説明

商品販売システム、カード陳列装置、販売登録装置、コンピュータプログラム

【課題】商品を購入する顧客により販売登録装置の位置に移動されるダミーカードのカード陳列装置での在庫状況を店員が把握することができる商品販売システムを提供する。
【解決手段】カード陳列装置200で陳列されているダミーカード100の現状に対応して現在在庫データが生成されて出力される。例えば、この現在在庫データが販売登録装置300の位置で作業している店員に出力されることにより、この店員はカード陳列装置200に陳列されている特定のダミーカード100の減少や不足などをリアルタイムに把握することができる。このため、販売登録装置300の位置に滞積したダミーカード100をカード陳列装置200に移送して陳列しなおす作業などを、的確なタイミングに実行するようなことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダミーカードとカード陳列装置と販売登録装置とを有する商品販売システム、そのカード陳列装置、販売登録装置、コンピュータプログラム、に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品保持装置と販売登録装置とを利用して商品を販売することが各種の店舗で実施されている。商品保持装置は、什器や商品ラックなどと呼称されており、複数種類の商品が配列されて設置される。
【0003】
販売登録装置は、POS(Point Of Sales)端末や電子キャッシュレジスタなどと呼称されており、販売される商品ごとに販売履歴データを登録する。例えば、POS端末からなる販売登録装置は、POSサーバからなる販売管理装置と接続されて利用される。
【0004】
現在、一般的に商品には種別ごとの商品識別データがバーコードとして付記されている。そこで、販売登録装置は、光学リーダにより商品のバーコードを光学走査して商品識別データを受信する。
【0005】
この場合、販売登録装置は商品識別データにより販売管理装置から商品データを受信して販売履歴データを生成する。販売管理装置は、販売登録装置から販売履歴データを収集して管理する。
【0006】
このため、販売管理装置で収集された販売履歴データにより、どの商品が何時販売されたかなどのようなことを分析できる。そこで、この分析結果を販売戦略の立案などに利用することができる。
【0007】
なお、近年は商品にRFIDチップを搭載するとともに、販売登録装置にRFIDリーダを搭載することが検討されている。この場合、例えば、RFIDチップには商品データを登録しておくことができるので、販売登録装置は商品から直接に商品データを受信することができる(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0008】
上述のように、従来の商品販売システムでは、商品の販売状況をデータ管理することができ、そのデータ登録をRFIDチップにより簡略化することもできる。しかし、従来の商品販売システムでは、販売された商品の状況しか把握することができず、販売されなかった商品の状況は把握することができない。
【0009】
例えば、販売されなかった商品には、顧客が興味を持って購入を検討したもの、顧客が興味を一切持たなかったもの、ある商品と比較されて購入されなかったもの、等がありえる。
【0010】
しかし、現状の商品販売システムでは、上述のような購入されなかった商品に対する顧客の動向を把握することはできない。このため、より有効な販売戦略を立案することが困難な状態にある。
【0011】
そこで、現在では商品保持装置に複数のRFIDリーダを搭載しておくことにより、RFIDチップが搭載されている商品が顧客により取得されたことを検出する提案がある(例えば、特許文献4,5参照)。
【特許文献1】特開2006−127219号公報
【特許文献2】特開2006−048599号公報
【特許文献3】特開2006−048508号公報
【特許文献4】特開2005−034358号公報
【特許文献5】特開2005−010608号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述した特許文献4,5の技術では、RFIDリーダがRFIDチップを検出することにより、商品保持装置により陳列されている商品が判明する。このため、商品保持装置に陳列されている商品の在庫状況や不足などの検出が期待される。
【0013】
しかし、実際には特許文献4,5の技術では、商品保持装置に陳列されている商品の在庫状況や不足などを検出することは困難である。つまり、RFIDチップはバーコードに比較して極度に高価である。このため、RFIDチップを安価な商品に搭載することは現実には困難である。従って、特許文献4,5の技術は、実際には高価な商品の動向の検出にしか利用することができない。
【0014】
また、RFIDチップとしては各種の仕様があるが、一般的に金属や液体の近傍に配置されると検出感度が低下する。このため、RFIDチップの搭載が困難な商品もあり、このような商品の在庫状況や不足などを特許文献4,5の技術で検出することは困難である。
【0015】
さらに、RFIDチップは、一般的にRFIDリーダとの相対位置により検出感度が大幅に変化する。しかし、店舗で商品保持装置に配列された商品は、顧客によって位置や方向が様々に変化させられる。このため、商品保持装置に商品が配列されて設置されても、その商品に搭載されているRFIDチップを安定に検出することは困難である。
【0016】
また、RFIDリーダによるRFIDチップの検出距離も各種があるが、例えば、長距離の場合は、顧客により商品が商品保持装置の近傍の不適な位置に放置されても、これを検出できないことになる。
【0017】
このようなことも検出するためには、RFIDリーダによるRFIDチップの検出距離を極短距離とする必要がある。しかし、この場合は、前述のように顧客によって位置や方向が様々に変化させられる商品のRFIDチップを安定に検出することが困難である。
【0018】
これを防止するためには、前後左右に配列されている商品に対応して多数のRFIDリーダをマトリクス状に配列しておけばよい。しかし、これでは商品保持装置に膨大な個数のRFIDリーダを搭載しておく必要がある。
【0019】
つまり、従来の技術では、商品保持装置にRFIDリーダが搭載されているとともに商品にRFIDチップが搭載されていても、商品保持装置に陳列されている商品の在庫状況や不足などを検出することは困難である。
【0020】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、商品購入に利用されるダミーカードのカード陳列装置による在庫状況や不足などを検出することができる構造の商品販売システム、そのカード陳列装置、販売登録装置、コンピュータプログラム、を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の第一の商品販売システムは、顧客に取得されて商品の購入に利用される複数種類のダミーカードと、複数のダミーカードを陳列するカード陳列装置と、ダミーカードに対応して販売される商品ごとに販売履歴データを登録する販売登録装置と、を有する商品販売システムであって、ダミーカードは、商品種別ごとの商品識別データなどの商品データが記録されているRFIDチップが搭載されており、販売登録装置は、ダミーカードのRFIDチップから商品データを受信して販売履歴データの生成に利用し、カード陳列装置は、複数のダミーカードを積層状態で各々保持する複数のカード保持部と、カード保持部に保持されたダミーカードごとにRFIDチップから商品データを受信する複数のRFIDリーダと、を有し、RFIDリーダにより検知される商品データによりカード保持部に保持されているダミーカードの現在在庫データを生成する在庫生成部と、生成された現在在庫データを出力する在庫出力部とを、さらに有する。
【0022】
従って、本発明の商品販売システムでは、カード陳列装置の複数のカード保持部に商品種別ごとにダミーカードが保持されるので、顧客は所望のダミーカードを取得して店員に提示するようなことができる。この場合、例えば、店員はダミーカードに対応する商品を顧客に販売するとともに、ダミーカードのRFIDチップから販売登録装置で商品データを受信して販売履歴データを生成する。しかも、上述のようにダミーカードに対応して商品が顧客に販売されても、そのダミーカードは店舗で繰り返し利用される。ただし、商品を購入する顧客により、カード陳列装置から販売登録装置の位置にダミーカードが移動される。従って、カード陳列装置では陳列されているダミーカードが経時的に減少してゆき、販売登録装置の位置にはダミーカードが経時的に滞積してゆく。このとき、カード陳列装置で陳列されているダミーカードの現状に対応して現在在庫データが生成されて出力される。例えば、この現在在庫データが販売登録装置の位置で作業している店員に出力されることにより、この店員はカード陳列装置に陳列されている特定のダミーカードの減少や不足などをリアルタイムに把握することができる。
【0023】
本発明の第二の商品販売システムは、顧客に取得されて商品の購入に利用される複数種類のダミーカードと、複数のダミーカードを陳列するカード陳列装置と、ダミーカードに対応して販売される商品ごとに販売履歴データを登録する販売登録装置と、を有する商品販売システムであって、ダミーカードは、商品種別ごとの商品識別データなどの商品データが記録されているRFIDチップが搭載されており、販売登録装置は、ダミーカードのRFIDチップから商品データを受信して販売履歴データの生成に利用し、カード陳列装置は、複数のダミーカードを積層状態で各々保持する複数のカード保持部と、カード保持部に保持されたダミーカードごとにRFIDチップから商品データを受信する複数のRFIDリーダと、を有し、RFIDリーダにより検知される商品データによりダミーカードの不足をカード保持部ごとに検出する不足検出部と、不足が検出されたダミーカードとカード保持部とを報知する不足報知部とを、さらに有する。
【0024】
