説明

回胴式遊技機

【課題】ボーナス遊技状態中に発生させる特殊な遊技期間を効果的に行うことができる回胴式遊技機を提供する。
【解決手段】遊技の進行中に所定の遊技条件が成立すると、遊技者にとって有利なボーナス遊技状態を開始して、該ボーナス遊技状態で払い出された遊技媒体が所定量に達すると該ボーナス遊技状態を終了する回胴式遊技機において、ボーナス遊技状態での遊技の進行中に所定の開始条件が成立すると特殊図柄が通常より揃いやすい特殊期間を開始する。特殊期間中は払出図柄が停止表示されることを抑制することにより、前記遊技媒体の払い出しを抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外周面に複数種類の図柄が描かれた複数の回胴を回転させ、該複数の回胴が停止したときの図柄組合せに応じて、所定の特典が遊技者に付与される遊技を行う回胴式遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
複数種類の図柄が描かれた複数の回胴を回転させ、所定の図柄組合せが揃うように各回胴を停止させる遊技を行う回胴式遊技機が広く知られている。こうした回胴式遊技機では、遊技メダルや遊技球等の遊技媒体を投入(ベット)してスタートレバー等の回転開始部材を操作すると、全回胴の回転を開始するとともに、予め内部抽選を行って何れの遊技役を内部当選させるか、あるいは何れも内部当選させないかを決定する。次に、遊技者が各回胴に設けられた停止ボタン等の回転停止部材を操作することによって回胴を停止させ、その時に、内部当選した遊技役に対応する図柄組合せが停止表示された場合には遊技役の入賞が成立する。そして、該入賞した遊技役の特典として遊技媒体の払い出しが設定されている場合は、遊技者に対して遊技媒体が払い出されるようになっている。
【0003】
こうした回胴式遊技機では、上述のように入賞成立すると遊技媒体の払い出しが行われる遊技役の内部当選確率が通常より高くなる、ボーナス遊技状態が設けられているのが一般的である。近年では、ボーナス遊技状態が開始されると該ボーナス遊技状態中に払い出された遊技媒体数が所定数に達すると、該ボーナス遊技状態を終了する回胴式遊技機が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−075349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような回胴式遊技機では、ボーナス遊技状態中に遊技媒体の獲得以外に面白みがなく、ボーナス遊技状態での遊技が単調になってしまう虞がある。その結果、ボーナス遊技状態における遊技者の遊技興趣を十分に高めることができないという問題があった。
【0006】
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、上述のような遊技媒体の払い出し量が所定量に達することで終了するボーナス遊技状態中に、遊技者の遊技興趣を効果的に高めることができる回胴式遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の回胴式遊技機は次の構成を採用した。すなわち、
規定数の遊技媒体の投入を検出した後に回転開始部材の操作を検出して、複数の図柄が表示された回胴を回転させ、その後に回転停止部材の操作を検出して、回転している前記回胴を停止させたときに停止表示される停止図柄に応じて遊技媒体を払い出す遊技を行うとともに、該遊技の進行中に所定の遊技条件が成立すると、遊技者にとって有利なボーナス遊技状態を開始して、該ボーナス遊技状態での遊技の進行中に払い出された遊技媒体が所定量に達すると該ボーナス遊技状態を終了する回胴式遊技機において、
前記ボーナス遊技状態での遊技の進行中に所定の開始条件が成立することで、該開始条件の成立前に比べて特殊図柄の停止表示確率が向上する特殊期間を、当該ボーナス遊技状態での遊技の進行中に所定回数の遊技が行われるまで発生させる特殊期間発生手段と、
前記特殊期間中に前記特殊図柄が停止表示された回数を計数する表示回数計数手段と、
前記特殊期間中に前記表示回数計数手段によって計数された前記特殊図柄の停止表示回数が多いほど、前記ボーナス遊技状態の終了後に大きな特典を遊技者に付与する特典付与手段と、
前記特殊期間中に遊技媒体が払い出される頻度を、前記ボーナス遊技状態における該特殊期間以外の期間に比して低下させることにより、前記特殊期間中に前記ボーナス遊技状態が終了することを抑制するボーナス終了抑制手段と
を備えることを特徴とする。
【0008】
このような本発明の回胴式遊技機においては、ボーナス遊技状態中に特殊図柄の停止表示確率が向上する特殊期間(所定回数の遊技が行われるまで継続する特殊図柄停止表示確率向上期間)を発生させ、この特殊期間における特殊図柄の停止表示回数が多いほど、ボーナス遊技状態終了後の特典付与内容を有利に設定することとしている。このように、払い出し量で終了するボーナス遊技状態中に「特殊図柄の停止表示回数増加に注目させる遊技を行わせる特殊期間」を発生させることで、ボーナス遊技状態に遊技媒体の払い出し以外にも面白みを有する新規な遊技性を実現できる。さらに、特殊期間中の遊技媒体の払出頻度を当該ボーナス遊技状態中の他の期間(一部の期間或いは全期間)に比して低下させることで、特殊期間中にボーナス遊技状態中の払い出し量が所定量に達して特殊期間の途中でボーナス遊技状態が終了してしまうことを抑制している。これにより、遊技媒体の払い出し量が所定量に達することで終了するボーナス遊技状態であっても、上述した特殊期間での遊技をボーナス遊技状態中に完結させることができ、上述の遊技性を効果的に実施可能となる。これらの結果、遊技媒体の払い出し量が所定量に達することで終了するボーナス遊技状態中の遊技者の遊技興趣を効果的に盛り上げることが可能となる。
【0009】
尚、「ボーナス遊技状態中に開始される特殊期間」とは、例えば、一連のボーナス遊技状態中の一区間で発生する遊技期間であればよく、例えば、所謂ビックボーナス遊技状態におけるJAC遊技期間等が挙げられる。「前記特殊期間中に遊技媒体が払い出される頻度を、前記ボーナス遊技状態における該特殊期間以外の期間に比して低下させる」とは、特殊期間中にボーナス遊技状態の終了条件である「遊技媒体の払い出し量が所定量に達すること」が成立する可能性を低下させるように回胴式遊技機を制御するものであればよく、たとえば、「ボーナス遊技状態における特殊期間中の遊技媒体の払い出し期待度(払い出し確率)を、特殊期間以外の他の期間(一部の期間或いは全期間)の払い出し期待度に比べて低下させること(特殊期間中の払い出し期待度をゼロにすることも含む)」や、「ボーナス遊技状態における特殊期間中の遊技媒体の払い出し枚数を、特殊期間以外の他の期間(一部の期間或いは全期間)の払い出し枚数に比べて少なくすること(特殊期間中の払い出し枚数をゼロにすることも含む)」等が挙げられる。また、「ボーナス遊技状態」としては、通常の遊技状態より遊技媒体の払い出しが多くなる遊技状態(ビッグボーナス遊技状態(BB遊技)やアシストタイム遊技状態(AT遊技)、チャレンジタイム遊技状態(CT遊技)等)や、通常の遊技状態より使用量(消費量)を抑制することができる遊技状態(リプレイタイム遊技状態(RT遊技)等)、通常の遊技より所定の遊技役が入賞成立する可能性が高い遊技状態等を例示することができる。また、「特典」としては、通常の遊技状態より遊技媒体の払い出しが多くなる遊技状態(ビッグボーナス遊技状態(BB遊技)やアシストタイム遊技状態(AT遊技)、チャレンジタイム遊技状態(CT遊技)等)や、通常の遊技状態より遊技媒体の使用量(消費量)を抑制することができる遊技状態(リプレイタイム遊技状態(RT遊技)等)、通常の遊技より所定の遊技役が入賞成立する可能性が高い遊技状態等を開始することや、設定値情報(例えば、遊技役の内部当選確率)等の遊技者に有益となる情報を遊技者に与えること等を例示することができる。また、「特典の大きさ」としては、上述した「通常より所定の遊技役が入賞成立する可能性が高い遊技状態」の「発生期間の長短」や、上述した「有益となる情報」の内容の期待度(正確度)の高低等を例示することができる。また、ボーナス状態を開始するための「所定の遊技条件」としては、所定の図柄が停止表示されること、所定の遊技状態が終了すること、所定の期間の遊技の回数が所定の回数に達すること等を例示することができる。特殊期間を開始するための「所定の開始条件」としては、所定の図柄が停止表示されること、ボーナス遊技状態中の遊技の回数が所定の回数に達すること、ボーナス遊技状態中の払い出された遊技媒体が上述の「所定量」より少ない特定の量に達すること等を例示することができる。
【0010】
また、上述した本発明の回胴式遊技機においては、
ボーナス終了抑制手段は、前記特殊図柄として遊技媒体の払い出しを伴わない図柄を設定することで、前記特殊期間中に前記ボーナス遊技状態が終了することを抑制することとしてもよい。
【0011】
このように、特殊図柄を「払い出しを伴わない図柄」に設定して、特殊期間中の遊技媒体の払出頻度を当該ボーナス遊技状態中の他の期間に比して低下させることで、次のような効果が得られる。すなわち、特殊期間中に特殊図柄が停止表示された場合は、ボーナス遊技状態中の払い出し量が所定量に達して特殊期間の途中でボーナス遊技状態が終了してしまう可能性が低くなり、特殊期間での次遊技の実行が担保されるので、上述の遊技性を効果的に実施できる。なお、「払い出しを伴わない特殊図柄」とは、停止表示されても遊技媒体の払い出しが行われない非払出図柄であればよく、例えば、何れの遊技役も入賞成立させない「外れ図柄」や、払い出しでなく遊技媒体の自動投入が行われる再遊技役を入賞成立させる「再遊技図柄」等が挙げられる。
【0012】
また、上述した本発明の回胴式遊技機においては、
前記ボーナス終了抑制手段は、
前記特殊期間中に遊技媒体の払い出しを伴う払出図柄が停止表示される確率を、前記ボーナス遊技状態における該特殊期間以外の期間に比して低下させることにより、前記特殊期間中に前記ボーナス遊技状態が終了することを抑制することとしてもよい。
【0013】
このような本発明の回胴式遊技機においては、遊技媒体の払い出しの実行契機となる払出図柄(例えば小役図柄など)の停止表示確率を特殊期間中に低下させる(ゼロにすることも含む)ことで、当該特殊期間中にボーナス遊技状態中の払い出し量が所定量に達して特殊期間の途中でボーナス遊技状態が終了してしまうことを抑制している。この結果、特殊期間中の遊技媒体の払い出し頻度を確実に低下させることができ、上述の新規な遊技性をより適切に実施可能となり、ボーナス遊技状態中の遊技者の遊技興趣を効果的に盛り上げることが可能となる。尚、「遊技媒体の払い出しを伴う払出図柄が停止表示される確率を低下させる」とは、「払出図柄の停止表示を許容する払い出し役(例えば小役)等の当選確率を低下させる」ものであってもよいし、「払い出し役が当選役に決定されたときに、遊技媒体の払い出しの実行条件となる払出図柄が停止表示される確率を低下させる(ゼロにすることも含む)」ものであってもよい。特に後者においては、回胴が停止するときの停止位置に応じて払出図柄の停止表示確率を低下させるようにしてもよく(例えば、特定の停止位置で回胴が停止するときは(特定のタイミングで回胴を停止させるときは)払出図柄が停止表示されない等)、この場合、特殊期間中の遊技媒体の払い出し頻度を遊技者操作に応じて低下させることが可能となる。このようにすることで、上述の遊技性に加え、「ボーナス遊技状態の進捗状況(残り払い出し可能量の多少等)に応じて、特殊期間中に遊技媒体を払い出すか否かを遊技者自身が決定する遊技性」を実現でき、ボーナス遊技状態中の遊技者の遊技興趣を一層効果的に盛り上げることが可能となる。
【0014】
また、上述した本発明の回胴式遊技機においては、
前記ボーナス終了抑制手段は、
前記特殊期間を開始するときの前記ボーナス遊技状態の残り払い出し可能量が所定量以下のときに、当該特殊期間中に前記遊技媒体が払い出される頻度を、前記ボーナス遊技状態における該特殊期間以外の期間に比して低下させることにより、前記特殊期間中に前記ボーナス遊技状態が終了することを抑制することとしてもよい。
【0015】
このような本発明の回胴式遊技機においては、ボーナス遊技状態の終了条件に関する「遊技媒体の払い出し量」に応じて、特殊期間中の遊技媒体の払い出し頻度を低下させることとしているので、ボーナス遊技状態の進捗状況(残り払い出し可能量の多少等)に応じて、ボーナス遊技状態の終了間際に特殊期間が発生した場合など、必要なときだけ適切に遊技媒体の払い出しを抑制することが可能となる。
【0016】
また、上述した本発明の回胴式遊技機においては、
前記特殊期間中に前記遊技媒体の払い出しがあったときには、前記特殊期間中に前記所定回数の遊技が行われていなくても前記特殊期間を終了させる特殊期間終了手段を備えることとしてもよい。
【0017】
特殊期間の終了条件が、遊技媒体の払い出しとは無関係な条件に設定されていたとすると、遊技者は、その条件が成立するまでは特殊図柄を停止表示させるチャンスが与えられている(特殊期間が継続される)と思って遊技を継続する。従って、そのような状態で遊技媒体が払い出されて所定枚数に到達したために、ボーナス遊技状態が終了して特殊期間が終了すると、遊技者は、特殊図柄を停止表示させるチャンスが十分に与えられないまま、特殊期間が中断してしまったと感じて、遊技興趣を冷ましてしまうことが起こり得る。これに対して、特殊期間の終了条件を遊技媒体の払い出しに設定しておくと、遊技者は、遊技媒体が払い出されたたために特殊期間が終了したのであって、特殊期間が中断されたものとは考えない。そして、遊技媒体の払い出しによってボーナス遊技状態が終了した場合でも、ボーナス遊技状態の終了によって特殊期間が中断されたのではなく、たまたま特殊期間の終了タイミングと、ボーナス遊技状態の終了タイミングとが重なっただけと考える。このため、特殊期間を最後まで遊技したと遊技者に感じさせることができるので、遊技者の遊技興趣を盛り上げることが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、遊技媒体の払い出し量が所定量に達することで終了するボーナス遊技状態中に、遊技者の遊技興趣を効果的に高めることができる回胴式遊技機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施例の遊技機の外観を示す正面図である。
【図2】前面扉を開いて遊技機の内部の構成を示した斜視図である。
【図3】3つの回胴の外周面に表示された図柄の配列を示す説明図である。
【図4】本実施例の遊技機の電気的構成を示す説明図である。
【図5】本実施例の遊技機に設定されている入賞ラインを示した説明図である。
【図6】本実施例の遊技機に設定されている遊技役を、遊技役の入賞を成立させる図柄組合せ、および入賞成立によって付与される特典と対応付けて示した説明図である。
【図7】本実施例の遊技機1が採り得る遊技状態を説明するための説明図である。
【図8】本実施例の遊技機において主制御基板が遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理の前半部分を示すフローチャートである。
【図9】本実施例の遊技機において主制御基板が行う遊技制御処理の後半部分を示すフローチャートである。
【図10】通常遊技用抽選テーブルを概念的に示した説明図である。
【図11】内部当選フラグの構成を例示した説明図である。
【図12】遊技状態フラグ等の構成を例示した説明図である。
【図13】本実施例の青7揃い停止表示時処理を示すフローチャートである。
【図14】本実施例の再遊技B役入賞時処理を示すフローチャートである。
【図15】本実施例の小役入賞時処理を示すフローチャートである。
【図16】本実施例の取りこぼし目確認処理を示すフローチャートである。
【図17】本実施例の遊技機1が遊技制御処理の中で行う遊技状態設定処理を示すフローチャートである。
【図18】本実施例の遊技機1が遊技制御処理の中で行う遊技状態設定処理を示すフローチャートである。
【図19】本実施例の遊技機1が遊技制御処理の中で行う遊技状態設定処理を示すフローチャートである。
【図20】BB一般遊技用抽選テーブルを概念的に示した説明図である。
【図21】第1JAC遊技用抽選テーブルを概念的に示した説明図である。
【図22】第2JAC遊技用抽選テーブルを概念的に示した説明図である。
【図23】第1RT遊技用抽選テーブルを概念的に示した説明図である。
【図24】第2RT遊技用抽選テーブルを概念的に示した説明図である。
【図25】本実施例の回胴回転停止処理を示すフローチャートである。
【図26】回胴回転停止処理の中で実行される回胴停止制御処理を示すフローチャートである。
【図27】第1停止テーブルを例示した説明図である。
【図28】第1回胴として左回胴を停止する様子を例示した説明図である。
【図29】第1停止テーブルと第2停止テーブルとの関係を概念的に示した説明図である。
【図30】再遊技B役の入賞成立した状態で停止表示された回胴を示した図である。
【図31】本実施例の遊技機1においてサブ制御基板220に搭載されているCPU221が実行する演出制御処理を示すフローチャートである。
【図32】本実施例の遊技機1においてサブ制御基板220に搭載されているCPU221が実行する演出制御処理を示すフローチャートである。
【図33】本実施例の遊技機1においてサブ制御基板220に搭載されているCPU221が実行する演出制御処理を示すフローチャートである。
【図34】再遊技B役の入賞成立回数とAT遊技の遊技の回数が対応づけて設定されているAT遊技回数テーブルを概念的に示した説明図である。
【図35】本実施例の遊技機1の遊技状態の遷移を示す説明図である。
【図36】BB遊技が終了する際のパターンを概念的に示した説明図である。
【図37】第1RT遊技または第2RT遊技とAT遊技が同時に行われている状態(ART遊技)を概念的に示した説明図である。
【図38】変形例の第2JAC遊技用抽選テーブルを概念的に示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.回胴式遊技機の装置構成:
A−1.全体構成:
A−2.電気的構成:
B.遊技の概要:
C.回胴式遊技機の制御内容:
C−1.遊技制御処理:
C−2.遊技状態設定処理:
C−3.回胴回転停止処理:
D.演出制御処理:
E.本実施例の遊技機によって得られる遊技性:
E−1.第2JAC遊技の終了契機:
E−2.ART遊技の進行状況:
F.変形例:
【0021】
A.回胴式遊技機の装置構成 :
A−1.全体構成 :
図1は、回胴式遊技機1(以下、「遊技機1」と略記)の外観を示す正面図である。図1に示すように、遊技機1には、箱状に形成された筐体3と、筐体3の前面側を覆うようにして設けられた前面扉2などが設けられている。前面扉2は、実際に遊技が行われる中段の領域と、遊技の進行に応じて種々の演出が行われる上段の領域2uと、遊技メダルが払い出される下段の領域2dとの大きく3つの領域から構成され、更に中段の領域は、遊技の状態を表示するための遊技状態表示部2maと、遊技を行うための操作部2mbとから構成されている。
【0022】
上段の領域2uには、中央に演出表示装置10が設けられ、演出表示装置10の左右にはスピーカ14が設けられ、演出表示装置10およびスピーカ14の上方には、各種のランプ類12が設けられている。演出表示装置10は、いわゆる液晶表示装置によって構成されており、遊技の進行状況に合わせて種々の図柄を表示して演出を行うことが可能となっている。
【0023】
前面扉2の中段に設けられた遊技状態表示部2maの中央には、大きな表示窓20が設けられており、内部に設けられた3つの回胴20a,20b,20cが回転する様子を視認可能となっている。また、表示窓20の左右および下方には、遊技の状態を表示する各種の表示パネル類22が設けられている。
【0024】
前面扉2の中段下方に設けられた操作部2mbは、手前に向かって突出した形状に形成されており、上面には、遊技メダルを投入するための遊技メダル投入口30と、クレジットとして貯留されている遊技メダルを、1ゲームに要する枚数だけ投入するための投入ボタン34などが設けられている。尚、遊技メダルの貯留とは、遊技メダル投入口30に投入された遊技メダルの枚数が規定枚数(1ゲームに要する遊技メダル枚数の上限)を超えた場合にその超えた分をデータとして記憶しておき、あるいは、遊技メダルを実際に払い出す代わりにメダルの払い出し枚数をデータとして記憶しておくことをいう。また、操作部2mbの前面には、遊技メダルの投入後に回胴20a,20b,20cの回転を開始するためのスタートレバー36と、3つの回胴20a,20b,20cの回転をそれぞれ停止させるための回胴停止ボタン38a,38b,38cなどが設けられている。
【0025】
加えて、操作部2mbには、上面に精算ボタン40、および前面に返却ボタン42が設けられている。ここで、精算ボタン40とは、遊技機1の内部に貯留されている遊技メダルを外部に払い出す際に操作するボタンである。遊技メダルの投入後も、スタートレバー36を操作して回胴20a,20b,20cの回転を開始するまでの間であれば、投入済みの遊技メダルも精算ボタン40を操作することによって払い出すことが可能である。また、返却ボタン42とは、投入した遊技メダルが遊技機1の内部で詰まった場合に、メダルの詰まりを解消するために操作されるボタンである。
【0026】
前面扉2の下段の領域2dには、遊技メダルが払い出される遊技メダル払出口50と、払い出された遊技メダルを受け止める受け皿52などが設けられている。
【0027】
図2は、前面扉2を開いて遊技機1の内部の構成を示した斜視図である。前面扉2の裏面側上部には、演出表示装置10が取り付けられており、その左右には一対のスピーカ14が取り付けられている。前面扉2のほぼ中央には表示窓20が設けられており、その下方には、後述する扉基板240が設けられている。また、扉基板240の下方には、回胴停止ボタン38a,38b,38cや、スタートレバー36が取り付けられている。
【0028】
