説明

商品を出荷先別に仕分ける方法

【課題】 商品の個数・商品の品種・出荷先が多数になっても、仕分けられた出荷用番重が、同一出荷先のものが確実に連続するよう仕分ける出荷先別に仕分ける。
【解決手段】 出荷用番重Zを流す第1コンベヤ1aと納入された商品を納入用番重Yのまま後詰めで格納するピッキング棚P,P’,Q,Q’とを備えた第1仕分けライン1と、出荷用番重Zを流す第2コンベヤ2aと納入された商品を納入用番重Yのまま後詰めで格納するピッキング棚R,Nとを備えた第2仕分けライン2とを有し、各ピッキング棚に後詰めで品種単位で格納される格納の順番に第1,第2,・・と順位を与え、格納された同一順位を有する棚間口の品種で一バッチを形成し、各コンベヤに同一出荷先に割り付けた出荷用番重を連続するように流し、同一バッチの商品を必要個数取り出して出荷用番重に投入し、一バッチの商品の仕分けが完了した後、次の順位のバッチの仕分けを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出荷用番重を搬送するコンベヤの仕分け場近くに多品種の商品を格納するピッキング棚を配置し、ピッキング棚には棚間口数より多い複数の品種の商品を品種単位でまとめてピッキング棚の所定の棚位置に後詰めで格納し、一方ピッキング棚の棚間口から同一出荷先の複数品種又は一品種の品種の商品を同一出荷先の番重に投入する商品の仕分けにおいて、同一出荷用番重が可及的に連続的に投入できるようにする商品の仕分け方法に関する。特に、商品の共同配送センターにおける商品の詰め直しの出荷先別商品仕分け方法において有用である。
【背景技術】
【0002】
従来、共同配送センターにおいては、商品製造の工場・配送センター・物流ターミナル又は商品問屋等の複数の納入元(ベンダー)から同一容器(ベンダーの納入用番重)には同一品種の商品のみを収容するようにして複数品種の多数の商品が複数の容器に入れられて共同配送センターに送られてくるものを、出荷する店舗・会社・他の工場等の出荷先毎に出荷用番重に必要品種の商品を必要個数だけ詰め直して荷揃えして配送できるように仕分け作業がなされている。
【0003】
従来、共同配送センターはその作業内容で2つのA,Bタイプで分けられる。Aタイプでは、各ベンダーは最終の出荷先へ注文された商品のアイテム(品種ともいう)を注文された数だけ、過不足なく出荷先単位に荷揃えして納品し、共同配送センターでは既に荷揃えしてあるものを単に配送車に積み込み、出荷先に届けるだけの作業を行う。
【0004】
Bタイプでは、各ベンダーは最終出荷先を意識せず、商品をアイテム毎にその総数を共同配送センターに納品し、共同配送センター内で、出荷先単位に仕分け荷揃えして、出荷先に対して各ベンダーの夫々の注文品を一括して配送車に積み込み出荷先に届ける。
このBタイプでの配送センター内での出荷先単位に仕分け荷揃えする作業方法としては、出荷先単位にリストによって荷揃えする方法と、1棚1アイテム対応のデジタル表示装置を使ってピッキングあるいは種まきする方法が一般に知られている。このデジタル表示装置を使ってのピッキングの例が、特開平5−242122号公報に開示されている。
【0005】
前記の共同配送センターのAタイプでは、1出荷先に対して、1配送車で配送するため配送コストは下がるものの、仕分け荷揃えに対しては、各ベンダーが最終出荷先毎に仕分け荷揃えすることになるが、各ベンダーが分散して仕分け荷揃えするため、効率の良い設備を導入することも出来ず、仕分け荷揃えのコストが高くつきトータルの物流コストが高くついていた。
次に、Bタイプでは、共同配送センターで各ベンダーのものを纏めて仕分け荷揃えすることによって、トータルの物流コストを下げる目的をある程度果たすことが出来た。このBタイプの前者のリストによる仕分け荷揃えは、人海戦術的であり効率が悪い。またBタイプの後者の1棚1アイテム対応のデジタル表示装置を使ってピッキングあるいは種まきする方法はアイテム数が少ない場合はある程度効果が出るが、アイテム数が多くなると、スペースを多く必要とし、広くなるとピッキングする人手も増えてきて、あまり物流コストが下がらないという問題点があった。
【0006】
更に、このBタイプの共同配送センターの仕分け方法において、ピッキング棚の一つの取り出しの棚間口に異なった一品種の商品を対応させる使い方をすれば、納入される商品数・品種数・出荷先が増大すると、作業者の負担が大きく、又仕分け速度が遅くなるものであった。
【0007】
又、同一出荷先の番重が連続的に仕分けられていくことが、配送・保管上において必要とされていた。同一出荷先の番重が仕分けられて商品が収容した出荷用番重が連続的にコンベヤで送られれば、出荷用番重が直ちに段積みできる。出荷用番重が段積みできれば番重の保管・運送が広い占有面積を必要なく効率的に行える。もし仕分けした出荷用番重の出荷先が連続しない仕分け作業であれば、仕分けして商品を収容した出荷用番重を一時保管する保管庫・立体倉庫又は待ちコンベヤに一時保管し、その後同一出荷先が連続するように出庫させる制御が必要であり、装置コストが高くなり、保管庫・立体倉庫・待ちコンベヤの設置が必要となり、占有面積が広くなるという問題点がある。
【特許文献1】特開平5−242122号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、商品の個数・商品の品種・出荷先が多数となっても、同一出荷先が確実に連続するように出荷先別に効率よく且つ迅速に仕分けることができる、商品を出荷先別に仕分ける方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 出荷用番重を搬送するコンベヤの仕分け場の近くに複数の商品取り出し棚間口を有するピッキング棚を配置し、同ピッキング棚にその後方から棚間口数より多い品種の商品を品種単位に格納し、コンベヤで送られる出荷先が割り付けられた出荷用番重に対し棚間口からその出荷先の所要の品種の商品を所要個数取り出して投入し、しかも出荷先番重が同一出荷先が連続するように送ってピッキング棚に格納した商品を出荷先別に仕分ける方法であって、
商品を品種単位でピッキング棚の所定の番地の棚に後詰めで格納し、同じ棚間口の棚に格納されていく商品を格納する順番で品種単位に1番,2番,3番,・・・と順位を与え、ピッキング棚の同じ順位の品種の組み合わせを一バッチとして、一バッチの品種の全商品を投入した後に、次の順位のバッチの商品の投入を開始するようにし、しかも一バッチの処理において同一出荷先の出荷用番重が連続するように送るようにしたことを特徴とする商品を出荷先別に仕分ける方法
