説明

周波数減衰特性を利用した超音波検査装置又は超音波照射位置検査方法

【課題】本発明は、超音波が正しく骨折部位に照射されていることを確認できる超音波検査装置を提供する。
【解決手段】本発明は、骨折部位付近の体表に設置され、骨折部位に対して超音波を照射する発信用トランスデューサ、及び該骨折部位を有する骨付近の体表に設置され、骨を伝搬する超音波を受信する受信用トランスデューサを備え、前記発信用トランスデューサから骨折部位に超音波が照射されていることを、骨と軟部組織の周波数減衰特性の違いと、パルス超音波の特性を利用して、受信用トランスデューサを伝搬した受信信号により確認する判定手段を備えた超音波検査装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波検査装置又は超音波照射位置検査方法に関する。特に、伝搬する超音波の減衰特性を利用して、照射対象骨の超音波照射位置を確認する超音波検査装置又は超音波照射位置検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波は安全で簡便な物理療法として一般的に診断や治療に使用されている。中でも、骨折癒合促進のために用いられている超音波骨折治療器は、超音波トランスデューサから超音波を骨折部位へ照射し、骨折治癒過程を刺激することにより治療を行うものである。骨折部に適切に超音波を照射するため、治療器の装着位置及び角度を正確に定め、保持することが求められる。
【0003】
従来、超音波照射位置の決定には、骨折部のX線写真を撮影し、その情報を元に照射位置が決められていた。しかし、X線写真より得られる情報は、撮影時の一方向から見た二次元情報であるため、特に筋肉や脂肪等の軟部組織の厚い大腿骨や上腕骨において、トランスデューサ装着の正しい位置や角度を決めることが困難という課題があった。
【0004】
上記課題を解決するため、治療用トランスデューサから骨へ超音波を照射し、その反射波を受信用トランスデューサで受信することで、正しく骨に照射されているかを判別する技術が開示されている(特許文献1)。
【0005】
また、別の方法として、超音波を骨へ照射し、その骨の長軸方向の伝搬波を受信用トランスデューサで受信することで、正しく骨に照射しているかを判断する技術が発明されている(特願2006−224335)。
【特許文献1】特開2001−299772号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、骨に超音波を照射する際に、生体に安全な範囲内で、いかなる部位においても照射位置への正確な超音波の照射を確認できる超音波検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、超音波を発信する発信用トランスデューサ、超音波照射対象骨の長軸方向に伝搬した超音波を受信する受信用トランスデューサ、及び超音波照射対象骨の目的とする位置に発信用トランスデューサが超音波を照射しているかを判別する判別手段を有し、前記発信用トランスデューサは、2種類以上の周波数を有する超音波を発信し、前記判別手段は、前記発信用トランスデューサから発信した超音波の各周波数と各周波数における受信信号の強度情報を取得し、前記強度情報から算出される減衰係数/周波数が周波数ごとに異なる数値を示す場合には、超音波照射対象骨の目的とする位置に前記発信用トランスデューサが超音波を照射していると判別することを特徴とする超音波検査装置である。
【0008】
また本発明は、前記判別手段は、前記発信用トランスデューサから発信する超音波の周波数情報を周波数決定手段から取得し、前記受信用トランスデューサが受信した受信信号が記録された記録手段から受信信号の強度情報を取得し、前記発信信号の周波数情報及び前記受信信号の強度情報を利用して、前記受信信号の強度から減衰係数を算出した後に、周波数ごとの減衰係数/周波数を算出することを特徴とする超音波検査装置である。
【0009】
さらに本発明は、超音波を発信する発信用トランスデューサ、超音波照射対象骨の長軸方向に伝搬した超音波を受信する受信用トランスデューサ、及び超音波照射対象骨の目的とする位置に発信用トランスデューサが超音波を照射しているかを判別する判別手段を有し、前記発信用トランスデューサは、骨からの伝搬波は発信した超音波の周波数より低い周波数となり、かつ、軟部組織からの伝搬波は発信した超音波の周波数と同一の周波数となる周波数領域の超音波を発信し、前記判別手段は、受信信号に含まれる周波数成分を取得し、発信した超音波の周波数より低い周波数成分を前記受信信号が有している場合は、超音波照射対象骨の目的とする位置に前記発信用トランスデューサが超音波を照射していると判別することを特徴とする超音波検査装置である。
【0010】
