回路構成
ガス放電ランプ(1)を駆動するためのドライバ(110,210)であって、1つの出力端子(18)と1つの入力端子(11)との間に接続され、中央タップ(15)を有する自動変圧器として実施される誘導性バラスト(14)と、第2出力端子(19)と第2入力端子(12)との間に接続されるトリアック(130)を有する。前記バラストの前記中央タップは、コンデンサ(150)を介して前記第2出力端子(19)に接続されている。制御ユニット(220)は、前記1つの入力端子(11)において入力電圧(VIN)の位相をセンスするためのセンス入力部(226)を有し、前記入力電圧(VIN)のゼロクロスの後に所定位相(φP)においてトリアック(130)をトリガするために適合され、前記所定位相(φP)はΔφ+10°乃至Δφ+15°の範囲内であり、Δφは前記入力電圧(VIN)についてのランプ電流(IL)の公称位相遅延である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、誘導性負荷回路を駆動する装置に関し、特に、ガス放電ランプを有する回路に関する。さらに詳細には、本発明は、そのようなガス放電ランプの起動位相の間に生じる問題に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス放電ランプを駆動するためのドライバは周知である。一般に、それらのドライバは、AC幹線電圧を受けることおよびガス放電ランプを駆動するために適する電力にこの入力幹線電圧を変換することが意図されている。ガス放電ランプに特有の問題は起動位相に関連する。オフの後にガス放電ランプを起動するために、ドライバは起動回路を備える。
【0003】
起動回路は、一般に周知である。起動回路がガス放電ランプを起動することに成功するという意味で、起動回路が満足のいくように機能するが、従来の起動回路は、幹線において比較的大きい非対称ピーク電流をもたらす。これは好ましくない。負荷に直列に接続されたNTC抵抗を用いてそのような大きいピーク電流を抑制することは、すでに知られている。しかしながら、不利点は、それらの構成要素の電流制限能力は、比較的短い時間のみであって、典型的には、10ミリ秒のオーダーのみ継続する一方、大きいピーク電流が生じ得る起動位相は、一般に、数百ミリ秒の間続き、1秒以上に及ぶことさえある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の重要な目的は、ガス放電ランプの起動位相の間の電流ピークが起こらないようにすることである。
【0005】
本発明のさらなる目的は、電流ピークを生じることなく、ガス放電ランプを調光することができる調光能力をもつドライバを提供することである。
【0006】
本発明は、大きい電流ピークが、一方で、イグニッション直後のランプの挙動により、他方で、ランプの誤ったイグニッションの時点によるという本発明者の認識に、一部、基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記電流ピークをもたらす物理的機構の理解にさらに基づいている。この理解に基づいて、本発明は、起動の間に、ランプ電流の位相に関連して特定時点においてイグニッションパルスを生成することを提供する。
【0008】
本発明の以上のおよび他の側面、特徴および優位性については、同じ参照番号が同じまたは類似する構成要素を示す図面を参照して好適な実施形態を以下の詳述において、さらに説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、ランプ電極2および3を有するが図放電ランプを駆動するための従来のドライブ10のブロック図を模式的に示している。駆動回路10は、代表的には、230VのオーダーのAC幹線電圧Vinに接続するための入力端子11および12を有する。従来のドライバ10は、ランプ1、スイッチ13およびバラスト装置14を有する。バラスト装置14は、受けた幹線電圧をより大きい電圧に変換するために機能し、一般に、中央タップ15をもつ自動変圧器として実行される。ランプおよびバラスト装置の直列の組み合わせは幹線電源への誘導性負荷を有する。
【0010】
従来のドライバ10は、バラスト装置14の中間端子15に接続された1つの端子21を有する起動回路20と、1つのランプ電極2に接続された第2端子22と、他のランプ電極3に接続された第3端子23とをさらに有する。後にさらに詳細に説明するように、従来のドライバ10の起動回路20は、AC電圧正弦波の正の半サイクルおよび負の半サイクルの両方の間に、ランプ電極2、3間でイグニッションパルスを生成するためにデザインされる。代表的には、各々の半周期の間のイグニッションパルス数は2以上である。イグニッションパルスの後、ガス放電ランプが点弧されたとき、起動回路はその点弧パルスの点弧を停止する。
【0011】
以下、が図放電ランプの電気的挙動については、制限は高流電圧Vinにより供給される誘導性負荷Lにより電流ILの波形を模式的に示す図2を参照して説明する。その負荷電流ILはランプの電流と同じであり、それ故、以後この電流ILをランプ電流としても表すこととする。さらに、ランプ電圧は、実質的にランプ電流と同位相である。
【0012】
一般に知られているように、誘導性負荷に対して、電圧に対して電流は遅延し、即ち、入力幹線電圧Vinと負荷電流ILの位相との間の位相差Δφが存在する。理想的な状態において、負荷は純粋な誘導性負荷として挙動する場合、この位相差Δφは90°より小さく、位相遅延Δφの正確な値は実際のバラスト装置と実際のランプ1の組み合わせに依存する。例えば、特定の実際的な状態に対して、ランプが起動したばかりであり、尚も比較的冷たいとき、この位相遅延Δφは70°のオーダーであり、図2に示した値である。ランプの温度が上昇するとき、位相遅延Δφは減少し、約40秒のオーダーの時間の期間において一般に達する定常状態においては、位相遅延Δφはこの実際の状況においては、役45°乃至50°である。以下において、位相遅延Δφは、ランプ1とバラスト装置14の組み合わせの特性と考えられる。
【0013】
しかしながら、ランプが起動するとき、問題が生じる。ガス放電ランプが起動するとき、その電極はいまだに動作可能な温度に達していない。ランプ電極がそれらの定常状態の動作可能温度に達するまでに幾らかの時間を要し、その時間は、一般に、0.5秒のオーダーである。ウォーミングアップ位相の間に、2つのランプ電極は非対称にウォームアップされることが可能であり、このことは、ウォーミングアップの期間の間に、前記2つのランプ電極の間に温度差が存在することを意味する。この温度差は、ランプのバーン電圧におけるオフセットをもたらす。また、バラスト装置自身は、DCオフセットをもたらす。全体的に、DCオフセットは、バラスト装置を通って流れる電流におけるDCオフセットをもたらす、バラスト装置における電圧をもたらす。ランプバラストによる最大有効電流は、磁気材料の量に依存する上限を有する、バラストのコア材料における最大有効磁束密度に関連する。この材料が磁気飽和に達する場合、バラストの誘導性の値は非常に減少し、その結果、ランプ電流はさらに増加する。それ故、ランプ電流は、40Aおよびそれ以上のオーダーのピーク値に達することが可能である。
【0014】
本発明の特性に従って、特に起動位相におけるが図放電ランプを駆動する方法であって、そのような大きいランプ電流の発生が、一方で、ランプ電流の振幅を制限し、他方で、次の半分の周期の間の特定の時間の間にゼロ水準に保たれることを確実にする、方法を提案する。本発明のさらなる特徴に従って、同じ原理をランプを調光するために用いることができる。
【0015】
本発明の特有の特徴に従って、電圧パルスに関して適切なタイミングで、実質的に同時にイグニッションパルスと起動パルスとを生成することにより、これを達成することができる。さらに詳細には、前記パルスは、好適には、Δφと90°との間の時間窓の範囲内において、位相遅延Δφの後に時間窓の範囲内に生成される。最も好適には、前記パルスは、Δφより10乃至15°遅延してパルス位相φpにおいて生成される。
【0016】
本発明の特徴にさらに従って、上記方法を実行するために適合される、起動回路とイグニッション回路の組み合わせを有するガス放電装置を駆動するためのドライバを提供する。
【0017】
図2において、幹線電圧Vinのゼロクロスは0°とみなされる。ランプイグニッションパルスをPLに示し、それらランプイグニッションパルスのタイミングをイグニッションパルス位相φPとして示し、幹線電圧周期に関して°を単位として示す。
【0018】
従来の起動回路においては、イグニッションパルスPLの位相φPは、代表的には、電圧周期の正の半分に関して40°と90°との間の範囲内のどこかおよび負の電圧の半分に関して220°と270°との間のどこか位置している。イグニッションパルスPLの位相φPの正確な値は、ランダムであるかまたは前記範囲のいずれかの所定値に固定されることが可能である。しかしながら、従来の起動回路にはランプ電流ILの実際の位相遅延Δφが考慮されておらず、イグニッションパルスPLの位相φPは全く適切ではなく、ランプの起動時に、このことは大きい非対称突入電流に導かれることとなる。
【0019】
しかしながら、本発明の重要な特徴に従って、起動位相の間に、イグニッションパルスのタイミングは実際の電流位相に関連して実行される。さらに詳細には、イグニッションパルス位相φPを、ランプ電流ILの実際の位相遅延より大きくなるようにとる。本発明の他の重要な特徴に従って、ランプ電流は、ゼロに近づくとすぐにゼロにされ、次のイグニッションパルスまで、ゼロパルスに保たれる。
【0020】
図2の第4のグラフは、起動位相の間に得られるランプ電流ILSの波長を示している。イグニッションパルスPLの発生において、ランプ電流ILSは大きくなり始める。しかしながら、イグニッションパルスPLはランプの位相遅延Δφより大きいため、ランプ電流ILSは、第2のグラフにおいて示すような定常状態の条件下でランプ電流ILより遅延して大きくなりはじめ、それ故、ランプ電流ILSは定常状態の状況においてランプ電流を比較して常に小さい。
【0021】
また、ランプ電流ILSは、定常状態の条件下のランプ電流ILが有したのと略同じ時点t2にピーク値を有するが、そのピーク値IMはここでは小さい。
【0022】
また、起動位相の間に、定常状態の状況におけるランプ電流ILがゼロに達した時間(Δφ+90°)より速い時間t3にランプ電流ILSはゼロに達することが、図2から理解できる。本発明に従って、ランプ電流ILSは、次のイグニッションパルスPLが生成される時間(φP+90°)まで、ゼロ水準を保つ。
【0023】
従って、ランプ電流ILSは、定常状態の状況下でランプ電流ILの元々のゼロクロス(Δφ+90°)の前に始まり、前記元々のゼロクロスの後に終わる、暗期間tDの間にオフになる。
【0024】
結果的に得られるランプ電流の制限は、ランプ電圧におけるオフセットの有効な場合にバラストの飽和が、少なくとも大きい範囲に対して、起こらないようにする。
【0025】
幹線の周期の各々の半分の暗期間の間に電流がゼロに保たれるという事実は、新しいイグニッションパルスが生成される前に、一種の回路のリセットをもたらす。この結果、非対称な現象を起こす可能性のある効果的な抑制がもたらされる。
【0026】
イグニッションパルス位相φPの正確な値は、起動位相の間に、ランプ電流の波長に対して大きな影響を与えることが、上記から明らかである。φPが小さ過ぎる場合は、ランプのイグニッションの後、幹線における非対称電流パルスにそれ自身により導くことが可能である飽和に、バラストが移行することが生じ得る。φPが大き過ぎる場合は、ランプの確実なイグニッションに対しては、ランプへのエネルギー入力は不十分である。
【0027】
代表的には、起動回路は特定のバラストおよびランプの組み合わせのためにデザインされ、それ故、ランプ電流と幹線電圧との間のパルス遅延Δφは、予め、比較的高精度のデザイン値である。それ故、位相遅延Δφのデザイン値より大きい所定の固定値においてイグニッションパルス位相φPの正確な値を設定することが可能である。
【0028】
好適には、イグニッションパルス位相φPはΔφから90°までの範囲内の所定値に設定される。
【0029】
さらに好適には、イグニッションパルス位相φPはΔφ+10°からΔφ+15°までの範囲内の所定値に設定されるが、90°より大きくない。
