説明

哺乳動物外皮の皮膚炎症状の皮膚軟化殺菌製剤による処置

【課題】頻回洗浄に関連する負の作用を減少させる一方で、有効な殺菌機能を保持する代替殺菌製剤が求められている。
【解決手段】局所使用のための植物源及び植物由来の皮膚軟化殺菌組成物を開示する。代表的組成物は一般に、ヒト皮脂(これらの成分は通常、従来の手用衛生製品の使用により減少する)に類似した植物の脂質及び/又は脂質誘導体を提供することにより、角質層(310)の脂質プロファイルの再構成を助ける。開示された特徴及び明細は、例えば、改良された手用殺菌製剤を実現するために、様々に制御、適合化、又は任意の改変を行うことができる。本発明の代表的な実施形態により、従来の手用殺菌製品の頻回使用に関連した皮膚炎症状(例えば320)を制御あるいは改善するために、植物源の脂質及び/又は脂質誘導体と混合した抗微生物組成物が一般に提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、Lawrence A. Rheins 、John C. Hill、Grace Hastings、James H. Brown、及び John Reinhardt により、2007年3月29日に米国特許商標局に出願された米国仮特許出願第60/920,604号の利益を主張する。また、John C. Hillにより、2003年6月30日に 米国特許商標局に出願された米国特許出願第10/611,775号並びにJames H. Brown、Lee Roy Copeland、Robert Kleiman、Sambasivaraso Koritala、及びMelanie K. Cummingsにより、2000年1月3日に米国特許商標局に出願された米国特許出願第09/478,071号の一部継続出願である。
【0002】
発明の分野
本発明は一般に、皮膚軟化及び殺菌組成物に関するものであり、より具体的には、本発明の代表的な実施形態は一般に、局所適用される殺菌製剤における皮膚軟化剤の送達に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
不充分な手の衛生状態による感染性疾患の蔓延は一般に、科学界に認識されており、また社会全体として認められている。2006年の米国国立アレルギー疾患並びに感染性疾患研究所(United States National Institute of Allergy and Infectious Diseases)により報告されているように、患者による院内感染の発生増加により、一年におよそ200万件の院内感染が生じ、死亡件数は、米国だけで1992年に約13,000だったものが、およそ90,000件となっている。このことは、抗生物質に耐性の細菌、真菌及び寄生虫、並びに抗ウィルス剤に耐性のウィルスの急速な発現と蔓延のため、特に懸念される。現在、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)などの病原菌の抗生物質耐性株は、より感染を受け易い患者の密な接触、及び一般的にこれら細菌株に対する選択圧を与える抗生物質の広範な使用により、一般的に病院で獲得されている。その結果、これらの微生物に感染した人々の入院期間はより長くなりがちであり、効果がより低くより高価な第二及び第三の選択肢の抗生物質による治療が必要となり得る。
【0004】
頻繁な手洗いが病原微生物の蔓延に対する有効な予防手段であるという知識にも関わらず、衛生管理従事者の非遵守がかなりのレベルで存続している。衛生管理業界のたいていの従事者は頻繁な手洗い及び/又は手用の液体殺菌剤の使用を要求する方針により規制されているが、報告によると、45%〜70%がこれらの方針を遵守していない。非遵守に関して述べられている顕著な理由は、急性及び慢性の皮膚刺激、並びに程度はより低いが、抗菌石鹸の反復使用及びアルコールベース(エタノール又はイソプロパノール、60重量%〜95重量%)の手用殺菌剤の使用による手のアレルギー性接触皮膚炎の発生である。これらの殺菌剤の使用は、各勤務日の間に50回以上にもなり得る。
【0005】
皮膚に適用した際の従来の手用エタノール殺菌剤使用の負の副作用は、それらが一般に、角質層として知られている皮膚の最上領域から種々の表面脂質を除去する作用をするということである。これらの脂質は一般に、皮膚の恒常性のバランスを維持するように働く。脂質バリアの慢性的な剥離によって通常、乾皮症、鱗屑、発赤、皮膚の荒れ、及び堅皮がもたらされる。より重篤で苦痛な副作用としては、炎症、裂創、アレルギー性接触皮膚炎、及び感染を引き起こし得る一過性病原生物の潜伏が挙げられる。脱脂質化に関連する一般的な感覚としては、かゆみ、ちくちくする痛み、ひりひりする痛み、刺痛などが挙げられる。疾患の予防を目的として手の衛生に関する指針が公布されたのだが、従来の手用殺菌剤の使用によるこれらのタイプの副作用を経験したことによる非遵守によって、実際に当の疾患がさらに蔓延することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
有害な副作用に対処するための機序として、多くの個体は、保湿剤、副腎皮質ステロイドなどに頼るが、一日を通して多数回の手洗浄が必要な場合、水分の補給及び/又は乾燥や他の皮膚刺激に対処するにはこれらの機序の有効性は限られている。これは各回の洗浄サイクルが、皮膚の最外表面にある、以前塗られた保湿剤を除去するように作用し、そのために、保湿剤に対する皮膚の接触並びに保湿剤の総体的な有効性を減じることによる。したがって、頻回洗浄に関連する負の作用を減少させる一方で、有効な殺菌機能を保持する代替殺菌製剤が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
代表的な態様において本発明は、哺乳動物の外皮の皮膚炎症状を寛解させる殺菌性を有する植物源及び/又は植物由来の局所皮膚軟化組成物を提供するための組成物及び方法を提供する。本組成物の殺菌成分は、抗微生物殺菌剤を含み得る。本組成物の皮膚軟化成分は、哺乳動物の皮脂に少なくとも部分的に類似した性質を示すように選択された植物脂質物質(及び/又はそれらの誘導体)を含み得る。皮膚炎の症状の処置及び哺乳動物の外皮の殺菌のために、得られた製剤の殺菌成分及び皮膚軟化成分の組合せを用いることができる。
【0008】
本発明の利点は、以下の詳細な説明に記載され、また、詳細な説明を考慮して明らかになり得るか、又は本発明の例示的な実施形態の実施によって知ることができる。本発明のさらに他の利点は、特許請求の範囲に具体的に指示された手段、方法又は組合せのいずれかによって実現することができる。
【0009】
本発明の代表的な要素、機能の特徴、適用及び/又は利点は、以下により十分に記述され、説明され、権利請求されるとおり、構成及び機能の詳細にあり、本明細書の一部を形成している添付の図面が参照される。ここで、全体をとおして、同様の数字は同様の部分を指している。他の要素、機能の特徴、適用及び/又は利点は、詳細な説明に挙げられた一定の例示的な実施形態を鑑みて明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の代表的な実施形態による皮膚軟化殺菌製剤の使用及び非使用に関連した経皮水分損失(TEWL)に関する臨床データを示す。
【図2】本発明の代表的な実施形態による皮膚軟化殺菌製剤の使用及び非使用に関連したTEWLに関する臨床データを示す。