さらに本発明は、前記判別手段は、前記発信用トランスデューサから発信する超音波の周波数情報を周波数決定手段から取得し、前記受信用トランスデューサが受信した受信信号が記録された記録手段から受信信号の周波数成分を取得し、前記発信信号の周波数情報及び前記受信信号の周波数成分を利用して、前記発信信号及び前記受信信号の周期、外形、又は周波数解析結果を比較することによって、発信した超音波の周波数より低い周波数成分を前記受信信号が有しているか否かを判別することを特徴とする超音波検査装置である。
【0011】
さらに本発明は、前記発信用トランスデューサが発信する超音波が400kHz以上であることを特徴とする、超音波検査装置である。
【0012】
さらに本発明は、前記判別手段での判別結果を表示する表示部を備える、超音波検査装置である。
【0013】
さらに本発明は、超音波照射対象骨の超音波照射位置検査方法において、発信用トランスデューサを超音波照射対象骨の照射位置付近の体表に設置して、2種類以上の周波数を有する超音波を別々に発信する工程、前記超音波照射対象骨付近の体表に設置された受信用トランスデューサで、前記発信用トランスデューサから発信された各超音波の超音波照射対象骨の長軸方向又は軟部組織を伝搬した超音波を受信する工程、超音波照射対象骨の目的とする位置に発信用トランスデューサが超音波を照射しているかを判別する判別手段で、前記発信用トランスデューサから発信した超音波の各周波数と各周波数における前記受信用トランスデューサで受信した受信信号の強度情報を取得し、強度情報から算出される減衰係数/周波数が周波数ごとに異なる数値を示す場合には、超音波照射対象骨の目的とする位置に前記発信用トランスデューサが超音波を照射していると判別する工程とを有する、超音波照射位置検査方法である。
【0014】
さらに本発明は、超音波照射対象骨の超音波照射位置検査方法において、発信用トランスデューサを超音波照射対象骨の照射位置付近の体表に設置して、骨からの伝搬波は発信した超音波の周波数より低い周波数となり、かつ、軟部組織からの伝搬波は発信した超音波の周波数と同一の周波数となる周波数領域の超音波を発信する工程、前記超音波照射対象骨付近の体表に設置された受信用トランスデューサで、前記発信用トランスデューサから発信された超音波の超音波照射対象骨の長軸方向又は軟部組織を伝搬した超音波を受信する工程、超音波照射対象骨の目的とする位置に発信用トランスデューサが超音波を照射しているかを判別する判別手段で、前記発信用トランスデューサから発信した超音波の周波数と前記受信用トランスデューサで得られた受信信号に含まれる周波数成分を取得し、受信信号が発信した超音波の周波数より低い周波数成分を有している場合には、超音波照射対象骨の目的とする位置に前記発信用トランスデューサが超音波を照射していると判別する工程とを有する、超音波照射位置検査方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によって、骨に超音波を照射するための装置の設置位置を決める際に、骨の形状又は骨の部位による影響が従来方法に比べ減少し、かつ生体に安全な範囲内で、照射位置への正確な超音波の照射を確認できる超音波検査装置又は検査方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(原理)
本発明は、伝搬する媒体の減衰特性と発信するパルス超音波の特性の関係によって、伝搬波の周波数や強度が異なるという特徴を利用し、超音波の照射位置を確認するものであり、骨に超音波を照射した場合に、照射した骨の長軸方向に伝わる伝搬波を受信用トランスデューサで受信し、その受信信号によって目的とする位置に照射できているかを確認するものである。
本発明において、骨とは皮質骨及び/又は海綿骨等の骨組織を意味し、軟部組織とは皮質骨及び/又は海綿骨等の骨組織以外の軟部組織を意味する。
【0017】
周波数減衰特性は、減衰係数α、超音波周波数f、比例係数k、周波数の巾乗mを用いて、以下の式で表される。
α=k・f [dB/cm]
また、受信信号の強度Iと減衰係数αは、以下の関係で表される。
I∝exp(−α)
【0018】
上記式において、軟部組織は、mはほぼ1、kは0.5から2程度とされており、周波数のおよそ1乗に比例して増大する傾向を示す。つまり、α/fはfに依存せず一定となる。一方、骨は軟部組織に比べk、m共に大きく、α/fはfに依存し傾きを持つ。したがって、同一長さの骨と軟部組織に、同一周波数の超音波を伝搬させた場合、軟部組織に比べ骨はより減衰しながら伝搬する。さらにαは、受信信号の強度と上記式の関係を持つことから、受信信号の強度を測定することで、算出することができる。
【0019】
また、発信用トランスデューサから発信する超音波が、周波数fHzのパルス超音波であるとき、その超音波に含まれる周波数は、fHzの周波数と、パルス超音波の立ち上がりと立ち下がりに含まれるfHz以外の周波数となる。
