説明

回折格子画素からなる記録媒体の真贋判定方法及び真贋判定装置

【課題】記録された絵柄による回折光ではなく、回折格子画素からなる記録媒体特有の画素2次元配置構造に起因する回折光に基づいて真贋判定を行う。
【解決手段】回折格子からなる画素を2次元的に規則的に配置して絵柄を表現している記録媒体Mの真贋判定方法であり、記録媒体Mに所定波長のレーザ光6を照射し、少なくとも記録媒体Mで回折された0次回折光近傍の回折光7をスクリーン4上に入射させ、スクリーン4上に映った回折光の像であって画素を構成する回折格子からの回折光の像を除いた範囲を撮像し、得られた画像にハイパスフィルタをかけることで0次回折光及びその近傍の前記記録媒体に表現された絵柄の周期性に基づく回折光の像を除去し、得られた画像が予め用意しておいた判定基準に合致するか否かを判定することで、記録媒体Mが真正なものか贋のものかを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回折格子画素からなる記録媒体の真贋判定方法及び真贋判定装置に関し、特に、10μm〜数10μmオーダーのサイズの回折格子画素の周期性に起因して生じる回折光の有無をもって真贋判定を行う記録媒体の真贋判定方法と真贋判定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、矩形あるいは円形の回折格子を規則的に2次元的に配置することで種々の絵柄を記録した記録媒体が知られている(特許文献1、2)。そのような記録媒体をセキュリティ用に用いることも行われている。
【0003】
そのような回折格子画素からなる記録媒体の真贋判定方法として、そのような記録媒体に測定光束を投影し、記録媒体から回折された回折光のピーク強度、重心位置、その広がり幅等を許容値と比較することによって真贋を判定する方法が特許文献3で提案されている。
【特許文献1】特開平2−72319号公報
【特許文献2】特開平7−146635号公報
【特許文献3】特開2002−283775号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献3で提案された真贋判定方法は、回折格子画素からなる記録媒体中の同一回折格子の画素の最長周期(記録された絵柄の最小空間周波数)に基づく回折光を検出しようとするものであるが、0次回折光(正反射光)の影響を考えていない。実際には、回折光に0次回折光が重畳するため、その影響で真贋の判定が容易ではない。
【0005】
さらに、回折格子画素からなる記録媒体の画素配置構造を同じにして、種々の絵柄を表現するとき、表現絵柄に応じて判定基準を用意しておく必要があり、汎用性が小さい。
【0006】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、記録された絵柄による回折光ではなく、回折格子画素からなる記録媒体特有の画素2次元配置構造に起因する回折光に基づいて真贋判定を行う真贋判定方法と真贋判定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の回折格子画素からなる記録媒体の真贋判定方法は、回折格子からなる画素を2次元的に規則的に配置して絵柄を表現している記録媒体の真贋判定方法において、前記記録媒体に所定波長のレーザ光を照射し、前記記録媒体で回折された0次回折光近傍であって、少なくとも前記画素を構成する回折格子からの回折光の像を除いた範囲の像を撮像し、得られた画像にハイパスフィルタをかけることで0次回折光及びその近傍の前記記録媒体に表現された絵柄の周期性に基づく回折光の像を除去し、得られた画像が予め用意しておいた判定基準に合致するか否かを判定することで、前記記録媒体が真正なものか贋のものかを判定することを特徴とする方法である。
【0008】
この場合、前記記録媒体で回折された0次回折光近傍の回折光をスクリーン上に入射させて、前記スクリーン上に映った回折光の像を撮像することが望ましい。
【0009】
そして、前記ハイパスフィルタをかけることで0次回折光及びその近傍の前記記録媒体に表現された絵柄の周期性に基づく回折光の像を除去して得られた画像を2値化し、その2値化画像が予め用意しておいた判定基準に合致するか否かを判定するようにすることが望ましい。
【0010】