従って、本発明の商品販売システムでは、カード陳列装置の複数のカード保持部に商品種別ごとにダミーカードが保持されるので、顧客は所望のダミーカードを取得して店員に提示するようなことができる。この場合、例えば、店員はダミーカードに対応する商品を顧客に販売するとともに、ダミーカードのRFIDチップから販売登録装置で商品データを受信して販売履歴データを生成する。しかも、上述のようにダミーカードに対応して商品が顧客に販売されても、そのダミーカードは店舗で繰り返し利用される。ただし、商品を購入する顧客により、カード陳列装置から販売登録装置の位置にダミーカードが移動される。従って、カード陳列装置では陳列されているダミーカードが経時的に減少してゆき、販売登録装置の位置にはダミーカードが経時的に滞積してゆく。このとき、カード陳列装置で陳列されているダミーカードが不足すると、その不足したダミーカードがカード保持部とともに報知される。従って、店員はカード陳列装置に陳列されている特定のダミーカードの不足を、そのカード保持部とともにリアルタイムに把握することができる。
【0025】
本発明の第一のカード陳列装置は、本発明の商品販売システムのカード陳列装置であって、複数のダミーカードを積層状態で各々保持する複数のカード保持部と、カード保持部に保持されたダミーカードごとにRFIDチップから商品データを受信する複数のRFIDリーダと、RFIDリーダにより検知される商品データによりカード保持部に保持されているダミーカードの現在在庫データを生成する在庫生成部と、を有する。
【0026】
本発明の第二のカード陳列装置は、本発明の商品販売システムのカード陳列装置であって、複数のダミーカードを積層状態で各々保持する複数のカード保持部と、カード保持部に保持されたダミーカードごとにRFIDチップから商品データを受信する複数のRFIDリーダと、RFIDリーダにより検知される商品データによりダミーカードの不足をカード保持部ごとに検出する不足検出部と、を有する。
【0027】
本発明の第一の販売登録装置は、本発明の商品販売システムの販売登録装置であって、ダミーカードのRFIDチップから商品データを受信する登録リーダ部と、取得された商品データを利用して販売履歴データを生成する販売生成部と、カード陳列装置のRFIDリーダにより検知される商品データによりカード保持部に保持されているダミーカードの現在在庫データを生成する在庫生成部と、生成された現在在庫データを出力する在庫出力部と、を有する。
【0028】
本発明の第二の販売登録装置は、本発明の商品販売システムの販売登録装置であって、ダミーカードのRFIDチップから商品データを受信する登録リーダ部と、取得された商品データを利用して販売履歴データを生成する販売生成部と、カード陳列装置のRFIDリーダにより検知される商品データによりダミーカードの不足をカード保持部ごとに検出する不足検出部と、不足が検出されたダミーカードとカード保持部とを報知する不足報知部と、を有する。
【0029】
本発明の第一のコンピュータプログラムは、本発明の販売登録装置のためのコンピュータプログラムであって、ダミーカードのRFIDチップから商品データを受信する登録リーダ処理と、取得された商品データを利用して販売履歴データを生成する販売生成処理と、カード陳列装置のRFIDリーダにより検知される商品データによりカード保持部に保持されているダミーカードの現在在庫データを生成する在庫生成処理と、生成された現在在庫データを出力する在庫出力処理と、を販売登録装置に実行させる。
【0030】
本発明の第二のコンピュータプログラムは、本発明の販売登録装置のためのコンピュータプログラムであって、ダミーカードのRFIDチップから商品データを受信する登録リーダ処理と、取得された商品データを利用して販売履歴データを生成する販売生成処理と、RFIDリーダにより検知される商品データによりダミーカードの不足をカード保持部ごとに検出する不足検出処理と、不足が検出されたダミーカードとカード保持部とを報知する不足報知処理と、を販売登録装置に実行させる。
【0031】
なお、本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でよい。
【0032】
また、本発明の各種の構成要素は、その機能を実現するように形成されていればよく、例えば、所定の機能を発揮する専用のハードウェア、所定の機能がコンピュータプログラムにより付与されたコンピュータ装置、コンピュータプログラムによりコンピュータ装置に実現された所定の機能、これらの任意の組み合わせ、等として実現することができる。
【0033】
さらに、本発明で云うカード陳列装置の複数のカード保持部ごとのRFIDリーダとは、RFIDチップの記録データを受信できる構造であればよい。従って、カード保持部にはRFIDリーダとして無線アンテナのみ配置されており、RFIDリーダの受信回路やエンコーダ回路などは別個に配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0034】
従って、本発明の商品販売システムでは、商品を購入する顧客により、カード陳列装置から販売登録装置の位置にダミーカードが移動される。従って、カード陳列装置では陳列されているダミーカードが経時的に減少してゆき、販売登録装置の位置にはダミーカードが経時的に滞積してゆく。このとき、カード陳列装置で陳列されているダミーカードの現状に対応して現在在庫データが生成されて出力される。例えば、この現在在庫データが販売登録装置の位置で作業している店員に出力されることにより、この店員はカード陳列装置に陳列されている特定のダミーカードの減少や不足などをリアルタイムに把握することができる。このため、販売登録装置の位置に滞積したダミーカードをカード陳列装置に移送して陳列しなおす作業などを、的確なタイミングに実行するようなことができる。
【0035】
本発明の第二の商品販売システムでは、商品を購入する顧客により、カード陳列装置から販売登録装置の位置にダミーカードが移動される。従って、カード陳列装置では陳列されているダミーカードが経時的に減少してゆき、販売登録装置の位置にはダミーカードが経時的に滞積してゆく。このとき、カード陳列装置で陳列されているダミーカードが不足すると、その不足したダミーカードがカード保持部とともに報知される。従って、店員はカード陳列装置に陳列されている特定のダミーカードの不足を、そのカード保持部とともにリアルタイムに把握することができる。このため、カード陳列装置で不足したダミーカードを販売登録装置の位置から移送して陳列しなおす作業を、的確なタイミングに簡単かつ迅速に実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の実施の一形態を図面を参照して以下に説明する。本実施の形態の商品販売システム1000は、図1に示すように、顧客に取得されて商品であるタバコパック(図示せず)の購入に利用される複数種類のダミーカード100と、複数のダミーカード100を陳列するカード陳列装置200と、ダミーカード100に対応して販売される商品ごとに販売履歴データを登録する販売登録装置300と、を有する。
【0037】
ダミーカード100は、商品種別ごとの商品識別データなどの商品データが記録されているRFIDチップ110が搭載されている。販売登録装置300は、ダミーカード100のRFIDチップ110から商品データを受信して販売履歴データの生成に利用する。
【0038】
カード陳列装置200は、複数のダミーカード100を積層状態で各々保持する複数のカード保持部210と、カード保持部210に保持されたダミーカード100ごとにRFIDチップ110から商品データを受信する複数のRFIDリーダ220と、を有する。
【0039】
カード陳列装置200は、RFIDリーダ220により検知される商品データによりカード保持部210に保持されているダミーカード100の現在在庫データを生成する在庫生成部230と、生成された現在在庫データを出力する在庫出力部232とを、さらに有する。
【0040】
より詳細には、ダミーカード100は、複数種類のタバコパックに一対一に対応した複数種類に形成されている。ただし、その外形は共通に形成されており、その表裏の表記内容とRFIDチップ110のデータ内容が、タバコパックの種類ごとに相違している。
【0041】
このダミーカード100は、図2に示すように、縦長の長方形のカード台紙120を有し、その上端中央に小径の貫通孔130が形成されている。図3および図4に示すように、カード陳列装置200のカード保持部210は、前端が上方に曲折されたL字フックとして形成されており、ダミーカード100を貫通孔130で保持する。
【0042】
ダミーカード100のカード台紙120は、RFIDチップ110の無線通信に影響しない厚紙や樹脂などで形成されており、その下端中央にRFIDチップ110が装着されている。
【0043】
このRFIDチップ110には、対応するタバコパックの商品データとして、図8に示すように、例えば、商品識別データであるJAN(Japanese Article Number)コード、製造メーカの名称、製造年月日、通常売価、等が設定されている。
【0044】
ダミーカード100は、図2(a)および図3に示すように、カード陳列装置200に保持された状態で露出するカード台紙120の表面に、タバコパックの前面イメージを模式した銘柄画像BPが表記されている。
【0045】
また、ダミーカード100は、図2(b)に示すように、カード陳列装置200に保持された状態で遮蔽される裏面に、対応するタバコパックの商品情報TIとして、タバコパックの商品名称、販売価格、JANコードからなるバーコード、詳細情報、等が表記されている。
【0046】
販売登録装置300は、いわゆるPOS端末であり、店舗のカウンタなどに設置されて店員に操作される。販売登録装置300は、図6に示すように、従来と同様に、バーコードリーダ340、キーボード350、店員用のデータ表示部である店員ディスプレイ330、顧客用のデータ表示部である顧客ディスプレイ360、等を有する。
【0047】
店員ディスプレイ330や顧客ディスプレイ360は、LCD(Liquid Crystal Display)などで形成されており、フルカラーで各種のテキストデータや画像データを表示出力する。
【0048】
販売登録装置300は、バーコードリーダ340やキーボード350などで商品識別コードが入力されると、従来と同様にPOSデータである販売履歴データを販売生成部320により生成して登録する。
【0049】
ただし、本実施の形態の販売登録装置300は、登録リーダ部であるRFIDリーダ310も有する。このRFIDリーダ310は、ダミーカード100のRFIDチップ110から商品データを受信する。
