回転により色を呈する構造化表面
【課題】回転により色を呈する構造化表面を提供する。
【解決手段】基板を備え、前記基板上に形成され、前記基板によって支持された、光学的可変インクで形成された構造物のアレイを有する光学的可変デバイスであって、前記構造物がピラミッド形の構造物であり、各ピラミッド形の構造物が少なくとも3つの斜面を有し、前記基板に対して直交する軸の周りで前記基板が少なくとも30度回転されたとき、印刷されたピラミッド形の構造物の前記アレイを観察したときに1つまたは複数の色が見える光学的可変デバイス。
【解決手段】基板を備え、前記基板上に形成され、前記基板によって支持された、光学的可変インクで形成された構造物のアレイを有する光学的可変デバイスであって、前記構造物がピラミッド形の構造物であり、各ピラミッド形の構造物が少なくとも3つの斜面を有し、前記基板に対して直交する軸の周りで前記基板が少なくとも30度回転されたとき、印刷されたピラミッド形の構造物の前記アレイを観察したときに1つまたは複数の色が見える光学的可変デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、基板が回転されたとき、または観察者が基板の周りを回ったとき、構造物を観察したときに知覚される色が変わる、基板上に形成される形成構造物のアレイに関する。
【背景技術】
【0002】
光学的可変カラー・シフト・コーティングは、基板上に堆積されたカラー・シフト・インク、カラー・シフト塗料、および多層コーティングの形態で周知であり、この光学コーティングは、入射光の角度または視角が変化したとき、観察可能なカラー・シフトをもたらす。
【0003】
カラー・シフト顔料および着色剤は、自動車用塗料からセキュリティ文書および通貨用の偽造防止インクに及ぶ多数の応用例で使用されている。そのような顔料および着色剤は、入射光の角度が変動したとき、または観察者の視角がシフトしたとき、色が変化する特性を示す。一般に、色のシフトを見るために、観察者は、カラー・シフト効果を生み出すように、光源に対して基板の角度をシフトする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、新規かつ発明性のある形で既知のカラー・シフト・コーティングを使用し、回転によって変動する色を示す物体を生産することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、光学的可変デバイスは、基板を備え、前記基板は、前記基板上に形成され、前記基板によって支持され、光学的可変インクにより印刷された構造物のアレイを有するものであり、前記構造物のそれぞれがピラミッド形構造物を形成し、各ピラミッド形構造物が少なくとも3つの斜面を有し、前記基板に対して直交する軸の周りで前記基板が少なくとも30度回転されたとき、前記ピラミッドを観察したときに見える1つまたは複数の色が変わるものである。前記構造物は、光学的可変インクで印刷することにより、または光学的可変インクの層をエンボス加工することにより形成することができる。
【0006】
本発明の好ましい実施形態によれば、構造物の面が、実質的に平坦である。
【0007】
本発明の広い態様によれば、基板上に印刷された構造物のアレイが提供され、構造物が少なくとも3つの立て壁を有し、各壁が、隣接する立て壁に接触し、隣接する立て壁に接触する位置で終了し、壁が、基板から形成された、または基板上に形成されたベースから内向きで傾斜し、壁が、視角の変化と共にカラー・シフトを呈するカラー・シフト・コーティングで被覆される。
【0008】
本発明をより明確に理解するために、各局面が図1から図17に記載されるが、それらはここでは請求されない。
【0009】
次に、本発明の例示的な実施形態について、図に関連して述べる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図によれば、ピラミッド形構造物のアレイが基板上に設けられ、その構造物は、同じ光学的可変カラー・シフト特殊効果コーティングで被覆される。このコーティングは、カラー・シフト・インク、塗料、または多層カラー・シフト・コーティングとすることができる。以下の例では、標準的なピラミッド形構造物が示されているが、裁頭ピラミッド(frusto−pyramid)もしくは階段状のピラミッド、または他のピラミッドのような構造物を使用し、回転による新規のカラー・シフトを達成することができる。本発明の好適な実施形態にしたがって、ピラミッド形構造物は実際にはインクで被覆されるのではなく、後述されるインタリオ・プレスによってインクから形成される。本発明のこの好適な局面は、カラー・シフト・ピラミッド形構造物を作るのに、より高価でない方法であると信じられており、これらのカラー・シフト構造物はカラー・シフト粒子またはフレークを含む粘性のインクで印刷される。
【0011】
本発明の一実施形態の驚くべき態様は、同じ均一な厚さのコーティングを、均一な対称のピラミッド形構造物の面すべてに付着させると、ピラミッドの小平面または面を「真正面から」観察するのに対して側部小平面を観察したとき、異なる色が見られることである。たとえば、正面は、ピラミッドの側部小平面と異なる色を呈する。ピラミッドが、基板に対して直交する軸の周りで、たとえば30度ほど回転されたとき、正面と側部小平面の色が変化し、さらに回転させたとき、側部小平面が正面小平面の色を帯びたように見え、逆もまた同様であり、その結果、異なる色が見られる。この効果は、そのような構造物のアレイが設けられたとき特に楽しいものである。というのは、この効果が各ピラミッドによって再生され、目は、後続の図に示されるようにこの効果を一体化する傾向があるからである。
さらに、カラー・シフト・ピラミッドがインタリオのような工程を通してインクでピラミッドを印刷することにより形成され、かつそのインクが均一のフレークの配合を含むとき、カラー・シフト効果が後述の例に対して見られ、そこでは均一に被覆されたピラミッドのアレイが提供される。
本発明の代替的局面にしたがって、UV硬化可能な光学的可変印刷インクまたはインタリオ光学的可変印刷インクは50〜100ミクロンの厚さに被覆され、エンボス加工ツールでエンボス加工され、エンボス加工ツールはその表面上にポジ型ピラミッド形構造物のアレイを有し、ポジ型エンボス加工ピラミッド間の空間を提供し、その空間はエンボス加工後、硬化可能な光学的可変インク内でポジ型の印刷済みピラミッドになる。
【0012】
次に図1を参照すると、1から4の番号が付けられた、4つの立て斜壁を有するピラミッド形単位セルが、その単位セルを支持するベース上に示されている。単位セルは、内側が中空であっても中実であっても良い。この単位セルは、本発明に従って述べることになる基本構造である。しかし、この単位セルの変形形態についても述べることになり、本発明の諸実施形態を包含する。
【0013】
(回転によって色を呈する構造化表面のモデル化)
光学的可変カラー・シフト・タイプ・コーティング設計を有する構造化表面の可視モデルが、光学コーティング設計ソフトウェア・プログラムを使用する、カスタム・ライティング・モデルを有する3Dレンダリング・ソフトウェア・パッケージを使用してモデル化およびシミュレーションされた。使用されたライティング・モデルは完全な拡散ライティング条件を取り、その結果、モデルの観察者によって観察される色を近似するために、小平面法線とカメラ位置の間の角度だけしか考慮する必要がない。
【0014】
上述のモデル化を使用し、回転によって色を呈する構造化表面のクリティカルな設計パラメータを調査した。
【0015】
このモデル化は、本質的に、単純なピラミッド形構造物からなる微細複製表面(micro replicated surface)に焦点を当てた。それにもかかわらず、より複雑な幾何形状が可能であり、やはり回転による色効果を呈することになる。このモデル化は、基板およびコーティング設計から見て重要な、鍵となる設計パラメータを識別するために使用される。
【0016】
(コーティング設計)
この構造物の性能をモデル化するために使用されるコーティング設計は、その構造物上の光学的可変カラー・シフト・コーティングの性能をシミュレーションするための、反射体、誘電体、吸収体からなる光学スタックであった。
【0017】
検討された光学設計は、以下のものであった。すなわち、
(1)アルミニウム(100nm)/フッ化マグネシウム(厚さ可変)/クロム(6nm)
(2)アルミニウム(100nm)/硫化亜鉛(厚さ可変)/クロム(6nm)
【0018】
(単位セル)
モデル化は、図1に示されているように、各辺で1単位の長さを示す方形ベースを有する、単純な4面ピラミッド形構造物を使用して実施された。ピラミッド形構造物の頂点は、ベースの上方の高さを設計変数としてベースの上で中央に置かれた。
【0019】
(1)と(2)の番号が付けられた面を有する、図1に示されている基本単位セルは、ピラミッド構造物の両側の面であり、縦方向(machine direction)になるように画定されることになる。したがって、縦方向は、ウェブ移動方向を指す。提示される大抵のモデルでは、これらの面は、概して非縦方向にある面(3)と面(4)より大きいコーティング厚を有するものと仮定されることになる。
【0020】
各ピラミッド面上の相対コーティング厚は、ソースおよびコーティング幾何形状の複雑な関数である。しかし、製品形態での所望の外観全体を達成するために、最適な相対コーティング厚が考慮されることになる。
【0021】
モデル#1は、ピラミッド形小平面または面がそれぞれ等しい厚さの誘電体を有する、回転による色効果を呈するモデルを提示する。したがって、コーティングの色は、各面が同じ角度で観察されたならば各面上で同じである。回転による色効果は、ピラミッド形構造物の各面上の誘電体コーティング厚に差がないとき、その構造物上で観察される。
【0022】