にある。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、図9に示すように、ピッキング棚に格納される商品を品種単位で格納される順番で順位付けして、同一順位をもって一バッチを形成させ、一バッチ内で同一出荷先の品種の商品を棚間口の商品を取り出して投入し、同一バッチの全品種の商品を投入完了後に次のバッチに移るようにしている。これによって、同一出荷先の番重を確実に・可及的に連続するように仕分けられるようになり、直ちに段積みが出来るようになって、仕分け作業性が高くなり、又同一出荷先に揃えるための商品収容済み番重の一時保管庫・保管場を必要とせず、低コストで狭い場所での仕分けを可能とする。即ち、同一出荷先の品種の商品が後から格納されても、あるいは次のバッチの同一出荷先の品種が棚間口にくることがあっても、それらは別順位となり別バッチとなり、処理中のバッチでは商品の取り出しはなく別の順位のバッチとして後で処理される。従って、同一バッチ内では確実に同一出荷先の番重を連続させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
コンベヤとしてはローラコンベヤが一般的に使用される。又、コンベヤの各作業場で出荷用番重を一時停止させて商品を投入するのが一般的である。その出荷用番重の一時停止方法としては、作業場の前のコンベヤに出荷用番重のストッパーを出没自在に装置することで一時停止させる方法が代表例である。商品投入完了後はストッパーを電気的又は機構的に退却させて出荷用番重をコンベヤで送れるようにする。
【0012】
又、第1仕分けラインで仕分ける品種の数・商品個数が多くなれば、ピッキング棚と仕分け作業場をコンベヤに沿って複数配置し、仕分ける個数の多さに応じてグループ化し、仕分け個数の多いグループの品種の商品を多くのピッキング棚に格納させるようにさせることが、各ピッキング棚での仕分け作業時間をなるべく均等にすることができ、各ピッキング棚の並行処理に近づけられて仕分け効率を更に高める。
ピッキング棚の設置位置は、コンベヤを挟んで対向する位置でも同じ側の位置でもよく、又は上流・下流に分けて配置することもできる。
【0013】
グループ化するのは品種別の商品の総数又はその商品を収容した容器総数いずれの総数を使用してグループ化してでもよく、又それら商品を格納する複数のピッキング棚のそれぞれの格納個数・格納容器数は、総数を格納するピッキング棚の数で除した大略の均等個数とするのがよい。
【0014】
本発明で、出荷先に配送された番重の商品を陳列棚又は保管棚に配置する作業の手間・時間を軽減するため、陳列棚・保管棚が同じ棚位置又は近い棚位置に配置する品種の商品を同一カテゴリーとして区分して、同一カテゴリーの品種の商品を同一の番重に収容するようにすれば、出荷先における商品の陳列・保管の手間・時間を軽減できる。例えばカテゴリーの例として菓子・パン類の食品では菓子パン,和菓子,洋菓子,食パンは陳列棚位置を異にすることが多いので、別カテゴリーの商品とするのが好ましい。
【0015】
更に、番重に投入できる商品数を決めるため、商品の品種毎に、出荷用番重の入れ目数(標準個数)に対する一個のその品種の商品の出荷用番重に占める面積占有率を計算し、同一品種又は異品種混在させたときの各商品の面積占有率の総和(投入充填率という)が100%以下の80%前後程度になるように番重に投入できる個数を決定することが好ましい。
【0016】
本発明の仕分け方法において、第1と第2の仕分けラインに分けて、一つのラインでは出荷用番重に同じ品種の商品を定まった個数(標準個数,入れ目数)だけ投入する一品種標準個数投入とし、他のラインでは出荷用番重に異品種の商品を端数個混在させるように投入する他品種混在端数投入との別の仕分け方法を採用することを基本にして、バッチ方式での同一出荷先が連続できるようにするバッチ式仕分けと、同一出荷先連続仕分けと、カテゴリー別の同一カテゴリー連続仕分け方式と、同一カテゴリー内での充填率を満足させる品種商品の投入方式とを組み合わせることが好ましい。
【実施例1】
【0017】
以下、本発明の商品を出荷先別に仕分ける方法を実施例1に基づいて具体的に説明する。本発明のバッチ式の仕分け方法は実施例1の第1仕分けライン及び第2仕分けラインの各ピッキング棚P,P’,Q,Q’及びピッキング棚R,Nでの仕分け作業において実施されている。
【0018】
本発明の本実施例1では、30品種(以下アイテムともいう)で総数32,560個の菓子・パンの商品がイ,ロ,ハ,ニ,ホの5社の製造メーカー(納入元:以下ベンダーという)からそのベンダーの納入番重(容器)で共同配送センターの仕分け設備に納入され、同共同配送センターの仕分け設備で、50店舗の出荷先毎に商品を統一された段積みできる出荷用番重に詰め直して荷揃えする共同配送センターの仕分け方法である。
仕分け設備への納入と仕分け作業は、1日1回又は複数回に分けてなされる。上記の数値はその1回の納入・仕分け作業の一例の数値である。
この仕分け設備には、品種毎に定められた個数(標準個数又は入れ目数ともいう)の同一品種商品を空の出荷用番重に投入し、投入された番重(正番重という)を同一出荷先単位に段積みして搬出する第1仕分けライン1と、一つの出荷用番重に端数個数の商品を同一出荷先の他の品種の端数個数の商品と一緒に混在するように投入し、投入された番重(端数番重という)を自動倉庫に入庫させ、同一出荷先で同一カテゴリーの商品の端数番重が所定個数貯えられると自動倉庫から出庫して段積みして搬出する第2仕分けライン2とがある。各ラインの正番重・端数番重の段積みコラムはトラックへの配送仮置場所で合流されて所定時に配送される例である。
【0019】
本実施例1の第1仕分けライン及び第2仕分けラインにおいて、ピッキング棚の各棚間口の棚に格納する順番の同一順位の品種の一バッチの商品を仕分けした後に次の順位のバッチの作業に入るようにし、本発明のバッチ式を採用している。しかも同一バッチでは同一出荷先で同一カテゴリーの出荷用番重が連続して送れるようにし、仕分けと段積みと出荷先の棚配置を効率的にしている。しかも、第1仕分けラインのピッキング棚は対向型に配置され、一つの空の出荷用番重に対し、対向型のピッキング棚から略半数ずつ投入し、出荷用番重には標準個数投入するようにしている。本実施例の第1,第2仕分けラインにおける仕分け方法は、本発明のバッチ式,同一出荷先連続投入,同一カテゴリー投入,投入充填率70〜90%確保の優先度をもってなされている。