【0020】
周波数fHzのN個の波を繰り返し周波数1Hzで照射したときのパルス超音波に含まれる周波数の強度分布を、図14に示す。周波数fHzのN個の波を繰り返し周波数1Hzで照射したときのパルス超音波に含まれる周波数の強度分布は、周波数fHzに最も大きなピークを持ち、fHzを中心として、低周波数領域、高周波数領域それぞれにN−1個の小さなピークを持つ分布となる。
【0021】
したがって、周波数fHzのパルス超音波を伝搬させる系において、fHzの成分の減衰が小さく、伝搬波の強度分布におけるfHzの割合が、発信する超音波のfHz以外の周波数成分の割合よりも大きい場合、伝搬波の周波数は発信する超音波と同一の周波数fHzとなる。周波数fHzのパルス超音波を伝搬させる系において、fHzの成分の減衰が大きく、伝搬波の強度分布におけるfHzの割合が、発信する超音波のfHz以外の周波数成分の割合よりも小さい場合、伝搬波の周波数は発信する超音波の周波数fHzより低い周波数となる。
【0022】
本発明は、骨と軟部組織の周波数減衰特性の違いと、パルス超音波の特性を利用し、受信信号の周波数情報を評価することにより、骨への照射を確認する。
【0023】
(判別方法)
受信信号の周波数情報とは、具体的に、(A)発信用トランスデューサから発信した超音波の各周波数fにおける受信信号の強度Iより算出される減衰係数αと、(B)受信信号に含まれる周波数成分である。これら二種類の周波数情報から、骨への超音波の照射を確認するための判別方法として、二つの方法を提案する。
【0024】
(A)の情報を利用する方法では、周波数を数通り変化させて発信し、各周波数fにおける受信信号の強度Iより算出される減衰係数αを評価することで判別する方法である。この方法で判別する場合、判別情報として用いる、受信信号の周波数情報は、発信用トランスデューサから発信した超音波の各周波数fと、各周波数fにおける受信信号の強度Iより算出される減衰係数αである。この場合、α/fがfに対して傾きを持てば骨に照射されていると判断する。骨に照射していない場合、すなわち軟部組織を伝搬している場合は、軟部組織のmは、ほぼ1であるので、α/fは周波数fに影響されずに、fに対して傾きを持たないからである。一方、骨に照射している場合は、骨のmは1より大きいので、α/fは周波数fに影響されて、fに対して傾きを持つことになる。
【0025】
(A)の場合において、受信信号が2つ以上ある場合、それぞれにおいて、fに対するα/fの傾きを評価し、1つでも傾きを持つ受信信号があれば骨に照射されていると判断する。α/fがfに対して傾きをほぼ持たなければ骨に照射されていないと判断する。受信信号が2つ以上ある場合、それぞれにおいて、fに対するα/fの傾きを評価する。それぞれにおいて、fに対するα/fの傾きを評価し、全ての受信信号が傾きを持たなければ骨に照射されていないと判断する。
【0026】
(B)の情報を利用する方法では、骨からの伝搬波は発信した超音波の周波数より低い周波数、軟部組織からの伝搬波は発信した超音波の周波数と同一の周波数となる周波数領域の超音波を発信し、受信信号に含まれる周波数成分を評価することで判別する方法である。この方法で判別する場合、判別情報として用いる、受信信号の周波数情報は、受信信号に含まれる周波数成分である。この場合、受信信号が発信した超音波の周波数より低い周波数であれば骨に照射されていると判断する。受信信号が2つ以上ある場合、それぞれにおいて、周波数成分を評価し、1つでも発信した超音波の周波数より低い周波数の受信信号があれば骨に照射されていると判断する。受信信号が発信した超音波の周波数と同一であれば骨に照射されていないと判断する。受信信号が2つ以上ある場合、それぞれにおいて、周波数成分を評価し、全ての受信信号が発信した超音波の周波数と同一であれば骨に照射されていないと判断する。
【0027】
伝搬波の周波数情報で判別するこの方法は、発信用トランスデューサから発信する超音波の伝搬波を受信できる箇所であれば受信用トランスデューサの設置はどこでもよい。
【0028】
(具体例)
受信信号の周波数情報の評価において、周波数を2種類以上変化させて発信し、各周波数f[MHz]における受信信号の強度I[W/cm]より算出される減衰係数α[dB/cm]を評価することで判別する方法(A)の場合、発信用超音波の周波数をf1、f2、f3のように数通りに変化させ、それぞれの周波数における受信信号の強度I1、I2、I3を取得し、減衰係数α1、α2、α3を算出する。これらを基に、α/f[dB/(cm・MHz)]とf[MHz]の関係を導き、f[MHz]に対するα/fの傾きを評価する。例えば、α/f−αn−1/fn―1≠0であれば傾きを持つと決めて評価する。この方法の場合、周波数は、どの周波数でもよく、伝搬波の受信が可能かつ生体に安全な範囲内の出力であればよい。骨からの伝搬波が発信した超音波の周波数より低い周波数となる周波数領域の超音波を用いる場合、パルス超音波の立ち上がりと立ち下がりに含まれる強度の小さい周波数領域で評価することになるため、骨からの伝搬波は発信した超音波の周波数と同一の周波数となる周波数領域の超音波を用いる方が好ましい。
