説明

器官からの生細胞の抽出および/またはカプセル化の技術的方法とプラント

本発明は、器官からの生細胞の抽出および/またはカプセル化の方法およびそれに対応するプラントに関する。最初の工程で、細胞を含有する器官は酵素的プロセスで個々の細胞とまたは細胞塊へと分解する。次に、適切な細胞を得られた細胞混合物から単離する。次に、そのように抽出された細胞はカプセル化することができる。本発明は、これらの工程を組み合わせた技術的方法とプラントを記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、器官からの生細胞の抽出および/またはカプセル化の方法およびそれに対応するプラントに関する。最初の工程で、細胞を含有する器官は酵素的プロセスで個々の細胞とまたは細胞塊へと分解する。次に、適切な(関連する9細胞を得られた細胞混合物から単離する。次に、そのように抽出された細胞はカプセル化することができる。本発明は、これら3つの工程を組み合わせた技術的方法とプラントを記載する。
【背景技術】
【0002】
医学および薬学のみならず、技術的実施においても、生細胞を使用することがますます頻繁に必要とされている。取り扱い能力ならびにその保持性をも向上させるために、それらはカプセル化された形で使用される。
【0003】
医薬の開発において、例えば、活性物質は肝臓におけるそれらの効果が調べられる。これは困難な動物実験と費用のかかる臨床試験を必要とする。肝細胞は食肉産業から大量に利用可能であるが、単離された肝細胞に基づく試験キットの開発は、個々の細胞がわずかに数時間のみ生存を保つために現在のところ失敗している。肝臓から細胞を単離し、引き続いてそれらをカプセル化することにより、数週間生存を保つ細胞が調製可能であり、細胞が標準的な試験キットの範囲内で毒物学試験に初めて使用できる。
【0004】
別のアプローチは、生きたカプセル化島細胞の移植を用いた、例えば糖尿病のような病気の治療に関する。細胞は器官から単離され、体に内在する免疫系に対して保護されるようにカプセル化させる。このことは異なる細胞の移植を可能とする。例えば、ブタ島細胞をカプセル化し、その注射を糖尿病に罹患した患者に与える場合、細胞は必要なインシュリンのみならず、血糖をも調整するだろう。多くのそのような試験が先行技術に記載されている。
【0005】
前記のアプローチのすべてにおいて、細胞は第1工程で器官から抽出、すなわち、単離されなければならない。現在までのところ、1.器官を機械的手段で細かく切り、得られた細胞と組織懸濁液を続いて再生する。2.器官の個々の細胞への酵素的分解およびそれに続く混合物からの適切な細胞の単離という2つの基本的に異なる方法が実験室実施で採用されている。
【0006】
米国出願US5,079,160は、例えば、哺乳類の器官から生細胞を抽出する方法を記載する。これは第1工程で器官の結合組織を酵素により破壊することにより、個々の細胞を遊離させることによって達成される。酵素は冷却により不活性化させる。続いて、細胞懸濁液を密度勾配で分離する。この特許文献もこの目的のために実験室系を記載する。ここに記載の方法にしたがって、および記載されたような実験室系を用いると、技術的自動化方法での器官の分解は可能ではない。また、細胞のその後のカプセル化に関して何の情報も提供されていない。
【0007】
細胞または細胞集塊を操作可能とするために、それらを続いてカプセル化することが一般的な実施である。これを達成するために、これらを液体、通常は第1工程で水溶性基本物質と混合し、次に適当な装置により液滴に変換する。形成された液滴を硬化させ、そこに溶解または懸濁した材料、または細胞をカプセル化する。一般に、これは沈降槽中での架橋によるか、または物理的パラメーターを変えることにより達成される。そうして形成された直径が数マイクロメーターから数ミリメーターの範囲にある小球体を次の工程で被覆してもよい。
【0008】
先行技術において、生細胞のカプセル化に関する方法はいくつかの文献に記載されている。例えば、G.Troost等(G.Troost等、シャンパン、スパークリングワイン、スタットガート、1995年)はスパークリングワインの製造において瓶発酵のためにアルギン酸塩の球体に固定化させた酵母を記載する。これにより、酵母沈殿物を取り除く時間のかかるマニュアルはシャンパン瓶中での小球体の速い沈殿に置き換えることができる。器官から細胞の抽出は必要ないので記載されていない。
【0009】
F.LimおよびA.Sunは、雑誌「サイエンス」、第210巻、908〜910ページ(1980年)で、生細胞の固定化用半透膜を有するカプセルを記載し、これによりカプセルの核がPyl−I−リジン/アルギン酸塩複合体の単一層に囲まれる。これらのカプセルにより、細胞はカプセルの核から流出することが妨げられる。しかし、この膜カプセルはその比較的低い機械的安定性のために機械的処理に使用するには適さない。また、酵素以下の大きさを有する分子をその中にカプセル化することは、膜がそれに対して浸透性があるために不可能である。この方法は、米国出願US4,323,457の主題でもある。記載されたような実施態様において、それは技術的方法に適さず、細胞の抽出を扱うものでもない。
【0010】