【図3】本発明の代表的な実施形態による皮膚軟化殺菌組成物の適用前に、パンチ生検により得られたヒト皮膚組織の断面の顕微鏡写真画像を示す。
【図4】本発明の代表的な実施形態による皮膚軟化殺菌組成物の定期的な適用(少なくとも8回/日)の14日後のパンチ生検により得られたヒト皮膚組織の断面の顕微鏡写真画像を示す。
【0011】
図中の要素は、単純に明瞭にするために例示してあり、必ずしも縮尺通りに示したものではない。例えば、図中のいくつかの要素の寸法は、本発明の種々の実施形態の理解改善を助けるために、他の要素に比して誇張されている場合がある。さらに、本明細書における「第1」、「第2」など用語は特に、同様な要素を識別するために用いられており、必ずしも連続的又は経時的な順序を述べるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示的な実施形態の詳細な説明
本発明の以下の代表的な記述は一般に、例示的な実施形態及び最良の形態の発明者の概念に関するものであり、本発明の適用性又は構成を決して限定する意図はない。むしろ、以下の説明は、本発明の種々の実施形態を実施するための簡便な例示を提供することが目的である。明らかになるであろうが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、開示された例示的な実施形態に記載されたいずれの要素の機能及び/又は配置に対しても変更を行うことができる。
【0013】
植物源(又は植物由来)局所用皮膚軟化殺菌組成物を提供するためのいずれのシステムにも、本発明の種々の代表的実施を適用することができる。本明細書に用いられる用語「誘導体」、「源」又はそれらの任意の組合せ、変型又は文脈上の等価物は一般に、それらが天然に存在するとおりの一種又は複数種の化合物及び/又はそれらの化学的に変化させた形態として、少なくとも特性化し易いと見なし得る任意の物を含むか、又は概してそれらの物であることが意図されている。
【0014】
本明細書に用いられる用語「殺菌する」、「殺菌すること」、「殺菌」、又はそれらの任意の組合せ、変型又は文脈上の等価物は一般に、任意の種類の細菌、ウィルス、真菌の増殖の防止及び/又は抑止及び/又は死滅などの、抗微生物、殺菌、抗ウィルス及び/又は消毒の活性を有するか、又は活性のなんらかの機序又は活性化のシステムによる物として少なくとも特性化し易いと見なし得る任意の物を含むか、又は概してそれらの物であることが意図されている。
【0015】
本明細書に用いられる用語「局所用製剤」、「局所用組成物」、又はそれらの任意の組合せ、変型又は文脈上の等価物は一般に、化粧品、医薬品、局所用薬剤、個人用ケア製品、シャンプー、コンディショナー、リーブインコンディショナー、毛髪用製品、毛髪スタイリング用製品、ムース、ネイル用製品、皮膚用製品、保湿剤、石鹸、ボディーウォッシュ、髭剃り用製品、ゲル、ローション、クリーム、軟膏、芳香剤、ファンデーション、マスカラ、グロス、リップバーム、口紅、リップライナー、アイライナー、化粧落とし、洗剤、スクラブ、ワックス、スプレー、フォーム、ペースト、固体、液体、ペーパータオル、ナプキン、婦人用衛生製品、フェイスマスク、殺菌剤、香油、洗浄剤、紫外線吸収剤、サンスクリーン、日焼けローション、サンブロック、日焼けオイル、虫よけ、皮膚収斂剤、スキントナー、スキンフレッシュナーなどとして少なくとも特性化し易いと見なし得る任意の物を含むか、又は概してそれらの物であることが意図されている。
【0016】
本明細書に用いられる用語「局所適用」又はその任意の組合せ、変型又は文脈上の等価物は一般に、毛髪、皮膚又は皮膚の成分層、爪及び/又は任意の被検体(生物又は他)の任意の表面又は被検体の上での、又はそれらと関連させた局所用組成物又は局所用製剤の使用として少なくとも特性化し易いと見なし得る任意の物を含むか、又は概してそれらの物であることが意図されている。
【0017】
本明細書に用いられる用語「被検体」、「使用者」又はその任意の組合せ、変型又は文脈上の等価物は一般に、動物、ヒト、及び/又は局所用製剤又は局所用組成物の局所適用を受けるのに好適に適合された少なくとも部分的に多孔性の表面(生物又は無生物)として少なくとも特性化し易いと見なし得る任意の物を含むか、又は概してそれらの物であることが意図されている。
【0018】
本明細書に用いられる用語「植物性」は、その任意の組合せ、変型又は文脈上の等価物を含めて一般に、天然の資源から供給、遊離又は誘導(化学的に又は他の方法で)できる物質又は物質の組合せとして少なくとも特性化し易いと見なし得る任意の物を含むか、又は概してそれらの物であることが意図されている。用語「植物性」(及びその等価用語)の使用は確かに、植物の特性を称する用語か、又は植物に関する用語に通常帰する通俗的な意味を述べる意図があり得るが、用語「植物性」の範囲(本明細書に用いられる際)は、一時期、生体物質(植物ベースの、又はその他の;例えば、鉱油、石油など)を含む任意の物質及び/又は他の鉱物資源を供給源とし得る、又はそれから遊離し得る種々の他の「天然の」物質に拡大して解されるべきである。
【0019】
本明細書に用いられる用語「有機」、「有機認定」、「有機由来」又はそれらの任意の組合せ、変型又は文脈上の等価物は一般に、有機農業産物の生産者に一般に課せられる認定方法の基準を満たした物質として少なくとも特性化し易いと見なし得る任意の物を含むか、又は概してそれらの物であることが意図されている。一般に、天然及び/又は天然由来の産物を供給する種子供給元、農業従事者、食品加工元、小売業者及びレストランなどの業界はいずれも、証明を受け得る。要件は国によって異なり、例えば(i)たいていの合成化学物質(例えば、肥料、殺虫剤、抗生物質、食品添加物など)、遺伝子改変生物、放射線照射、及び下水スラッジの投入の回避;多年(例えば3年以上が多い)にわたる化学物質フリーの農地使用;詳細な書面による生産及び販売記録(例えば追跡記録)の保持;非認定産物から有機産物の厳密な物理的分離の維持;定期的な立ち入り検査を受けていること;及び種々の有機認定機関による他の手順/要件など、栽培、貯蔵、加工、包装及び輸送に関する生産基準を一般に含む。
【0020】
本明細書に用いられる用語「改善」、「改善された」、「利益」、「有益」又はそれらの任意の組合せ、変型又は文脈上の等価用語は、好ましい性質が見られる事象の増加、又は好ましくない性質が見られる事象の減少を意味し得る。しかしながら、これらの同じ用語が、本来なら好ましい性質に対する代替、結合又は連続の適用において相当し得ることが見られる事象の減少、又は本来なら好ましくない性質が見られる事象の増加のことを指す場合もある。
【0021】
代表的な実施形態、すなわち植物源又は植物由来の局所皮膚軟化殺菌組成物及びそれを提供するための方法の詳細な説明は、本発明の種々の代表的態様によって、開示された組成物及び方法の任意の適用に一般化できる特定の実施可能な開示として提供される。
【0022】
本発明は、植物源及び植物由来の殺菌性を有する局所皮膚軟化組成物に関する。本発明の代表的な実施形態において、組成物は、殺菌成分並びに植物源又は植物由来の皮膚軟化成分を含み得る。
【0023】