【0029】
具体的には、周波数が約150kHz以下の超音波が好ましい。本発明者らの実験によると、骨からの伝搬波が発信した超音波の周波数と同一の周波数となる周波数領域の超音波は、4cmの骨においては300kHz以下、20cmの骨においては150kHz以下であることを確認している。従って、周波数を数通り変化させて発信し、各周波数fにおける受信信号の強度Iより算出される減衰係数αを評価することで判別する方法では、両トランスデューサの設置位置を限定せずに十分に判別基準とする伝搬波を受信可能であるので、150kHz以下の周波数が好ましい。
【0030】
例えば、発信用超音波の周波数fを100kHzから150kHzまで10kHzごとに変化させ、それぞれの周波数における受信信号の強度を測定し、α/fを算出する。fに対してα/fが傾きを持てば骨に照射されていると判断し、α/fが傾きを持たなければ、骨に照射されていないと判断する。
【0031】
受信信号の周波数情報の評価において、骨からの伝搬波は発信した超音波の周波数より低い周波数であって、かつ軟部組織からの伝搬波は発信した超音波の周波数と同一の周波数となる周波数領域の超音波を発信し、受信信号に含まれる周波数成分を評価することで判別する方法(B)の場合、fHzの超音波を発信したときの受信信号の周波数fを取得する。受信信号の周波数fは、受信信号の周期や外形を観察する、あるいは周波数解析を行うことで取得できる。受信信号の周波数fは、発信超音波の周波数fの相対的な評価ができる情報であればよい。この方法の場合、特には500kHz以上の超音波が好ましい。本発明者らの実験によると、骨からの伝搬波は発信した超音波の周波数より低い周波数、軟部組織からの伝搬波は発信した超音波の周波数と同一の周波数となる周波数領域の超音波は、4cmの骨においては400kHz以上、20cmの骨においては200kHz以上であることを確認している。従って、骨からの伝搬波は発信した超音波の周波数より低い周波数であって、かつ、軟部組織からの伝搬波は発信した超音波の周波数と同一の周波数となる周波数領域の超音波を発信し、受信信号に含まれる周波数成分を評価することで判別する方法では、両トランスデューサの設置位置を限定せずに十分に判別基準とする伝搬波を受信可能であるので、400kHz以上の周波数が好ましい。より好ましくは、500kHz以上である。
【0032】
例えば、周波数800kHzの超音波を発信したときの受信信号に、100kHzの信号が存在する場合、骨に照射されていると判断し、800kHzの信号のみである場合、骨に照射されていないと判断する。
【0033】
また、骨からの伝搬波は発信した超音波の周波数と同一の周波数となる周波数領域の超音波、及び、骨からの伝搬波は発信した超音波の周波数より低い周波数となり、かつ軟部組織からの伝搬波は発信した超音波の周波数と同一の周波数となる周波数領域の超音波、それぞれの周波数領域の超音波を、タイミングを変えて発信してもよい。このように二種類の周波数の超音波を発信する場合は、どちらか一種類の超音波を照射して判別する場合よりも判別に用いる情報や判別に至るまでの段階が増えるため、骨への照射の検出精度は高くなる。
【0034】
(適用例1)
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。なお、本発明は図示の実施例に限定されるものではない。
大腿骨骨折治療への本発明の適用例を、図1に示す。
【0035】
発信側に関して、骨折部位3を治療するときには、医療機関で決定された装着位置に発信用トランスデューサ4を設置し、固定手段10を用いて大腿に装着する。固定手段10は、発信用トランスデューサ4を体表12に固定できるものであればよく、例えばベルト等を用いる。このとき、発信用トランスデューサ4と体表12との間に、超音波伝搬物質7を介在させる。超音波伝搬物質7は、超音波を伝搬するものであればよく、例えば水や超音波ゲル等が好適である。このとき発信用トランスデューサ4から発信される超音波は、治療用及び/又は診断用並びに検査用、あるいは検査用のみどちらでもよい。検査用のみとする場合は、治療又は診断用装置と別装置の形態をとることができる。
【0036】
受信側に関して、大腿骨2付近の体表12の、発信用トランスデューサ4を設置した箇所とは別の箇所に、受信用のトランスデューサ5を固定する。受信用トランスデューサ5の固定は、発信用トランスデューサ4と同様、固定手段11を用いて固定する。受信用トランスデューサ5と体表12との間にも超音波伝搬物質7を介在させる。
