説明

回路基板付カートリッジ

【課題】従来の回路基板及び回路基板上の電極端子が剛性であるため、プリンタの振動によるバネ板電極の押圧変動を吸収することができなく接触不良を起こし印刷できないという問題があった。
【解決手段】複数段の弾性電極端子を有する印刷装置に装着され、前記複数段電極端子に対応するマトリクス電極端子を備えた回路基板付カートリッジであって、前記回路基板は、フレキシブル回路基板であり且つ前記回路基板のマトリクス電極端子の内少なくとも複数は前記印刷装置の電極端子と接触する接触部が前記フレキシブル回路基板内で相対的に変形可能となる構成とした。これにより、バネ板電極の押圧変動(バラツキ)を吸収し、回路基板の電極端子とバネ板電極との接触状態を良好に維持した回路基板付カートリッジを提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に装着される回路基板付カートリッジに関する。さらに詳しくは、印刷装置の振動などによるバネ板電極の押圧変動があってもその振動や押圧変動を吸収し、回路基板の電極端子とバネ板電極との接触状態を良好に維持し、バネ板電極である印刷装置の複数段の弾性電極端子とマトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板の電極端子との接触性を向上させた回路基板付カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置の一例として挙げられるインクジェット式プリンタは、通常、装置内のカートリッジ装着部に装着されたインクカートリッジに貯留されているインクを記録ヘッドへ送り込み、この記録ヘッドが用紙等の被記録媒体にインク滴を噴射・塗布することで、画像や文字の記録を行う。
【0003】
インクジェット式プリンタにおける記録ヘッドは、熱や振動を利用してインク滴の噴射を制御するもので、インクカートリッジがインク切れになり、インクが供給されない状態でインク吐出動作を行う空打ちが発生すると、故障する可能性がある。
【0004】
そこで、インクジェット式プリンタでは、記録ヘッドが空打ちをしないように、インクカートリッジにおけるインク残量を監視するために、インク残量などの情報を備えた「剛体をなす回路基板(以下、単に回路基板と称する)」を設けたインクカートリッジが提案されている。このインクカートリッジに備えられた回路基板はプリンタに備えられた電極と当接され、インクカートリッジのインク情報のやり取りを相互に行い、プリンタの制御回路によりインク残量の情報管理が行われている。(例えば特許文献1)
【0005】
しかし、上記プリンタに備えられた電極は一定の押圧力を有するものの細い板バネなどで一般に構成されているため、プリンタの振動などによる接触不良を起こして印刷ができなくなるという問題があった。
【0006】
上記の問題点を解決するために、回路基板をインクカートリッジに取り付けるに際し、インクカートリッジと回路基板の間にコイルバネを介して取り付けることによりプリンタ側の電極との接触を所定の押圧加重を保持することにより、プリンタ側の電極と回路基板の電極との接触不良を改善する方法が提案されている。(特許文献2)また、上記特許文献2の技術は、電極数が少なく電極が一列に配列された回路基板に適用されたものであって、インクカートリッジの情報を管理する情報量が少ないカートリッジに適用されたものであった。
【0007】
今日のインクカートリッジは、カラーインクが多色化されインク色の数が多くなってきているとともに、インクカーカートリッジに関する情報管理がインク残量のみならずインクの色情報やインクカートリッジのご装着を防止するための情報など、インクカートリッジに関する管理情報が多くなっている。そのために、電極数を多数有する回路基板を備えたインクカートリッジが提案されている。(例えば特許文献3)
【0008】
特許文献3のインクカートリッジは電極の数が9個備えられた回路基板を有するインクカートリッジである。この特許文献3のインクカートリッジに備えられた回路基板は、図3に示されるように上段に4個、下段に5個の電極が配列されている。一方プリンタ側の電極は、図6に示されるように回路基板の電極と対応するように細い板バネが上下に2列に配列されている。この回路基板を備えたインクカートリッジをプリンタに装着すると、プリンタ側の電極と回路基板の電極とが当接され、インク情報などのカートリッジに関する情報のやり取りが相互に行われプリンタの制御回路によりインク残量等の種々の情報管理が行われることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−189993号公報
【特許文献2】特開2007−237657号公報
【特許文献3】特開2007−196664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献2の技術の回路基板は、回路基板自体が剛性であるため、裏からバネで弾性を付与しても、結果的に回路基板全体が傾斜するだけで、弾性電極個々のバラツキを吸収することはできなかった。また、上記特許文献2と同様に、特許文献3の技術の回路基板も、回路基板自体が剛性であるため、裏からバネで弾性を付与しても、結果的に回路全体が傾斜するだけで、弾性電極個々のバラツキを吸収することはできないし、さらに電極数が9個も備えられた回路基板にあっては、上記特許文献2の技術を適用しても効果は得られない。電極を多数有する回路基板においては接触不良を起こして印刷ができなくなるという問題がしばしば発生するため接触不良を起こすことなく良好に印刷することができるインクカートリッジが必要であると本発明者らは認識した。
【0011】
上記問題点に鑑み、本発明者らが上記の問題点について鋭意研究した結果、印刷装置の複数段の弾性電極端子はバネ板電極で構成されているが、このバネ板電極と回路基板の電極端子との接触変動、印刷装置の振動によるバネ板電極の押圧変動を吸収できないために接触不良を起こす一要因となっていることを本発明者らは見出した。特に、バネ板電極と回路基板上に構成された剛性の電極端子との当接状態が、印刷装置の振動によりバネ板電極が回路基板の電極からずれたり、弾んだりして前記両電極同士の接触が一瞬離れて接触不良が起こる。即ち回路基盤に設けられた電極が剛性で硬く固体であるため多数の電極各々に対して、バネ板電極の押圧変動を吸収できず接触不良の発生率を下げられないことも見出した。
【0012】
上記問題点に鑑み、さらに本発明者らが上記の問題点について鋭意研究した結果、頻繁に行う印刷装置に装着するカートリッジの交換や印刷休止のときの着脱などにより相対的にカートリッジ挿入方向に関して下流側よりも上流側に位置するバネ板電極が変形しているものもあることがわかった。これは印刷装置の上下方向に配置の場合、バネ板電極上部の方が下部のバネ板電極よりも回路基板の電極端子との接触距離が長いためにバネ板電極が変形すると考えられ、バネ板電極の押圧力の変動は、カートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部に対応するバネ板電極上部の方が前記軸の下部に対応するバネ板電極下部よりも大きいことを本発明者らが見出した。
【0013】
即ち、従来の回路基板は、振動による該バネ板電極の押圧変動を吸収することができないという欠陥がある。本発明は上記の見出した知見により、印刷装置の振動やバネ板電極の変形によるバネ板電極の押圧変動(バラツキ)があっても、回路基板の複数段個々の電極の押圧変動を吸収し、回路基板の電極端子と前記バネ板電極である印刷装置の電極端子との接触状態を維持し、印刷装置の複数段の弾性電極端子個々と回路基板の複数段電極端子個々との接触性を向上させることを課題とし、接触不良を抑制した回路基板を備えたカートリッジを提供することを目的とする。この目的は、特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
即ち、本発明の第1の発明は、複数段の弾性電極端子を有する印刷装置に装着され、前記複数段電極端子に対応するマトリクス電極端子を備えた回路基板付カートリッジであって、前記回路基板はフレキシブル回路基板であり且つ前記回路基板のマトリクス電極端子の内少なくとも複数は前記印刷装置の電極端子と接触する接触部が前記フレキシブル回路基板内で相対的に変形可能であることを特徴とする回路基板付カートリッジである。
