説明

呼予約制御システム、SIPサーバ、呼予約制御方法および呼予約制御プログラム

【課題】SIPのプロトコルで通信の開始から切断要求までの流れからなるセッションを予約制御し確実に呼の接続が可能な呼予約制御システム、SIPサーバ、呼予約制御方法およびプログラムを得ること。
【解決手段】呼予約システム11は、特定の電話番号についての発着呼に使用する呼数の予約を受け付けてSIPサーバに通知する。SIPサーバの呼数予約手段12cは呼の予約が可能であると判別した呼数を通常呼とは別枠で予約する。通信要求可否判別手段12eは予約呼の呼数との関係で呼の予約が可能な場合に呼を確立する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼の接続を行う呼予約制御システム、SIPサーバ、呼予約制御方法および呼予約制御プログラムに関する。本発明は特にSIP(Session Initiation Protocol)サーバを用いた呼接続に好適な呼予約制御システム、SIPサーバ、呼予約制御方法および呼予約制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
SIPサーバは、SIPと呼ばれるプロトコルを利用して呼制御を行う。SIPプロトコルは、VoIP(Voice over Internet Protocol)等の音声通信のIP化で用いられるプロトコルであり、たとえばインターネット電話に利用されている。
【0003】
一般に電話回線を使用して相手先に電話を掛ける場合、電話回線が混み合っていると、電話をすぐに接続することができない。SIPプロトコルを使用して相手先に電話を掛ける場合も同様であり、トラフィック中継線の許容できる帯域幅で定まるSIPサーバの制御可能な呼の数の最大値を超えると電話を相手先と接続することができない。
【0004】
そこで、本発明に関連する関連技術では、中継線の許容できる帯域幅を超えるときには、関係するトラフィック中継線に対する追加帯域幅を予約することができる技術を提案している(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−211821号公報(第0015段落、第0021段落)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この関連技術で帯域幅の予約は、時刻同期データの伝送を行う際のQoS(Quality of Service)の低下を防止するために行われるようになっている。したがって、この関連技術を使用しても電話回線が混み合っている際の電話等の通信を確保する対策を採ることはできない。
【0007】
そこで本発明の目的は、SIPのプロトコルで通信の開始から切断要求までの流れからなるセッションを予約制御し、確実に呼の接続を行えるようにした呼予約制御システム、SIPサーバ、呼予約制御方法および呼予約制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、(イ)特定の電話番号に対応した通信に使用する呼数を、ユーザ端末の予約を希望する通信時間帯に対応させて受け付ける呼数予約受付手段と、この呼数予約受付手段により予約した呼数予約受付内容を示す呼予約イベントを特定の宛先に通知するイベント通知手段とを備えた呼予約システムと、(ロ)前記した特定の宛先として前記したイベント通知手段から前記した呼予約イベントを受信する呼予約イベント受信手段と、この呼予約イベント受信手段により受信した時間帯に前記した特定の電話番号に対する呼の予約が、予め定めた所定の予約可能呼数との関係で可能であるかを判別する呼予約可否判別手段と、この呼予約可否判別手段で呼の予約が可能であると判別した呼数を前記した特定の電話番号に対応する予約呼の呼数として予約する呼数予約手段と、ユーザ端末から電話番号に対応させた通信要求があったときこれを受信する通信要求受信手段と、この通信要求受信手段が通信要求を受信したとき、該当する電話番号に対応する前記した予約呼の呼数との関係で前記した通信要求を可とするかを判別する通信要求可否判別手段と、この通信要求可否判別手段が前記した通信要求を可とするとき、対応する呼数の回線を確保して呼を確立する呼確立手段とを備えたSIP(Session Initiation Protocol)サーバとを呼予約制御システムが具備する。
【0009】
また、本発明では、(イ)特定の電話番号に対応した通信に使用する呼数を、ユーザ端末の予約を希望する通信時間帯に対応させた呼数予約受付内容を示す呼予約イベントを受信するイベント受信手段と、(ロ)このイベント受信手段で受信した時間帯に前記した特定の電話番号に対する呼の予約が、予め定めた所定の予約可能呼数との関係で可能であるかを判別する呼予約可否判別手段と、(ハ)この呼予約可否判別手段で呼の予約が可能であると判別した呼数を前記した特定の電話番号に対応する予約呼の呼数として予約する呼数予約手段と、(ニ)ユーザ端末から電話番号に対応させた通信要求があったときこれを受信する通信要求受信手段と、(ホ)この通信要求受信手段が通信要求を受信したとき、該当する電話番号に対応する前記した予約呼の呼数との関係で前記した通信要求を可とするかを判別する通信要求可否判別手段と、(へ)この通信要求可否判別手段が前記した通信要求を可とするとき、対応する呼数の回線を確保して呼を確立する呼確立手段とをSIP(Session Initiation Protocol)サーバが具備する。
【0010】
