噴霧乾燥プロセス
本発明は、
(i)アニオン性洗浄界面活性剤と、
(ii)0重量%〜10重量%のゼオライトビルダーと、
(iii)0重量%〜10重量%のホスフェートビルダーと、
(iv)任意により、0重量%〜15重量%のケイ酸塩とを含む、噴霧乾燥粉末を調製するためのプロセスであって、
このプロセスは、
(a)ミキサー内でアルカリ性スラリーを形成する工程であって、このスラリーは、
(v)0重量%〜15重量%のアニオン性洗浄界面活性剤、及び
(vi)0重量%〜35重量%の水を含む、工程と、
(b)アルカリ性スラリーをミキサーから、少なくとも1つのポンプを通じて噴霧圧ノズルへと移送する工程と、
(c)ミキサーの後かつ噴霧圧ノズルの前に、酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体をアルカリ性スラリーに接触させて混合物を形成する工程と、
(d)噴霧圧ノズルを通じて、噴霧乾燥塔に混合物を噴霧する工程と、
(e)混合物を噴霧乾燥して噴霧乾燥粉末を形成する工程と、
(f)任意により、アルカリ源をアルカリ性スラリー及び/若しくは酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体、並びに/又は混合物と接触させる工程とを含む。
(i)アニオン性洗浄界面活性剤と、
(ii)0重量%〜10重量%のゼオライトビルダーと、
(iii)0重量%〜10重量%のホスフェートビルダーと、
(iv)任意により、0重量%〜15重量%のケイ酸塩とを含む、噴霧乾燥粉末を調製するためのプロセスであって、
このプロセスは、
(a)ミキサー内でアルカリ性スラリーを形成する工程であって、このスラリーは、
(v)0重量%〜15重量%のアニオン性洗浄界面活性剤、及び
(vi)0重量%〜35重量%の水を含む、工程と、
(b)アルカリ性スラリーをミキサーから、少なくとも1つのポンプを通じて噴霧圧ノズルへと移送する工程と、
(c)ミキサーの後かつ噴霧圧ノズルの前に、酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体をアルカリ性スラリーに接触させて混合物を形成する工程と、
(d)噴霧圧ノズルを通じて、噴霧乾燥塔に混合物を噴霧する工程と、
(e)混合物を噴霧乾燥して噴霧乾燥粉末を形成する工程と、
(f)任意により、アルカリ源をアルカリ性スラリー及び/若しくは酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体、並びに/又は混合物と接触させる工程とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴霧乾燥プロセスに関連する。
【背景技術】
【0002】
洗濯用洗剤組成物は、典型的には、噴霧乾燥粉末を形成するために、アニオン性洗浄界面活性剤を含む水性スラリーを噴霧乾燥する工程を含むプロセスによって作製される。典型的には、この噴霧乾燥する工程は、洗濯用洗剤粉末の製造における律速工程である。これは、より高い乾燥負荷を有する、低ビルダーの配合物について特に当てはまる。増加する世界的な洗濯用洗剤粉末の体積の需要の増加に伴い、多くの洗剤メーカーの噴霧乾燥塔は、最大容量に達しているか、又はこれに近づいている。その既存の噴霧乾燥施設の最大容量を増加させるために、洗剤メーカーは、追加的な若しくは改善された噴霧乾燥設備に投資するか、及び/又は噴霧乾燥された洗濯用洗剤粉末の配合複合性を増加させる加工助剤でその噴霧乾燥粉末を配合するかのいずれかを行わなくてはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発明者らは、ミキサー内の水性スリラーからアニオン性洗浄界面活性剤の少なくともいくらかを取り、噴霧乾燥プロセスの後の工程で(すなわち、アルカリ性スラリーに)その酸前駆体を加えることによって、及びミキサー内のアルカリ性スラリーの水分レベルを注意深く制御することによって、噴霧乾燥プロセスの容量能率(capacity rate)が、追加的な噴霧乾燥設備への投資の必要性、又は加工助剤の導入の必要性なくして著しく改善されることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、請求項1に定義されるプロセスに関連する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
噴霧乾燥プロセス
本プロセスは、(a)ミキサー内でアルカリ性スラリーを形成する工程と、(b)アルカリ性スラリーをミキサーから、少なくとも1つのポンプを通じて噴霧圧ノズルへと移送する工程と、(c)ミキサーの後かつ噴霧圧ノズルの前に、酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体をアルカリ性スラリーに接触させて混合物を形成する工程と、(d)噴霧圧ノズルを通じて、噴霧乾燥塔内に混合物を噴霧する工程と、(e)混合物を噴霧乾燥して噴霧乾燥粉末を形成する工程と、(f)任意により、アルカリ源をアルカリ性スラリー及び/若しくは酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体、並びに/又は混合物と接触させる工程とを含む。各プロセス工程は、以下で、より詳細に記載される。
【0006】
工程(a)
工程(a)では、ミキサー内でアルカリ性スラリーが形成される。工程(a)における好ましいミキサーは、クラッチャーミキサーである。ミキサー内のアルカリ性スラリーは、好ましくは、典型的に50℃〜90℃の範囲内で加熱される。ミキサー内のスラリーを加熱するために、飽和蒸気が使用され得る。好ましくは、スラリーを形成する液体成分の全てが、ミキサーに加えられる前に加熱され、スラリーはミキサー内で高温に維持されることが好ましい。これらの温度は好ましくは50℃〜90℃の範囲内である。
【0007】
典型的には、ミキサー内のスラリーの滞留時間は、20秒〜600秒の範囲内である。
【0008】
工程(a)におけるミキサーは典型的には、その設置された電源出力が50kW〜100kWの範囲内になるような、モーターサイズを有する。
【0009】
工程(b)
工程(b)では、アルカリ性スラリーがミキサーから、少なくとも1つのポンプを通じて噴霧圧ノズルに移送される。典型的には、アルカリ性スラリーはまず低圧ラインに移送される。低圧ラインは典型的には、4.0×105Pa〜1.2×106Paの範囲の圧力を有する。典型的には、アルカリ性スラリーは次に高圧ラインにポンプ移送される。高圧ラインは典型的には4.0×106Pa〜1.2×107Paの範囲内の圧力を有する。典型的には、アルカリ性スラリーを低圧ラインから高圧ラインに移送するために、高圧ポンプが使用される。好ましくは高圧ポンプはピストンポンプである。
【0010】
典型的には、アルカリ性スラリーは、工程(b)の間に第2ミキサーを通過する。第2ミキサーは、好ましくはスラリー離解機である。第2ミキサーは、典型的には、1,000rpm〜3,000rpmで動作する。この第2ミキサーは、スラリー中の固体物質の粒径を低減させる。工程(b)の最後におけるスラリー内の固体物質の粒径は、好ましくは2.0mm未満である。これは、噴霧圧ノズルの閉塞の危険性を緩和する。
【0011】
工程(c)
工程(c)では、ミキサーの後かつ噴霧圧ノズルの前に、酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体がアルカリ性スラリーと接触して混合物を形成する。好ましくは、酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体は、低圧ライン内でアルカリ性スラリーと接触する。しかしながら、酸系アニオン性界面活性剤前駆体は、高圧ライン内デアルカリ性スラリーと接触してもよい。典型的には、酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体の温度は、これがアルカリ性スラリーと接触する際、20℃〜50℃の範囲内である。典型的には、アルカリ性スラリーの流量の、酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体の流量に対する比率は制御される。この制御は、典型的には、酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体に質量流量計を通過させ、低圧ラインにポンプ移送される前に、アルカリ性スラリーが典型的に内部に移送される保持タンクに設置された秤量システムにおける減少によってアルカリ性スラリーの質量流量を監視することによって達成される。アルカリ性スラリーの流量の、酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体の流量に対する比率は、典型的には2.5:1〜25:1、好ましくは5:1〜、又は8:1〜、好ましくは〜20:1、又は〜15:1である。