本発明の回折格子画素からなる記録媒体の真贋判定装置は、回折格子からなる画素を2次元的に規則的に配置して絵柄を表現している判定対象の記録媒体を配置する記録媒体配置窓と、前記記録媒体配置窓に配置された前記記録媒体に所定入射角で所定波長のレーザ光を照射するように配置されたレーザと、前記記録媒体で回折された0次回折光近傍の回折光を入射させて映すスクリーンと、前記スクリーン上に映った回折光の像であって前記記録媒体の画素を構成する回折格子からの回折光の像を除いた範囲を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で得られた画像から0次回折光及びその近傍の前記記録媒体に表現された絵柄の周期性に基づく回折光の像を除去するハイパスフィルタと、前記ハイパスフィルタを経ることで得られた画像が予め用意しておいた判定基準に合致するか否かを判定する判定手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0011】
この場合、前記ハイパスフィルタを経ることで得られた画像を2値化する2値化手段を備え、前記判定手段は、前記2値化手段を経て2値化された画像が予め用意しておいた判定基準に合致するか否かを判定するものであることが望ましい。
【0012】
また、前記レーザからのレーザ光を前記記録媒体配置窓に配置された前記記録媒体に斜めに入射するように前記レーザが配置されていても、垂直に入射するように配置されていてもよい。
【0013】
また、前記撮像手段は、前記スクリーンに映った回折光の像を回折光入射側から撮像しても、回折光入射側と反対側から撮像してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、回折格子画素からなる記録媒体の目視で観察される絵柄を構成する本来の回折光ではなく、また、画素を構成する回折格子からの回折光でもなく、EB描画等で作製される回折格子画素の周期性に起因して生じる回折光の有無をもって真贋判定を行うので、真贋判定に用いる情報が目視では確認できず、なおかつ、記録媒体に特別な情報を記録する必要がないという利点がある。さらに、真贋判定装置は、画像処理以外の構成が簡単なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の回折格子画素からなる記録媒体の真贋判定方法及び真贋判定装置を実施例に基づいて説明する。
【0016】
まず、回折格子画素からなる記録媒体について説明する。図10は回折格子画素からなる記録媒体を説明するための図であり、図10(a)に示すような5つの回折格子画素P1〜P5を用意する。この場合、回折格子画素P1〜P5を構成する回折格子の水平線からの格子線配置角度をそれぞれ0°、30°、45°、60°、90°とする。この回折格子画素P1〜P5を図10(b)に示すように配置する。図10(b)の画素配置は、縦方向にピッチSv、横方向にピッチShで碁盤の目状に並んだ2次元規則的な配置である。図10(b)のように回折格子画素P1〜P5を配置してなる記録媒体を特定の観察位置で、例えば通常の照明環境下において記録媒体を垂直に立てて保持し、これを水平方向から観察すれば、図10(c)に示すような絵柄「A」が観察できる記録媒体Mが得られる。
【0017】
この場合、絵柄「A」が持ってる空間周波数でなく、記録媒体Mの画素の2次元配置構造に基づく空間周波数は、縦方向については1/Sv、横方向については1/Shであり、その空間周波数による回折光が発生する。本発明は、この回折格子画素の周期構造に着目してその周期構造からの回折光を検出することで、記録媒体Mが真正なものか贋のものかを判定しようとするものである。
【0018】
回折格子画素は通常10μm〜数10μmオーダーのサイズであり、その周期構造に基づく回折光は、各画素を構成する1μm〜数μmオーダーのピッチの回折格子に基づく回折光とは異なり、回折角度、方向は画素を構成する回折格子の格子ピッチに依存せず、小さい回折角で0次光の周囲に近接して回折する。また、記録媒体Mの絵柄の周期性のピッチ(1/空間周波数)は、回折格子画素のピッチの2倍以上であり、その絵柄の周期性に基づく回折光の回折角度は、回折格子画素の周期構造に基づく回折光の回折角度より小さい。
【0019】