回胴停止ボタン38a,38b,38cの左方には、投入された遊技メダルの通路となるメダルセレクタ106が設けられており、その下方には、遊技メダルを遊技メダル払出口50に導くためのコインシュータ108などが設けられている。メダルセレクタ106は、遊技メダル投入口30から投入された遊技メダルを主に寸法に基づいて選別し、規格寸法に適合した遊技メダルだけを受け入れる機能を有している。遊技者がスタートレバー36を操作する前に遊技メダルを投入すると、遊技メダルはメダルセレクタ106によって選別され、規格を満足しているものだけがホッパー116内に投入され、規格を満たしていないメダルは、コインシュータ108を通って、遊技メダル払出口50に返却されるようになっている。これに対して、スタートレバー36が操作された後に遊技メダルが投入された場合は、メダルセレクタ106内の通路が切り換わり、投入された遊技メダルはコインシュータ108を通って、遊技メダル払出口50に返却される。また、メダルセレクタ106の内部には、図示しないメダルセンサが設けられており、寸法規格を満たして受け入れられた遊技メダルが通過すると、メダルセンサによって検出されて、その信号が後述する主制御基板200に供給されるようになっている。
【0029】
このような前面扉2が取り付けられる筐体3のほぼ中央には、3つの回胴20a,20b,20cが設けられており、各回胴の外周面には、後述するように複数種類の図柄が描かれている。これら回胴の上方には、遊技全体の制御を司る後述する主制御基板200が格納された主制御基板ユニット110が設けられており、回胴の背後には、各回胴を駆動するための後述する回胴基板260が格納された回胴基板ユニット112が設けられている。また、回胴の左方には、図1に示した演出表示装置10や、各種ランプ類12、スピーカ14などを用いて行われる各種演出の制御を司る後述するサブ制御基板220が格納されたサブ制御基板ユニット111が設けられている。
【0030】
3つの回胴20a,20b,20cの下方には、リアスピーカ114が設けられ、更にその下方には、投入された遊技メダルが集められるホッパー116や、遊技メダルを払い出すメダル払出装置118、遊技機1全体に電源を供給するための後述する電源基板280が格納された電源ユニット120などが搭載されている。メダル払出装置118から払い出された遊技メダルは、コインシュータ108を通って、遊技メダル払出口50から払い出されるようになっている。また、電源ユニット120の前面には、遊技機1の電源を投入するための電源スイッチ120sも設けられている。
【0031】
図3は、3つの回胴20a,20b,20cの外周面に描かれた図柄の配列を示す説明図である。各回胴には、何れも21個の図柄が外周面に描かれている。また、何れの回胴についても、描かれている図柄の種類は同じであるが、図柄の配列については回胴毎に異なる配列に設定されている。
【0032】
A−2.電気的構成 :
図4は、本実施例に係る遊技機1の電気的構成を示す説明図である。図4に示すように、遊技機1には、主制御基板200を中心として、サブ制御基板220、扉基板240、回胴基板260、電源基板280、中継基板300等がデータを送受信可能に接続されて構成されている。
【0033】
主制御基板200は、遊技機1で行われる遊技全体の進行や演出を司る基板である。この主制御基板200には、CPU201、ROM202、RAM203などがバスによって互いにデータを送受信可能に接続されて搭載されている。そして、主制御基板200のCPU201は、前面扉2に搭載された扉基板240から、スタートレバー36が操作されたことを示す信号などを受信して、後述する遊技制御処理を実行しながら、サブ制御基板220や、扉基板240、回胴基板260などに向かって制御コマンド(あるいは制御信号)を送信することにより、これら各種基板の動作を制御している。
【0034】
サブ制御基板220も、上述した主制御基板200と同様に、CPU221や、ROM222、RAM223などがバスによって互いにデータを送受信可能に接続されて構成されている。また、サブ制御基板220には、各種のランプ類12や、各種のスピーカ14,114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lなどが接続されている。ここで回胴バックライト20Lとは、各回胴20a,20b,20cの内部に設けられ、回胴の表面に描かれた図柄(図3参照)を裏側から照らすライトである。サブ制御基板220は、主制御基板200から受信した制御コマンドを解析して、各種ランプ類12、各種スピーカ14,114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lにそれぞれ駆動信号を出力することにより、各種の演出を行っている。
【0035】
扉基板240には、メダルセレクタ106や、貯留されている遊技メダルを投入するための投入ボタン34、回胴の回転を開始するためのスタートレバー36、回転している回胴を停止させるための回胴停止ボタン38a,38b,38c、貯留されている遊技メダルや投入された遊技メダルを払い出して遊技を終了するための精算ボタン40、遊技の状態を表示する各種の表示パネル22などが接続されている。また、この扉基板240は、前述した主制御基板200とデータをやり取り可能に接続されている。このため、前面扉2に設けられたスタートレバー36や、回胴停止ボタン38a,38b,38c、投入ボタン34、精算ボタン40などを操作すると、扉基板240を介して、その信号が主制御基板200に供給されるようになっている。また、メダルセレクタ106が、内蔵するメダルセンサによって遊技メダルの通過を検出した信号も、扉基板240を介して主制御基板200に供給される。
【0036】
回胴基板260には、3つの回胴20a,20b,20cをそれぞれ回転させるための回胴モータ24a,24b,24cと、それぞれの回胴の回転位置を検出するための回胴センサ26a,26b,26cなどが接続されている。回胴基板260は、回胴センサ26a,26b,26cによって、各回胴20a,20b,20cの回転位置を検出しながら、回胴モータ24a,24b,24cを駆動することにより、それぞれの回胴20a,20b,20cを、所望の位置で停止させることが可能となっている。また、本実施例の遊技機1では、回胴モータ24a,24b,24cには、いわゆるステップモータ(ステッピングモータ)が使用されている。
【0037】
また、メダル払出装置118は、中継基板300を介して、主制御基板200に接続されており、主制御基板200からの制御信号に基づいて、所定枚数の遊技メダルを払い出す動作を行う。
【0038】
これら各種制御基板、および基板で消費される電力は、電源基板280から供給されている。図4では、電源基板280から電力が供給される様子を破線の矢印で表している。図示されているように、主制御基板200およびサブ制御基板220には、電源基板280から電力が直接供給されており、各種基板(扉基板240、回胴基板260、中継基板300)には、主制御基板200を介して電力が供給されている。電源基板280には100Vの交流電圧が供給されており、この電力を規定電圧の直流電圧に変換した後、それぞれの制御基板および基板に供給している。
【0039】
B.遊技の概要 :
以下では、上記の構成を有する回胴式の遊技機1において、遊技を進行するために行われる制御の内容について説明するが、その準備として、回胴式遊技機で行われる遊技の概要を説明しておく。
【0040】
遊技を開始するにあたっては、遊技メダル投入口30から遊技メダルを投入して、遊技を開始するに必要な枚数(規定枚数)の遊技メダルのベットを行う。本実施例の遊技機1では、規定枚数は「3枚」に固定されており、3枚の遊技メダルをベットすると、スタートレバー36の操作が有効化される。また、遊技メダルがクレジットとして予め内部に貯留されている場合は、投入ボタン34を押すことによって規定枚数の遊技メダルをベットすることも可能である。
【0041】
規定枚数の遊技メダルをベットして、スタートレバー36を操作すると、3つの回胴20a,20b,20cが一斉に回転を開始する。図3を用いて前述したように、各回胴には複数の図柄が描かれているため、回胴が回転すると、表示窓20では、これら図柄が変動表示されることになる。また、図1を用いて前述したように、前面扉2の前面側には、各回胴に対応して3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cが設けられている。回胴20a,20b,20cの回転中に回胴停止ボタン38a,38b,38cを押すと、押したボタンに対応する回胴が回転を停止し、これに伴って、表示窓20では、変動表示されていた図柄が何れかの図柄で停止表示される。このようにして、3つの回胴20a,20b,20cの回転を停止させると、それぞれの回胴で何れかの図柄が停止表示される。本実施例の遊技機1では、表示窓20の大きさは、各回胴あたり3つずつ、図柄が表示されるような大きさに設定されている。結局、3つの回胴20a,20b,20cが停止表示されると、表示窓20には、3行3列の合計9つの図柄が表示されるようになる。また、これら9つの図柄が表示される位置には、複数本の入賞ラインが予め設定されている。
【0042】
図5は、本実施例の遊技機1に設定されている入賞ラインを示した説明図である。図示されているように、本実施例の遊技機1では、右斜め上方向きの入賞ラインL1と、右斜め下方向きの入賞ラインL2の合計2本の入賞ラインが設定されている。3つの回胴20a,20b,20cが停止すると、これらの入賞ライン上には、何某かの図柄組合せが得られることになる。そして、入賞ライン上に揃った図柄組合せが、何れかの遊技役に対応する図柄組合せであった場合には、その遊技役の入賞が成立し、遊技役に応じた特典が遊技者に付与される。尚、本実施例の遊技機1では、上段のラインや、中段のライン、下段のラインには入賞ラインが設定されておらず、仮にこれらのラインに何れかの遊技役に対応する図柄組合せが揃ったとしても、その遊技役の入賞は成立しない。以下では、入賞ラインが設定されていないラインを無効ラインとも表記する。
【0043】
図6は、本実施例の遊技機1に設定されている遊技役の種類を、その遊技役の入賞を成立させる図柄組合せ、および遊技役の入賞が成立したときに遊技者に付与される特典と対応付けて示した説明図である。図6では、左端の欄に遊技役の種類が表示され、中央の欄には遊技役の入賞を成立させる図柄組合せが表示され、右端の欄には遊技役の入賞が成立したときに遊技者に付与される特典が表示されている。例えば、本実施例では、いわゆる「小役」と呼ばれる遊技役が設けられており、最上段に示した「スイカの小役」という遊技役には、3つの回胴20a,20b,20cが何れも「スイカ」の図柄で揃った図柄組合せが設定されている。この「スイカの小役」の入賞成立に対する特典としては、10枚の遊技メダルが遊技者に払い出されるように設定されている。次の「赤ベルの小役」という遊技役には、左回胴20aが「赤セブン」と呼ばれる図柄、中回胴20bおよび右回胴20cが「ベル」の図柄の組合せ(以下では、「赤セブン」−「ベル」−「ベル」と表記する)が設定されており、「赤ベルの小役」の入賞成立に対する特典としては、15枚の遊技メダルが遊技者に払い出されるように設定されている。また、「白ベルの小役」という遊技役には、左回胴20aが「白セブン」と呼ばれる図柄、中回胴20bおよび右回胴20cが「ベル」の図柄の組合せ(以下では、「白セブン」−「ベル」−「ベル」と表記する)が設定されており、「白ベルの小役」の入賞成立に対する特典としては、15枚の遊技メダルが遊技者に払い出されるように設定されている。そして、「バーベル」の小役という遊技役には、左回胴20aが「バー」の図柄、中回胴20bおよび右回胴20cが「ベル」の図柄の組合せ(以下では、「バー」−「ベル」−「ベル」と表記する)が設定されており、「バーベル」の小役の入賞成立に対する特典としては、15枚の遊技メダルが遊技者に払い出されるように設定されている。
【0044】
以上のように、「赤ベルの小役」、「白ベルの小役」、「バーベルの小役」間では、図柄の組合せのうち、左回胴20aの図柄のみが互いに異なり(それぞれ「赤セブン」、「白セブン」、「バー」)、中回胴20bおよび右回胴20cの図柄は同じ(全て「ベル」)になるように設定されている。
【0045】
また、本実施例の遊技機1には、「再遊技A役」という遊技役および「再遊技B役」という遊技役も設けられており、これらの遊技役が入賞成立すると、新たな遊技メダルをベットすることなく、もう一度、遊技を行うこと(すなわち、再遊技)が可能となる。尚、再遊技A役も再遊技B役も、入賞成立すると再遊技が可能となる点では同じ遊技役と考えられるから、以下では、これら遊技役をまとめて、単に「再遊技役」と称することがあるものとする。「再遊技A役」を入賞成立させる図柄組合せには、左回胴20aおよび中回胴20bが「リプレイ」の図柄、右回胴20cが「ベル」の図柄の組合せ(以下では、「リプレイ」−「リプレイ」−「ベル」とも表記する)が設定されており、「再遊技B役」を入賞成立させる図柄組合せには、左回胴20aが「リプレイ」の図柄、中回胴20bが「青セブン」と呼ばれる図柄、右回胴20cが「スイカ」の図柄の組合せ(以下では、「リプレイ」−「青セブン」−「スイカ」とも表記する)が設定されている。
【0046】
さらに、本実施例の遊技機1には、ビッグボーナス役(以下、「BB役」)と呼ばれる遊技役も設けられている。「BB役」には、「赤セブン」の図柄の揃った図柄組合せが対応付けられており、この図柄組合せで揃うと、特典として、遊技者にとって有利なビッグボーナス遊技(BB遊技)と呼ばれる遊技状態が開始される。尚、このBB遊技と呼ばれる遊技状態が、本発明における「ボーナス遊技状態」に対応する。
【0047】
本実施例のBB遊技は、BB一般遊技とJAC遊技とによって構成されている。BB一般遊技とは、JAC役と呼ばれる遊技役の入賞が成立し得る遊技状態であり、BB一般遊技でJAC役に入賞成立すると、BB遊技の中でJAC遊技が開始される。また、JAC遊技とは、所定の遊技役が通常遊技より高い確率で入賞成立するようになったり、通常遊技では入賞成立しなかった遊技役が入賞成立するようになったりして、多くの遊技メダルを獲得可能となる遊技状態である。BB遊技では、BB一般遊技およびJAC遊技が行われ、その結果、遊技者は多量の遊技メダルを獲得することができる。
【0048】
本実施例では、上述のJAC役として、「第1JAC役」および「第2JAC役」の2種類が設けられている。このうち「第1JAC役」には、左回胴20aが「青セブン」の図柄、中回胴20bが「青セブン」の図柄、右回胴20cが「スイカ」の図柄の組合せ(以下では、「青セブン」−「青セブン」−「スイカ」とも表記する)が対応付けられており、第2JAC役には、「青セブン」の図柄が揃った図柄組合せ(以下では、「青セブン」−「青セブン」−「青セブン」とも表記する)の図柄組合せが対応付けられている。そして、「第1JAC役」の入賞が成立すると第1JAC遊技と呼ばれる遊技状態が開始され、「第2JAC役」の入賞が成立すると第2JAC遊技と呼ばれる遊技状態が開始される。尚、この第2JAC遊技と呼ばれる遊技状態が、本発明における「特殊期間」に対応する。
【0049】
また、本実施例の遊技機1には、レギュラーボーナス役(以下、「RB役」)と呼ばれる遊技役も設けられている。「RB役」には、上述の「第2JAC役」と同じ「青セブン」の図柄が揃った図柄組合せが対応付けられており、「RB役」の入賞が成立すると、「RB遊技」と呼ばれる遊技状態が開始される。本実施例では、BB一般遊技中に「青セブン」の図柄が揃った図柄組合せが停止表示されると「第2JAC役」の入賞成立とし、その他の遊技状態中に該図柄組合せが停止表示されると「RB役」の入賞成立としている。
【0050】
ここで、以上では、本実施例の遊技機1が採り得る遊技状態として通常遊技以外に、BB遊技(BB一般遊技、第1JAC遊技、第2JAC遊技)、RB遊技が存在することを説明した。加えて、本実施例の遊技機1は、リプレイタイム遊技(以下、RT遊技)と呼ばれる遊技状態を採り得る。以下では、後の説明の理解を容易にするための前置きとして、本実施例の遊技機1が採り得る遊技状態について簡単に説明しておく。
【0051】
図7は、本実施例の遊技機1が採り得る遊技状態を説明するための説明図である。図7の左列には遊技状態の種類、右列には該遊技状態での主な遊技の内容(遊技性)が示されている。尚、図7に示している何れの遊技状態にも該当しない状態が通常遊技状態である。
【0052】
既に説明したが、図7に示すとおり、BB遊技はBB一般遊技とJAC遊技(第1JAC遊技および第2JAC遊技)から構成されている。BB遊技の開始契機はBB役が入賞成立したときであり、BB遊技が開始されると先ずBB一般遊技が開始される。そして、BB一般遊技中に、第1JAC役が入賞成立すると第1JAC遊技が開始され、第2JAC役が入賞成立すると第2JAC役が開始される。第1JAC遊技は通常遊技より小役が入賞成立する可能性の高い遊技状態であり、遊技者は多くの遊技メダルの払い出しを受けることができる。また、第2JAC遊技は、通常遊技中には入賞成立しない再遊技B役の入賞を成立させることが可能な遊技状態である。詳しくは後述するが、第2JAC遊技中の再遊技B役の入賞状況に応じて遊技者にとって有利なAT遊技と呼ばれる遊技状態が開始されるので、遊技者は第2JAC遊技中は再遊技B役の入賞成立を目指して遊技を進行させる。
【0053】
また、RB遊技は、第2JAC遊技と同様に再遊技B役の入賞成立が可能な遊技状態である。詳しくは後述するが、RB遊技中の再遊技B役の入賞状況に応じても遊技者にとって有利なAT遊技と呼ばれる遊技状態が開始されるので、遊技者はRB遊技中も再遊技B役の入賞成立を目指して遊技を進行させる。
【0054】
また、RT遊技は、再遊技役(再遊技A役、再遊技B役)が通常遊技よりも高い確率で入賞成立する遊技状態である。このため、RT遊技中は、遊技者は遊技メダルの使用量(消費量)を抑えながら遊技を進行させることが可能である(遊技を進行させるために必要な遊技メダルの量を抑えることが可能である)。本実施例では、図7に示すとおり、RT遊技として、第1RT遊技と第2RT遊技が設けられており、第1RT遊技は再遊技A役が再遊技B役よりも高い確率で入賞成立する遊技状態である。そして、この第1RT遊技中に再遊技B役の入賞が成立すると、第2RT遊技が開始されるように設定されている。第2RT遊技は再遊技B役が再遊技A役よりも高い確率で入賞成立する遊技状態である。この第2RT遊技と呼ばれる遊技状態が、本発明における「第2特殊期間」に対応している。尚、図7中のその他の内容については、以下に補充しながら説明する。
【0055】
本実施例の遊技機1では、以上に説明したような遊技役の入賞を成立させたり遊技状態を切り換えたりしながら遊技を進行させる。こうした遊技の進行は、主制御基板200に搭載されたCPU201によって制御されている。以下では、主制御基板200のCPU201が遊技の進行を制御するために行っている処理内容について説明する。
【0056】
C.回胴式遊技機の制御内容 :
C−1.遊技制御処理 :
図8は、本実施例の遊技機1において主制御基板200のCPU201が遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理の前半部分を示すフローチャートである。また、図9は、本実施例の遊技機1において主制御基板200のCPU201が行う遊技制御処理の後半部分を示すフローチャートである。この遊技制御処理は、遊技機1に電源が投入されて、後述する電源投入処理が行われた後に実行される処理である。
【0057】
図8に示すように、遊技制御処理を開始すると、先ず始めに遊技状態設定処理(ステップ100。以下、ステップを「S」と略記する)を行う。遊技状態設定処理の詳細については後述するが、この処理では、大まかには次のような処理を行う。前述したように、本実施例の遊技機1では、ビッグボーナス遊技(BB遊技)や、BB遊技の中で実行されるJAC遊技などの遊技状態が設けられており、遊技状態に応じて遊技役の入賞の成立し易さや、入賞の成立し得る遊技役の種類等が異なっている。遊技状態設定処理では、現在の遊技状態が何れであるかを検出するとともに終了条件が満たされたか否かを判断し、終了条件が満たされた場合には、その遊技状態を終了させて、遊技状態を切り換える処理を行う。こうして遊技状態を切り換えることで、遊技が単調になることを回避することが可能となる。
【0058】
遊技状態設定処理に続いて、主制御基板200のCPU201は、メダル投入確認処理を行う(S102)。メダル投入確認処理では、遊技メダル投入口30から遊技メダルが投入されたか否か、あるいは遊技メダルがクレジットとして貯留されている場合に、投入ボタン34が操作されたか否かを確認する。前述したように、投入された遊技メダルは、メダルセレクタ106に内蔵されたメダルセンサによって検出され、その検出信号が主制御基板200に供給される。また、投入ボタン34を操作した場合には、その操作信号が主制御基板200に供給される。主制御基板200のCPU201は、これらの信号に基づいて、遊技メダルが投入されたか否かを判断することができる。そして、規定枚数の遊技メダルが投入されたら、遊技を開始可能な状態になる。尚、投入ボタン34が操作された場合には、遊技メダルの貯留枚数から投入枚数を減算する処理も同時に行われる。
【0059】
上述のようにして遊技メダルの投入が確認できたら、スタートレバー36を操作することによって何時でも遊技を開始することが可能となるが、その前に、精算ボタン40が操作されたか否かの確認を行う(S104)。すなわち、遊技メダルをベットした後であっても、スタートレバー36を操作して回胴20a,20b,20cを回転させる前であれば、ベットした遊技メダルも含めてメダルを精算することが可能となっている。そして、精算ボタン40が操作されていた場合には(S104:yes)、精算処理を行うことにより、クレジットとして貯留されている遊技メダルおよび投入した遊技メダルを払い出す処理を行う(S106)。遊技メダルの払い出しは、主制御基板200からメダル払出装置118に向けて、払い出すべき遊技メダルの枚数を指示する制御信号を送信することによって行われる。こうして遊技メダルを払い出したら、遊技の開始前の状態(S100)に戻って、以降の処理を行う。
【0060】
一方、精算ボタン40が操作されていない場合には(S104:no)、スタートレバー36が操作されたか否かを判断する(S108)。前述したように遊技者がスタートレバー36を操作すると、その操作信号が主制御基板200に供給されるので、主制御基板200は、スタートレバー36の操作信号に基づいて、スタートレバー36が操作されたか否かを判断することができる。そして、スタートレバー36が操作されていない場合は(S108:no)、遊技者が未だ遊技を開始していないものと判断されるので、精算ボタン40の操作の有無を確認しながら(S104)、スタートレバー36が操作されるまで待機する。一方、スタートレバー36が操作されたら(S108:yes)、内部抽選処理を開始する(S110)。