【0030】
Δφが約70°である、代表的な実際的な状況下では、イグニッションパルス位相φPについての適切な値は85°であることが分かった。
【0031】
図3Aは、ガス放電ランプ1のためのドライバ110の第1実施形態を模式的に示している。ドライバ110は、ランプ1に直列に接続される第1トリガ可能スイッチ130とバラスト14を有し、この第1トリガ可能スイッチはトリガ入力部131を有する。示したような好適な実施形態においては、第1トリガ可能スイッチはトライアックである。
【0032】
ドライバ110は、入力端子12に接続された1つの端子と自動変圧器バラスと14の中央端子にコンデンサを介して接続された他の端子とを有する第2トリガ可能スイッチ140をさらに有する。この第2トリガ可能スイッチはまた、好適には、図示するように、トリアックとして実施される。
【0033】
ドライバ110は、トリアック130のトリガ入力部131に接続された第1出力部123を有し、第2トリアック140のトリガ入力部141に接続された第2出力部124を有する制御ユニット120を有する。制御ユニット120はアナログ構成要素により実施されるが、好適には、正確なタイミングをとることが容易であるように、その制御ユニットはマイクロ制御器として実施される。他の実施もまた可能である。制御ユニット120は、当業者にはっきり理解されるであろうように、例えば、適切なプログラミングにより上記のような方法を実行するために適合される。
【0034】
当業者にはっきり理解されるであろうように、マイクロ制御器は、第1トリアック130および第2トリアック140それぞれをトリガすることに対して、出力部123および124において適切なトリガパルスを生成するために適合される。第2トリアック140をトリガする結果、自動変圧器バラスト14によりイグニッションパルスの生成がもたらされる。第1トリアック130をトリガすることにより、ランプ電流がスイッチングされる。
【0035】
以下に、ソフト開始位相について、より詳細に説明する。
【0036】
イグニッションパルスの生成
制御ユニット120が、例えば、開始信号入力部121に接続されるユーザ制御スイッチSにより、ランプ1を開始するためのコマンドを受ける場合、制御ユニット120は、幹線パルスに関して特定の所定イグニッションパルス位相φPで出力部123および124においてトリガパルスを生成し始める。このために、マイクロ制御器120は、入力端子11とマイクロ制御器120のセンス入力部126との間に接続される、高抵抗値(代表的には、1MΩのオーダー)をもつ抵抗として容易に実施されることが可能であるゼロクロス間出回路125と繋がっている。好適には、出力部123および124におけるトリガパルスは同時に生成されるが、少しの時間差は許容可能である。
【0037】
トリアック130および140をトリガした後、コンデンサ150における電流は共振する方式で増加し、実際の幹線電圧の値の2倍になるまでコンデンサ150を変化させる。バラスト14は自動変圧器として実施されるため、実際の幹線電圧にコンデンサ150において共振する方式で増加する電圧を加えたものは、バラスト14の出力16まで変圧され、それ故、バラスト14はその出力16において非常に大きいイグニッションパルスを効果的に生成し、このイグニッションパルスの大きさは、代表的には、2.5kVまたはそれ以上の範囲内にある。実際のイグニッションパルスの大きさは、特に、イグニッション時における幹線電圧の実際の値と、コンデンサ150の容量値と、バラスト14の一次、二次巻線比に依存する。イグニッションパルスの幅は、特に、コンデンサ150の容量により規定されるLC−時間の関係と、バラスト14の一次の半分であって、即ち、入力端子17と中央端子15との間の部分、の誘導値とに依存する。適切であることが分かった実施形態において、LC−時間の関係は約4乃至5kHzの共振周波数に対応するが、この共振周波数は、代表的には、3乃至6kHzの範囲内において選択されることが可能であり、他の周波数もまた可能である。
【0038】
ランプ電流の増加
バラスト14およびコンデンサ150は、バラスト14の出力16において生成されるイグニッションパルスの大きさが、イグニッションパルスがランプ電極2、3間に加えられる時点に機能停止するランプ1のイグニッション閾値より十分大きくなるように、デザインされている。その結果、ランプ電流ILSはランプ1を通って流れる。この場合、ランプ電流ILSは、イグニッションパルス位相φPが固有の電流パルス遅延Δφより大きいという事実のために、制限された最大値IMにのみ達することができる(図2における時間t2)。これについては図4に示されており、実験的な設定において測定されるトリガパルスPLについての電流ILSを示している。この段階における電流のピーク値IMは約2Aであることが、図4から明確に分かる。
【0039】
ランプ電流の減少
幹線電圧Vinが正弦波であって、最大値に達した後、減少するため、ランプ電流ILSはまた、その最大値に達した後、減少する。次いで、ある時点(図2における時間t3)に、ランプ電流ILSは、第1トリアック130が導電状態から非導電状態に移行し、ランプ電流が0になるような、第1トリアック130の電流維持水準を通過する。この時点はまた、減衰時点teとして表される。
【0040】
トリアック130および140の次のトリガパルスはφP+180°において生成され、再び、ランプが機能停止になり、ランプ電流がランプ1を流れるようになるが、ここでは、反対方向に流れる。同じ幹線電圧周期内のこの第2トリガ時点は、図4においてはφP2で表されている。それ故、図4および2からはっきり分かるように、ランプ電流ILSは、teとtP2との間の暗期間tDの間には0に保たれる。φPとteとの間の期間であって、電流がランプ1を通って流れる間は、活性期間tAと表される。上記の実験的設定においては、暗期間tDは実質的にはtAと等しく、図4からはっきり理解できる。
【0041】
開始段階の間に、上記の現象は180°毎に繰り返される。トリガパルスは、予測される電流遅延位相Δφより大きい値を有するように特別に選択されたイグニッションパルス位相φPにおいて生成される。各々のトリガパルスは、イグニッションパルスがバラスト14により生成されるようにし、各々のイグニッションパルスはランプ1が再び機能停止になるようにする。開始段階の間に、新しいイグニッションパルスが各々の暗期間tDの後に生成されるため、ランプ1はいずれのタイムリーでないde−ionizeする機会を得ることはない。
【0042】
ピーク値の増加
イグニッション段階の間に、ランプ電流のピーク値IMはその後の活性期間tAにおいて増加する。図5は、図4に関する異なる時間スケールにおけるランプ電流ILSを示すグラフである。イグニッション段階は、例えば約2.5秒のように、十分長くとられる。図5においては、時間スケールの水平方向の総時間は3.2秒に相当する。このグラフにおいて、イグニッション段階はAにより示されている。イグニッション段階Aは、2つの副段階に分割されることができ、図5においてはA1およびA2で示されている。イグニッション段階Aの第1副段階A1の間に、ランプ電流の最大値IMは、非対称な方式になるかもしれないが、増加する。これについては、第1副段階A1内の後の方の時点において得られる図4に類似するグラフである図6に示している。正の電流ピークは負の電流ピークより大きさが大きいことが、具体的には、図6の左の半分において、はっきりと理解できる。しかしながら、その後の電流ピーク間の暗期間tDのために、この技術の段階の問題点は効果的に抑えられる。
【0043】
約1秒後、電流パルスのピークの大きさIMはもはや増加しなくなる。このことは、図5の第2副段階A2への遷移を必要とする。ランプはここで十分機能しており、もはやいずれの非対象現象も現さなくなる。
【0044】
特に、第1副段階A1の間に、減衰時点teは増加したランプ電流のために後方の時点にシフトするので、暗期間tDは短くなる。このことは、すでに図6に示しており、また、図6に類似しているが、イグニッション段階Aの終了時についての図7に示している。イグニッション段階Aの後、第1トリアック130が連続的にトリガされる、ランプ1の標準的な動作段階Bに移行される。第2トリアックはまた、連続的にトリガされることが可能であるが、これは関連性がない。
【0045】
標準的動作
このような遷移は、図7において、はっきりと分かる。ここで、少なくとも第1トリアック130は一定の短絡回路であるとみなすことができ、ランプ回路は、ランプ1、バラスト14およびコンデンサ150によってのみ効果的に特徴付けられる。バラストが略飽和に近づいたことにより、ここで、ランプ電流が略三角形形状となったことが、図7において理解され、数十秒後であって、典型的には、30乃至50秒後に、電流は減少し、電圧は増加し、波形はよりサイン波形状になる。
【0046】
スイッチオフ
ランプのスイッチをオフにすることが所望される場合、制御ユニット120はトリガパルスを生成することを単純に停止する。
【0047】
図3Aのドライバ110は2つの制御可能スイッチを有する。図3Bは、1つの制御可能スイッチであって、この場合、トリアック130のみを有する本発明に従ったドライバ210の実施形態を示している。コンデンサ150は、ドライバ110にあるような自動変圧器バラスト14の中央タップ15に接続される1つの端子を有し、ランプ1とトリアック130との間のノードに接続される他の端子を有する。マイクロ制御器220は、トリアック130のトリガ入力部131に接続されるその出力部223にトリガパルスを生成するためにのみ必要である。
【0048】
図3Bのドライバ210は、当業者に理解されるであろうように、図3Aのドライバ110と同じ方法で動作し、制御器110が略同時に2つの出力部123および124においてトリガパルスを生成されることを考慮する。ドライバ210の有利点は、それが必要とする構成要素が少なくてすむことである。
【0049】
上記においては、本発明について、起動問題を解決することの関連で説明した。標準的動作においては、トリアックは連続的にトリガされる。しかしながら、本発明はまた、ランプを調光するため、即ち、標準的電力より小さい電力にのいてランプを動作するために、特に有用である。
【0050】
調光動作
図3Aを参照するに、例えば、調光信号入力部122に接続されたユーザ制御スイッチDによりランプ1を調光するためのコマンドを、通常動作中に、受ける場合、制御ユニット120は、幹線位相に関して特定の所定の調光パルス位相φdで出力部123および124において、再びトリガパルスの生成を開始する。電力出力、即ち、ランプまたは調光水準に導入される電力は、電流パルス遅延Δφに関する調光パルス位相φdのタイミングに依存する。さらに詳細には、φA=φd−Δφとして定義される調光角φAが略0である場合、ランプ電力は略通常の電力であり、殆ど調光は起こらない。調光角φAが増加する場合、暗期間tDは増加し、電流振幅IMは減少し、それ故、ランプ電力は減少し、調光量は増加する。
【0051】
調光は、幹線に電流ピークを生成することなく、この方法において達成されることができることに留意する必要がある。連続的な調光は、調光角φAを連続的に変化させることにより可能であることにさらに留意する必要がある。
【0052】
調光以外に、2つの離散的光強度水準、即ち、電力水準PL(低い)およびPH(高い)において動作を可能にすることはまた好ましい。最新技術においては、これは、補助バラストがメインバラストと並列の状態でスイッチング可能であるデザインにより実現される。この場合、メインバラストは低電力水準PLについてデザインされる一方、補助バラストは、高電力水準PHと低電力水準PLとの間の差に等しい差電力PDについてデザインされる。装置が低電力水準PLで動作することが所望される場合、メインバラストのみが使用される。装置が高電力水準PHにおいて動作することが所望される場合、補助バラストは、並列な状態でメインバラストと共にスイッチングされる。この先行技術の解決方法の不利点は、第2バラスト、スイッチおよび装置において第2バラストとスイッチとを接続するための配線を必要とすることである。
【0053】