【0050】
このため、販売生成部320は、RFIDリーダ310により商品データが受信されると、その商品データを利用して販売履歴データを生成する。上述のように生成される販売履歴データは、例えば、商品識別データ、販売日時、販売単価、販売店舗の名称、商品データ、等からなる(図示せず)。
【0051】
このように販売履歴データが生成されるとき、店員ディスプレイ330と顧客ディスプレイ360には、その販売履歴データに対応したレシートテキストRTがリアルタイムに表示出力される。
【0052】
なお、販売登録装置300は、販売履歴データを生成するごとに、WAN(Wide Area Network)などにより販売管理装置400に送信する。この販売管理装置400は、いわゆるPOSサーバであり、店舗のバックヤードなどに設置される(図示せず)。販売管理装置400は、従来と同様に、販売登録装置300から受信した販売履歴データを管理する。
【0053】
本実施の形態のカード陳列装置200は、例えば、店舗の売場などに設置されて顧客に利用される(図示せず)。カード陳列装置200は、図3に示すように、縦長の平板状のカード陳列ボード260とボード支持台座270とを有する。
【0054】
カード陳列ボード260は、ボード支持台座270の上端に着脱自在に装着されている。カード陳列ボード260とボード支持台座270とは、一人の顧客しか利用が困難な400mm程度の横幅に形成されている。
【0055】
ボード支持台座270は、一般的な顧客の下半身と同等な600〜700mm程度の上下高に形成されている。カード陳列ボード260は、ボード支持台座270に支持された状態で、一般的な顧客の上半身と対向する600〜800mm程度の上下高に形成されている。
【0056】
ボード支持台座270は、例えば、前面上部に無色透明な樹脂ボックスが装着されており、そこにタバコパックなどに関連した広告シート271が交換自在に挿入されている。
【0057】
また、ボード支持台座270は、上面前部が前傾した斜面として形成されており、そこに案内シート272が装着されている。この案内シート272には、「ご希望の商品のタバコのカードをレジまでお持ちください」などのガイダンスメッセージが表記されている。
【0058】
さらに、ボード支持台座270は、上面にスリット状の開口穴273が形成されている。この開口穴273に下端が着脱自在に挿入されることで、ボード支持台座270にカード陳列ボード260が支持されている。
【0059】
このカード陳列ボード260は、複数のカード保持部210が四行四列などの配置で前面に装着されている。上端には案内ボード261が一体に形成されており、この案内ボード261には、案内シート272と同様なガイダンスメッセージとともに、ダミーカード100の利用方法が模式画像で表記されている。
【0060】
カード陳列ボード260の上部にも、広告シート262が交換自在に装着されている。そして、この広告シート262より下方の領域に、複数のカード保持部210が配列されている。
【0061】
このカード保持部210は、前述のようにダミーカード100を貫通孔130で支持するL字フックからなり、上下方向に四行、左右方向に四列、などの配置でカード陳列ボード260の前面に形成されている。
【0062】
図5に示すように、複数のカード保持部210の各々の直下には、RFIDリーダ220と値札シート263とが個々に配置されている。この値札シート263には、対応するタバコパックの商品情報TIとして、商品名称と販売価格とが表記されている。
【0063】
カード保持部210は、複数のダミーカード100を積層状態で支持する。その場合、複数のダミーカード100は、第一枚目の表面のみ露出した状態となる。ダミーカード100は、タバコパックの種類ごとに形成されているが、その外形は共通している。
【0064】
このため、カード保持部210で支持されたダミーカード100のRFIDチップ110は、その直下のRFIDリーダ220と所定距離で対向する。このRFIDリーダ220は、その直上のカード保持部210に支持されたダミーカード100のRFIDチップ110とは良好に無線通信できるが、周囲のカード保持部210に支持されたダミーカード100のRFIDチップ110とは無線通信できないように、通信距離が調整されている。
【0065】
さらに、図4に示すように、RFIDリーダ220は、その無線通信を阻害する金属ホルダ221で下面および側面が包囲されている。このため、直上に位置するRFIDチップ110とは良好に無線通信できるが、側方や下方に位置するダミーカード100のRFIDチップ110とは無線通信できない。
【0066】
カード陳列装置200は、図3に示すように、カード陳列ボード260の前面下部に制御ボックス250が装着されている。この制御ボックス250には、入力デバイスであるキーボードユニット251や出力デバイスであるディスプレイユニット252の他、マイクロコンピュータ、通信I/F(Interface)、電源ユニット、等が搭載されている(図示せず)。
【0067】
マイクロコンピュータには、RFIDリーダ220、キーボードユニット251、ディスプレイユニット252、通信I/F、等が接続されている。マイクロコンピュータは、専用のコンピュータプログラムが実装されており、このコンピュータプログラムに対応して各部の統合制御などの処理動作を実行する。
【0068】
このようにマイクロコンピュータが機能することにより、カード陳列装置200には、前述の在庫生成部230や在庫出力部232とともに、配列生成部234、不足検出部236、不足報知部238、等が論理的に実現されている。
【0069】
本実施の形態のカード陳列装置200では、上述のように複数のカード保持部210が上下左右に四行四列に配列されている。このため、そのカード保持部210およびRFIDリーダ220には、01−01,01−02,01−03,01−04,02−01…などの位置データが事前に付与されており、この位置データがカード陳列装置200のマイクロコンピュータに登録されている。
【0070】
配列生成部234は、詳細には後述するが、起動直後の初期設定などでマイクロコンピュータが複数のRFIDリーダ220から商品データを受信することにより、複数種類のダミーカード100のカード陳列装置200での配列をカード配列データとして生成する。
【0071】
このように生成されるカード配列データは、図9(a)に示すように、カード陳列装置200のユニークコード、そのカード配列データの生成日時、カード保持部210の位置データ、商品識別データ、等からなる。
【0072】
在庫生成部230は、例えば、マイクロコンピュータが複数のRFIDリーダ220から商品データを常時受信することにより、ダミーカード100の現在在庫データを生成する。
【0073】
このように生成される現在在庫データは、例えば、ダミーカード100の種別ごとの在庫数からなる。ただし、本実施の形態のカード陳列装置200では、この現在在庫データがカード配列データに関連されて生成される。このため、現在在庫データは、図9(b)に示すように、前述のカード配列データに在庫数が付与されることで生成される。
【0074】
この場合、カード配列データは、例えば、上述のデータ構造のカード陳列装置200のユニークコードから商品識別データまでの部分などに相当し、現在在庫データは、商品識別データと在庫数との部分などに相当する。
【0075】
なお、カード配列データは前述のように起動直後の初期設定などで生成されるが、現在在庫データの在庫数はダミーカード100の移動がカード陳列装置200のカード保持部210で検出されるごとにリアルタイムに生成される。
【0076】
カード陳列装置200の在庫出力部232は、マイクロコンピュータが通信I/Fにデータ送信を実行させることなどにより、現在在庫データを販売登録装置300にLAN(Local Area Network)などで送信して店員ディスプレイ330に表示出力させる。
【0077】
より具体的には、本実施の形態のカード陳列装置200は、図7(a)に示すように、自身のカード保持部210の配列を模式した陳列模式画像DPを生成し、その陳列模式画像DPに商品識別データと在庫数とのテキストデータを組み込んで販売登録装置300の店員ディスプレイ330に表示出力させる。
【0078】
不足検出部236は、マイクロコンピュータが現在在庫データの在庫数を所定の基準値と各々比較することにより、ダミーカード100の不足をカード保持部210ごとに検出する。
【0079】
不足報知部238は、マイクロコンピュータが通信I/Fにデータ送信を実行させることなどにより、不足が検出されたダミーカード100とカード保持部210とを販売登録装置300に送信して店員ディスプレイ330に表示出力させる。
【0080】
より具体的には、本実施の形態のカード陳列装置200は、図7(a)に示すように、例えば、現在在庫データの在庫数が第一の基準値である「10」以上の場合は陳列模式画像DPの該当部分を青色などで表示出力し、現在在庫データの在庫数が第一の基準値である「10」より低下すると陳列模式画像DPの該当部分を黄色などで表示出力する。
【0081】
さらに、図7(b)に示すように、現在在庫データの在庫数が第二の基準値である「00」となると、陳列模式画像DPの該当部分を赤色などで点滅表示させ、その商品識別データにより「タバコカードT000…を補充してください」などのアラートメッセージAMを点滅表示する。
【0082】
上述のようなカード陳列装置200のコンピュータプログラムは、例えば、起動時の初期設定で複数のRFIDリーダ220から商品データを受信してカード配列データを生成すること、生成されたカード配列データを保持すること、RFIDリーダ220によりダミーカード100の移動を検知するごとにカード配列データからカード保持部210ごとの現在在庫データを生成すること、生成された現在在庫データを販売登録装置300に送信して店員ディスプレイ330に表示出力させること、現在在庫データによりダミーカード100の不足をカード保持部210ごとに検出すること、不足が検出されたダミーカード100とカード保持部210とを販売登録装置300に送信して店員ディスプレイ330に表示出力させること、等をカード陳列装置200のマイクロコンピュータに実行させるように記述されている。
【0083】
