説明

四重水素結合単位(bondingunit)を有するシロキサンポリマー

本発明は、自己補完型四重水素結合基(bonding group)(4H−単位)を含むシロキサンポリマーの合成に関する。得られるポリマーは、4H−単位間の(超分子)相互作用に基づくポリシロキサン鎖間の可逆的な物理的相互作用から由来する独特の新しい特性を示す。本発明のポリシロキサンは前例のないバルク材料特性を示し、シリコーン流体のゲル化剤として使用される。得られるゲルは、透明であり、並ぶもののない高いシリコーン流体含有量を有しながら、良好な材料特性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己補完型四重水素結合基(bonding group)(4H−単位)を含むシロキサンポリマーの合成に関する。得られるポリマーは、4H−単位間の(超分子)相互作用に基づく、ポリシロキサン鎖間の可逆的な物理的相互作用に由来する独特の新しい特性を示す。本発明のポリシロキサンは前例のないバルク材料特性を示し、シリコーン流体のゲル化剤として使用される。得られるゲルは透明であり、並ぶもののない高いシリコーン流体含有量を有しながら、良好な材料特性を呈する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、互いに強いH−架橋を形成して、バルク及び溶液中の異なるポリマー鎖間に可逆的な物理的相互作用をもたらすことのできる単位を含む、異なる構造と分子量を有するシロキサンベースのポリマー(ポリシロキサン)に関する。超分子のH−架橋相互作用は、それらが一列に4水素結合(bond)(すなわち4H−単位)を含む自己補完単位間に存在するので特殊であり、これらの4H−単位の作用は優れた材料特性をもたらす。4H−単位についての詳細はSijbesma et alの国際公開第98/14505号;Science, 278, 1601を参照されたい。
【0003】
以前にも、いくつかのテレケリックポリマーが4H−単位で修飾された(Folmer, B.J.B. et al., Adv. Mater. 2000, Vol. 12, 874)が、低分子量のテレケリックポリシロキサンを4H−単位で修飾した唯一の例は、前に、国際公開第98/14505号に記載された(後にHirschberg et al., Macromolecules 1999, Vol. 32, 2696に刊行された)。この特許に記載されたポリシロキサンポリマーの主な欠点は、保護/脱保護の手順の必要な4H−単位をポリマーに結合させる(couple)複雑な手順である。さらに、得られるポリマーは両端に2個の4H−単位を含むだけであり、分子量に制約を受ける。
【0004】
さらに本発明は、シリコーン流体(例えば、揮発性又は不揮発性シリコーン流体)のゲル化剤として4H−単位で官能化したポリシロキサンの使用に関する。得られるゲルは透明であり、少量のゲル化剤を含み、その物理特性は、正しい4H−単位で修飾したポリシロキサンを選択することによって、又はそれらのポリシロキサンのセットを組み合わせることによって微調整することができる。さらに、調製されたゲルは、例えば、化粧品又は皮膚用活性組成物を得るための化粧品又は皮膚用活性成分の担体として、パーソナルケア用途に使用することができる。本発明の特定の実施形態は、脱臭及び発汗抑制組成物などの皮膚手入れ組成物、日焼け止め組成物、毛髪手入れ組成物である。
【0005】
不揮発性ケイ素(シクロメチコン)に基づくゲルは、化粧品又は皮膚用処方品のべた付き及び粘着性を低減するので、シクロメチコン含有量の高い化粧品又は皮膚用組成物の必要性が増加している。これは、米国特許第5,500,209号においてゲル化剤としてポリアミドを使用することによって達成されたが、ポリアミドとの非相溶性及びポリアミドの高い結晶性のため、加えることのできるシクロメチコンの量は制限される。
【0006】
シリコーン流体との相溶性を改善するために、米国特許第5,874,069号及び米国特許第6,353,076B1号に記載されているように、ポリシロキサンのブロックを含むポリアミドが調製された。これらの発明の欠点は、異なるポリアミド間の比較的弱い相互作用のため、ここに開示するゲル化剤に比べてゲル化特性が低いことである。その結果、安定なゲルを得るために高分子量のポリマーを使用しなければならず、ゲル化剤の量は多く、非ケイ素性粘度向上剤を加えなければならない。
【0007】
米国特許第5,919,441号では、ポリシロキサンセグメントと、尿素、ウレタン、アミド、チオ尿素基又はこれらの基の組合せを有する極性セグメントとを含む主鎖のシロキサン尿素ポリマーが使用される。この発明の欠点は、使用されるポリマーの分子量が高く、材料の良好な加工性を妨げ、且つ、比較的多量の非シロキサン、シクロメチコン不混和性基が存在し、そのためゲル化剤によって濃厚化することのできるシクロメチコンの量が低減することである。さらに、この発明の主な欠点は、これが、安定なゲルを得るための多量の濃厚化剤及び化粧品用途において追加の粘度向上剤を必要とするので、異なるポリシロキサン間の二次相互作用が比較的弱いことである。
【特許文献1】Sijbesma et alの国際公開第98/14505号
【特許文献2】米国特許第5,500,209号
【特許文献3】米国特許第5,874,069号
【特許文献4】米国特許第6,353,076B1号
【特許文献5】米国特許第5,919,441号
【非特許文献1】Science, 278, 1601
【非特許文献2】Folmer, B.J.B. et al., Adv. Mater. 2000, Vol. 12, 874
【非特許文献3】Hirschberg et al., Macromolecules 1999, Vol. 32, 2696
【発明の開示】
【0008】
本発明は、互いに強いが可逆性のある物理的相互作用を形成することの可能な1個又は複数の4H−単位を含む、前例のないポリシロキサンの合成について述べる。4H−単位が存在するため、ポリシロキサンはバルク及び溶液中で独特の新しい材料特性を呈する。本発明の特定の実施形態において、これらの修飾されたポリシロキサンの効果的なゲル化挙動は、揮発性ケイ素溶媒を濃厚化するのに用いられ、濃厚化剤の含有量の少ない又は非常に少ない、優れた材料特性を有する透明なゲルを形成する。得られる濃厚化された揮発性ケイ素は化粧品又は皮膚用活性成分の担体として理想的であり、したがって、いくつかの化粧品又は皮膚用途がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
自己補完型四重水素基を含むシロキサンポリマーの説明
本発明に説明するポリシロキサンは、以下の一般式(3a)又は(3b)であることが好ましい。
【0010】
【化1】

式中、基R1は同じであっても異なっていてもよく、置換及び非置換の一価の非芳香族エチレンのないC〜C20炭化水素基又は芳香族基から選択され、Q、Q、Qは同じであり、少なくとも4個の水素架橋(4H−単位とも呼ぶ)を形成することが可能な、ケイ素−炭素結合(bond)による結合部分(linker)を介してポリマーに結合した(attached)1個又は複数の構造要素を表し、又は、QとQは同じであり、ケイ素−炭素結合による結合部分(linker)を介してポリマーに結合した(attached)1個又は複数の4H−単位を表し、QはR1で定義された通りであり、又はQはケイ素−炭素結合による結合部分(linker)を介してポリマーに結合した(attached)1個又は複数の4H−単位を表し、Q及びQはR1で定義された通りであり、又はQはケイ素−炭素結合による結合部分(linker)を介してポリマーに結合した(attached)1個又は複数の4H−単位を表し、QとQは同じであり、R1で定義された通りであり、Qはポリマー鎖にケイ素−炭素結合によって結合した(bonded)2個の結合部分(linker)を有する4H−単位であり、m、n、cは、ポリシロキサンの平均分子量が500〜250000の範囲であるような整数である。
【0011】
R1はアルキル基であることが好ましく、さらに好ましくはC〜C20アルキル基、特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、又はオクタデシル基、シクロアルキル基であり、さらに好ましくはC〜C20シクロアルキル基、さらに好ましくはC〜C10シクロアルキル基、特に好ましくはシクロヘキシル基、アリール基、さらに好ましくはC〜C20アリール基、さらに好ましくはC〜C10アリール基、特にフェニル又はナフチル、アリールアルキル基、さらに好ましくはC〜C20アリールアルキル基、さらに好ましくはC〜C10アリールアルキル基、特にベンジル、フェニルエチル、トリル、又はキシリル基である。R1はメチル基であることが最も好ましい。
【0012】
一般に、4個の水素架橋を形成することの可能な構造要素(4H−単位)は、一般式(1)又は(2)を有することが好ましい。
【0013】
【化2】