【0061】
内部抽選処理では、図6を用いて前述した遊技役の何れかの入賞成立を許容するか否かを、抽選によって決定する処理を行う。尚、この抽選で何れかの遊技役に当選した(入賞成立が許容された)としても、直ちに遊技役の入賞が成立するわけではなく、回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作することにより、当選した遊技役に対応する図柄組合せを入賞ライン上(図5に示すL1またはL2上)に揃えなければ遊技役の入賞を成立させることはできない。また逆に、抽選で当選した遊技役でなければ、どのようなタイミングで回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作したとしても、入賞ライン上に対応する図柄組合せを揃えることはできないようになっている。その意味で、この抽選は、図柄組合せを揃えて遊技役の入賞を成立させるための前提条件として、内部的に行われる抽選であることから「内部抽選」と呼ばれている。また、内部抽選に当選した状態は、内部当選状態(あるいは単に、内部当選)と呼ばれている。
【0062】
この内部抽選は、抽選テーブルと呼ばれる専用のテーブルを用いて行われており、このテーブルには、遊技役と、その遊技役に当選するための内部抽選用乱数とが対応付けて設定されている。ここで内部抽選用乱数とは、主制御基板200のCPU201がスタートレバー36の操作信号を受信したときに取得する乱数である。本実施例の遊技機1では、内部抽選用乱数は2バイトデータとなっており、0〜65535の範囲の乱数値を取ることが可能である。尚、この抽選用の乱数は、主制御基板200に搭載された専用の乱数発生回路を用いてハードウェア的に生成することもできるし、乱数発生用のプログラムを用いてソフトウェア的に生成することも可能である。
【0063】
図10は、一般的な遊技状態である通常遊技中に用いられる抽選テーブルを概念的に示した説明図である。図10(a)には、各遊技役に対して割り当てられた乱数の範囲がまとめて示されており、図10(b)には、各遊技役に割り当てられた乱数範囲の大まかな比率が示されている。図示されているように、通常遊技用の抽選テーブルでは、「スイカの小役」に対しては0〜3999の乱数値が設定されている。これは、取得した乱数値がこの範囲にあった場合には、スイカの小役に内部当選することを表している。同様に、「赤ベルの小役」に対しては4000〜5999の乱数値が設定され、「白ベルの小役」には6000〜7999の乱数値が設定され、「バーベルの小役」には8000〜9999の乱数値が設定されている。また、「再遊技A役」に対しては10000〜18999の乱数値が設定され、更に、「BB役」に対しては19000〜19499の乱数値が設定され、「RB役」に対しては19500〜19999の乱数値が設定されている。尚、20000〜65535の乱数値には、何れの遊技役も設定されておらず、従って、取得した乱数値がこの範囲にあった場合は「ハズレ」となる。
【0064】
内部抽選処理(図8のS110)では、スタートレバー36が操作されたことを検出して内部抽選用乱数を取得するとともに、抽選テーブルを参照することにより、何れの遊技役に内部当選したか、若しくは何れの遊技役にも内部当選しなかったかを判断する。そして、何れかの遊技役に内部当選したら、当選した遊技役を内部当選フラグにセットする。ここで内部当選フラグとは、内部抽選の結果を記憶しておくために用いられるフラグであり、主制御基板200に搭載されたRAM203の所定アドレスに設定されている。
【0065】
図11は、本実施例の遊技機1における内部当選フラグの構成を例示した説明図である。図示されているように、本実施例の遊技機1では、小役、再遊技役についての内部当選フラグ(小役等内部当選フラグ)と、BB役や第1JAC役、第2JAC役、RB役についての内部当選フラグ(ボーナス役等内部当選フラグ)とに分けて記憶されており、それぞれに1バイト(8ビット)分の領域が確保されている。図11(a)は、小役等内部当選フラグが設定される1バイト分の領域のデータ構造を例示した説明図である。図示されているように、1バイトデータのうち下位側の6ビット分が小役等内部当選フラグとして用いられている。これら6ビット中の先頭のビットは、スイカの小役に内部当選したことを記憶しておくためのビットであり、次のビットは赤ベルの小役に内部当選したことを記憶しておくためのビットである。以下の4つのビットも同様に、それぞれ、白ベルの小役、バーベルの小役、再遊技A役、再遊技B役に内部当選したことを記憶しておくために用いられるビットである。
【0066】
また、図11(b)は、ボーナス役等内部当選フラグが設定される1バイト分の領域のデータ構造を例示した説明図である。図示されているように、1バイトデータのうち下位側の4ビット分がボーナス役内部当選フラグとして用いられている。これら4ビット中の先頭のビットは、BB役に内部当選したことを記憶しておくためのビットであり、次のビットは第1JAC役に内部当選したことを記憶しておくためのビットである。以下の2つのビットも同様に、それぞれ、第2JAC役、RB役に内部当選したことを記憶しておくためのビットである。図8に示した内部抽選処理(S110)では、内部抽選用乱数を取得して、抽選テーブルを参照しながら、何れかの遊技役に内部当選しているか否かを判断し、何れかの遊技役に内部当選していれば、図11に示した内部当選フラグの対応するビットに「1」を設定する処理を行う。
【0067】
内部抽選処理を終了すると、主制御基板200は、サブ制御基板220に対して内部抽選結果伝達コマンドを送信する(図8のS112)。内部抽選結果伝達コマンドとは、先の内部抽選処理(S110)で行われた内部抽選の結果(遊技役に当選したか否かの情報、当選している場合はその遊技役の情報が含まれる)をサブ制御基板220に伝達するためのコマンドである。詳しくは後述するが、本実施例の遊技機1では、所定の期間中に行われた内部抽選において所定の遊技役に当選すると、演出表示装置10、各種ランプ類12などを用いた特別な演出によって遊技者に内部当選を報知するようになっている。こうした演出はサブ制御基板220によって制御されていることから、主制御基板200は、内部抽選処理を終了すると、その内部抽選結果を記したコマンド(内部抽選結果伝達コマンド)をサブ制御基板220に向けて送信する。
【0068】
内部抽選結果伝達コマンドの送信(S112)を終了すると、主制御基板200は、続いて回胴回転始動処理を開始する(S114)。回胴回転始動処理では、所定の条件が満足されているか否かを判断して、条件が満たされている場合は、3つの回胴20a,20b,20cを回転させる処理を行う。本実施例の回胴回転始動処理では、スタートレバー36が操作され、且つ、前回に回胴20a,20b,20cの回転が開始されてから所定時間(例えば、4.1秒)を経過した場合に回胴の回転を開始することとして、各回胴20a,20b,20cにそれぞれ設けられた回胴モータ24a,24b,24cに対して駆動信号を送信することにより、3つの回胴20a,20b,20cを回転させる。
【0069】
こうして3つの回胴20a,20b,20cを回転させたら、主制御基板200は、回胴の回転を停止させる処理(回胴回転停止処理)を行う(S116)。回胴回転停止処理の詳細については後述するが、この処理では、先に行われた内部抽選の結果(何れの遊技役に内部当選したか否か)や、遊技者によって回胴停止ボタン38a,38b,38cが操作されたタイミングに基づいて、3つの回胴20a,20b,20cのそれぞれの停止位置を決定し、決定した位置で停止させる処理を行う。
【0070】
主制御基板200のCPU201は、3つの回胴20a,20b,20cを停止させたら、何れかの遊技役の入賞が成立したか否かを判断する(S118)。ここで、「遊技役の入賞が成立する」とは、遊技役に対応する図柄組合せが、入賞ライン上に揃って停止表示されることをいう。前述したように、本実施例の遊技機1では、内部抽選処理(S110)で何れかの遊技役に内部当選していても、回胴停止ボタン38a,38b,38cを押すタイミングによっては、その遊技役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃うとは限らない。そこで、主制御基板200は、回胴の回転を停止させた後、内部抽選で当選した遊技役の入賞が成立しているか否か(何れかの遊技役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に停止表示されたか否か)を判断する。
【0071】
その結果、何れかの遊技役の入賞が成立したと判断された場合は(S118:yes)、先ず始めに、入賞の成立した遊技役が、BB役であるか否かを判断する(図9のS120)。図6を用いて前述したように、BB役は、入賞ライン上に「赤セブン」の図柄が揃った場合に入賞が成立する遊技役である。そして、BB役の入賞が成立したと判断された場合は(S120:yes)、BB遊技フラグをONに設定するとともに、他の遊技状態フラグを全てOFFに設定する(S122)。ここで、BB遊技フラグとは、遊技状態を、前述したビッグボーナス遊技(BB遊技)と呼ばれる遊技者にとって有利な遊技状態とすることを示すフラグであり、現在の遊技状態を表すための「遊技状態フラグ」と呼ばれる専用のフラグの一種である。詳しくは後述するが、本実施例の遊技機1には、BB遊技、RB遊技、第1JAC遊技、第2JAC遊技、第1RT遊技、第2RT遊技といった遊技状態のそれぞれに対応する遊技状態フラグが設けられており、これら遊技状態フラグの設定(ON/OFF)に応じて遊技状態を切り換えながら遊技が進行していく。こうした遊技状態フラグは、主制御基板200に搭載されたRAM203の所定アドレスに設定されている。
【0072】
図12は、遊技状態フラグ等が設定される1バイト分の領域のデータ構造を例示した説明図である。本実施例の遊技機1では、RAM203上の所定アドレスの1バイトデータのうち、最上位と最下位のビットを除いた6ビット分が遊技状態フラグとして用いられている。これら6ビットの先頭のビットがBB遊技フラグに設定されている。図9に示した遊技制御処理のS122では、BB役の入賞成立を受けて(S120:yes)、BB遊技を開始するべく、BB遊技フラグをONに設定(ビットに「1」を設定)する。また、本実施例の遊技機1では、BB役の入賞が成立すると、何れの遊技状態であってもBB遊技へと切り換えるようになっている。そこで、BB遊技フラグをONに設定したら、BB遊技フラグ以外の遊技状態フラグをOFFに設定する(すなわち、BB遊技フラグを除く全ての遊技状態フラグのビットに「0」を設定する)。
【0073】
BB遊技フラグをONに設定したら(S122)、主制御基板200のCPU201は、サブ制御基板220に向けてBB遊技開始コマンドを送信する(S124)。サブ制御基板220のCPU221はBB遊技開始コマンドを受信することによって、BB遊技が開始されることを把握する。
【0074】
こうしてBB遊技フラグがONにセットされた状態で遊技制御処理の先頭に戻って遊技状態設定処理(S100)を開始すると、BB遊技フラグがONになっていることが検出され、遊技状態がBB遊技に切り換わって、上述した一連の処理が行われる。S100において、BB遊技フラグに基づいて遊技状態をBB遊技に切り換える処理の詳細については後述する。
【0075】
以上では、入賞の成立した遊技役がBB役であった場合(図9のS120:yes)に行われる処理について説明したが、入賞の成立した遊技役がBB役ではなかった場合には(S120:no)、次いで、入賞成立した遊技役が第1JAC役か否かを判断する(S126)。図6を用いて前述したように、第1JAC役は、入賞ライン上に「青セブン」−「青セブン」−「スイカ」の図柄組合せが揃った場合に入賞成立する。そして、第1JAC役が入賞成立したと判断された場合には(S126:yes)、第1JAC遊技フラグをONに設定する(S128)。ここで、第1JAC遊技フラグとは、遊技状態を、前述した第1JAC遊技とすることを示す遊技状態フラグである。図12に示した遊技状態フラグに用いられる6ビットのうち、先頭から2番目のビットが第1JAC遊技フラグに設定されており、第1JAC遊技フラグをONにする場合には、このビットに「1」を設定する。尚、本実施例の遊技機1では、BB遊技の中で第1JAC遊技が行われることから、第1JAC遊技フラグがONに設定されても、BB遊技フラグはONに設定されたままとなっている。そして第1JAC遊技フラグ(およびBB遊技フラグ)がONにセットされた状態で遊技制御処理の先頭に戻って遊技状態設定処理(S100)を開始すると、第1JAC遊技フラグ(およびBB遊技フラグ)がONになっていることが検出されて、第1JAC遊技が開始される。
【0076】
第1JAC遊技フラグをONに設定したら(S128)、主制御基板200は、サブ制御基板220に向けて第1JAC遊技開始コマンドを送信する(S130)。サブ制御基板220のCPU221は第1JAC遊技開始コマンドを受信することによって、第1JAC遊技が開始されることを把握する。
【0077】
これに対して、入賞成立した遊技役が第1JAC役ではなかった場合は(S126:no)、今度は図5に示す入賞ライン上に「青セブン」−「青セブン」−「青セブン」の図柄組合せが揃って停止表示されたか否かの判断を行う(S132)。その結果、入賞ライン上に「青セブン」−「青セブン」−「青セブン」の図柄組合せが揃って停止表示されたと判断した場合は(S132:yes)、青7揃い停止表示時処理を行う(S134)。尚、以下、「青セブン」−「青セブン」−「青セブン」の図柄組合せが揃って停止表示することを「青7揃いが停止表示する」とも表記する。
【0078】
図13は、本実施例の青7揃い停止表示時処理を示すフローチャートである。図6を示して前述したとおり、入賞ライン上に青7揃いが停止表示すると「第2JAC役の入賞が成立する場合」と「RB役の入賞が成立する場合」がある。青7揃い停止表示時処理では、現在の遊技状態に応じて第2JAC役およびRB役のうち何れの遊技役の入賞を成立させるかを判断し、該入賞成立した遊技役に対応した遊技状態(第2JAC遊技またはRB遊技)を開始するための処理を行う。
【0079】
青7揃い停止表示時処理を開始すると、主制御基板200に搭載されたCPU201は先ず初めに、BB遊技フラグの状態を確認して現在の遊技状態がBB遊技中か否かを判断する(S200)。その結果、BB遊技中であると判断した場合は(S200:yes)、遊技状態を第2JAC遊技に移行させるべく、第2JAC遊技フラグをONに設定する(S202)。すなわち、図6を用いて前述したとおり、BB遊技中に青7揃いが入賞ライン上に停止表示された場合は第2JAC役を入賞成立させて第2JAC遊技を開始する。尚、第2JAC遊技フラグは、図12に示した遊技状態フラグに用いられる6ビットのうち、先頭から3番目のビットが割り当てられており、第2JAC遊技フラグをONにする場合には、このビットに「1」を設定する。また、本実施例の遊技機1では、BB遊技の中で第2JAC遊技が行われることから、第2JAC遊技フラグがONに設定されても、BB遊技フラグはONに設定されたままとなっている。
【0080】
第2JAC遊技フラグをONに設定したら(S202)、主制御基板200は、サブ制御基板220に向けて第2JAC遊技開始コマンドを送信する(S204)。サブ制御基板220のCPU221は第2JAC遊技開始コマンドを受信することによって、第2JAC遊技が開始されることを把握する。
【0081】
第2JAC遊技開始コマンドを送信すると(S204)、今度は第2JAC遊技カウンタの値に「5」を設定する(S206)。図7にも示すように、本実施例の第2JAC遊技は開始されてから5回の遊技が行われると終了するように設定されている。第2JAC遊技カウンタは、第2JAC遊技中に遊技が行われるたびに「1」ずつ減算されていくカウンタである。該カウンタの値が「0」になると、主制御基板200のCPU201は第2JAC遊技を開始してから5回の遊技が行われたことを把握して、第2JAC遊技を終了するための処理を行う。尚、第2JAC遊技カウンタは、主制御基板200に搭載されているRAM203にその領域が確保されている。
【0082】
第2JAC遊技カウンタの値に「5」を設定すると(S206)、青7揃い停止表示時処理を終了して、図8および図9に示す遊技制御処理に復帰する。そして、第2JAC遊技フラグ(およびBB遊技フラグ)がONにセットされた状態で、遊技制御処理の先頭に戻って遊技状態設定処理(図8のS100)を開始すると、第2JAC遊技フラグ(およびBB遊技フラグ)がONになっていることが検出されて、第2JAC遊技が開始される。
【0083】
以上のように、遊技状態がBB遊技中である場合に青7揃いが入賞ライン上に停止表示されると、第2JAC役の入賞成立とし、第2JAC遊技を開始するための処理および第2JAC遊技を予め定められた遊技回数(ここでは5回)で終了するための処理が行われる。尚、主制御基板200に搭載されているCPU201が上述の処理を行うことによって、「特殊期間」である第2JAC遊技を開始している。従って、主制御基板200に搭載されているCPU201は、本発明における「特殊期間発生手段」に対応している。
【0084】
これに対して、青7揃い停止表示時処理の最初の処理でBB遊技中ではないと判断した場合は(図13のS200:no)、遊技状態をRB遊技に移行させるべく、RB遊技フラグをONに設定する(S208)。すなわち、図6を用いて前述したとおり、遊技状態がBB遊技中ではない時に青7揃いが入賞ライン上に停止表示された場合はRB役を入賞成立させてRB遊技を開始する。尚、RB遊技フラグは、図12に示した遊技状態フラグに用いられる6ビットのうち、先頭から4番目のビットが割り当てられており、RB遊技フラグをONにする場合には、このビットに「1」を設定する。また、本実施例の遊技機1では、RB役の入賞が成立すると、何れの遊技状態であってもRB遊技へと切り換えるようになっている。そこで、RB遊技フラグをONに設定したら、RB遊技フラグ以外の遊技状態フラグをOFFに設定する(すなわち、RB遊技フラグを除く全ての遊技状態フラグのビットに「0」を設定する)。
【0085】
RB遊技フラグをONに設定してその他の遊技状態フラグをOFFに設定したら(S208)、主制御基板200のCPU201は、サブ制御基板220に向けてRB遊技開始コマンドを送信する(S210)。サブ制御基板220のCPU221はRB遊技開始コマンドを受信することによって、RB遊技が開始されることを把握する。
【0086】
RB遊技開始コマンドを送信すると(S210)、今度はRB遊技カウンタの値に「5」を設定する(S212)。詳しくは後述するが、本実施例のRB遊技も、第2JAC遊技と同様に、開始されてから5回の遊技が行われると終了するように設定されている。RB遊技カウンタは、RB遊技中に遊技が行われるたびに「1」ずつ減算されていくカウンタである。該カウンタの値が「0」になると、主制御基板200のCPU201はRB遊技を開始してから5回の遊技が行われたことを把握して、RB遊技を終了するための処理を行う。尚、RB遊技カウンタも、主制御基板200に搭載されているRAM203にその領域が確保されている。
【0087】
RB遊技カウンタの値に「5」を設定すると(S212)、青7揃い停止表示時処理を終了して、図8および図9に示す遊技制御処理に復帰する。そして、RB遊技フラグがONにセットされた状態で、遊技制御処理の先頭に戻って遊技状態設定処理(図8のS100)を開始すると、RB遊技フラグがONになっていることが検出されて、RB遊技が開始される。
【0088】
このように、遊技状態がBB遊技中ではない場合に青7揃いが入賞ライン上に停止表示されると、RB役の入賞成立とし、RB遊技を開始するための処理およびRB遊技を予め定められた遊技回数(ここでは5回)で終了するための処理が行われる。
【0089】
以上のとおり、第2JAC役もRB役も青7揃いが入賞ライン上に停止表示することが契機となって成立する。遊技者にとっては、同じ図柄組合せが入賞ライン上に停止表示されるのにも拘らず、異なる遊技状態が開始されるので、該図柄組合せに対する注目を大きくすることになり、遊技者の遊技興趣を盛り上げることが可能となる。また、たとえ停止表示される図柄組合せが同じだとしても、該図柄組合せが停止表示される時の遊技状態に応じて遊技役を異ならせているので、遊技役に対応する図柄組合せの数を、遊技役の種類の数に比して抑制することができる。従って、遊技者にとっては、狙うべき(または入賞成立を視認するために記憶するべき)図柄組合せの数を低減させながらも、それ以上の数の遊技役の入賞成立を実感することが可能となり、遊技者の遊技興趣を盛り上げることが可能となる。尚、第2JAC遊技およびRB遊技の内容については後に詳しく説明する。
【0090】
以上は、図9に示す遊技制御処理のS132の処理で入賞ライン上に青7揃いが停止表示されたと判断した場合について説明した。これに対して、入賞ライン上に青7揃いが停止表示されていないと判断した場合は(S132:no)、今度は、入賞の成立した遊技役が再遊技A役か否かを判断する(S136)。その結果、再遊技A役が入賞成立したと判断した場合は(S136:yes)、再遊技フラグをONに設定する(S138)。ここで、再遊技フラグとは、再遊技A役または再遊技B役の入賞が成立したことを記憶しておくためのフラグである。この再遊技フラグがONにセットされていると、次回の遊技のメダル投入確認処理(図8のS102)において、遊技者によって投入されなくても自動的に遊技メダルが再投入される。また、メダル投入確認処理が遊技メダルを自動的に再投入した後は、再遊技フラグの設定はOFFに戻される。このような再遊技フラグは、前述した遊技状態フラグと同様に、主制御基板200に搭載されたRAM203の所定アドレスに設定されている。本実施例の遊技機1では、図12に示したように、遊技状態を示す6ビット分のビットデータも設定される1バイトの領域の最下位のビットが再遊技フラグに設定されている。