特許出願DE43 12 970.6は、酵素およびタンパク質のみならず、生細胞の固定化にも適する膜カプセルを記載する。固定化した材料を含む核は多層のエンベロープに囲まれており、これら層のそれぞれが全エンベロープに対して一定の性質を付与する。エンベロープポリマーを有利な方法で選択することにより、酵素もカプセルにとどまりながら、さらに小さい物質や生成物は膜を通過できるように膜の浸透性を低下させることができる。しかし、これらのカプセルは現在まで実験室規模(すなわち少量で)でのみ作ることができるだけである。ここでも、細胞の抽出方法を示すものはない。
【0011】
これらすべての方法は、常にプロセスの一工程(すなわち、細胞の抽出またはカプセル化のいずれか)のみに関し、これら方法は実験室的サイズのみに適し、すなわち、技術的方法に適するものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
これら先行技術に基づいて、本発明の目的は、技術的方法において器官から生細胞を抽出、分離およびカプセル化させる方法および関連プラントを最初に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明による製造方法は、細胞抽出、細胞分離および細胞カプセル化の3段階に分類される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
細胞が抽出される器官は第1工程で個々の細胞に分解される。これは、先行技術から原理が知られている酵素プロセスにより達成される。第2工程段階では、得られた細胞懸濁液が分離されることで、さらなる処理に適切な細胞型を抗体マーカーにより混合物から分離する。得られた細胞のカプセル化が必要である場合、これは次の工程段階で達成してよい。カプセル化は、適切な細胞が第1工程で液体、通常、水溶性基本物質と混合され、ここから機械的に安定で被覆可能な粒子が、それを液滴に変え、硬化することにより得られるという原理に基づく。
【0015】
したがって、そのような方法に基づく機械は、それぞれが細胞抽出、細胞分離および細胞カプセル化の各工程段階のための3モジュールからなる。
【0016】
図1および図1aは、本発明の方法が実施されたプラントの基本的構造を示す。機械のすべての構成要素は、プラントがオートクレーブにより殺菌できるように組み立てられる。細胞抽出は器官を個々の細胞および/または細胞集塊に分解することにより達成される。これはモジュールZIで行なわれる。細胞単離モジュール(ZI)の正確な構造と操作形態を図2に示し、以下でさらに詳細に説明する。単離後、細胞混合物は細胞分離モジュールZTに移される。細胞を分離するためのモジュールZTの構造を図3に概略的に示す。その操作形態を以下に説明する。適切な細胞のそれに続くカプセル化はモジュールZVKにより実施することができる。このモジュールの構造は図4に示され、その操作形態を下記段落の1段落で説明する。
【0017】
図2はプラントの細胞単離モジュール(ZI)を概略的に示す。その操作形態は次の通りである:最近死んだ例えば動物ドナーの器官を、反応チャンバーRK中の穴のあいたプレートF1に置く。次に、酵素溶液を、定量ポンプ(例えば、ピストンポンプ)P2により容器EVから器官に供給する。そのような酵素は、例えば、コラゲナーゼであってよい。反応チャンバーが取り出せるように機械は構築されているので、器官は滅菌状態のチャンバー中に置かれ、必要であれば、酵素溶液を、供給ラインを経て器官の血管に直接供給することができる。反応チャンバーRKは、全細胞単離プロセス中に細胞培養培地で流される閉鎖系の一部を形成する。この培地は容器MVからポンプP1および熱交換器WT1のバルブV2およびV1を経て約35〜38℃まで加熱され、チャンバーRKに通される。P1は、例えば、分離可能なポンプヘッドを有するギアーポンプまたは別の自吸ポンプであってよい。よって、ポンプは機械の残りの部分とともに加圧滅菌処理することができる。熱交換器WT1は、熱センサーTF1によりチャンバーRK内の温度を検出し、それを約35〜38℃の温度に調節する加熱サーモスタットHTに連結している。この温度では、酵素コラゲナーゼは活性があり、器官の結合組織を分解して個々の細胞を抽出し、遊離させる。このプロセスを支持するために、攪拌器RAにより培養培地の乱流混合をチャンバーRK内に作る。
【0018】
遊離させた細胞はチャンバーRKを流れる培養培地により捕捉され、熱交換器WT2を経てデカンテーションチャンバーDKに入る。このプロセスにおいて、細胞を含む培養培地は約3〜8℃まで冷却されるので、酵素コラゲナーゼは不活性化される。温度は冷却サーモスタットKTにより調節される。サーモスタットKTは、デカンテーションチャンバーDK中の温度を常に検出し、その温度を約3〜8℃に調節する温度センサーTF2に連結している。培養培地(細胞を含む)用のインレットパイプはフィルターフリットF2を通ってデカンテーションチャンバーDKの内部に通じる。フィルターフリットは、例えば、特別な鋼鉄からできており、器官から単離された細胞の直径よりも小さい孔(例えば、5μm)を有する。このようにして、細胞は培養培地から分離され、フリットの下に集められる。フリットは培養培地に対して浸透性がある。後者はフリットの上部に断続的に送り込まれ、バルブV2とV1の対応する位置によってサイクルに戻される。このサイクルは、フィルターフリット2が詰まって過剰な圧力上昇がシステムに起こる場合、ポンプP1をそれに対応して調節する圧力スイッチDSも含む。バルブV3を開くことにより、単離された細胞は、デカンテーションチャンバーから細胞懸濁液ZSRとして通され、細胞分離モジュールZTに供給される。プラントを掃除する場合、対応する洗浄液はバルブV2を経て吸い込まれ、ポンプによりシステムに通される。そこを通過した後、洗浄液はV1を開くことによりサイクルから除去することができる。