【0015】
本発明の第2の発明は、第1の発明に記載の回路基板付カートリッジが前記マトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板とカートリッジの間に当接体を備えていることを特徴とする回路基板付カートリッジである。
【0016】
本発明の第3の発明は、第2の発明に記載の当接体がカートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部が厚く下部が薄くなるようにカートリッジの一つの面に備えられ、前記当接体は前記マトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板と当接する当接面を有していること特徴とする回路基板付カートリッジである。
【0017】
本発明の第4の発明は、第3の発明に記載の当接体がカートリッジの装着方向軸に対して前記軸の下部に向かって徐々に薄くなるように傾斜していることを特徴とする回路基板付カートリッジである。
【0018】
本発明の第5の発明は、第3の発明に記載の当接体がカートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部が厚く下部が薄くなる段を有していることを特徴とする回路基板付カートリッジである。
【0019】
本発明の第6の発明は第2の発明ないし第5の発明のいずれかに記載の当接体が、ゴム、スポンジ、ウレタン等の軟弾性部材からなる弾性部材で構成されていることを特徴とする回路基板付カートリッジである。
【0020】
本発明の第7は、第2の発明ないし第5の発明のいずれかに記載の当接体が着脱自在の枠体で構成されていることを特徴とする回路基板付カートリッジである。
【0021】
本発明の第8は、第7の発明に記載の着脱自在の枠体がカートリッジの一面においてスライド式、嵌め込め式及びねじ込め式の何れかであることを特徴とする回路基板付カートリッジである。
【0022】
本発明の第9は、第8の発明に記載の枠体が開口部を有し、前記開口部を塞ぐように前記マトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板が前記枠体に当接されていることを特徴とする回路基板付カートリッジである。
【0023】
本発明の第10は、第9の発明に記載の枠体の開口部に、ゴム、スポンジ、ウレタン等の軟弾性部材からなる弾性部材が収納され、前記弾性部材に前記マトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板が当接されていることを特徴とする回路基板付カートリッジである。
【0024】
本発明の第11は、第10の発明に記載の弾性部材がカートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部が厚く下部が薄くなるように構成された当接面を有していることを特徴とする回路基板付カートリッジである。
【0025】
本発明の第12は、第11の発明に記載の弾性部材がカートリッジの装着方向軸に対して前記軸の下部に向かって徐々に薄くなるように傾斜していることを特徴とする回路基板付カートリッジである。
【0026】
本発明の第13は、第12の発明に記載の弾性部材がカートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部が厚く下部が薄くなる段を有していることを特徴とする回路基板付カートリッジである。
【0027】
本発明の第14は、第1の発明ないし第13の発明のいずれかに記載のマトリクス電極端子が不規則に配置されかつ形状が各々異なることを特徴する回路基板付カートリッジである。
【0028】
本発明の第15は、第1の発明ないし第14の発明のいずれかに記載のマトリクス電極端子が、厚さが異なることを特徴とする回路基板付カートリッジである。
【0029】
本発明の第16は、第1の発明ないし第15の発明のいずれかに記載のマトリクス電極端子が9個以上であることを特徴とする回路基板付カートリッジである。
【0030】
本発明の第17の発明は、第1の発明ないし第16の発明のいずれかに記載の回路基板付カートリッジが、インクカートリッジ、トナーカートリッジ及びリボンカートリッジの何れかであることを特徴とする回路基板付カートリッジである。
【0031】
本発明の第18の発明は、第7の発明ないし第9の発明のいずれかに記載の枠体が前記フレキシブル回路基板を保持する取り付け体を有していることを特徴とする回路基板付カートリッジ。
【0032】
本発明の第19の発明は、第18の発明に記載の取り付け体が前記フレキシブル回路基板の前記マトリクス電極端子と押接される高低差を持つ受け部を有していることを特徴とする回路基板付カートリッジ。
【発明の効果】
【0033】
本発明者らは、印刷装置の複数段の弾性電極端子はバネ板電極で構成されているが、このバネ板電極と回路基板の電極端子との接触変動、印刷装置の振動によるバネ板電極の押圧変動を吸収できないために接触不良を起こす一要因となっていることを見出した。特に、バネ板電極と回路基板上に構成された剛性の電極端子との当接状態が、印刷装置の振動によりバネ板電極が回路基板の電極からずれたり、弾んだりして当該電極同士の接触が一瞬離れて接触不良が起こる。即ち回路基盤に設けられた電極が剛性で硬く固体であるため多数の電極各々に対して、バネ板電極の押圧変動を吸収できず接触不良の発生率を下げられないことも見出した。
【0034】
上記の問題に対し、本発明の第1の発明である回路基板付カートリッジは、複数段の弾性電極端子を有する印刷装置に装着され、前記複数段電極端子に対応するマトリクス電極端子を備えた回路基板付カートリッジであって、前記回路基板はフレキシブル回路基板であり且つ前記回路基板のマトリクス電極端子の内少なくとも複数は前記印刷装置の電極端子と接触する接触部が前記フレキシブル回路基板内で相対的に変形可能であるという構成としている。
【0035】
さらに詳しくは、マトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板のマトリクス電極端子の内少なくとも前記複数段印刷装置の電極端子と接触する接触部が前記フレキシブル回路基板内で相対的に変形可能であるという構成、さらには個々の前記接触部をフレキシブル回路基板内で変形可能となる構成にしているので、従来では成しえなかったバネ板電極の押圧力のバラツキや振動を吸収し、前記マトリクス電極端子と前記バネ板電極である印刷装置の電極端子との接触状態を前記両電極同士を個々に維持することができるために、印刷装置の複数段の弾性電極端子とフレキシブル回路基板のマトリクス電極端子との接触性が向上し、接触不良を抑制することができるという効果を奏する。
【0036】
さらに本発明者らは、頻繁に行う印刷装置に装着するカートリッジの交換や印刷休止のときの着脱などにより相対的にカートリッジ挿入方向に関して下流側よりも上流側に位置するバネ板電極が変形しているものもあることがわかった。これは印刷装置の上下方向に配置の場合、バネ板電極上部の方が下部のバネ板電極よりも回路基板の電極端子との接触距離が長いためにバネ板電極が変形すると考えられ、バネ板電極の押圧力の変動(バラツキ)は、カートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部に対応するバネ板電極上部の方が前記軸の下部に対応するバネ板電極下部よりも大きいことを本発明者らが見出した。
【0037】
上記のような問題に対し、本発明の第2の発明ないし第5の発明である回路基板付カートリッジは、前記回路基板付カートリッジが前記マトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板とカートリッジの間に当接体を備えていること、さらに前記当接体がカートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部が厚く下部が薄くなるようにカートリッジの一つの面に備えられ、前記当接体は前記マトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板と当接する当接面を有している構成としている。そのため印刷装置の複数段の弾性電極端子と回路基板のマトリクス電極端子との接触性がさらに向上し、接触不良を抑制することができるという効果を奏する。