本発明のさらなる特徴に従って、1つのバラストのみが必要であり、このバラストは高電力水準PHについてデザインされる。装置がこう電力水準PHにおいて動作することが所望される場合、そのバラストは通常電力で動作する。低電力水準PLで動作することが所望される場合、装置は上記のように調光される。
【0054】
上記において、説明したユーザ制御スイッチDは、ユーザがランプを調光したいことを知らせる。しかしながら、調光能力は安全手段として用いられることがまた可能である。例として、図8は、例えば、ハウジング303を有すると、垂直方向の動作可能位置に置くことができるポスト302と、優位性のある紫外光を生成するためにデザインされる種類の、上記のような、1つまたはそれ以上のガス放電ランプ1を収容し且つポスト302に接続される1つまたはそれ以上のランプハウジング301とを有するソラリウム等のタニング装置300を模式的に示している。動作において、ハウジング301は、ユーザがランプ1の下に横になることができるベッドのような支持台304の上に置かれる。ランプ1を駆動するために、装置300は、便宜上、図8のハウジング内に描いている、本発明の実施形態に従った、1つまたはそれ以上のドライバ110または210を有する。
【0055】
ポスト302の長さにより示されるように、ランプ1とベッド304との間の垂直方向の距離が特定の標準値を有するとき、装置300は、生成されるべき特定の公称の光電力のためにデザインされる。この垂直方向の距離が小さ過ぎる場合、光強度はユーザにとって大き過ぎることとなる。
【0056】
本発明のさらなる特徴に従って、装置300は、ポスト302に一体化された検出器305を有し、ポスト302の長さ、即ち、前記垂直方向の距離を表す信号を、例えば調光信号入力部122、222において、制御ユニット120、220に供給する。制御ユニット120、220は、検出器信号に応じてランプまたは複数のランプ1を調光するために適合され、ポスト302の長さが公称より小さいにも拘わらず、ユーザにより受けられる光強度が所定の公称範囲内にあるような方法で、本発明の上記の方法に従って実行される。
【0057】
さらに洗練された実施形態においては、装置300は、少なくとも1つのランプハウジング301に一体化された検出器306を有し、この検出器306は、前記ランプハウジング301と前記ランプハウジング301の下の対象との間の垂直方向の距離を直接測定するためにデザインされ、例えば、測定される前記垂直方向の距離を表す信号を、調光信号入力部122、222において、制御ユニット120、220に供給する。この距離検出器306は、例えば、PSD(位置敏感型検出器)を有することが可能である。適切な実施形態においては、位置敏感型検出器306は、送信波に基づいて動作することが可能であり、音波(超音波送受波器)または光波のような反射波を検出することが可能である。そのような検出器はそれ自体が知られているため、最新の検出器をここで適用することができ、それらのデザインおよび動作についてのさらなる説明は、ここでは必要ない。
【0058】
上記の方法は、照射装置が照射される対象における好ましい光強度を生成するために予想されるいずれの状況においても適用することが可能であることは、当業者に理解される必要がある。
【0059】
上記のように、本発明は、ガス放電ランプの調光動作を可能にする。これは、上記のように、照射強度を制御することができるという事実のみのために、既に優位性がある。しかしながら、さらなる優位性は、ここでは、装置自身の動作温度を特定の所望値に保つことが容易であることであって、このことは、下で説明するように、ソラリウム等のタニング装置に用いられるようなUV光生成ランプを有するアプリケーションにおいて特に有用である。
【0060】
当業者に理解されるであろうように、ガス放電ランプにより生成されるUV光は、UVAおよびUVBで表される2つの成分を有する。UVAはタニングの目的のためには有利な光であるが、UVAは不利である。残念ながら、光出力において有利なUVA光の寄与は比較的小さく、それ故、大きい強度のUVBの生成を有する有用なUVAを得るためには、大きい強度のランプを使用することが必要である。UVB光が人に達することを回避するために、光出力は、実質的にすべてのUVAを通過させ、実質的にすべてのUVBをブロックするフィルタによりフィルタリングされる必要がある。UVAとUVBとはスペクトルにおいて互いにまったく近いため、そのようなフィルタは非常にシャープなフィルタ特性を有している必要がある。これらの要求に適合する適切なガラスは、当該技術分野で周知である。そのような周知のフィルタガラスにおける問題は、フィルタ特性が温度依存性であることである。
【0061】
一般に、ガス放電ランプは、光出力に反映する特定の許容範囲内で製造される。しかしながら、ユーザは大き過ぎる強度にさらされる必要がある一方、ユーザは特定の有用な強度を予想しているため、装置仕様は、UVA出力が特定範囲内にあることを要求する。光出力におけるUVAの量は、ランプ電力に直接依存することが知られている。それ故、上記のような本発明の調光能力を用いて、ランプにより生成されるUVAの量を直接操作することが可能である。従って、本発明は、ランプが製造された後の較正方法を見越している。そのような較正方法において、ランプはドライバに連結され、スイッチをオンにされる。次いで、定常状態において、UVAの量が制御された条件下で測定される。測定されるUVAの量(強度)は特定仕様に一致する必要がある。測定された強度が大き過ぎる場合、ランプ電力は、測定された強度が仕様と一致するような方法で、減少される(上記の本発明に従った調光動作)。
【0062】
それ故、許容範囲を小さくすること、または排除の割合を減少させることが可能である。
【0063】
ランプのランプハウジングは、特定の公称のランプ電力に従ってデザインされた。このデザインに従って、ランプハウジングは特定の公称の動作温度を前提とする。しかしながら、ランプが調光される場合、即ち、低いランプ電力において動作される場合、ランプハウジングは低い動作温度を得る。このことは、フィルタの温度のために重要であり、また、上記のように、UVB出力量のために重要である。
【0064】
図10に示す、本発明のさらなる特徴に従って、タニング装置500のランプハウジング501は制御可能な冷却手段560を備えている。さらに、制御ユニットはそのような冷却手段を制御するために適合されている。この制御ユニットは別個の制御ユニットとすることが可能であるが、図に示すように、ランプ1の動作を制御するために既に上で述べたドライバ510の制御ユニット520と同じ制御ユニットとすることが可能である。
【0065】
優位性のある実施形態において、冷却手段560は、冷却空気563を吹き付けるためのブロワ561を有する。温度制御を行うために、前記制御ユニット520はブロワのモーター速度を制御することが可能であるが、また、冷却手段560は制御ユニット520により制御される制御可能空気バルブ562を有することが可能である。
【0066】
当業者にはっきり理解されるであろうように、例えば、式またはテーブルのような、制御ユニット520に関連する記憶装置に記憶されることが可能である所定の関係に従って、制御ユニット520は、ランプ電力に関して前記冷却手段を制御するために適合されることが可能である。前記関係は特定のランプの種類に対しては固定されることが可能であり、または、それは各々の個々のランプに対して確立することが可能である。
【0067】
上記のように、較正方法は、特定のUVA水準を得るためにランプ電力を設定した後、特定のUVB水準を得るように適切なフィルタの動作温度を得るために、適切な値に冷却電力を設定する段階を有することがまた、可能である。
【0068】
さらに洗練された実施形態において、ランプハウジング501は、温度センサ570であって、好適には、実際のフィルタガラス温度を表すセンサ信号を生成するためにフィルタガラス511に一体化されたセンサであって、そのセンサの出力部は制御ユニット520のセンサ入力部529に接続される、センサを備える。制御ユニット520は、センサ信号により表される実際のフィルタガラス温度が所定の好ましい値を保つように、前記冷却手段560を制御するために適合される。
【0069】
本発明は、ソラリウム等のようなタニング装置に用いられるようなUV光生成ランプを特に意図するさらなる安全手段を提供するが、このさらなる安全手段は、誘導性負荷であって、特にガス放電ランプを駆動するためのいずれの装置において適用可能である。タニング装置の場合に、照射は所定時間の間なされ、それ以上はなされず、この時間はタニングスキームに従ってユーザにより選択されることが、一般に知られている。この目的のために、タニング装置は、ユーザにより設定されるタイマーを有し、このタイマーの目的は、ユーザにより設定された期間が終了したときに、装置のランプのスイッチをオフにすることである。しかしながら、いずれの理由のために、このタイマーがタニング装置のランプのスイッチをオフにすることに失敗した場合、バーニングの危険性が生じる。
【0070】
それ故、タニング装置の安全性を高めるために、タイマー回路が機能しなくなった場合であっても、ランプのスイッチを自動的にオフにする安全スイッチに対する要求がある。さらに精巧な本発明の実施形態に従って、上記のドライバは、そのような安全手段を組み込むために比較的容易に適合されることができる。
【0071】
図9は、前記安全手段が組み込まれた、本発明に従ったドライバのさらなる実施形態410を模式的に示すブロック図である。制御ユニット420は、上記のように、調光信号入力部422、起動信号入力部421、位相感知入力部426およびトリガ信号出力部423を有することが可能である。さらに、制御ユニット420は、所望の照射長さを表す、ユーザからタイマーコマンドを受けるためのタイマー設定入力部427を有する。当業者に理解されるであろうように、制御ユニット420は、起動信号入力部421におうて起動コマンドSを受けるときに、ランプ1を起動するため、および、制御ユニット420がトリアック130をトリガすることを停止する時点で、ユーザからのタイマーコマンドTによる設定された時間の終了まで、ランプ1の動作を継続するために、適合される。
【0072】
しかしながら、トリガを伴わないで、トリアック130が短絡回路を構成する点で機能しなくなった場合、ランプ1は、制御ユニット420がトリアック130をトリガすることを停止する場合にオフになる。
【0073】
他方、制御ユニット420が適正に機能しなくなった場合、例えば、制御ユニットがユーザにより設定された時間の終了を決定できないように、内部クロックが機能しなくなるため、制御ユニットはトリガリングモードに嵌まり込み、トリアック130をトリガすることを無制限に継続する。
【0074】
これらの問題点を克服するために、ドライバ410は、ランプ1に直列状態で接続された制御可能な安全スイッチ460を有する。好適には、図に示すように、この制御可能な安全スイッチ460はリレーとして実施される。制御ユニット420は安全スイッチ460を駆動するために安全出力部428を有する。制御ユニット420は、正弦形状、ブロック形状、三角形状等とすることが可能である交流の安全信号を、その安全出力部428において生成するために適合される。コンデンサ470は、この安全出力部428とAC/DC変換器480の入力部との間に連結され、その出力部は、制御可能な安全スイッチ460の制御入力部461に接続される。
【0075】
起動信号入力部421における起動コマンドSを受けることに応じて、制御ユニット420は、安全出力部428において前記交流の安全信号を生成することを開始するために、および、前記交流の安全信号を生成することを停止するために制御ユニット420が適合される時点に、ユーザからのタイマーコマンドにより設定される時間が終了するまで、前記交流の安全信号を生成し続けるために、適合される。
【0076】