更に本発明では、(イ)特定の電話番号に対応した通信に使用する呼数を、ユーザ端末の予約を希望する通信時間帯に対応させた呼数予約受付内容として受け付ける呼数予約受付ステップと、(ロ)この呼数予約受付ステップにより予約した呼数予約受付内容を示す呼予約イベントをSIP(Session Initiation Protocol)サーバに通知するイベント通知ステップと、(ハ)このイベント通知ステップで通知された時間帯に前記した特定の電話番号に対する呼の予約が、予め定めた所定の予約可能呼数との関係で可能であるかを判別する呼予約可否判別ステップと、(ニ)この呼予約可否判別ステップで呼の予約が可能であると判別した呼数を前記した特定の電話番号に対応する予約呼の呼数として予約する呼数予約ステップと、(ホ)ユーザ端末から電話番号に対応させた通信要求があったときこれを受信する通信要求受信ステップと、(へ)この通信要求受信ステップが通信要求を受信したとき、該当する電話番号に対応する前記した予約呼の呼数との関係で前記した通信要求を可とするかを判別する通信要求可否判別ステップと、(ト)この通信要求可否判別ステップが前記した通信要求を可とするとき、対応する呼数の回線を確保して呼を確立する呼確立ステップとを呼予約制御方法が具備する。
【0011】
更にまた本発明では、SIP(Session Initiation Protocol)サーバのコンピュータに、呼予約制御プログラムとして、(イ)特定の電話番号に対応した通信に使用する呼数を、ユーザ端末の予約を希望する通信時間帯に対応させた呼数予約受付内容を示す呼予約イベントを受信するイベント受信処理と、(ロ)このイベント受信処理で受信した時間帯に前記した特定の電話番号に対する呼の予約が、予め定めた所定の予約可能呼数との関係で可能であるかを判別する呼予約可否判別処理と、(ハ)この呼予約可否判別処理で呼の予約が可能であると判別した呼数を前記した特定の電話番号に対応する予約呼の呼数として予約する呼数予約処理と、(ニ)ユーザ端末から電話番号に対応させた通信要求があったときこれを受信する通信要求受信処理と、(ホ)この通信要求受信処理が通信要求を受信したとき、該当する電話番号に対応する前記した予約呼の呼数との関係で前記した通信要求を可とするかを判別する通信要求可否判別処理と、(へ)この通信要求可否判別処理が前記した通信要求を可とするとき、対応する呼数の回線を確保して呼を確立する呼確立処理とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明では、SIPと呼ばれるプロトコルを利用して呼制御を行うサーバとしてのSIPサーバを用いて、事前にSIPセッションを予約することにしたので、予約した範囲で確実に呼の接続を行うことができる。しかも既存のSIPシステムを拡張するので、容易にシステム構築が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の呼予約制御システムのクレーム対応図である。
【図2】本発明のSIPサーバのクレーム対応図である。
【図3】本発明の呼予約制御方法のクレーム対応図である。
【図4】本発明の呼予約制御プログラムのクレーム対応図である。
【図5】本発明の実施の形態における呼接続システムを表わしたシステム構成図である。
【図6】本実施の形態における呼予約システムの構成の概要を表わしたブロック図である。
【図7】本実施の形態の呼制御数制御システムにおける呼制御数の制御を原理的に表わした説明図である。
【図8】本実施の形態における呼数管理テーブルの一例を示した説明図である。
【図9】本実施の形態におけるSIPサーバによる呼予約イベント処理の様子を表わした流れ図である。
【図10】本実施の形態における発着信要求受信時のSIPサーバの処理の様子を表わした流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の呼予約制御システムのクレーム対応図を示したものである。本発明の呼予約制御システム10は、呼予約システム11とSIPサーバ12を備えている。ここで、呼予約システム11は、特定の電話番号に対応した通信に使用する呼数を、ユーザ端末の予約を希望する通信時間帯に対応させて受け付ける呼数予約受付手段11aと、この呼数予約受付手段11aにより予約した呼数予約受付内容を示す呼予約イベントを特定の宛先に通知するイベント通知手段11bとを備えている。SIPサーバ12は、呼予約イベント受信手段12aと、呼予約可否判別手段12bと、呼数予約手段12cと、通信要求受信手段12dと、通信要求可否判別手段12eと、呼確立手段12fを備えている。ここで呼予約イベント受信手段12aは、前記した特定の宛先としてイベント通知手段11bから前記した呼予約イベントを受信する。呼予約可否判別手段12bは、呼予約イベント受信手段12aにより受信した時間帯に前記した特定の電話番号に対する呼の予約が、予め定めた所定の予約可能呼数との関係で可能であるかを判別する。呼数予約手段12cは、呼予約可否判別手段12bで呼の予約が可能であると判別した呼数を前記した特定の電話番号に対応する予約呼の呼数として予約する。通信要求受信手段12dは、ユーザ端末から電話番号に対応させた通信要求があったときこれを受信する。通信要求可否判別手段12eは、通信要求受信手段12dが通信要求を受信したとき、該当する電話番号に対応する前記した予約呼の呼数との関係で前記した通信要求を可とするかを判別する。呼確立手段12fは、通信要求可否判別手段12eが前記した通信要求を可とするとき、対応する呼数の回線を確保して呼を確立する。
【0015】