【0038】
さらに詳しくは、上記の本発明の第2の発明ないし第5の発明の構成、即ち、前記回路基板付カートリッジが前記マトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板とカートリッジの間に当接体を備えていること、さらに前記当接体がカートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部が厚く下部が薄くなるようにカートリッジの一つの面に備えられ、前記当接体は前記マトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板と当接する当接面を有している構成とし、この当接面に前記マトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板を当接している。
【0039】
そして、印刷装置の複数段の弾性電極端子であるバネ板電極上部は、前記当接体の上部に当接される構成にもなっている。そのため、前記当接体上部と前記バネ板電極上部との接触圧が大きくなり、したがって、バネ圧のバラツキが大きい上部のバネ板電極との接触圧がさらに向上し、印刷装置の複数段の弾性電極端子と回路基板のマトリクス電極端子との接触不良をさらに抑制することができるという上記の効果を奏することができる。
【0040】
また、本発明の第6の発明である回路基板付カートリッジは、前記当接体がゴム、スポンジ、ウレタン等の軟弾性部材からなる弾性部材で構成されている。そのため、マトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板のマトリクス電極端子の内少なくとも複数は前記印刷装置の電極端子と接触する接触部が前記フレキシブル回路基板内で相対的に変形可能であることさらには個々の前記接触部をフレキシブル回路基板内で変形可能となることの第1の発明の構成の効果に加えて、前記したように前記バネ板電極の押圧力のバラツキや振動の吸収を前記弾性部材によってさらに向上させると同時に、前記弾性体の弾性抗力によって前記マトリクス電極端子と該バネ板電極との接触性をさらに向上させることができ、また前記両電極同士の接触状態の維持性能もさらに向上させることができるという効果を奏する。そのため印刷装置の複数段の弾性電極端子と回路基板のマトリクス電極端子との接触不良をさらに抑制することができるという効果を奏することができる。
【0041】
さらに前記弾性部材からなる当接体を、カートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部が厚く下部が薄くなる構成にすることにより、前記した本発明の第2の発明ないし第5の発明の構成の効果に加えて、さらに印刷装置の複数段の弾性電極端子と回路基板のマトリクス電極端子との接触不良をさらに抑制することができるという効果を奏することができる。
【0042】
また、本発明の第7の発明ないし第13の発明の回路基板付カートリッジは、前記当接体を着脱自在の枠体で構成しているので、上記発明の構成の効果に加えて、マトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板の機能を再リセットし直すことにより、印刷が終了した前記フレキシブル回路基板を再利用することができる。
【0043】
そのため、資源の再利用化や前記回路基板付カートリッジの製作工程を簡略することができるとともに本発明の回路基板付カートリッジを安価に製造することができるという優れた効果を奏することができる。
【0044】
また、本発明の第15の発明の回路基板付カートリッジは、上述したような本発明の構成に加えて、本発明者らが見出した、回路基版に備えた電極端子は制作上、必ずしも該電極端子の全てが同一厚みで個々の電極の平面が同一面上に揃っているわけではなく、この電極の製作上のバラツキも起因して接触不良を引き起こすこということに対しても、前記バネ板電極の押圧力のバラツキや振動を吸収し印刷装置の複数段の弾性電極端子と回路基板のマトリクス電極端子との接触不良を抑制することができるという効果を奏することができる。
【0045】
また、本発明の第18の発明ないし第19の発明の回路基板付カートリッジは、上述したような本発明の構成に加えて前記枠体が前記フレキシブル回路基板を保持する取り付け体を有していること、また、前記取り付け体が前記フレキシブル回路基板の前記マトリクス電極端子と押接される高低差を持つ受け部を有している構成としている。したがって、本発明のマトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板は前記バネ板電極の押圧力によって変形自在であるとともに前記回路基板自体が弾性体であり弾性力を有しているので、前記取り付け体に高低差が形成された受け部に前記フレキシブル回路基板の前記マトリクス電極端子が押接される構成とすることにより、前記受け部の高低差山部に前記バネ板電極の押圧力が大きくかかる。そうすると、実質的に係合する前記バネ電極のバネ弾性力を強化して接触性を確保することができる。さらに前記フレキシブル回路基板の前記山部周辺は、前記回路基板自体が弾性体であり弾性力を有しているのでその弾性力によりバネ板電極と前記フレキシブル回路の接触性が確保できる。したがって、前記フレキシブル回路基板に備えられた前記マトリクス電極端子と前記バネ板電極との接触性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す模式図である。
【図2A】本発明のマトリクス電極端子を有するフレキシブル回路基板の実施形態を示す模式図である。
【図2B】本発明のマトリクス電極端子を有するフレキシブル回路基板の実施形態を示す模式図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す模式図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示す模式図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示す模式図である。
【図6A】本発明の他の実施形態を示す模式図である。
【図6B】本発明の他の実施形態を示す模式図である。
【図7】本発明の他の実施形態を示す模式図である
【図8】従来の回路基板電極を有する回路基板の模式図である。
【図9】従来の回路基板が印刷装置に装着される様子を示す模式図である。
【図10】本発明の他の実施形態を示す模式図である
【図11】本発明の他の実施形態を示す模式図である
【図12】本発明の他の実施形態を示す模式図である
【図13】本発明の他の実施形態を示す模式図である
【図14】本発明の他の実施形態を示す模式図である
【図15】本発明の他の実施形態を示す模式図である
【発明を実施するための形態】
【0047】
(本発明の第1の実施の形態)
以下に、本発明の実施の形態を図1〜図9に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を示す模式図である。図1のaは、カートリッジ本体を構成する一つの面に、マトリクス電極端子を有するフレキシブル回路基板2を備えた本発明の回路基板付カートリッジを示す模式図であり、図1のbは、マトリクス電極端子を有するフレキシブル回路基板2を、カートリッジ本体を構成する一つの面に埋設して備えた本発明の回路基板付カートリッジ1の模式図である。また、図2は本発明のマトリクス電極端子5を有するフレキシブル回路基板2の一例を示す模式図である。
【0048】
本発明の第1の実施の形態である回路基板付カートリッジ1は、複数段の弾性電極端子を有する印刷装置に装着され、前記複数段電極端子7に対応するマトリクス電極端子5を備えた回路基板付カートリッジ1であって、前記回路基板はフレキシブル回路基板2であり且つ前記回路基板のマトリクス電極端子5の内少なくとも複数は前記印刷装置の電極端子7と接触する接触部が前記フレキシブル回路基板2内で相対的に変形可能であるという構成としている。