動作は以下のようである。AC/DC変換器480の入力部にコンデンサ470により通過された安全出力部428における安全信号は、DC電圧に変換され、制御可能な安全スイッチ460の制御入力部461に適用され、それ故、制御可能な安全スイッチ460は閉状態において動作される。ユーザにより設定された時間の終了時に、制御ユニット420はトリアック130のためにトリガパルスを生成することを停止し、また、制御可能な安全スイッチ460のために前記交流の安全信号を生成することも停止し、それ故、標準的環境において、トリアック130および安全スイッチ460の両方は開状態になり、ランプ1はオフになる。何ならかの理由により、トリアック130がオフになることに失敗した場合、制御可能な安全スイッチ460は開状態になるため、ランプ1はオフになる。制御ユニット420の内部(または、外部)クロックが機能しなくなった場合、または、制御ユニット420が何らかの理由で特定の状態に嵌まり込んだ場合、制御ユニット420はその安全出力部428においてもはや交流信号を生成しなくなるが、それに代えて、不確定の性質をもつ一定信号を生成する。次いで、コンデンサ470の出力信号と、特にAC/DC変換器480の出力信号は0になり、それ故、制御可能な安全スイッチ460は、制御ユニット420はトリアック130をトリガリングし続ける場合でさえ、開状態になる。
【0077】
交流であるとき、安全スイッチ460が交流電圧により動作されるために適合される場合、AC/DC変換器480は、原理的に省略される。
【0078】
本発明は、幾つかの好適な実施形態を詳述することにより上記で説明したが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではなく、むしろ、同時提出の請求の範囲に規定されるような本発明の保護される範囲内において、種々の変形および修正が可能であることを当業者は理解する必要がある。例えば、本発明の原理は、いずれの種類の誘導性負荷を駆動することにおいて適用可能である。
【0079】
さらに、図3Aおよび3Bに示した実施形態において、第1制御可能スイッチ130は、バラストから離れる方向のランプの側に配置される。それに代えて、このスイッチはまた、ランプから離れる方向のバラストの側に配置されることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】従来のドライバの模式的なブロック図である。
【図2】ガス放電ランプにおける電圧および電流を示すグラフである。
【図3A】ガス放電ランプのためのドライバについての本発明に従った第1実施形態の模式図である。
【図3B】ガス放電ランプのためのドライバについての本発明に従った第2実施形態の模式図である。
【図4】起動段階の間のイグニッションパルスに関してランプを流れる電流を示すグラフである。
【図5】大きい時間スケールの図4に類似するグラフである。
【図6】後半の時点の図4に類似するグラフである。
【図7】起動段階から標準動作への遷移における図4に類似するグラフである。
【図8】本発明の実施形態を組み込んだタニング装置を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、誘導性負荷回路を駆動する装置に関し、特に、ガス放電ランプを有する回路に関する。さらに詳細には、本発明は、そのようなガス放電ランプの起動位相の間に生じる問題に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス放電ランプを駆動するためのドライバは周知である。一般に、それらのドライバは、AC幹線電圧を受けることおよびガス放電ランプを駆動するために適する電力にこの入力幹線電圧を変換することが意図されている。ガス放電ランプに特有の問題は起動位相に関連する。オフの後にガス放電ランプを起動するために、ドライバは起動回路を備える。
【0003】
起動回路は、一般に周知である。起動回路がガス放電ランプを起動することに成功するという意味で、起動回路が満足のいくように機能するが、従来の起動回路は、幹線において比較的大きい非対称ピーク電流をもたらす。これは好ましくない。負荷に直列に接続されたNTC抵抗を用いてそのような大きいピーク電流を抑制することは、すでに知られている。しかしながら、不利点は、それらの構成要素の電流制限能力は、比較的短い時間のみであって、典型的には、10ミリ秒のオーダーのみ継続する一方、大きいピーク電流が生じ得る起動位相は、一般に、数百ミリ秒の間続き、1秒以上に及ぶことさえある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の重要な目的は、ガス放電ランプの起動位相の間の電流ピークが起こらないようにすることである。
【0005】
本発明のさらなる目的は、電流ピークを生じることなく、ガス放電ランプを調光することができる調光能力をもつドライバを提供することである。
【0006】
本発明は、大きい電流ピークが、一方で、イグニッション直後のランプの挙動により、他方で、ランプの誤ったイグニッションの時点によるという本発明者の認識に、一部、基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記電流ピークをもたらす物理的機構の理解にさらに基づいている。この理解に基づいて、本発明は、起動の間に、ランプ電流の位相に関連して特定時点においてイグニッションパルスを生成することを提供する。
【0008】
本発明の以上のおよび他の側面、特徴および優位性については、同じ参照番号が同じまたは類似する構成要素を示す図面を参照して好適な実施形態を以下の詳述において、さらに説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、ランプ電極2および3を有するが図放電ランプを駆動するための従来のドライブ10のブロック図を模式的に示している。駆動回路10は、代表的には、230VのオーダーのAC幹線電圧Vinに接続するための入力端子11および12を有する。従来のドライバ10は、ランプ1、スイッチ13およびバラスト装置14を有する。バラスト装置14は、受けた幹線電圧をより大きい電圧に変換するために機能し、一般に、中央タップ15をもつ自動変圧器として実行される。ランプおよびバラスト装置の直列の組み合わせは幹線電源への誘導性負荷を有する。
【0010】
従来のドライバ10は、バラスト装置14の中間端子15に接続された1つの端子21を有する起動回路20と、1つのランプ電極2に接続された第2端子22と、他のランプ電極3に接続された第3端子23とをさらに有する。後にさらに詳細に説明するように、従来のドライバ10の起動回路20は、AC電圧正弦波の正の半サイクルおよび負の半サイクルの両方の間に、ランプ電極2、3間でイグニッションパルスを生成するためにデザインされる。代表的には、各々の半周期の間のイグニッションパルス数は2以上である。イグニッションパルスの後、ガス放電ランプが点弧されたとき、起動回路はその点弧パルスの点弧を停止する。
【0011】
以下、が図放電ランプの電気的挙動については、制限は高流電圧Vinにより供給される誘導性負荷Lにより電流ILの波形を模式的に示す図2を参照して説明する。その負荷電流ILはランプの電流と同じであり、それ故、以後この電流ILをランプ電流としても表すこととする。さらに、ランプ電圧は、実質的にランプ電流と同位相である。
【0012】
一般に知られているように、誘導性負荷に対して、電圧に対して電流は遅延し、即ち、入力幹線電圧Vinと負荷電流ILの位相との間の位相差Δφが存在する。理想的な状態において、負荷は純粋な誘導性負荷として挙動する場合、この位相差Δφは90°より小さく、位相遅延Δφの正確な値は実際のバラスト装置と実際のランプ1の組み合わせに依存する。例えば、特定の実際的な状態に対して、ランプが起動したばかりであり、尚も比較的冷たいとき、この位相遅延Δφは70°のオーダーであり、図2に示した値である。ランプの温度が上昇するとき、位相遅延Δφは減少し、約40秒のオーダーの時間の期間において一般に達する定常状態においては、位相遅延Δφはこの実際の状況においては、役45°乃至50°である。以下において、位相遅延Δφは、ランプ1とバラスト装置14の組み合わせの特性と考えられる。
【0013】
しかしながら、ランプが起動するとき、問題が生じる。ガス放電ランプが起動するとき、その電極はいまだに動作可能な温度に達していない。ランプ電極がそれらの定常状態の動作可能温度に達するまでに幾らかの時間を要し、その時間は、一般に、0.5秒のオーダーである。ウォーミングアップ位相の間に、2つのランプ電極は非対称にウォームアップされることが可能であり、このことは、ウォーミングアップの期間の間に、前記2つのランプ電極の間に温度差が存在することを意味する。この温度差は、ランプのバーン電圧におけるオフセットをもたらす。また、バラスト装置自身は、DCオフセットをもたらす。全体的に、DCオフセットは、バラスト装置を通って流れる電流におけるDCオフセットをもたらす、バラスト装置における電圧をもたらす。ランプバラストによる最大有効電流は、磁気材料の量に依存する上限を有する、バラストのコア材料における最大有効磁束密度に関連する。この材料が磁気飽和に達する場合、バラストの誘導性の値は非常に減少し、その結果、ランプ電流はさらに増加する。それ故、ランプ電流は、40Aおよびそれ以上のオーダーのピーク値に達することが可能である。
【0014】
本発明の特性に従って、特に起動位相におけるが図放電ランプを駆動する方法であって、そのような大きいランプ電流の発生が、一方で、ランプ電流の振幅を制限し、他方で、次の半分の周期の間の特定の時間の間にゼロ水準に保たれることを確実にする、方法を提案する。本発明のさらなる特徴に従って、同じ原理をランプを調光するために用いることができる。
【0015】
本発明の特有の特徴に従って、電圧パルスに関して適切なタイミングで、実質的に同時にイグニッションパルスと起動パルスとを生成することにより、これを達成することができる。さらに詳細には、前記パルスは、好適には、Δφと90°との間の時間窓の範囲内において、位相遅延Δφの後に時間窓の範囲内に生成される。最も好適には、前記パルスは、Δφより10乃至15°遅延してパルス位相φpにおいて生成される。
【0016】
本発明の特徴にさらに従って、上記方法を実行するために適合される、起動回路とイグニッション回路の組み合わせを有するガス放電装置を駆動するためのドライバを提供する。
【0017】
図2において、幹線電圧Vinのゼロクロスは0°とみなされる。ランプイグニッションパルスをPLに示し、それらランプイグニッションパルスのタイミングをイグニッションパルス位相φPとして示し、幹線電圧周期に関して°を単位として示す。
【0018】
従来の起動回路においては、イグニッションパルスPLの位相φPは、代表的には、電圧周期の正の半分に関して40°と90°との間の範囲内のどこかおよび負の電圧の半分に関して220°と270°との間のどこか位置している。イグニッションパルスPLの位相φPの正確な値は、ランダムであるかまたは前記範囲のいずれかの所定値に固定されることが可能である。しかしながら、従来の起動回路にはランプ電流ILの実際の位相遅延Δφが考慮されておらず、イグニッションパルスPLの位相φPは全く適切ではなく、ランプの起動時に、このことは大きい非対称突入電流に導かれることとなる。
【0019】
しかしながら、本発明の重要な特徴に従って、起動位相の間に、イグニッションパルスのタイミングは実際の電流位相に関連して実行される。さらに詳細には、イグニッションパルス位相φPを、ランプ電流ILの実際の位相遅延より大きくなるようにとる。本発明の他の重要な特徴に従って、ランプ電流は、ゼロに近づくとすぐにゼロにされ、次のイグニッションパルスまで、ゼロパルスに保たれる。
【0020】
図2の第4のグラフは、起動位相の間に得られるランプ電流ILSの波長を示している。イグニッションパルスPLの発生において、ランプ電流ILSは大きくなり始める。しかしながら、イグニッションパルスPLはランプの位相遅延Δφより大きいため、ランプ電流ILSは、第2のグラフにおいて示すような定常状態の条件下でランプ電流ILより遅延して大きくなりはじめ、それ故、ランプ電流ILSは定常状態の状況においてランプ電流を比較して常に小さい。
【0021】
また、ランプ電流ILSは、定常状態の条件下のランプ電流ILが有したのと略同じ時点t2にピーク値を有するが、そのピーク値IMはここでは小さい。
【0022】
また、起動位相の間に、定常状態の状況におけるランプ電流ILがゼロに達した時間(Δφ+90°)より速い時間t3にランプ電流ILSはゼロに達することが、図2から理解できる。本発明に従って、ランプ電流ILSは、次のイグニッションパルスPLが生成される時間(φP+90°)まで、ゼロ水準を保つ。
【0023】