本発明の種々の態様により、好適な皮膚軟化殺菌組成物は、抗微生物殺菌剤及び植物源又は植物由来の皮膚軟化剤を含み得る。この皮膚軟化殺菌組成物は、典型的には、哺乳動物被検体の皮膚など、被検体の局所表面に塗布することができる。次いで、皮膚軟化成分が実質的に吸収され、及び/又は殺菌成分が実質的に蒸発するか、又は放出するまで、皮膚軟化殺菌組成物を皮膚に擦りつけることができる。次いで、塗布された表面に殺菌機能並びに従来の手用殺菌製剤では見られない加湿機能改善の双方を提供するために、被検体にこの過程を指示されたとおり頻回反復することができる。代表的な利益としては、例えば、水分保持の改善、柔軟な感触、持続性の向上などを挙げることができる。さらに、本発明の代表的な実施形態による種々に態様において、開示された皮膚軟化殺菌組成物は、哺乳動物被検体の皮膚の脂質プロファイルを少なくとも維持又は改善すると同時に、結合させて、又は連続的に塗布後の皮膚表面を殺菌するために実施することができる。
【0024】
本発明の種々の態様により、抗微生物殺菌剤は、表面に局所適用された際に少なくとも部分的に殺菌機能を提供するために好適に適合させた任意の組成物を含み得る。本発明の代表的な実施形態において、好適な抗微生物殺菌剤は、細菌の細胞壁を少なくとも部分的に透過して細胞内のタンパク質を変性させることができる。この変性は一般に細菌のライフサイクルを妨害するように作用し、それによって細菌を死滅させる。
【0025】
本発明の種々の態様により、代表的な殺菌組成物は、アルコール類及び/又は他の殺菌/抗微生物製剤及び/又は限定はしないが、クロロヘキシジングルコネート、塩化ベンザルコニウム、ヨウ素、ブドウ種子油、レモン果汁、ティーツリー油、シトロネロール、樟脳油、カデ油、オイカリプトール、チョウジ油などの植物抽出物(又はそれらの誘導体)を含むことができる。本発明の代表的な実施形態において、抗微生物殺菌剤は、C1〜4アルコールなどの低級炭化水素鎖アルコールを含み得る。本発明の他の代表的な実施形態において、アルコールは、エタノール、2−プロパノール、及び/又はn−プロパノールを含むことができる。本発明のさらに他の代表的な実施形態において、抗微生物殺菌剤は、皮膚科学的に活性な薬剤、製薬組成物、抗生物質、殺菌剤、消毒剤、殺菌剤、抗ウィルス剤、窒素カチオン性界面活性剤、果汁、果実抽出物などをさらに含むことができる。
【0026】
本発明の代表的な実施形態において、好適な抗微生物殺菌剤は、エタノール共沸物などの水とアルコールの組合せを含むことができる。本発明のさらに代表的な実施形態において、エタノールは、約60重量%〜95重量%の間の濃度で存在することができる。
【0027】
本発明の種々の代表的な態様に関して、抗微生物殺菌剤は、殺菌機能と加湿機能の双方を提供するために、植物源又は植物由来の皮膚軟化組成物との組合せに好適に適合させることができる。
【0028】
本発明の種々の態様による代表的な皮膚軟化組成物は、水分保持、経皮水分損失(TEWL)の減少、滑らかな感触、柔軟性、持続性の向上などを提供するために好適に適合させた任意の成分を含むことができる。また、代表的な皮膚軟化組成物を、荒れ、ひび割れ、刺激などを減少させることにより、皮膚を柔軟に、又は滑らかにするために用いることができる。代表的態様及び例示的な態様において、植物源又は植物由来の皮膚軟化剤を、哺乳動物の皮脂(例えばヒトの皮脂)の脂質プロファイルと実質的に同様な脂質プロファイルを提供するために選択することができる。
【0029】
また、本発明の種々の態様により、植物性皮膚軟化組成物は、使用者による塗布後に、擦りこみ及びマッサージの行為を介した皮膚組織の表面層内への浸透により皮膚を滑らかにする無刺激、脂肪性、油性の物質を含むことができる。
【0030】
本発明の種々の態様により、代表的な植物性皮膚軟化剤の供給源として、多数の脂肪酸類、ワックスエステル類、ステロール類など(例えば、ホホバ油、シェー油、マカダミア油、米糠ワックス、アフリカ乾燥地帯のマホガニー種子油、カスタードアップル種子油、シュガーアップル種子油、一般的なシーバックソーン種子油など、これらの誘導体を含めて)が挙げられる。脂肪酸は一般に、典型的には、主鎖に8個乃至24個の間の炭素原子を有する、カルボキシル置換基を中に有する脂肪族炭化水素又は他の有機鎖を含む。脂肪酸は一般に、ステアリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸及びパルミチン酸のうちの少なくとも1つを含む。他の典型的な脂肪酸としては、「n」が8から24の整数である一般式CH(2n+1)COOH、CH(2n−1)COOH又はCH(2n−3)COOHのリノール酸、ベヘン酸、アラキジン酸、リグノセリン酸、及び他の一般的な脂肪酸が挙げられる。
【0031】
脂肪アルコールは、他の多くの脂肪材料(脂肪酸など)よりべたつきが少なく、また重さが軽いことが分かっており、ローション及びクリームの粘度及び安定性を改善するために用いられることが多い。化粧品及び個人用ケア製品に使用される脂肪族アルコールの代表的な例は、セチルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、及びオレイルアルコールである。
【0032】
代表的な皮膚軟化剤のさらなる例としては脂肪族エステルが挙げられる。脂肪族エステルの特質の1つは、他のいくつかのタイプの脂肪族皮膚軟化剤成分のように、触れた際に一般に油っこい感触でないことである。代表的な例としては、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、プロピオン酸ミリスチル、パルミチン酸エチルヘキシル、及びステアリン酸グリセリルが挙げられる。
【0033】
本発明の代表的な実施形態において、局所用皮膚軟化組成物は、植物源に由来するか、又は抽出される。本発明の他の代表的な実施形態において、植物源(又は植物由来)皮膚軟化組成物は、例えば、未加工及び/又は精製ホホバ油、ホホバエステル、水素化ホホバ油、ホホバ加水分解物、ホホバエステル加水分解物、ホホバアルコール、アルコキシル化ホホバワックス、アルコキシル化及び少なくとも部分的に水素化されたホホバワックス、水素化ホホバ油とエステル交換されたホホバ油のアルコキシル化生成物、イソプロピルホホベート(jojobate)など、ホホバ植物(Simmondsia chinensis)の種子油由来の脂肪酸、脂肪酸のエステル、アルコキシル化脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族アルコールのエステル、脂肪族アルコールと脂肪酸のエステル、糖アルコール、イソプロピルエステル、ワックスエステル、及び/又はそれらの組合せを含むことができる。本発明の代表的な実施形態において、植物性皮膚軟化組成物は、ホホバ油及び/又は水素化ホホバ油、イソプロピルホホベート、ホホバアルコール、ホホバエステル、及び/又はホホバエステルの加水分解物などの誘導体を含むことができる。
【0034】
本発明によるホホバ油及びホホバ誘導体は、約6%超の不鹸化物を含むことができる。用語「不鹸化物」は一般に、鹸化を受けにくい脂肪及び/又は油(又はホホバの場合はワックスエステル)の一部を指す。一般に、不鹸化材料は典型的に、フェノール類、トコフェロール類、トリテルペン類、ステロイド類、ステロール類、スクアレン、アルコール類などの炭化水素などの脂肪類及び/又は油類に天然に見られる成分を含む。不鹸化材料は、不鹸化材料が鹸化材料から一般に除去されず、及び/又は分離されないインサイチュ(in situ)鹸化法によって鹸化材料と共に保持され得る。
【0035】