この場合には、緑/青の光学的可変顔料(OVP)コーティング設計に対応する、360nmのコーティング厚を有する誘電体スペーサ層に、MgF2層が使用された。
【0023】
OVPの面色(face color)は、垂直の観察位置で任意の面を観察したとき観察され、一方、角度色(angle color)は、非垂直の位置から観察したとき見える。この場合には、面軸および角度軸はすべて、各面が同じ誘電体厚を有する状態で等しいものとなる。モデル#1は、回転による色効果を達成するためにピラミッド構造物の面の間での誘電体厚の差が必要とされないことを示す。より簡単に言えば、面すべてを同じ厚さのコーティングで被覆し、所望の回転による色の効果を達成することができる。
【0024】
下記の表1は、ワイヤ・グリッド・フレーム・モデルにおいて、使用されたピラミッド形セルの「面観察」および「角観察」を示す。下記、同じ表には、カラー・シフト・コーティングを有する「単位セル・モデル」の観察があり、面観察は、緑の面色を示し、角観察は、同じ被覆セルから見られる水色を示す。表1内のセルの最後の行は、「単位セル・ピラミッドのアレイの表面観察」を示す。面観察に対応するピラミッドのアレイは、緑のピラミッドを示し、一方、角観察内で示されているアレイは、水色のピラミッドを示す。
【0025】
【表1】
【0026】
図2は、0度、すなわち面観察から、15度の増分での様々な角度による、また0度の元の面観察からの最大360度の回転に至る、モデル#1に関する様々な角度の色移動での観察を示す。
【0027】
それに対して、モデル#2は、隣接する面上で厚さが異なるコーティングを有する、回転による色を表す。この例示的な実施形態では、異なる隣接する小平面上に、異なる誘電体厚が与えられている。したがって、小平面または面(1)と(2)は、同じ厚さのコーティングで被覆され、面(3)と面(4)は、異なる同じ厚さのコーティング材料で被覆されている。モデル#2は、実際のコーティングを表すシミュレーションであるが、これらの設計パラメータを有するそのようなコーティングは、真空ロール・コータ内で、適正なソースおよびマスク用幾何形状を用いて被覆することができる。この実施形態では、縦方向の面(1、2)は、等しい誘電体厚を有し、一方、非縦方向の面(3、4)は、機械内での斜めの被覆角度により、それより少ない誘電体を有する。
【0028】
この実施形態では、隣接するピラミッド面が著しく異なる誘電体厚を有するため、誘電体厚すべてが等しいモデル#1の場合のように45度の回転ごとではなく、90度の回転ごとに最大色移動が観察される。モデル#2のケース1およびケース2によって例示される2つの異なる例が提供されており、それぞれ異なるコーティングが付着される。モデル#2ケース1では、提供されている比率は、公称MgF2設計厚に比べて、各面上に堆積されたコーティングの相対量を指す。たとえば、モデル#2ケース1については、ベース設計は、Al/MgF2(360nm)/Cr(6nm)である。したがって、この面1と面2比率が1であるこの例では、Al/MgF2(360nm)/Cr(6nm)というコーティング設計が使用される。比率が0.8である面3と面4については、Al/MgF2(288nm)/Cr(6nm)というコーティング設計が使用される。この比率は、MgF2誘電体スペーサ層の異なる厚さに関連する。
【0029】
【表2】
【0030】
モデル#2の第1のケースは、非縦方向面について0.8の比率を使用した。ケース2は、非縦方向面について0.9の乗数を使用する同様の構成を示す。
【0031】
【表3】
【0032】
非縦方向面比率を0.7に減少させると、90度および270度の角度で、青ではなく、赤みがかったマゼンタにシフトする。
【0033】
【表4】
【0034】
(モデル#2観察)
軸外しの面(3)と面(4)の誘電体厚を修正すると、これらの面が視界を支配する位置に基板を回転させたとき、観察される色に強い影響がある(90°および270°の回転角)。軸外しの面(3)と面(4)の誘電体厚を変化させると、反対向きの面(1)と面(2)を観察したとき、色に対する影響がより小さくなる。というのは、これらの面が傾斜しており、より小さな断面を提示し、光学コーティング設計をより高い角度から観察することにより色度を失うからである。
【0035】
面(3)と面(4)上の軸外しの色は、厚さ比率が変更されたとき、誘電体厚が変化しつつあるため、強く変動する。
【0036】
軸上の面と軸外しの面が共に同じ視野内で観察可能であることの別の重要な結果は、軸上の面を観察したとき、軸外しの面が観察される色に対して著しい貢献をすることである。より魅力的な見た目を有する、誘電体厚と軸外しの面比率のいくつかの組合せがある。というのは、以下の条件の一方または両方が発生する可能性があるからである。
(1)軸上で観察したとき、軸外しの小平面からの観察されるシフト色が、軸上の小平面の面色と十分に調和し、色同士が同様の色相角を有する。
(2)軸外しで観察したとき、軸上の小平面からの観察されるシフト色が、軸外しの小平面の面色と十分に調和する。
【0037】
以下の例は、上記の条件を例示する。
【0038】
モデル2ケース4では、マゼンタから緑のOVP設計に対応する480nmのベースMgF2厚を有する同じ単位セルが使用される。ケース1の場合と同様に、軸外しの面上のコーティング厚について比率0.80が使用される。この特定のケースでは、条件1および条件2が共に満たされる。これは、図6aおよび図6bに示されている。
【0039】
【表5】
【0040】
この例では、軸上の観察は、軸外しの面からの青シフト色と調和するマゼンタ設計を示す。軸外しの観察では、緑の面色が、マゼンタ面からの緑のシフト色と十分に調和する。
【0041】
全体として、モデル2ケース4は、軸上および軸外しで共に観察することにより、両観察軸において互いに補強する調和色が得られるため、非常に強い回転による色効果を示す。
【0042】
これらの要件を満たすために必要とされる、鍵となるパラメータは、誘電体屈折率、誘電体厚、軸上から軸外しの誘電体厚、および単位セル設計である。低い屈折率、すなわちMgF2など約1.6より低いものを有する誘電体は、軸上の向きおよび軸外しの向きで同様の色相角を有する調和色を達成するために必要とされる、より強いカラー・シフトを呈するので好ましい。高い屈折率の材料もまた、機能するがそれほど劇的でない結果を伴う回転による色を達成するように使用することができる。
【0043】
図8a、図8b、図9に示されているモデル2ケース5は、調和色が実現されない、すなわち同様の色相の色が軸上の向きで観察者に提示されず、観察される色があまり劇的でない別の場合の例を示す。このケースでは、調和色が依然として軸外しの向きで提示され、軸外しの観察で補強された金色が得られる。
【0044】
【表6】
【0045】
(モデル#3:ピラミッド高さおよび視角の最適化)
図10、図11、図12、図13によって示されるこのモデルは、製品の見た目に対するピラミッドの高さおよび視角の潜在的な影響を調査する。決定しなければならないパラメータの1つは、表面構造物の目標高さである。このモデルでは、製品の見た目全体に対する影響を調査するために、4つのピラミッド高さおよび3つの視角がシミュレーションされた。
【0046】
【表7】
【0047】
(視角の結論)
本発明の好ましい実施形態では、最も理想的な単位セルの高さ対底辺の比率は、0.636の高さ対底辺比率を有する「黄金ピラミッド」比率となることが実証されている。本発明者らのシミュレーションにおいて使用されている比率のうち、この比率は、基板平面の上方で25度から65度に及ぶ基板視角の典型的な範囲にわたって最も少ない見た目の色変動を示した。0.8の高さ対底辺比率もまた、許容可能であることが判明した。
【0048】
0.4の場合など、高さ対底辺比率が低くなると、基板平面からの視角の関数として、色相が大きく変化する。この実施形態では、視角が増大するにつれて、軸外しの観察が極端に黄色みを帯びる。また、1.0など、高さ対底辺比率が高くなると、基板平面からの視角の関数として、著しい色相変動を示し始めた。
【0049】
実施されたシミュレーションを介して、本発明者らは、最適な高さ対底辺比率が0.6から0.8の範囲内にあるのは明らかであることを見出した。この場合には、軸外しの面が、軸上の面が受け取りつつあるコーティングの80%を常に受け取りつつあるものと仮定した。これは、コーティング幾何形状の制約により、高さ対底辺比率が小さくなると、おそらくは実現可能でない。しかし、基板平面からの視角が変動したとき最も少ない視覚的変動を生み出す最適な単位セルの高さ対底辺比率があることは明らかである。
【0050】
モデル化の結果として、本発明者らは以下のように結論を下す。すなわち、
1)ピラミッド形構造物上で回転による色効果を達成するために、面上のMgF2厚の差は必要とされない。回転による色は、等しいコーティング厚の場合でさえ観察可能となる。この場合、最大色移動は、45度軸上で発生することになる。
2)等しくない小平面MgF2厚については、90度の回転軸上で最大の色移動と共に、より強いカラー・シフトが観察される。
3)より強い回転による色効果は、同様の色相角を有することによって小平面色が互いに補強し合う状況で観察されることになる。
4)モデル3は、基板を異なる傾斜角で観察したとき最適な色移動をもらたすための最適な高さ対底辺比率に関する情報を提供する。
【0051】