【0020】
更に、本実施例1の第1仕分けラインにおいて、品種毎にその仕分け商品の個数の多さでグループ化して、その個数の多いグループには多くのピッキング棚P,P’,Q,Q’にその品種の格納棚を確保するようにした。
【0021】
本実施例1の図面と符号について説明する。
図1は、実施例1の実施設備である共同配送センターの仕分け設備を示す平面図である。
図2は、共同配送センターの仕分け設備の第1仕分けラインを示す拡大説明図である。
図3は、共同配送センターの仕分け設備の第2仕分けラインを示す拡大説明図である。
図4は、第1仕分けラインのピッキング棚の取り出し間口側を示す正面図である。
図5は、第1仕分けラインのピッキング棚の補充側を示す背面図である。
図6は、第2仕分けラインのピッキング棚の取り出し間口側を示す正面図である。
図7は、第2仕分けラインのピッキング棚の補充側を示す背面図である。
図8は、実施例1の1次仕分けと、第1,第2仕分けラインによる仕分けの作業フローを示す説明図である。
図9は、実施例1のバッチの順位の説明図である。
図10は、店舗とベンダーと共同配送センターと受発注管理情報センターとの商品と情報の流れを示す説明図である。
【0022】
図中、SSは本発明を実施した共同配送センターの仕分け設備、1は第1仕分けライン、1aはローラコンベヤを用いた第1コンベヤ,1bは空出荷用番重供給装置、1cは出荷用番重を一時停止させる出没自在なストッパー、1dは商品が投入された出荷用番重に出荷先及び投入した商品の品種と個数の情報を印刷したバーコードのラベルを貼り付けるオートラベラ装置、1eは出荷用番重に商品が収容されている状態を撮影して記憶する撮像装置、1fは同一出荷先の出荷用番重を段積みする段積み装置、1gは仕分け作業場p,p’,q,q’の前のコンベヤ路にそれぞれ設けたストッパー1cを沈めて退却させて出荷用番重をコンベヤ1aで送れるように作動させる投入完了ボタン、1hは出荷先名と取り出すべき棚間口と取り出すべき商品個数とをまとめて表示する集合表示盤、1iは空容器置き場、1jはオートラベラ装置で番重を停止させるストッパー、Hはピッキング棚の棚間口毎に設けられた表示器、Yは容器(納入用番重)、Zは出荷用番重、Wは商品、Jは受発注管理情報センターである。
【0023】
図中、2は第2仕分けラインであって、2aはローラコンベヤを用いた第2コンベヤ、2bは空出荷用番重供給装置、2cは第2コンベヤ2aに設けた出没自在のストッパー、2dは出荷用番重に出荷先名、投入された商品の品種と商品個数の情報を印刷したバーコードのラベルを貼り付けるオートラベラ装置、2eは出荷用番重に商品が収容されている状態を撮影して記憶する撮像装置、2fは商品が投入された出荷用番重を一時貯える自動倉庫、2gは同一出荷先の出荷用番重を段積みする段積み装置、2hは仕分け作業場r,nの前のコンベヤ路にそれぞれ設けたストッパー2cを没して退却させて出荷用番重を送れるようにする投入完了ボタン、2iは出荷先名と取り出すべき棚間口と取り出すべき商品個数とをまとめて表示する集合表示盤、2jはオートラベラ装置2dで番重を停止させるストッパーである。
図中、3は管理コンピュータである。
【0024】
第1仕分けライン1には、出荷用番重を搬送する第1コンベヤ1aの上流側に、形状・寸法が略同じ二つのピッキング棚P,P’を第1コンベヤ1aを挟んで対向して配置し、その下流側にも形状・寸法が略同じ二つのピッキング棚Q,Q’を第1コンベヤ1aを挟んで対向して配置する。各ピッキング棚P,P’,Q,Q’の取り出し間口の棚間口それぞれには取り出し指令と取り出す個数を表示する表示器H及びその表示を消すリセットボタンHとが設けられ、又各ピッキング棚P,P’,Q,Q’と第1コンベヤ1aとの間には作業場p,p’,q,q’と、取り出し間口の指示と取り出し個数を全間口分を集合させた集合表示盤1hと、第1コンベヤ1aの各作業場の前で出荷用番重を停止させるストッパー1cを降下(解除)させる投入完了ボタン1gとが設けられている。
【0025】
又、図4,図5に示すP,P’,Q,Q’は第1仕分けライン1の第1コンベヤ1aの両側に沿って対向的に配置したピッキング棚である。各ピッキング棚は4列のうち左側2列は3段の棚とも、及び3列目の2段の棚とも傾斜したフリーコンベヤの傾斜棚(流動棚)で構成されている。左側2列の各棚は容器2段の段積みができ、3列目の棚は容器5段の段積みが可能であり、最右列は棚は1つで容器を多段で積んで台車ごと格納する。一つのピッキング棚P,P’,Q,Q’には少なくとも9品種の商品が取り出し間口から取り出せる。但し、同じ棚には前方と後方で品種が違う商品容器が格納されることが多いので一つのピッキング棚で供給できる商品の品種は9品種以上可能である。
【0026】
又ピッキング棚P,P’,Q,Q’の背面には補充すべきことを表示し、補充作業完了すると押すと消灯する補充表示ボタンGが各棚毎に付いている。Yはベンダーの商品を収容した容器(納入用番重)、Zは統一された寸法・形状を有し段積みできる出荷用番重、Wは商品である。
【0027】
第2仕分けライン2には、出荷用番重を搬送する第2コンベヤ2aの上流側と下流側とに、ピッキング棚R,Nを同じ側に直列的に配置する。各ピッキング棚R,Nの取り出し間口それぞれには取り出し指令と取り出す個数を表示する表示器Hとその表示取消ボタンHとが設けられ、各ピッキング棚R,Nと第2コンベヤ2aとの間には作業場r,nと、取り出し間口の指示と取り出し個数を全間口分を集合させた集合表示盤2iと、第2コンベヤ2aの各作業場r,nの場の前で出荷用番重を停止させるストッパー2cを降下(解除)させる投入完了ボタン2h、その下流のオートラベラ装置2dと番重を停止させるそのストッパー2jと、自動倉庫2fとが設けられている。
【0028】
