説明

商品包装箱、及びハンディモップ包装体

【課題】 本発明は、流通過程で振動が加わっても、収納した商品が位置ずれしない商品包装箱を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明の商品包装箱1は、収納室29に通じ且つ底面21の対向側に開口された出し入れ口28とこれを閉塞する蓋フラップ4とを有する箱本体2と、収納室29内に入れられる中子体3と、を備え、中子体3が、商品91を保持する保持板部31と、保持板部31の一方端に設けられ且つ出し入れ口28を閉塞した蓋フラップ4に接する第1端部81と、保持板部31の他方端に設けられ且つ箱本体2の底面21に接する第2端部82と、を有し、保持板部31がシート片から形成され、保持板部31が第1端部81及び第2端部82を介して蓋フラップ4及び底面21を外側に押し出すように付勢した状態で、中子体3が収納室29内に入れられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品を収納する商品包装箱に関し、特に、ハンディモップのような柔らかい商品を位置ずれしないように収納できる商品包装箱などに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内や車内などの埃を除去するための清掃具が知られており、その中で、個人が手軽に清掃できる清掃具として、特許文献1に記載のようなハンディモップが公知である。
該ハンディモップは、ゴミや埃を付着させるための柔らかいモップ本体と、それを取り付けるための把手(柄)と、を備えている(特許文献1)。
かかるハンディモップは、通常、中空直方体状に組み立てた包装箱(いわゆるキャラメル箱)、又は、凹部が形成された透明な成形カバーと前記成形カバーの凹部に対応する開口を閉塞する台紙とからなるブリスター包装ケースに入れられて販売されている。
【0003】
しかしながら、前記包装箱内や成形カバー内にハンディモップが入れられたハンディモップ包装体は、その流通過程の振動によって、ハンディモップが内部で動くため、収納位置がずれるという問題点がある。また、中子体にハンディモップを保持し、この中子体を包装箱内に入れても、その流通過程で中子体が揺れ動くため、ハンディモップの保持位置がずれてしまう。特に、ハンディモップのモップ本体は、繊維や不織布などの柔軟素材から形成されているので、搬送中にモップ本体が動いて包装箱の内面に当たると、モップ本体が圧縮される。このため、モップ本体の柔らかい感じ(ふわふわした感じ)が損われ、見た目の商品価値が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−230576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、流通過程で振動が加わっても、収納した商品が位置ずれしない商品包装箱を提供することであり、併せて、ハンディモップのモップ本体を柔らかい感じのままで収納できるハンディモップ包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の商品包装箱は、収納室に通じ且つ底面の対向側に開口された出し入れ口と前記出し入れ口を閉塞する蓋フラップとを有する箱本体と、前記収納室内に入れられる中子体と、を備え、前記中子体が、商品を保持する保持板部と、前記保持板部の一方端に設けられ且つ前記出し入れ口を閉塞した蓋フラップに接する第1端部と、前記保持板部の他方端に設けられ且つ前記箱本体の底面に接する第2端部と、を有し、前記保持板部がシート片から形成され、前記保持板部が第1端部及び第2端部を介して前記蓋フラップ及び前記底面を外側に押し出すように付勢した状態で、前記中子体が収納室内に入れられている。
【0007】
上記商品包装箱は、商品を保持する中子体の保持板部が第1端部及び第2端部を介して蓋フラップ及び底面を外側に押し出すように付勢した状態で、中子体が収納室内に入れられている。従って、保持板部が蓋フラップと底面の間で突張っているので、流通過程で振動が加わっても、保持板部が収納室内で揺れ動かない。このため、保持板部に保持した商品が位置ずれを起こさない。
【0008】
本発明の好ましい商品包装箱は、前記保持板部が、箱本体の前壁側に膨らんだ湾曲状のシート片を含み、前記蓋フラップを出し入れ口から外した状態において、前記シート片の復元力によって、前記保持板部の第1端部が前記出し入れ口から外側に突出するように構成されている。
【0009】