従って、ランプ電流ILSは、定常状態の状況下でランプ電流ILの元々のゼロクロス(Δφ+90°)の前に始まり、前記元々のゼロクロスの後に終わる、暗期間tDの間にオフになる。
【0024】
結果的に得られるランプ電流の制限は、ランプ電圧におけるオフセットの有効な場合にバラストの飽和が、少なくとも大きい範囲に対して、起こらないようにする。
【0025】
幹線の周期の各々の半分の暗期間の間に電流がゼロに保たれるという事実は、新しいイグニッションパルスが生成される前に、一種の回路のリセットをもたらす。この結果、非対称な現象を起こす可能性のある効果的な抑制がもたらされる。
【0026】
イグニッションパルス位相φPの正確な値は、起動位相の間に、ランプ電流の波長に対して大きな影響を与えることが、上記から明らかである。φPが小さ過ぎる場合は、ランプのイグニッションの後、幹線における非対称電流パルスにそれ自身により導くことが可能である飽和に、バラストが移行することが生じ得る。φPが大き過ぎる場合は、ランプの確実なイグニッションに対しては、ランプへのエネルギー入力は不十分である。
【0027】
代表的には、起動回路は特定のバラストおよびランプの組み合わせのためにデザインされ、それ故、ランプ電流と幹線電圧との間のパルス遅延Δφは、予め、比較的高精度のデザイン値である。それ故、位相遅延Δφのデザイン値より大きい所定の固定値においてイグニッションパルス位相φPの正確な値を設定することが可能である。
【0028】
好適には、イグニッションパルス位相φPはΔφから90°までの範囲内の所定値に設定される。
【0029】
さらに好適には、イグニッションパルス位相φPはΔφ+10°からΔφ+15°までの範囲内の所定値に設定されるが、90°より大きくない。
【0030】
Δφが約70°である、代表的な実際的な状況下では、イグニッションパルス位相φPについての適切な値は85°であることが分かった。
【0031】
図3Aは、ガス放電ランプ1のためのドライバ110の第1実施形態を模式的に示している。ドライバ110は、ランプ1に直列に接続される第1トリガ可能スイッチ130とバラスト14を有し、この第1トリガ可能スイッチはトリガ入力部131を有する。示したような好適な実施形態においては、第1トリガ可能スイッチはトライアックである。
【0032】
ドライバ110は、入力端子12に接続された1つの端子と自動変圧器バラスと14の中央端子にコンデンサを介して接続された他の端子とを有する第2トリガ可能スイッチ140をさらに有する。この第2トリガ可能スイッチはまた、好適には、図示するように、トリアックとして実施される。
【0033】
ドライバ110は、トリアック130のトリガ入力部131に接続された第1出力部123を有し、第2トリアック140のトリガ入力部141に接続された第2出力部124を有する制御ユニット120を有する。制御ユニット120はアナログ構成要素により実施されるが、好適には、正確なタイミングをとることが容易であるように、その制御ユニットはマイクロ制御器として実施される。他の実施もまた可能である。制御ユニット120は、当業者にはっきり理解されるであろうように、例えば、適切なプログラミングにより上記のような方法を実行するために適合される。
【0034】
当業者にはっきり理解されるであろうように、マイクロ制御器は、第1トリアック130および第2トリアック140それぞれをトリガすることに対して、出力部123および124において適切なトリガパルスを生成するために適合される。第2トリアック140をトリガする結果、自動変圧器バラスト14によりイグニッションパルスの生成がもたらされる。第1トリアック130をトリガすることにより、ランプ電流がスイッチングされる。
【0035】
以下に、ソフト開始位相について、より詳細に説明する。
【0036】
イグニッションパルスの生成
制御ユニット120が、例えば、開始信号入力部121に接続されるユーザ制御スイッチSにより、ランプ1を開始するためのコマンドを受ける場合、制御ユニット120は、幹線パルスに関して特定の所定イグニッションパルス位相φPで出力部123および124においてトリガパルスを生成し始める。このために、マイクロ制御器120は、入力端子11とマイクロ制御器120のセンス入力部126との間に接続される、高抵抗値(代表的には、1MΩのオーダー)をもつ抵抗として容易に実施されることが可能であるゼロクロス間出回路125と繋がっている。好適には、出力部123および124におけるトリガパルスは同時に生成されるが、少しの時間差は許容可能である。
【0037】
トリアック130および140をトリガした後、コンデンサ150における電流は共振する方式で増加し、実際の幹線電圧の値の2倍になるまでコンデンサ150を変化させる。バラスト14は自動変圧器として実施されるため、実際の幹線電圧にコンデンサ150において共振する方式で増加する電圧を加えたものは、バラスト14の出力16まで変圧され、それ故、バラスト14はその出力16において非常に大きいイグニッションパルスを効果的に生成し、このイグニッションパルスの大きさは、代表的には、2.5kVまたはそれ以上の範囲内にある。実際のイグニッションパルスの大きさは、特に、イグニッション時における幹線電圧の実際の値と、コンデンサ150の容量値と、バラスト14の一次、二次巻線比に依存する。イグニッションパルスの幅は、特に、コンデンサ150の容量により規定されるLC−時間の関係と、バラスト14の一次の半分であって、即ち、入力端子17と中央端子15との間の部分、の誘導値とに依存する。適切であることが分かった実施形態において、LC−時間の関係は約4乃至5kHzの共振周波数に対応するが、この共振周波数は、代表的には、3乃至6kHzの範囲内において選択されることが可能であり、他の周波数もまた可能である。
【0038】
ランプ電流の増加
バラスト14およびコンデンサ150は、バラスト14の出力16において生成されるイグニッションパルスの大きさが、イグニッションパルスがランプ電極2、3間に加えられる時点に機能停止するランプ1のイグニッション閾値より十分大きくなるように、デザインされている。その結果、ランプ電流ILSはランプ1を通って流れる。この場合、ランプ電流ILSは、イグニッションパルス位相φPが固有の電流パルス遅延Δφより大きいという事実のために、制限された最大値IMにのみ達することができる(図2における時間t2)。これについては図4に示されており、実験的な設定において測定されるトリガパルスPLについての電流ILSを示している。この段階における電流のピーク値IMは約2Aであることが、図4から明確に分かる。
【0039】
ランプ電流の減少
幹線電圧Vinが正弦波であって、最大値に達した後、減少するため、ランプ電流ILSはまた、その最大値に達した後、減少する。次いで、ある時点(図2における時間t3)に、ランプ電流ILSは、第1トリアック130が導電状態から非導電状態に移行し、ランプ電流が0になるような、第1トリアック130の電流維持水準を通過する。この時点はまた、減衰時点teとして表される。
【0040】
トリアック130および140の次のトリガパルスはφP+180°において生成され、再び、ランプが機能停止になり、ランプ電流がランプ1を流れるようになるが、ここでは、反対方向に流れる。同じ幹線電圧周期内のこの第2トリガ時点は、図4においてはφP2で表されている。それ故、図4および2からはっきり分かるように、ランプ電流ILSは、teとtP2との間の暗期間tDの間には0に保たれる。φPとteとの間の期間であって、電流がランプ1を通って流れる間は、活性期間tAと表される。上記の実験的設定においては、暗期間tDは実質的にはtAと等しく、図4からはっきり理解できる。
【0041】
開始段階の間に、上記の現象は180°毎に繰り返される。トリガパルスは、予測される電流遅延位相Δφより大きい値を有するように特別に選択されたイグニッションパルス位相φPにおいて生成される。各々のトリガパルスは、イグニッションパルスがバラスト14により生成されるようにし、各々のイグニッションパルスはランプ1が再び機能停止になるようにする。開始段階の間に、新しいイグニッションパルスが各々の暗期間tDの後に生成されるため、ランプ1はいずれのタイムリーでないde−ionizeする機会を得ることはない。
【0042】
ピーク値の増加
イグニッション段階の間に、ランプ電流のピーク値IMはその後の活性期間tAにおいて増加する。図5は、図4に関する異なる時間スケールにおけるランプ電流ILSを示すグラフである。イグニッション段階は、例えば約2.5秒のように、十分長くとられる。図5においては、時間スケールの水平方向の総時間は3.2秒に相当する。このグラフにおいて、イグニッション段階はAにより示されている。イグニッション段階Aは、2つの副段階に分割されることができ、図5においてはA1およびA2で示されている。イグニッション段階Aの第1副段階A1の間に、ランプ電流の最大値IMは、非対称な方式になるかもしれないが、増加する。これについては、第1副段階A1内の後の方の時点において得られる図4に類似するグラフである図6に示している。正の電流ピークは負の電流ピークより大きさが大きいことが、具体的には、図6の左の半分において、はっきりと理解できる。しかしながら、その後の電流ピーク間の暗期間tDのために、この技術の段階の問題点は効果的に抑えられる。
【0043】
約1秒後、電流パルスのピークの大きさIMはもはや増加しなくなる。このことは、図5の第2副段階A2への遷移を必要とする。ランプはここで十分機能しており、もはやいずれの非対象現象も現さなくなる。
【0044】
特に、第1副段階A1の間に、減衰時点teは増加したランプ電流のために後方の時点にシフトするので、暗期間tDは短くなる。このことは、すでに図6に示しており、また、図6に類似しているが、イグニッション段階Aの終了時についての図7に示している。イグニッション段階Aの後、第1トリアック130が連続的にトリガされる、ランプ1の標準的な動作段階Bに移行される。第2トリアックはまた、連続的にトリガされることが可能であるが、これは関連性がない。
【0045】
標準的動作
このような遷移は、図7において、はっきりと分かる。ここで、少なくとも第1トリアック130は一定の短絡回路であるとみなすことができ、ランプ回路は、ランプ1、バラスト14およびコンデンサ150によってのみ効果的に特徴付けられる。バラストが略飽和に近づいたことにより、ここで、ランプ電流が略三角形形状となったことが、図7において理解され、数十秒後であって、典型的には、30乃至50秒後に、電流は減少し、電圧は増加し、波形はよりサイン波形状になる。
【0046】
スイッチオフ
ランプのスイッチをオフにすることが所望される場合、制御ユニット120はトリガパルスを生成することを単純に停止する。
【0047】
図3Aのドライバ110は2つの制御可能スイッチを有する。図3Bは、1つの制御可能スイッチであって、この場合、トリアック130のみを有する本発明に従ったドライバ210の実施形態を示している。コンデンサ150は、ドライバ110にあるような自動変圧器バラスト14の中央タップ15に接続される1つの端子を有し、ランプ1とトリアック130との間のノードに接続される他の端子を有する。マイクロ制御器220は、トリアック130のトリガ入力部131に接続されるその出力部223にトリガパルスを生成するためにのみ必要である。
【0048】
図3Bのドライバ210は、当業者に理解されるであろうように、図3Aのドライバ110と同じ方法で動作し、制御器110が略同時に2つの出力部123および124においてトリガパルスを生成されることを考慮する。ドライバ210の有利点は、それが必要とする構成要素が少なくてすむことである。
【0049】
上記においては、本発明について、起動問題を解決することの関連で説明した。標準的動作においては、トリアックは連続的にトリガされる。しかしながら、本発明はまた、ランプを調光するため、即ち、標準的電力より小さい電力にのいてランプを動作するために、特に有用である。
【0050】
調光動作