【0012】
工程(d)
工程(d)において、噴霧圧ノズルを通じて、噴霧乾燥塔内に混合物が噴霧される。典型的には、混合物は、4.0×106Pa〜1.2×107Paの範囲内の圧力で噴霧される。典型的には、混合物は、1,000kghr−1〜70,000kghr−1の範囲内の質量流量で噴霧される。典型的には、複数のノズルがプロセスにおいて使用され、好ましくはノズルが噴霧乾燥塔全体にわたって、異なる高さで円周方向の様式で位置付けられる。ノズルは好ましくは、塔内の空気流に対して逆流する様式で位置付けられる。
【0013】
工程(e)
工程(e)では、混合物が噴霧乾燥されて、噴霧乾燥粉末を形成する。典型的には、吸気口の温度は、200℃〜350℃の範囲内である。典型的には、吸気口の流量は、50,000〜150,000kgm−3の範囲内である。
【0014】
任意の工程(f)
任意の工程(f)において、アルカリ源を、アルカリ性スラリー及び/若しくは酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体、並びに/又は混合物と接触させる。アルカリ源は好ましくは、アルカリ性スラリーと、酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体と実質的に同時に接触される。典型的には、アルカリは、アルカリ性スラリー及び/若しくは酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体、並びに/又は混合物と、10℃を上回る温度で接触され、これは、アルカリ源が水酸化ナトリウムを含む場合に特に好ましい。
【0015】
アルカリ源は、アルカリ源を低圧ラインに射出することによって、アルカリ性スラリー及び/又は混合物と接触され得る。あるいは、アルカリ源は、高圧ラインに射出され得る。
【0016】
典型的には、アルカリ性スラリーの流量の、アルカリ源の流量に対する比率は制御される。この制御は典型的には、アルカリ源を質量流量計に通過させることによって達成される。アルカリ性スラリーの質量流量の制御は、上記でより詳細に記載されている。
【0017】
アルカリ性スラリー
アルカリ性スラリーは典型的には、(a)0重量%〜15重量%のアニオン性洗浄界面活性剤、及び(b)0重量%〜35重量%の水を含む。アルカリ性スラリーは好ましくは、0重量%〜、又は0重量%超〜好ましくは30重量%、又は〜25重量%、又は〜20重量%、又は〜15重量%、又は更に〜10重量%の水を含む。アルカリ性スラリーは、実質的に無水であり得る。アルカリ性スラリーは典型的には、1つ以上の補助洗剤成分を含む。アルカリ性スラリーは、好ましくは炭酸塩、好ましくは、少なくとも5重量%又は少なくとも10重量%の炭酸塩を含む。好ましくは、アルカリ性スラリーは、0重量%〜10重量%、又は0重量%超〜好ましくは8重量%、又は〜6重量%、又は〜重量%(to wt%)、又は〜2重量%のアニオン性界面活性剤を含む。アルカリ性スラリーは更に、アニオン性洗浄界面活性剤を本質的に含まない場合がある。「本質的に含まない」とは典型的には、「意図的に添加されたものを含まない」ことを意味する。
【0018】
アルカリ性スラリーは、高分子物質を含み得る。好ましい高分子物質は、カルボキシレートポリマーである。アルカリ性スラリーは、少なくとも1重量%、又は更に少なくとも2重量%の高分子物質を含み得る。
【0019】
好ましくは、スラリー中に存在する固体無機物質の、固体有機物質に対する重量比は、10:1〜10,000:1の範囲内であり、好ましくは少なくとも35:1である。アルカリ性スラリーは、10重量%未満の固体有機物質、又は5重量%未満の固体有機物質を含み得る。アルカリ性スラリーは更に、固体有機物質を実質的に含まなくてもよい。本発明の目的のために、有機とはいずれかの炭化水素成分を意味する。
【0020】
噴霧乾燥粉末
噴霧乾燥粉末は、(i)アニオン性洗浄界面活性剤と、(ii)0重量%〜10重量%のゼオライトビルダーと、(iii)0重量%〜10重量%のホスフェートビルダーと、(iv)任意により、0重量%〜15重量%のケイ酸塩とを含む。噴霧乾燥粉末は、典型的には追加的な補助洗剤成分を含む。好ましくは、噴霧乾燥粉末は、炭酸塩を含む。
【0021】
噴霧乾燥粉末は、典型的には、重量平均粒径が300マイクロメートル〜600マイクロメートルの範囲内にあり、かつ好ましくは、10重量%未満の噴霧乾燥粉末が1,180マイクロメートル超の粒径を有し、かつ好ましくは、10重量%未満の噴霧乾燥粉末が150マイクロメートル未満の粒径を有するような粒径分布を有する。
【0022】
典型的には、噴霧乾燥粉末は、100g/L〜700g/Lの範囲内の嵩密度を有する。噴霧乾燥粉末は典型的には、5重量%未満、好ましくは4重量%未満、又は更に3重量%未満の湿分含量を有する。好ましくは噴霧乾燥粉末は白色である。
【0023】
酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体
酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体は、好ましくはC8〜C24のアルキルベンゼンスルホン酸を含む。しかしながら、いずれかの酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体が本発明で使用され得る。
【0024】
アニオン性洗浄界面活性剤
アニオン性洗浄界面活性剤は好ましくは、アルキルベンゼンスルホネートを含む。好ましくは、アニオン性洗浄界面活性剤系は、アニオン性洗浄界面活性剤系の少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも55重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも65重量%、又は少なくとも70重量%、又は更に少なくとも75重量%のアルキルベンゼンスルホネートを含む。好ましくは、アルキルベンゼンスルホネートは直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換のC8〜18のアルキルベンゼンスルホネートである。これは、良好な洗浄性能を提供するためのC8〜18のアルキルベンゼンスルホネートの最適濃度である。このC8〜18のアルキルベンゼンスルホネートは、国際公開第99/05243号、同第99/05242号、同第99/05244号、同第99/05082号、同第99/05084号、同第99/05241号、同第99/07656号、同第00/23549号、及び同第00/23548号により詳細に記載されているような変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS)であることができる。極めて好ましいC8〜18のアルキルベンゼンスルホネートは、直鎖C10〜13のアルキルベンゼンスルホネートである。特に好ましいのは、市販の直鎖アルキルベンゼン(LAB)をスルホン化することにより得ることができ、好ましくはスルホン化することにより得られる、直鎖C10〜13のアルキルベンゼンスルホネートであり、好適なLABには、SasolからIsochem(登録商標)の商標名又はPetresaからPetrelab(登録商標)の商標名で供給されているような低級2−フェニルLABを含み、他の好適なLABには、SasolからHyblene(登録商標)の商標名で販売されているような高級2−フェニルLABが挙げられる。
【0025】
アニオン性洗浄性界面活性剤は、好ましくは他のアニオン性洗浄界面活性剤を含んでもよい。好ましい補助アニオン性洗浄界面活性剤は、非アルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤である。非アルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルホスフェート、アルキルホスホネート、アルキルカルボキシレート、又はこれらのいずれかの混合物であり得る。非アルコキシル化アニオン性界面活性剤は、C10〜C20の一級、分枝鎖、直鎖及びランダム鎖アルキルサルフェート(AS)からなる群から選択されることができ、通常次式を有する。
