前記レジスタデータの剰余分を待機カウント値として設定するものであり、
第2カウンタ回路は、第1カウント終了フラグが立てられてから、前記内部クロック信号のパルス数が前記待機カウント値に達するまで、そのカウント動作の開始が待機されるものであることを特徴とする請求項6に記載の周波数同期ループ回路。
【請求項8】
前記終了カウント値設定部は、前記基準レジスタに格納されたiビットのレジスタデータのうち、上位(i−2)ビット分に相当するレジスタデータを第1終了カウント値及び第2終了カウント値として設定することを特徴とする請求項6に記載の周波数同期ループ回路。
【請求項9】
前記終了カウント値設定部は、前記基準レジスタに格納されたiビットのレジスタデータのうち、上位(i−2)ビット分に相当するレジスタデータを第1終了カウント値として設定し、上記(i−4)ビット分に相当するレジスタデータを第2終了カウント値として設定することを特徴とする請求項6に記載の周波数同期ループ回路。
【請求項10】
前記パルス信号のパルスエッジが到来したときに、第2カウンタ回路の前記カウント値到達回数が所定範囲内であるか否かを検出し、その検出結果に応じた論理レベルのレディ信号を生成するレディ信号生成部を有して成ることを特徴とする請求項9に記載の周波数同期ループ回路。
【請求項11】
第1カウント終了フラグが立てられたときに、前記内部クロック信号のカウント動作を開始し、そのカウント値が前記待機カウント値に達したときに、第3カウント終了フラグを立てる第3カウンタ回路を有して成り、
前記終了カウント値設定部は、前記待機カウント値として、前記基準レジスタに格納されたiビットのレジスタデータのうち、下位2ビット分に相当するレジスタデータを設定するものであり、
第2カウンタ回路は、第1カウント終了フラグが立てられてから、第3カウント終了フラグが立てられるまで、そのカウント動作の開始が待機されるものであることを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれかに記載の周波数同期ループ回路。
【請求項12】
前記基準レジスタのデータ更新タイミングとは異なるタイミングで、前記基準レジスタに格納されているレジスタデータを読み出し、これを自身のレジスタデータとして格納する第2基準レジスタを有して成り、
前記終了カウント値設定部は、第2基準レジスタに格納されたレジスタデータに基づいて、第1終了カウント値と第2終了カウント値を設定することを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の周波数同期ループ回路。
【請求項13】
前記基準レジスタは、前記基準クロック信号のパルスエッジが到来したときにデータ更新を行い、第2基準レジスタは、前記基準クロック信号の反転パルスエッジが到来したときにデータ更新を行うことを特徴とする請求項12に記載の周波数同期ループ回路。
【請求項14】
前記基準レジスタは、前記基準クロック信号のパルスエッジが到来したときにデータ更新を行い、第2基準レジスタは、第1カウント終了フラグが立てられた直後にデータ更新を行うことを特徴とする請求項12に記載の周波数同期ループ回路。
【請求項15】
請求項1〜請求項14のいずれかに記載の周波数同期ループ回路を有して成り、前記周波数誤差信号に応じた速度指令信号を生成することを特徴とする速度ディスクリミネータ回路。
【請求項16】
前記パルス信号の位相と前記基準クロック信号の位相とを比較して位相誤差信号を生成する位相同期ループ回路を有して成り、前記周波数誤差信号と前記位相誤差信号の双方に応じた速度指令信号を生成することを特徴とする請求項15に記載の速度ディスクリミネータ回路。
【請求項17】
請求項15または請求項16に記載の速度ディスクリミネータ回路を有して成り、前記速度指令信号に基づいてモータの回転速度制御を行うことを特徴とするモータ駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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