図2は、本発明のSIPサーバのクレーム対応図を示したものである。本発明のSIPサーバ20は、イベント受信手段21と、呼予約可否判別手段22と、呼数予約手段23と、通信要求受信手段24と、通信要求可否判別手段25と、呼確立手段26を備えている。ここで、イベント受信手段21は、特定の電話番号に対応した通信に使用する呼数を、ユーザ端末の予約を希望する通信時間帯に対応させた呼数予約受付内容を示す呼予約イベントを受信する。呼予約可否判別手段22は、イベント受信手段21で受信した時間帯に前記した特定の電話番号に対する呼の予約が、予め定めた所定の予約可能呼数との関係で可能であるかを判別する。呼数予約手段23は、呼予約可否判別手段22で呼の予約が可能であると判別した呼数を前記した特定の電話番号に対応する予約呼の呼数として予約する。通信要求受信手段24は、ユーザ端末から電話番号に対応させた通信要求があったときこれを受信する。通信要求可否判別手段25は、通信要求受信手段24が通信要求を受信したとき、該当する電話番号に対応する前記した予約呼の呼数との関係で前記した通信要求を可とするかを判別する。呼確立手段26は、通信要求可否判別手段25が前記した通信要求を可とするとき、対応する呼数の回線を確保して呼を確立する。
【0016】
図3は、本発明の呼予約制御方法のクレーム対応図を示したものである。本発明の呼予約制御方法30は、呼数予約受付ステップ31と、イベント通知ステップ32と、呼予約可否判別ステップ33と、呼数予約ステップ34と、通信要求受信ステップ35と、通信要求可否判別ステップ36と、呼確立ステップ37を備えている。ここで、呼数予約受付ステップ31では、特定の電話番号に対応した通信に使用する呼数を、ユーザ端末の予約する通信時間帯に対応させた呼数予約受付内容として受け付ける。イベント通知ステップ32では、呼数予約受付ステップ31により予約した呼数予約受付内容を示す呼予約イベントをSIPサーバに通知する。呼予約可否判別ステップ33では、イベント通知ステップ32で通知された時間帯に前記した特定の電話番号に対する呼の予約が、予め定めた所定の予約可能呼数との関係で可能であるかを判別する。呼数予約ステップ34では、呼予約可否判別ステップ33で呼の予約が可能であると判別した呼数を前記した特定の電話番号に対応する予約呼の呼数として予約する。通信要求受信ステップ35では、ユーザ端末から電話番号に対応させた通信要求があったときこれを受信する。通信要求可否判別ステップ36では、通信要求受信ステップ35で通信要求を受信したとき、該当する電話番号に対応する前記した予約呼の呼数との関係で前記した通信要求を可とするかを判別する。呼確立ステップ37では、通信要求可否判別ステップ36で前記した通信要求を可とするとき、対応する呼数の回線を確保して呼を確立する。
【0017】
図4は、本発明の呼予約制御プログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明の呼予約制御プログラム40は、SIPサーバのコンピュータにイベント受信処理41と、呼予約可否判別処理42と、呼数予約処理43と、通信要求受信処理44と、通信要求可否判別処理45と、呼確立処理46を実行させるようにしている。ここで、イベント受信処理41では、特定の電話番号に対応した通信に使用する呼数を、ユーザ端末の予約を希望する通信時間帯に対応させた呼数予約受付内容を示す呼予約イベントを受信する。呼予約可否判別処理42では、イベント受信処理41で受信した時間帯に前記した特定の電話番号に対する呼の予約が、予め定めた所定の予約可能呼数との関係で可能であるかを判別する。呼数予約処理43では、呼予約可否判別処理42で呼の予約が可能であると判別した呼数を前記した特定の電話番号に対応する予約呼の呼数として予約する。通信要求受信処理44では、ユーザ端末から電話番号に対応させた通信要求があったときこれを受信する。通信要求可否判別処理45では、通信要求受信処理44で通信要求を受信したとき、該当する電話番号に対応する前記した予約呼の呼数との関係で前記した通信要求を可とするかを判別する。呼確立処理46では、通信要求可否判別処理45で前記した通信要求を可とするとき、対応する呼数の回線を確保して呼を確立する。
【0018】
<発明の実施の形態>
【0019】
次に本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
図5は、本発明の実施の形態における呼接続システムを表わしたものである。呼予約制御システム100は、呼予約システム101と、SIPサーバ102と、これらを接続する通信経路103によって構成されている。ここで呼予約システム101は、電話番号に対するSIPセッションの予約イベントの監視を行う。呼予約システム101による具体的な予約イベントの監視方法としては、たとえば図示しないメディアサーバにおけるDTMF(Dial Tone Multi Frequency)によるトーン信号を用いた予約イベントの監視、あるいは同じく図示しないウェブサーバによる予約イベントの監視を挙げることができる。
【0021】
SIPサーバ102は、汎用のサーバにSIPサーバ用のアプリケーションソフトウェアを実装したものである。本実施の形態のSIPサーバ102は、機能的にSIPサーバ電話番号情報データ部111と、呼制御数制御システム112から構成されている。
【0022】
このうちSIPサーバ電話番号情報データ部111は、通話の際の発着信に使用する電話番号121と、通常通話呼数122と、予約通話呼数123と、予約呼数124の各データの組み合わせからなるSIPサーバ電話番号情報データ125を格納するメモリ領域である。ここで「呼数」とは、単位時間(1時間)に電話を掛けて接続する回数をいう。予約呼数124とは、対象となる電話番号について実際に予約を行っているSIPセッション数をいう。予約通話呼数123は、予約呼数124の中で実際に通話を行っているSIPセッション数をいう。SIPサーバ電話番号情報データ125を格納するメモリ領域は、SIPサーバ102を構成する図示しないメモリを適宜割り当てたものである。