図3Aを参照するに、例えば、調光信号入力部122に接続されたユーザ制御スイッチDによりランプ1を調光するためのコマンドを、通常動作中に、受ける場合、制御ユニット120は、幹線位相に関して特定の所定の調光パルス位相φdで出力部123および124において、再びトリガパルスの生成を開始する。電力出力、即ち、ランプまたは調光水準に導入される電力は、電流パルス遅延Δφに関する調光パルス位相φdのタイミングに依存する。さらに詳細には、φA=φd−Δφとして定義される調光角φAが略0である場合、ランプ電力は略通常の電力であり、殆ど調光は起こらない。調光角φAが増加する場合、暗期間tDは増加し、電流振幅IMは減少し、それ故、ランプ電力は減少し、調光量は増加する。
【0051】
調光は、幹線に電流ピークを生成することなく、この方法において達成されることができることに留意する必要がある。連続的な調光は、調光角φAを連続的に変化させることにより可能であることにさらに留意する必要がある。
【0052】
調光以外に、2つの離散的光強度水準、即ち、電力水準PL(低い)およびPH(高い)において動作を可能にすることはまた好ましい。最新技術においては、これは、補助バラストがメインバラストと並列の状態でスイッチング可能であるデザインにより実現される。この場合、メインバラストは低電力水準PLについてデザインされる一方、補助バラストは、高電力水準PHと低電力水準PLとの間の差に等しい差電力PDについてデザインされる。装置が低電力水準PLで動作することが所望される場合、メインバラストのみが使用される。装置が高電力水準PHにおいて動作することが所望される場合、補助バラストは、並列な状態でメインバラストと共にスイッチングされる。この先行技術の解決方法の不利点は、第2バラスト、スイッチおよび装置において第2バラストとスイッチとを接続するための配線を必要とすることである。
【0053】
本発明のさらなる特徴に従って、1つのバラストのみが必要であり、このバラストは高電力水準PHについてデザインされる。装置がこう電力水準PHにおいて動作することが所望される場合、そのバラストは通常電力で動作する。低電力水準PLで動作することが所望される場合、装置は上記のように調光される。
【0054】
上記において、説明したユーザ制御スイッチDは、ユーザがランプを調光したいことを知らせる。しかしながら、調光能力は安全手段として用いられることがまた可能である。例として、図8は、例えば、ハウジング303を有すると、垂直方向の動作可能位置に置くことができるポスト302と、優位性のある紫外光を生成するためにデザインされる種類の、上記のような、1つまたはそれ以上のガス放電ランプ1を収容し且つポスト302に接続される1つまたはそれ以上のランプハウジング301とを有するソラリウム等のタニング装置300を模式的に示している。動作において、ハウジング301は、ユーザがランプ1の下に横になることができるベッドのような支持台304の上に置かれる。ランプ1を駆動するために、装置300は、便宜上、図8のハウジング内に描いている、本発明の実施形態に従った、1つまたはそれ以上のドライバ110または210を有する。
【0055】
ポスト302の長さにより示されるように、ランプ1とベッド304との間の垂直方向の距離が特定の標準値を有するとき、装置300は、生成されるべき特定の公称の光電力のためにデザインされる。この垂直方向の距離が小さ過ぎる場合、光強度はユーザにとって大き過ぎることとなる。
【0056】
本発明のさらなる特徴に従って、装置300は、ポスト302に一体化された検出器305を有し、ポスト302の長さ、即ち、前記垂直方向の距離を表す信号を、例えば調光信号入力部122、222において、制御ユニット120、220に供給する。制御ユニット120、220は、検出器信号に応じてランプまたは複数のランプ1を調光するために適合され、ポスト302の長さが公称より小さいにも拘わらず、ユーザにより受けられる光強度が所定の公称範囲内にあるような方法で、本発明の上記の方法に従って実行される。
【0057】
さらに洗練された実施形態においては、装置300は、少なくとも1つのランプハウジング301に一体化された検出器306を有し、この検出器306は、前記ランプハウジング301と前記ランプハウジング301の下の対象との間の垂直方向の距離を直接測定するためにデザインされ、例えば、測定される前記垂直方向の距離を表す信号を、調光信号入力部122、222において、制御ユニット120、220に供給する。この距離検出器306は、例えば、PSD(位置敏感型検出器)を有することが可能である。適切な実施形態においては、位置敏感型検出器306は、送信波に基づいて動作することが可能であり、音波(超音波送受波器)または光波のような反射波を検出することが可能である。そのような検出器はそれ自体が知られているため、最新の検出器をここで適用することができ、それらのデザインおよび動作についてのさらなる説明は、ここでは必要ない。
【0058】
上記の方法は、照射装置が照射される対象における好ましい光強度を生成するために予想されるいずれの状況においても適用することが可能であることは、当業者に理解される必要がある。
【0059】
上記のように、本発明は、ガス放電ランプの調光動作を可能にする。これは、上記のように、照射強度を制御することができるという事実のみのために、既に優位性がある。しかしながら、さらなる優位性は、ここでは、装置自身の動作温度を特定の所望値に保つことが容易であることであって、このことは、下で説明するように、ソラリウム等のタニング装置に用いられるようなUV光生成ランプを有するアプリケーションにおいて特に有用である。
【0060】
当業者に理解されるであろうように、ガス放電ランプにより生成されるUV光は、UVAおよびUVBで表される2つの成分を有する。UVAはタニングの目的のためには有利な光であるが、UVAは不利である。残念ながら、光出力において有利なUVA光の寄与は比較的小さく、それ故、大きい強度のUVBの生成を有する有用なUVAを得るためには、大きい強度のランプを使用することが必要である。UVB光が人に達することを回避するために、光出力は、実質的にすべてのUVAを通過させ、実質的にすべてのUVBをブロックするフィルタによりフィルタリングされる必要がある。UVAとUVBとはスペクトルにおいて互いにまったく近いため、そのようなフィルタは非常にシャープなフィルタ特性を有している必要がある。これらの要求に適合する適切なガラスは、当該技術分野で周知である。そのような周知のフィルタガラスにおける問題は、フィルタ特性が温度依存性であることである。
【0061】
一般に、ガス放電ランプは、光出力に反映する特定の許容範囲内で製造される。しかしながら、ユーザは大き過ぎる強度にさらされる必要がある一方、ユーザは特定の有用な強度を予想しているため、装置仕様は、UVA出力が特定範囲内にあることを要求する。光出力におけるUVAの量は、ランプ電力に直接依存することが知られている。それ故、上記のような本発明の調光能力を用いて、ランプにより生成されるUVAの量を直接操作することが可能である。従って、本発明は、ランプが製造された後の較正方法を見越している。そのような較正方法において、ランプはドライバに連結され、スイッチをオンにされる。次いで、定常状態において、UVAの量が制御された条件下で測定される。測定されるUVAの量(強度)は特定仕様に一致する必要がある。測定された強度が大き過ぎる場合、ランプ電力は、測定された強度が仕様と一致するような方法で、減少される(上記の本発明に従った調光動作)。
【0062】
それ故、許容範囲を小さくすること、または排除の割合を減少させることが可能である。
【0063】
ランプのランプハウジングは、特定の公称のランプ電力に従ってデザインされた。このデザインに従って、ランプハウジングは特定の公称の動作温度を前提とする。しかしながら、ランプが調光される場合、即ち、低いランプ電力において動作される場合、ランプハウジングは低い動作温度を得る。このことは、フィルタの温度のために重要であり、また、上記のように、UVB出力量のために重要である。
【0064】
図10に示す、本発明のさらなる特徴に従って、タニング装置500のランプハウジング501は制御可能な冷却手段560を備えている。さらに、制御ユニットはそのような冷却手段を制御するために適合されている。この制御ユニットは別個の制御ユニットとすることが可能であるが、図に示すように、ランプ1の動作を制御するために既に上で述べたドライバ510の制御ユニット520と同じ制御ユニットとすることが可能である。
【0065】
優位性のある実施形態において、冷却手段560は、冷却空気563を吹き付けるためのブロワ561を有する。温度制御を行うために、前記制御ユニット520はブロワのモーター速度を制御することが可能であるが、また、冷却手段560は制御ユニット520により制御される制御可能空気バルブ562を有することが可能である。
【0066】
当業者にはっきり理解されるであろうように、例えば、式またはテーブルのような、制御ユニット520に関連する記憶装置に記憶されることが可能である所定の関係に従って、制御ユニット520は、ランプ電力に関して前記冷却手段を制御するために適合されることが可能である。前記関係は特定のランプの種類に対しては固定されることが可能であり、または、それは各々の個々のランプに対して確立することが可能である。
【0067】
上記のように、較正方法は、特定のUVA水準を得るためにランプ電力を設定した後、特定のUVB水準を得るように適切なフィルタの動作温度を得るために、適切な値に冷却電力を設定する段階を有することがまた、可能である。
【0068】
さらに洗練された実施形態において、ランプハウジング501は、温度センサ570であって、好適には、実際のフィルタガラス温度を表すセンサ信号を生成するためにフィルタガラス511に一体化されたセンサであって、そのセンサの出力部は制御ユニット520のセンサ入力部529に接続される、センサを備える。制御ユニット520は、センサ信号により表される実際のフィルタガラス温度が所定の好ましい値を保つように、前記冷却手段560を制御するために適合される。
【0069】
本発明は、ソラリウム等のようなタニング装置に用いられるようなUV光生成ランプを特に意図するさらなる安全手段を提供するが、このさらなる安全手段は、誘導性負荷であって、特にガス放電ランプを駆動するためのいずれの装置において適用可能である。タニング装置の場合に、照射は所定時間の間なされ、それ以上はなされず、この時間はタニングスキームに従ってユーザにより選択されることが、一般に知られている。この目的のために、タニング装置は、ユーザにより設定されるタイマーを有し、このタイマーの目的は、ユーザにより設定された期間が終了したときに、装置のランプのスイッチをオフにすることである。しかしながら、いずれの理由のために、このタイマーがタニング装置のランプのスイッチをオフにすることに失敗した場合、バーニングの危険性が生じる。
【0070】
それ故、タニング装置の安全性を高めるために、タイマー回路が機能しなくなった場合であっても、ランプのスイッチを自動的にオフにする安全スイッチに対する要求がある。さらに精巧な本発明の実施形態に従って、上記のドライバは、そのような安全手段を組み込むために比較的容易に適合されることができる。
【0071】
図9は、前記安全手段が組み込まれた、本発明に従ったドライバのさらなる実施形態410を模式的に示すブロック図である。制御ユニット420は、上記のように、調光信号入力部422、起動信号入力部421、位相感知入力部426およびトリガ信号出力部423を有することが可能である。さらに、制御ユニット420は、所望の照射長さを表す、ユーザからタイマーコマンドを受けるためのタイマー設定入力部427を有する。当業者に理解されるであろうように、制御ユニット420は、起動信号入力部421におうて起動コマンドSを受けるときに、ランプ1を起動するため、および、制御ユニット420がトリアック130をトリガすることを停止する時点で、ユーザからのタイマーコマンドTによる設定された時間の終了まで、ランプ1の動作を継続するために、適合される。
【0072】
しかしながら、トリガを伴わないで、トリアック130が短絡回路を構成する点で機能しなくなった場合、ランプ1は、制御ユニット420がトリアック130をトリガすることを停止する場合にオフになる。
【0073】
他方、制御ユニット420が適正に機能しなくなった場合、例えば、制御ユニットがユーザにより設定された時間の終了を決定できないように、内部クロックが機能しなくなるため、制御ユニットはトリガリングモードに嵌まり込み、トリアック130をトリガすることを無制限に継続する。