【0014】
上に示した全ての一般式において、C−X及びC−Y結合(linkage)は、各々単結合(bond)又は二重結合(bond)を表し、X・・Xはそれらに結合した(linked)対応する構造要素(2)を含むH架橋形成単位と水素架橋を形成する供与体又は受容体を表し、Xは供与体を表し、Yは受容体を表し、又はその逆である。一般式(1)又は(2)を有する構造要素の特性は米国特許第6,320,018号に開示されており、米国プラクチスのために参照により本明細書に組み込まれている。
【0015】
4H−単位は4個の供与体又は受容体を含み、自己補完型であって、対で互いに4個の水素架橋を形成する。4H−単位は、一般式(1)による構造要素の2個の連続的な供与体と、続いて2個の連続的な受容体を有することが好ましく、X及びXの両方がそれぞれ供与体又は受容体を表し、X及びXの両方がそれぞれ受容体又は供与体を表すことが好ましい。本発明によれば、供与体と受容体はO、S、及び/又はN原子であることが好ましい。
【0016】
構造要素Q(式(3a)及び(3b)参照)を構成するのに使用することのできる分子は、イソシアネート又はチオイソシアネートと反応し、又は活性化されて第1級アミンと反応し、四重水素結合部位(bonding site)の一部である尿素部分を与える窒素含有化合物である。窒素含有化合物はイソシトシン誘導体(すなわち2−アミノ−4−チミドン又はさもなければいわゆる2−アミノ−4−ヒドロキシピリミジン誘導体)又はトリアジン誘導体、又はこれらの誘導体の互変異性体であることが好ましい。さらに好ましくは、窒素含有化合物は、6−位置にアルキル、アルキルカルボン酸又はオリゴエチレングリコール、最も好ましくはメチル若しくはエチルヘキシル基を有するイソシトシン、又は、6−位置にメチル、及び5−位置に2−ヒドロキシエチル基を有するイソシトシンである。イソシアネート又はチオイソシアネートは単一官能性イソシアネート若しくは単一官能性チオイソシアネート、又は二官能性ジイソシアネート若しくは二官能性チオイソシアネートとすることができる。これらの化合物はジイソシアネート若しくはジチオイソシアネートであることが好ましく、特にジイソシアネートが好ましい。本発明に使用することのできる適切なジイソシアネートの例には、
1,4−ジイソシアネート4−メチル−ペンタン、
1,6−ジイソシアネート2,2,4−トリメチルヘキサン、
1,6−ジイソシアネート2,4,4−トリメチルヘキサン、
1,5−ジイソシアネート5−メチルヘキサン、
3(4)−イソシアネートメチル−1−メチルシクロヘキシルイソシアネート、
1,6−ジイソシアネート6−メチル−ヘプタン、
1,5−ジイソシアネート2,2,5−トリメチルヘキサン、
1,7−ジイソシアネート3,7−ジメチルオクタン、
1−ジイソシアネート1−メチル−4−(4−イソシアネートブト−2−イル)−シクロヘキサン、
1−ジイソシアネート1,2,2−トリメチル−3−(2−イソシアネートエチル)−シクロペンタン、
1−イソシアネート1,4−ジメチル−4−イソシアネートメチル−シクロヘキサン、
1−イソシアネート1,3−ジメチル−3−イソシアネートメチル−シクロヘキサン、
1−イソシアネートn−ブチル−3−(4−イソシアネートブト−1−イル)−シクロペンタン、
1−イソシアネート1,2−ジメチル−3−エチル−3−イソシアネートメチル−シクロペンタン、
3(4)−イソシアネートメチル−1−メチルシクロヘキシルイソシアネート(IMCI)、
トルエンジイソシアネート(TDI)、
メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、
メチレンジシクロヘキサン4,4−ジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサンジイソシアネート(HDI)がある。
【0017】
適切なチオイソシアネートの例は、上に適切なジチオシアネートとして例示した化合物のジチオイソシアネート誘導体である。
【0018】
ジイソシアネートは、IPDI、HDI、MDI、TDI又はメチレンジシクロヘキサン4,4−ジイソシアネート及びそれらのチオイソシアネート対であることが好ましい。しかし本発明によれば、ジイソシアネートはジチオイソシアネートよりも好ましく使用される。
【0019】
本発明による、特に適切な構造要素Qは、一般式(4)を有する以下の要素及びその互変異性体である。
【0020】
【化3】