【0037】
受信用トランスデューサ5の設置箇所は、発信用トランスデューサから発信する超音波の骨からの伝搬波を受信できる箇所であれば受信用トランスデューサの設置はどこでもよい。超音波は直進性を持つことから、骨からの伝搬波をより効率よく受信するためには、治療対象である骨に近い体表かつ治療対象骨の近位端や遠位端が好ましい。例えば、治療する骨が大腿骨であれば、大腿骨外側上顆付近や大腿骨内側上顆付近又は大腿骨大転子等となる。図2では、大腿骨外側上顆付近に受信用トランスデューサ5を設置している。他の例として、上腕骨を治療する際には、上腕骨外側上顆付近や上腕骨内側上顆付近に、受信用トランスデューサを設置するとよい。
【0038】
このように、受信用トランスデューサ5を骨からの伝搬波を伝搬した超音波を受信できる場所に設置し、得られる受信信号の周波数情報を評価することによって、発信用トランスデューサの正確な照射位置の確認が可能となる。このとき、骨折位置への正確な照射を確認するタイミングは、発信用トランスデューサ4から発信可能な超音波が治療用及び/又は診断用並びに検査用である場合、治療開始前、治療中、治療終了後のどのタイミングでも行うことができ、検査用のみである場合、治療開始前、治療終了後となる。
【0039】
(装置の構成1)
装置構成要素の一例を、図2に示す。
検査装置本体6は、発信回路13、受信回路14、周波数決定手段17、記録手段18および判別手段19を含む制御手段15、電力供給手段16、並びに表示部20を備えている。
【0040】
実際の装置の動きを以下に記述する。まず、発信超音波の周波数を周波数決定手段17により決定し、その周波数下での判別条件を決定する。たとえば、発信用トランスデューサ4より発信する超音波の周波数を150kHz以下に設定して、周波数を数通りに変化させて発信し、各周波数fにおける受信信号の強度Iより算出される減衰係数αを評価することで判別する方法(A)を用いる場合、判別条件をfに対するα/fの傾きとする。発信用トランスデューサ4より発信する超音波の周波数を500kHz以上に設定して、受信信号に含まれる周波数成分を評価することで判別する方法(B)を用いる場合、判別条件を受信信号に含まれる周波数成分とする。
【0041】
次に、電力供給手段16から電力を供給された制御手段15は、発信回路13に駆動信号を送る。駆動信号を受信した発信回路13はケーブル8を介して発信用トランスデューサ4に信号を送り、発信用トランスデューサ4は超音波を発信する。このとき受信側は、制御手段15が発信回路13に駆動信号を送る、あるいは停止するタイミングでトリガ信号を受信回路14に送り、信号検知を開始する、あるいは、受信回路にある一定以上の電圧値を検知した時に受信回路14の信号検知を開始する。ここで、電力供給手段16は、具体的には、内蔵電源あるいは外部電源等が挙げられる。
【0042】
受信用トランスデューサ5より受信した超音波は電気信号に変換され、ケーブル9を介して受信回路14に送られる。検知した信号は記録手段18により記録され、発信超音波の周波数から決定された判別情報を基に、判別手段19を用いて判別される。その結果は表示部20により表示され、骨に照射されているか否かの判別が可能となる。ここで、記録手段18は、具体的には、半導体メモリ等が挙げられる。また表示部20は、具体的には、結果を文字で表示するLCDや点灯で表示するLED等が挙げられる。
【0043】
治療前の使用時で正しい照射位置であると判断した場合、検査装置本体6で治療用又は診断用超音波の発信が可能であるときは、発信回路13は検査用の信号から治療用又は診断用の信号に切り替えて、治療又は診断を開始する。検査装置本体6が検査用の超音波のみ発信が可能であるときは、治療又は診断用の装置に切り替えて、治療又は診断を開始する。
【0044】
(適用例2)
本発明の超音波の発信と受信の機構を二つの装置で実現した例を、図3に示す。
発信機構21は、発信用トランスデューサ4を介して検査用超音波のみ、又は検査用超音波並びに治療用超音波及び/もしくは診断用超音波を発信可能であり、受信機構22は受信用トランスデューサ5を介して受信した超音波を電気信号に変換し、あらかじめ入力されている判別条件を元に、照射位置の適否を判定する。本形態では、各装置の小型化、発信機構21からのノイズ除去によるS/Nの向上を図ることができる。
【0045】
(装置の構成2)
発信機構21と受信機構22を二つの装置で実現した場合の、発信機構の一例を図4に、受信機構の一例を図5に示す。
発信機構21は、発信回路13、制御手段15、電力供給手段16、発信用トランスデューサ4、及びケーブル8を備える。受信機構22は、受信回路14、制御手段15、電力供給手段16、周波数決定手段17、記録手段18、判別手段19、表示部20、受信用トランスデューサ5、及びケーブル9を備える。
