説明

回収ボトル整列送給装置

【課題】 ガラス瓶やPETボトルを自動的・連続的に効率よく送給する手段を提供する。
【解決手段】 ボトルを振動させながら整列し送給する装置であって、平行四辺形運動機構の上部にボトル送給用樋29,30を傾斜角を調整可能に取付け、上記平行四辺形運動機構の縦リンク17,18が、後方に傾いた位置から垂直になるまでの範囲で、上記平行四辺形運動機構を往復動させるようにしたものであり、上記ボトル送給用樋29,30の内側にはボトルの向きを規制する翼を配設したものであり、必要ならば、上記装置の後段にPETボトルに孔を開けるローラー35と、予備圧縮ローラー36を順次設けて構成した。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回収ボトル類の整列送給装置と整列送給された回収PETボトルを予備圧縮する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、飲料や調味料の包装形態を見ると、購買意欲の高揚と商品の特徴を強調するために種々の形状、色・柄の容器に充填して市販され、その容器の材質も陶器、ガラス、PETボトルなど種々のものが採用されるようになっている。こうした状況のもとで廃棄容器の分別収集・処理が強調されるようになり、例えば廃棄ボトル類においては、陶器瓶、ガラス瓶、PETボトルに分別され、ガラス瓶にあっては、これを更に大きさ別、色別に分別され、PETボトルにあっては、キャップなど金属部分を取り除いてコンテナープレスに送給・投入して圧縮し、例えば1m立方程度の塊として再資源化されている。
【0003】ここで、■ガラス瓶の例で見ると回収されてきたものを大きさ別、色別に分別するには、その前段で色々な方向を向いているガラス瓶を一定方向に揃えて大きさを判定・分別する工程、あるいは、色別に分別する工程へ送給し自動分別し易いようにしている。
【0004】また、■空のPETボトルの場合は、種々雑多の方向を向いているPETボトルを一定方向に向きを揃え、そのままコンテナープレスに投入して圧縮しているが、これではPETボトル内の空気を追い出すのに時間と余分の労力が必要で甚だ効率がわるく、圧縮機のラム・シリンダーを何回も往復させねばならないので、コンテナープレスに投入する前にPETボトル内の空気を追い出して予備圧縮を行うことが望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の通り回収されたガラス瓶を大きさ別、色別に分別するにしても、PETボトルを予備圧縮するにしても、その前段でガラス瓶、またはPETボトルを同じ向きに揃えて送給する手段が必要になるが、現時点では自動的・連続的に同じ方向に揃えて送給する有効な装置が見られない。このような状況のもとで本発明は、ガラス瓶やPETボトルを自動的・連続的に効率よく送給する手段を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するためにこの発明は、ボトルを振動させながら整列し送給する装置であって、平行四辺形運動機構の上部にボトル送給用樋を傾斜角を調整可能に取付け、上記平行四辺形運動機構の縦リンクが、後方に傾いた位置から垂直になるまでの範囲で、上記平行四辺形運動機構を往復動させるようにしたものであり、上記ボトル送給用樋の内側にはボトルの向きを規制する翼を配設したものであり、必要ならば、上記装置の後段にPETボトルに孔を開ける手段と、孔あけ済PETボトルを押圧する手段を順次設けた構成としたものである。
【0007】上記の如く構成するこの発明によれば、ボトル送給用樋は下から上に向けて持ち上げられるように往復動し、往復動する間に規制翼により縦一列に整列されながら送給される。
【0008】また、後段に設けられた孔開け手段と押圧手段によって予備圧縮されてコンテナープレスにペットボトルが送給されるのでプレスの効率が大幅に向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】次にこの発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。第一フレーム11と第二フレーム12には一定の間隔を開けてベアリング13,14が設けられ、このベアリング13,14に嵌められたシャフト15,16には縦リンク17,18が取り付けられ、この縦リンク17,18の揺動端には上記所定間隔と同間隔を開けて横リンク19,20がベアリング21,22とシャフト23,24を介して亘設されている。
【0010】上記横リンク19,20には上向きにブラケット25a,25b,26a,26bが延び、後方のブラケット25b,26bには長孔27,28が設けられ、ボトル送給用樋29,30が傾斜角を調整可能に取り付けられている。なお、ボトル送給用樋29,30の後方には傾斜角調整用のターンバックルTがある。
【0011】上記前段のボトル送給用樋29の底面は、縦桟構造31にして余分のゴミなどを篩落とすようにしてあり、後段のボトル送給用樋30の内側にはボトルの向きを規制する翼32が配設されている。