【0023】
呼制御数制御システム112は、SIPサーバ電話番号情報データ部111を格納したメモリのその他の領域に格納された制御プログラムを図示しないCPU(Central Processing Unit)が実行することでSIPサーバ102を機能的に実現するようになっている。呼制御数制御システム112内には、前記したメモリの一部領域を使用した呼数管理テーブル126が配置されている。呼数管理テーブル126は、呼数の管理を行うための呼数管理情報を格納するようになっている。
【0024】
図6は、呼予約システムの構成の概要を表わしたものである。図5と共に説明する。
【0025】
呼予約システム101は、呼予約情報データ部141と、これを制御する呼予約システム制御部142から構成されている。呼予約情報データ部141は、電話番号情報151と、予約時間情報152と、予約呼数情報153の各データの組み合わせからなる呼予約情報データ154を格納するメモリ領域である。このメモリ領域は、呼予約システム101を構成する図示しないメモリを適宜割り当てたものである。また、呼予約システム制御部142は図示しないCPUを備え、呼予約情報データ部141を格納したメモリのその他の領域に格納された制御プログラムを実行することで呼予約システム101をソフトウェア的に実現するようになっている。
【0026】
このような構成の呼予約制御システム100では、呼予約システム101が呼の予約についてのイベントを取得する。呼予約システム101は、これを基にして電話番号情報151と、予約時間情報152と、予約呼数情報153の各データをチェックして呼の予約が可能であるかを判別する。具体的には、電話番号情報151で示される通話対象となる電話番号が存在し、予約時間情報152で示す予約時間に予約でき、予約呼数情報153で示す呼数が予約できる呼の数の範囲内であると判別したときには呼の予約が可能である。
【0027】
呼予約システム101は、呼の予約が可能であると判別した場合、前記した3種類の情報151〜153の組み合わせを呼予約情報データ154として連結し、呼予約情報データ部141に保存する。そして、その予約時間情報152に示す予約時間が到来したとき、呼予約情報データ154の実行開始時間になったものとして、通信経路103を通じてSIPサーバ102へ予約イベントを通知することになる。
【0028】
一方、SIPサーバ102内の呼制御数制御システム112は、呼予約システム101から呼予約情報データ部141に保存された呼予約情報データ154についてのイベントが受信されるのを待機している。イベントが受信されると、呼予約システム制御部142は呼予約情報データ154から、管理を行っているSIPサーバ電話番号情報データ125における電話番号121および予約呼数124を更新する。
【0029】
図7は、呼予約制御システムにおける呼制御数の制御を原理的に表わしたものである。図5および図6と共に説明する。
【0030】
SIPサーバ102が最大で制御可能な呼数としての最大制御可能呼数を数値nで表わすものとする。特定の電話番号に対して通話する場合を考え、この電話番号を電話番号Aとする。この場合、最大制御可能呼数nは、電話番号Aについての回線数と等しくなる。
【0031】
本実施の形態では、最大制御可能呼数nを、予約用の呼制御数aと、通常用の呼制御数(n−a)に区分けする。呼予約システム101からSIPサーバ102が呼予約のイベントを受信した際に、呼予約対象の電話番号Aがすでに通話呼を保持していたような場合には、その呼は通常用の呼制御数(n−a)として管理される。予約時間内で発生した呼が予約用の呼制御数aとして管理されることになる。
【0032】
予約用の呼制御数aと、通常用の呼制御数(n−a)の境界となる閾値を呼数閾値Thと呼ぶことにする。また、予約を可能な最大呼数としての最大予約可能呼数を数値mで表わすものとする。
【0033】
本実施の形態の呼制御数制御システム112では、SIPサーバ102が呼予約システム101から呼予約情報データ154のイベントを受信したとき、予約呼数情報153から呼数閾値Thを決定し、最大制御可能呼数nを通常用の呼制御数(n−a)と予約用の呼制御数aに区分けする。予約用の呼制御数aは、予約対象の電話番号情報151のために確保される呼回線となる。呼予約システム101は、呼の予約状況によって、最大予約可能呼数mを変更するようになっている。
【0034】
図8は、呼数管理テーブルの一例について呼管理情報の遷移を表わしたものである。呼数管理テーブル126は、通話中の呼数、通話可能な呼数および新規予約可能な呼数を時間単位で管理するようになっている。図8に示す呼数管理テーブル126には、電話番号Aについての呼数管理情報が格納されている。図7と共に説明する。
【0035】
8時における通話中の通常呼の呼数をNTとし、予約呼の呼数をRTとする。また、8時における通話可能な通常呼の呼数をNIとし、予約呼の呼数をRIとする。最大制御可能呼数nは、次の(1)式のようになる。
n=NT+RT+NI+RI……(1)
【0036】
したがって、8時の時点で新規予約可能な呼数は、最大予約可能呼数mから通話中の予約呼と通話可能な予約呼の和(RT+RI)を差し引いた値となる。
【0037】
電話番号Aについての予約呼数をrとする。また、電話番号Aについての9時に通話を開始して12時時点で通話が継続する、予約後の通話呼数をrtとする。電話番号Aについての予約が9時に開始し、12時に予約が満了するものとするものとし、9時における通話中の通常呼がNTのままであったとする。この場合、通話中の予約呼の呼数は、呼数rtだけ増加してRT+rtとなる。この結果、通話可能な通常呼の呼数は、電話番号Aについての予約呼数rだけ減少して、NI−rとなる。また、通話可能な予約呼の呼数は、NI+r−rtとなる。
