周辺露光装置
【課題】 小型化、簡単化を実現できるとともに、露光対象物に与える悪影響を大幅に低減でき、しかも、無駄な電力消費を伴うことなく、露光対象物の周辺領域を露光する。
【解決手段】 レジストが塗布された基板1を支承するXYステージ2と、XYステージ2を支承する回転テーブル3と、基板1に対する周辺露光を行う周辺露光用光源4と、周辺露光用光源4を保持するスライダー5と、周辺露光用光源4の出力光強度を検出する照度計6と、周辺露光用光源4に駆動電流を供給する直流電源7と、周辺露光用光源4の温度を制御する温度制御機構8とを有している。
【解決手段】 レジストが塗布された基板1を支承するXYステージ2と、XYステージ2を支承する回転テーブル3と、基板1に対する周辺露光を行う周辺露光用光源4と、周辺露光用光源4を保持するスライダー5と、周辺露光用光源4の出力光強度を検出する照度計6と、周辺露光用光源4に駆動電流を供給する直流電源7と、周辺露光用光源4の温度を制御する温度制御機構8とを有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶用ガラス基板、半導体ウエハー、感光フィルムなどの露光対象物の周辺所定位置を露光するための周辺露光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液晶用ガラス基板、半導体ウエハー、感光フィルムなどの露光対象物の周辺所定位置を露光するための周辺露光装置が提供され、実用に供されている。
【0003】
液晶表示パネル、または半導体ウエハー等の基板に配線パターンを形成する際は、先ず基板全面にレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法により所望の形状にパターニングして配線パターンが製作されるが、通常は基板周辺部に幅が数mm程度の帯状の余白が製作されるようにマスクパターンの露光位置が決められている。
【0004】
このため、フォトリソグラフィ工程でポジ型レジストを使用すると、現像処理後、基板周辺部に未露光のレジストが帯状に残存することになる。この残存レジストは不要であるばかりでなく、後の製造工程においてダストとなるため、スループット低下の要因の一つとして大きな問題になる。そこで、基板周辺部の不要なレジスト領域を露光・現像して除去する必要がある。
【0005】
このような問題点を考慮して、従来から、角形基板の周辺露光装置として、例えば、特許文献1、特許文献2に記載された装置が知られている。
【0006】
特許文献1、特許文献2に記載された装置では、基板周辺部の1箇所を露光するに当たり、1つの光源として、放電灯1灯を用い、その内部には反射鏡、レンズ群、波長カットフィルターを備え、そこから放射される光を基板周辺部に当てながら、基板、或いは光源を移動させることで、基板周辺部を露光することができる。また、光源の冷却は、空冷により達成され、そこから発生する暖気はブロワーにて排気される。
【特許文献1】特開平11−154639号公報
【特許文献2】特開平5−190448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1、特許文献2に記載された装置では、1つの光源として、放電灯1灯を用いているので、以下の問題点が生じてしまう。
【0008】
放電灯の待機時間並びに暖機時間が長い為に、周辺露光を行わない時も放電灯を常時点灯しておく必要があり、放電灯の寿命が短くなり、消費電力が必要以上に多くなり、放電灯の交換が頻繁になることに伴って作業性が悪くなってしまう。
【0009】
放電灯は発熱量が多いので、冷却に大がかりなブロワーを必要とする。
【0010】
放電灯は内部に水銀が使用されているので、放電灯が破損した際の作業者の健康被害や、廃棄される放電灯の処理時の環境負荷が大きい。
【0011】
放電灯は構造が大形であり、それに関わる部分の装置も大形にならざるを得ない。
【0012】
放電灯は出力光の波長分布帯が広く、感光に関係しない波長帯でも発光しているため、無駄に消費する電力が多くなる。
【0013】
放電灯では電気エネルギーの殆どが熱エネルギーに変換される為、無駄に消費する電力が多くなる。
【0014】
放電灯の出力光には赤外線を含むため、基板に対して露光だけでなく、熱的影響を与えてしまう。
【0015】
放電灯は寿命が短いので、交換を頻繁に行う必要がある。
【0016】
放電灯は出力光の波長分布帯が広く、感光に関係しない波長帯の光が照射されるので、基板に対して光学的負荷が掛かり、それを防ぐためには、照射部分に不要な波長帯の光が照射されないようにカットするフィルターを設ける必要がある。
【0017】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、小型化、簡単化を実現できるとともに、露光対象物に与える悪影響を大幅に低減でき、しかも、無駄な電力消費を伴うことなく、露光対象物の周辺領域を露光することができる周辺露光装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の周辺露光装置は、露光対象物の周辺所定位置に対応させて、紫外光を放射する発光ダイオードを含む周辺露光用光源を配置してなるものである。
【0019】
ここで、周辺露光用光源は、所定の相対関係を保持させた状態で配列された複数の発光ダイオードを含むものであってもよく、マトリックス状に配列された複数の発光ダイオードを含むものであってもよい。また、周辺露光用光源は、発光ダイオードから放射される光を、直接に露光対象物の周辺所定位置に照射するものであってもよい。
