説明

呼気アルコール濃度検知装置

【課題】被測定者による呼気の吹きかけ方が変動したとしても、より正確に呼気中のアルコール濃度を検出する呼気アルコール濃度検出装置を提供する。
【解決手段】呼気温度変化検知部16及び呼気判断部18は呼気温度検知センサ14で検知した温度を取得し、呼気温度検知センサ14で計測した温度が呼気によって一定時間内に下がった場合は、呼気判断部18は呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12により検知されたアルコール濃度を無効なものとする。一方、呼気温度検知センサ14で計測した温度が呼気によって一定時間内に上がった場合は、呼気判断部18は、呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12により検知されたアルコール濃度を被測定者の呼気に含まれるアルコール濃度として有効なものとする。これにより、被測定者の体内に含まれるアルコールを十分に呼気に含ませて精度良く検知することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は呼気アルコール濃度検知装置に関し、特に、被測定者が吹きかけた呼気を被測定者の口と接触せずに取得して当該呼気中のアルコール濃度を検知する呼気アルコール濃度検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年では飲酒運転が社会的に非常に問題となっており、ドライバーの飲酒の有無を検知するための装置が提案されている。例えば、特許文献1では、動作開始信号により金属酸化物半導体ガスセンサの通電を開始するとともに高温加熱し、高温加熱中に呼気を金属酸化物半導体ガスセンサに吹きかけ、この呼気の吹きかけにより生じる金属酸化物半導体ガスセンサの抵抗値の変化から呼気の吹きかけを検知し、この検知に基づいて金属酸化物半導体ガスセンサの高温加熱を停止して低温加熱状態へ移行させ、低温加熱状態に移行してから一定時間経過時点の金属酸化物半導体ガスセンサの抵抗値を検知して該検知抵抗値に基づいて呼気中の被検知対象のアルコール成分を検知することにより、電源投入からガス検知可能までの時間を短くする技術が提案されている。
【特許文献1】国際公開00/65334号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の技術では、被測定者による呼気の吹きかけ方によって、検知されるアルコール濃度が変化する。そのため、上記の技術では、検知装置の設定で想定された呼気の吹きかけ方をされなかったときには、呼気中のアルコール濃度を正確に検知することができない場合がある。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、被測定者による呼気の吹きかけ方が変動したとしても、より正確に呼気中のアルコール濃度を検知することができる呼気アルコール濃度検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、被測定者が吹きかけた呼気を被測定者の口と接触せずに取得する呼気取得手段と、被測定者の呼気の吹きかけ方を検知する吹きかけ方検知手段と、吹きかけ方検知手段が検知した被測定者の呼気の吹きかけ方に応じて被測定者の呼気中のアルコール濃度を検知するアルコール濃度検知手段と、を備えた呼気アルコール濃度検知装置である。
【0006】
この構成によれば、呼気取得手段が、測定者が吹きかけた呼気を被測定者の口と接触せずに取得するため、マウスピース等を用いる接触式の装置に比べて被測定者が測定を受けることが容易であり、衛生的である。また、吹きかけ方検知手段が被測定者の呼気の吹きかけ方を検知し、アルコール濃度検知手段が、吹きかけ方検知手段が検知した被測定者の呼気の吹きかけ方に応じて被測定者の呼気中のアルコール濃度を検知するため、被測定者による呼気の吹きかけ方が変動したとしても、より正確に呼気中のアルコール濃度を検知することができる。
【0007】
この場合、吹きかけ方検知手段は、被測定者の呼気の温度を検知することにより被測定者の呼気の吹きかけ方を検知するものであることが好適である。
【0008】
被測定者の呼気の吹きかけ方が変動すると、被測定者の呼気の温度も変動する。そのため、この構成によれば、吹きかけ方検知手段が被測定者の呼気の温度を検知することにより、被測定者の呼気の吹きかけ方を精度良く検知することができる。
【0009】
この場合、アルコール濃度検知手段は、吹きかけ方検知手段が被測定者の呼気吹きかけによる検知温度の下降を検知したときは、検知した当該呼気中のアルコール濃度を無効なものとして取り扱うことが好適である。
【0010】