【0038】
12時になると、電話番号Aについての予約後の通話呼数がrtなので、予約満了のこの時点で通話中の通常呼NTに通常呼が加わってNT+rtとなる。通話中の予約呼は、予約満了の呼数rtだけ減少して、RT−rtとなる。12時における通話可能な通常呼および予約呼の呼数は、8時におけるそれぞれの値に戻る。この結果、12時における新規予約可能な呼数も8時における呼数と同一となる。
【0039】
図9は、SIPサーバによる呼予約イベント処理の様子を表わしたものである。図5〜図8と共に説明する。
【0040】
SIPサーバ102は、呼予約システム101から呼予約イベントが送られてくるのを待機している(ステップS201)。呼予約システム101では、呼予約情報データ部141に格納された呼予約情報データ154における予約時間情報152を監視しており、予約時間になるとSIPサーバ102に対してイベントを通知するようになっている。
【0041】
呼予約システム101からの呼予約イベントを受信すると(ステップS201:Y)、SIPサーバ102は呼予約イベントが呼の予約開始であるか、呼の予約終了であるかを判別する(ステップS202)。呼の予約開始の場合には(Y)、その予約が可能であるかを判別する(ステップS203)。予約に指定された時刻の予約呼数124に空きがある場合は予約が可能である。また、最大予約可能呼数mの範囲内であれば、新規予約可能な呼数を予約することかできる。予約可能とされた場合には、その内容にSIPサーバ電話番号情報データ125を更新する(ステップS204)。ステップS202で呼の予約終了であると判別された場合にも(N)、その内容にSIPサーバ電話番号情報データ125を更新する(ステップS204)。
【0042】
SIPサーバ電話番号情報データ125を更新したら、SIPサーバ102は呼数閾値Thを変更し、通常用の呼制御数(n−a)と予約用の呼制御数aを決定して(ステップS205)、処理をステップS201に戻す(リターン)。ステップS203で呼の予約が不可能であるとされた場合にも(N)、処理をステップS201に戻すことになる(リターン)。
【0043】
なお、図8で示したように、呼予約対象の電話番号がすでに通話呼を保持していた場合、その呼は通常用の呼制御数(n−a)として管理され、予約時間内で発生した呼が予約用の呼制御数aとして管理される。
【0044】
図10は、発着信要求受信時のSIPサーバの処理の様子を表わしたものである。図5〜図8と共に説明する。
【0045】
SIPサーバ102は、図示しないIP(Internet Protocol)電話機等のユーザ端末から発着信の要求(INVITEメッセージ)があるのを待機している(ステップS221)。ユーザ端末から発着信の要求があると(Y)、発着信の対象となる電話番号に予約呼があるかをチェックする(ステップS222)。
【0046】
予約呼がある場合(ステップS222:Y)、SIPサーバ102は予約呼数124と予約通話呼数123から、予約呼数内で発着信の処理が可能かを判断する(ステップS223)。たとえば、発着信の対象となる電話番号Aが、実際に予約しているSIPセッション数と、予約呼数の中で実際に通話しているSIPセッション数との関係から、実際に予約しているSIPセッション数内で発着信が可能かを判別する。ユーザサポートセンタを有する企業のような場合、特定の期間に使用する回線数を予約呼数という形で押さえておく場合があり、発着信が可能と判別されれば、この範囲内で発着信が可能になる。
【0047】
ステップS223の判別結果で予約呼数内で処理が可能と判別した場合(Y)、SIPサーバ102は図7に示した予約用の呼制御数aを使用して、発着信を許可する(ステップS224)。すなわち、予約用の呼制御数aから制御回線を確保し、発着信要求の呼を確立する。この後、SIPサーバ102は、ユーザ端末から次の発着信の要求を待機するステップS221の処理に戻る(リターン)。
【0048】
これに対して予約呼数内で処理が可能でないと判別された場合(ステップS223:N)、あるいは予約呼数が存在しない場合(ステップS222:N)、SIPサーバ102は通常用の呼制御数(n−a)で処理が可能であるかを判別する(ステップS225)。通常用の呼制御数(n−a)で処理が可能であれば(Y)、SIPサーバ102は、この通常用の呼制御数(n−a)を使用して発着信を許可する(ステップS226)。すなわち、通常用の呼制御数(n−a)から、あるいは必要により予約用の呼制御数で使用できるものがあればこれを加えて、制御回線を確保して、発着信要求の呼を確立する。そして、SIPサーバ102は、次の発着信の要求を待機するステップS221の処理に戻ることになる(リターン)。
【0049】
通常用の呼制御数(n−a)を使用しても処理が不可能の場合(ステップS225:N)、SIPサーバ102はユーザ端末からの発着信の要求を拒否する(ステップS227)。そして、次の発着信の要求を待機するステップS221の処理に戻ることになる(リターン)。
【0050】
以上説明したように本実施の形態によれば、事前にSIPセッションを予約するシステムを実現することで、確実に呼の接続が可能になる。
【0051】
また、本実施の形態ではSIPセッションを時間単位で予約するようにすることができる。この場合には時間単位で流動的にSIPセッションの制御呼数を決定し、回線の効率的な活用が可能になる。
【0052】