【0091】
上述のS136の処理で再遊技A役が入賞成立していないと判断した場合は(S136:no)、今度は再遊技B役の入賞が成立したか否かの判断を行う(S140)。その結果、再遊技役Bの入賞が成立したと判断した場合は(S140:yes)、再遊技A役が入賞成立した場合と同様に再遊技フラグをONにした後(S142)、再遊技B役が入賞成立した時用の処理(再遊技B役入賞時処理)を行う(S144)。詳しくは後述するが図7にも示すように、本実施例の遊技機1では、再遊技B役の入賞が成立するのは遊技状態が第2JAC遊技、第1RT遊技、第2RT遊技、RB遊技の場合である。再遊技B役入賞時処理では、再遊技B役が入賞した際の遊技状態に応じた処理を行う。
【0092】
図14は、本実施例の再遊技B役入賞時処理を示すフローチャートである。再遊技B役入賞時処理を開始すると、主制御基板200に搭載されているCPU201は先ず初めに、第2JAC遊技フラグがONに設定されているか否か(現在の遊技状態が第2JAC遊技か否か)の判断を行う(S220)。その結果、第2JAC遊技中であると判断した場合は、再遊技B役入賞コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S222)。
【0093】
ここで、詳しくは後述するが、本実施例の遊技機1では、赤ベル、白ベル、バーベルの小役に内部当選した場合は、遊技者は左回胴20aにそれぞれの小役に対応した図柄(赤セブン、白セブン、バー)をタイミング良く停止表示させなければ、これらの小役を入賞成立させることができない。そこで、サブ制御基板200のCPU221は、BB遊技終了後またはRB終了後に、遊技者に対して狙うべき上述の小役(図柄)を報知するアシストタイム遊技(AT遊技)を行う場合がある。遊技者にとってAT遊技は、狙うべき小役が報知されるので、適切なタイミングで左回胴20aを停止表示させ易くなる(小役を入賞成立させ易くなる)有利な遊技状態である。BB遊技の終了後に行われるAT遊技の期間(遊技の回数)は第2JAC遊技中での再遊技B役の入賞回数に応じて決定される。従って、S222の処理では、サブ制御基板220のCPU221に再遊技B役の入賞が成立したことを把握させるために(入賞回数を計数させるために)、再遊技B役入賞コマンドを送信する。
【0094】
以上のように、第2JAC遊技中に再遊技B役の入賞が成立すると、サブ制御基板220のCPU221にその旨を把握させるために、サブ制御基板220に向けて再遊技B役入賞コマンドを送信する。
【0095】
S220の処理で第2JAC遊技中ではないと判断した場合は、第1RT遊技フラグを確認して現在が第1RT遊技中か否かの判断を行う(S224)。ここで、第1RT遊技フラグとは、図12を用いて前述した遊技状態フラグの一種であり、遊技状態が第1RT遊技である場合にONに設定されているフラグである。図12に示したように、遊技状態フラグとして用いられる6つのビットの中で、上位から5番目のビットが第1RT遊技フラグとして用いられている。
【0096】
S224の判断処理の結果、第1RT遊技中であると判断すると(S224:yes)、第1RT遊技を終了するべく第1RT遊技フラグをOFFに設定して、第2RT遊技を開始するべく第2RT遊技フラグをONに設定する(S226)。すなわち、図7にも示すように、第1RT遊技中に再遊技B役の入賞が成立すると、第2RT遊技を開始するので、そのための処理を行う。ここで、第2RT遊技フラグとは、図12を用いて前述した遊技状態フラグの一種であり、遊技状態が第2RT遊技である場合にONに設定されているフラグである。図12に示したように、遊技状態フラグとして用いられる6つのビットの中で、最下位のビットが第2RT遊技フラグとして用いられている。
【0097】
続いて、サブ制御基板220に向けて第2RT遊技開始コマンドを送信する(S228)。サブ制御基板220のCPU221は、第2RT遊技開始コマンドを受信することにより、第2RT遊技が開始されることを把握する。
【0098】
第2RT遊技開始コマンドを送信したら、次に第2RT遊技カウンタの値に「5」を設定する。図7にも示すように、本実施例では、第2RT遊技は開始してから5回の遊技を行うと終了するように設定されている。第2RT遊技カウンタは、第2RT遊技中に遊技が行われるたびに「1」ずつ減算されていくカウンタである。該カウンタの値が「0」になると、主制御基板200のCPU201は第2RT遊技を開始してから5回の遊技が行われたことを把握して、第2RT遊技を終了するための処理を行う。尚、第2RT遊技カウンタは、主制御基板200に搭載されているRAM203にその領域が確保されている。
【0099】
以上のように、第1RT遊技中に再遊技B役が入賞成立すると、第1RT遊技を終了して第2RT遊技を開始するための処理、サブ制御基板220のCPU221に第2RT遊技を開始することを把握させるべくサブ制御基板220に向けて第2RT遊技開始コマンドを送信する処理、第2RT遊技を5回の遊技で終了させる準備のための処理が行われる。
【0100】
S224の判断処理の結果、第1RT遊技中ではないと判断すると、今度は現在が第2RT遊技中であるか否かの判断を行う(S232)。その結果、第2RT遊技中であると判断すると(S232:yes)、サブ制御基板220に向けて再遊技B役入賞コマンドを送信する(S234)。サブ制御基板220のCPU221は、再遊技B役入賞コマンドを受信すると、前述のAT遊技を行うために再遊技B役の入賞成立を把握する。ここで、詳しくは後述するが、ほとんどの場合、第2RT遊技中はAT遊技が行われており、第2RT遊技中に再遊技B役が入賞成立すると、現在行われているAT遊技の期間(遊技の回数)が延長(加算)される。
【0101】
次に、S232の判断処理の結果、第2RT遊技中ではないと判断された場合の処理について説明する。第2JAC遊技中、第1RT遊技中、第2RT遊技中以外で再遊技B役が入賞成立するのはRB遊技中だけであることから、S232の判断処理の結果、第2RT遊技中ではないと判断されるのは、遊技状態がRB遊技中の場合である。遊技状態がRB遊技中である場合は(S232:no)、先ず第1RT予定フラグをONに設定する。すなわち、本実施例の遊技機1は、図7にも示すように、RB遊技中に再遊技B役の入賞が成立すると、RB遊技終了後に第1RT遊技を行うようになっている。第1RT予定フラグは、RB遊技中に再遊技B役の入賞成立があったことを、RB遊技終了時に主制御基板200のCPU201に把握させるためのフラグである。第1RT予定フラグは、主制御基板200に搭載されているRAM203にその領域が確保されている。
【0102】
第1RT予定フラグをONに設定すると、今度は、再遊技B役入賞コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S238)。サブ制御基板220のCPU221は、再遊技B役入賞コマンドを受信すると、前述のAT遊技を行うために再遊技B役の入賞回数を計数する。すなわち、RB遊技の終了後に行われるAT遊技の期間(遊技の回数)はRB遊技中での再遊技B役の入賞回数に応じて決定されるので、該入賞回数を計数する。
【0103】
以上のように、RB遊技中に再遊技B役が入賞成立すると、RB遊技終了後に第1RT遊技を開始するために第1RT予定フラグをONに設定する処理、サブ制御基板220のCPU221に再遊技B役の入賞成立があったことを把握させるべくサブ制御基板220に向けて再遊技B役入賞コマンドを送信する処理が行われる。
【0104】
一方、入賞の成立した遊技役が再遊技B役ではなかった場合は(S140:no)、何かの遊技役の入賞が成立しているものの(図8のS118:yes)、その遊技役は、BB役、JAC役、RB役、再遊技役の何れでもないことから、小役であると判断され、この場合は小役が入賞成立した時用の処理(小役入賞時処理)を行う(S146)。本実施例の遊技機1は、図7にも示すように、現在の遊技状態が第2JAC遊技またはRB遊技である場合に小役の入賞が成立すると、たとえ第2JAC遊技またはRB遊技が開始してから5回の遊技が行われていなくても、第2JAC遊技またはRB遊技を終了して他の遊技状態へ移行するように設定されている。小役入賞時処理では、現在の遊技状態を判断して、該遊技状態が第2JAC遊技またはRB遊技である場合に該遊技状態を終了するための処理を行う。
【0105】
図15は、本実施例の小役入賞時処理を示すフローチャートである。小役入賞時処理を開始すると、主制御基板200に搭載されているCPU201は先ず初めに、図12に示した遊技状態フラグの状態を把握して、現在が第2JAC遊技中か否かの判断を行う(S250)。その結果、第2遊技中であると判断した場合は(S250:yes)、第2JAC遊技を終了するべく、第2JAC遊技フラグをOFFに設定して(S252)第2JAC遊技カウンタの値に「0」を設定した後(S254)、第2JAC遊技を終了することをサブ制御基板220に搭載されているCPU221に把握させるべく、第2JAC遊技終了コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S256)。
【0106】
これに対して、S250の処理で第2JAC遊技中ではないと判断した場合は(S250:no)、今度は現在がRB遊技中であるか否かの判断を行う(S258)。その結果、RB遊技中であると判断した場合は(S258:yes)、RB遊技を終了するべく、RB遊技フラグをOFFに設定して(S260)RB遊技カウンタの値に「0」を設定した後(S262)、RB遊技を終了することをサブ制御基板220に搭載されているCPU221に把握させるべく、RB遊技終了コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S264)。以上のように、本実施例の遊技機1は、第2JAC遊技中に小役の入賞が成立した場合は第2JAC遊技を終了し、RB遊技中に小役の入賞が成立した場合はRB遊技を終了する。
【0107】
こうして、小役入賞時処理を終了すると(図9のS146)、入賞の成立した遊技役(小役)に応じた枚数の遊技メダルを払い出す処理を行う(S148)。すなわち、入賞の成立した小役がスイカの小役であれば10枚の遊技メダルを払い出し、赤ベルや、白ベル、バーベルの小役であれば15枚の遊技メダルを払い出す処理を行う。この処理は、主制御基板200の内部で払い出すべき遊技メダルの枚数を求めた後、主制御基板200からメダル払出装置118に対して制御信号を送信することによって行われる。
【0108】
こうして遊技メダルを払い出すと、主制御基板200のCPU201は、払出枚数計数処理を行う(S150)。詳しくは後述するが、本実施例のBB遊技は、上限枚数の遊技メダルが払い出されると終了するように設定されていることから、BB遊技の開始後に払い出された遊技メダルの枚数(払出枚数)を計数しておく必要がある。そこで、払出枚数計数処理では、先ず、現在の遊技状態がBB遊技であるか否かを判断して、BB遊技中であると判断された場合には、S148の処理で払い出した遊技メダルの枚数を、既に払い出した枚数(払出枚数)に加算する処理を行う。一方、BB遊技中ではないと判断された場合には、払出枚数を加算する処理を行うことなく、そのまま払出枚数計数処理を終了する。こうして入賞回数計数処理を行ったら、その遊技は終了となり、図8および図9に示した遊技制御処理の先頭に戻って、新たな遊技を開始する。
【0109】
以上は、何れかの遊技役の入賞が成立していると判断された場合の処理について説明した(図8のS118:yes)。これに対して、何れの遊技役の入賞も成立していないと判断された場合は(S118:no)、回胴20a、20b、20cの「取りこぼし目」が停止表示されたか否かの確認処理を行う(S154)。取りこぼし目とは、内部抽選処理(S110)で赤ベル、白ベル、バーベルの小役の何れかに内部当選したのにも拘らず、適切なタイミングで回胴を停止表示させることができずにその小役を入賞成立させることができなかった(以下、「小役を取りこぼした」とも表記する)場合に、入賞ライン上に停止表示される図柄組合せである。本実施例の遊技機1では、取りこぼし目として、「リプレイ」−「ベル」−「ベル」の図柄組合せが設定されている。
【0110】
図16は、本実施例の取りこぼし目確認処理を示すフローチャートである。取りこぼし目確認処理を開始すると、主制御基板200に搭載されているCPU201は先ず初めに「取りこぼし目」が停止表示されたか否かを判断する(S280)。その結果、取りこぼし目が停止表示されたと判断すると(S280:yes)、今度は、第1RT遊技フラグはONに設定されているか否か(現在は第1RT遊技中か否か)の判断を行う(S282)。そして、第1RT遊技中である場合は(S282:yes)、第1RT遊技を終了するべく、第1RT遊技フラグをOFFに設定した後(S284)、サブ制御基板220に向けて第1RT遊技終了コマンドを送信する(S286)。
【0111】
すなわち、本実施例の遊技機1は、図7にも示すように、第1RT遊技中に小役を取りこぼしてしまい「取りこぼし目」が停止表示されると、第1RT遊技を終了する。前述のとおり、遊技者にとって、第1RT遊技は遊技メダルの使用量(消費量)を抑えながら遊技を進行させることのできる有利な遊技状態であり、遊技者は、取りこぼし目が停止表示されて(小役を取りこぼして)第1RT遊技が終了しないように遊技を進行させようとする。S280の判断処理で取りこぼし目が停止表示されていないと判断した場合(S280:no)、およびS282の判断処理で第1RT遊技中ではないと判断した場合は(S282:no)、遊技状態を変更することなく、取りこぼし目確認処理を終了する。
【0112】
こうして、何れの遊技役も入賞成立していない場合は(図8のS118:no)、取りこぼし目確認処理を行うと(S154)、その遊技は終了となり、図8の遊技制御処理の先頭に戻って、遊技状態設定処理を行う(S100)。尚、本実施例の遊技機1では、前述した内部抽選処理(S110)でBB役、RB役あるいは何れかのJAC役(第1JAC役または第2JAC役)に当選した場合において、入賞ライン上に対応する図柄組合せが停止表示されず、BB役、RB役あるいは何れかのJAC役の入賞が成立しなかったときに限り、その遊技役の内部当選が持ち越され、次回の遊技以降も、その遊技役に対応する内部当選フラグがセットされている状態で遊技が行われる。これに対して、小役や再遊技役に内部当選した場合は、当選した遊技役に対応する図柄組合せを入賞ライン上に停止表示させることができなければ、その内部当選は次遊技以降に持ち越されることなくリセットされてしまう。
【0113】
C−2.遊技状態設定処理 :
図17〜図19は、本実施例の遊技機1が遊技制御処理の中で行う遊技状態設定処理(図8のS100)を示すフローチャートである。遊技状態設定処理は、現在の遊技状態(遊技状態フラグの状態)に対応する処理(各遊技状態用の処理)が行われるようになっており、図17には第1RT遊技用の処理や、第2RT遊技用の処理、通常遊技用の処理が示され、図18にはBB遊技用の処理が示され、図19にはRB遊技用の処理が示されている。
【0114】
遊技状態設定処理を開始すると、先ず始めに主制御基板200のCPU201は、図12に示した遊技状態フラグを参照して、BB遊技フラグがONに設定されているか否かを判断する(図17のS300)。前述したように、BB遊技フラグは、遊技状態をBB遊技とすることを示す遊技状態フラグである。その結果、BB遊技フラグがONに設定されていると判断された場合は(S300:yes)、以下に説明するBB遊技用の処理(図18)を開始する。
【0115】
BB遊技用の処理では、先ず始めに、BB遊技中の開始後に払い出した遊技メダルの枚数が所定枚数(ここでは、400枚)に達したか否かを判断する(図18のS400)。図7にも示したように、本実施例では、BB遊技の終了条件として、BB遊技の開始後に払い出した遊技メダルの枚数が設定されており、払い出した遊技メダルの枚数が所定枚数に達するとBB遊技が終了するように設定されている。図8および図9を用いて前述した遊技制御処理では、払い出した遊技メダルの枚数を計数しており(図9のS150)、従って、BB遊技開始後に払い出した遊技メダルの枚数が所定枚数に達すると、そのことを直ちに検出することができる。
【0116】
BB遊技を開始した直後は、当然ながら、BB遊技の終了条件は満たされていないから(S400:no)、続いて、第1JAC遊技フラグがONに設定されているか否かを判断する(S402)。図8および図9を用いて前述したように、第1JAC遊技フラグは、BB遊技中に第1JAC役(図6参照)が入賞成立するとONに設定されるフラグである(図9のS126,S128)。BB遊技を開始した直後は、第1JAC役を含めて未だ何れの遊技役も入賞成立していないから、当然、第1JAC遊技フラグはONには設定されていないので、S402では「no」と判断され、次に、第2JAC遊技フラグがONに設定されているか否かを判断する(S404)。BB遊技を開始した直後は、第2JAC遊技フラグもONに設定されていない。そこで、S404でも「no」と判断されて、BB一般遊技用抽選テーブルを選択する(S406)。このようにして、BB遊技が開始されると、先ず初めは、BB一般遊技用抽選テーブルが選択されることになる。こうして、BB一般遊技用抽選テーブルが選択されることにより、遊技状態がBB一般遊技に設定されて今回の遊技(遊技制御処理(図8および図9)の遊技状態設定処理より後の処理)が行われることになる。
【0117】
図20は、BB一般遊技用抽選テーブルを概念的に示した説明図である。図20(a)には、各遊技役に対して割り当てられた乱数の範囲が示されており、図20(b)には、各遊技役に割り当てられた乱数範囲の大まかな比率が示されている。図20に示したBB一般遊技用抽選テーブルは、図10を用いて前述した通常遊技用抽選テーブルに対して、BB一般遊技用抽選テーブルには、BB役およびRB役が設定されておらず、第1JAC役および第2JAC役が設定されている点が異なっている。すなわち、BB一般遊技では第1JAC役および第2JAC役を内部当選させて入賞成立させることが可能となっている。
【0118】
また、通常遊技用抽選テーブルでは、赤ベル、白ベル、バーベルの小役には異なる乱数範囲が設定されていたのに対して、BB一般遊技用抽選テーブルでは、赤ベル、白ベル、バーベルの小役に同じ乱数範囲(通常遊技用抽選テーブルの赤ベル、白ベル、バーベルの小役が設定されている乱数範囲を合わせた乱数範囲)が重複して設定されている。これにより、内部抽選処理でこの乱数範囲にある乱数値が取得されると図11に示す小役等内部当選フラグのうち赤ベル、白ベル、バーベルの小役の内部当選フラグがONにされる(赤ベル、白ベル、バーベルの小役に重複して当選する)。すなわち、内部抽選処理で上述の乱数範囲にある乱数値が取得された場合に、通常遊技中であれば、赤ベル、白ベル、バーベルの小役のうち何れかにしか内部当選して入賞させることができないのに対して、BB一般遊技中であれば赤ベル、白ベル、バーベルの小役の全てに内部当選して何れの小役でも入賞させることができる。従って、遊技者にとっては、通常遊技中は赤ベル、白ベル、バーベルの小役のうち何れかの小役に狙いを絞って回胴を停止表示させる必要があるのに対して、BB一般遊技中は該狙いを絞ることなく赤ベル、白ベル、バーベルの小役を容易に停止表示させて入賞成立させることができるので、遊技メダルを獲得しやすくなる。
【0119】
このように、同じ遊技役(赤ベル、白ベル、バーベルの小役)の入賞成立を狙うのにも拘らず、遊技状態によって狙い方を変えることになるので(通常遊技であれば所定の遊技役に狙いを絞って、BB一般遊技であれば狙いを絞ることなく)、遊技性の多様化に貢献することができ、遊技者の遊技興趣を盛り上げることが可能になる。
【0120】
このようなBB一般遊技用抽選テーブルを用いて遊技を続けているうちに、やがて第1JAC役の入賞が成立すると、前述した遊技制御処理で第1JAC遊技フラグがONに設定される(図9のS128)。また、BB遊技中に第1JAC役が入賞成立しても、BB遊技の終了条件が満たされない限りBB遊技フラグはONのままであるから、遊技状態設定処理では、第1JAC遊技フラグがONと判断される(図18のS402:yes)。
【0121】
第1JAC遊技フラグがONであると判断した場合は(S402:yes)、続いて、第1JAC遊技の終了条件を満足したか否かを判断する(S408)。第1JAC遊技の終了条件は、図7にも示すように、遊技役に所定回数(ここでは8回)の入賞が成立するか、若しくは、予め定められた回数(ここでは12回)の遊技が行われるかの、何れか一方が成立する旨が設定されている。第1JAC遊技フラグがONに設定されて、第1JAC遊技が開始された直後は、当然ながら終了条件は満足されていないから、第1JAC遊技用抽選テーブルを選択する(S410)。
【0122】
図21は、第1JAC遊技用抽選テーブルを概念的に示した説明図である。図21(a)には、各遊技役に対して割り当てられた乱数の範囲が示されており、図21(b)には、各遊技役に割り当てられた乱数範囲の大まかな比率が示されている。図21に示した第1JAC遊技用抽選テーブルは、広い乱数範囲に(全乱数範囲の7割以上に、BB一般遊技用抽選テーブルよりも広い乱数範囲に)赤ベル、白ベル、バーベルの小役が重複して設定されており、その他の乱数範囲にはハズレが設定されている。すなわち、第1JAC遊技中は、赤ベル、白ベル、バーベルの小役にBB一般遊技中より高い確率で重複して当選するので、遊技者にとっては赤ベル、白ベル、バーベルの小役のうち何れかの遊技役に狙いを絞る必要なく、高い確率で該小役を入賞させて多くの遊技メダルを獲得することが可能となる。
【0123】
こうして、第1JAC遊技で遊技を継続するうちに、やがて第1JAC遊技の終了条件を満たしたと判断されるので(S408:yes)、第1JAC遊技を終了するべく第1JAC遊技フラグをOFFにして(S412)、サブ制御基板220のCPU221に第1JAC遊技が終了したことを把握させるべく第1JAC終了コマンドを送信した後(S414)、前述したBB一般遊技用抽選テーブルを選択する(S406)。このように、第1JAC遊技が終了すると、BB遊技の終了条件が満たされない限りは、BB一般遊技に戻ることになる。
【0124】