鹸化反応は、水性アルカリ金属水酸化物(例えば、NaOH、LiOH、KOH、CaOH、MgOHなど)の存在下などの塩基性条件下、エステルの加水分解によって達成することができ、アルコール及びカルボン酸の塩を形成する。本発明の代表的な実施形態において、インサイチュ(in situ)鹸化は、ホホバ油(室温での液体ワックスエステル)及び/又はホホバ誘導体とアルキルアルコールとの間の塩基触媒下の加水分解反応によって実施することができる。
【0036】
ホホバ油のインサイチュ(in situ)鹸化生成物は典型的に(i)ホホバ脂肪酸の塩(鹸化物);及び(ii)非極性、親油性物質(不鹸化物)の混合物を含み、供給源、最初の反応物質(残留ホホバワックスエステルを含み)の状態及び形態に依って、他の物質も存在する可能性があるホホバ加水分解物を含む。
【0037】
本発明の種々の態様による、脂肪類、油類からの鹸化物質と合わせた不鹸化材料及び/又は高レベルの不鹸化物を有するそれらの誘導体のインサイチュ(in situ)製造により、被検体の皮膚への局所適用のために調製された組成物に種々の利益を提供することができる。これらの利益としては、例えば、加湿、望ましい触感、持続性、耐磨耗性、及び耐水性及び/又は耐すすぎ性を挙げることができる。また、高い不鹸化物の存在により、皮膚内に水分が保持され柔軟性及び滑らかさの保持が提供される閉鎖性を、局所用製剤に与えることができる。
【0038】
本発明の代表的な実施形態において、鹸化のインサイチュ(in situ)生成物を含む植物性皮膚軟化材料は、例えばホホバ油成分の極性親水性による優れた皮膚感触及び持続性を保持するように機能することができる。
【0039】
また、本発明の種々の代表的実施形態による皮膚軟化材料は一般に、天然のホホバ油を組み込んだ乳液よりもより容易に安定な乳液を形成することができる。本発明の他の代表的な実施形態において、代表的な皮膚軟化材料はまた、多数回の処置後に、従来の皮膚殺菌剤に比較して、被検体の皮膚に、脂質プロファイルの改善を与えることもできる。
【0040】
本発明の種々の態様により、開示された組成物の植物性皮膚軟化成分は、ヒトの皮脂に化学的に類似した脂質及びそれらの誘導体を提供することにより、皮膚の角質層バリアの脂質プロファイルを少なくとも部分的に再構成するために用いることができることをさらに認識する必要がある。また、本発明の代表的な実施形態において、本発明による植物性皮膚軟化組成物は一般に、皮膚内に吸収され、及び/又は皮膚の表面上における存在の持続を維持することにより、優れた滑らかさ及び持続的な皮膚感触を提供する。
【0041】
代表的な植物性皮膚軟化及び抗微生物殺菌組成物は、任意の好適な様式で配合することができる。例えば、好適に適合された抗微生物殺菌剤は、実際に、透明、半透明及び/又は不透明な液体を含むことができる。また、本組成物の好適に適合された植物性(「供給源」又は「由来」)皮膚軟化成分は、天然及び/又は合成の皮膚軟化ビーズなどの担体粒子を含むことができる。代表的な担体粒子は、任意の好適な合成及び/又は天然の成分を含むことができる。例えば、少なくとも部分的に天然皮膚軟化ビーズを含む担体粒子は、ホホバ油及び/又はホホバ誘導体から得られた脂肪族アルコール、イソプロピルエステル類、ワックスエステル類などの組合せから製造することができる。少なくとも部分的に合成ビーズを含む担体粒子はまた、ポリエチレン、ペトロラタム、パルミチン酸エチルヘキシルなどを含むことができる。
【0042】
また、代表的な担体粒子は、任意の好適な構造、サイズ、形状などを含み得ることを認識する必要がある。例えば、好適な適合化させた担体粒子は、少なくとも約50ミクロンから約5,000ミクロン超のオーダーの直径を有する可視の単一サイズのビーズを含むことができる。本発明の代表的な実施形態において、好適に構成された担体粒子は、概して柔軟で皮膚への擦りこみに適合されている一方、実質的に後に屑を残さないビーズを含むことができる。他の代表的な実施形態において、好適に構成された担体粒子は、活性成分を担持するために適合できる。本発明のさらなる代表的な実施形態において、担体粒子ビーズは、室温で固体であり、種々の形状及び/又はサイズに構成された材料からなり得る。
【0043】
また、担体粒子ビーズは、製品懸濁液中で可視の色及び/又は構造を提供できる。本発明の他の代表的な実施形態において、担体粒子の色及び/又は構造によって、局所適用における使用者を少なくとも部分的に助けるか、又は付着の目視確認により、皮膚軟化組成物の植物成分の表面への送達を助けることができる。
【0044】
本発明の種々の代表的な態様において、局所使用のための植物性皮膚軟化殺菌組成物は、任意の好適な様式で配合することができる。例えば、代表的な実施形態において、抗微生物殺菌剤と植物性皮膚軟化剤を一種又は複数種の添加剤と組み合わせることができる。本発明の種々の態様による代表的な添加剤としては、例えば、着色剤、染料、色換え色素、保存剤、pH調整材、pH緩衝剤、増粘剤/ポリマー、芳香材、芳香材の極性抽出物、水、ポリアクリル酸、ポリマー、糖アルコール、光沢材、特殊効果色素、ビタミン、プロビタミン、アミノ酸、タンパク質、ペプチド、ペプチド複合体、活性剤などを挙げることができる。
【0045】
本発明の他の代表的な実施形態において、植物性皮膚軟化殺菌組成物は、グリセリン(glycerineあるいはglycerinとつづられるが、物質の点では等しい)と共に配合することができる。湿潤剤として、グリセリンは一般に、皮膚軟化組成物の持続性を向上させるか、又は少なくとも実質的に維持するように機能する。湿潤剤は一般に、吸湿性の物質として考えられ、いくつかの親水性基(多くの場合は水酸基であるが、アミン及びカルボキシル基(時にはエステル化)も同様に使用できる)を有する分子であることが多い。湿潤剤は一般に、水分子と水素結合を形成する親和性を示す。湿潤剤は、例えば髪に対する加湿処置などの加湿が望まれる多くの化粧製品にしばしば見られる。湿潤剤の代表的な例としては、グリセリン、プロピレングリコール(E1520)、ブチレングリコール、ポリグリセロール、ポリグリセロールエステル、及びグリセリルトリアセテートなどが挙げられる。他には、ソルビトール(E420)のようなポリオール類、キシリトール及びマルチトール(E965)、又はポリデキストロース(E1200)のようなポリマーポリオール類又はキライア(E999)のような天然抽出物、又は乳酸又は尿素などを挙げることができる。
【0046】
「持続性」を示す材料の特性は一般に、塗布された表面に残存又は滞留する特性と考えることができる。グリセリンと皮膚軟化剤の組合せは、持続性の向上により保湿性の改善を提供することができる。
【0047】
本発明の種々の代表的な態様により、植物性皮膚軟化殺菌組成物は、下記に示された実施例によって一般に例示されるように、1つ又は複数の化粧製剤中に配合することができる。下記に詳述されたパーセンテージは近似値として考えるべきである。
【0048】
代表的な抗細菌皮膚軟化殺菌組成物は、以下による手用殺菌ゲルとして配合することができる。
【実施例】
【0049】
実施例1
【0050】
【表1】

【0051】
配合法:
【0052】
1.フェーズAの水を好適な容器に加える。CARBOPOL ETD/KATHON/TEAゲルをこの水に加え、均一に分散するまで攪拌する。FLORASOLVES PEG-150水素化ホホバを添加し、透明になるまでプロペラ攪拌により混合する。
【0053】
2.グリセリンを主要混合容器に加えて、均一になるまで攪拌する。SIMULGEL 600を主要混合容器に加えて、均一な触感が得られるまで攪拌する。