式中、R2、R3又はR4は、それによって式(4)の4H−単位が、ランダム側鎖を表す他のR基を有するポリシロキサンに結合する(bonded)結合部分(linking moiety)を表し、又は水素原子である。さらに好ましくは、R2は結合部分(linking moiety)であり、R3とR4はランダム側鎖又は水素原子である。最も好ましくは、R3はランダム側鎖であり、R4は水素原子であり、ランダム側鎖はアルキル又はオリゴエチレングリコール基であり、最も好ましくはメチル又はエチルヘキシルである。本発明の他の実施形態において、R2及びR3、又はR2及びR4は、それによって式(4)の4H−単位はランダム側鎖又は水素原子を表す他のR基を有するポリシロキサンに結合する(bonded)結合部分(linking moiety)を表す。さらに好ましくは、R2とR4は結合部分(linking moiety)であり、R3はランダム側鎖又は水素原子である。最も好ましくは、ランダム側鎖はアルキル又はオリゴエチレングリコール基であり、最も好ましくはメチル又はエチルヘキシルである。
【0021】
結合部分(linking moiety)は、エステル、エーテル、尿素又はウレタンなどの官能基で置換された、又は置換されない、より短い又はより長い鎖の全ての種類、例えば、飽和又は不飽和の、分岐、環状若しくは直鎖アルキル鎖、オリゴシロキサン鎖、オリゴエステル鎖、オリゴエーテル鎖、及び伝統的なポリマー化学に用いられた任意の原子の鎖とすることができる。結合部分(linking moiety)はC〜C20の直鎖又は分岐アルキレン、アリーレン、アルカリーレン若しくはアリールアルキレン基であることが好ましく、さらに好ましくは、C〜C10の直鎖又は分岐アルキレン、アリーレン、アルカリーレン若しくはアリールアルキレン基であり、アルキレン、アリーレン、アルカリーレン若しくはアリールアルキレン基は他の基で置換することができ、又は置換基として又は主鎖の中に環状基を含むことができる。それらの基の例は、メチレン、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、1,6−ビス(エチレン)シクロヘキサン、1,6−ビスメチレンベンゼン等である。アルキレン、アリーレン、アルカリーレン若しくはアリールアルキレン基は、ヘテロ原子、特に酸素、窒素、硫黄の群から選択されるヘテロ原子と解釈することができる。
【0022】
構造要素Qの例は、式(4)による要素であり、R2はプロピレン基であり、R3はメチル基であり、R4はプロトンであり、又は、R2は[1,3,3−トリメチル−5−(3−プロピル−ウレイド)−シクロヘキシル]−メチルであり、R3はメチルであり、R4はプロトンであり、又は、R2は3−(3−プロピル−ウレイド−メチル)−3,5,5−トリメチル−シクロヘキシルであり、R3はメチルであり、R4はプロトンであり、又は、R2は3−(ヘキシルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチル−シクロヘキシルであり、R3はメチルであり、R4は[3−(ヘキシルオキシカルボニルアミノ−メチル)−3,5,5−トリメチル−シクロヘキシル]−カルバミン酸エチルエステルである。
【0023】
繰り返し単位m(式(3a)参照)の数は、0〜700の範囲であり、さらに好ましくは0〜50であり、さらに好ましくは0〜10である。
【0024】
繰り返し単位n(式(3a)及び(3b)参照)の数は、0〜700の範囲であり、さらに好ましくは5〜400である。
【0025】
本発明によれば、4H−単位で修飾されたポリシロキサンは5つの異なる方法で得られる。つまり、(i)官能性末端基を含むポリシロキサンを、4H−単位を含む反応性シントン(synthon)又は4H−単位を形成する反応性シントンと反応させる、又は(ii)ポリマー鎖に沿って櫛状に懸垂官能基を含むポリシロキサンを、4H−単位を含む反応性シントン又は4H−単位を形成する反応性シントンと反応させる、又は(iii)官能性末端基及びポリマー鎖に沿って櫛状に懸垂官能基を含むポリシロキサンを、4H−単位を含む反応性シントン又は4H−単位を形成する反応性シントンと反応させる、又は(iv)環状シロキサンモノマーを、2個以上の4H−単位を含む官能性終端基の存在下で開環重合させることによって、又は(v)環状シロキサンモノマーを、1個又は複数の4H−単位で官能化した環状シロキサンモノマーとの共重合によって得られる。
【0026】
本発明の好ましい実施形態において、ポリシロキサン中の官能性懸垂基及び末端基は、ヒドリド、アミノプロピル、アミノエチルアミノプロピル、アミノエチルアミノイソブチル、アルカノール、ヘキサノール、脂肪族ジオール、ヒドロキシ終端のポリ(エチレングリコール)、ヒドロキシ終端のポリ(エチレン−コ−プロピレン)グリコール、又はヒドロキシ終端のオリゴカプロラクトンである。ポリシロキサンがヒドリド官能基を含むとき、式(4)の4H−単位は、R2がアリルであり、R3がメチルであり、R4がプロトンで定義されることが好ましい。ポリシロキサンがアミノ及び/又はアルコール官能基を含むとき、式(4)の4H−単位は、R2が、R2に結合した(attached)窒素を有するイミダゾール環を形成し、R3がメチルであり、R4がプロトンであり、又はR2がメチル(3−イソシアネート3,5,5−トリメチル−シクロヘキシル)又は1,3,3−トリメチル−5−(イソシアネートメチル)−シクロヘキシルであり、及びR3がメチルであり、R4がプロトンであると定義される。
【0027】
官能基を有するポリシロキサンの例は、以下の(1)〜(3)のプレポリマーを含む。
(1)テレケリックポリシロキサン:特定の例は、DMS−H21、DMS−H25、DMS−H31(Gelest)として販売されているヒドリド官能性シリーズ;DMS−A12、DMS−A15、DMS−A21、DMS−A32(Gelest)、又はX−22−161B、KF−8012(Shin-Etsu)として販売されているアミノ官能性シリーズ;アルコール官能性シリーズのKF−6001、KF−6002、KF−6003、X−22−176−DX(Shin-Etsu)、又はTEGO IS4181、TEGO IS4480P(Goldschmidt)を含む。
(2)懸垂官能性ポリシロキサン:特定の例は、HMS−064、HMS−071、HES−992、HAM−303(Gelest)として販売されているヒドリド官能性シリーズ;AMS−152、AMS−162(Gelest)、又はKF−864、KF−868(Shin-Etsu)として販売されているアミノ−官能性シリーズ;又はShin-Etsu、Dow Corning Corporation、GE-Bayer Silicones、Wacker-Chemieによっていくつかの商品名で販売されているアミドメチコン、又はShin-Etsu、Dow Corning Corporation、GE-Bayer Siliconesによっていくつかの商品名で販売されているヒドロキシ官能性ジメチコンコポリオールを含む。
(3)懸垂及び末端基の官能性ポリシロキサン:特定の例は、HDP−111、HPM−502(Gelest)として販売されているヒドリド官能性シリーズ;KF857、KF−862(Shin-Etsu)として販売されているアミノ−及びアルコキシ−官能性シリーズを含む。
【0028】
本発明の他の実施形態において、前述の4H−単位で修飾されたポリシロキサンはシリコーン流体の濃厚化剤として使用される。4H−単位が存在することに起因するケイ素中のポリシロキサンの高い溶解性と強い相互作用の組合せは、約98%までの高いケイ素含有量のゲルの形成をもたらす。ゲル化することのできるシリコーン流体の例は、ジメチコンとして知られる直鎖シロキサン、フェニルトリメチコンなどの芳香族置換基を含む直鎖シロキサン、C〜Cアルキル若しくはフェニルで任意選択的に置換された、環の中に4〜6員を有する環状シロキサン、特にシクロメチコンなどの環状ジメチルシロキサンである。これらのシリコーン流体の混合物も使用することができる。
【0029】
本発明で説明する濃厚化剤は、それらの高いケイ素含有量と比較的低い分子量のため、シクロメチコンなどのケイ素溶媒と完全に相溶性がある。ケイ素溶媒のゲル化は、1〜40重量%の量の濃厚化剤、詳細には1〜25重量%、最も好ましくは2〜15重量%で起きる。
【0030】
透明なゲルは、シリコーン流体の存在下で4H−単位で修飾されたポリシロキサンを25〜130℃に加熱し、続いて室温に冷却することによって得られる。使用される4H−単位で修飾されたポリシロキサンの性質及び量に応じて、ゲルは0℃〜60℃で構造的に安定である。
【0031】
ゲルの剛性は、使用されるポリシロキサンゲル化剤に強く依存する。鎖当たりの4H−単位の数を増加すると、より剛性のあるゲルが得られ、ポリシロキサンの分子量を増加させるとゲルがさらに強くなる。したがって、異なる量のシリコーン流体、及び異なる種類のシリコーン流体に異なる種類のゲル化剤を混合することによって、柔軟なものから固いものまで完全な範囲のゲルを得ることができる。
【0032】
化粧品又は皮膚用組成物などのパーソナルケア用途は、組成物が正しい化粧又は皮膚用活性度、及び正しい粘度を有するように、少なくとも1種の化粧品又は皮膚活性成分を十分な量でシリコーン流体及びポリシロキサン濃厚化剤に加えることによって処方することができる。任意選択的に、化粧品活性材料用の界面活性剤、皮膚軟化薬、及び/又は溶媒が組成物に加えられる。さらに、組成物は本発明に述べるポリシロキサン濃厚化剤の量と性質に応じて、例えば、棒、ゲル、クリーム、ムース、又は溶液などの異なる物理的外観を有することができる。
【0033】
4H−単位の可逆的性質は、組成物の加熱及び/又は希釈によって劇的に粘度が低下し、その結果はるかに加工の容易な組成物が得られるので、使用者による化粧品又は皮膚用組成物の使用を容易にする。これらの加工性の利点は、当技術分野によく知られているポリシロキサンの化粧製品における特に有益な特性と一緒に、毛髪手入れ製品、メークアップ製品、皮膚手入れ製品、発汗抑制剤、脱臭剤における独特の用途を可能にし、全て加えられた特定の化粧活性成分に依存する。
【実施例】
【0034】
本発明を実施例で詳細に明らかにするが、それによって制限されることはない。
【0035】
以下の実施例は、
(i)構造ブロックの合成;4H−単位を含む、又は官能性ポリシロキサンとの反応の後に4H−単位を与える、反応性シントン。
(ii)官能性ポリシロキサンへの反応性シントン構造ブロックの結合(coupling);様々な結合(coupling)手法が提示される。
(iii)1種のポリシロキサンの流動学を論じることによる、修飾されたポリシロキサンのバルク特性。
(iv)ゲル化実験。
について説明する。
【0036】
(i)構造ブロックの合成
【0037】
構造ブロック1の合成
【0038】
【化4】