【0019】
細胞単離により得られた懸濁液ZSRは異なる細胞型の混合物である。一部の用途において、懸濁液はこの形態で用いてよい。しかし、一般には、特定の細胞型を混合物から分離しなければならない。細胞混合物の分離方法はいくつかの先行技術に記載されている。密度勾配とそれに続く個々の画分の遠心という伝統的な分離方法とは別に、磁気的にマークされた抗体による分離もますます実施されるようになっている。この方法において、磁石粒子を含む特異的な抗体が用いられる。これらの抗体は特定の細胞型に沈降し、それらを磁性のあるものとし、磁場において細胞混合物からの分離を可能とする。1種類の特定の細胞型以外の全ての細胞がマークされている場合、陰性マーキングという。逆の場合で、1種類の特定の細胞型のみがマークされる場合、陽性マーキングが考慮されている。
【0020】
モジュールZIで得られた懸濁液の分離のために、本発明は特定の磁気的抗体による方法を用いる。この工程段階はモジュールZTで技術的に遂行される。このモジュールの構造を図3に概略的に示す。
【0021】
図3による細胞分離モジュールは次のように働く:ZIからの原料懸濁液ZSRを容器ZSに集め、ここでMPからの磁気的にマークした抗体が測定される。細胞のさらなる使用に応じて、この抗体は陽性または陰性マーキングのいずれかを達成する。例として、これ以降の説明は陰性マーキングに基づくものである。そのようにマークされた細胞混合物はポンプP3を経てポンプにより分離チャンバーTKに送られる。P3は、例えば、細胞懸濁液をそれらの設計によりポンプ輸送するのに適当なホースポンプまたは他のポンプである。分離チャンバーは、懸濁液が通されるチャンネルを含む。チャンバーの下に磁石Mが配置される。この磁石が永久磁石である場合、チャンバーは磁石の取り出しを可能とする機構(SRT)を有する。磁石が電磁石である場合、それを活性化または非活性化させることのできる手段による調節機構(SRT)を有する。チャンバー内で、マークされた細胞懸濁液は、マークされた細胞を保持するように磁場にさらされる。陰性マーキングの場合、さらなる処理に適切な細胞のみが液体によりVTを経て運ばれる。細胞培養培地中に均一細胞懸濁液ZS2を得る。磁場を取り除くことにより、マークされた細胞はここでさらに液体により運ばれ、バルブVTを切り替えることにより細胞懸濁液ZS1として流しだされる。
【0022】
得られた細胞は懸濁液ZS1またはZS2として直接用いてよい。しかし、きわめて多くの細胞を用いて、それらをさらなる工程でカプセル化することが有利である。このように、細胞の持続性を高めることができ、それらの操作を向上させることができる。
【0023】
図4は、プロセスの細胞カプセル化モジュールZVKを概略的に示す。それは、細胞を、いわゆる膜カプセル中のみならず、膜のないカプセル中にもカプセル化できる。攪拌器RA2を備えた混合容器MIにおいて、細胞懸濁液ZS2を、基本材料溶液GL、好ましくはアルギン酸ナトリウムに懸濁または溶解させる。次に、この基本材料懸濁液または溶液はV8を経て圧力容器DBに運ばれ、そこからV3を経てカプセル化反応装置VRに運ばれる。これは図3に示されるように圧縮空気により達成することができるか(バルブDRVおよびマノメーターMによる調節)、またはポンプ、ねじコンベヤー等を用いてもよい。次に、ノズルヘッドDSKを用いて、この懸濁液または溶液を沈殿槽に注入することにより小球体を形成する。これは、例えばアルギン酸塩が用いられている場合、多価塩溶液による複合体形成によるか、または他の基本材料が用いられる場合、物理的パラメーター、例えば温度を変えることにより達成することができる。液体を液滴に変えるために、望まれるサイズ、生産性およびサイズ分布に基づいて幾つかの方法を利用してよい。この目的を達成するために、液滴が気流により分離する毛細管を有するノズル、または液滴分離が振動、静電偏向等により達成されるノズルを用いることができる。
【0024】
液滴を沈殿槽に浸すと、液滴はゲルに変わり、カプセル化すべき材料を取り囲む。注入プロセスの開始前に、必要とされる沈殿剤は、ポンプP4によってバルブV4、V6、V7を経て容器VB1からカプセル化反応装置に運ばれる。液体の接線導入のために、さらなる攪拌は必要とされない。液滴の製造中、沈殿剤は、バルブV6とV7の適当な位置により、およびポンプP4によりサイクル内で運ばれる。一旦、液滴生産が完了して粒子が硬化すると、沈殿剤をバルブV6、V7およびV5を経て容器VB1にポンプで戻される。試薬が使い果たされたら、V5の対応する位置により廃棄してもよい。次に、小球体を過剰の沈殿剤から取り除き、すなわち、洗浄するように、洗浄液はポンプによりバルブV4、V6およびV7を経て反応装置VRに送られる。