【0054】
ここで実施例2を参照にすると、本発明の別の代表的な実施形態において、FLORAMAC 10及びDermoleneが除かれるが、pHを調整するためにFLORAESTERS K-100を使用することができる。芳香剤及び保存剤もまた添加することができる。
【0055】
実施例2
【0056】
【表2】

【0057】
本発明の別の代表的な実施形態は、実施例3に例示することができる。この代表的な製剤において、CARBOPOL、グリセリン、FLORAESTERS IPJ、SIMULGEL600、FLORASOMES、TEA及び保存剤の量は、実施例2と比較して減少するが、製剤容量の減少を補うために水を加える。また、芳香剤を任意に除くことができる。
【0058】
実施例3
【0059】
【表3】

【0060】
実施例3の製剤は、粘着性及び/又は他の場合に従来の手用殺菌剤に関連した「ねばつき」を減少させるために役立つ代表的な実施形態を例示している。実施例3の代表的な製剤により、生産コストを減少させることもできる。
【0061】
前述に開示された実施例において、代表的な植物性皮膚軟化剤は、FLORAESTERS IPJ、FLORAMAC 10、FLORAESTERS K100、及びFLORASOMESを含むことができる。FLORAESTERS IPJは、ホホバ油(Simmondsia chinensis)の不完全鹸化の生成物から一般に得られ、ワックスエステル類、ホホバアルコール類、及びホホバ脂肪酸のイソプロピルエステル類がほぼ等しい量で生じる。FLORAMAC 10は、マカダミア油(Macadamia integrifolia)脂肪酸のエチルエステル類に相当する。マカダミア油及びFLORAMAC 10は、ヒト皮脂の重要な画分として存在することが知られている脂肪酸であるパルミトオレイン酸(C16:1)の量が多い。FLORAESTERS K100は、けん化反応から生成した不けん化性物質と共在するホホバ油の鹸化生成物に相当する。具体的には、FLORAESTERS K100は、一般にホホバ脂肪酸類のカリウム塩、対応するホホバ遊離脂肪族アルコール類、及び少量の残留ホホバワックスエステルを含む。FLORASOMESは、一般に完全水素化ホホバ油によりランダム化されたホホバ油を含み、種々の不飽和度のワックスエステル類を生じる。
【0062】
ヒト皮脂の不飽和アルコール類は、以前十分に特性化されていない。しかしながら、多少類似したアルコール類が、ホホバ(Simmondsia chinensis)種子油に見られている。FLORAESTERS K100は、植物源のホホバ油に由来する不飽和アルコール類の重要な供給源を提供する。ヒト皮脂もまた、C16:1直鎖脂肪酸のより高い割合で皮脂質を産生するより活性な皮脂腺により、ワックスエステル類を含有する。同様のワックスエステル類を、例えば、FLORAESTERS IPJ及びFLORASOMESから得ることができるが、双方とも植物源のホホバ油に由来する化合物である。さらに哺乳動物皮脂と類似のC16:1脂質プロファイルが、植物供給源のマカダミア油由来の物質であるFLORAMAC 10により同様に得ることができる。
【0063】
本発明の種々の代表的な実施形態により、開示された植物の典型的な皮膚軟化殺菌組成物は、ペーパータオル、プレウェットペーパータオル、拭取り具、ナプキン、婦人用衛生製品、スプレー、液体、ゲル、クリーム、ローション、フォーム、ペースト、フェイシャルマスク、石鹸、及び/又は任意の他の好適な製剤媒体など、任意の好適な様式を介する送達のために配合することができる。
【0064】
本発明の種々の態様により、代表的な局所皮膚軟化殺菌組成物を、ペーパータオルに配合することができ、このペーパータオルは、皮膚軟化殺菌組成物を吸収及び/又は保持するために好適に適合させることができる。さらに、ペーパータオルは、皮膚軟化殺菌組成物の乾燥又は蒸発を防ぐように実施することができる。ペーパータオルの材料はまた、使い捨て、洗浄可能、及び/又は再使用可能などであり得る。
【0065】
本発明のさらに代表的な実施形態において、この組成物が、ペーパータオルとの接触の際に皮膚に、又は他の適用表面に移すことができるように、ペーパータオル材料を湿らせるのに十分な量でペーパータオルの材料に局所用皮膚軟化殺菌組成物を添加することができる。皮膚軟化殺菌組成物が実質的に吸収されるまで、使用者は、皮膚をペーパータオルでこするか、及び/又は拭取ることができる。皮膚表面上の屑は、皮膚上のペーパータオル材料の接触によってさらに除去することができる。
【0066】
本発明の別の代表的な実施形態において、皮膚から無極性細菌、汚物、グリース、油類などを除去するために、皮膚軟化殺菌性組成物を配合して、例えば、抗微生物石鹸として使用するための殺菌性かつ加湿性洗剤を製造することができる。無極性物質は、石鹸分子により形成されたミセルとの結合によって皮膚から浮き上がらせ、その後水により洗い落とすことができる。
【0067】
石鹸と共在させた開示された代表的な皮膚軟化殺菌製剤の存在により、実質的に柔軟な皮膚感触が提供され、頻回手洗いに関連する皮膚炎症状が軽減される。本発明の別の代表的な実施形態において、皮膚軟化殺菌石鹸は、種々の植物及び/又は合成脂肪の鹸化生成物を含むことができる。さらに代表的な実施形態において、皮膚軟化殺菌石鹸は、固体、液体、フォーム、スプレー、ゲル、クリーム、ローションなどとして提供することができる。
【0068】
本発明による代表的な植物皮膚軟化殺菌組成物はまた、スキントナーにより配合することができる。スキントナーは一般に、皮膚を殺菌するために機能し、毛穴(ポア)サイズを減少させる。従来のスキントナーは、アルコール濃度によって様々であり得る。例えば、収れん剤は、一般に約60%までのアルコールを含むスキントナータイプの1つである。一方、スキントニックは、一般に収れん剤よりも少ないアルコールを含むスキントナータイプの1つであり、約20%までのアルコールを有することができる。さらに、化粧水は、一般に約10%未満のアルコールのオーダーである最少量のアルコールを含むスキントナータイプの1つである。
【0069】
本発明の種々の代表的な態様によれば、植物性皮膚軟化殺菌組成物は、従来の殺菌製剤が禁忌であり得る人による使用のために、好適に配合し得る皮膚殺菌組成物の適用範囲を広げることができる。例えば、敏感肌、湿疹、帯状疱疹を有する個体、乳児又は小児の皮膚などは、従来の殺菌剤製品の反復使用の際、重大な有害皮膚炎症状を生じる可能性がある。本発明の代表的な実施形態による植物性皮膚軟化殺菌組成物の使用後、これら同じ皮膚科病態を有する個体は、一般にこのような症状を生じないか、又は少なくとも症状の軽減が見られる。さらに、本発明による植物性皮膚軟化殺菌組成物はまた、乾燥作用のない殺菌を必要とする人工(例えば、無生命)表面上に使用するために好適に適合させることができる。
【0070】
本発明の代表的な実施形態において、後天的な職業性の手皮膚炎などの皮膚炎を軽減させるために、皮膚軟化殺菌組成物を使用することができる。試験前に平均13年間、従来の市販アルコールゲル殺菌製品の毎日の反復使用(1日につき10回以上)による手の慢性皮膚炎の履歴を有する個体の最近の試験では、実施例1に相当する皮膚軟化殺菌組成物の局所適用後、14人の試験参加者全員が、皮膚炎症状の実質的減少を示した。
【0071】
