説明

器官原基形成方法、及び器官原基

【課題】生体内培養を必要とすることなく、生体外培養において、器官原基を形成することができる器官原基形成方法、及び該器官原基形成方法により形成された器官原基の提供。
【解決手段】本発明の器官原基形成方法は、アーリーES細胞を、ヒト子宮頸部扁平上皮癌細胞株の無血清増殖株の順化培養液に含まれる成分を含む培養液中で培養し、胚様体を形成する胚様体形成工程と、
前記胚様体を、ヒト子宮頸部扁平上皮癌細胞株の無血清増殖株の順化培養液に含まれる成分を含む培養液中で培養し、胚子様構造体を形成する胚子様構造体形成工程と、
を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アーリーES細胞を用いた器官原基形成方法、及び器官原基に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、機能障害又は機能不全に陥った器官の機能を回復させることを目的とした、再生医療技術が注目されている。この技術分野では、機能障害等を有する器官と代替可能な、人工器官の提供が望まれている。この種の人工器官には、正常な機能を備えることと共に、インビボ(in vivo)(生体内培養)を介さない技術によって形成されていることが求められる。何故ならば、異種・同種移植を介して形成された器官には、免疫拒絶、ウイルス等の感染の危険性があるからである。
そのため、そのような感染等の問題のない、インビトロ(in vitro)(生体外培養)において、器官形成することが求められている。
【0003】
例えば、歯科領域においても、歯の再生が望まれており、人工的な歯の原基の形成方法が提案されている。非特許文献1では、生後六ヶ月齢のブタの未萌出の第三大臼歯から得られた、歯胚由来の多種類の細胞を含む細胞懸濁液を、歯の形に整形した生分解吸収ポリマーに播種して、人工歯胚を調製し、この人工歯胚を、血流が豊富であり、栄養及び酸素の供給が十分得られるラットの大網(腹腔内にある脂肪の膜)に異種移植することによって、生体内培養に基づく技術が提案され、移植から25〜30週間後に、エナメル質、象牙質、歯髄等の小さな歯牙様組織が移植体中で確認されている。
【0004】
また、非特許文献2では、上皮−間葉相互作用に着目して、歯の発生のプロセスを再現する手法が提案されている。この非特許文献2では、胎齢10日目のマウス胎仔から採取した歯胚上皮と、歯胚由来ではない3種類の幹細胞を、歯胚間葉の代わりとして組み合わせて人工歯胚を作製している。その作製に続いて、人工歯胚を成体マウスの腎臓の被膜下に同種移植して、生体内培養により12日間成長させることによって、歯を形成している。
【0005】
上記非特許文献1及び2に示されるように、これまでは、生体内培養を必要とする歯の原基の形成方法のみが知られていた。また、非特許文献3に示されるように、生体外培養では、完全な歯や骨の形成は不可能であるため、異種・同種移植(生体内培養)に頼らざるを得ないのが現状であった。
【0006】
【非特許文献1】Young CS,Terada S, Vacanti JP, Honda M, Bartlett JD, Yelick PC, Tissue engineering of complex tooth structures on biodegradable polymer scaffolds;J Dent Res,81,695−700,2002
【非特許文献2】Modino SA,Sharpe PT; Tissue engineerring of teeth using adult stem cells; Arch Oral Biol,50,255−258,2005
【非特許文献3】日本歯科医師会雑誌、Vol. 60、No. 7、2007−10、657−674
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記した従来の諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、生体内培養を必要とすることなく、生体外培養において、器官原基を形成することができる器官原基形成方法、及び該器官原基形成方法により形成された器官原基を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明者らは、鋭意検討した結果、以下のような知見を得た。即ち、本発明者らは、アーリーES細胞を、ヒト子宮頸部扁平上皮癌細胞株の無血清増殖株の順化培養液(conditioned medium)に含まれる成分を含む培養液中で培養し、胚様体を形成し、前記胚様体を、ヒト子宮頸部扁平上皮癌細胞株の無血清増殖株の順化培養液に含まれる成分を含む培養液中で培養することにより、胚子様構造体中に器官原基を形成できることを知見し、本発明の完成に至った。
【0009】
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 器官原基形成方法であって、