【0025】
小球体の被覆が望まれる場合、対応するコーティング溶液が、類似のプロセスで、ポンプにより容器VB2、VB3等から反応装置VRに送られ、再びそこから除去できる。ゲル粒子の被覆は粒子をそれぞれのコーティング溶液に接触させることにより達成される。これらは、カプセルの表面上にいわゆる高分子電解質複合体層を形成するキトサン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ポリアクリル酸等のアニオン基またはそれぞれカチオン基を有するポリマーの希釈水溶液である。P43 12 970.6に記載されているように、粒子をこれらの溶液中に繰り返し浸すことにより、カプセルエンベロープの数層が形成される。
【0026】
バルブAV2を経て、カプセル化細胞は懸濁液ZKとして反応装置VRから流しだされる。その後の応用分野に基づいて、該カプセルは以降インキュベート、凍結または乾燥してよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明の方法が実施されたプラントの基本的構造を示す。
【図1a】図1aは、本発明の方法が実施されたプラントの基本的構造を示す。
【図2】図2はプラントの細胞単離モジュール(ZI)を概略的に示す。
【図3】図3はモジュール(ZT)を概略的に示す。
【図4】図4は、プロセスの細胞カプセル化モジュールZVKを概略的に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
器官からの生細胞の抽出および/またはカプセル化の方法およびプラントにおいて、細胞を含有する器官が酵素的プロセスで個々の細胞および/または細胞塊へと分解され、続いて関連がある細胞が、こうして得られた細胞混合物から単離され、次にカプセル化できることを特徴とする方法およびプラント。
【請求項2】
約35〜38℃に加熱した栄養液を器官周囲に流し、
酵素により器官から細胞を抽出し、
抽出細胞を懸濁液の形で栄養液中を移動させ、
こうして得られた細胞懸濁液を約3〜8℃まで冷却し、
多孔性フリットを用いて細胞を懸濁液から分離することにより細胞懸濁液を濃縮し、
細胞の分離後、栄養液をサイクルに戻し、
磁気的にマークされた抗体により濃縮懸濁液中の特定細胞型をマークし、
そのようにマークされた細胞を懸濁液から磁場中で分離し、
関連がある細胞フラクションを基本材料中に懸濁し、
この基本材料懸濁液を液滴に変換し、
液滴を沈殿し、
沈殿により形成された小球体を洗浄液中ですすぎ、懸濁し、
多カチオン性ポリマー溶液を小球体周囲に流し、小球体の表面に陽イオン電荷を形成し、
小球体を洗浄液で洗浄し、
小球体を洗剤溶液で洗浄し、
多アニオン性ポリマー溶液を小球体周囲に流し、小球体の表面に陰イオン電荷を形成し、
沈殿により形成された小球体を洗浄液中ですすぎ、懸濁し、
細胞との沈殿により形成された小球体を細胞培養物中に懸濁し、
細胞を有する小球体をインキュベートし、
細胞を有する小球体を凍結し、
細胞を有する小球体を乾燥する、複数回繰り返すこともできるこれら工程の一部またはすべてを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
細胞単離に用いられる酵素がコラゲナーゼであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
カプセル化のためにその中で細胞を攪拌させる基本材料が可溶性天然材料または合成材料であることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の方法。
【請求項5】
基本材料が、機械的手段、好ましくは、ねじコンベヤーまたはポンプにより液滴を作る装置に運ばれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
基本材料が、液滴を作るための装置に空気圧により運ばれることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
液滴を作るための装置が反応装置の一部を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
基本材料が、振動、気流、回転運動(遠心力)および/または乳化により液滴に変えられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
作られた液滴が化学的に、例えば塩の影響により沈殿させることができることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
作られた液滴が物理的、例えば温度変化により沈殿させることができることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
沈殿させた液滴が、器官から抽出させた生細胞を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
沈殿させた液滴が、沈殿槽で懸濁し続けることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