【0026】
CH3(CH2)xCH2−OSO3−M+
式中、Mは、水素又は電気的中性を提供するカチオンであり、好ましいカチオンはナトリウム及びアンモニウムカチオンであり、式中、xは、少なくとも7の整数であり、好ましくは少なくとも9の整数であり、C10〜C18の二級(2,3)アルキルサルフェートで、通常次式を有する。
【化1】
式中、Mは水素又は電気的中性を付与するカチオンであり、好ましいカチオンにはナトリウム及びアンモニウムカチオンが挙げられ、式中、xは少なくとも整数7であり、好ましくは少なくとも整数9であり、yは、少なくとも整数8であり、好ましくは少なくとも整数9であり、C10〜C18のアルキルカルボキシレート、米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号により詳細に記載されているような中鎖分岐状アルキルサルフェート、メチルエステルスルホネート(MES)、α−オレフィンスルホネート(AOS)、及びこれらの混合物である。
【0027】
別の好ましいアニオン性洗浄界面活性剤は、アルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤である。噴霧乾燥粉末中のアルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤の存在は、良好な油性汚れ洗浄性能を提供し、良好な泡立ち特性を与え、かつアニオン性洗浄界面活性剤系の硬水耐性を改善する。アニオン性洗浄界面活性剤は、アニオン性洗浄界面活性剤系の1重量%〜50重量%、5重量%〜、又は10重量%〜、又は15重量%〜、又は20重量%〜45重量%、又は〜40重量%、又は〜35重量%、又は〜30重量%のアルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤を含むことが好ましいことがある。
【0028】
好ましくは、アルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤は、平均アルコキシル化度が1〜30、好ましくは1〜10の、直鎖又は分枝鎖の、置換又は非置換のC12〜18のアルキルアルコキシル化スルフェートである。好ましくは、アルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤は、平均エトキシル化度が1〜10の、直鎖又は分枝鎖の、置換又は非置換のC12〜18のアルキルエトキシル化スルフェートである。最も好ましくは、アルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤は、平均エトキシル化度が3〜7の、直鎖の非置換のC12〜18のアルキルエトキシル化スルフェートである。
【0029】
アルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホネートと共に存在する場合はまた、遊離カルシウムカチオンの存在下でアルキルベンゼンスルホネートをより溶液から析出し難くさせることによって、アルキルベンゼンスルホネートの活性度を増大させ得る。好ましくは、アルキルベンゼンスルホネートのアルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤に対する重量比は、1:1〜5:1未満、又は〜3:1未満、又は〜1.7:1未満、又は更に〜1.5:1未満の範囲内である。この比は、良好な硬度許容特性及び良好な発泡特性と併せて、最適な白色度の維持性能を与える。しかしながら、アルキルベンゼンスルホネートのアルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤に対する重量比が、5:1超、又は6:1超、又は7:1超、又は更に10:1超であることが好ましいことがある。この比は、良好な硬水耐性特性及び良好な発泡特性と併せて、最適な油汚れ洗浄性能を与える。
【0030】
好適なアルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤は、CognisによるTexapan LEST(商標)、SasolによるCosmacol AES(商標)、StephanによるBES151(商標)、Empicol ESC70/U(商標)、及びこれらの混合物である。
【0031】
好ましくは、アニオン性洗浄界面活性剤は、アニオン性洗浄界面活性剤の0重量%〜10重量%、好ましくは〜8重量%、又は〜6重量%、又は〜4重量%、又は〜2重量%、又は更に〜1重量%の不飽和アニオン性洗浄界面活性剤(例えば、α−オレフィンスルホネート)を含む。好ましくは、アニオン性洗浄界面活性剤系は、α−オレフィンスルホネートなどの不飽和アニオン性洗浄界面活性剤を本質的に含まない。「本質的に含まない」とは通常、「意図的に添加されたものを含まない」ことを意味する。理論に束縛されるものではないが、これらの濃度の不飽和アニオン性洗浄性界面活性剤類(例えば、α−オレフィンスルホネート)が、アニオン性洗浄性界面活性剤の漂白剤適合性を確保すると考えられている。
【0032】
好ましくは、アニオン性洗浄界面活性剤は、0重量%〜10重量%、好ましくは〜8重量%、又は〜6重量%、又は〜4重量%、又は〜2重量%、又は更に〜1重量%のアルキルサルフェートを含む。好ましくは、アニオン性洗浄界面活性剤は、アルキルサルフェートを本質的に含まない。理論に束縛されるものではないが、これらの濃度のアルキルホスフェートが、アニオン性洗浄性界面活性剤の硬水耐性を確保すると考えられている。
【0033】
ゼオライトビルダー
噴霧乾燥粉末は、典型的には、噴霧乾燥粉末の、0重量%〜10重量%のゼオライトビルダー、好ましくは〜9重量%、又は〜8重量%、又は〜7重量%、又は〜6重量%、又は〜5重量%、又は〜4重量%、又は〜3重量%、又は〜2重量%、又は〜1重量%、又は〜1重量%未満のゼオライトビルダーを含む。噴霧乾燥粉末は、ゼオライトビルダーを本質的に含まないことが更に好ましい場合がある。本質的にゼオライトビルダーを含まないことは、典型的に、噴霧乾燥粉末が意図的に添加されたゼオライトビルダーを含まないことを意味する。このことは、非水溶性残留物(例えば、これは布地表面に沈着することがある)の量を最少化するために、噴霧乾燥粉末の溶解性が非常に高いことが望ましい場合、及びまた透明な洗浄溶液を有するのが極めて望ましい場合に、特に好ましい。ゼオライトビルダー類としては、ゼオライトA、ゼオライトX、ゼオライトP及びゼオライトMAPが挙げられる。
【0034】
ホスフェートビルダー
噴霧乾燥粉末は、典型的には、噴霧乾燥粉末の、0重量%〜10重量%のホスフェートビルダー、好ましくは〜9重量%、又は〜8重量%、又は〜7重量%、又は〜6重量%、又は〜5重量%、又は〜4重量%、又は〜3重量%、又は〜2重量%、又は〜1重量%、又は〜1重量%未満のホスフェートビルダーを含む。噴霧乾燥粉末は、本質的にホスフェートビルダーを本質的に含まないことがより好ましい場合がある。本質的にホスフェートビルダーを含まないとは、典型的に、噴霧乾燥粉末が意図的に添加されたホスフェートビルダーを含まないことを意味する。このことは、組成物が極めて良好な環境プロファイルを有するのが望ましい場合に、特に好ましい。ホスフェートビルダー類としては、トリポリリン酸ナトリウムが挙げられる。
【0035】
ケイ酸塩
噴霧乾燥粉末は、任意により、0重量%〜20重量%のケイ酸塩、好ましくは1重量%〜、又は2重量%〜、3重量%〜、及び好ましくは〜15重量%、又は〜10重量%、又は更に〜5重量%のケイ酸塩を含む。ケイ酸塩は、非晶質ケイ酸塩及び結晶性層状ケイ酸塩(例えば、SKS−6)が挙げられる。好ましいケイ酸塩は、ケイ酸ナトリウムである。
【0036】
炭酸塩