【0020】
さらに、発光ダイオードを冷却する冷却水を供給する冷却水生成装置と、発光ダイオード冷却直後の冷却水の温度を検出する水温検出装置と、発光ダイオード冷却直後の冷却水の温度を所定温度に保持するように冷却水生成装置を制御する水温制御装置とをさらに含んでいてもよい。
【0021】
さらにまた、露光対象物の周辺所定位置を露光することが指示されたことに応答して発光ダイオードに通電し、露光対象物の周辺所定位置を露光しないことが指示されたことに応答して発光ダイオードへの通電を阻止する通電制御装置をさらに含んでいてもよい。
【0022】
本発明の周辺露光装置であれば、露光対象物の周辺所定位置に対応させて、紫外光を放射する発光ダイオードを含む周辺露光用光源を配置してなるのであるから、小型化、簡単化を実現できるとともに、露光対象物に与える悪影響を大幅に低減でき、しかも、無駄な電力消費を伴うことなく、露光対象物の周辺領域を露光することができる。
【0023】
周辺露光用光源が、所定の相対関係を保持させた状態で配列された複数の発光ダイオードを含むものである場合には、特別の機構を用いることなく光強度の平準化を実現することができる。周辺露光用光源が、マトリックス状に配列された複数の発光ダイオードを含むものである場合には、露光対象物に光が照射される時間を長くし、露光対象物に与える光エネルギーを増加させることができる。周辺露光用光源が、発光ダイオードから放射される光を、直接に露光対象物の周辺所定位置に照射するものである場合には、小型化、簡単化を実現することができる。
【0024】
また、発光ダイオードを冷却する冷却水を供給する冷却水生成装置と、発光ダイオード冷却直後の冷却水の温度を検出する水温検出装置と、発光ダイオード冷却直後の冷却水の温度を所定温度に保持するように冷却水生成装置を制御する水温制御装置とをさらに含んでいる場合には、発光ダイオードの温度をほぼ一定に保持することができ、露光品質を安定させることができる。
【0025】
さらに、露光対象物の周辺所定位置を露光することが指示されたことに応答して発光ダイオードに通電し、露光対象物の周辺所定位置を露光しないことが指示されたことに応答して発光ダイオードへの通電を阻止する通電制御装置をさらに含んでいる場合には、不要な電力消費を阻止することができるとともに、発光ダイオードの寿命を長くすることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、小型化、簡単化を実現できるとともに、露光対象物に与える悪影響を大幅に低減でき、しかも、無駄な電力消費を伴うことなく、露光対象物の周辺領域を露光することができるという特有の効果を奏する。
【0027】
また、露光時だけ点灯することにより、発光ダイオードの寿命を長くし、消費電力を必要最小限にし、発光ダイオード交換などの作業性を向上させることができる。
【0028】
発光ダイオードの発熱量を小さくできるので、小型なチラーでの冷却が可能となる。
【0029】
発光ダイオードは水銀を使用しないため、作業者の健康被害並びに環境負荷をなくすることができる。
【0030】
発光ダイオードが小型軽量であるから、装置の小型化を実現することができる。
【0031】
発光ダイオードは波長分布帯が狭いので、感光(露光)に関係する波長帯だけでの照射が可能で、無駄な電力消費を防止することができる。
【0032】
発光ダイオードは発光効率が高いので、熱エネルギーの発生を抑えることができ、ひいては電力消費を抑えることができる。
【0033】
発光ダイオードの出力光は赤外線を含まないので、被処理体に対して熱負荷を与えない。
【0034】
発光ダイオードは寿命が長いので、交換周期を長くすることができ、交換作業回数を低減することができる。
【0035】
発光ダイオードの出力光は波長分布帯が狭く、感光(露光)に関係する波長帯だけを照射することができ、被処理体に対する光学的ストレスをなくすることができ、しかも不要な波長帯をカットするフィルターを必要とせず、構成を簡単化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、添付図面を参照して、本発明の周辺露光装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0037】
図1は本発明の周辺露光装置の一実施形態を概略的に示す斜視図である。
【0038】
この周辺露光装置は、液晶パネルの周辺露光に適用されるものである。
【0039】
この周辺露光装置は、レジストが塗布された基板1を支承するXYステージ2と、XYステージ2を支承する回転テーブル3と、基板1に対する周辺露光を行う周辺露光用光源4と、周辺露光用光源4を保持するスライダー5と、周辺露光用光源4の出力光強度を検出する照度計6と、周辺露光用光源4に駆動電流を供給する直流電源7と、周辺露光用光源4の温度を制御する温度制御機構8とを有している。
【0040】
基板1としては、ガラス基板、他の材質製の基板、半導体ウエハー、フィルムなどが例示できる。また、種々の形状のものが採用可能である。
【0041】
XYステージ2は、基板1を2次元的に移動させるものであり、回転テーブル3は、XYステージ2と共に基板1を回転させるものである。
【0042】
周辺露光用光源4は、紫外線を放射する発光ダイオード(UV−LED)4aを発光源として含むとともに、ブラケット4b、遮光マスク4c(図2参照)などを含むものである。遮光マスク4cは、例えば、図2に示すように、矩形の窓孔を有し、UV−LED4aによる基板1の照射エリアを矩形状にし、露光エリアの寸法精度を高めることができる。図3は遮光マスクを用いない場合に露光エリアが円形になることを示している。したがって、図3と対比することによって、図2の場合に露光エリアの寸法精度を高めることができることが分かる。