アーリーES細胞を、ヒト子宮頸部扁平上皮癌細胞株の無血清増殖株の順化培養液に含まれる成分を含む培養液中で培養し、胚様体を形成する胚様体形成工程と、
前記胚様体を、ヒト子宮頸部扁平上皮癌細胞株の無血清増殖株の順化培養液に含まれる成分を含む培養液中で培養し、胚子様構造体を形成する胚子様構造体形成工程と、
を含むことを特徴とする器官原基形成方法である。
<2> 器官原基が、歯の原基である前記<1>に記載の器官原基形成方法である。
<3> 前記<1>から<2>のいずれかに記載の方法により得られることを特徴とする器官原基である。
<4> 器官原基が、歯の原基である前記<3>に記載の器官原基である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、前記従来の諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、生体内培養を必要とすることなく、生体外培養において、器官原基を形成することができる器官原基形成方法、及び該器官原基形成方法により形成された器官原基を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(器官原基形成方法、及び器官原基)
<器官原基形成方法>
本発明の器官原基形成方法は、胚様体形成工程と、胚子様構造体形成工程とを少なくとも含み、必要に応じて、摘出工程などのその他の工程を含んでなる。
【0012】
−胚様体形成工程−
前記胚様体形成工程は、アーリーES細胞を、ヒト子宮頸部扁平上皮癌細胞株の無血清増殖株の順化培養液(conditioned medium)に含まれる成分を含む培養液中で培養し、胚様体を形成する工程である。
【0013】
−−アーリーES細胞(early embryonic stem cells)−−
前記アーリーES細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マウス、ラットなどの齧歯類由来の幹細胞、ブタ、サルやヒトなどの霊長類由来の幹細胞、あるいは、前記動物由来のES細胞、人工多能性幹細胞、組織由来多能性幹細胞などの幹細胞を用いることができる。
前記アーリーES細胞の取得方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Ishiwata I et al. Hum Cell 14, 283−291, 2001.に記載の方法により、取得することができる。
【0014】
−−培養液−−
前記胚様体形成工程の培養液は、ヒト子宮頸部扁平上皮癌細胞株の無血清増殖株の順化培養液に含まれる成分(以下、「ETFs(Embryotrophic factors)」と称することがある)を少なくとも含み、必要に応じてその他の成分を含んでいる。
前記培養液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、DMEM/F12、HAM F12、α−MEM、などが挙げられる。
【0015】
−−−ETFs−−−
前記ETFsの調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒト子宮頸部の扁平上皮癌細胞株(SKG−II)由来の無血清増殖株(SKG−II−SF)を培養し、その培養液を脱塩後、凍結乾燥する方法が挙げられる。
前記ETFsに含まれる成分としては、例えば、IL−1α、IL−1β、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−9、IL−10、IL−12、EGF、TNF−α、TGF−α、IGF−I、GH、PDGF−AB、IGF−BP−3、FGF−2、VEGF、LIF、HGF、などが挙げられる。
前記各成分のETFs中の一般的な含有量としては、例えば、以下が挙げられる。
IL−1α(Interleukin−1α)・・・≦3.0pg/mL
IL−1β(Interleukin−1β)・・・100pg/mL〜200pg/mL
IL−2(Interleukin−2)・・・≦5.0pg/mL
IL−3(Interleukin−3)・・・≦31pg/mL
IL−4(Interleukin−4)・・・≦2.0pg/mL
IL−5(Interleukin−5)・・・≦5.0pg/mL
IL−6(Interleukin−6)・・・50pg/mL〜150pg/mL
IL−9(Interleukin−9)・・・400pg/mL〜500pg/mL
IL−10(Interleukin−10)・・・≦5.0pg/mL
IL−12(Interleukin−12)・・・≦7.8pg/mL
EGF(Epidermal growth factor)・・・0.5ng/mL〜2.0ng/mL
TNF−α(Tumor necrosis factor−α)・・・≦5.0pg/mL