又、図6,図7に示すR,Nは第2仕分けライン2の第2コンベヤ2aの両側に沿って配置したピッキング棚であり、4列3段の傾斜したフリーコンベヤの傾斜棚(流動棚)で構成されている。下段の方が棚間高さが高くなっている。最下段と2段目の棚は4段の容器(ベンダーの納入用番重)Yを段積みできる。3段目は棚間高さが低く2段の容器Yが段積みできるようになっている。一つのピッキング棚R,Nには少なくとも12品種の商品が取り出し間口から取り出せる。但し、同じ傾斜棚には前方と後方で品種が違う商品容器が格納されることが多いので一つのピッキング棚で供給できる商品の品種は12品種以上可能である。ピッキング棚P,P’,Q,Q’と同様に各棚には表示器H,リセットボタンH,補充ボタンGが設けられている。
【0029】
2つのピッキング棚R,Nの下流には第1仕分けライン1と同じ機能のオートラベラ装置2dと撮像装置2eがあり、更にその下流には商品投入された出荷用番重(端数番重)Zを一時格納する自動倉庫2fが設けられ、更にその下流に同一出荷先の出荷用番重Zを段積みする段積み装置2gが設けられている。
【0030】
第1コンベヤ1a、第2コンベヤ2a、空出荷用番重供給装置1b,2b、オートラベラ装置1d,2d、撮像装置1e,2e、ピッキング棚の表示器H、自動倉庫2f、段積み装置1f,2gの動作を制御・管理し、ベンダーからの品種別の商品の納入個数、容器数、出荷先別の仕分ける商品の品種と、そのカテゴリーと、その仕分け個数・各ピッキング棚の棚間口とその格納された商品の品種等の記憶と管理及び出荷用番重Zの出荷先の割り付けと、出荷用番重Zの流れの管理等を行う管理コンピュータ3が設けられている。
又、この管理コンピュータ3によって、1次仕分けの各ピッキング棚P,P’,Q,Q’,R,Nに格納する品種別の商品個数又は容器個数の入力がなされ、その格納棚の棚番地・取り出し間口の表示器Hの記憶と表示の管理がなされる。
【0031】
本実施例1の出荷用番重Zは、統一された寸法・形状で段積みできるものが使用される。又、この出荷用番重Zに詰められる一品種のみの商品の詰め数をその品種の標準個数(正番重の入れ目数ともいう)としてあらかじめ決定しておいて、管理コンピュータ3に記憶させている。以下において、出荷用番重Zに一品種の商品をその標準個数投入したものを正番重といい、又出荷用番重Zに一つ又は複数品種の商品をその品種の標準個数より小さな個数(端数個数)を投入したものを端数番重という。
【0032】
又、本実施例における商品のカテゴリーは、菓子パン,和菓子,洋菓子,食パン,惣菜パンの5つに分類されている。菓子パンのカテゴリーには、アンパンI1,メロンパンI2,チョコクリームパンI3,デニッシュパンI4,コッペパンI5,クリームパンI6,ジャムパンI7,バターロールI8,スティックパンI9,クリームコロネI10,レーズンパンI11,シュガーロールI12の品種の商品が含まれる。又、和菓子のカテゴリーには、だんごI13,蒸ケーキI14,だいふく(大福)I15,ようかんI16,まんじゅうI17,どらやきI18の品種の商品が含まれる。洋菓子のカテゴリーには、チーズケーキI19,パイシューI20,チョコケーキI21,スティックロールI24,ロールケーキI22,カスタードケーキI23の品種が含まれる。又食パンのカテゴリーには、一斤食パンI25,玄米食パンI26,小麦食パンI27,レーズン食パンI28の品種の商品が含まれる。惣菜パンのカテゴリーには、コロッケパンI29,焼そばパンI30の品種の商品が含まれる。
いずれも出荷用番重Zには、第1,第2仕分けラインとも同一カテゴリーの品種の商品しか収容しないようにする。又同一出荷先において同一カテゴリー順に商品投入する。
【0033】
本実施例1では、イ,ロ,ハ,ニ,ホの5社のベンダーから共同配送センターに納入される商品の品種の数は30品種であり、又全品種の納入される商品総合計個数は32,560個である。そのうち、下記に述べる1次仕分け作業によって標準個数(正番重入れ目数)投入の第1仕分けライン1には29,908個の商品が送られ、端数個数投入の第2仕分けライン2には残りの2,652個が分離されて送られて、各ラインそれぞれで並行的に50の店舗の出荷先E01〜E50に仕分けされ、第1,第2仕分けライン1,2で仕分けられ、段積みされて配送される例である。
【0034】
しかも、第1仕分けライン1では、商品個数の多いG4属又はG2属においてピッキング棚P,P’又はQ,Q’を対向的に配置している各ピッキング棚P〜Q’から標準個数の略半分を第1コンベヤ1aで停止した空の出荷用番重に投入して合計標準個数となるようにして、作業効率を高めている。
【0035】
更に、本実施例1の第1仕分けラインにおいて、投入個数の多い品種の商品をその多い順にG4,G2,G1属に分けてグループ化して、G4属の品種に対し4つのピッキング棚を、次に多いG2属の品種の商品は2つのピッキング棚を割り当てている。そのグループ化のピッキング棚割り付けは表1に例示している。
【0036】
加えて、本実施例1には、ピッキング棚の各棚に格納する商品の品種に格納順に順番を付し、同じ順位の品種で一バッチを形成し、一バッチの品種の商品を全量投入した後次の順位のバッチを開始するようにして、一バッチ単位で同一出荷先が連続するように空の出荷用番重を出荷番重供給装置から送り出している。従って一バッチ内の仕分けで後から同一出荷用番重が送られることなく、確実に同一出荷用番重(正番重)は、同一出荷先が連続し、段積み効率が高くなる。
【0037】
バッチの決め方は、ピッキング棚の最前面の各棚間口の棚番地に棚背面から後詰めするように格納(補充)する商品を、品種単位でその格納の順番に従って1番,2番,3番,・・・の順位を付し、そのピッキング棚で同じ順位(例えば1番,2番,3番,・・・等の同順位)の品種で一バッチを形成する。「1番」の順位の品種群で第一のバッチを、「2番」の順位の品種群で第二のバッチを、「3番」の順位の品種群で第三のバッチを形成する。
図9にバッチの形成の例を説明している。図9の例では、品種(a)〜(h)は各棚間口での格納の順位1であり、これらで第一のバッチを形成し、次に品種(i)〜(p)は格納の順位2であり、これらで第二のバッチを形成し、更に品種(q)〜(x)は格納の順位3であり、これらで第三のバッチを形成する。
【0038】
この一バッチを形成する各品種の商品の全量が出荷用番重Zに投入されてから次のバッチの商品の投入を開始する。棚間口の一部に次のバッチの品種の商品の納入用番重が格納されてもこの棚間口から今のバッチ中は商品を取り出さず、今のバッチの商品投入が完了して次のバッチの処理が開始してから商品の取り出しを開始する。