上述のような構成において、本実施の形態の商品販売システム1000では、従来のPOSシステムと同様に、商品が販売されるごとに販売履歴データが生成されて管理される。
【0084】
その商品としてタバコパックも内包されているが、タバコパックはダミーカード100を利用して販売される。より詳細には、本実施の形態の商品販売システム1000を利用する場合、店舗の売場にはカード陳列装置200が設置され、図1に示すように、販売登録装置300にLANなどで接続される。
【0085】
このような状態で、電源がオフされたカード陳列装置200に、図3に示すように、タバコパックの種類ごとにダミーカード100が陳列される。そして、ダミーカード100の陳列が完了したカード陳列装置200の電源をオンすると初期設定が実行される。
【0086】
このとき、図10に示すように、カード陳列装置200では、販売管理装置400と通信することなどにより現在日時が検出される(ステップS1)。つぎに、複数のカード保持部210のRFIDリーダ220によりダミーカード100のRFIDチップ110から商品データが取得される。
【0087】
全部のRFIDチップ110から商品データが取得されるとカード配列データが生成され(ステップS2)、このカード配列データがマイクロコンピュータのワークエリアに一時保持される(ステップS3)。
【0088】
このカード配列データには、図9に示すように、カード陳列装置200のユニークコード、そのカード配列データの生成日時、カード保持部210の位置データ、商品識別データ、等が設定されている。
【0089】
上述のような状態で、店舗では商品販売業務が実行される。その場合、タバコパックの購入を要望する顧客は、カード陳列装置200から所望のダミーカード100を取得する。
【0090】
そして、顧客がダミーカード100を販売登録装置300の店員の位置まで持参する。すると、その顧客から店員にダミーカード100が回収され、そのダミーカード100に対応したタバコパックが店員から顧客に販売される。
【0091】
このとき、店員はダミーカード100のRFIDカード100を販売登録装置300のRFIDリーダ310に対向させる。すると、これでダミーカード100から販売登録装置300に商品データが入力されて販売履歴データが生成される。
【0092】
上述のようにダミーカード100を利用してタバコパックが販売されるとき、本実施の形態のカード陳列装置200では、RFIDチップ110のRFIDリーダ220による検出が停止することにより、図11に示すように、ダミーカード100が取得されたことが判定される(ステップT1)。
【0093】
また、もしも顧客が取得したダミーカード100をカード陳列装置200に返却したときや、店員によりダミーカード100がカード陳列装置200に補充されたときには、そのRFIDチップ110のRFIDリーダ220による検出が再開されることにより、その補充が判定される(ステップT2)。
【0094】
上述のようにダミーカード100の移動が検出されると(ステップT1,T2)、対応するカード保持部210のダミーカード100の在庫数がRFIDリーダ220により検出される。
【0095】
そして、その在庫数が第一の基準値である「10」以上であるか判定される(ステップT3)。在庫数が「10」以上の場合は、その在庫数がカード配列データに付与されることで現在在庫データが生成される(ステップT6)。
【0096】
このように生成された現在在庫データがカード陳列装置200から販売登録装置300に送信される(ステップT7)。このとき、本実施の形態のカード陳列装置200は、図7(a)に示すように、自身のカード保持部210の配列を模式した陳列模式画像DPを生成し、その陳列模式画像DPに現在在庫データの商品識別データと在庫数とのテキストデータを組み込んで販売登録装置300に送信する。
【0097】
そこで、この販売登録装置300では、受信した現在在庫データが店員ディスプレイ330により店員に表示出力される。その場合、陳列模式画像DPには、上述のようにダミーカード100の在庫数が商品識別データとともに画像表示される。
【0098】
なお、カード陳列装置200は、前述のようにRFIDリーダ220により検出されたダミーカード100の在庫数が第一の基準値である「10」より減少していた場合は(ステップT3)、その在庫数が第二の基準値である「0」でないか判定される(ステップT4)。
【0099】
そこで、在庫数が「9〜1」の場合は、これで現在在庫データとして陳列模式画像DPが生成されて販売登録装置300に送信される(ステップT6,T7)。ただし、この現在在庫データの陳列模式画像DPは、在庫数が「9〜1」の部分が黄色で表示出力されるように生成される。
【0100】
さらに、カード陳列装置200は、前述のようにRFIDリーダ220により検出されたダミーカード100の在庫数が「0」であると判定されたときは(ステップT4)、その商品データによりアラートメッセージAMを生成する(ステップT5)。
【0101】
さらに、現在在庫データとして陳列模式画像DPが生成され(ステップT6)、この陳列模式画像DPとアラートメッセージAMとが販売登録装置300に送信される(ステップT7)。
【0102】
この場合、販売登録装置300の店員ディスプレイ330に表示出力される現在在庫データの陳列模式画像DPでは、図7(b)に示すように、在庫数が「9〜1」の部分が黄色で表示出力されるとともに、在庫数が「0」の部分が赤色で点滅表示される。さらに、その表示画面の下方に「タバコカードT000…を補充してください」などのアラートメッセージAMが点滅表示される。
【0103】
本実施の形態の商品販売システム1000では、上述のようにタバコパックのダミーカード100をカード陳列装置200により陳列することができるので、未成年者には販売できないタバコパックを効果的に販売することができる。
【0104】
そのダミーカード100にRFIDチップ110が搭載されており、このRFIDチップ110からRFIDリーダ310により販売登録装置300に商品データを取得することができるので、この販売登録装置300は、従来のバーコードより簡単かつ確実に販売履歴データを登録することができる。
【0105】
このようにタバコパックが販売されるとき、ダミーカード100はカード陳列装置200から販売登録装置300の位置まで顧客により移送されるので、カード陳列装置200では陳列しているダミーカード100が経時的に減少することになり、販売登録装置300の位置にはダミーカード100が経時的に滞積することになる。
【0106】
従って、店員は販売登録装置300の位置に滞積したダミーカード100を、適切なタイミングでカード陳列装置200まで移送して陳列しなおす必要がある。しかし、この作業を適切なタイミングで実行するためには、カード陳列装置200でのダミーカード100の在庫状況を販売登録装置300の位置の店員が把握する必要がある。
【0107】
そこで、本実施の形態のカード陳列装置200では、ダミーカード100が移動されるごとに現在在庫データが生成され、この現在在庫データが販売登録装置300でリアルタイムに表示出力される。
【0108】
このため、店員は販売登録装置300で販売作業を実行しながら、カード陳列装置200でのダミーカード100の在庫状況をリアルタイムに把握することができる。特に、上述の現在在庫データが、陳列模式画像DPとして画像表示される。このため、店員はカード陳列装置200のカード保持部210ごとのダミーカード100の在庫数を一目で把握することができる。
【0109】
しかも、その在庫数が第一の基準値より低下していると、陳列模式画像DPの該当部分が黄色で表示出力される。店員はカード陳列装置200から減少しているダミーカード100の種別と位置とを一目で確認することができ、例えば、補充の用意などを実行することができる。
【0110】
さらに、ダミーカード100の在庫数が「0」であると、陳列模式画像DPの該当部分が赤色で点滅表示される。さらに、その表示画面の下方に「タバコカードT000…を補充してください」などのアラートメッセージAMが点滅表示される。
【0111】
このため、店員はカード陳列装置200で不足しているダミーカード100の種別と位置とを一目で確認することができ、例えば、補充作業などを迅速に実行することができる。
【0112】
本実施の形態の商品販売システム1000では、上述のように販売登録装置300で販売履歴データの生成に利用するダミーカード100のRFIDチップ110を、カード陳列装置200でのダミーカード100の在庫状況の検出に利用するので、この在庫検出のために特別なデバイスをダミーカード100に搭載する必要がない。
【0113】
さらに、本実施の形態の商品販売システム1000では、ダミーカード100は専用設計とすることができるので、商品とは相違してRFIDチップ110の性能を阻害する制約を排除しておくことができる。
【0114】
そして、このようなダミーカード100とともにカード陳列装置200も専用設計とすることができ、ダミーカード100がカード陳列装置200のカード保持部210に積層状態で保持される。
【0115】
このため、ダミーカード100のRFIDチップ110をカード保持部210ごとのRFIDリーダ220により極短距離で確実に検出することができる。従って、カード陳列装置200に種類ごとに陳列されている多数のダミーカード100の全部の動向を、必要最小限のRFIDリーダ220で的確に検出することができる。
【0116】
特に、図4に示すように、RFIDリーダ220は、その直上に対向するRFIDチップ110のみと無線通信するように、金属ホルダ221により通信特性が偏向されている。このため、RFIDリーダ220は、対応するカード保持部210で支持されるダミーカード100のRFIDチップ110のみを確実に検出することができる。
【0117】
しかも、本実施の形態の商品販売システム1000では、ダミーカード100に対応してタバコパックが顧客に販売されても、そのダミーカード100は店舗で繰り返し利用することができる。このため、ランニングコストを削減することができ、安価なタバコパックに比較して高価なRFIDチップ110をダミーカード100に搭載することができる。
【0118】
それでいて、前述のように販売登録装置300の位置に滞積するダミーカード100を最適なタイミングでカード陳列装置200まで移送して陳列しなおすことができる。このため、販売店舗で利用するダミーカード100の総数は必要最小限とすることができる。