【0049】
本発明で使用する前記フレキシブル回路基板2は、本実施の形態では、図2のaに示すように、マトリクス電極端子5が不規則に配置されかつ形状が各々異なるように配列した構成のものを使用している。そして、図2のb〜dに示すように自在に変形可能なフレキシブル回路基板2であって、前記回路基板に設けられたマトリクス電極端子5も変形可能となっている。さらに前記フレキシブル回路基板2はそれ自体が弾性体であって弾性力を有するものである。
【0050】
したがって、本発明の回路基板付カートリッジ1を複数段の弾性電極端子7を有する印刷装置に装着した場合、本発明で使用するフレキシブル回路基板2は、バネ板電極で構成される複数段の弾性電極端子7の押圧力によって変形可能であり、また、複数段の弾性電極端子7の押圧力によってマトリクス電極端子5の個々も変形可能となっている。
【0051】
そのために、印刷装置の複数段の弾性電極端子7の個々と回路基板のマトリクス電極端子5の個々との接触性が向上し、接触不良を抑制することができるという効果を奏する。
【0052】
さらに詳しくは、マトリクス電極端子5を備えたフレキシブル回路基板2のマトリクス電極端子5の内少なくとも前記複数段印刷装置の電極端子7と接触する接触部が前記フレキシブル回路基板2内で相対的に変形可能であるという構成、さらには個々の前記接触部をフレキシブル内で変形可能となる構成にしているので、従来では成しえなかったバネ板電極7の押圧力のバラツキや振動を吸収し、前記マトリクス電極端子5と前記バネ板電極である印刷装置の電極端子7との接触状態を前記両電極同士を個々に維持することができるために、印刷装置の複数段の弾性電極端子7とフレキシブル回路基板2のマトリクス電極端子5との接触性が向上し、接触不良を抑制することができるという効果を奏する。
【0053】
上記のとおり、本発明は、印刷装置の振動やバネ板電極の変形によるバネ板電極の押圧変動(バラツキ)があっても、回路基板の複数段個々の電極の押圧変動を吸収し、回路基板の電極端子と前記バネ板電極である印刷装置の電極端子との接触状態を維持し、印刷装置の複数段の弾性電極端子個々と回路基板の複数段電極端子個々との接触性を向上させるという課題を解決し、接触不良を抑制した回路基板を備えたカートリッジを提供することができる。
【0054】
本発明の回路基板付カートリッジ1を用いて、印刷試験した結果、印刷装置の振動によるバネ板電極7が回路基板の電極からずれたり、弾んだりして前記両電極同士の接触が離れることなく、即ち印刷装置の振動やバネ板電極の変形によるバネ板電極7の個々の押圧変動(バラツキ)を吸収し接触不良は全く起こらなく良好に印刷をすることができた。
【0055】
図8に従来の回路基板電極を有する回路基板の模式図を示す。図8のaは従来の剛性の電極である回路基板電極11を回路基板10に備えたものであり、図8のbは、この回路基板が印刷装置のバネ板電極7と接触していることを示す模式図である。従来の電極端子11及び回路基板10が剛性であるため、電極端子11とバネ板電極7との当接状態が、印刷装置の振動によりバネ板電極が回路基板の電極からずれたり、弾んだりして当該電極同士の接触が一瞬離れて接触不良が起こるのである。即ち回路基盤10に設けられた電極端子11が剛性で硬く固体であるため多数の電極各々に対して、バネ板電極7の押圧変動を吸収できず接触不良の発生率を下げられないのである。
【0056】
(本発明の第2の実施の形態)
図3は本発明の第2の実施の形態を示す模式図である。図3のaは、前記回路基板付カートリッジ1が前記マトリクス電極端子5を備えたフレキシブル回路基板2とカートリッジの間に当接体6を備えて、さらに前記当接体6がカートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部が厚く下部が薄くなるようにカートリッジの一つの面に備えられ、前記当接体6は前記マトリクス電極端子5を備えたフレキシブル回路基板2と当接する当接面にマトリクス電極端子を有するフレキシブル回路基板2を当接した例の模式図である。図3のbは、上記構成の回路基板付カートリッジ1を印刷装置に装着し、印刷装置の複数段の弾性電極端子7と当接している様子を示す模式図である。
【0057】
本発明の第2の実施の形態である回路基板付カートリッジ1は、前記回路基板付カートリッジ1が前記マトリクス電極端子5を備えたフレキシブル回路基板2とカートリッジの間に当接体6を備えている構成とすることができる。また、前記当接体6は、カートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部が厚く下部が薄くなるようにカートリッジの一つの面に備えられ、前記当接体は前記マトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板2と当接する当接面を有する構成とし、この当接面に対してマトリクス電極端子5を備えたフレキシブル回路基板2を当接するような構成とすることが好ましい。ここで、前記軸の上部が厚く下部が薄くなる構成とは、前記下部の方向に薄くなっていれば、前記軸の上部において軸の垂直方向が湾曲した面を有し端部に向かって薄くなった構成も本発明の構成に含まれる。
【0058】
また、前記当接体6は、カートリッジの装着方向軸に対して前記軸の下部に向かって徐々に薄くなるように傾斜させた構成とすることができる。またさらに、前記当接体6は、前記軸の上部が厚く下部が薄くなる段を有した構成とすることができる。
【0059】
本発明者らによると、頻繁に行う印刷装置に装着するカートリッジの交換や印刷休止のときの着脱などにより相対的にカートリッジ挿入方向に関して下流側よりも上流側に位置するバネ板電極が変形しているものもあることがわかった。これは印刷装置の上下方向に配置の場合、バネ板電極上部の方が下部のバネ板電極よりも回路基板の電極端子との接触距離が長いためにバネ板電極が変形すると考えられ、バネ板電極の押圧力の変動(バラツキ)は、カートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部に対応するバネ板電極上部の方が前記軸の下部に対応するバネ板電極下部よりも大きいことを本発明者らが見出した。
【0060】
上記のバネ板電極の変形について図9を参照して説明する。図9のaは回路基板10が印刷装置に装着され始めの状態であり、図9のbは装着途中の状態であり、図9のcは装着完了の状態である。図からわかるように、印刷装置のバネ板電極7の上部7Aは、回路基板の装着時から完了時まで回路基板10の電極端子11と接触する距離が長いことがわかる。そのため、上記したように、カートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部に対応するバネ板電極上部7Aの方が前記軸の下部に対応するバネ板電極下部7Bよりもバネ板電極の変形(バネ板電極の押圧力の変動)が大きいのである。
【0061】
上記のような問題点に対し、第2の実施の形態では、即ち本発明の第2の発明ないし第5の発明の回路基板付カートリッジ1は、前記回路基板付カートリッジ1が前記マトリクス電極端子5を備えたフレキシブル回路基板2とカートリッジの間に当接体6を備えていること、さらに前記当接体6がカートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部が厚く下部が薄くなるようにカートリッジの一つの面に備えられ、前記当接体6は前記マトリクス電極端子5を備えたフレキシブル回路基板2と当接する当接面を有している構成としている。そのため印刷装置の複数段の弾性電極端子7と回路基板のマトリクス電極端子5との接触性がさらに向上し、接触不良を抑制することができるという効果を奏する。
【0062】
さらに詳しくは、印刷装置の複数段の弾性電極端子7であるバネ板電極上部7Aは、前記当接体6の上部に当接される構成になっている。そのため、前記当接体6上部と前記バネ板電極上部7Aとの接触圧が大きくなり、したがって、バネ圧のバラツキが大きい上部のバネ板電極7Aとの接触圧がさらに向上し、印刷装置の複数段の弾性電極端子7とフレキシブル回路基板のマトリクス電極端子5との接触不良をさらに抑制することができるという効果を奏することができる。