上記好ましい商品包装箱は、蓋フラップを外したときに、保持板部の第1端部が出し入れ口から外側に突出するので、この第1端部を把持して、商品と共に保持板部(中子体)を収納室内から容易に取り出すことができる。
【0010】
本発明の別の局面では、ハンディモップ包装体が提供される。
このハンディモップ包装体は、上記何れかの商品包装箱と、ゴミを付着するための柔軟なモップ本体を有するハンディモップと、を備え、前記モップ本体が、係止手段を介して、前記商品包装箱の保持板部の面内に係止されている。
【0011】
上記ハンディモップ包装体は、上記保持板部の面内にモップ本体が係止されている。保持板部は、上述のように、蓋フラップと底面の間で突張っているので、収納室内で揺れ動かず、モップ本体が、保持板部から外れて位置ずれしたり、或いは、包装箱の内面に当たって圧縮したりすることを防止できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の商品包装箱は、流通過程で振動が加わっても、収納した商品が位置ずれすることがない。
また、本発明のハンディモップ包装体は、収納されたモップ本体が柔らかい感じのままで流通過程に供されるので、ハンディモップの見た目の商品価値が低下することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】1つの実施形態に係るハンディモップを入れた商品包装箱(ハンディモップ包装体)を前壁側から見た斜視図。
【図2】図1のII−II線で切断した断面図。
【図3】同ハンディモップ包装体の分解斜視図。
【図4】モップ本体と柄を取り付けた状態の中子体の斜視図。
【図5】蓋フラップを出し入れ口から外した状態のハンディモップ包装体の正面図。
【図6】図5のVI−VI線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい一実施形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1〜図3に於いて、10は、本発明のハンディモップ包装体を示す。ハンディモップ包装体10は、箱本体2と中子体3を備える商品包装箱1と、ハンディモップ9と、を備え、中子体3にハンディモップ9を保持した状態で中子体3が箱本体2の収納室29内に入れられている。
【0015】
本発明の商品包装箱1は、収納室29を有する箱本体2と、商品を保持した状態で前記収納室29内に入れられる中子体3と、を有する。
箱本体2は、底面21と前記底面21の周縁に立設された筒状の周壁面と前記底面21の対向側に開口された出し入れ口28とを有する有底筒状部分と、前記周壁面の上縁の一部分に連設された蓋フラップ4と、を有する。
前記底面21と周壁面によって形成される有底筒状部分の内部空間が、商品及び中子体3を収納するための収納室29となっている。前記周壁面の形状は、四角筒状、三角筒状、六角筒状などの多角筒状でもよいし、略円筒状(楕円筒状を含む)でもよい。一般的には、図示したように、周壁面は略四角筒状(好ましくは長方形筒状)に形成され、これに対応して底面21及び出し入れ口28は何れも平面視略四角状に形成されている。
蓋フラップ4は、出し入れ口28を閉塞する片であり、出し入れ口28に対して開閉自在である。
【0016】
より具体的には、箱本体2は、シート材を組み立てることによって形成されている。
上記箱本体2を形成するシート材は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。該シート材としては、厚紙、合成紙、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂製シート、及びこれらの積層シート、並びにこれらの複合シート(例えば、厚紙の一部分に窓部を形成し、この窓部に合成樹脂シートを付けた複合シートなど)が挙げられる。本実施形態では、箱本体2は、厚紙の一部分に窓部26を形成し、この窓部26に合成樹脂シート27を取り付けた複合シートを用いて形成されている。
シート材の厚みは、特に限定されない。シート材として厚紙を用いる場合には、厚み0.8mm〜1.5mm程度の厚紙を例示できる。シート材として合成樹脂製シートを用いる場合には、0.2mm〜1.0mm程度のシートを例示できる。
箱本体2は、所定形状に形成された複数枚のシート材の適宜箇所を貼り合わせた接合シート材を組み立てることによって形成されていてもよいし、所定形状に形成された1枚のシート材を組み立てることによって形成されていてもよい。
【0017】
箱本体2は、平面視略四角状の底面21と、前記底面21の4つの縁(辺)に連設されて略直角状に立ち上げられた前壁22、後壁23及び左右側壁24,24(つまり、四角筒状の周壁面)と、前壁22の上縁に一体的に連設された蓋フラップ4と、を有する。