【0039】
アリルイソシアネート(3.12mL)をメチルエチルケトン(80mL)及びピリジン(5mL)に懸濁したメチル−イソシトシン(又は2−アミノ−4−ヒドロキシ−6−メチル−ピリミジン4.0g)に加え、続いてアルゴン雰囲気下で80℃で20時間攪拌した。室温まで冷却した後、生成物を濾過し、ペンタンで洗い、真空中で乾燥した。白い粉が得られた。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ13.1 (1H)、11.8 (1H)、10.4 (1H)、5.9 (1H)、5.8 (1H)、5.3 (1H)、5.2 (1H)、3.9 (2H)、2.1 (3H)。FT-IR (非希釈): ν (cm-1) 2948、1703、1666、1582、1521、1256。
【0040】
構造ブロック2の合成
【0041】
【化5】

【0042】
乾燥DMSO(50mL)中のメチルイソシトシン(10g)とカルボジイミダゾール(20.7g)の混合物を加熱し、アルゴン雰囲気下で100℃で2時間攪拌した。得られた固体を濾過し、乾燥アセトンで白い粉が濾紙中に残るまで洗い、続いて真空中で乾燥し、P上で貯蔵した。FT-IR(非希釈): ν(cm-1) 3174、1701、1644、1600、1479、1375、1320、1276。
【0043】
構造ブロック3の合成
【0044】
【化6】

【0045】
メチルイソシトシン(5.2g)をイソホロンジイソシアネート(IPDI、50mL)に加え、続いてアルゴン雰囲気下で90℃で3日間攪拌した。得られた透明な溶液をヘプタン中で沈澱させた。白いゴム質を集め、150mLのヘプタン中で加熱し、氷の上で冷やし、濾過した。同じ手順を白い残渣でもう一度繰り返し、白い粉を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ13.1 (1H)、12.0 (1H)、10.1 (1H)、5.9 (1H)、4.1〜3.1 (3H)、2.1 (3H)、2.0〜0.9 (15H)。FT-IR (非希釈): ν (cm-1) 2954、2255、1696、1662、1582、1524、1247。
【0046】
生成物は4種の異なる異性体で存在する:反応式の中で上述したレジオ異性体は両方ともシス及びトランス構造で存在する。4種の異性体が存在するが、明瞭にするため以下の反応式には1種の異性体だけを示す。
【0047】
構造ブロック4の合成
【0048】
【化7】

【0049】
1,6−ヘキシルジイソシアネート(650g)とメチルイソシトシン(又は2−アミノ−4−ヒドロキシ−6−メチル−ピリミジン65.1g)を2リットルのフラスコ中に懸濁した。混合物をアルゴン雰囲気下で100℃で一夜攪拌した。室温まで冷却した後、攪拌を続けながら1リットルのペンタンを懸濁物に加えた。生成物を濾過し、ペンタンで数回洗い、真空中で乾燥した。白い粉が得られた。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ13.1 (1H)、11.8 (1H)、10.1 (1H)、5.8 (1H)、3.3 (4H)、2.1 (3H)、1.6 (4H)、1.4 (4H)。FT-IR (非希釈): ν (cm-1) 2935、2281、1698、1668、1582、1524、1256。
【0050】
構造ブロック5の合成
【0051】
【化8】

【0052】
2−アセチルブチロラクトン(2mL)とグアニジンカルボナート(3.3g)をトリエチルアミン(5.2mL)の存在下で、無水エタノール(20mL)中で還流させた。溶液は黄色になり濁った。一夜加熱還流した後、固体を濾過し、エタノールで洗い、水に懸濁させた。pHを約6〜7の値に調節し、混合物を暫く攪拌した。濾過、残渣のエタノールによるすすぎ、固体の乾燥によって純粋な生成物が得られた。1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ11.2 (1H)、6.6 (2H)、4.5 (1H)、3.4 (2H)、2.5 (2H)、2.1 (3H)。FT-IR (非希釈): ν (cm-1) 3333、3073、2871、1639、1609、1541、1487、1393、1233、1051、915、853、789、716。
【0053】
構造ブロック6の合成
【0054】
【化9】

【0055】
構造ブロック5(1g)を1,6−ヘキシルジイソシアネート(12mL)とピリジン(1mL)に懸濁させ、90℃で攪拌した。透明な溶液が生成し、その後いくらかのゲル粒子が形成された(望ましくない)。溶液を冷却し、いくらかのセライトを通して濾過した。濾過物をペンタンに滴下し、白い沈殿物を得た。この沈殿物を再びペンタン中で攪拌して、1,6−ヘキシルジイソシアネートの残りの痕跡を除去した。濾過による単離に続いて乾燥し、純粋なジイソシアネートを得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ13.1 (1H)、11.9 (1H)、10.2 (1H)、4.8〜4.6 (1H)、4.2 (2H)、3.3 (6H)、3.1 (2H)、2.7 (2H)、2.3 (3H)、1.7〜1.2 (16H)。FT-IR (非希釈): ν (cm-1) 3314、2936、2263、1688、1662、1640、1590、1535、1444、1257、1140、1025、780、742。
【0056】
構造ブロック7
【0057】
【化10】

【0058】
構造ブロック5(12グラム)をIPDI(150mL)に懸濁させ、アルゴン雰囲気下で90℃で一夜攪拌した。透明な溶液が生成した。溶液を冷却しヘキサン中で沈澱させた。固体を濾過し、別のヘキサン中で攪拌し、次いで残渣の濾過、ヘキサンでの洗浄と乾燥によって生成物を単離した。収率:98%。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ13.1 (1H)、11.9 (1H)、10.2 (1H)、4.8〜4.5 (1H)、4.2 (2H)、4.0〜3.2 (3H)、3.1〜2.9 (3H)、2.7 (2H)、2.3 (3H)、1.9〜1.6 (4H)、1.4〜0.8 (26H)。FT-IR (非希釈): ν (cm-1) 2954、2254、1690、1664、1637、1590、1532、1461、1364、1307、1257、1034、791。MALDI-TOF-MS、[M+]=614、[M+Na+]=636。便宜上、生成物の1種の異性体のみを示す。IPDIは異なるレジオ及び立体異性体で存在し、結合(coupling)はIPDI中の1種のイソシアネート官能性に選択的ではない。
【0059】
(ii)官能性ポリシロキサンへの反応性シントン構造ブロックの結合(coupling)
ポリシロキサン1の合成
【0060】
【化11】

【0061】
出発のジメチルヒドリド終端ブロックのポリシロキサンDMS H21は100cStの粘度を有し、Gelestから得た。窒素雰囲気中で、DMS H21(10g)とアリルシントン構造ブロック1(0.8g)の混合物をトルエン(40mL)中に懸濁させ、そこへ塩化プラチナとジビニルテトラメチルジシロキサンの中和された錯体を、全組成物あたり15〜20ppmのPt−金属濃度を得るのに十分な量加えた。続いてこの混合物を窒素雰囲気中80℃で16時間攪拌した。冷却の後反応混合物を濾過し、真空中で乾燥した。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ13.1、11.9、10.2、5.9、3.3、2.2、2.0〜1.5、0.6、0.4〜-0.1。FT-IR (非希釈): ν (cm-1) 2963、1701、1670、1587、1527、1258、1010、780。
【0062】
ポリシロキサン2の合成
【0063】
【化12】