【0119】
さらに、本実施の形態の商品販売システム1000では、ダミーカード100は、カード保持部210に保持された状態で露出する表面に、タバコパックを模式した銘柄画像BPが表記されている。このため、顧客は所望のタバコパックのダミーカード100を直感的に迅速に発見することができる。
【0120】
しかも、ダミーカード100の裏面にはタバコパックの詳細な商品情報TIが表記されている。このため、顧客はカード陳列装置200から取得したダミーカード100によりタバコパックの詳細情報を確認することができる。
【0121】
そして、この確認の結果として顧客によりダミーカード100がカード陳列装置200に返却されることもあるが、これを商品販売システム1000は検出して現在在庫データを生成することができる。
【0122】
さらに、カード陳列装置200は、電源がオンされるとカード配列データを生成して保持する。このため、電源オフの状態で店舗はカード陳列装置200に自由にダミーカード100を配列することができ、この配列が完了したらカード陳列装置200の電源をオンするだけで、カード配列データを自動的に生成させて保持させることができる。
【0123】
また、本実施の形態のカード陳列装置200は、カード陳列ボード260とボード支持台座270との前面上部に広告シート262,271が配置されている。このため、ダミーカード100を取得する顧客に効果的にタバコパックなどを宣伝することができる。
【0124】
特に、上述の広告シート262,271がカード陳列ボード260とボード支持台座270とに交換自在に配置されているので、その交換により様々な宣伝を実行することができる。
【0125】
さらに、本実施の形態のカード陳列装置200は、カード陳列ボード260の上端に形成されている案内ボード261と、ボード支持台座270の上面に装着されている案内シート272とに、ダミーカード100の利用方法がガイダンスメッセージで表記されている。
【0126】
このため、新規なダミーカード100を顧客に簡単に利用させることができる。特に、案内ボード261には、ダミーカード100の利用方法が模式画像で表記されているので、ダミーカード100の利用方法を極めて容易に顧客に報知することができる。
【0127】
しかも、本実施の形態のカード陳列装置200は、ボード支持台座270にカード陳列ボード260が着脱自在に装着されている。このため、例えば、カード陳列ボード260の交換により、陳列するダミーカード100の銘柄を短時間に一新するようなこともできる。
【0128】
例えば、カード陳列装置200が設置される販売店舗としては24時間営業のコンビニエンスストアなどがありえる。このような販売店舗では、陳列するダミーカード100の銘柄変更などは、顧客が最少となる時間に実行することになる。このため、上述のような作業を極短時間に完了できることは重要である。
【0129】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態ではカード陳列装置200が複数のRFIDリーダ220で受信される商品データからカード配列データを生成して販売管理装置400に登録することを例示した。
【0130】
しかし、カード陳列装置200や販売管理装置400が入力操作されるカード配列データを保持してもよい。その場合、カード陳列装置200や販売管理装置400が、保持されているカード配列データとカード陳列装置200の複数のRFIDリーダ220で受信される商品データとの整合を確認し、整合が確認されないと配列の確認を報知することがよい。
【0131】
また、上記形態ではカード陳列装置200に配列生成部234と在庫生成部230と在庫出力部232と不足検出部236と不足報知部238との全部が実装されていることを例示した。しかし、これらの一部ないし全部が販売登録装置300に実装されていてもよい。
【0132】
一方、上記形態では現在在庫データやアラートメッセージなどが販売登録装置300の店員ディスプレイ330で表示出力されることを例示した。しかし、このような現在在庫データなどが、例えば、販売登録装置300の近傍や販売店舗のバックヤードなどに設置される専用のディスプレイユニット(図示せず)により表示出力されてもよい。
【0133】
さらに、上記形態ではカード陳列装置200でのダミーカード100の在庫数に対応した現在在庫データがカード保持部210の配列を模式した陳列模式画像DPとして画像表示されることを例示した。
【0134】
しかし、現在在庫データがテキストデータによる一覧表などで表示出力されてもよい(図示せず)。画像表示の場合には、在庫状況を一目で把握することができ、テキスト表示の場合には、データ生成を簡単にすることができる。
【0135】
また、上記形態ではカード陳列装置200がダミーカード100の在庫数を検知して現在在庫データを店員に報知するとともに、ダミーカード100の不足を検知して対応するカード保持部210とともに報知することを例示した。しかし、現在在庫データのみ報知されてもよく、不足したダミーカード100がカード保持部210とともに報知されるのみでもよい。
【0136】
さらに、上記形態では現在在庫データからダミーカード100の不足が検出されることを例示したが、RFIDリーダ220によりカード保持部210ごとに検出される商品データからダミーカード100の不足が直接に検出されてもよい。
【0137】
また、上記形態では現在在庫データの在庫数を二段階の基準値と比較し、ダミーカード100の不足を二段階に報知することを例示した。しかし、このような処理を一段階としてもよく、三段階以上としてもよい。
【0138】
さらに、上記形態ではカード陳列装置200のカード保持部210でのダミーカード100の在庫数が第一の基準値である「10」より低下したときと第二の基準値である「0」となったことを陳列模式画像DPの発色やアラートメッセージAMで報知することを例示した。しかし、上述のような基準値はカード陳列装置200にサプライヤが固定的に設定しておいてもよく、販売店舗の店員が所望により設定してもよい。
【0139】
さらに、通勤時間のように多数の顧客が来店する時間帯には基準値を自動的に上昇させ、深夜のように顧客の来店が鈍化する時間帯には基準値を自動的に低下させるように、時間帯により基準値を自動的に変化させるようなこともできる。
【0140】
この場合、顧客によりダミーカード100が多量に移動されてカード陳列装置200から不足しやすくなる時間帯には、早めに警告が報知されて補充作業が迅速に実行されることになる。
【0141】
一方、顧客によるダミーカード100の移動が鈍化してカード陳列装置200で不足しにくくなる時間帯には、遅めに警告が報知されて補充作業が適切なタイミングに実行される。
【0142】
また、カード陳列装置200で一定時間ごとに在庫数の変化速度を計測し、在庫数の減少速度が高速のときには上述の基準値を自動的に上昇させ、減少速度が低速のときには上述の基準値を自動的に低下させる、ようなこともできる。
【0143】
このような制御方法としては、例えば、在庫数の変化速度を所定の基準速度と比較して基準値を段階的に着換えてもよく、在庫数の変化速度から所定の演算処理により基準値を算出してもよい。
【0144】
さらに、上記形態ではダミーカード100の不足がカード保持部210ごとに検出されて報知されることを例示した。しかし、カード陳列装置200では、複数のカード保持部210に同一種類のダミーカード100が陳列されることもある。
【0145】
このような場合、その複数のカード保持部210の一部でダミーカード100がなくなっても、同一のダミーカード100が他のカード保持部210に陳列されていることになる。そこで、このような場合には、カード陳列装置200がカード保持部210ごとではなく、ダミーカード100の種類ごとに不足を判定して報知すればよい。
【0146】
また、上記形態ではカード陳列装置200のカード保持部210にダミーカード100が常時適切に陳列されていることを前提として説明した。しかし、顧客がカード陳列装置200からダミーカード100を取得して返却することにより、適切でないカード保持部210に陳列されることもある。
【0147】
そこで、カード陳列装置200のRFIDリーダ220により適切でないカード保持部210に保持されたダミーカード100を検出し、このダミーカード100をカード保持部210とともに報知してもよい。
【0148】
また、上記形態ではカード陳列装置200でダミーカード100の在庫数が検出されて現在在庫データが生成されることを例示した。しかし、カード陳列装置200のRFIDリーダ220による商品データの受信停止と受信再開とにより移動履歴データが生成されてもよい。
【0149】
このような移動履歴データは、顧客によりカード保持部210からダミーカード100が取得されたことと返却されたことが記録される。このようなダミーカード100の移動履歴データも登録して管理することにより、例えば、ダミーカード100が顧客により移動されながらも商品であるタバコパックが購入されなかったような場合に、その顧客の動向などをデータ管理することができる。
【0150】
前述のようにダミーカード100の裏面にはタバコパックの詳細な商品情報TIが表記されている。このため、顧客はカード陳列装置200から取得したダミーカード100によりタバコパックの詳細情報を確認することができる。
【0151】
そして、この確認の結果として顧客によりダミーカード100がカード陳列装置200に返却されることもあるが、これを上述の移動履歴データにより検出してデータ管理することができる。
【0152】
さらに、カード陳列装置200が一人の顧客しか利用が困難な横幅に形成されていることにより、所定の基準時間より短時間に発生した複数の移動履歴データを一人の顧客によると判定することができる。
【0153】
例えば、一人の顧客がカード陳列装置200からダミーカード100を取得し、詳細情報を確認してからカード陳列装置200に返却した場合、これを一人の顧客の動向と検出してデータ管理することができる。
【0154】
また、一人の顧客がカード陳列装置200からタバコパックA,Bのダミーカード100を取得し、詳細情報により比較検討してからタバコパックBのダミーカード100をカード陳列装置200に返却したような場合でも、これを一人の顧客の動向と検出してデータ管理することができる。
【0155】