沈殿させた液滴が、攪拌により沈殿槽で懸濁し続けることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
沈殿させた液滴が、周囲の媒体の流速により沈殿槽で懸濁し続けることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
沈殿させた液滴が、それらの周囲に適当なポリマー溶液を流すことにより被覆されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
沈殿させた液滴が、被覆されている間、懸濁し続けることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
沈殿させた液滴が、被覆されている間、攪拌することにより懸濁し続けることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
沈殿させた液滴が、被覆されている間、周囲の媒体の流速により懸濁し続けることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
被覆された小球体が、核を十分に取り囲むエンベロープを有し、よってカプセル化された材料を有することを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
被覆された小球体のエンベロープが1つ以上の放射状に配置された層から形成されることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
エンベロープの層が異なる密度の複数の部分であってよいことを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
被覆された小球体が、未乾燥、すなわち湿った状態で保存でき使用できることを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
被覆された小球体が凍結乾燥できることを特徴とする請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
被覆された小球体が風乾できることを特徴とする請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
沈殿および/または被覆のために適用される溶液が濃縮物として使用されるか、または希釈された形で使える状態にあることを特徴とする請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法にしたがって働くプラントにおいて、下記の主要構成要素:
穴の開いたプレートと攪拌器とを含む、器官を受け入れる反応チャンバー(RK)、
冷却(KT)および加熱(HT)サーモスタット、
液体の温度を調節するための熱交換器(WT1、WT2)、
多孔性フリットおよび管状フィードスルーを有するデカンテーション容器(DK)、
マークされた混合物を磁場で分離するチャンバー(TK)、
基本材料および細胞用の混合容器(MI)、
沈殿槽用の容器(VB1)、
コーティング溶液用の容器(VB2、VB3等)、
基本材料細胞懸濁液を液滴に変え、それを沈殿させるための反応容器(VR)、
被覆された小球体を乾燥するための装置、
ポンプ(P1、P2、P3)およびバルブ(V1、V2、…)、
対応する制御部品、の一部を含むことを特徴とする請求項1に記載のプラント。
【請求項27】
図1およびそれぞれ図1aにしたがって働き、および/またはその構成要素が図1およびそれぞれ図1aにしたがって配列され、および/または互いに連結されることを特徴とする請求項1〜26のいずれか1項に記載のプラント。
【請求項28】
図2にしたがって働く細胞単離モジュールを含み、および/またはその構成要素が、図2にしたがって配列され、および/または互いに連結されることを特徴とする請求項1〜27のいずれか1項に記載のプラント。
【請求項29】
図3にしたがって働く細胞分離モジュールを含み、および/またはその構成要素が、図3にしたがって配列され、および/または互いに連結されることを特徴とする請求項1〜28のいずれか1項に記載のプラント。
【請求項30】
図4にしたがって働く細胞カプセル化モジュールを含み、および/またはその構成要素が、図4にしたがって配列され、および/または互いに連結されることを特徴とする請求項1〜29のいずれか1項に記載のプラント。

【図1】
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【図1a】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−535312(P2007−535312A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501173(P2007−501173)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001893
【国際公開番号】WO2005/087921
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(506259380)カヴィス マイクロカプス ゲーエムベーハー (6)
【Fターム(参考)】