TGF−α(Transforming growth factor−α)・・・≦5.0pg/mL
IGF−I(Insulin−like growth factor−I)・・・≦6.3ng/mL
GH(Growth Hormone)・・・0.1ng/mL〜0.5ng/mL
PDGF−AB(Platelet−derived growth factor−AB)・・・450pg/mL〜550pg/mL
IGF−BP−3(Insulin−like growth factor−binding protein−3)・・・≦0.2μg/mL
FGF−2(Fibroblast growth factor−2)・・・35pg/mL〜45pg/mL
VEGF(Vascular endothelial growth factor)・・・1ng/mL〜10ng/mL
LIF(Leukemia inhibitory factor)・・・25pg/mL〜35pg/mL
HGF(Hepatocyte growth factor)・・・0.5ng/mL〜1.5ng/mL
【0016】
前記培養液中における前記ETFsの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1体積%〜12体積%が好ましく、5体積%〜10体積%がより好ましい。前記ETFsの含有量が、1体積%未満、又は、12体積%より大きいとアーリーES細胞の培養が困難となることがある。一方、前記ETFsの含有量が、前記より好ましい範囲内であると、胚様体の形成効率が良い点で有利である。
なお、前記ETFsに代えて、前記ETFsに含まれる各成分の市販品を培養液に添加してもよい。
【0017】
前記培養液に含まれるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、FBS(fetal bovine serum)、非必須アミノ酸溶液、ペニシリン、ストレプトマイシン、ファンギゾン、L−グルタミン酸、アスコルビン酸、などが挙げられる。
【0018】
−−培養−−
前記胚様体形成工程の培養の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、懸濁培養法が好ましい。
前記培養の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、37℃が好ましい。
前記胚様体形成工程の培養の期間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。通常、懸濁培養法により24時間〜48時間で胚様体が形成される。
【0019】
−胚子様構造体形成工程−
前記胚子様構造体形成工程は、前記胚様体を、ヒト子宮頸部扁平上皮癌細胞株の無血清増殖株の順化培養液に含まれる成分を含む培養液中で培養し、胚子様構造体を形成する工程である。
これにより、胚子様構造体中に器官原基を形成することができる。
【0020】
−−培養液−−
前記胚子様構造体形成工程の培養液は、ヒト子宮頸部扁平上皮癌細胞株の無血清増殖株の順化培養液に含まれる成分(以下、「ETFs(Embryotrophic factors)」と称することがある)を少なくとも含み、必要に応じてその他の成分を含んでいる。
【0021】
前記培養液、ETFs、その他の成分は、上述の胚様体形成工程の培養液と同様のものを用いることができる。
【0022】
前記培養液中における前記ETFsの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1体積%〜12体積%が好ましく、5体積%〜10体積%がより好ましい。前記ETFsの含有量が、1体積%未満、又は、12体積%より大きいと歯の原基の形成が困難となることがある。一方、前記ETFsの含有量が、前記より好ましい範囲内であると、歯の原基の形成効率が良い点で有利である。
なお、前記ETFsに代えて、前記ETFsに含まれる各成分の市販品を培養液に添加してもよい。
【0023】
−−培養−−
前記胚子様構造体形成工程の培養の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、灌流培養法が好ましい。
図6に、前記灌流培養法に用いる装置の一例の模式図を示す。図6中、61は、灌流培養における空気(5% CO、95% air)を示し、該空気の流れを矢印で示す。また、62は、培養液を示し、該培養液の流れを矢印で示す。なお、63は、ポリテトラフルオロエチレンチューブを示し、64は、デュアルポンプを示し、65は、ローズチャンバーを示す。
また、図7A、及び図7Bにローズチャンバーの一例の模式図を示す。図7Aは、ローズチャンバーの正面図(前から見た図)である。図7A中、71は、雲母を示し、72は、カバーガラスを示し、73は、シリコンガスケットを示す。図7Bは、ローズチャンバーの平面図(上から見た図)である。