また、一人の顧客がカード陳列装置200からタバコパックAのダミーカード100を取得し、詳細情報を確認してタバコパックAのダミーカード100を返却するとともにタバコパックBのダミーカード100を取得したような場合も、これを一人の顧客の動向と検出してデータ管理することができる。
【0156】
つまり、上述のように連続する複数の移動履歴データが一人の顧客によるか複数の顧客によるかを自動的に判定して提示することができる。このため、移動履歴データを有効な販売戦略の立案に利用することができる。
【0157】
さらに、RFIDリーダ220による商品データの受信開始により、カード保持部210から取得されて相違するカード保持部210に返却されたダミーカード100を検出して移動履歴データを生成してもよい。
【0158】
例えば、タバコパックAとタバコパックBとのダミーカード100が取得されてからタバコパックAのダミーカード100が返却されるような場合、このタバコパックAのダミーカード100はタバコパックBのカード保持部210に返却される可能性が高い。
【0159】
従って、タバコパックA,Bのダミーカード100が取得された直後に、タバコパックAのダミーカード100がタバコパックBのカード保持部210に返却されたようなときに、これを一人の顧客によるタバコパックA,Bの比較の動向として高確率に抽出するようなことが可能となる。
【0160】
さらに、上記形態ではカード陳列装置200としてボード支持台座270でカード陳列ボード260が支持されている構造を例示した。しかし、図12に示すように、ボード支持台座270から分離したカード陳列ボード260を、ワイヤハーネス264などで販売店舗の壁面に配置してカード陳列装置200aとすることもできる。なお、上述のようにカード陳列ボード260を単体で使用する場合、その下端前面に余白が発生するので、そこに広告シート265を装着してもよい。
【0161】
また、上記形態ではダミーカード100の下端中央にRFIDチップ110が配置されているとともに、カード保持部210の直下にRFIDリーダ220が配置されていることを例示した。
【0162】
しかし、RFIDチップ110がダミーカード100の中心や側部などに配置されていてもよく、一対のRFIDチップ110がダミーカード100の上端と下端とに配置されていてもよい(図示せず)。
【0163】
ただし、ダミーカード100のRFIDチップ110とカード保持部210のRFIDリーダ220とは、適正な配置では相互に良好に通信できるが、不適な配置では通信しない構造であることがよい。
【0164】
例えば、図13に例示するように、ダミーカード500の上部に左右方向に幅広の貫通孔510が形成されており、この貫通孔510でダミーカード500を保持する幅広のL字フックとしてカード陳列装置520のカード保持部530が形成されていてもよい。
【0165】
この場合、例えば、ダミーカード500は、貫通孔510の直下にRFIDチップ110が配置されており、カード陳列装置520は、カード保持部530の下面にRFIDリーダ220が配置されていることがよい。
【0166】
このようなカード保持部530は、例えば、上部および側部がRFIDリーダ220の通信を遮断する金属などで形成されており、RFIDリーダ220が下方のRFIDチップ110のみを極短距離で検出することがよい。
【0167】
さらに、上記形態ではダミーカード100の前面全域に銘柄画像BPが表記されているとともに上端に貫通孔130が形成されており、カード陳列装置200はL字フックからなるカード保持部210によりダミーカード100を保持することを例示した。
【0168】
しかし、図14ないし図17に例示するように、カード陳列装置540が上面開口のボックス状のカード保持部550を有し、ダミーカード560は、表面上部に商品情報TIの一部として商品名称が表記されていてもよい。
【0169】
より詳細には、このダミーカード560は、図15(a)に示すように、カード保持部550に保持された状態で露出する表面上部に商品名称が表記されており、カード陳列装置540に保持された状態で遮蔽される表面下部に販売価格やバーコード等が商品情報TIの一部として表記されている。
【0170】
さらに、ダミーカード560は、図15(b)に示すように、カード陳列装置540に保持された状態で裏側となる裏面の全域に、対応するタバコパックの詳細な商品情報TIが表記されている。
【0171】
カード陳列装置540は、一人の顧客しか利用が困難な横幅のカード陳列ボード541の前面に、複数のカード保持部550が上下左右に配列されている。そのカード保持部550は、例えば、上方から挿入されるダミーカード560を保持する上面開口のボックス状に不透明な樹脂で形成されている。
【0172】
このため、カード保持部550は、複数のダミーカード560が積層状態で上方から挿入されると、そのダミーカード560を第一枚目の表面上部のみ露出した状態で保持する。
【0173】
また、カード保持部550は、図16および図17に示すように、遮断ボックス551と透過底板552とを有する。遮断ボックス551は、ダミーカード560を保持する上面開口のボックス状に形成されており、カード陳列ボード541とともに、RFIDチップ110とRFIDリーダ220との無線通信を遮断する金属などで形成されている。
【0174】
透過底板552は、遮断ボックス551の内部下方に底板として装着されている。透過底板552は、RFIDチップ110とRFIDリーダ220との無線通信を阻害しない樹脂などで形成されている。
【0175】
RFIDリーダ220は、透過底板552の下面中央に装着されている。このため、カード保持部550にダミーカード560が保持されると、そのRFIDリーダ220とRFIDチップ110とが透過底板552を介して所定の極短距離で対向する。
【0176】
上述のような構造でも、顧客は所望のタバコパックのダミーカード560をカード陳列装置540から取得することができ、このカード陳列装置540は取得されたダミーカード560を正確に検知することができる。
【0177】
なお、上述のタバコ陳列装置540は、ボックス状のカード保持部550の底部中央にRFIDリーダ220が位置するので、前述したタバコ陳列装置200のダミーカード100を利用することができる。換言すると、タバコ陳列装置200,540を併設してダミーカード100を共用してもよい。
【0178】
また、上記形態ではカード陳列装置200が一個のカード陳列ボード260からなることを例示した。しかし、図18および図19に例示するように、カード陳列装置570が相互に連結できる複数のカード陳列ボード580を有してもよい。
【0179】
より詳細には、カード陳列ボード580は、例えば、250mm程度の上下高と、一人の顧客しか利用が困難な220〜230mm程度の左右幅と、に形成されている。カード陳列ボード580は、前面に二行三列にカード保持部210とRFIDリーダ220とが配列されている。
【0180】
ただし、第一行目の中央の位置には、無色透明な樹脂製のシートホルダ581が装着されており、そこに小型の広告シート262が挿入されている。そのシートホルダ581は、上下方向で半円筒状に湾曲して前方に突出した形状に形成されており、広告シート262は同様に湾曲されて側方から挿入されている。
【0181】
また、カード陳列ボード580は、上下縁部に左右一対の連結凸部582が形成されている。カード陳列装置570は、連結凸部582がS字フック583で連結されることにより、複数のカード陳列ボード580が上下方向に配列されている。
【0182】
なお、カード陳列装置570は、最上段に独立した案内ボード261を有し、この案内ボード261にカード陳列ボード580が垂下されている。案内ボード261には制御ボックス250が搭載されている。
【0183】
そこで、案内ボード261の制御ボックス250とカード陳列ボード580のRFIDリーダ220とは接続コネクタ584で接続されている。その場合、複数のカード陳列ボード580は、接続コネクタ584によりチェーン接続される。
【0184】
このカード陳列装置570では、所望によりカード陳列ボード580の個数を変更することができる。このため、販売するタバコパックが少数の場合には、カード陳列ボード580を少数とすることができ、販売するタバコパックが多数の場合には、カード陳列ボード580を多数とすることができる。
【0185】
それでいて、カード陳列ボード580とは別体の案内ボード261に制御ボックス250は一個のみ搭載されており、この制御ボックス250に複数のカード陳列ボード580の全部のRFIDリーダ220を接続することができる。
【0186】
しかも、上述の案内ボード261には、ダミーカード100の利用方法も表記されているので、複数のカード陳列ボード580の各々にダミーカード100の利用方法を表記しておく必要がない。
【0187】
さらに、カード陳列ボード580は、半円筒状のシートホルダ581により、広告シート262を湾曲して前方に突出した状態で保持することができる。このため、扁平な広告シート262を立体的に保持して良好な宣伝効果を実現することができる。
【0188】
しかも、広告シート262が弾性によりシートホルダ581に保持されるので、広告シート262を交換が容易な状態でシートホルダ581に良好に保持させることができる。
【0189】
さらに、上記形態ではボード支持台座270から分離したカード陳列ボード260をワイヤハーネス264により壁面に垂下することを例示した。しかし、図20に例示するように、カード陳列ボードからなるカード陳列装置590が自立する構造でカウンタ(図示せず)の上面などに設置されてもよい。
【0190】
このカード陳列装置590は、裏面に折畳構造のスタンド部材591が搭載されている。このため、このスタンド部材591を突出させることで、カード陳列装置590をカウンタの上面などに自立させることができる。
【0191】
さらに、スタンド部材591を折り畳むことにより、カード陳列装置590をカード陳列ボードとしてボード支持台座270に支持させることもでき、ワイヤハーネス264により壁面に垂下することもできる(ともに図示せず)。
【0192】
なお、このカード陳列装置590では、カード保持部592が無色透明な樹脂により上面開口のボックス状に形成されている。このため、カード保持部592に保持されたダミーカード100等の前面を良好に視認することができる。