【0046】
それぞれの構成要素の作用などは、上述した実施例と同様で構成してもよい。この場合、受信側は、制御手段15が発信回路13に駆動信号を送る、あるいは停止するタイミングでトリガ信号をケーブル(図示せず)もしくは無線(図示せず)等により受信回路14に送ることで、受信回路14の信号検知を開始する、あるいは、受信回路にある一定以上の電圧値を検知した時に受信回路14の信号検知を開始することで、受信タイミングを容易に調製できる。また、治療前の使用時で正しい照射位置であると判断した場合、前記ケーブルもしくは無線等により発信機構へ信号を送り、発信用トランスデューサの検査用超音波を治療又は診断用超音波へ切り替えることができる。
【0047】
(照射条件)
治療用超音波には、骨折治療に適切な条件の超音波を用いる。例えば適切な超音波条件の一つとして、1.5MHzの周波数、200μsのバースト幅、1kHzの繰り返し周波数、超音波出力の時間平均と空間平均が30mW/cmの超音波が好ましい。
検査用超音波に関しては、上述のとおりである。出力に関しては、さらに、超音波診断装置として生体に安全な範囲で使用するため、MI(Mechanical Index)が1.0以下となるような生体への安全性を保てる範囲の出力で使用する。MIとは、負音圧の最大値を周波数の平方根で割った式で定義される値で、負音圧により発生した空洞が消失する際の生体への影響の可能性を示す機械的指標である。
【0048】
(超音波照射位置の確認方法)
発信用トランスデューサの超音波照射位置を確認する例を述べる。正しく照射位置へ発信用トランスデューサ4が設置されている場合、超音波が骨折部位3に照射される。骨折部位3に照射された超音波は大腿骨2の長軸方向に伝わり、骨を伝搬した超音波を、受信用トランスデューサ5を用いて受信する。
【0049】
判別手段19には、周波数を数通り変化させて発信し、各周波数fにおける受信信号の強度Iより算出される減衰係数αを評価することで判別する方法(A)、あるいは受信信号に含まれる周波数成分で判別する方法(B)の二つの手段が考えられる。二つの手段のうち片方を用いても、両方を組み合わせて用いてもよい。両方を組み合わせて用いる場合は、どちらか一方の手段により判別する場合よりも骨への照射の検出精度は高くなる。
【0050】
周波数を数通り変化させて発信し、各周波数fにおける受信信号の強度Iより算出される減衰係数αを評価することで判別する場合の、判別手段19による判別方法の例を図6に示す。発信用トランスデューサ4から周波数f1、f2、f3の超音波を発信したときに、それぞれの超音波に対して受信用トランスデューサ5で受信した伝搬波の強度より算出される減衰係数をα1、α2、α3とする。伝搬波の強度より減衰係数を算出する際は、以下の式を用いる。発信超音波の出力をIと表記している。
α ∝ −log(I/I
縦軸にα1/f1、α2/f2、α3/f3、横軸にf1、f2、f3をとり描いたグラフにおいて、α/fがfに対して傾きを持った場合(図6a)、発信用トランスデューサ4が正しく照射位置へ設置されていると判断し、その結果が情報として表示部20に示されることから、超音波が骨折部位3に照射されていることが分かる。受信信号が二つ以上ある場合、それぞれにおいて、fに対するα/fの傾きを評価し、1つでも傾きを持つ受信信号があれば、発信用トランスデューサ4が正しく照射位置へ設置されていると判断する。一方、縦軸にα1/f1、α2/f2、α3/f3、横軸にf1、f2、f3をとって描いたグラフにおいて、α/fがfに対して傾きをほぼ持たず一定となった場合(図6b)、発信用トランスデューサ4が正しく照射位置へ設置されていないと判断し、その結果が情報として表示部20に示されることから、超音波が骨折部位3に照射されていないことが分かる。受信信号が二つ以上ある場合、それぞれにおいて、fに対するα/fの傾きを評価し、すべての受信信号が傾きを持たなければ、発信用トランスデューサ4が正しく照射位置へ設置されていないと判断する。この場合は、発信用トランスデューサの設置位置や向きを変えて、α/fがfに対して傾きを持ったグラフを描くようになるまで、操作を繰り返す。
【0051】