前記培養の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、37℃が好ましい。
前記胚子様構造体形成工程の培養の期間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。通常、1ヶ月程で完全な胚子様構造体が形成される。
【0024】
前記胚子様構造体内に形成される器官原基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、歯、脳・脊髄、心臓、肺、気管、肝臓、膵臓(ラ島を含む)、腎臓、消化管、下垂体、甲状腺、骨、軟骨、表皮、毛包、網膜、水晶体などの原基が挙げられる。中でも、歯の原基が好適に形成される。
【0025】
<その他の工程>
−摘出工程−
前記摘出工程は、前記胚子様構造体から器官原基を摘出する工程である。
前記摘出の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0026】
<器官原基>
本発明の器官原基形成方法によって得ることができる上記器官原基は、再生医療の原料として好適に用いることができる。
【実施例】
【0027】
以下に本発明の実施例について説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0028】
(実施例1)
<マウス アーリーES細胞を用いた器官原基の形成>
−マウス アーリーES細胞の準備−
マウス アーリーES細胞は、Ishiwata I et al.Hum Cell 14, 283−291, 2001.に記載の方法に従って準備した。
受精後、通法により過排卵処理をしたマウスの卵管から、2細胞期胚を採取した(図1)。前記2細胞期胚を、ETFsを添加した培養液中で単層培養し、3胚葉胚(図2の21)を誘導した。前記3胚葉胚の胚外に成長(outgrowth)した小型球形細胞群(図2の22)を濾紙法にてコロニアルクローニング(colonial cloning)し、マウス アーリーES細胞を得た。
【0029】
−胚様体形成工程−
前記マウス アーリーES細胞を、15%FBS含有DMEM/F12培養液に下記組成のETFsを0.1mL/mL添加した培養液中で、37℃で48〜72時間、懸濁培養(1×10個/drop)し、胚様体を得た。
図3、図4は、懸濁培養の説明図である。図4中、41は、アーリーES細胞塊を示す。
【0030】
−−ETFs−−
前記ETFsは、ヒト子宮頸部の扁平上皮癌細胞株(SKG−II)の無血清増殖株(SKG−II−SF、理化学研究所バイオリソースセンター細胞銀行、登録番号RCB0685)を、DMEM/F12培地で4日間静置培養し、その順化培養液(conditioned medium)を凍結乾燥、限外濾過により脱塩し、調製した。
前記天然ETFsには、次の成分が含まれていた。
IL−1α ・・・ ≦3.0pg/mL
IL−1β ・・・ 163pg/mL
IL−2 ・・・ ≦5.0pg/mL
IL−3 ・・・ ≦31pg/mL
IL−4 ・・・ ≦2.0pg/mL
IL−5 ・・・ ≦5.0pg/mL
IL−6 ・・・ 104pg/mL
IL−9 ・・・ 453pg/mL
IL−10 ・・・ ≦5.0pg/mL
IL−12 ・・・ ≦7.8pg/mL
EGF ・・・ 1.3ng/mL
TNF−α ・・・ ≦5.0pg/mL
TGF−α ・・・ ≦5.0pg/mL
IGF−I ・・・ ≦6.3ng/mL
GH ・・・ 0.17ng/mL
PDGF−AB ・・・ 510pg/mL
IGF−BP−3 ・・・ ≦0.2μg/mL
FGF−2 ・・・ 37pg/mL
VEGF ・・・ ≧1,000pg/mL
LIF ・・・ 31pg/mL
HGF ・・・ 1.1ng/mL
【0031】
−胚子様構造体形成工程−
前記胚様体を、15%FBS含有DMEM/F12培養液に上記組成のETFsを0.1mL/mL添加した培養液中で、37℃で、灌流培養した。
図5は、本実施例で用いた灌流培養装置の説明図である。図5中、51は培養液交換用ウィンドウを示し、52は装置内温度維持センサーを示し、53は培養チャンバー・チャンバーラックを示し、54は灌流用ポンプを示し、55は保温ヒーター付き培養液ボトルを示す。
前記培養28日後には、胚子様構造体の形成が確認された(図8)。また、胚子様構造体内には、表皮・毛包(図9)、気管(図10)、心臓(図11)、網膜(図12)、神経管(図13)、消化管(図14)、骨・軟骨(図15)、歯(図16〜図18)の原基の形成が確認された。
なお、図9中、矢印は、毛包(毛の原基)を示す。図10中、矢印は、気管上皮の線毛を示す。図11中、111は、心筋層を示し、112は、弁を示す。図12中、121は、網膜神経細胞層を示し、122は、網膜の色素上皮層(メラニン色素の沈着)を示す。図15中、151は、骨を示し、152は、軟骨を示す。図16中、161は、歯冠形成期(前期)の歯胚を示す。図18中、181は、エナメル質を示し、182は、象牙質を示し、183は、エナメル芽細胞を示し、184は、象牙芽細胞を示す。