【0039】
更に、本実施例1では、前記のように全品種の商品を菓子パン,和菓子,洋菓子,食パン,惣菜パンの5つのカテゴリーに分けて、第1及び第2仕分けラインにおいて同一の出荷用番重には同一カテゴリーの品種の商品しか収容しないようにし、又、同一出荷先でも同一カテゴリーの品種の商品を投入していき、カテゴリー順に仕分けるようにしている。
【0040】
更に、同一カテゴリーでも投入充填率が100%以下の70〜90%程になるように、混在して投入する商品の品種を選ぶようにしている。
各品種の1個の商品の充填率(面積占有率)は、1個当りの充填率(面積占有率)=100/標準個数(入れ目数)(%)でもって計算している。同一カテゴリーの品種の商品を投入する1つの番重の充填率(投入充填率)は、下式によって計算される。表1に各品種(アイテム)の面積占有率を表示している。
投入充填率=Σ(品種別1個当りの充填率)*(投入するその品種の商品個数)
実施例の第2仕分けラインにおける投入充填率は、なるべく70%以上で90%以下の範囲となるように、同一カテゴリーの品種の商品を混在するように投入する。
尚、本実施例1の一品種の商品のみをその標準個数投入する第1仕分けラインの投入充填率は常に100%となる。
【0041】
本実施例1の諸元の数値は下記の通りである。
1.ベンダー数/イ,ロ,ハ,ニ,ホ・・・5社
2.品種(アイテム)数/I1〜I30・・・30品種
3.店舗(出荷先)/E01〜E50・・・50店
4.商品総個数・・・32,560個
5.第1仕分けライン処理商品個数・・・29,908個
6.第2仕分けライン処理商品個数・・・2,652個
7.品種別の標準個数(入れ目数)・・・表1参照
8.カテゴリー・・・5区分
9.投入充填率・・・70〜90%
10.第1仕分けラインのピッキング棚数・・・4棚
(ピッキング棚P,P’,Q,Q’) 対向位置
11.第2仕分けラインのピッキング棚数・・・2棚
(ピッキング棚R,N) 直列位置
【0042】
【表1】

【0043】
本実施例1の仕分け作業について詳しく説明する前に、共同配送センターと店舗とベンダーとの間の商品の流れ及び情報の流れについて、まず説明する。図10にその流れを説明している。
各店舗E1〜E50からの商品の注文(商品品種,商品個数,納品日時)は、中間に設けた受発注管理情報センターJへ送られる。同受発注管理情報センターJは、各店舗から注文される商品を品種(アイテムともいう)別にその注文個数を所要時点で集計し、納入日時を定めて、その品種の商品をその集計個数だけそのベンダー(イ,ロ,ハ,ニ社)へ発注する。
又受発注管理情報センターJは、各店舗(出荷先)とそこからの注文商品の品種と個数と納品日時の情報を共同配送センターSSに送り、その管理コンピュータ3にこれら情報を入力する。
【0044】
各ベンダーから共同配送センターSSに納入される商品の品種・総個数・納入日時及び出荷先(店舗)に仕分ける商品の品種と個数と納品日時等の情報は、受発注管理情報センターJから共同配送センターSSへ送信され、商品が各ベンダーに到着する前には管理コンピュータ3はこれら情報を入力している。
管理コンピュータ3は、第2仕分けライン2の送る各品種の商品の集計端数総数を計算して1次仕分けのリストを印刷するばかりでなく、納入された品種の商品の総個数、納入日時、以下述す納品される品種毎の商品総個数の多さでグループ化し、多い品種の商品を複数のピッキング棚に分散格納すること等を計算して、各品種毎に格納するピッキング棚、棚番地及び品種単位での棚番地に格納する順番(順位)を決定する。
【0045】
各ベンダーは、発注された品種の商品をその集計個数(受注総個数)製造して(又は仕入れして)、共同配送センターSSに納入する。そして共同配送センターSSは納入された多数の品種の商品を、注文した店舗(出荷先)別に仕分けして注文の品種の商品をその注文個数だけ出荷先番重Zに納めて各店舗(出荷先)に納品する。本発明の実施例1の仕分け方法は、共同配送センターSSにベンダーから商品が納入されて開始する。
【0046】
各ベンダーからの納入用番重Yが共同配送センターSSに到達すると、共同配送センターSSの作業者は、まずその納入用番重Y内の商品の包装紙に印刷されたバーコードをバーコード読み取り装置(図示せず)で読み取り、その品種が表示され、その品種の集計端数総数を印刷されたリストから又は格納作業場にある管理コンピュータ3と接続したディスプレイ(図示せず)から確認し、集計端数総数の個数だけ納入用番重Yから抜き出す。多いときは納入用番重Yごと分離し、又は少数のときは番重から少ない個数だけ引き出して別の番重に収容して分離する。これを1次仕分け作業という。分離された商品(番重)は第2仕分けライン2へ送られ、そのピッキング棚R,Nに格納される。分離されず残った多数の番重は、第1仕分けライン1に送られ、そのピッキング棚P,P’,Q,Q’に格納される。
【0047】
各ベンダーから納入され、1次仕分けされた納入用番重は、以下で説明するように、第1,第2仕分けライン1,2の各ピッキング棚P,P’,Q,Q’又はピッキング棚R,Nの背面からの所定の棚番地に納入用番重Yで格納される。
【0048】
1次仕分けが終えた納入用番重Yをピッキング棚P,P’,Q,Q’又はR,Nの背後に移動した後、作業者は納入用番重Y内の商品の包装紙にあるバーコードをバーコード読み取り装置で読み取ると、管理コンピュータ3はこれを入力して、格納すべきピッキング棚の棚番地のピッキング棚の背面にある表示器Hを点滅させて、作業者は点滅している表示器Hのある棚番地にその納入用番重Yを格納する。格納した後にその棚番地の補充ボタンGを押すと管理コンピュータ3にその番重を指定の棚番地に格納された情報が入力される。このように、作業者は納入した番重の商品の包装紙のバーコードを読み込んでその番重を棚背面の表示器Hが点滅する棚番地に格納する。このような作業により、各ピッキング棚P,P’,Q,Q’又はR,Nに番重が格納される。管理コンピュータ3は、各ピッキング棚の棚番地に格納された番重、その商品の品種、以下述べるグループの属、バッチの順位、カテゴリー等の属性についても計算されて記憶している。
【0049】
このようにベンダーから送られてくる商品は、品種毎に第1仕分けライン1のピッキング棚P,P’,Q,Q’に送る多数の商品と、第2仕分けライン2のピッキング棚R,Nに送られる少数の端数の商品に分けられて、各ラインのピッキング棚P〜Nにその容器(納入用番重)Yに入れられて格納される。