被測定者が口を開いて呼気を「はぁーっ」と吹きかけた場合は、肺から出た暖かい呼気が吹きかけ方検知手段に吹きかかるので検知温度が上昇する。この場合、被測定者の体内に含まれるアルコールが十分に呼気に含まれることになり、正確な測定が可能となる。一方、被測定者が口をすぼめて呼気を「ふぅーっ」と吹きかけた場合は、口で勢い付けられた呼気が吹きかけ方検知手段に吹きかかるので検知温度が下降する。人が呼気を吹きかけたようになりすまそうとして風船等を用いて空気を吹きかけた場合も「ふぅーっ」と吹きかけた場合と同様に検知温度が下降することから、人が呼気を吹きかけたのか、それとも風船等を使って空気を吹きかけたのか判別するのが難しいことがある。そのため、この構成では、吹きかけ方検知手段が被測定者の呼気吹きかけによる検知温度の下降を検知したときは、アルコール濃度検知手段が、検知した当該呼気中のアルコール濃度を無効なものとして取り扱うことにより、風船等を用いたなりすましを防止しつつ、被測定者の体内に含まれるアルコールを精度良く検知することができる。
【0011】
一方、吹きかけ方検知手段は、被測定者が呼気を吹きかける時の口の形状を検知することにより被測定者の呼気の吹きかけ方を検知するものであることが好適である。
【0012】
被測定者の呼気の吹きかけ方が変動すると、被測定者が呼気を吹きかける時の口の形状も変動する。そのため、この構成では、吹きかけ方検知手段が、被測定者が呼気を吹きかける時の口の形状を検知することにより、被測定者の呼気の吹きかけ方をより精度良く検知することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の呼気アルコール濃度検知装置によれば、マウスピース等を用いる接触式の装置に比べて被測定者が測定を受けることが容易であり、衛生的なものとできる。また、被測定者による呼気の吹きかけ方が変動したとしても、より正確に呼気中のアルコール濃度を検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係る呼気アルコール濃度検知装置について添付図面を参照して説明する。本実施形態の呼気アルコール濃度検知装置は、例えば自動車に搭載され、ドライバーの飲酒の有無を検知するために用いられるものである。図1は、第1実施形態に係る呼気アルコール検知装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態の呼気アルコール検知装置10aは、呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12、呼気温度検知センサ14、呼気温度変化検知部16、呼気判断部18、及び計測完了判断部20を備えている。
【0015】
呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12は、マウスピース等を用いずに被測定者が吹きかけた呼気を被測定者の口と接触せずに取得して、呼気中のアルコール濃度を検知するためのものであり、呼気取得手段として機能する。呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12としては、半導体を用いたもの、燃料電池を用いたもの、赤外線を用いたものを適用することができる。
【0016】
半導体を用いた呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12は、半導体の中にもともと流れている電子の量が、呼気中のアルコールにより吸収され、変化する特性を利用する。この原理の呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12では、半導体内の電子の量が変化することにより、センサ内の電気抵抗も変化するため、その電気抵抗の強さから被測定者の呼気中アルコール濃度を推定することができる。
【0017】
燃料電池を用いた呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12は、呼気中のアルコールから電子を作り出すことのできる燃料電池の特性を利用する。この原理の呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12では、アルコールにより作り出された電子の多さが、電気の流れの強さになるため、その電流の強さから、被測定者の呼気中アルコール濃度を推定することができる。
【0018】
赤外線を用いた呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12は、赤外線が、車室内の空気中のアルコールにより吸収されることによる特性を利用する。この原理の呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12では、アルコールにより吸収された赤外線を、光検出器で電気信号に変換し、電気信号をマイクロプロセッサーで解析することにより、被測定者の呼気中アルコール濃度を推定することができる。
【0019】
呼気温度検知センサ14は、被測定者の呼気の温度を検知するためのものであり、吹きかけ方検知手段として機能する。呼気温度検知センサ14は、呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12における作動温度測定用の温度センサとは別個に設けられている。