【0012】フレーム11,12にはモーターM1,M2と中間ホイールW1,W2が配設されVベルト、タイミング、ローラーチェンなどにより動力が伝達され、運動方向変換機構33,34により上記縦リンク17,18(ボトル送給用樋29,30)を揺動させるようになっており、この揺動は縦リンク17,18が後方に傾いた位置から垂直になる範囲になるように設計されている。
【0013】上記ボトル送給樋29,30の揺動の振幅と振動数は、前段のボトル送給樋29のボトル送り速度より、後段のボトル送給樋30のボトル送り速度の方が速くなるように選択する。その理由は一気に投入されたボトルの間隔を広げ、後段の工程に順序よく供給するためである。
【0014】第二のボトル送給用樋30の後段には、PETボトルに孔を開けるローラー35と、孔開け済PETボトルを予備圧縮するローラー36とが順次設けられている。
【0015】孔開けローラー35は、スプロケット状鋼板の刃先を尖鋭にしたものを多数、刃先が互いに噛み合うように多数のカラーリング(図省略)を介在させながら、シャフト38に取り付けられている。なお、ここで図1によると上下の孔開け口ーラー35の刃先は互いに行き違っているが、図4のように軸間を広げて行き違わないようにしてもよく、図5に示すように表面に多数の針38を植設した二個のドラムDを配置することもできる。
【0016】圧縮ローラー36も多数の鋼板製円盤を多数、カラーリング(図省略)を介在させてシャフト39に取り付け、互いに隙間に嵌まり合う程度に配置し、上記スプロケット状の刃(孔開けローラー35の)および円盤(圧縮ローラー36)の隙間にはベルト37(Vベルトでもよい)が周回するようにして処理過程のPETボトルが孔開けローラー35や予備圧縮ローラー36の間に嵌まり込まないで搬送できるようになっている。
【0017】なお、ここで図1によると上下の予備圧縮ローラー36の周縁は互いに行き違っているが、図4のように軸間を広げて上側を一般的な予備圧縮ローラー36’とすることもできる。また、上記PETボトルに孔を開けるローラー35および予備圧縮ローラー36の材質は機械用工具鋼やばね鋼を採用し熱処理を施す。
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、いろいろな方向を向いていっきに、かたまって投入されたボトルを平らにし、均等に一定の方向に向け整列されて送給される。
【0017】従って、後段に通常のベルトコンベアーを配置し、ここに大きさ、色や材質のを分別する装置を配置するならば、確実に大きさ、色・柄あるいは材質別に分別できるようになり、各図に示すように、後段にPETボトルに孔を開けるローラーと圧縮するローラーとを順次配置すれば予備圧縮されてコンテナープレスの効率を飛躍的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本装置の正面図
【図2】同平面図
【図3】同圧縮ローラー部分の説明図
【図4】(a)別の孔開けローラーと予備圧縮ローラーの正面図
(b)同孔開けローラーと予備圧縮ローラーの側面図
【図5】針を植設した孔開けドラムの斜視図
【符号の説明】
11 第一フレーム
12 第二フレーム
13,14,21,22 ベアリング
15,16,23,24 シャフト
17,18 縦リンク
19,20 横リンク
25a,25b,26a,26b ブラケット
27,28 長孔
29,30 ボトル送給樋
31 縦桟構造
32 翼
33,34 運動方向変換機構
35 孔開けローラー
36,36’ 予備圧縮ローラー
37 ベルト
38 針
D ドラム(孔を開ける)
M1,M2 モーター
T ターンバックル
W1,W2 中間ホイール

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ボトルを振動させながら整列し送給する装置であって、平行四辺形運動機構の上部にボトル送給用樋を傾斜角を調整可能に取付け、上記平行四辺形運動機構の縦リンクが、後方に傾いた位置から垂直になるまでの範囲で、上記平行四辺形運動機構を往復動させるようにしたことを特徴とする回収ボトル整列送給装置。
【請求項2】 上記回収ボトル整列送給装置を進行方向に沿って二段以上配設したことを特徴とする請求項1に記載の回収ボトル整列送給装置。
【請求項3】 上記ボトル送給用樋の内側にボトルの向きを規制する翼を配設したことを特徴とする請求項1または2に記載の回収ボトル整列送給装置。
【請求項4】 上記回収ボトル整列送給装置の後段に、PETボトルに孔を開ける手段と、孔あけ済PETボトルを押圧する手段とを順次設けたことを特徴とする回収PETボトル予備圧縮処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2003−63634(P2003−63634A)
【公開日】平成15年3月5日(2003.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−306932(P2001−306932)
【出願日】平成13年8月27日(2001.8.27)
【出願人】(394006174)テクニカマシナリー株式会社 (8)
【Fターム(参考)】