底面21は、前壁22、後壁23及び左右側壁24,24の各下縁にそれぞれ延設された分割片を組み合わせることによって、形成されている。
なお、本明細書において、底面とは、蓋フラップと対向する側の壁面を意味し、必ずしも商品包装箱を載置するとき下になる面(載置面上に接する面)を意味するわけではない。
【0018】
左右側壁24,24の各上方前側縁24a,24aは、それぞれ弧状に切り欠かれている。前壁22の上方部は、前記弧状の上方前側縁24a,24aにおいて左右側壁24,24と切り離されているが、蓋フラップ4で出し入れ口28を塞いだときには、前壁22の上方部は左右側壁24,24の前記上方前側縁24a,24aに沿って湾曲し且つこの前側縁24a,24aに略接する。さらに、左右側壁24,24の上縁には、補助フラップ片5,5がそれぞれ延設されている。この左右一対の補助フラップ片5,5は、内側に折り曲げ可能である。左右の補助フラップ片5,5の先端部には、互いに噛み合わせることができる切り目51,51がそれぞれ形成されている。前記左右の補助フラップ片5,5を左右側壁24,24の内面に対してそれぞれ略直角状に折り曲げることにより、左右一対の補助フラップ片5,5は、後壁23(厳密には、後述するヘッダー片6を形成するための、折り返した延設片61の先端部)との間に僅かな隙間を有した状態で、出し入れ口28に横設される。
【0019】
前壁22の面内の略中央領域には、窓部26が開口され且つこの窓部26を塞ぐように透明な合成樹脂製シート27が貼付されている。従って、箱本体2の収納室29内は、この前壁22の窓部26の透明シート27を通じて透視できる。図1、図3及び図5においては、透明シート27を通じて収納室29内を透視した状態で表している。
後壁23の上縁には、ヘッダー片6が延設されている。このヘッダー片6は、後壁23の上縁を上方に延設した延設片61を折り返すことによって形成されている。すなわち、ヘッダー片6は、前記延設片61を後壁23に接するように折り返し、且つ後壁23の延設片61の先端部を収納室29内に挿入することによって形成されている。このヘッダー片6の面内には、吊下げ用孔62が穿設されている。
上記前壁22、後壁23及び左右側壁24,24の各上縁によって区画される内側開口が出し入れ口28であり、該出し入れ口28は、平面視略矩形状である。
【0020】
蓋フラップ4は、前壁22の上縁に沿って形成された第5折り罫線75を介して、前壁22の上縁に一体的に延設されている。蓋フラップ4は、出し入れ口28と略同面積の矩形状であり、蓋フラップ4の先端縁には、第6折り罫線76を介して係入片部41が一体的に延設されている。
この係入片部41は、上記補助フラップ片5,5と後壁23との間の僅かな隙間に入れられる。この係入片部41を前記隙間に係入することにより、蓋フラップ4が、出し入れ口28から不用意に外れない。
ただし、上記補助フラップ片5,5は、左右一対設けられていなければならないわけではなく、左右側壁24,24の何れか一方の上縁に、所望形状に形成された補助フラップ片が延設されていてもよい。また、本発明の包装箱は、上記補助フラップ片5,5を有さなくてもよい。補助フラップ片5,5が無くても、係入片部41を後壁23に沿わして挿入することにより、出し入れ口28を塞いだ蓋フラップ4を固定できる。また、出し入れ口28を塞いだ蓋フラップ4を、粘着テープなどの止着手段を用いて、固定してもよい。この場合には、上記係入片部41を省略することもできる。
【0021】
上記箱本体2には、通常、窓部26の透明シート27を除いて、所望のデザインが印刷されている。もっとも、箱本体2の全体が透明な合成樹脂製シートで形成されている場合、この箱本体2に、必要に応じて、所望のデザインを印刷したり、或いは、デザイン台紙を差し込むなどして、デザインを表示してもよい。
【0022】
次に、中子体3は、箱本体2と同様に、シート材を組み立てることによって形成されている。中子体3を形成するシート材は、特に限定されず、厚紙、合成紙、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂製シート、及びこれらの積層シートなどが挙げられ、比較的復元力が強いことから、合成樹脂製シート、厚紙、又は両者の積層シートを用いることが好ましい。例えば、厚み0.8mm〜1.5mm程度の厚紙や、厚み0.2mm〜1.0mm程度の合成樹脂製シートを用いることができる。
【0023】