【0064】
出発のビス(アミノプロピル)終端ブロックのポリシロキサンDMS A21は100〜120cStの粘度を有し、Gelestから得た。カルボ−イミダゾールで活性化したメチルイソシトシン構造ブロック2(1.5g)を、テトラヒドロフラン(200mL)中のDMS A21(14.7g)溶液に加えた。続いてこの混合物を油浴温度80℃に加熱し、この温度でアルゴン雰囲気下16時間攪拌した。クロロホルム(200mL)を反応混合物に加え、続いてシリカ上で濾過した。透明な濾過物を飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗った。有機留分をNaSO上で乾燥し、濾過し、真空中で乾燥してオフホワイト色の透明な弾性材料を得た。ゲル浸透クロマトグラフ(ポリスチレン標準)で測定して分子量(M)は3.0kg/モル、分子量分布は1.8であった。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ13.1、11.9、10.2、5.9、3.3、2.3、1.6、0.6、0.4〜-0.1。FT-IR (非希釈): ν (cm-1) 2961、1698、1659、1587、1527、1258、1010、780。SEC (THF, PS基準): Mw=8.1kD。
【0065】
ポリシロキサン3の合成
【0066】
【化13】

【0067】
出発のアミノプロピルをグラフトしたポリシロキサンAMS152は150〜260cStの粘度を有し、m=4〜5であり、Gelestから得た。カルボ−イミダゾールで活性化したメチルイソシトシン構造ブロック2(2.1g)を、テトラヒドロフラン(150mL)中のAMS152(15.2g)溶液に加えた。続いてこの混合物を油浴温度80℃に加熱し、この温度でアルゴン雰囲気下16時間攪拌した。冷却の後、クロロホルム(150mL)を反応混合物に加え、続いてシリカ上で濾過した。透明な濾過物を飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗った。有機留分をNaSO上で乾燥し、濾過し、真空中で乾燥してオフホワイト色の透明な弾性材料を得た。ゲル浸透クロマトグラフ(ポリスチレン標準)で測定して分子量(M)は6.3kg/モル、分子量分布は1.9であった。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ13.1、11.9、10.2、5.9、3.3、2.3、1.6、0.6、0.4〜-0.1。FT-IR (非希釈): ν (cm-1) 2961、1698、1659、1587、1527、1258、1010、780。SEC (THF, PS基準): Mw=12kD。
【0068】
ポリシロキサン4の合成
【0069】
【化14】

【0070】
出発のアミノプロピルをグラフトしたポリシロキサンAMS162は80〜120cStの粘度を有し、m=3〜4であり、Gelestから得た。イソシアネート官能化したメチルイソシトシン構造ブロック3(2.5g)をテトラヒドロフラン(150mL)中のAMS162(15.1g)溶液に加えた。続いてこの混合物を室温でアルゴン雰囲気下6時間攪拌した。クロロホルム(100mL)を反応混合物に加え、続いてシリカ上で濾過した。透明な濾過物を真空乾燥して透明で無色の材料を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ13.2、11.9、10.0、5.9、4.2〜3.8、3.4〜2.5、2.2、2.0〜0.8、0.6、0.4〜-0.1。FT-IR (非希釈): ν (cm-1) 2961、1643、1571、1258、1010、780。SEC (THF, PS基準): Mw=33kD。
【0071】
ポリシロキサン5の合成
【0072】
【化15】

【0073】
出発のアミノエチルプロピルアミンをグラフトしたポリシロキサンはアミドメチコンとしても知られ、例えば、GE Bayer SiliconeからSF1708(粘度=1250〜2500mm−1、アミン当量0.8meq/g、m及びnはGE Bayer Siliconeの社内秘)として販売されている。イソシアネート官能化したメチルイソシトシン構造ブロック3(5.9g)をテトラヒドロフラン(500mL)中のアミノエチルプロピルアミンをグラフトしたポリシロキサン(19.8g)溶液に加えた。続いてこの混合物を室温でアルゴン雰囲気下2時間攪拌した。粘性のある反応混合物をエタノール(100mL)で希釈し、メタノール中で沈澱させた。沈殿物を真空乾燥して白い透明なガラスを得た。1H NMR (400MHz, DMSO/CDCl3): δ8.4〜8.2、6.1、4.0〜3.8、3.4〜2.8、2.3、1.8〜1.4、1.3〜0.7、0.4、0.3〜0.1。FT-IR (非希釈): ν (cm-1) 2962、1663、1614、1573、1258、1010、790。SEC (THF, PS基準): Mw=28kD。
【0074】
ポリシロキサン6の合成
【0075】
【化16】

【0076】
出発のオリゴグリコールをグラフトしたポリシロキサンはジメチコンコポリオールとしても知られ、例えば、Dow CorningからDC193(粘度=465cSt、m、n及びcはDow Corningの社内秘)として販売されている。イソシアネート官能化したメチルイソシトシン構造ブロック3(2.2g)をトルエン(100mL)中の乾燥したオリゴグリコールグラフトポリシロキサン(6.13g)溶液に加えた。続いてこの混合物を、数滴のジラウリン酸ジブチルスズ触媒の存在下、80℃でアルゴン雰囲気下16時間攪拌した。反応混合物をその元の容積の1/3に濃縮し、続いてジエチルエーテル中で沈澱させた。得られたポリマーは白いゴム質として得られた。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ13.1、11.8、10.0、5.9、4.2、4.0〜2.8、2.2、2.0〜1.5、1.4〜0.7、0.5、0.3〜0.1。FT-IR (非希釈): ν (cm-1) 2868、1698、1662、1579、1526、1256、1091、1020、773。SEC (THF, PS基準): Mw=5.5kD。
【0077】
ポリシロキサン7の合成
【0078】
【化17】

【0079】
出発のビスヒドロキシアルキルで終端したポリシロキサンTEGO IS4181は60〜80MPa.sの粘度を有し、Goldschmidtから得られる。ポリマーTEGO IS4181(10.5g)をトルエン(50mL)に溶解し、得られた溶液を、トルエン(100mL)に溶解したIPDI(5.7g)及びジラウリン酸ジブチルスズ(8滴)に2時間かけて滴下して加えた。続いて混合物を、室温でアルゴン雰囲気下48時間攪拌し、続いて40℃で2時間攪拌した。その後、ピリジン(15mL)及びメチルイソシトシン(3.6g)をこの混合物に加え、次いで16時間沸騰させた。FT−IRによって、NCO基が反応し、揮発分が蒸発によって反応混合物から除去されたことを確認した。混合物をクロロホルムに溶解し、残る固体を濾過によって除去し、濾過物をヘキサン中に滴下して加えた。ポリマーが沈澱し、乾燥の後、透明なガラスとして単離された。ゲル浸透クロマトグラフ(ポリスチレン標準)で測定して、分子質量は1.4kg/モルであり、分子量分布は1.3であった。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ13.1、12.0、10.0、5.8、4.5、4.2〜3.6、3.2〜2.8、2.3、1.8〜1.5、1.4〜0.8、0.5、0.2〜-0.1。FT-IR (非希釈): ν (cm-1) 2958、2924、2852、1694、1663、1613、1574、1526、1462、1257、1018。SEC (THF, PS基準): Mw=12kD。
【0080】
ポリシロキサン8の合成
【0081】
【化18】