【0050】
第1仕分けライン1と第2仕分けライン2に向けてベンダーから送られる商品は上記のようにまず1次仕分けされる。その分け方について詳細に説明する。各品種に対して出荷先別に仕分ける商品の総個数をその品種の標準個数(正番重入れ目数)で除してその商と端数を求める。次に商にその標準個数を乗じた数の商品個数を出荷先毎に集計し、その集計総数のその品種の商品を第1仕分けライン1(正番重仕分けライン)の4つのピッキング棚P,P’,Q,Q’の所要の格納棚に容器(納入番重)Yに入れて格納する。又は、下記の品種毎の総個数から下記の集計端数総数を分離して残った個数が第1仕分けラインに格納される集計総数となるので分離後の残った個数でもよい。
【0051】
標準個数(正番重入れ目数)で除した端数を出荷先毎に集計し、その集計端数総数を第2仕分けライン2(端数番重仕分けライン)の2つのピッキング棚R,Nの所要の格納棚に格納する。品種の商品の総個数は、集計総数と集計端数総数の和となる。これら計算はベンダー(受発注管理情報センターJ)からの納品の品種とその商品個数と出荷先等の情報に基づいて管理コンピュータ3が行い、品種・商品個数・ピッキング棚・棚番地等の情報は管理コンピュータ3が記憶し管理する。又1次仕分け作業のリストも管理コンピュータ3が印刷して作製する。
【0052】
表4〜7に示すのはその仕分け表であり、全品種の商品総数は32,560個であり、第1仕分けライン1にはその内の29,908個送られ、第2仕分けライン2には2,652個送られる。第1と第2仕分けラインの送られる商品個数比は略10:1程となっている。
【0053】
第1仕分けライン1でのピッキング棚P,P’,Q,Q’に対する品種の商品の格納の割り付けについて説明する。
上記のように、各品種毎に商品の集計総数(正番重アイテム総数)を算出する。本実施例1では、第1仕分けライン1で仕分けする各品種の集計総数(正番重アイテム総数)をその数の大きさで下記の通りにG1,G2,G4属の3つのグループに分けた。
・G4属グループ・・・集計総数(正番重アイテム総数)が1,000個を超えたもの
・G2属グループ・・・集計総数(正番重アイテム総数)が300〜999個
・G1属グループ・・・集計総数(正番重アイテム総数)が300個未満
【0054】
各グループの商品(容器)のピッキング棚P,P’,Q,Q’への格納割り付けは下記表2の通りに決めている。
【0055】
【表2】

【0056】
この実施例1では、グループ化とピッキング棚P,P’,Q,Q’への格納の割り付けと格納商品個数例は下記のようになる。
【0057】
【表3】

【0058】
各ベンダーからの容器(納入用番重)Yに入れられて納入された商品は、各品種の集計総数(正番重アイテム総数)の数でG1,G2,G4属の3つのグループに分けられる。そして集計総数の多いG4属はその集計総数を4つに均等分けて4つのピッキング棚P,P’,Q,Q’に容器Yに入れて格納される。G2属の品種の商品は2つのピッキング棚P,P’又は(Q,Q’)に略2分割されて格納され、個数の少ないG1属の品種の商品はピッキング棚Pに全て格納される。
商品品種・商品個数・容器数・品種毎の標準個数(正番重入れ目数)等は、管理コンピュータ3に入力され、記憶されていて、集計総数(正番重アイテム総数)、集計端数総数(端数番重アイテム総数)は管理コンピュータ3で計算され、同管理コンピュータはその商品の容器Yのピッキング棚P,P’,Q,Q’の格納棚番地・品種・個数を記憶し、管理している。又格納ピッキング棚の格納棚番地(間口位置)と商品個数・商品品種を印刷して作業者によるその印刷紙をもって1次仕分けができ易くしている。第1次仕分けの各品種の集計端数総数の個数の商品は、第2仕分けライン2に送られ、そのピッキング棚R,Nに格納される。管理コンピュータ3は、各ピッキング棚P,P’,Q,Q’に格納された品種と個数と格納棚番地を管理している。
【0059】
表4〜7に、ベンダーから納入された全商品を1次仕分けして、第1,第2の仕分けラインで仕分けされる集計総数(正番重アイテム総数)、集計端数総数(端数番重アイテム総数)と、それらを格納するピッキング棚P,P’,Q,Q’で格納される各品種別の商品個数、及び出荷先(店舗)E1〜E50毎の品種別の投入総数(アイテム総数)、正番重に投入される集計総数(正番重アイテム総数)、端数番重に投入される集計端数総数(端数番重アイテム総数)を表4〜7に示している。
【0060】
【表4】

【0061】
【表5】

【0062】
【表6】

【0063】
【表7】

【0064】
このように、1次仕分けされて、各ピッキング棚P〜Nに商品が格納された状態になれば、管理コンピュータ3は第1仕分けライン1のピッキング棚P,P’又はQ,Q’においてその棚に格納する品種の順番を付して同じ順位の品種で一バッチを形成し、一バッチ毎の逐次処理を行う。これによって、同一出荷先に割り付けた出荷用番重Zが連続するように空出荷用番重供給装置1bを作動させて、空の出荷用番重Zを各ピッキング棚P,P’,Q,Q’の前に送り込む。空出荷用番重供給装置1bからの空の出荷用番重Zは各仕分け作業場p,p’,q,q’の前のストッパー1cで止められる。第1仕分けライン1では、2つの空の出荷用番重Zが一時停止する。ここで、左右対向の作業場p,p’又はq,q’で対向型ピッキング棚P,P’又はQ,Q’から標準個数の略半分ずつ投入し、一つの出荷用番重に標準個数投入する。第1表示器1hは標準個数の略半分の個数が表示される。
【0065】
一方、第2仕分けライン2でも、ピッキング棚R,Nの取り出し間口の商品品種から判断して空出荷用番重供給装置2bから出荷先が割り付けられた空の出荷用番重Zが送られ、ストッパー2cによって各ピッキング棚R,Nの仕分け作業場r,nの前に停止される(図1,2参照)。
【0066】
第1コンベヤ1a,第2コンベヤ2aとも出荷用番重Zはシリアル(一列,1個順送り)にしか搬送できない。その為なるべく空の出荷用番重Zが作業場p,p’,q,q’の前に停止するようにストッパー1cを制御し、なるべく同一出荷先の仕分けが略同時にできるようにする。
【0067】
第1仕分けライン1の各仕分け作業場p,p’,q,q’の前に空の出荷用番重Zが停止すると、仕分け作業が各ラインで略同時に開始される。