更に本実施の形態によれば、既存のSIPシステムの拡張で容易にシステム構築が可能であり、確実な電話接続を確保することができる。しかも、SIPシステムを使用するので、インターネットとの親和性が高い。
【0053】
<発明の変形可能性>
【0054】
以上説明した実施の形態では、呼の予約を発着信まとめて制御することにしたが、これに限るものではない。発信用の予約と着信用の予約に分離して制御することで、それぞれの利用形態に合わせた呼の予約制御システムを構築することができる。
【0055】
また、実施の形態では図10のステップS223で、発着信の要求に対して予約呼数内で処理が不可能とされたとき、通常用の呼制御数を使用する可能性を探ることにしたが、これに限るものではない。予約呼数内で処理が不可能な場合には、直ちにステップS227に進んで発着信を拒否するようにすることで、予約呼数を回線の呼数上限とすることも可能である。
【0056】
以上説明した実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0057】
(付記1)
特定の電話番号に対応した通信に使用する呼数を、ユーザ端末の予約を希望する通信時間帯に対応させて受け付ける呼数予約受付手段と、この呼数予約受付手段により予約した呼数予約受付内容を示す呼予約イベントを特定の宛先に通知するイベント通知手段とを備えた呼予約システムと、
前記特定の宛先として前記イベント通知手段から前記呼予約イベントを受信する呼予約イベント受信手段と、この呼予約イベント受信手段により受信した時間帯に前記特定の電話番号に対する呼の予約が、予め定めた所定の予約可能呼数との関係で可能であるかを判別する呼予約可否判別手段と、この呼予約可否判別手段で呼の予約が可能であると判別した呼数を前記特定の電話番号に対応する予約呼の呼数として予約する呼数予約手段と、ユーザ端末から電話番号に対応させた通信要求があったときこれを受信する通信要求受信手段と、この通信要求受信手段が通信要求を受信したとき、該当する電話番号に対応する前記予約呼の呼数との関係で前記通信要求を可とするかを判別する通信要求可否判別手段と、この通信要求可否判別手段が前記通信要求を可とするとき、対応する呼数の回線を確保して呼を確立する呼確立手段とを備えたSIP(Session Initiation Protocol)サーバ
とを具備することを特徴とする呼予約制御システム。
【0058】
(付記2)
前記SIPサーバは、前記通信要求可否判別手段が前記通信要求を不可とするとき、対応する呼数の回線の通信を拒否する通信拒否手段を具備することを特徴とする付記1記載の呼予約制御システム。
【0059】
(付記3)
前記通信要求可否判別手段は、前記予約呼の呼数が前記通信要求受信手段の受信した通信要求の呼数以上であるとき前記通信要求を可とすることを特徴とする付記1記載の呼予約制御システム。
【0060】
(付記4)
前記通信要求可否判別手段は、前記予約呼の呼数が前記通信要求受信手段の受信した通信要求の呼数未満であるとき対応する呼数の回線の通信を拒否する通信拒否手段を具備することを特徴とする付記1記載の呼予約制御システム。
【0061】
(付記5)
前記通信要求可否判別手段は、前記予約呼の呼数が前記通信要求受信手段の受信した通信要求の呼数未満であるとき、予約呼として割り当てる以外の通常の通話用に割り当てられた呼数から通話中の呼数を差し引いた余りの呼数を前記予約呼の呼数に追加して該当する電話番号に対応する通信要求を満たすとき、前記通信要求を可とすることを特徴とする付記1記載の呼予約制御システム。
【0062】
(付記6)
前記通信は発呼または着呼によるユーザ端末間の通信であることを特徴とする付記1記載の呼予約制御システム。
【0063】
(付記7)
前記呼数予約受付手段の受け付ける前記特定の電話番号に対応した予約呼の呼数の最大値は、この特定の電話番号に対応した通信に割り当てられる最大制御可能呼数から通常用の通信に確保される最低限の呼数を差し引いた値であることを特徴とする付記1記載の呼予約制御システム。
【0064】
(付記8)
前記呼数予約手段が予約する呼数は、予約時点でそのユーザ端末に当該電話番号に対応して通信中の予約に基づかない通常呼があるときこの通常呼の呼数を減じた値になることを特徴とする付記1記載の呼予約制御システム。
【0065】
(付記9)
前記所定の予約可能呼数とは、前記特定の電話番号に対する最大制御可能呼数の中の通常用の呼制御呼数の最低限の割り当てを除いた最大予約可能呼数であり、前記呼予約可否判別手段は呼の予約が前記最大予約可能呼数以内で行われるとき呼の予約が可能であると判別することを特徴とする付記1記載の呼予約制御システム。
【0066】
(付記10)
特定の電話番号に対応した通信に使用する呼数を、ユーザ端末の予約を希望する通信時間帯に対応させた呼数予約受付内容を示す呼予約イベントを受信するイベント受信手段と、
このイベント受信手段で受信した時間帯に前記特定の電話番号に対する呼の予約が、予め定めた所定の予約可能呼数との関係で可能であるかを判別する呼予約可否判別手段と、
この呼予約可否判別手段で呼の予約が可能であると判別した呼数を前記特定の電話番号に対応する予約呼の呼数として予約する呼数予約手段と、
ユーザ端末から電話番号に対応させた通信要求があったときこれを受信する通信要求受信手段と、
この通信要求受信手段が通信要求を受信したとき、該当する電話番号に対応する前記予約呼の呼数との関係で前記通信要求を可とするかを判別する通信要求可否判別手段と、
この通信要求可否判別手段が前記通信要求を可とするとき、対応する呼数の回線を確保して呼を確立する呼確立手段
とを具備することを特徴とするSIP(Session Initiation Protocol)サーバ。
【0067】