これらの試験参加者は、14日間にわたって1日につき最低8回の皮膚軟化殺菌組成物を使用した。ベースライン参照を得るために試験前の連続3日間、被検体は、毎日の手用石鹸の代わりに用いられたCETAPHIL(Galderma Laboratories, L. P.、Cham Switzerland)により手を洗浄した。他の手用保湿剤及び局所用製品(店頭又は処方箋)の使用は、試験期間中許可されなかった。試験の始めに、異常な皮膚症状を評価するために医師の評価が実施された。さらに、蒸発による皮膚水分損失(TEWL)に関する生体測定器による評価を、被検体の手の背側(一般に、手の「裏面」又は「上側」と称される)上、並びに被検体の手の手掌(一般に、「手のひら」又は「内側」と称される)上で実施した。その後、被検体は、1日につき最低8回の14日間、実施例1に相当する皮膚軟化殺菌剤組成物の適用過程を開始した。
【0072】
【表4】

【0073】
表1は、試験参加者の手の医師による臨床的評価を示している。医師は、処置前及び処置14日後の背側及び手掌側の双方を評価した。被検体は、例えば、発赤(例えば、毛細血管うっ血により引き起こされた皮膚の赤色);鱗屑(皮膚の剥離);裂け傷(例えば、出血し得る皮膚のひび割れ);乾皮症(例えば、乾燥皮膚);浮腫(例えば、皮膚の腫脹);小胞化(例えば、水疱形成);及び苔癬化(例えば、通常は一定の引掻き及びこすりの結果である厚く皮のような皮膚)など、種々の皮膚科的異常性に相当する症状について評価された。医師は、以下に相当する評価法を用いた:0=病態なし;1=軽度の発生;2=中等度の発生;3=中等度重症の発生:及び極めて重症の発生。14日目に被検体の14人全員が、臨床的改善(又は少なくとも浮腫、小胞化及び苔癬化に関して変化なし)を示した。発赤、鱗屑、及び乾皮症は、製品使用の14日後に、ベースラインで2の中等度スコアから僅かに改善された。とりわけ、製品使用の2週間後、被検体がベースラインで示した裂け傷は治癒していた。
【0074】
14日間にわたって、例えば、皮膚からの水分損失、例えば、蒸発の客観的目安であるTEWLに関して、試験参加者の手を臨床的に評価した。TEWL値は、角質層の乱れの程度に関連し、TEWL値における減少は、皮膚のこのバリア層の機能改善を示す。これらの測定は、TM300 Tewameter(Courage-Khazaka, Koln, Germany)を用いて実施した。
【0075】
図1を参照すると、ベースライン105、110(それぞれ背側と手掌)と比較して、試験参加者の手の背側上115、130及び手掌面120、135で測定された皮膚軟化殺菌組成物(実施例1)の使用によるTEWLにおける相違を経時的に観察した。TEWLは、1時間につき1平方センチメートル当りのグラム単位(g/cmh)の水分損失で測定した。ベースライン(実施例1に相当する皮膚軟化殺菌剤組成物の適用前)において、平均背側TEWL105は、17.12g/cmhであり、平均手掌TEWL110は、45.71g/cmhであった。これらの値は、皮膚軟化殺菌剤の定期的な適用の7日後、13.8g/cmh並びに33.5g/cmh(それぞれ背側115及び手掌120)に減少した。このことは、7日間を通してベースラインから背側TEWLの19.39%の減少並びに手掌TEWLの26.71%の減少に相当した。
【0076】
2週間の適用後、背側130及び手掌135の値は、それぞれ11.04g/cmh及び18.51g/cmhに再度減少した。このことは、7日目から14日目を通して背側TEWLの20.00%の減少及び手掌TEWLの44.75%の減少に相当した。試験全体の過程にわたって観察された総合的な効果は、14日目を通してベースラインから背側TEWLの35.51%の減少及び手掌TEWLの59.51%の減少に相当した。
【0077】
TEWLにおける著しい増加又は減少をもたらす可能性があり得る環境因子を説明するため、並びにTewameterプローブが適切に機能していたことを検証するために、各被検体に関して未処置部位125、140を、それぞれ7日目及び14日目に内側の内部手首パッチで測定した。7日目の125における手首パッチ上のTEWL対照読取りの平均値は、30.00g/cmhに相当した。14日目の140における手首パッチ上のTEWL対照読取りの平均値は、32.5g/cmhに相当した。とりわけ、試験期間にわたってTEWLの対照測定において僅かな増加があっても、背側及び手掌双方のTEWLの読取りは、劇的に減少した。
【0078】
統計的有意性の観点から、スチューデントのt分布を算出し、以下の確率を実証した:ベースラインと7日目との間の平均背側TEWL値における減少が、ランダム偶然の事柄として生じた確率は2%未満;ベースラインと7日目との間の平均手掌TEWL値における減少が、ランダム偶然の事柄として生じた確率は0.1%未満;ベースラインと14日目との間の平均背側TEWL値における減少が、ランダム偶然の事柄として生じた確率は1%未満;ベースラインと14日目との間の平均手掌TEWL値における減少が、ランダム偶然の事柄として生じた確率は0.1%未満。
【0079】
図2を参照すると、ベースライン205と比較した皮膚軟化殺菌組成物(実施例1)の使用によるTEWLの相違を、平均背側値及び平均手掌値210、220の組合せの平均値として測定し、経時的に観察した。ベースライン(実施例1に相当する皮膚軟化殺菌剤組成物の適用前)において、平均背側及び平均手掌のTEWL205の組み合わせた平均値は、31.41g/cmhであった。この値は、皮膚軟化殺菌剤の定期的適用の7日後、23.68g/cmh(背側及び手掌の組合せ210)に減少した。このことは、7日間を通してベースラインから背側及び手掌TEWLの24.61%の減少に相当した。
【0080】
2週間の適用後、背側及び手掌の組合せ値220は、14.78g/cmhに再度減少した。このことは、7日目から14日目を通して背側及び手掌の組合せTEWLの37.58%の減少に相当した。試験全体の過程にわたって観察された総合的な効果は、ベースラインから14日目を通して背側及び手掌の組合せTEWLの52.94%の減少に相当した。
【0081】
再度、TEWLにおいて著しい増加又は減少をもたらす可能性があり得る環境因子を説明するため、並びにTewameterプローブが適切に機能していたことを検証するために、各被検体に関して未処置部位215、225を、それぞれ7日目及び14日目に内側の内部手首パッチで測定した。7日目の215における手首パッチ上のTEWL対照読取りの平均値は、30.00g/cmhに相当した。14日目の225における手首パッチ上のTEWL対照読取りの平均値は、32.5g/cmhに相当した。とりわけ、試験期間にわたってTEWLの対照測定において僅かな増加があっても、背側及び手掌双方のTEWLの読取りは、劇的に減少した。
【0082】
統計的有意性の観点から、スチューデントのt分布を算出し、ベースラインと7日目との間の平均背側及び手掌TEWL値の組合せ平均値における減少が、ランダム偶然の事柄として生じた確率は0.01%未満、及びベースラインと14日目との間の平均背側及び手掌TEWL値の組合せ平均値における減少が、ランダム偶然の事柄として生じた確率は0.01%未満であることを実証した。
【0083】