ピラミッドのアレイは、可撓性または剛性の変形可能な基板を適切なマスターからエンボス加工することによって形成することができる。マスターは、ダイアモンド・カッティング、または電子ビーム・リソグラフィ、イオン・ミリング、もしくは他の微細複製技法など他の好適な微細加工技法によって作製することができる。本発明者らは、諸技法を使用し、エンボス加工工程で使用することができるマスターを作製することができると考える。一実施形態では、リリース層を有する無電界ニッケルを用いてポジ型ニッケル・マスターを作製するためのテンプレートとして、印刷業で使用される、所与のピラミッドおよび他の形状を有するアニロックス(anilox)ローラを使用し、その後で、そのニッケル・マスターからニッケル・ドータ・イメージ(daughter image)を成長させ、そのニッケル・ドータ・イメージを使用し、ポジ型ピラミッド形状を作製するためにウェブ上のUV硬化可能なラッカをエンボス加工する。アニロックス・ローラに関する情報は、現在、インターネット上で、http://www.harperimage.com/anilox−specify.aspおよびhttp://www.appliedlaser.co.uk/anilox.htmで見出すことができる。
【0052】
これまでに述べた実施形態すべてにおいて、ピラミッドの寸法は、目の分解能より小さいことが好ましい。したがって、ピラミッドの高さは、100ミクロン未満であることが好ましい。これは、1つのカラー・シフトがなぜ発生しているかについて観察者にとって明らかでないことになるため、セキュリティから見て重要である。
【0053】
視覚的に魅力的なセキュリティ・コーティングを提供することに加えて、本発明の実施形態は、使用される変調の程度に応じて、公然の、または秘密の可読「バー・コード」効果を生み出すように線形的な順序でピラミッドの高さを変えることによる線形符号化の形態を使用する。公然の画像、記号、単語を、単位セルに対する幾何形状の変動によるパターン内に書き込むことができる。セル高さ、向き、セル・サイズ、小平面角度の変更は、すべて情報を符号化するために使用することができる。図17は、文字の領域において基板を露出することによる文字「A」の形の印を示す。
【0054】
図面に示されていない本発明の一実施形態では、ロゴを形成するためのピラミッドの特定の領域を、セキュリティ・デバイス内の対照的な背景として働く他のピラミッドに対して45度で配向し、すべてのピラミッドを同じカラー・シフト・コーティングで被覆することによって、可視のロゴが形成される。このようにして、ロゴを形成するピラミッドは、背景のピラミッドの色と異なる第1の色で見える。デバイスが回転されたとき色が変化し、特定の角度では、2つの領域の色が切り替わるように見える。
【0055】
ロゴまたは字句の形の印をピラミッドのアレイ内で、またはピラミッド間で符号化することができる様々な他の実施形態を想定することができる。ピラミッドの領域は、他のものと異なる幾何形状を有することができ、それにより、ロゴまたはテキストを画定するように視覚的に区別することを可能にする。特定の実施形態では、ウェブ上の大抵のエリアが、同じピラミッド幾何形状を有するが、いくつかの領域内で一部のピラミッドが、異なる面角度を有するセキュリティ・スレッド(security thread)がある。これにより、デバイスが回転されたとき画像が現れることが可能になる。別法として、いくつかの裁頭ピラミッドが、ある領域内で平坦な頂部を備えることができ、それにより、他の通常の形状のピラミッドと区別可能なロゴまたは印を画定する。本質的に、これらの実施形態のすべてで必要とされるものは、印を画定するように視覚的に区別可能な、ピラミッドのより大きな領域内の領域である。
【0056】
これまで、平坦な表面を有するピラミッドについて述べたが、回折溝が形成された1つまたは複数の面を有するピラミッドは、述べられているカラー・シフトに対して追加の効果をもたらすことになる。たとえば、底辺から頂点に延びる表面溝を有するピラミッドを設けることができ、また、階段状のピラミッドを設けることもできる。階段状のピラミッドは、小さな回折幅で階段を有することができ、またはそれより大きなものとすることができる。これらのピラミッドは、特に面上の鏡面反射コーティングと共に、面が回転移動したとき興味深い色/消色効果をもたらすことになる。
【0057】
さらに、そのようなピラミッドは、たとえばアルミニウムの鏡面コーティングを用いてさえ、興味深い効果をもたらすことになる。カラー・シフト・コーティング済みピラミッドと区別可能なロゴまたは印を形成するように、アルミニウム処理されたピラミッドを、光学的可変コーティング済みピラミッド内で意図的に分散された、選択されたパターンで設けることができる。
【0058】
ピラミッドの様々なパッキング構成を提供することができる。たとえば、図15は、基板の平坦な空間が立てピラミッド間に示されている一実施形態を示し、図16では、立てピラミッドと逆ピラミッドが並置されて示されている。
【0059】
また、ピラミッドは、図に示されている縦方向に対して斜めにして設けることができる。
【0060】
本発明の好ましい実施形態は、カラー・シフト・インクを用いたピラミッドの印刷に関する。インタリオ(Intaglio)印刷は、非印刷画像エリアに対して印刷画像エリア内に凹部が形成されている印刷プレートを使用する周知の印刷方法である。インタリオ印刷プレート全体が、極めて粘性の高いインクで充填された後で、印刷画像エリア内だけインクを残すように、非印刷画像エリア上のインクが拭い去られる。その後で、用紙などウェブまたは基板が、大きな圧力下で印刷プレートに直接押し付けられ、印刷画像エリア内に残るインクを紙上に転写する。線凹版(line−engraved)インタリオ印刷は、一般に、紙幣などセキュリティ文書を印刷するために使用され、インタリオ印刷インクが堆積されている彫刻を有する印刷シリンダを使用する。そのような印刷で使用される、極めて粘性の高いペーストのようなインタリオ・インクは、実質的に、グラビア、オフセット、インクジェット印刷など、他の形態の印刷で使用されるインクと本質的に異なる。他のセキュリティ文書および通貨用の光学的可変プリントは、しばしば枚葉給紙型インタリオ・プレス上で印刷される。この印刷工程は、プレートからのインク転写において紙にかかる巨大な圧力(数トン/平方インチ)、高プレス速度(60.96〜152.4m(200〜500フィート)/分)、インクの超粘性、および表面速乾性を必要とする。
【0061】
次に図18を参照すると、ピラミッド形構造物を印刷するための凹版印刷プレート180が示されている。プレート180はインタリオ・タイプのプレートであり、カラー・シフト・ピラミッド形構造物のアレイを形成する際に使用するための凹版ピラミッド形のくぼみ(indentation)182が示されている。印刷時に使用するためのインクは、光学的可変顔料と、好ましくはカラー・シフト顔料とを含有する。
【0062】
カラー・シフト・インクから形成された印刷済みアレイにより、回転による色をもたらす画像が得られる。これは、有機層をPET基板上に堆積し、その後で、すべて同じ面角度を有するピラミッドをそこにエンボス加工することと、それに続くこれらのピラミッド上へのOVD薄膜インターフェース設計の真空堆積によって回転による色を得ることができる、これまでに述べた実施形態に対する、回転による色を得るための代替の実施形態である。
【0063】
それにもかかわらず、カラー・シフト・インクを用いてピラミッド形構造物を印刷することは、行うのがより簡単かつよりコスト効果的であると考えられ、ピラミッドのアレイを有するインタリオ・プレートを作成することにより、簡単に現行のインタリオ・プレス上でこれらの回転による色効果を達成することができる。上記で示されている図は、カラー・シフト顔料を有するピラミッド形構造物を印刷することによって得られた、結果として生じるパターンおよびカラー・シフト効果を実証するのに適している。
【0064】
好ましくは、本発明による印刷ピラミッドは、対応する底辺寸法と共に高さ20〜100ミクロン、または、高さ対底辺比率が1:5〜5:1の間、好ましくは1:2〜2:1、より好ましくは0.5:1〜1:0.5の間となり、その結果、高さは、無単位寸法(unit less dimensions)における0.5〜1.0で変動することができ、底辺は、1.0〜0.5で変動することができ、回転による色を達成することになるような様々な寸法を有する。
【0065】
顔料サイズは、ピラミッドのサイズに対処するように調整され、その結果、より小さい光学的可変顔料または他の顔料が、20ミクロン・ピラミッドについて5ミクロン程度とすることができ、たとえば10または20ミクロンのサイズ設定された顔料が100ミクロン・ピラミッドに適している。
【0066】
インタリオ印刷によって加えられる圧力において、ピラミッド形キャビティ内への粘性流の組み合わせは、粒子をピラミッドの面平面に対して平坦に配向させる傾向がある。一部の粒子は、より小さな部片に破砕され、その結果、小さな小板(platelet)が依然としてピラミッドの表面の平面に対して平行に残る。小板がピラミッド面に対して平行に残らない場合でさえ、他の色が提示されることになるため、回転による色は依然として発生することになる。
【0067】
3つの異なる傾斜表面を有する3面ピラミッドがカラー・シフト・インクで印刷された一実施形態では、印刷された画像を回転させたとき、3つの異なる色を達成することができた。3つ以上の異なる色を得ることが、極めて望ましい。
【0068】
顔料は、光学的可変顔料(OVP)の代わりに、角度と共に何らかのカラー・シフトを有する干渉マイカ、カラー・シフト液晶顔料、さらには磁気カラー・シフトOVPなど、他の顔料を含有することができ、カラー・シフト顔料に加えて、干渉顔料および非干渉顔料を含むことになる非シフト顔料を有することができる。
【0069】
図19は、くぼみのピラミッド192の形態でくぼみを有する印刷プレート190と、ピラミッド196が印刷された付随する基板194とを示す図面であり、基板194は、図ではプレート190から除去されつつある。
【0070】
キャリア内のフレークの濃度は、インクの総重量に基づいて5〜50重量%の範囲内にあり、インタリオ・ペーパ・ワイプ・インク(paper wipe ink)については、好ましくは20〜40%、より好ましくは30%、UVシルクスクリーン・インクについては、好ましくは20〜40%、より好ましくは20%、UVフレキソインク(flexographic ink)については、好ましくは20〜40%、より好ましくは25%の範囲内にある。そのような濃度および配合は、SICPA Holdingに譲渡されたWO2007/131833に示されており、その全体を参照により組み込む。