噴霧乾燥粉末は典型的には、噴霧乾燥粉末の1重量%〜50重量%、又は5重量%〜25重量%、又は10重量%〜20重量%の炭酸塩を含む。好ましい炭酸塩は、炭酸ナトリウム及び/又は重炭酸ナトリウムである。極めて好ましい炭酸塩は、炭酸ナトリウムである。好ましくは、噴霧乾燥粉末は、噴霧乾燥粉末の10重量%〜40重量%の炭酸ナトリウムを含み得る。しかしながらまた、噴霧乾燥粉末が、噴霧乾燥粉末の2重量%〜8重量%の重炭酸ナトリウムを含むことが好ましい場合がある。この濃度の重炭酸ナトリウムは、良好なアルカリ性を付与すると同時に、界面活性剤−炭酸塩系で生じ得る界面活性剤のゲル化の危険性を最小限に抑える。噴霧乾燥粉末が、炭酸ナトリウム及びゼオライトを含む場合、好ましくは炭酸ナトリウムのゼオライトに対する重量比は、少なくとも15:1である。
【0037】
高濃度の炭酸塩は、洗浄溶液のpHを高めることによって組成物の洗浄性能を向上させる。この高められたアルカリ性は、漂白剤が存在する場合はその性能を向上させて、汚れを加水分解し易くし、それによって汚れを布地から取り除き易くし、更には洗浄すべき汚れのイオン化速度と電離度を増大させる(注意:イオン化された汚れは更に可溶性となって、洗濯プロセスの洗浄段階で布地から取り除き易い)。更に、高い炭酸塩濃度は、噴霧乾燥粉末の流動性を向上させる。
【0038】
アルカリ源
アルカリ源は、好ましくは水酸化ナトリウムを含む。アルカリ源は、好ましくは炭酸塩を含む。アルカリ源は、好ましくはケイ酸塩を含む。
【0039】
補助洗浄成分
好適な補助成分としては、洗浄界面活性剤、例えばアニオン性洗浄界面活性剤、非イオン性洗浄界面活性剤、カチオン性洗浄界面活性剤、双極性イオン洗浄界面活性剤、両性洗浄界面活性剤(好ましい非イオン性洗浄界面活性剤は、1〜20、好ましくは3〜10の平均アルコキシル化度を有するC8〜18アルキルアルコキシル化アルコール、最も好ましくは、3〜10の平均アルコキシル化度を有するC12〜18アルキルエトキシル化アルコールであり;好ましいカチオン性洗浄界面活性剤はモノ−C6〜18アルキルモノ−ヒドロキシエチルジ−メチル第四級アンモニウムクロライドであり、より好ましいのは、モノ−C8〜10アルキルモノ−ヒドロキシエチルジ−メチル第四級アンモニウムクロライド、モノ−C10〜12アルキルモノ−ヒドロキシエチルジ−メチル第四級アンモニウムクロライド、及びモノ−C10アルキルモノ−ヒドロキシエチルジ−メチル第四級アンモニウムクロライドである);過酸素源、例えば、過炭酸塩及び/又は過ホウ酸塩、好ましくは過炭酸ナトリウム(過酸素源は、好ましくは炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、ホウケイ酸塩、又はこれらの混合塩を含む混合物などのコーティング成分により少なくとも部分的にコーティングされ、好ましくは完全にコーティングされる);漂白活性化剤、例えば、テトラアセチルエチレンジアミン、オキシベンゼンサルフェート漂白活性化剤、例えば、ノナノイルオキシベンゼンサルフェート、カプロラクタム漂白活性化剤、イミド漂白活性化剤、例えば、N−ノナノイル−N−メチルアセトアミド、予備形成された過酸、例えば、N,N−フタロイルアミノ(pthaloylamino)ペルオキシカプロン酸、ノニルアミドペルオキシアジピン酸、又はジベンゾイル過酸化物;酵素、例えば、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、ペクチン酸リアーゼ、及びマンナナーゼ;泡抑制剤系、例えば、シリコーン系泡抑制剤;蛍光増白剤;光退色剤;充填剤塩、例えばサルフェート塩、好ましくはサルフェートナトリウム;布柔軟化剤、例えば、粘土、シリコーン、及び/又は第四級アンモニウム化合物;凝集剤、例えば、ポリエチレンオキシド;染料移行阻害剤、例えばポリビニルピロリドン、ポリ4−ビニルピリジンN−酸化物、及び/又はビニルピロリドン、及びビニルイミダゾールのコポリマー;布地保全成分、例えば、疎水変性されたセルロース、並びにイミダゾール、及びエピクロロヒドリン(epichlorhydrin)の縮合によって生成されるオリゴマー;汚れ分散剤及び汚れ再付着防止助剤、例えば、アルコキシル化ポリアミン及びエトキシル化エチレンイミンポリマー;再付着防止成分、例えば、カルボキシメチルセルロース及びポリエステル;芳香剤;スルファミン酸又はその塩;クエン酸又はその塩;並びに染料、例えば、橙色染料、青色染料、緑色染料、紫色染料、ピンク色染料、又はこれらの混合物が挙げられる。
【実施例】
【0040】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の書類名特許請求の範囲で扱うものとする。
【0041】
実施例1.噴霧乾燥洗濯洗剤粉末及びその作製方法。
【表1】
【0042】
噴霧乾燥洗濯洗剤粉末の調製。
【0043】
上記の組成物を有するアルカリ性水性スラリーが、スラリー作製容器(クラッチャー)内で調製される。上記のスラリーの湿分含量は23.1%である。上記で添加される液体の形状の任意の成分は、水性スラリーが決して70℃を下回る温度にならないように、70℃に加熱される。6.0×105Paの飽和蒸気が、クラッチャー内に注入されて、温度を90℃まで上昇させる。スラリーは次に低圧ライン(5.0×105Pa)の圧力を有する)にポンプ移送される。
【0044】
11.4部のC8〜C24のアルキルベンゼンスルホン酸(HLAS)及び3.2部の50%(重量/重量)水酸化ナトリウム水溶液が、別々の低圧ラインにポンプ移送される。混合物は次に、高圧ポンプで高圧ライン(8.0×106Paの出口圧力を有する)にポンプ移送される。混合物は次に、1,640kg/時の割合で、8.0×106Paの圧力、及び90℃+/−2℃において、噴霧圧力ノズルを通じて、300℃の空気吸入口温度の逆流噴霧乾燥塔内に噴霧される。混合物を噴霧化し、この噴霧化されたスラリーを乾燥して固体混合物を生成して、次にこれを冷却して、大きすぎる物質(>1.8mm)を篩分けして取り除いて、自由に流動性の噴霧乾燥粉末を形成する。微細物質(<0.15mm)は、噴霧乾燥塔内の排気(the exhaust the exhaust air)で浄化されて、後の塔(post tower)の収容システム内に集められる。噴霧乾燥粉末は、80重量%以上の噴霧乾燥粉末が、150〜710マイクロメートルの粒径を有するように、2.5重量%の湿分含量、510g/Lの嵩密度及び粒径分布を有する。噴霧乾燥された粉末の組成を以下に示す。
【表2】
【表3】
【0045】
上記の洗濯用洗剤組成物は、標準バッチミキサー内で上記の粒子全て(AE7を除く全て)を乾燥混合することによって調製された。液体形態のAE7が、標準バッチミキサー内の粒子上に噴霧される。あるいは、液体形態のAE7が、実施例1の噴霧乾燥粉末上に噴霧される。生じる粉末は次に、標準バッチミキサー内で他の粒子全てと混合される。
【0046】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴霧乾燥プロセスに関連する。
【背景技術】
【0002】
洗濯用洗剤組成物は、典型的には、噴霧乾燥粉末を形成するために、アニオン性洗浄界面活性剤を含む水性スラリーを噴霧乾燥する工程を含むプロセスによって作製される。典型的には、この噴霧乾燥する工程は、洗濯用洗剤粉末の製造における律速工程である。これは、より高い乾燥負荷を有する、低ビルダーの配合物について特に当てはまる。増加する世界的な洗濯用洗剤粉末の体積の需要の増加に伴い、多くの洗剤メーカーの噴霧乾燥塔は、最大容量に達しているか、又はこれに近づいている。その既存の噴霧乾燥施設の最大容量を増加させるために、洗剤メーカーは、追加的な若しくは改善された噴霧乾燥設備に投資するか、及び/又は噴霧乾燥された洗濯用洗剤粉末の配合複合性を増加させる加工助剤でその噴霧乾燥粉末を配合するかのいずれかを行わなくてはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発明者らは、ミキサー内の水性スリラーからアニオン性洗浄界面活性剤の少なくともいくらかを取り、噴霧乾燥プロセスの後の工程で(すなわち、アルカリ性スラリーに)その酸前駆体を加えることによって、及びミキサー内のアルカリ性スラリーの水分レベルを注意深く制御することによって、噴霧乾燥プロセスの容量能率(capacity rate)が、追加的な噴霧乾燥設備への投資の必要性、又は加工助剤の導入の必要性なくして著しく改善されることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、請求項1に定義されるプロセスに関連する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
噴霧乾燥プロセス