図3及び4は、実施例1に相当する皮膚軟化殺菌剤組成物の適用前及び適用後双方における代表的な皮膚科的炎症過程(すなわち、接触皮膚炎)に関連した組織病理学的構造を示している。図3は、ヘマトキシリン及びエオシンで染色した未処置皮膚の3mmパンチ生検の400倍の倍率でのベースライン顕微鏡写真結果に相当する。この組織構造は、角質層310の肥厚及び表皮の基底部分における多形核白血球(PMN’s;すなわち白血球)320の軽度〜中等度の炎症性浸潤を示している。この組織学的評価は、手の刺激性接触皮膚炎(例えば、赤色、乾燥、及び裂け傷)に関連した一般的な徴候及び症状と一致する。
【0084】
図4は、実施例1の皮膚軟化殺菌性製剤の使用後、処置後14日目における測定に相当する。再度、ヘマトキシリン及びエオシンで染色された3mm穿孔生検から400倍の倍率で顕微鏡写真を作製した(図3及び4に示された角質層310の開口域として見られた液胞化は、顕微鏡写真用に横断面サンプルを調製するために使用された方法の人為現象に相当し、したがって、顕微鏡写真間の差異ではない)。図4の組織構造は、角質層310の厚さが薄いこと、及び表皮の基底部分に在る炎症性(PMN)浸潤物420が少ないことを示している。これらの所見は、手の炎症性刺激性接触皮膚炎の回復(例えば、赤色、乾燥、及び裂け傷の減少)と一致している。
【0085】
したがって、本発明の種々の代表的な実施形態に対応する皮膚軟化殺菌製剤は、実証された経皮水分損失の減少、持続性かつ滑らかな皮膚感触の向上、並びに有害な皮膚炎症状の軽減に有用な抗炎症性活性を提供する。
【0086】
前述の明細書において、本発明を、特定の例示的な実施形態を参照して記載したが;種々の修正及び変更を、本明細書に説明されたように本発明の範囲から逸脱することなく成し得ることが認識されるであろう。本明細書は、限定するものではなく、むしろ例示的な態様と見なすべきであり、このような修正の全てが、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。したがって、本発明の範囲は、単に上記の実施例によるのではなくて特許請求の範囲及びそれらの法的等価体によって決まるものである。
【0087】
例えば、任意の方法又は工程の実施形態に挙げられたステップは、任意の順序で実施することができ、特許請求の範囲に示された特定の順序に限定されない。さらに、任意の装置又は組成物の実施形態に挙げられた成分及び/又は要素を、実質的に本発明と同じ結果が生じるように種々並べ替えて組立てるか、あるいは操作可能に構成することができ、したがって特許請求の範囲に挙げられた特定の形態に限定されない。
【0088】
利益、他の利点及び課題に対する解決策は、特定の実施形態に関して上部に記載されているが;利益、他の利点もしくは課題に対する解決策、又はさらに明白にするかあるいは明白となるような、特定の利益、他の利点もしくは問題に対する解決を生じ得る任意の要素は、本発明の重大な、必要な、又は必須の特徴又は構成要素として解釈すべきではない。
【0089】
本明細書に用いられる用語の「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」又はそれらの任意の変型は、要素のリストを含む工程、方法、製品、組成物又は装置が、挙げられたこれらの要素を含むのみならず、明白に掲げていない他の要素又はこのような工程、方法、製品、組成物又は装置に固有の他の要素を含むように、非排他的包含を述べていることが意図される。具体的に挙げられていないものに加えて、本発明の実施に用いられる上記の構造、配置、適用、割合、要素、材料又は成分の他の組合せ及び/又は修正を、本発明の一般的原理から逸脱することなく変えることができるか、あるいは具体的な環境、製造規格、設計パラメータ又は他の操作要件に対して具体的に適合させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物被検体の皮膚への局所適用のための組成物であって、
抗微生物殺菌剤と、
植物源及び植物由来の皮膚軟化剤の少なくとも1つと、
を含み、
前記皮膚軟化剤が、哺乳動物の皮脂と実質的に同様な脂質プロファイルを有する組成物。
【請求項2】
前記抗微生物殺菌剤が、アルコール、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、ヨウ素、ブドウ種子油、レモン果汁、ティートリー油、シトロネロール、樟脳油、カデ油、オイカリプトール、チョウジ油、皮膚科用活性剤、医薬品組成物、抗生物質、殺菌剤、防腐剤、消毒剤、抗ウィルス剤、窒素性カチオン界面活性剤、果汁、及び果実抽出物のうちの少なくとも1種を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アルコールが、エタノール、イソプロピルアルコール、及び変性アルコールのうちの少なくとも1種を含む請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、有機物として認証されている請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記抗微生物殺菌剤が、少なくとも約60重量%のエタノール、及び少なくとも約60容量%のエタノールのうちの少なくとも1種を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記皮膚軟化剤が、ホホバ油、ホホバ抽出物、ホホバ油の誘導体、ホホバ抽出物の誘導体、及び湿潤剤のうちの少なくとも1種を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記ホホバ油及び前記ホホバ抽出物のうちの少なくとも1種の誘導体が、ホホバエステル、水素化ホホバ油、ホホバ加水分解物、ホホバエステルの加水分解物、ホホバアルコール、アルコキシル化ホホバワックス、アルコキシル化され、少なくとも部分的に水素化されたホホバワックス、水素化ホホバ油によりエステル交換されたホホバ油のアルコキシル化生成物、及びイソプロピルホホベートのうちの少なくとも1種を含む請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記皮膚軟化剤が、約5重量%〜35重量%の水;約0.1重量%のPEG−150水素化ホホバ;約0.15重量%〜0.25重量%のポリアクリル酸ポリマー;約0.5重量%〜5重量%のグリセリン;約1重量%〜2重量%の、イソプロピルホホベート、ホホバアルコール、ホホバエステル、及び酢酸トコフェロールのうちの少なくとも1種;約1.4重量%のエチルマカダミエート;約0.1重量%のオリーブ油加水分解物の不鹸化画分;約0.1重量%のビサボロール;約0.1重量%の、ホホバエステル加水分解物、ホホバエステル、及び水のうちの少なくとも1種;約2重量%〜2.5重量%の、アクリルアミド、ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー、イソヘキサデカン、及びポリソルベート80のうちの少なくとも1種;約0.6重量%〜1重量%の、ホホバエステル、水素化ホホバ油、及び酢酸トコフェロールのうちの少なくとも1種;約0.06重量%までのトリエタノールアミン;芳香剤;及び保存剤、のうちの少なくとも1種をさらに含む請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
前記皮膚軟化剤が、担体粒子及びグリセリンのうちの少なくとも1種を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