中子体3は、図4にも示すように、シート片から形成され且つ商品の一部品(例えば、ハンディモップ9のモップ本体91)を保持する保持板部31と、シート片から形成され且つ商品の他の部品(例えば、ハンディモップ9の柄92)を保持する副保持板部32と、を備えている。中子体3の幅(副保持板部32が設けられている本実施形態では、保持板部31の幅と副保持板部32の幅の合算)は、前壁22の幅(左右側壁24,24間の長さ)と略同じである。
【0024】
保持板部31は、矩形状のシート片の略中央部を箱本体2の前壁22側に湾曲状に膨らませた湾曲シート片から形成されている。この湾曲状の保持板部31は、例えば、力を加えて平坦状のシート片を曲げた湾曲シート片からなる。もっとも、湾曲状の保持板部41は、成形によって湾曲状に形成された湾曲シート片(例えば、合成樹脂成形品など)を用いてもよい。
保持板部31の湾曲度合いは特に限定されないが、余りに小さな曲率半径であると、保持板部31の表面と前壁22の内面との間の間隙が小さくなり過ぎて、保持板部31の表面に保持されるモップ本体91(商品)が、前壁22に押し潰されるので好ましくない。従って、保持板部31の湾曲度合いは、その表面に保持されるモップ本体91(商品)が前壁22に僅かに接するか或いは前壁22に接しない程度の曲率半径となるように設定されていることが好ましい。
【0025】
この湾曲状の保持板部31の長さは、箱本体2の高さ(底面21から出し入れ口28(底面21の内面から側壁24の上縁)までの長さ)よりも長い。すなわち、保持板部31は、押さえ付けられていないフリーな状態において、箱本体2の高さよりも長い。例えば、フリーな状態における前記保持板部31は、箱本体2の高さよりも1cm〜3cmほど長いことが好ましい。
一方、シート片からなる湾曲状の保持板部31は、その上下方向から押さえ付けられることにより(加荷重時)、板バネの如く更に湾曲し、その結果、加荷重時の保持板部31の長さは、フリーな状態に比して短くなる。
【0026】
保持板部31の一方端(上端縁)には、シート片が第1折り罫線71を介して延設されている。この延設されたシート片が第1端部81に相当する。前記第1端部81は、保持板部31と略同幅であることが好ましい。
この第1端部81は、第1折り罫線71において保持板部31の表面に対して鋭角に折り曲げ可能である。第1端部81は、折り曲げられた状態において、図2に示すように、その後端縁81a(保持板部31に連設された部分であって、第1折り罫線71に対応する部分)が箱本体2の後壁23(折り返したヘッダー片6が形成されている本実施形態では、厳密には、延設片61の表面)に当接し、且つその先端縁81bが箱本体2の前壁22に当接している。このように第1端部81の両端縁81a,81bが後壁23及び前壁22にそれぞれ接し、平板状の第1端部81が両壁22,23間に介在することによって、保持板部31の上方部分が、前後方向に位置ずれすることがない。このような第1端部81は、例えば、箱本体2の左右側壁24,24の上縁と略同じ長さの略矩形状のシート片を、保持板部31の一方端から延設することによって形成できる。
【0027】
保持板部31の他方端(下端縁)には、シート片が第2折り罫線72を介して延設されている。この延設されたシート片が第2端部82に相当する。前記第2端部82は、保持板部31と略同幅であることが好ましい。
この第2端部82は、第2折り罫線72において保持板部31の表面に対して鋭角に折り曲げ可能である。第2端部82は、折り曲げられた状態において、図2に示すように、その後端縁82a(保持板部31に連設された部分であって、第2折り罫線72に対応する部分)が箱本体2の後壁23に当接し、且つその先端縁82bが箱本体2の前壁22に当接している。このように第2端部82の両端縁82a,82bが後壁23及び前壁22にそれぞれ接し、平板状の第2端部82が両壁22,23間に介在することによって、保持板部31の下方部分が、前後方向に位置ずれすることがない。このような第2端部82は、例えば、箱本体2の左右側壁24,24の下縁と略同じ長さの略矩形状のシート片を、保持板部31の他方端から延設することによって形成できる。
【0028】
なお、中子体3を箱本体2の収納室29内に入れ且つ蓋フラップ4を閉じたときには、折り曲げられた第2端部82の裏面が箱本体2の底面21に接し、且つ折り曲げられた第1端部81の裏面が蓋フラップ4の内面に接する。
【0029】