【0082】
Goldschmidtからのビスヒドロキシアルキルで終端したポリシロキサンTEGO IS4181(9.8g)をトルエンで分解し、クロロホルム(20mL)に溶解し、IPDI(4.75g)、クロロホルム(6mL)及び数滴のジラウリン酸ジブチルスズを含む溶液に2時間かけて滴下により加えた。混合物を室温で一夜攪拌した。次いで、蒸発によって溶媒を除去し、ピリジン(40mL)と構造ブロック5(1.8g)を加えた。懸濁物を90℃で一夜攪拌し、粘性のある透明な溶液が得られた。FT−IR分析によってNCO−帯が消失したので、反応が完了したことが確認された。ピリジンを蒸発によって除去し、ポリマーをクロロホルムに10%エタノールと共に溶解した。この溶液をメタノールに滴下して沈澱ポリマーが生成され、これを単離して真空乾燥した。1H NMR (300MHz, CDCl3/CD3OD): δ4.8〜4.5、4.3〜3.6、3.3〜2.6、2.3、2.0〜0.8、0.5、0.2〜-0.1。FT-IR (非希釈): ν (cm-1) 3238、2958、1714、1661、1635、1580、1536、1437、1257、1019、794。SEC (THF, PS基準): Mn=7.0、D=1.9。
【0083】
ポリシロキサン9の合成
【0084】
【化19】

【0085】
クロロホルム(100mL)中の構造ブロック7(1.17g)をクロロホルム(400mL)中のビス(アミノプロピル)終端ポリシロキサンDMS−A32(51.5g;このポリマーは2000cStの粘度を有し、Gelestから得られる;Mn=27kD)に滴下して加えた。溶液を室温で攪拌し、ジイソシアネートを添加した後、混合物をアルゴン雰囲気下で50℃で一夜加熱した。ゲルが生成し、これは300mLのクロロホルムと50mLのピリジンを加えることによって分解した。溶液をさらに1時間攪拌し、揮発分を蒸発させ、混合物をトルエンと共蒸発させ、最終的に生成物をジクロロメタン/メタノール(4/1)溶液からメタノール中に沈澱させることによって単離した。生成物を真空乾燥した。生成物は透明な無色のゴム状材料であり、機械的な動作で引き裂くことができる。1H NMR (400MHz, CDCl3/CD3OD): δ4.2〜4.0、3.8〜3.6、3.2〜3.0、2.9〜2.6、2.2、1.7〜1.5、1.5〜1.4、1.1〜0.7、0.5、0.3〜0.5。SEC (THF, PS基準): Mn=70.5kD、D=2.7。
【0086】
ポリシロキサン10の合成
【0087】
【化20】

【0088】
クロロホルム(6mL)中のジイソシアネート構造ブロック6(0.126g)をクロロホルム(20mL)中のビス(アミノプロピル)終端ポリシロキサンDMS A32(6.71g;このポリマーは2000cStの粘度を有し、Gelestから得られる)に滴下して加えた。溶液を室温で攪拌し、粘性のある溶液が得られ、その後ゲルが得られた。ゲルをクロロホルムとエタノールで希釈した。エタノール中への沈澱によってポリマーが得られ、これを単離して真空乾燥した。無色のポリマーは柔らかい手触りで、いくらか弾性があり機械的な力で粉砕される。1H NMR (400MHz, CDCl3/CD3OD): d 4.2、3.3、3.2、2.8、2.3、1.7〜1.2、0.5、0.3〜0.1。FT-IR (非希釈): n (cm-1) 2963、1725、1695、1665、1607、1582、1447、1413、1258、1079、1009。SEC (THF, PS基準): Mn=129kD、D=1.8。
【0089】
ポリシロキサン11の合成
【0090】
【化21】

【0091】
クロロホルム(10mL)中のイソシアネート構造ブロック4(0.107g)をクロロホルム(20mL)中のビス(アミノプロピル)終端ポリシロキサンDMS A32(4.93g)に滴下して加えた。溶液を室温で攪拌し、粘性のある溶液が得られた。1時間後、HNMR及びFT−IR分析によって、アミンとイソシアネートの両方が消失したことを確認した。反応混合物をメタノールに滴下してポリマーを得て、単離し真空乾燥した。1H NMR (400MHz, CDCl3/CD3OD): δ5.8、3.1、3.0、2.2、1.6〜1.2、0.5、0.2〜-0.2。FT-IR (非希釈): ν (cm-1) 2963、1706、1662、1626、1595、1447、1413、1258、1080、1009。SEC (THF, PS基準): Mw=45kD。
【0092】
ポリシロキサン12の合成
【0093】
【化22】

【0094】
出発のビス(アミノプロピル)終端ポリシロキサンDMS A21は100〜120cStの粘度を有し、Gelestから得た。イソシアネート官能化メチルイソシトシン構造ブロック3(2.1g)をテトラヒドロフラン(150mL)中のDMS A21(14.3g)溶液に加えた。続いて、混合物をアルゴン雰囲気下室温で6時間攪拌した。クロロホルム(100mL)を反応混合物に加え、続いてシリカ上で濾過した。透明な濾過物を真空乾燥し、透明で無色の材料を得た。ゲル浸透クロマトグラフ(ポリスチレン標準)で測定して、分子質量は3.3kg/モルであり、分子量分布は2.2であった。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ13.2、11.9、10.0、6.1、4.2〜3.8、3.4〜2.8、2.6〜2.2、2.1、2.0〜0.8、0.6、0.4〜-0.1。FT-IR (非希釈): ν (cm-1) 2961、1643、1571、1258、1010、780。SEC (THF, PS基準): Mw=9.1kD。
【0095】
ポリシロキサン13の合成
【0096】
【化23】

【0097】
出発のビス(アミノプロピル)終端ポリシロキサンDMS A32は2000cStの粘度を有し、Gelestから得た。イソシアネート官能化メチルイソシトシン構造ブロック3(0.57g)をテトラヒドロフラン(150mL)中のDMS A32(21.2g)溶液に加えた。続いて、混合物をアルゴン雰囲気下室温で6時間攪拌した。クロロホルム(100mL)を反応混合物に加え、続いてシリカ上で濾過した。透明な濾過物を真空乾燥し、透明で無色の材料を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ13.2、11.9、10.0、6.1、4.2〜3.8、3.4〜2.8、2.6〜2.2、2.1、2.0〜0.8、0.6、0.4〜-0.1。FT-IR (非希釈): ν (cm-1) 2961、1643、1571、1258、1010、780。SEC (THF, PS基準): Mw=43kD。
【0098】
ポリシロキサン14の合成
【0099】
【化24】

【0100】
構造ブロック7(0.41g)、テレケリックアルコール終端ポリジメチルシロキサンKF−6003(3.53g、Mn=5.0kD;Shin Etsu、Japanから得た)及び数滴のジラウリン酸ジブチルスズを、アルゴン雰囲気下、油浴温度120℃でトルエン(10mL)中で一夜攪拌した。ポリマーをメタノール中への沈澱によって単離し、続いて固体を集め乾燥した。ポリマーは無色で柔軟且つ透明であった。1H NMR (300MHz, CDCl3/CD3OD): δ4.0、3.5、3.3、2.9、2.8、2.2、1.5、1.1〜0.7、0.4、0.3〜0.2: SEC (THF PS基準): Mw=66kD、D=2.0。
【0101】
ポリシロキサン15の合成
【0102】
【化25】

【0103】
テレケリックアルコール終端ポリジメチルシロキサンKF−6003(12.14g)、1,6−ヘキシルジイソシアネート(0.28g)、及び1滴のジラウリン酸ジブチルスズを、アルゴン雰囲気下、40℃でクロロホルム(35mL)中で一夜攪拌した。混合物を蒸発して、平均分子量15kDを有するポリシロキサンプレポリマーを生成させた。この中間体生成物の一部(2.11g)、構造ブロック7(86mg)、1滴のジラウリン酸ジブチルスズ、及びトルエン(10mL)を、アルゴン雰囲気下、油浴温度120℃で一夜攪拌した。ポリマーをメタノール中への沈澱によって単離し、続いて固体を集め乾燥した。ポリマーは無色で透明であり、いくらか粘着性のある材料であった。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ4.8、4.2、3.8〜3.0 (多重線シグナル)、2.3、1.8〜0.9 (多重線シグナル)、0.5、0.2〜0。SEC (THF, PS基準): Mn=37kD、D=2.8。
【0104】
ポリシロキサン16の合成
【0105】
【化26】