【0063】
上述したような本発明の当接体6は、カートリッジの筺体と一体的に成型してもよく、着脱方式にしてもよい。当接部の材質をプラスティックで構成した場合は特に限定しないが、比較的軟質な材料、軟質PVC、EVACが好ましく使用される。さらに、前記当接体6は当接体6の内部を空洞にして、前記マトリクス電極端子5を備えたフレキシブル回路基板2の弾性力を発現する構成としてもよい。当接体6を上記のような空洞の構成にした場合は、後に詳述するようにさらに前記フレキシブル回路基板2とバネ板電極7との接触性がより向上するので望ましい。
【0064】
次に本発明の他の実施の形態である回路基板付カートリッジ1について説明する。本実施の形態では、当接体6が、ゴム、スポンジ、ウレタン等の軟弾性部材からなる弾性部材で構成されている。本実施の形態例についての模式図を図4及び図5に示す。
【0065】
本実施の形態では、当接体6をゴム、スポンジ、ウレタン等の軟弾性部材からなる弾性部材で構成している。図4のaは、前記回路基板付カートリッジ1が前記マトリクス電極端子5を備えたフレキシブル回路基板2とカートリッジの間にゴム、スポンジ、ウレタン等の軟弾性部材からなる弾性部材で構成し、さらに前記当接体6をカートリッジの装着方向軸に対して前記軸の下部に向かって徐々に薄くなるように傾斜した構成としたものをカートリッジの一つの面に備えている例を示している。そして、図4のaは、前記当接体6の当接面にマトリクス電極端子5を有するフレキシブル回路基板2を当接した例の模式図を示している。図4のbは、上記構成の回路基板付カートリッジ1を印刷装置に装着し、印刷装置の複数段の弾性電極端子7と当接している様子を示す模式図である。
【0066】
上記のとおり、前記当接体6をゴム、スポンジ、ウレタン等の軟弾性部材からなる弾性部材で構成しているので、第1の実施の形態で前述した第1の実施の形態の効果に加えて、図4のbで示した模式図のように、当接体6を構成する弾性部材の弾性力が、フレキシブル回路基板2を介して前記バネ板電極7上部7Aの押圧力のバラツキや振動を吸収し、また、前記弾性体の弾性抗力によって前記した該マトリクス電極端子5と前記バネ板電極7上部7Aとの接触性をさらに向上させていることがわかる。
【0067】
したがって、前記両電極同士の接触状態の維持性能をさらに向上させることができるので印刷装置の複数段の弾性電極端子7と回路基板のマトリクス電極端子5との接触不良をさらに抑制することができるという効果を奏する。
【0068】
また、図5は、上記当接体6の構成をカートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部が厚く下部が薄くなる段を有する構成とした例を模式図で示したものである。図5のaは、上記と同様に、弾性部材からなる当接体6をカートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部が厚く下部が薄くなった段を有する構成としたものをカートリッジの一つの面に備えている例を示した模式図であって、図5のbは、回路基板付カートリッジ1を印刷装置に装着し、印刷装置の複数段の弾性電極端子7上部と当接している様子を示す模式図である。図5のbの模式図で示すように、第1の実施の形態で前述した第1の実施の形態の効果に加えて、当接体6を構成する弾性部材の弾性力が、フレキシブル回路基板2を介して前記バネ板電極7上部の押圧力のバラツキや振動を吸収し、また、前記弾性体の弾性抗力によって前記した該マトリクス電極端子5と該バネ板電極7上部との接触性をさらに向上させていることがわかる。
【0069】
したがって、前記両電極同士の接触状態の維持性能をさらに向上させることができるので印刷装置の複数段の弾性電極端子7と回路基板のマトリクス電極端子5との接触不良をさらに抑制することができるという効果を奏する。
【0070】
さらに、本発明の他の実施の形態である回路基板付カートリッジについて説明する。本実施の形態では、本発明の当接体6が着脱自在の枠体で構成されている。本実施の形態例についての模式図を図6に示す。図6のaは、枠体8に、マトリクス電極端子5を有するフレキシブル回路基板2を埋設して取り付けて当接体6とした模式図である。図6のbは、枠体8に、マトリクス電極端子5を有するフレキシブル回路基板2を枠体の表面に取り付けて当接体6とした模式図である。図6のcは、空洞9を有する枠体8に、マトリクス電極端子5を有するフレキシブル回路基板2を埋設して取り付けて当接体6とした模式図である。図6のdは、空洞9を有する枠体8に、マトリクス電極端子5を有するフレキシブル回路基板2表面部に取り付けて当接体6とした模式図である。
【0071】
本発明の当接体6は、カートリッジの筺体に着脱自在の構成としているが着脱の構造は特に限定されるものではない。また、当接部としての枠体8の材質としてプラスティックで構成する場合特に限定しないが、比較的軟質な材料、軟質PVC、EVACとすることができる。比較的軟質な材料とすることにより、マトリクス電極端子5を有するフレキシブル回路基板2のマトリクス電極端子5の内少なくとも前記複数段印刷装置の電極端子7と接触する接触部が前記フレキシブル回路基板2内で相対的に変形する機能をより発現しやすくなるので好ましい。
【0072】
本実施の形態は、上述した実施の形態の作用効果に加えて、下記の効果が得られるのでより好ましい。本発明の当接体を着脱自在の枠体で構成しているので、マトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板の機能をリセットし直すことにより、印刷が終了した前記フレキシブル回路基板を再利用することができ資源の再利用化や前記回路基板付カートリッジの製作工程を簡略することができる。それに伴い本発明の回路基板付カートリッジを安価に製造することができる。
【0073】
上記した本発明の当接体を着脱自在の枠体とする構成は、特に限定されなく種々の方式を採用することができるが、カートリッジの一面においてスライド式、嵌め込め式及びねじ込め式の何れかを採用することができる。本発明のマトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板が変形自在であり印刷装置の振動によるバネ板電極7の押圧変動を吸収することができるので、枠体を嵌着自在とする前記の構成を採用することができ且つ回路基板の取替えが容易でありまた再利用できるといった前記の効果が得られる点で好ましい。
【0074】
本発明の実施の形態である図6のcの模式図では、空洞9を有する枠体8に、マトリクス電極端子5を有するフレキシブル回路基板2を埋設して取り付けて当接体6を構成している。また、図6のdの模式図では、空洞9を有する枠体8の表面にマトリクス電極端子5を有するフレキシブル回路基板2を取り付けて空洞9を有する当接体6を構成している。
【0075】
本実施の形態の図6のc及びdはともに、本発明のマトリクス電極端子5を有するフレキシブル回路基板2のマトリクス電極端子5の内少なくとも前記複数段印刷装置の電極端子7と接触する接触部が前記フレキシブル回路基板2内で相対的に変形するが、該回路基板2が接触する印刷装置の電極端子7とは対抗する面側を空洞としている。
【0076】
そのため当接体6を構成する空間部がクッション的な働きを生じ、フレキシブル回路基板2を介して前記バネ板電極7の個々の押圧力がフレキシブル基板マトリクス電極端子5の個々の押圧力のバラツキや印刷装置の振動による当該両電極の押圧変動を吸収し、また、フレキシブル回路基板が有する弾性抗力によって、前記した印刷装置の複数段の弾性電極端子(バネ板電極)7個々と回路基板の複数段マトリクス電極端子5個々との接触性を向上させることができる。
【0077】
また、本実施の形態の他の例として、上記図6のc及びdの模式図で示した空洞9を有する枠体8を当接体6とする空洞9内に、ゴム、スポンジ、ウレタン等の軟弾性部材からなる弾性部材を埋設し、その表面に前記マトリクス電極端子を有するフレキシブル回路基板を当接してもよい。