また、保持板部31の面内には、商品の一部品(モップ本体91)を係止するための複数の係止部311(係止手段)が形成されている。保持板部31の面内の上下所定位置に略U字状の切り目を形成し、この切り目で囲われた部分を起立させることによって、前記係止部311は形成されている。モップ本体91の裏面に形成された小袋部(図示せず)に前記係止部311を係入することによって、モップ本体91が保持板部31の表面に取付られる。取り付けられたモップ本体91は、図示したように、モップ本体91の表面が保持板部31の表面に沿って拡がっている。従って、モップ本体91の表面に存在する柔軟素材(繊維、不織布など)が柔らかい感じを有したまま、モップ本体91は保持板部31に保持されている。
【0030】
副保持板部32は、矩形平板状のシート片からなる。この平板状の副保持板部32の長さは、箱本体2の高さ(底面21から出し入れ口28までの長さ)とほぼ等しい。具体的には、副保持板部32の長さは、収納する商品によって適宜設定されるが、ハンディモップ9を収納する場合には、例えば、15cm〜25cm程度に形成される。
【0031】
副保持板部32の一方端(上端)には、副保持板部32と略同幅で且つ箱本体2の左右側壁24,24の上縁と略同じ長さの矩形状のシート片(このシート片を第3端部83という)が第3折り罫線73を介して延設されている。この第3端部83は、第3折り罫線73において副保持板部32の表面に対して略直角に折り曲げ可能である。
副保持板部32の他方端(下端)には、副保持板部32と略同幅で且つ箱本体2の左右側壁24,24の下縁よりも短い矩形状のシート片(このシート片を第4端部84という)が第4折り罫線74を介して延設されている。この第4端部84は、第4折り罫線74において副保持板部32の表面に対して略直角に折り曲げ可能である。第4端部84の一側縁と第2端部82の一側縁は、両下縁を一致させて、一体化されている。
なお、第4端部84は第2端部82よりも短いので、第2端部82の略中央部に対応する位置に、第4端部84と副保持板部32の境界(第4折り罫線74)が存在している。このような構成によれば、保持板部31と副保持板部32の位置がずれるので(本実施形態の場合、副保持板部32の下方部が、保持板部31よりも前壁22側に寄っているので)、各保持板部31,32にそれぞれ保持された商品同士が干渉することを防止できる。
【0032】
中子体3を箱本体2の収納室29内に入れ且つ蓋フラップ4を閉じたときに、略直角状に折り曲げられた第4端部84の裏面が箱本体2の底面21に接し、且つ略直角状に折り曲げられた第3端部83の裏面が蓋フラップ4の内面に接する。
【0033】
なお、副保持板部32の面内には、商品の他の部品(柄92)を係止するための複数の係止部321(係止手段)が形成されている。副保持板部32の面内の上下所定位置に略U字状の切り目を形成し、この切り目で囲われた部分を起立させることによって、前記係止部321は形成されている。柄92の上下部を前記係止部321にそれぞれ係入することによって、ハンディモップ9の柄92が副保持板部32の表面に取り付られる。
【0034】
上記中子体3の保持板部31に係止手段を介してモップ本体91を係止し、且つ、副保持板部32に係止手段を介して柄92を係止した後、この商品保持済みの中子体3を箱本体2の出し入れ口28から収納室29内に入れる。中子体3を収納室29内に入れると、折り曲げられた第2端部82及び第4端部84の裏面が箱本体2の底面21に接する。また、第2端部82の後端縁82aは後壁23の内面に接し且つ第2端部82の先端縁82bは前壁22の内面に接する。
この状態では、図5及び図6に示すように、副保持板部32の全体が、収納室29内に埋没するが、保持板部31の上方部分及び折り曲げられた第1端部81は、箱本体2の出し入れ口28から外側(上方)に突出している。
【0035】
次に、左右の補助フラップ片5,5を出し入れ口28側へ折り曲げる。必要に応じて切り目51を係合させて左右の補助フラップ片5,5を噛み合わせてもよい。
最後に、蓋フラップ4を第5折り罫線75において折り曲げて出し入れ口28を塞ぐと共に、係入片部41を、補助フラップ片5,5と後壁23の間の隙間に挿入して、蓋フラップ4を固定する。
蓋フラップ4を折り曲げたとき、蓋フラップ4の内面が上記第1端部81の裏面に当たり、第1端部81を介して保持板部31が押し下げられる。押さえ付けられた保持板部31は、更に湾曲し、第1端部81及び第2端部82を介して蓋フラップ4及び底面21を外側に押し出すように付勢した状態で、収納室29内に収められる。同時に、第1端部81は、その後端縁81aが後壁23の内面に接し且つその先端縁81bが前壁22の内面に接した状態で、収納室29内に収められる(図2参照)。
【0036】