【0071】
前述のインタリオ・タイプ印刷から変わる本発明の代替の実施形態では、50〜100ミクロンの厚さに被覆されているUV硬化可能なインクまたはインタリオ・インクが、その表面上にポジ型ピラミッド形構造物を有するエンボス加工ツールを用いてエンボス加工される。ポジ型エンボス加工ピラミッド間の空間は、エンボス加工後、硬化可能なインク内でポジ型の印刷済みピラミッドになる。具体的には、5ミクロンと45ミクロンの間の高さを有するピラミッドを用いるエンボス加工は、湿潤厚が50ミクロンであるインタリオ・インク(UV硬化型)に見られる湿潤高粘度フィルム上で行うことができる。
【0072】
以上、本発明の多数の実施形態について述べ、これらの実施形態のすべてが同様の色変化効果、すなわち、基板に対して垂直な軸の周りで基板が回転されたとき、ピラミッドのアレイの可視色が変化する、回転による色変化を有する。この特徴は、保護される文書または物品上のセキュリティ特徴として使用することも、物品上の装飾的な特徴として使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の一態様によるピラミッド形セルの等角投影図である。
【図2】各視角がその、または先行する視角から15度だけ変わる異なる視角で25個の観察を示すモデル#1の図であり、モデルが回転されたとき色移動が見られる。
【図3】各視角がその、または先行する視角から15度だけ変わる異なる視角で25個の観察を示す、ケース1を示すモデル#2の図であり、モデルが回転されたとき色移動が見られる。
【図4】各視角がその、または先行する視角から15度だけ変わる異なる視角で25個の観察を示す、ケース2を示すモデル#2の図であり、モデルが回転されたとき色移動が見られる。
【図5】各視角がその、または先行する視角から15度だけ変わる異なる視角で25個の観察を示す、ケース3を示すモデル#2の図であり、モデルが回転されたとき色移動が見られる。
【図6a】モデル#2ケース4の軸上の観察を示す図である。
【図6b】モデル#2ケース4の軸外しの観察を示す図である。
【図7】各視角がその、または先行する視角から15度だけ変わる異なる視角で25個の観察を示す、ケース4を示すモデル#2の図であり、モデルが回転されたとき色移動が見られる。
【図8a】モデル#2ケース5の軸上の観察を示す図である。
【図8b】モデル#2ケース5の軸外しの観察を示す図である。
【図9】各視角がその、または先行する視角から15度だけ変わる異なる視角で25個の観察を示す、ケース5を示すモデル#2の図であり、モデルが回転されたとき色移動が見られる。
【図10】3つの異なる位置で回転され、3つの異なる視角にある、0.1の高さ/底辺比率を有するモデル#3を示す図である。
【図11】3つの異なる位置で回転され、3つの異なる視角にある、0.4の高さ/底辺比率を有するモデル#3を示す図である。
【図12】3つの異なる位置で回転され、3つの異なる視角にある、0.631の高さ/底辺比率を有するモデル#3を示す図である。
【図13】3つの異なる位置で回転され、3つの異なる視角にある、0.8の高さ/底辺比率を有するモデル#3を示す図である。
【図14】3つの異なる位置で回転され、3つの異なる視角にある、1.0の高さ/底辺比率を有するモデル#3を示す図である。
【図15】隣接するピラミッド間に平坦なウェブがある3面ピラミッドのアレイの平面図である。
【図16】立てピラミッドが示されており、異なる色のピラミッドが、逆ピラミッドを表す、図15の図と同様の図である。
【図17】ウェブ内に画定された文字「A」を、この領域内をピラミッドがない状態にすることによって有するモデルを示す図である。
【図18】カラー・シフト・インクの形でピラミッド形構造物を印刷するためのピラミッド型凹部を有するインタリオ印刷プレスを示す図である。
【図19】印刷プレートおよびそのプレートから部分的に除去されたことが示されるインク入りウェブの断面図を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1 立て斜壁
2 立て斜壁
3 立て斜壁
4 立て斜壁
180 凹版印刷プレート
182 凹版ピラミッド形くぼみ
190 印刷プレート
192 くぼみのピラミッド
194 基板
196 ピラミッド
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、基板が回転されたとき、または観察者が基板の周りを回ったとき、構造物を観察したときに知覚される色が変わる、基板上に形成される形成構造物のアレイに関する。
【背景技術】
【0002】
光学的可変カラー・シフト・コーティングは、基板上に堆積されたカラー・シフト・インク、カラー・シフト塗料、および多層コーティングの形態で周知であり、この光学コーティングは、入射光の角度または視角が変化したとき、観察可能なカラー・シフトをもたらす。
【0003】
カラー・シフト顔料および着色剤は、自動車用塗料からセキュリティ文書および通貨用の偽造防止インクに及ぶ多数の応用例で使用されている。そのような顔料および着色剤は、入射光の角度が変動したとき、または観察者の視角がシフトしたとき、色が変化する特性を示す。一般に、色のシフトを見るために、観察者は、カラー・シフト効果を生み出すように、光源に対して基板の角度をシフトする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、新規かつ発明性のある形で既知のカラー・シフト・コーティングを使用し、回転によって変動する色を示す物体を生産することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、光学的可変デバイスは、基板を備え、前記基板は、前記基板上に形成され、前記基板によって支持され、光学的可変インクにより印刷された構造物のアレイを有するものであり、前記構造物のそれぞれがピラミッド形構造物を形成し、各ピラミッド形構造物が少なくとも3つの斜面を有し、前記基板に対して直交する軸の周りで前記基板が少なくとも30度回転されたとき、前記ピラミッドを観察したときに見える1つまたは複数の色が変わるものである。前記構造物は、光学的可変インクで印刷することにより、または光学的可変インクの層をエンボス加工することにより形成することができる。
【0006】
本発明の好ましい実施形態によれば、構造物の面が、実質的に平坦である。
【0007】
本発明の広い態様によれば、基板上に印刷された構造物のアレイが提供され、構造物が少なくとも3つの立て壁を有し、各壁が、隣接する立て壁に接触し、隣接する立て壁に接触する位置で終了し、壁が、基板から形成された、または基板上に形成されたベースから内向きで傾斜し、壁が、視角の変化と共にカラー・シフトを呈するカラー・シフト・コーティングで被覆される。
【0008】
本発明をより明確に理解するために、各局面が図1から図17に記載されるが、それらはここでは請求されない。
【0009】
次に、本発明の例示的な実施形態について、図に関連して述べる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図によれば、ピラミッド形構造物のアレイが基板上に設けられ、その構造物は、同じ光学的可変カラー・シフト特殊効果コーティングで被覆される。このコーティングは、カラー・シフト・インク、塗料、または多層カラー・シフト・コーティングとすることができる。以下の例では、標準的なピラミッド形構造物が示されているが、裁頭ピラミッド(frusto−pyramid)もしくは階段状のピラミッド、または他のピラミッドのような構造物を使用し、回転による新規のカラー・シフトを達成することができる。本発明の好適な実施形態にしたがって、ピラミッド形構造物は実際にはインクで被覆されるのではなく、後述されるインタリオ・プレスによってインクから形成される。本発明のこの好適な局面は、カラー・シフト・ピラミッド形構造物を作るのに、より高価でない方法であると信じられており、これらのカラー・シフト構造物はカラー・シフト粒子またはフレークを含む粘性のインクで印刷される。
【0011】
本発明の一実施形態の驚くべき態様は、同じ均一な厚さのコーティングを、均一な対称のピラミッド形構造物の面すべてに付着させると、ピラミッドの小平面または面を「真正面から」観察するのに対して側部小平面を観察したとき、異なる色が見られることである。たとえば、正面は、ピラミッドの側部小平面と異なる色を呈する。ピラミッドが、基板に対して直交する軸の周りで、たとえば30度ほど回転されたとき、正面と側部小平面の色が変化し、さらに回転させたとき、側部小平面が正面小平面の色を帯びたように見え、逆もまた同様であり、その結果、異なる色が見られる。この効果は、そのような構造物のアレイが設けられたとき特に楽しいものである。というのは、この効果が各ピラミッドによって再生され、目は、後続の図に示されるようにこの効果を一体化する傾向があるからである。
さらに、カラー・シフト・ピラミッドがインタリオのような工程を通してインクでピラミッドを印刷することにより形成され、かつそのインクが均一のフレークの配合を含むとき、カラー・シフト効果が後述の例に対して見られ、そこでは均一に被覆されたピラミッドのアレイが提供される。
本発明の代替的局面にしたがって、UV硬化可能な光学的可変印刷インクまたはインタリオ光学的可変印刷インクは50〜100ミクロンの厚さに被覆され、エンボス加工ツールでエンボス加工され、エンボス加工ツールはその表面上にポジ型ピラミッド形構造物のアレイを有し、ポジ型エンボス加工ピラミッド間の空間を提供し、その空間はエンボス加工後、硬化可能な光学的可変インク内でポジ型の印刷済みピラミッドになる。
【0012】