【0043】
スライダー5は、XYステージ2による所定方向への基板1の移動方向と直交する方向へ周辺露光用光源4を往復動させるものである。
【0044】
照度計6は、スライダー5による周辺露光用光源4の移動限界位置において周辺露光用光源4の出力光を受光するものであり、強度検出信号を直流電源7に供給する。
【0045】
直流電源7は、所定の出力光強度が得られるように、周辺露光用光源4に駆動電圧または電流を供給する。好ましくは、UV−LED4aを露光時のみ発光させ、また、必要に応じて露光条件を変化させるように、駆動電圧または電流を制御する。そして、このような制御を行うために、入力機能、記憶機能、比較演算機能、動作指令機能等を備えた制御装置(コンピュータ、プログラマブルロジックアレイなど)に予め品種別のデータとして駆動電圧または電流を登録しておくことが好ましい。
【0046】
また、照度計6により、定期的に出力光強度を測定し、出力光強度測定値を制御装置に供給し、適切なUV−LED4aの照射状態を演算させることが好ましく、UV−LED4aが経時劣化した場合でも安定した露光品質を実現できる。
【0047】
温度制御機構8は、冷却水を生成するためのチラー8aと、冷却水をブラケット4bに供給してUV−LED4aを冷却し、再びチラー8aに戻すための冷却水流路8bと、冷却水流路8bの所定位置に設けたバルブ8c、流量計8d、水圧計8e、および水温センサー8fを有している。なお、水温センサー8fは、ブラケット4bのすぐ下流側に設けられており、温度検出信号をチラー8aに供給して、チラー8aの動作を制御する。
【0048】
また、基板1の搬入、搬出は、図示しない基板移搭ロボット、シャトル搬送移載機構、ローラコンベア等によって行うか、作業者の手作業によって行う。
【0049】
さらに、図示しないL字状位置合わせガイドもしくはL字上の3点のみ接触するピン型のガイドを設けることが好ましく、XYステージ2に供給された基板1の位置がずれている場合に、該ガイドに基板1を押し付けて位置を合わせることができる。
【0050】
上記の構成の周辺露光装置の作用は次のとおりである。
【0051】
レジストが塗布された基板1が搬入され、XYステージ2、回転テーブル3を駆動して位置決めが行われれば、スライダー5によって、露光すべき周辺位置に正対させるべく、周辺露光用光源4を位置決めすることによって、周辺露光の準備を完了する。
【0052】
その後、XYステージ2によって基板1を1方向に移動させるとともに、直流電源7により周辺露光用光源4を動作させることによって、基板1の1辺に沿って周辺部の不要レジストを露光することができる。
【0053】
次いで、XYステージ2、回転テーブル3を動作させるとともに、スライダー5を動作させることによって、他の辺の露光すべき周辺位置に正対させるべく周辺露光用光源4を位置決めし、基板1の該当する辺に沿って周辺部の不要レジストを露光することができる。
【0054】
同様にして、基板1の全ての辺に沿って周辺部の不要レジストを露光することができる。
【0055】
以上の処理を行えば、矩形の基板1の4辺全ての周辺露光をことができるが、何れかの辺のみを露光することが可能である他、周辺部の露光以外に基板内部への露光を行うことも可能である。他の装置に本機能を組み込まれた場合等はどの辺も露光しない場合もある。
【0056】
予め露光したい形状全面、又はその形状を分割した形状に周辺露光用光源4を配し、ステージを制止した状態で、必要時間照射し露光する事も可能である。
【0057】
また、不要レジスト部への露光の最中にXYステージ2と回転テーブル3とスライダー5とを動作させ、露光端面に凹凸のある形状に合わせて周辺露光を行うことも可能である。
【0058】
図4は本発明の周辺露光装置の他の実施形態を概略的に示す斜視図である。
【0059】
この周辺露光装置は、半導体ウエハーの周辺露光に適用されるものである。
【0060】
この周辺露光装置が図1の周辺露光装置と異なる点は、XYステージ2を省略した点、L字状位置合わせガイドもしくはL字上の3点のみ接触するピン型のガイドに代えて端面検出装置9を設けた点、遮光マスク4cの窓孔の形状を矩形に代えてスリット状に設定した点のみである。
【0061】
したがって、この実施形態であれば、円形の基板1を回転させながら周辺露光用光源4からの光を照射させることによって、周辺露光を達成することができる。
【0062】
上記各実施形態においては、周辺露光用光源4を静止させ、基板1を移動させることによって、周辺露光を達成するようにしているが、基板1を静止させ、周辺露光用光源4を移動させることによって、周辺露光を達成することが可能である。
【0063】
また、複数の周辺露光用光源4を採用することも可能である。
【0064】
上記各実施形態においては、基板1を支承する面を平坦面に設定しているが、複数の支持用ピンを突設して基板1を支承する構成を採用することが可能であり、また、基板1が方形である場合に、基板1の1側部を把持し、基板1を、水平な状態または垂直な状態で保持することも可能である。
【0065】
さらに、上記各実施形態において、UV−LED4aをON/OFFさせるべく直流電源7を制御することが可能であり、この場合には、ON時間とOFF時間とに基づいて、図5に示すように、断続的に露光を達成することができる。
【0066】