本プロセスは、(a)ミキサー内でアルカリ性スラリーを形成する工程と、(b)アルカリ性スラリーをミキサーから、少なくとも1つのポンプを通じて噴霧圧ノズルへと移送する工程と、(c)ミキサーの後かつ噴霧圧ノズルの前に、酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体をアルカリ性スラリーに接触させて混合物を形成する工程と、(d)噴霧圧ノズルを通じて、噴霧乾燥塔内に混合物を噴霧する工程と、(e)混合物を噴霧乾燥して噴霧乾燥粉末を形成する工程と、(f)任意により、アルカリ源をアルカリ性スラリー及び/若しくは酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体、並びに/又は混合物と接触させる工程とを含む。各プロセス工程は、以下で、より詳細に記載される。
【0006】
工程(a)
工程(a)では、ミキサー内でアルカリ性スラリーが形成される。工程(a)における好ましいミキサーは、クラッチャーミキサーである。ミキサー内のアルカリ性スラリーは、好ましくは、典型的に50℃〜90℃の範囲内で加熱される。ミキサー内のスラリーを加熱するために、飽和蒸気が使用され得る。好ましくは、スラリーを形成する液体成分の全てが、ミキサーに加えられる前に加熱され、スラリーはミキサー内で高温に維持されることが好ましい。これらの温度は好ましくは50℃〜90℃の範囲内である。
【0007】
典型的には、ミキサー内のスラリーの滞留時間は、20秒〜600秒の範囲内である。
【0008】
工程(a)におけるミキサーは典型的には、その設置された電源出力が50kW〜100kWの範囲内になるような、モーターサイズを有する。
【0009】
工程(b)
工程(b)では、アルカリ性スラリーがミキサーから、少なくとも1つのポンプを通じて噴霧圧ノズルに移送される。典型的には、アルカリ性スラリーはまず低圧ラインに移送される。低圧ラインは典型的には、4.0×105Pa〜1.2×106Paの範囲の圧力を有する。典型的には、アルカリ性スラリーは次に高圧ラインにポンプ移送される。高圧ラインは典型的には4.0×106Pa〜1.2×107Paの範囲内の圧力を有する。典型的には、アルカリ性スラリーを低圧ラインから高圧ラインに移送するために、高圧ポンプが使用される。好ましくは高圧ポンプはピストンポンプである。
【0010】
典型的には、アルカリ性スラリーは、工程(b)の間に第2ミキサーを通過する。第2ミキサーは、好ましくはスラリー離解機である。第2ミキサーは、典型的には、1,000rpm〜3,000rpmで動作する。この第2ミキサーは、スラリー中の固体物質の粒径を低減させる。工程(b)の最後におけるスラリー内の固体物質の粒径は、好ましくは2.0mm未満である。これは、噴霧圧ノズルの閉塞の危険性を緩和する。
【0011】
工程(c)
工程(c)では、ミキサーの後かつ噴霧圧ノズルの前に、酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体がアルカリ性スラリーと接触して混合物を形成する。好ましくは、酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体は、低圧ライン内でアルカリ性スラリーと接触する。しかしながら、酸系アニオン性界面活性剤前駆体は、高圧ライン内デアルカリ性スラリーと接触してもよい。典型的には、酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体の温度は、これがアルカリ性スラリーと接触する際、20℃〜50℃の範囲内である。典型的には、アルカリ性スラリーの流量の、酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体の流量に対する比率は制御される。この制御は、典型的には、酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体に質量流量計を通過させ、低圧ラインにポンプ移送される前に、アルカリ性スラリーが典型的に内部に移送される保持タンクに設置された秤量システムにおける減少によってアルカリ性スラリーの質量流量を監視することによって達成される。アルカリ性スラリーの流量の、酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体の流量に対する比率は、典型的には2.5:1〜25:1、好ましくは5:1〜、又は8:1〜、好ましくは〜20:1、又は〜15:1である。
【0012】
工程(d)
工程(d)において、噴霧圧ノズルを通じて、噴霧乾燥塔内に混合物が噴霧される。典型的には、混合物は、4.0×106Pa〜1.2×107Paの範囲内の圧力で噴霧される。典型的には、混合物は、1,000kghr−1〜70,000kghr−1の範囲内の質量流量で噴霧される。典型的には、複数のノズルがプロセスにおいて使用され、好ましくはノズルが噴霧乾燥塔全体にわたって、異なる高さで円周方向の様式で位置付けられる。ノズルは好ましくは、塔内の空気流に対して逆流する様式で位置付けられる。
【0013】
工程(e)
工程(e)では、混合物が噴霧乾燥されて、噴霧乾燥粉末を形成する。典型的には、吸気口の温度は、200℃〜350℃の範囲内である。典型的には、吸気口の流量は、50,000〜150,000kgm−3の範囲内である。
【0014】
任意の工程(f)
任意の工程(f)において、アルカリ源を、アルカリ性スラリー及び/若しくは酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体、並びに/又は混合物と接触させる。アルカリ源は好ましくは、アルカリ性スラリーと、酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体と実質的に同時に接触される。典型的には、アルカリは、アルカリ性スラリー及び/若しくは酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体、並びに/又は混合物と、10℃を上回る温度で接触され、これは、アルカリ源が水酸化ナトリウムを含む場合に特に好ましい。
【0015】
アルカリ源は、アルカリ源を低圧ラインに射出することによって、アルカリ性スラリー及び/又は混合物と接触され得る。あるいは、アルカリ源は、高圧ラインに射出され得る。
【0016】
典型的には、アルカリ性スラリーの流量の、アルカリ源の流量に対する比率は制御される。この制御は典型的には、アルカリ源を質量流量計に通過させることによって達成される。アルカリ性スラリーの質量流量の制御は、上記でより詳細に記載されている。
【0017】
アルカリ性スラリー
アルカリ性スラリーは典型的には、(a)0重量%〜15重量%のアニオン性洗浄界面活性剤、及び(b)0重量%〜35重量%の水を含む。アルカリ性スラリーは好ましくは、0重量%〜、又は0重量%超〜好ましくは30重量%、又は〜25重量%、又は〜20重量%、又は〜15重量%、又は更に〜10重量%の水を含む。アルカリ性スラリーは、実質的に無水であり得る。アルカリ性スラリーは典型的には、1つ以上の補助洗剤成分を含む。アルカリ性スラリーは、好ましくは炭酸塩、好ましくは、少なくとも5重量%又は少なくとも10重量%の炭酸塩を含む。好ましくは、アルカリ性スラリーは、0重量%〜10重量%、又は0重量%超〜好ましくは8重量%、又は〜6重量%、又は〜重量%(to wt%)、又は〜2重量%のアニオン性界面活性剤を含む。アルカリ性スラリーは更に、アニオン性洗浄界面活性剤を本質的に含まない場合がある。「本質的に含まない」とは典型的には、「意図的に添加されたものを含まない」ことを意味する。
【0018】
アルカリ性スラリーは、高分子物質を含み得る。好ましい高分子物質は、カルボキシレートポリマーである。アルカリ性スラリーは、少なくとも1重量%、又は更に少なくとも2重量%の高分子物質を含み得る。
【0019】
好ましくは、スラリー中に存在する固体無機物質の、固体有機物質に対する重量比は、10:1〜10,000:1の範囲内であり、好ましくは少なくとも35:1である。アルカリ性スラリーは、10重量%未満の固体有機物質、又は5重量%未満の固体有機物質を含み得る。アルカリ性スラリーは更に、固体有機物質を実質的に含まなくてもよい。本発明の目的のために、有機とはいずれかの炭化水素成分を意味する。
【0020】
噴霧乾燥粉末