【0078】
この場合、上記した当接体自身をゴム、スポンジ、ウレタン等の軟弾性部材からなる弾性部材で構成した場合と同様に、当接体6を構成する弾性部材が、フレキシブル回路基板2を介して、前記バネ板電極7やフレキシブル基板マトリクス電極端子5個々の押圧力のバラツキや印刷装置の振動による前記両電極の押圧変動を吸収し、また、弾性部材が有する弾性抗力によって、前記した印刷装置の複数段の弾性電極端子(バネ板電極)7個々と回路基板の複数段マトリクス電極端子5個々との接触性を向上させることができるのでこのましい。
【0079】
またさらに、空洞9を有する枠体8に埋設したゴム、スポンジ、ウレタン等の軟弾性部材からなる弾性部材の構成を、弾性部材がカートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部が厚く下部が薄くなるように構成してもよく、また、弾性部材がカートリッジの装着方向軸に対して前記軸の下部に向かって徐々に薄くなるように傾斜する構成としてもよく、さらに、弾性部材がカートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部が厚く下部が薄くなる段を有する構成としてもよい。また、カートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部が厚く下部が薄くかつ前記軸の上部において軸の垂直方向が湾曲した面を有するとともに端部に向かって薄くなっている構成としてもよい。
【0080】
前記弾性部材を上記のような構成とすることにより、前述したような、第1の実施の形態の効果に加えて、当接体6を構成する弾性部材の弾性力が、フレキシブル回路基板2を介して前記バネ板電極7上部の押圧力のバラツキや振動を吸収し、また、前記弾性体の弾性抗力によって前記マトリクス電極端子5と前記バネ板電極7上部との接触性をさらに向上させることができるのでより好ましい。
【0081】
また、上記した実施の形態の当接体6をカートリッジに当接して本発明の回路基板付カートリッジ1とする場合の模式図を図6のe及びfに示した。また、枠体8を当接体6とした本実施の形態では空洞9内には弾性部材を充填していてもしていなくてもよい。本実施の形態では前記当接体6がカートリッジの一面に設けた凹部14に対し図6のfで示した矢印の方向にスライドさせて取り付けられる場合の例を示している。
【0082】
さらに詳しくは、本実施の形態例では、カートリッジの凹部14内にはさらに当接体6に設けた複数の凸部16に対応する凹部15が設けられており、当接体6を前記凹部14に矢印の方向からスライド式に挿入し前記凸部16と前記凹部15が勘合され固着される構成となっている。本実施の形態では、当接体6をスライド式で当接する例を示したがこれに限定されるものではなく当接体6が着脱自在に構成されていれば本発明に含まれる。
【0083】
さらに、当接体6を枠体8で構成される他の実施の形態について説明する。
図6の(g)及び(h)は、枠体8に設けた空間部9に前記フレキシブル回路基板2を当接する保持部材17を設けその保持材の当接面に前記フレキシブル回路基板2を当接する構成としたものである。このような構成も本発明の構成に含まれる。さらに詳しくは、図6の(g)及び(h)に示した当接体6は枠体8で構成され、その枠体8に空間部9を設けさらにその空間部9内に図示される保持部材17を設けた構成とされた実施の形態である。
【0084】
そして、前記保持材17は、カートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部が厚く下部が薄くかつ前記軸の上部において軸の垂直方向が湾曲した面を有するとともに端部に向かって薄くなっている構成としている。本発明においては当接体6の構成が上記のような構成も本発明の構成に含まれる。要するに、前記軸の上部が厚く下部が薄くなる構成とは、前記下部の方向に薄くなっていれば、上記のような構成も本発明の構成に含まれるのである。
【0085】
前記したように本発明のマトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板2は前記バネ板電極7の押圧力によって変形自在であるとともに前記回路基板2自体が弾性体であり弾性力を有している。また、保持部材17上部の中央部は厚みが厚くなっているので、前記弾性力を有するフレキシブル回路基板2の前記中央付近には前記バネ板電極7の押圧力が大きくかかる。そうすると前記フレキシブル回路基板2の中央付近はへこんでその周辺は弾性体の弾性抗力が高まり、その弾性抗力によりバネ板電極7と前記フレキシブル回路2の接触性が向上し前記フレキシブル回路基板2に備えられた前記マトリクス電極端子5と前記バネ板電極7との接触性を向上させることができる。
【0086】
上記のように構成された本発明の回路基板付カートリッジ1を用いて、印刷試験した結果、印刷装置の振動によるバネ板電極7が回路基板の電極からずれたり、弾んだりして前記両電極同士の接触が離れることなく、即ち印刷装置の振動やバネ板電極の変形によるバネ板電極7の個々の押圧変動(バラツキ)を吸収し接触不良は全く起こらなく良好に印刷をすることができた。
【0087】
また、本発明の他の実施の形態として、本発明に使用するフレキシブル回路基板2に備えるマトリクス電極端子5は、図2に示すように前記マトリクス電極端子が不規則に配置されかつ形状が各々異なる構成とすることができる。
【0088】
また、また、本発明の他の実施の形態として、本発明に使用する回路基板付カートリッジは、回路基版に備えた電極端子は制作上、必ずしも前記電極端子の全てが同一厚みで個々の電極の平面が同一面上に揃っているわけではなく、この電極の製作上のバラツキも起因して接触不良を引き起こすこということに対しても、前記バネ板電極の押圧力のバラツキや振動を吸収し印刷装置の複数段の弾性電極端子と回路基板のマトリクス電極端子との接触不良を抑制することができる。
【0089】
上記の実施の形態の例として、図7にその模式図を示す。図7は上記のように、回路基版に備えた電極端子は制作上、必ずしも電極端子の全てが同一厚みで個々の電極の平面が同一面上に揃っていないマトリクス電極7がフレキシブル回路基板2に備えられているケースを示したものである。このケースは、ゴム、スポンジ、ウレタン等の軟弾性部材からなる弾性部材を当接体6として、この当接体の当接面にマトリクス電極端子5を有するフレキシブル回路基板2を当接し、カートリッジの一面に当接して本発明の回路基板付カートリッジ1を構成したものである。
【0090】
そして、図7中の5Aと5Bとが製作上において、電極の厚みで異なり個々の電極の平面が同一面上に揃ってなく、マトリクス電極端子5Aが5Bより厚みが厚い(ミクロン単位の厚みの差)ことを示しているが、前記弾性体を当接体としていること及びマトリクス電極とフレキシブル回路基板が図2で説明したように変形自在であるため、複数段印刷装置の電極端子7のバネ押圧により前記弾性体がその押圧を吸収しまたその弾性効力により前記両電極の接触性が良好に接触することができる。
【0091】
また、さらに本発明の他の実施の形態である回路基板付カートリッジ1について図10〜図12を参照して説明する。本実施の形態では、図12に図示するように、前記枠体8が、内部が空洞9を有し、前記フレキシブル回路基板2を保持する取り付け体18を有する構成となっている。そして、前記取り付け体18は、前記枠体8を前記図6の(e)(f)のようにカートリッジに装着し、本発明の回路基板付カートリッジ1を複数段の弾性電極端子7(バネ板電極)を有する印刷装置に装着したとき、前記バネ板電極7と接触する方向の枠対8の面上に前記取り付け体18が設けられた構成となっている。そして前記マトリクス電極端子を有するフレキシブル回路基板2は、前記取り付け体18面上に取り付けられる構成となっている。また、本実施の形態では、前記フレキシブル回路基板2上のマトリクス電極端子5部分は取り付け体18上面に配置されるが、前記フレキシブル回路基板2に設けられたメモリー24や配線(図示せず)分部を有する箇所の前記フレキシブル回路基板2は、取り付け体18の開口部19を介して枠体8内の空洞9部に収納されている。