上記各実施形態においては、3つのUV−LED4aを直線状に配列しているが、異なる数のUV−LED4aを配列することが可能である。また、UV−LED4aを複数行、複数列に配列することも可能である{図6、図7参照}。図6に示す周辺露光用光源4は、UV−LED4aを碁盤目状に配列しており、図7に示す周辺露光用光源4は、UV−LED4aを千鳥状に配列している。
【0067】
これらの場合には、基板1に光が照射される時間を長くすることができ、基板1に与える光エネルギーを増加させることができる(図8参照、ただし、図8は、UV−LED4aを碁盤目状3行2列に配列した場合の照度分布を示している)。
【0068】
また、隣り合うUV−LED4a同士の間隔を適切に設定することによって、露光可能な面積を拡大することができる。
【0069】
この点をさらに説明する。
【0070】
基板1に塗布されたレジストを完全に感光させて周辺露光を実現するに当たっては、レジスト感度(mJ/cm2)、UV−LEDの照度(mW/cm2)、露光速度(mm/sec)、および照射エリア幅(mm)の4つのパラメータが関係する。
ここで、レジスト感度(mJ/cm2)は、基板1に塗布されたレジストにどれだけの光エネルギーを与えると感光するかを示す値である。
【0071】
UV−LEDの照度(mW/cm2)は、UV−LEDから照射される光(レジストが感光する波長帯の光)の、基板表面での単位面積当りの光エネルギー量である。
露光速度(mm/sec)は、UV−LEDが基板上を通過する速度である。
照射エリア幅(mm)は、照射光が照らす基板上の領域の幅(通過方向の寸法)
である。
【0072】
そして、基板1の周辺部を正しく露光して周辺露光を達成するためには、次の条件を満足する必要がある。
【0073】
照射エリア幅(mm)/{レジスト感度(mJ/cm2)/UV−LEDの照度(mW/cm2)}≧露光速度(mm/sec)
ただし、通常は、使用条件から、「UV−LEDの照度」以外のパラメータは先に決定される。したがって、上記条件式を満足するようにUV−LEDの照度を定めればよい。
UV−LEDから放射される光は、図9に示すように、中心が最も照度が高い正規分布状になっている。なお、図9、および以下の図において、1〜5の数字は照度を示しており、レジストが正しく感光する照度を3以上に設定している。
【0074】
したがって、個々のUV−LEDの照射に重なりがない場合には、図9に示すように、何れのUV−LEDも照度分布は全く変化しない。
【0075】
照度が1の部分を互いに重ねるようにUV−LED同士の相対位置を設定すれば、両UV−LED間の最も低い照度は2になる(図10参照)。ただし、この照度2ではレジストを正しく感光することはできない。
【0076】
照度が1の部分を照度が2の部分と重ねるようにUV−LED同士の相対位置を設定すれば、両UV−LED間の最も低い照度は3になる(図11参照)。したがって、両UV−LED間の全範囲でレジストを正しく感光することができる。すなわち、図9と比較して、照度の大幅な平準化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の周辺露光装置の一実施形態を概略的に示す斜視図である。
【図2】遮光マスクと照射エリアとの関係を示す概略斜視図である。
【図3】遮光マスクが存在しない場合の照射エリアを示す概略斜視図である。
【図4】本発明の周辺露光装置の他の実施形態を概略的に示す斜視図である。
【図5】断続的な露光の一例を概略的に示す斜視図である。
【図6】UV−LEDを碁盤目状4行4列に配列した周辺露光用光源を示す概略図である。
【図7】UV−LEDを千鳥状に配列した周辺露光用光源を示す概略図である。
【図8】UV−LEDを碁盤目状3行2列に配列した周辺露光用光源の照度分布を示す概略図である。
【図9】2つのUV−LEDによる照度分布を示す概略図である。
【図10】2つのUV−LEDの照射範囲の最も外縁部を重ねた状態の照度分布を示す概略図である。
【図11】2つのUV−LEDの間の照度が感光可能な照度となるように両UV−LEDの間隔を設定した状態の照度分布を示す概略図である。
【符号の説明】
【0078】
1 基板
4 周辺露光用光源
4a UV−LED
8a チラー
8f 水温センサー
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶用ガラス基板、半導体ウエハー、感光フィルムなどの露光対象物の周辺所定位置を露光するための周辺露光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液晶用ガラス基板、半導体ウエハー、感光フィルムなどの露光対象物の周辺所定位置を露光するための周辺露光装置が提供され、実用に供されている。
【0003】
液晶表示パネル、または半導体ウエハー等の基板に配線パターンを形成する際は、先ず基板全面にレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法により所望の形状にパターニングして配線パターンが製作されるが、通常は基板周辺部に幅が数mm程度の帯状の余白が製作されるようにマスクパターンの露光位置が決められている。
【0004】
このため、フォトリソグラフィ工程でポジ型レジストを使用すると、現像処理後、基板周辺部に未露光のレジストが帯状に残存することになる。この残存レジストは不要であるばかりでなく、後の製造工程においてダストとなるため、スループット低下の要因の一つとして大きな問題になる。そこで、基板周辺部の不要なレジスト領域を露光・現像して除去する必要がある。
【0005】