そこで、本発明では、回折格子画素からなる記録媒体Mからの回折光のうち、回折格子画素の周期構造に基づく回折光のみを取り出し、その回折光の分布が予め用意しておいた判定基準に合致するか否かを判定することで、その記録媒体Mが真正なものか贋のものかを判定しようとするものである。
【0020】
このようにすることで、回折格子画素からなる記録媒体Mの真贋判定を容易に行うことができる。
【0021】
以下、本発明に基づく真贋判定装置を実施例に基づいて説明する。
【0022】
図1〜図3は本発明に基づく真贋判定装置の1実施例を説明するための図であり、真贋判定装置本体10は、図1に示すように、読み取り開口2を設けたブラックボックス1を備え、その中に読み取り開口2に向けてレーザ光6を照射するレーザ3を備え、読み取り開口2を挟んでブラックボックス1中の反対側に読み取り開口2に面して配置された回折格子画素からなる記録媒体Mからの回折光7が入射するように配置されたスクリーン4を備え、また、スクリーン4に映った回折光7の像を撮像する位置に配置されたCCDカメラ5をブラックボックス1中に備えてなる。
【0023】
このような真贋判定装置本体10において、レーザ3から照射されたレーザ光6は、読み取り開口2に面して配置された回折格子画素からなる記録媒体Mに斜めに入射し、そこで正反射方向に回折された0次回折光と、その0次回折光の極近傍に回折された記録媒体Mに表現されている絵柄の周期性による1次回折光と、さらにその外側に回折された回折格子画素の周期構造に基づく1次回折光とがスクリーン4に入射する。その回折光の像はスクリーン4に面して配置されたCCDカメラ5で撮像される。
【0024】
そして、CCDカメラ5で撮像された画像は、図2に示すように、ケーブル11を経てパソコン20中に取り込まれる。
【0025】
パソコン20中では図3に示したような画像処理が行われ、回折格子画素からなる記録媒体Mの真偽が判定される。このパソコン20中での画像処理を図3に基づいて説明する。
【0026】
まず、ステップST1で、CCDカメラ5を用いて回折格子画素からなる記録媒体Mからの回折光7がスクリーン4に入射してそこへ映った回折光7の像を撮像する。ここで、スクリーン4上の撮像範囲は、記録媒体Mの各回折格子画素を構成する回折格子による回折光が入射する範囲は含まないようい設定される。例えば、各回折格子画素を構成する回折格子のピッチが1μmの場合、レーザ光6の波長を630nmとして、1次回折光の回折角は入射角を0°として39.3°になるので、スクリーン4上の0次回折光入射位置から例えば20°以上になる範囲はCCDカメラ5の撮像画面に入らなくなるようにすればよい。
【0027】
次に、ステップST2で、CCDカメラ5で得られた画像を白黒画像に変換する。CCDカメラ5がカラーカメラでなく、モノクロカメラの場合は、ステップST2は必要ない。また、カラー画像の場合でも、そのままで輝度成分に着目して処理を行う場合には、同様にステップST2は必要ない。
【0028】
次に、ステップST3で、得られた画像にローパスフィルタをかけることで、高周波ノイズを除去する。
【0029】
次に、ステップST4で、高周波ノイズが除去された画像にハイパスフィルタをかけることで、記録媒体Mからの0次回折光の像と、その極近傍に入射する記録媒体Mに表現された絵柄の周期性による回折光の像をカットすることができる。そのためには、このハイパスフィルタのカットオフ周波数をそのような回折光をカットできるようにセットしておけばよい。記録媒体Mの画素(回折格子画素)のピッチを10μmとする場合、レーザ光6の波長を630nmとして、回折格子画素の周期構造に基づく1次回折光の回折角は入射角を0°として3.6°であり、それに対して、表現された絵柄の周期性による回折光の1次回折光の回折角は1.8°以下であり、記録媒体Mでの拡散等によってある程度範囲が広がった0次回折光の像の極近傍あるいはその上に重畳して位置する絵柄の周期性による回折光の像は、ハイパスフィルタのカットオフ周波数を0次回折光の像のみならず、その絵柄の周期性による回折光の像も含むように多少大きな周波数を含むように設定することで、記録媒体Mからの0次回折光の像と、その極近傍に入射する記録媒体Mに表現された絵柄の周期性による回折光の像を同時にカットして、回折格子画素の周期構造に基づく回折光のみの画像を得ることができる。
【0030】
次いで、ステップST5で、ハイパスフィルタで0次回折光と絵柄の周期性による回折光をカットした画像を白黒の2値化画像に変換する。