以上では、BB一般遊技中に第1JAC役の入賞が成立した場合について説明した。これに対して、第2JAC役に入賞成立した場合には、前述した遊技制御処理で第2JAC遊技フラグがONに設定され(図13のS202)、その結果、遊技状態設定処理では、第2JAC遊技フラグがONである(第2JAC遊技中である)と判断される(図18のS404:yes)。第2JAC遊技中であると判断されたら、今度は、第2JAC遊技カウンタの値が「0」か否かの判断を行って(S416)、その結果、第2JAC遊技カウンタの値が「0」ではない場合は(S416:no)、第2JAC遊技カウンタの値を「1」減算する(S418)。前述のとおり、本実施例の第2JAC遊技は、途中で小役が入賞成立しない限りは5回の遊技で終了するように設定されており、第2JAC遊技が開始されるときに第2JAC遊技カウンタの値は「5」に設定される(図13のS206)。そして、上述のとおり、第2JAC遊技中に遊技が行われるたびに該遊技が行われたことを記録するべく第2JAC遊技カウンタの値から「1」が減算されるので(S418)、第2JAC遊技が開始してから5回の遊技が終了していなければ第2JAC遊技カウンタには「0」ではない値が設定されている。
【0125】
こうして、第2JAC遊技カウンタの値が「0」ではないと判断して(S416:no)、第2JAC遊技カウンタの値から「1」を減算した後(S418)、遊技状態を第2JAC遊技に設定するべく(第2JAC遊技での遊技を行わせるべく)、第2JAC遊技用抽選テーブルを選択する(S420)。
【0126】
図22は、第2JAC遊技用抽選テーブルを概念的に示した説明図である。図22(a)には、各遊技役に対して割り当てられた乱数の範囲が示されており、図22(b)には、各遊技役に割り当てられた乱数範囲の大まかな比率が示されている。図22に示した第2JAC遊技用抽選テーブルは、第1JAC遊技用抽選テーブルより狭い乱数範囲(全乱数範囲の1割以下の乱数範囲)に赤ベル、白ベル、バーベルの小役が重複して設定されている。すなわち、第2JAC遊技では、第1JAC遊技と同様に、赤ベル、白ベル、バーベルの小役のうち何れかの遊技役に狙いを定めて遊技を行う必要はないが、赤ベル、白ベル、バーベルの小役が内部当選する確率が第1JAC遊技より低く、その結果、第1JAC遊技に比して少量しか遊技メダルを獲得することができない。その反面、小役の内部当選する確率を低くすることにより第2JAC遊技の終了条件である「小役の入賞成立」が成立することを抑制している。従って、第2JAC遊技が開始してからすぐに終了してしまうことを抑制することができるので、遊技者の遊技興趣を盛り上げることが可能となる。尚、主制御基板200に搭載されているCPU201が第2JAC遊技用抽選テーブルを用いた処理を行うことによって、「特殊期間」である第2JAC遊技中に遊技媒体の払い出しが行われることを抑制している。従って、主制御基板200に搭載されているCPU201は、本発明における「ボーナス終了抑制手段」に対応している。
【0127】
また、第2JAC遊技用抽選テーブルには、第1JAC遊技用抽選テーブルには設定されていない再遊技B役が、全乱数範囲の4割以上の乱数範囲に設定されている。すなわち、第2JAC遊技中は再遊技役Bを内部当選させて入賞させることが可能となる。前述のとおり、第2JAC遊技中に再遊技B役の入賞が成立するたびに、その旨がサブ制御基板220のCPU221に伝達されており、サブ制御基板220のCPU221は、第2JAC遊技中における再遊技B役の入賞回数に応じて、BB遊技終了後に開始するAT遊技の期間(AT遊技を行う遊技の回数)を決定する。従って、遊技者は、より長い期間のAT遊技を行うことができるように、第2JAC遊技中は再遊技B役の入賞成立を狙いながら(期待しながら)、且つ小役が入賞してしまって第2JAC遊技が終了してしまわないように遊技を進行させることになる。
【0128】
こうして、第2JAC遊技が開始してから5回の遊技を行って、第2JAC遊技カウンタの値が「0」になると(S416:yes)、第2JAC遊技を終了するべく第2JAC遊技フラグをOFFにして(S430)、サブ制御基板220のCPU221に第2JAC遊技が終了したことを把握させるべく第2JAC遊技終了コマンドを送信した後(S432)、前述したBB一般遊技用抽選テーブルを選択する(S406)。このように、第2JAC遊技が終了すると、BB遊技の終了条件が満たされていない限りは、BB一般遊技に戻ることになる。尚、主制御基板200に搭載されているCPU201が上述の処理を行うことによって、「特殊期間」である第2JAC遊技を終了させている。従って、主制御基板200に搭載されているCPU201は、本発明における「特殊期間終了手段」に対応している。
【0129】
このようにして、BB一般遊技や、第1JAC遊技、第2JAC遊技を繰り返し行っているうちに、やがて払い出した遊技メダルの枚数が400枚に達するので、遊技状態設定処理では、BB遊技の終了条件を満たしたと判断されて(図18のS400:yes)、BB遊技を終了するべくBB遊技フラグをOFFに設定する(S)。
【0130】
ここで、第1JAC遊技は、前述のとおり8回の入賞成立、または12回の遊技実行を終了条件とする遊技状態である。しかしながら、第1JAC遊技中に小役の入賞が成立することにより、この終了条件が成立する前に(8回の入賞成立、または12回の遊技が行われる前に)、BB遊技中の遊技メダルの払い出し枚数が400枚に達する(BB遊技の終了条件が成立する)場合がある。この場合は、第1JAC遊技はBB遊技中の遊技状態であるので、たとえ第1JAC遊技の途中であっても第1JAC遊技を強制的に終了するための処理を行う。すなわち、S422の処理では、BB遊技フラグと共に第1JAC遊技フラグもOFFに設定する。
【0131】
これに対して、第2JAC遊技は、前述のとおり「5回の遊技実行」の他に「1回の小役の入賞成立」も終了条件とする遊技状態である。すなわち、第2JAC遊技は、BB遊技の終了条件である「遊技メダルの払出枚数の所定枚数への到達」の成立に加担する「小役の入賞成立」が1回でもあると終了する遊技状態である。換言すると、第2JAC遊技中は、第2JAC遊技の終了条件である「小役の入賞成立」がない限りはBB遊技の終了条件が成立することはない。従って、第2JAC遊技中にBB遊技の終了条件が成立してしまって、第2JAC遊技が途中で強制的に終了してしまうことがない。遊技者にとって、第2JAC遊技は前述のとおりAT遊技の遊技回数を増加させるために再遊技B役の入賞成立を狙う遊技状態であることから、途中で終了して欲しくない遊技状態である。この点に鑑みると、本実施例の第2JAC遊技は、途中でBB遊技が終了して強制的に終了することがなく、第2JAC遊技の終了条件が成立するまで継続させることができるので、遊技者に第2JAC遊技での遊技を楽しませることができ、遊技者の遊技興趣を盛り上げることが可能となる。
【0132】
ここで、上述の第2JAC遊技の終了条件が、遊技メダルの払い出しとは無関係な条件に設定されていたとすると、遊技者は、その条件が成立するまでは第2JAC遊技が継続されると思って遊技を継続する。従って、そのような状態で遊技メダルが払い出されて所定枚数に到達したために、BB遊技が終了して第2JAC遊技が終了すると、遊技者は、第2JAC遊技で遊技を行うチャンスが十分に与えられないまま、第2JAC遊技が中断してしまったと感じて、遊技興趣を冷ましてしまうことが起こり得る。これに対して、第2JAC遊技の終了条件を遊技媒体の払い出し(小役の入賞成立)に設定しておくと、遊技者は、遊技メダルが払い出されたたために第2JAC遊技が終了したのであって、第2JAC遊技が中断されたものとは考えない。そして、遊技メダルの払い出しによってBB遊技が終了した場合でも、BB遊技の終了によって第2JAC遊技が中断されたのではなく、たまたま第2JAC遊技の終了タイミングと、BB遊技の終了タイミングとが重なっただけと考える。このため、第2JAC遊技を最後まで遊技したと遊技者に感じさせることができるので、遊技者の遊技興趣を盛り上げることが可能となる。
【0133】
尚、S400の処理で、BB遊技中の払出枚数が400枚以上に達したと判断されるのは、直前の遊技で小役の入賞が成立した場合である(図9のS140:no)。そして、この小役が入賞成立した直前の遊技が第2JAC遊技中であった場合は、この小役が入賞することにより第2JAC遊技が既にOFFに設定されているので(図15のS252)、S422の処理では第2JAC遊技フラグをOFFに操作する必要はない。
【0134】
BB遊技を終了するべくBB遊技フラグおよび第1JAC遊技フラグをOFFに設定したら(S422)、サブ制御基板220に搭載されているCPU221にBB遊技が終了したことを把握させるべく、サブ制御基板220に向けてBB遊技終了コマンドを送信する(S424)。
【0135】
続いて、第1RT遊技を開始するべく、第1RT遊技フラグをONに設定して(S426)、遊技状態を第1RT遊技に設定するべく(第1RT遊技での遊技を行わせるべく)、第1RT遊技用抽選テーブルを選択する(S428)。すなわち、本実施例の遊技機1は、図7にも示したように、BB遊技を終了したら第1RT遊技を開始するようになっている。
【0136】
図23は、第1RT遊技用抽選テーブルを概念的に示した説明図である。図23(a)には、各遊技役に対して割り当てられた乱数の範囲が示されており、図23(b)には、各遊技役に割り当てられた乱数範囲の大まかな比率が示されている。図23に示した第1RT遊技用抽選テーブルには、図10に示した通常遊技用抽選テーブルと同じ広さの乱数範囲にスイカの小役、赤ベルの小役、白ベルの小役、バーベルの小役、BB役、RB役が設定されている。図23に示すように、赤ベル、白ベル、バーベルの小役には、通常遊技用テーブルと同様に、別々の乱数範囲が設定されているので(重複して設定されていないので)、第1RT遊技では、赤ベル、白ベル、バーベルの小役の入賞を成立させる場合は、これらの小役のうち何れかに狙いを絞って回胴を停止表示させる必要がある。
【0137】
また、再遊技A役には、全乱数範囲の4割以上の乱数範囲が設定されている。すなわち、第1RT遊技では、高い確率で再遊技A役を入賞成立させることができる。このため、あまり遊技メダルを投入することなく、遊技役の入賞成立を狙って遊技を継続することが可能となる。従って、RT遊技は、遊技者にとっては有利な遊技状態と言うことができる。
【0138】
また、第1RT遊技用抽選テーブルには、通常遊技用抽選テーブルには設定されていない再遊技B役が設定されている。すなわち、第1RT遊技では、通常遊技中には入賞成立させることのできない再遊技B役を入賞成立させることが可能である。前述したように(図14のS224、S226)、本実施例の遊技機1は、第1RT遊技中に再遊技B役の入賞が成立すると第2RT遊技を開始するように設定されている。
【0139】
以上のように、図17〜図19に示した遊技状態設定処理の開始時に、BB遊技フラグがONに設定されているがBB遊技の終了条件は成立していないと判断された場合は(図18のS400:no)、BB一般遊技用抽選テーブル、第1JAC遊技用抽選テーブル、あるいは第2JAC遊技用抽選テーブルの何れかを選択し(S406、S414,S420)、BB遊技の終了条件が成立していた場合は(S400:yes)、第1RT遊技用抽選テーブルを選択した後(S428)、遊技状態設定処理を終了して、図8および図9の遊技制御処理に復帰する。そして、遊技制御処理では、選択した抽選テーブルを参照して内部抽選処理(図8のS110)および以降の処理が行われた後、再び遊技状態設定処理が行われることになる。
【0140】
以上では、遊技状態設定処理で、BB遊技フラグがONに設定されていると判断された場合(図17のS300:yes)について説明した。これに対して、BB遊技フラグがONに設定されていなかった場合には(S300:no)、今度はRB遊技フラグがONに設定されているか否かの(現在がRB遊技中か否かの)判断を行う(S302)。その結果、RB遊技中であると判断されたら(S302:yes)、図19に示す現在がRB遊技であるときの遊技状態設定処理を行う。この処理では、先ずRB遊技カウンタの値が「0」か否かの判断を行って(図19のS500)、その結果、RB遊技カウンタの値が「0」ではない場合は(S500:no)、RB遊技カウンタの値を「1」減算する(S502)。前述のとおり、本実施例のRB遊技は、第2JAC遊技と同様に、途中で小役が入賞成立しない限りは5回の遊技で終了するように設定されており、RB遊技が開始されるときにRB遊技カウンタの値は「5」に設定される(図13のS212)。そして、上述のとおり、RB遊技中に遊技が行われるたびに該遊技が行われたことを記録するべくRB遊技カウンタの値から「1」が減算されるので(S502)、RB遊技が開始してから5回の遊技が終了していなければRB遊技カウンタには「0」ではない値が設定されている。
【0141】
こうして、RB遊技カウンタの値が「0」でなければ(S500:no)、RB遊技カウンタの値から「1」を減算した後(S502)、遊技状態をRB遊技に設定するべく(RB遊技での遊技を行わせるべく)、RB遊技用抽選テーブルを選択する(S504)。RB遊技用抽選テーブルは、図22を示して前述した第2JAC遊技用抽選テーブルと同じ内容の抽選テーブルである。もちろん、RB遊技用抽選テーブルを、第2JAC遊技用抽選テーブルとは別に用意する必要はなく(主制御基板200のROM202の別領域に記憶させておく必要はなく)、第2JAC遊技用抽選テーブルをそのままRB遊技用抽選テーブルとして選択するようにしても良い。
【0142】
RB遊技は、第2JAC遊技中と同じ内容の抽選テーブルを選択するので、第2JAC遊技と同様に再遊技B役に高い確率で内部当選して入賞し易い状態となる。前述したように、RB遊技中に再遊技役Bの入賞が成立すると、RB遊技終了後に第1RT遊技が開始される。また、RB遊技中に再遊技B役の入賞が成立するたびに、その旨がサブ制御基板220のCPU221に伝達される。サブ制御基板220のCPU221は、RB遊技中における再遊技B役の入賞回数に応じて、RB遊技終了後にAT遊技を開始する。従って、遊技者は、RB遊技中は再遊技B役の入賞成立を狙いながら(期待しながら)、且つ小役が入賞してしまってRB遊技が終了してしまわないように遊技を進行させることになる。
【0143】
以上はRB遊技カウンタの値が「0」ではない場合について説明した(S500:no)。これに対して、RB遊技が開始してから5回の遊技を行って、RB遊技カウンタの値が「0」になると(S500:yes)、RB遊技を終了するべくRB遊技フラグをOFFに設定する(S506)。
【0144】
RB遊技フラグをOFFに設定すると、今度は第1RT予定フラグがONに設定されているか否かの判断を行う(S508)。前述したように、第1RT予定フラグはRB遊技中に再遊技B役の入賞が成立するとONに設定されるフラグである。主制御基板200に搭載されているCPU201は、第1RT予定フラグの状態を確認することにより「RB遊技中における再遊技B役の入賞成立」があったか否かを把握する。その結果、「RB遊技中における再遊技B役の入賞成立」があったのであれば(S508:yes)、確認の終わった第1RT予定フラグをOFFに設定した後(S510)、第1RT遊技を開始するべく第1RT遊技フラグをONに設定する(S512)。続いて、サブ制御基板220のCPU221にRB遊技が終了することを把握させるべくサブ制御基板220に向けてRB遊技終了コマンドを送信して(S514)、遊技状態を第1RT遊技に設定するべく前述の第1RT遊技用抽選テーブルを選択する(S516)。
【0145】
以上は、RB遊技終了時に「RB遊技中における再遊技B役の入賞成立」があったと判断した場合について説明した。これに対して、RB終了時に「RB遊技中における再遊技B役の入賞成立」がなかったと判断した場合は(S508:no)、RB遊技を終了して通常遊技に移行することをサブ制御基板220に搭載されているCPU221に把握させるべく、サブ制御基板220に向けてRB遊技終了コマンドを送信する(S518)。続いて、遊技状態を通常遊技に設定するべく前述の通常遊技用抽選テーブルを選択する(S520)。
【0146】
以上のように、図17〜図19に示した遊技状態設定処理の開始時に、RB遊技フラグがONに設定されているがRB遊技カウンタの値が「0」ではないと(RB遊技の終了条件が成立していないと)判断した場合は(図19のS500:no)、RB遊技用抽選テーブルを選択し(S504)、RB遊技カウンタの値が「0」であると(RB遊技の終了条件が成立していると)判断した場合は(S500:yes)、RB遊技中に再遊技B役の入賞が成立していれば(S508:yes)第1RT遊技用抽選テーブルを選択し(S516)、RB遊技中に再遊技B役の入賞が成立していなければ(S508:no)通常遊技用抽選テーブルを選択した後(S520)、遊技状態設定処理を終了して、図8および図9の遊技制御処理に復帰する。そして、遊技制御処理では、選択した抽選テーブルを参照して内部抽選処理(図8のS110)および以降の処理が行われた後、再び遊技状態設定処理が行われることになる。
【0147】
以上では、遊技状態設定処理で、RB遊技フラグがONに設定されていると判断した場合(図17のS302:yes)について説明した。これに対して、RB遊技フラグがOFFに設定されていると判断した場合は(S302:no)、以下のような処理を行う。
【0148】
先ず、第1RT遊技フラグがONに設定されているか(現在が第1RT遊技中か)否かを判断する(S304)。前述したように第1RT遊技フラグは、BB遊技の終了時には無条件にONに設定され(図16のS426)、RB遊技の終了時には該RB遊技中に再遊技B役の入賞が成立していればONに設定されるフラグである(図17のS512)。第1RT遊技フラグがONであると判断すると(S304:yes)、遊技状態を第1RT遊技に設定するべく第1RT遊技用抽選テーブルを選択する(S306)。
【0149】
一方、第1RT遊技フラグがONではないと判断すると(S304:no)、今度は、第2RT遊技フラグがONに設定されているか(現在が第2RT遊技中か)否かを判断する(S308)。その結果、第2RT遊技中であると判断すると(S308:yes)、今度は、第2RT遊技カウンタの値が「0」か否かの判断を行って(S310)、その結果、第2RT遊技カウンタの値が「0」ではない場合は(S310:no)、第2RT遊技カウンタの値を「1」減算する(S312)。前述したように、本実施例の第2RT遊技は、5回の遊技で終了するように設定されており、第2RT遊技が開始されるときに第2RT遊技カウンタの値は「5」に設定される(図14のS230)。そして、上述のとおり、第2RT遊技中に遊技が行われるたびに該遊技が行われたことを記録するべく第2RT遊技カウンタの値から「1」が減算されるので(S312)、第2RT遊技が開始してから5回の遊技が終了していなければ第2RT遊技カウンタには「0」ではない値が設定されている。
【0150】
こうして、第2RT遊技カウンタの値が「0」ではないと判断して(S310:no)、第2RT遊技カウンタの値から「1」を減算した後(S312)、遊技状態を第2RT遊技に設定するべく(第2RT遊技での遊技を行わせるべく)、第2RT遊技用抽選テーブルを選択する。(S314)
【0151】
図24は、第2RT遊技用抽選テーブルを概念的に示した説明図である。図24(a)には、各遊技役に対して割り当てられた乱数の範囲が示されており、図24(b)には、各遊技役に割り当てられた乱数範囲の大まかな比率が示されている。図24に示した第2RT遊技用抽選テーブルは、第1RT遊技用抽選テーブルに対して、再遊技役Aに設定されている乱数範囲が狭くなり、再遊技役Bに設定されている乱数範囲がかなり広くなっている(全乱数範囲の4割以上の乱数範囲)。すなわち、第2RT遊技中は再遊技役Bに内部当選して入賞することが可能となる。前述のとおり、第2RT遊技中に再遊技B役の入賞が成立するたびに、その旨がサブ制御基板220のCPU221に伝達される。このとき第2RT遊技と並行してサブ制御基板220のCPU221がAT遊技を実行していると、サブ制御基板220のCPU221は、再遊技B役が入賞成立するたびにAT遊技の期間を延長する(AT遊技を行う遊技の回数を加算する)。遊技者は、より長い期間のAT遊技を行うことができるように、第2RT遊技中は再遊技B役の入賞成立を狙いながら(期待しながら)遊技を進行させることになる。
【0152】
こうして、第2RT遊技が開始してから5回の遊技を行って、第2RT遊技カウンタの値が「0」になると(S310:yes)、第2RT遊技を終了するべく第2RT遊技フラグをOFFにするとともに、第1RT遊技を再び開始するべく第1RT遊技フラグをONにする(S316)。すなわち、第2RT遊技を開始してから5回の遊技が経過したら、再び第1RT遊技を開始する。続いて、サブ制御基板220のCPU221に再び第1RT遊技を開始することを把握させるべく第1RT遊技開始コマンドを送信した後(S318)、前述した第1RT遊技用抽選テーブルを選択する(S320)。
【0153】
このようにして、第1RT遊技、第2RT遊技を繰り返し行っているうちに、前述のように第1RT遊技中に「取りこぼし目」が停止表示されると、第2RT遊技フラグがOFFの状態で第1RT遊技フラグもOFFに設定されるので(図16のS280:yes、S284)、S304およびS308の判断処理で否定判断が行われて前述の通常遊技用抽選テーブルが選択される(S322)。すなわち、図7にも示すように第1RT遊技中に赤ベル、白ベル、バーベルの小役を取りこぼして「取りこぼし目」が停止表示されると第1RT遊技を終了して、通常遊技が開始される。
【0154】
以上のように、図17〜図19に示した遊技状態設定処理の開始時に、BB遊技フラグおよびRB遊技フラグがOFFに設定されていると判断した場合は(図17のS300:no、S302:no)、第1RT遊技フラグがONに設定されていれば(S304:yes)第1RT遊技用抽選テーブルを選択する(S306)。第1RT遊技フラグもOFFに設定されていると判断した場合は(S304:no)、第2RT遊技フラグがONに設定されていれば(S308:yes)、第2RT遊技カウンタの値に応じて第2RT遊技用抽選テーブル、第1RT遊技用抽選テーブルを選択する。すなわち、第2RT遊技カウンタの値が「0」でなければ(S310:no)、第2RT遊技用抽選テーブルを選択し(S314)、第2RT遊技カウンタの値が「0」であれば(S310:yes)、第1RT遊技用抽選テーブルを選択する(S320)。第2RT遊技フラグもOFFに設定されていると判断した場合は(S308:no)、通常遊技用抽選テーブルを選択する(S322)。こうして、各抽選テーブル選択した後、遊技状態設定処理を終了して、図8および図9の遊技制御処理に復帰する。そして、遊技制御処理では、選択した抽選テーブルを参照して内部抽選処理(図8のS110)および以降の処理が行われた後、再び遊技状態設定処理が行われることになる。