【0092】
このような構成とすることにより、前記したように、マトリクス電極端子5を備えたフレキシブル回路基板2のマトリクス電極端子5の内少なくとも前記複数段印刷装置の電極端子7と接触する接触部が、前記フレキシブル回路基板2内で相対的に変形可能であるという構成、さらには個々の前記接触部をフレキシブル内で変形可能となる構成にしているので、従来では成しえなかったバネ板電極7の押圧力のバラツキや振動を吸収し、前記マトリクス電極端子5と前記バネ板電極である印刷装置の電極端子7との接触状態を前記両電極同士を個々に維持することができるために、印刷装置の複数段の弾性電極端子7とフレキシブル回路基板2のマトリクス電極端子5との接触性が向上し、接触不良を抑制することができるという効果を奏する。また、フレキシブル回路基板2に設けられたメモリー24や配線(図示せず)などが前記枠体8の前記空洞9内に収納されているので、外部と接触することがなく摩擦や衝撃から保護される構成となっている。
【0093】
また、本実施の形態の前記取り付け体18は、図10及び図11に図示するように、前記取り付け体18が前記フレキシブル回路基板2の前記マトリクス電極端子5と押接される高低差を持つ受け部19を有する構成となっている。本実施の形態の前記受け部19は、前記フレキシブル回路基板2が装着される方向(図10及び図12の矢印方向)の先端側の受け部19b及び前記後端側の受け部19aからなっており、前記先端側の受け部19bは、3つの山部を有する高低差が形成されている。また、前記後端側の受け部19aは中央部が1つの山部を有する高低差が形成されている。そして本実施の形態では、前記取り付け体18の厚さは1.0mmで形成されており、この場合の前記受け部19に形成された高低差は0.2mmである。前記前記取り付け体18に形成される高低差としての山部大きさや数は、印刷装置の電極端子7(バネ電極)のバネのばらつき特性を考慮して適宜定めることができる。
【0094】
また、前記取り付け体18は、前記マトリクス電極端子を有するフレキシブル回路基板2を固着するための固着用凸部20が複数形成され、前記取り付け体18を前記枠体8に固着するための固着用穴部22及び固着用開口部23が形成された構成となっている。前記固着用凸部20は、前記フレキシブル回路基板2に形成された穴部(図示せず)と係合される構成になっている。また、前記固着用穴部22及び固着用開口部23は、前記枠体8に形成された係合突起(図示せず)と係合されて固着される構成になっている。
【0095】
前記したように、本発明のマトリクス電極端子5を備えたフレキシブル回路基板2は前記バネ板電極7の押圧力によって変形自在であるとともに前記回路基板2自体が弾性体であり弾性力を有しているので、前記取り付け体18に高低差が形成された受け部19に前記フレキシブル回路基板2の前記マトリクス電極端子5が押接される構成とすることにより、前記受け部19の山部に前記バネ板電極7の押圧力が大きくかかる。そうすると、実質的に係合する前記バネ電極のバネ弾性力を強化して接触性を確保することができる。さらに前記フレキシブル回路基板の前記山部周辺は、前記回路基板自体が弾性体であり弾性力を有しているのでその弾性力によりバネ板電極と前記フレキシブル回路の接触性が確保できる。したがって、前記フレキシブル回路基板に備えられた前記マトリクス電極端子と前記バネ板電極との接触性を向上させることができる。したがって、前記フレキシブル回路基板2に備えられた前記マトリクス電極端子5と前記バネ板電極7との接触性を向上させることができるので、バネ板電極7の押圧力のバラツキや振動を吸収し、前記マトリクス電極端子5と前記バネ板電極である印刷装置の電極端子7との接触状態を前記両電極同士を個々に維持することができる。そして、印刷装置の複数段の弾性電極端子7とフレキシブル回路基板2のマトリクス電極端子5との接触性が向上するので、接触不良を抑制することができるという効果を奏する。
【0096】
また、以下に本発明の他の実施の形態である回路基板付カートリッジ1について図13〜図15を参照して説明する。本他の実施の形態は、前記図10〜12を用いて説明した実施の形態例の変形例である。本実施の形態では、図13〜図15に図示するように、前記説明した本発明の他の実施の形態例の構成に加えて、前記フレキシブル回路基板2を保持する取り付け体18の先端部(前記フレキシブル回路基板2が装着される方向で図13〜図15の矢印方向)に前記フレキシブル回路基板2を装着固定するための固定保護部25を有する構成となっている。前記固定保護部25についてさらに図15を参照して説明する。図示するように、前記取り付け体18は前記先端部に固定保護部25を有している。そしてフレキシブル回路基板2の先端部が前記固定保護部25に当接して固定される構成となっている。さらに、前記固定保護部25の端部は本発明の回路基板付カートリッジ1が前記複数段の弾性電極端子7(バネ板電極)を有する印刷装置に装着しやすいようにRを有する構成になっている。このような本発明の他の実施の形態例で示すような構成とすることにより、前記回路基板付カートリッジ1を前記複数段の弾性電極端子7(バネ板電極)を有する印刷装置に装着する場合に、取り付け体18に固定したフレキシブル回路基板2先端部のめくれや破損を防止することができるとともに、前記回路基板付カートリッジ1の装着がスムーズに行うことができるという効果を奏する。
【0097】
また、前記取り付け体18は、前記フレキシブル回路基板2の前記マトリクス電極端子5と押接される高低差を持つ受け部19を有する構成となっているが、本実施の形態の前記受け部19は、前記フレキシブル回路基板2が装着される方向(図10及び図12の矢印方向)の先端側の受け部19b及び前記後端側の受け部19aからなっており、前記先端側の受け部19bと前記後端側の受け部19aとの高低差は、前記後端側の受け部19aの方が厚みが高く前記先端側の受け部19bの方が厚みが低い構成とすることが望ましい。このような構成とすることにより、本発明の回路基板付カートリッジ1を前記複数段の弾性電極端子7(バネ板電極)を有する印刷装置に装着する場合にスムーズに無理なく装着することができる。
【0098】
さらに、前記複数段の弾性電極端子7(バネ板電極)は前記図9を用いて前述したように、印刷装置のバネ板電極7の上部7Aは、回路基板の装着時から完了時まで回路基板10の電極端子11と接触する距離が長いことがわかる。そのため、カートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部に対応するバネ板電極上部7Aの方が前記軸の下部に対応するバネ板電極下部7Bよりもバネ板電極の変形(バネ板電極の押圧力の変動)が大きくバネ板電極7の上部はバネ板の押圧力が弱くなっているため、前記先端側の受け部19bと前記後端側の受け部19aとの高低差は、前記後端側の受け部19aの方が厚みが高く前記先端側の受け部19bの方が厚みが低い構成とすることにより、前記バネ板電極の押圧力のバラツキや振動を吸収し印刷装置の複数段の弾性電極端子と回路基板のマトリクス電極端子との接触不良をさらに抑制することができるという効果を奏することができる。
【0099】
また、前記先端側の受け部19bと前記後端側の受け部19a各々の高低差は、夫々の受け部に設けられる山部の高低差が、前記先端側の受け部19bの場合は0.1mm〜0.2mm、前記後端側の受け部19aの場合は0.2mm〜0.4mmとすることができるが、前記取り付け体18に形成される高低差としての山部大きさや数は、印刷装置の電極端子7(バネ電極)のバネのばらつき特性を考慮して適宜定めることができる。さらにフレキシブル回路基板の各電極端子に対応するように前記受け部19の高低差を適宜定めることができる。
【0100】
上記したように、電極の製作上のバラツキが起因して接触不良を引き起こすこということに対しても、前記バネ板電極の押圧力のバラツキや振動を吸収し印刷装置の複数段の弾性電極端子と回路基板のマトリクス電極端子との接触不良を抑制することができるという効果を奏することができる。
【0101】
また、本発明の構成を使用することにより、フレキシブル回路基板にマトリクス端子が多数、例えば9個以上ある場合であっても本発明の効果が得られるという点で優れている。