【0031】
そして、ステップST6で、その白黒の2値化画像を予め定めてある判定基準に合致するか否かを判定する。ここでは、その例として、2値化画像における回折格子画素の周期構造に基づく回折光(斑点)の数、斑点同士の距離を定めておき、実際に得られた画像の回折光(斑点)の数、斑点同士の距離がその判定基準に合致するか否かを判定することで、その記録媒体Mが真正なものか贋のものかを判定する。なお判定基準は、その他に基準画像との相関をとる等の種々の方式をとることができる。
【0032】
図6〜図9にそれぞれ上記ステップST2〜ST5で得られる画像の1例を示す。
【0033】
ところで、真贋判定装置本体10に関しては、図1の実施例のように、記録媒体Mに斜めに入射するのではなく、垂直に入射するようにしてもよい。その場合の実施例の構成を図4に示す。この場合には、読み取り開口2に面してレーザ3を配置し、レーザ3の読み取り開口2側にレーザ光6に垂直にスクリーン4を配置し、レーザ3からのレーザ光6が通る位置に穴8を開けたおき、回折格子画素からなる記録媒体Mに垂直にレーザ光6が入射するようにする。また、スクリーン4上の回折光7の像を撮像するCCDカメラ5を読み取り開口2の近傍に配置しておく。こうすると、記録媒体Mから垂直方向に回折された0次回折光はスクリーン4に開けた穴8に戻り、また、その穴8の極近傍に絵柄の周期性による1次回折光と、さらにその外側に回折格子画素の周期構造に基づく1次回折光とが入射する。その回折光の像をスクリーン4に面して配置してCCDカメラ5で撮像する。CCDカメラ5で撮像された画像の処理は図3と同様である。
【0034】
また、スクリーン4に映った回折光7の像をスクリーン4の裏面から撮像するようにしてもよい。図5はその実施例の構成を示す断面図(a)と斜視図(b)である。この例の場合は、読み取り開口2に面してレーザ3を配置し、レーザ3の読み取り開口2側にレーザ光6に垂直にスクリーン4を配置し、レーザ3からのレーザ光6が通る位置に穴8を開けたおき、また、CCDカメラ5はスクリーン4の裏面側のレーザ3の近傍に配置しておく。こうすると、記録媒体Mから垂直方向に回折された0次回折光はスクリーン4に開けた穴8に戻り、また、その穴8の極近傍に絵柄の周期性による1次回折光と、さらにその外側に回折格子画素の周期構造に基づく1次回折光とが入射する。その回折光の像はスクリーン4の裏面側に配置したCCDカメラ5で撮像する。CCDカメラ5で撮像された画像の処理は図3と同様である。
【0035】
以上のように、本発明において、回折格子画素からなる記録媒体Mで回折された回折光7の像を取り込む真贋判定装置本体10の構成として、0次回折光の周囲の回折光を投影するスクリーン4とCCDカメラ5の配置が、回折格子画素のピッチによらずレーザ光6の入射角度に対応して決まるため、装置の構成が簡単なものとなる。また、画像処理の際に、ローパスフィルタとハイパスフィルターで、ノイズ除去と、0次回折光及び絵柄の周期性による回折光を除去し、回折格子画素の周期構造に基づく回折光のみの画像を得ることができる。
【0036】
以上、本発明の回折格子画素からなる記録媒体の真贋判定方法及び真贋判定装置を実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の1実施例の真贋判定装置の真贋判定装置本体の断面図である。
【図2】本発明の1実施例の真贋判定装置の全体図である。
【図3】本発明の1実施例の真贋判定装置において行われる画像処理を示すフロー図である。
【図4】本発明の別の実施例の真贋判定装置の真贋判定装置本体の断面図である。
【図5】本発明のさらに別の実施例の真贋判定装置の真贋判定装置本体の断面図(a)と斜視図(b)である。
【図6】本発明の1実施例の真贋判定装置のステップST2で得られる画像の1例を示す図である。
【図7】本発明の1実施例の真贋判定装置のステップST3で得られる画像の1例を示す図である。
【図8】本発明の1実施例の真贋判定装置のステップST4で得られる画像の1例を示す図である。
【図9】本発明の1実施例の真贋判定装置のステップST5で得られる画像の1例を示す図である。
【図10】回折格子画素からなる記録媒体を説明するための図である。
【符号の説明】
【0038】
M…回折格子画素からなる記録媒体