【0032】
上記に示したように、マウス アーリーES細胞から、生体外培養により、器官原基を形成できることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の器官原基形成方法は、生体外培養において、器官原基を形成することができる。また、本発明の器官原基は、その構成細胞を全て含んでいるため、本来の器官が有する機能を全て得ることが可能である。したがって、再生医療の原料として好適に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、マウスの卵管から採取した2細胞期胚の説明図である。
【図2】図2は、単層培養により誘導された3胚葉胚の説明図である。
【図3】図3は、懸濁培養法の一例の説明図である。
【図4】図4は、図3の囲みA部分を拡大した説明図である。
【図5】図5は、灌流培養装置の一例の説明図(写真)である。
【図6】図6は、灌流培養装置の一例の説明図(模式図)である。
【図7A】図7Aは、ローズチャンバーの一例の正面図である。
【図7B】図7Bは、ローズチャンバーの一例の平面図である。
【図8】図8は、実施例1の培養28日後の胚子様構造体の一例を示す説明図である。
【図9】図9は、実施例1の胚子様構造体中の表皮・毛包の原基を示す説明図である。
【図10】図10は、実施例1の胚子様構造体中の気管の原基を示す説明図である。
【図11】図11は、実施例1の胚子様構造体中の心臓の原基を示す説明図である。
【図12】図12は、実施例1の胚子様構造体中の網膜の原基を示す説明図である。
【図13】図13は、実施例1の胚子様構造体中の神経管の原基を示す説明図である。
【図14】図14は、実施例1の胚子様構造体中の消化管の原基を示す説明図である。
【図15】図15は、実施例1の胚子様構造体中の骨・軟骨の原基を示す説明図である。
【図16】図16は、実施例1の胚子様構造体中の歯の原基(歯冠形成期(前期))を示す説明図である。
【図17】図17は、実施例1の胚子様構造体中の歯の原基(歯冠形成期(後期))を示す説明図である。
【図18】図18は、図17の囲みB部分を拡大した説明図である。
【符号の説明】
【0035】
21 3胚葉胚
22 小型球形細胞群
41 アーリーES細胞塊
51 培養液交換用ウィンドウ
52 装置内温度維持センサー
53 培養チャンバー・チャンバーラック
54 灌流用ポンプ
55 保温ヒーター付培養液ボトル
61 空気(5% CO、95% air)
62 培養液
63 ポリテトラフルオロエチレン チューブ
64 デュアル ポンプ
65 ローズ チャンバー
71 雲母
72 カバーガラス
73 シリコンガスケット
111 心筋層
112 弁
121 網膜神経細胞層
122 網膜の色素上皮層(メラニン色素の沈着)
151 骨
152 軟骨
161 歯冠形成期(前期)の歯胚
181 エナメル質
182 象牙質
183 エナメル芽細胞
184 象牙芽細胞

【特許請求の範囲】
【請求項1】
器官原基形成方法であって、
アーリーES細胞を、ヒト子宮頸部扁平上皮癌細胞株の無血清増殖株の順化培養液に含まれる成分を含む培養液中で培養し、胚様体を形成する胚様体形成工程と、
前記胚様体を、ヒト子宮頸部扁平上皮癌細胞株の無血清増殖株の順化培養液に含まれる成分を含む培養液中で培養し、胚子様構造体を形成する胚子様構造体形成工程と、
を含むことを特徴とする器官原基形成方法。
【請求項2】
器官原基が、歯の原基である請求項1に記載の器官原基形成方法。
【請求項3】
請求項1から2のいずれかに記載の方法により得られることを特徴とする器官原基。
【請求項4】
器官原基が、歯の原基である請求項3に記載の器官原基。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−47510(P2010−47510A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−212593(P2008−212593)
【出願日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成20年2月22日 日本再生医療学会発行の「再生医療 第7巻/増刊号[通巻27号]2008 (第7回日本再生医療学会総会 プログラム・抄録)」に発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成20年3月20日 株式会社羊土社発行の「実験医学 第26巻 第5号[通巻413号]2008 (再生医療へ進む最先端の幹細胞研究 注目のiPS・ES・間葉系幹細胞などの分化・誘導の基礎と、各種疾患への臨床応用)」に発表
【出願人】(502397369)学校法人 日本歯科大学 (20)
【Fターム(参考)】