【0155】
以上に説明したように、遊技制御処理が開始されて最初に行われる遊技状態設定処理(S100)では、遊技状態フラグの設定に応じて適切な抽選テーブルを選択する処理が行われる。
【0156】
また、図8を用いて前述したように、遊技制御処理では、内部抽選処理(S110)を行って、回胴20a,20b,20cを回転させた後は(S114)、遊技者による回胴停止ボタン38a,38b,38cのボタン操作に従って、回胴20a,20b,20cを停止させる処理(回胴回転停止処理)を行う(S116)。この回胴回転停止処理では、先に行われた内部抽選処理(S110)で何れかの遊技役に内部当選し、尚且つ、遊技者が回胴停止ボタン38a,38b,38cを適切なタイミングで操作した場合にだけ、内部当選した遊技役に対応する図柄組合せが有効な入賞ライン上に揃うように、回胴20a,20b,20cを停止させる処理である。このような回胴回転停止処理は次のようにして行われている。
【0157】
C−3.回胴回転停止処理 :
図25は、本実施例の遊技機1で行われる回胴回転停止処理の流れを示すフローチャートである。前述したように、回胴回転停止処理は、主制御基板200によって、図8および図9に示した遊技制御処理の中で実行される(図8のS116)。
【0158】
回胴回転停止処理を開始すると、先ず始めに、この処理に先立って行われた内部抽選(図8のS110)の結果に応じて第1停止テーブルを抽出する処理を行う(S600)。ここで、停止テーブルとは、回胴20a,20b,20cを停止する際に参照する専用のテーブルである。詳しくは後述するが、遊技者が回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作したときに、回胴の外周面に描かれた図柄のうち(図3参照)、何れの図柄を表示窓20に表示して回胴20a,20b,20cを停止するかは、停止テーブルに予め設定されている。前述したように、内部抽選によってある遊技役に当選している場合は、適切なタイミングで回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作すると、その遊技役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃うように、各回胴20a,20b,20cを停止する必要がある。逆に、内部当選していない遊技役については、どのようなタイミングで回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作したとしても、対応する図柄組合せが有効な入賞ライン上に揃わないように、各回胴20a,20b,20cを停止する必要がある。そのため、何れの遊技役に内部当選しているかに応じて、異なる停止テーブルが設けられている。
【0159】
また、このような停止テーブルには、回胴20a,20b,20cの全てが回転しているときに参照する第1停止テーブルと、既に何れかが停止しているときに参照する第2停止テーブルとが設定されている。そこで、回胴回転停止処理を開始した直後のS600では、内部抽選の結果に応じて、先ず始めに第1停止テーブルを抽出する。例えば、「ベルの小役」に内部当選したと判断された場合は、「ベルの小役」当選時用に設定された第1停止テーブルを抽出する。もちろん、何れの遊技役にも当選していない場合には、ハズレ用に設定された第1停止テーブルを抽出する。
【0160】
こうして第1停止テーブルを抽出すると、回胴20a,20b,20cの回転速度が所定値に達したか否かを判断する(S602)。回胴20a,20b,20cが回転を開始した直後は、回転速度が上昇中で、未だ所定の回転速度に達していないと判断されるので(S602:no)、回転速度が所定値に達するまで、判断を繰り返しながら待機状態となる。そして、回転速度が所定速度に達していると判断したら(S602:yes)、回胴停止ボタン38a,38b,38cの操作を有効化する(S604)。
【0161】
続いて、有効となった回胴停止ボタン38a,38b,38cの何れかが操作されたか否かを判断する(S606)。前述したように、遊技者が回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作すると、その操作信号が主制御基板200に供給されるので、主制御基板200はこの操作信号に基づいて、回胴停止ボタン38a,38b,38cが操作されたか否かを判断することができる。そして、何れの回胴停止ボタンも操作されていない場合は(S606:no)、操作されるまで待機する。
【0162】
一方、何れかの回胴停止ボタンが操作された場合は(S606:yes)、操作された回胴停止ボタンを無効化するとともに(S608)、回胴停止ボタンが操作された時に、そのボタンに対応する回胴が何れの回転位置にあったかを検出する(S610)。前述したように、回胴20a,20b,20cのそれぞれに対応して回胴センサ26a,26b,26cが設けられており(図4参照)、回胴20a,20b,20cの回転位置を検出可能である。また、本実施例の遊技機1では、回胴停止ボタンの操作時に、対応する回胴に描かれた複数の図柄(図3参照)の中の何番目の図柄が所定の「基準位置」に表示されていたかに基づいて、その回胴の回転位置を検出するようになっている。ここで、基準位置は、各回胴の回転位置を相対的に検出するために予め定められた特別な位置であり、本実施例の遊技機1では、何れの回胴も表示窓20の中段の位置が基準位置に設定されている。
【0163】
このようにして、回胴停止ボタンが操作された回胴の回転位置を検出したら、その回胴を適切な位置で停止させるための処理(回胴停止制御処理)を開始する(S612)。この回胴停止制御処理の詳細な内容については後述する。
【0164】
回胴停止制御処理を行って、回胴停止ボタンが操作された回胴を停止させると、3つの回胴20a,20b,20cの全てを停止させたか否かを判断する(S614)。そして、未だ回胴停止ボタンが操作されずに回転中の回胴がある場合は(S614:no)、S606の処理に戻って、有効な回胴停止ボタンが操作されるまで待機し、操作されたら続く上述した一連の処理を実行する。こうした処理を繰り返すうちに、全ての回胴を停止させたと判断されたら(S614:yes)、図25の回胴回転停止処理を終了して、図8および図9に示した遊技制御処理に復帰する。
【0165】
ここで、上述した回胴回転停止処理(図25)の中で回胴停止ボタンが操作された場合に、対応する回胴を適切な位置で停止させるために行われる回胴停止制御処理(S612)の内容について説明する。
【0166】
図26は、回胴回転停止処理の中で実行される回胴停止制御処理の流れを示したフローチャートである。回胴停止制御処理を開始すると、先ず始めに、停止させる回胴が第1回胴であるか否かを判断する(S700)。ここで、第1回胴とは、3つの回胴20a,20b,20cの中で最初に停止する回胴をいう。すなわち、3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cは、どのような順序で操作してもよいことから、3つの回胴20a,20b,20cの停止する順序は種々の順序を取り得る。そこで、3つの回胴20a,20b,20cの中で最初に停止する回胴を「第1回胴」と呼び、2番目に停止する回胴を「第2回胴」、3番目に停止する回胴を「第3回胴」と呼んで区別する。そして、第1回胴を停止させると判断された場合は(S700:yes)、回胴回転停止処理の開始直後(図25のS600)に抽出しておいた第1停止テーブルを参照しながら、先に検出した回胴停止ボタン操作時の第1回胴の回転位置(図25のS610)に基づいて、第1回胴の停止位置を決定する(S702)。本実施例の遊技機1では、回胴の停止位置として、基準位置に停止表示させる図柄(停止図柄)を決定するようになっている。
【0167】
図27は、本実施例の遊技機1に設定されている第1停止テーブルの1つを例示した説明図である。停止テーブルには、回胴停止ボタンが操作された時の回胴の回転位置と、回胴停止ボタンが操作されてからその回胴を停止するまでの時間(停止時間)との対応関係が設定されている。上述したように、本実施例では、回胴20a,20b,20cの回転位置を、基準位置に表示されていた図柄よって検出していることから、図27では、回転位置として、回胴20a,20b,20cの外周面に描かれた図柄の番号(図3の図柄配列に付された番号に対応する)が設定されている。また、前述したように、回胴停止ボタンの操作が有効化された時点では、対応する回胴は一定の速度で回転しているので(図25のS602:yes)、停止時間が決まれば、その間に回胴上に描かれた図柄にして何コマ分回転が進むかも決定される。そこで、図27に示した例では、停止時間に代えて、回胴停止ボタンが操作されてから何コマ分回転を進めて(滑らせて)その回胴を停止するかを示す「滑りコマ数」が設定されている。従って、このような停止テーブルを参照すれば、回胴停止ボタンの操作時に基準位置に表示されていた図柄に対応する滑りコマ数を読み出して、停止図柄を決定することができる。
【0168】
一例として、左回胴20aを第1回胴として停止させる場合について説明する。遊技者が左側の回胴停止ボタン(左停止ボタン)38aを操作した時点で、図28に示すように、表示窓20の中段の位置(基準位置)に10番の「赤セブン」の図柄が表示されていたとする。この場合に、図27の第1停止テーブルを参照すると、10番の「リプレイ」の図柄に対して滑りコマ数が「2」と設定されている。そのため、図柄2コマ分滑らせて12番の「赤セブン」の図柄を、基準位置に表示させる停止図柄に決定する。図28では、白抜きの矢印によって回胴の回転方向を示しており、破線の円で囲んだ図柄が停止図柄となることを表している。
【0169】
ここで、停止テーブルに設定される停止時間は、最大で190msecとなっており、この190msecの間に、回胴20a,20b,20cは図柄にして4コマ分回転する。換言すれば、回胴停止ボタンが操作されると、その時点で基準位置に表示されている図柄から最大で4コマ以内にある図柄(基準位置の図柄を含めて5つの図柄)の中から停止図柄を決定することになる。このことと対応して、停止テーブル(図27)では、基準位置の図柄に応じて、滑りコマ数として0〜4の数値が設定されている。
【0170】
このように、回胴の停止位置は、停止テーブルに設定されている停止時間(滑りコマ数)によって決定される。従って、停止テーブルを予め適切に設定しておけば、内部当選した遊技役に対応する図柄組合せは、有効な入賞ライン上に比較的容易に揃うように、逆に、内部当選していない遊技役の図柄組合せは、有効な入賞ライン上に決して揃わないように、各回胴20a,20b,20cを停止することが可能となる。
【0171】
以上のようにして第1回胴の停止位置を決定したら、決定した位置で第1回胴を停止させる(図26のS704)。その後、第1回胴に停止表示された図柄に応じて第2停止テーブルを抽出すると(S706)、図26の回胴停止制御処理を一旦終了して、図25に示した回胴回転停止処理に復帰する。ここで、第1停止テーブルと第2停止テーブルとの関係について補足して説明する。
【0172】
図29は、第1停止テーブルと第2停止テーブルとの関係を示した説明図である。上述したように第1停止テーブルは、第1回胴を停止する際、すなわち、回胴20a,20b,20cの全てが回転しているときに参照するテーブルであり、3つの回胴の全てを対象に設定されている。これに対して、第2停止テーブルは、第2回胴および第3回胴を停止する際に参照するテーブルであり、既に停止している第1回胴が3つの回胴20a,20b,20cの中の何れであるかに応じて、第1回胴を除く残り2つの回胴を対象に設定されている。また、前述したように、内部当選した遊技役の入賞を成立させるには、対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃う必要があり、逆に、内部当選していない遊技役の図柄組合せは、入賞ラインの何れにも揃わないようにする必要がある。このことから、第2回胴あるいは第3回胴に何れの図柄を停止表示させるかは、既に停止した第1回胴に表示された図柄に影響される場合がある。従って、第2停止テーブルは、第1回胴に停止表示された図柄に応じて複数用意されており、図26のS706では、第1回胴に何れの図柄が停止表示されたかに応じて適切な第2停止テーブルを抽出する。尚、前述したように、各回胴20a,20b,20cの停止位置は、内部当選している遊技役に左右されるため、第1停止テーブルも第2停止テーブルも共に、内部当選している遊技役に応じてそれぞれ設定されている。
【0173】
以上では、停止させる回胴が第1回胴であった場合(図26のS700:yes)に行われる処理について説明したが、停止させる回胴が第1回胴ではなかった場合、すなわち、既に何れかの回胴が停止している場合には(S700:no)、停止させる回胴が第2回胴であるか否かを判断する(S708)。そして、第2回胴であると判断された場合は(S708:yes)、S706で抽出した第2停止テーブルを参照しながら、先に検出した回胴停止ボタン操作時の第2回胴の回転位置(図25のS610)に基づいて、前述した第1回胴の場合と同様に、第2回胴の停止位置を決定する(S710)。その後、決定した位置で第2回胴を停止すると(S712)、図26の回胴停止制御処理を一旦終了して、図25の回胴回転停止処理に復帰する。
【0174】
これに対して、停止させる図柄が第2回胴ではなかった場合は(S708:no)、既に第1回胴および第2回胴は停止しており、第3回胴を停止させると判断されるので、第2停止テーブルを参照しながら、先に検出した回胴停止ボタン操作時の第3回胴の回転位置(図25のS610)に基づいて、第3回胴の停止位置を決定する(S714)。図29に示したように、第2停止テーブル中には、第2回胴および第3回胴の両方の停止情報(停止時間)が設定されていることから、第3回胴の停止位置を決定する際にも第2停止テーブルを参照する。こうして決定した位置で第3回胴を停止したら(S716)、図26の回胴停止制御処理を終了して、図25に示した回胴回転停止処理に復帰する。
【0175】
以上に説明したように、回胴回転停止処理では、内部当選している遊技役に応じて適切な停止テーブルを抽出するとともに、回胴停止ボタン38a,38b,38cの何れかが操作されると、対応する回胴のボタン操作時の回転位置に基づいて、停止テーブルを参照しながら停止位置を決定することによって、各回胴20a,20b,20cを適切な位置で停止させるようになっている。
【0176】
ここで、前述のとおり、再遊技B役には「リプレイ」−「青セブン」−「スイカ」の図柄組合せが設定されており、入賞ライン上にこの図柄組合せが停止表示されると再遊技B役の入賞が成立する。本実施例の遊技機1では、入賞ラインは図5に示すようにL1、L2の2つが設定されているが、再遊技B役が内部当選すると再遊技B役に設定されている図柄組合せは入賞ラインL1には停止せずに入賞ラインL2(右斜め下方下向きのライン)に停止表示するように前述の停止テーブルが設定されている。また、図3に示すとおり、本実施例の回胴の図柄は、再遊技B役の図柄組合せ(「リプレイ」−「青セブン」−「スイカ」)が右斜め下方向きのラインに沿って並んだ場合は「青セブン」が横一直線に並ぶように配列されている。
【0177】
図30は、再遊技B役が入賞成立した状態で停止表示された回胴を示した図である。図30に示すように、入賞ラインL1には再遊技B役に設定された図柄組合せである「リプレイ」−「青セブン」−「スイカ」の組合せが停止表示されている。また、上述のように「青セブン」の図柄が配列されているので、中段のラインには「青セブン」−「青セブン」−「青セブン」が揃って(青7揃いが)停止表示されている。すなわち、本実施例の遊技機1では、再遊技B役が入賞成立する場合には、同時に「中段のライン」に青7揃いが停止表示するように設定されている。
【0178】
本実施例の遊技機1では、「中段のライン」は、たとえ上述のように青7揃いが停止表示されたとしても入賞の成立しない無効ラインである。しかし、遊技者にとっては、同一の図柄である「青セブン」が一直線に揃って停止表示されているので、青7揃いに注目が引き付けられることになり、ひいては再遊技B役の入賞成立結果を、入賞成立図柄ではない他の「青7揃い」により効果的に目立たせることが可能となる。すなわち、全てが同じではない図柄の組合せ(一部が異なる図柄の組合せ、全てがそれぞれ異なる図柄の組合せ)が入賞ライン上に停止表示することにより遊技役の入賞が成立する場合に、同時に無効ライン上に同一の図柄組合せが停止表示するようにすることで、該遊技役の入賞成立を、入賞成立図柄でない他の図柄組合せ(無効ライン上での同一図柄組合せの停止表示)により遊技者に明確に告知することが可能となる。
【0179】
この再遊技B役は、第2JAC遊技中、RB遊技中にも入賞成立可能であり、入賞成立がAT遊技の実行回数増加に起因するので、遊技者にとって有利な遊技結果が得られる遊技役である。また、前述のとおり、第2JAC遊技、RB遊技は、青7揃いが入賞ライン上に停止表示すると(第2JAC役、RB役が入賞成立して)開始される遊技状態である。すなわち、青7揃いが入賞ライン上に停止表示されることによって第2JAC遊技、RB遊技が開始され、これらの遊技中に再遊技B役が入賞成立するたびに青7揃いが中段の無効ライン上に停止表示される。従って、遊技者に対して、「第2JAC遊技およびRB遊技は青7揃いを停止表示させて開始させ、開始したら青7揃いを停止表示させる遊技状態である」と感じさせて、青7揃いだけを意識して遊技を進行させることができるので、遊技の進行を容易にすることができ、遊技者の遊技興趣を盛り上げることが可能となる。尚、第2JAC遊技中に無効ラインに停止表示される「青7揃い」(「青セブン」−「青セブン」−「青セブン」)が、本発明における「特殊図柄」に対応している。
【0180】
また、再遊技B役は、第2RT遊技中にも入賞成立する。第2RT遊技中に再遊技B役の入賞が成立した場合も、AT遊技の回数が増加するので(この場合は後述するようにAT遊技の回数の上乗せ)、遊技者にとって有利な遊技結果が得られる遊技役である。もちろん、この場合も、再遊技B役の入賞が成立すると青7揃いが無効ライン上に停止表示される。すなわち、遊技者は、上述のBB遊技中の第2JAC遊技中(第1有利状態の第1特殊期間)も、AT遊技中の第2RT遊技中(第2有利状態の第2特殊期間)も(後述のとおり第2RT遊技中は並行してAT遊技が行われる)、異なる遊技状態にも拘らず、無効ライン上に青7揃いを停止表示することを目的として遊技を進行させることになる。このように遊技を進行させることで、遊技者に対して、「青7揃いを停止表示させること」が本発明の回胴式遊技機1での遊技全体につらぬかれた「遊技を有利に進めるポイント」として認識させることができる。この結果、遊技者に対して、遊技状態によらずに「青7揃いを停止表示させることが可能となる遊技期間」の発生に期待させる新規な遊技牲を実現でき、遊技者の遊技興趣を盛り上げることが可能となる。尚、第2RT遊技中に無効ラインに停止表示される「青7揃い」(「青セブン」−「青セブン」−「青セブン」)も、本発明における「特殊図柄」に対応している。
【0181】
また、図23および図24に示すとおり、第1RT遊技中および第2RT遊技中は、赤ベル、白ベル、バーベルの小役は重複することなく単独で内部当選する。図6に示すとおり、赤ベル、白ベル、バーベルの小役に設定されている図柄組合せは、左回胴の図柄はそれぞれ「赤セブン」、「白セブン」、「バー」であり、中回胴および右回胴の図柄は全て「ベル」である。赤ベル、白ベル、バーベルの小役が内部当選した場合に選択される停止テーブルは、中回胴、右回胴の図柄は入賞ライン上に「ベル」が停止表示されるように設定されているが、左回胴の図柄は適切なタイミングで左回胴が停止された場合だけ「赤セブン」、「白セブン」、「バー」が入賞ライン上に停止表示され、適切なタイミングで左回胴が停止されない場合は入賞ライン上に「リプレイ」が停止表示されるように設定されている。すなわち、赤ベル、白ベル、バーベルの小役が内部当選した場合は、左回胴を適切なタイミングで停止させると赤ベル、白ベル、バーベルの小役の入賞が成立し、左回動を適切ではないタイミングで停止させると前述の取りこぼし目(「リプレイ」−「ベル」−「ベル」)が停止表示されてしまい遊技メダルの払い出しを受けることができない。特に、第1RT遊技中に、取りこぼし目が表示されると、遊技メダルの払い出しを受けることができないだけでなく、第1RT遊技中であれば第1RT遊技が終了して通常遊技に移行してしまう。
【0182】
そこで、本実施例の遊技機1は、第1RT遊技が開始されるのと並行してAT遊技を開始するようになっている。AT遊技は、赤ベル、白ベル、バーベルの小役のうち内部当選している小役を遊技者に報知する遊技状態であり、遊技者はこの報知を受けることにより内部当選している小役を認識でき、該小役に対応した適切なタイミングで左回胴を停止させることができる。このAT遊技は、サブ制御基板220に搭載されているCPU221によって行われる演出制御処理の中で実行される。以下に、該演出制御処理について説明する。
【0183】
D.演出制御処理 :
図31〜図33は、本実施例の遊技機1においてサブ制御基板220に搭載されているCPU221が実行する演出制御処理を示すフローチャートである。サブ制御基板220のCPU221は、演出制御処理を開始すると、先ず初めに、主制御基板からコマンドを受信したか否かを確認する(S1000)。サブ制御基板220が行う制御は、基本的には主制御基板200から送信されるコマンドに基づいて実行されており、演出制御処理では、コマンドの受信を契機として処理が開始される。そのため、未だコマンドを受信していないと判断した場合には(S1000:no)、コマンドを受信するまでそのまま待機する。
【0184】