噴霧乾燥粉末は、(i)アニオン性洗浄界面活性剤と、(ii)0重量%〜10重量%のゼオライトビルダーと、(iii)0重量%〜10重量%のホスフェートビルダーと、(iv)任意により、0重量%〜15重量%のケイ酸塩とを含む。噴霧乾燥粉末は、典型的には追加的な補助洗剤成分を含む。好ましくは、噴霧乾燥粉末は、炭酸塩を含む。
【0021】
噴霧乾燥粉末は、典型的には、重量平均粒径が300マイクロメートル〜600マイクロメートルの範囲内にあり、かつ好ましくは、10重量%未満の噴霧乾燥粉末が1,180マイクロメートル超の粒径を有し、かつ好ましくは、10重量%未満の噴霧乾燥粉末が150マイクロメートル未満の粒径を有するような粒径分布を有する。
【0022】
典型的には、噴霧乾燥粉末は、100g/L〜700g/Lの範囲内の嵩密度を有する。噴霧乾燥粉末は典型的には、5重量%未満、好ましくは4重量%未満、又は更に3重量%未満の湿分含量を有する。好ましくは噴霧乾燥粉末は白色である。
【0023】
酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体
酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体は、好ましくはC8〜C24のアルキルベンゼンスルホン酸を含む。しかしながら、いずれかの酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体が本発明で使用され得る。
【0024】
アニオン性洗浄界面活性剤
アニオン性洗浄界面活性剤は好ましくは、アルキルベンゼンスルホネートを含む。好ましくは、アニオン性洗浄界面活性剤系は、アニオン性洗浄界面活性剤系の少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも55重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも65重量%、又は少なくとも70重量%、又は更に少なくとも75重量%のアルキルベンゼンスルホネートを含む。好ましくは、アルキルベンゼンスルホネートは直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換のC8〜18のアルキルベンゼンスルホネートである。これは、良好な洗浄性能を提供するためのC8〜18のアルキルベンゼンスルホネートの最適濃度である。このC8〜18のアルキルベンゼンスルホネートは、国際公開第99/05243号、同第99/05242号、同第99/05244号、同第99/05082号、同第99/05084号、同第99/05241号、同第99/07656号、同第00/23549号、及び同第00/23548号により詳細に記載されているような変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS)であることができる。極めて好ましいC8〜18のアルキルベンゼンスルホネートは、直鎖C10〜13のアルキルベンゼンスルホネートである。特に好ましいのは、市販の直鎖アルキルベンゼン(LAB)をスルホン化することにより得ることができ、好ましくはスルホン化することにより得られる、直鎖C10〜13のアルキルベンゼンスルホネートであり、好適なLABには、SasolからIsochem(登録商標)の商標名又はPetresaからPetrelab(登録商標)の商標名で供給されているような低級2−フェニルLABを含み、他の好適なLABには、SasolからHyblene(登録商標)の商標名で販売されているような高級2−フェニルLABが挙げられる。
【0025】
アニオン性洗浄性界面活性剤は、好ましくは他のアニオン性洗浄界面活性剤を含んでもよい。好ましい補助アニオン性洗浄界面活性剤は、非アルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤である。非アルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルホスフェート、アルキルホスホネート、アルキルカルボキシレート、又はこれらのいずれかの混合物であり得る。非アルコキシル化アニオン性界面活性剤は、C10〜C20の一級、分枝鎖、直鎖及びランダム鎖アルキルサルフェート(AS)からなる群から選択されることができ、通常次式を有する。
【0026】
CH3(CH2)xCH2−OSO3−M+
式中、Mは、水素又は電気的中性を提供するカチオンであり、好ましいカチオンはナトリウム及びアンモニウムカチオンであり、式中、xは、少なくとも7の整数であり、好ましくは少なくとも9の整数であり、C10〜C18の二級(2,3)アルキルサルフェートで、通常次式を有する。
【化1】
式中、Mは水素又は電気的中性を付与するカチオンであり、好ましいカチオンにはナトリウム及びアンモニウムカチオンが挙げられ、式中、xは少なくとも整数7であり、好ましくは少なくとも整数9であり、yは、少なくとも整数8であり、好ましくは少なくとも整数9であり、C10〜C18のアルキルカルボキシレート、米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号により詳細に記載されているような中鎖分岐状アルキルサルフェート、メチルエステルスルホネート(MES)、α−オレフィンスルホネート(AOS)、及びこれらの混合物である。
【0027】
別の好ましいアニオン性洗浄界面活性剤は、アルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤である。噴霧乾燥粉末中のアルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤の存在は、良好な油性汚れ洗浄性能を提供し、良好な泡立ち特性を与え、かつアニオン性洗浄界面活性剤系の硬水耐性を改善する。アニオン性洗浄界面活性剤は、アニオン性洗浄界面活性剤系の1重量%〜50重量%、5重量%〜、又は10重量%〜、又は15重量%〜、又は20重量%〜45重量%、又は〜40重量%、又は〜35重量%、又は〜30重量%のアルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤を含むことが好ましいことがある。
【0028】
好ましくは、アルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤は、平均アルコキシル化度が1〜30、好ましくは1〜10の、直鎖又は分枝鎖の、置換又は非置換のC12〜18のアルキルアルコキシル化スルフェートである。好ましくは、アルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤は、平均エトキシル化度が1〜10の、直鎖又は分枝鎖の、置換又は非置換のC12〜18のアルキルエトキシル化スルフェートである。最も好ましくは、アルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤は、平均エトキシル化度が3〜7の、直鎖の非置換のC12〜18のアルキルエトキシル化スルフェートである。
【0029】
アルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホネートと共に存在する場合はまた、遊離カルシウムカチオンの存在下でアルキルベンゼンスルホネートをより溶液から析出し難くさせることによって、アルキルベンゼンスルホネートの活性度を増大させ得る。好ましくは、アルキルベンゼンスルホネートのアルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤に対する重量比は、1:1〜5:1未満、又は〜3:1未満、又は〜1.7:1未満、又は更に〜1.5:1未満の範囲内である。この比は、良好な硬度許容特性及び良好な発泡特性と併せて、最適な白色度の維持性能を与える。しかしながら、アルキルベンゼンスルホネートのアルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤に対する重量比が、5:1超、又は6:1超、又は7:1超、又は更に10:1超であることが好ましいことがある。この比は、良好な硬水耐性特性及び良好な発泡特性と併せて、最適な油汚れ洗浄性能を与える。
【0030】
好適なアルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤は、CognisによるTexapan LEST(商標)、SasolによるCosmacol AES(商標)、StephanによるBES151(商標)、Empicol ESC70/U(商標)、及びこれらの混合物である。