(付記11)
前記通信要求可否判別手段が前記通信要求を不可とするとき、対応する呼数の回線の通信を拒否する通信拒否手段を具備することを特徴とする付記10記載のSIPサーバ。
【0068】
(付記12)
特定の電話番号に対応した通信に使用する呼数を、ユーザ端末の予約を希望する通信時間帯に対応させた呼数予約受付内容として受け付ける呼数予約受付ステップと、
この呼数予約受付ステップにより予約した呼数予約受付内容を示す呼予約イベントをSIP(Session Initiation Protocol)サーバに通知するイベント通知ステップと、
このイベント通知ステップで通知された時間帯に前記特定の電話番号に対する呼の予約が、予め定めた所定の予約可能呼数との関係で可能であるかを判別する呼予約可否判別ステップと、
この呼予約可否判別ステップで呼の予約が可能であると判別した呼数を前記特定の電話番号に対応する予約呼の呼数として予約する呼数予約ステップと、
ユーザ端末から電話番号に対応させた通信要求があったときこれを受信する通信要求受信ステップと、
この通信要求受信ステップで通信要求を受信したとき、該当する電話番号に対応する前記予約呼の呼数との関係で前記通信要求を可とするかを判別する通信要求可否判別ステップと、
この通信要求可否判別ステップで前記通信要求を可とするとき、対応する呼数の回線を確保して呼を確立する呼確立ステップ
とを具備することを特徴とする呼予約制御方法。
【0069】
(付記13)
前記通信要求可否判別ステップで前記通信要求を不可とするとき、対応する呼数の回線の通信を拒否する通信拒否ステップを具備することを特徴とする付記12記載の呼予約制御方法。
【0070】
(付記14)
SIP(Session Initiation Protocol)サーバのコンピュータに、
特定の電話番号に対応した通信に使用する呼数を、ユーザ端末の予約を希望する通信時間帯に対応させた呼数予約受付内容を示す呼予約イベントを受信するイベント受信処理と、
このイベント受信処理で受信した時間帯に前記特定の電話番号に対する呼の予約が、予め定めた所定の予約可能呼数との関係で可能であるかを判別する呼予約可否判別処理と、
この呼予約可否判別処理で呼の予約が可能であると判別した呼数を前記特定の電話番号に対応する予約呼の呼数として予約する呼数予約処理と、
ユーザ端末から電話番号に対応させた通信要求があったときこれを受信する通信要求受信処理と、
この通信要求受信処理で通信要求を受信したとき、該当する電話番号に対応する前記予約呼の呼数との関係で前記通信要求を可とするかを判別する通信要求可否判別処理と、
この通信要求可否判別処理で前記通信要求を可とするとき、対応する呼数の回線を確保して呼を確立する呼確立処理
とを実行させることを特徴とする呼予約制御プログラム。
【0071】
(付記15)
前記通信要求可否判別処理で前記通信要求を不可とするとき、対応する呼数の回線の通信を拒否する通信拒否処理を前記コンピュータに更に実行させることを特徴とする付記14記載の呼予約制御プログラム。
【符号の説明】
【0072】
10、100 呼予約制御システム
11、101 呼予約システム
11a 呼数予約受付手段
11b イベント通知手段
12、20 SIPサーバ
12a 呼予約イベント受信手段
12b、22 呼予約可否判別手段
12c、23 呼数予約手段
12d、24 通信要求受信手段
12e、25 通信要求可否判別手段
12f、26 呼確立手段
21 イベント受信手段
30 呼予約制御方法
31 呼数予約受付ステップ
32 イベント通知ステップ
33 呼予約可否判別ステップ
34 呼数予約ステップ
35 通信要求受信ステップ
36 通信要求可否判別ステップ
37 呼確立ステップ
40 呼予約制御プログラム
41 イベント受信処理
42 呼予約可否判別処理
43 呼数予約処理
44 通信要求受信処理
45 通信要求可否判別処理
46 呼確立処理
102 SIPサーバ
111 SIPサーバ電話番号情報データ部
112 呼制御数制御システム
121 電話番号
122 通常通話呼数
123 予約通話呼数
124 予約呼数
125 SIPサーバ電話番号情報データ
126 呼数管理テーブル
141 呼予約情報データ部
142 呼予約システム制御部
151 電話番号情報
152 予約時間情報
153 予約呼数情報
154 呼予約情報データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の電話番号に対応した通信に使用する呼数を、ユーザ端末の予約を希望する通信時間帯に対応させて受け付ける呼数予約受付手段と、この呼数予約受付手段により予約した呼数予約受付内容を示す呼予約イベントを特定の宛先に通知するイベント通知手段とを備えた呼予約システムと、
前記特定の宛先として前記イベント通知手段から前記呼予約イベントを受信する呼予約イベント受信手段と、この呼予約イベント受信手段により受信した時間帯に前記特定の電話番号に対する呼の予約が、予め定めた所定の予約可能呼数との関係で可能であるかを判別する呼予約可否判別手段と、この呼予約可否判別手段で呼の予約が可能であると判別した呼数を前記特定の電話番号に対応する予約呼の呼数として予約する呼数予約手段と、ユーザ端末から電話番号に対応させた通信要求があったときこれを受信する通信要求受信手段と、この通信要求受信手段が通信要求を受信したとき、該当する電話番号に対応する前記予約呼の呼数との関係で前記通信要求を可とするかを判別する通信要求可否判別手段と、この通信要求可否判別手段が前記通信要求を可とするとき、対応する呼数の回線を確保して呼を確立する呼確立手段とを備えたSIP(Session Initiation Protocol)サーバ