【0106】
テレケリックアルコール終端PEO−1500(0.72g)をトルエンで3回ストリッピングした後、構造ブロック7(0.59g)、2滴のジラウリン酸ジブチルスズ、及びクロロホルム(10mL)と混合した。溶液をアルゴン下で20時間還流して攪拌した。トルエン中のビス(アミノプロピル)終端ポリジメチルシロキサンDMS−A21(2.40g;このポリマーは100〜120cStの粘度を有し、分子量は5.0kDであり、Gelestから得られる)及び数mLのピリジンを溶液に加え、油浴温度80℃での攪拌をさらに20時間維持した。水中への沈澱及び乾燥によってポリマー生成物を得た。材料は薄い黄色で、柔らかく機械的力で粉砕する。1H NMR (400MHz, CDCl3/CD3OD): δ4.0、3.6、3.2〜2.5 (多重線シグナル)、2.2、1.6〜0.6 (多重線シグナル)、0.4、0.1〜0.1。SEC (THF, PS基準): Mw=10kD。
【0107】
ポリシロキサン17の合成
【0108】
【化27】

【0109】
出発のヒドロキシ終端ポリ(エチレンオキシド)−ポリシロキサン−ポリ(エチレンオキシド)トリブロックコポリマーDBE C25は400〜450cStの粘度を有し、Gelestから得た。DBE C25(30.9g)をトルエンで3回ストリッピングした後、構造ブロック4(6.1g)、4滴のジラウリン酸ジブチルスズ及びクロロホルム(300mL)に混合した。溶液をアルゴン下で20時間還流して攪拌した。続いて150mLのTHFを加え、粘性のある溶液をセライト上で濾過し、その元の容積の30%に濃縮し、ヘキサン中で沈澱させた。オフホワイトの材料は柔軟でいくらか脆かった。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ13.2、11.9、10.2、5.9、4.3、4.0〜3.0、2.3、2.0、1.8〜1.2、0.5、0.4〜-0.1。SEC (THF, PS基準): Mw=5.9kD。
【0110】
ポリシロキサン18の合成
【0111】
【化28】

【0112】
出発のヒドロキシ終端ポリカプロラクトン−ポリシロキサン−ポリカプロラクトントリブロックコポリマーは6800の分子量を有し、Goldschmidt、Germany(TEGO IS4480P)から得た。TEGO IS4480P(5.8g)をトルエンで3回ストリッピングした後、構造ブロック3(0.71g)、2滴のジラウリン酸ジブチル、及びトルエン(30mL)に混合した。溶液をアルゴン下で16時間還流して攪拌した。粘性のある溶液をセライト上で濾過し、その元の容積の30%に濃縮し、メタノール中で沈澱させ、白色のやや柔らかい材料を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ13.1、12.0、10.0、5.8、4.6、4.4〜3.6、3.2〜2.8、2.4〜2.0、1.8〜0.8、0.5、0.2〜-0.1。SEC (THF, PS基準): Mw=15kD。
【0113】
ポリシロキサン19の合成
【0114】
【化29】

【0115】
トルエン(4mL)中の構造ブロック7(0.58g)をトルエン(16mL)中のビス(アミノプロピル)終端ポリシロキサンDMS−A21(4.68g;このポリマーは100〜120cStの粘度を有し、Gelestから得られる;Mn=5kD)に滴下して加えた。溶液を室温で攪拌し、粘性のある溶液が得られ、その後ゲル化した。油浴温度120℃までの加熱とピリジン(2mL)の添加によって再び溶液が得られ、それをアルゴン雰囲気下で一夜攪拌した。メタノール中へ沈澱させて得たポリマーを単離して真空乾燥した。生成物はいくらか固く、透明で無色の材料であり、機械的な作用で破砕する。1H NMR (400MHz, CDCl3/CD3OD): δ4.2〜4.0、3.8〜3.6、3.2〜2.9、2.8〜2.6、2.2、1.7〜1.5、1.4、1.1〜0.6、0.4、0.2〜-0.2。
【0116】
(iii)バルク特性
4H−単位間の超分子相互作用を行うポリシロキサンは、これらの分子量が本質的に低いことを考慮すると、独特のバルク特性を示す。これはポリシロキサン4について測定した流動特性によって示される。40℃での貯蔵(G’)及び損失モジュラス(G”)の主曲線、及び動的振動剪断測定で得られる動粘度(η)は、典型的に粘弾性挙動:ゼロ剪断粘度0.9×10Pa・sで0.05rad/s以下の粘性流動、貯蔵モジュラス1.2×10Paで1rad/sを超える周波数でゴム状挙動を示す。さらに、ポリシロキサン4の複雑な粘度はより高い周波数で大きく減少する。この挙動は独特であり、ポリマー中に4H−単位が存在することによる。対照的に、官能化しない親のポリシロキサンは非常に悪い材料特性を示す:粘弾性遷移がなく、粘度は50分の1であり、G”はより高い周波数へ向かって40倍以上シフトする。
【0117】
(iv)ゲル化実験
典型的な手順
適切な量の修飾したポリシロキサン(ゲル化剤)をシクロメチコン溶液に加え、続いて機械的に攪拌しながら90℃に加熱する。全てのゲル化剤が溶解したとき、機械的な攪拌を停止し、混合物を室温に冷却して透明なゲルを得る。本発明に開示されたポリシロキサンで得ることのできるいくつかのゲルを表1にリストする。
【0118】
【表1】

【0119】
化粧品実施例
以下の成分(量は組成物の全重量に基づく重量%で与えられる)を混合することによって脱臭棒が得られた:4%のポリシロキサン10、95%のデカメチルシクロペンタシロキサンを攪拌しながら均一な溶液が得られるまで90℃に加熱した。続いて混合物を70℃に冷却し、攪拌を継続しながら1%の脱臭活性香料を加えた。続いて反応物を望ましい容器に注ぎ、室温まで冷却した。
【0120】
6%のポリシロキサン13、53%のデカメチルシクロペンタシロキサン及び1%のDC193(ジメチコンポリオール)を混合し、均一な溶液が得られるまで攪拌しながら90℃に加熱することによって発汗抑制剤棒を得た。この混合物に、39%のアルミニウムクロロハイドレート(50%水性溶液)を含む加熱した溶液(90℃)と1%のDC193を、混合物を激しく攪拌しながらゆっくり加えた。攪拌は混合物が15分で75℃まで冷える間継続した。任意選択的に香料を加え、続いて熱い混合物を望ましい容器に注いで室温まで冷却した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式(3a)又は(3b)を有するポリシロキサン:
【化1】

(式中、基R1は同じであっても異なっていてもよく、置換及び非置換の一価の非芳香族エチレンのないC〜C20炭化水素基又は芳香族基から選択され、
、Q、Qは同じであり、少なくとも4個の水素架橋(4H−単位とも呼ぶ)を形成することが可能な、ケイ素−炭素結合(bond)による結合部分(linker)を介してポリマーに結合した(attached)1個又は複数の構造要素を表し、又は、
とQは同じであり、ケイ素−炭素結合による結合部分(linker)を介してポリマーに結合した(attached)1個又は複数の4H−単位を表し、QはR1で定義された通りであり、又は、
はケイ素−炭素結合による結合部分(linker)を介してポリマーに結合した(attached)1個又は複数の4H−単位を表し、Q及びQはR1で定義された通りであり、又は、
はケイ素−炭素結合による結合部分(linker)を介してポリマーに結合した(attached)1個又は複数の4H−単位を表し、QとQは同じであり、R1で定義された通りであり、
はケイ素−炭素結合によってポリマー鎖に結合した(attached)2個の結合部分(linker)を有する4H−単位であり、m、n、cは、ポリシロキサンの平均分子量が500〜250000の範囲であるような整数である)。
【請求項2】
R1が、アルキル基、好ましくはC〜C20アルキル基、シクロアルキル基、好ましくはC〜C20シクロアルキル基、アリール基、好ましくはC〜C20アリール基、アリールアルキル基、好ましくはC〜C20アリールアルキル基から選択される請求項1に記載のポリシロキサン。
【請求項3】
前記4H−単位が、式(1)又は(2)で表される請求項1に記載のポリシロキサン:
【化2】