【0031】
好ましくは、アニオン性洗浄界面活性剤は、アニオン性洗浄界面活性剤の0重量%〜10重量%、好ましくは〜8重量%、又は〜6重量%、又は〜4重量%、又は〜2重量%、又は更に〜1重量%の不飽和アニオン性洗浄界面活性剤(例えば、α−オレフィンスルホネート)を含む。好ましくは、アニオン性洗浄界面活性剤系は、α−オレフィンスルホネートなどの不飽和アニオン性洗浄界面活性剤を本質的に含まない。「本質的に含まない」とは通常、「意図的に添加されたものを含まない」ことを意味する。理論に束縛されるものではないが、これらの濃度の不飽和アニオン性洗浄性界面活性剤類(例えば、α−オレフィンスルホネート)が、アニオン性洗浄性界面活性剤の漂白剤適合性を確保すると考えられている。
【0032】
好ましくは、アニオン性洗浄界面活性剤は、0重量%〜10重量%、好ましくは〜8重量%、又は〜6重量%、又は〜4重量%、又は〜2重量%、又は更に〜1重量%のアルキルサルフェートを含む。好ましくは、アニオン性洗浄界面活性剤は、アルキルサルフェートを本質的に含まない。理論に束縛されるものではないが、これらの濃度のアルキルホスフェートが、アニオン性洗浄性界面活性剤の硬水耐性を確保すると考えられている。
【0033】
ゼオライトビルダー
噴霧乾燥粉末は、典型的には、噴霧乾燥粉末の、0重量%〜10重量%のゼオライトビルダー、好ましくは〜9重量%、又は〜8重量%、又は〜7重量%、又は〜6重量%、又は〜5重量%、又は〜4重量%、又は〜3重量%、又は〜2重量%、又は〜1重量%、又は〜1重量%未満のゼオライトビルダーを含む。噴霧乾燥粉末は、ゼオライトビルダーを本質的に含まないことが更に好ましい場合がある。本質的にゼオライトビルダーを含まないことは、典型的に、噴霧乾燥粉末が意図的に添加されたゼオライトビルダーを含まないことを意味する。このことは、非水溶性残留物(例えば、これは布地表面に沈着することがある)の量を最少化するために、噴霧乾燥粉末の溶解性が非常に高いことが望ましい場合、及びまた透明な洗浄溶液を有するのが極めて望ましい場合に、特に好ましい。ゼオライトビルダー類としては、ゼオライトA、ゼオライトX、ゼオライトP及びゼオライトMAPが挙げられる。
【0034】
ホスフェートビルダー
噴霧乾燥粉末は、典型的には、噴霧乾燥粉末の、0重量%〜10重量%のホスフェートビルダー、好ましくは〜9重量%、又は〜8重量%、又は〜7重量%、又は〜6重量%、又は〜5重量%、又は〜4重量%、又は〜3重量%、又は〜2重量%、又は〜1重量%、又は〜1重量%未満のホスフェートビルダーを含む。噴霧乾燥粉末は、本質的にホスフェートビルダーを本質的に含まないことがより好ましい場合がある。本質的にホスフェートビルダーを含まないとは、典型的に、噴霧乾燥粉末が意図的に添加されたホスフェートビルダーを含まないことを意味する。このことは、組成物が極めて良好な環境プロファイルを有するのが望ましい場合に、特に好ましい。ホスフェートビルダー類としては、トリポリリン酸ナトリウムが挙げられる。
【0035】
ケイ酸塩
噴霧乾燥粉末は、任意により、0重量%〜20重量%のケイ酸塩、好ましくは1重量%〜、又は2重量%〜、3重量%〜、及び好ましくは〜15重量%、又は〜10重量%、又は更に〜5重量%のケイ酸塩を含む。ケイ酸塩は、非晶質ケイ酸塩及び結晶性層状ケイ酸塩(例えば、SKS−6)が挙げられる。好ましいケイ酸塩は、ケイ酸ナトリウムである。
【0036】
炭酸塩
噴霧乾燥粉末は典型的には、噴霧乾燥粉末の1重量%〜50重量%、又は5重量%〜25重量%、又は10重量%〜20重量%の炭酸塩を含む。好ましい炭酸塩は、炭酸ナトリウム及び/又は重炭酸ナトリウムである。極めて好ましい炭酸塩は、炭酸ナトリウムである。好ましくは、噴霧乾燥粉末は、噴霧乾燥粉末の10重量%〜40重量%の炭酸ナトリウムを含み得る。しかしながらまた、噴霧乾燥粉末が、噴霧乾燥粉末の2重量%〜8重量%の重炭酸ナトリウムを含むことが好ましい場合がある。この濃度の重炭酸ナトリウムは、良好なアルカリ性を付与すると同時に、界面活性剤−炭酸塩系で生じ得る界面活性剤のゲル化の危険性を最小限に抑える。噴霧乾燥粉末が、炭酸ナトリウム及びゼオライトを含む場合、好ましくは炭酸ナトリウムのゼオライトに対する重量比は、少なくとも15:1である。
【0037】
高濃度の炭酸塩は、洗浄溶液のpHを高めることによって組成物の洗浄性能を向上させる。この高められたアルカリ性は、漂白剤が存在する場合はその性能を向上させて、汚れを加水分解し易くし、それによって汚れを布地から取り除き易くし、更には洗浄すべき汚れのイオン化速度と電離度を増大させる(注意:イオン化された汚れは更に可溶性となって、洗濯プロセスの洗浄段階で布地から取り除き易い)。更に、高い炭酸塩濃度は、噴霧乾燥粉末の流動性を向上させる。
【0038】
アルカリ源
アルカリ源は、好ましくは水酸化ナトリウムを含む。アルカリ源は、好ましくは炭酸塩を含む。アルカリ源は、好ましくはケイ酸塩を含む。
【0039】
補助洗浄成分
好適な補助成分としては、洗浄界面活性剤、例えばアニオン性洗浄界面活性剤、非イオン性洗浄界面活性剤、カチオン性洗浄界面活性剤、双極性イオン洗浄界面活性剤、両性洗浄界面活性剤(好ましい非イオン性洗浄界面活性剤は、1〜20、好ましくは3〜10の平均アルコキシル化度を有するC8〜18アルキルアルコキシル化アルコール、最も好ましくは、3〜10の平均アルコキシル化度を有するC12〜18アルキルエトキシル化アルコールであり;好ましいカチオン性洗浄界面活性剤はモノ−C6〜18アルキルモノ−ヒドロキシエチルジ−メチル第四級アンモニウムクロライドであり、より好ましいのは、モノ−C8〜10アルキルモノ−ヒドロキシエチルジ−メチル第四級アンモニウムクロライド、モノ−C10〜12アルキルモノ−ヒドロキシエチルジ−メチル第四級アンモニウムクロライド、及びモノ−C10アルキルモノ−ヒドロキシエチルジ−メチル第四級アンモニウムクロライドである);過酸素源、例えば、過炭酸塩及び/又は過ホウ酸塩、好ましくは過炭酸ナトリウム(過酸素源は、好ましくは炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、ホウケイ酸塩、又はこれらの混合塩を含む混合物などのコーティング成分により少なくとも部分的にコーティングされ、好ましくは完全にコーティングされる);漂白活性化剤、例えば、テトラアセチルエチレンジアミン、オキシベンゼンサルフェート漂白活性化剤、例えば、ノナノイルオキシベンゼンサルフェート、カプロラクタム漂白活性化剤、イミド漂白活性化剤、例えば、N−ノナノイル−N−メチルアセトアミド、予備形成された過酸、例えば、N,N−フタロイルアミノ(pthaloylamino)ペルオキシカプロン酸、ノニルアミドペルオキシアジピン酸、又はジベンゾイル過酸化物;酵素、例えば、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、ペクチン酸リアーゼ、及びマンナナーゼ;泡抑制剤系、例えば、シリコーン系泡抑制剤;蛍光増白剤;光退色剤;充填剤塩、例えばサルフェート塩、好ましくはサルフェートナトリウム;布柔軟化剤、例えば、粘土、シリコーン、及び/又は第四級アンモニウム化合物;凝集剤、例えば、ポリエチレンオキシド;染料移行阻害剤、例えばポリビニルピロリドン、ポリ4−ビニルピリジンN−酸化物、及び/又はビニルピロリドン、及びビニルイミダゾールのコポリマー;布地保全成分、例えば、疎水変性されたセルロース、並びにイミダゾール、及びエピクロロヒドリン(epichlorhydrin)の縮合によって生成されるオリゴマー;汚れ分散剤及び汚れ再付着防止助剤、例えば、アルコキシル化ポリアミン及びエトキシル化エチレンイミンポリマー;再付着防止成分、例えば、カルボキシメチルセルロース及びポリエステル;芳香剤;スルファミン酸又はその塩;クエン酸又はその塩;並びに染料、例えば、橙色染料、青色染料、緑色染料、紫色染料、ピンク色染料、又はこれらの混合物が挙げられる。
【実施例】
【0040】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の書類名特許請求の範囲で扱うものとする。
【0041】
実施例1.噴霧乾燥洗濯洗剤粉末及びその作製方法。
【表1】
【0042】
噴霧乾燥洗濯洗剤粉末の調製。
【0043】