受信信号に含まれる周波数成分で判別する場合(B)の、判別手段19による判別方法の例を図7から図10に示す。発信用トランスデューサ4から周波数fHzの超音波を発信したときに、受信用トランスデューサ5で受信される伝搬波において、fHz以外の周波数成分を含み複数の周波数の波が重ね合い乱れた正弦波を検知(図7)、あるいは受信信号が複数あるうち一つでもfHzより低い周波数の受信信号を検知(図8)、あるいはFFT解析後fHzより低い周波数領域に最も大きいピークが検知された場合(図9)、発信用トランスデューサ4が正しく照射位置へ設置されていると判断し、その結果が情報として表示部20に示されることから、超音波が骨折部位3に照射されていることが分かる。一方、発信用トランスデューサ4から周波数fHzの超音波を発信したときに、受信用トランスデューサ5で受信される伝搬波において、周波数fHzの正弦波を一つ(図10)、受信信号が複数ある場合は全てにおいて周波数fHzの正弦波を検知(図11)、あるいはFFT解析後fHzに最も大きいピークが検知された場合(図12)、発信用トランスデューサ4が正しく照射位置へ設置されていないと判断し、その結果が情報として表示部20に示されることから、超音波が骨折部位3に照射されていないことが分かる。この場合は、発信用トランスデューサの設置位置や向きを変えて、乱れた正弦波を検知あるいはFFT解析後複数のピークが検知されるまで、操作を繰り返す。
【0052】
骨折位置への正確な照射を確認するタイミングが治療又は診断前であれば、正しい照射位置であると判断した場合、発信用トランスデューサ4から照射する超音波を検査用超音波から治療用又は診断用超音波に変更あるいは検査用装置から治療又は診断用超音波用装置に変更し、治療又は診断を開始する。
【0053】
骨折位置への正確な照射を確認するタイミングが治療中であれば、治療用超音波を照射しながら、1kHzの繰り返し周波数即ち繰り返し周期1msのうち、治療目的の超音波を照射しない800μsの時間に、所定の間隔で検査用超音波を照射することで判別することもできる。治療又は診断中に行う場合、発信用トランスデューサ4の位置が正しくないときに、表示部20により患者に治療用トランスデューサの設置が正しくないことを常時伝えることができ、発信用トランスデューサ4の位置を正すことにより、治療効果の向上が期待できる。
【0054】
治療中に位置の確認を行う場合について、本実施例を用いた例を具体的に述べる。発信用トランスデューサ4を駆動する電気信号を図13に示す。まず200μs幅の治療又は診断用超音波を発信し、その後400s後にバースト幅Tの検査用超音波を発信する。次の治療又は診断用超音波を送る前の残りの時間に、骨経由の超音波伝搬時間遅れを考慮した判別区間を設けて、受信用トランスデューサ5で骨を伝搬した検査用超音波を検知し、発信用トランスデューサの位置の適否を判別する。検査用超音波は、治療又は診断用超音波を10回送るごとに1回送る方法も可能である。他の方式として、治療又は診断目的の超音波を照射しない前記800μsの間に例えば200μsの間隔で3回だけ検査用超音波を照射することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の超音波診断装置を用いた実施態様の概略図である。
【図2】装置の構成要素の概略図である。
【図3】本発明の超音波診断装置を用いた別の実施態様の概略図である。
【図4】発信機構の概略図である。
【図5】受信機構の概略図である。
【図6】各周波数fにおける受信信号の強度Iより算出される減衰係数αを評価することで判別する場合の判別手段による判別方法例の図である。
【図7】周波数成分で判別する場合の判別手段による判別方法例(骨に照射されている場合)の図である。
【図8】周波数成分で判別する場合の判別手段による判別方法例(骨に照射されている場合)の図である。
【図9】周波数成分で判別する場合の判別手段による判別方法例(骨に照射されている場合)の図である。
【図10】周波数成分で判別する場合の判別手段による判別方法例(骨に照射されていない場合)の図である。
【図11】周波数成分で判別する場合の判別手段による判別方法例(骨に照射されていない場合)の図である。
【図12】周波数成分で判別する場合の判別手段による判別方法例(骨に照射されていない場合)の図である。
【図13】本発明の発信用トランスデューサを駆動する電気信号の一態様の図である。
【図14】周波数fのN個の波を繰り返し周波数1Hzで照射したときのパルス超音波のパワースペクトル図である。
【符号の説明】
【0056】
1. 軟部組織
2. 大腿骨
3. 骨折部位
4. 発信用トランスデューサ
5. 受信用トランスデューサ
6. 検査装置本体
7. 超音波伝搬物質
8. 発信用ケーブル
9. 受信用ケーブル
10.固定手段
11.固定手段
12.体表
13.発信回路
14.受信回路
15.制御手段
16.電力供給手段
17.周波数決定手段
18.記録手段
19.判別手段
20.表示部
21.発信機構
22.受信機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を発信する発信用トランスデューサ、超音波照射対象骨の長軸方向に伝搬した超音波を受信する受信用トランスデューサ、及び超音波照射対象骨の目的とする位置に発信用トランスデューサが超音波を照射しているかを判別する判別手段を有し、