次に図1を参照すると、1から4の番号が付けられた、4つの立て斜壁を有するピラミッド形単位セルが、その単位セルを支持するベース上に示されている。単位セルは、内側が中空であっても中実であっても良い。この単位セルは、本発明に従って述べることになる基本構造である。しかし、この単位セルの変形形態についても述べることになり、本発明の諸実施形態を包含する。
【0013】
(回転によって色を呈する構造化表面のモデル化)
光学的可変カラー・シフト・タイプ・コーティング設計を有する構造化表面の可視モデルが、光学コーティング設計ソフトウェア・プログラムを使用する、カスタム・ライティング・モデルを有する3Dレンダリング・ソフトウェア・パッケージを使用してモデル化およびシミュレーションされた。使用されたライティング・モデルは完全な拡散ライティング条件を取り、その結果、モデルの観察者によって観察される色を近似するために、小平面法線とカメラ位置の間の角度だけしか考慮する必要がない。
【0014】
上述のモデル化を使用し、回転によって色を呈する構造化表面のクリティカルな設計パラメータを調査した。
【0015】
このモデル化は、本質的に、単純なピラミッド形構造物からなる微細複製表面(micro replicated surface)に焦点を当てた。それにもかかわらず、より複雑な幾何形状が可能であり、やはり回転による色効果を呈することになる。このモデル化は、基板およびコーティング設計から見て重要な、鍵となる設計パラメータを識別するために使用される。
【0016】
(コーティング設計)
この構造物の性能をモデル化するために使用されるコーティング設計は、その構造物上の光学的可変カラー・シフト・コーティングの性能をシミュレーションするための、反射体、誘電体、吸収体からなる光学スタックであった。
【0017】
検討された光学設計は、以下のものであった。すなわち、
(1)アルミニウム(100nm)/フッ化マグネシウム(厚さ可変)/クロム(6nm)
(2)アルミニウム(100nm)/硫化亜鉛(厚さ可変)/クロム(6nm)
【0018】
(単位セル)
モデル化は、図1に示されているように、各辺で1単位の長さを示す方形ベースを有する、単純な4面ピラミッド形構造物を使用して実施された。ピラミッド形構造物の頂点は、ベースの上方の高さを設計変数としてベースの上で中央に置かれた。
【0019】
(1)と(2)の番号が付けられた面を有する、図1に示されている基本単位セルは、ピラミッド構造物の両側の面であり、縦方向(machine direction)になるように画定されることになる。したがって、縦方向は、ウェブ移動方向を指す。提示される大抵のモデルでは、これらの面は、概して非縦方向にある面(3)と面(4)より大きいコーティング厚を有するものと仮定されることになる。
【0020】
各ピラミッド面上の相対コーティング厚は、ソースおよびコーティング幾何形状の複雑な関数である。しかし、製品形態での所望の外観全体を達成するために、最適な相対コーティング厚が考慮されることになる。
【0021】
モデル#1は、ピラミッド形小平面または面がそれぞれ等しい厚さの誘電体を有する、回転による色効果を呈するモデルを提示する。したがって、コーティングの色は、各面が同じ角度で観察されたならば各面上で同じである。回転による色効果は、ピラミッド形構造物の各面上の誘電体コーティング厚に差がないとき、その構造物上で観察される。
【0022】
この場合には、緑/青の光学的可変顔料(OVP)コーティング設計に対応する、360nmのコーティング厚を有する誘電体スペーサ層に、MgF2層が使用された。
【0023】
OVPの面色(face color)は、垂直の観察位置で任意の面を観察したとき観察され、一方、角度色(angle color)は、非垂直の位置から観察したとき見える。この場合には、面軸および角度軸はすべて、各面が同じ誘電体厚を有する状態で等しいものとなる。モデル#1は、回転による色効果を達成するためにピラミッド構造物の面の間での誘電体厚の差が必要とされないことを示す。より簡単に言えば、面すべてを同じ厚さのコーティングで被覆し、所望の回転による色の効果を達成することができる。
【0024】
下記の表1は、ワイヤ・グリッド・フレーム・モデルにおいて、使用されたピラミッド形セルの「面観察」および「角観察」を示す。下記、同じ表には、カラー・シフト・コーティングを有する「単位セル・モデル」の観察があり、面観察は、緑の面色を示し、角観察は、同じ被覆セルから見られる水色を示す。表1内のセルの最後の行は、「単位セル・ピラミッドのアレイの表面観察」を示す。面観察に対応するピラミッドのアレイは、緑のピラミッドを示し、一方、角観察内で示されているアレイは、水色のピラミッドを示す。
【0025】
【表1】
【0026】
図2は、0度、すなわち面観察から、15度の増分での様々な角度による、また0度の元の面観察からの最大360度の回転に至る、モデル#1に関する様々な角度の色移動での観察を示す。
【0027】
それに対して、モデル#2は、隣接する面上で厚さが異なるコーティングを有する、回転による色を表す。この例示的な実施形態では、異なる隣接する小平面上に、異なる誘電体厚が与えられている。したがって、小平面または面(1)と(2)は、同じ厚さのコーティングで被覆され、面(3)と面(4)は、異なる同じ厚さのコーティング材料で被覆されている。モデル#2は、実際のコーティングを表すシミュレーションであるが、これらの設計パラメータを有するそのようなコーティングは、真空ロール・コータ内で、適正なソースおよびマスク用幾何形状を用いて被覆することができる。この実施形態では、縦方向の面(1、2)は、等しい誘電体厚を有し、一方、非縦方向の面(3、4)は、機械内での斜めの被覆角度により、それより少ない誘電体を有する。
【0028】
この実施形態では、隣接するピラミッド面が著しく異なる誘電体厚を有するため、誘電体厚すべてが等しいモデル#1の場合のように45度の回転ごとではなく、90度の回転ごとに最大色移動が観察される。モデル#2のケース1およびケース2によって例示される2つの異なる例が提供されており、それぞれ異なるコーティングが付着される。モデル#2ケース1では、提供されている比率は、公称MgF2設計厚に比べて、各面上に堆積されたコーティングの相対量を指す。たとえば、モデル#2ケース1については、ベース設計は、Al/MgF2(360nm)/Cr(6nm)である。したがって、この面1と面2比率が1であるこの例では、Al/MgF2(360nm)/Cr(6nm)というコーティング設計が使用される。比率が0.8である面3と面4については、Al/MgF2(288nm)/Cr(6nm)というコーティング設計が使用される。この比率は、MgF2誘電体スペーサ層の異なる厚さに関連する。
【0029】
【表2】
【0030】
モデル#2の第1のケースは、非縦方向面について0.8の比率を使用した。ケース2は、非縦方向面について0.9の乗数を使用する同様の構成を示す。
【0031】
【表3】
【0032】
非縦方向面比率を0.7に減少させると、90度および270度の角度で、青ではなく、赤みがかったマゼンタにシフトする。
【0033】
【表4】
【0034】
(モデル#2観察)
軸外しの面(3)と面(4)の誘電体厚を修正すると、これらの面が視界を支配する位置に基板を回転させたとき、観察される色に強い影響がある(90°および270°の回転角)。軸外しの面(3)と面(4)の誘電体厚を変化させると、反対向きの面(1)と面(2)を観察したとき、色に対する影響がより小さくなる。というのは、これらの面が傾斜しており、より小さな断面を提示し、光学コーティング設計をより高い角度から観察することにより色度を失うからである。
【0035】
面(3)と面(4)上の軸外しの色は、厚さ比率が変更されたとき、誘電体厚が変化しつつあるため、強く変動する。
【0036】
軸上の面と軸外しの面が共に同じ視野内で観察可能であることの別の重要な結果は、軸上の面を観察したとき、軸外しの面が観察される色に対して著しい貢献をすることである。より魅力的な見た目を有する、誘電体厚と軸外しの面比率のいくつかの組合せがある。というのは、以下の条件の一方または両方が発生する可能性があるからである。
(1)軸上で観察したとき、軸外しの小平面からの観察されるシフト色が、軸上の小平面の面色と十分に調和し、色同士が同様の色相角を有する。
(2)軸外しで観察したとき、軸上の小平面からの観察されるシフト色が、軸外しの小平面の面色と十分に調和する。
【0037】
以下の例は、上記の条件を例示する。
【0038】
モデル2ケース4では、マゼンタから緑のOVP設計に対応する480nmのベースMgF2厚を有する同じ単位セルが使用される。ケース1の場合と同様に、軸外しの面上のコーティング厚について比率0.80が使用される。この特定のケースでは、条件1および条件2が共に満たされる。これは、図6aおよび図6bに示されている。
【0039】
【表5】
【0040】
この例では、軸上の観察は、軸外しの面からの青シフト色と調和するマゼンタ設計を示す。軸外しの観察では、緑の面色が、マゼンタ面からの緑のシフト色と十分に調和する。
【0041】
全体として、モデル2ケース4は、軸上および軸外しで共に観察することにより、両観察軸において互いに補強する調和色が得られるため、非常に強い回転による色効果を示す。
【0042】
これらの要件を満たすために必要とされる、鍵となるパラメータは、誘電体屈折率、誘電体厚、軸上から軸外しの誘電体厚、および単位セル設計である。低い屈折率、すなわちMgF2など約1.6より低いものを有する誘電体は、軸上の向きおよび軸外しの向きで同様の色相角を有する調和色を達成するために必要とされる、より強いカラー・シフトを呈するので好ましい。高い屈折率の材料もまた、機能するがそれほど劇的でない結果を伴う回転による色を達成するように使用することができる。
【0043】