上記ハンディモップ包装体10及び商品包装箱1は、保持板部31が蓋フラップ4と底面21の間で突張っているので、流通過程で振動が加わったり或いは販売場所において消費者が手にとって振ったりしても、保持板部31のみが収納室29内で揺れ動かない。よって、保持板部31に保持したモップ本体91が位置ずれを起こさない。
また、本実施形態では、保持板部31の両端に連設された第1端部81及び第2端部82が、箱本体2の後壁23及び前壁22に接して存在しているので、保持板部31の前後方向における揺れを確実に防止できる。
通常、本発明のように、蓋フラップ4及び底面21を外側に押し出すように付勢した状態で保持板部31が設けられていると、保持板部31が、恰も突張り棒のように、蓋フラップ4と底面21の間に介在するため、上下方向だけでなく、前後方向に保持板部31が揺れることを防止できるが、上下方向に比して前後方向の揺れ防止は劣っているかもしれない。この点、上記のような態様の第1端部81及び第2端部82を設けることにより、前後方向における保持板部31の揺れをも確実に防止できる。
【0037】
本発明のハンディモップ包装体10及び商品包装箱1によれば、収納したモップ本体91(商品)が位置ずれしない上、モップ本体91が箱本体2の内面に当たって圧縮されることもない。従って、モップ本体91が柔らかい感じのままで流通過程に供し、見た目の商品価値が低下することを防止できる。
【0038】
他方、蓋フラップ4を外した後には、図5及び図6に示すように、保持板部31の復元力によって、中子体3の保持板部31の第1端部81が出し入れ口28から外側に突出する。このため、第1端部81を摘み易く、中子体3を収納室29内から容易に引き出すことができる。
【0039】
なお、上記実施形態では、保持板部31に保持する商品として、ハンディモップ9のモップ本体91を例示したが、本発明の商品包装箱1の保持板部31は、モップ本体91以外の商品を保持してもよい。
例えば、保持板部31に、モップ本体以外の柔軟素材からなる商品(例えば、ハンカチ、下着などの柔軟素材からなる商品)を保持してもよいし、或いは、化粧品入り容器、医薬品入り容器、菓子入り容器などの比較的硬質素材からなる商品を保持してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の商品包装箱は、ハンディモップなどの商品を収納する包装箱として使用できる。
【符号の説明】
【0041】
1…商品包装箱、2…箱本体2、21…底面、22…前壁、23…後壁、24…左右側壁、28…出し入れ口、29…収納室、3…中子体、31…保持板部、32…副保持板部、311…係止手段、4…蓋フラップ、9…ハンディモップ、91…モップ本体、92…柄、10…ハンディモップ包装体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納室に通じ且つ底面の対向側に開口された出し入れ口と前記出し入れ口を閉塞する蓋フラップとを有する箱本体と、前記収納室内に入れられる中子体と、を備え、
前記中子体が、商品を保持する保持板部と、前記保持板部の一方端に設けられ且つ前記出し入れ口を閉塞した蓋フラップに接する第1端部と、前記保持板部の他方端に設けられ且つ前記箱本体の底面に接する第2端部と、を有し、
前記保持板部がシート片から形成され、前記保持板部が第1端部及び第2端部を介して前記蓋フラップ及び前記底面を外側に押し出すように付勢した状態で、前記中子体が収納室内に入れられていることを特徴とする商品包装箱。
【請求項2】
前記保持板部が、箱本体の前壁側に膨らんだ湾曲状のシート片を含み、
前記蓋フラップを出し入れ口から外した状態において、前記シート片の復元力によって、前記保持板部の第1端部が前記出し入れ口から外側に突出する請求項1に記載の商品包装箱。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の商品包装箱と、柔軟なモップ本体を有するハンディモップと、を備え、
前記モップ本体が、係止手段を介して、前記商品包装箱の保持板部の面内に係止されていることを特徴とするハンディモップ包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−126543(P2011−126543A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283566(P2009−283566)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【出願人】(591250695)株式会社坂井印刷所 (1)
【Fターム(参考)】