このような問題点を考慮して、従来から、角形基板の周辺露光装置として、例えば、特許文献1、特許文献2に記載された装置が知られている。
【0006】
特許文献1、特許文献2に記載された装置では、基板周辺部の1箇所を露光するに当たり、1つの光源として、放電灯1灯を用い、その内部には反射鏡、レンズ群、波長カットフィルターを備え、そこから放射される光を基板周辺部に当てながら、基板、或いは光源を移動させることで、基板周辺部を露光することができる。また、光源の冷却は、空冷により達成され、そこから発生する暖気はブロワーにて排気される。
【特許文献1】特開平11−154639号公報
【特許文献2】特開平5−190448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1、特許文献2に記載された装置では、1つの光源として、放電灯1灯を用いているので、以下の問題点が生じてしまう。
【0008】
放電灯の待機時間並びに暖機時間が長い為に、周辺露光を行わない時も放電灯を常時点灯しておく必要があり、放電灯の寿命が短くなり、消費電力が必要以上に多くなり、放電灯の交換が頻繁になることに伴って作業性が悪くなってしまう。
【0009】
放電灯は発熱量が多いので、冷却に大がかりなブロワーを必要とする。
【0010】
放電灯は内部に水銀が使用されているので、放電灯が破損した際の作業者の健康被害や、廃棄される放電灯の処理時の環境負荷が大きい。
【0011】
放電灯は構造が大形であり、それに関わる部分の装置も大形にならざるを得ない。
【0012】
放電灯は出力光の波長分布帯が広く、感光に関係しない波長帯でも発光しているため、無駄に消費する電力が多くなる。
【0013】
放電灯では電気エネルギーの殆どが熱エネルギーに変換される為、無駄に消費する電力が多くなる。
【0014】
放電灯の出力光には赤外線を含むため、基板に対して露光だけでなく、熱的影響を与えてしまう。
【0015】
放電灯は寿命が短いので、交換を頻繁に行う必要がある。
【0016】
放電灯は出力光の波長分布帯が広く、感光に関係しない波長帯の光が照射されるので、基板に対して光学的負荷が掛かり、それを防ぐためには、照射部分に不要な波長帯の光が照射されないようにカットするフィルターを設ける必要がある。
【0017】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、小型化、簡単化を実現できるとともに、露光対象物に与える悪影響を大幅に低減でき、しかも、無駄な電力消費を伴うことなく、露光対象物の周辺領域を露光することができる周辺露光装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の周辺露光装置は、露光対象物の周辺所定位置に対応させて、紫外光を放射する発光ダイオードを含む周辺露光用光源を配置してなるものである。
【0019】
ここで、周辺露光用光源は、所定の相対関係を保持させた状態で配列された複数の発光ダイオードを含むものであってもよく、マトリックス状に配列された複数の発光ダイオードを含むものであってもよい。また、周辺露光用光源は、発光ダイオードから放射される光を、直接に露光対象物の周辺所定位置に照射するものであってもよい。
【0020】
さらに、発光ダイオードを冷却する冷却水を供給する冷却水生成装置と、発光ダイオード冷却直後の冷却水の温度を検出する水温検出装置と、発光ダイオード冷却直後の冷却水の温度を所定温度に保持するように冷却水生成装置を制御する水温制御装置とをさらに含んでいてもよい。
【0021】
さらにまた、露光対象物の周辺所定位置を露光することが指示されたことに応答して発光ダイオードに通電し、露光対象物の周辺所定位置を露光しないことが指示されたことに応答して発光ダイオードへの通電を阻止する通電制御装置をさらに含んでいてもよい。
【0022】
本発明の周辺露光装置であれば、露光対象物の周辺所定位置に対応させて、紫外光を放射する発光ダイオードを含む周辺露光用光源を配置してなるのであるから、小型化、簡単化を実現できるとともに、露光対象物に与える悪影響を大幅に低減でき、しかも、無駄な電力消費を伴うことなく、露光対象物の周辺領域を露光することができる。
【0023】
周辺露光用光源が、所定の相対関係を保持させた状態で配列された複数の発光ダイオードを含むものである場合には、特別の機構を用いることなく光強度の平準化を実現することができる。周辺露光用光源が、マトリックス状に配列された複数の発光ダイオードを含むものである場合には、露光対象物に光が照射される時間を長くし、露光対象物に与える光エネルギーを増加させることができる。周辺露光用光源が、発光ダイオードから放射される光を、直接に露光対象物の周辺所定位置に照射するものである場合には、小型化、簡単化を実現することができる。
【0024】
また、発光ダイオードを冷却する冷却水を供給する冷却水生成装置と、発光ダイオード冷却直後の冷却水の温度を検出する水温検出装置と、発光ダイオード冷却直後の冷却水の温度を所定温度に保持するように冷却水生成装置を制御する水温制御装置とをさらに含んでいる場合には、発光ダイオードの温度をほぼ一定に保持することができ、露光品質を安定させることができる。
【0025】
さらに、露光対象物の周辺所定位置を露光することが指示されたことに応答して発光ダイオードに通電し、露光対象物の周辺所定位置を露光しないことが指示されたことに応答して発光ダイオードへの通電を阻止する通電制御装置をさらに含んでいる場合には、不要な電力消費を阻止することができるとともに、発光ダイオードの寿命を長くすることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、小型化、簡単化を実現できるとともに、露光対象物に与える悪影響を大幅に低減でき、しかも、無駄な電力消費を伴うことなく、露光対象物の周辺領域を露光することができるという特有の効果を奏する。