【0102】
またさらに、本発明の回路基板付カートリッジは、インクカートリッジ、トナーカートリッジ、リボンカートリッジなどインクの種類に関係なく種々の印刷装置に用いるカートリッジに適用することができる。
【0103】
上述のとおり、本発明の回路基板付カートリッジ1は、マトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板2のマトリクス電極端子5の内少なくとも複数は前記印刷装置の電極端子7と接触する接触部が前記フレキシブル回路基板2内で相対的に変形可能であるという構成、さらには、前記回路基板付カートリッジ1が前記マトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板2とカートリッジの間に当接体6を備えていること、また、前記当接体6がカートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部が厚く下部が薄くなるようにカートリッジの一つの面に備えられ、前記当接体6は前記マトリクス電極端子5を備えたフレキシブル回路基板2と当接する当接面を有している構成とし、この当接面に前記マトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板2を当接していること、また、前記当接体6をゴム、スポンジ、ウレタン等の軟弾性部材からなる弾性部材で構成されていることから、印刷装置の振動やバネ板電極7の変形によるバネ板電極7の押圧変動(バラツキ)があっても、回路基板の複数段個々の電極の押圧変動を吸収し、回路基板の電極端子5と前記バネ板電極である印刷装置の電極端子7との接触状態を維持し、印刷装置の複数段の弾性電極端子7個々と回路基板の複数段電極端子5個々との接触性を向上させるという課題を解決し、接触不良を抑制した回路基板を備えた回路基板付カートリッジを提供することができるという優れた効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明の回路基板付カートリッジは、インクカートリッジ、トナーカートリッジ、リボンカートリッジなどインクの種類に関係なく、印刷装置に使用する電極を有する回路基板を備えた種々のカートリッジに適用することができる。
【符号の説明】
【0105】
1 回路基板付カートリッジ
2 マトリクス電極端子を有するフレキシブル回路基板
3 インク室
4 インク吐出口
5 マトリクス電極端子(5A、5B)
6 当接体
7 印刷装置に備えられる複数段の弾性電極端子(バネ板電極)(7A、7B)
8 枠体
9 空洞
10 回路基板
11 電極端子
12 メモリー
13 カートリッジの装着方向(矢印方向)
14 凹部
15 凹部
16 凸部
17 保持部材
18 取り付け体
19 受け部
20 固着用凸部
21 開口部
22 枠体への固着用穴部
23 枠体への固着用開口部
24 メモリー
25 固定保護部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数段の弾性電極端子を有する印刷装置に装着され、前記複数段電極端子に対応するマトリクス電極端子を備えた回路基板付カートリッジであって、前記回路基板はフレキシブル回路基板であり且つ前記回路基板のマトリクス電極端子の内少なくとも複数は前記印刷装置の電極端子と接触する接触部が前記フレキシブル回路基板内で相対的に変形可能であることを特徴とする回路基板付カートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載の回路基板付カートリッジが前記マトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板とカートリッジの間に当接体を備えていることを特徴とする回路基板付カートリッジ。
【請求項3】
請求項2に記載の当接体がカートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部が厚く下部が薄くなるようにカートリッジの一つの面に備えられ、前記当接体は前記マトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板と当接する当接面を有していること特徴とする回路基板付カートリッジ。
【請求項4】
請求項3に記載の当接体がカートリッジの装着方向軸に対して前記軸の下部に向かって徐々に薄くなるように傾斜していることを特徴とする回路基板付カートリッジ。
【請求項5】
請求項3に記載の当接体がカートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部が厚く下部が薄くなる段を有していることを特徴とする回路基板付カートリッジ。
【請求項6】
請求項2ないし5のいずれかに記載の当接体が、ゴム、スポンジ、ウレタン等の軟弾性部材からなる弾性部材で構成されていることを特徴とする回路基板付カートリッジ。
【請求項7】
請求項2ないし5のいずれかに記載の当接体が着脱自在の枠体で構成されていることを特徴とする回路基板付カートリッジ。
【請求項8】
請求項7に記載の着脱自在の枠体がカートリッジの一面においてスライド式、嵌め込め式及びねじ込め式の何れかであることを特徴とする回路基板付カートリッジ。
【請求項9】
請求項8に記載の枠体が開口部を有し、前記開口部を塞ぐように前記マトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板が前記枠体に当接されていることを特徴とする回路基板付カートリッジ。
【請求項10】
請求項9に記載の枠体の開口部に、ゴム、スポンジ、ウレタン等の軟弾性部材からなる弾性部材が収納され、前記弾性部材に前記マトリクス電極端子を備えたフレキシブル回路基板が当接されていることを特徴とする回路基板付カートリッジ。
【請求項11】
請求項10に記載の弾性部材がカートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部が厚く下部が薄くなるように構成された当接面を有していることを特徴とする回路基板付カートリッジ。
【請求項12】
請求項11に記載の弾性部材がカートリッジの装着方向軸に対して前記軸の下部に向かって徐々に薄くなるように傾斜していることを特徴とする回路基板付カートリッジ。
【請求項13】
請求項12に記載の弾性部材がカートリッジの装着方向軸に対して前記軸の上部が厚く下部が薄くなる段を有していることを特徴とする回路基板付カートリッジ。
【請求項14】
請求項1ないし13のいずれかに記載のマトリクス電極端子が不規則に配置されかつ形状が各々異なることを特徴する回路基板付カートリッジ。
【請求項15】
請求項1ないし14のいずれかに記載のマトリクス電極端子が、厚さが異なることを特徴とする回路基板付カートリッジ。
【請求項16】
請求項1ないし15のいずれかに記載のマトリクス電極端子が9個以上であることを特徴とする回路基板付カートリッジ。
【請求項17】
請求項1ないし16のいずれかに記載の回路基板付カートリッジが、インクカートリッジ、トナーカートリッジ及びリボンカートリッジの何れかであることを特徴とする回路基板付カートリッジ。
【請求項18】
請求項7ないし9のいずれかに記載の枠体が前記フレキシブル回路基板を保持する取り付け体を有していることを特徴とする回路基板付カートリッジ。
【請求項19】
請求項18に記載の取り付け体が前記フレキシブル回路基板の前記マトリクス電極端子と押接される高低差を持つ受け部を有していることを特徴とする回路基板付カートリッジ。


【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−30366(P2012−30366A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−167741(P2010−167741)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【出願人】(397025587)エステー産業株式会社 (38)
【Fターム(参考)】