1…ブラックボックス
2…読み取り開口
3…レーザ
4…スクリーン
5…CCDカメラ
6…レーザ光
7…回折光
8…スクリーンの穴
10…真贋判定装置本体
11…ケーブル
20…パソコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回折格子からなる画素を2次元的に規則的に配置して絵柄を表現している記録媒体の真贋判定方法において、前記記録媒体に所定波長のレーザ光を照射し、前記記録媒体で回折された0次回折光近傍であって、少なくとも前記画素を構成する回折格子からの回折光の像を除いた範囲の像を撮像し、得られた画像にハイパスフィルタをかけることで0次回折光及びその近傍の前記記録媒体に表現された絵柄の周期性に基づく回折光の像を除去し、得られた画像が予め用意しておいた判定基準に合致するか否かを判定することで、前記記録媒体が真正なものか贋のものかを判定することを特徴とする回折格子画素からなる記録媒体の真贋判定方法。
【請求項2】
前記記録媒体で回折された0次回折光近傍の回折光をスクリーン上に入射させて、前記スクリーン上に映った回折光の像を撮像することを特徴とする請求項1記載の回折格子画素からなる記録媒体の真贋判定方法。
【請求項3】
前記ハイパスフィルタをかけることで0次回折光及びその近傍の前記記録媒体に表現された絵柄の周期性に基づく回折光の像を除去して得られた画像を2値化し、その2値化画像が予め用意しておいた判定基準に合致するか否かを判定することを特徴とする請求項1又は2記載の回折格子画素からなる記録媒体の真贋判定方法。
【請求項4】
回折格子からなる画素を2次元的に規則的に配置して絵柄を表現している判定対象の記録媒体を配置する記録媒体配置窓と、前記記録媒体配置窓に配置された前記記録媒体に所定入射角で所定波長のレーザ光を照射するように配置されたレーザと、前記記録媒体で回折された0次回折光近傍の回折光を入射させて映すスクリーンと、前記スクリーン上に映った回折光の像であって前記記録媒体の画素を構成する回折格子からの回折光の像を除いた範囲を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で得られた画像から0次回折光及びその近傍の前記記録媒体に表現された絵柄の周期性に基づく回折光の像を除去するハイパスフィルタと、前記ハイパスフィルタを経ることで得られた画像が予め用意しておいた判定基準に合致するか否かを判定する判定手段とを備えていることを特徴とする回折格子画素からなる記録媒体の真贋判定装置。
【請求項5】
前記ハイパスフィルタを経ることで得られた画像を2値化する2値化手段を備え、前記判定手段は、前記2値化手段を経て2値化された画像が予め用意しておいた判定基準に合致するか否かを判定するものであることを特徴とする請求項4記載の回折格子画素からなる記録媒体の真贋判定装置。
【請求項6】
前記レーザからのレーザ光を前記記録媒体配置窓に配置された前記記録媒体に斜めに入射するように前記レーザが配置されていることを特徴とする請求項4又は5記載の回折格子画素からなる記録媒体の真贋判定装置。
【請求項7】
前記レーザからのレーザ光を前記記録媒体配置窓に配置された前記記録媒体に垂直に入射するように前記レーザが配置されていることを特徴とする請求項4又は5記載の回折格子画素からなる記録媒体の真贋判定装置。
【請求項8】
前記撮像手段は前記スクリーンに映った回折光の像を回折光入射側から撮像することを特徴とする請求項4から7の何れか1項記載の回折格子画素からなる記録媒体の真贋判定装置。
【請求項9】
前記撮像手段は前記スクリーンに映った回折光の像を回折光入射側と反対側から撮像することを特徴とする請求項4から7の何れか1項記載の回折格子画素からなる記録媒体の真贋判定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図10】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−196199(P2009−196199A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−39894(P2008−39894)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】