(式中、C−X及びC−Y結合(linkage)は、各々単結合(bond)又は二重結合(bond)を表し、X・・Xはそれらに結合した(linked)対応する構造要素(2)を含むH架橋形成単位と水素架橋を形成する供与体又は受容体を表し、Xは供与体を表し、Yは受容体を表し、又はその逆である)。
【請求項4】
前記4H−単位が、2個の連続的な供与体、続いて2個の連続的な受容体、好ましくは構造式(1)による構造要素を有し、式中、X及びXの両方はそれぞれ供与体又は受容体を表し、X及びXの両方はそれぞれ受容体又は供与体を表す請求項3に記載のポリシロキサン。
【請求項5】
前記供与体と受容体がO、S、及び/又はN原子である請求項4に記載のポリシロキサン。
【請求項6】
前記構造要素Q〜Qが、イソシアネート又はチオイソシアネートと反応する、又は活性化されて第1級アミンと反応する窒素含有化合物から構成される請求項1から5のいずれか一項に記載のポリシロキサン。
【請求項7】
前記窒素含有化合物がイソシトシン又はトリアジン誘導体又はその互変異性体から選択される請求項6に記載のポリシロキサン。
【請求項8】
前記イソシアネートがジイソシアネートであり、チオイソシアネートがジチオイソシアネートである請求項6に記載のポリシロキサン。
【請求項9】
前記窒素含有化合物がイソシアネート、好ましくはジイソシアネートと反応する請求項6に記載のポリシロキサン。
【請求項10】
前記イソシアネートがIPDI、HDI、MDI及びTDIから選択される請求項6から9のいずれか一項に記載のポリシロキサン。
【請求項11】
前記構造要素Q〜Qが、一般式(4)又はその互変異性体を有する請求項1から10のいずれか一項に記載のポリシロキサン:
【化3】

(式中、R2、R3又はR4は、それによって式(4)又はその互変異性体の4H−単位が、ランダム側鎖を表す他のR基を有するポリシロキサンに結合する(bonded)結合部分(linking moiety)を表し、又は水素原子である)。
【請求項12】
R2が結合部分(linking moiety)であり、R3及びR4がランダム側鎖であり、又は水素原子である請求項11に記載のポリシロキサン。
【請求項13】
R3がランダム側鎖であり、R4が水素原子である請求項11又は12に記載のポリシロキサン。
【請求項14】
前記ランダム側鎖が、アルキル又はオリゴエチレングリコール基である請求項11から13のいずれか一項に記載のポリシロキサン。
【請求項15】
R2及びR3、又はR2及びR4は結合部分(linking moiety)を表し、それによって式(4)の4H−単位がランダム側鎖又は水素原子を表す他のR基を有するポリシロキサンに結合する(bonded)請求項11から13のいずれか一項に記載のポリシロキサン。
【請求項16】
R2及びR4が結合部分(linking moiety)であり、R3はランダム側鎖又は水素原子である請求項15に記載のポリシロキサン。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載のポリシロキサンの、シリコーン流体用の濃厚化剤又はゲル化剤としての使用。
【請求項18】
請求項1から16のいずれか一項に記載のポリシロキサンの、パーソナルケア用途における使用。
【請求項19】
前記パーソナルケア用途が、化粧品又は皮膚用組成物である請求項18に記載の使用。
【請求項20】
請求項1から16のいずれか一項に記載のポリシロキサンを1〜40重量%含むシリコーン流体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式(3a)又は(3b)
【化1】



(式中、基R1は同じであっても異なっていてもよく、置換及び非置換の一価の非芳香族エチレンのないC〜C20炭化水素基又は芳香族基から選択され、
(a)Q、Q、Qは同じであり、少なくとも4個の水素架橋(4H−単位とも呼ぶ)を形成することが可能な、ケイ素−炭素結合(bond)による結合部分(linker)を介してポリマーに結合した(attached)1個又は複数の構造要素を表し、又は、
(b)QとQは同じであり、ケイ素−炭素結合による結合部分(linker)を介してポリマーに結合した(attached)1個又は複数の4H−単位を表し、QはR1で定義された通りであり、又は、
(c)Qはケイ素−炭素結合による結合部分(linker)を介してポリマーに結合した(attached)1個又は複数の4H−単位を表し、Q及びQはR1で定義された通りであり、又は、
(d)Qはケイ素−炭素結合による結合部分(linker)を介してポリマーに結合した(attached)1個又は複数の4H−単位を表し、QとQは同じであり、R1で定義された通りであり、
はケイ素−炭素結合によってポリマー鎖に結合した(attached)2個の結合部分(linker)を有する4H−単位であり、
m、n、cは、ポリシロキサンの平均分子量が500〜250000の範囲であるような整数である)。
を有するポリシロキサンであって、
前記構造要素Q〜Qが、一般式(4)
【化2】



(式中、R2、R3又はR4は、それによって式(4)又はその互変異性体の4H−単位が、ランダム側鎖を表す他のR基を有するポリシロキサンに結合する(bonded)結合部分(linking moiety)を表し、又は水素原子である)。
又はその互変異性体を有し、
(ii)R2が結合部分(linking moiety)であり、R3及びR4がランダム側鎖であり、又は水素原子であり、又は
(iii)R2及びR3、又はR2及びR4は結合部分(linking moiety)を表し、それによって式(4)の4H−単位がランダム側鎖又は水素原子を表す他のR基を有するポリシロキサンに結合する(bonded)ポリシロキサン。
【請求項2】
R1が、アルキル基、好ましくはC〜C20アルキル基、シクロアルキル基、好ましくはC〜C20シクロアルキル基、アリール基、好ましくはC〜C20アリール基、アリールアルキル基、好ましくはC〜C20アリールアルキル基から選択される請求項1に記載のポリシロキサン。
【請求項3】
R3がランダム側鎖であり、R4が水素原子である請求項1又は請求項2に記載のポリシロキサン。
【請求項4】
前記ランダム側鎖が、アルキル又はオリゴエチレングリコール基である請求項1から3のいずれか一項に記載のポリシロキサン。
【請求項5】
R2及びR4が結合部分(linking moiety)であり、R3はランダム側鎖又は水素原子である請求項1又は2に記載のポリシロキサン。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のポリシロキサンの、シリコーン流体用の濃厚化剤又はゲル化剤としての使用。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項に記載のポリシロキサンの、パーソナルケア用途における使用。
【請求項8】
前記パーソナルケア用途が、化粧品又は皮膚用組成物である請求項7に記載の使用。
【請求項9】
請求項1から5のいずれか一項に記載のポリシロキサンを1〜40重量%含むシリコーン流体。

【公表番号】特表2006−510750(P2006−510750A)
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−558558(P2004−558558)
【出願日】平成15年12月9日(2003.12.9)
【国際出願番号】PCT/NL2003/000870
【国際公開番号】WO2004/052963
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(505218096)スープラポリックス ビー.ブイ. (5)
【Fターム(参考)】