【0027】
また、露光時だけ点灯することにより、発光ダイオードの寿命を長くし、消費電力を必要最小限にし、発光ダイオード交換などの作業性を向上させることができる。
【0028】
発光ダイオードの発熱量を小さくできるので、小型なチラーでの冷却が可能となる。
【0029】
発光ダイオードは水銀を使用しないため、作業者の健康被害並びに環境負荷をなくすることができる。
【0030】
発光ダイオードが小型軽量であるから、装置の小型化を実現することができる。
【0031】
発光ダイオードは波長分布帯が狭いので、感光(露光)に関係する波長帯だけでの照射が可能で、無駄な電力消費を防止することができる。
【0032】
発光ダイオードは発光効率が高いので、熱エネルギーの発生を抑えることができ、ひいては電力消費を抑えることができる。
【0033】
発光ダイオードの出力光は赤外線を含まないので、被処理体に対して熱負荷を与えない。
【0034】
発光ダイオードは寿命が長いので、交換周期を長くすることができ、交換作業回数を低減することができる。
【0035】
発光ダイオードの出力光は波長分布帯が狭く、感光(露光)に関係する波長帯だけを照射することができ、被処理体に対する光学的ストレスをなくすることができ、しかも不要な波長帯をカットするフィルターを必要とせず、構成を簡単化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、添付図面を参照して、本発明の周辺露光装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0037】
図1は本発明の周辺露光装置の一実施形態を概略的に示す斜視図である。
【0038】
この周辺露光装置は、液晶パネルの周辺露光に適用されるものである。
【0039】
この周辺露光装置は、レジストが塗布された基板1を支承するXYステージ2と、XYステージ2を支承する回転テーブル3と、基板1に対する周辺露光を行う周辺露光用光源4と、周辺露光用光源4を保持するスライダー5と、周辺露光用光源4の出力光強度を検出する照度計6と、周辺露光用光源4に駆動電流を供給する直流電源7と、周辺露光用光源4の温度を制御する温度制御機構8とを有している。
【0040】
基板1としては、ガラス基板、他の材質製の基板、半導体ウエハー、フィルムなどが例示できる。また、種々の形状のものが採用可能である。
【0041】
XYステージ2は、基板1を2次元的に移動させるものであり、回転テーブル3は、XYステージ2と共に基板1を回転させるものである。
【0042】
周辺露光用光源4は、紫外線を放射する発光ダイオード(UV−LED)4aを発光源として含むとともに、ブラケット4b、遮光マスク4c(図2参照)などを含むものである。遮光マスク4cは、例えば、図2に示すように、矩形の窓孔を有し、UV−LED4aによる基板1の照射エリアを矩形状にし、露光エリアの寸法精度を高めることができる。図3は遮光マスクを用いない場合に露光エリアが円形になることを示している。したがって、図3と対比することによって、図2の場合に露光エリアの寸法精度を高めることができることが分かる。
【0043】
スライダー5は、XYステージ2による所定方向への基板1の移動方向と直交する方向へ周辺露光用光源4を往復動させるものである。
【0044】
照度計6は、スライダー5による周辺露光用光源4の移動限界位置において周辺露光用光源4の出力光を受光するものであり、強度検出信号を直流電源7に供給する。
【0045】
直流電源7は、所定の出力光強度が得られるように、周辺露光用光源4に駆動電圧または電流を供給する。好ましくは、UV−LED4aを露光時のみ発光させ、また、必要に応じて露光条件を変化させるように、駆動電圧または電流を制御する。そして、このような制御を行うために、入力機能、記憶機能、比較演算機能、動作指令機能等を備えた制御装置(コンピュータ、プログラマブルロジックアレイなど)に予め品種別のデータとして駆動電圧または電流を登録しておくことが好ましい。
【0046】
また、照度計6により、定期的に出力光強度を測定し、出力光強度測定値を制御装置に供給し、適切なUV−LED4aの照射状態を演算させることが好ましく、UV−LED4aが経時劣化した場合でも安定した露光品質を実現できる。
【0047】
温度制御機構8は、冷却水を生成するためのチラー8aと、冷却水をブラケット4bに供給してUV−LED4aを冷却し、再びチラー8aに戻すための冷却水流路8bと、冷却水流路8bの所定位置に設けたバルブ8c、流量計8d、水圧計8e、および水温センサー8fを有している。なお、水温センサー8fは、ブラケット4bのすぐ下流側に設けられており、温度検出信号をチラー8aに供給して、チラー8aの動作を制御する。
【0048】
また、基板1の搬入、搬出は、図示しない基板移搭ロボット、シャトル搬送移載機構、ローラコンベア等によって行うか、作業者の手作業によって行う。
【0049】
さらに、図示しないL字状位置合わせガイドもしくはL字上の3点のみ接触するピン型のガイドを設けることが好ましく、XYステージ2に供給された基板1の位置がずれている場合に、該ガイドに基板1を押し付けて位置を合わせることができる。
【0050】
上記の構成の周辺露光装置の作用は次のとおりである。
【0051】