上記の組成物を有するアルカリ性水性スラリーが、スラリー作製容器(クラッチャー)内で調製される。上記のスラリーの湿分含量は23.1%である。上記で添加される液体の形状の任意の成分は、水性スラリーが決して70℃を下回る温度にならないように、70℃に加熱される。6.0×105Paの飽和蒸気が、クラッチャー内に注入されて、温度を90℃まで上昇させる。スラリーは次に低圧ライン(5.0×105Pa)の圧力を有する)にポンプ移送される。
【0044】
11.4部のC8〜C24のアルキルベンゼンスルホン酸(HLAS)及び3.2部の50%(重量/重量)水酸化ナトリウム水溶液が、別々の低圧ラインにポンプ移送される。混合物は次に、高圧ポンプで高圧ライン(8.0×106Paの出口圧力を有する)にポンプ移送される。混合物は次に、1,640kg/時の割合で、8.0×106Paの圧力、及び90℃+/−2℃において、噴霧圧力ノズルを通じて、300℃の空気吸入口温度の逆流噴霧乾燥塔内に噴霧される。混合物を噴霧化し、この噴霧化されたスラリーを乾燥して固体混合物を生成して、次にこれを冷却して、大きすぎる物質(>1.8mm)を篩分けして取り除いて、自由に流動性の噴霧乾燥粉末を形成する。微細物質(<0.15mm)は、噴霧乾燥塔内の排気(the exhaust the exhaust air)で浄化されて、後の塔(post tower)の収容システム内に集められる。噴霧乾燥粉末は、80重量%以上の噴霧乾燥粉末が、150〜710マイクロメートルの粒径を有するように、2.5重量%の湿分含量、510g/Lの嵩密度及び粒径分布を有する。噴霧乾燥された粉末の組成を以下に示す。
【表2】
【表3】
【0045】
上記の洗濯用洗剤組成物は、標準バッチミキサー内で上記の粒子全て(AE7を除く全て)を乾燥混合することによって調製された。液体形態のAE7が、標準バッチミキサー内の粒子上に噴霧される。あるいは、液体形態のAE7が、実施例1の噴霧乾燥粉末上に噴霧される。生じる粉末は次に、標準バッチミキサー内で他の粒子全てと混合される。
【0046】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)アニオン性洗浄界面活性剤と、
(ii)0重量%〜10重量%のゼオライトビルダーと、
(iii)0重量%〜10重量%のホスフェートビルダーと、
(iv)任意により、0重量%〜15重量%のケイ酸塩とを含む、噴霧乾燥粉末を調製するためのプロセスであって、
前記プロセスは、
(a)ミキサー内でアルカリ性スラリーを形成する工程であって、前記スラリーは、
(v)0重量%〜15重量%のアニオン性洗浄界面活性剤、及び
(vi)0重量%〜35重量%の水を含む、工程と、
(b)アルカリ性スラリーを前記ミキサーから、少なくとも1つのポンプを通じて噴霧圧ノズルへと移送する工程と、
(c)前記ミキサーの後かつ前記噴霧圧ノズルの前に、酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体を前記アルカリ性スラリーに接触させて混合物を形成する工程と、
(d)前記噴霧圧ノズルを通じて、噴霧乾燥塔内に前記混合物を噴霧する工程と、
(e)前記混合物を噴霧乾燥して噴霧乾燥粉末を形成する工程と、
(f)任意により、アルカリ源を前記アルカリ性スラリー及び/若しくは前記酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体、並びに/又は前記混合物と接触させる工程とを含む、プロセス。
【請求項2】
前記アルカリ性スラリーが、0重量%〜25重量%の水を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記アルカリ性スラリーが、0重量%〜5重量%のアニオン性洗浄界面活性剤を含む、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記アルカリ源が前記酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体と実質的に同時に、前記アルカリ性スラリーに加えられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体が、C8〜C24のアルキルベンゼンスルホン酸を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記アルカリ源が水酸化ナトリウムを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記アルカリ源が炭酸塩を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記アルカリ源がケイ酸塩を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項1】
(i)アニオン性洗浄界面活性剤と、
(ii)0重量%〜10重量%のゼオライトビルダーと、
(iii)0重量%〜10重量%のホスフェートビルダーと、
(iv)任意により、0重量%〜15重量%のケイ酸塩とを含む、噴霧乾燥粉末を調製するためのプロセスであって、
前記プロセスは、
(a)ミキサー内でアルカリ性スラリーを形成する工程であって、前記スラリーは、
(v)0重量%〜15重量%のアニオン性洗浄界面活性剤、及び
(vi)0重量%〜35重量%の水を含む、工程と、
(b)アルカリ性スラリーを前記ミキサーから、少なくとも1つのポンプを通じて噴霧圧ノズルへと移送する工程と、
(c)前記ミキサーの後かつ前記噴霧圧ノズルの前に、酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体を前記アルカリ性スラリーに接触させて混合物を形成する工程と、
(d)前記噴霧圧ノズルを通じて、噴霧乾燥塔内に前記混合物を噴霧する工程と、
(e)前記混合物を噴霧乾燥して噴霧乾燥粉末を形成する工程と、
(f)任意により、アルカリ源を前記アルカリ性スラリー及び/若しくは前記酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体、並びに/又は前記混合物と接触させる工程とを含む、プロセス。
【請求項2】
前記アルカリ性スラリーが、0重量%〜25重量%の水を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記アルカリ性スラリーが、0重量%〜5重量%のアニオン性洗浄界面活性剤を含む、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記アルカリ源が前記酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体と実質的に同時に、前記アルカリ性スラリーに加えられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記酸系アニオン性洗浄界面活性剤前駆体が、C8〜C24のアルキルベンゼンスルホン酸を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記アルカリ源が水酸化ナトリウムを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記アルカリ源が炭酸塩を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記アルカリ源がケイ酸塩を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のプロセス。
【公表番号】特表2011−525215(P2011−525215A)
【公表日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514901(P2011−514901)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2009/048559
【国際公開番号】WO2009/158449
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2009/048559
【国際公開番号】WO2009/158449
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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