作業者は、ピッキング棚P,P’,Q,Q’の前面の各表示器Hを見て、又は集合表示盤1h,2iをみて、取り出すべき間口の位置と取り出すべき商品個数を確認し、その間口から商品を要求個数取り出し、取り出したらリセットボタンHを押して、表示をクリアする。その後取り出した商品を停止した出荷用番重Zに投入する。
【0068】
第1仕分けライン1では、取り出す商品個数はその品種で定められた標準個数(正番重入れ目数)だけ各ピッキング棚P,P’又はピッキング棚Q,Q’から取り出して投入する。対向したピッキング棚P,P’(Q,Q’)の各棚からは標準個数の半分毎取り出され、一つの共通の出荷用番重Zに投入される。従って表示器Hには標準個数の略1/2の整数値が表示される。
【0069】
第1仕分けライン1の各仕分け作業場p,p’,q,q’での商品投入作業は一つの品種の商品を格納棚の取り出し間口から標準個数(正番重入れ目数)又は略半数だけ取り出して空の出荷用番重Zに入れるだけの仕分け作業であるので、迅速且つ容易に行える。仕分ける商品が多いG4属のグループの品種は、4つのピッキング棚P,P’,Q,Q’は二組の対向型ピッキング棚となっていて標準個数の半数の投入を二組並行処理することで効率的に商品投入ができる。
【0070】
しかも、各ピッキング棚の仕分け作業場p,p’又は(q,q’)での仕分け作業は、同じ出荷先で個数も同じ標準個数(正番重入れ目数)投入であるので、略同じ仕分け作業時間になるので、略同時に仕分け完了(投入完了)して正番重を下流に流せる。下流に流すとともに、次の仕分けの為の空の出荷用番重Zが上流から送られてくる。
【0071】
更に、この第1仕分けライン1では、ピッキング棚への格納する品種に順番で順位を付し、同じ順位の品種で一バッチを形成し、このバッチ毎に仕分けるバッチ方式を採用することで投入完了した出荷用番重Zは同一出荷先のものが確実に連続的に搬送され、オートラベラ装置1dで出荷先・品種・商品個数の情報のラベルが出荷用番重Zに貼り付けられ、又撮像装置1eで出荷用番重毎に上方からその投入された商品の状態が撮影され、その画像が出荷先・品種・商品個数・番重IDとともに記憶される。この出荷用番重Zが後の段積みの荷崩れ又は転倒したとき、すぐ人手作業で回復できるようにしている。
【0072】
しかも、同一バッチの同一出荷先の仕分けを連続させながら、同一出荷先の仕分け中においては同一カテゴリーの同品種の商品を投入した番重が連続するように商品の投入を行う。表4〜7において、同一出荷先の店舗Eに対し表の行方向に同一バッチに含まれる同一カテゴリーの同一品種の商品を標準個数(入れ目数)だけピッキング棚P,P’,Q,Q’から出荷用番重に投入していくようにしている。第1仕分けラインの商品の投入充填率は常に100%である。
【0073】
又、バッチの内に同一出荷先で同一カテゴリーの品種の商品の投入が完了すれば、次のカテゴリーの品種の商品を標準個数投入する。同一出荷先の全カテゴリーの品種の商品の投入が完了すれば、次の出荷先の同様な仕分けがなされる。このような仕分けになるように、コンピュータ3は表示器H,集合表示盤1h,2iに表示するようにしている。
【0074】
一方、第2仕分けライン2では、空出荷用番重供給装置2bから送られる空の出荷用番重Zは、まずピッキング棚Rの作業場rの前でストッパー2cで一時停止する。作業者は、ピッキング棚Rの複数の表示器H又は集合表示盤2iから、取り出すべき品種(間口)とその取り出し個数が分かり、複数の品種の商品をその表示の個数だけ一時停止した出荷用番重Zに投入する。投入完了後、投入完了ボタン2hを押すことで、商品投入された出荷用番重Zは送られ、次のピッキング棚Nの作業場nの前のストッパー2cで停止する。又空の出荷用番重が作業場rの所で停止する。作業場nで作業者はピッキング棚Nの表示器H又は集合表示盤2iの表示に従って、取り出し間口から必要品種の商品をその表示の数だけ取り出して、停止している出荷用番重Zに投入される。全部投入されると、投入完了ボタン2hを押して、投入完了した出荷用番重Zを下流に送る。
【0075】
第2仕分けライン2での仕分け作業は、出荷用番重Zにピッキング棚R,Nから同じ出荷先で同一カテゴリーの複数品種の商品が端数個数取り出されて出荷用番重Zに複数品種の商品が混在するように投入され、しかも2つのピッキング棚R,Nそれぞれから品種を異にする商品を取り出して投入することが多いので、一つの出荷用番重の仕分け作業時間が一般的には長くなるものである。尚、同一出荷先の端数商品の投入が一つの出荷用番重Zだけでは満杯となってできない場合は、空の出荷用番重Zが複数送られ、全端数商品が仕分けられるようにする。そのとき、各出荷用番重Zに投入すべき品種と商品個数は管理コンピュータ3が管理し、表示器Hと集合表示盤2iに表示し、作業が円滑にいくようにしている。
【0076】
一方、第2仕分けラインでも、端数の商品はピッキング棚R,Nに格納される。このピッキング棚R,Nの棚間口の棚番地に格納する順番で順位を付し、同じ順位で一バッチを形成し、同一バッチ内で同一出荷先が連続するように、且つ同一出荷先で同一カテゴリーの品種の商品が投入された番重が連続するように、しかも同一出荷先で同一カテゴリーの品種の商品を同一番重へ投入したときの投入充填率が100%以下のなるべく70〜90%程になるように、投入すべき品種と商品個数をコンピュータ3が計算し、表示器H,集合表示盤2iに表示するようにしている。
【0077】
第2仕分けラインにおけるバッチ(1,2),カテゴリー(菓子パン,和菓子,洋菓子),ピッキング棚R,Nの棚間口,アイテムID(品種)と店舗Eに対する投入すべき品種と個数例を表8に示している。
【0078】
【表8】

【0079】
表8の例で、同一バッチで同一出荷先・同一カテゴリー(菓子パンの分類)における投入充填率がなるべく70〜90%となるように商品を投入する例を示すと次のようになる。
【0080】
【表9】

【0081】
第2仕分けラインの同一の店舗E1で第1バッチ,同一カテゴリーの「菓子パン」の12の品種に端数の商品を次のように充填率を考慮して表示し投入する。
最初の空の出荷用番重に対し、アイテム(品種)I1の商品を4個とアイテム(品種)I4の商品を3個投入する。すると投入充填率は40%+38%=78%となる。次に2番目の空の出荷用番重に対してはアイテム(品種)I7の商品を6個投入する。このときの投入充填率は60%であり、次の近い棚間口のアイテム(品種)I9,I11を投入すると100%を超えるので、アイテム(品種)I7の商品を6個のみ投入して充填率60%のままで投入完了し、下流に流す。