【0020】
呼気温度変化検知部16は、呼気温度検知センサ14が検知した呼気の温度が一定時間にどれだけ変動するかを検知するためのものである。呼気判断部18は、呼気温度変化検知部16が検知した一定時間内における呼気温度の変動から、当該呼気が人の呼気であるか否か、当該呼気中のアルコール濃度を有効なものとして扱うか無効なものとして扱うかを判断するためのものである。呼気温度変化検知部16及び呼気判断部18は、アルコール濃度検知手段として機能する。
【0021】
計測完了判断部20は、呼気判断部18が当該呼気中のアルコール濃度を有効なものと判断したときは、計測完了として判定し、呼気判断部18が当該呼気中のアルコール濃度を無効なものと判断したときは、計測が未完了として判定して再度の計測を行なわせるためのものである。
【0022】
次に、図2〜5を参照して、本実施形態の呼気アルコール検知装置の動作について説明する。本実施形態の呼気アルコール検知装置10aは、運転者がエンジンを始動した状態から動作を開始する。図2に示すように、呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12の電源が投入され(S11)、呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12が安定状態に達した後に(S12)、アルコール濃度計測開始が可能となる(S13)。
【0023】
呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12の上記ウォームアップの終了後、呼気温度検知センサ14は検知温度の初期値T0を計測し、呼気温度変化検知部16は初期値T0を記憶する(S14)。
【0024】
ドライバーにより吹きかけられた呼気中のアルコール濃度を呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12が計測し、呼気温度変化検知部16は呼気温度検知センサ14により検知された呼気温度を一定周期で取得する(S15)。呼気温度検知部16が一定時間t内に初期値T0から所定値ΔT以上の温度変化を検知したか否かを判定する(S16)。所定値T0以上の温度変化を検知しなかった場合は、十分な呼気吹きかけがなかったものとしてS15に戻る。所定値ΔT以上の温度変化を検知した場合、その温度変化が上昇により変化したものであるのか否かを判定する(S17)。温度変化が上昇により変化したものである場合は、呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12で検知された呼気に含まれるアルコール濃度を有効なものとして表示する(S18)。温度変化が上昇により変化したものでない場合(下降により変化した場合)は、呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12で検知された呼気に含まれるアルコール濃度を無効なものとして表示する(S19)。
【0025】
従来のマウスピース等を用いずに被測定者が吹きかけた呼気を被測定者の口と接触せずに取得する形式の呼気アルコール検知装置では、呼気の吹きかけ方を考慮していないため、風船やエアーダスター等を用いて実際に人が呼気を吹きかけたようになりすますことが可能である。実際に人が吹きかけた呼気であるかどうかを判断するためには、風量センサ、呼気成分検知センサ、吸い込み検知装置等が別途必要となり、装置の複雑化とコスト高を招く。
【0026】
また、従来の呼気アルコール検知装置では呼気の吹きかけ方によっても検知する値が異なる。すなわち、図3に示すような通常の口100の形状に比べて、図4に示すように口100をすぼめたままで、呼気を「ふぅーっ」と吹きかけた場合は、被測定者の体内に含まれるアルコールが十分に呼気に含まれないことになり、正確な測定が難しくなる。
【0027】
一方、従来のマウスピース等を用いて被測定者の口と接触しつつ呼気を取得する形式の呼気アルコール検知装置では、呼気を吹き込み、最後に吸い込むことで呼気と判断する。あるいは、呼気に含まれる成分(酸素、二酸化炭素)や呼気の風量を検知して人の呼気と判断する。そのため、呼気成分検知センサ、吸い込み検知装置、風量センサ等が別途必要となり、装置の複雑化とコスト高を招く。加えて、被測定者はマウスピースを口にくわえる必要があるため、衛生的に問題がある。
【0028】
一方、本実施形態においては、呼気の吹きかけ方を考慮して呼気中のアルコール濃度を検知する。すなわち、図5に示すように、被測定者が口100を開いて呼気を「はぁーっ」と吹きかけた場合は、肺から出た暖かい呼気の吹きかけにより検知温度が上昇する。この場合、被測定者の体内に含まれるアルコールが十分に呼気に含まれることになり、正確な測定が可能となる。一方、図4に示すように、被測定者が口100をすぼめて呼気を「ふぅーっ」と吹きかけた場合は、口で勢い付けられた呼気が吹きかけられることにより検知温度が下降するが、人が呼気を吹きかけたようになりすまそうとして風船等を用いて空気を吹きかけた場合も同様に検知温度が下降する。