着色剤、染料、色換え色素、保存剤、pH調整剤、弱塩基、pH緩衝剤、増粘剤、ポリマー、芳香剤、芳香剤の極性抽出物、水、ポリアクリル酸、糖アルコール、光沢剤、特殊効果色素、ビタミン、プロビタミン、アミノ酸、タンパク質、ペプチド、ペプチド複合体、及び活性剤からなる群から選択される添加物をさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、石鹸、ボディーウォッシュ、収れん剤、トナー、フレッシュナー、ゲル、ペーパータオル、ナプキン、婦人用衛生製品、及び拭取り具のうちの少なくとも1つに配合される請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、角質層機能の改善、経皮水分損失の減少、実質的感触の改善、及び加湿感触の改善、のうちの少なくとも1つを提供する請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
哺乳動物被検体の皮膚への局所適用のための加湿及び殺菌組成物であって、抗微生物殺菌剤並びにホホバ油、ホホバエステル、水素化ホホバ油、ホホバ加水分解物、ホホバエステルの加水分解物、ホホバアルコール、アルコキシル化ホホバワックス、アルコキシル化され、少なくとも部分的に水素化されたホホバワックス、水素化ホホバ油によりエステル交換されたホホバ油のアルコキシル化生成物、イソプロピルホホベート、及び湿潤剤からなる群から選択される皮膚軟化剤を含む組成物。
【請求項14】
前記皮膚軟化剤の脂質プロファイルが、実質的に哺乳動物の皮脂の脂質プロファイルに相当する請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記抗微生物殺菌剤が、アルコール、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、ヨウ素、ブドウ種子油、レモン果汁、ティートリー油、シトロネロール、樟脳油、カデ油、オイカリプトール、チョウジ油、皮膚科用活性剤、医薬品組成物、抗生物質、殺菌剤、防腐剤、消毒剤、窒素性カチオン界面活性剤、果汁、及び果実抽出物のうちの少なくとも1種を含む請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
前記アルコールが、エタノール、イソプロピルアルコール、及び変性アルコールのうちの少なくとも1種を含む請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、有機物として認証されている請求項13に記載の組成物。
【請求項18】
前記抗微生物殺菌剤が、少なくとも約60重量%のエタノール、及び少なくとも約60容量%のエタノールのうちの少なくとも1種を含む請求項13に記載の組成物。
【請求項19】
約5重量%〜35重量%の水;約0.1重量%のPEG−150水素化ホホバ;約0.15重量%〜0.25重量%のポリアクリル酸ポリマー;約0.5重量%〜5重量%のグリセリン;約1重量%〜2重量%の、イソプロピルホホベート、ホホバアルコール、ホホバエステル、及び酢酸トコフェロールのうちの少なくとも1種;約1.4重量%のエチルマカダミエート;約0.1重量%のオリーブ油加水分解物の不鹸化画分;約0.1重量%のビサボロール;約0.1重量%の、ホホバエステルの加水分解物、ホホバエステル、及び水のうちの少なくとも1種;約2重量%〜2.5重量%の、アクリルアミド、ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー、イソヘキサデカン、及びポリソルベート80のうちの少なくとも1種;約0.6重量%〜1重量%の、ホホバエステル、水素化ホホバ油、及び酢酸トコフェロールのうちの少なくとも1種;約0.06重量%までのトリエタノールアミン;芳香剤;及び保存剤、のうちの少なくとも1種をさらに含む請求項13に記載の組成物。
【請求項20】
前記皮膚軟化剤が、担体粒子及びグリセリンのうちの少なくとも1種を含む請求項13に記載の組成物。
【請求項21】
着色剤、染料、色換え色素、保存剤、pH調整剤、弱塩基、pH緩衝剤、増粘剤、ポリマー、芳香剤、芳香剤の極性抽出物、水、ポリアクリル酸、糖アルコール、光沢剤、特殊効果色素、ビタミン、プロビタミン、アミノ酸、タンパク質、ペプチド、ペプチド複合体、及び活性剤からなる群から選択される添加物をさらに含む請求項13に記載の組成物。
【請求項22】
前記組成物が、石鹸、ボディーウォッシュ、収れん剤、トナー、フレッシュナー、ゲル、ペーパータオル、ナプキン、婦人用衛生製品、及び拭取り具のうちの少なくとも1つに配合される請求項13に記載の組成物。
【請求項23】
前記組成物が、角質層機能の改善、経皮水分損失の減少、実質的感触の改善、及び加湿感触の改善、のうちの少なくとも1つを提供する請求項13に記載の組成物。
【請求項24】
哺乳動物の外皮の皮膚炎症状を処置する方法であって、哺乳動物被検体の皮膚への局所適用のための加湿及び殺菌組成物を提供するステップを含み、前記組成物が、約60%〜95%の間のアルコールを有する抗微生物殺菌剤;並びにホホバ油、ホホバエステル、水素化ホホバ油、ホホバ加水分解物、ホホバエステルの加水分解物、ホホバアルコール、アルコキシル化ホホバワックス、アルコキシル化され、少なくとも部分的に水素化されたホホバワックス、水素化ホホバ油によりエステル交換されたホホバ油のアルコキシル化生成物、及びイソプロピルホホベートのうちの少なくとも1種を含む、皮膚軟化剤を含む方法。
【請求項25】
前記加湿及び殺菌組成物が、グリセリンをさらに含む請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記皮膚炎症状が、発赤、鱗屑、裂け傷、乾皮症、浮腫、小胞化及び苔癬化のうちの少なくとも1つを含む請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記組成物が、角質層機能の改善、経皮水分損失の減少、実質的感触の改善、及び加湿感触の改善、のうちの少なくとも1つを提供する請求項24に記載の方法。
【請求項28】
手用加湿殺菌剤組成物であって、抗微生物殺菌剤並びにホホバ油、ホホバエステル、水素化ホホバ油、ホホバ加水分解物、ホホバエステルの加水分解物、ホホバアルコール、アルコキシル化ホホバワックス、アルコキシル化され、少なくとも部分的に水素化されたホホバワックス、水素化ホホバ油によりエステル交換されたホホバ油のアルコキシル化生成物、及びイソプロピルホホベートからなる群から選択される皮膚軟化剤を含む組成物。
【請求項29】
前記手用加湿殺菌剤組成物が、有機物として認証されている請求項28に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−522757(P2010−522757A)
【公表日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501014(P2010−501014)
【出願日】平成20年3月29日(2008.3.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/004120
【国際公開番号】WO2008/121355
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(500176311)インターナショナル フローラ テクノロジーズ,リミテッド (15)
【Fターム(参考)】