レジストが塗布された基板1が搬入され、XYステージ2、回転テーブル3を駆動して位置決めが行われれば、スライダー5によって、露光すべき周辺位置に正対させるべく、周辺露光用光源4を位置決めすることによって、周辺露光の準備を完了する。
【0052】
その後、XYステージ2によって基板1を1方向に移動させるとともに、直流電源7により周辺露光用光源4を動作させることによって、基板1の1辺に沿って周辺部の不要レジストを露光することができる。
【0053】
次いで、XYステージ2、回転テーブル3を動作させるとともに、スライダー5を動作させることによって、他の辺の露光すべき周辺位置に正対させるべく周辺露光用光源4を位置決めし、基板1の該当する辺に沿って周辺部の不要レジストを露光することができる。
【0054】
同様にして、基板1の全ての辺に沿って周辺部の不要レジストを露光することができる。
【0055】
以上の処理を行えば、矩形の基板1の4辺全ての周辺露光をことができるが、何れかの辺のみを露光することが可能である他、周辺部の露光以外に基板内部への露光を行うことも可能である。他の装置に本機能を組み込まれた場合等はどの辺も露光しない場合もある。
【0056】
予め露光したい形状全面、又はその形状を分割した形状に周辺露光用光源4を配し、ステージを制止した状態で、必要時間照射し露光する事も可能である。
【0057】
また、不要レジスト部への露光の最中にXYステージ2と回転テーブル3とスライダー5とを動作させ、露光端面に凹凸のある形状に合わせて周辺露光を行うことも可能である。
【0058】
図4は本発明の周辺露光装置の他の実施形態を概略的に示す斜視図である。
【0059】
この周辺露光装置は、半導体ウエハーの周辺露光に適用されるものである。
【0060】
この周辺露光装置が図1の周辺露光装置と異なる点は、XYステージ2を省略した点、L字状位置合わせガイドもしくはL字上の3点のみ接触するピン型のガイドに代えて端面検出装置9を設けた点、遮光マスク4cの窓孔の形状を矩形に代えてスリット状に設定した点のみである。
【0061】
したがって、この実施形態であれば、円形の基板1を回転させながら周辺露光用光源4からの光を照射させることによって、周辺露光を達成することができる。
【0062】
上記各実施形態においては、周辺露光用光源4を静止させ、基板1を移動させることによって、周辺露光を達成するようにしているが、基板1を静止させ、周辺露光用光源4を移動させることによって、周辺露光を達成することが可能である。
【0063】
また、複数の周辺露光用光源4を採用することも可能である。
【0064】
上記各実施形態においては、基板1を支承する面を平坦面に設定しているが、複数の支持用ピンを突設して基板1を支承する構成を採用することが可能であり、また、基板1が方形である場合に、基板1の1側部を把持し、基板1を、水平な状態または垂直な状態で保持することも可能である。
【0065】
さらに、上記各実施形態において、UV−LED4aをON/OFFさせるべく直流電源7を制御することが可能であり、この場合には、ON時間とOFF時間とに基づいて、図5に示すように、断続的に露光を達成することができる。
【0066】
上記各実施形態においては、3つのUV−LED4aを直線状に配列しているが、異なる数のUV−LED4aを配列することが可能である。また、UV−LED4aを複数行、複数列に配列することも可能である{図6、図7参照}。図6に示す周辺露光用光源4は、UV−LED4aを碁盤目状に配列しており、図7に示す周辺露光用光源4は、UV−LED4aを千鳥状に配列している。
【0067】
これらの場合には、基板1に光が照射される時間を長くすることができ、基板1に与える光エネルギーを増加させることができる(図8参照、ただし、図8は、UV−LED4aを碁盤目状3行2列に配列した場合の照度分布を示している)。
【0068】
また、隣り合うUV−LED4a同士の間隔を適切に設定することによって、露光可能な面積を拡大することができる。
【0069】
この点をさらに説明する。
【0070】
基板1に塗布されたレジストを完全に感光させて周辺露光を実現するに当たっては、レジスト感度(mJ/cm2)、UV−LEDの照度(mW/cm2)、露光速度(mm/sec)、および照射エリア幅(mm)の4つのパラメータが関係する。
ここで、レジスト感度(mJ/cm2)は、基板1に塗布されたレジストにどれだけの光エネルギーを与えると感光するかを示す値である。
【0071】
UV−LEDの照度(mW/cm2)は、UV−LEDから照射される光(レジストが感光する波長帯の光)の、基板表面での単位面積当りの光エネルギー量である。
露光速度(mm/sec)は、UV−LEDが基板上を通過する速度である。
照射エリア幅(mm)は、照射光が照らす基板上の領域の幅(通過方向の寸法)
である。
【0072】
そして、基板1の周辺部を正しく露光して周辺露光を達成するためには、次の条件を満足する必要がある。
【0073】
照射エリア幅(mm)/{レジスト感度(mJ/cm2)/UV−LEDの照度(mW/cm2)}≧露光速度(mm/sec)
ただし、通常は、使用条件から、「UV−LEDの照度」以外のパラメータは先に決定される。したがって、上記条件式を満足するようにUV−LEDの照度を定めればよい。
UV−LEDから放射される光は、図9に示すように、中心が最も照度が高い正規分布状になっている。なお、図9、および以下の図において、1〜5の数字は照度を示しており、レジストが正しく感光する照度を3以上に設定している。
【0074】
したがって、個々のUV−LEDの照射に重なりがない場合には、図9に示すように、何れのUV−LEDも照度分布は全く変化しない。