【0074】
これらの問題点を克服するために、ドライバ410は、ランプ1に直列状態で接続された制御可能な安全スイッチ460を有する。好適には、図に示すように、この制御可能な安全スイッチ460はリレーとして実施される。制御ユニット420は安全スイッチ460を駆動するために安全出力部428を有する。制御ユニット420は、正弦形状、ブロック形状、三角形状等とすることが可能である交流の安全信号を、その安全出力部428において生成するために適合される。コンデンサ470は、この安全出力部428とAC/DC変換器480の入力部との間に連結され、その出力部は、制御可能な安全スイッチ460の制御入力部461に接続される。
【0075】
起動信号入力部421における起動コマンドSを受けることに応じて、制御ユニット420は、安全出力部428において前記交流の安全信号を生成することを開始するために、および、前記交流の安全信号を生成することを停止するために制御ユニット420が適合される時点に、ユーザからのタイマーコマンドにより設定される時間が終了するまで、前記交流の安全信号を生成し続けるために、適合される。
【0076】
動作は以下のようである。AC/DC変換器480の入力部にコンデンサ470により通過された安全出力部428における安全信号は、DC電圧に変換され、制御可能な安全スイッチ460の制御入力部461に適用され、それ故、制御可能な安全スイッチ460は閉状態において動作される。ユーザにより設定された時間の終了時に、制御ユニット420はトリアック130のためにトリガパルスを生成することを停止し、また、制御可能な安全スイッチ460のために前記交流の安全信号を生成することも停止し、それ故、標準的環境において、トリアック130および安全スイッチ460の両方は開状態になり、ランプ1はオフになる。何ならかの理由により、トリアック130がオフになることに失敗した場合、制御可能な安全スイッチ460は開状態になるため、ランプ1はオフになる。制御ユニット420の内部(または、外部)クロックが機能しなくなった場合、または、制御ユニット420が何らかの理由で特定の状態に嵌まり込んだ場合、制御ユニット420はその安全出力部428においてもはや交流信号を生成しなくなるが、それに代えて、不確定の性質をもつ一定信号を生成する。次いで、コンデンサ470の出力信号と、特にAC/DC変換器480の出力信号は0になり、それ故、制御可能な安全スイッチ460は、制御ユニット420はトリアック130をトリガリングし続ける場合でさえ、開状態になる。
【0077】
交流であるとき、安全スイッチ460が交流電圧により動作されるために適合される場合、AC/DC変換器480は、原理的に省略される。
【0078】
本発明は、幾つかの好適な実施形態を詳述することにより上記で説明したが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではなく、むしろ、同時提出の請求の範囲に規定されるような本発明の保護される範囲内において、種々の変形および修正が可能であることを当業者は理解する必要がある。例えば、本発明の原理は、いずれの種類の誘導性負荷を駆動することにおいて適用可能である。
【0079】
さらに、図3Aおよび3Bに示した実施形態において、第1制御可能スイッチ130は、バラストから離れる方向のランプの側に配置される。それに代えて、このスイッチはまた、ランプから離れる方向のバラストの側に配置されることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】従来のドライバの模式的なブロック図である。
【図2】ガス放電ランプにおける電圧および電流を示すグラフである。
【図3A】ガス放電ランプのためのドライバについての本発明に従った第1実施形態の模式図である。
【図3B】ガス放電ランプのためのドライバについての本発明に従った第2実施形態の模式図である。
【図4】起動段階の間のイグニッションパルスに関してランプを流れる電流を示すグラフである。
【図5】大きい時間スケールの図4に類似するグラフである。
【図6】後半の時点の図4に類似するグラフである。
【図7】起動段階から標準動作への遷移における図4に類似するグラフである。
【図8】本発明の実施形態を組み込んだタニング装置を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス放電ランプを駆動するためのドライバであって:
AC入力電圧を受ける第1入力端子および第2入力端子;
前記ランプの電極への接続のための第1入力端子および第2出力端子;
前記出力端子と直列に接続された第1制御可能スイッチであって、制御入力部を有する、第1制御可能スイッチ;
前記出力端子の1つにおいて大きい電圧パルスを生成するための制御可能電圧生成手段;並びに
前記AC入力電圧のゼロクロスの後に所定位相において前記第1制御可能スイッチを制御するためおよび前記電圧生成手段を制御するための制御ユニット;
を有することを特徴とするドライバ。
【請求項2】
請求項1に記載のドライバであって:
前記制御可能電圧生成手段は、前記1つの出力端子に接続される出力端部を有する自動変圧器として実施され且つ中央タップをさらに有する誘導性バラストを有し;
前記ドライバは、前記誘導性バラストの前記中央タップに接続される1つの端子を有するコンデンサをさらに有する;
ことを特徴とするドライバ。
【請求項3】
請求項2に記載のドライバであって、前記コンデンサの他の端子は他の前記出力端子に接続される、ことを特徴とするドライバ。
【請求項4】
請求項2に記載のドライバであって:
前記コンデンサの前記他の端子は第2制御可能スイッチに接続され、直列に組み合わされた前記コンデンサおよび前記第2制御可能スイッチは前記出力端子と並列に接続され;
前記制御ユニットは前記制御可能スイッチの制御入力部に接続される出力端子を有する;
ことを特徴とするドライバ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれに記載のドライバであって、前記制御ユニットは、前記入力電圧のゼロクロスを検出するために、前記入力端子の1つに連結されるゼロクロス検出器に接続される感知入力部を有する、ことを特徴とするドライバ。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれに記載のドライバであって、前記制御可能スイッチは各々取りアックを有する、ことを特徴とするドライバ。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれに記載のドライバであって、前記所定時間はΔφ乃至90°の範囲内にあり、Δφは、定常状態の動作の間に前記入力電圧についてのランプ電流の位相遅延である、ことを特徴とするドライバ。
【請求項8】
請求項7に記載のドライバであって、前記所定時間はΔφ+10°乃至Δφ+15°の範囲内である、ことを特徴とするドライバ。
【請求項9】
請求項7に記載のドライバであって、Δφは70°に略等しく、前記所定時間は85°に略等しい、ことを特徴とするドライバ。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれに記載のドライバであって、前記制御ユニットは、数秒のオーダーとすることが可能である所定のイグニッション段階の間に、前記入力電圧の各々のゼロクロスの後に前記所定時間に1回だけ前記制御可能スイッチを連続的にスイッチングするために適合され、前記制御ユニットは前記イグニッション段階の後の定常状態の動作の間に導電状態に少なくとも前記第1制御可能スイッチを連続的に保つために適合される、ことを特徴とするドライバ。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれに記載のドライバであって、制御ユニットは調光信号入力部を有し、その調光信号入力部において調光信号を受けることに応じて、前記制御ユニットは、前記入力電圧の各々のゼロクロスの後であって、好適にはΔφ乃至90°の範囲内にある前記調光パルス位相の後に、所定の調光パルス位相において1回だけ前記制御可能スイッチを前記制御ユニットがスイッチングする調光段階に入るために、適合される、ことを特徴とするドライバ。
【請求項12】
ガス放電ランプを駆動するためのドライバであって、好適には請求項1乃至9に記載のドライバであり:
AC入力電圧を受ける第1および第2入力端子;
前記ランプの電極への接続のための第1および第2出力端子;
前記出力端子と直列に接続される第1制御可能スイッチであって、制御入力部を有する、第1制御可能スイッチ;
前記出力端子の1つにおいて前記ランプのために動作電圧を生成するための制御可能電圧生成手段;
前記出力端子と直列に接続される制御可能安全スイッチであって、制御入力部を有する、制御可能安全スイッチ;
前記電圧生成手段を制御するためであって、前記第1制御可能スイッチを制御するための制御ユニットであり、前記制御可能安全スイッチを制御するための安全出力部をさらに有し、前記安全出力部において交流の安全信号を生成するために適合される、制御ユニット;並びに
前記制御可能安全スイッチの前記制御入力部と前記制御ユニットの前記出力部との間に接続される動作手段であって、その入力部において交流信号を受けることに応じてのみ前記制御可能安全スイッチのための動作信号を生成するために適合される、動作手段;
を有することを特徴とするドライバ。
【請求項13】
請求項12に記載のドライバであって、前記動作手段は、前記制御ユニットの前記安全出力部と前記制御可能安全スイッチの前記制御入力部との間に直列に連結されるコンデンサを有する、ことを特徴とするドライバ。
【請求項14】
請求項12または13に記載のドライバであって、前記動作手段は、前記制御ユニットの前記安全出力部と前記制御可能安全スイッチの前記制御入力部との間に直列に連結されるAC/DC変換器を有する、ことを特徴とするドライバ。
【請求項15】
請求項12乃至14のいずれに記載のドライバであって、前記制御ユニットは、ユーザからのタイマーコマンドを受けるためにタイマー設定入力部を有し:
前記制御ユニットは、前記タイマーコマンドにより決定される期間の間に閉状態において前記第1制御可能スイッチを動作させるために適合され;
前記制御ユニットは、前記タイマーコマンドにより決定される前記期間の間にその安全出力部において前記交流の安全信号を生成するためにさらに適合される;
ことを特徴とするドライバ。
【請求項16】
請求項12乃至15のいずれに記載のドライバであって、前記制御可能安全スイッチはリレーとして実施される、ことを特徴とするドライバ。
【請求項17】
有利なUV光を生成するために少なくとも1つのガス放電ランプを収容するランプハウジングであって、対象について所定の高さに配置されるために適合される、ランプハウジング;並びに
前記ガス放電ランプを駆動するために請求項1乃至16のいずれに記載のドライバをさらに有するタニング装置;
を有することを特徴とするタニング装置。
【請求項18】
請求項17に記載のタニング装置であって:
請求項19に記載のドライバ;並びに
前記制御ユニットの入力部に連結された検出器をさらに有する前記タニング装置;
を有し、
前記検出器は、前記対象の上方の前記ランプハウジングの前記高さを表す信号を提供するために適合され;
前記制御ユニットは前記検出器から受ける信号に応じて調光段階に入るために適合される;
ことを特徴とするタニング装置。
【請求項19】
請求項18に記載のタニング装置であって:
前記ランプハウジングは拡張可能ポストの上端部に接続され;
前記検出器は前記ポストと一体化され、前記ポストの長さを表す信号を生成するために適合される;
ことを特徴とするタニング装置。
【請求項20】
請求項18に記載のタニング装置であって、前記検出器は前記ランプハウジングに一体化された距離測定センサであり、前記対象の上方の前記ランプハウジングの前記高さを測定するために適合され、前記検出器は、例えば、反射音または反射光に基づいて動作する、ことを特徴とするタニング装置。
【請求項21】
好適には請求項17乃至20のいずれに記載のタニング装置であって:
有利なUV光を生成するために少なくとも1つのガス放電ランプを収容するランプハウジング;
前記ガス放電ランプを駆動するために請求項1乃至20のいずれに記載のドライバを有するタニング装置;