とを具備することを特徴とする呼予約制御システム。
【請求項2】
前記SIPサーバは、前記通信要求可否判別手段が前記通信要求を不可とするとき、対応する呼数の回線の通信を拒否する通信拒否手段を具備することを特徴とする請求項1記載の呼予約制御システム。
【請求項3】
前記通信要求可否判別手段は、前記予約呼の呼数が前記通信要求受信手段の受信した通信要求の呼数以上であるとき前記通信要求を可とすることを特徴とする請求項1記載の呼予約制御システム。
【請求項4】
前記通信要求可否判別手段は、前記予約呼の呼数が前記通信要求受信手段の受信した通信要求の呼数未満であるとき対応する呼数の回線の通信を拒否する通信拒否手段を具備することを特徴とする請求項1記載の呼予約制御システム。
【請求項5】
前記通信要求可否判別手段は、前記予約呼の呼数が前記通信要求受信手段の受信した通信要求の呼数未満であるとき、予約呼として割り当てる以外の通常の通話用に割り当てられた呼数から通話中の呼数を差し引いた余りの呼数を前記予約呼の呼数に追加して該当する電話番号に対応する通信要求を満たすとき、前記通信要求を可とすることを特徴とする請求項1記載の呼予約制御システム。
【請求項6】
前記呼数予約受付手段の受け付ける前記特定の電話番号に対応した予約呼の呼数の最大値は、この特定の電話番号に対応した通信に割り当てられる最大制御可能呼数から通常用の通信に確保される最低限の呼数を差し引いた値であることを特徴とする請求項1記載の呼予約制御システム。
【請求項7】
前記所定の予約可能呼数とは、前記特定の電話番号に対する最大制御可能呼数の中の通常用の呼制御呼数の最低限の割り当てを除いた最大予約可能呼数であり、前記呼予約可否判別手段は呼の予約が前記最大予約可能呼数以内で行われるとき呼の予約が可能であると判別することを特徴とする請求項1記載の呼予約制御システム。
【請求項8】
特定の電話番号に対応した通信に使用する呼数を、ユーザ端末の予約を希望する通信時間帯に対応させた呼数予約受付内容を示す呼予約イベントを受信するイベント受信手段と、
このイベント受信手段で受信した時間帯に前記特定の電話番号に対する呼の予約が、予め定めた所定の予約可能呼数との関係で可能であるかを判別する呼予約可否判別手段と、
この呼予約可否判別手段で呼の予約が可能であると判別した呼数を前記特定の電話番号に対応する予約呼の呼数として予約する呼数予約手段と、
ユーザ端末から電話番号に対応させた通信要求があったときこれを受信する通信要求受信手段と、
この通信要求受信手段が通信要求を受信したとき、該当する電話番号に対応する前記予約呼の呼数との関係で前記通信要求を可とするかを判別する通信要求可否判別手段と、
この通信要求可否判別手段が前記通信要求を可とするとき、対応する呼数の回線を確保して呼を確立する呼確立手段
とを具備することを特徴とするSIP(Session Initiation Protocol)サーバ。
【請求項9】
特定の電話番号に対応した通信に使用する呼数を、ユーザ端末の予約を希望する通信時間帯に対応させた呼数予約受付内容として受け付ける呼数予約受付ステップと、
この呼数予約受付ステップにより予約した呼数予約受付内容を示す呼予約イベントをSIP(Session Initiation Protocol)サーバに通知するイベント通知ステップと、
このイベント通知ステップで通知された時間帯に前記特定の電話番号に対する呼の予約が、予め定めた所定の予約可能呼数との関係で可能であるかを判別する呼予約可否判別ステップと、
この呼予約可否判別ステップで呼の予約が可能であると判別した呼数を前記特定の電話番号に対応する予約呼の呼数として予約する呼数予約ステップと、
ユーザ端末から電話番号に対応させた通信要求があったときこれを受信する通信要求受信ステップと、
この通信要求受信ステップで通信要求を受信したとき、該当する電話番号に対応する前記予約呼の呼数との関係で前記通信要求を可とするかを判別する通信要求可否判別ステップと、
この通信要求可否判別ステップで前記通信要求を可とするとき、対応する呼数の回線を確保して呼を確立する呼確立ステップ
とを具備することを特徴とする呼予約制御方法。
【請求項10】
SIP(Session Initiation Protocol)サーバのコンピュータに、
特定の電話番号に対応した通信に使用する呼数を、ユーザ端末の予約を希望する通信時間帯に対応させた呼数予約受付内容を示す呼予約イベントを受信するイベント受信処理と、
このイベント受信処理で受信した時間帯に前記特定の電話番号に対する呼の予約が、予め定めた所定の予約可能呼数との関係で可能であるかを判別する呼予約可否判別処理と、
この呼予約可否判別処理で呼の予約が可能であると判別した呼数を前記特定の電話番号に対応する予約呼の呼数として予約する呼数予約処理と、
ユーザ端末から電話番号に対応させた通信要求があったときこれを受信する通信要求受信処理と、
この通信要求受信処理で通信要求を受信したとき、該当する電話番号に対応する前記予約呼の呼数との関係で前記通信要求を可とするかを判別する通信要求可否判別処理と、
この通信要求可否判別処理で前記通信要求を可とするとき、対応する呼数の回線を確保して呼を確立する呼確立処理
とを実行させることを特徴とする呼予約制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−100007(P2012−100007A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245194(P2010−245194)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】