そして、コマンドを受信したら(S1000:yes)、そのコマンドがBB遊技開始コマンドか否かを判断する(S1002)。図8を用いて前述したように、BB遊技開始コマンドは、BB役に入賞成立すると主制御基板200のCPU201からサブ制御基板220に向かって送信されるコマンドである。受信したコマンドがBB遊技開始コマンドである場合は(S1002:yes)、AT遊技中であればATフラグをOFFに設定するとともにATカウンタの値に「0」を設定する(S1004)。すなわち、BB遊技が開始される場合は、AT遊技中であってもAT遊技を終了するべく、ATフラグをOFFに設定するのである。ATフラグは、AT遊技開始時にONに設定されて、AT遊技終了時にOFFに設定されるフラグであり、サブ制御基板220に搭載されているRAM223にその記憶領域が確保されている。また、AT遊技を終了するにあたってATカウンタの値に「0」を設定する。ATカウンタは、サブ制御基板220に搭載されているCPU221がAT遊技の残りの遊技の回数(AT遊技の継続期間)を把握するためのカウンタであり、サブ制御基板220に搭載されているRAM223にその記憶領域が確保されている。
【0185】
その後、サブ第2RT遊技フラグがONに設定されていればOFFに設定した後(S1005)、BB遊技用の演出を開始する(S1006)。サブ第2RT遊技フラグは、第2RT遊技中にONに設定されるフラグであり、サブ制御基板220に搭載されているRAM223にその記憶領域が確保されている。サブ制御基板220に搭載されているCPU221は、第2RT遊技フラグの状態を確認することにより、現在が第2RT遊技中であるか否かを把握する。図9を用いて前述したように、BB遊技が開始される場合は第2RT遊技は終了するので、第2RT遊技フラグはOFFに設定する。またBB遊技用の演出を含む各種演出は、サブ制御基板220が各種ランプ類12、各種スピーカ14,114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lなどを制御することにより行われる。BB遊技用の演出を開始すると(S1006)、S1000の処理に戻って次のコマンドを受信するまで待機する。
【0186】
これに対して、受信したコマンドがBB遊技開始コマンドではなかった場合は(S1002:no)、そのコマンドが第1JAC遊技開始コマンドか否かを判断する(S1008)。図9を用いて前述したように、第1JAC遊技開始コマンドは、第1JAC役に入賞成立すると主制御基板200のCPU201からサブ制御基板220に向かって送信されるコマンドである。受信したコマンドが第1JAC遊技開始コマンドである場合は(S1008:yes)、第1JAC遊技用の演出を開始する(S1010)。尚、図示は省略するが、サブ制御基板220のCPU221は、第1JAC遊技終了コマンドを受信すると、第1JAC遊技用の演出を終了する。
【0187】
受信したコマンドが第1JAC遊技開始コマンドではなかった場合は(S1008:no)、そのコマンドが第2JAC遊技開始コマンドか否かを判断する(S1012)。図13を用いて前述したように、第2JAC遊技開始コマンドは、第2JAC役に入賞成立すると主制御基板200のCPU201からサブ制御基板220に向かって送信されるコマンドである。受信したコマンドが第2JAC遊技開始コマンドである場合は(S1012:yes)、第2JAC遊技用の演出を開始する(S1014)。尚、図示は省略するが、サブ制御基板220のCPU221は、第2JAC遊技終了コマンドを受信すると、第2JAC遊技用の演出を終了する。
【0188】
受信したコマンドが第2JAC遊技開始コマンドではなかった場合は(S1012:no)、そのコマンドがRB遊技開始コマンドか否かを判断する(S1016)。図13を用いて前述したように、RB遊技開始コマンドは、RB役に入賞成立すると主制御基板200のCPU201からサブ制御基板220に向かって送信されるコマンドである。受信したコマンドがRB遊技開始コマンドである場合は(S1016:yes)、AT遊技中であれば、AT遊技を終了するべくATフラグをOFFに設定するとともにATカウンタの値に「0」を設定する(S1018)。続いて、サブ第2RT遊技フラグがONに設定されていればOFFに設定した後(S1020)、RB遊技用の演出を開始する(S1022)。すなわち、図13を用いて前述したように、RB遊技が開始される場合は第2RT遊技は終了するので、サブ第2RT遊技フラグはOFFに設定する。
【0189】
これに対して、受信したコマンドがRB遊技開始コマンドではなかった場合は(S1016:no)、そのコマンドが第1RT遊技開始コマンドか否かを判断する(S1100)。図17を用いて前述したように、第1RT遊技開始コマンドは、第2RT遊技を終了して第1RT遊技を開始する際に主制御基板200のCPU201からサブ制御基板220に向かって送信されるコマンドである。受信したコマンドが第1RT遊技開始コマンドである場合は(S1100:yes)、第2RT遊技が終了するのでサブ第2RT遊技フラグをOFFに設定した後(S1102)、第1RT遊技用の演出を開始する(S1104)。尚、図18および図19を用いて前述したように、BB遊技が終了した場合やRB遊技が終了した場合にも第1RT遊技は開始するが、これらの場合には第1RT遊技開始コマンドは送信されず、後にも説明するBB遊技終了コマンドやRB遊技終了コマンドが送信される。
【0190】
受信したコマンドが第1RT遊技開始コマンドではなかった場合は(S1100:no)、そのコマンドが第2RT遊技開始コマンドか否かを判断する(S1106)。図14を用いて前述したように、第2RT遊技開始コマンドは、第1RT遊技中に再遊技B役が入賞成立して第2RT遊技を開始する際に主制御基板200のCPU201からサブ制御基板220に向かって送信されるコマンドである。受信したコマンドが第2RT遊技開始コマンドである場合は(S1106:yes)、サブ制御基板220のCPU221が第2RT遊技中であることを把握できるようにサブ第2RT遊技フラグをONに設定した後(S1108)、第2RT遊技用の演出を開始する(S1110)。
【0191】
受信したコマンドが第2RT遊技開始コマンドではなかった場合は(S1106:no)、そのコマンドが第1RT遊技終了コマンドか否かを判断する(S1112)。図16を用いて前述したように、第1RT遊技終了コマンドは、取りこぼし目が停止表示されて第1RT遊技を終了する際に主制御基板200のCPU201からサブ制御基板220に向かって送信されるコマンドである。受信したコマンドが第1RT遊技終了コマンドである場合は(S1112:yes)、AT遊技中であればATフラグをOFFに設定するとともにATカウンタの値に「0」を設定して(S1114)、第1RT遊技用の演出を終了する(S1116)。すなわち、AT遊技中であっても取りこぼし目を停止表示して第1RT遊技を終了する場合は(AT遊技中であるのにも拘らず、遊技者が赤ベル、白ベル、バーベルの小役を取りこぼした場合は)、AT遊技を終了する。
【0192】
受信したコマンドが第1RT遊技終了コマンドではなかった場合は(S1112:no)、そのコマンドが再遊技B役入賞コマンドか否かを判断する(S1118)。再遊技B役入賞コマンドは、図14を用いて前述したように、第2JAC遊技中や、第2RT遊技中、RB遊技中に再遊技B役の入賞が成立すると主制御基板200のCPU201からサブ制御基板220に向かって送信されるコマンドである。
【0193】
受信したコマンドが再遊技B役入賞コマンドである場合は(S1118:yes)、今度は、サブ第2RTフラグがONに設定されているか否か(現在が第2RT遊技中か否か)の判断を行う(S1120)。その結果、現在が第2RT遊技中でなければ、すなわち、第2JAC遊技中またはRB遊技中であれば(S1120:no)、再遊技B役カウンタの値に「1」を加算する(S1122)。再遊技B役カウンタは、第2JAC遊技中またはRB遊技中に再遊技B役に入賞した回数を、サブ制御基板220のCPU221が把握するためのカウンタであり、サブ制御基板220に搭載されているRAM223にその領域が確保されている。詳しくは後述するが、サブ制御基板220に搭載されているCPU221は、BB遊技終了後またはRB遊技終了後に、再遊技B役カウンタの値に応じた遊技の回数だけAT遊技を行う。尚、サブ制御基板220のCPU221が上述の処理を行うことによって「特殊期間」での「特殊図柄」が停止表示する回数を計数している。従って、サブ制御基板220のRCPU201は、本発明における「表示回数計数手段」に対応している。
【0194】
S1120の処理で、サブ第2RT遊技フラグがONである(現在が第2RT遊技中である)と判断された場合は(S1120:yes)、今度は、ATフラグがONに設定されているか否か(現在がAT遊技中か否か)の判断を行う(S1124)。その結果、AT遊技中である場合には(S1124:yes)、ATカウンタの値に「30」を加算する。すなわち、第2RT遊技中かつAT遊技中である場合に再遊技B役の入賞が成立すると、現在行われているAT遊技の期間を延長する(遊技の回数を30回増加する)。
【0195】
S1124の判断処理で、現在がAT遊技中ではないと判断した場合、すなわち、現在が第2RT遊技中であるのにも拘らずAT遊技中ではないと判断した場合は(S1124:no)、AT遊技を開始するべくATフラグをONに設定する(S1126)。ここで、詳しくは後述するが、本実施例の遊技機1は、第2RT遊技中にAT遊技が終了することはないように設定されている。従って、第2RT遊技中であるのにAT遊技中ではない場合とは、稀なケースではあるが、第1RT遊技中においてAT遊技が終了した後に再遊技B役の入賞が成立して第2RT遊技を開始した場合である。この場合は、再びAT遊技を開始するべくATフラグをONに設定して(S1126)、そのAT遊技の継続回数を30回にするべくATカウンタの値を「30」に設定する(AT遊技中ではないために「0」に設定されているATカウンタの値に「30」を加算する)(S1128)。
【0196】
これに対して、受信したコマンドが再遊技B役入賞コマンドではなかった場合は(S1118:no)、そのコマンドがRB遊技終了コマンドか否かを判断する(S1200)。図15および図19を用いて前述したように、RB遊技終了コマンドは、RB遊技中に小役の入賞が成立したかRB遊技における遊技が5回行われたかにより、RB遊技を終了する際に主制御基板200のCPU201からサブ制御基板220に向かって出力されるコマンドである。受信したコマンドがRB遊技終了コマンドである場合は(S1200:yes)、今度は再遊技B役カウンタの値が「0」か否かの判断を行う(S1202)。前述のとおり、再遊技B役カウンタは、再遊技B役の入賞が成立するとカウントアップされるカウンタであり、RB遊技終了時には該RB遊技中に再遊技B役の入賞が成立した回数が設定されている。S1202の処理では、RB遊技中に1回でも再遊技B役の入賞が成立したか否かの判断が行われる。その結果、RB遊技中に再遊技B役の入賞が成立していなければ(S1202:yes)、RB遊技用の演出を終了する処理を行う(S1204)。このように、RB遊技中に再遊技B役の入賞が成立していなければRB遊技を終了してもAT遊技は開始されない。
【0197】
一方、RB遊技中に再遊技B役の入賞が成立していれば(S1202:no)、AT遊技を開始するべくATフラグをONに設定した後(S1208)、再遊技B役カウンタの値に応じてATカウンタの値を設定する(S1210)。すなわち、本実施例の遊技機1では、RB遊技中における再遊技B役の入賞成立回数に応じてAT遊技の遊技の回数(AT遊技の期間の長さ)を決定する。
【0198】
図34は、再遊技B役の入賞成立回数とAT遊技の遊技の回数が対応づけて設定されているAT遊技回数テーブルを概念的に示した図である。AT遊技回数テーブルは、サブ制御基板220のROM222に記憶されている。S1210の処理では、AT遊技回数テーブルから再遊技B役カウンタの値に対応するAT遊技回数を読み出して、読み出したAT遊技回数をAT遊技カウンタの値に設定する処理を行う。ここでは、再遊技B役カウンタの値が「0」または「1」ならAT遊技カウンタの値に「50」が設定され、再遊技B役カウンタの値が「2」であれば「100」が、「3」であれば「200」が、「4」であれば「400」が、「5」以上であれば「1000」がAT遊技カウンタの値に設定される。
【0199】
尚、S1210の処理は再遊技B役カウンタの値が「0」ではない場合に行われるので(S1202:no)、AT遊技回数テーブル中の再遊技B役カウンタの値が「0」の場合の設定は必要ないように思える。しかし、後述のBB遊技を終了する際はBB遊技中(第2JAC遊技中)における再遊技B役の入賞成立が0回でもAT遊技を開始するので、再遊技B役カウンタの値が「0」の場合も設定している。このように、RB遊技を終了すると、該RB遊技中における再遊技B役の入賞成立がなければAT遊技を開始せず、該RB遊技中における再遊技B役の入賞成立があればその入賞成立の回数に応じた(入賞成立の回数が多いほど多くの遊技回数の)AT遊技を開始する。尚、サブ制御基板220のCPU221が上述の処理を行うことによって「特殊図柄」が停止表示された回数に基づいて、「特典」としてAT遊技を開始している。従って、サブ制御基板220のCPU221は、本発明における「特典付与手段」に対応している。
【0200】
ここで、前述のとおり、本実施例の遊技機1はRB遊技を終了すると、該RB遊技中における再遊技B役の入賞成立があれば第1RT遊技も開始する。すなわち、RB遊技を終了すると、該RB遊技中における再遊技B役の入賞成立があれば第1RT遊技と並行してAT遊技も開始される(以下、第1RT遊技とAT遊技、または第2RT遊技とAT遊技が、並行して行われることをアシストリプレイタイム遊技(ART遊技)とも表記する)。再遊技B役カウンタの値に応じてATカウンタの値を設定すると(S1210)、再遊技B役の入賞成立回数の次回の計数に備えて、再遊技B役カウンタの値に「0」を設定する(S1212)。
【0201】
これに対して、受信したコマンドがRB遊技終了コマンドではなかった場合は(S1200:no)、そのコマンドがBB遊技終了コマンドか否かを判断する(S1214)。図18を用いて前述したように、BB遊技終了コマンドはBB遊技を終了する際に主制御基板200のCPU201からサブ制御基板220に向かって出力されるコマンドである。受信したコマンドがBB遊技終了コマンドである場合は(S1214:yes)、AT遊技を開始するべくATフラグをONに設定する(S1208)。すなわち、BB遊技を終了すると必ずAT遊技を開始する。続いて、前述のAT遊技回数テーブルを参照して再遊技B役カウンタの値に対応して設定されているAT遊技回数をATカウンタの値に設定する(S1210)。前述のとおり、再遊技B役カウンタは、再遊技B役の入賞が成立するとカウントアップされるカウンタであり、BB遊技終了時には該BB遊技中の第2JAC遊技中に再遊技B役の入賞が成立した回数が設定されている。すなわち、BB遊技を終了すると該BB遊技中の第2JAC遊技中における再遊技B役の入賞成立回数(0回も含む)に応じた遊技回数のAT遊技が開始される。
【0202】
ここで、前述のとおり、本実施例の遊技機1はBB遊技を終了すると、必ず第1RT遊技も開始する。すなわち、BB遊技を終了すると、第1RT遊技と並行してAT遊技も開始される(いわゆるアシストリプレイタイム遊技(ART遊技)が開始される)。再遊技B役カウンタの値に応じてATカウンタの値を設定すると、再遊技B役の入賞成立回数の次回の計数に備えて、再遊技B役カウンタの値に「0」を設定する(S1212)。
【0203】
受信したコマンドがBB遊技終了コマンドではなかった場合は(S1214:no)、以下のAT遊技を実行する処理を行う。先ず、受信したコマンドが内部抽選結果伝達コマンドか否かを判断する(S1216)。受信したコマンドが内部抽選結果伝達コマンドであった場合は(S1216:yes)、ATフラグがONか否か、すなわち現在がAT遊技中か否かを判断する(S1218)。AT遊技中でない場合は(S1218:no)、S1000の処理に戻って次のコマンドを受信するまで待機する。
【0204】
現在がAT遊技中である場合は(S1218:yes)、内部抽選結果伝達コマンドの内容に基づき赤ベル、白ベル、バーベルの小役のいずれかに内部当選しているか否かを判断する(S1220)。そして、赤ベル、白ベル、バーベルの小役のいずれかに内部当選していた場合は(S1220:yes)、内部当選している小役の種類(たとえば、左回胴に停止表示させるべき図柄(「赤セブン」、「白セブン」、「バー」の何れか))を各種ランプ類12、各種スピーカ14,114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lなどを用いて報知する(S1222)。
【0205】
小役の種類が報知されると、遊技者は、左回胴の停止表示させるべき図柄を認識することができ、その図柄を停止表示させるタイミングで回胴停止ボタン38aを操作することにより、効率的に赤ベル、白ベル、バーベルの小役の入賞を成立させることができる。その結果、AT遊技中は、遊技者は赤ベル、白ベル、バーベルの小役が内部当選すると高い確率で(熟練した遊技者は確実に)遊技メダルを獲得することが可能となる。
【0206】
小役の種類を報知するか(S1222)、またはベルの小役A〜Fのいずれにも内部当選していないと判断すると(S1220:no)、サブ第2RT遊技フラグがONに設定されているか否か(現在が第2RT遊技中か否か)の判断を行う(S1224)。その結果、第2RT遊技中でなければ(すなわち、第1RT遊技中であれば)(S1224:no)、ATカウンタから「1」を減算する処理を行う(S1226)。前述したようにATカウンタとは、AT遊技の終了契機を判断するために設定されるカウンタである。そして、ATカウンタが「0」であるか否かの判断を行って(S1228)、ATカウンタが「0」である場合は(S1228:yes)、AT遊技を終了させるためにATフラグをOFFに設定する(S1230)。すなわち、AT遊技中は(S1218:yes)、第1RT遊技中であれば(S1224:no)内部抽選結果伝達コマンドを受信するたびに(遊技1回毎に)(S1216:yes)、ATカウンタから「1」を減算していき(S1226)、ATカウンタが「0」になったら(S1228:yes)、ATフラグをOFFに設定して(S1230)、AT遊技を終了することになる。
【0207】
これに対して、S1224の判断処理で、現在が第2RT遊技中であると判断した場合は(S1224:yes)、上述の処理のうちATカウンタから「1」を減算する処理(S1226)をスキップする。すなわち、第2RT遊技中は、ATカウンタのカウントダウンがストップするので(AT遊技が行われる残りの遊技回数が減ることがないので)、第2RT遊技の途中でAT遊技が終了することはない。前述のとおり、遊技者にとって第2RT遊技は、再遊技B役を入賞成立させてAT遊技の期間を延長させることが期待できる遊技状態であり、この第2RT遊技にあるときにAT遊技が終了することがないので、遊技者は安心して第2RT遊技を行うことができる。
【0208】
以上に説明したように、本実施例の遊技機1では、図8および図9の遊技制御処理、図31〜図33の演出制御処理を繰り返し実行することによって遊技が行われるようになっている。以下では、このような本実施例の遊技機1によって得られる遊技性について詳しく説明する。
【0209】
E.本実施例の遊技機によって得られる遊技性 :
図35は、本実施例の遊技機1の遊技状態の遷移を示す説明図である。図35に示すように、「通常遊技」中に「BB役」の入賞が成立すると「BB遊技」が開始される。「BB遊技」は、遊技者にとって多くの遊技メダルの払い出しを受けることのできる有利な遊技状態であり、「BB一般遊技」および「第1JAC遊技」、「第2JAC遊技」から構成されている。「BB遊技」が開始されると、先ず「BB一般遊技」が開始される。「BB一般遊技」が開始されると「第1JAC役」、「第2JAC役」を入賞成立させることが可能な遊技状態となる。この遊技状態で遊技を進行させているうちに「第1JAC役」の入賞が成立すると「第1JAC遊技」が開始される。「第1JAC遊技」が開始されると小役を高い確率で入賞成立させることが可能な状態となり、遊技者は多くの遊技メダルの払い出しを受けることができる。そして、「第1JAC遊技」が開始されてから8回の入賞成立または12回の遊技が行われると「第1JAC遊技」は終了して「BB一般遊技」が再び開始される。尚、「第1JAC遊技」の途中で、「BB遊技」が開始してからの遊技メダルの払い出し枚数が所定枚数(400枚)に達したら、「BB遊技」(もちろん「第1JAC遊技」も)は終了する。
【0210】
また、「BB一般遊技中」に入賞ライン上に青7揃いが停止表示されて「第2JAC役」の入賞が成立すると「第2JAC遊技」が開始される。「第2JAC遊技」が開始されると無効ライン上(中段の一直線のライン)に青7揃いが停止表示する「再遊技B役」を高い確率で入賞成立させることが可能な遊技状態となる。なお、「第2JAC遊技」における「再遊技B役」の入賞成立の回数に応じて「BB遊技」終了後の「AT遊技」の期間が決まるので、遊技者は、「第2JAC遊技」中は、できるだけ多くの「再遊技B役」の入賞成立を期待しながら遊技を進行させることになる。また、BB遊技中の青7揃い(第2JAC役)の停止表示後に青7揃い(再遊技B役)の停止表示頻度が向上するため、遊技者に対して、青7揃い(第2JAC役)の停止表示を契機に「青7揃い(再遊技B役)を多く停止表示させることが可能な機会(第2JAC遊技)」が開始されたように感じさせることができ、BB遊技中の青7揃いに注目させて遊技を進行させることができる。このように、BB遊技中に青7揃いに注目させる新たな遊技性を付加することで、BB遊技中の遊技者の遊技興趣を盛り上げることが可能となる。
【0211】
そして、「第2JAC遊技」が開始されてから1回の小役の入賞成立または5回の遊技が行われると「第2JAC遊技」は終了して「BB一般遊技」が再び開始される。尚、1回の小役の入賞成立によって「第2JAC遊技」が終了すると同時に、「BB遊技」が開始してからの遊技メダルの払い出し枚数が所定枚数(400枚)に達したら、「BB遊技」(もちろん「第1JAC遊技」も)は終了する。このことについては、後に詳しく説明する。