【0029】
そのため、本実施形態では上記点に着目し、呼気温度変化検知部16及び呼気判断部18は呼気温度検知センサ14で検知した温度を一定周期で取得し、呼気温度検知センサ14で計測した温度が呼気によって一定時間内に下がった場合は、呼気判断部18は、図4に示すように被測定者が口100をすぼめて呼気を「ふぅーっ」と吹きかけたのか、風船等を用いて人が呼気を吹きかけたようになりすましたのか判別が付かないと判断して、呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12により検知されたアルコール濃度を無効なものとする。
【0030】
一方、呼気温度検知センサ14で計測した温度が呼気によって一定時間内に上がった場合は、呼気判断部18は、図5に示すように被測定者が口100を開いて呼気を「はぁーっ」と吹きかけたと判断して、呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12により検知されたアルコール濃度を被測定者の呼気に含まれるアルコール濃度として有効なものとする。
【0031】
このため、本実施形態では、被測定者の体内に含まれるアルコールを十分に呼気に含ませて精度良く検知することができる。また、風船等を用いたなりすましを防止することができる。さらに、呼気成分検知センサ、吸い込み検知装置、風量センサ等の装置は不要となり装置の簡便化と低コスト化を達成することができる。加えて、本実施形態では、呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12は、測定者が吹きかけた呼気を被測定者の口と接触せずに取得するため、マウスピース等を用いる接触式の装置に比べて被測定者が測定を受けることが容易であり、衛生的なものとできる。また、本実施形態では、再計測を行うたびに、呼気温度検知センサ14のキャリブレーションを実施するため、より正確に呼気の温度変化を検知することができる。
【0032】
以下、本発明の第2実施形態について説明する。図6は、本発明の第2実施形態に係る呼気アルコール検知装置の構成を示すブロック図である。図6に示すように、本実施形態の呼気アルコール検知装置10bでは、呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12、呼気温度検知センサ14、呼気温度変化検知部16、呼気判断部18、及び計測完了判断部20に加えて、カメラセンサ22及びドライバー口検出装置24を備えている。
【0033】
カメラセンサ22は、ドライバーの顔全体又は口付近を撮像するためのものである。カメラセンサ22は、ドライバーの顔向きや閉眼等を監視するためのドライバーモニタ用のカメラセンサを適用することができる。
【0034】
ドライバー口検出装置24は、カメラセンサ22により撮像されたドライバーの画像により、ドライバーが呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12に呼気を吹きかける時の口の形状を検知するためのものである。カメラセンサ22及びドライバー口検出装置24は、吹きかけ方検知手段として機能する。
【0035】
次に、図7及び8を参照して、本実施形態の呼気アルコール検知装置の動作について説明する。図7に示すように、本実施形態のステップS21〜S26においては、図2に示す上記第1実施形態のステップS11〜S16が同様に行われる。
【0036】
本実施形態では、図8に示すように、ステップS21〜S26と並行して、ドライバー口検出装置24は、カメラセンサ22により撮像されたドライバーの顔全体又は口付近の映像を取得する(S27)。ドライバー口検出装置24は、カメラセンサ22のカメラ画像からドライバーの口部分を検出する(S28)。
【0037】
ドライバー口検出装置24が、ドライバーの口の形状を図5に示すような口100を開いて呼気を「はぁーっ」と吹きかけた形状であると判断したときは(S29)、呼気判断部18は、ステップS26における呼気の温度変化検知時刻と口が開いたことを検知した時刻とを比較する(S30)。
【0038】
呼気判断部18は、一定時間t内の呼気の温度変化と口が開いたことを検知した時刻とが、例えば時刻差Δt以内といった同等のタイミングであるときは(S31)、呼気吹きかけ確認フラグをONにする(S32)。一方、ドライバー口検出装置24が、ドライバーの口の形状が呼気を「はぁーっ」と吹きかけた形状でないと判断したときや(S29)、ドライバー口検出装置24が、ドライバーの口の形状が呼気を「はぁーっ」と吹きかけた形状であると判断したときでも、呼気判断部18が、一定時間t内の呼気の温度変化と口が開いたことを検知した時刻とが、例えば時刻差Δtを超えた同等のタイミングでないと判断したときは(S31)、呼気判断部18は、呼気吹きかけ確認フラグをOFFにする(S33)。
【0039】