【0193】
さらに、カード保持部592の前面には値札シート263が貼着されている。このため、ダミーカード100やRFIDリーダ220のために値札シート263の視認性が低下することもない。
【0194】
また、このカード陳列装置590では、上端に無色透明な樹脂製のシートホルダ593が装着されており、そこに広告シート262が挿入されている。そのシートホルダ593は、左右方向で半円筒状に湾曲して前方に突出した形状に形成されており、広告シート262は同様に湾曲されて上方から挿入されている。
【0195】
このため、このカード陳列装置590も、扁平な広告シート262を立体的に保持して良好な宣伝効果を実現することができ、広告シート262を交換が容易な状態でシートホルダ593に良好に保持させることができる。
【0196】
また、このカード陳列装置590は、スタンド部材591によりカウンタの上面などに自立した状態では、その前面が後傾する。このため、カード保持部592によりダミーカード100等を安定に保持することができる。
【0197】
さらに、上記形態ではカード陳列装置200が平板状のカード陳列ボード260からなることを例示した。しかし、図21に例示するように、カード陳列装置600がボックス状のカード陳列ユニット610を有してもよい。
【0198】
より詳細には、このカード陳列装置600は、カード陳列ユニット610とユニット支持台座620とを有する。カード陳列ユニット610は、例えば、600mm程度の上下高、一人の顧客しか利用できない400mm程度の左右幅、120〜150mm程度の前後長、に形成されている。
【0199】
カード陳列ユニット610は、その前面に四行の凹部611が形成されており、その凹部611の内部に、カード保持部210やRFIDリーダ220が配置されている。なお、カード陳列ユニット610は、側面に制御ボックス250が内蔵されている。また、上端角部に広告ボード612が装着されている。
【0200】
上述のような構造のカード陳列装置600では、カード保持部210やRFIDリーダ220がカード陳列ユニット610の前面から突出することがない。このため、前面の凸部による危険性を解消することができる。
【0201】
さらに、カード保持部210で保持されたダミーカード100やRFIDリーダ220より前方に値札シート263が位置するので、この値札シート263の視認性が低下することがない。また、カード陳列ユニット610が立体的に形成されているので、その内部に制御ボックス250を配置することができる。
【0202】
なお、このカード陳列装置600でも、カード陳列ユニット610をユニット支持台座620から分離して単体で利用することができる(図示せず)。その場合、カード陳列ユニット610は、充分な前後長があるために自立することができる。
【0203】
また、このカード陳列装置600は、上端角部から広告ボード612が突出しているので、効果的にタバコパックを宣伝することができる。この広告ボード612が着脱自在なので、狭小な設置スペースに対応させる場合などは取り外すこともできる。
【0204】
また、上記形態ではカード陳列装置200の各部に広告シート262,271が装着されていることを例示した。しかし、図22に例示するように、カード陳列装置630がLCD等のディスプレイデバイス640を有し、そこに広告が画像表示されてもよい(図示せず)。
【0205】
このようなカード陳列装置630は、前述のようにダミーカード100が顧客に取得されたことを検出できるので、例えば、その顧客に取得されたダミーカード100に対応するタバコパックの広告などをディスプレイデバイス640に画像表示することができる。
【0206】
なお、このカード陳列装置630は、ディスプレイデバイス640の側方にもRFIDリーダ220が設置されている。このため、このRFIDリーダ220に顧客がダミーカード100を対向させても、対応するタバコパックの広告などがディスプレイデバイス640に画像表示される。
【0207】
また、ダミーカード100が顧客に取得されたときには、ディスプレイデバイス640にダミーカード100の利用方法を画像表示し、ダミーカード100がディスプレイデバイス640の側方のRFIDリーダ220に対向されたときには、対応するタバコパックの広告を画像表示する、ようなこともできる。
【0208】
さらに、上記形態ではダミーカード100が一度に複数の顧客に取得されることを防止するため、カード陳列装置200の左右幅が制限されていることを例示した。しかし、図23に例示するように、カード陳列装置200bが、一人の顧客しか対面を困難とするガイド部材280を有してもよい。
【0209】
このガイド部材280は、カード陳列装置200bの左右から前方に位置する一対からなり、その内幅は400〜500mm程度となっている。このため、ダミーカード100が一度に複数の顧客に取得されることを確実に防止することができる。
【0210】
また、本実施の形態ではカード陳列装置200の配列生成部234や在庫生成部230などがコンピュータプログラムにより各種機能として論理的に実現されることを例示した。しかし、このような各部の各々を固有のハードウェアとして形成することもでき、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとして実現することもできる。
【0211】
さらに、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0212】
【図1】本発明の実施の形態の商品販売システムの論理構造を示す模式図である。
【図2】ダミーカードの外観を示す正面図および背面図である。
【図3】カード陳列装置の外観を示す斜視図である。
【図4】カード陳列装置のカード保持部の構造を示す縦断側面図である。
【図5】カード陳列装置のカード保持部の構造を示す正面図である。
【図6】販売登録装置の外観を示す斜視図である。
【図7】店員ディスプレイに現在在庫データとして陳列模式画像が表示出力された状態を示す模式的な正面図である。
【図8】販売履歴データのデータ構造を示す模式図である。
【図9】カード配列データと現在在庫データとのデータ構造を示す模式図である。
【図10】カード陳列装置の初期設定の処理動作を示すフローチャートである。
【図11】カード陳列装置の現在在庫データの生成動作を示すフローチャートである。
【図12】一の変形例のカード陳列装置の外観を示す斜視図である。
【図13】他の変形例のカード陳列装置の要部の外観を示す斜視図である。
【図14】さらに他の変形例のカード陳列装置の外観を示す斜視図である。
【図15】ダミーカードの外観を示す正面図および背面図である。
【図16】カード陳列装置のカード保持部の構造を示す縦断側面図である。
【図17】カード陳列装置のカード保持部の構造を示す縦断正面図である。
【図18】さらに他の変形例のカード陳列装置の外観を示す斜視図である。
【図19】カード陳列装置の要部の外観を示す斜視図である。
【図20】さらに他の変形例のカード陳列装置の外観を示す斜視図である。
【図21】さらに他の変形例のカード陳列装置の外観を示す斜視図である。
【図22】さらに他の変形例のカード陳列装置の外観を示す斜視図である。
【図23】さらに他の変形例のカード陳列装置の外観を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0213】
100 ダミーカード
110 RFIDチップ
120 カード台紙
130 貫通孔
200,200a,200b カード陳列装置
210 カード保持部
220 RFIDリーダ
221 金属ホルダ
230 在庫生成部
232 在庫出力部
234 配列生成部
236 不足検出部
238 不足報知部
250 制御ボックス
251 キーボードユニット
252 ディスプレイユニット
260 カード陳列ボード
261 案内ボード
262 広告シート
263 値札シート
264 ワイヤハーネス
265 広告シート
270 ボード支持台座
271 広告シート
272 案内シート
273 開口孔
280 ガイド部材
300 販売登録装置
310 RFIDリーダ
320 販売生成部
330 店員ディスプレイ
340 バーコードリーダ
350 キーボード
360 顧客ディスプレイ
400 販売管理装置
500 ダミーカード
510 貫通孔
520 カード陳列装置
530 カード保持部
540 カード陳列装置
541 カード陳列ボード
550 カード保持部
551 遮断ボックス
552 透過底板
560 ダミーカード
570 カード陳列装置
580 カード陳列ボード
581 シートホルダ
582 連結凸部
583 S字フック
584 接続コネクタ
590 カード陳列装置
591 スタンド部材
592 カード保持部
593 シートホルダ
600 カード陳列装置
610 カード陳列ユニット
611 凹部
612 広告ボード
620 ユニット支持台座
630 カード陳列装置
640 ディスプレイデバイス
1000 商品販売システム
AM アラートメッセージ
BP 銘柄画像
DP 陳列模式画像
RT レシートテキスト
TI 商品情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客に取得されて商品の購入に利用される複数種類のダミーカードと、複数の前記ダミーカードを陳列するカード陳列装置と、前記ダミーカードに対応して販売される前記商品ごとに販売履歴データを登録する販売登録装置と、を有する商品販売システムであって、
前記ダミーカードは、商品種別ごとの商品識別データなどの商品データが記録されているRFID(Radio Frequency Identification)チップが搭載されており、
前記販売登録装置は、前記ダミーカードの前記RFIDチップから前記商品データを受信して前記販売履歴データの生成に利用し、
前記カード陳列装置は、複数の前記ダミーカードを積層状態で各々保持する複数のカード保持部と、前記カード保持部に保持された前記ダミーカードごとに前記RFIDチップから前記商品データを受信する複数のRFIDリーダと、を有し、
前記RFIDリーダにより検知される前記商品データにより前記カード保持部に保持されている前記ダミーカードの現在在庫データを生成する在庫生成部と、
生成された前記現在在庫データを出力する在庫出力部とを、
さらに有する商品販売システム。