【0212】
このように、「BB遊技」を開始してから「BB一般遊技」、「第1JAC遊技」、「第2JAC遊技」を繰り返して行うことにより、「BB遊技」における遊技メダルの払出枚数が所定枚数(400枚)に達したらBB遊技を終了して、第1RT遊技を開始する。
【0213】
以上では、通常遊技中に「BB役」が入賞成立した場合について説明した。これに対して、通常遊技中に「RB役」の入賞が成立すると、「RB遊技」が開始される。「RB遊技」が開始されると、「第2JAC遊技」と同様に、無効ライン上(中段の一直線のライン)に青7揃いが停止表示する「再遊技B役」を高い確率で入賞成立させることが可能な遊技状態となる。「RB遊技」中に「再遊技B役」の入賞が成立すると、「RB遊技」終了後に「第1RT遊技」が開始される。また、該「第1RT遊技」が開始される場合は、「AT遊技」も並行して開始される。該「AT遊技」の期間(遊技回数)は、「RB遊技」における「再遊技B役」の入賞成立の回数に応じて決定される。従って、遊技者は、「RB遊技」が開始するとできるだけ多くの「再遊技B役」の入賞成立を期待しながら遊技を進行させることになる。また、通常時の青7揃い(RB役)の停止表示後に青7揃い(再遊技B役)の停止表示頻度が向上するため、遊技者に対して、通常時の青7揃い(RB役)の停止表示を契機に「青7揃い(再遊技B役)を多く停止表示させることが可能な機会(RB遊技)」が開始されたように感じさせることができ、通常時においても青7揃いに注目させて遊技を進行させることができる。このように、通常時に青7揃いに注目させる新たな遊技性を付加することで、通常時の遊技者の遊技興趣を盛り上げることが可能となる。また、「RB遊技」は開始されてから1回の小役の入賞成立または5回の遊技が行われると「RB遊技」は終了する。「RB遊技」が開始されてから終了までに「再遊技B役」の入賞が成立していなければ、通常遊技が再び開始される。
【0214】
こうして、「BB遊技」が終了すると、または「RB遊技中」に「再遊技B役」の入賞が成立した後に該「RB遊技」が終了すると、「第1RT遊技」および「AT遊技」(「ART遊技」)が開始される。すなわち、「RB遊技」は「再遊技B役」の入賞が成立していなければ終了後に「ART遊技」が開始されないのに対して、「BB遊技」は多量の遊技メダルの払い出しを受けることができるだけでなく終了後に「ART遊技」が必ず開始される遊技状態である。このため、BB遊技はRB遊技よりも有利な遊技状態であるといえる。
【0215】
上述のように、「第1RT遊技」が開始される際は並行して「AT遊技」が開始される。ここで、「第1RT遊技」は、高い確率で「再遊技A役」の入賞を成立させることができるので、遊技メダルの使用量(消費量)を抑制しながら「BB役」の入賞成立を目指すことのできる、有利な遊技状態(通常の遊技状態よりも有利な遊技状態)である。また、「AT遊技」は、「第1RT遊技」中に内部当選する赤ベル、白ベル、バーベルの小役が当選したことが報知されることにより、遊技者は該報知に基づいて回胴を停止表示させて該小役を入賞成立させることのできる、有利な遊技状態(通常の遊技状態よりも有利な遊技状態)である。すなわち、第1RT遊技と並行してAT遊技が行われている期間は(「ART遊技」が行われている期間は)、遊技者にとっては、遊技メダルの使用量(消費量)を抑制しつつ「BB役」の入賞成立を目指しながらも、たまに内部当選する赤ベル、白ベル、バーベルの小役を確実に入賞成立させて遊技メダルの払い出しを受けることができる有利な遊技期間である。
【0216】
「第1RT遊技」中は「再遊技B役」の入賞を成立させることが可能であり、該入賞が成立すると、「第2RT遊技」が開始される。「第2RT遊技」が開始されても「AT遊技」の遊技回数(継続期間)が未だ残っている場合は、「第2RT遊技」と並行して「AT遊技」が行われる。「第2RT遊技」が行われている期間は「AT遊技」の残りの遊技回数が減らされることがなく、「AT遊技」が「第2RT遊技」中に終了することがない。従って、遊技者は、「第2RT遊技」中は「AT遊技」が終了してしまうことを気にすることなく遊技を進行させることができる。尚、このことについては後に詳しく説明する。
【0217】
「AT遊技」と並行して「第2RT遊技」が行われている期間も、「第1RT遊技」が並行して行われている期間と同じように、遊技メダルの使用量(消費量)を抑制しつつ「BB役」の入賞成立を目指しながらも、たまに内部当選する赤ベル、白ベル、バーベルの小役を確実に入賞成立させて遊技メダルの払い出しを受けることができる。ただし、「第2RT遊技」は、「第1RT遊技」よりもかなり高い確率で「再遊技B役」を入賞成立させることのできる遊技状態である。すなわち、「第1RT遊技」中に「再遊技B役」が入賞(青7揃いが停止表示)して「第2RT遊技」が開始されるとかなり高い確率で「再遊技B役」が入賞成立(青7揃いが停止表示)することになるので、遊技者に対して、「再遊技B役」の入賞成立(青7揃いが停止表示)を契機に、集中して「再遊技B役」(青7揃いが停止表示)の入賞成立が行われるように感じさせることができ、遊技者の遊技興趣を盛り上げることが可能となる。
【0218】
また、「第2RT遊技」中に「再遊技B役」の入賞が成立すると「AT遊技」の遊技回数が増加(上乗せ)するように設定されている(「AT遊技」の期間が延長されるように設定されている)。従って、第2RT遊技は、第1RT遊技の遊技性に加え、「再遊技B役」の入賞を成立(青7揃いが停止表示)させてAT遊技の遊技回数を増加させるという、特殊な遊技性が付加される遊技状態である。
【0219】
ここで、「BB遊技」中でも、「AT遊技」中でも、青7揃いが高い確率で停止表示する期間(第2JAC遊技、第2RT遊技)が発生する。この期間は、遊技者にとって、AT遊技の回数を増加させるために「青7揃いを停止表示させることが遊技の目的となる期間」である。すなわち、遊技者にとって同じ「青7揃いを停止表示させることを目的とする期間」が、異なる有利状態(「BB遊技」、「AT遊技」)であるのにも拘らず発生するので、遊技者によっては、「青7揃い(特殊図柄)を停止表示させる」ことが、本実施例の遊技機1での遊技全体につらぬかれた遊技の特性として感じることになる。そうすると、遊技者は、遊技の状態によらずに「青7揃いを停止表示させることが遊技の目的となる期間」の発生を期待するようになり、遊技者の遊技興趣を盛り上げることが可能となる。
【0220】
また、「第2RT遊技」は開始してから5回の遊技を行うと終了して、「第1RT遊技」が開始される。「第1RT遊技」が開始されると、再び「AT遊技」の残りの遊技回数が減らされていく。こうして、「第1RT遊技」での遊技を繰り返すことにより、「AT遊技」の残りの遊技回数が「0」になったら「AT遊技」は終了する。すなわち、「第1RT遊技」中に赤ベル、白ベル、バーベルの小役に内部当選しても、何れの小役に内部当選したかを遊技者に対して報知しなくなるので、遊技者は内部当選している小役を推測しながら回胴を停止させることになる。そして、該推測が外れると小役を取りこぼして(小役を入賞成立させることができず)「取りこぼし目」が停止表示される。「取りこぼし目」が停止表示されると第1RT遊技が終了されて通常遊技が開始される。尚、もちろん、「第1RT遊技」や「第2RT遊技」中に「BB役」または「RB役」の入賞が成立したら、「第1RT遊技」や、「第2RT遊技」、「AT遊技」を終了させて、「BB遊技」または「RB遊技」が開始される。
【0221】
E−1.第2JAC遊技の終了契機 :
図36は、BB遊技が終了する際のパターンを概念的に示した説明図である。図36(a)は、第1JAC遊技中にBB遊技が終了するパターンを示した説明図であり、図36(b)は、第2JAC遊技が終了すると同時にBB遊技が終了するパターンを示した説明図である。以下では、図36を用いて、第2JAC遊技の終了契機について説明する。
【0222】
図36(a)に示すように、第1JAC遊技中に小役の入賞成立による遊技メダルの払い出しがあると、その払い出しによりBB遊技を開始してからの払出枚数が所定枚数に到達してしまい(BB遊技の終了条件である「遊技メダルの払い出し枚数が所定枚数へ到達」が成立してしまい)BB遊技が終了することがある。すなわち、第1JAC遊技の終了条件である「8回の入賞成立」または「12回の遊技の実行」が成立していなくてもBB遊技が終了してしまい、ひいては第1JAC遊技は途中で終了してしまう場合がある。
【0223】
これに対して、図36(b)に示すように、第2JAC遊技の終了条件は「1回の小役の入賞成立」または「5回の遊技の実行」である。すなわち、第2JAC遊技は、BB遊技の終了条件である「遊技メダルの払出枚数の所定枚数への到達」の成立に加担する「小役の入賞成立」が1回でもあると終了する遊技状態である。換言すると、第2JAC遊技中は、第2JAC遊技の終了条件である「小役の入賞成立」がない限りはBB遊技の終了条件が成立することはない。従って、第2JAC遊技中にBB遊技の終了条件が成立してしまって、第2JAC遊技が途中で強制的に終了してしまうことがない。遊技者にとって、第2JAC遊技は前述のとおりAT遊技の遊技回数を増加させるために再遊技B役の入賞成立を狙う遊技状態であることから、途中で終了して欲しくない遊技状態である。この点に鑑みると、本実施例の第2JAC遊技は、途中でBB遊技が終了することにより強制的に終了することがなく、第2JAC遊技の終了条件が成立するまで継続させることができるので、遊技者にとっての第2JAC遊技の価値を高めることができ、遊技者の遊技興趣を盛り上げることが可能となる。
【0224】
また、図20を用いて前述したように、第2JAC遊技中は、第1JAC遊技中に比して、小役の内部当選する確率を低くすることにより第2JAC遊技の終了条件である「小役の入賞成立」が成立することを抑制している。従って、第2JAC遊技が開始してからすぐに終了してしまうことを抑制することができるので、遊技者の遊技興趣を盛り上げることが可能となる。
【0225】
E−2.ART遊技の進行状況 :
図37は、第1RT遊技または第2RT遊技とAT遊技が同時に行われている状態を概念的に示した説明図である。図37を用いて、本実施例のAT遊技の進行状況について説明する。尚、ART遊技のうち、第1RT遊技とAT遊技が同時に行われている状態を第1ART遊技、第2RT遊技とAT遊技が同時に行われている状態を第2ART遊技とも表記する。
【0226】
図37に示すとおり、ART遊技を開始すると、第1RT遊技(第1ART遊技)を1回行うたびにAT遊技の残り遊技回数が1回ずつ減少されていく。一方、第2RT遊技(第2ART遊技)が開始されるとAT遊技の残り遊技回数を減算する(減少させる)ことを停止している。すなわち、第2ART遊技中は、AT遊技の残りの遊技回数が「0」になることがないので、第2RT遊技の途中でAT遊技が終了することがない。
【0227】
ここで、第2ART遊技は、使用量(消費量)を抑制しつつ(たまに小役を獲得しながら)「BB役」の入賞成立を目指すだけでなく、「再遊技B役」の入賞成立させてAT遊技の遊技回数を増加させることができることから、遊技者にとって途中で終了して欲しくない遊技状態である。この点、本実施例のAT遊技は、第2RT遊技の途中で終了してしまうことが抑制されており、第2RT遊技の終了条件が成立するまでAT遊技を継続させることができる。従って、遊技者にとっての第2ART遊技の価値を高めることができ、遊技者の遊技興趣を盛り上げることが可能となる。尚、第2ART遊技が終了して再び第1ART遊技が終了すると、AT遊技の残り遊技回数が減少していって、やがてAT遊技の残り遊技回数が「0」になると、第1RT遊技の途中でAT遊技が終了してART遊技が終了する。
【0228】
F.変形例 :
以上、本発明について各種の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0229】
上述した実施例では、第2JAC遊技中は、図22に示すように赤ベル、白ベル、バーベルの小役が重複して設定された第2JAC遊技用抽選テーブルを使用した。すなわち、内部抽選の際に取得した乱数値が所定の乱数範囲(上述の実施例で「0〜5999」)にある場合は、赤ベル、白ベル、バーバルの小役の何れもが入賞成立可能になり、該入賞成立により第2JAC遊技が終了するようになっていた。これに代えて、上述の実施例に比して赤ベル、白ベル、バーベルの小役の各当選確率を低くして、且つそれぞれの小役が単独で当選するように設定されている第2JAC遊技用抽選テーブルを使用してもよい。
【0230】
図38は、変形例の第2JAC遊技用抽選テーブルを概念的に示した説明図である。図38(a)には、各遊技役に対して割り当てられた乱数の範囲が示されており、図38(b)には、各遊技役に割り当てられた乱数範囲の大まかな比率が示されている。図38に示すとおり、変形例の第2JAC遊技用抽選テーブルでは、上述の実施例で赤ベル、白ベル、バーベルの小役が重複して設定されていた「0〜5999」の乱数範囲のうち、「0〜1999」の乱数範囲には赤ベルの小役が設定され、「2000〜3999」の乱数範囲には白ベルの小役が、「4000〜5999」の乱数範囲にはバーベルの小役が設定されている。すなわち、上述の実施例では、赤ベル、白ベル、バーベルの小役が重複して設定されていた乱数範囲に、赤ベル、白ベル、バーベルの小役が単独で別々の範囲に(各小役は上述の実施例で設定されていた乱数範囲より狭い乱数範囲に)設定されている。
【0231】
このような第2JAC遊技用抽選テーブルを用いて内部抽選を行うと、仮に上述の実施例であれば赤ベル、白ベル、バーベルの小役何れもが入賞可能な乱数範囲(「0〜5999」)の乱数を取得した場合でも、本変形例では何れかの小役しか入賞成立させることができない。すなわち、赤ベル、白ベル、バーベルの小役うち何れかに内部当選しても、遊技者が該内部当選した小役を推測して、該小役の図柄組合せが停止表示されるのを避けるタイミングで回胴を停止させることにより、小役の入賞成立を回避することができる。例えば、図3の図柄配列によれば、「赤ベルの小役」に内部当選している状態で、左回胴20aにおける「白ベルの小役の入賞成立図柄(図3の左回胴の18番の白7図柄)」または「バーベルの小役の入賞成立図柄(図3の左回胴の4番のBAR図柄)」が基準位置に位置するときに回胴停止ボタンが停止操作されたときは、4コマの滑りコマを用いる回胴停止制御が行われても、左回胴20aにおける「赤ベルの小役の入賞成立図柄(図3の左回胴の12番の赤7図柄)」を入賞ライン上に引き込むことができない。このため、赤ベルの小役の入賞成立が不可能となり、遊技者による回胴停止ボタンの操作タイミングに応じて、内部当選している赤ベルの小役の入賞成立が回避されることとなる。そして、このことは第2JAC遊技の終了条件である「1回の小役の入賞成立」の成立を回避することになるので、BB遊技の終了を抑制しつつ第2JAC遊技を継続させることが可能となる。
【0232】
以上のように、第2JAC遊技において、小役を単独で当選するように設定すると、遊技者に対して、第2JAC遊技を継続するために小役の入賞成立を回避させる(入賞成立している小役を推測させる(選択させる))遊技性を提供することができ、遊技者の遊技興趣を高めることが可能となる。
【0233】
尚、赤ベル、白ベル、バーベルの小役の何れかに内部当選した場合に、サブ制御基板220のCPU221が、「何れかの小役に当選したこと」を小役の種類は認識できないように報知する演出を行うようにしてもよい(例えば、「危険!」の表示演出等)。こうすると、再遊技B役の入賞成立を期待して遊技を進行している遊技者に対し、この時だけ第2JAC遊技を継続させるために、小役の入賞成立を回避させる(入賞成立している小役を推測させて(選択させて)入賞成立を回避させる)遊技性を実現できる。
【0234】
また、赤ベル、白ベル、バーベルの小役の何れかに内部当選した場合に、サブ制御基板220のCPU221が、内部当選している小役の入賞成立を回避可能な態様で報知する演出を行うようにしてもよい(例えば、赤ベルが内部当選している場合に「白ベルを狙え!」の表示演出を行う等)。こうすると、再遊技B役の入賞成立を期待して遊技を進行している遊技者に対し、この時だけ第2JAC遊技を継続させるために停止表示させる図柄を狙わせる遊技性(目押しゲーム)を実現できる。
【0235】
また、上述した実施例では、1回の小役入賞で第2JAC遊技が終了し、第2JAC遊技とBB遊技が同時に終了する場合が生じるものとしていた。しかし、第2JAC遊技中にBB遊技の終了を抑制する態様は、これに限定されるものではなく、次のようにしても良い。たとえば、第2JAC遊技中の小役の入賞成立の可能性をゼロにし(小役に内部当選しないようにする、または、小役に内部当選しても、該小役に対応した図柄組合せが入賞ライン上に停止表示されないようにする)、第2JAC遊技中に遊技メダルが払い出される可能性をゼロにする。これにより、第2JAC遊技中にBB遊技が終了することを確実に防止できる。
【0236】
また、第2JAC遊技が発生したときのBB遊技の進行状況に応じて、第2JAC遊技中の遊技条件を可変させる(変更する)構成としても良い。例えば、第2JAC遊技が発生したときのBB遊技の「BB遊技が開始してからの遊技メダルの払い出し量が、BB遊技の終了条件に達するまでの残り量(BB遊技の終了条件に達するのに必要な量)」が、入賞成立可能な小役1回での払い出し量(例えば15枚)より少ない場合(例えば、残り14枚等)には、そのときの第2JAC遊技での「小役1回入賞時の払い出し量」を本来の払い出し量よりも減少させるように調整設定(例えば、小役1回に対する払い出し量を13枚に変更設定)するように構成しても良い。このようなことは、BB遊技フラグがONに設定されている間(BB遊技中)の遊技媒体の払い出し量を計数しておき、該払い出し量が所定量(BB遊技の終了条件より少ない量、例えば385枚)に達したら、第2JAC遊技フラグがOFFに設定されるまでは(第2JAC遊技が終了するまでは)、小役の入賞が成立したとしても、通常より少なく払い出すようにすることよっても実現可能である。
【0237】
このように、第2JAC遊技が発生したときのBB遊技の「BB遊技の終了条件に達するまでの残り量(BB遊技の終了条件に達するのに必要な量)」に応じて、第2JAC遊技の遊技条件(小役が入賞成立したときの払い出し量)を変更する手段(遊技条件設定手段)を備えることで、BB遊技の終了間際に第2JAC遊技が発生した場合であっても、第2JAC遊技をBB遊技の終了よりも前に完結させる可能性を高めることができ、上記遊技性をより効果的に実施できる。
【産業上の利用可能性】
【0238】
本発明は、遊技ホールで用いられる回胴式遊技機に利用することができる。
【符号の説明】
【0239】
1…回胴式遊技機(遊技機)、20a,20b,20c…回胴、36…スタートレバー(回転開始部材)、38a,38b,38c…回胴停止ボタン(回転停止部材)、200…主制御基板、201…CPU(特殊期間発生手段、特殊期間終了手段、ボーナス終了抑制手段)、220…サブ制御基板、221…CPU(表示回数計数手段、特典付与手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
規定数の遊技媒体の投入を検出した後に回転開始部材の操作を検出して、複数の図柄が表示された回胴を回転させ、その後に回転停止部材の操作を検出して、回転している前記回胴を停止させたときに停止表示される停止図柄に応じて遊技媒体を払い出す遊技を行うとともに、該遊技の進行中に所定の遊技条件が成立すると、遊技者にとって有利なボーナス遊技状態を開始して、該ボーナス遊技状態での遊技の進行中に払い出された遊技媒体が所定量に達すると該ボーナス遊技状態を終了する回胴式遊技機において、
前記ボーナス遊技状態での遊技の進行中に所定の開始条件が成立することで、該開始条件の成立前に比べて特殊図柄の停止表示確率が向上する特殊期間を、当該ボーナス遊技状態での遊技の進行中に所定回数の遊技が行われるまで発生させる特殊期間発生手段と、
前記特殊期間中に前記特殊図柄が停止表示された回数を計数する表示回数計数手段と、
前記特殊期間中に前記表示回数計数手段によって計数された前記特殊図柄の停止表示回数が多いほど、前記ボーナス遊技状態の終了後に大きな特典を遊技者に付与する特典付与手段と、
前記特殊期間中に遊技媒体が払い出される頻度を、前記ボーナス遊技状態における該特殊期間以外の期間に比して低下させることにより、前記特殊期間中に前記ボーナス遊技状態が終了することを抑制するボーナス終了抑制手段と
を備えることを特徴とする回胴式遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の回胴式遊技機において、
ボーナス終了抑制手段は、前記特殊図柄として遊技媒体の払い出しを伴わない図柄を設定することで、前記特殊期間中に前記ボーナス遊技状態が終了することを抑制することを特徴とする回胴式遊技機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の回胴式遊技機において、
前記ボーナス終了抑制手段は、
前記特殊期間中に遊技媒体の払い出しを伴う払出図柄が停止表示される確率を、前記ボーナス遊技状態における該特殊期間以外の期間に比して低下させることにより、前記特殊期間中に前記ボーナス遊技状態が終了することを抑制することを特徴とする回胴式遊技機。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の回胴式遊技機において、
前記ボーナス終了抑制手段は、
前記特殊期間を開始するときの前記ボーナス遊技状態の残り払い出し可能枚数が所定枚数以下のときに、当該特殊期間中に前記遊技媒体が払い出される頻度を、前記ボーナス遊技状態における該特殊期間以外の期間に比して低下させることにより、前記特殊期間中に前記ボーナス遊技状態が終了することを抑制することを特徴とする回胴式遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2012−55590(P2012−55590A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203735(P2010−203735)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】