前記発信用トランスデューサは、2種類以上の周波数を有する超音波を発信し、
前記判別手段は、前記発信用トランスデューサから発信した超音波の各周波数と各周波数における受信信号の強度情報を取得し、前記強度情報から算出される減衰係数/周波数が周波数ごとに異なる数値を示す場合には、超音波照射対象骨の目的とする位置に前記発信用トランスデューサが超音波を照射していると判別することを特徴とする超音波検査装置。
【請求項2】
前記判別手段は、前記発信用トランスデューサから発信する超音波の周波数情報を周波数決定手段から取得し、前記受信用トランスデューサが受信した受信信号が記録された記録手段から受信信号の強度情報を取得し、前記発信信号の周波数情報及び前記受信信号の強度情報を利用して、前記受信信号の強度から減衰係数を算出した後に、周波数ごとの減衰係数/周波数を算出することを特徴とする請求項1に記載の超音波検査装置。
【請求項3】
超音波を発信する発信用トランスデューサ、超音波照射対象骨の長軸方向に伝搬した超音波を受信する受信用トランスデューサ、及び超音波照射対象骨の目的とする位置に発信用トランスデューサが超音波を照射しているかを判別する判別手段を有し、
前記発信用トランスデューサは、骨からの伝搬波は発信した超音波の周波数より低い周波数となり、かつ、軟部組織からの伝搬波は発信した超音波の周波数と同一の周波数となる周波数領域の超音波を発信し、
前記判別手段は、受信信号に含まれる周波数成分を取得し、発信した超音波の周波数より低い周波数成分を前記受信信号が有している場合は、超音波照射対象骨の目的とする位置に前記発信用トランスデューサが超音波を照射していると判別することを特徴とする超音波検査装置。
【請求項4】
前記判別手段は、前記発信用トランスデューサから発信する超音波の周波数情報を周波数決定手段から取得し、前記受信用トランスデューサが受信した受信信号が記録された記録手段から受信信号の周波数成分を取得し、前記発信信号の周波数情報及び前記受信信号の周波数成分を利用して、前記発信信号及び前記受信信号の周期、外形、又は周波数解析結果を比較することによって、発信した超音波の周波数より低い周波数成分を前記受信信号が有しているか否かを判別することを特徴とする請求項3に記載の超音波検査装置。
【請求項5】
前記発信用トランスデューサが発信する超音波が400kHz以上であることを特徴とする、請求項3又は4に記載の超音波検査装置。
【請求項6】
前記判別手段での判別結果を表示する表示部を備える、請求項1〜5のいずれかに記載の超音波検査装置。
【請求項7】
超音波照射対象骨の超音波照射位置検査方法において、
発信用トランスデューサを超音波照射対象骨の照射位置付近の体表に設置して、2種類以上の周波数を有する超音波を別々に発信する工程、
前記超音波照射対象骨付近の体表に設置された受信用トランスデューサで、前記発信用トランスデューサから発信された各超音波の超音波照射対象骨の長軸方向又は軟部組織を伝搬した超音波を受信する工程、
超音波照射対象骨の目的とする位置に発信用トランスデューサが超音波を照射しているかを判別する判別手段で、前記発信用トランスデューサから発信した超音波の各周波数と各周波数における前記受信用トランスデューサで受信した受信信号の強度情報を取得し、強度情報から算出される減衰係数/周波数が周波数ごとに異なる数値を示す場合には、超音波照射対象骨の目的とする位置に前記発信用トランスデューサが超音波を照射していると判別する工程とを有する、超音波照射位置検査方法。
【請求項8】
超音波照射対象骨の超音波照射位置検査方法において、
発信用トランスデューサを超音波照射対象骨の照射位置付近の体表に設置して、骨からの伝搬波は発信した超音波の周波数より低い周波数となり、かつ、軟部組織からの伝搬波は発信した超音波の周波数と同一の周波数となる周波数領域の超音波を発信する工程、
前記超音波照射対象骨付近の体表に設置された受信用トランスデューサで、前記発信用トランスデューサから発信された超音波の超音波照射対象骨の長軸方向又は軟部組織を伝搬した超音波を受信する工程、
超音波照射対象骨の目的とする位置に発信用トランスデューサが超音波を照射しているかを判別する判別手段で、前記発信用トランスデューサから発信した超音波の周波数と前記受信用トランスデューサで得られた受信信号に含まれる周波数成分を取得し、受信信号が発信した超音波の周波数より低い周波数成分を有している場合には、超音波照射対象骨の目的とする位置に前記発信用トランスデューサが超音波を照射していると判別する工程とを有する、超音波照射位置検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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