【0075】
照度が1の部分を互いに重ねるようにUV−LED同士の相対位置を設定すれば、両UV−LED間の最も低い照度は2になる(図10参照)。ただし、この照度2ではレジストを正しく感光することはできない。
【0076】
照度が1の部分を照度が2の部分と重ねるようにUV−LED同士の相対位置を設定すれば、両UV−LED間の最も低い照度は3になる(図11参照)。したがって、両UV−LED間の全範囲でレジストを正しく感光することができる。すなわち、図9と比較して、照度の大幅な平準化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の周辺露光装置の一実施形態を概略的に示す斜視図である。
【図2】遮光マスクと照射エリアとの関係を示す概略斜視図である。
【図3】遮光マスクが存在しない場合の照射エリアを示す概略斜視図である。
【図4】本発明の周辺露光装置の他の実施形態を概略的に示す斜視図である。
【図5】断続的な露光の一例を概略的に示す斜視図である。
【図6】UV−LEDを碁盤目状4行4列に配列した周辺露光用光源を示す概略図である。
【図7】UV−LEDを千鳥状に配列した周辺露光用光源を示す概略図である。
【図8】UV−LEDを碁盤目状3行2列に配列した周辺露光用光源の照度分布を示す概略図である。
【図9】2つのUV−LEDによる照度分布を示す概略図である。
【図10】2つのUV−LEDの照射範囲の最も外縁部を重ねた状態の照度分布を示す概略図である。
【図11】2つのUV−LEDの間の照度が感光可能な照度となるように両UV−LEDの間隔を設定した状態の照度分布を示す概略図である。
【符号の説明】
【0078】
1 基板
4 周辺露光用光源
4a UV−LED
8a チラー
8f 水温センサー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光対象物(1)の周辺所定位置に対応させて、紫外光を放射する発光ダイオード(4a)を含む周辺露光用光源(4)を配置してなることを特徴とする周辺露光装置。
【請求項2】
周辺露光用光源(4)は、所定の相対関係を保持させた状態で配列された複数の発光ダイオード(4a)を含む請求項1に記載の周辺露光装置。
【請求項3】
周辺露光用光源(4)は、マトリックス状に配列された複数の発光ダイオード(4a)を含む請求項1に記載の周辺露光装置。
【請求項4】
発光ダイオード(4a)を冷却する冷却水を供給する冷却水生成装置(8a)と、発光ダイオード冷却直後の冷却水の温度を検出する水温検出装置(8f)と、発光ダイオード冷却直後の冷却水の温度を所定温度に保持するように冷却水生成装置(8a)を制御する水温制御装置とをさらに含む請求項1から請求項3の何れかに記載の周辺露光装置。
【請求項5】
周辺露光用光源(4)は、発光ダイオード(4a)から放射される光を、直接に露光対象物の周辺所定位置に照射するものである請求項1から請求項4の何れかに記載の周辺露光装置。
【請求項6】
露光対象物(1)の周辺所定位置を露光することが指示されたことに応答して発光ダイオード(4a)に通電し、露光対象物(1)の周辺所定位置を露光しないことが指示されたことに応答して発光ダイオード(4a)への通電を阻止する通電制御装置をさらに含む請求項1から請求項5の何れかに記載の周辺露光装置。
【請求項1】
露光対象物(1)の周辺所定位置に対応させて、紫外光を放射する発光ダイオード(4a)を含む周辺露光用光源(4)を配置してなることを特徴とする周辺露光装置。
【請求項2】
周辺露光用光源(4)は、所定の相対関係を保持させた状態で配列された複数の発光ダイオード(4a)を含む請求項1に記載の周辺露光装置。
【請求項3】
周辺露光用光源(4)は、マトリックス状に配列された複数の発光ダイオード(4a)を含む請求項1に記載の周辺露光装置。
【請求項4】
発光ダイオード(4a)を冷却する冷却水を供給する冷却水生成装置(8a)と、発光ダイオード冷却直後の冷却水の温度を検出する水温検出装置(8f)と、発光ダイオード冷却直後の冷却水の温度を所定温度に保持するように冷却水生成装置(8a)を制御する水温制御装置とをさらに含む請求項1から請求項3の何れかに記載の周辺露光装置。
【請求項5】
周辺露光用光源(4)は、発光ダイオード(4a)から放射される光を、直接に露光対象物の周辺所定位置に照射するものである請求項1から請求項4の何れかに記載の周辺露光装置。
【請求項6】
露光対象物(1)の周辺所定位置を露光することが指示されたことに応答して発光ダイオード(4a)に通電し、露光対象物(1)の周辺所定位置を露光しないことが指示されたことに応答して発光ダイオード(4a)への通電を阻止する通電制御装置をさらに含む請求項1から請求項5の何れかに記載の周辺露光装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−278389(P2006−278389A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−90736(P2005−90736)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000219314)東レエンジニアリング株式会社 (505)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000219314)東レエンジニアリング株式会社 (505)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]