図8a、図8b、図9に示されているモデル2ケース5は、調和色が実現されない、すなわち同様の色相の色が軸上の向きで観察者に提示されず、観察される色があまり劇的でない別の場合の例を示す。このケースでは、調和色が依然として軸外しの向きで提示され、軸外しの観察で補強された金色が得られる。
【0044】
【表6】
【0045】
(モデル#3:ピラミッド高さおよび視角の最適化)
図10、図11、図12、図13によって示されるこのモデルは、製品の見た目に対するピラミッドの高さおよび視角の潜在的な影響を調査する。決定しなければならないパラメータの1つは、表面構造物の目標高さである。このモデルでは、製品の見た目全体に対する影響を調査するために、4つのピラミッド高さおよび3つの視角がシミュレーションされた。
【0046】
【表7】
【0047】
(視角の結論)
本発明の好ましい実施形態では、最も理想的な単位セルの高さ対底辺の比率は、0.636の高さ対底辺比率を有する「黄金ピラミッド」比率となることが実証されている。本発明者らのシミュレーションにおいて使用されている比率のうち、この比率は、基板平面の上方で25度から65度に及ぶ基板視角の典型的な範囲にわたって最も少ない見た目の色変動を示した。0.8の高さ対底辺比率もまた、許容可能であることが判明した。
【0048】
0.4の場合など、高さ対底辺比率が低くなると、基板平面からの視角の関数として、色相が大きく変化する。この実施形態では、視角が増大するにつれて、軸外しの観察が極端に黄色みを帯びる。また、1.0など、高さ対底辺比率が高くなると、基板平面からの視角の関数として、著しい色相変動を示し始めた。
【0049】
実施されたシミュレーションを介して、本発明者らは、最適な高さ対底辺比率が0.6から0.8の範囲内にあるのは明らかであることを見出した。この場合には、軸外しの面が、軸上の面が受け取りつつあるコーティングの80%を常に受け取りつつあるものと仮定した。これは、コーティング幾何形状の制約により、高さ対底辺比率が小さくなると、おそらくは実現可能でない。しかし、基板平面からの視角が変動したとき最も少ない視覚的変動を生み出す最適な単位セルの高さ対底辺比率があることは明らかである。
【0050】
モデル化の結果として、本発明者らは以下のように結論を下す。すなわち、
1)ピラミッド形構造物上で回転による色効果を達成するために、面上のMgF2厚の差は必要とされない。回転による色は、等しいコーティング厚の場合でさえ観察可能となる。この場合、最大色移動は、45度軸上で発生することになる。
2)等しくない小平面MgF2厚については、90度の回転軸上で最大の色移動と共に、より強いカラー・シフトが観察される。
3)より強い回転による色効果は、同様の色相角を有することによって小平面色が互いに補強し合う状況で観察されることになる。
4)モデル3は、基板を異なる傾斜角で観察したとき最適な色移動をもらたすための最適な高さ対底辺比率に関する情報を提供する。
【0051】
ピラミッドのアレイは、可撓性または剛性の変形可能な基板を適切なマスターからエンボス加工することによって形成することができる。マスターは、ダイアモンド・カッティング、または電子ビーム・リソグラフィ、イオン・ミリング、もしくは他の微細複製技法など他の好適な微細加工技法によって作製することができる。本発明者らは、諸技法を使用し、エンボス加工工程で使用することができるマスターを作製することができると考える。一実施形態では、リリース層を有する無電界ニッケルを用いてポジ型ニッケル・マスターを作製するためのテンプレートとして、印刷業で使用される、所与のピラミッドおよび他の形状を有するアニロックス(anilox)ローラを使用し、その後で、そのニッケル・マスターからニッケル・ドータ・イメージ(daughter image)を成長させ、そのニッケル・ドータ・イメージを使用し、ポジ型ピラミッド形状を作製するためにウェブ上のUV硬化可能なラッカをエンボス加工する。アニロックス・ローラに関する情報は、現在、インターネット上で、http://www.harperimage.com/anilox−specify.aspおよびhttp://www.appliedlaser.co.uk/anilox.htmで見出すことができる。
【0052】
これまでに述べた実施形態すべてにおいて、ピラミッドの寸法は、目の分解能より小さいことが好ましい。したがって、ピラミッドの高さは、100ミクロン未満であることが好ましい。これは、1つのカラー・シフトがなぜ発生しているかについて観察者にとって明らかでないことになるため、セキュリティから見て重要である。
【0053】
視覚的に魅力的なセキュリティ・コーティングを提供することに加えて、本発明の実施形態は、使用される変調の程度に応じて、公然の、または秘密の可読「バー・コード」効果を生み出すように線形的な順序でピラミッドの高さを変えることによる線形符号化の形態を使用する。公然の画像、記号、単語を、単位セルに対する幾何形状の変動によるパターン内に書き込むことができる。セル高さ、向き、セル・サイズ、小平面角度の変更は、すべて情報を符号化するために使用することができる。図17は、文字の領域において基板を露出することによる文字「A」の形の印を示す。
【0054】
図面に示されていない本発明の一実施形態では、ロゴを形成するためのピラミッドの特定の領域を、セキュリティ・デバイス内の対照的な背景として働く他のピラミッドに対して45度で配向し、すべてのピラミッドを同じカラー・シフト・コーティングで被覆することによって、可視のロゴが形成される。このようにして、ロゴを形成するピラミッドは、背景のピラミッドの色と異なる第1の色で見える。デバイスが回転されたとき色が変化し、特定の角度では、2つの領域の色が切り替わるように見える。
【0055】
ロゴまたは字句の形の印をピラミッドのアレイ内で、またはピラミッド間で符号化することができる様々な他の実施形態を想定することができる。ピラミッドの領域は、他のものと異なる幾何形状を有することができ、それにより、ロゴまたはテキストを画定するように視覚的に区別することを可能にする。特定の実施形態では、ウェブ上の大抵のエリアが、同じピラミッド幾何形状を有するが、いくつかの領域内で一部のピラミッドが、異なる面角度を有するセキュリティ・スレッド(security thread)がある。これにより、デバイスが回転されたとき画像が現れることが可能になる。別法として、いくつかの裁頭ピラミッドが、ある領域内で平坦な頂部を備えることができ、それにより、他の通常の形状のピラミッドと区別可能なロゴまたは印を画定する。本質的に、これらの実施形態のすべてで必要とされるものは、印を画定するように視覚的に区別可能な、ピラミッドのより大きな領域内の領域である。
【0056】
これまで、平坦な表面を有するピラミッドについて述べたが、回折溝が形成された1つまたは複数の面を有するピラミッドは、述べられているカラー・シフトに対して追加の効果をもたらすことになる。たとえば、底辺から頂点に延びる表面溝を有するピラミッドを設けることができ、また、階段状のピラミッドを設けることもできる。階段状のピラミッドは、小さな回折幅で階段を有することができ、またはそれより大きなものとすることができる。これらのピラミッドは、特に面上の鏡面反射コーティングと共に、面が回転移動したとき興味深い色/消色効果をもたらすことになる。
【0057】
さらに、そのようなピラミッドは、たとえばアルミニウムの鏡面コーティングを用いてさえ、興味深い効果をもたらすことになる。カラー・シフト・コーティング済みピラミッドと区別可能なロゴまたは印を形成するように、アルミニウム処理されたピラミッドを、光学的可変コーティング済みピラミッド内で意図的に分散された、選択されたパターンで設けることができる。
【0058】
ピラミッドの様々なパッキング構成を提供することができる。たとえば、図15は、基板の平坦な空間が立てピラミッド間に示されている一実施形態を示し、図16では、立てピラミッドと逆ピラミッドが並置されて示されている。
【0059】
また、ピラミッドは、図に示されている縦方向に対して斜めにして設けることができる。
【0060】
本発明の好ましい実施形態は、カラー・シフト・インクを用いたピラミッドの印刷に関する。インタリオ(Intaglio)印刷は、非印刷画像エリアに対して印刷画像エリア内に凹部が形成されている印刷プレートを使用する周知の印刷方法である。インタリオ印刷プレート全体が、極めて粘性の高いインクで充填された後で、印刷画像エリア内だけインクを残すように、非印刷画像エリア上のインクが拭い去られる。その後で、用紙などウェブまたは基板が、大きな圧力下で印刷プレートに直接押し付けられ、印刷画像エリア内に残るインクを紙上に転写する。線凹版(line−engraved)インタリオ印刷は、一般に、紙幣などセキュリティ文書を印刷するために使用され、インタリオ印刷インクが堆積されている彫刻を有する印刷シリンダを使用する。そのような印刷で使用される、極めて粘性の高いペーストのようなインタリオ・インクは、実質的に、グラビア、オフセット、インクジェット印刷など、他の形態の印刷で使用されるインクと本質的に異なる。他のセキュリティ文書および通貨用の光学的可変プリントは、しばしば枚葉給紙型インタリオ・プレス上で印刷される。この印刷工程は、プレートからのインク転写において紙にかかる巨大な圧力(数トン/平方インチ)、高プレス速度(60.96〜152.4m(200〜500フィート)/分)、インクの超粘性、および表面速乾性を必要とする。
【0061】
次に図18を参照すると、ピラミッド形構造物を印刷するための凹版印刷プレート180が示されている。プレート180はインタリオ・タイプのプレートであり、カラー・シフト・ピラミッド形構造物のアレイを形成する際に使用するための凹版ピラミッド形のくぼみ(indentation)182が示されている。印刷時に使用するためのインクは、光学的可変顔料と、好ましくはカラー・シフト顔料とを含有する。
【0062】