を有し、前記タニング装置は、
実質的にUVAを通過させ且つ実質的にUVBをブロックするようにデザインされた、ランプの前に配置されたフィルタガラス;
制御可能冷却手段;並びに
前記制御可能冷却手段を制御するための制御ユニット
をさらに有する、ことを特徴とするタニング装置。
【請求項22】
請求項21に記載のタニング装置であって:
前記制御可能冷却手段は冷却空気を吹き付けるためのブロワを有し、また、好適には、制御可能空気バルブを有し;
前記制御ユニットは前記ブロワのモーター速度を制御するために適合され、可能であればまたはその代わりとして、前記制御ユニットは前記制御可能空気バルブを制御するために適合される;
ことを特徴とするタニング装置。
【請求項23】
請求項21または22に記載のタニング装置であって、前記制御ユニットは、所定の関係に従ってランプ電力に関して前記冷却手段を制御するために適合される、ことを特徴とするタニング装置。
【請求項24】
請求項21または22に記載のタニング装置であって:
前記ランプハウジングは、温度センサであって、実際のフィルタガラスの温度を表すセンサ信号を生成するために前記フィルタガラスに一体化された、センサをさらに備え、前記センサの出力部は前記制御ユニットのセンサ入力部に接続され;
前記制御ユニットは、前記センサ信号により表される前記実際のフィルタガラスの温度が所定の所望値に保たれるように、前記冷却手段を制御するために適合される;
ことを特徴とするタニング装置。
【請求項1】
ガス放電ランプを駆動するためのドライバであって:
AC入力電圧を受ける第1入力端子および第2入力端子;
前記ランプの電極への接続のための第1入力端子および第2出力端子;
前記出力端子と直列に接続された第1制御可能スイッチであって、制御入力部を有する、第1制御可能スイッチ;
前記出力端子の1つにおいて大きい電圧パルスを生成するための制御可能電圧生成手段;並びに
前記AC入力電圧のゼロクロスの後に所定位相において前記第1制御可能スイッチを制御するためおよび前記電圧生成手段を制御するための制御ユニット;
を有することを特徴とするドライバ。
【請求項2】
請求項1に記載のドライバであって:
前記制御可能電圧生成手段は、前記1つの出力端子に接続される出力端部を有する自動変圧器として実施され且つ中央タップをさらに有する誘導性バラストを有し;
前記ドライバは、前記誘導性バラストの前記中央タップに接続される1つの端子を有するコンデンサをさらに有する;
ことを特徴とするドライバ。
【請求項3】
請求項2に記載のドライバであって、前記コンデンサの他の端子は他の前記出力端子に接続される、ことを特徴とするドライバ。
【請求項4】
請求項2に記載のドライバであって:
前記コンデンサの前記他の端子は第2制御可能スイッチに接続され、直列に組み合わされた前記コンデンサおよび前記第2制御可能スイッチは前記出力端子と並列に接続され;
前記制御ユニットは前記制御可能スイッチの制御入力部に接続される出力端子を有する;
ことを特徴とするドライバ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれに記載のドライバであって、前記制御ユニットは、前記入力電圧のゼロクロスを検出するために、前記入力端子の1つに連結されるゼロクロス検出器に接続される感知入力部を有する、ことを特徴とするドライバ。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれに記載のドライバであって、前記制御可能スイッチは各々取りアックを有する、ことを特徴とするドライバ。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれに記載のドライバであって、前記所定時間はΔφ乃至90°の範囲内にあり、Δφは、定常状態の動作の間に前記入力電圧についてのランプ電流の位相遅延である、ことを特徴とするドライバ。
【請求項8】
請求項7に記載のドライバであって、前記所定時間はΔφ+10°乃至Δφ+15°の範囲内である、ことを特徴とするドライバ。
【請求項9】
請求項7に記載のドライバであって、Δφは70°に略等しく、前記所定時間は85°に略等しい、ことを特徴とするドライバ。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれに記載のドライバであって、前記制御ユニットは、数秒のオーダーとすることが可能である所定のイグニッション段階の間に、前記入力電圧の各々のゼロクロスの後に前記所定時間に1回だけ前記制御可能スイッチを連続的にスイッチングするために適合され、前記制御ユニットは前記イグニッション段階の後の定常状態の動作の間に導電状態に少なくとも前記第1制御可能スイッチを連続的に保つために適合される、ことを特徴とするドライバ。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれに記載のドライバであって、制御ユニットは調光信号入力部を有し、その調光信号入力部において調光信号を受けることに応じて、前記制御ユニットは、前記入力電圧の各々のゼロクロスの後であって、好適にはΔφ乃至90°の範囲内にある前記調光パルス位相の後に、所定の調光パルス位相において1回だけ前記制御可能スイッチを前記制御ユニットがスイッチングする調光段階に入るために、適合される、ことを特徴とするドライバ。
【請求項12】
ガス放電ランプを駆動するためのドライバであって、好適には請求項1乃至9に記載のドライバであり:
AC入力電圧を受ける第1および第2入力端子;
前記ランプの電極への接続のための第1および第2出力端子;
前記出力端子と直列に接続される第1制御可能スイッチであって、制御入力部を有する、第1制御可能スイッチ;
前記出力端子の1つにおいて前記ランプのために動作電圧を生成するための制御可能電圧生成手段;
前記出力端子と直列に接続される制御可能安全スイッチであって、制御入力部を有する、制御可能安全スイッチ;
前記電圧生成手段を制御するためであって、前記第1制御可能スイッチを制御するための制御ユニットであり、前記制御可能安全スイッチを制御するための安全出力部をさらに有し、前記安全出力部において交流の安全信号を生成するために適合される、制御ユニット;並びに
前記制御可能安全スイッチの前記制御入力部と前記制御ユニットの前記出力部との間に接続される動作手段であって、その入力部において交流信号を受けることに応じてのみ前記制御可能安全スイッチのための動作信号を生成するために適合される、動作手段;
を有することを特徴とするドライバ。
【請求項13】
請求項12に記載のドライバであって、前記動作手段は、前記制御ユニットの前記安全出力部と前記制御可能安全スイッチの前記制御入力部との間に直列に連結されるコンデンサを有する、ことを特徴とするドライバ。
【請求項14】
請求項12または13に記載のドライバであって、前記動作手段は、前記制御ユニットの前記安全出力部と前記制御可能安全スイッチの前記制御入力部との間に直列に連結されるAC/DC変換器を有する、ことを特徴とするドライバ。
【請求項15】
請求項12乃至14のいずれに記載のドライバであって、前記制御ユニットは、ユーザからのタイマーコマンドを受けるためにタイマー設定入力部を有し:
前記制御ユニットは、前記タイマーコマンドにより決定される期間の間に閉状態において前記第1制御可能スイッチを動作させるために適合され;
前記制御ユニットは、前記タイマーコマンドにより決定される前記期間の間にその安全出力部において前記交流の安全信号を生成するためにさらに適合される;
ことを特徴とするドライバ。
【請求項16】
請求項12乃至15のいずれに記載のドライバであって、前記制御可能安全スイッチはリレーとして実施される、ことを特徴とするドライバ。
【請求項17】
有利なUV光を生成するために少なくとも1つのガス放電ランプを収容するランプハウジングであって、対象について所定の高さに配置されるために適合される、ランプハウジング;並びに
前記ガス放電ランプを駆動するために請求項1乃至16のいずれに記載のドライバをさらに有するタニング装置;
を有することを特徴とするタニング装置。
【請求項18】
請求項17に記載のタニング装置であって:
請求項19に記載のドライバ;並びに
前記制御ユニットの入力部に連結された検出器をさらに有する前記タニング装置;
を有し、
前記検出器は、前記対象の上方の前記ランプハウジングの前記高さを表す信号を提供するために適合され;
前記制御ユニットは前記検出器から受ける信号に応じて調光段階に入るために適合される;
ことを特徴とするタニング装置。
【請求項19】
請求項18に記載のタニング装置であって:
前記ランプハウジングは拡張可能ポストの上端部に接続され;
前記検出器は前記ポストと一体化され、前記ポストの長さを表す信号を生成するために適合される;
ことを特徴とするタニング装置。
【請求項20】
請求項18に記載のタニング装置であって、前記検出器は前記ランプハウジングに一体化された距離測定センサであり、前記対象の上方の前記ランプハウジングの前記高さを測定するために適合され、前記検出器は、例えば、反射音または反射光に基づいて動作する、ことを特徴とするタニング装置。
【請求項21】
好適には請求項17乃至20のいずれに記載のタニング装置であって:
有利なUV光を生成するために少なくとも1つのガス放電ランプを収容するランプハウジング;
前記ガス放電ランプを駆動するために請求項1乃至20のいずれに記載のドライバを有するタニング装置;
を有し、前記タニング装置は、
実質的にUVAを通過させ且つ実質的にUVBをブロックするようにデザインされた、ランプの前に配置されたフィルタガラス;
制御可能冷却手段;並びに
前記制御可能冷却手段を制御するための制御ユニット
をさらに有する、ことを特徴とするタニング装置。
【請求項22】
請求項21に記載のタニング装置であって:
前記制御可能冷却手段は冷却空気を吹き付けるためのブロワを有し、また、好適には、制御可能空気バルブを有し;
前記制御ユニットは前記ブロワのモーター速度を制御するために適合され、可能であればまたはその代わりとして、前記制御ユニットは前記制御可能空気バルブを制御するために適合される;
ことを特徴とするタニング装置。
【請求項23】
請求項21または22に記載のタニング装置であって、前記制御ユニットは、所定の関係に従ってランプ電力に関して前記冷却手段を制御するために適合される、ことを特徴とするタニング装置。
【請求項24】
請求項21または22に記載のタニング装置であって:
前記ランプハウジングは、温度センサであって、実際のフィルタガラスの温度を表すセンサ信号を生成するために前記フィルタガラスに一体化された、センサをさらに備え、前記センサの出力部は前記制御ユニットのセンサ入力部に接続され;
前記制御ユニットは、前記センサ信号により表される前記実際のフィルタガラスの温度が所定の所望値に保たれるように、前記冷却手段を制御するために適合される;
ことを特徴とするタニング装置。
【図6】本発明に従った安全手段を備えたドライバを示す図である。
【図7】冷却手段を有する本発明に従ったタニング装置を示す図である。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図7】冷却手段を有する本発明に従ったタニング装置を示す図である。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2006−504225(P2006−504225A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−545081(P2003−545081)
【出願日】平成14年10月24日(2002.10.24)
【国際出願番号】PCT/IB2002/004446
【国際公開番号】WO2003/043387
【国際公開日】平成15年5月22日(2003.5.22)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成14年10月24日(2002.10.24)
【国際出願番号】PCT/IB2002/004446
【国際公開番号】WO2003/043387
【国際公開日】平成15年5月22日(2003.5.22)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]