図7に戻り、呼気判断部18は、呼気吹きかけ確認フラグがONの場合は、以下のステップS35において、上記第1実施形態の図1のステップ17と同様の処理を行う。すなわち、T0に比べて一定時間t内の温度変化がΔT以上の温度上昇による変化であるときは(S35)、呼気判断部18は当該呼気を人の呼気であると判断し、呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12で検知された呼気に含まれるアルコール濃度を有効なものとして表示する(S36)。
【0040】
もし、T0に比べて一定時間t内の温度変化がΔT以上の温度上昇による変化ではない場合は(S35)、呼気判断部18は当該呼気を人の呼気であると判別できないと判断し、呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12での検知されたアルコール濃度は無効としてドライバーに通知する(S37)。
【0041】
さらに、呼気判断部18は、呼気吹きかけ確認フラグがOFFの場合は、呼気判断部18は当該呼気を人の呼気ではないと判断し、呼気吹きかけ式アルコール検知センサ12での検知されたアルコール濃度は無効としてドライバーに通知する(S37)。
【0042】
呼気判断部18は、呼気吹きかけ確認フラグがONの場合はOFFとする(S38)。
【0043】
本実施形態においては、カメラセンサ22及びドライバー口検出装置24によりドライバーの口の形状を検出するため、より確実にドライバーの呼気の吹きかけ方を確認することができ、呼気吹きかけ時の不正を、例えば無人の装置であっても防止することができる。また、本実施形態においては、カメラセンサ22及びドライバー口検出装置24に、ドライバーの顔向きや閉眼等を監視するためのドライバーモニタ用のカメラセンサやECUを適用することにより、呼気アルコール検知装置10bをより低コストで構成することができる。
【0044】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、車載の呼気アルコール検知装置を中心に説明したが、本発明の呼気アルコール検知装置は車載の装置に限定されず、種々の用途に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】第1実施形態に係る呼気アルコール検知装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る呼気アルコール検知装置の動作を示すフロー図である。
【図3】呼気を吐く際の口の形を示す図である。
【図4】呼気を吐く際の口の形を示す図である。
【図5】呼気を吐く際の口の形を示す図である。
【図6】第2実施形態に係る呼気アルコール検知装置の構成を示すブロック図である。
【図7】第2実施形態に係る呼気アルコール検知装置の動作を示すフロー図である。
【図8】第2実施形態に係る呼気アルコール検知装置の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0046】
10a,10b…呼気アルコール検出装置、12…呼気吹きかけ式アルコール検知センサ、14…呼気温度検知センサ、16…呼気温度変化検知部、18…呼気判断部、20…計測完了判断部、22…カメラセンサ、24…ドライバー口検出装置、100…口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定者が吹きかけた呼気を前記被測定者の口と接触せずに取得する呼気取得手段と、
前記被測定者の呼気の吹きかけ方を検知する吹きかけ方検知手段と、
前記吹きかけ方検知手段が検知した前記被測定者の呼気の吹きかけ方に応じて前記被測定者の呼気中のアルコール濃度を検知するアルコール濃度検知手段と、
を備えた呼気アルコール濃度検知装置。
【請求項2】
前記吹きかけ方検知手段は、前記被測定者の呼気の温度を検知することにより前記被測定者の呼気の吹きかけ方を検知する、請求項1に記載の呼気アルコール濃度検知装置。
【請求項3】
前記アルコール濃度検知手段は、前記吹きかけ方検知手段が前記被測定者の呼気吹きかけによる検知温度の下降を検知したときは、検知した当該呼気中のアルコール濃度を無効なものとして取り扱う、請求項2に記載の呼気アルコール濃度検知装置。
【請求項4】
前記吹きかけ方検知手段は、前記被測定者が呼気を吹きかける時の口の形状を検知することにより前記被測定者の呼気の吹きかけ方を検知する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の呼気アルコール濃度検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−36762(P2009−36762A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−176081(P2008−176081)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】