カラー・シフト・インクから形成された印刷済みアレイにより、回転による色をもたらす画像が得られる。これは、有機層をPET基板上に堆積し、その後で、すべて同じ面角度を有するピラミッドをそこにエンボス加工することと、それに続くこれらのピラミッド上へのOVD薄膜インターフェース設計の真空堆積によって回転による色を得ることができる、これまでに述べた実施形態に対する、回転による色を得るための代替の実施形態である。
【0063】
それにもかかわらず、カラー・シフト・インクを用いてピラミッド形構造物を印刷することは、行うのがより簡単かつよりコスト効果的であると考えられ、ピラミッドのアレイを有するインタリオ・プレートを作成することにより、簡単に現行のインタリオ・プレス上でこれらの回転による色効果を達成することができる。上記で示されている図は、カラー・シフト顔料を有するピラミッド形構造物を印刷することによって得られた、結果として生じるパターンおよびカラー・シフト効果を実証するのに適している。
【0064】
好ましくは、本発明による印刷ピラミッドは、対応する底辺寸法と共に高さ20〜100ミクロン、または、高さ対底辺比率が1:5〜5:1の間、好ましくは1:2〜2:1、より好ましくは0.5:1〜1:0.5の間となり、その結果、高さは、無単位寸法(unit less dimensions)における0.5〜1.0で変動することができ、底辺は、1.0〜0.5で変動することができ、回転による色を達成することになるような様々な寸法を有する。
【0065】
顔料サイズは、ピラミッドのサイズに対処するように調整され、その結果、より小さい光学的可変顔料または他の顔料が、20ミクロン・ピラミッドについて5ミクロン程度とすることができ、たとえば10または20ミクロンのサイズ設定された顔料が100ミクロン・ピラミッドに適している。
【0066】
インタリオ印刷によって加えられる圧力において、ピラミッド形キャビティ内への粘性流の組み合わせは、粒子をピラミッドの面平面に対して平坦に配向させる傾向がある。一部の粒子は、より小さな部片に破砕され、その結果、小さな小板(platelet)が依然としてピラミッドの表面の平面に対して平行に残る。小板がピラミッド面に対して平行に残らない場合でさえ、他の色が提示されることになるため、回転による色は依然として発生することになる。
【0067】
3つの異なる傾斜表面を有する3面ピラミッドがカラー・シフト・インクで印刷された一実施形態では、印刷された画像を回転させたとき、3つの異なる色を達成することができた。3つ以上の異なる色を得ることが、極めて望ましい。
【0068】
顔料は、光学的可変顔料(OVP)の代わりに、角度と共に何らかのカラー・シフトを有する干渉マイカ、カラー・シフト液晶顔料、さらには磁気カラー・シフトOVPなど、他の顔料を含有することができ、カラー・シフト顔料に加えて、干渉顔料および非干渉顔料を含むことになる非シフト顔料を有することができる。
【0069】
図19は、くぼみのピラミッド192の形態でくぼみを有する印刷プレート190と、ピラミッド196が印刷された付随する基板194とを示す図面であり、基板194は、図ではプレート190から除去されつつある。
【0070】
キャリア内のフレークの濃度は、インクの総重量に基づいて5〜50重量%の範囲内にあり、インタリオ・ペーパ・ワイプ・インク(paper wipe ink)については、好ましくは20〜40%、より好ましくは30%、UVシルクスクリーン・インクについては、好ましくは20〜40%、より好ましくは20%、UVフレキソインク(flexographic ink)については、好ましくは20〜40%、より好ましくは25%の範囲内にある。そのような濃度および配合は、SICPA Holdingに譲渡されたWO2007/131833に示されており、その全体を参照により組み込む。
【0071】
前述のインタリオ・タイプ印刷から変わる本発明の代替の実施形態では、50〜100ミクロンの厚さに被覆されているUV硬化可能なインクまたはインタリオ・インクが、その表面上にポジ型ピラミッド形構造物を有するエンボス加工ツールを用いてエンボス加工される。ポジ型エンボス加工ピラミッド間の空間は、エンボス加工後、硬化可能なインク内でポジ型の印刷済みピラミッドになる。具体的には、5ミクロンと45ミクロンの間の高さを有するピラミッドを用いるエンボス加工は、湿潤厚が50ミクロンであるインタリオ・インク(UV硬化型)に見られる湿潤高粘度フィルム上で行うことができる。
【0072】
以上、本発明の多数の実施形態について述べ、これらの実施形態のすべてが同様の色変化効果、すなわち、基板に対して垂直な軸の周りで基板が回転されたとき、ピラミッドのアレイの可視色が変化する、回転による色変化を有する。この特徴は、保護される文書または物品上のセキュリティ特徴として使用することも、物品上の装飾的な特徴として使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の一態様によるピラミッド形セルの等角投影図である。
【図2】各視角がその、または先行する視角から15度だけ変わる異なる視角で25個の観察を示すモデル#1の図であり、モデルが回転されたとき色移動が見られる。
【図3】各視角がその、または先行する視角から15度だけ変わる異なる視角で25個の観察を示す、ケース1を示すモデル#2の図であり、モデルが回転されたとき色移動が見られる。
【図4】各視角がその、または先行する視角から15度だけ変わる異なる視角で25個の観察を示す、ケース2を示すモデル#2の図であり、モデルが回転されたとき色移動が見られる。
【図5】各視角がその、または先行する視角から15度だけ変わる異なる視角で25個の観察を示す、ケース3を示すモデル#2の図であり、モデルが回転されたとき色移動が見られる。
【図6a】モデル#2ケース4の軸上の観察を示す図である。
【図6b】モデル#2ケース4の軸外しの観察を示す図である。
【図7】各視角がその、または先行する視角から15度だけ変わる異なる視角で25個の観察を示す、ケース4を示すモデル#2の図であり、モデルが回転されたとき色移動が見られる。
【図8a】モデル#2ケース5の軸上の観察を示す図である。
【図8b】モデル#2ケース5の軸外しの観察を示す図である。
【図9】各視角がその、または先行する視角から15度だけ変わる異なる視角で25個の観察を示す、ケース5を示すモデル#2の図であり、モデルが回転されたとき色移動が見られる。
【図10】3つの異なる位置で回転され、3つの異なる視角にある、0.1の高さ/底辺比率を有するモデル#3を示す図である。
【図11】3つの異なる位置で回転され、3つの異なる視角にある、0.4の高さ/底辺比率を有するモデル#3を示す図である。
【図12】3つの異なる位置で回転され、3つの異なる視角にある、0.631の高さ/底辺比率を有するモデル#3を示す図である。
【図13】3つの異なる位置で回転され、3つの異なる視角にある、0.8の高さ/底辺比率を有するモデル#3を示す図である。
【図14】3つの異なる位置で回転され、3つの異なる視角にある、1.0の高さ/底辺比率を有するモデル#3を示す図である。
【図15】隣接するピラミッド間に平坦なウェブがある3面ピラミッドのアレイの平面図である。
【図16】立てピラミッドが示されており、異なる色のピラミッドが、逆ピラミッドを表す、図15の図と同様の図である。
【図17】ウェブ内に画定された文字「A」を、この領域内をピラミッドがない状態にすることによって有するモデルを示す図である。
【図18】カラー・シフト・インクの形でピラミッド形構造物を印刷するためのピラミッド型凹部を有するインタリオ印刷プレスを示す図である。
【図19】印刷プレートおよびそのプレートから部分的に除去されたことが示されるインク入りウェブの断面図を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1 立て斜壁
2 立て斜壁
3 立て斜壁
4 立て斜壁
180 凹版印刷プレート
182 凹版ピラミッド形くぼみ
190 印刷プレート
192 くぼみのピラミッド
194 基板
196 ピラミッド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を備え、前記基板上に形成され、前記基板によって支持された、光学的可変インクで形成された構造物のアレイを有する光学的可変デバイスであって、前記構造物がピラミッド形の構造物であり、各ピラミッド形の構造物が少なくとも3つの斜面を有し、前記基板に対して直交する軸の周りで前記基板が少なくとも30度回転されたとき、印刷されたピラミッド形の構造物の前記アレイを観察したときに1つまたは複数の色が見える光学的可変デバイス。
【請求項2】
前記構造物が、印刷された構造物である、請求項1に記載の光学的可変デバイス。
【請求項3】
前記光学的可変インクが、カラー・シフト・フレークを有するキャリアを含む、請求項2に記載の光学的可変デバイス。
【請求項4】
前記カラー・シフト・フレークが多層フレークであり、前記フレークの平均最大寸法が、前記フレークが一部を形成するピラミッド形の構造物の高さの半分未満である、請求項3に記載の光学的可変デバイス。
【請求項5】
前記ピラミッド形構造物のそれぞれが、高さ150ミクロン未満である、請求項3に記載の光学的可変デバイス。
【請求項6】
可視の印を形成するように、前記構造物間の間隙、または構造物の前記アレイと異なる構造物が、構造物の前記アレイ内で構造物間に設けられ、前記印が、拡大することなしに識別可能となるようにサイズ設定される、請求項1に記載の光学的可変デバイス。
【請求項7】
前記ピラミッド形構造物のアレイと区別可能な可視の印を有する、請求項2に記載の光学的可変デバイス。
【請求項8】
前記ピラミッド形の構造物の少なくとも50%の高さ対底辺比率が、0.6から0.8の範囲内にある、請求項3に記載の光学的可変デバイス。
【請求項9】