【請求項2】
前記カード陳列装置は、複数の前記カード保持部が同一構造に形成されており、
複数種類の前記ダミーカードは、少なくとも前記カード保持部に保持される部分が同一形状に形成されており、
前記在庫生成部は、複数種類の前記ダミーカードの前記カード陳列装置での配列をカード配列データとして保持し、前記現在在庫データを前記カード配列データに関連させて生成する請求項1に記載の商品販売システム。
【請求項3】
前記在庫生成部は、入力操作される前記カード配列データを保持し、
保持されている前記カード配列データと前記現在在庫データとの整合を確認する配列確認部と、
前記整合が確認されないと配列の確認を報知する確認報知部とを、
さらに有する請求項2に記載の商品販売システム。
【請求項4】
前記カード陳列装置の複数の前記RFIDリーダで受信される前記商品データから前記カード配列データを生成して前記在庫生成部に登録する配列生成部を、さらに有する請求項2に記載の商品販売システム。
【請求項5】
前記在庫出力部は、前記現在在庫データを前記販売登録装置に報知出力させる請求項1ないし4の何れか一項に記載の商品販売システム。
【請求項6】
前記販売登録装置は、各種データを表示出力するデータ表示部を有し、
前記在庫生成部は、前記カード保持部の配列を模式した陳列模式画像に前記ダミーカードの在庫数のテキストデータを組み込んだ前記現在在庫データを生成し、
前記在庫出力部は、前記現在在庫データを前記データ表示部に表示出力させる請求項5に記載の商品販売システム。
【請求項7】
前記カード保持部から取得されて相違する前記カード保持部に返却された前記ダミーカードを前記現在在庫データにより検出する誤置検出部と、
検出された前記商品と前記カード保持部とを報知する誤置報知部とを、
さらに有する請求項1ないし6の何れか一項に記載の商品販売システム。
【請求項8】
前記現在在庫データにより前記ダミーカードの不足を前記カード保持部ごとに検出する不足検出部と、
不足が検出された前記ダミーカードと前記カード保持部とを報知する不足報知部とを、
さらに有する請求項1ないし7の何れか一項に記載の商品販売システム。
【請求項9】
顧客に取得されて商品の購入に利用される複数種類のダミーカードと、複数の前記ダミーカードを陳列するカード陳列装置と、前記ダミーカードに対応して販売される前記商品ごとに販売履歴データを登録する販売登録装置と、を有する商品販売システムであって、
前記ダミーカードは、商品種別ごとの商品識別データなどの商品データが記録されているRFIDチップが搭載されており、
前記販売登録装置は、前記ダミーカードの前記RFIDチップから前記商品データを受信して前記販売履歴データの生成に利用し、
前記カード陳列装置は、複数の前記ダミーカードを積層状態で各々保持する複数のカード保持部と、前記カード保持部に保持された前記ダミーカードごとに前記RFIDチップから前記商品データを受信する複数のRFIDリーダと、を有し、
前記RFIDリーダにより検知される前記商品データにより前記ダミーカードの不足を前記カード保持部ごとに検出する不足検出部と、
不足が検出された前記ダミーカードと前記カード保持部とを報知する不足報知部とを、
さらに有する商品販売システム。
【請求項10】
前記不足報知部は、不足が検出された前記ダミーカードと前記カード保持部とを前記販売登録装置に報知出力させる請求項8または9に記載の商品販売システム。
【請求項11】
前記販売登録装置は、各種データを表示出力するデータ表示部を有し、
前記不足報知部は、前記カード保持部の配列を模式した陳列模式画像を前記データ表示部に表示出力させ、不足が検出された前記カード保持部に対応して前記陳列模式画像の表示形態を変化させる請求項10に記載の商品販売システム。
【請求項12】
前記データ表示部は、各種データをカラー表示し、
前記不足報知部は、不足が検出された前記カード保持部に対応する前記陳列模式画像の部分の発色を変化させる請求項11に記載の商品販売システム。
【請求項13】
前記不足報知部は、不足が検出された前記カード保持部に対応する前記陳列模式画像の部分を点滅表示させる請求項11または12に記載の商品販売システム。
【請求項14】
前記販売登録装置は、各種データを表示出力するデータ表示部を有し、
前記不足報知部は、不足が検出された前記ダミーカードと前記カード保持部とのアラートメッセージを前記データ表示部に表示出力させる請求項11ないし13の何れか一項に記載の商品販売システム。
【請求項15】
前記RFIDリーダによる前記商品データの受信停止により前記カード保持部から取得された前記ダミーカードを検出して移動履歴データを生成する移動生成部と、
生成された前記移動履歴データを収集して管理するデータ管理部とを、
さらに有する請求項1ないし14の何れか一項に記載の商品販売システム。
【請求項16】
前記移動生成部は、前記RFIDリーダによる前記商品データの受信再開により前記カード保持部から取得されて返却された前記ダミーカードも検出して前記移動履歴データを生成する請求項15に記載の商品販売システム。
【請求項17】
前記データ管理部は、前記販売履歴データも収集して管理し、前記販売履歴データごとに対応する前記移動履歴データを検出して関連させる請求項15または16に記載の商品販売システム。
【請求項18】
前記カード陳列装置は、一人の顧客しか利用が困難な横幅に形成されており、
前記データ管理部は、所定の基準時間より短時間に発生した複数の前記移動履歴データを一人の前記顧客によると判定する請求項15ないし17の何れか一項に記載の商品販売システム。
【請求項19】
前記ダミーカードは、前記カード陳列装置に保持された状態では目視困難な位置に商品情報が表記されている請求項1ないし18の何れか一項に記載の商品販売システム。
【請求項20】
請求項1に記載の商品販売システムのカード陳列装置であって、
複数の前記ダミーカードを積層状態で各々保持する複数のカード保持部と、
前記カード保持部に保持された前記ダミーカードごとに前記RFIDチップから前記商品データを受信する複数のRFIDリーダと、
前記RFIDリーダにより検知される前記商品データにより前記カード保持部に保持されている前記ダミーカードの現在在庫データを生成する在庫生成部と、
を有するカード陳列装置。
【請求項21】
前記現在在庫データにより前記ダミーカードの不足を前記カード保持部ごとに検出する不足検出部を、さらに有する請求項20に記載のカード陳列装置。
【請求項22】
請求項9に記載の商品販売システムのカード陳列装置であって、
複数の前記ダミーカードを積層状態で各々保持する複数のカード保持部と、
前記カード保持部に保持された前記ダミーカードごとに前記RFIDチップから前記商品データを受信する複数のRFIDリーダと、
前記RFIDリーダにより検知される前記商品データにより前記ダミーカードの不足を前記カード保持部ごとに検出する不足検出部と、
を有するカード陳列装置。
【請求項23】
請求項1に記載の商品販売システムの販売登録装置であって、
前記ダミーカードの前記RFIDチップから前記商品データを受信する登録リーダ部と、
取得された前記商品データを利用して前記販売履歴データを生成する販売生成部と、
前記カード陳列装置の前記RFIDリーダにより検知される前記商品データにより前記カード保持部に保持されている前記ダミーカードの現在在庫データを生成する在庫生成部と、
生成された前記現在在庫データを出力する在庫出力部と、
を有する販売登録装置。
【請求項24】
前記現在在庫データにより前記ダミーカードの不足を前記カード保持部ごとに検出する不足検出部と、
不足が検出された前記ダミーカードと前記カード保持部とを報知する不足報知部とを、
さらに有する請求項23に記載の販売登録装置。
【請求項25】
請求項9に記載の商品販売システムの販売登録装置であって、
前記ダミーカードの前記RFIDチップから前記商品データを受信する登録リーダ部と、
取得された前記商品データを利用して前記販売履歴データを生成する販売生成部と、
前記カード陳列装置の前記RFIDリーダにより検知される前記商品データにより前記ダミーカードの不足を前記カード保持部ごとに検出する不足検出部と、
不足が検出された前記ダミーカードと前記カード保持部とを報知する不足報知部と、
を有する販売登録装置。
【請求項26】
請求項23に記載の販売登録装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記ダミーカードの前記RFIDチップから前記商品データを受信する登録リーダ処理と、
取得された前記商品データを利用して前記販売履歴データを生成する販売生成処理と、
前記カード陳列装置の前記RFIDリーダにより検知される前記商品データにより前記カード保持部に保持されている前記ダミーカードの現在在庫データを生成する在庫生成処理と、
生成された現在在庫データを出力する在庫出力処理と、
を前記販売登録装置に実行させるコンピュータプログラム。
【請求項27】
前記現在在庫データにより前記ダミーカードの不足を前記カード保持部ごとに検出する不足検出処理と、
不足が検出された前記ダミーカードと前記カード保持部とを報知する不足報知部とを、
さらに前記販売登録装置に実行させる請求項26に記載のコンピュータプログラム。
【請求項28】
請求項25に記載の販売登録装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記ダミーカードの前記RFIDチップから前記商品データを受信する登録リーダ処理と、
取得された前記商品データを利用して前記販売履歴データを生成する販売生成処理と、
前記RFIDリーダにより検知される前記商品データにより前記ダミーカードの不足を前記カード保持部ごとに検出する不足検出処理と、
不足が検出された前記ダミーカードと前記カード保持部とを報知する不足報知処理と、
を前記販売登録装置に実行させるコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2008−250613(P2008−250613A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−90329(P2007−90329)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000004569)日本たばこ産業株式会社 (406)
【Fターム(参考)】