3番目の空の出荷用番重に対しては、アイテム(品種)I9,I11を6個と3個投入すると投入充填率は50%+25%=75%となる。このように、同一カテゴリーの品種でも投入充填率が70〜90%となるように投入すべき品種をなるべく近い棚間口から選択して、コンピュータ3は、表示器H,集合表示盤2iに投入すべき品種と個数を表示する。
【0082】
2つのピッキング棚R,Nで商品の投入が完了した出荷用番重Zは第2コンベヤ2aで下流に送られ、第1仕分けライン1と同様にオートラベラ装置2dでラベルが出荷用番重Zに貼り付けられ、又同時に撮像装置2eによって出荷用番重Zの商品が撮影され、出荷用番重番号・出荷先・品種・個数の情報とともにその画像は記憶される。
【0083】
その後に、商品が投入された出荷用番重Zは自動倉庫2fに入庫される。同一出荷用番重Zが複数入庫され、適切な時点で同一出荷先で同一カテゴリーの品種の商品を収容した複数の出荷用番重Zが出庫され、その下流の段積み装置2gで同一出荷先単位で同一カテゴリー又は近いカテゴリーの出荷用番重Zは20段程に段積みされて配送の一時置き場所へ移動される。このとき第1仕分けライン1からの20段程に段積みされた同一出荷先の出荷用番重Zと一緒になり、トラック等で一緒に運送される。出荷用番重Zが段積みされるのは、共同配送センターの保管場所を狭くてもよいようにするとともに、トラック等の積み込みも段積みされるための準備でもある。
【0084】
このように、本実施例では、複数のベンダーから共同配送センターに納入される商品は、多数の商品を出荷用番重Zに同一品種を標準個数投入する第1仕分けライン1と、少数の端数個数を多品種混在するように仕分ける第2仕分けライン2とに分けて並行処理することによって、仕分け作業の負担が少なくし且つその仕分け作業時間を短縮できる。
【0085】
又、本実施例1の第1仕分けライン1のように、仕分け個数(集計総数)が多い品種をその個数の多さでグループ化して、個数が多いグループに対し多いピッキング棚にその品種の格納棚を確保させることで、複数ピッキング棚での略同時投入が行えるようにでき、仕分け速度が高くできる。特に格納する品種の順番を同じにする同順位のものを一バッチとして処理するバッチ処理では同一出荷先の出荷用番重Zを確実に連続的に流すことができ、段積みも一時保管することなくダイレクトに行え、仕分け作業が効果的になる。
更に、同一カテゴリーの品種を投入した番重が連続又は近くに段積み、配置されるものでは、出荷先に配送された後の商品の陳列・保管の作業が容易となる。
加えて、投入充填率を70〜90%に高く設定するものでは、番重の使用個数を少なくできる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、前記実施例1の如く、必ずピッキング棚を複数化し、又グループ化するものに限定されるものでない。本発明は、同一工場の各部門で各品種商品を生産して、注文先に発送する場合でも使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】実施例1の実施設備である共同配送センターの仕分け設備を示す平面図である。
【図2】共同配送センターの仕分け設備の第1仕分けラインを示す拡大説明図である。
【図3】共同配送センターの仕分け設備の第2仕分けラインを示す拡大説明図である。
【図4】第1仕分けラインのピッキング棚の取り出し間口側を示す正面図である。
【図5】第1仕分けラインのピッキング棚の補充側を示す背面図である。
【図6】第2仕分けラインのピッキング棚の取り出し間口側を示す正面図である。
【図7】第2仕分けラインのピッキング棚の補充側を示す背面図である。
【図8】実施例1の1次仕分けと、第1,第2仕分けラインによる仕分けの作業フローを示す説明図である。
【図9】実施例1のバッチの順位の説明図である。
【図10】店舗とベンダーと共同配送センターと受発注管理情報センターとの商品と情報の流れを示す説明図である。
【符号の説明】
【0088】
1 第1仕分けライン
1a 第1コンベヤ
1b 空出荷用番重供給装置
1c ストッパー
1d オートラベラ装置
1e 撮像装置
1f 段積み装置
1g 投入完了ボタン
1h 集合表示盤
1i 空容器置き場
1j ストッパー
2 第2仕分けライン
2a 第2コンベヤ
2b 空出荷用番重供給装置
2c ストッパー
2d オートラベラ装置
2e 撮像装置
2f 自動倉庫
2g 段積み装置
2h 投入完了ボタン
2i 集合表示盤
2j ストッパー
P,P’,Q,Q’ ピッキング棚
H 表示器
リセットボタン
G 補充ボタン
Y 容器(納入用番重)
Z 出荷用番重
W 商品
J 受発注管理情報センター
SS 共同配送センターの仕分け設備
p,p’,q,q’ 仕分け作業場
R,N ピッキング棚
r,n 仕分け作業場
3 管理コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出荷用番重を搬送するコンベヤの仕分け場の近くに複数の商品取り出し棚間口を有するピッキング棚を配置し、同ピッキング棚にその後方から棚間口数より多い品種の商品を品種単位に格納し、コンベヤで送られる出荷先が割り付けられた出荷用番重に対し棚間口からその出荷先の所要の品種の商品を所要個数取り出して投入し、しかも出荷先番重が同一出荷先が連続するように送ってピッキング棚に格納した商品を出荷先別に仕分ける方法であって、
商品を品種単位でピッキング棚の所定の番地の棚に後詰めで格納し、同じ棚間口の棚に格納されていく商品を格納する順番で品種単位に1番,2番,3番,・・・と順位を与え、ピッキング棚の同じ順位の品種の組み合わせを一バッチとして、一バッチの品種の全商品を投入した後に、次の順位のバッチの商品の投入を開始するようにし、しかも一バッチの処理において同一出荷先の出荷用番重が連続するように送るようにしたことを特徴とする商品を出荷先別に仕分ける方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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