第1の複数の前記ピラミッド形の構造物が第1の所定の向きで配向され、第2の複数の前記ピラミッド形の構造物が第2の異なる向きで配向され、その結果、前記第1の複数の構造物が前記第2の複数の構造物と異なる色であるように見える、請求項3に記載の光学的可変デバイス。
【請求項10】
連続するピラミッド形の構造物の第1のグループが、連続する構造物の第2のグループと異なるものであり、前記第1と第2のグループが、視覚的に区別可能な印を形成する、請求項1に記載の光学的可変デバイス。
【請求項11】
ピラミッド形の構造物の前記面のそれぞれが、前記基板と異なる角度を形成する、請求項1に記載の光学的可変デバイス。
【請求項12】
ピラミッド形の構造物の前記面のそれぞれが、前記基板と同じ角度を形成する、請求項1に記載の光学的可変デバイス。
【請求項13】
前記光学的可変インクがフレークで構成され、前記フレークの少なくとも一部が、単一キャビティのファブリ・ペロー構造を形成する、請求項1に記載の光学的可変デバイス。
【請求項14】
前記光学的可変インクがフレークで構成され、前記フレークの少なくとも一部がそれぞれ、多キャビティのファブリ・ペロー構造を形成する、請求項1に記載の光学的可変デバイス。
【請求項15】
複数の前記ピラミッド形の構造物が、四面体ピラミッド、方形ピラミッド、五角形ピラミッド、および平坦な頂部を有する裁頭ピラミッドのうちの少なくとも1つである、請求項2に記載の光学的可変デバイス。
【請求項16】
前記光学的可変インクが、回折パターンが形成されている少なくともいくつかのフレークを含む、請求項1に記載の光学的可変デバイス。
【請求項17】
前記光学的可変フレークが磁気フレークである、請求項3に記載の光学的可変デバイス。
【請求項18】
前記光学的可変インクが、液晶ポリマー顔料で構成される、請求項2に記載の光学的可変デバイス。
【請求項19】
回転と共に色の可視変化を呈するデバイスを製造する方法であって、
a)基板を用意するステップと、
b)前記基板上に、光学的可変特性を有する粘性のインクを用いて、ピラミッド形構造物のアレイを形成するステップであって、前記アレイ内のピラミッド形構造物が、小さいものであり、それぞれ拡大することなしには人の目によって識別することができない、ステップと、
c)前記粘性のインクを硬化させるステップと
を含む方法。
【請求項20】
前記形成するステップが、印刷するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記形成するステップが、エンボス加工するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記ピラミッド形構造物が、少なくとも3つの実質的に平坦な面を有し、前記インクが、粘性のキャリアおよびカラー・シフト・フレークで構成される、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記印刷するステップが、インタリオ印刷工程を用いて実施され、前記インクが光学的可変フレークを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記光学的可変フレークがカラー・シフト・フレークであり、前記小さなピラミッド形構造物を印刷するために使用されるプレートに凹部が形成されており、凹部が逆ピラミッド形を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項1】
基板を備え、前記基板上に形成され、前記基板によって支持された、光学的可変インクで形成された構造物のアレイを有する光学的可変デバイスであって、前記構造物がピラミッド形の構造物であり、各ピラミッド形の構造物が少なくとも3つの斜面を有し、前記基板に対して直交する軸の周りで前記基板が少なくとも30度回転されたとき、印刷されたピラミッド形の構造物の前記アレイを観察したときに1つまたは複数の色が見える光学的可変デバイス。
【請求項2】
前記構造物が、印刷された構造物である、請求項1に記載の光学的可変デバイス。
【請求項3】
前記光学的可変インクが、カラー・シフト・フレークを有するキャリアを含む、請求項2に記載の光学的可変デバイス。
【請求項4】
前記カラー・シフト・フレークが多層フレークであり、前記フレークの平均最大寸法が、前記フレークが一部を形成するピラミッド形の構造物の高さの半分未満である、請求項3に記載の光学的可変デバイス。
【請求項5】
前記ピラミッド形構造物のそれぞれが、高さ150ミクロン未満である、請求項3に記載の光学的可変デバイス。
【請求項6】
可視の印を形成するように、前記構造物間の間隙、または構造物の前記アレイと異なる構造物が、構造物の前記アレイ内で構造物間に設けられ、前記印が、拡大することなしに識別可能となるようにサイズ設定される、請求項1に記載の光学的可変デバイス。
【請求項7】
前記ピラミッド形構造物のアレイと区別可能な可視の印を有する、請求項2に記載の光学的可変デバイス。
【請求項8】
前記ピラミッド形の構造物の少なくとも50%の高さ対底辺比率が、0.6から0.8の範囲内にある、請求項3に記載の光学的可変デバイス。
【請求項9】
第1の複数の前記ピラミッド形の構造物が第1の所定の向きで配向され、第2の複数の前記ピラミッド形の構造物が第2の異なる向きで配向され、その結果、前記第1の複数の構造物が前記第2の複数の構造物と異なる色であるように見える、請求項3に記載の光学的可変デバイス。
【請求項10】
連続するピラミッド形の構造物の第1のグループが、連続する構造物の第2のグループと異なるものであり、前記第1と第2のグループが、視覚的に区別可能な印を形成する、請求項1に記載の光学的可変デバイス。
【請求項11】
ピラミッド形の構造物の前記面のそれぞれが、前記基板と異なる角度を形成する、請求項1に記載の光学的可変デバイス。
【請求項12】
ピラミッド形の構造物の前記面のそれぞれが、前記基板と同じ角度を形成する、請求項1に記載の光学的可変デバイス。
【請求項13】
前記光学的可変インクがフレークで構成され、前記フレークの少なくとも一部が、単一キャビティのファブリ・ペロー構造を形成する、請求項1に記載の光学的可変デバイス。
【請求項14】
前記光学的可変インクがフレークで構成され、前記フレークの少なくとも一部がそれぞれ、多キャビティのファブリ・ペロー構造を形成する、請求項1に記載の光学的可変デバイス。
【請求項15】
複数の前記ピラミッド形の構造物が、四面体ピラミッド、方形ピラミッド、五角形ピラミッド、および平坦な頂部を有する裁頭ピラミッドのうちの少なくとも1つである、請求項2に記載の光学的可変デバイス。
【請求項16】
前記光学的可変インクが、回折パターンが形成されている少なくともいくつかのフレークを含む、請求項1に記載の光学的可変デバイス。
【請求項17】
前記光学的可変フレークが磁気フレークである、請求項3に記載の光学的可変デバイス。
【請求項18】
前記光学的可変インクが、液晶ポリマー顔料で構成される、請求項2に記載の光学的可変デバイス。
【請求項19】
回転と共に色の可視変化を呈するデバイスを製造する方法であって、
a)基板を用意するステップと、
b)前記基板上に、光学的可変特性を有する粘性のインクを用いて、ピラミッド形構造物のアレイを形成するステップであって、前記アレイ内のピラミッド形構造物が、小さいものであり、それぞれ拡大することなしには人の目によって識別することができない、ステップと、
c)前記粘性のインクを硬化させるステップと
を含む方法。
【請求項20】
前記形成するステップが、印刷するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記形成するステップが、エンボス加工するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記ピラミッド形構造物が、少なくとも3つの実質的に平坦な面を有し、前記インクが、粘性のキャリアおよびカラー・シフト・フレークで構成される、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記印刷するステップが、インタリオ印刷工程を用いて実施され、前記インクが光学的可変フレークを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記光学的可変フレークがカラー・シフト・フレークであり、前記小さなピラミッド形構造物を印刷するために使用されるプレートに凹部が形成されており、凹部が逆ピラミッド形を有する、請求項20に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2008−293009(P2008−293009A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−120745(P2008−120745)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(502151820)ジェイディーエス ユニフェイズ コーポレーション (90)
【氏名又は名称原語表記】JDS Uniphase Corporation
【住所又は居所原語表記】1768 Automation Parkway,San Jose,California,USA,95131
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−120745(P2008−120745)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(502151820)ジェイディーエス ユニフェイズ コーポレーション (90)
【氏名又は名称原語表記】JDS Uniphase Corporation
【住所又は居所原語表記】1768 Automation Parkway,San Jose,California,USA,95131
【Fターム(参考)】
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